有大神翻译不。。或者有汉化就更好了

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立华奏
有大神翻译不。。或者有汉化就更好了
毒牙~絡み付く魔性の快楽~

雨が、静かに降っていた。
雨粒が木々を濡らし、しっとりと湿気を含んだ空気が森を包む。
霧に煙るその森の奥深くに、その館はあった。湖畔に面したその館は、
雨の中、何かを待っているか
立华奏
Re: 有大神翻译不。。或者有汉化就更好了
毒牙~絡み付く魔性の快楽~

雨が、静かに降っていた。
雨粒が木々を濡らし、しっとりと湿気を含んだ空気が森を包む。
霧に煙るその森の奥深くに、その館はあった。湖畔に面したその館は、
雨の中、何かを待っているかのようにひっそりと建っていた……。

ドッ、ドッ、ドッ、ドッ……。
一等の馬が、森の中を進む。その背には、1人の若い男。
「……弱ったな、ここは一体どこなんだ?」
レオンは、辺りを見回しながらつぶやいた。
深い紺色のマントも、その下の上等の上着も、雨に濡れそぼってしまっている。

「こんな事なら、昨日のうちに帰っておけばよかったな……。」
後悔のつぶやきを漏らすレオン。
彼は、この辺り一帯を支配する貴族、グレンベルク家の次男で、山向こうの領主
アルスター家の主催する舞踏会からの帰りだった。夜通し踊り明かし、
帰途に就いたのは夜が明けてからだった。

「……舞踏会自体も、ちょっと退屈だったしな……。」
舞踏会の記憶に思いが及び、レオンはひとつ溜息をつく。
レオンは18歳、恋愛や結婚の話も多い年頃である。
とはいえ、次男であることもあって、彼は政略結婚などとは比較的縁が遠い。
むしろ彼の容姿に魅せられて、舞踏会などでは自然と年頃の
貴族の娘達が彼の周りに寄ってくる。
僅かにくせのある、鮮やかな金色の髪、きめの細かい白い肌、
女性的な繊細さと男性的な鋭さが同居した、整った顔立ち。
実際、娘達を舞踏会に呼ぶ目的で、レオンが招待されることも少なくなかった。

しかし、レオンにしてみれば、次から次へと群がってくる娘達の
相手をするのは、もちろん楽しくないわけではないが、一方で
少々退屈な作業でもあった。娘達は皆きらびやかなドレスを着飾り、
同じ様に美しく化粧した顔に、判で押したような微笑みを浮かべ、
彼の話に一様に同じ反応を返し、ダンスのステップまで機械のように全く同じ……
どんな美しい花も、何百本と同じものを見せられれば飽きが来るというものだ。

そんな事を考えながら、レオンは馬を進ませる。
「それにしても、おかしいな……こんな所で迷うなんて……。」
レオンは、この森の道はよく知っているつもりだった。
舞踏会などでアルスター家に行き来するときは、必ずこの森を抜ける。
何度も通った事のある道なので、迷うなどとは思いも寄らなかった。
そもそも、この道は一本道で、迷いようもなかったはずなのだが……。

しかし、いつの間にかレオンは、全く見覚えのない場所に出ていた。
道に迷ったと気づき、引き返そうとしたが、ますます道が分からなくなり、
そうこうしているうちに雲行きが怪しくなって、とうとう雨が降りだしてしまった。
「……弱ったな……せめて、雨をしのげる所がないか……。」
途方に暮れるレオン。その時、異変が起こった。

「ヒィン、ヒヒーン!!」

突然、レオンの乗っている馬が暴れ出した!「!どう、どう!!」暴れる馬をなんとか抑えようとするレオン。ふと下を見ると、
そこには異様な光景が広がっていた。
薮から出てきたのか、何匹もの大きな蛇が、馬を襲っている。
太さは人間の腕ほどもあり、長さは4、5メートルはあるだろうか……
暴れる馬の脚に咬み付き、まだら模様の胴体をぐねぐねとくねらせている。

「くっ!何だこいつら!!」
慌てて馬から飛び降り、腰のナイフを抜く。戦闘用の剣術はほとんど習ってないが、
護身用に、ナイフぐらいは不自由なく使えるように訓練を受けている。
またナイフとは言っても、刃渡り20センチ程もある大型ナイフである。
短剣と言っても差し支えないだろう。レオンは、襲われている馬を助けるべく、
大蛇の群に斬りかかった。

ズバッ!……バヅッ!、ザスゥッ!

レオンのナイフに切り裂かれ、次々と動かなくなる大蛇。
それを見て、他の蛇は散り散りに逃げ始める。しかし……。

カッ……!
「うっ!!」

わずかな隙に、一匹の大蛇がレオンの脚に咬み付いた!
「しまった!」
一瞬遅れてナイフが走り、大蛇は首を落とされて動かなくなった。
他の蛇は逃げていったようだ……。

レオンは足首を押さえてうずくまる。
咬まれたところがじんじんと痺れるように痛む……。
「まずい……!」
レオンは手早くブーツを脱ぎ、ズボンをめくりあげる。
ふくらはぎの辺りを咬まれたようだ。
「毒を出さないと……!」
咬まれた場所に口が届かないので、毒を吸い出すことはできない。
やむなく、レオンは傷口の周りを押さえて毒を揉み出す……。
そして、包帯の代わりにマントの端をナイフで切り裂いて、傷口に巻く。心臓に近い
方は特にきつく縛って、レオンは応急処置を終え、愛馬に歩み寄る。

……馬はすでに横倒しになって、虫の息になっていた。もう、助からないだろう……。
「……………。」
レオンは、必要最低限の荷物だけを持って、よろよろと歩き出す。
「なんて事だ……このままじゃ……う……。」
一歩歩く毎に、咬まれた脚がズキズキと痛む……。
人気のない森の中、道に迷い、蛇の毒に犯されて、しかも助けが来る望みはない……
レオンは生命の危機をはっきりと感じた。応急処置をしたとは言え、蛇の毒は
徐々に彼の身体を蝕んでいく。熱を帯びた痺れは脚からしだいに全身に拡がり、
息は荒く、身体は重くなっていく……。

「はぁ、はぁ……あ、くっ……う……ぅ…………。」
そしてついに、レオンは胸を押さえながら膝をついてうずくまる。
そのままゆっくりと崩れ落ち、雨に濡れる地面にべちゃりと倒れ伏し、動かなくなった。

……やがて、雨に煙る森の中に人影が一つ、浮かび上がる。
人影は、死んだように動かないレオンの元に、ゆっくりと近づいていく……。


……………。

気が付くと、レオンはいつの間にか、アルスター家の館にいた。
舞踏会が催されている。彼の周りには、いつものように貴族の娘達が群がり、
華やかな、それでいて少し退屈な雰囲気を醸し出している。

「ねぇ、レオン様?もう一度、さっきのお話を聞かせて下さいませ……。」
「私もお聞きしたいわ……マルタ高原を旅した時のお話……。」
「あら、次は私がお話しするのよ。ねえ、レオン様……。」
娘達は、次々とレオンの元にやってきては、もう何十回と繰り返した話を
飽きもせずせがむ。娘達にとっては、レオンと話をする事、レオンの側にいる事こそが
嬉しいのであって、話の内容はむしろどうでもいいようだった。
レオンは、心の中でひとつ溜息をつきながら、娘達に笑みを返し、話を始める……。

ふと、レオンの目が止まる。
娘達の垣根の向こうで、一人の女性がこっちを見つめている。
年の頃は二十歳過ぎぐらいだろうか……落ちついた雰囲気の、気品に満ちた
女性だった。穏やかな微笑みをたたえて、レオンを見つめている……
レオンは、何故かその女性から目を離せなくなった。
何か、吸い込まれてしまうような感覚がレオンを捉える。
その女性の持つ、磁力のような力に視線を吸い付けられて、レオンは立ちすくんだ。
周りに群がる娘達も、豪華な内装の館もいつしか視界から消え去り、その女性の姿だけが
レオンの視界一杯に拡がってくる……。
そして、その姿に見とれるうちに、目眩のような感覚がレオンを襲う。
徐々に視界が暗くなっていき、最後に女性の微笑みを残して、レオンの視界は
闇に閉ざされていった……。

……………。
「う……。」
レオンは呻きながら目を開く。全身に、熱を持った痺れの感覚が戻ってくる……。
どうやら夢を見ていたようだ……。
ふと気づくと、レオンは豪華なベッドに寝かされていた。
ベッドも、部屋の内装も記憶にないものだった。やや古風なデザインで、
しかしレオンの目から見ても贅をつくした物である事がはっきりと見て取れる。

「気がつかれましたか……?」
ふと、間近で声をかけられて、はっとするレオン。声のする方を向くと、
ベッドの脇に女が座っているのに気が付いた。
咄嗟に起きあがろうとするレオンの身体を、激痛が貫く。

「ぐっ……!!」
「いけませんわ、まだ無理をなさっては……。」
痛みに呻くレオンを、覆い被さるようにして女が寝かしつける。その顔が間近に
近づき、レオンは再びはっとする。

その女は、夢に現れたあの女性だった。夢の中で魅了された、そのままの気品と
華やかさを兼ね備えた美しい顔。その、吸い込まれるような瞳に見つめられ、
レオンは我知らず胸が高鳴るのを感じた。

女は再びベッドの脇の椅子に腰を降ろし、話し始める。
「驚きましたわ、馬の悲鳴が聞こえたので何かと思って出て見たら、
 あなたが倒れてらして……見つけるのがもう少し遅れていたら、
 危ない所でしたわ……。でも、もう大丈夫……毒消しのお薬を塗って
 おきましたので……2、3日お休みになっていれば、良くなりますわ……。」
「……そうですか……ありがとうございます……
 ……貴女に助けていただかなければ、きっと僕は死んでいたでしょう……。」
感謝の言葉を述べるレオンに、女は夢の中で見たのと全く同じ、
柔らかな微笑みを返す。

「あの……お名前は……?」
「エフィールと申します……。あなたは……?」
「レオン=アスフォード=グレンベルクです……レオンと呼んで下さい……。」
微笑むエフィールの、その瞳に視線を吸い取られたまま、レオンは話を続ける。
もっと彼女と話していたい、側にいたいという欲求が、レオンの心の内側から
溢れ出てくる……レオンは、舞踏会で彼に群がる娘達と同じ気持ちになっていた。
「……ここは、森の中……ですよね?貴女は、ずっとここに?」
「ええ……訳あって、私はこの館に住んでいるのです……。」
そういって、エフィールは少し表情を曇らせた。

「……ここは、私の……いえ、私の愛しい人の館……。」
その言葉に、レオンはちくり、と胸が痛むのを感じる。
「その愛しい人、というのは……?」
「……今は……もう、亡くなりました……。
 ……私は、ここで……その人の思い出と共に暮らしているのです……。」
「そうですか……これは、聞いてはいけない事を聞いてしまったようですね……
 ……すみません……。」
謝るレオンに、エフィールは首を横に振って答える。
「いいえ、そんなことはありませんわ……こうして久しぶりに人とお話していると、
 私の心の中の、失われてしまった物が、少しづつ癒されていくようですわ……。」

窓の外は雨が降り続いている。室内には明かりが少なく、やや薄暗い。
窓から射し込む光が、エフィールの美しい顔に影を落としている。
レオンは、時間を忘れてエフィールと会話を楽しんだ。たわいもないような話題でも、
こうして彼女と話し、同じ時を過ごしている事が楽しく、嬉しかった。
その想いに駆られるまま話し込むうちに、いつしか雨もやみ、日も傾いてきた。

「さあ……もうしばらくお休みになって下さいませ……。
 私は、夕食の支度をして参りますわ……。」
そう言って、エフィールは席を立つ。
「あ……エフィールさん……。」
思わず、レオンは彼女を呼び止める。もう少し、一緒にいたい……
もう少し、話をしていたいという気持ちが、彼をつき動かしていた。

「……何でしょう……?」
穏やかな表情で振り返るエフィール。
「貴女の事を……『エフィール』と呼んでもいいですか?」
その言葉に、彼女の顔に、花がほころぶような微笑みが広がった。
華やかな雰囲気が彼女から拡がり、薄暗い部屋がわずかに
明るくなったかのようにすら思える。
「ええ、喜んで……では、失礼いたしますわ、レオン様……。」
ほのかな残り香を残して、エフィールは部屋を出ていった。
その香りに包まれるうちに、レオンはゆっくりと眠りに落ちていった……。


「レオン様……起きて下さい……レオン様……。」
「ん……。」
レオンは身体を優しく揺すられて、眠りから目覚める……。
目を明けると、エフィールの優しい笑顔が、視界一杯に広がった。
「夕食ができましたわ……しっかり食べて、元気をつけて下さいませ……。」
目の前に近々とさしのぞくその笑顔に、レオンは夢心地のまま頷いた。
エフィールは、レオンの身体の下に手を差し込み、ゆっくりと上体を起こす。
身体が触れ合い、互いの服を通してエフィールの柔らかな身体の感触が伝わって、
レオンは自分の顔が微かに熱くなるのを感じた。

「さあ、どうぞ……。」
エフィールはレオンの膝の上に、食事の乗ったトレイを置いた。
どうやら、茸と山菜のスープらしい。野鳥だろうか、鳥肉も入っている。
具のたくさん入ったスープ皿の脇には、パンが添えられている。

レオンは、スープを飲もうとスプーンを手に取る……
手にはまだ少し痺れが残っていて、レオンは震える手でスープを口に運ぶ。
「お口に合いますかしら……?」
レオンの顔を覗き込むエフィール。
「……ああ……美味しいです……。」
「……よかった……。」
ほっと息をつく彼女。
気品に満ちた顔がほんのひととき、家庭的な女性のものに変わる。
レオンは、まるで恋人に手料理を振る舞われているような気分になった。

食事を終え、食器を下げたエフィールが戻ってきた。
「エフィール、貴女は食べないのですか?」
「私は、レオン様がお目覚めになる前に頂きましたので……。」
そう言って、エフィールはベッドの端に腰掛ける。
「ねぇ、レオン様……私、こうしていると、なんだかずっと以前から
 あなたとここで、暮らしているような気になってしまいますの……。」
穏やかな眼差しで見つめるエフィール。
彼は、熱い想いが自分の内からこみ上げてくるのを感じた。
その想いが、抑えようもなくこぼれ出す……。

レオンは、目の前の女性をまっすぐに見つめて言った。
「僕も……貴女とは、初めてお会いする気がしません……。 何か、今にして思えば、
 こうして巡り会ったのも運命のいたずらのような……そんな気がします。」
「あら、思ったよりもお口がお上手ですのね……。」
少し、照れたような微笑みを返すエフィール。
「いえ、僕は……本気でそう思っています……今まで、どんな女性とおつき合いしても、
 こんな気持ちになった事はありませんでした……。」
真顔で話すレオンに、エフィールの顔からも笑みが消える。

「貴女といると……自分が、自分でなくなってしまうような……どうしようもなく、
 気持ちが高まっていくのを感じます……抑えきれないほどに……。」
「レオン様……。」
エフィールはレオンの言葉に、そっと眼を伏せて言った。
「そんな……恥ずかしいですわ……そんな事……。」
「エフィール……貴女の気持ちを聞かせて下さい……僕は、貴女の心が欲しい……!
 貴女に、私の想いを受けとめて頂きたいのです……!」
レオンの告白を最後に、部屋に沈黙が落ちる。

どれほどの時が経ったろうか、眼を伏せたまま、エフィールは静かに口を開いた。
「私……もう、人を好きになる事は……ないと……思っていましたわ……。」
少しかすれた声で、ぽつりぽつりと話し始めるエフィール。
「……この館で、 あの人への想いに囚われたまま、一人寂しく朽ち果てるのだと……。
 ……でも……。」
エフィールはそこまで言うと、ゆっくりとレオンの上に身を屈める。
エフィールの顔がレオンの視界一杯に広がり、
彼女の深い輝きをたたえた瞳に、レオンの意識は吸い込まれていく。
そして、レオンの唇がエフィールの柔らかな感触に、ふわりと包まれた……。

…………………………。

……ほんのひととき、しかし、レオンには永遠とも思える口づけ。
あたかも、エフィールの柔らかな唇に、自らの全てを包まれたかのような
深い、深い陶酔が彼を捕らえる。

やがて、ふっとエフィールの唇が離れ、彼女はそっと身を起こす。
ほのかに頬を染め、目は内から溢れ出る感情に潤んでいる。
「レオン様……。」
「エフィール……。」
レオンは半ば、夢うつつで目の前の女性にみとれる。
「レオン様……愛しています……。」
「エフィール……僕も、もう……あなたしか見えません……。」
森にひっそりとたたずむ館の中、2人は愛の囁きを交わした。

しばらく見つめあった後、エフィールは少し視線を落としながら口を開いた。
「レオン様……?」
「……何でしょうか……?」
「この館には、ベッドはこれしかございませんの……。
 ……私も、……ご一緒して……よろしいですか……?」
レオンの寝ているベッドは、クイーンサイズの大きなものである。
きっと、今は亡きこの館の主と、彼女が使っていた物なのだろう。
充分、2人で寝られるだけの広さがある。

レオンは突然の申し出に、胸の鼓動が一気に速くなるのを感じた。
「……も……もちろんです……どうぞ……。」
「では、私……お風呂に入って、着替えて参りますわね……。」
エフィールは、部屋の隅にあるクローゼットから着替えを取り出すと、
やや恥じらうような表情で、足早に部屋を出ていった。


エフィールが出ていって、レオンは部屋に一人残された。
彼はベッドの中で、高ぶる気持ちを必死に抑えていた。
エフィールと一つのベッドで寝る……かつて彼女が、愛した男と共に寝たベッドで、
その時と同じように、自分と一緒に寝る……その事が、彼の気持ちを激しく揺さぶる。
今までは意識していなかったが、このベッドが、かつては彼女の愛の巣であった事、
そしてそこで、今自分が彼女と共に寝る、その事を意識すると、彼の心の奥底から、
堪えようもなく熱い感情が、いや、欲望がこみ上げてくる。

(落ちつけ……決して彼女はそんなつもりじゃない!!
 好意を持ってくれてはいても、そこまでは考えていないはずだ……!
 ただ、傷を負った僕をこのベッドに寝かせて、他に寝るところがないから……
 落ちつくんだ……!ここで我を見失って彼女に失礼なことをしてしまったら、
 きっと彼女は僕を嫌いになってしまうだろう……。
 ……彼女を失いたくはない……だから、落ちつくんだ……!)
自分の心の疼きを抑えるレオン。ようやく気持ちの高ぶりが落ちついてきた頃、
エフィールが部屋に戻ってきた。

「お待たせしました……。」
その姿を見て、はっとするレオン。彼女は、薄絹のネグリジェに着替えていた。
純白の薄い生地を通して、うっすらと彼女の肢体が透けて見える。
レオンの顔が、火がついたように熱くなる。せっかく落ちついた気持ちが、
再びどうしようもなく高ぶっていく。

「さあ、レオン様、あなたも汗をおかきになったでしょう……?
 私が拭いてさしあげますわ……。」
エフィールは、お湯を含ませて絞ったタオルを手に持ち、ベッドに上がる。
「ちょっと、失礼いたしますわね……。」
そう言って、夜具をめくりあげ、レオンの服のボタンに手をかけた。

「あ、あの……エフィール……ちょっと待って……。」
慌てて声をかけるレオン。エフィールの手が止まり、
彼女は顔を上げて、レオンを見つめた。
「……どうかなさいましたか?」
「いや、あの……わざわざ拭いてくれなくても……自分でできますから……。」
自分でも滑稽なほどに動揺しているのを感じながら、レオンは言った。
そんなレオンを、エフィールは優しい笑顔で見つめて、応える。
「いえ……私が拭いてさしあげたいのです……それとも……お嫌ですか……?」
「い、いえ……嫌だなんて、……とんでもありません……。」
ますます動揺するレオン。今まで何十人という娘達をあしらってきた男が、
エフィールの前では、まるでうぶな少年のように、顔を赤らめていた。

「では……失礼いたします……。」
そう言って、エフィールはレオンの胸のボタンを一つづつはずしていく。
身を屈めた彼女の胸の谷間が、ネグリジェの胸元から覗く。
柔らかな2つのふくらみの持つ魔力に、レオンの視線は捕らえられ、
彼の心は、どうしようもなくかき乱される……。
さらに、彼女の身体から立ちのぼる香り……石鹸の香りだけでなく、ほのかに
香水の甘い香りも漂わせている……その香りに包まれて、
レオンの身体も心も、この上ない陶酔感にとろけさせられていく……。

そして、最後のボタンをはずし、エフィールはレオンの胸をはだける。
そのまま服を脱がされて、レオンの上半身が裸になる。
温かいタオルの感触が、レオンの胸元に触れる……。
「あ……。」
その心地よい温もりに、おもわずレオンの口から吐息が漏れる。
エフィールの手がゆっくりと動き、タオルを胸元に這わせる……。
「……あぁ……。」
「気持ちいいですか……?」
「ぁあ……気持ちいいです……。」
エフィールの問いに、吐息混じりの答えを返すレオン。
まるで、愛撫を受けているかのような快感が、彼の身体を優しく包み込む。

エフィールはレオンの胸と腹を拭き終わると、
彼の身体を抱きかかえるようにして
上体を起こす。ネグリジェの薄絹の感触が、さらさらとレオンの身体を包み、
レオンはまた一つ吐息を漏らした。
「さあ……今度はこちらをお拭きいたしますわ……。」
そう言って、エフィールはレオンの後ろに回り、背中を拭き始める。
そして、背中と腕を拭きおわり、不意にエフィールは背後からレオンに抱きついた。

「!……エフィール……!!」
身体を包む薄絹の感触と、それを通して伝わるエフィールの柔肌の感触。
突然の熱い抱擁に、レオンは驚きの声を上げる。
「レオン様……!」
「エフィール……一体……どうしたんですか……?」
エフィールは答えず、レオンの身体にしがみつく。その手に力がこもる。
レオンは、エフィールの身体が小刻みに震えているのに気が付いた。
やがて、エフィールの口から震える声が漏れる。
「ああ……レオン様……申し訳ありません……
 何も言わないで……しばらく、……しばらくこうしていさせて下さいませ……。」
そういって、なおもレオンを固く抱きしめる彼女。

どれぐらいの時が経っただろうか、ようやくエフィールは身を離す。
「エフィール……。」
「……申し訳ありません、レオン様……。どうしても、気持ちが抑えきれなくて……。
 私、ずっと一人でここで暮らして、本当は寂しかった……あなたにお会いして、
 その事に気づかされました……。
 レオン様……私、このまま時が止まってしまえば、……あなたとずっと一緒に
 いられれば、どんなに……。」
言葉を詰まらせるエフィール。レオンは振り向いて、彼女をそっと抱き寄せる。
今は、彼女を少しでも落ちつかせてやりたかった。
「……エフィール……もし貴女さえよければ、この館を出て、僕の家で暮らしませんか?
 そうすれば、ずっと一緒に……。」
レオンの申し出を、エフィールは首を振って遮る。
「……それはできませんわ……私は、この館を離れることはできないのです……。
 申し訳ありません……。」


エフィールの髪をやさしく撫でてやりながら、レオンは問いかけた。
「『この館から離れられない』……
 やはり貴女は……まだ昔の想いを捨てきれないでいるのですね……。」
その言葉に、彼女は再び首を強く振る。
「いいえ……そうではありません……私の心は、もうレオン様お一人のもの……。」
「では……何故?」
髪を撫でていた手を止め、レオンはエフィールの顔を覗き込む。
「今は……今は申し上げる事はできません……
 いずれ、お話するべき時が来たら、その時に必ず……。」
「……そうですか、では今は無理には聞かない事にします……。」
レオンは再び、エフィールの細い肩を抱いた。
部屋に、しばしの沈黙が降りる。

……やがてエフィールは、顔を上げてレオンを見つめた。潤んだ瞳がレオンを映す。
「……申し訳ありません、取り乱してしまって……もう大丈夫ですわ……。」
いつもの穏やかな笑顔が、彼女の顔に戻っていた。

そして、エフィールは夜具をまくりあげ、レオンの足元へと回る。
「さあ、こちらもお拭きしますわ……。」
白く、たおやかな指が、レオンのズボンの裾を膝の上までまくりあげた。
少し冷めてひんやりとしたタオルの感触が、レオンの足先に走る。
「……う……。」
足の裏、踵、足首……ふくらはぎまで来て、エフィールの手が止まる。
毒蛇に咬まれた傷の部分だ。彼女が巻いてくれたのだろう、白い包帯が
綺麗に巻かれている。

「包帯、お取り替えいたしますわね……。」
エフィールは、一度ベッドを降りて、テーブルの上に置いてあった薬瓶と
新しい包帯を持って戻ってきた。
巻かれている包帯を解き、薬瓶の蓋を開ける。
「少し痛むかも知れませんが……我慢して下さいませ……。」
中の軟膏を指先に取ると、傷口にそっと触れる。
ずきん、と触れられた傷口から痛みが走り、
「うっ……!」
レオンの口からうめき声が漏れる。

「大丈夫ですか……?」
手を止め、レオンを見つめるエフィール。
「……大丈夫です……どうぞ……続けて下さい……。」
その言葉に、再びエフィールの指が動き出す。
彼女のしなやかな指が塗り付ける、ぬるぬるとした軟膏の感触と、
時折ずき、ずき、と襲ってくる痛み。
レオンはその両方に相反する反応を引き出されそうになり、それを必死に堪える。

薬を塗り終えると、新しい包帯を巻き直し、エフィールは再びベッドを降りる。
「少しお待ち下さいね……手を洗って参りますわ……。
 タオルも、すっかり冷めてしまいましたし……。」
そして部屋を出ると、しばらくして湯気の上がるタオルを手にして戻ってきた。

再び、レオンの脚を拭き始めるエフィール。
温かいタオルの感触が、快感を伴ってレオンを包む。
膝、そして太もも……タオルと共に、彼女の指がレオンの脚を這いあがってくる……。

「ああ……。」
思わず、レオンの口から吐息が漏れる。
「……ふふ……こうしていると、まるで……。」
エフィールの言葉がそこで途切れる。
「ああ……まるで……?」
レオンは夢心地の中で、問いかける。
「……いやだ、私……申し訳ありません……私ったら、なんてはしたない……。」
そう言って、頬を赤らめるエフィール。
彼女が何と言おうとしたのか想像して、レオンも頬を染める。

やがて、エフィールはレオンの脚も拭き終わると、
やや恥ずかしげに眼を伏せて、タオルを彼に差し出した。
「後は……ご自分で……お願いしますわ……。」
さすがに、股間まで拭くことはできないという事だろう。
「私は、しばらく失礼いたします……。」
そう言ってレオンにタオルを渡し、彼女は静かに部屋を後にした。

レオンが自分の股間を拭き終わる頃、エフィールが部屋に戻ってきた。
手には、小さな酒瓶とグラスの乗ったトレイを捧げ持っている。
レオンからタオルを受け取って片づけると、彼女はグラスに深い紅紫色の液体を注ぐ。
「これを飲めば、よく眠れますわ……。
 このお酒は、薬用酒でもあります……身体の調子を整えて、体力を回復させる
 効果もありますの……さあ、どうぞ……。」
グラスを受け取り、ゆっくりと傾けるレオン。ほのかな芳香と共に、アルコール分を
含んだ冷たい液体が、彼の喉に僅かな熱を与えつつ流れ込んできた。

空のグラスを片づけて、エフィールがベッドに戻ってくる。
ほどなくレオンの身体に先ほど飲んだ酒の効果が現れ始めた。
彼の身体の内側から全身に、ゆったりと熱が伝わっていく。
やがて、全身がほのかに火照り、身体が軽く、宙に浮かぶような感覚が
レオンを包み込んだ。心地よい目眩がレオンの意識を煙らせる。

エフィールはレオンの傍らに身を横たえた。
彼女の身体から匂いたつ甘い香りが、閨をゆっくりと満たしていく。
「さあ、今日はもうお休み下さいませ……。」
そう言って、ベッドの脇のランプを吹き消すと、
寝室は僅かな月明かりを残して、闇に包まれた。

「レオン様……私、今日のあなたとの出会いは、きっと一生忘れません……。
 そして、私、あなたをずっと……」
甘い囁きと、エフィールの身体から匂いたつ甘い香りに酔いしれるうちに、
レオンは深い深い眠りに落ちていった。


レオンは夢を見た。

レオンは、エフィールと共に、どことも分からない平原に立っていた。
どこかは分からないが、赤黒いまだら模様の空と、ぐずぐずと湿った足元の
土が、否応なく不吉な雰囲気を醸し出している。
エフィールも、不安げなおももちで、レオンに寄り添っている……。

その時。
「きゃああああ!!」
耳をつんざくエフィールの悲鳴。振り向くと、どこから現れたのか、大蛇の大群が
2人に迫ってきていた。
「くっ!!」
レオンはナイフを抜こうと腰に手をやる。が、そこにナイフはなかった。

2人は逃げようとしたが、いつの間にか、どっちを向いても大蛇の大群が地面を
埋め尽くしている。
「レオン様……!」
恐怖の表情でレオンにしがみつくエフィール。
「くそっ!来るな、来るなっ!!」
レオンは近寄ってくる大蛇を蹴り散らそうとしたが、大蛇は彼の蹴りを器用にかわすと、
素早くその足に絡み付いた。
「うわっ!!」
よろけるレオンの背後で、エフィールも脚を大蛇にからめ取られ、
2人はのたうつ大蛇の群れのただなかに、成す術もなく引き倒された。

「ああっ!レ、レオン様……!!」
「エフィール!!エフィールッ!!」
倒れた2人に、次々と襲いかかる大蛇の群れ。
ぐねぐねといやらしくくねる大蛇が、2人にもがく間も与えず絡み付いてくる!

レオンは、全身を大蛇にからめ取られて、全く身動きができなくなってしまった。
そして、丸太ほどもある蛇の体が、彼の体をぎちぎちと締めつける!
「ぐ、ぅああああっ!!くああ、あああああっ!!」
全身を締め上げられる激痛に、絶叫するレオン。
その耳に、エフィールの悲鳴が飛び込んできた。

「ああっ、嫌、あっ、あああ、やめて、嫌、いやぁああっ!」
悲鳴のする方を見ると、エフィールが大蛇の群れに襲われている。
彼女の服に大蛇が次々と咬み付いて引き裂き、はぎ取っている!
「やめて、やめてぇっ!!ああ、レオン様、レオン様ぁ!!」
レオンに救いを求めるエフィール。しかし、レオンは彼女を助けるどころか、
身動き一つできない!その間にも、彼女の服はどんどんはぎ取られ、
そして、エフィールはついに全裸にされてしまった。
まだら模様の蛇の海の中に、エフィールの白い裸身が浮かび上がる。
しかしそれも束の間、その白い肢体は、まだらの海の中に呑み込まれていった。
「あああ、レオン様、レオン様……いやあああああああっ!!」

もがくエフィールの体に、無数の大蛇が絡み付く。
ぬらぬらと湿り気を帯びた蛇の体が、彼女の腕に、脚に、胴体に次々と巻き付いていく。
しかし、蛇達は彼女を締め上げるためではなく、むしろ彼女の体を柔らかく包み込んで、
うねうねとその身をくねらせ、彼女の体を撫でさすってきた。
「あ、ああ、あああ……やめて、嫌……ああ、助けて、レオン様、ああ……。」
無数の蛇に絡み付かれて身体の自由を封じられ、空しくもがくエフィールの体に、
さらに執拗に蛇体の愛撫が加えられる。
異常な雰囲気の中、徐々にエフィールの声に色がつきはじめた。
「ああ……あああ……嫌……ああ、あああ……は、ぁああああ……。」

全身を大蛇に絡め取られ、悩ましい喘ぎを漏らしながらもがくエフィール。
妖しく蠢く蛇の群れに翻弄されるように、彼女の身体もゆっくりとくねり始める。
「ぁああああ……駄目……あああ……だめ……いや……あああああ……!」
さらに、周りに群がる蛇が、彼女の身体に顔を近づけ……
エフィールの身体がびくん、と反応する。
彼女の身体に、何本もの蛇の舌が這いまわり始めた!
「あっ、ああっ!やめて、いや、ああ、あああっ!いや、いやああああっ!!」
激しくもがく彼女。しかし、必死に逃れようとする身体に、さらに何匹、何十匹もの
大蛇が群がる。紅い舌が白い柔肌に次々と這い、二股に分かれた舌先がちろちろと
舐めくすぐる度に、エフィールの身体がびくん、びくんとのたうった。

「あああっ、あっ、あん、いや、ああ、助けて、あああ、あああああ……。」
全身に容赦なく与えられる大蛇の責めに、成す術もなく喘ぐエフィール。
彼女の乳房には蛇が巻き付き、ぐにぐにと揉みたてる。さらに、両の乳首も蛇の口に
咥えられ、ちろちろ、ちろちろ、といやらしくのたうつ舌に嬲られている。
「は、あああああ……あああああ……ああ、あん……あああああ……!」
エフィールは蛇達に嬲られるまま、熱い喘ぎを漏らす……その、わななく白い首筋にも
何本もの蛇の舌が這い回り、彼女の喘ぎ声に一層熱を帯びさせてゆく。
どこまでも絡み付いてくる快感に、エフィールはただただ悶え狂う……。
彼女の眼は潤み、頬は紅潮し、既に快楽のただなかに引きずり込まれている事を
はっきりと物語っている。
「あ、ああ……やめてぇ、あああああ……ひあ、ああ、レオン様……!!」

その彼女の身体に、なおも襲いかかる大蛇の群れ。
彼女の脚に絡み付いた蛇が動き、脚を開かせようとする。
「ああ、いや……いやあっ!!だめ、ああ、あああああ……レオン様……助けてぇ!!」
必死に抵抗するエフィール。
だが、僅かに開いた太ももの隙間に、一匹の蛇が潜り込んだ。
次の瞬間、
「ひ、あああああっ!!あっあっ、あああっ!!だめ、だめぇっ!!いやあああ!!」
激しく首を振りながら、エフィールは全身をわななかせる。
太ももの力が抜けて、抵抗も空しく脚を開かされてしまう彼女。
露にされた股間では、蛇の舌が、彼女の一番敏感なところをちろちろとくすぐっていた。

「ああ、ああ、あああああっ、いやあっ!ああっ、あああっ!!」
全身を貫く激しい快感に、エフィールの白い裸身がびくびくとのたうつ。
さらに、開かされた股間に群がる何匹もの大蛇。
「はああああ、あああああ!!ああ、あああ!!ひあ、あああああっ!!」
忘我の域に引きずり込まれて、喘ぎ続けるエフィール。
いまや彼女の股間では、何十本という蛇の舌が、ちろちろと蠢いていた。
尽きることのない人外の快楽がエフィールを絡め取っていく……。


「ぐああああ……!ああああ、ぐあっ!!……エ、エフィール……!!」
全身をぎりぎりと締め上げられ、苦痛に喘ぐレオン。
彼の身体は、万力のような力で締め付けられて、骨がみしみしときしむ音が聞こえる。

そのレオンの視線の先で、エフィールも大蛇の群れに襲われ、喘いでいる。
彼女は全身を無数の舌でちろちろと舐め回され、
レオンとは全く違う喘ぎを絞り出されていた。

「ああっ!あっ、ああんっ!!ふあ、あああ……ひぁう、あああっ!!」
無数の蛇に全身を絡め取られ、身動きのできないまま、悶え狂うエフィール。
首筋、脇の下、脇腹、乳首、背中、足の付け根、太もも、膝の裏、足の裏、
手足の指の間……ありとあらゆる性感帯に紅い舌が踊る。
もちろん、股間に開く彼女の肉の華にも蛇達が群がり、彼女の花びらも、
小さな肉の芽も、数え切れないほどの蛇の舌によってたかって責め嬲られる……。

「ひぃっ!!いあ、あああ!!ああ!ああ!あああっ!!あひあああっ……!!」
エフィールの身体の奥底から、熱い蜜がぬるぬると溢れ出る……その蜜に誘われるように
群がる蛇はさらに数を増す。一層苛烈な快楽地獄に引きずり込まれ、エフィールは
虚ろな瞳で、がくがくと全身をのたうち回らせた。そして、
「あああっ、ああっ!!あっあっ、ああっ、ぁああああああああ~~~っ!!」
ひときわ大きな絶叫と共に身体を大きくのけぞらせ、快楽の絶頂に達する。
そして、彼女の身体からがっくりと力が抜け、崩れ落ちた。
だが……。

「ふあっ、あああああっ!!いやっ、ああっ、あああああっ!!」
再び悶え狂うエフィール。彼女を責めなぶる蛇達は、彼女が絶頂に至ってもなお、
爬虫類的な執拗さといやらしさで、彼女をさらなる肉の快楽責めにかけていく。
絶頂に達したばかりで過敏になっている女体に、さらに快楽の電流が流され、
エフィールは身も世もなくよがり狂った。
「ああ、あひあっ、いああああ!!ああ、あふ、あふぁあああっ!!あああああっ!!」
そして、その股間で一匹の蛇が鎌首をもたげ……。

ずぷうっ!!

「ひああああっ!!」
のけぞるエフィール。彼女の女陰に、一匹の蛇が首を突き入れた!
そして、貫いた女肉の華をえぐるように、首をじゅぼじゅぼと出し入れする!
「ああっ、あん、あっ、あっ、あひっ!ひあ、あぅ、ああ、ふあっ!あ、ああっ!!」
蛇が首を深く突き入れる度、エフィールは身体をびくんびくんとのけぞらせて
悲鳴をあげる。
さらに蛇は、深く潜り込む度にびちびちと身体をのたうたせて、人間の男には
到底不可能な刺激で彼女を責めたてる!
「ふああっ!!あんっ!!あっ、ひあっ!!ああ、ああ……あ、あああああっ!!」

ぷしゃっ!!

身も世もなくよがり狂うエフィールの股間から、液体が噴き上がった。
しかし、彼女に群がる蛇の群れは、なお一層激しい責めを開始する……。
彼女の女陰に潜り込んでいた蛇が頭を抜き、代わってもう一匹の蛇が……

「いいいいいいいいいっ!!あああ、あひあああああああっ!!」
目をかっと見開き、ぼろぼろと涙をこぼしながらのけぞるエフィール。
新たに彼女を貫いた蛇は、太さが人の腕ほどもある大蛇だった。
そして、彼女の肉襞をずるずるとこすりあげながら、奥へ奥へと潜り込んで行く!!

「おおおおお、あああ、いあああああああああっ!!」
今度は頭を抜き差しするのではなく、蛇はどこまでもどこまでも彼女の身体の中へ
入っていく……彼女の胎内にまで潜り込んでいく……!
エフィールは、どこまでも深く、深く貫かれる快感にのたうちまわる!

そして、その蛇の後に続いて、次々と殺到する蛇達……
無慈悲にエフィールの女陰を蹂躙し、胎内に潜り込んでは這いだし、
また潜り込んでいく……!何匹も……何匹も……!!
「いいいいい……いあああっ!!おお、おおおおお……!!あぐ、あああああっ!!」
エフィールはもはや白目を剥いて、狂気の表情で悶えぬいている……
その股間から再び、ぶしっ!と液体が拭き上がる!!
しかも、一度ではなく、蛇が出入りする度に断続的に、何度も、何度も……!!

「エフィールッ!!エフィーーールゥッ!!!」
目の前で繰り広げられる快楽の地獄絵図に、レオンは絶叫する。
しかし、彼の身体はがっちりと蛇の群れに絡め取られ、全く動かすことができない!!
しかも、蛇達は一層強く彼の身体を絞り上げ、
「ぐああああっ!!いぎいぃいいい!エ、エフィールッ!!うぐ、がああああ!!」
レオンもまた、地獄のただなかでなす術もなく悶え狂う!!

「あ……!!……!……いぐ、ぎ……!!!……!!!!!、あ……!!!!!」
レオンの視界の中で、激しい絶頂に何度も何度も達し続けながら、次第にエフィールの
身体から力が失われていく。無限の快楽地獄の中で、彼女が徐々に死に至りつつある
事が、はっきりとうかがえた。

「エフィール!!ぐあああああっ!!あがっ、エ、エフィールッ!!!」
自らも蛇の容赦のない責めに悶え抜きながら、レオンは叫んだ。
しかし、よがり狂いながら力尽きていくエフィールを目の前にして、
彼はどうする事もできなかった。
そして、彼を締め上げる蛇の身体に、さらに力がこもる。

みぢっ!!めき、びきっ!!!

「ぎゃあああああっ!!」
全身の骨が、筋肉が、限界を超えて潰れ、弾けはじめる。
全身を締め潰される地獄の激痛が、レオンの全身を駆けめぐる。
蛇の身体は、さらにゆっくり、じわじわと、レオンを締め上げていく……。

ばきっ、びき、めきめきっ、ばつっ!!びちっ、ぼきいっ!!!

「あがぎああああああ!!!はぐあ、あああ!!!エフィールッ!!いがああああ!!」
朱く染まる視界の中で、エフィールの肢体がのたうつ……。
もはや蛇達に弄ばれるままに、力なく、生命感なく陵辱されている……。
美しい顔は死の快楽に歪み、土気色に染まってゆく……。
「いがああああ!!エフィールッ!!!エフィールッ!!!あぐあああああ!!!」
「レオン様……レオン様……!!」
「ぎああああああっ!!!エフィーーールゥーーーッ!!!」
「レオン様っ!!!」

両肩を強く揺すられ、レオンは現実の世界に引き戻される。
目の前に、自分を見つめるエフィールの心配そうな顔があった。


寝室には、かすかな月明かりが差し込んでいた。
その青白い光に照らされて、エフィールの美しい顔がレオンを見つめている。

「あ……。」
壮絶な悪夢から醒め、レオンは半ば虚脱状態で呆然とエフィールを見つめる。
「酷くうなされておいででしたわ……悪い夢でもご覧になりまして?」
「あ、ああ……ああ、エフィール……。」
思わず目の前の女性を抱きしめるレオン。
「あ……レオン様……。」
突然の抱擁に、エフィールは驚きと、そして僅かに歓びの色の付いた息を吐いた。
その彼女の身体を、レオンは固く固く抱きしめる。
エフィールが生きている、そして側にいて触れあうことができることが嬉しかった。
彼女の身体の感触を、その存在を確かめるように、レオンはエフィールを抱き続けた。

やがて気持ちの高ぶりもおさまり、レオンはそっと身を離した。
「レオン様……。」
「ああ……恐ろしい夢を見ました……あなたと2人、大蛇の群れに襲われて、
 殺されてしまう夢でした……。」
「まぁ……。」
「あなたが蛇に襲われて……しかし僕は……どうすることもできなかった……。
 目の前であなたが死にゆく様を……なす術もなく……見ているしか……。
 そして、僕も蛇に絞め殺されてしまう……恐ろしい……夢だった……。」
蘇る恐怖の記憶に、僅かにレオンの身が震えだす。
その時、レオンの身体をふわりと柔らかな感触が包み込んだ。

「エフィール……!」
「レオン様……私はここにおりますわ……ずっと、あなたのお側に……。
 今宵は、朝までこうして、あなたを悪夢からお守りいたしますわ……。」
エフィールの柔肌の感触が、やんわりとレオンを包む。
「ああ……。」
全身を包み込む女体の優しい圧力に、レオンの口から吐息が漏れる。
そのレオンの頭を白い手が抱き寄せ、レオンの顔は、柔らかな胸の谷間に埋められた。
「ん……ぁあ……。」
「さあ……私の胸で、お眠りなさい……レオン様……。」
甘く囁くエフィールの声。胸の谷間からは、あたかも花が蜜の香りを放つように、
芳しい香りが漂ってくる……その香りに誘われるまま、レオンはエフィールの胸に
顔を埋め、全身を包む甘美な感覚に酔いしれる……。

エフィールの白い身体が、どこまでもどこまでも優しく、柔らかくレオンを圧し包み、
レオンの身体も、意識も、何もかもが、白く優しい温もりの中に呑み込まれていく……。
次第にレオンの身体から力が抜けていき、やがて彼は、母の胸に甘える幼子のように、
エフィールの胸に抱かれて安らかな寝息をたてていた。

エフィールは、自分の胸で眠るレオンを、優しい笑顔で見つめていたが、
やがてその笑顔の中に、思い詰めた様な翳りを滲ませて、ゆっくりと口を開いた。
「レオン様……もう……離しませんわ……
 ずっと……ずっとお待ちしておりましたのよ……
 そして、これからも……ずっと……一緒に……。
 もう……二度と……逃がしませんから……お覚悟くださいませ……レオン様……。」
安心しきった表情で眠り続けるレオンには、彼女のつぶやきが聞こえることはなかった。

……………。
…………………………。
………………………………………。

「ん……。」
レオンは、深い眠りから目を覚ました。
「レオン様……お目覚めですか……?」
その声と共に、レオンの全身を包む女体の感触が戻ってくる。
「ぁあ……エフィール……。」
その甘美な感覚に、吐息混じりの声を漏らすレオン。
目を開けると、鼻先が触れ合うほどの間近に、エフィールの優しい笑顔が花開いていた。

部屋の外には、明るい日差しが溢れている。
もう既に日は高くなっているようで、
まばゆい光と温かな陽気が寝室の中にも差し込んでくる……
その光がベッドの天蓋から垂らされた薄絹によって和らげられ、
柔らかな光となって閨を満たしている。
そして、夢のような優しい光に満たされた閨の中で、レオンはエフィールの胸に抱かれ、
彼女の香りと温もりと、柔らかな女体の感触に包まれていた。

「レオン様……よく眠れまして……?」
「ああ……ありがとう、貴女のおかげで、本当に気持ちよく眠れました……
 ……いや、今も……気持ちいいです……目を覚ますのがもったいないぐらい……。」
「まあ……レオン様ったら……うふふ……。」
笑いながら、エフィールはなおもしっかりとレオンを抱き寄せる。
しばらくそうして、2人は抱き合ったまま、ひとときのまどろみに浸る……。
やがて、レオンがあまりの心地よさに再び眠りに落ちかける頃、エフィールの身体が
すっと彼を解き放った。

「……ふふ……こうしていると、とめどなく眠ってしまいそうですわ……。」
そう言ってベッドを降りるエフィール。
「ああ……エフィール……。」
レオンは未だ夢うつつである。
「お食事、用意して参りますわね……。」
エフィールはガウンを羽織ると、静かに部屋を出ていった。

2人で、かなり遅い朝食をとる。もう、昼食といった方がいいのかも知れない。
食事を終え、食器を片づけたエフィールが部屋に戻って来た。
「レオン様……お体の方は、どうですか?」
「うん……もう、ずいぶんと良くなりました……。貴女の手当のおかげです。
 まだ、だるさは残っていますが、痺れは抜けました。」
レオンは、そう言いながらゆっくりとベッドを降りる。

少し心配そうな表情のエフィールの前で、レオンは自分の脚で立って見せた。
「ほら……もう、普通に歩けますよ。」
「それは良かったですわね……。」
エフィールは、穏やかな笑顔でレオンを見つめる。
「これなら、一両日中にはほぼ完治するでしょう。」
「そうですね……もう、治ってしまわれるのですね……。」

その言葉に、レオンはエフィールの方を振り向いた。
「レオン様……私……。
 ……このままレオン様のお体が治らなければいいのにと、思ってしまいます……。」
エフィールの穏やかな笑顔に、僅かに、内に秘めた感情の色が混じっていた。


「レオン様……あなたは、傷が癒えたらここから去ってしまうのでしょう……?」
穏やかな笑顔のまま、エフィールはレオンに問いかける。
「エフィール……。」
「私……あなたと、もっと一緒にいとうございます……。
 レオン様……あなたの傷が癒えたなら、今度は私の心の傷を、どうか
 癒して下さいませ……。」
エフィールの笑顔に、わずかに翳りが滲む。
その頬を、光る物が一筋、伝って落ちた。
彼女は、穏やかな笑みを浮かべたまま、静かに涙を流していた。
やがて、エフィールの笑顔がより深くなり、それとは裏腹に、
頬を伝う涙はその量を増していく。
「レオン様……ぅ……私……わたし……あなたと離れたくありません……ぅう……。
 あなた無しでは……もう……生きていけません……ぅ、う、う……。」
必死に笑顔を作る彼女の喉から、嗚咽が漏れる……。

レオンは、そんな彼女にそっと身を寄せ、優しい笑顔を向けた。
「心配しないで……必ず、僕はここに戻ってきます……。
 一度家に帰って、皆に無事を伝え、準備を整えたら、必ず戻ってきますから……。」
しかし、彼の言葉に、エフィールは激しく首を振った。
「いけません……!それでは駄目なのです……!
 ひとたびこの館を離れたなら、あなたは二度と、ここには戻って来られませんわ……!」

「『戻って来られない』……?どういうことですか?
 ……もしかして、以前あなたが言った、
 あなたがこの館から『離れられない』事と、何か関係があるのですか?」
ぴくり、とエフィールの身体が反応するのをレオンは見逃さなかった。
「エフィール……。」
何かに怯えるように身をこわばらせるエフィール。
レオンは彼女の心を和らげるべく、努めて優しい表情で、彼女の顔を覗き込んだ。
「よかったら、そろそろ話していただけませんか?……この館と、あなたの事を……。」

しばらくの沈黙の後、エフィールはうつむいたまま言った。
「……今夜……お話しいたします……それまでは、どうか……。」
「……そうですか……分かりました……。」
エフィールの肩を抱くレオン。
「では……少しでも貴女の心を癒せるように、今は僕がお話をしましょうか……。」
彼は、ベッドの傍らにあるテーブルの椅子へと、エフィールを導いた。

午後の間中、レオンはエフィールに色々な話をして聞かせた。
各地を旅した時の話、宮廷晩餐会に招かれた時の話、栽培している花の話……。
舞踏会で群がる娘達に何度となく聞かせた話を、しかし、その時とは全く違う気持ちで
レオンはエフィールに話して聞かせた。
彼女の心の傷を、自分の話で少しでも癒せるのなら……。
その想いのままに語り続けるうちに、徐々に日が傾き、部屋の中に闇が落ちてきた。
「……そろそろ夕食にいたしましょうか……?」
「そうですね……エフィール……、少しは気持ちも晴れましたか?」
「……ありがとうございます、レオン様……私のために……。」
そう言って微笑むエフィール。その顔には、もう翳りは微塵もなかった。

「では、夕食の支度をして参ります……。」
寝室を出ていく彼女を見送ると、レオンはベッドに入って寝転がり、
エフィールと、この館の事に思いを馳せる。
どうやら彼女は、自ら望んでこの館に住んでいるわけではない様だ……
むしろ、この館に囚われている様にも思えた。
一体、この館にどんな秘密があるのだろうか……。
エフィールがこの館を離れられない理由とは……?
一度この館を離れたら、二度と戻れない理由とは……?
レオンは考えたが、これといった答えを見つけることはできなかった。
やはり、エフィール本人から聞くしかないのだろう。
その時、衣擦れの音が部屋に戻ってきた。
「レオン様……お食事の支度ができましたわ……こちらへどうぞ……。」

レオンは、エフィールに導かれて別室の食卓についた。
テーブルは大きな物ではなかった。小さな、2人用のテーブルが、
この館が、来客のない、2人だけの為の物であったことを物語っていた。
食卓には既に、料理が並んでいる。山菜のスープと、パンと、山鳥のハーブ包み焼き。
温かな湯気と、美味しそうな香りが立ち昇っている。

「さあ、どうぞ召し上がれ……。」
「頂きます。」
2人は小さなテーブルを挟んで食事をとる。
「美味しい……お料理、お上手なんですね。」
「まあ……そんな……うふふ、今日は特に腕を振るいましたのよ……。」
照れながらも、嬉しそうなエフィール。実際、一人で暮らしている時は、
こんなに手をかけた料理を作ることもなかったのだろう。

やがて、2人の皿もほとんど空になった。
「レオン様……お風呂が湧いてますから、どうぞお入りになって下さいませ……。」
「あ、そうですね……では……。」
「こちらですわ……。」

レオンは、脱衣場に案内された。
「着替えは用意しておきますので……。ごゆっくりどうぞ……。」
そう言いつつ、棚からタオルを出してレオンに手渡し、エフィールは静かに出ていった。
服を脱いで、脚の傷に巻かれた包帯をほどくレオン。ゆうべ塗ってもらった薬の
おかげか、傷はほとんど完治していた。
レオンは、タオルを持って浴室に入った。
浴室は、床も壁も大理石の見事な造りで、とても森の中の小さな館のものとは思えない
豪華なものだった。まるで、大貴族の豪邸に招かれているような錯覚さえ覚えさせる。
温泉でも湧いているのだろうか、水瓶を抱えた美女の彫刻から乳白色のお湯が沸き出し、
浴室内は湯気に満たされている。

レオンは、身体を軽く流して、湯船に浸かった。
「ふぅ……。」
お湯は気持ちぬる目で、ゆっくり浸かるにはちょうどいい湯加減だった。むしろ、
いつまでも浸かっていたくなるような、なんとも言えず心地よい温かさが身体を包む。
人肌に包まれている様な感覚にとらわれて、レオンは少しまどろみかけていた。
その時、カチャリと音がして、脱衣場のドアが開く。
はっとするレオン。白い湯気に霞む白い大理石の浴室の中に、
一層白く輝くエフィールの裸身が現れた。


「エ、エフィール……!」
慌てて立ち上がりかけ、自らも裸であることを思い出して慌てて湯に浸かるレオン。
その彼に、エフィールはゆっくりと歩み寄る。
「私も……ご一緒してよろしいですか……?」
「そ、それは……。」
「レオン様……私、あなたを愛しています……
 レオン様になら……私の全てを……お見せできますわ……。」
レオンを見つめて囁くエフィールの声が、わずかに熱を帯びてきた。
「さあ……レオン様、上がってくださいませ……お体を、洗って差し上げますわ……。」
「エフィール……。」
「恥ずかしがらないで……さあ……。」
熱い眼差しで、レオンを見つめるエフィール。
潤んだ瞳に見つめられて、レオンの意識はエフィールの肢体に引き込まれていく……。
「さあ……レオン様……。」
レオンは、エフィールに吸い寄せられるように、湯船を出る……。

エフィールはタオルに石鹸の泡を立てて、腰掛けに座ったレオンの背中をゆっくりと
洗い始めた。たっぷりと泡をふくんだタオルが、背中を優しく撫でていく。
その感触に、レオンは身体の内側からぞくぞくと快感が這いあがってくるのを感じた。
湯気に煙る浴室内は熱気に満たされてはいるが、レオンには、それ以上に自分の身体が
熱く感じられた。エフィールの持つタオルが、優しくレオンの背中を撫でる。

「さあ、腕を上げて下さいませ……。」
背中を拭き終えたエフィールはそう言って、レオンの腕を上げさせ、肩と腕を拭く。
さらに、
「こちらもお拭きします……。」
レオンの脇腹に、タオルをあてた。
「ぅ……。」
思わず、レオンの喉から声が漏れる。
脇腹に触れられた途端、ぞくっと大きな快感の波が体中を駆けめぐった。
さらに、エフィールのタオルはレオンの脇腹、脇の下を丹念に這い回る。
その度に、泡をたっぷり含んでぬるぬると滑るタオルの感触が、脇腹や脇の下に
快感を送り込んでくる。
レオンは、まるでエフィールに愛撫を受けているような気分になってきた。
実際、彼の脇腹を撫で回すエフィールの手の動きは、愛撫を思わせる動きになっていた。

脇腹を洗い終えて、エフィールはレオンの前に回る。
「さあ、今度は前を洗いますわ……。」
エフィールの艶やかな裸身がレオンの視界を埋めた。豊かな乳房も、
細くくびれたウエストも、その下の秘密の場所も、全てがあらわになっている。
その裸身の放つ、匂うような色香にレオンの鼓動がどんどん早くなる。
さらに、エフィールの持つタオルがレオンの胸元を這い回る。
柔らかなタオルの感触と、ぬるぬると滑る石鹸の泡の感触とが伝えてくる快感に、
レオンはうっとりと酔いしれる……。
「……あ……!」
快感と陶酔のさなかで、レオンは自分の身体が、与えられた刺激に反応するのを感じた。
慌てて抑えようとする間もなく、レオンの股間で彼のものがもぞりと動く。

「あ……レオン様……。」
エフィールが声を漏らす。彼女もレオンの身体の変化に気づいたようだ。
レオンは、自分の顔が火のついたように熱くなるのを感じる。
「す、すみません……。」
「うふふ、構いませんのよ……むしろ、嬉しいですわ……
 ……レオン様が、私に魅力を感じて下さってる証拠ですから……。」
恥じ入るレオンに優しく囁きかけるエフィール。

身体を洗い終わり、エフィールはレオンの脚を洗い始めた。
タオルが、足先からゆっくりと這いあがってくる。
傷の部分は避けて、さらに太股の方へ……。
ふと、エフィールは顔を上げて、レオンを見つめた。
「レオン様……私……、綺麗ですか……?」
タオルがさらに這いあがってくる。
「エ……フィー……ル……。」
レオンは、見つめるエフィールの瞳に視線を絡め取られて、
金縛りにあったように動けなくなった。
「レオン様……。」
タオルの感触が這いあがってくる。
彼の視界をエフィールの美しい顔が埋め尽した。
そして、レオンの股間に生温かいタオルの感触が触れた。

「ぅあっ……。」
股間を包む快感に、レオンは思わず声をあげてしまった。
その彼を、エフィールはじっと見つめたまま、股間をタオルで愛撫する。
熱く潤んだ彼女の眼差しと、股間から伝わる快感が、レオンを捕らえて離さない。
「あ、ああ……エフィール……ああ……。」
「レオン様……気持ちいいですか……?」
甘美な刺激に喘ぐレオンに、エフィールは甘く囁く。
囁きながら、レオンのペニスをタオルで包んで、その上からやわやわと揉みたてた。
生温かく、ぬるぬるとぬめるタオルの感触は、女の秘肉のそれを思わせ、
エフィールのしなやかな指使いは、男を搾る肉洞の動きそのものだった。

「は、ぁああ……気持ち……いい……ぁあ、エフィール……いい……。」
エフィールの愛撫に、恍惚となって喘ぐレオン。
「では……もっとよくして差し上げますわ……。」
エフィールはそう言うと、自分の身体に石鹸の泡を塗り付ける。
「さあ、レオン様……。」
彼女の囁きと共に、レオンの身体に白い肢体がねっとりとまとわりついた。

「うぁあああ……ああ……エフィール……あああ……はあ、あああああ……。」
レオンの身体に、エフィールの柔らかく、しなやかな四肢が絡み付く。
白くたおやかな腕がレオンの首に巻き付き、むっちりした太股がレオンの胴を挟み込む。
そのままレオンは、ゆっくりと床の上に押し倒された。
エフィールの身体が、レオンの全身を絡め取ったまま、悩ましく蠢く。
その度に、レオンの身体を、ぬるぬると滑る泡を纏った女体の感触が駆けめぐった。
「あああああ……エフィール……ああ……エフィールゥ……あああ、あああああ……。」
レオンは、エフィールの与える快楽に呑み込まれて、なす術なく喘ぐ。
「レオン様……。どうか、はしたない女と思わないでくださいませ……
 ……でも、私、今宵はどうしても……あなたを……。」
エフィールは、快楽の虜になって喘ぐレオンの耳に囁いた。
「レオン様……、今宵、私を……抱いて下さい……。」


風呂から上がって、2人は寝室に戻ってきた。
「エフィール……本当にいいんですか?」
「ええ……レオン様……、私、あなたと一つに……なりたい……。」
「エフィール……!」
固く抱き合う2人。互いのガウンの下に手を差し入れ、相手の身体を直接抱きしめる。
羽織っただけのガウンが肩から滑り落ち、2人の足元にわだかまった。

「エフィール……ああ、エフィール……。」
レオンはエフィールの身体を強く抱きしめた。彼女の柔肌の感触が、レオンの身体に
しっとりと吸い付いてくる。背中に回した手で軽く愛撫してやると、彼女の身体が
ぴくんと反応した。
「レオン様……嬉しい……。」
その声と共に、エフィールの手も動き出す。しなやかな腕が、指先が、レオンの身体に
絡み付いてさわさわと蠢く。

「ぅうっ……ああ、エフィール……ぁああ……!」
エフィールは、レオンの感じるところを巧みに刺激してきた。
背中や脇腹を、白い指が撫で回す度に、レオンは熱い吐息を吐いた。
レオンも負けじとエフィールの背中に指を這わせる。
「ああ、レオン様……レオン様ぁ……。」
エフィールも、レオンの愛撫に感じているようだ。
「あぁっ……レオン様……。」
一度のけぞったエフィールの顔が戻ってきて、そのまま、潤んだ瞳でレオンを見つめた。
見つめながら、徐々に近づいてくる。
レオンの視界をエフィールの美しい顔が埋め尽くし、次の瞬間、2人の唇が重なった。
はじめは優しく、やがて激しく、そして互いの舌が絡み合う。
そのまま、2人はベッドの中に倒れ込んだ。

互いの身体を愛撫しながら、激しく舌を絡めての濃厚なキス。
口の中でエフィールの舌が蠢く度に、レオンの頭の中で快感の波がはじける。
エフィールの吐息も甘美な刺激となって喉の奥に吹きかかり、レオンの意識を煙らせる。
そうしてしばらくの間、互いの口を貪って、ようやく二つの唇が離れた。
「エフィール……。」
「レオン様……。」
2人は、快楽に半ばとろけた眼差しで互いを見つめあった。

レオンは、エフィールを見つめたまま、彼女の脇腹に手を伸ばした。
指先で触れると、彼女の身体がぴくっと震える。
「あっ……。」
その声に誘われるように、レオンは彼女の脇腹を愛撫し始めた。
触れるか触れないかというぐらいに軽く、優しく触れて、ゆっくりと撫で上げていく。
「あ、はぁん……。」
エフィールの顔が切ない表情に変わり、身をよじって熱い吐息を吐き出す。
レオンはさらに、もう一方の手を乳房にあてがい、ゆっくりと揉みしだいた。
「ああ……あ……あ、ああ……は、ああっ、あああ……。」
エフィールの声が、次第に熱を帯びてくる。
それと共に、レオンの背中に這わせた彼女の指も、動きが激しくなってきた。

レオンの背中を、脇腹を、首筋を、白くしなやかな指が這い回る。
「ん……うぅ……エフィール……。」
エフィールの指が与えてくる快感に引き込まれそうになりながら、
レオンもさらに愛撫を続けた。
両手でエフィールの胸を揉んでやりながら、首筋に舌を這わせる。
胸を揉む指はわざと中央の突起を避けて、柔らかな乳房全体をやわやわと揉みたてる。
その動きにあわせて、エフィールの首筋を舌先でちろちろと舐めくすぐった。

「は、ああ……ああ、あああ……レオン様ぁ……。」
エフィールの甘い声が寝室を満たす。彼女の身体からは芳しい香りがたちのぼり、
レオンの鼻をくすぐる。興奮してきたからだろうか、徐々にその香りが一層甘く、
濃厚に匂い立つようになってきた。

レオンは、エフィールの気持ちが十分に高まった頃合を見計らって、
胸の膨らみの中央に指を伸ばした。
「はんっ、あああああ、ああっ……ああ、ああ、はああああ……!」
エフィールの声が一段高くなる。
それまでの愛撫によって、彼女の乳首は触られる前から固く張り詰めていた。
そこに刺激を与えられたエフィールは、レオンの指の動きに合わせて、
身をよじらせて喘ぎ声をあげた。

レオンは徐々に身をずらして、胸元に息を吹きかけながら乳首の周りに指を這わせた。
再び、じらすように中央を避けて、ゆっくりと乳輪の縁をなぞっていく。
「あ、あ……ううん……ああ……レオン様……レオン様ぁ……。」
エフィールの声が甘く、せつない響きを帯びてきた。
レオンはなおも、じっくりと責め続ける。両手で胸を揉みながら乳首に息を
吹きかけると、エフィールは全身をわななかせて一層せつない声をあげた。
「ああ……レオン様ぁ……お願い……ぁあん……。」
その声を合図に、レオンはエフィールの乳首に吸い付いた。
「ひあ、あああああっ……!!」
たっぷりとじらされて、刺激を待ちかねていたエフィールの身体は、
望んでいたとおりの快感を与えられ、敏感に反応した。
「ああ、ああ、ああん……ひあ、あああ、あん、ぁああっ……あああああ……!」
レオンはエフィールの乳首を吸い上げ、舌先でつつき、転がす。
その度に、エフィールは激しく身をくねらせて悶え、歓喜の悲鳴で応えた。

「あっ、ああ、あん、あぁ……レオン様ぁ……ああ……ふあ、あああ……!」
上気した顔で喘ぎ続けるエフィール。レオンは、その太股に手を伸ばす。
乳首への責めを続けながら下から上にゆっくりと撫で上げて、
徐々に根本の方へと近づいて行く。
そして、既に熱く湿り気を帯びた股間にレオンの指先が触れた。
「ひぁうっ……!!」
びくっ、とエフィールの身体が跳ね上がった。


レオンは、エフィールの股間全体を手のひらに包んで、やわやわと揉んでやる。
「ああ、あああ……はあん……ぁああ、あああああ……。」
エフィールの甘くとろけた声を聞きながら、レオンはさらに割れ目の周囲を指先で
くにくにと刺激した。割れ目の間から、じわりと蜜が染みだしてくる。
そこを上からなぞるようにして、ほんの少し指先を埋め込むと、ぬめる粘膜の間に
小さな肉の芽があった。レオンは、包皮ごしにその芽を優しく触れた。
「ああっ!!あ、ひぁあああっ、あああ……あひぃ、い、いああああっ……!!」
エフィールの身体が大きくのけぞる。股間で蠢くレオンの指の動きに合わせて、
彼女はびくんびくんと白い肢体をのたうたせて喘いだ。

くぱ、と割れ目が口を開く。そこからとろりと溢れ出てきた蜜を指先ですくいとり、
レオンは今度は下から撫で上げるように肉の芽に触れる。
「ひあっ!!ああっ、あん、ああ……!!ふあ、あああっ、あっあっあああああ!!」
エフィールの悲鳴と共に、充血して膨らんだ肉の芽が包皮を脱いで
自ら愛撫を求めてくる。それを指先で弄ってやると、
エフィールは一層激しく全身をわななかせて悲鳴を上げた。
「ひっ、いあっ、あふあ、ああっ!!あ、あああっ、はあん……ぁひあああっ!!」

レオンが指先でクリトリスを刺激する度に、激しく身体をのたうたせるエフィール。
レオンはなおも、指先を小刻みに震わせて彼女の一番敏感なところを責めたてる。
やがて、
「ああっ、あっ、ひぁ……レ、レオン様……お願い……!もう……私……!!」
「ああ……行くよ……。」
エフィールの切羽詰まった声に応えて、レオンは彼女の上に身を重ねた。
エフィールの腕がしっかりとレオンを抱きしめ、彼女の柔肌の感触が、しっとりと
吸い付くようにレオンの身体を圧し包む。
「ぁあ……エフィール……。」
全身を包む甘美な圧力に喘ぎながら、レオンは自分のものをエフィールの割れ目に
押しあてた。既に彼のペニスは固く張り詰めている。蜜が溢れ出てぬるぬるの陰唇で
先端を濡らし、ゆっくりと腰を押し込んでいく。

「ぁ、ぁあ……ああ、あああ……。」
「く、ぅう……うぅっ……!」
2人の吐息が同時に漏れる。エフィールの肉襞の中に、レオンのものが埋め込まれて
いく程に、2つの吐息が熱と色を帯びていく。エフィールの声は歓喜の声に、
レオンの声は歓喜の中にも快感を堪えようとするものに変わっていった。

「う、くぁ……あ、ああ……エフィー……ル……!」
股間から全身に送り込まれる快感に、レオンは身を震わせる。
彼は、経験豊富と言うほどではないが、女性と床を共にするのは初めてではない。
いや、18歳という年齢を考えれば、充分経験豊富と言っていいだろう。
しかし、エフィールの身体が与えてくる快感は、その彼をしても全く未知のものだった。

レオンのペニスに、無数の肉襞がまとわりつき、やんわりと締め付けてくる。
暖かく濡れそぼった蜜壷全体がひくひくと収縮し、
その度に彼を圧し包む肉襞が奥へと引き込むように蠕動を繰り返す。
あたかも、獲物を捕らえて呑み込んでいくが如く……その肉襞に捕らえられて、
レオンはエフィールの身体の、さらに奥へ奥へと引きずり込まれていった。

そして、レオンのペニスはついに根本までエフィールの女陰に呑み込まれた。
奥へと引き込む肉襞の動きは、そのままペニスを舐め上げる動きとなり、さらなる快感を
レオンに与えてくる。
「ふ、くぁっ……あ、ぅ、くぅ……!」
あまりの快感に、すぐに達してしまいそうになり、レオンは思わず腰を引こうとした。
「ああっ……!」
抜かれるペニスが肉襞をこすり、エフィールは敏感に反応する。それと同時に、
レオンのものを圧し包む肉襞がきゅっと収縮し、締め付けてきた。

「くぉおっ……!!」
今度はレオンが呻く。限界ぎりぎりの所にさらに強烈な快感を与えられて、彼は思わず
のけぞった。それ以上ペニスを抜くことができず、レオンの腰が止まる。
その間に、締め付ける肉襞が蠕動し、半分ぐらいまで抜いたペニスを
再び一番奥まで引きずり込んでしまった。

「う、くぅううう……!ぁああ、あああああ……!!」
射精寸前まで追いつめられて必死に堪えるレオン。辛うじて耐えきったものの、
エフィールの肉襞はさらにひくひくと、やわやわと、収縮と蠕動を繰り返し、
ペニスをよってたかって責めたてる。レオンのペニスも限界寸前の快楽にひくひくと
痙攣している。彼は、そのまま突くことも引くこともできず、エフィールの女陰に
根本まで呑み込まれたまま動けなくなってしまった。少しでも動けば、いともたやすく
限界を超えてしまう。レオンはなす術もなく、エフィールの女陰が与える快感に
身悶えるしかなかった。

「はぁん……レオン様……ぁああ……。」
上体を反らし、身を震わせて快感を堪えるレオンの身体を、白い指が捕らえる。
エフィールは再び、レオンをしっかりと抱きしめ、柔らかな女体の感触で包み込んだ。
その感触と、生白い柔肌から匂い立つ甘い香りとが、レオンの意識を甘美な桃色の霧で
包み、理性をとろかしてゆく。股間から全身を駆けめぐる、痺れるような快感が、
そして全身を優しく包み込む、とろけるような陶酔感が、レオンを酔わせていく……。

どれぐらいの時間そうしていただろうか、やがてエフィールの女陰が与える快感にも
慣れ、レオンのものも幾分落ちつきを取り戻してきた。慣れたと言っても、あくまでも
挿入しているだけでいきそうな状態を脱したに過ぎないのだが。

レオンは、既に意識が朦朧として、エフィールの胸に顔を埋めてまどろんでいた。
それでも欲望に突き動かされるままに、彼は軽く腰を揺するようにして動き始める。
感触を確かめながらゆっくりと、最初は浅く、徐々に深く腰を動かしていった。
「あっ、ああっ、はぁ……あん、あ……ああっ、ああっ、あああ……!」
「う、くぅっ、う、うう……うくっ、あ、ああ、ぅあっ……!」
閨の中で、二つの身体と二つの声が絡み合う。腰を動かす度に、レオンの全身を
快感の波が駆け抜ける。エフィールの肉襞がペニスを包み込み、締め付け、舐め回す。
熱くとろけた粘膜が、ぬるぬるとぬめる淫蜜をたっぷりとペニスに塗り付けて、極上の
感触でレオンに絡み付く。

「あくぁっ、ああっ、う、くぁっ、ふ、うああっ、あああ……!」
腰を突き入れる度に、そして引く度に、レオンは限界を超えそうになった。
ほんの一瞬でも気を抜けば、即座にいってしまいそうだった。
それでも、動くことをやめられなかった。妖しく蠢く肉襞に誘われるままに腰を動かし、
その度に身を震わせて射精の欲求に耐える。寸前で堪えるレオンを、蠢く女肉がさらなる
快楽へと誘い、そしてレオンは女肉の誘惑に操られる様に腰を振っては、既に限界を
迎えているペニスを肉襞に舐めしゃぶられて悶えぬいた。
「うあ、あああ、ふぁ、あ、あくっ、うう、ぅああああっ!!」


絶え間なく襲ってくる快楽の波に、レオンは意識を呑み込まれそうになるのを必死に
堪えながら、エフィールとの交わりを続けた。
ずっとこうしていたかった。もう、他のことは何も考えられなくなっていた。ただ、
ひたすらエフィールの女陰を貫き、温かな肉洞の中に埋もれていたかった。彼女の肉襞が
与えてくる、この世のものとも思われない快楽を、いつまでも味わっていたかった。
レオンは、半ば虚ろな眼差しで、エフィールの肉体に溺れていった。

「ああ、ああ、は、ふぁ、ひぁう、あんっ、ああ……。」
エフィールもまた、女陰を貫くレオンの感触を敏感に感じて、白い肢体をくねらせて
悶えている。しかし、激しく乱れてよがりながらも、レオンの背中に回された彼女の
指は、的確にレオンの感じるところを刺激し、絶えず彼の望む通りの、いや、
それ以上の快感をつむぎ出していった。
「くあ、あっ、ああっ、ぅぁあっ、あ、ふぁあっ!あっ、あっ、あひぁああっ!!」
背中を、脇腹を、首筋を、胸元を、白い指が這う度に、
レオンは快感を掘り起こされて身悶えた。

「ああ、ああ、レオン様ぁ……レオン様ぁ……!」
やがて、エフィールも快楽に表情を歪めて、上気した顔でレオンを見つめる。どうやら
彼女も限界まで昇りつめて来たようだ。
レオンの方は、もう一時間近く限界ぎりぎりで耐え続け、もはや意識を失いかけている。
彼はただ、快楽に操られるまま、本能のままに、腰を動かし続けていた。
「レオン様……ああ……いい……!いく……い、いく……!!」
エフィールの声が一層高くなり、快感に震える。レオンのものを包み込んだエフィールの
蜜壷が、さらにぎゅっと収縮し、ペニスを締め上げながらぷるぷるとわななく。
蠕動する肉襞が、精を搾り取ろうとペニスをしごき上げ、その感触が強烈な快感となって
レオンの全身に拡がった。

「うあっ……ぁああああ、ああ、いい、いく、うああああっ……!!」
「ああ……レオン様……来て……来て……!ああ、あ、……ぁああああああああっ!!」
「うう、ふぁ、あ、ぁああ、あああああああっ!!!、あっ、あっ、あああああ!!」
限界を超えた快楽に、激しくレオンの腰が動く。ばちばちと目の前にスパークが弾け、
ペニスの神経をむき出しにされて直接刺激されているかのような快感が全身に走る。
そして……、
「ぐ、うああああああああっ!!」
どぷっ!どぷどぷどぷどぷどぷっ!!どぷっどぷっどぷっ、どぷっ、どぷぅっ!!
レオンは目をかっと見開き、がくがくと身を震わて、激しく精を放った。

「ひあ、あああああああああ~~~っ!!」
迸る熱い精が膣の奥を濡らし、エフィールも身をのけぞらせて絶頂にいたる。
ペニスを呑み込んだ膣壁が、絞り上げるようにぎゅうっと締まり、
「ふぉああああっ!!あっあっあああああっ!!」
レオンは快楽の頂からさらに高みに押し上げられて、一層激しく精を迸らせる。
あまりの快感にレオンは、このまま死んでしまうのではないかという恐怖感すら覚えた。
その恐怖までも快楽の波に呑み込まれて、レオンはとめどなく精を放ち続けた。
「ああ、あぐあああああ!!あふあああああああ~~~っ!!」
びゅくっ、びゅくびゅくびゅくっ!びゅくっびゅくっびゅくっびゅくっびゅくっ……!!

おそらくは、たった数秒間の射精。
しかし、レオンには一生このまま射精が止まらないのではないかと感じられた。
いや、むしろこの射精の感覚を一生味わっていたいとすら思った。
びゅく、びゅくっ……ぴゅくっ……ぴゅく……ぴゅっ……。
やがて出るものも出し尽くし、レオンのペニスはとろけるように柔らかな肉襞に埋もれて
眠りについた。彼自身も、エフィールのしなやかな肢体に身を預け、柔らかな胸に
顔を埋めて死んだようにぐったりとしている。
「ああ……レオン様……レオン様……。」
エフィールは半ばうわごとの様にレオンの名を呼びながら、身を震わせて喘いでいる。
おそらく、快楽の余韻に浸っているのだろう。

「う……ふぅ……エフィール……。」
「レオン様……。」
レオンは、異常なほどの快楽からようやく解放され、ゆっくりと身を起こす。
そして、エフィールの潤んだ瞳を見つめた。
「エフィール……よかった……すごく……おかしくなりそうな程……。」
「レオン様……そんな……恥ずかしいですわ……。」
目を逸らし、上気した頬を一層紅く染めて、エフィールは恥ずかしがった。
「いや……ずっとこうしていたいとさえ……思いました……。
 エフィール……僕はもう身も心も貴女の虜です……。」
レオンは心の内を正直に白状した。

気品と華やかさに満ちた美貌を持ち、穏やかで優しく、そして時に情熱的な女性……。
昼はあくまでも慎ましく、尽きせぬ優しさで包んで、安らぎで満たしてくれ、
夜は熱く激しく、この世のものとも思われぬ快楽で狂わせてくれる……。
もはや彼は、エフィールと離れることなど考えられなかった。
「貴女なしでは、もう……生きていけない……一生、あなたとここで暮らします……。」
「嬉しい……レオン様……。」
2人は、月明かりの射し込む閨の中で、互いを見つめ合った。

「でも……子供、できちゃうかもしれないですね……。」
レオンはエフィールの下腹部に視線を落としながらつぶやく。エフィールの肉体が与える
快楽に誘われるままに、したたかに精を注いでしまった。もうレオンはエフィールと
暮らすことに迷いはないし、子供ができるのも構わないが……。
「その心配はありませんわ……私は子供ができない身体なのです……。」
「子供が……できない?」
レオンの問いに、エフィールは目を伏せる。

「ええ……私は……もう普通の身体ではないから……。」
「普通の身体ではない?……それは……もしかして……?」
「ええ……この館の秘密にも関係のあることですわ……。」
レオンの問いに、エフィールはどこか覚悟を決めたようなおももちで答えた。
そしてゆっくりと身を起こし、乱れた髪を整える。
「では……話していただけるのですね……?」
「……はい……今こそお話し致します……この館と、私の秘密を……。
 ……レオン様……ひとつだけ、……ひとつだけお願いできますか……?」
「何でしょう……?」
エフィールの表情がわずかに曇る。
雨が降りだしたのか、外からしとしとと雨音が聞こえ始めた。

「この話を聞いて、……私がどんな女かお知りになっても、……私を嫌いになったり
 見捨てたり……なさらないでくださいますか……?」
どこか哀願するように言うエフィール。その言葉には何か不安を感じさせるものが
あったが、敢えてレオンは、彼女に優しい笑顔を向けた。
「ええ……もとよりこの命は、あなたに助けていただいたもの……
 あなたが助けて下さらなければ、僕はあの森の中で死んでいたでしょう……
 一度死んだ命です、たとえあなたが何者か分かっても、
 僕は残りの一生をあなたに捧げましょう……。」
「……レオン様、有り難うございます……そう言って頂けると……嬉しいですわ……。
 では、お話ししましょう……この館にまつわる、悲しい恋のお話を……。」
そして、エフィールは話し始めた……。


「もうずいぶんと昔の話です……ある貴族の娘が、舞踏会で知り合った男性と、
 恋に堕ちました……。」
ぽつりぽつりと話し始めるエフィール。
「男には妻子がいましたが、2人は、ひとたび燃え上がった恋の炎を、
 消すことができませんでした……。
 男は娘の両親に巨額のお金を払って、娘を内密にひきとる事にしました。
 娘の家は地方の小貴族で、お金に困っていた両親はその申し出を受け、
 娘は男の秘密の妾となったのです……。」
そう言って、エフィールはどこか昔を懐かしむような表情になって、
遠くに視線を送った。

「男は、森の奥深くの湖畔に秘密の別荘を建て、そこに娘を住まわせて、たびたび
 会っては愛を深めて行きました。娘は、男に愛されて女となり、女となった彼女に
 男は一層深い情愛を注ぎました……。
 女は、何日かに1回、男がやって来るのを心待ちにして日々を暮らし、
 男がやって来ると、2人きりの甘い時間に酔いしれ、そして男と何度も愛の契りを
 交わして……それは幸せな時を過ごしました……。」
夢見るような眼差しで話し続けるエフィール。
しかし、彼女はそこまで話すと、やや表情に陰を落とす。
「けれど……幸せな日々は長くは続きませんでした……。2人の秘密の関係が、
 男の妻の知るところとなってしまったのです……。
 男の妻は嫉妬に狂い……暗殺者ギルドに依頼して……そして……
 女に、呪いが……かけられたのです……。
 死よりも恐ろしい運命を招く、悪魔の呪いが……!」
いつしか、優しく気品に満ちた美貌に険しい表情を浮かべて、エフィールは話を続ける。
外の雨音が、徐々に大きくなってきていた。

「その日も、女と男は2人だけの秘密の別荘で、幸せなひとときを楽しんでいました……
 その時、突然黒いローブに身を包んだ男が現れ、女に呪いの言葉を投げかけました。
 呪いをかけられた女の身体はまばゆい光に包まれ……。」
エフィールの表情がこれまでになく厳しいものに変わる。
不吉なものを感じさせる、冷たいまなざしでレオンを見つめ……。
そして、震える唇が続く言葉を紡ぎ出す。
「……女は……醜い怪物に変えられてしまったのです……!」

「怪物……?」
レオンは耳を疑った。
エフィールが、醜い怪物?とてもそうは見えない。この美しい女性が、怪物?
これは一体、どういう事なのだろうか?この話は、エフィール自身の話では
なかったのだろうか?

エフィールは話を続ける。
「ローブの男は女を怪物に変えると、現れた時と同様に煙のように姿を消しました。
 そして……女は愛する男に救いを求めます……が……
 男は……変わり果てた女の姿に恐れをなし……
 救いを求める彼女を見捨てて、逃げ出したのです……!」
冷たい表情で語るエフィール。
その瞳の奥に、今まで彼女が見せたことのない種類の感情が滲む。
それは暗く、冷たい……憎悪の感情だった。

「男を追って館を出た女は……もう一つの呪いの存在を知らされました……。
 2人の愛の館の周囲に結界が張り巡らされ、呪いをかけられた女はそこから出ることが
 できなくなっていたのです……見えない壁に阻まれ、女はなす術もなく、逃げていく
 男の、徐々に小さくなっていく姿を見送るほかありませんでした……。」
「……………。」
「それだけではありませんでした……悲しみに暮れながら女が館に戻ると、
 いつの間にか、部屋の中に一通の手紙が残されていました……。
 男の妻からの、女に対する憎しみと嘲りに満ちた手紙でした……。
 そこには、結界の外からは館を見つける事も結界の中に入る事もできないと、
 そして、怪物に変えられた女には永遠の命が与えられていると書いてありました。
 つまり、女はこの館の周囲を取り巻く結界から出られず、
 外からは誰も、彼女を助ける事も、その存在に気づく事すらできない……。
 そしてその中で、女は永遠にこの館に封印されるのだと……。
 手紙はこう結んでありました。
 『お前はその館の中にたった一人で閉じこめられて、どうする事もできないまま
  永遠にひとりぼっちで過ごすのよ……未来永劫、お前の愛の巣の中で
  愛する男に捨てられた屈辱と絶望に悶え狂うがいいわ!!』と……。」

「……エフィール……。」
レオンは、氷のように硬く、冷たい表情のエフィールをじっと見つめた。
「その話は……。」
「もう……200年も前の話ですわ……。」
エフィールは全く表情を変えず答える。
「エフィール……僕は……、それは……貴女自身の話ではないのですか……?」
「信じては……頂けないと?」
エフィールの言葉に、レオンはかぶりを振って答える。
「にわかには……信じられない話です……。
 だって……この館の周りに結界が張り巡らされていて、外から入れないというのなら、
 僕はどうしてここに……?どうして僕は中に入れたんですか?」
エフィールは黙ってじっとレオンを見つめる。
「僕はその時、気を失っていたからどうやって入ったのか知りませんが……。」
エフィールはじっとレオンを見据えている。
レオンはそのただならない雰囲気に気圧されながら、話を続ける。
「そ、それに、貴女が怪物だなんて……。
 僕には、貴女はむしろ、天使か女神のようにすら見えます……あなたのどこが、
 醜い怪物だというのです?僕には、信じられません……。」

エフィールはそれには答えず、再び話し始めた。
「女は……愛する人に見捨てられた悲しみと……たった独り、醜い怪物の姿で
 永遠に生き続けなければならない苦しみとに打ちのめされ……絶望の中でいつまでも
 泣いて過ごしました……。何日も……何週間も……何か月も……何年も……。
 女は何も食べなくても飢えることはありませんでしたが……心の飢えは時が経つほどに
 激しく、狂おしく高ぶり、女を地獄の苦しみの中に捕らえて離しませんでした……。」
雨がずいぶん激しくなってきていた。激しい雨音が地鳴りのような、ゴーゴーという
音になって部屋の中に響いている。
「いつまでも泣いて……泣き続けて……その妄念が積もり積もって……
 ある日の事、女は自分の身体にごく僅かながら魔力が宿っている事に気づきました。
 その事に気づいた彼女は、この魔の力をもって、死よりも辛い地獄の呪いを打ち破り、
 この館から……愛の牢獄から……逃れようと考えたのです……。」


エフィールの話は続く。
「それからは……、女は気の遠くなるほどの長い時間を……魔法の研究に費やしました。
 女には、魔法の知識は全くありませんでした……全てが、一からの試行錯誤の繰り返し
 ……少しづつ……魔力を高め、魔力をコントロールする術を覚え……
 最初は簡単な魔法から……徐々に高度な魔法へ……。
 そして、少しづつ、本当に少しづつ、様々な事ができるようになっていきました……。
 ある程度なら、結界の外に意識を飛ばして、外の様子も見聞きできるようになり……。
 自分の姿を変え、人間の頃の姿に戻ることもできるようになり……。
 森に棲む蛇を、自分の意のままに操る事もできるようになりました……。」
ぴくり、とレオンの身体が反応する。
蛇……そういえば……僕は森で毒蛇に襲われて……まさか……?

「そして……長い長い研究の末……
 ……女はついに、呪いの結界を破る魔法を完成させました……。
 空間をねじ曲げて結界の中と外とをつなぐ、究極の魔法を……。
 しかし、空間をねじまげる程の魔法には、やはり大きな代償が必要でした。
 ……女に与えられた、永遠の命……その力を使う必要があったのです……。
 女の生命力のほぼ全てを使って、ようやく……ほんの僅かな時間だけ、結界を破る事が
 できる……しかし、その魔法を使えば、女の命は2、3日しか保たない……。
 女は……悩み、苦しみました……。」
エフィールはそこまで話すと一度目を伏せ、そして再びレオンを見つめる。
その目に、僅かに感情が滲んでいた。それが何か、レオンには分からなかったが、
何かとても不吉な予感を感じさせる、異様な雰囲気が漂い始めていた。

「既に200年の時が過ぎ……女の愛した男も、その妻もこの世にいないことは
 分かっていました……。たとえ結界を破って外へ出たとしても、
 愛する人に再び会う事も、男の妻に復讐する事もできない……。
 せめて新しい人生を生きるとしても、生きていられるのはごく僅かな時間だけ……。
 結界の外に出る意味は、ほとんど失われてしまっていました……。
 しかし、女はもう、この館の中に独りきりでいたくはありませんでした……
 女は……悩み、苦しみ、考えて……
 そして……一つの考えを思いつきました……それは……まさに悪魔の囁きでした……。
 ……いえ……きっと……女は心から……怪物になってしまったのでしょう……。」
レオンの心の中で、不吉な予感がどんどん拡がってくる……
彼は、これ以上エフィールの話を聞くのが恐ろしくなっていた。

雨は一層激しくなり、遠くで空が鳴る音が聞こえる。
「その日から、毎日……女は森を通るただ一本の道に意識を飛ばし……
 道を通る人を見るようになりました……来る日も来る日も……。
 そして、何年か経ったある日……女は一人の青年を見つけました……。」
エフィールの瞳に妖しい輝きが宿る。どこか狂気を含んだ、不気味な眼差し……。
その目が、じっとレオンを見据えた。レオンは思わず、ベッドの上で後ずさる。
「……レオン様……?どうなさったんですか……?」
「い、いや……何でもありません……。」

妄執とも言うべき感情の光をたたえた眼差しでレオンを凝視しながら、
エフィールは話を続けた。
「その青年は……かつて女が愛した男によく似ていました……。
 繊細さと凛々しさとを兼ね備えた顔だち……。
 その輝く金色の髪……透き通る白い肌……そして……。」
エフィールの瞳が一層殺気立った光を帯びて、半ば睨み付けるような眼差しで
レオンを見つめる。その視線がレオンを捕らえて離さない。
「彼が身につけていたマントの止め金にあしらわれていた紋章……
 そう……女のかつての愛人が身につけていたのと同じ……
 グレンベルク家の紋章……!」
「……!!!」

カッ、カカッ!!
一瞬、まばゆい雷光が部屋の中を迸る。
ゴゴッ、ガラガラガラガラガラッ……!!
数瞬遅れて、雷鳴が轟いた。

「かつて、熱い愛の契りを交わした、愛しい男……
 そして女を見捨てて逃げた、憎い男……
 その男の名は……
 ……ロベルト=レスター=グレンベルク……あなたの8代前のお爺様ですわ……!」
レオンの心が、声にならない悲鳴を上げる。
先程からどんどん膨らんでいた不吉な予感が、現実のものとなりつつあった。

「女は計画を実行に移しました……魔法で、彼と彼の乗っていた馬の方向感覚を狂わせ、
 道に迷わせて、館を取り巻く結界の近くまでおびき寄せ……
 そして毒蛇に襲わせ、青年が蛇の毒に倒れたところで、結界破りの秘術を使って、
 彼を館の中に連れ込み……
 ……レオン様……?何故逃げるのですか……?」
レオンは自分でも気づかない内に、ベッドの端まで後ずさっていた。
その身体が、かたかたと小刻みに震えている。
「レオン様……あなたはこう言って下さいましたわね……。
 たとえ私が何者か分かっても、残りの一生を捧げる、と……。
 もう、お忘れですか……?」
エフィールはそう言いながらにじり寄ってくる。
「エ、エフィール……貴女は……最初から……僕を……!」
レオンの言葉に、エフィールの顔に悲しみを含んだ笑顔が浮かぶ。
「申し訳ありません、レオン様……私、あなたを騙していました……。
 そう、あなたがこの館に来たのは偶然ではなく……私が、お招きしたのです……。
 あなたを、私のものにするために……。
 本当に、申し訳ありません……でも、こうするほかなかったのです……。」

ゴロゴロゴロ……ゴロゴロゴロ……。
空はひっきりなしに鳴り続け、雨は嵐のような激しい土砂降りになっていた。
「さあ……もうあまり時間がありません……。
 結界を破るために、生命力をほぼ全て使いきってしまいましたので……
 私の命もあとわずか……その命が尽きてしまう前に……
 レオン様……あなたの精を……頂きます……。」
「エフィール……あ、ああ……!」
「これから先、私が命をながらえるためには、若い男の精が必要なのです……。
 その生命力を糧とすることで……私は生き続けることができるのです……。」
そう言いながら、じりじりと迫ってくるエフィール。
レオンはベッドの端に追いつめられてがたがたと震える。


「恐いですか……?」
そう言って、エフィールは少し悲しそうな眼差しでレオンを見おろした。
「い、いや……その……。」
「では……もっと恐がらせてしまいますわね……
 ……男の精を糧とするには、……本当の姿に戻らなくてはなりませんから……。」
ぎょっとするレオン。
「えっ……!じゃ、じゃあ……!!」
その言葉を待たず、エフィールの身体がほのかに光を帯びてくる。
「さあ……ご覧なさい……これが、本当の私……
 道ならぬ恋に狂った女の成れの果ての姿を見せて差し上げますわ……!」
「う……あ……や、やめて……やめてくれぇっ!!」
全身をこわばらせ、恐怖の表情を浮かべて見つめるレオンの目の前で、
光を帯びたエフィールの身体が、徐々に変化を始めた。
「あ……あぁ……あ、あ、あ……!!」
やがて、まばゆい光がエフィールを包み……その光が形を変えてゆく……!

そして……

光が徐々に弱まり、その中からエフィールの新しい姿が現れてくる……。
「エ、エフィール……!」
「レオン様……いかが……?これが、私の本当の姿ですわ……。」
そう言って、エフィールは哀しげな笑みを浮かべてレオンを見つめた。

エフィールは美しかった。
気品と華やかさに満ちた美しい顔も、形の良い乳房も、しなやかなウエストのラインも、
何も変わっていなかった。
だが……
同時に、エフィールは変わり果てた姿になっていた。
透き通るような白い肌は、ぬらぬらとした光沢を放つ不気味な青い肌に変化し、
さらに彼女の腰から下は、青黒い鱗に覆われた、大蛇の尻尾に変わっていた。
7、8メートルはあるだろうか……丸太のような太さの大蛇の尻尾が、
ぐねぐねと妖しくくねっていた。

「ふ、うぁ……あ……ああ……!!」
目を見開き、いやいやをするように首を振るレオン。
彼の脳裏には、昔、蔵で読んだ書物に描かれていた「ラミア」という蛇女の絵が、
まざまざと浮かんできていた。今のエフィールの姿は、
人間の生き血をすすって生きるという、その禍々しい魔物そのものだった。

「恐いですか……?」
哀しげな笑みを浮かべたまま、エフィールはもう一度同じ事を訊いた。
「う、うう、ふぅううう……!うぁ、ああ、うああ……!!」
レオンは泣きそうな顔で一層激しく首を振る。
「さあ……レオン様……お覚悟を……!」
エフィールはそう言って両手を広げ、迫って来る。
「うあ、あ、あああああっ!!」
バネ仕掛けに弾かれるように、レオンはベッドを飛び出した。
無我夢中で逃げようとする、その視界の前に黒い影が走る。
次の瞬間、

ビシィッ!!
「うぐぁっ!!」
レオンの身体に、鞭打たれるような衝撃が走る。
同時に、例えようのない、しかし記憶にある忌まわしい感触が彼を捕らえた。
ゆうべ見た悪夢の……大蛇の胴体の感触だった。
「う、うあっ、あ、わあああああっ!」
彼の身体には、エフィールの青黒い蛇の胴体がぎっちりと巻き付いていた。

「レオン様……逃がしませんわ……
 200年前と同じようには……いきませんわよ……!」
「あ、ああっ、あああああ……!」
レオンの身体が、ぐい、と引かれて、そのままベッドへと引き戻されて行く。
先程までエフィールと愛を契りあった閨は、今や魔物の棲み家と化していた。
「うわ、あああ、ああ……!」
じたばたともがくレオン。しかしそれも空しく、彼はベッドに引きずり戻される。
そして、ベッドの上に横たえられたレオンの全身に、
エフィールの尻尾がぐるぐると巻き付いた。

「あああああっ、ああ、ああ、やめ、やめてくれぇっ!!」
レオンは半狂乱になってもがいた。しかし、ぎっちりと彼の身体を巻き取った
エフィールの尻尾は、彼がどんなに必死にもがいてもびくともしなかった。
「ふふ、いくらもがいても無駄ですわ……私に巻き付かれたら、人間の力では
 どうやっても逃れることなどできませんのよ……。」
エフィールは、優しく教え諭すように、レオンに囁いた。
今や、彼の身体は足の先から首まで、エフィールの尻尾に隙間なく巻き付かれ、
じんわりと締め付けてくる柔らかな肉の圧力に包み込まれている。

「さあ、レオン様……まずは……。」
そこまで言って、エフィールの表情は優しい笑顔のまま、その声だけが変わった。
「私から逃げようとした罰を受けて頂きますわ……!」
その声と共に、レオンの身体を包む蛇体の圧力がじわじわと高まり、締めつけてきた!
「ひっ、い、……いぎぃああああああああ!!あぐぁあああああああ!!」
絶叫するレオン。ゆうべの悪夢さながらに、大蛇の体に絞り上げられて、
全身がぎしぎしときしむ。骨が、筋肉が、内蔵が、彼の身体の全てが悲鳴を上げ、
体中を駆けめぐる激痛に、レオンは悶え狂った。

「レオン様……あなたは……私と一緒に暮らすと言って下さったでしょう……?」
ぎりぎりとレオンを締め上げながら、エフィールは甘く囁く。
「ぐあ、あぐあああああああっ!!ぎああああああああっ!!」
「なのに……どうして逃げるのですか……?
 200年前もそうでしたわね……私を捨てて……逃げて行った……ひどい人……。」
「あ、がぁあああああっ!!ぎ、いぎいいっ、いたい、いたい、いぐあぁあっ!!」
悶絶するレオンに、エフィールはにっこりと微笑む。
しかし、その目だけが笑っていなかった。
「痛いですか……?苦しいですか……?
 ……私は……あなたに捨てられて……ずっと……苦しんでいましたのよ……
 ずっと……ずっと……200年も……!
 その苦しみの何百分の一でも、……味わって頂きますわ……!!」
そう囁くエフィールの目は、苦悶するレオンをじっと見つめながら、
しかしレオンではない男を瞳に映していた。


「ぐぎゃああああっ、は、ぎぃあああああああっ!!」
レオンの全身が限界まで締めあげられて、ぎしぎし、めきめきと音を立てる。
いくらもがいても逃れようもなく、レオンはどうすることもできないまま、ただただ
地獄の苦痛に絶叫し続けた。
今にも絞め殺されそう、いや、その前に激痛のショックで狂い死にしそうなレオン。
エフィールの尻尾は、なおもじわり、じわりと締め付けてくる……。
「いぎいいいいいいい!いぐ、ぐああああ、許して、許してぇえええっ!!」
目の前に迫る死の恐怖に、レオンは身も世もなく泣き叫んだ。

と、レオンを締め上げていたエフィールの尻尾が、ふっ、と緩んだ。
「ぐ……ふう……ふぅ……あ、ああ……はあ……。」
死の淵から解放されて、大きく喘ぐレオン。
そのレオンの目の前に、エフィールの優しい笑顔がさしのぞいた。
「レオン様……痛かったですか……?」
「ひっ……!あ、ああ、あ……ああ……許して……お願い……ゆるしてぇ……!」
怯えるレオンを、エフィールはあくまでも優しい眼差しで見つめる。
「かわいそうに……こんなに怯えて……。」
「ああ……あ、うああ……お願い……放して……ああ……!」
「大丈夫……もう、痛くはいたしませんから……
 ここからは、私の愛で……あなたを絡め取って差し上げますわ……。」
「ああ……やめて……やめてぇ……もう、放してぇ……うう……ううううう……!」
泣きながら哀願するレオンに、エフィールの表情が再び曇る。

「申し訳ありません……本当は、私も……もっとささやかに、穏やかに、あなたと
 暮らしたい……でも、こうするほかないのです……。
 この2日間、とても幸せでした……ずっとそうして暮らせれば、どんなに……。」
そう言って、哀しげに目を伏せるエフィール。
しかし、再びレオンを見つめたその顔にはもう悲しみの陰はなく、
瞳には再び狂気の炎が燃え上がっていた。
「……せめて、その思い出を胸に、私はこれからの永遠の時を生きていきます……
 レオン様……あなたは……私がとこしえの楽園へとお連れいたしますわ……。
 永遠に終わることのない……快楽の園へと……!!」

エフィールはレオンの身体に巻き付いている尻尾をずらし、股間だけを露出させた。
そして、しなやかなエフィールの指が股間に触れる。
「うっ……!」
思わずうめき声を上げるレオン。
恐怖に縮みあがってしまっているペニスが握られ、そして……

ちゅぷっ……!!
「くぁっ……!」
レオンのペニスを、暖かく濡れそぼった感触が包み込んだ。エフィールの唇が、ペニスを
ねっとりと呑み込み、先が割れた細い舌が、ちろちろと舐めしゃぶってきた!!

くちゅ、くちゅ、くちゃ、ちゅぷ、ちゅぷ……。

「う、ぁあ……はあ、あああああ……!」
快感に身をよじってもがくレオン。その身体を絡め取ったエフィールの尻尾が、
ゆっくりと動き出す。締め上げるのではなく、レオンの全身を揉みほぐすような動きで
くにゅくにゅと蠕動を繰り返す。
エフィールは顔を上げ、身悶えるレオンの方を振り返った。
「いかが……気持ちいいでしょう……?」
そう言うエフィールの口の端からは細長い舌が伸び、30センチ程の距離を超えて
レオンのペニスを舌先でくすぐっていた。
「ふあ、あああああ……あああ、ああ、あああああ……!」
先の割れた舌先にちろちろと舐めくすぐられて、しぼんでいたレオンのペニスが、
みるみる勃ち上がってくる。
「ふう、うああ……ああ、ああ……あああ……。」
レオンは全身を揉み上げ、愛撫する尻尾の動きと、ペニスを舐め回す舌の感触に、
エフィールの問いに答える余裕もなく喘ぐ。
「これから、もっともっと気持ちよくして差し上げますから……。」
長い長い舌でレオンのペニスを舐め回しながら、エフィールは囁く。
「ほら、こんな風に……!」
その声と共に、エフィールの舌が、ぬらりとレオンのペニスに巻き付いた。

「うああ、ああ、あああああ……!あ、ああ、あひぁあああ……!!」
レオンは、全身に巻き付くエフィールの尻尾の中で、ぶるぶると身を震わせて喘いだ。
そのレオンの身体と同様に、彼のペニスもエフィールの舌に巻き付かれ、妖しく蠕動する
舌に舐め回されている。長く伸びた舌がくるくるとペニスに巻き付き、しごくような
動きでくにゅくにゅと蠢く。その度に、ぬるぬるの唾液と、とろけるような快感が
ペニスに塗り付けられた。

「ふうう、ぅああああ……エ、エフィール……ひああああ……!」
エフィールの尻尾のさなかで、レオンはどうすることもできず、
ペニスを舐めしゃぶられるままによがり狂う。
このままペニスを舐め溶かされてしまいそうな……それ程の快感が彼を絡め取り、
くちゅくちゅと舐め回し、しゃぶり尽くす……。
レオンは、その魔の快楽から逃れようと必死にもがくが、彼の、いや、人間の筋力では
全身に絡み付く強靭な大蛇の尻尾を振りほどくことなど到底不可能だった。
絶対に逃れようのない肉の牢獄……レオンはそこに囚われ、エフィールの責めに
なす術もなく喘ぎ、よがり狂い続けるしかなかった。そして、彼のペニスも同様に、
エフィールの舌に絡み付かれ、なす術もなくひくひくと射精寸前の快楽に喘いでいた。

「ふふ……レオン様……もう限界ですか……?」
身悶えるレオンを見下ろして、甘く囁くエフィール。
それでも、その唇から這いだした舌はレオンのペニスを解放することはなく、
先端から根本までそのピンク色のとぐろの中に捕らえてくちゅくちゅと責めたてている。
生暖かく、ぬるぬるとぬめる感触がペニスを包み込み、あたかも女の肉襞の中の様な、
いや、それ以上の快楽で責めたてる……!

「我慢しなくてもよろしいんですのよ……たっぷりお出しになって下さいませ……
 私の口の中に……。」
そして、エフィールは再びレオンの股間に顔を降ろした。

じゅぷっっ!!

「ふ、あああああ!ああ、あああああっ!!」
再び、エフィールの柔らかな唇の中に囚われるレオンのペニス。先端から根本まで
絡み付いたエフィールの舌は、一層淫らな動きでペニスを舐め回し、しごき立て、
しゃぶり尽くす。さらに、その舌先が一番敏感な裏スジをちろちろ、ちろちろと
執拗に舐めくすぐり、責めたてる!
「ああ、ああ、ああ……あ……あああああっ!!あっあっ、あああああああっ!!」
びくびくと全身を痙攣させるレオン。強烈な快感に、虚ろな眼差しで悶え狂う!!
「あああああああああっ!!ふあ、ああ、あああああああああっ!!!」


「ふああああっ!あっ、あっ、ああっ!あぐぁ、ああ、あああああっ!!」
エフィールのとぐろの中で、全身を包み込む柔らかな蠢きに悶えるレオン。
彼のペニスは強烈な快楽を与えられ、こちこちに硬く、大きく膨れ上がり、ひくひくと
痙攣を繰り返している。

その、射精寸前のペニスを、さらにエフィールの舌の、ピンクのとぐろが包み込んで
蠕動し、亀頭も、カリ首も、裏スジも容赦なく舐め回す。
しかも一番感じる部分を、舌先の二股に分かれた部分を使ってちろちろと舐めくすぐる!
舌先がぴゅるぴゅる、ちょろちょろと細かく震え、とっくに限界を迎えているペニスに、
気が狂いそうな程の快感を与えて来た!
それは、とどめを刺すには充分すぎる刺激だった。
レオンの身体の奥から、熱い液が噴き上げて来る……!
「あ、あぎひぃいいいいい!!い、いぐううう!!いぐ、いぐうううううううう!!!」

どぷっ、どぷどぷどぷどぷどぷぅっ!!!

レオンは、エフィールの口の中に、したたかに精を放った。
こく、こく、こく……。
エフィールの喉が動く。飲んでいる。レオンのペニスが放つ精液を、エフィールは
喉をならして飲み干していった。さらに、唇をすぼめてきゅうっと精を吸い上げる。

「あっ、あっ、あああ、ああ……はぁ、あああああ……!!」
精液を吸い出される感覚に喘ぐレオン。
どぷっ、どぷっ、どぷっ、……ぴゅっ、……ぴゅっ……。
とぐろを巻くエフィールの舌の中で、あたかも断末魔の痙攣の様にわななくペニスが、
最後の一液を絞り出される。
そしてレオンは、彼のペニス共々、女肉の感触に包まれてぐったりと息をついた。

「ふふふ……気持ちよかったですか?」
ペニスに巻き付いていた舌をしゅるしゅるとほどきながら、
エフィールは妖しい笑みをレオンに向けた。
「はぁ……あ、ああ……はあ……はあ……あ……ふぅ……。」
レオンはまともに答えることも出来ず、ただ大きな息をついている。
快楽の余韻に潤んだ瞳は、この世のどこにも焦点が合っていなかった。

「レオン様……とっても美味しかったですわ……。
 ああ……若い命のエキスが……体中に染み渡って来る……いい……!」
エフィールはそう言いながら、うっとりと目を閉じる。
その身体がほのかに光を帯び、あたたかな光の中で彼女は快感に身を震わせた。
やがて、徐々に光が弱まり、エフィールは満足げにレオンに向き直る。

「……これで、またしばらくは命をながらえる事ができますわ……。
 その間に……さあ、レオン様……ここからが本当の快楽ですわ……!」
エフィールはそう言うと、レオンの両足を巻いている尻尾を少し緩める。
そして、その僅かな隙間にぬるりと潜り込んできた。

「あ、くぅっ……。」
レオンの口から喘ぎが漏れる。
彼の身体を押し包む大蛇のとぐろ、その中に、エフィールの身体が滑り込んでくる……。
腰を巻いている部分、胴の部分、胸の部分と、全身を絡め取った尻尾を徐々に
緩めながらその中に潜り込み、彼女はレオンの身体の上を這いあがって来た。
2人の身体を巻いた大蛇の尻尾が、柔らかな女体をレオンの全身にじんわりと
押しつけてくる。
その圧力の中を、エフィールのしなやかな肢体が、ぬらり、ぬらりと滑る。
その度に、むっちりとした柔肌の感触を、射精したばかりで過敏になっている身体に
塗り付けられ、レオンはびく、びく、と身体を震わせて喘いだ。
「は、くあ、ああ……あくっ、うあ、あああ……ひあっ、あっ、ううっ……!」

そして……とぐろの中から、気品と華やかさを兼ね備えたエフィールの美貌が現れる。
しかし、その顔に浮かんだ妖しい笑みは、もはや昨日までの彼女のものではなかった。
「ふふ……レオン様……いかが……?」
妖しい笑みを浮かべて囁くエフィール。そのまま、とぐろの中から這い出てくる。
エフィールの顔がゆっくりとレオンの視界を埋めていく……そして……。
レオンの唇はエフィールの柔らかな唇にふさがれた。
「ん……んん……。」
レオンの唇の隙間を割って、エフィールの細い舌がにゅるにゅると潜り込んでくる……。
侵入してきたピンクの小さな蛇は、レオンの舌に絡み付いて、
生温かい唾液を塗り付けながらぬらぬらと妖しく蠢き、二股に分かれた舌先は、
ちろちろ、ちろちろと、レオンの歯茎の裏を執拗にくすぐってきた。
「んん……ん……んううう、ぅう……んんん……!」
レオンの口の中から全身に、甘美な快感の波が拡がる。
彼は、重ねられているエフィールの唇の中に、熱い喘ぎを漏らした。
エフィールの舌はなおもうねうねとのたうち、絡め取ったレオンの舌を嬲る。
「ん……はぁ……あふ……んん、んんんんん……あ、んむうぅぅ……!」
エフィールの唇に、絶え間なくレオンの喘ぎが吸い取られていく。
レオンの瞳はとろんとして、彼が深い陶酔境をさまよっている事を物語っている……。

……やがて、エフィールはゆっくりと唇を離す。舌がしゅるりとほどかれ、
「ふはぁ……。」
レオンは深い吐息をついた。その視界を、エフィールの満足げな笑みが埋める。
「うふふ……レオン様、かわいい……。とってもいい顔になってますわ……。
 さあ……もっとよくして差し上げますわ……。
 もっともっと、酔い痴れて下さいませ……。」
そう言うと、エフィールはさらにレオンの身体の上を這いあがる。再び、悩ましい
女体の感触がぬらぬらと全身に塗り付けられて、レオンはさらに喘ぎを漏らした。
そのレオンの顔を、

ふにゅっ……。

柔らかな胸の膨らみが包み込んだ。


「んん……ぷあ、あむんんん……!」
たわわな肉の果実がレオンの顔を挟み込み、胸の谷間がむっちりと顔を覆って、
レオンの口と鼻を塞いでしまう。息ができず、レオンは必死にもがいた。
「ふふ……レオン様……いかが……?柔らかいでしょう、私のおっぱい……。」
エフィールの囁く声が聞こえる。しかし、レオンにはそんな余裕はなかった。
柔らかい乳房がむっちりと顔を圧し包み、全く息ができない!顔を離そうにも、
エフィールはレオンの頭をしっかりと抱え込んで離さない!

「む……むむん……んん……んむむ……!」
レオンは顔を左右に振って、なんとかして呼吸が出来るようにしようともがく。
しかし、右を向いても、左を向いても、エフィールの豊かな乳房がぴったりとレオンの
顔面に吸い付き、むにむにと女の柔肌の感触で包み込んでくる……!
必死に息を吸おうとするが、新鮮な空気の代わりに、エフィールの蕩けそうに柔らかな
乳房が吸い付いてくるばかり……
次第に息が詰まり、苦しさが増してくる……!
「んん!んっんっ、むんん!!んん、んん、んんんんんっ!!」
レオンは、さらに必死にもがき、激しく顔を振った。エフィールの胸元に僅かに隙間が
開く。その、ほんの僅かな隙間から、空気を求めて大きく息を吸い込むレオン。

「ぶぶっ!!むぶっ、ぶぶぶんっ!!んむっ、ぶぶぶっ、むぶうっ!!」
たわわな肉の果実の間を通って来る新鮮な空気。
エフィールの胸の谷間から立ち昇る甘い香りが混ざる。
やっとの思いで吸い込んだ僅かな空気が、
かぐわしい香りのもたらすほのかな陶酔感と共に、レオンの体内を潤していく。
しかし、それはレオンが欲する量にはほど遠かった。
呼吸への渇望は癒されることが無く、レオンはこの上なく柔らかく、美しい女肉の凶器に
埋もれてもがもがと溺れさせられた。

「むんっ、ぶぶぶっ!!むむ、ぶぶぅぶぶっ!!むぶっ!!むぶっ!!ぶっ!!」
「うふふ、レオン様……苦しいですか?」
もがき苦しむレオンを、楽しげに見つめるエフィール。
「こういうのも、面白いでしょう……?」
「むぶっ!!ぶぶっ!!ぶぶぶぶぶっぶっ、うぶうぶぶっ!!」
「もっと、面白くして差し上げますわ……。」

その声と同時に、レオンの顔を包み込むエフィールの乳房に変化が起こる。
豊かな胸の膨らみが、さらにむくむくと、大きく膨らみ始めた!
そして、さらに柔らかく、さらにむっちりと、極上の感触でレオンの顔を
圧し包んでいく……!!
「ふふふふふ……いかが……?面白くなってきたでしょう……?」
「むぶっ、ぶぶぶぶうっ!!」
(やっ、やめてくれぇっ!!)と言おうとしたその言葉も肉の圧力の中に埋め込んで、
エフィールの乳房はさらに膨らむ……今や、レオンの顔のみならず頭全体を胸の谷間に
埋没させ、溢れた肉が首から肩までも女の柔肌の感触で包み込んでいく……!!
レオンがやっとの思いで胸の谷間にこじ開けた隙間も、膨らんでいく乳房が彼の努力を
嘲笑うかのように、両側からむにむにと埋め尽くしていく……!!
「むぶぶっ、ぶぶむむむうっ!!」
「うふふ……せっかく頑張ったのに……また息ができなくなってしまいますわね……。」
「むうっ!!むうんんん……むんんんんんんんんっ!!」
ほんの僅かに開いていた隙間が、柔らかな乳房の肉によってゆっくりと圧し潰される。
そして、レオンの鼻も、口も、ぴったりとエフィールの乳房に包み込まれて、
蕩けるような柔肌の感触と引き替えに、完全に外気から遮断された。

「んんん!!む、うう、うむむん!!んんっ、んっ!んっ!!んんんっ!!!」
頭全体をエフィールの柔肉に包み込まれて、窒息させられるレオン。
レオンは空気を求めて一層激しくもがこうとした。だが、今やエフィールの乳房は
片方だけでも彼の頭より一回りも二回りも巨きく膨らんでいた。
その圧倒的な質量の肉の塊に頭をむっちりと挟み込まれては、さっきの様に頭を振って
もがくこともままならなかった。
「むうっ!!んん!!んむむむむっ!!」
「うふふ……レオン様……苦しいですか……?
 じきに、その苦しさも、快楽に変わりましてよ……ふふふ……うふふふふ……。」
頭を挟み込む乳房を通して、エフィールの声が聞こえる……。
レオンの頭は巨きく膨らんだ乳房に頭を挟み込まれ、耳も柔らかな肉の塊に塞がれて
他の音は何も聞こえない……エフィールの囁く声だけが、彼女の乳房を通して頭の中に
こだまする……!

「んああ……む、むんんんん……んん……んん……ぅ……む……ぅ……。」
レオンの顔を彩る苦悶の表情に、僅かに陶酔の色が混じって来た。
彼の顔をぴったりと覆い、彼をじわりじわりと窒息させていく、美しい凶器……
その柔らかく、弾力に富んだ乳房で窒息させられているという事実がレオンを
酔わせていく……。
そして、レオンの意識が朦朧となってくる……めまいのような感覚が彼を捕らえ、
身体に力が入らなくなっていく……!
「む……ぅ……うう……………ん……………む……………。」
堕ちていくその感覚に意識が支配されつつある、その時。
レオンの頭を抱きしめるエフィールの腕の力がふっ、と緩む。
そして、彼の顔を覆い尽くしていたエフィールの胸の谷間に、僅かに隙間ができた。

「むっ、むぶぶっ!!」
必死に息を吸い込むレオン。胸の谷間から漂う甘い香りが、レオンの鼻をくすぐる。
エフィールの胸の谷間からたちのぼる甘い香りが、とろけるような陶酔感の波となって
全身をじんわりと巡っていく……。
「ふ、むぁ……あ、はぁ……。」
甘美な痺れに喘ぐレオン。その間に、エフィールの腕がレオンの頭を抱え込み、
再び柔らかな乳房の中に埋め込んでしまう。
「ふふ……いかが……?だんだん気持ちよくなってきたでしょう……?」
エフィールの甘い囁きと、ずっしりとたわわな乳房の感触が、レオンを甘美な苦しさ
で包み込む……。

そして、彼の意識が再び堕ちかけると、またエフィールの腕が緩み、
たった一息だけ、レオンに呼吸を許した。
「むあっ、あぶぶふぅっ!!」
レオンの身体にほんの僅か流れ込む新鮮な空気。
さっきよりも、エフィールの香りがより色濃く匂いたつ。
「ふぁ……ぁあ……むぁ、あ、あ……。」
窒息を免れる一息と引き替えに、レオンの身体はエフィールの甘い香りの色に
染め上げられていく……。


「うふふ……もっともっと、酔いしれさせて差し上げますわ……。」
生かさぬように、殺さぬように、抱きしめる力を加減して、
エフィールはレオンを、乳房の感触と柔肌の芳香とで包みこんで責め続けた。
しなやかな腕がレオンの頭を強く抱きしめる度に、レオンの顔を
大きく膨らんだ乳房の甘美な感触が包み込み、抱え込む腕の力が緩む度に、
レオンの全身に、甘い甘いエフィールの匂いが染み渡っていく……。
「むぁ……あむっ、むぅ……。」
次第にレオンの表情は陶酔の色を濃くしていった。

そして、もう幾度目か、圧倒的な量感の乳房がむっちりとレオンの顔面を包み込む。
柔らかな肉の感触、華の蜜のような甘やかな香りがレオンの頭を挟み込み、圧し包んで、
レオンを外気から遮断する。彼の耳も、エフィールの乳房によって塞がれ、
彼女の甘く囁く声の他には何も聞こえない……。
「レオン様……柔らかくて気持ちいいでしょう……?私のお乳の感触……。
 いい匂いでしょう……?私の香り……。」
「ふ……むぁあ……あ……あむぁ、あああ……。」
「さあ……もう何も考えないで……私の与える快楽に身を任せておしまいなさい……。」

そして、レオンの息が詰まる頃合を見計らって、エフィールの腕が僅かに緩む。
だが……。

「……あら……、ふふ……レオン様ったら……。」
くすくすと笑うエフィール。
彼女が腕を緩めたにも関わらず、レオンは自らその顔を胸の谷間にうずめていた。
そして、顔をこすりつけるようにして、ふかふかの乳房の感触を味わい、胸の谷間の
奥深くに鼻を差し込んで、そこから立ち昇る芳香をさかんに嗅いでいる……。
「うふふ……レオン様……いい匂いでしょう……?」
そのエフィールの囁きさえも、どこかとても遠くに聞きながら、レオンは
胸の谷間に埋もれる。鼻腔から忍び入る芳香を吸い込む度に、めまいに似た感覚が
彼を捕らえ、意識を朦朧とさせていく……。

「もっと気持ちよくして差し上げますわ……もっと、もっと、とろけるほどに……。」
それと同時に、2人の身体を巻いたエフィールの尻尾が、再びゆっくりと蠢き出す。
さっきよりもさらに微妙な、繊細な動きで、レオンの身体をぐねぐねと揉みたてる……。
レオンは、あたかも無数の女性の腕に抱きしめられて愛撫を受けているかのような
錯覚に陥った。彼の全身を、甘美な感覚が包み込む……。
「うぁ、……ふぁあ……あふぁあああ……。」
さらなる快楽と陶酔感に絡め取られ、翻弄されるレオン。
巨きな乳房に包み込まれた彼の表情は完全に恍惚と蕩けきって、
もう抵抗する力も、意志も無くなってしまっている事を物語っていた。

「ふふ……もうすっかり虜になってしまったようですわね……。」
自らの胸の谷間で、まるで痴呆のような表情で快楽に酔いしれるレオンを見つめながら、
エフィールは満足げにつぶやく。その目が一層、妖しい輝きを増していく。
それはもはや、愛する男を見るまなざしではなかった。
彼女は、いつしか獲物を見る目でレオンを見つめていた。
「では、そろそろ……いただく事にいたしますわ……。
 レオン様……さあ、いらしてくださいませ……私の中へ……!」
その言葉と同時に、エフィールの身体がゆっくりとずり下がっていく。
そして、

ぬちゅ……。
レオンのペニスの先端に、ぬるぬるとぬれそぼった女肉の感触が触れた。

「!!!」
その瞬間、とろけるような陶酔感に煙っていたレオンの瞳が、かっと見開かれた。
そして、
「う、ぁああああああああっ!!あっあっ、あああああああああっ!!」
絶叫が閨の空気を切り裂く。
「まあ、レオン様……そんなにようございますか……?まだ触れただけでしてよ……。」
「あああああ、あっ、あ、いやあああああああっ!!」
エフィールの胸の香りのもたらす陶酔感も醒め、激しく身を震わせてもがくレオン。
彼のペニスの先から、筆舌に尽くしがたい異様な感触が全身に伝わってくる。

その快感は、この世の物ではなかった。
人間のエフィールと交わったときも、この世の物とも思われぬ快楽をレオンは
味わったが……
『これ』ははっきり、この世の物ではないと確信できた。
この世に生きる者が味わってはならない禁断の快楽……レオンの脊髄を、本能的な
恐怖が駆け上がる。身体が危険を察知して、警告を発しているのだ。

「ふ、ぐううううう、うう、あああああ、く、うううううっ……!!」
蛇に呑み込まれる寸前の蛙は、こんな恐怖を感じるのだろうか……レオンは何とか
逃れようと必死になってもがく。しかし、いくらもがいてもエフィールの尻尾は
しっかりと彼を絡め取って離さなかった。
「うふふ……無駄ですわ……私からは、もう、逃れられはしませんのよ……。
 さあ……いらっしゃい……すばらしい快楽で包んで差し上げますわ……。」
そう言って、エフィールは身体を沈める。

「ほら……。」
ずちゅ……。
「うああああっ!ああ、あああああっ!やめ、やめて、えああああああああっ!!」
レオンのペニスがカリ首まで呑み込まれる。やわやわと蠢く肉の花びらが与えてくる
快感に、レオンは激しく悶えた。必死に腰を引こうとするが、みっちりと巻き付いた
エフィールの尻尾がそれを許さない。

「ほら……!」
ずにゅ、にゅる、ぬりゅぬりゅぬりゅ……!
さらに呑み込まれるレオンのペニス。半ば程までエフィールの女陰に呑み込まれ、
とろけるように柔らかな女肉の感触が、裏スジを包み込んでくちゅくちゅと蠕動する。
「ふぎ、いいいいいっ!!いっぎぃっ、た、たすけてっ、がぐああぁああああっ!!」
常軌を逸した快楽に、レオンはのけぞって悶え狂った。ペニスがびきびきと張り詰め、
ひくひくと痙攣する。捕食される死の恐怖と、ペニスから流し込まれてくる膨大な量の
快楽とがないまぜとなって、レオンの表情を狂気で彩っていく。
レオンのペニスは、なす術もなくエフィールの肉洞に呑み込まれてゆく……。
そして……。

「ほらぁっ……!!」
ぬりゅぬりゅぬりゅ……ずちゅうぅっ!!
レオンのペニスは、ついに根本までエフィールの女陰に呑み込まれた。
ペニス全体を、温かく、柔らかく、ぬるぬるとぬめる無数の肉襞がねっとりと圧し包む。
そして、
ぬちゃり……ぬちゃり……ぬちゅ、くちゅ、ちゅぷ、にゅるにゅるにゅる……!!
ペニスを包み込んだ無数の肉襞が一斉に動き出し、ペニスを舐めくすぐってきた!

「い、ぎぃあああああああああああああああああっっ!!!」
強烈な刺激に絶叫させられるレオン。

どぱあっ!!!びゅびゅっ、どびゅびゅびゅびゅぅうっ!!!
レオンのペニスも、無数の肉襞によってたかって撫でくすぐられ、ぬるぬるの淫蜜を
塗り付けられて、なす術もなく精液を吐き出させられた。


「あぎあああああああっ!!いぎいいいいいいいっ!!が、ぐぎゃあああ!!!」
「うふふ、レオン様……気持ちいいでしょう……?」
熱くとろけた蜜壷の中を埋め尽くす何十枚、何百枚という肉襞が、
レオンのペニスにまとわりついて妖しく蠢き、容赦なく責め嬲る。
人間の時のエフィールの肉襞の動きは、括約筋によって膣壁が収縮する、その動きに
よって生み出されるものだった。括約筋の発達の仕方によって、入口の方が締める力が
強いと、ペニスを吸い込むような締まり方をするようになる。
それはそれで、たぐいまれな名器ではある。あくまで、人間の女性としては。

が、今、レオンを圧し包んでいる肉襞の動きは、それとは根本的に異なるものだった。
肉襞の一枚一枚が淫らな舌と化し、自ら意志を持ってペニスに絡み付き、舐め回し、
全ての襞が、レオンが感じるところを的確に責めたててくる。
さらに、収縮する蜜壷も、人間の膣ではあり得ない動きでぐちゅぐちゅとペニスを
揉みしだき、しごき上げ、しゃぶり尽くす。
膣の中の全てのものが、男を狂わせ、精を搾り取ってやろうという意志のもとで
妖しく蠢き、容赦なくレオンのものを責めたてる。よってたかって襲いかかる
肉襞の群れに埋もれるペニスは、さながら淫らな蛇に呑み込まれた哀れな獲物のように、
魔性の女陰の奥深くに捕らわれて、びくん、びくんと魔の快楽にわなないた。

「ふふふ……レオン様……まだまだこれからですわよ……。」
甘く囁きながら、エフィールはさらに妖しく身をくねらせる。

ぬちゃり。

「ぎぁあああああああっ!!」
どぷっ、どぷどぷどぷうっ!!
「ああ……あっつぅい……レオン様の精……。もっとくださいませ……。」

ぬちゃり。

「ひぎぃいいいいいいっ!!」
びゅくびゅくびゅくびゅくびゅくっ!!
「おいしい……ああ、レオン様……おいしい……もっと、もっと……。」

ぬちゃり。

「ぐぎぃああああああっ!!はああああああああっ!!」
どくっ、どくっ、どくどくどくぅっ!!
エフィールが身をくねらせる度、彼女の肉襞がペニスを舐め回すたび、レオンは激しく
身を震わせながら精を放った。

「ああ……もっと……もっとくださいませぇ……。」
エフィールはうっとりとしたまなざしで見つめながら、なおも貪欲にレオンを貪る。

ぬちゃ、ぬちゃ、くちゅ、くちゅ、ちゅぷっ、ずちゅっ、ぬちゅるうっ……!!

「ひぎぁあああああああ、ああ、あぎひぃいいいいい、いあぁあぁあぁあああっ!!」
どぷどぷどぷっ、びゅくん、びゅくん、びゅくん、びゅくん、びゅくうううっ!!

たてつづけに悲鳴と精液を絞り出されるレオン。もはやエフィールのとぐろの中から
逃れようともがくことすらできず、ただただひたすらに精を搾り取られて悶え狂う!

「レオン様……もっと……もっと感じてくださいませ……。」
「ふああああっ、ああ、ああ、ああっ、あぐあああああああっ!!」
「うふふ……レオン様……いっぱい出てる……ああ……おいしい……。」
「ひあ、あがああああああああっ!は、ぐああああ、あぎいぃいいいいっ!!」
「ああ……レオン様のものが……びくびく震えてる……熱くたぎる精が……どんどん
 入ってくる……レオン様……もっと、もっと私に精を……注いでくださいませ……
 もっともっと、よくして差し上げますから……ほら、こんな風に……!」
「ぎいいいあああああああああああああっっっ!!!」
新たな刺激にレオンは、涙をぼろぼろとこぼしながら絶叫した。
エフィールの膣が、獲物を捕らえた大蛇のようにレオンのペニスをぎちぎちと
絞り上げ、ぐにゅぐにゅと蠕動して容赦なくしごきたててくる!
そして、無数の肉襞一枚一枚が、ぷるぷる、ちろちろと震え、レオンのペニスの
弱いところをよってたかって舐めくすぐってきた!!その動きも、たとえようもない程に
妖しく、いやらしい動きで……敢えて言うなら、無数の…それこそ、何千本何万本もの…
極細の触手がペニスに絡み付いて、その先端でくすぐってくるような……!!

「あぎぃっ、ぎっ、ぎっ、ぎひぃいいいいいい!!」
びゅくっ、びゅくっ、どぷどぷどぷっ、びゅるびゅるびゅるびゅるびゅるうっ!!!

異常な快感に、射精が一層激しくなり、レオンはエフィールの魔の膣の中に、とめどなく
精を吸い取られていった。

館の外は、激しい嵐になっていた。
横殴りの雨粒が激しく窓を叩き、荒れ狂う暴風が魔獣の咆哮の様な轟音で館を包む。
さらに、闇をつんざく雷鳴がひっきりなしに轟いていた。

館の中でも、激しい嵐が吹き荒れていた。ラミアと化したエフィールの生み出す、
人外の快楽の嵐が……その嵐の中で、レオンは成す術も無くよがり狂い、泣き叫んだ。
「ぎああああっ、あぎあああああああっ、ぎいっ、あああああああああああああ!!!」
「レオン様……愛しています……私の愛を……もっと受け取って下さいませ……
 そして、私に……もっともっと愛を注いで下さいませ……。」
身も世も無く泣き叫ぶレオンを、エフィールはなおも容赦なく責め嬲る。熱く蕩けた
女肉でレオンを締め上げ、細かな襞を震わせて、ペニス全体を舐めしゃぶる。
レオンのペニスは、ひとときの休息も与えられぬまま、びくん、びくんと痙攣し続けた。

しかし、もはや彼のペニスからは精液の迸りはなかった。すでにエフィールに
一滴残らず精を搾り尽くされ、出すべきものもないままに空しく射精のわななきを
繰り返す。空のペニスを搾られる度に、レオンの全身を快楽と激痛とが貫く。
「いぎっ、がっ、あああ、あがっ、ああっ!!あっ、ぐ、ぎあ、あああ、ああ!!」
エフィールの魔性の膣が与える、常軌を逸した快楽と、それによって引き起こされる
空の射精がもたらす激痛が、レオンにわずかな安息も許さなかった。

「ああ……レオン様……お願い……もっと……もっとぉ……!!」
「ぐが、あ、あぎあああっ!!あっあっ、あぐっ!い、ぎゃああああっ!!」
果てしなく続く快楽地獄に泣き叫ぶレオンを、エフィールは一層激しく責めたてた。
妖しくくねる肢体が悶え狂うレオンの身体に絡み付き、
蠢く肉襞がざわざわ、やわやわとペニスを貪る。

しかし、さすがにもうレオンの身体は、快楽を受け付けなくなっていた。
ペニスも感覚が麻痺してしまって、
注ぎ込まれる膨大な量の快感を受けとめられなくなってきている……。
エフィールの肉襞の中で、レオンのペニスは徐々に硬度を失っていった。
「あぁん、レオン様ぁ……もっと下さいませ……あんっ……。」
なおも身をくねらせて貪欲に精をねだるエフィールの膣から、レオンのペニスが
抜けてしまう。しごき抜かれ、しゃぶり抜かれ、精を吸い尽くされたペニスは、
既に、すっかりしぼみきってしまっていた。


「はぁ、はぁ……はぁ……、あ、は……ぁ……。」
ようやく快楽地獄から解放され、大きく息をつくレオン。
彼の顔は荒淫による疲労と、精力の喪失とでげっそりとやつれ、死相さえ漂っていた。
「……レオン様……もう、駄目ですか……?」
「ぁ……は、あ……エ、エフィール……もう……勘弁して……もう……。」
「そうですか……仕方ありませんわね……。」
幼子の様に泣きながら懇願するレオンに、エフィールは優しい笑顔を向けた。
そしてたわわな乳房を、ゆさ、とレオンの目の前に持ち上げる。
「さあ、レオン様……吸ってくださいませ……私のお乳を……。」

「……………ぁ……ぁ……。」
レオンは、不安げな表情でエフィールの顔を見上げた。
「……どうなさいまして……?早く吸ってくださいませ……。」
エフィールは、あくまでも柔らかな笑顔でレオンを見つめる。
「ぅ……ぅぅ……。」
レオンは怯えを含んだ眼差しで、エフィールの顔と目の前の乳房を見比べる。
これを吸ったら、何が待っているのだろう……?何が起こるのだろうか……?
彼の脳裏に、そんな疑惑が渦巻いていた。
これを吸ったら、また快楽地獄が待っている、そんな気がした。
「心配しないで……そのお乳は、私の命のエキスですわ……。
 もう、レオン様から精をたっぷり頂きましたから……
 余った分をお返し致しますわ……これを飲めば、疲れも苦痛も癒されて、
 楽になりましてよ……さあ……レオン様……。」
そう言いながら、エフィールはなおもためらうレオンの頭を抱え込んだ。

「あ……ぁあ……!」
再び、柔らかな乳房がレオンの顔をむっちりと覆う。胸の谷間から立ち昇る芳香が、
レオンの意識を優しく包み込んで愛撫し、甘美な陶酔境に誘って行く……。
「ふあ……あ……あ……。」
「うふふ、レオン様……これで、吸って頂けますわね……?」
エフィールの囁く声が、レオンの頭の中でこだまする……エフィールの胸の香りに
酔わされたレオンの意識は、その甘い囁きに抗いようもなく捕らえられていく……。
「さあ、レオン様……。」
その声に誘われるままに、レオンはエフィールの乳房に吸い寄せられていく……。
そして、その口が、ぬめやかな光沢を放つ青紫色の乳首を口に含んだ。

「あ……。」
恍惚と目を閉じ、レオンの唇の感触に身を震わせるエフィール。
それと同時に、レオンの口の中にじわりと生温かい液体が拡がった。
「ん……んん……!んぁ、ぁ……ぁ……!!」
その瞬間、レオンは理解した。エフィールの胸の香りの源が何か、という事を。
そして、その香りだけで彼を酔い痴れさせる魔性の母乳を飲んでしまったら、
一体どうなってしまうのかという事を。

「ふ……んん……んんん……!!」
レオンの目が一瞬、ぷるっ、と痙攣し、その瞳から光が消える。
彼は、自分の脳髄がどろりと音を立てて溶けたかのような錯覚に陥った。
それほどまでに、エフィールの母乳はレオンの意識も、意志も、思考能力さえも
一気に溶かし去った。
かくん、とレオンの頭が落ちかけ、それをエフィールはそっと抱え直す。
「んふ……どうぞ、もっとお飲みになって下さってよろしいのですよ……。」
囁く声に操られるように、レオンはエフィールの乳に吸い付いた。
まるでそれを待っていたかのように、エフィールの乳から温かな母乳が溢れ出す……。

「ふあ、ああ……!!んん……ん……んぁあ……!!」
レオンの表情が見る見るうちに弛緩していく……彼の体内に、魔の母乳がどんどん
流れ込み、レオンの身体を、精神を浸食していく……。
その魔性の液体を、レオンは自らすすんで飲み続けた。
それが自分にどんな影響を及ぼすものなのか、それを飲むことで自分が
どうなってしまうのか、それを考える力は、もはやレオンにはなかった。
レオンは、自らを狂わせるエフィールの母乳を、喉を鳴らして飲み下していった。

「む、ううんんん……むぁ、あああ……ふぁあああああああ……!」
「ふふふ……もっともっと飲んで下さいませ……。」
あたかも、我が子に乳を与える母の様に、レオンの頭を優しく抱きかかえるエフィール。
その腕の中で、レオンはまさしく母の胸に抱かれる嬰児の様に、エフィールの乳を
無心に吸い続けていた。そして……

「あ、あ……はぁあああ……!」
レオンの体の内側から、じんわりと温もりの波が拡がっていく……。
そのあたたかな波動がゆっくりと体内を巡るほどに、エフィールの苛烈な陵辱によって
全身に満ち満ちた疲れが癒され、苦痛が和らいでいった。
消耗しきった身体を、エフィールの母乳に含まれる生命のエキスが満たしていく……。
「ああ……あああ……んん……ふ、ううん……!」
「……レオン様……美味しいですか……?」
「ふあぁ……ああ、おいし……い、いい……エフィール……おいしいよぉ……。」
身も心も溶け去ってしまうほどの、安らぎと温もりに抱かれるレオン……。
魔の母乳に酔い痴れ、エフィールの胸に甘えるその表情からは、
一切の知性と理性が抜け落ちていた。

「うふふ……楽になりまして……?では……。」
甘い囁きと共に、再びゆっくりとエフィールのとぐろが動き出す……。

もぞり……。
「うぅっ……!」
全身に絡み付く蛇体が身体を撫で上げ、ぞくり、とレオンの背筋を快感が走る。
魔乳によって癒された身体は感度も回復しており、まるで初めて愛撫を受けたかの様に、
新鮮な快感が全身を駆けめぐった。

ぞわ……ぞわ……。
「くあ……ああっ……!」
レオンの身体を螺旋状に巻き取った柔らかな肉の感触が、ぐにぐにと蠢いて、
彼の全身に愛撫を加える。レオンの脇腹を、背筋を、蠕動する蛇体が撫で回す……!
「ああ、ぅああ……あああ……ふあ、く、ぅああああ……!」

さわさわ……さわさわ……くに、くに、むにむにむに……!
「うああああ……あああああ……くあっ、あひあっ、あああああっ……!!」
徐々に熱を帯びてくるレオンの喘ぎ声。
彼の全身にも、甘美な熱がじわじわとこみ上げて来る……その熱が、股間にも伝わり、
しぼみきっていたはずのペニスが、もぞり、と動いた。
そして、さわ、さわ、と愛撫が加えられる程に、むく、むく、と起ち上がってくる……!


「ふあ、あ、ああ……あああああ、あふぁああぁああああ……!」
寝室に響きわたるレオンの声。
レオンの全身に巻き付いた蛇体がぐねぐねと蠢き、愛撫を加える。
その動きに弄ばれるように、レオンの身体もぴく、ぴく、と動いている……。
「ああ、あああ……あ、はぁあああ……、いあ、ああっ、あああああ……!」
顔を上気させ、喘ぐレオン。彼のペニスも、全身から伝わってくる快感の刺激を受けて、
既にぎっちりと張り詰めている。

「うふふ、レオン様……これでまた、して頂けますわね……?」
エフィールの魔性の蜜壷が、その中に蠢く無数の肉襞が、じり、じり、と
レオンのペニスに迫ってくる……。
獲物を狙う大蛇の様に、くぱ……と口を開いて、ゆっくりと……近づいてくる……!
その内側を埋め尽くす肉襞は、既に男のものを待ち焦がれて、
うねうねと波打ち、ぐちゅぐちゅと蠕動し、男を貪る動きを繰り返している……!
すぐそこに迫る快楽地獄の入口を前にしながら、レオンのペニスは蛇に睨まれた蛙の様に
ただひくひくとわななくばかりで、全く逃れる術を持たなかった。
そして……!!

ずちゅ、にゅるるるるぅううぅっ……!!
「う、あああ、ああっあっあっ、いぎぃああああああっ!!」
喘ぎが再び絶叫に変わる。それは、先程レオンの精を一滴残らず吸い尽くした
快楽地獄が、また一から繰り返される……その始まりを告げる合図だった。

レオンの身体を包むエフィールのとぐろが蠢き、蠕動する……
「うああああ……!ああっ、いぁあああ、あぐぁああああああっ……!」
そのとぐろの中で、エフィールの上半身がくねくねと、妖しくくねる……
「あがあああああああっ!ああ、あああ、たすけ、たすけてぇっ……!!」
そのエフィールの肉体の中で、女の粘膜がくちゅくちゅと蠢く……!
中に捕らえたレオンのペニスをじゅぽじゅぽとしごき、搾りたてながら……
びっしりと内部を埋め尽くす、無数の肉襞がペニスの先端から根本まで
びらびら、にゅるにゅると舐め回し、撫でくすぐる……!!
「ぎぃあああああああっ!!あぐぁ、ああああああっ!!あぎひいいいいいいっ!!」

どびゅ、びゅびゅっ、びゅくびゅくびゅくびゅくびゅくうううっ!!
限界まで張り詰めたペニスが、再び白濁液を吐き出させられる。
エフィールが飲ませた魔乳によって、強制的に精力と性感とを回復させられたペニスは、
あたかもこれが最初の射精であるかの様に、濃厚な精液を放った。
「ああ……レオン様……おいしい……また、いっぱい出ていましてよ……
 さあ、もっと、もっと搾り取って差し上げますわ……!」
エフィールがそう言って身をくねらせると、

にゅる、くちゅくちゅっ、ぎちゅっ!ぐちゅぐちゅぐちゅるるるっ……!
「いぐぁああああああああっ!!」
びゅるるっ、びゅぷっ、どぶどぶどぶどぶどぶぶぶぶうっ!!

粘液まみれの肉が擦れあう淫猥な音と共に、精液の迸りが一層激しくなる。
さらに……

「うふふ……さあ、レオン様……こちらもどうぞ……。」
にゅるにゅるにゅるにゅる……
エフィールの甘い囁きと同時に、彼女の乳首が触手のように伸びて来る。
「うあぁっ、ああ……!」
その先端が自分の口元へと迫ってくるのを見て、レオンは必死に口を閉じる。
だが、細長く伸びたエフィールの乳首は、先端から僅かに滲み出した魔乳を
潤滑液にして、固く閉じたレオンの唇の端から、口の中へと易々と侵入した。

ぴゅくっ、ぴゅくっ、ぴゅぴゅっ、ぴゅるるるうっ……!!
「ふぁ、はあぁぁあああああ……!」
魔乳がレオンの口の中へと流し込まれていく……甘い甘い蜜のような母乳が、レオンの
意識をとろけるような陶酔感で包み込んでいく……。

「レオン様……いかが……?」
レオンの目の前には、にっこりと微笑むエフィールの顔……女神のような優しい微笑みを
浮かべて、レオンを見つめている……。
「ふぁ……あ……あ……うぁあああ……。」
飲まされた魔乳が、身体の内側から温かな波動となってレオンの体内を満たしていく……
甘美な感覚がもたらす熱によって、レオンの意識はとろとろと溶け崩れて行く……

「ふぅ、ぅああ……ああ……はああああ……!」
熱を帯びた吐息を漏らすレオンを、優しい笑顔で見つめるエフィール。
「ふふ……気持ちよさそう……では、こちらはいかが……!」
エフィールの女神の微笑みが一転、悪魔のような妖しい笑みに変わった。

ぐちゅ、ぬちゃ、ぞちゅぞちゅぞちゅぬちゅぬちゅっ……!!
「ぎいああああああああああっ!!あぎっ、あぎゃああああああ!!」
どぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどどどどどぶうっ!!
びらびらと蠢く肉襞の群れがペニスを貪る。襞の一枚一枚が、表面全体をつかって
べろり、べろりとペニスを舐め上げ、先端を使ってちろちろ、ちろちろと
くすぐってくる……その、無数の肉襞のただなかに埋もれて、レオンのペニスは
びくんびくんと瀕死の痙攣を繰り返し、快楽の代償を搾り取られていった。

「がぐあぁあぁあああああ!あああ、はああああ、ひぎぃいいいいいいっ!!」
「ふふふふふ……いいでしょう……?さあ、もっとお飲みなさい……!」
とろとろとろ……とろとろとろとろとろ……。
悶絶するレオンの口に、エフィールの魔乳が流し込まれる……!
「ふはぁ……はぁ……あ、はあぁあぁああああ……!」
レオンの表情が、再び無上の陶酔感に蕩けていく……!
「んふふ……では、私も頂きますわ……!」
ぬちゃり、ぬちゃり、にゅぷりゅりゅぷにゅるるる……!
「ひぎぃいいい、ひぁあああああああっ!あっ、あっ、あああああああああっ!!」
蕩けきったレオンの表情が一気にこわばり、断末魔の様な悲鳴が上がる。
天国と地獄を行ったり来たりさせられるレオン、その表情は恍惚と悶絶の色に交互に
彩られながら、徐々に狂気を帯びていった。


「うふふ、おいしい……さあ、もっともっと良くして差し上げますわ……!」
レオンの口の中に侵入したエフィールの乳首が、さらに大量に魔性の母乳を放つ。
同時に、レオンのペニスを捕獲した肉洞が、ぐちょぐちょと妖しく蠢く。
「ぎおっ、お、あふぁあ……あぎいいいっ!!い、ひあぁ……ぐぎぃいい!!」
レオンは、身も心も溶かし去ってしまうような陶酔感に酔い痴れさせられながら、
同時に身も心も焼き尽くしてしまうような快楽に悶え狂わされた。
「ああ……おいしい……んふふ、心ゆくまでお出しになってくださいませ……
 いくらお出しになっても、もう枯れることはありませんのよ……!」
エフィールは、レオンの耳元で熱っぽく囁く。
それは、この快楽地獄には終わりがない、という事を意味していた。

先程から、レオンはずっと精を搾り取られ続けていた。搾り取られ続けて、なお
枯れることも萎えることもなく、濃厚な精液を激しく迸らせている。
いくら精を放っても、絶えず飲まされているエフィールの魔乳の効果で、吸い取られる
そばから精を補充されていく……そして、補充された精をまた搾り取られていく……!
「あああああ……あぎぁああああああっ!!あ、うぐっ、ぐああああ……!」

びゅくん、びゅくん、びゅくん、びゅくん、びゅくん、びゅくん、びゅくん……

レオンのペニスは、今や心臓のようにひとときも休むことなく脈動して、
エフィールの膣の中に精液を送り出し続けている。
搾り取られた精液は、エフィールの胎内で純粋な生命のエキスに精製され、
エフィールの糧になっていく……そして、その一部を使って魔性の母乳が作られ、
レオンの体内に注ぎ込まれる……その魔乳の効果がレオンの身体を癒し、
体力、精力、性感を否応なく回復させていく。レオンを助けるためではなく、
レオンの精をいつまでも搾り取り続けるために……!!
「あふぁあああああ……!あがっ、ぐ、ふあ、ああ、あああああっ!!」
レオンは白い循環の中に囚われて、際限なくよがり狂わされ続けた。

「ああ……いい……おいしい……レオン様の精……
 ずっと……ずっと……このまま、吸わせてくださいませ……。」
エフィールは恍惚の表情でレオンを見つめながら、捕らえたレオンのペニスを
魔性の肉襞でくちゅくちゅとしゃぶり回す……!
「は、うくっ、ひいぃいいいい……、たすけて、たすけてぇええええ!!」
ぶるぶると全身を痙攣させながら泣き叫ぶレオン。
「レオン様……いけませんわ……その様なことをおっしゃっては……
 それに、もう誰も、ここには来られませんのよ……。」
エフィールは、レオンを熱っぽい眼差しで見つめながら、教え諭すように囁く。
「この館は呪いの結界に閉ざされて、誰も近づく事も、見つける事も出来ませんのよ……
 ……もう、私達の愛を、誰にも邪魔される事はありませんの……。
 そう、これからは二人、一つになって、とこしえに愛し合いましょう……!」
「うふぁああ……ああ、そんな、そんなぁあああ……!」
レオンの表情を絶望が彩っていく。

「レオン様……辛いのですね……?」
さすがにエフィールも、ややレオンを気遣うような眼差しになって、彼を見つめる。
「お、お願い……もう……だめ……ああ、たすけ……て……ぅうぅうう……。」
レオンは、うわごとのように救いを求め続ける……エフィールの魔乳によって、
彼の身体はいくら精を吸われても苦痛ではなくなっていたが、もはや彼の精神が
この快楽地獄に耐えられなくなっていた。快楽と陶酔の狭間でもみくちゃにされた
レオンの精神は、すでに疲弊しきってぼろぼろになっているのだ。
「人の身で、人ならざる私の愛を受けとめるのは、少々苦しいかも知れませんね……
 でも、心配いりませんわ……すぐに、楽にして差し上げますから……!」

そう言うと、エフィールはゆっくりと口を開ける。
その口の中で、鋭く尖った牙がキラリと光った。
「うあ……あ……ああ……!」
怯えるレオン。エフィールの唇が、その奥に潜む牙が、ゆっくりと彼の首筋に
近づいてくる……!
レオンは、必死に逃れようとしたが、エフィールのとぐろの中に捕らえられている彼に
できるのは、精一杯首をすくめる事ぐらいだった。
レオンの必死の抵抗も空しく、エフィールの牙が首筋に触れる……そして……!

ぷつっ……!

レオンの首筋にエフィールの牙が突き刺さる。そして、
「う、あぁ……は、あああああ……!」
とくん……とくん……とくん……どくん……どくん……!
首筋から血液が流出していくのをレオンは感じた。
吸われている……血を……吸われている……!
レオンの脳裏に、ラミアについて書かれた書物の言葉が蘇る。

『ラミアは、上半身は美女、下半身は大蛇の姿をした半人半蛇の怪物である。
 人間の女に化けて男を誘惑し、騙されて近づいた男を襲ってその生き血をすする。』

生き血を……すする……!
まさに、今レオンはその書物の言葉通り、エフィールに血を吸われていた。
「ああ……エ、エフィール……ああ、あああ……!」
血液を吸われていくに従って、なんとも言えない喪失感と寒さがレオンの体内に拡がって
いった。血液が失われていく程に、レオンの体温もまた失われているのだ。
「ああ……さ、さむい……さむいよぉ……エフィール……!」

言うまでもなく、その間もレオンのペニスからはびゅくん、びゅくんと精が搾り取られ、
レオンの口にはエフィールの魔乳が流し込まれている。
だが、魔乳の効果も、失った血液を補ってはくれない様だった。
……そして、レオンの意識は徐々に朦朧となってくる……。

……その時。異変が起こった。
「!!?……な、なんだ……?」
戻ってくる……首筋から吸われていた血液が、再びレオンの体内に注ぎ込まれている……
エフィールは、下顎の牙から吸い取った生き血を、上顎の牙からレオンの体内に
戻していた。温かな流れが、徐々にレオンの身体を蘇生させていく……!
「な……一体……これは……?……!!!!!」
予想外の事態に困惑の表情を浮かべていたレオンのその顔が、今度は一気にこわばった。

「いっ、いああああ!ちがう、こ、これっ、ちがうううううううっ!!」
目をかっと見開いて、がくがくとわななくレオン。体内に流し込まれてくる、温かな
液体……それは、血液ではなかった。全身に染み渡ってくる違和感が、それを
物語っていた。体内にどんどん流れ込んでくる「それ」は、レオンの身体に
ある種の反応を引き起こし始めていた。
「く、くる、なんかくる、きちゃうぅううううう!!ひ、いいいいいい!!」
悶え狂うレオン。激しく首を振り、首筋に咬みついているエフィールを振りほどこうと
するが、エフィールはレオンを離さず、彼の血を吸っては、別の何かを注入し続けた。

……そして、数分後……

「はあ、あああああ……あひ、いいいいい……!!くあ、はぁあああああああ……!!」
レオンは、全身をわななかせて喘いでいた。その顔は熱っぽく上気し、潤んだ瞳が
ぷるぷると震えている……彼の身体の奥底から、狂おしいばかりの切ない疼きの波動が、
とくん、とくん、と体中を巡っていた。


ちゅっ……。
最後に、レオンの首筋にキスをして、エフィールの唇が離れた。その唇が悩ましげな
笑みを作り、エフィールは優美な、それでいて淫靡な表情でレオンを見つめた。
「んふふ……これでいかがですか……?」
「は、うぁああ……ああ……ああ……!あああ、ああ、あああ……!!」
どくん……どくん……どくん……どくん、どくん、どくんどくんどくんどくん……!!
レオンの喘ぎ声が一層切なくなり、身体のわななきが一層激しくなる。

「レオン様の血は、一滴残らず頂きましたわ……
 そして、代わりに私の毒液を注がせて頂きましたの……。」
「はあぁああ、ああ、あああああ……はああああ……!」
妖しい笑みを浮かべながらレオンに囁くエフィール。
レオンはもはや、まともに返事する事もできない。
「うふふ……その毒液は、血液の代わりの役目も果たしますのよ……
 血液の代わりにあなたの体中を巡りながら、強力な催淫効果を発揮しますの……。」
「うあ……あああああ……はあ、あああああ……く、ううううう……!!」
「そして、ずっと体内を巡り続けるという事は……んふふ、もうお解りですわね……!」
「うああっ、ああ、あああ……あ、あ、ああ、あああ、あああああ……!!」
エフィールの言葉に、レオンの顔に絶望の色が滲む。
「そう……その毒液の効果は永続いたしますのよ……!」
「ああっ、あああああ……!!」
エフィールの非情な宣告に、レオンの嗚咽のような喘ぎ声が重なった。

「さあ……レオン様……。」
そう言って、エフィールはじっとレオンを見つめる。
気品と華やかさとを兼ね備えた美貌に、陰湿な欲望と期待を滲ませて、彼女は言った。

「……どうして欲しいですか?」

「……ふ、うう……うあ、あああああ……!ああ、ああ、あああああ……!!」
その問いに、レオンの表情がぐしゃりと崩れた。
彼にはすぐに解った。エフィールがどんな答えを求めているのか。
そして、それを言ったら、言ってしまったら、自分がどうなってしまうのか。
そしてもう一つ、彼には解っていた。
もう、自分にはそれを拒み続ける力が無い、という事を。

「レオン様……おっしゃって下さいませ……さあ……!」
じっとレオンを見据え、『その言葉』を求めるエフィール。
「ふ……ぐう……ううう……!うう、ううう……ぐうううう……!」
エフィールの声に、レオンの身体が反応し、勝手に言葉を発しそうになる。
儚い抵抗と知りながら、レオンは必死にその言葉を呑み込んだ。

「ふふ……堪えようとしても無駄ですわ……分かっていますのよ……
 レオン様、私にして欲しい事がおありでしょう……さあ、おっしゃって……!!」
そう言いながら、エフィールは身をくねらせる。
くちゅっ、ぬりゅぬりゅぬりゅ、ぬちゃっ、ぬちゃっ、ぬちゅるるる……!
「ひぎいいいいいいい!!いがっ、がああああああああっ!!」
どぷどぷどぷどぷどぷうっ!!
エフィールの魔性の蜜壷が、レオンのペニスを貪る。
もちろん、これまでもずっと、レオンのペニスはこの肉襞地獄に根本まで咥え込まれて
責め抜かれ、射精を強制されていた。その射精が一層激しくなり、レオンの意識を
快楽でがんじがらめに絡め取っていく……!

「ふ、ぐがあああ、あひぃいいいいいい!!ひいっ、いっ、いああああああああ!!」
「ふふ……ほら、レオン様、おっしゃって下さいませ……!
 本当は、言いたくてたまらないのでしょう……?んふふ……ふふふふふ……!!」
その声と共に、レオンの口に流し込まれている魔乳が一層濃度を増す。さらにぬるぬると
粘っこくなり、ますます濃厚に、むせ返る程に甘ったるい香りを放つ……もちろん、
乳自体も一層濃厚に甘く、どこまでも甘くレオンの味覚を刺激しする……
レオンを酔い痴れさせる効果の程については、もはや言うまでもない。
彼の意識そのものが甘美な感覚で塗り潰され、尽きることのない陶酔感に
十重二十重に絡み付かれて、成す術もなく酔わされていく……!!

そして、それらの快楽と陶酔感とに、レオンの身体が反応する……
彼の体内を巡る、新たな血液……エフィールに注ぎ込まれた、彼女の毒液が、
レオンの身体の隅々までも染み渡り、淫らな炎であぶりたてる……!
与えられる快感と陶酔感とを増幅し、それらへの抵抗力を封じていく……!!
「ふああ、あああああ……あひぃ、いああああ、あああああ……!!」
レオンの肉体は、必死に堪えようとしている持ち主を裏切って、勝手に快楽に耽り、
陶酔感に溺れ、その知覚力の全てを動員して、レオンの精神を情欲の坩堝へと
引きずり込もうとしていた。今や、彼の身体までもがエフィールの手先と成り下がり、
彼に決定的な言葉を言わせようとしている……!

「あっ、ああっ、あがっ、ああ、あああ、いや、いや、いやああああっ!!」
ぼろぼろと涙をこぼしながら、激しく首を振って抵抗するレオン。
彼の精神を快感と陶酔感が蝕んでいく……。
全身をくまなく撫で回される快感、ペニスを搾られ、しごきたてられる快感、
カリ首を、裏スジを、よってたかって舐めくすぐられる快感、それら全てが、
レオンに最期の一言を吐き出させようと誘う……その一言を言えば、
もっともっと良くしてあげる……これ以上の快感で狂わせてあげる……
さあ、言いなさい……と……!

そして、その悪魔の誘惑を必死に拒もうとする彼から、抵抗する力を奪っていくものが
ある……甘い、甘い、どこまでもどこまでもあまいお乳……温かく、ねっとりしていて、
……とろとろ……とろとろ……と滴り、ねばねばと絡み付き、抗いようもなく
染み込んでくる……レオンの意識をも、そのお乳同様にとろとろと蕩かしていく……
そして、甘美な陶酔の底なし沼に引きずり込み、優しく抱きしめ、包み込み、
そして甘く囁く……さあ……何を拒むことがあるの……?何もかも忘れて……
何もかも諦めて……全てをされるがままにして……その身を委ねておしまいなさい……
そうすれば、もっともっと酔わせてあげる……もっともっと蕩かしてあげる……
さあ……言いなさい……言って楽になるのよ……と……!

「いいっ、いひいいい……いやっ、いやぁ……ああ、ああ、いやぁああああ……!」
今や半狂乱で泣き叫ぶレオン。
「ふふふ……レオン様……もう、限界でしょう……?ふふふ、ふふふふふ……
 ……さあ……おっしゃって下さいませ……ふふ……どうして欲しいのですか……?」
勝ち誇ったような笑みを浮かべて、さらにレオンを追いつめるエフィール。

ぬちゅっ、くちゅっ、にゅるにゅるっ、ちゅぱっ!ふにゅ、にゅるにゅるにゅる……!
レオンに絡み付くエフィールの身体がさらに妖しく蠢き、レオンの全身を容赦なく
責め嬲る。そして、彼女の唇が、レオンの耳元で甘く、熱く囁く……!
「さぁ……レオン様ぁ……おっしゃって下さいませ……さぁ……早く……!」

その言葉に誘われるように、レオンの口が動いた。
「ああっ、ああ……ああ……、……ぉ……ううっ、う……ぁぃ……ぇ……!!」
「……ふふふ……何ですか……?もっとはっきりおっしゃって……!さあ……!!」
「……ぉ……お……う、あああああっ!!」
快楽に歪み、陶酔感に蕩けていたレオンの顔が、一気に一つの感情に塗り潰された。

その表情が表現したのは、『絶望』、それが全てだった。

「お……おかしてぇっ!!ぼくを……ぼくを……おかして!!おかしてぇええええっ!!
 もっと、もっとはげしくっ!!ぼくを、めちゃくちゃにしてええええええええっ!!」
レオンの『敗北宣言』が、寝室に響きわたった。


「エ、エフィールぅっ!!お願いっ!!ぼ、ぼくを!!ぼくをおぉぉぉっ!!
 犯してっ!!おかしてぇっ!!もっと、もっと、おかしつくしてぇっ!!!」
一度言ったら、もう止まらなかった。身体の奥底から次々とこみ上げてくる欲望が、
さらなる快楽を求める言葉となって、喉から迸る。

それを見つめるエフィールの顔に、この上なく邪悪な、そして淫らな笑みが浮かんだ。
「レオン様……とうとう、言ってしまいましたね……ふふふふふ……
 分かりました……お望み通り……究極の快楽を味わわせて差し上げますわ……
 そして、ふふ、レオン様……これであなたは永遠に、私の虜……
 もう、私の中からは永遠に逃れられませんわ……ずっと、ずっと、いつまでも……
 永遠に愛し続け、よがらせ続け、いかせ続け、狂わせ続けて差し上げますわ……
 うふふ……ふふふ……ふふふふふ……ふふふふふふふ……!!」

そう言って笑うエフィールの頬を、つっ……と一筋、光るものが流れる。
そして、彼女の唇が一瞬震え、声にならない言葉を紡いだ。
たった一言、「ごめんなさい……」と。

ごめんなさい……あなたを巻き込んでしまって……
でも、私……一人では生きていけません……
せめて、あなたと二人で……この、永遠の愛の牢獄に囚われていたい……
ずっと……この……かりそめの愛に……溺れていたい……

あなたとなら……

……………

そう……あなたなら……永遠に私の中に捕らえていたい……!
私の、この愛に溺れさせてしまいたい……!
この……憎しみの炎で焼き尽くしてしまいたい……!!
レオン様……レオン様……!どうか、私と一緒に……

一緒に……狂って下さいませ……いつまでも……とこしえに……!!

「ふふふふふ……ふふふふふ……ふふふふふふふふふ……ふふふふふふふふふ……!!」
愛憎の狂気を瞳にたぎらせて、笑うエフィール。
そして……彼女の身体に新たな変化が起き始めた。
「がっ、ぎぃひぃいいいいいっ!!あひぁっ、ああっ、がはぁああああああ!!」
エフィールのとぐろがびくっ、びくっ、と跳ね上がる。中に捕らえられたレオンの身体が
新たな、そしてより激しい快楽にのたうち回っているのだ。

ちょろちょろちょろ……ぴゅるぴゅる……ちろちろちろちろちろっ!!!

「はぎぃぃいいいっ!!いぎいいひいいいい!!あひぁっ、ひぃいああああああ!!」
レオンのペニスに、何かがまとわりつき、這い回っていた。
エフィールの膣の奥から、這い出てきたのは……細長い蛇の舌だった!
あたかもそれ自体が蛇のように、肉襞の間を這い進み、レオンのペニスに絡み付く。
そして、二股に分かれた舌をぷるぷると震わせ、敏感なところを容赦なく舐めくすぐる!

「ああっ、あああああ!!いああああああああ!!うぁっ、あぎぃいいいいいいい!!」
どぶどぶどぶどぶどぶっ!!どぶどぶどぶどぶっ、どぶどぶどぶどぶどぶうっ!!
レオンの尿道を限界一杯まで圧し拡げて、精液が迸る。
「ふふふ……レオン様、これだけでは終わりませんわ……ほら……!」
「ひぎいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!!」
絶叫するレオン。ペニスに絡み付く蛇の舌の感触が、2本に増えたのだ。

「くふふ……まだまだありましてよ……ほら……ほら……ほら……!!」
エフィールの声と共に、膣の奥からさらに新たな蛇の舌が這い出てくる……!
3本……4本……5本……6本……7本……8本……もっと……もっと……!!
その、何十本にもなる蛇の舌が、レオンを圧し包む肉襞の群れと巧みに連携して、
舌先をぴゅるぴゅる……ちょろちょろ……と震わせる……!!
「ひぁっ、あひぃっ!!いひぃぁあああああっ!!あぎっ、ぎぃっ、いがぁああ!!」

無数の蛇の舌が、カリ首をちろちろとくすぐる!
「ぎいぃいいいいいいっ!!いいっ、いいいいいいいいいっ!!」
さらに何本もの舌が、裏スジを這い回る!
「ごぉおおおおおおおっ!!おぐぅぁああああああっ!!はぎぁっ!!あげゃっ!!」
さらに何本もの舌が根本に絡み付き、その下の袋を、その皺や筋を丹念に舐め回す!!
「ひぃひぃいいいいいいい!!!あああ、ああひああああああああ!!!」
そして、さらに何本かの舌は……その更に下の、蟻の戸渡りを這い、そしてさらに下の
すぼまりへと侵入して、その皺の一本一本をくまなく舐め回し、ほじくり返した!!

「いひゃああああ!!あっ!ひあっ!!ふひゃっ、いあっ、あひいぃいいいいい!!」
ぶじゅじゅじゅじゅるるばぼぼぼぼぼびゅぼびゅぼびゅるるる!!!!!
無数の肉襞と、無数の舌とで、徹底的に責め嬲られるレオンのペニスは、
絶え間なく溶岩を噴き上げる火山のような勢いで精を噴き上げさせられた。

さらに……レオンの全身を包むエフィールのとぐろにも変化が起こった。
尻尾の腹側……ちょうどレオンの身体に密着している蛇腹の部分に、
縦に無数の筋が入った。その筋はすぐにむくむくと膨らみはじめる。
柔らかさを増しながらさらに膨らみ、徐々にそれははっきりとした筋状の凹凸に
変わっていく……そして出っ張った部分の縁がうにうにと波打ち始める……!!

「ひぎゃぁああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
レオンの悲鳴が益々大きく、悲痛なものに変わった。
いつしか、エフィールの尻尾の、蛇腹の部分は幾重にも折り重なった肉襞の大群に
変わっていた。全身を隙間無くぴったりと包み込むエフィールのとぐろは、今や巨大な
女陰と化していた!!
「うふふ……レオン様……もっと狂わせて差し上げましてよ……!!」
エフィールの甘い囁きと共に、レオンの全身を包み込んだ肉襞が、じわりと淫蜜を分泌
する。ぬるぬるの粘液がとぐろの中を満たしていくと、

にゅる、にゅる、にゅるにゅるにゅる……!!

「いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」
レオンは、自分のペニスが捕らえられて味わわされているのと全く同じ
快楽地獄へと叩き堕とされた。
全身を、淫らな女の粘膜の波が舐め回し、ぬるぬるの愛液を塗り付けていく……!
もはやレオンは、射精するペニスさながらに全身を激しくわななかせて
よがり狂う他なかった。それ以外の一切の行動は、彼には許されてはいなかった。
「あああああああああ!!!!!あああ、ぎああああああああああ!!!!!」
どぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶぶぶぶぶりゅうっっ!!!
レオンは、全身で「射精」し続けた。ペニスのみならず、彼の頭の中でも異常な量の
快楽物質が絶え間なく弾け続けた。彼の意識も、意志も、思考も、記憶すらもが、
この人外の快楽に塗りつぶされていく……!!


「ふふふふふ……もっと……もっと……!!!」
ぬるぬるの淫蜜に満たされたとぐろの中で、エフィールはレオンを抱きしめる。
そして、彼女は狂気に満ちた妖しい笑顔で、その身をくねらせて愛撫を加えた。
「がああああ!!ああ!!!ぐぎひぁああああ!!いひゃあああああああ!!!」
抵抗する術も、耐える術も、何もなく、ただただ責め嬲られるままに、
ひたすらよがり続け、いき続けるレオン。

「まだまだ……もっと気持ちよくして差し上げましてよ……!!!」
気品に満ちた美貌に、今や残忍ささえも宿す淫らな笑みを浮かべて囁くエフィール。
そして、尻尾を覆う鱗にも変化が生じる。一枚一枚が人の手のひらほどもある大きな
鱗が、むくむくと膨らみ始める……蛇腹が肉襞に変化した様に、とぐろの外側を覆う鱗も
膨らみながら徐々に柔らかくなっていく……柔らかく、さらに厚みを増して、そして
うねうねと蠢き始める……

それはもはや鱗ではなかった。それは……、舌だった。
エフィールの尻尾を覆う無数の鱗が、全て舌に変わり、にゅるにゅると伸びて
尻尾と尻尾の間を抜け、とぐろの内側へと侵入してきた!!
そして、とぐろの中の、レオンとエフィールの身体にまとわりつき、ぬるぬると淫蜜を
分泌しながら這い回る!!

「あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
「ああっ……レオン様ぁ……気持ちいいでしょう……?ぁんっ、私も……とっても……
 とっても気持ちいい……はぁあん……いい……レオン様……レオン様ぁ……!!」
血を吐くような絶叫と甘い睦言が絡み合う。
びくっ、びくっ、と身体をわななかせて、レオンは射精し続けた。
人外の快楽に全身を硬直させ、断続的な痙攣を繰り返す様は、まるで女陰に囚われて
女肉の快感によがり狂うペニスそのものの様だった。

そして、全身をペニスと化したレオンを優しく包み込み、いやらしく絡め取り、
容赦なく貪るエフィール。
巨大な女陰と化したとぐろにはぬるぬると生温かい淫蜜が滴り、その内側を埋め尽くして
淫らに蠢く肉襞がレオンの全身を包み込み、ぐちゅぐちゅと揉みしだく!
「はぁあああ、ああっ、ひぁあああ!!ああ、ああ、あひぁああああああっ!!」
さらにとぐろの外側を覆い尽くす舌が内側に侵入し、淫らにのたくってレオンの身体を
容赦なく舐め回す!!
「あがあああっ、ああっ、はああああっ!!あひぁっ、あああああああああ!!!」
レオンには、一瞬の休息も与えられることはなかった。その目を限界一杯までかっと
見開き、ぼろぼろと涙を流しながらひたすらに、ただひたすらに頂を極め続ける。

その視界の中、彼のすぐ目の前に、エフィールの美貌が華開いていた。
気品と華やかさを兼ね備えた柔らかな微笑に、妖艶で淫猥な陰を落として、レオンを
見つめている。その目は潤み、頬は上気して、ときおり切なげに眉を寄せる。
彼女もまた、この異次元の快楽に絡め取られつつあるのだ。
「レオン様……レオン様……ああ……いい……レオン様ぁ……いいっ……!!」
魔性のとぐろの中で、エフィールはレオンをぎゅっと抱きしめる。
そして、その身をくねらせ、とぐろをのたうたせて、さらなる愛撫を加えた。
ぬるぬるの淫蜜をまとったしなやかな肢体がレオンの身体に擦り付けられ、
「はあぁああ!!ああぁああ!!があっ、あああああああああああああああああ!!!」
レオンはさらに大きくのけぞった。

「ああ……レオン様……いい……いい……!!」
うわごとの様に繰り返しながら、レオンを貪り続けるエフィール。その目は既に快楽に
煙り、彼女が忘我の域にある事を物語っていた。そして、徐々に快楽の山を昇りつめて
行く……その表情に、切なさの色が濃くなっていく……
「ああ、あああ……レオン様ぁ……あああああ……はぁ、あああああ……!」
快楽に喘ぎながら、エフィールはさらにレオンを貪る。

くちゅくちゅくちゅ……ちゅぱ、にゅるにゅるにゅるにゅるにゅる……!
「ひぎあああああっ、ああっ、あひあっ、ああっ、あああああっ、あっああっ!!!」
ペニスを包み込む肉襞、絡み付く何十本もの舌、さらに全身を包み込むとぐろの肉襞、
とぐろの中を這い回る舌……無数の肉襞と舌がよってたかってレオンを責め嬲る。
レオンは肉襞と舌に埋め尽くされた快楽の牢獄に捕らえられ、人間の身体が受け付ける
限界を遥かに超えた刺激を強制的に注ぎ込まれ、その代償として際限なく精を搾り取られ
続けた。いや、精だけではなく、彼の心も、この快楽地獄の中で蕩け去っていく……

「ああっ、あああああ!!あんっ、はぁんっ、レオン様……レオン様ぁ……っ!!」
エフィールの声が高く跳ね上がる。いよいよ彼女も頂へと昇り詰め、快楽の極みへと
到達したのだ。彼女の肉洞がきゅうぅっ、と締めつけてくる。同時に、肉襞のとぐろが
ぎちゅうっ、とレオンの身体を締め上げてきた。そして、全ての肉襞が、全ての舌が、
淫蜜が、魔乳が、毒液が、一斉ににゅるにゅるとレオンの身体を責め嬲り、貪り喰う!!

「ああんっ、レオン様、いく、ああ、いい、いい、は、ああああああああああっ!!!」
「ぎぃいいいああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
エフィールの甘美な悲鳴に、レオンの最期の絶叫が重なる。
彼はもう、全ての感覚をエフィールに塗りつぶされていた。

彼の触覚は、全身くまなくエフィールの与える快感だけを感じさせられていた。
他の感触は、何も感じることが出来なかった。蕩けるように柔らかな肉襞が、
にゅるにゅると蠢いて愛撫する感触、全身に絡み付いてくるぬるぬるの淫蜜の感触、
全身をれろれろと舐めしゃぶる舌の感触、その中でレオンを抱きしめるエフィールの肢体
の感触……それが、彼が感じられる全てだった。

彼の味覚は、絶えず飲まされ続けている魔乳の甘美な味わいで満たされていた。
目眩がするような甘い甘い魔乳の味以外の何も、彼が感じることは出来なかった。

彼の聴覚は、エフィールの声だけを聞いていた。
彼の耳には外の嵐の音も届いているはずだったが、それを彼の聴覚が知覚することは
なかった。エフィールの甘く囁く声、悩ましく喘ぐ声、狂おしいよがり声……
それらがレオンの頭の中に果てしなくこだまして、他の音を聞き取る事を許さなかった。

彼の嗅覚は、エフィールの匂いだけを感じていた。
エフィールの肌からほのかに立ち昇るかぐわしい薫り、むせ返るように甘い魔乳の香り、
そして雄の本能を刺激する淫蜜の匂い……嗅ぎ取れる匂いのその全てが、エフィールの
匂いだった。それ以外の匂いが、彼の鼻の中に入ってくることはなかった。

そして、レオンの目の前には、息がかかるほど間近に咲き誇るエフィールの美しい顔……
究極の快感に白濁する視界一杯に、エフィールの美貌が広がる。
あたかも、初めて夢の中で逢った時の様に……
そして、徐々に白く霞んでいく視界の中で、エフィールの顔がゆっくりと近づいて来る。
……初めて逢った時と同じ、柔らかな微笑をたたえて、ゆっくりと……

もう、レオンにはエフィールしか見えなかった。
エフィールの事以外、何も考えられなかった。
エフィールの与える快楽以外、何も感じられなかった。
レオンの全ては、エフィールで満たされ、レオンの全ては、エフィールの一部となった。

ちゅっ……

永遠の契りを込めて、重なる唇。

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
びゅびゅびゅびゅびゅるるるる……どぶどぶどどどどぶぅううううう……!!!
全身が爆発しているかのような勢いで精が迸り、レオンの最期の絶叫はエフィールの
喉の奥へと呑み込まれていった。そして、視界が真っ白な闇に沈んでいく……
そのまま、レオンの意識はエフィールの瞳の中へと吸い込まれていった。

びゅくびゅくびゅくびゅくびゅく……どぴゅどぴゅどぴゅどぴゅどぴゅうっ……!!!

レオンの射精が止まることは、もうなかった。


ザバァッ!!
湖に潜っていた男が、水面へと上がって来た。
そして、申し訳なさそうに首を振りながら両手で×を作って見せ、
「駄目です、見つかりません!」
岸辺を取り囲む人垣にむかって大声で報告した。

「そうか、ごくろうだった。上がって火にあたれ。」
人垣から声が挙がる。
百人近くいる人々の中で、ひときわ威厳と風格に満ちた男がいた。
グレンベルク家現当主、ランドルフ=マルケス=グレンベルク。
この地域を治めている領主であり、レオンの実の父である。

次男のレオンが舞踏会の帰りに行方知れずになって、既に一週間が経っていた。
グレンベルク家と、舞踏会の主催者であったアルスター家は、失踪が明らかになった
その日から家中の使用人を駆り出して捜索にあたり、その結果、レオンがこの森の中で
消息を絶った事が分かった。

そして、森の中をしらみつぶしに探すこと3日、森の奥深くにひっそりとたたずむ
この湖のそばで、レオンの愛馬の死体が発見された。
馬の足に毒蛇の咬み痕があった事、すぐそばにナイフで斬られた蛇の死体がいくつも
あった事から、レオンも蛇に襲われたらしいことが判明した。

さらに、そこからさほど離れていない所にレオンの荷物が落ちていた。
荷物が重すぎて捨てていった、というには不自然だった。荷物は必要最低限のものだけを
まとめてあり、わずか数mで疲れて持ち歩けなくなるような重さではなかった。
それは、レオンがまともな状態ではなかった……すなわち、毒蛇に咬まれたことを
充分に想像させるものだった。
ランドルフは、特にこの周辺を徹底的に捜索するよう命じた。毒に冒されていたなら、
そう遠くへは行けないはずだ。むろん、誰かに助けられ、どこか別の場所に運ばれて
治療を受けているならその限りではないし、できればそうあって欲しいが……。

しかし、それ以上は今日まで何も新たな発見はなかった。
湖のほとりは特に丹念に調べ、湖の底までさらったが、
彼らは「何も」見つけることができなかった。

そう……湖のほとりには何もなかった。
館も何も……少なくとも、彼らは見つけることができなかった。
むろん、その中にいる者達のことなど、彼らが見つけられようはずもない。
呪いの結界は、彼らにその存在を知覚する事さえも許さなかったのだ。

「……いかがいたしましょう、ご主人様……?」
傍らに控えていた執事が尋ねる。
「……仕方あるまい……これだけ探しても見つからぬのだ。
 これ以上捜索を続けても、もはや見つかるまい。皆も疲れているはずだ。」
ランドルフはかぶりを振った。当主としての威厳を保つべく、彼は決して表情を大きく
崩しはしなかったが、険しく寄った眉根には、無念さがありありと表れていた。
「皆、聞け!捜索は打ち切る、残念だがやむを得まい。
 レオンは蛇に咬まれて死んだのだ、死体はおそらく獣がどこかへ運んでしまった
 のだろう。皆ごくろうだった。帰ってゆっくり休め。」
主人の声に、女達のすすり泣く声が混じった。

こうして、後日レオンの葬儀がしめやかに執り行われた。
葬儀には何十人もの貴族の娘達が参列し、やや場違いな華やかさが漂っていた。
皆一様に悲しみにくれる中、一人の娘が目に一杯涙をためてつぶやいた。
「レオン様は死んでなんかいないわ……きっと、どこかで幸せに暮らしてるのよ……!」

彼女の言葉は、半分は当たっていた。もう半分は……ある意味では当たっていた。

「あああああ……はぁ、あああああああああ……!!」
閨を満たす闇の中、レオンの喘ぎ声が絶え間なく続く。
ひとときも休むことなく、終わりのない歌の様に、いつまでも……。
「はあん……いい……いい……レオン様、レオン様ぁ……!!」
そのレオンの喘ぎ声に、エフィールの喘ぎ声が絡み付く。
顔を上気させ、虚ろな瞳で見つめあい、果てしなく交わりを繰り返す二人。

「もっと……エフィール……もっと……犯してぇ……!ああ、はああああ……!」

「レオン様ぁ……ああ……!はぁあ……もっと、もっと……犯してさしあげますわ……
 ……ああ、だから……だから……もっと、もっと吸わせて……下さいませぇ……!!」

「いいよ……もっと……もっとあげる……だから、ああ、もっと犯してぇ……はぁあ……
 ああっ!いい、いいよぉ……!もっと、もっとぉおおおお……!!」

「ああ……レオン様ぁ……いい……私、わたし、いいのぉ……!!はぁあああ……!!
 わたし、幸せ……ああ、気持ちいい……いい……ああん、んああああああっ!!」

「ああっ、ああっ、あああ……!!エフィール……!!ああ、いいっ!!いいよぉっ!!
 エフィール、エフィールゥ……!!愛してる……っ!!ああっ、あああああっ!!!」

どぷどぷどぷどぷどぷ……どぷどぷどぷどぷ……びゅくびゅくびゅくびゅく……
びゅるるるるるるるるるるるる……びゅるるるるるるるるるるるるるるるるる……!!!

あたかも心臓の脈動のように、びくん、びくんと断続的な痙攣を続ける二人。
あれからずっと、ひとときの休みもなく、二人は究極の快楽を味わい続けていた。
二人とも、呼吸をするように絶頂を極め続ける……いや、まさしく二人は互いの身体を、
それがもたらす快楽を、呼吸して生きているのだった。

そしてこれからもずっと、未来永劫彼らは交わり続け、よがり続け、いき続けるのだ。
誰にも、それを止める事は出来ない。彼ら自身にさえも……。
永遠に続く愛と快楽の牢獄に囚われた、呪われた恋人達……。
レオンとエフィールは、飽くことなく、果てしなく、互いの身体を貪りあった。
「はあああん、ああっ、ひぁんっ!!ああ、ああ、レオンさまああぁああああっ!!!」
「うああっ、あああ、あひぃあああっ!!エ、エフィールゥゥウウウウウッ!!!!!」

びゅくん、びゅくん、びゅくん、びゅくん、びゅくん、びゅくん、びゅくん……!!!

その館は、ひっそりと建っていた。
夜の闇に沈むその森の奥深く、湖畔に面したその館は、
永遠の快楽で結ばれた二人を抱いて、眠るようにひっそりと建っていた……。



END





②淫夢~醒めない夢に溺れて~
「ふう、やっと着いた。」
僕は、目の前にひろがる町並みを眺めながら、肩の荷物を背負い直した。

ここは、ノーマン街道に面した宿場町、ラドブール。
ノーマン街道は、教皇の命によって造られた街道で、教皇領の首都ローディスから、
各地に点在する大教会や神殿、聖跡を結び、西の聖地クローラムへと続く。
聖地を目指して旅する巡礼の姿がよく見られる、別名「巡礼街道」だ。

僕も、聖地を目指して旅を続け、ようやく、ここラドブールまでやって来た。
ここまで来れば、あとは峠をひとつ越えれば聖地クローラムだ。

思わず、ここまでのつらく長い道のりの記憶が蘇る。
ローディスを出発してから半年あまり。盗賊に襲われた事もあった。
狼の群に追われた事もあった。時には、もっと恐ろしい怪物に襲われた事も……
何度も何度も死にそうな目にあって、それでもなんとか切り抜けてきた。
「神様、ご加護をありがとうございます……。」
僕は胸のロザリオを握りしめてつぶやいた。

さて、もうすぐ日も暮れるだろう。この町で宿をとって休むとしよう。
そして明日は、いよいよ聖地に向けて出発だ!

その時。

「ねぇ、そこのお兄さん、寄ってかない……?」
突然呼び止められて、僕は振り返った。
見ると、黒いドレスを身に纏った若い女が、こっちを見つめている。
腰まで届く長い金髪に、磁器のように生白い肌、血のように紅い唇。
大きく開いたドレスの胸元から、二つの大きな胸の膨らみが
はみ出している。きっと、旅人相手の娼婦だろう。

「悪いけど、その気はないよ。」
「ふふ……、だったら、その気にさせてあげましょうか……?」
女は媚びを含んだ笑みを浮かべて、ゆっくりと歩み寄ってきた。
甘い香水の香りがふわ、と顔にかかる。

「あなたが今まで味わったことのないようないい思いをさせてあげるわ……。」
じっと瞳を見つめながら、身を寄せて囁くその女を、僕は手で遮った。
「……僕は巡礼なんだ、分かるだろう?
 君の仕事に文句をつけるつもりはないけど、よそをあたってくれないか?」
「そう……、じゃぁ、……ふふ、気が変わったら、いつでも来てちょうだい……。」
「気が変わったら、ね……。まぁ、そんな事は絶対ないけどね。」
妖艶な笑みを崩さず、なおも誘いの言葉をかける女に背を向け、僕は歩き出す。
「待ってるわ……ふふふ……。」
女の声に、背中ごしに手を振りながら、僕はその場を立ち去った。

僕は、町の一角にある、小さな宿屋に泊まることにした。
「お一人さんだね、部屋は大部屋と個室があるけど、どっちにする?
 大部屋は銀貨3枚、個室は5枚だよ。」
「個室があるんですか、じゃあそっちでお願いします。」
そう言って、僕は宿屋のおやじに銀貨を5枚手渡した。

普段なら、お金を節約して大部屋にするところを個室にしたのは、
聖地という旅の終着点を目の前に控えて、これまでの旅の記憶を
ゆっくりと振り返っておきたいと思ったからだ。

「じゃあ、この部屋だよ。」
部屋に通される。こぢんまりとした部屋にベッドと机。
よく掃除されていて、居心地はよさそうだ。

「あ、そうだ。あんた、巡礼の人だよね?」
突然、宿屋のおやじが言い出した。
「?……ええ、そうですが?」
「変な女に誘われなかったかい?」
「え?なんで分かったんですか?」
驚く僕に、おやじはニヤリと笑って続ける。

「あれはな、『黒翼館』って娼館の娼婦だ。気をつけな、あいつらは巡礼を
 目の敵にしてるからな……。巡礼を堕落させてやろうと誘惑してるんだ。
 実際、聖地を目の前にして、ここで旅を終えちまった巡礼も多いらしいぜ。」
「え、そうなんですか?」
「ああ、あんたも気をつけるんだな。それじゃ、ごゆっくり。」
そういって、おやじは部屋を出ていった。

そうか……、あの娼婦、僕が巡礼と知って誘ってたのか……。気をつけないと。
まあ、外を出歩くつもりもないし、明日になれば聖地に向けて出発するから、
今晩一晩、部屋でゆっくりしてれば大丈夫か……。

宿屋にある酒場で簡単な食事をとり、お風呂で旅の汗を流して部屋に戻る。
いいお湯だった。旅の疲れもすっかりとれた……。
机に向かい、日記をつける。今日は一日、平穏な旅路だった。
そして、ここまでの苦難に満ちた旅の記憶に思いを馳せる。

思えば、もう半年以上旅をしてきた。大怪我をしたり、病気にかかったり、
殺されそうになったり……正直、もう駄目かも知れないと思ったことも
何度もあった。それでも、ここまでやって来れた……。これも、神様の
ご加護によるものだろう。

僕は、もう一度旅の無事を神に感謝し、床についた。



ふと、目を覚ます。
外はまだ暗い。どうやら夜中に目を覚ましてしまったらしい。
長く苦しかった旅路の終わりを前にして、やはり気持ちが昂ぶっているのか……。
そう思いながら、ゆっくりとあたりを見回すと、窓が開いているのに気がついた。
風で開いてしまったのだろうか?僕は身を起こして窓を閉めようと……。
「???……………!!」
か、身体が動かない!これは、一体……!?

「ふふふ……。」
妖しい笑い声に僕はぎょっとなる。
部屋の中にどこからともなく、甘い香りが漂ってきた。
記憶にある香り……僕は、街で会った黒いドレスの女の顔を思い出していた。

「気分はどう……?」
女の声と同時に、部屋の隅の闇の中から、人影がゆっくりと抜け出てきた。
「お、お前は……!」
「気が変わることはない、と言ったわね……だから……変えに来たの……ふふふ……。」
部屋に射し込む月明かりが、人影を照らす。脳裏に浮かんだ姿そのまま、いや、
月明かりを浴びて一層妖しげな雰囲気を身に纏い、あの女が現れた!

僕は身を起こそうとするが、首から下が、まるで力が入らない……
まるで、自分の身体じゃないみたいに、全く動かせない!!
「ふふふ……動けないでしょう……?」
「くっ……一体、何をした……?どうするつもりなんだ……?」
縛られてる様子はない……、なのに僕はベッドの上で身動き一つ出来ないでいる、
毒を盛られたのか?それとも、魔法でもかけられたのか?
……そして、これから何をするつもりなんだ?

『気をつけな、あいつらは巡礼を目の敵にしてるからな……。』
宿屋のおやじの言葉が脳裏をよぎる。まさか……まさか……!

「ふふ……どうするつもりだと思う……?」
甘い香りが一層強くなる、女の顔が目の前にまで迫り、
甘い吐息を吹きかけながら囁きかけてくる。

『実際、聖地を目の前にして、ここで旅を終えちまった巡礼も多いらしいぜ。』
おやじの言った言葉が、身震いするほどのリアリティを持って迫ってきた。

い……いやだ!半年以上旅をして、必死に頑張って、やっとここまで来たのに!!
「だ、誰かぁ!!助けてくれえええ!!!」
僕は声を限りに叫んだ。夜の夜中に大声を出して、近所に迷惑をかけてしまうが、
今はそうも言ってられない、とにかく助けを呼ばないと!!

「無駄よ……いくら叫んでも誰も助けには来てくれないわ……。」
妖しい笑みを浮かべて女が囁く。
「なっ……そんな……馬鹿な……!」
しかし、女の言葉通り、誰も助けに来る様子はなかった。
あたりは何事もなかったかのように静まり返っている。
「ど、どうして……?」

「ふふふ……どうして助けが来ないか教えてあげましょうか?それはね……。」
言いながら、女は背中に手を回す。
黒いドレスがするり、と落ち、足元でわだかまる。
女の、雪のように白い裸身が、部屋を覆う薄闇の中に浮かび上がった。
さらに、女が軽くいきむように、少し身をかがめると……

ぐ……ばさぁっ!!

女の背中が盛り上がったかと思うと、蝙蝠のような黒い翼が現れた!!

「!!」
「ふふふ、驚いたかしら……?
 そう、私はサキュバス、そしてここは、私のいざなう夢の世界よ……。
 ここでは、全てが私の思うがまま……。
 だから、お前は動けない……誰も助けには来ない……。ふふ……おわかり……?」

サキュバス……!
聞いたことがある、確か、眠っている男の枕元に現れて、淫らな夢を見せて誘惑し、
交わって精を吸い尽くす女の悪魔だ!!
と言うことは……!

「分かったようね……そう、これからお前を『いただく』のよ……。
 言ったでしょう?今まで味わったことのないような、
 いい思いをさせてあげるって……。」
サキュバスはそう言うと、ベッドの中にするりと身を潜り込ませてきた……
「う……や、やめろ!」
「ふふ……しびれる様な快感ととろけるような陶酔に、
 いやと言うほどよがり狂わせてあげる……何度も何度もいかせてあげる……。
 そして、お前の精を一滴残らず搾り取ってあげるわ……。」
「やめろ……やめてくれぇっ!!」

サキュバスは、仰向けに寝ている僕の上に覆い被さり、四肢を絡ませて愛撫を始める……
床に就くときに着ていたシャツとパンツはいつの間にか脱がされていて、
むっちりとしたサキュバスの柔肌の感触が、全身にじかに絡み付いてくる!!

「う、くぅ……やめろ……ううっ……。」
僕の太股にサキュバスの太股が絡み付き、
背中や脇腹をサキュバスのしなやかな指がゆっくりと這いまわる……
その度に、ぞくぞくするような快感が僕の全身を走り回る……!
ああ……何て指使いなんだ……まるで、無数の手に撫で回されているみたいだ……
だめだ……こんな事されてたら……神様……!

「ふふふ……気持ちいいでしょう……?」
妖艶な笑みを浮かべて僕を見つめるサキュバス。
「きっ、……気持ちよく……なんか……ううっ……!あ、うくっ……!」
言い返そうとした瞬間、サキュバスの指が脇腹をさわさわとくすぐり、
その刺激に、僕は無様にも反論を喘ぎに変えられてしまう。
「うふふふふ……そんないい声あげちゃって、何が気持ちよくないの?」
瞳に嘲りの色を浮かべて、サキュバスが問いつめる。
「うう……うるさい……!僕は、お前の誘惑なんかに屈しない……!」
じわじわとこみ上げてくる快感を堪えながら、それだけ言うので精いっぱいの僕。



「そう……ふふ、言ったわね……
 じゃあ、お前の意志が本物かどうか、見せてもらうわ……。」
その言葉と同時に、サキュバスの顔がゆっくりと近づいてくる。
そむけようとした顔を両手で押さえつけられ、妖しく輝く瞳に視線を絡め取られて、
そのまま、僕の唇は、とろけるように柔らかな感触に圧し包まれた。

「んっ……う……んん……!」

重ねられた唇から、甘い香りのする熱い吐息が吹き込まれてくる……!
うう……その度に意識が霧に包み込まれるように朦朧として……
なんだかくらくらする……めまいのような感覚が僕を捕らえる……。
サキュバスの身体から匂いたつ香りも一層濃厚になって、
僕は否応なく、甘い甘いサキュバスの匂いに酔わされていく……。

そして、僕の唇の間に、サキュバスの舌が割り込んでくる……。
僕は、入れさせまいと唇を堅く閉じようとしたが、その途端に
口に力が入らなくなってしまう……サキュバスの舌はやすやすと
僕の口の中に滑り込み、僕の舌を絡め取って、ぬるぬると妖しく蠢く……。

そうか……この夢の世界の中では、何でもサキュバスの思うままなんだ……。
抵抗しようとしても、その力を奪われて、どうすることもできない……。
ああ……駄目だ……口の中を這いまわるサキュバスの舌の感触が……
気持ちよすぎて、だんだん……何も考えられなくなってきた……。
まるで、理性も……意志も……この舌に舐め溶かされていくみたいだ……。

しかも……サキュバスは全身をくねらせて、柔らかな肌をすり寄せてくる……。
豊かな胸の膨らみが、むっちりとした太股が、僕の身体を圧し包み、揉みしだく……。
そして、全身を這いまわるしなやかな指先が、絶え間なく快感を注ぎ込んでくる……!
僕は、なす術もなくその快感に呑み込まれていく……。

その時、ふっとサキュバスの唇が離れた。同時に、口元に力が戻る。
僕は、長く濃厚なキスと愛撫から解放され、
「ぷはぁっ……はあ、はあ……。」
思わず深い息をついた。

「ほほ……口ほどにもないわね……この程度で『呑まれて』しまうなんて……。」
勝ち誇ったように嘲笑を浴びせてくるサキュバス。
「……う、うるさいっ!!ぼ、僕はこれぐらいで……!!」
「これぐらいで?」
むきになって言い返す僕の顔を、サキュバスがのぞき込んでくる。

「うっ……。」
言葉に詰まってしまう僕。
「これぐらいで、なぁに?」
サキュバスは邪悪な喜びに満ちた笑みを浮かべてさらに僕の目をのぞき込んでくる。
僕は思わず目を逸らしてしまう。
「ふふふ……私の愛撫を受けて、あんなにいやらしい表情になって、あそこも
 こんなに元気にしておいて、な・あ・に?」
ぼくの股間に視線を落としながら、サキュバスは容赦なく問いつめる。

「う、……うう……。」
視線の先には、さっきの愛撫に反応して勃起してしまったペニスがあった。
それは、僕がいくら強がっても無駄な事を、雄弁に物語っていた。
あのまま責められ続けていたら……
僕はなす術もなくサキュバスの手に堕ちていただろう……。

サキュバスの手が、僕の顔に触れる。うつむいていた僕の顎が捉えられ、
ぐい、と顔を上げさせられる。
目の前には、満足げな笑みを浮かべたサキュバスの顔があった。

「ふふ、分かったでしょう……?私の力が……。
 でも、これはほんのお遊び……さあ、お楽しみはこれからよ……うふふふふ……。」
「や、やめてくれ……お願いだ……うう……。」
無駄と知りつつ懇願する僕に、サキュバスは一層意地悪な笑みを浮かべて応える。
「ふふふ……ここまで苦労して、聖地を目指してきたのにね……うふふ……
 いいわぁ……その屈辱と絶望にまみれた顔……感じて来ちゃう……。」

そして、サキュバスの視線が再び股間に移動する。
「それに……ふふ、本当にやめて欲しいのかしら?」
その言葉と同時に、新たな刺激が加えられる。
「はぁっ……!う、うあっ、やめて……ぁああ……!!」
「この子は、そうは言ってないみたいよ?」
サキュバスは、ますます楽しげな笑みを浮かべて、僕に問いかける。
その視線の先で、生白い指が僕の股間を捕らえてやわやわと揉み上げている……!

触られる前から大きく膨らんでいた僕のペニスは、まるで触手のように妖しく蠢く
サキュバスの指に包まれて、一層硬く、大きく張りつめていく……!
そして、サキュバスの指が動く度に、ペニスに送り込まれる快感が、
僕の体中を駆けめぐる……!

「ああっ、やめ、ぇあっ、く、うう……やめて……うあ、やめてぇっ……!」
喘ぐ僕の首筋に、サキュバスの唇が吸い付く。さらに、柔らかな舌がねっとりと
首筋を舐め上げて、先端でちろちろとくすぐる……!
さらに、サキュバスは全身に愛撫を加えながら、ゆっくりと身をずらしてゆく……
胸元に舌を這わせ、僕の乳首を指先でころころと転がす。
「ああ、く、うぁ、あああ……は、あくっ、うああ、あああああ……!」
その刺激に、僕はなす術なく喘がされてしまう。

「ふふふ、そんなに気持ちいいの?じゃあ、もっとよくしてあげる……。」
顔を上げて、満足げに笑みを浮かべると、サキュバスは再び僕の胸元にしゃぶりつく。
「ふぁっ、あああっ、あああああっ……!」
乳首を包み込む柔らかな唇。さらに、その中から這い出してきた舌がちろちろと
乳首を舐めしゃぶる……!
「ふふふ、いい声あげちゃって……こっちはどうかしら?」
その声とともに、もう一方の乳首に快感が移る。
「うあ、ああ、あくっ、うああああ……やめて、やめてぇっ、ぇああああ……!」



「ふふふふふ……ずいぶんかわいくなっちゃったわねぇ……。」
身を震わせて喘ぐ僕を見おろして、にんまりと笑うサキュバス。
「でも、本当に気持ちいいのは……ふふ、これからよ……。我慢できるのかしら……。」
そう言いながら、さらに身をずらす。
少し身を起こし、二つの豊満な乳房に手をあてがい、
ゆさ、と下から持ち上げた手に力を込めると……

どぷっ!どぷどぷどぷっ!!

生暖かい、白い液体が僕の股間に迸った!
母乳……?いや、もっと粘っこくて、ぬるぬるした感触……
そして……あ、熱い!液をかけられた所が、じんじんと痺れるように熱くなってきた!!
「うふふ……いかが?私のお乳……?」
そして、サキュバスが再び身を屈める……

ふにゅっ……!

「う、あああああっ!あっあっ、あああああああああっ!!」
股間に肉の感触が伝わる!サキュバスの乳房が、むっちりとペニスを挟み込む!
しかも、サキュバスのお乳が!ぬるぬるねばねばした感触が、絡み付いてくる!!
それだけじゃない!ペニスが、股間が、ものすごく敏感になってる!
まるで、神経がむき出しになってるみたいだ!!

「ほほ……もっとよくなるわよ……。」
そういって、サキュバスはゆっくりと身を揺すり始める……。

むにゅ。

「ふあぁああっ!!」
ペニスを挟み込んだ大きな肉の塊が、にゅるにゅるの粘液を塗り付けながら、
根本から先端までしごき上げる!強烈な快感が、ペニスから全身に拡がる!!

「ふふふ……。いいでしょう?もっとお鳴きなさい……。」

むにゅ、ふにゅ、ふにゅ、ぷりゅっ……。
「ひあ、ああ、く、あああ、やめ、えあ、あひぃいい、いああああっ!!」
サキュバスの柔らかな乳房がペニスを包み込み、しごき上げるその度に、
僕はどうしようもなく悲鳴をあげさせられる……!!
駄目だ!気持ちよすぎる!!こんなの我慢できない!!
「あああ、ああ、ああ……あひ、ひぁ、ふぁ、あああっ、あああああっ!!」

「どう……もう限界かしら……?ふふ、でも我慢なさい……今のお前はもっともっと
 我慢できるはずよ……。」
満足そうに笑みを浮かべながら、しかしサキュバスは不思議な言葉を口にした。
「???……うああああっ、あああああ、ああ、うあああああ……!!」
僕はもうとっくに限界に来てしまっている……射精寸前で堪えながら、
しかしその意識も、圧倒的な快楽に呑み込まれてしまいそうだ……
これ以上、我慢なんて……!

「私のお乳は、感度だけでなく忍耐力も高める効果があるのよ……だから、今のお前は、
 射精を我慢しようと思えば、どんな快感を与えられても耐えられるの……。
 そうでなければ、……ふふ、お前はとっくに精を放っているはずよ……うふふ……。」
サキュバスはそう言いながらゆっくりと身をくねらせ、さらに僕のペニスを責め嬲る。

「ぁああっ、くふぅっ、ああ、ど、どうして……?」
「ふふふ、お前の精を搾り取るのはたやすい事よ……でも、それだけじゃ駄目……。」
「ああ、うう、うぁあああ、あひ、ぃああああ……!」
「お前が女肉の快楽に溺れ、自分の意志で私に精を注いでこそ、本当の意味でお前を
 堕落させたと言える……そう、お前の精神を快楽で屈服させる必要があるのよ……。」
「あああ、くあ、あああああ、じゃ、じゃあ、ああ、あひっ、あああああっ……!」
「ふふ……そうよ……お前が自ら進んで私に精を放つまで、
 徹底的に責め嬲ってあげる……徹底的に、ね……ふふふふふ……
 どこまでもつかしら……ふふふ……ふふふふふ……。」
喘ぐ僕をじっと見つめながら、サキュバスは楽しげに笑った。

「ふふ……さあ、続けましょうか……うふふ……。」
そう言いながらサキュバスは一層大きく身をくねらせ、
再び胸の谷間でペニスをしごき続ける。
にゅる、むにゅっ、ふにゅ、ふにゅ……。
「ひああ、あう、くはあ、だめ、えぁあああっ!」
さらに、乳房を支えている手に力がこもり……

どぷどぷどぷっ!!

「あぎいいいいっ!!」
またサキュバスのお乳が迸り、生温かく、ぬるぬるのお乳が股間に浴びせられる!
そして、ペニスを咥え込んだ乳房が、たっぷりとお乳をペニスに塗り付けてくる!!
快感が一気に倍増して、僕は雷に撃たれたようにのけぞった!!

「ふふ、気持ちいいでしょう?じゃあ……これはどうかしら?」

ちゅぷっ!!
「~~~~~~~~~っ!!」
ペニスの先端に、サキュバスの唇が吸い付く!!そのまま亀頭を咥え込んで、
カリ首を柔らかな唇で包み込んでやわやわと揉みたてる!!
さらに、一番敏感なところを舌先でちろちろとくすぐってくる!!
暴力的なまでの快感に、全身ががくがくと痙攣する!!助けて!!
気持ちよすぎて、もう……!!

……それでも、塗り付けられたサキュバスのお乳のせいか、
僕のペニスは射精寸前で堪え続けている……
サキュバスの胸の間に埋もれてでひくひくと痙攣し、明らかに限界が来ているのに……
いや、もう快感そのものはとっくに限界を超えている、
普通の状態でここまで気持ちよくさせられたら、きっといきっぱなしで気が狂って
死んでいるだろう……なのに……まだ僕は堪え続けている……
耐えている……まだ耐えられる……そうだ……耐えなきゃ……!

でも……いきたい!……だ、出したい!!
限界を超えた快感で責められ続けて、もう僕は……!
だめだ!我慢しなきゃ!!ここで出してしまったら、僕は本当に堕落してしまう!!
ああ、でも……神様!助けて……!助けてください……!!

「ふふふふふ……ますますいい表情になってきたわ……いきたいんでしょう……?
 出したいんでしょう……?いいのよ、我慢しなくても……。
 思いっきり出しなさい、私のお口に……そして、お前は私のものになるのよ……。」
顔を上げ、股の間からじっとこっちを見据えて囁くサキュバス……
そして、再びサキュバスの顔が股間に降りていく……。



じゅぷっ!!
今度は、根本までサキュバスの口に呑み込まれる!!
そして、唇でペニス全体をねっとりと包み込み、ゆっくりと顔を上下させて
しごきたてる!!さらに、舌全体を使って裏スジをれろれろと舐め回し、
根本から先端まで丹念に舐めしゃぶってくる!!
「あぎぁああああ!あああああああ!!ふあ、あがっ、あぁあああああ~~~っ!!」
「ふふふ……ふふふふふ……。」

そして、サキュバスの乳房はペニスの根本から太股までむっちりと包み込み、
表面をうねうねと蠕動させて股間全体を撫でさすり始める!
もはや手の支えも必要とせず、まるで意志を持った生き物のように、
二つの大きな肉の塊が股間を包み、やわやわと蠢いて僕を責め嬲る!!

それだけじゃない!乳首が太股の付け根をくすぐってる!
ぬるぬるのお乳をまき散らしながら、
ちろちろと蠢き、ペニスと太股の間をくすぐってる!!
「ひあ、ああ、あひあああ、ひ、ひぃああああっ!!あひ、あひ、あひゃあああ!!」
「ふふふふふ……ふふふふふふふ……。」
ペニスを咥え込んだまま、くぐもった声で笑うサキュバス。
僕は地獄の快楽にただ悲鳴をあげさせられ続ける……!!
「ひがあああっ、うあ、やめ、やめてぇっ!!あああああっ!あっあああああ!!」

しかし、サキュバスがこれでやめてくれるはずもなかった。

「は、ぐぁあっ!!」
サキュバスの手が股間に!
袋をさわさわと撫でさすり、指先で蟻の戸渡りをこちょこちょとくすぐってる!
指が袋の皺をなぞる度に、背筋をぞくぞくと快感が駆け上がる!!

「ふふふふふ……。」
さらに、もう一方の手が肛門をくにゅくにゅと刺激する!!
股間全体に粘りついてるぬるぬるのお乳をすくい取って、
お尻の穴ににゅるにゅると塗り付ける!!
「はぁああああ……あああああ、あふ、ふああ……ぁあああああ……!!」
新たな快感が僕を包み込む……お尻の穴がとろけそうだ……!
肛門の皺の一つ一つにサキュバスのお乳が染み渡っていく……
強力な媚薬であるサキュバスのお乳をたっぷりと含まされて、
僕のお尻はこれ以上ないぐらいに敏感にさせられていく!
そして……

つぷうっ!!

「あぎいいいいいいいっ!!!」
サキュバスの指が肛門を貫いて、じゅぽじゅぽと出し入れを始める!!
その度に、肛門の粘膜から新たな快感が全身に走り抜ける!!
粘液まみれの指が肛門を押し拡げる度に、
そして、すぼまりをこすりながら抜き出される度に、
お尻の穴から拡がる快感が全身を包み込む!!
「あぅ、うう、うああああっ、あがぁああああああ!!」

「ふふふ、どう……女の子みたいに貫かれる気分は……?」
のたうちまわる僕の頭に、サキュバスの囁く声が響く……
ペニスを根本まで呑み込んだまま、直接僕の頭の中に話しかけてくる!!
「うふふ……ひくひくいってる……いやらしい子……。」
楽しそうな、しかし陰湿な響きを含んだサキュバスの声が、僕を嬲る……。
「ああ、ああ、あああああっ……!!そんな、そんなぁ……!!!」
「……まだまだ、こんなものではなくてよ……さあ、もっと鳴かせてあげる……。」
ちゅぽ、と抜かれる指。次の瞬間、

どすぅっ!!
「ぎゃあああああああっ!!あ、あがあああああああっ!!!!!」
2本の指が一気に突き入れられた!!さらにぐりぐりと腸の中をかき回し、
一層激しく出し入れを繰り返す!!
「あぎあああ、やめてぇっ!!いがぁあああっ!!」
2本に増えた指が、激しく肛門の粘膜をこする!その度に、
そこから全身を痺れさせるような快感の波が駆けめぐる!!
「うふふ、凄い声……。」
そう言いながら、なおも容赦なく僕を責め嬲るサキュバス……
抜き差しを繰り返すその指を広げて、さらに穴を拡げる!!
僕の穴は限界一杯まで拡げられ、今にも裂けてしまいそうだ!!
その痛みすら快感に変わり、僕は激しい快感に痺れる……。
「あああああ、ぐぎいいいいいいいっ、いぎっ、いああああ!!」

さらに、サキュバスの責めは僕の身体の奥底にまで伸びる!!
「ぐおおおおっ!!」
「くふふ……どう……?いいでしょう……?ここが、男の子の弱点なのよ……。」
サキュバスの指先が、僕の身体の奥をぐにぐにと押している!!
「はあ、ああ、あああ、あぎい、いあ、あふ、ふああああ……!!」
ぐりぐりと押される度に、そこから尽きることのない快楽が溢れ出してくる!!
「さあ、もっと押してあげる……快楽のスイッチを……ふふふ……ふふふふふ……。」

肛門を貫くサキュバスの指が、さらに激しく前立腺を刺激する!その刺激を受け、
既に限界まで勃起していたはずのペニスが、さらに硬く、大きく張りつめる!!
ビキビキと音がしそうな程に膨れ上がり、今にもはじけそうだ!!
そのガチガチになったペニスに、なおも容赦なくサキュバスの唇が襲いかかる!!
激しく顔を上下させ、じゅぽじゅぽと音を立てながらペニスをしごく!!舌も、
裏スジ全体を包み込んで妖しくのたうち、敏感なポイントを的確に責めたててくる!!

「ふぎいいいっ、いっ、がっ、あああああっ、あふぁあああああああっ!!!」



「ふふふふふ……よく我慢してるじゃない……?
 ここまでされてまだ出さないなんて、大したものだわ……。」
頭の中に直接囁きかけてくるサキュバス。その間も、ひとときも休むことなくペニスを
舐めしゃぶり、僕を快感で責めたてる。サキュバスの声はなおも続く。

「ねえ、あなた本当はもっと責めて欲しいんでしょう……?
 だから、必死に我慢してるんじゃなくって……?ふふふふふ……そうでしょ……?」
「なっ……そんな、ああ、違う、違うううっ、あああああああああっ……!!!」
首を振って否定する僕を、サキュバスはなおも追いつめる。
「ふふ……いいえ、あなたはこの快楽を楽しんでるのよ……
 だから、どんなに気持ちよくされても我慢できるのよ……
 我慢すれば我慢するほど、気持ちよくしてもらえるから……。
 いってしまったら、快感が終わってしまうから……。
 おまえが射精を堪えてるのは、神様の教えを守ってるからじゃない……
 私に、もっともっと気持ちよくしてもらいたいから我慢してるのよ……ふふふ……。
 ……いやらしい子……くふふふふ……。」
「ああっ、そんなぁっ……違う、そんなんじゃ……ああ、はぁあああっ!!」
サキュバスの指がさらに強く前立腺を押し込む。

「うふふ……違わないわ……お前はもう神の教えを忘れて、快楽に溺れているの……。
 ……そうでしょう?ふふ、こんなに責められてもまだ満足できないのね……。」
「違う、ちがうううっ……ああ、そんな事言わないでぇ……。」
「淫らな欲望に耽って、自ら性の快楽を求めて……
 そんなお前に、神を信じる資格なんてないわ……
 ふふふ、今の、そのいやらしい顔を神様に見せられるかしら……ふふふふふ……。」
「ああ……そんな、そんなぁ……ちがう……そんなんじゃ……ちがううう……。」

サキュバスは一層意地悪な笑みを浮かべて僕を見つめながら、
なおも激しくペニスを責めたてる……僕のペニスを根本まで呑み込んで、
唇でじゅぽじゅぽとしごきあげながら、舌でれろれろと舐め回す……。
さらに、唇をすぼめてきゅうっと強く吸い上げる!!サキュバスの口の中の粘膜が
ぴったりとペニスに吸い付き、温かな、ぬるぬるした感触で包み込む……!!!
ああ、しかも強く吸い上げられると、口の中でペニスが一層膨張するような感覚が……
あああ、精液を吸い出されてしまいそうだ……あああああ……!!

そして、股間はむにむにと蠢く乳房に覆われ、蠕動する肉の感触の中に埋没している……
ぬるぬるねばねばと絡み付くサキュバスのお乳が潤滑油となって、まるで女の肉襞の中に
呑み込まれてしまったかのような、いや、それすら遥かに超えた強烈な快感が、
股間全体から吹き上げる!!ああ、もうこれ以上は我慢しきれない!!
ああ、助けて!!で、出ちゃう!!

その下では、サキュバスのしなやかな指が袋を包み込み、やわやわと揉みたてる!!
その指使いは絶妙で、無数の触手に撫で回されているみたいだ!!
さらにその下では、肛門をえぐる指が3本に増え、僕の肛門は容赦なくこすられ、
貫かれる快感と排泄の快感の間を行ったり来たりさせられる!!
そして深く指を突き入れる度に、身体の奥に潜む快楽のスイッチをぐにぐにと
揉みしだかれて、僕はペニスをびくびくとわななかせてよがり狂わされる!!
も、もう、だめだ……!限界だ……!!もう、我慢できない……!!
出したい……!出してしまいたい……!!……もう、もう……出る……出す……!!!

「ふふふ……もう限界ね……いいのよ……いっぱい出してちょうだい……。
 そして、お前は神を裏切って、私のものになるの……ふふふふふ……。
 苦労して旅を続けて、聖地を目の前にして……お前は堕落の道を選ぶのよ……
 ふふふ……ふふふふふ……ほほほほほ!!」

勝ち誇って笑うサキュバス。しかし、その言葉が、折れかかっていた僕の心に響く……
そうだ……!ここまで、半年以上もつらく苦しい旅を続けてきたんだ!
今より辛い事もあった、本当に死にそうになった時もあった、
それでも……『聖地にたどり着きたい!!』その想いだけで、
ここまで、あともう少しと言うところまでやって来れたんだ!!
ここまで来て、ここまで来てこんな誘惑に負けるわけにはいかないんだ!!
そうだ、これは最後の試練なんだ!!このサキュバスの誘惑に耐え抜ければ、
僕は胸を張って聖地を踏みしめることができる!!
なんとしても、耐えきってみせる!!!
きっと、朝まで耐えきればサキュバスも諦めるだろう、それまでなんとか……。

「ふふ、朝は来ないわよ……。」
僕の考えを見透かしたように、サキュバスが囁く。ぎょっとする僕。
「もう忘れたのかしら……?ここは、私の創った夢の世界なのよ……だから、全てが
 私の思うがまま、って言ったでしょう?そう、どんなに我慢しても、朝は来ない……。
 いくら頑張っても無駄なのよ……。いくら我慢しても、快楽が増していくばかり……。
 お前が我慢しきれなくなるまで、どこまでもどこまでもよくしてあげる……。
 ふふふ……分かったでしょう……?お前の運命はもう決まってるのよ……。」
「……そ、そんな……そんな……
 ああ、はぁあああ、ああああああああ~~~~~っ!!!!!」

その瞬間、僕の心の中で何かが弾けた。
心が絶望に押しつぶされ、理性は快楽に打ち砕かれる……
もうだめだ……いくら頑張っても無駄なんだ……ああ、股間から全身に伝わる快楽の波が
どんどん大きくなる……今まで抑えていた快楽が、堰を切ったように
どっと吹き出してきて、お、抑えようが……あ、ああ……
あああああっ!だ、だめぇっ!もう、どうしようも……どうしようもなくきもちいい!!
「はあああ、ああ、ああ、あああああっ!!!あっあっ、あぐぁああああああ!!!」
……か、神様……ゆる……して……くださ……い……。

どぶどぶどぶどぶどぶ~~~~~っ!!!

尿道を激しく震わせて、迸る液。溜まりに溜まっていた精液が、
ペニスを根本まで咥え込んだサキュバスの口の中に、一気に噴き出した!!
「んん!!」
どぷどぷと激しく吹き出す精液の勢いに、思わず声を上げるサキュバス。
それでも、咥えたペニスは離さない……
ごきゅごきゅと喉を鳴らして僕の精液を飲んでいる……。
「あああああ、はぎぃあああっ!!あっ、あっ、あっ、あああああああああっ!!!」
僕は全身をびくんびくんと痙攣させながら、激しく精を放つ……
止まらない……止まらない……射精が、射精がどこまでも終わらない!!

びゅるびゅるびゅるびゅる……びゅるびゅるびゅるびゅる……



……永遠に続くかと思うほど、長い長い射精が続き……
そして、ようやく僕のペニスは液の噴出を終えた……
まだ、快感の余韻にひくひくと痙攣を続けている……。

ちゅぽ……。

最後の一滴まで残さず吸い上げて、ようやくサキュバスの唇がペニスを解放する……。
ゆっくりと顔を上げ、満足そうな笑みを浮かべて僕を見つめるサキュバス……。
こく……と、喉が動いて最後の一口を飲み下し、
口の端に残った精液を指先ですくい取って見せつけるような仕草でぺろ、と舐めると、
ゆっくりと僕の股間から這い上がって来る。
そして、僕の視界いっぱいに、サキュバスの花のような笑顔が広がった。

「ふふふ……どう、神の教えを破った気分は……。」

人智を超えた快楽の余韻にぼやける視界の中で、サキュバスが僕を見つめている……。
僕は強烈な射精の直後で、放心状態でサキュバスの顔に見とれる……。
……ああ……僕はとうとう精を放ってしまった……サキュバスの誘惑に負けて、
欲望のままに……快楽に溺れてしまった……。

「うふふ……朝まで我慢すれば、私も諦めるしかなかったのに……。」
「なっ……何っ!!……あ、朝は来ないって……!」
驚く僕を見て、サキュバスの顔にこの上なく邪悪で、淫らな笑みが広がった。
「ほほほほほ……駄目よ、悪魔の言う事を簡単に信じちゃ……
 ……そんな事では、やっぱり神を信じる資格はないわねぇ……ほほほほほ!」
「……あ、ああ……そんな……それじゃ……それじゃ……あああ……!!」
「そうよ、お前は悪魔の言葉を信じて、自ら神の徒であることをやめたのよ……。
 本当に神を信じているのなら、私の言葉なんかに惑わされずに、たとえ永遠でも、
 私の快楽責めを耐えつづけたはずよ……でも、お前はそうしなかった……。
 朝まで耐え抜けば助かったのに、お前は耐えることをやめた……。
 お前は神の教えを捨てたの……そう、お前の魂は、今こそ堕落したのよ……!!」

サキュバスの非情な宣告が、僕の心を貫いた。
僕は、その衝撃に打ちのめされる……ああ……僕は、取り返しのつかない事を……。
もう本当に駄目だ……終わりだ……僕は、僕は……自ら信仰を捨ててしまったんだ……。
もう、神様も僕を見捨ててしまったに違いない……ああ、ああ……。

絶望に身を震わせる僕に、サキュバスは甘く囁く。
「ふふ……大丈夫よ、安心なさい……神に見捨てられたのなら、ふふふ……
 ……私がお前の神になってあげるわ……ふふ……ふふふふふ……。」
そう言いながら身を起こすサキュバス。
そして、僕の身体にまたがり、視線を落とす……。
視線の先には、射精を終えたばかりの僕のペニスがあった。
精をごっそり吸い取られて、すっかりしぼんでしまっている……。

「さあ、これからは私がお前の神様よ……貢ぎ物をちょうだい……
 ……お前の熱くたぎる精を、一滴残らず私に捧げるのよ……!」

そう言いながらサキュバスがペニスに触れると、僕の身体に再び快感の電流が走る!!
「はぐっ、ぁああああ、やめてっ、あがあああああああ……!」
射精直後で過敏になっている身体にさらなる快楽を与えられ、僕はびくびくと身体を
わななかせる……そして、精を放って間もないはずのペニスが、サキュバスの手の中で
むくむくと勃ち上がる!!そう、この世界では全てがサキュバスの思うがまま……
僕のペニスも、ひとときの休息も許されず、再びビンビンに勃起させられる……!

「ふふふ……休んでる暇なんてなくてよ……さあ、いらっしゃい……
 ……私の体の中へ……魔界の快楽を味あわせてあげる……。」
サキュバスは僕のペニスに狙いをつけて、ゆっくりと腰を降ろしてゆく……。
そして……。

ぬちゅ……

「いぎっ、ぎぁあああああああっ!!」
ペニスの先端にぬるっとした感触が走る。それだけで、僕の全身に強烈な痺れが走る。
サキュバスがさらに腰を降ろすと、たっぷりと愛液を含んだ粘膜が、
ぬるりとペニスを咥え込む……僕のペニスは、熱くとろけた女の肉の感触に、
根本までねっとりと呑み込まれた!!

「あが、がはぁああっ!!あぐぁ、あああっ!!あっ、ああっ、あぎいいいっ!!」
「ふふふふふ……どう……私の中……気持ちいいでしょ……?」
サキュバスの甘い囁きを聞く余裕もなく、僕は全身を駆けめぐる強烈な快感に、ただただ
悶え狂う。さらに、ペニスを包み込む肉襞がやわやわと蠢いて、まるで無数の淫らな舌に
よってたかって舐め回されているかのような快感を送り込んでくる!!
さっきのフェラチオとは比べ物にならない、まさにこの世のものではない魔界の快楽……
サキュバスにとっては、今までのはほんのお遊びだったんだ……!!
あ、ああ……!気持ちよすぎる!!こんなの耐えられないっ!!

「あぎやああああ!!あああ、がああああああああっ!!!」
常軌を逸した異次元の快楽に、僕はあっと言う間に昇り詰め、
こらえようもなく、2度目の射精が迸る……
「……出しちゃ駄目!!」
その時突然、サキュバスが叫んだ。その声にびくっと驚く僕。
しかし、次の瞬間、さらに異常な事態が起こった。
サキュバスの声に答えるように、吹き出す直前で射精が止まってしまったのだ。
しかも、射精の瞬間の、どうしようもなく精が溢れ出る感覚をペニスに留めたまま。

「は、ぐあっ、あああ、あああああっ……!!」
ペニスを捉える異常な感覚に、僕はなす術もなく身悶える。
気持ちよすぎて射精を堪えられない!!なのに、出ない!!出せない!!!
「ふぁああああ……ああ、あああ……あ、はぁう、くぅううう、あああああ……!!」
「ふふ、いかが?我慢の限界を超えて精を放つ、一番気持ちいい瞬間で止められて、
 いつまでも終われない気分は……最高でしょ……ふふふふふ……。」
そう言いながら、サキュバスはなおも無数の肉襞を蠢かせて、僕を嬲る……。
腰は動かさず、肉襞の動きだけで僕をよがり狂わせる……!!

「はぐあ、ああ、助け、えげっ、あっ、助けてぇ!!えあ、あああああっ!!!」
人の身体が、精神が耐えきれない極限の快楽を際限なく与えられ続け、
僕は半狂乱になって叫んだ。
「うふふ、助かりたい?……だったら……『出させて下さい』って、お言いなさい……。
 屈服の証として、精を捧げたいと、捧げさせて欲しいと、その口で言うのよ……。」
「あああああ……ああ、そ、そんな……あ、あがあああ!!ぎひぃいいいいい!!!」



射精の感覚を固着させられてしまったペニスを、無数の肉襞がさらに責め嬲る。
射精の瞬間のペニスにさらに刺激を加えられ、僕の身体をさらなる魔の快楽が襲う!!!
さらに、サキュバスの女陰全体が、ぐにゅぐにゅと伸縮と蠕動を繰り返し、
ペニスを容赦なく締め上げ、揉みしだき、しごきたて、弄ぶ!!!

「あああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!」
「言わないと……もっともっと気持ちよくされちゃうわよ……さあ……お言い……。
 『私はあなたのしもべです、あなたに私の精も、命も、魂も捧げます』と……
 言うのよ……!さあ、早く……!!」
妖しい輝きを宿らせた瞳で、僕の目をじっとのぞき込みながらサキュバスは囁く。
もう、全身を駆けめぐる快楽は、むしろ苦痛に変わっている……
気持ちよすぎて、それが地獄の責め苦になっている……!
「さあ、言いなさい……!!」

どんどん苛烈さを増していく快楽地獄に、僕はとっくに忍耐力も、精神力も
限界を超えてしまっていた……サキュバスに命じられるまま、
屈服の言葉を口にしようとする……しかし、その瞬間……。

サキュバスの腰がゆっくりと動き出す……ねっとりと腰をくねらせ、
蜜壷全体でペニスをしごきあげ、僕をさらなる快楽地獄の深みに引きずり込む!!
「あふあああああああ、あああああ……ひう、うああああ……!!」

「ほら、早く言ってちょうだい……ふふふ……。」
よがり狂う僕を見つめながら意地悪く笑うサキュバス。
「あああああ、い、言い、ああ、言いま、がぁあああ、いい、いぎぁあああああっ!!」
「ふふふ……なぁに?……なんて言ってるのか分からなくってよ……ふふふふふ……。」
そう言いながら、サキュバスは腰を妖しくくねらせ、さらに僕のペニスを責め嬲る……
腰の動きが徐々に速く、リズミカルになっていく……!!
「わた、あぎっ!!い、いぎぁ、あな、ぐああっ!!!し、し、いぎいいいっ!!!」

「くふふふふ……もっとはっきり言ってちょうだい……聞こえないわ……。」
言いながら、一層激しく腰を振るサキュバス。僕は、一瞬も途切れることなく
与えられ続ける地獄の快楽の為に、まともに喋ることもできない……
……サキュバスは、それを知っていてわざと僕を責め続ける……!!
「ふふふふふ……早く言わないと、どんどん気持ちよくされちゃうわよぉ……?
 ……ふふふふふ……ほら、早く言いなさい……ふふふふふ……ほほほほほほほ……!」

「あっ、あがっ!!あ、あ、……!!…………!!!……!!……!!!!!」
「ふふふふふ……どぉしたのぉ……?もう声も出せないのかしら……?
 困ったわねぇ……このままじゃ、どこまでもどこまでもよくされちゃうわよぉ……
 くふふふふ……ふふふふふ……ほほほほほ……ほほほほほほほほほ……!」
あざ笑いながら、サキュバスはますます激しく僕を犯す。

僕は目をかっと見開き、涙をぼろぼろとこぼしながら身を硬直させ、小刻みに震える
以外何もできない……なす術もなくサキュバスに貪られるばかり……。
サキュバスの責めはいつまでもいつまでも終わることがなく、
僕は限界を遥かに超えて、どこまでもどこまでも高みにのぼらされていく……。
「ほほほほほ……ほほほほほほほほほ……ほほほほほほほほほ……。」
サキュバスの笑い声が響きわたる中、僕の意識は快楽の闇の中に呑み込まれていく。
薄れゆく意識の中で、サキュバスの笑う声と、ペニスから全身に駆けめぐる
地獄の快楽だけが、いつまでも鮮明に残っていた……。



…………………………。
……………………………………………………。
………………………………………………………………………………。



僕は、暗い暗い闇の中を漂っている……。
何も見えない、何も聞こえない……。
僕は死んでしまったのか……?
ただ、闇の中の静かな流れに流されて、
緩やかに、僕は漂っている……。

と、僕を包む流れに変化が起こる。
何か、ゆっくりと昇っていく感じがする……。
僕はその流れに乗って、ゆっくりと昇っていく……。
ゆっくり、ゆっくりと意識が浮かび上がって、
そして、再び身体に感覚が戻ってくる……。
僕は、ゆっくりと目を開く……。



「ふふふ……お目覚めかしら?」
サキュバスの淫らな笑みが、視界に広がる……。
「あ……あああああ……はああああああああ……!!」
同時に、全身をなおも包む魔の快楽も蘇る。
サキュバスは腰を振るのを止め、ペニスを咥え込んだ肉襞も動きを止めている。
しかし、ペニスは射精を強制的に止められたままで、
精を絞り出される感触もそのまま残っている……!!

「さあ……言いなさい……。」
再び屈服の誓いを迫るサキュバス。
「ああ……言います……言いますから……もう責めないで……。」
その途端、サキュバスの腰が激しく動き、肉襞がペニスを責め嬲る。
「ひがっ、あぎいいいい!!いっいっ、ぎぃあああああああああっ!!」
再び絶叫させられる僕。サキュバスはひとしきり僕を責めると、
僕の耳元に唇を寄せ、子供に教え諭すように囁く。

「お前はわたしの言うとおりにすればいいの……
 ……『責めないで』なんて、言えとは言ってないわよ……。」
「はあ、あああ……。」
僕は全く逆らえない……逆らえば再び快楽地獄に堕とされてしまう……。
その快感と苦しさ、恐ろしさをさっき嫌と言うほど思い知らされた……。
もう駄目だ、僕はこのサキュバスのいいなりになるしかないんだ……。

「ふふふ……解ったわね……お前は、もう私の言うとおりにするしかないの……。」
「う、うう……。」
「お前は私には逆らえないの……私の命令には、服従するしかないのよ……。」
サキュバスの囁く声が、一言、一言、熱い吐息と共に耳から頭の中に
入り込んでくる……甘く薫る吐息に、僕の意志も、思考も、意識も包まれて、
僕は、サキュバスの与える甘美な感覚に徐々に酔いしれていく……。



サキュバスの囁く声に、僕は徐々に意識を囚われていく……。
虚ろな目でサキュバスを見つめる僕、サキュバスはその様子を満足げに見おろす……。
「さあ、私の言う通りに、続けて言いなさい……。『私はあなたのしもべです』……。」
「……わ、わたしは……あな……たの……し、もべ……です……。」

「『私の精も、命も、魂も、全てあなたに捧げます』……。」
「……わたしの……せい……も……いの……ちも……たまし……い……も……
 ……すべて……あな……た……に、ささげ……ま……す……。」

「ふふ……『隷従の証として、あなたに精を捧げさせて下さい』……。」
「れい……じゅうの……あかし……とし……て……あな……たに……せいを……
 ……せいを……さ、ささげさせて……ささげさせてください……!!」

「ふふふふふ……よく言えたわねぇ……これでお前は完全に私のものになったのよ……
 死ぬまで一生、いいえ、たとえ死んでもお前の魂は私の魔力に縛られて、
 永遠に私のもとから逃れることは出来ないの……ふふ、安心なさい、
 お前が死んだら、主人の私が蘇らせてあげる……。そして、また死ぬまで
 精を搾り取ってあげる……何度でも、何度でも……未来永劫……ふふふ……
 ……さあ、ご褒美をあげる……思う存分、いきなさい!!」

その言葉と共に、僕の身体に変化が起こった。
僕の身体の内側で行き場を失ってぐるぐると渦巻き続ける快楽の奔流……
その流れの出口が、今、開かれて……!!!

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ぼじゅううううううううううううううう~~~~~~~~~っっっ!!!!!
下半身が爆発したかのような感覚!!!!!
まるで火山の爆発のように、精液がじゃぶじゃぶと噴き出るっ!!
「ほほほほほ!!出てるわ!!いっぱい出てるうっ!!!そうよ、もっともっと
 いっぱい出しなさい!!!お前の精も、命も、魂までも、一滴残らず
 搾り取ってあげる!!!ほほほ、ほほほほほ、ほほほほほほほ!!!!!」
「!!!!!、!!!、!!!!!!!!!、!!!!!!!!!!!!!!!!」
僕は目も口も限界まで開き、背中も限界までのけぞらせた姿勢で石のように硬直し、
もはや、喘ぐことも、もがくことも、痙攣することすら許されず、
ただひたすら精を搾り取られていく……。どこまでも、どこまでも……。

「ほほほほほ……いいわぁ……お前の精……とっても美味しい……!
 ああ……私の膣の中で……お前がびくびく震えてる……とっても気持ちいい……
 ……お前も……感じるでしょう……?もっと感じてちょうだい……そして……
 もっと、もっと私に精をちょうだい……ほほほほほ……ほほほほほ……。」
サキュバスは再び激しく腰を振り、中を埋め尽くす無数の肉襞も、一枚一枚が
自らの意志を持って、よってたかって僕のペニスを責め嬲る……ただでさえ
激しい射精を続けているペニスを……さらに、さらに激しい射精へと導いていく……!!

「ほほほ……もっと、もっとよ……ほほほほほ……もっとよくしてあげる……。」
激しく僕を犯し続けるサキュバス……その快楽に、僕のペニスは一層激しく
精を噴き上げる……止まらない……止まらない……!!普通なら、とっくに
枯れ果てているはずの量の精を放ってなお、どくどく、びゅくびゅくと
サキュバスに求められるままに精を迸らせている……!!!
さらに、サキュバスは自らの乳房に手をあてがい……。

どぷどぷどぷうっ!!!

ま、またあのお乳が!!今度は僕の全身に、あの媚薬のお乳がかけられる!!!
ああ、ぬるぬるねばねばと全身に絡み付く感触が……
そして、じんじんと痺れるような、熱く火照る感覚が……!!
サキュバスは、僕の身体にたっぷりとお乳をかけると、その上に覆いかぶさる……。

ぬちゃり。

「!!!!!!!!!、!!!!!!!、!!!!!!!!!!!」
神経をむき出しにして直接愛撫されているような、常軌を逸した快楽が全身を包む!!
僕の身体は限界を超えてさらにのけぞる……全身の筋肉が、びきびきと音を立てる……!
限界を超えた負担に、身体が悲鳴をあげている……!!
そんな僕の身体にねっとりとまとわりつくサキュバス。のけぞる僕の背中に手を回し、
お乳をたっぷりと塗り付けながら愛撫する……さらに身体を妖しくくねらせ、生白い
柔肌を僕の身体にすり寄せる……。

にゅる、にゅる、ぬりゅ、ぬりゅ……。

「!!!……!!!!!……!!…………!!!!!……!!…………!!」
全身に、容赦なく流される快楽の高圧電流。視界にばちばちとスパークが走る!!!

びゅーーーーーーーーーーー!!!!!!

射精が、射精がますます激しくなって、もう何が出てるのかも分からない……!!!
体中から、何かがどんどん奪われていく……どんどん搾り取られていく……!!!!!
射精地獄の中で、僕の意識も快楽の泥沼に呑み込まれていく……!!!!!

サキュバスは僕の首筋に舌を這わせながら、耳元で甘く囁く……。
「ほほ……もう限界ね……いいわ、私に全てを捧げてお死になさい……
 ふふふ、お前は今、ここで死ぬの……人としての人生はここでおしまい……
 ……そして、私のしもべとして生まれ変わるのよ……
 ほほほほほ……ほほほほほ……ほほほほほほほ……ほほほほほほほほほ……!!!」
サキュバスの笑い声と、全身を駆けめぐる地獄の快楽とに包まれて、
僕は深い深い闇の奥底へと堕ちていく……何もかも吸い取られていく……。
精も命も魂も、魔界の快楽と引き替えに奪い去られて……堕ちる……堕ちる……!!



チュン、チュン……。
眩しい光が視界を満たす。
「う……。」
目を開ける僕。部屋の中に射し込む朝日が夜の終わりを、
鳥のさえずりと町のざわめきが新しい一日の始まりを告げる。
僕はベッドから身を起こす……シーツの乱れも、汚れもない。
まるで、ゆうべの出来事がただの幻だったかのように……。
しかし、部屋の中にほのかに漂う残り香が、ゆうべの性の狂宴が
決して嘘でも幻でもない事をはっきりと物語っていた。

身支度を整え、僕は部屋を出た。
宿屋のおやじが掃除をしている。僕に気づき、声をかけてきた。
「おはよう、ゆうべはよく眠れたかい?」
「ああ、どうも……。」
「……どうした?顔色が良くないみたいだが……風邪でもひいたか?」
「……いえ……大丈夫です……なんでもありません……。」
「そうかい……?まあ、気をつけてな。」
「ありがとうございました、では……。」
怪訝そうな表情のおやじに礼を言って、僕は逃げるように宿屋を後にした。

ラドブールの町を歩く……朝の市場が始まり、町は行き交う人々でにぎわっている。
活気に溢れた町並み、清々しい朝の空気、燦々と降り注ぐ朝日……
……しかし、今の僕には、それら全てがひどく空虚なものに見えた。少なくとも、
この世界は僕の世界ではないように思われた。

やがて僕は大きな三叉路にたどり着く……
ここを右に折れれば、町の外のノーマン街道へと向かう……
僕は立ち止まり、じっと道を見つめる……。
……この先に、僕の目指してきた聖地クローラムが……僕の旅の目的地がある……。

しばらくの間、ノーマン街道へ向かう道を眺めていた僕は、
やがてゆっくりと踵を返し、反対側の、左側の道へと足を向けた……。
細い路地へ入っていき、さらにしばらく歩く……。
そして……。

「ふふ、そろそろ来ることだと思ってたわ……。」
僕の目の前で、黒いドレスを身に纏った女が妖艶な笑みを浮かべている。
後ろにある館には、『黒翼館』と書かれた看板が下がっている……。
「さあ、いらっしゃい……今日から、お前はここで暮らすのよ……。」
そう言いいながら扉を開け、女は僕を館の中に招き入れる。
僕は導かれるまま、ふらふらと館の中に入る……。
その背後で、僕と、僕のいた世界とを隔てる扉がガチャリと音を立てて閉じられた。

館の中は、小さな酒場のようになっていた。椅子とテーブルが並び、カウンターの中には
酒瓶が並んでいる……奥の方には2階と、地下へと続く階段が見える……。
そして、色とりどりのドレスを身に纏った女達が、テーブルやカウンターの席に座って、
めいめいにくつろいでいた。皆、若くて美しく、そして魔界の妖気を漂わせていた……。

「あら……お客様?」
入ってきた僕に気づいて、ゆっくりと立ち上がる女達。
「いいえ、この子は新しい『贄』よ……。」
僕の背後で黒いドレスの女が答えると、全員の表情が変わった。
妖艶な笑みが、一層淫靡な陰を帯び、
獲物を見る目つきで、ご馳走を見る目つきで僕を見つめる。
「そう……ふふ、今度の贄はおいしそうねぇ……。」
「ふふふ……ちょうど良かったわ……下の子達、いいかげん弱っちゃってるから、
 そろそろ活きのいいのが欲しかったのよね……うふふふふ……。」
「この子は、もう調教は済んでるのかしら?」
「ふふ、ゆうべたっぷりと魔界の快楽を教えてあげたわ……もう完全に私の虜よ……
 ……ふふふ、その子の精、とっても美味しかったわよ……。」
「そうなの?うふふ、それは楽しみだわ……じゃあ、これからみんなで、
 じっくりといただくとしましょう……ふふふ……ふふふふふ……。」
女達は僕を見つめながら、笑いさざめく。

その視線に絡め取られるように、僕の足がひとりでに前に進む。
自分がこれからどんな地獄に堕ちるのか知っていながら、いや、知っているからこそ、
僕は女達の元へと吸い寄せられていく……ゆうべ味わった魔の快楽……その記憶が、
女達の放つ妖気に反応し、僕の身体の中でどうしようもない疼きとなって、
僕を破滅の快楽へと誘う……。
僕は女達の輪の中へと自ら入っていく……虚ろな瞳で……
女達が僕に群がる……僕は、色とりどりののドレスの中に埋もれていく……

「ああ……あああああ……はああ、あああああああああ……。」
女達の手が、よってたかって僕の身体をまさぐる……
熱い息を漏らす僕に、黒いドレスの女が囁いた。
「ふふふ……これからずっと、お前はここで私達の贄として暮らすのよ……
 二度と、この館からは出られない……未来永劫、私達に魔の快楽を与えられ、
 私達に精を捧げ続けるの……。」
「ふぁあああ……あああああああ……ああ、ああ……あああああ……。」
「……ここが、おまえの旅の終着点……ここが、お前の聖地なのよ……
 ふふふ、どう……幸せでしょう?……ふふふふふ……。
 さあ、続きは下でゆっくりと楽しみましょう……。ゆっくりと、ね……
 ふふふ……ふふふふふ……ふふふふふ……!」

ここは、ノーマン街道に面した町、ラドブール。
別名「巡礼街道」と呼ばれるノーマン街道の終着点、聖地クローラムを目前に控える町。
場所柄、長く過酷な旅をしてきた巡礼が、目的地を前にして旅の疲れをとるために
宿をとることが多く、宿場町として栄えている。

だが、この町に、巡礼を狙ったサキュバスが棲み付き、
幾人もの若い巡礼が餌食となって終わりのない性の快楽地獄に引きずり込まれ、
精を搾り取られ続けている事は、誰も知らない……。

「ふふふふふ……ふふふふふふふ……。」
「ああ、ああ、あひぃっ、いあ、あああああ……ああ、あああああっ!!」
「ほほ、いい声だこと……もっともっと鳴かせてあげる……。」
「あああ、は、あぐあ、あふ、う、ふああ、あああっ、あっあっ、あああああっ!!!」
「うふふふふ……また出たわ……ああ……おいしい……。」
「さあ、次は私の番よ……私にもちょうだい……お前の精を……。」
「うああああっ!!ああ、あぎっ、ひぃああああ……あああああ……!!!」
「うふふふふ……ふふふふふ……ふふふふふ……ほほほほほほほ……!!」

END


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niburuqusi
文章主題 : Re: 【双11的礼物】白尾妖姬的玩弄地狱文章發表於 : 2017年 11月 13日, 12:17
離線

註冊時間: 2015年 2月 20日, 11:48
文章: 76
还有两篇未完结的,怕是有生之年

試練~堕天女の淫らな罠~

時は唐の時代、この時代は道教が国の保護を受け、仙術修行が盛んに行われた時代で
あった。不老不死を得、天空を飛翔し、水面の上を歩き、雷を操り……各種の仙術を
使いこなす超人、それが仙人であった。
富める者はその栄華を永遠のものとするために、貧しき者は恵まれぬ境遇に終止符を
打つために、多くの者が仙術修行に励んでいた。
そして、ここにも仙人になることを目指す若者が一人……。

「ふぅ、ふう……ふぅ……。……ここ……かな……?」
きつい山道を越えて、乱れた呼吸を整える僕。その目の前には、質素な庵があった。
ここは、紫雲山の奥深く。この辺りに黄河老師の庵があると聞いて、僕はやってきた。
もちろん、黄河老師の弟子となって、仙道を極め、仙人となるためだ。

黄河老師は、この辺りでも有名な道師で、厳しい修行の末に道を極めて仙人となった。
普段は庵にこもって修行しながら、時折人里に降りてきて、困っている人々を助けて
回っているらしい。不作の時は、地面に触れるだけで田畑にもこもこと作物が実り、
洪水の時は、一息吹きかけるだけで水がひとりでにひいていく。
魑魅魍魎の類も、黄河老師の名を聞くだけで、怖じ気づいて逃げて行くらしい。

「ごめんくださ~い。」
庵の中に声をかけると、中から一人の老人が現れた。
白くて長い、見事なヒゲを蓄えていて、明らかに常人とは違う雰囲気を身に纏っている。
どうやら、この老人が黄河老師その人らしい。
「ふむ、こんな所まで何用じゃな?」
黄河老師は、穏やかな笑みをたたえて僕を見つめる。
「あなたが黄河老師とお見受け致します。どうか僕を弟子にして下さい!」
僕は、その場に跪いて、老師に訴えた。

「ほ……弟子に、のう……ふぅむ……。」
老師は、真っ白なヒゲに手をやって、しごき始める。
「お願いします!仙人になりたいんです!
 何でもします、どうか、ここで修行させて下さい!」
深々と頭を下げる僕。老師は、少し考え込んでいるようだったが、やがて口を開いた。
「どれ……目を見せてみい。」

頭を上げた僕の目の前に、ずいっと老師の顔が迫る。
老師の穏やかな顔から笑みが消え、じっと僕の目の中をのぞき込んでくる。
その視線は僕の何もかもを見透かしてしまうようで、少し恐かったが、
僕は、勇気を振り絞って老師の目を見つめ返した。

そのまましばらくの間、僕の目を見つめる老師。が、不意にその表情が緩んだ。
「……………ふむ……………よい目をしておるわ。
 ええじゃろ、ちっとしごいてやるわい。ついて来い、早速修行じゃ!」
そう言って、老師は皺だらけの顔に楽しげな笑みを浮かべた。

その日から、厳しい仙術修行の日々が始まった。
まずは穀断ち。米、麦、キビ、アワ、豆の五穀をはじめとして、肉類、
匂いの強い植物、その他様々な食物を断ち、心身を浄化する。
穀断ちによる厳しい食事制限はそれだけで苦行だった。空腹感、めまい、頭痛、
その他様々な体調の変化が、僕を責め苛んだ。

それに耐えながら、導引法と胎息法で体内の気の循環を整えつつ、日々瞑想を行う。
体力的に負担の大きな修行ではなかったが、そのために穀断ちの苦しさから
気を紛らわす事もできず、精神的にはかえって過酷だった。
「仙人になるためには、高い精神力と集中力が必要じゃ。この修行は、仙人になるために
 必要な、清浄な身体と、強靭にして静謐な精神を得るためのものじゃ。
 これを成し遂げてはじめて、仙人になるための修行ができると知れい!」
その老師の言葉に従って、僕はひたすら地道な、そして過酷な修行に明け暮れた。

そして……あっと言う間に3年が過ぎた。
ある日、修行を終えた僕を老師が呼んだ。
「老師、お話というのは……?」
「うむ、そろそろ次の段階の修行を始めようと思うての。」
初めて会った時と同じ、楽しげな笑みを浮かべて、老師は言った。
「!……そうですか、ありがとうございます!」
「うむ、ここからは、本格的に仙人になるための修行じゃ、
 厳しさも今までとは比べものにならんぞ。心してかかれよ。」
「はい、がんばります!……ところで、どんな修行をするんですか?」
その問いに、老師は何故か、にたりと悪戯っぽい笑みをうかべた。

「……お主、房中術というのを知っておるか?」
「……房中術……ですか?」
房中術については、僕も少しだけは知っていた。確か、男と女のまぐわいによって、
男の持つ「陽」の気と、女の持つ「陰」の気を交わらせ、不老長生を得るという
術だった。
「そうじゃ、明日からは房中術の修行じゃ。……ん?どうした?」
「しかし、老師……房中術といっても、相手がいなくては……。」
「心配するな、お主好みの美人に化けてやるでな、どんな女でも望みのままじゃ。」

「え……、あ、ええっ!!ちょ、ちょっと待って下さい、それは……!!」
うろたえる僕を見て、高笑いする老師。
「ふぉっふぉっふぉっふぉっふぉ、冗談じゃ、本気にするでない。
 その程度で動揺するとは、まだまだ修行が足りんのう。」
「……だれでもびっくりしますって……。」
「ふぉっふぉっふぉ、まあええじゃろ、冗談はここまでじゃ。」
そう言って、老師はふと真顔になった。
「ここから南に山を3つ越えてさらに行くと、霧に閉ざされた谷がある。
 その霧の中に『百華楼』という館があっての、そこに儂の弟子の女仙が住んでおる。
 そこに行って、鍛えてもらうとええ。」

なるほど、その女仙を相手に房中術の修行をするのか……僕はほっと胸をなで下ろした。
「ところで、その女仙というのは、どんな方なんですか?」
僕の問いに、老師は真っ白なヒゲをしごく。
「うむ、元は天界に住まう天女だった女達じゃ。」
「て、天女……!」
天女が弟子だなんて……やはり、老師の仙人としての器は、僕の想像を超えている。
感心している僕をよそに、
「……そして、男の精を吸い尽くし、魂を喰らう女妖でもある。」
老師はしれっと、とんでもない事を言った。
「じょ、女妖……!!」
ちょ、ちょっと待って……天女なのに、女妖?天女なのか?女妖なのか?
天女で、女妖で、仙女……?なんだか、分からなくなってきた……。
分かるのは、少なくともただの人間じゃないって事ぐらいか……。
何か、ただでは済まない予感がしてきた……。


房中術の修行相手が元天女の女妖……やはり、仙人になる為の修行だけあって、
思っていた以上にすごい修行になりそうだ……気を引き締めないと……!

……ん?そういえば……?

「老師、あの……。」
「何じゃ?」
「さっき、『女達』って言いませんでしたか?」
「うむ、そうじゃ。一人ではないぞ。三人じゃ。」
「さ、三人……!!!」
なんだかくらくらしてきた……元天女で、元女妖の仙女が、三人……?
「そ、そこで、修行するんですか?その、房中……術の、修行を?」
「そうじゃよ?ん?なかなか充実した修行になりそうじゃろ?」
「それは……まあ……そうです……ね……。」
充実しすぎて、身が保たないような気が……大丈夫なんだろうか。

「あ、あと……天女なのに女妖って、どういう事なんですか?」
その問いに、ヒゲをしごいていた老師の手が止まる。
「ふむ……そうじゃのう……ちっと詳しく話してやろうかの……。」
そう言って、老師は再びヒゲをしごき始めた。

「天女はの、元々天界に漂う清浄な霞から生まれてくるのじゃが……。
 ……ある時、どこから漏れてきたのか、地獄の瘴気が天界に上がってきてしもうた。
 そして、それが混ざった霞の中から、三人の天女が生まれてきたのじゃ……。」
老師は、少し遠い眼差しで話し始めた。
「……その三人の天女は、美人ぞろいの天女達の中でも飛び抜けて美しかった。
 じゃが……、その美しさは、邪な、淫らな美しさじゃった。性格も淫乱にして貪欲、
 男と見れば片っ端から誘惑し、性の快楽の虜にして、堕落させていったのじゃ。」
ヒゲをしごきながら、いつしか老師は厳しい表情になっていた。
「その魔性の魅力の前に、天界の住人は次々と色狂いにされていった。
 おかげで天界は大混乱、地獄は地獄で、堕落した天界の住人で溢れ返ってしもうた。
 そして、三人の天女は天帝の怒りを買って地獄に堕とされた、はずじゃった。」

「……はず、だった?どういう事です?」
僕の問いに、老師の顔に苦笑いが浮かぶ。
「奴等は地獄の獄卒までもたぶらかして、人間界に脱走しおったのじゃよ。
 ……そうして、そやつらは人間界に棲みつき、近隣の村の男や、旅人を襲っては
 その精を吸い、魂を喰らうようになったのじゃ。男達は、次々と三人の天女の
 餌食となっていった。なにしろ、全ての欲望を捨て去ったはずの、天界の住人を
 たぶらかす程の力をもっておるんじゃ、俗世の人間などひとたまりもないわい。
 そうして、まぐわいを繰り返し、人間を喰いものにしておるうちに、そやつらは
 身体の芯から女の妖怪、すなわち女妖と化してしもうた。
 そして、人々はそやつらを『堕天女』と呼んで恐れるようになったのじゃ。」

そこまで話すと、老師は一息つくように言葉を切った。
部屋に沈黙が落ち、蝋燭の炎がチリチリと音を立てる。

堕天女……話を聞けば聞くほど、恐ろしくなってくる……そんな女妖達相手に
房中術の修行なんて、できるんだろうか……?
そんな僕の心配を知ってか知らずか、老師が再び口を開く。
「……堕天女の被害にたまりかねた村人達が儂を尋ねてきたのは、
 もう五十年程前になるかのう……女妖退治を頼まれた儂は、百華楼にのりこんだ。
 相手は天界出身、それも一対三では、さすがの儂も往生したがの……
 なんとか、堕天女の妖力を封じる事に成功したのじゃ。」

「それで、その堕天女達は……?」
「妖力を封じられた奴等は、命だけは助けて欲しいと泣きついてきおった。
 そこで儂は、条件付きで助けてやることにしたのじゃ。」
「条件……ですか?」
「うむ。一つは、人間を襲うのを止める事。
 もう一つは、儂の弟子として仙術修行に励む事。
 そしてもう一つ。お前のような若者の修行を助けてやることじゃ。
 元々、房中術はそやつらの十八番じゃったし、高い仙力をもつ堕天女達とまぐわえば
 通常の数十倍、数百倍の修行の効果がある。後進の指導にあたらせれば、
 うってつけというわけじゃ。」

「でも……大丈夫なんですか?」
僕は、どうしても不安が拭えない……百華楼に着いたとたんに襲われて、
寄ってたかって精を吸い尽くされてしまうんじゃないか……?
「心配するでない。並の人間の精を百人吸い尽くすよりも、
 お主のような仙人候補と修行するほうが、堕天女共にとっても『おいしい』のじゃ。
 むしろ丁重に扱ってくれるじゃろう。……ただし……。」
「?」
不意に、老師は厳しい表情に変わり、真っ直ぐに僕を見据えた。
そして、厳しい眼差しのままで、にたり、と不気味な笑みを浮かべた。
「奴等には、預けた弟子がもし途中で修行を投げ出すようなら、
 煮て喰うなり焼いて喰うなり好いた様にせいと言うてある。覚悟せいよ。」
僕の背筋を、何かぞくっ、と不吉な予感が駆け抜けた。

そんな僕の様子を見て、ふっ、と表情を緩める老師。
「まあ、大丈夫じゃ。お前ならやり遂げられると儂は信じておる。
 いままで儂が見た中では、お前が一番真面目に修行に励んでおったからの。
 しっかり面倒見てもろうて、立派な仙人になって帰って来い。」

……そしてその翌日。

「それでは、行って参ります。」
「うむ、気をつけてな。無事帰ってくるのを心待ちにしておるぞ。」
見送る老師に一礼して、僕は庵の簡素な門を出る。
立派な仙人になって、ここへ帰って来られるか、はたまた……
いや、なんとしてもやり遂げてみせる!そして、必ず仙人になって帰って来るんだ!

そして、僕は女仙達が住むという『百華楼』を目指して庵を出発した。


山の中を巡る、獣道のような細い道を辿って、南に向かう。
三つ目の山を越えたときには、既に日が傾きかけていた。
一日中山道を歩いて、しかし僕の身体は軽かった。疲れもほとんど感じない。
3年間の修行で、僕の身体も相当に鍛えられている、ということか……。

そう思いながら細道を行くうちに、前方に微かに霧が漂っているのが見えてきた。
微かだった霧は、歩を進めるうちにどんどん濃くなっていき、
そして、ついに僕の視界は乳白色の霧で埋め尽くされて、何も見えなくなってしまった。
『霧の中では、桃の香りを辿って行くがええ。』
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221118
Re: 有大神翻译不。。或者有汉化就更好了
等待大神。。。。。。。。。。。