日文3
さて、M物の中でもM格闘物、というジャンルがありますが、男女間の体力差という絶対要因があるため、基本的には以下のどれかのパターン、もしくはその組み合わせになることが多いと思います。
1.男の子を問答無用に弱い、軟弱坊やに設定するパターン。「レイコとシンジ」は、この基本的にこのパターンです。
2.女の子を極端に強くするパターン。説明抜き、ディテール抜き、で女の子をとにかく強く設定してしまうパターン。たとえばMISTRESS誌に連載されている「立志館高校」のように、「体育科の教師も凄まじいプロレス技にあっという間に叩き伏せられた。」としてしまい、強引に片付けるパターン。確かに、神取 忍やアジャ コングを連れてくれば、この設定も有りかもしれませんが、現実無視という点ではまあ、ある種のSF的なパターンです。
3.金蹴りパターン。これはある種の王道ですね。女の子優勢での止めの一撃、油断した男への不意打ちの一撃、いろんなパターンがあります。現実の護身術からしても、大部分はこのパターンを基本戦術にしています。
今回はM格闘物ですが、パターン1は初期の「蹴り地獄」でやってみましたし、パターン3はもう色んなパターンの小説が溢れているので、敢えてどのパターンにも該当せず、かつパターン2ほど、荒唐無稽にならないパターンを考えてみました。
タイトルの「復讐するは我にあり」は勿論、佐木 隆三の同名小説から取りました。流石、聖書の一節から取っただけあって、重層的な、含蓄のあるタイトルだと思います。
「レイコとシンジ 復讐するは我にあり 前編」
初めてだった。翌朝目覚めた時、背中、尻、脇腹、慎治たちの全身に礼子たちの鞭の痛みが残っていた。それだけならいつものことだ。だが恨み、富美代と朝子におしっこを引っ掛けられ、馬糞まみれにされた恨みは消えていなかった。いや、一晩置いて尚一層、恨みはつのっていたかもしれない。肉体的な痛みは時間と共に急速に薄れていく。だが精神的な痛みは時間と共に却って増していく。慎治たちはその痛みに駆り立てられるように、復讐の幻想を語り合い、精神の傷口を舐めあっていた。二人は本気だった。本気で,真面目に仕返ししようと必死で知恵を絞って、来る日も来る日も復習計画を練っていた。
それが間違いだった。考えれば考えるほど、礼子たちと自分たちの実力差に思いが至ってしまう。いや、礼子たちどころではない。仮に二人掛かりで行ったとしても、慎治たちの腕力では富美代や朝子にも軽くあしらわれてしまうだろう。そのことは嫌と言うほど思い知らされている。だから慎治たちの企みはとんでもない方向に進んでいってしまった。そう、誰か人を,礼子たちより強い人に頼んで、礼子たちをやっつけてもらう、という考えに。とんでもない考え違いだった。確かに礼子たちは慎治たちより遥かに強い。だが、それがどうしたと言うのだろうか。礼子たちといえども、24時間いつも気を張っているわけではない。慎治たちが本当に自分を捨て,復讐を最優先とするならば、手段などいくらでもある。
例えば後ろからナイフで刺すとか闇討ちをかけるとか家に火をつけるとか、極端に言えばヤクザからピストルを買い,撃つという手だってある。いくら礼子たちが強い,と言っても,それは真っ向から向かい合った時の話だ。慎治たちが、自分が犯罪者になったって構わない,という覚悟さえできれば、手段はいくらでもある。突き詰めれば人を殺す,ということはナイフを10センチ前に突き出す,ピストルの引き金を数センチ引く,と言った,僅か数センチの動きを躊躇い無くできるかどうか、に過ぎない。慎治たちはその数センチの覚悟がなかった。本当にもう礼子たちに苛められるのが嫌だ,この地獄から抜け出るためなら,どんなことでもする、自分が犯罪者になるのなんて、全然構わない。礼子たちを殺すか,自分たちが死ぬか,どちらか二つに一つだ。ここまで考え覚悟を固めていれば、おのずと腹も固まり,本当に復讐できたかも知れない。
だが慎治たちはそうではなかった。何が何でも復讐してやる,という硬い決意を持てないままに、言葉だけで復讐,という重い覚悟を孕んだ言葉を弄んでいた。逆に言えば,そうやっていつまでたっても覚悟が固まらず,無意味なプチ反抗だけを繰り返してきたからこそ、礼子たちにここまでいいように苛められて来た訳だが。ともあれ、慎治たちはおよそ最悪の選択,自分たちの運命を賭けた復讐を赤の他人に依頼しよう、という致命的なミスをおかしてしまった。赤の他人,慎治たちと違い,礼子たちに別に恨みがあるわけでも何でもないから、失敗しても別にどうということはない人間に復讐を依頼する、というのが何を意味するか。そして、その所詮他人事の依頼が失敗した場合に、礼子たちがどういう行動に出るか,慎治たちは考えを巡らすことができなかった。むしろ、「礼子さんたちよりもっと強い人に頼めばいいんだ!」と何か,自分たちがぶつかっている分厚い壁をブレイクする天啓を得たかのような幻想に酔い,甘い期待に打ち震えてしまっていた。
だが復讐を依頼できる相手はなかなか見つらなかった。強く,しかも礼子たちを,女の子を平気でグチャグチャにできる男。もともとワルでもなんでもない慎治たちにそんな知り合いがいるわけない。だが八方手を尽くして探している内に,一本の糸が繋がってしまった。そして慎治たちの運命も、大きく変わろうとしていた。
「なあ慎治、あいつらのこと、先輩に頼んでやっちゃおうぜ・・・」またか、慎治は何の気なしに応じた。先輩、信次が中学の頃、パシリに使われた先輩とやらに頼んで礼子たちをやっつけて貰おう、て話だよな。全く、そんなこと、出来るわけ無いくせに・・・何十回目かの答えだった。「やっちゃうって、誰に?そんな中学の時の先輩に頼む位なら、ヤクザでも雇った方がまだマシじゃない?」いつもだったら、ここでおしまいの話だ。だが今日は違っていた。信次は目をギラつかせながら、身を乗り出してきた。「違うんだよ、慎治、俺の直接の先輩じゃないんだけどさ、紹介してくれる、ていうんだよ。」紹介ね、ふーん、誰を?どうせ、どうでもいい、その辺にたむろってるチンピラだろ?「いや慎治、それが驚けよ、SNOW CRACKだぜ?あそこの坊野さん、あの人と話が繋がる、て言うんだよ!」
慎治もこれには些か驚いた。SNOW CRACK、一見テニスサークルかと思うような軟派な名前の彼らは,通称白ギャンとも呼ばれ地元で一目置かれる、いや最悪,札付きのワルだった。専門は名前のとおりドラッグの密売だが、幹部を含め末端に至るまで全員理性が欠片すらない、イカれたメンバー揃いのギャングだった。男は殴る,女はレイプする,金が欲しけりゃ強盗でもなんでもする、狂犬同然の連中だった。いずれあと数年したら全員、ヤクザ、廃人、黒枠の写真に収まっている,のどれかだ、と噂されるだけあり手のつけ様が無い、本職のヤクザでさえ関わりあいになるのを嫌がる連中だった。勿論、マジ坊の慎治は名前だけは知っているが、会ったこともない、遠い存在だ。その連中に信次はあたりをつけられる、と言うのだ。「信次、それ、本当か?スノー、て、あのチームだろ?幾らなんでも、あそこに頼めるわけないだろ?僕たちなんか,会っただけで金、せびられるのがオチじゃないの?」「いや、これが本当なんだよ。中学の時の先輩の友達の従兄弟がさ、あそこのプレジの坊野さんなんだよ。でさ、頼めば、カネ次第では坊野さん、力貸してくれそうだっていうんだよ。上手いことにさその人、サブ、ていうより坊野さんとタメの検見川さんって人ともツーカーだっていうんだぜ、どうだい、これ、凄え話じゃないか?」
けみがわ・・・けみがわ、検見川・・・慎治の頭の中で引っ掛かるものがあった、検見川、随分珍しい苗字だな・・・「信次、ひょっとしてその検見川さん、て人、僕と中学一緒じゃない?でさ、ホストっぽい、矢鱈と逝けてるルックスの人じゃない?」「あ、そう言えば・・・確かに検見川さん、慎治と同じ中学だよ。うん、確かにあの人、滅茶苦茶鬼畜な癖して,顔は矢鱈と逝けてるけどさ、それがどうかしたのか?」「その検見川さん、僕たちより2年上、丁度僕たちが新入生の頃の最上級生だよね・・・検見川、そんな珍しい苗字の人、あの人しかいないよ、きっと!」「な、なになに慎治、検見川さん、知ってるのか?」「うん・・・いや、僕は殆ど話したことないんだけどさ、富美ちゃんが超お熱だったんだよ。検見川さん、ちょっと危ない感じもする人じゃん?だからさ、富美ちゃん、最後まで告れないまま検見川さんが卒業しちゃってさ、それっきりになっちゃったんだ。だけど、富美ちゃんが超お熱だったのはみんな知ってる、有名な話だよ。」運命の歯車がコトリと不吉な音を立てた。「・・・慎治、プレジの坊野さんだけじゃなくてサブの検見川さんとも話つながりそうじゃん・・・これ、これって・・・俺たちにも、俺たちにもやっと、やっとツキが回ってきたかもしれないぜ!」
早速セットに入った慎治たちに朗報がもたらされたのは、2週間後だった。指定されたファミレスで慎治が会ったのは確かに、中学の時にいた検見川先輩だった。「オウヨ?おまえ、なんか見覚えあるな。もしかして、おまえ、中学の時,俺と被ってなかったか?確か・・・富美代だっけ、あの小うるせーガキとつるんでなかったっけ?」「は、はい。富美ちゃんのこと、覚えていらっしゃいましたか?」「ああ。あいつ、小便臭いガキのくせしてうるさく付きまといやがってよ、結構ウザかったな。あいつ、真面目な子のくせして俺のこと、なんかいい人系と勘違いして付きまとってたろ?笑っちまうよな、こっちは全然その気ないのによ。ウゼーから一回姦っちまうか、と思ってたけどよ、あの頃は俺も人間、丸かったからな、いい人ごっこして遊んでる内に卒業しちまって、それっきりになったけどな。どうよ、あいつも元気してるか?」よかった。覚えていてくれた、しかも富美ちゃんのこと、好意も何も持ってない、じゃあ話は早い。慎治たちは手早く用件を説明した。話は簡単,言葉にすれば僅か1,2行だ。天城礼子,霧島玲子,神崎富美代,萩朝子、この四人を攫ってグチャグチャにレイプして欲しい。できたらレイプ写真も撮って欲しい。そんな写真をばら撒かれたら二度と表を歩けない,という位,恥ずかしい写真を撮って欲しい・・・
「ふーん、慎治,何があったかは知らねーけどさ、よっぽど富美代たちのこと、むかついてるんだなー。大方,お前ら高望みしてこいつらに告って派手に振られた、てとこか?ま、別にいいけどよ。坊ちゃん,どうよ?」「おう・・・でもよ,この子たち、マジでいけてねーか?こりゃよ・・・こいつらの依頼抜きでもやっちまいてーよな。こういうお高く止まった女のよ、姦った時の泣き声ってシビレルからな。四人か、全員いい線逝ってるじゃねーか。じゃーよ、奈良村と須崎もこういうタイプ、結構好みだからな、連中も誘ってやろうぜ。・・・OK、おい、おまえ信次、て言ったな、普段はこんな値段じゃ動く気しねーけどな、こいつら上玉揃いだ、出血大サービスしてやるよ。一人十万,四人で四十万積みな。そしたらよ、おまえらの望み通り、グチャグチャに姦ってやるよ。今言った奈良村と須崎な、こいつら、うちのNO.3とNO.4だぜ?それに俺とケミ、うちのNO.1からNO.4揃い踏みの超豪華メンバーで姦ってやるぜ・・・望みどおり姦ってやるぜ。派手に、たっぷりとな。ケミちゃん、この内のこいつ、知り合いなんだろ?だったら、絵は描きやすくねーか?頼むぜ,こいつら上玉揃いじゃん?俺にも楽しませてくれよ!」「オウヨ!ま、その手の絵は俺の専門分野だからな、任せときな。富美代か、よく見ると中坊の時よりグッといい女になってるじゃねーか。中坊の時は食いそびれたけどな、今度は遠慮なく食わしてもらおうか!」
やった、やった、やったーっっっ!!!慎治たちは外に出てから、思わず抱き合って大喜びしてしまった。「や、やった、やったな慎治!」「うん!うん!聞いた?派手に、たっぷりと姦ってくれるんだって!あの人たちが派手に、て言うんだよ!?富美ちゃんも礼子さんたちも、もう終わった、て感じ?」「そうだそうだ!もう四人まとめて終わったよな!キケケケケ!あいつらの泣き顔が目に浮かぶようだぜ!」「イヒ、イヒヒヒヒ!あー、もう早く姦ってくれないかな!富美ちゃんたちが姦られた後、どんな顔して出てくるか、考えただけでも興奮しちゃぅよ!!!」慎治たちは復讐の快感、未だ実際には何も起きていないのに、もう復讐を果たしたかのように束の間、復讐の快感に浸っていた。
検見川は早速、富美代を誘うきっかけを探り始めた。余計な警戒心を持たれずに接触するいい方法を。「よし、慎治、おまえ、富美代たちとよく話すんだろ?そろそろ文化祭シーズンだからよ、連中もどっかの高校の文化祭、行く筈なんだよ。それ聞き出したらよ、俺に報告しな。そこで偶然の再会って奴を演出してやるからよ。」検見川の読み通りだった。人気ブランド校の聖華だ、文化祭シーズンになると各校からの誘いは激しい。そして聖華の中でも有数のハイレベルを誇る礼子たち四人は当然の如く人気抜群だ。慎治が横で聞き耳立てていると、毎週のようにあっちこっちの文化祭に出かけているようだった。慎治たちを毎週末鞭打つ、とは言っても人間の身体だ、土日両日とも鞭打っていたのでは流石に慎治たちの身体が持たない。だから礼子たちの基本的なパターンは土曜に慎治たちを苛め、日曜は自分たちだけでどこかに遊びに行く、というものだった。慎治が礼子たちの予定を逐一、検見川に報告していると、ある一校のところで検見川の目が光った。
「うん?来週、二宮義塾か。いいな、ここ坊野の高校だ。ここにするか。」慎治にとっては意外な一言だった。二宮義塾、相当にハイレベルの高校だ。受験偏差値で言えば聖華より高い位、都内でも上位に属する高校だ。実は坊野に限らず、検見川、奈良村、須崎は皆、比較的レベルの高い高校に通っている。彼らは決して馬鹿ではない。彼らに言わせれば工業高校にでも通って族やギャングをやってる連中はサルなみの低脳、時代遅れのパフォーマンスしか出来ない連中だ。今時、気の利いたワルをやるには、少しは頭が必要だろ、と思っている。実際、彼らはレイプ、恐喝、暴行なんでもありの凶悪チームのくせして未だ警察につかまったことはなかった。勿論、警察に相当マークはされているのだが、周到な準備、口封じを徹底し、捕まるにしても精々下っ端、坊野たち四人は今まで全くの無傷だった。
そして日曜日、二宮義塾の文化祭に礼子と富美代が現れた。ブラブラ催し物を見ている二人に次々と誘いがかかる。遠くからでも強烈に目立つ二人だ、誘いは引っ切り無しにかかる。それを適当にあしらいながら回っている二人が漸く一息ついたタイミングを計り、検見川と坊野は行動に移った。「あれ、もしかして富美ちゃん、神崎、富美ちゃんじゃない?」え、誰かしら?知ってる人かな?ベンチに座ってコーヒーを飲んでいるところに後ろから声をかけられ、振り向いた富美代は思わず声を上げそうになった。「あ、け、検見川先輩じゃないですか!え、先輩、この高校なんですか?」そこに立っていたのは中学のとき憧れていた先輩、検見川だった。相変わらずの端正な顔に爽やかな微笑と驚いたような表情を浮べ、両手を広げていた。「いや、俺はここじゃないんだけどさ、友達がここだから遊びに来てたんだよ。あ、紹介するよ、坊野、て言うんだ。」
「あ、よろしく、ケミの後輩?」内心のどす黒さを隠しながら、坊野も爽やかな微笑を浮べた。フン、今日は二人だけか。依頼のあったもう二人、霧島玲子と萩朝子は一緒じゃないな。まあいい、今日は仕込みだけにしとくか。食うのは後でゆっくりと楽しめばいいからな・・・それにしても、こいつら二人、マジ上玉だな。後で輪姦すのが楽しみだな。余計な警戒心をもたれないように近くのオープンカフェに二人を誘い、検見川は如何にも嬉しそうに切り出した。「いやー、でも驚いたなあ。こんなとこで富美ちゃんに会うなんてさ。でもほんと、可愛くなったね。今、どこに通ってるの?」「え、せ、聖華です。礼子も聖華のクラスメートなんですよ。」「あ、聖華なんだ。いいねえ。あそこ名門じゃん?」中学の時の憧れ、検見川先輩との思わぬ再会に富美代はすっかり舞い上っていた。高いプライドと十分な警戒心を持っている富美代は普段、ナンパなんぞについていくタイプではない。だが今日ばかりは警戒心がすっかり緩んでいた。横にいる礼子も半ば苦笑していた。あらあら顔真っ赤にしちゃって。クールが売りの富美ちゃんがこんなに顔に出るなんて、初めて見たわ。後で精々冷やかしてやろうっと!検見川たちはしたたかだった。今日、無理してどこかに誘えば余計な警戒心を持たせかねない。だから深追いして無理に誘ったりはせず、携帯ナンバーだけ聞き出すとさっさと話題を切り替え、次に繋ぎながら巧みにリリースに取り掛かった。
「ふう、本当はもっとゆっくりしてたいんだけどさ、俺たちも今日は自分のサークルにも顔出さなくちゃいけないんだ。悪いけど、お先に失礼な。また今度、どこかで会えるといいね。」え、折角再会したのにもう行っちゃうの!?富美代は思わず焦ってしまった。憧れの検見川先輩との予期せぬ再会に舞い上がったところにあっさり終わりを告げられ、すっかり動揺した富美代は普段からは考えられない行動に出てしまった。「え!も、もう行っちゃうんですか!もうちょっといいじゃないですか!せ、折角会えたんだし・・・」フン、バカが、引っ掛かりやがったな。耳まで赤くしている富美代を見ながら、冷酷さを内面に隠しながら検見川はあくまで爽やかそうに、かつ、いかにも残念そうに首を振った。「ああ、ほんと、ごめんな。俺もまさか今日、富美ちゃんと会えるとは思ってなかったからさ、この後、予定びっしり入れちゃったんだよ。ほんと、残念だなあ、もっとゆっくりしてたいんだけどね。なあ、坊野?」「ああ、俺も折角だし、もうちょっとお茶してたいんだけどな。でも、もうマジで行かないと、遅れちゃうぞ!?」え、ええ?本当に行っちゃうの?完全に動転した富美代は思わず、常日頃とは正反対の行動に出てしまった。自分から誘う、という行動に。「せ、先輩!じゃ、じゃあ今度、い、一回どこか、ゆっくり遊びに連れてってくださいよ!」ゲット!検見川が内心、ほくそえんでいるだろうと思い、坊野は笑いを押さえるのに必死だった。ったく、ケミは女引っ掛けるの、上手いよな。この手のお高く止まった女はこっちからいくら誘ったってなびかねーからな、こうやって一度リリースしといて、てめえの方から誘わせるのがコツなんだよな。
絶妙の間合いと本日最高の笑顔で検見川は誘い返した。オッケー、一匹ゲット!ったく、この手はよく効くな。「あ、嬉しいな!富美ちゃんもまた、会いたい、て思ってくれたんだ!いや、俺もさ、絶対もう一度会いたいな、て思ったんだけどさ、富美ちゃん、あんまり可愛くなってたんで、ついつい誘いにくくてさ、後でメールでも送ろうか思ってたんだよ。じゃあさ、ほら俺たち、富美ちゃんたちから二個上だろ、丁度四輪の免許取ったとこなんだよ。でさ、坊野と俺、車買ったばかりだからさ、後二人、奈良村と須崎、ていう友達がいるんだけど、そいつらと毎週ドライブ行ってるんだ。どう、富美ちゃんと礼子ちゃんも今度、一緒に行かない?誰か後二人誘ってさ、四対四で行かないかい?」「え、本当ですか!わあ、嬉しい!検見川先輩とドライブできるなんて最高!うん、勿論行きます!ね。礼子、礼子も勿論OKよね?先輩たち四人だから、私たちも後二人、玲子と朝子を誘おうよ!」はいはい、富美ちゃん、もう完全その気ね。玲子と朝子も呼ぶですって?超豪華メンバーじゃない、なんか勝負入ってない?まあ、いいけど。中学の時の憧れの先輩だもんね、いいわよ、ドライブ位、付き合ってあげる。半ば呆れながらも礼子はニッコリと輝くような笑顔でフォローした。「うん、いいわよ。富美ちゃんの先輩とドライブだなんて、私も嬉しいな!私も喜んで行きます!」
礼子の返事を聞いて坊野と検見川は内心、ニヤリとほくそ笑んだ。上手く引っ掛かったな。残りの二人、霧島玲子と萩朝子もこれで誘い出せたぜ。バーカ、俺たちにノコノコついて来るなんてよ、一生忘れられないドライブにしてやるぜ・・・余計な警戒を持たれないように、検見川はこの日はこのまま本当に、あっさりと富美代たちを帰した。その代わり、メールを二日おきに入れてメンテを怠らず、富美代の熱を保ちつづけた。一方、その夜富美代は早速、玲子と朝子に誘いの電話を入れていた。「ねえ玲子、お願い!私、先輩と上手く行きそうなんだからさ、協力してよ!」「朝子、絶対付き合って!今度、なんでも好きなの奢るからさ!」全く、富美ちゃんがちょっと笑ってあげれば、向こうから必死で追っかけてくるに決まってるじゃん。あんたの方から追っかけてどうするのよ。富美ちゃんも意外とお子様なんだから・・・礼子と同じく、半ば呆れながらも玲子と朝子もOKした。ま、富美ちゃんがこんだけ言うんだもん、しゃーないわね、ドライブ位、付き合ってあげるわよ。
だが、四人の中で唯一、玲子だけは何か妙に引っ掛かるものを感じていた。偶然の再会、ドライブ、今度は四人で行こうよ・・・何か変ね。何か出来すぎてるような気がするな。一つ一つは極めて自然よ。でも・・・まあ検見川さんは富美ちゃんにとって、ずっとお熱の先輩なんだからね、余裕かましてられるかも知れないけど、あの日は礼子も一緒にいたのよね・・・あの二人とお茶して、あんなにあっさり帰るなんて、普通ある?そりゃ、確かに人には好み、ていうものがあるからね、いくら礼子といっても、ああいう真面目でお高いタイプが苦手の男にとってはNO INTかも知れないわ。だけど、だったらわざわざ四対四で、人数増やしてドライブ行こうなんて誘うかしら?メアド交換したのよ、富美ちゃんだけどこかに誘えば十分じゃない?礼子に舞い上がってたならともかく、随分あっさり別れたんでしょ?それでドライブ?何か変ね・・・
玲子の直感、礼子たちより少しワルの部分の多い玲子の直感は鋭かった。元々、中学の頃はクラスメートを自殺未遂に追い込むほどの冷酷な苛め常習犯だった玲子だ。今でこそ信次たちという格好のオモチャと、礼子たちといういい友達の両方を得てすっかり更生しているとはいえ、その頃の知り合いで高校ではヤンキー化している連中は何人もいる。早速ツテを辿って調べてみた。結果は・・・ビンゴだった。玲子からその名前を聞いた連中は異口同音にこう答えた。「二宮義塾の坊野、それに検見川だって?そいつら、SNOW CRACKのNO.1とNO.2だぜ?男は殴る、女は輪姦す、最低最悪の連中だよ。で、何?後の二人は奈良村と須崎?そいつらはNO.3とNO.4だぜ。おいおい、SNOW CRACKの幹部揃い踏みじゃん!え、あいつらが中学の時の後輩と健全なお付き合い?するわけないだろ!宅間 守が小学校の先生やります、て言ってるようなもんだぜ!?あいつら、野獣以下の連中だぞ、大方、グチャグチャに輪姦してビデオでも撮って裏に流そう、ていう魂胆だろ?玲子、その子が玲子の友達だったら、絶対にやめさせた方がいいぞ。その子に一生取り返しのつかない傷を負わされること、100%保証付きだぜ。悪い事言わねえ、断れないんだったらマジで速攻、警察行ったほうがいいぜ?あいつらが相手だったら、警察だって絶対、何もないうちにだって手、貸してくれるぞ。」
「ふう、やっぱりね。ありがとう、よく分かった、恩に着るわ。」三人目の電話を切り、玲子は軽く溜息をついた。どう見ても罠だ。今なら簡単、誘いを断り逃げればいい。流石にこの段階なら大丈夫、向こうも勘付かれた、と気づいてもう近づいてこないだろう。確かに警察沙汰にする手もある。普通なら警察が未だ何も起きていない今の段階で動くわけないけど、相手はSNOW CRACK、警察も何とかしてくれるだろう。最悪、自分と礼子の両親の名前を出せば、多分助けてくれるわ。だけど・・・問題は富美ちゃんよね。こう盛り上がってる時に水掛けて、あの子止まるかしら。玲子は富美代に直接電話するのを止め、まずは礼子に相談することにした。「ふーん、確かに。言われてみると、やっぱり妙に不自然よね。文化祭で出くわすのはよくあるパターンだとしても、確かに出来すぎよね。ましてや、相手がそういう・・・SNOW CRACKだっけ?そういう極悪の連中だとしたら、尚更よね。ふう、玲子が調べてくれて助かったわ。ありがとう・・・だけど・・・問題はやっぱり、富美ちゃんよね。」流石に検見川たちに何の思い入れもない礼子は冷静だった。玲子の話を素直に受け止め、もう検見川たちのことは全く信用していない。「でしょ?で、どうなの実際?富美ちゃん今の話聞いて、すぐに目を覚まして引きそう?あの手の手合い、一番いいのは関わりあわない事よ。今の段階なら、適当な理由つけて断って、その後二度と合わなければまあ、向こうも諦めて別の獲物探しに行くと思うのよね。だけど富美ちゃん、すんなり引いてくれそう?」
礼子の脳裏に富美代の端正な顔が浮かんだ。富美ちゃん、顔立ちも態度も普段はクール系なのにな、時々、スイッチが入るとやたら熱くのめりこじゃうのよね。のめりこんじゃった富美ちゃんを止めるのって、結構骨だわ・・・「うーん、正直言って、厳しいわね。玲子もそう思ってるんでしょ?富美ちゃん、ああ見えて妙に一途だからさ、未だ何も起きてない今の段階で止める、て言うのは、結構難しいわね。」「やっぱね・・・私もそうじゃないかと思ったんだ。でね、最悪のパターン、て分かる?最悪のパターンはね、私や礼子たちは引いちゃったけど、富美ちゃんは私の言うこと信じられなくて、ズルズル連中の誘いに乗っちゃって一人でついてっちゃうこと。それは・・・お願い、私をレイプして、て、おねだりしに行くようなものよ。連中、人間じゃないわ。野獣同然だからね。そんな連中相手に一人で行くなんて、文字通り自殺行為よ。」「参ったわね、全く。どうしよう・・・玲子、こういう方面は玲子の方が詳しいわ。何かいい考えない?」「そうね・・・礼子、会ったのは二人、坊野と検見川、て言ってたわね。私が聞いた限りじゃ、あの二人がチームのNO.1とNO.2だそうなのよ。で、見た感じどうだった?連中がどの程度の強さなのか、礼子なら分かるんじゃない?」
礼子は二人の姿を思い浮かべてみた。身長は175センチ前後、礼子たちよりやや上だが、大して大柄なわけではない。決して貧弱な体格ではないが、肩幅、体の厚みもそれほどではない。「・・・そうね。確かに悪くない体格だけど、そう特別いいわけではないわ。少なくとも空手とか柔道とか、本格的に格闘技をやり込んだ、プロの格闘家系の体じゃないわね。あんまりじっくり観察したわけじゃないけど、格闘系に限らなくても、とにかく体を鍛えこんでる、ていう感じはしなかったわね。そんなに絶対的なパワーがあるタイプには見えなかったな。極悪チームなんでしょ?喧嘩はし慣れてるんだろうけど、多分、鍛えたのは路上の実戦で、ていうタイプ、腕力よりむしろナイフとか、すぐ武器に頼るタイプだと思うわ。」「そう。じゃ素直に見て、もしやりあったとしたら、どう、勝てそうな相手?」「うーん、まともに一対一、素手対素手でやり合えば、多分勝てると思うわ。だけど、多分ナイフかなんか持ってると思うわ。ナイフなんか出されたら、たとえ勝ててもこっちも無傷じゃ済まないかも知れないよ?」玲子はクスッと笑った。「そこは大丈夫。確かにナイフ対素手だったら、怪我するかも知れないわ。だけど、予め相手がそういう手合いだと分かっていれば、こっちも準備していけるわ。礼子も私も、武器は得意よね。素手で勝てる相手になら、武器を持ったら更にその差は広がるわ。こっちも準備して行けば大丈夫よ!」
礼子たちの見立ては正確だった。坊野たちは確かに極悪チームで有名だし、喧嘩は日常茶飯事だ。だが、彼等が極悪チームと言われる所以は喧嘩の強さそれ自体ではない。むしろ、そのやり口に負うところが大きい。彼等は一言で言って、汚い喧嘩専門だ。一対多数、素手対武器有、といった汚い手を専門としており、得意技は闇討ち、騙まし討ちである。坊野にしろ検見川にしろ、堂々とタイマン張ったことなど、殆どない。タイマンを申し込まれても受けずに逃げ回り、不意討ち、闇討ちで相手を潰すのが常套手段だった。玲子はそれを逆手に取ろうと考えていた。正面から行けば、今度の誘いに敢えて乗ってやれば、向こうは私たちのこと、女の子、と油断してくるはず。チームの他のメンバーを連れてくることはないんじゃないかしら。そうしたら四対四、実質、一対一の勝負に持ち込める。一対一の勝負であれば、なんとかなるんじゃないかしら。そして向こうが襲ってきたところを返り討ちにすれば、後は警察に引き渡せるわ。レイプ未遂、ということで連中をまとめて少年院送りにできる。たとえ勝っても、リターンマッチ代わりに付け狙われたんじゃ、勝ったことにならないものね。一気にカタをつけるには、どうしても連中を少年院送りにしなくちゃならないけど、向こうの誘いに乗ってやっての返り討ちなら、正当防衛と警察に引き渡す理由と、両方一気に条件クリアよ!
いくら礼子たちが強い、と言っても流石に女の子の限界はある。肉体、パワーの壁は如何ともし難いものがある。礼子たちをもってしても本格的に鍛えこんだ、たとえば極真の有段者クラスと正面からぶつかっては勝ち目は薄い。そして礼子たちにとって、最もやりにくい相手は鍛え上げ、パワーに溢れたゴリラタイプだ。そういったパワーファイターであれば、極端な話、全く格闘技経験がなくても十二分に脅威だ。例えばラグビーのフォワードやアメラグのラインをやっている連中にフルパワーのタックルだけ、電車道のように往復されれば本当に対処に困ってしまう。だが、幸い坊野たちはそうではない。汚い手が得意、という相手には、こっちも準備さえしっかりしていけば、対応法はいくらでもあるわ。玲子の決断は明快だった。
「礼子、危険はあるけど仕方ないわ。忠告だけして、後は自己責任よ、て言って放っとく考えもあるけど、みすみす富美ちゃんをレイプさせるわけにはいかないわ。そうでしょ?だったら手は一つ、逃げられないなら前に出て、あいつらを叩き潰すしかないわ。向こうは油断してる。一気に向こうのトップ四人を潰して、少年院送りにしちゃえば私たちの勝ちよ。どう、やる?」「そうね。・・・富美ちゃんを見捨てるわけにはいかないわ。玲子、やろう!」礼子の美しい瞳の奥に、青白い炎が燃え上がった。そして礼子たちは朝子にも十分な説明をし、手を貸してくれるよう頼んだ。「うん、分かった。いいよ、富美ちゃんが危ないんじゃ仕方ないよね。私もやるよ!」朝子も腹をくくった。
慎治に待ちに待った連絡が来たのは金曜だった。「オウ、慎治か!?俺だ、検見川だ。例の件な、あさっての日曜にやるぜ!でな、俺たちは寛大だから、特別サービスをつけてやるよ。」「え、さ、サービスって、な、何ですか?」電話の向こうで検見川の笑い声が聞こえる。「オウ、おまえら、富美代たちに恨みがあるんだろ?だったらよ、やつらが輪姦されるとこ、ライブで見たくねーか?」「え、み、見せて貰えるんですか!?」「オウ、俺たちがいつも使ってるアジトに夕方連れ込むからよ、そこの二階からなら、たっぷりと特等席でショーを拝めるぜ。なんなら、俺たちの後でおまえらも姦らせてやろうか?」ひ、そ、そんな!僕たちが関わってるなんてバレタら、間違いなく礼子さんに殺される!「い、いえ、そ、それだけは・・・」「・・・あんだ?度胸のねー奴だな、ったく。ま、いいや、姦りたくねーんなら、好きにしな。で、どうするよ、ショーは見るか?」これには一も二もない。「お、お願いします!ぜ、ぜひ、ぜひお願いします!」慎治たちにとっても、眠れぬ夜のカウントダウンが開始された。
そしてドライブの日がきた。集合場所に集まった四人、坊野、検見川、奈良村、須崎の四人は一見、別に普通の高校生と区別はつかない。茶髪でストリート系のファッションだが、実態の凶悪さを感じさせる出で立ちではない。そして三々五々礼子たちが現れた。礼子たちは警戒心を持たせぬよう、一見、普通に振舞っていたがどこか、緊張感を漂わせている。礼子はベージュのレザージャケットに焦茶色のスエードっぽいフェイクレザーパンツ、それに同じく茶色のショートブーツを合わせていた。玲子は黒いレザージャケットに細身のデザイナージーンズ、そして脚の細さを強調するかのように、ジーンズの上に黒いロングブーツを履いている。そして朝子は白いブラウスの上に明るい茶色のレザーベストと同系色のレザースカート、そして白いウエスタンブーツを履いてきた。三人三様、だが奇妙な共通点があった。三人ともブーツを履いているが、ハイヒールではなく、極めて動きやすそうなタイプであること、そしてベルト、がっちりした、如何にも硬そうなバックルのついた革ベルトを締めていることだった。
そして最後に今日の主役、富美代が現れた。「あーっ何、富美ちゃん、随分可愛く極めてきたわね!」礼子が呆れたような声をあげた。富美代は白いブラウスの上に赤いベスト、そして赤をベースにしたタータンチェックのスカート、そして一体どこで探したのか、真っ赤な膝下まであるロングブーツを履いていた。ワインカラーのような落ち着いた色ではない、トマト色、とでも言ったらいいだろうか、極めて明るいイタリアンレッドのブーツ、そしてそのヒールは7センチの高さは良いとして、極めて細いメタルピンヒールだった。鮮烈な赤にメタルの銀色が絶妙のアクセントになっている。「全く、一体どこで買ったの、そんなブーツ、初めて見たわ!」「えへへ、検見川先輩、赤が大好きだ、て言ってたからさ、思わず買っちゃったの!どう、似合う?」「・・・うん、確かに似合うけど・・・」確かにそのブーツは富美代にとてもよく似合っている、だが礼子の心配は別のところにあった。「でも凄いピンヒールね。それ、歩きにくくない?」大丈夫?今日は多分、大立ち回りが控えているのよ?「うん、それがね、このブーツ、意外と歩きやすいんだ。ヒールが上手く重心の位置にあるせいかしらね、ちょっと位なら走っても大丈夫なほどよ!」ふーん・・・まあ、それならいいんだけどね・・・礼子たちは些か不安げに視線を交わした。
ドライブは比較的穏やかに進んだ。四人を乗せた二台のチェロキーはアクアラインを通って木更津に渡り、そこから湾岸を一周するようにしてお台場に向かって快適なドライブを続けた。そして日が傾きだしたころ、お約束のレインボーブリッジを渡っていた。ここまでならどうということはない普通のドライブ、礼子たちも些か拍子抜けするほどだった。だがブリッジを渡りながら、検見川が口を開いた。「今日は楽しかったね。富美ちゃんたちとこんなドライブできて、最高だったよ、また誘わせてよ?」富美代は白い頬を赤く上気させながら答えた。「もちろん!私も先輩とドライブできで最高です!ほんと、絶対、絶対また誘って下さいね!」OKOK,誘ってやるともさ、言われなくてもな。嫌だと言っても誘ってやるよ・・「じゃあさ、最後に俺たちのガレージ覗かせてあげるよ!この車、結構いじってあるだろ?これ全部、自分たちでやったんだぜ。でさ、マンションの駐車場は狭いんでガレージ借りたんだ。そこ、見せてあげるよ。俺たちの城だからさ、滅多に人、連れてかないんだぜ?富美ちゃんたちだけ、特別に招待するよ!」
憧れていた検見川先輩が、私を特別に招待してくれる!富美代は天にも昇る気持ちだった。「わー、嬉しい!見せて見せて、先輩のガレージ、連れてって下さい!ね、礼子、もち行くよね!」「・・・うん、喜んで!」はしゃぐ富美代と対照的に礼子はどこかヒリヒリと引き締まった表情になってきた。・・・ガレージね・・・無意識の内に、礼子は両手首をほぐし始めていた。精神の戦闘準備スイッチが入る。いよいよね。背筋を何匹もの虫が這いまわる。自分の目が吊り上っていくのを感じる。礼子にしては珍しく緊張したせいか、ブーツの中で足がじっとりと汗ばむのを感じる。怖い?不快?いや、むしろ心地良い緊張だった。いつ来るかいつ来るか、今日一日、来い、来るなとアンビバレンツな感情に引き裂かれて来た自分が一点に集束していく快感だった。ジリッ・・・ジリッ・・・礼子の脳裏にふとゴングのイメージが走る。もうすぐ鳴るのね、ゴングが。大丈夫、もう十分に心の準備はできてる。いいわよ、いつでも準備OKよ!
レインボーブリッジを渡ったチェロキーは直ぐに首都高を降り、芝浦の工場街に向かって行く。そしてある工場の前に止まるとシャッターを開け、中に入っていった。中はガランと広い。既にオーナーは倒産した廃工場だった。二台のチェロキーを中に止め、坊野、検見川、須崎、奈良村の四人は先に車から下りた。そして出口に一番近かった須崎が素早く、厳重に入口をロックした。四人は無言のまま、二台のチェロキーを取り囲むように立っている。暫く、沈黙の時間が流れた。
中にいるのは却って不利ね。このままじゃ思うように戦えないわ。「富美ちゃん、下りるわよ。」礼子に促され富美代も車から下りた。見ると玲子も朝子も既に下りている。冷たい空気が流れる。ついさっきまでの和やかムードはもうどこにもない。礼子たちの表情がどんどん険しくなっていく。「な、なに、みんな、どうしたの、怖い表情して・・・せ、先輩、ここ、なんなんですか?ガレージ?でも、ここ、違いますよね?何かの冗談、そう、冗談なんでしょ?私たちを脅かそうとして、冗談なんでしょ!?」検見川は黙ってラークを取り出すと、火
をつけた。「・・・ねえ、先輩!お願い、何とか言ってくださいよ!」検見川はゆっくり富美代の方を振り向き、ゆっくりと近づいてきた。二メートルくらいの距離まで検見川が近づいてきた。「先輩!」富美代の声が祈りにも似た悲鳴に変わって工場に響いた。「アツッ!」
検見川は持っていたタバコを指で弾くかのようにして富美代に投げつけた。思わず振り払ったタバコから飛んだ火の粉が富美代の顔をかすめる。「な、なにするんですか!せ、先輩、ま、まさか!?」「うぜーんだよ、いいかげん黙れ、このクソガキ!」さっきまでとはうって変わった検見川の怒声が響いた。その顔にはもう微笑はなく、凶悪な冷笑が浮かんでいた。「バカかおまえ?この俺が本気でお前のこと、気に入ったとでも思ってんのか?タコ!誰がおめーみてーなションベンくせーガキなんか、相手にするかよ!」「そ、そんな・・・せ、先輩、だ、騙したのね!!!」「騙した?人聞きの悪いこと言うんじゃねーよ。お前が勝手にのぼせ上がっただけだろうが、バーカ。今日一日遊んでやっただけでもよ、一生感謝してもらわなくちゃあわねーぜ?なあおい?」ゲヘヘ・・・クックックッ・・・ギャハハハハ・・・下品な声で笑っていた坊野たちが大きく頷きながら近づいてくる。「・・・たくだぜ、俺たちSNOW CRACKを一日中引きずりまわしやがってよ、俺たちゃおめーらのパシリじゃねーっつーの!」「たけ―ぜ?俺たちの日当はよ?」「先輩だってよ、いいぜいいぜ、俺たち先輩がたっぷりと人生って奴を指導してやりましょ、体でよ!」下卑た言葉を吐き続ける坊野たちに対し、玲子が妙に冷静に尋ねた。「指導ね。で、こんなところに連れ込んで、私たちをどうするつもりなの?」「決まってるじゃね-か!」坊野が中指を突き立て、お決まりのファックポーズを取った。「てめーら全員、たっぷりと輪姦してやるぜ!?グフフフフ、ここにはビデオも用意してあるからよ、てめーらがよがり狂うとこをたっぷりと撮ってよ、裏ビデオに流してやるぜ!四人分まとめて売りゃ、結構いい値になるだろうぜ?」「オウヨ!でよ、俺たちが十分楽しんだらチームの下の連中にくれてやるぜ。良かったな、てめーら今日から一生、男には不自由しねーぜ!!!」
「イヒッ、イヒッ、イヒヒヒヒッッッ!!!」「ヒャハッ、ヒャハハッヒャハハハハハッッッ!!!」二階の小部屋の窓から作業場を見下ろしながら、慎治たちは必死に笑いを噛み殺していた。声を出しちゃいけない、大声出しちゃ、礼子さんたちに気付かれる。だから大声あげて笑い、踊り回って喜びに浸りたいのを必死で抑えていた。「・・・ヒ、ヒヒッ、やった、やった!富美ちゃん、泣いてるよ!ぼ、僕を、僕を苛めたバチが当たったんだ!」「ブヒャヒャヒャヒャーッ!玲子さんも朝子も、もうすぐレイプされちゃうんだ!ざまーみろ!散々人のこと、苛めやがって!他人のことを鞭で叩いたりおしっこ飲ませたりできる女なんて、いつかはこういう目に会うんだーっ!」「ざまー見ろ!礼子さん、いつまで取り澄ましていられるかなー?もうすぐ、礼子さんも、礼子さんもグッチャングッチャンに姦られるんだよーん!!!」顔中に下卑た笑いを浮かべつつ、慎治たちは復讐の喜びに打ち震えていた。
いつ以来だろう、こんなに心の底から笑っているのは。慎治たちは入学後、間もなく礼子たちに苛められ始めていた。毎日毎日、女の子に苛められ、辱められる。いつしか笑顔などというものは忘れてしまっていた。ああ、笑う、ていうのはこういう感覚だったんだ。俺たち、笑うのは鞭を許して、もう苛めないで、て卑屈にお追従笑いを浮かべる時だけだったもんな。笑うって、こんなに楽しいことだったんだ。信次の脳裏を玲子たちに苛められた辛い記憶が走馬灯の様に横切る。引っ叩かれ、蹴られ、唾を吐き掛けられ、靴を舐めさせられ、オカマを掘られ・・・鞭で打たれ、おしっこを飲まされ・・・辛い記憶が次々と甦る。だが不思議といい気分だった。そりゃ当然だよな、だって、俺たちをこんな目に合わせた玲子たちが、これからその報いを受けるんだもんな。ヒッヒッヒ!泣け!喚け!もがき苦しめ!俺たちが味わった苦痛の万分の一でも味わえ!俺たちのこの世界に決定的に足りなかったものは・・・俺たちが心底求めていたものは・・・只一つ、玲子たちの泣き顔だけ・・・ああ、癒される。心の傷が癒えていく・・・お前たちも一緒に地獄に堕ちろーっ!復讐の快感は信次に何とも言えない無上の解放感を与えていた。ああ、最高だ・・・万歳、万歳、復讐万歳!
余りのことに富美代は呆然としていた。富美代の頭の中を検見川たちの声が飛び廻る。中学生の頃の検見川の思い出が飛び廻る。今日の楽しい一日が飛び廻る。現実認識を失った富美代の両目から涙がツッと溢れた。「キャハハハハッ!泣いてやんの、このガキ、駄目だぜ、泣いたって許してなんかやらないよーん!」検見川の下卑た声と殆ど同時に、パーンと乾いた音が響いた。礼子が富美代の頬を思い切り平手打ちした音だった。「分かった?富美ちゃん、目、覚めた?」頬を走る痛みにより現実に引き戻された富美代の肩を礼子が激しく揺さぶる。「これが富美ちゃんの憧れていた先輩の正体よ。SNOW CRACK,最悪チームのサブ、女の子を騙して輪姦すのが専門、ていう最低男、それが検見川の正体なのよ!」頬の痛みと礼子の凛とした声が、富美代の意識を現実に引き戻していく。そうよ富美ちゃん、私たちの方に帰って来て!富美代の瞳に意識が戻ってきたのを見て、玲子も続けた。「分かる、富美ちゃん?あいつらはね、富美ちゃんをダシにして、私たちをレイプするために汚い罠を仕掛けたのよ。それでもいいの、富美ちゃん?こんな目にあわされて、黙って泣いている富美ちゃんなの!?まさか、このまま大人しく輪姦されるなんて気、あるわけないよね!?そんな富美ちゃんじゃないよね!?!?!?」
無理矢理現実に引き戻された富美代の意識は乾いていた。悲しみ、後悔にすすり泣いて自我を虚空の彼方に失った富美代はもうどこにもいない。乾ききり、ぽっかりと空虚になった富美代の精神を、虚無の暗黒の空間を、唯一つの感情、怒りが満たしていく。玲子の言葉は富美代の精神に満ち満ちたどす黒い感情に、富美代自身形容し難い、強いて言えば只一つの言葉に集約される感情、そう、怒りに炎を灯した。炎は見る見る内に大きく、激しく燃え上がった。ワナワナ・・・下を向いた富美代の肩が小刻みに震え始めた。「・・・先輩・・・ゆる・・・さない・・・」富美代の悲しみは怒りとなり、怒気は闘気となって急速に膨れ上がっていく。日頃クールな、冷たいとも評される富美代の怒り、それは真っ赤を通り越して更に熱気を増し青白い炎となって燃えさかっていく。何、この闘気、殆どオーラじゃない!?こんな闘気、見たことないわ!礼子たちでさえたじろぐほどの勢いで、富美代は闘気を全身から発散させている。俯いていた富美代がゆっくりと顔をあげた。ゾクッ・・・思わず礼子の背筋に寒気が走った。涙を流しながら、美しい顔全てに怒りと憎悪と闘気を満ち溢れさせた富美代の美貌、それは人間の表情ではなかった。それは、そう、夜叉、と呼ぶしかないものだった。
それが検見川には気に入らなかった。なんだ、このガキ、もっと泣き喚きやがれよ、でないと犯りがいがねーだろーがよ?検見川は内心、富美代の余りに凄まじい怒りの表情に半ば気圧されていた。今まで連れ込んだ女たちはみんな、ただ泣いて許しを乞うだけだった。怒りの富美代とクールな礼子たち、予想外の反応に戸惑いながらも、まだ検見川は何も分かっていなかった。あんだ、盛りあがんねーな、ったくよ。まあいいか、どうせ輪姦してやりゃ、嫌でも泣き喚くんだからよ。だからガキは困るんだよ。「何怒ってんだ、コラ?ゆるさねーだと?あ?そりゃこっちのセリフだっつーの、たく、ガキの分際で手焼かすんじゃねーよ。オラ、大人しく服脱げっつんだよ?!それとも、引っぺがしたろーか?」無造作に検見川は手を伸ばしてきた。パシーン!「ハッ!」「グアッ!」富美代は下から検見川の手を跳ね上げると、返す刀で鳩尾に思いっきり当身を叩き込んだ。不意をつかれた検見川は息が詰まり、思わずうずくまるようにして後ずさった。
「ヒャハハッ!おいケミ、ダッセーッ!んなチビにやられるなんてよ、焼きがまわったかー?手、貸したろか?」検見川の失態を坊野が指差して大笑いした。検見川の頭に血がのぼる。「るせーよ!?ちと遊んだだけだろーが!おい、富美代、てめー、んなことしてどうなるか、分かってんだろーな、コラ!後悔すんじゃねーぞ?」呼吸を整えると検見川は両腕を広げ、飛び掛るように富美代に掴み掛かっていった。検見川はまさか、富美代が合気道を中心に護身術を本格的に学び、十分な戦闘能力を備えているとは想像もつかなかった。単に不用意に出した手を撥ね退けられ、たまさか何かの弾みでボディーに一発食らった、程度にしか考えていなかった。だから再び富美代に掴み掛かろうとしながらも、未だ十分な気構えは出来ていなかった。検見川は愚かにも、未だ本気の喧嘩ではなく、単なるレイプのオードブルとしか考えていなかった。その油断は全身あちこちに巨大な隙を作っていた。
一方、富美代は不思議な気分だった。怒っている。今までの人生で最高に怒っている。怒りで気も狂いそうなほどだ。だが同時に不思議な位冷静な自分を感じていた。首から下は身の置き場もないほど熱く燃え上がっているのに、頭だけは妙に冷静だった。富美代は検見川が迫るのを見ても、怖くもなんともなかった。許せない・・・私を騙した・・・先輩、私だけじゃない、何人も何人もこうやって騙してレイプしてきたのね・・・最低・・・激しい憎悪と強烈な嫌悪感、軽蔑が富美代の全身を貫く。余りの嫌悪に口の中に自然と唾が涌き出るのを感じた。迫る検見川にどう対応する?ファーストアタックの後の攻撃を有利に進めるために、一番有利な手段は何?コンマ何秒もない、この一瞬の間に富美代の頭はコンピューターのように素早く働いた。うん、これがいい。この攻撃、先輩には予想もつかないはずよ。検見川の手は富美代の間近に迫っていた。「オラッ!」検見川は左手で富美代の髪の毛を掴み、引き摺り回しながら右手で富美代の顔面を殴るつもりだった。女の子の顔面を殴ることに躊躇を覚えるような検見川ではない。だが無造作に伸ばした左手を富美代に下から掴まれ、富美代を引き摺り回すどころか逆に腕を伸ばした自らの勢いそのままに前方に姿勢を崩され、引き摺られていく。「アオッ!」態勢を立て直す余裕もなく、蛇のように絡みついた富美代の手に手首の関節を極められ、更に外側に捻り上げられた。検見川の手首、肘、肩の関節に電流が走る。靭帯が悲鳴を上げる。「アウチッ!」検見川は余りの痛さに思わず悲鳴を上げてしまった。検見川の意識の全てが左手に行き、自由な右手も無意味に宙をさまようだけ、全身無防備状態だ。腕を引き摺られて反射的に腰を屈めた検見川の、戸惑ったような顔が富美代の方を見上げる。富美代はそのタイミングを逃がさなかった。
「ペッ!ペッ!」桜色をした富美代の美しい唇が急速に盛り上がり、白い矢のように大きな唾の塊を二発吐き出した。ビチャッペチッ!「アウワッ!」宙を切り裂いた唾は狙い過たず、検見川の両目に見事に命中する。礼子たち四人の中でも富美代はこと、唾に関しては間違いなくNO.1のテクニックを誇っている。射程距離は優に2メートルを超え、更に狙った的にピンポイントで命中させる見事なコントロールと、唾を細かい水滴に分散させず、大きな塊のまま飛ばせる巧みなテクニックを併せ持っている。実戦の最中とは言え検見川との距離は今、1メートル程度に過ぎない。富美代にとっては唾を完璧にコントロールして吐き掛けるのに、何の造作もない間合いだ。左手の痛みに目を大きく見開いていた検見川は視界を完全に富美代の唾に塞がれてしまう。唾の大部分はゆっくりと両目から溢れ出し、頬を伝って流れていくが検見川の視界は泡の多い富美代の唾に白く曇り、霞のかかったような状態になる。屈辱を与え、挑発して頭に血を上らせると同時に視界を奪い、戦闘能力を半減させる。嫌らしい位に合理的な富美代の攻撃だった。唾をも武器として使う、流石に唾吐き名人の富美代らしい創造力に溢れた攻撃だった。精神と肉体と、富美代の唾攻撃は予想以上の、見事な効果を発揮した。
思わぬ、想像もしなかった方法での反撃に検見川は思いっきりたじろいでしまったが次の瞬間、激しい怒りに完全に飲み込まれてしまった。「て、てめえ・・・よ、よくもやりやがったなーっっっ!!!」唾を、女の子に唾を吐き掛けられた、ということに漸く気づいた検見川は凄まじい声で絶叫すると同時に手を捻られた痛みをも忘れ、動きを封じる富美代の腕を力任せに振り払おうとした。愚かな選択だ、唾を吐き掛ける、という富美代の挑発にまんまと乗り、検見川は完全に自分を見失っていた。ビチッ、という破滅的な音を肘が発したのにも気づかない。完全に極められた腕を力任せに振り払ったおかげで検見川の左肘の靭帯は完全に伸び、使い物にならなくなってしまった。ふん、馬鹿な先輩、自分で肘壊しちゃって。ま、いいわ。いずれにせよこの左腕、もう用済みね。富美代は冷静に判断して不要になった検見川の左手を解放し、一旦間合いを取る。左腕を代償としながらも、漸く自由を取り戻した検見川は思いっきり体を後ろに捻り、力任せに右ストレートを繰り出した。視界を塞ぐ唾を拭うのも忘れて大振りな、雑なこと極まりないパンチを。全力でのパンチだ、確かに威力はあるだろう。だがそれは当たれば、の話だ。大振りで簡単に起動が読める上に、唾が目に入り、視界が霞んでターゲットの富美代の姿がぼんやりとしか見えない状態では狙いもいい加減極まりない。富美代は余裕でそのパンチを見切っていた。相手に余裕を持たれる。実戦での必敗パターンだ。
富美代は殴りかかる検見川の右手を左手で払いながら右手で肘を掴み、体を捻って勢いを受け流す。「アオッ・・・」唾越しにぼんやり見える富美代の姿が回転すると同時に、ターゲットを失った自らの必殺パンチに引きずられ、検見川はたたらを踏む。そして富美代は検見川を引き摺り回しながら完全に腕を極め、更にその腕を引き込み、自分の背中越しに物の見事に検見川の体を宙に舞わせた。検見川の、ぼんやりと唾に霞んだ視界が急速に回転し、天地が逆転する。教科書のような見事な投げが決まる。だが、そこからが教科書とは違った。道場では相手が怪我しないように、更に相手を回転させて背中から落とす。だが富美代は検見川の体が宙を舞っている、まさにその時に膝を折り、両手の動きを連動させて真下に引きずり落とした。「ガアッ!!」受身の取りようがない。検見川はまともに脳天から、まっさかさまにコンクリートの床に叩きつけられた。頭蓋骨や首はかろうじて折れなかった。だがまともに頭を強打し、意識が掠れる。完全に無防備状態となった検見川に富美代は冷静にとどめを刺した。腕を極めたまま、大の字になってピクピク痙攣している検見川の首、耳の下辺りに再び強烈な当身をめり込ませ、完全に失神させた。
富美代が検見川を打ちのめしているのとほぼタイミングを同じくして、朝子は須崎と対峙していた。須崎はSNOW CRACKではNO.4だが、身長は180センチを超え、四人の中では最も長身だった。一方、朝子は156センチしかない。身長差は30センチ近い。向き合いながら須崎は余裕綽綽だった。喧嘩の際、長身の須崎は基本的に相手を見下ろして戦うことが多い。朝子は自分より遥かに小さい上に、なんと言っても女だ。喧嘩にもなりはしない。ま、多少は抵抗するかもしれないけど、二、三発引っ叩けば大人しくなるわな。どうやって朝子を倒すか、なんて全く考えてすらいない。後のレイプのことだけを考えていた。今日は獲物が四人もいるんだからな。たっぷり楽しめるぜ・・・
須崎は朝子が抵抗するとは、想像すらしていなかった。ましてや、自分が身長の低い相手を得意とするのと同様、朝子にとってはむしろ自分より長身の相手とのファイトの方が慣れていて手が合う、等とは想像もつかなかった。油断しきっていた須崎は、小首を傾げ、キョトンと大きな瞳で無表情に自分を見つめる朝子を、いつも自分がレイプしてきた女の子と同じくショックに動転して半失神状態なんだろう、と気軽に考えていた。玲子はチラリと自分の横にいる朝子の、この無表情を見てフッと安心したような微笑を一瞬浮かべた。いいわ、朝子、落ち着いてるみたいじゃない。あの無表情が朝子の上手いところなのよね、何考えてるのかこっちは読めなくて、実はこの子、何にも考えてない、思考停止状態じゃないの、なんてつい油断しちゃうのよね。実際にはあの子、冷静にこっちをじっくり観察してカウンターを狙ってるんだけどね。フフ、須崎さん分かるかしら?油断して迂闊に近づくと、朝子の思う壷よ、朝子、後の先の名人なんだからね。まさに玲子の読み通り、須崎は既に朝子の術中に嵌っていた。朝子が無表情の裏側で虎視眈々と須崎の隙を、懐に飛び込むタイミングを図っているなど、全く気づかなかった。「おらチビ、ぼけっとしてねーでさっさと脱ぎな!後がつかえてるんだからよ!」無造作に須崎が両腕を伸ばし、朝子の肩を掴もうとした瞬間、朝子の瞳にキラッと電光が走った。
「ハッ!」裂帛の気合と共に朝子がダンッと鋭く踏み込む。須崎があっと思う間もなく一瞬で間合いを詰めた朝子は左足をグッと踏み込みながら右足で思いっきり地面を蹴る。蹴り足の勢いに腰の回転そして肩の回転を加え、猛スピードに加速された右肘をがら空きの須崎の鳩尾に、アッパーカット気味に突き上げながら思いっきり叩き込んだ。鋭い踏み込みに一瞬、40キロ前半の朝子の体重が大幅に加算されて80キロ台に増幅される。グシャッ・・・うん!手応えバッチリ!内臓に肘がめり込む感触が朝子を興奮させる。猿臂でのフルコンタクトなんて、危険すぎて普段は使えないもんね、一回思いっきりやってみたかったんだ!「カッ・・・ガファッッッッ!!!」内臓が破裂したかのような激痛に須崎は呼吸を失い、口をパクパクさせながら体をくの字に折り、腹を押さえながら真後ろによろけて行く。
チャンス!逃がさないわよ!朝子は両腕を上げ、油断なくガードを固めながら追撃する。須崎の顔面はがら空きだ。今打てば入りそうね。だが朝子は慎重だった。直線的に追わず、左右に小刻みに体を揺らしながら軽やかなステップで追い詰める。そして、まだ後退を止められない須崎の右足が上がり、全体重が左足にかかった瞬間を狙って、朝子は得意のローキックを放った。「ハッ!ハイッ!」須崎の腿、膝の外側に朝子の純白のウエスタンブーツが襲い掛かる。「グアダッ!」新たな痛みに須崎は思わずその場に立ち止まり、左足を両手で押さえる。そんな隙を見逃す朝子ではない。隙あり!「エイッ!」須崎を蹴り付けた右脚を繰り戻すと同時に更に追い詰め、動きの止まった須崎の眼前で今度は朝子の左脚が上がる。ぐっ、顔を蹴られるか・・・本能的に須崎は両手を上げ、必死で顔面をガードする。だが朝子がそんな単純な攻めをする訳がない。猫が鼠を弄ぶように、朝子は焦らず、じっくりと須崎にダメージを与え、戦闘能力を奪うつもりだった。焦って止めを刺しに行く、などという不用意をする訳がない。馬鹿ね、須崎さん、あなたたち大柄な人の弱点は足とボディ、身体の下側にあるのよ、知らなかった?
須崎のガードが上がりかけるのを嘲笑うように、朝子の左回し蹴りは須崎の左膝を、今度は内側から襲った。「アダッ!」外側に続き、内側からも痛めつけられて須崎の左足全体に耐え難い痛みが走る。こうなるとなまじ大柄でウエイトがある分、却って足にかかる負担は大きい。ヨタヨタとバランスを崩しながら後退した須崎は左足の痛みに耐えかね、思わず全体重を右足にかけ、殆ど片足立ちになりながら左足の腿、膝を押えてしまった。致命的なミスだった。須崎とて十二分に喧嘩慣れしている身、普段だったらこの程度のダメージでひるみはしない。だが相手は女の子、しかもチビのやせっぽち、と完全に油断していた分、心の準備が出来ていなかった。その油断の分、肉体的以上に精神的な動揺が大きく、朝子の、今自分が喧嘩している相手の目の前で片足立ちになり、動けない状態になってその上に両手で足を押えてしまう等という、絶対にやってはいけないミスを犯してしまった。
その隙を冷静な朝子が見逃すわけがない。朝子の右脚が上がる。狙いは・・・須崎の右足だ。今、痛めつけた左足を更に狙うのは素人、全体重が掛かり、動かせない右足を狙うのがプロの選択だ。朝子は一瞬の躊躇もなく、全力で右の前蹴りを放つ。ガッ・・・純白のウエスタンブーツの硬いヒールが自らの体重に固定され、逃げ場のない須崎の右膝に食い込む。やった!手応え十分!私、ローキックは自信あるのよね。それに今日は硬いブーツを履いてるんだし、ヒールで直撃すればローでも十分に一撃必殺になる、と思ったけど、ビンゴね!流石は玲子ね、今日はヒールの硬い、このウエスタンブーツ履いてくるのよ、このブーツが朝子の武器になるんだからね、て言われてたけど、ほんと、玲子の読み通りね。須崎さん、このブーツが凶器だなんて、考え付きもしなかったでしょ?狙い通りだった、只でさえ威力十分な朝子のローキックだ。それに硬いウエスタンブーツのヒールがプラスされれば、これは最早凶器に匹敵する。「ギアアアアッ!!!」膝の皿にヒビでも入ったのか、余りの激痛に須崎は悲鳴を上げながらその場にうずくまってしまった。「あ、あああ・・・!」声にならない悲鳴をあげながら、須崎は片膝をつき、砕かれた右膝を両手で抱え込んだ。だが朝子の時間はここからだ。
「OK,行くよ!」朝子は初めて、動きを止めて須崎の正面に立つ。痛みに喘ぎながら須崎は必死で顔を上げる。ついさっきまでは見下ろしていた朝子の顔が、今は自分より遥か上にある。そして無表情だった顔には今や余裕と優越感が満ち溢れ、勝利を確信した残酷な微笑が浮かんでいた。「や、やめ・・グハアッ!!!」須崎が哀願すらできない内に、朝子の鋭い蹴りが襲い掛かる。右の回し蹴り、必死で手を上げガードするが、空中で一旦停止した朝子の右脚はそのまま宙で回転し、下から爪先で須崎の左肘を蹴り上げる。「イダッ!」肘から電流を流されたような、痺れと熱感を伴った痛みが須崎の全身を走る。ブーツの硬い爪先でのトーキックは須崎の腕に激痛を刻み込み、無慈悲にガードを吹き飛ばしてしまった。やった!やっぱブーツ履いてるから、トーキックもOKね!トーキック、これも普段は絶対に使わない技だ。危険、というだけではない。貫手やトーキックのような禁じ手は、いくら威力抜群の危険な技とは言え自らの拳や足を鍛えるのに相当な苦痛と時間がかかる。美貌を誇る朝子にとって、そんな血の出るような努力をしてマニキュアやペディキュアさえできない拳や足を作る気は毛頭なかった。だが今はブーツを履き、硬いトーに自らの柔らかい爪先が守られている。遠慮なく、自らの足を痛める心配なく、心置きなく思いっきり、トーキックを放てた。朝子はブーツを履いているメリットを嫌らしい位、最大限に活用していた。そして一方の須崎の肘は薄いジャケットを着ただけだ。猛スピードで蹴り上げられるウエスタンブーツの爪先に対抗できる訳がない。須崎の左腕は上空に蹴り上げられ、同時にバランスを崩して右のガードも下がってしまう。
そして無防備になった顔面に、遂に朝子の蹴りが襲い掛かった。左の回し蹴りが須崎の右頬を捉える。「ゲハッ、ゲフアッッ!」朝子の左脚は八の字を描き、返す刀で須崎の左頬を踵で蹴りつける。ブーツでの往復ビンタに須崎は口からだらしなく涎をたなびかせながら顔を左右に弄ばれる。「いい顔ジャン!ほら行くよ!」そして左脚を引き寄せた朝子は須崎の鼻めがけ、ストレートに前蹴りを繰り出す。朝子の美しい脚線がスッと延びきった瞬間、ヒールにグシャッと気持ちいい感触が走った。「ブギューャァッッッ!!!」鼻を砕かれ、須崎は床をのた打ち回った。うん、やった!最高の感触に朝子は勝利を確信した。だが流石、と言うべきだろうか。暫くのた打ち回っていた須崎がよろよろと立ち上がってきたのだ。
「こ、このグァクィャア゛―――・・・ぶ、ぶっくぉるぉじでやる・・・」須崎は猛烈に怒っていた。自分にほんの一瞬でこれだけの大ダメージを与えた朝子に。そして油断しきって見事にしてやられた自分自身に。こ、こんなガキに、年下の、しかもチビの女に、やられてたまるか・・・その怒りが須崎の全身に大量のアドレナリンを駆け巡らせていた。右膝、左肘にはヒビが入り、鼻は見事に潰れていた。普通だったら動ける状態ではない。だが極度の興奮が須崎の全身を突き動かしていた。「こ、殺す・・・ぶっ殺してやる・・・」須崎はよろよろと朝子に近づいてくる。いくら興奮により動いている、とはいっても膝にヒビが入っているのだ。そう素早くは動けないし、左手も使えないようだ。完全にKOした、と思った須崎が立ち上がったのを見て一瞬驚いた朝子だったが、須崎がふらついているのを見て直ぐに余裕を取り戻した。なーんだ、やっぱり効いてるじゃん。まあ、しゃーないわね。止めを刺してあげる。
「あーあ、立っちゃって、あんまり無理しない方がいいんじゃない?鼻、きっと折れてるよ?」小首を傾げながらにっこり微笑む朝子の笑顔が、須崎の怒りに更に火を注ぐ。こ、こん畜生!余裕こいてんじゃねえ!!!「ぶ、ブッグォルォズ!!!」全力で須崎は殴りかかった。渾身の右ストレート、女の子の顔面めがけて殴りかかることに何の躊躇もない。だが右足に大ダメージを与えたから蹴りは使えない、更に左手も砕いてある、となればあるのは右のパンチだけ、と朝子は自信を持って読みきっていた。そして須崎のパンチは正に、読みどおりだった。ブーン、それなりのスピードを持ったパンチが迫る。まともに当たれば朝子はひとたまりもない。だが当たれば、の話だ。一歩踏み込んだ朝子は左手を須崎の内側から振り上げて須崎の右手首のあたりに当て、捻りながら左手、更に全身をねじりこんで須崎の起死回生のパンチをいともた易く、受け流していく。そして受け流しながら、朝子が沈み込んでいく。須崎のパンチが沈み込んだ朝子の頭の上を通過していく。朝子の左手は今や須崎の右の二の腕あたりを握り、前方に引き込んでいる。朝子の上体が地面とほぼ平行になる。な、なんだ、何をする気なんだ?
次の瞬間、真下から白い影が猛スピードで迫ってきた、と思うと同時に須崎の顎に物凄い衝撃が走った。ガヅッ!!!須崎は声も出せずに首を跳ね上げられ、仰け反りながら昏倒してしまった。朝子は体を倒し、低い位置から180度開脚した右脚を突き上げ、須崎の顎を蹴り上げていたのだ。中国拳法で言う、天空脚に似た技だった。小柄な体を生かして相手の懐に潜り込み、柔軟性を生かして真下から蹴り上げる。両腕で相手を引きずり込んでいるため、相手にとっては朝子の脚は死角になり、見えない。その死角から腕の三倍の力を持つ脚がアッパーカットで襲い掛かるのだ。ましてや硬いブーツのヒールが直撃するのだ、その威力は筆舌に尽くしがたい。須崎は物も言えず、白目を剥いて昏倒してしまった。首が折れなかったのが不思議な位の、凄まじい威力の蹴りだった。
「ケミ!」「須崎!」坊野と奈良村の声が同時に響いた。う、嘘だろ・・・坊野は目の前の光景が信じられなかった。極悪チームとして名を馳せたSNOW CRACK、そのNO2とNO4が一瞬にしてKOされてしまったのだ。しかも相手は自分たちがレイプしようと誘い込んだ相手・・・年下の女の子にだ。俺はラリってるのか?だが検見川と須崎が大の字になって気絶しているこの光景は、紛れもない現実だった。く、糞っ垂れが・・・坊野と奈良村が反射的に富美代たちに襲い掛かろうとした、その時だった。「待ちなさい!」礼子の凛とした声が響いた。「相手が違うわよ。貴方たちの相手は私たちがしてあげる!」フフ、礼子の端正な顔に凄絶な微笑が浮かんだ。「貴方たちも二人、私と玲子も二人、そう、タイマン、てやつ?二対一で苛める、なんてことはしないであげるから、安心してかかって来なさい!」
た、タイマン?苛めないでやる?こ、このガキ、舐めやがって!!!坊野は全身の血液が逆流するのを感じた。その時に坊野が頼ったのは自分自身の肉体ではない。武器だった。坊野は何の躊躇いもなく、自分のチェロキーから自らの獲物、金属バットを取り出し、身構えた。最早相手が女の子だろうが、丸腰だろうが関係ない。獲物を使って叩きのめすつもりだった。同時に奈良村も隠し持ったナイフを取り出し、礼子たちを威嚇するように身構えた。だが礼子たちはバットにナイフ、坊野たちが取り出した獲物を見て、彼らの期待に反して大笑いを返してきた。「アハハ!なーんだ、そんなモンしか持ってないんだ!」玲子の嘲るような笑い声は坊野たちを怒らせる、と言うより戸惑わせた。「て、てめえ!こ、このナイフが見えねーのか!ザックリ逝ったろか!」反射的に安っぽい言葉で凄む奈良村に玲子は最早、苦笑を浮べていた。「・・・ハイハイ、私、視力は良いからね、それがナイフだ、てこと位、良く分かるわよ・・・で、私たちの武器が何かは分かってるの?」
言いながら玲子はバックルを外し、自らのジーンズからシュルッと黒いベルトを抜き取った。傍らでは礼子もフェイクレザーパンツから茶色いベルトを抜き取っていた。パーン!礼子が二つ折りにしたベルトを鳴らした。「うーん、折角この私たちが相手してあげるって言うんだから、もうちょっと凝った武器出して欲しかったけどね。そんなチープな武器なんかを、まあ得意げに出しちゃって、恥ずかしくない?まあいいわ、貴方たちじゃ所詮、その程度が限界かしらね。さあ、かかって来なさい!」右手にベルトを握り、左手の人差し指でクイクイと挑発する礼子の姿に、坊野たちの頭に血がのぼる。な、何だ、このガキ!か、かかって来なさい、だ?な、舐めやがって!!!坊野も奈良村も、自分たちが切り札のつもりで出した獲物に礼子たちが全くビビらず、却って余裕を見せていることに完全に逆上してしまった。その余裕の根拠は何か?と考える余裕等、全くなかった。礼子たちにとって、坊野と奈良村が取り出した獲物は全く脅威にならなかった。実のところ、礼子たちにとっての心配材料は唯一つ、坊野たちが拳銃を持っている事だけだった。確率は低い。恐らく殆どゼロに近い確率だ。だが、もし持っていたら・・・それに対する備えも一応していたが、それだけが心配だった。だからナイフやバットなどというものは礼子たちにとって、なんの脅威でもない。逆に坊野たちは礼子たちのベルトを余りに過小評価していた。そもそもベルトを武器としてすら認識していなかった。しなやかで強靭な革ベルトが、礼子たちのような熟練者にかかればどれ程強力な武器になるか、身を持って味わうまでは全く想像もつかなかった。
先に動いたのは奈良村だった。「こ、このガキ・・・ベルトが武器だー?てめえは女王様ごっこでもやってんのか、こら!?」右手にナイフを握り、奈良村が間合いを詰めた瞬間、パシーン、痛っ!カラーン、礼子のベルトが一閃し、奈良村の右手を打ち据える音と右手をしたたかに打ち据えられた奈良村の悲鳴、そしてナイフが床に転がる乾いた音が殆ど同時に響いた。打ち落とされたナイフはカラカラと玲子の足元に転がっていった。な、なんだ、何が起こったんだ?玲子が殆どスナップのみで放ったベルト鞭は予備動作が極端に小さく、その癖非常なスピードを兼ね備えていた。奈良村は自分がベルトで鞭打たれた、ということすら、一瞬把握できなかった。ベルトを握った玲子の右手がふっと動いたと思った瞬間、自分の右手に熱を伴った衝撃、今まで全く味わったことのない痛みが走り、頼みの綱のナイフを叩き落していた。玲子のベルトの動きを奈良村のプアな動体視力で捕らえることは到底不可能だった。
右手を抑え、思わず呆然とする奈良村に玲子の嘲笑が追い討ちをかける。「アハハ、どうしたのかしら坊や、鞭一発でもうお終いなの?そんなんじゃ、私をレイプするなんて到底無理ね。あ、そうか、鞭一発だけでイタイイタイ、て泣いてる坊やなんか、どうせ根性なしのタマ無しクンだもんね、私をレイプするなんて、端からできっこない見栄っ張りだったのよね。やーいやーい、タマ無し、タマ無し!!!」「て、てめえ!!!な、なめ、舐めんじゃねえー!!!」珍妙なリズムを付けて囃したてる玲子の挑発にすっかり頭に血が上った奈良村は、今にも玲子に飛びかかろうとしていた。だが、辛うじて奈良村の理性を保たせたのは、皮肉なことに自分が落としたナイフだった。奈良村のナイフを玲子はしっかりと黒いブーツで踏みしめ、奈良村が拾えないようにしていた。く、クソ・・・ナイフ、ナイフさえあれば、今度こそぶっ刺してやる・・・なんとか、なんとかナイフを取り戻したい。
一方ナイフを拾いたいのは玲子も同じだった。見たところ奈良村のナイフは軽く、投げナイフとして使えそうだった。間合いを詰めてスナップショットで投げたら、まずは避けられる心配はないわね。だけど・・・玲子は冷静に奈良村との間合いを図った。この間合いじゃ、迂闊にしゃがんだらタックルで突っ込まれる危険があるわね。しゃがんだときに突っ込まれたら、避けられないかも知れないな。玲子は次の一手を慎重に考え、推し量るように奈良村の目を見た。その視線は玲子の方を向いているように見えるが、半分以上はナイフに視線も意識も行っている。ふーん、そんなにナイフに執着するんだ。よし、いいわ。このナイフ、何も私が無理して直接拾う必要はないわね。この手で行こう!奈良村の行動を読みきった玲子は、更に大胆な挑発に出た。
「なーに、タマ無しクン?そんなにこの安物ナイフを返して欲しいの?」グリグリとブーツの靴底でナイフを踏み躙りながら玲子が嘲る。「いいわよ、こんな安物、返してあげる。おまけに、お姉さんの唾もつけてあげましょうねー!」玲子は二、三度唇をクチュクチュと動かし、たっぷりと唾を貯めるとブーツをどけ、ナイフの柄にぺっと唾を吐き掛けた。ビチャッと唾がナイフの柄を覆う。「ほーら、お姉さんの唾つきナイフよ、よかったわねー、返して貰えて!」嘲笑りながら玲子はナイフを奈良村の足元に蹴ってよこした。「ぐ、こ、この野郎・・・」奈良村は一瞬躊躇した。唾まみれのナイフ。普段だったら触りたくもない。だが今は・・・悠長に拭いている暇などないことは一目瞭然だ。半ば目をつぶる思いで奈良村はナイフを拾い上げた。ヌルッ・・・右手に玲子の唾の感触が走る。き、汚たねえ、こんな汚たねえもん、触らせやがって!!!「あーら、おっどろいたー!唾掛けられたナイフも拾っちゃうんだー!さっいてー!やっぱ、タマ無しクンは違うわねーえ!ほーらタマ無しクン、そんなに唾が好きだったら、こっちにお顔出してごらん、お姉さんが唾ペッペしてあげるわよーっ!」唇を突き出して白い唾を浮かべ、ここぞとばかりに挑発する玲子に奈良村の僅かな理性は完全に消し飛んでしまった。
「て、て、てめえーっっ!こ、殺す、ぶっ殺す、カンペキに殺す!!!」絶叫しながら奈良村は玲子の唾にまみれたナイフを振りかざして襲い掛かった。最早戦術も何もない。闇雲に、ただ力任せにナイフを振り回しながら玲子の顔めがけて切りつけた。愚の骨頂だ。ナイフは日本刀ではない。ナイフの戦闘法はあくまで、刺すのが基本だ。切るのは誉められた使い方ではない。大型のブッシュナイフならともかく、刃渡りが短いジャックナイフでは切りつけようとしたらリーチの短さから、威力半減だ。しかも大振りに大上段から振り下ろしたのでは隙だらけ、玲子のベルトに絶好の標的を提供するだけだった。
フン、かかったわね。馬鹿ね、私がわざわざナイフに唾吐いた理由を考えようともしないなんてね。そんな低脳じゃ、私とやりあうには100億万年と3日は早いわよ!玲子は冷静に奈良村の袈裟懸けの第一撃、バックハンドの第二撃を避けながら完全に間合いとスピードを見切った。そして再び大きく振りかぶった第三撃、奈良村がナイフを振り下ろすと同時に玲子はすっとステップバックした。同時に玲子のベルトが唸る。パシーンッ!今度は下から振り上げた玲子のベルトはまたも見事に、奈良村の右手を打ち据えた。「ッアツ!」いくら固くナイフを握っていても、ベルトで打たれた激痛にはかなわない。しかも奈良村のナイフの柄は玲子の唾まみれだ。まだ濡れている柄はいつもより遥かに滑りやすい。おまけに唾に触る嫌悪感から、半ば無意識に近いが奈良村はナイフのグリップがかなり甘くなっていた。これでは一溜まりもない。右手こそそのまま余勢で振り下ろしたものの、頼みの綱のナイフはいとも簡単に玲子のベルトに弾き出されて跳ね上げられ、クルクルと回転しながら宙を舞った。「ほら、大事なナイフなんでしょ?返してあげるわよ!」動体視力、反射神経においては奈良村を遥かに上回る玲子だ、主の手を離れ、クルクルと宙を回転するナイフに素早く左手を伸ばし、最適の角度でナイフの柄をキャッチする。最適の角度、つまり投げつけるのに最適の角度でだ。
ナイフをキャッチすると同時に玲子は左手をしなやかにくねらせ、スナップを効かせてナイフを投げつける。ザビュッ!「ギアアッッッ!!!」玲子のナイフは狙い違わず、奈良村の右足甲に突き刺さった。武道と鞭で鍛えた玲子は完全な両利きだ。左手のスナップも、並みの男を遥かに上回る。銀色の軌跡を描いた玲子のナイフは奈良村の靴を貫き、右足甲を見事に貫通して足の裏に切っ先が顔を覗かせる程、深深と突き刺さった。「ガアッッッ!」野獣のような悲鳴をあげ、奈良村は反射的にナイフを抜こうと蹲ってしまった。深深とナイフを突き刺された衝撃と激痛に、奈良村の頭から玲子は完全に消え去っていた。痛い、痛い、いてえようーーお!!!こんなチャンスを逃がす玲子ではない。奈良村が蹲った瞬間、玲子の長い右脚が閃光のように空を切った。「ハッ!」烈昂の気合と共に玲子は右跳ね蹴りを繰り出した。しかも通常、跳ね蹴りは足の甲の部分で蹴るのだが、今日はブーツを履いている。爪先は硬い皮革に保護されている。朝子と同じく、玲子もブーツを武器としてフルに活用した。
無防備に蹲る奈良村の顎に玲子の右脚が迫る。と、命中直前、玲子は足首を思いっきり返し、爪先を立てながら奈良村の顎を蹴りあげた。脚のスピードに足首の返しがプラスされた瞬間的な超高速の蹴り、しかも道場では完全に禁じ手である爪先蹴りを、ブーツの硬い爪先で食らわせるのだ。グジャッ!という、何かを潰すような手応えを感じながら玲子は大きなフォロースルーを取って、右脚をパントキックのように高々と蹴り上げた。「ぶじゃーっ!!!」喉に玲子の爪先を突き立てられ、完全に呼吸を奪われながら奈良村は首をガクン、と真後ろに跳ね上げられ、仰け反るように倒れていった。ゴッ、ドザッ・・・奈良村の後頭部が、ついで全身が床に倒れこんだ。ピクッ、ピクッと全身が痙攣している。辛うじて首が折れるのだけは免れたものの、奈良村の意識は完全に消え失せていた。
「な、奈良村!」坊野の目の前で悪夢がまた、繰り返された。検見川、須崎に続いて奈良村までもが倒されてしまった。しかも、奈良村は丸腰ではない。得意のナイフを手にしながら、苦もなく倒されてしまったのだ。ゾク・・・坊野の背筋に悪寒が走った。ま、まさか、俺までやられる、ていうのか?俺たちが、俺たちSNOW CRACKが女にやられただなんて、こ、こんなことが広まったら、俺たちはもう、ストリートを歩けなくなるぞ・・・悪夢と弱気を振り払うかのように、坊野は激しく頭を振った。ば、馬鹿か俺は!俺まで女にやられるなんて、何馬鹿なこと考えてるんだ!弱気になんじゃねえ!ケミたちがやられたのは、女だと思って油断してただけだ!お、俺が、この俺が負けるわけがねえ!
大きく息を吸いながら坊野は金属バットを握りなおした。
「て、てめーら・・・よくもやってくれやがったな、もういい、輪姦すなんてどうでもいい、そのかわり、てめーら全員、どたまカチ割ってやる!」「アラ大変!ねえ玲子、困ったわ。私たち、頭カチ割られるのなんてごめんよね?」「当たり前でしょ!じゃ、礼子、最後の締めは取っておいてあげたんだから。相手のプレジ、一番おいしい相手は礼子にあげるからね、ごゆっくりどうぞ!」パシーンッ!礼子はベルトを打ち鳴らすと坊野に微笑みかけた。「聞いた?ということで、貴方は私が苛めてあげるわ。さあ、かかってらっしゃい!」い、苛めるだと?そりゃ、こっちのセリフだ!こ、このクソガキ!血圧が上がり過ぎ、目の前が暗くなりかける程の怒りに燃えながら坊野が絶叫した。「て、てめ、そこ動くんじゃねえ!ぶ、ぶ、ぶっ殺してやるーっ!!!オラアッ!」坊野は両手でバットを握ると、礼子めがけて袈裟切りに思いっきり振り下ろした。だが礼子は軽いステップでスッと身をかわす。「オラア!食らえ!待ちやがれ!糞が!」絶叫しながら坊野は立て続けにバットを振り回す。確かに凄いスピードだ。当たれば頭をカチ割ることも出来るだろうし、腕でガードしても骨折程度しかねない。礼子のパワーではうまくベルトで受けても、パワー負けしてガードすることすら困難だろう。だがあくまで、当たれば、の話だ。剣道の高段者でもあり絶対的な見切りを身につけた礼子にとって、坊野のバットの動きは余りに単純過ぎた。何のフェイントもなく、ただ力任せに振り回すだけ。しかもいくら怪力の坊野とは言え、バットはそれなりの重量があり、木刀のように自在に振り回せるわけではない。一旦スイングを開始したら、空中で軌道修正など不可能だ。礼子にとって、そんなバットの動きを見切るのは容易いことだった。
フン、こんなものなの?このレベルならいつでも料理できるわね。礼子の唇の端に嘲るような冷笑が浮かんだ。だが、そうは言っても坊野のパワーは確かに凄まじい。礼子は無理をせず、冷静に待っていた、坊野のスピードが鈍るのを。そんなにフルスイングしちゃって、ご苦労様。でもその元気、いつまで続くかしらね。もう貴方が最後の一人だし、焦ることはないわ。ゆっくり付き合ってあげる。空振りは相手に当たった時の何倍も疲れる。ましてや重いバット、そして酒にタバコにドラッグに、と不摂生な坊野だ。スタミナがあるわけない。礼子の読み通り、僅か10スイング前後外されただけで坊野はもう、肩で息をし始めていた。そろそろいいわね。今まで避けるのに専念していた礼子が、ベルトを握り直した。「に、逃げんじゃねえ・・・」ゼーゼーいいながら坊野がバットを振り上げようとした瞬間、礼子は反撃に転じた。「ハイッ!」気合と共に礼子のベルトが宙を走る。ピシッ、パシッ!バットを顔の前辺りまで振り上げた坊野の両手に強烈にスナップを効かせたベルトの往復ビンタが襲い掛かる。「イデッ!ツッ!」疲れと痛みに坊野は思わずバットを取り落としてしまった。ガラーン、バットが床にバウンドし、転がる。や、やべえ・・・坊野は慌ててバットを拾おうとした。だが、一瞬早くバットを拾い上げたのは、礼子だった。「もーらいっと!」ベルトを右手に握ったまま、礼子は左手にバットを握ると、クルッと一回転させながら坊野に殴りかかった。「く、アウッ!」
頭を殴られると思い、坊野は反射的にガードを上げ、必死で頭をカバーした。だが礼子の狙いは違った。わざと外しながらもう一回転、斜めにバットを回転させながら、礼子は坊野の右膝を殴りつけた。ガコーン!骨を殴りつける、いい音が響いた。「ガアッ!」思わず膝を押さえる坊野に、今度は鳩尾への突きを入れる。「グバアッ!」たまらず、坊野はよろけながら後ずさりする。だが礼子は深追いはしない。行ける!いいえ、未だよ。木刀ならいざ知らず、バットとの二刀流じゃ私のスピードも落ちちゃうわ。それに未だ完全に動き、止まってないわね。もう少し疲れさせといた方がやりやすいわね。・・・いいわ、バット、返してあげる。安易に追い詰め、手負いの野獣の反撃を食らったりしてはつまらない。止めを刺すのは完全に坊野の余力を奪ってからで十分だ。「うわ。痛そう・・・大丈夫?このままベルトとバットの二刀流で攻めたら、まるで私が苛めてるみたいね。じゃ、玲子も奈良村さんにチャンスをあげてたみたいだし、私も一度、このバット、坊野さんに返してあげるわ。」カラーン、礼子は無造作に、坊野の足元にバットを転がした。「ぐ、こ、この・・・な、舐めやがって!!!」
奈良村と同じく、坊野も完全に礼子の術中にはまってしまった。いくら優勢に戦っていても、やはり相手は男だ。礼子たちにとって、坊野たちが危険な相手であることは変わりない。しかも、自分たちが怪我するなど、真っ平ごめんだ。ではどうするか。挑発し、相手の冷静さを失わせるのが最善の策だった。そしてもう一つ、礼子たちの武器はベルト、鞭だ。拷問ではなく、鞭を武器にして戦う場合の最大のポイントは精神的な優位を保ち、相手を見下し、冷静さを失わせながら攻めることだ。防戦に回ると鞭は弱い。挑発と侮辱により、相手を精神的に追い込みながら戦う、まさに礼子たちの戦術こそが必要不可欠なのだ。
坊野はバットを拾い上げると立ち上がった。右足がふらつくが、立ち上がれない程ではない。「クッ・・・て、てめえ・・・やりやがったな・・・」怒りの余り殆ど顔面蒼白になりながら坊野が迫る。グッ・・・バットを握る手に更に力がこもるのが見て取れる。じりじりと間合いを詰める坊野を、礼子は涼やかな余裕の微笑を浮かべながら待ち構えていた。あらあら坊野さん、そんなに硬くなっちゃ駄目じゃない、それじゃ却ってスピード落ちるし、動きも丸見えよ。「て、てめえ・・・喰らいやがれ!」間合いを詰めた坊野は大きくバットを振りかぶり、反動を付けると思いっきり横なぎに殴りかかった。フン!また力任せに振り回すだけなの?学習効果の無い人ね。礼子は余裕の表情でステップバックし、かわす。だが坊野は空振りの勢いでそのままバットを振り上げ、返す刀で逆袈裟打ちに殴りかかる。礼子はこれもかわす。え?まだあるの?坊野のバットは止まらない。バットを休めず、今度は袈裟打ちに殴りかかる。あらあら、勝負を賭けてきたのね。それにしても・・・オラオラで勝負、とはまた、随分単純に頭を使わない技に頼るものね。坊野さん、貴方本当に偏差値60以上のおつむなの?これじゃ昆虫並みのお馬鹿さんよ?もしかして、脳まで筋肉になってない?日体大にでも逝くつもりなの?「・・・オラオラ!オラオラオラオラオラー!」全身全霊を込めたラッシュだ、礼子にいくらかわされようと構わない。一発、一発当たりさえすれば良いのだ。巧みなスウェー、ステップバック、サイドステップを駆使してかわす礼子を坊野は必死で追い続けた。呼吸すら殆どしていない。無制限の全力ラッシュ、猛烈なスピードで振り回されるバットは、その半径内にある全ての物を粉砕しそうな勢いだ。
確かに坊野はある意味本物、喧嘩のプロだった。これだけの威力のバットの前では多少のテクニックなど、問題にならない。パワーで一気に押し切り、相手が反撃に出る前に叩き潰せる。礼子は苦笑していたが、これはこれで一つの正解、大抵の場合は相手を倒せるし、事実、今まで坊野がこの技を繰り出した時は全ての相手を血の海に沈めてきた。だが坊野は大事な要因を幾つか見落としていた。この工場、自分が礼子たちを連れ込んだこのアジトは充分に広く、礼子が自在にステップを踏み、坊野のラッシュをかわすスペースが充分にあることを。今までの相手はガードしたり、なまじ反撃しようとしたために、兎に角バットを当てることができたが、スピード、身体の柔軟性、動体視力、センス、全てにおいて坊野を遥かに凌駕する礼子が徹底して避けに回ったら、捕まえるのはほとんど不可能であることを。いくら興奮で痛みを忘れているとはいえ、バットで打たれた右膝は深刻なダメージを負っており、追撃のスピードがいつもよりは鈍っていることを。そして人間の活動には限界があり、こんな無酸素運動のマックスは約一分間、それ以上は続かないのが人体の構造だということを。
「ゼハッ、ま、待ちやがれ、オラ、チョコマカと・・・」坊野の全身の筋肉の乳酸値が急速に高まっていく。礼子は坊野のバットのスピードが急速に衰え、反比例するかのように呼吸が加速度的に荒くなっていくのを冷静に観察していた。フン、いいわね、そろそろ頃合ね。もう酸素供給能力が追いつかなくなっているようね。アドレナリンが出過ぎて気付いてないかも知れないけど、もうスピードがた落ちよ。スイングが波打っているのも気付いていないの?すっと礼子の足が止まった。チャ、チャンス!!!ガキが、とうとう捕まえたぜ!てめーも疲れて、もう逃げられねーんだろ!?極度の疲労に判断力が鈍った坊野は礼子が自分同様、疲れてもう足が動かなくなったのだ、と勝手に思い込んでしまった。礼子の罠かも知れない、等とは考え付きもしなかった。「く、食らえーッッッ!!!」絶叫と共に頭上高くバットを振り上げると、全身全霊の力を込めて唐竹割に振り下ろした。
フッ・・・坊野が勝利を確信し、両手に礼子の頭蓋骨を陥没させた感触をすら感じた瞬間、礼子はすっと体を右後方に開きながらサイドステップし、当然のように坊野の必殺の一撃をやりすごす。ゴッ・・・全力で床を殴ってしまい、両手に痺れを感じると同時に坊野は一瞬、目の前に黒い蛇が出現したように感じた。ビシッ!「ギアッ!」坊野の悲鳴が響いた。礼子はバットをよけた動きをそのままバックスイングに利用し、カウンターでベルトを見舞っていた。狙いは・・・坊野の目だ。全力でバットを振り下ろし、無防備状態の坊野の両目を礼子のベルトは完璧に捕らえた。「グアッッッ!!!」余りの痛さに坊野は思わずバットを取り落とし、両手で目を押さえてしまった。「あああああ!」だが礼子が悠長に痛みに浸る時間を与えてくれるわけが無い。
「ハッ!」礼子は素早くバットを拾い上げると、視界を失い無防備の坊野の鳩尾に鋭い突きを入れる。「グホッ!」目が見えない坊野は、いつどこから攻撃されるのか、まったく分からない。予期せぬ痛みに喘ぐ坊野に、礼子は冷酷に追い討ちをかける。左手に握ったバットを一回転させ、充分なスピードを得ると今度は坊野の右足脛、弁慶の泣き所を思いっきり殴りつけた。ガシッ!バットの芯が的確に坊野の脛の骨を捕らえる、あ、いい感触、骨逝ったかな?素晴らしい感触が礼子の全身を悦ばせる。「ウギャーッッッ!!!」いくら女の子の、片手での一撃とはいえ、脛の骨をバットで思いっきり殴りつけられては溜まらない。「ほ、骨があああっっっ・・・」余りの激痛に坊野はガクンと膝を折ってしまった。最低でも骨にヒビが入ったことは間違いなさそうだった。鳩尾と足の余りの痛さに、無意識の内に両手が下に下がる。目を押さえていた両手は今まで、一応頭部のガードになっていた訳だが、そのガードが完全に外れた。しかも両目は霞んでいて殆ど見えない。礼子はまさに、この隙を待っていた。
「隙あり!」気合もろとも、礼子はスナップを思いっきり効かせ、強烈なベルトの一撃を繰り出した。狙いは勿論、先ほどと同じく坊野の目だ。ピシーン!!!「ギァアアッ!め、目が、目があーっっっ!」礼子の熟練の鞭は坊野の目を確実に捉え、完璧に打ち据えていた。「い、いでえ、いでえよーっっっ!!!」先ほどより遥かに強烈な鞭に打ち据えられ、坊野は完全に視力を奪われてしまった。いや、視力どころではない。人体最大の急所の一つである目を革のベルトで思いっきり打ち据えられたのだ、これでは堪ったものではない。余りの痛みに両手で目を押さえ、坊野は床を文字通り、のたうち回っていた。激痛にのたうつ坊野に礼子は慎重に近づいた。大丈夫かな、まだ実は余力を隠しているんじゃないかしら。礼子は焦る気は全くなかった。実際のところ、坊野をいたぶる気すらない。合理的に、自らがリスクを背負うことなく確実に仕留める。そのために最も合理的な方策を取ろうとしているだけだ。但し、いたぶる気もないが礼子の意識には坊野の味わう苦痛に対する配慮も全くない。
「い、いでええええ!!!」仰向けに横たわってのたうち回る坊野に近づくと、礼子は左手に握ったバットを振り上げ、坊野のがら空きの鳩尾に再び、深々と突き立てた。「ぐ、ぐげえーっっっ!」坊野の右手が鳩尾を押える。あらあら、右手だけなの、じゃあ、もうワンステップ必要ね。礼子は再びバットを振り上げ、鳩尾を押える坊野の右手に更に突きを入れた。「あ、アデッ!いでーよーっ!!!」手の甲は骨が皮膚のすぐ裏を走る、人体の急所の一つだ。繊細な手の甲の骨をヒビが入るほどバットで突かれ、新鮮な激痛に坊野の左手が反射的に顔から下り、右手に向かう。チャンス!礼子の右手が閃き、ベルトが再び宙を切る。バシーン、ビシーン!礼子の無慈悲なベルトは坊野の左右の耳に往復ビンタを喰らわせる。「あ、アバアッッッ!!!」キーン・・・痛い、と言うより頭の中で爆弾が破裂したかのような衝撃波に脳を揺さぶられる。耳は平手打ちでさえ、的確にヒットすれば重大な衝撃を与えられるポイントだ、そこをベルトで思い切り打ち据えられては堪ったものではない。「・・・!!!」最早声にもならない悲鳴に口を大きく空け、坊野は床をのたうち回る。視力に加え、耳を通して三半規管に加えられた打撃に平衡感覚すら奪われ、最早自分がのたうち回っているのか、ただ痙攣しているだけなのかすら分からない。
「グォブォッ!!」鳩尾に鈍い痛みが走る。自分が巨大な虫ピンに貫かれた昆虫のように感じる。そう、確かに礼子は左手に握ったバットを思い切り坊野の鳩尾に突き立て、動きを完全に封じていた。坊野の両手がすがるようにバットを掴む。そうよ。ちゃんと握っていてね。邪魔だから顔をガードなんかしないでね。パシーン、ピシーン!「ひ、ヒギーーーッッッ!!!」坊野の両頬に革ベルトの往復ビンタが炸裂する。両頬が吹き飛ぶような激痛といつ襲い掛かるか想像もつかない鞭の恐怖に坊野は遂にパニック状態に陥ってしまった。「い、イギーーッッ、ヤ、ヤベデグレーーーッッッ!!!」最早SNOW CRACKのプレジ、等という誇りはどこにもない。金切り声を上げながら半ば本能だけで頭を抱えて床をのた打ち回り、泣き叫ぶ坊野を礼子は相変わらず優しい笑顔で微笑みながら見下ろしていた。「痛そうね坊野さん、今止めを刺してあげるわ。」だがその声は、最早坊野には届かない。
「グヴェーーーッッ!」突然、呼吸を奪われ坊野は空気が抜けるような悲鳴を漏らす。絶叫しようにも、喉を突然襲った激痛が悲鳴すらまともにあげさせてくれない。「グギェーーーッ!」止めを刺しにかかった礼子の茶色いブーツを履いた右足が、坊野の喉を踏みつけ、呼吸を封じて意識を刈り取りにかかっていた。激痛と苦しさ、死んだほうがマシな程の苦痛に、断末魔の痙攣のようにもがきながら坊野は必死で礼子のブーツに覆われた足首を掴む。その姿はまるで礼子の足を押し戴いているようだった。一瞬、礼子の顔に戸惑いの影が走る。あら、もう十分にダメージを与えたつもりだったけど、計算が違ったかしら?掴まれたままじゃ厄介ね・・・だが冷静に見下ろすと、自分のブーツに縫い付けられてもがく坊野の顔にあるのは断末魔の苦しみにもがく、苦悶の表情のみだ。・・・うん、大丈夫ね。あと一押しで止めを刺せるわ。じゃ、いいわよ坊野さん、そのまま私のブーツ握ってて。余計なガードなんかしないでね。今、楽にしてあげるから。「ギュァッ!・!・!」坊野の悲鳴が更に苦しそうになる。礼子は坊野にブーツを掴ませたままスット足首を返し、坊野の喉の上に片足立ちしていた。呼吸を完全に封じられた坊野の視界は真っ暗になり、チカチカと星が瞬く。最早自分の喉を踏みつけ、完全に動きを封じた礼子がブーツを履いた左足を高く引き上げている姿など、坊野には全く見えなかった。ドウッ・・・硬いブーツのヒールを纏った礼子のストンピングが坊野の鳩尾深くにめり込む。「ガヴォアッッッ!!!」全身をビクビクと苦痛に痙攣させながら、坊野の意識が急速に消えうせて行く。意識が途切れる最後の一瞬、坊野の脳裏に鮮明な画像が走った。それは・・・相変わらず涼しげに微笑む、礼子の優しげな微笑だった。
ま、まさか、そんな・・・慎治たちは工場で繰り広げられた惨劇を呆然と見つめていた。ま、まさか・・・まさか坊野さんたちがやられるなんて、それも、一矢も報いることができず、一方的にやられちゃうなんて・・・だが、坊野たちSNOW CRACKの幹部四人が全員、血塗れになって大の字に横たわり、気絶しているのは紛れもない現実だった。「ど、どうしよう・・・ねえ、ど、どうしよう???」余りに予想外の展開に言葉を詰まらせながら、慎治は独り言のように問い掛けた。「ど、どうしようったって・・・」たずねられた信次にも、答えなどない。信次が期待していたのは、玲子たち四人がグチャグチャに輪姦され、泣き喚く姿だった。だが、泣き喚いていたのはSNOW CRACKの方だった。「ど、どうしようったって・・・」とその時、信次はとんでもないことに漸く気づいた。輪姦されかけたんだ、玲子さんたち、もしかしたら警察呼ぶかもしれない。で、周りを調べた時に俺たちが見つかったら!!!
こ、怖い!警察が怖いのではない。自分たちが依頼主だということが、もし玲子さんにバレタら!!!こ、殺される!!!「し、慎治、や、やばい、やばい!!!」慎治もほぼ同時に気づいていた。「う、うん!!!や、やばいよ、は、早く、早く逃げなくちゃ!!!」だがその時、背後からの声が慎治たちの心臓を凍りつかせた。「駄目じゃん信次、途中で帰っちゃ。ゆっくり最後まで楽しもうよ。」イ゛ッ!思わず悲鳴を上げそうになった二人が振り向くと、後ろには真弓と里美が立っていた。
もともと暴力礼賛、M的快感への目覚めは皆無の「レイコとシンジ」ですが、SM、或いは苛めといった限度を取り払ったら、そこから先はむしろ拷問、処刑の領域に接近すると思います。
では素人であるレイコたちにとって、暴力、換言すれば他人に苦痛を与えられる極限はどのあたりにあるのでしょうか。身近にある道具だけを使った拷問で試してみたいと思います。
「レイコとシンジ ―復讐するは我にあり:中編―」
「な、なんでここに!!!」「い、いつからいたの!!!」慎治たちの金切り声にも似た悲鳴が響く。眼前で繰り広げられた予期せぬ光景に100%の神経を集中していた慎治たちは、背後に迫っていた真弓と里美に全く気付かないでいた。不意に声をかけられ、心臓が飛び出そうな顔をして口をパクパクさせる慎治を真弓は面白そうに見ていた。「なんでここに、ていうのは私たちが聞きたいんだけどな、ねえ里美?」「全くよね。ま、種明かしをしてあげるとね、私たちは玲子に頼まれてたのよ。ほら、玲子たちの家庭教師の良治先生たち、あの二人にランクル出してもらってね、ずっと玲子たちの後を追って、万が一に備えてたのよ。で、玲子の予想通り連中、玲子たちをここへ連れ込んだじゃない?だから私たちも追っかけて、中が見えるポイントを探したって訳よ。」「そう、玲子にはもし連中が予想以上に強くて玲子たちが危ない状況になったら、速攻で警察呼んでくれ、て頼まれてたからね。2階からなら中の様子も見えるかな、て思ってきたら、予期せぬ先客がいた、て訳よ。まあ最も、良治先生たち、表で待ち構えてるけど木刀とかヌンチャク用意してやる気満々みたいだったから、万一の時は警察が来る前に連中、秒殺されてたと思うけどね。」
な、なんてことだ。全て読まれていたんだ。せ、折角ここまで玲子さんたちを誘い込んだのに、はなから無駄だったんだ。玲子さんたちは、自力でSNOW CRACKを潰せればそれでよし、もし負けても即警察呼んで、助けて貰えるようにしてたんだ。どっちに転んでも、僕たちが仕返しなんかできなかったんだ・・・慎治たちの脳裏に良治たちの逞しい肉体が浮かんだ。十二分に鍛え上げた巨体、しかも空手三段、剣道二段だ。大会で入賞できるレベルではないとはいえ、この二人のレベルで木刀やヌンチャクを使えば、ストリートでははっきり言って手のつけようがない。SNOW CRACKだ、なんだと言っても所詮は素人、ナイフやバット程度用意しても全くの無意味、四人ともあっという間に叩きのめされていただろう。玲子の用意周到さは慎治たちの想像を遥かに上回っていた。な、なんてことだ・・・
よく見ると真弓も里美も革ジャンにブルージーンズ、足元はブーツで固め如何にもいざとなれば一緒に参戦するよ、というスタイルだ。だがそんなことはどうでもいい。問題は玲子たちに陰謀が全て露見した、ということだ。慎治たちの心臓が喉からせり上がる。膝がガクガクと震える。胃がキリキリと痛み下腹部が締め上げられるように痛む。恐怖の余り居ても立ってもいられない。「あ、ああ・・・」「ち、ちが、ちがう!!!」反射的に二人はなんとか誤魔化そうとした。「ち、ちが、ちがう・・・ぐ、偶然、ほらね、偶然なんだよ!!!」「そ、そう、ね、僕たちた、たまたまこ、ここ、ここを通りがかったらさ、玲子さんたちが連れ込まれるのがみえて、そ、そう、助けようとしたんだよ!そ、そうだよな、なあ慎治!?」「そ、そうだよ!き、決まってるでしょ?ね、ぼ、ぼくたち、そ、そう、たす、助けようとしたんだよ、ね、そ、ぞでしょ、そうでしょおおおっ!!!」二人の必死の言い訳を真弓たちはクスクス笑いながら眺めていた。馬鹿ね、現行犯逮捕されといて今更言い訳もなにもあったもんじゃないと思うんだけど?
「ふーん、助けようと思ったね。ま、いいわ、そういうことにしといてあげる。じゃあ、ここに白馬の騎士になり損ねた二人組がいるよ、て玲子たちに教えてあげなくちゃね。よりにもよって日頃苛めまくってたあんたたちが助けに来てくれてたただなんて、ちょっとした感動物語じゃない?玲子もきっと喜ぶわよ?もう苛めないでくれるかもね?」里美は革ジャンのポケットから携帯を取り出すと、ストラップを指に引っ掛けてクルクル回す。ひ、そ、それだけは!!!慎治たちは殆どパニック状態になって飛び上がる。玲子さんたちに知られる!それは死刑宣告を意味する。ぼ、僕たちがこ、ここに居たなんて知られたら、こ、殺される、間違いなく殺される!い、いやだ、し、死にたくないーっっ!!!ガバッ・・・信次は反射的に里美の足元に土下座する。「お、お願い、み、見逃してよーっっっ!!!」慎治もはっと我に帰ると真弓のブーツにすがりつく。「た、助けて、お、お願い、な、なんでもするから、だ、黙ってて、僕たちのことは黙ってて、お、お願い、おねがい・・・・こ、殺されちゃう・・・」もう恥も外聞もない。信次たちは二人とも大泣きし、涙と涎で顔中ぐちゃぐちゃだ。真弓たちを倒して逃げよう、等という考えは信次たちの頭を掠めもしない。玲子や朝子よりは一枚劣るとはいえ、空手部で鍛えあげられた真弓も里美も信次たちから見れば雲の上の存在だ。特に信次は組手で毎週のように蹴りのめされている身、真弓たちの強さも自分の弱さも骨身に浸みている。第一、逃げてもどうにもならない。仮にここを逃げおおせたとしても、真弓たちは直ぐに玲子に事情を報告するだろう。そうしたら結果は全く同じだ。信次たちがこの危機を逃げるには、真弓たちを殺す、文字通り殺すしかない。だが、あれだけ苛められた玲子たちをすら殺す決心ができなかった二人に、そんな覚悟ができるわけがない。できるのは唯一つ、哀願だけだった。真弓たちのブーツを舐めんばかりに二人は必死に哀願するが、玲子たちの親友でもある二人が受け入れるわけがない。勿論、信次たちにもその程度は分かっている。分かっていても哀願せずにはいられない。何もできないが何かしていないと気が狂ってしまう。信次たちは真弓たちのブーツにすがり、涙でブーツを濡らしながらひたすら自慰のような無意味な哀願を続けた。
真弓たちはニヤニヤ笑いながら足元に這いつくばる二人を見下ろしていた。バーカ、許して貰えるわけないでしょ?ったく、いつまでこうやってるつもりなのかしらね。フフ、でもここまで惨めに泣き喚く姿を見るのって、ちょっと楽しいわね。このまま、ここでゆっくり苛めてやろうかしら。この調子なら、ちょっと脅せば私たちのおしっこだって飲ませられるんじゃない?だが、ふと階下を見た真弓たち二人の顔に、更に残酷な冷笑が浮かんだ。クイッと里美はブーツの爪先で信次の顎をこじ上げる。「信次、泣いてるのはいいんだけどさ、下でもっと面白いイベントが始まるみたいだよ。フフ、取敢えず、一緒に見物しようよ。・・・玲子に電話するのは後回しにしてあげるからさ。」え、面白いこと?嫌な予感を感じながらも逆らえずに階下を見た信次の視線が凍り付いていく。
礼子が坊野に止めを刺し、一階で立っているのは礼子たち四人だけだった。坊野たちは完全に気を失い、あちこちでだらしなく伸びている。「フウッ、片付いたわね。うまくいったわ。」流石にほっとした様子で礼子が皆を振り返る。「お疲れ礼子、いい攻撃だったじゃない、目潰し鞭、とは考えたものね。」「ありがとう、そういう玲子もあのナイフ、いいコントロールね。ナイフ投げの練習もしたことあるの?ま、最も玲子のコンビネーションのポイントは、あのナイフ投げより、その前の唾にあったのは分かってるけどね。玲子も朝子もブーツをフルに活かしたキックで止めを指したけど、あの唾攻撃はいい発想ね。」「あ、分かった?そう、あれは確かに唾がポイント。まあ、唾攻撃は富美ちゃんの十八番だけどね、たまにはいいや、と思って私も使わせてもらったわ。」と言いながら礼子たちの言葉がふと止まる。富美ちゃん・・・視線を投げかけられた富美代の顔に、吹っ切れたような笑顔が浮かぶ。「ううん、もうみんな、気にしないで。もう先輩のことなんか、何とも思ってないから。それより・・・」富美代は言葉を切って礼子たち三人を見まわす。「・・・ありがとう。本当にありがとう。みんなが助けてくれなかったら私、ここで人生終わってたかもしれなかったね。ありがとう!」良かった、富美ちゃん、もう大丈夫ね。礼子たちの顔にもほっとした安堵が浮かぶ。その時、玲子がパンッと手を叩いた。
「さあさあ、休憩はここまで、今日はまだまだやることがあるんだからね。礼子、手を貸して!」「何、どうするの?後は警察呼んで、坊野さんたち引き渡してお終いじゃないの?」「うん、私も最初はそう思ってたんだけどね、よく考えるとこの人たち、なんで四対四にこだわったのかしら?富美ちゃんを狙っただけとは思えないわ。だったら礼子と富美ちゃん、可愛い子二人まとめてゲットしたんだから、礼子たち二人を誘ってレイプしてお終いのはずじゃない?それをなんでわざわざ、四人でドライブしようなんて指定してきたの?輪姦するって言ったって、四人に人数増やしたら却ってやりにくい筈でしょ?何か理由がありそうじゃない?だったら聞いておかないと。単純に警察に引き渡しても、私たちを襲わせた根っ子を叩いておかないと、また別の形で襲われる可能性があるわ。だから、どうしても理由を聞き出さないといけないのよ!」「・・・そうね、確かに変よね。だけど、これだけ派手に痛めつけた私たちが聞いて、素直に答えてくれるかしら?」プフッ!玲子が思わず吹き出した。「礼子、よく考えてごらん。これ、私たちの安全のためだけじゃないわよ・・・ウフフ、当然、こいつら絶対、素直に喋らないわよ。だったら、無理やり聞き出すしかないわよね。違う?それって・・・」ゾクゾクッ!礼子の背中に強烈な電流が走る。「・・・それって・・・拷問・・・ね・・・」「ご名答。フフ、私たち、信次たちを散々痛めつけてきたけど、あれは言ってみれば苛めとかリンチの範疇よ。これは違うわ。正真正銘の拷問よ。どう礼子、本物の拷問、礼子が憧れてきたのはこれじゃない?お遊びじゃない、私たちには拷問する正当な理由があるし、相手も本物の犯罪者、拷問されるのが当然の相手よ。犯罪者を拷問にかけて無理矢理自分の罪を、バックを白状させる、まさに・・・正統派の、これぞまさしく拷問、ていうシチュエーションよ。どう礼子?」礼子の美貌に凄絶な微笑が浮かぶ。嗜虐と冷酷さと残忍さに満ち満ちた微笑だ。「玲子、あなたってほんと、最高ね!本物の拷問、ああ、最高のシチュエーションよ!こんな機会、二度とないわ、やろう、拷問、今日は最高の一日になるわ!富美ちゃん、朝子、あなたたちもやるわよね?あ、もっとも」礼子はクスクス笑う。「嫌なら別にいいわ、無理にとは言わないから遠慮なく言って。代わりにその分、私がいっぱい拷問させて貰うから!」「あ、礼子ずるい!独り占めはよくないよ、ねえ富美ちゃん、私たちだって拷問したいよね!?」「当然よ!大体、一番拷問する権利があるのは私なんだから!」
「OK,話は決まったわね。じゃあ礼子、手伝って。連中が失神している間に下準備をしておこう!」「下準備?どうするの?」「うん。いつも礼子が慎治を苛める時と基本的には同じよ。拷問中に動かれたり、抵抗されたりしたら面倒だからね。完全に動きを封じておくのよ。一応ロープ用意して来たからさ、今のうちにしっかり縛り上げとこう。」ロープで縛る?全く用意周到なんだから。玲子ったら、もしかして拷問まで今日の予定に入れてたんじゃない?もう、この苛めっ子は・・・苦笑しながらも礼子は自分の中で残虐性が抑えきれないくらい高まりつつあるのを感じていた。残虐性、いや破壊衝動、と言った方が正しいだろうか。坊野たちの肉体を痛めつけ、精神を屈服させてやる。慎治たちを苛めるときは一応、一生残るような傷は与えないように気を配っているけど、今はそんな必要更々ない。どうやって痛めつけてやろうかしら。どんな悲鳴をあげるかな。誰の悲鳴が一番大きいかしら。思いっきり手加減なしで痛めつけたら、どんな風に痙攣するのかな。楽しみ・・・ゾクゾクしちゃうわ。肉体が奥深くから燃え上がるのを楽しみながら坊野たちを縛り上げようとした時、ふと礼子の手が止まった。・・・そうよね。今日は拷問をするのよね。普段の苛めなら縛るだけでいいけど、もっと遥かに暴れるんじゃないかしら。それにこの人たち、慎治たちよりはずっとパワーもあるわ。もっと念入りに、抵抗できないように仕込んどかないと集中して拷問を楽しめないわね。「ねえ玲子、拷問にかけたらこいつら、流石に死に物狂いで暴れるんじゃないかしら。ロープで縛るだけじゃちょっと不安よ。どうやっても抵抗できないようにしとこうよ。」どうやっても抵抗できないようにする?確かに礼子の言うとおりね。だけどどうやって?「・・・そうね。確かに縛るだけじゃちょっと不安ね。だけどどうやる?礼子、何かいい考えある?」「うん。要は仮に拷問中にロープが外れても、動けないようにしとけばいいのよ。縛る前にね、連中の肩と股関節、左右両方とも外しちゃおう。その上で縛っちゃえば、腕も脚も力の入れようが無くなるから、絶対にほどけないよ。それに万々が一ほどけちゃったとしても、関節外しておけば立つことすら出来ないからね、怖くも何ともないよ。まあ、本当は関節を外すのも立派な拷問の内だから気絶してる間に外しちゃうのは勿体無い気もするんだけどね、意識を取り戻されてからじゃあ仕事が厄介よ。連中がお寝んねしてる今のうちに、さっさとやっちゃおう!」なるほど、流石は礼子ね!確かに肩と股関節を全部外しちゃえば、連中もう、どうしようも無くなるわね。後は・・・私たちの思うがままよ!「OK,じゃあ私は奈良村さんと須崎さんをやるから、礼子は坊野さんと検見川さんをよろしくね。」
ゴキッ・・・バキッ・・・嫌な音が何度も何度も響いた。礼子たち二人は四人の腕を、脚を掴むと無造作に、次々と関節を外していく。いくら武道の達人である礼子たちでも、実戦で相手の関節を外していくのはそう簡単なことではない。相手も生身の人間、必死で抵抗するし逃げもする。だが今は坊野たちは四人とも完全に失神し無防備の状態、これなら仕事は簡単だ。礼子たちはニワトリの羽でも折るかのように、いとも簡単に坊野たちの関節を外し、一人四回、四人合計十六回、関節が外される音を響かせた。全員の関節を外したところで玲子がバッグから四本のロープを取り出し、礼子に二本を渡した。「じゃあ礼子、そっちをお願いね。こんな風に腕と脚をしっかり重ねて縛っちゃって。」肩と股関節を外され、普段より遥かに体が柔軟になった奈良村の両手両足を背中側に回すと手首を膝裏と、肘を足首と重ねて厳重に拘束し、更に左右の腕、脚をびったりと重ねて縛りつけた。玲子たちはヨットにも乗るだけあってロープワークはお手の物だ。絶対にほどけず、緩まない縛り方でしっかりと拘束する。SNOW CRACKが未だ完全に気絶している間に、拷問の準備はすっかり整った。これだけ厳重に縛られては絶対に抵抗できない。第一、手足を四本とも外されているのだ。寝返りを打つことすらままならない。すっかり準備が整ったのを見た朝子が、例によってキョトンとした表情で尋ねた。「ねえ玲子、拷問、ていいんだけどさ、よく考えてみたら今日は私たち、鞭も何も持ってきてないじゃない?どうやろう、道具もなしで、拷問なんてできるのかな?」「チッチッ・・・」玲子が立てた人指指を振った。「朝子、難しく考えないの、そんな大げさな道具がなくても、十分に痛い目にあわせてやるのなんて簡単よ。たとえば連中、ナイフだバットだ、て道具を用意して来てるじゃない?それを使うだけでも十分、拷問できるわよ。ま、単純にナイフで刺すとか切るとかじゃなくて、どう創造的な拷問を考えるか、そこが腕の見せどころよ!」
「そう、朝子も富美ちゃんも頑張ろうね。もう滅多にないチャンスなんだから、精一杯楽しい拷問を考えようね。」ロープの具合を確かめていた礼子が振り返る。「あ、そうだ。拷問を始める前に、少し前振りもしておこうか。」「前振り?何するの?」「うん、折角拷問するのにさ、ちょっと痛めつけただけで直ぐ白状されたら興醒めじゃない?だからさ、こいつらが絶対喋ってたまるか、て私たちに対して目いっぱい反抗的になるようにしとくのよ。そしたらさ、その反抗的な態度を屈服させるのもまた、拷問の最高の楽しみのひとつになるよ!」「いいわね。礼子、乗ってきたジャン!OK,いいわよ、前振りは礼子に任せるわ。私たちも合わせるから。」礼子たちはゆっくりと各々の獲物に近づき、活を入れて意識を取り戻させる。「グッ・・・グブウッッッ・・・」苦しげに大きく息を吐き出しながら坊野が息を吹き返した。「ウグッ・・・」失神していたおかげで忘れられていた痛みが復活する。未だ目も耳も、腹も喉も足も、全身のあちこちが痛い。だが痛みだけではない。全身が何か、不自然に緊張している感じがする。「・・アヅアッ!!!」無意識に腕を動かそうとした坊野の肩に激痛が走る。動かない。腕はまったく動かないのに肩と、何故か分からないが股にも激痛が走る。必死で首を動かすと自分の脚と腕が完全に重なっている。な、なんだ???ロープ?俺は縛られてるのか?
「お目覚めかしら、坊野さん?」コツコツと頬を小突かれ、坊野は上を見た。礼子の美しい顔が自分を見下ろしていた。そして頬を小突いているのは、礼子の茶色いブーツの爪先だった。「随分よく寝てたわね。いい加減、待ちくたびれちゃったわよ。」「て、てめえ、よ、よくもやりやがったな・・・お、覚えてやがれよ、必ず、必ずこの礼はするからな!」
「あら怖い怖い、でももう少し、自分の置かれた状況を見てから物を言ったほうがいいわね。」礼子はスッと右足を上げると、ゆっくりと坊野の顔を踏み躙る。頬を、鼻を、口をゆっくりと踏み躙る。「グッ、ブアッ、ゴ、ごの、や、やめろーっ!!!」顔面を女の子のブーツに踏み躙られる屈辱に坊野は絶叫しながら必死で顔をそむけようとする。だが両手を完全に縛り上げられ、しかも全く動けない体では、いくら顔をそむけても却って礼子のブーツに自分の顔をこすりつけているようなものだ。「アハハッ!そんなに私のブーツが好きなの?坊野さん、あなたもしかして変チャン?ギャングだなんて大嘘で、本当は私に苛めて欲しくて後つけてる、ストーカー君なんじゃないの?ねえ、土日はもしかして、秋葉原にでも入り浸ってるんじゃないの?」笑いながら礼子は坊野の顔面を踏み躙り続け、更に嬲る。「ほら白状しなさいよ、僕たちSNOW CRACKはお宅のストーカー集団です、てね!アハハハハハッ!ほらいい子でおねだりしてごらん!お願い、僕ちゃんを苛めてくださーい、てね!アハハハハハハッ!」「ち、畜生、な、舐めんじゃねえ!俺たち、俺たちSNOW CRACKを舐めんじゃねええっっっ!!!」坊野は顔中を口にして必死で絶叫した。四肢の関節を外され、厳重に縛り上げられた坊野にできる唯一の抵抗は唯一つ、空しく叫び続けることだけだった。
「ち、畜生!ほ、解きやがれ、このロープをほどきやがれーっ!グッ・・・」コンコンッ、礼子はブーツの踵の角を立て、坊野の喚き散らす口を軽くノックする。歯や唇は筋肉が無く神経に直結する敏感なポイントだ、いくら軽く、とはいえブーツの踵で小突かれてはかなり痛い。「まあどうでもいいわ、タッキー君、苛めるのは勘弁してあげる。私ね、お宅って趣味じゃないの。どうせ苛めるなら、もうちょっと可愛い坊やを苛めたいわ。」一旦言葉を切った礼子の切れ長の瞳に、妖しい光が輝く。「だから許してあげるわ。但し、私の質問に素直に答えてくれたらね。いい?タッキー君、なんで私たちを襲ったの?貴方たちみたいなお宅のストーカー坊やたちが、私たちを襲おう、なんて勝手に思いつけるわけないわ。誰かに頼まれたんじゃないの?白状しなさい、誰に頼まれたの?白状したら・・・これ以上苛めるのだけは許してあげるわ。」ゆ、許してあげるだ!?た、タッキーだ!?い、苛めるだ!?未だ自分の立場を、そして礼子の性格を理解できない坊野の頭に血が上る。「ざ、ざけんじゃねーっっっ!!!だ、誰がてめえの言いなりになってたまるか!お、俺を誰だと思ってやがる!な、舐めんじゃねーぞ、だ、誰がしゃべるもんか!てめえの質問になんぞ、絶対に答えてやるもんか!」スッと礼子はブーツを坊野の顔から下ろし、地べたに転がされたまま喚く坊野を見下ろした。「随分威勢がいいわね、タッキー君?でもいい?私の質問には素直に答えた方が身のためよ。もし答えたくないなら、お願いです、答えさせてください、て貴方が泣いてお願いしたくなるようにするまでよ。いい?よく聞きなさい。私の質問に素直に答えないなら・・・拷問に掛けるわよ?」
拷問・・・一瞬、坊野の目に狼狽と恐怖の色が浮かんだ。礼子はつい先程手酷く痛めつけられた相手、しかも痛めつけるツボを心得ていそうな相手だ。おまけに今、自分は厳重に縛られていて身動き一つ取れない。一体、どんな目に会わされるのか・・・馬鹿野郎、俺は何を弱気になってるんだ!?相手はたかだか女一匹じゃねーか。俺だって何十回も喧嘩してきたんだぜ、殴られたことなんか幾らでもあるわな!こんなクソガキ一匹に何ビビッテんだよ!こんな女程度に殴られる程度、全然怖くねーだろーが!必死で気合を入れ直し、坊野は地べたから礼子を睨み上げた。「あ?それで俺を脅してるつもりかよ!?この坊野を舐めんじゃねーぞ!誰がてめーなんぞに喋ってやるもんか!殴りたきゃ殴りやがれ!てめーに殴られた程度でな、この俺が詫び入れる、とでも思ってんのか?笑わせんじゃねえ!」ゾクッ・・・喚きながら坊野の背筋に悪寒が走った。礼子は笑っていた。その美しい顔に浮かんだ笑みは親しみ、好感を感じさせるものでない。どこかで見たことのある顔だった。そうだ、この顔、俺たちが拉致った奴らにヤキ入れる時の顔じゃねーか。だが礼子の笑みはなまじ美貌の分、より迫力があった。猫が鼠を弄ぶような、残忍、冷酷、無情な笑みだった。「言ってくれたわね、タッキー君?いいわ、私の警告を無視するなら、勝手にしなさい。拷問に掛けて泣き叫ばせてあげる。その強がりがいつまで続くか、楽しみね。」
傍らでは玲子も同じように、奈良村を挑発していた。「どーお、お目々覚めた、タマナシ君?おっきの時間ですよーお?」漸く意識を取り戻した奈良村の頬を、玲子はブーツの爪先で軽く打った。「・・・う、ううっ・・・て、てめえ、さ、刺しやがったな・・・覚えてろよ・・・ぜ、ぜってーこ、殺してやるからな・・・」「うーん、タマナシ君、君、頭軽すぎない?もしかして君の脳みそ、皺が全く無いツルンツルンなのかな?タマナシ君の細腕じゃお姉さんに勝てないって事くらい、未だ分からないの?学習効果のない坊やねえ。それじゃお猿さん以下でちゅよお?幼稚園からやりなおちまちょうかあ?」幼児言葉でおちょくる玲子にまんまと乗せられ、奈良村は逆ギレして喚き散らす。「っせえ、るせえええ!!!ざ、ざけんじゃねえええっ!ぶっ殺す、てめえだけはぜってーにぶっ殺してやっからなあああ!!!ブバッ!」絶叫する奈良村の唇を玲子のブーツが踏み躙る。「はーい、タマナシ君、お部屋の中でおっきな声を出すのはやめまちょうねえ。そんなに喚かなくても、十分に聞こえまちゅよおお。じゃあね、今度はおねえさんからの質問のお時間でちゅよー。」「質問?ざ、ざけんじゃねえー!てめ、この糞ったれの足をどけやがれ!こ、こんなことしやがって、俺がてめーの質問に答えてやるとでも思ってやがるのかーっ!!!グエッ!」玲子は奈良村の顔を踏み躙るブーツにグッと力を込めた。「たっまなっしくーん!きみはほーんっとうに、おバカですねえー!いいですかーっ?君は今、お姉さんにこてんぱんにやっつけられたあげくに、こうやって縛られてなーんの抵抗もできないんですよー?」スッとブーツをどけ、玲子は奈良村の顔を真上から見下ろす。「よーく聞きましょうねえ。大人しくお姉さんの言うことを聞かないと・・・イタイイタイのお時間にしちゃいますよ?」ゾクッ・・・奈良村の背筋に悪寒が走った。下から見上げる玲子の顔は真剣に美しかった、奈良村が今まで会った全ての女の子の中でも一、二を争うのは間違いない。だが玲子の美貌には危険な毒がある。奈良村を見下ろしながら玲子が浮かべている微笑こそが奈良村の背筋を凍りつかせていた。残忍冷酷、弱者をいたぶる事に楽しみを感じる目。だが玲子の視線はそれだけではない、もっと遥かな残酷さ、いや邪悪さと言った方が正しいオーラを発散させていた。見るものの視線を捕らえ、目を逸らすことすら許さない。邪眼、見るものを破滅に引きずりこむ魔性の瞳。切れ長の玲子の瞳に吸い込まれるように、奈良村は釘付けにされていた。な、なんだ、何で俺はこいつの目をじっと見ているんだ。なんでこいつに、たかが女に気圧されているんだ。玲子は奈良村が動揺しているのを当然のように見下ろしていた。玲子にとっては見慣れた光景だ。フン、そうよ。そうやって怯えているのがあなたにはお似合いよ。「いい?頭の悪い君にも分かるように、はっきりと言ってあげるわね。素直に私たちの質問に答えなさい。さもないと・・・拷問にかけるわよ。君たちのやってきたような、子供騙しのリンチなんかじゃない、本物の苦痛、ていうものを味合わせるわよ?」
ゾクッとする、という点で言えば、須崎も背筋に悪寒を感じていた。漸く意識を取り戻した須崎を見下ろしていたのは朝子だった。相変わらずキョトンとした顔に無邪気な微笑を浮かべつつ、朝子が小首をかしげた。「大丈夫?お鼻、潰れちゃったみたいだけど、どう?息できる?」如何にも心配しているような素振りと裏腹に、朝子はブーツの爪先でトントンと須崎の顎を小突いた。朝子の天空脚に割られた顎に激痛が走り、須崎は思わず悲鳴をあげる。「いで、イデデデ!て、てめえ、何しやがるんだ!」「アン、そんな怒らないでよ、別にもう、何かするつもりはないんだからさ。顎がどうなったか心配だから確かめてあげてるだけよ。」そう言いながらも朝子は須崎の顎を小突き続ける。
「いで、や、やめろ!!!」声を出しただけで顎の傷に響き、須崎は全身を身悶える。朝子はちょっと足を振り上げただけで、自分の足元で須崎がうめくのを面白そうに眺めていた。玲子たちのように苛めて楽しんでいる、というのとも違った表情だった。面白そう、ある意味、子供のように純真な、邪心のない表情だった。楽しむ、というより興味深く観察している、といった表情だった。苦痛にあえぐ須崎の顔に恐怖の色が浮かんだ。な、なんだ、なんなんだ、こいつは・・・朝子の目は須崎の知らないタイプの目だった。暴力を楽しんでいるのならまだ分かる。俺だってそうだ。だけど、こいつはなんなんだ!?朝子の目に浮かんでいるのは楽しみではない、興味、純粋な興味だけだった。子供が公園に行って、見るもの全てが刺激に満ちあれなに、これなに、と探求する時の目付きだ・・・いや、この目、どこかで・・・そうだ、昆虫採集、いや採集なんてお上品なもんじゃない、ガキの頃、虫やカエルを捕まえて羽や脚をもぎったり解剖して遊んだ時のあの顔、あの目だ・・・須崎は冷や汗がながれるのを感じた。こいつ、俺のことを人間と思っちゃいねえ・・・俺をいじったらどんな反応するか、俺のことをモルモット扱いする気だ・・・拷問、礼子たちは俺たちが質問に答えなかったら、拷問に掛ける、と言いやがった。たかが女、大して痛くもねーだろうが、こいつは・・・何するか分からねえ・・・
だがその時、奈良村と須崎の弱気を吹き飛ばすかのように坊野の怒声が響いた。「て、てめえら!奈良、須崎!イモ引いてんじゃねーぞ!こんなクソガキどもにビビってんじゃねーだろうな!てめえら、こいつらの言いなりに口割りやがったら、後で俺がぶっ殺すぞ!!!」ビンゴ!礼子は心の中で快哉を叫んだ。いいわよ、その調子!そうやってバーをどんどん高くしてね。バーが高いほど・・・拷問のやりがいがあるっていうものよ!両手を叩いて喜びたいのを必死で堪えながら礼子はブーツで坊野の顔を軽く踏みつけた。「後悔するわよ、タッキー君?私の忠告を聞かないと、痛い目に会うのはあなた自身よ。それに・・・」クスクス笑いながら礼子は続けた。「痛いよう、もう止めてよう、なんでも喋るからお願い、許して、て真っ先にピーピー泣きながら白状するのはタッキー君、君だと思うわよ。」「な、何だとー!ざ、ざけんじゃねえ、何でこの俺が真っ先に白状するっつうんだ!」「まだ分からないの?簡単なことよ。」ああ、いいわ、盛り上がってきたわね。礼子は大きく深呼吸した。「あなたを拷問するのは、この私だからよ。」ぐっ・・・完全に頭に血が上った坊野といえども、流石に礼子の宣告には恐怖を禁じえない。だがその恐怖を振り払うかのように坊野は叫んだ。「る、るせええっ!!!だ、誰がてめえの言いなりになってたまるか!SNOWを舐めんじゃねえ!し、死んでもてめえらには何も喋っちゃやらねえぞ!!!」いい、坊野さん、あなたって最高!本当、最高の盛り上げ方よ!KISSしてあげたい位!ああ、夢にまで見た拷問、最高のシチュエーションになったわ。さあ、たっぷりと楽しませてね。私の生涯最初の拷問を!礼子の美貌に凄絶な微笑が浮かんだ。「そう。それなら仕方ないわ。拷問・・・開始よ!」
「これ、何か分かる?」坊野の目の前にしゃがみこんだ礼子が見せたのは数本の鉛筆とボールペンだった。坊野たちが気絶している間に、工場の片隅にあったデスクから探してきたものだ。こ、このアマ、な、何を考えてやがる・・・礼子を見上げる坊野の目線に警戒心に混じって微かに恐怖の色が浮かぶのを礼子は満足げに見下ろした。「フフフ・・・見てのとおり、これは鉛筆とボールペン、種も仕掛けもない、ただの鉛筆とボールペンよ。だけどね、この鉛筆とボールペンが今からあなたに、地獄を見せてくれるわ。単純に殴る蹴る、なんてのとは比べ物にならない苦痛をね。」言い放つと礼子は無造作に坊野の背中に腰を下ろした。「グウッ!て、てめえ、どきやがれ!」坊野は必死で礼子を振り落とそうとするが、厳重に縛られ、身動き一つ出来ないのではどうしようもない。
礼子は坊野の右手薬指を握ったかと思うとぐっと引き上げ、薬指の下を通して中指の上に一本の鉛筆を忍び込ませる。続いて人差指を掴み、鉛筆をその下に進ませる。「準備OK,さあこれ、どういう拷問か分かる?ま、古典的な拷問だから知ってるかもしれないわね。子供の頃、おふざけで友達とやったこともあるんじゃない?だけどね、本気でやれば結構、痛い拷問になるわよ。」言いながら礼子は坊野の太い指に優しく掌を重ねた。一瞬、凄絶な微笑を浮かべた礼子がぐっと坊野の指を握り締める。礼子の掌と言うより、自らの人差し指、薬指に押されたボールペンが坊野の中指に食い込む。「ぐ、グウァアアアッッッ!!!」激痛に坊野は必死で抗い、何とか指を開こうと、何とか礼子の手を振り解こうとする。だが、どうにもならない。もともと礼子が握っているのは坊野の指の内、人差し指、中指、薬指の三本だけだ。いくらパワフルな坊野とは言え、指三本だけでは仮に無条件での力比べだったとしても、並みの男性を遥かに上回る握力を誇る礼子に勝つことは不可能だ。ましてや力の支点となる両肩を外され、普段の力の何分の一かしか出せない上に両腕を厳重に縛り上げられていては、指を開くことも腕を動かすことも、どうあがいても絶対に不可能、むしろ必死で指を開こうとする余り、却って中指を自ら余計強く、ボールペンに食い込ませてしまう始末だった。殴る、蹴るとは全く違う局所的な、一点集中の痛み。それも筋肉ではなく、骨に直接食い込み、ゆっくりと全身を蝕む激痛だった。余りの痛さに眼の奥でチカチカと星が瞬くような気がする。錯覚ではない。激痛に血圧が急上昇し、呼吸まで荒くなっている。指なのに、たかが指一本を責められているに過ぎないのに。細身の女の子に手を握られているに過ぎないのに。その激痛は坊野の意識の全てを支配しつつあった。
「グアアッッッ・・・い。イデエェェェッッッ」悲鳴と共に坊野の全身が苦痛と全身の筋肉に無駄に力を込める反動でビクビクと痙攣する。いい、最高・・・礼子は自分の尻の下で坊野がもがき苦しむ様をゆっくりと堪能していた。耳に心地よく響く絶叫に加え、坊野の痙攣が礼子の尻を通して直に体の奥底を揺さぶる。いいわこれ、最高の気分ね。なんだっけ???そう、ボディソニックチェアだったかしら?あれみたいね!昔懐かしいAVツールを連想しながら礼子は坊野の苦悶をじっくりと楽しんでいた。ふふ、なかなかいい悲鳴じゃない?でもね、まだまだ拷問は始まったばかりなのよ。礼子はゆっくりと手を開き、坊野を一旦解放してやる。「くっ、ううぅ・・・」だが解放されたからと言って、坊野の苦しみは直ぐには終わらない。激しく圧迫され、血行障害を起こした中指に再び血が流れると、麻痺しかけた痛覚が蘇り、ジンジンと痺れるような新たな痛みが走る。「う、ううう・・・」坊野が荒い息をつくのをしばし観察していた礼子がゆっくりと拷問の再開を宣告する。「フフ、そろそろ痛覚も復活したようね。じゃ、拷問再開よ!」「ひ、ひいっ・・・や、やめろ、やめろーっっっ・・・い、イデーッッッッ!!!」
再び礼子がゆっくりと坊野の手を握り締め、ボールペンを食い込ませる。礼子はゆっくりと拷問を繰り広げた。締め上げて坊野を絶叫させ、痛覚が麻痺しかけると緩めて感覚を復活させる。更にボールペンの位置も微妙にずらしながら拷問するので、いつまでたっても痛覚が麻痺してくれず、坊野は延々と新鮮な苦痛を味わう羽目になった。5セット程度繰り返しただろうか、「ぎ、イギャーッッッ!」坊野の悲鳴に混じり、パキッと小さな音が響いた。「あら、ボールペン折れちゃったわ。坊野さん、良かったわね、少し休憩できて。私、まだ休ませてあげるつもりはなかったのよ。」礼子は苦笑しながら坊野の鼻先で真っ二つに折れたボールペンをブラブラさせた。「・・・ハッハッハアッッッッ・・・や、やめろ、もうやめでぐれ・・・」「何言ってるのよ、しっかりしなさい、ほらシャンとする!」ピシーンっ!と礼子は坊野の頬を平手打ちし、喝を入れた。「SNOW CRACKの意地を見せてくれるんじゃなかったの?大体大げさに騒いでいるけど、、大して傷なんかついてないじゃない。ほら、よく見てごらんなさいよ、血の一滴すら流れてないわよ!?」坊野はズキズキ痛む中指をピクピクと動かしながら、礼子が突きつけたボールペンを涙目で見た。「う、うそだろ、なんで・・・」確かに礼子の言うとおり、血の一滴すら付いていない。坊野には見えないが、中指の付け根から第一関節にかけてが紫色、というかどす黒く変色しているがそれも極々狭いエリアに留まっている。「あ、あんなに痛かったのに、なんでだ?なんで傷一つついてないんだ?」散々他人に暴力を振るってきたとはいえ、坊野たちの暴力は単純な、殴る蹴るといったストレートな暴力に過ぎない。痛さと傷はほぼ正比例する。長時間激痛を与えながら、なおかつ傷を余りつけない礼子の技術は坊野の想像の埒外、理解を超えていた。当惑は恐怖に変わり、坊野の中で礼子が得体の知れない怪物に変貌していく。背筋を流れる汗を妙に冷たく感じた時、礼子の凛とした声が響いた。
「さあ、もう休憩は終わり、拷問再開よ!」言うなり礼子は、今度は三本のボールペンを同時に手にした。「ヒッ!こ、今度はな、何をする気だ!?」クスクス、と礼子は楽しそうに笑った。「拷問の趣向を変えるのよ。さっきの責めはもう飽きたでしょ?今度は別の拷問で苛めてあげるわ。」あ、新しい拷問!な、何をする気だ!!!坊野は恐怖の余り失禁しそうになった。だが初めての拷問に興奮している礼子は、坊野に考える暇さえ与えない。一本目のボールペンは人差指と中指の間、次いで二本目は中指と薬指の間、三本目は薬指と小指の間、と礼子は立て続けに三本のボールペンを坊野の指に挟んだ。勿論坊野は必死で抵抗しようとするが、指一本の力など知れているし、そうでなくても先程の拷問でかなり消耗している。礼子は難なく抵抗を排除して拷問の準備を整えた。
「さあ準備完了!どう、もう分かった?今度はどういう拷問か。そうよ、こうやって苛めるのよ!」言うなり礼子は坊野の掌側に三分の一程度突き出たボールペンを左手で纏めるように握り、次いで三角形に開いて手の甲側に突き出たボールペンを右手で掴んだ。「逝くわよ、覚悟はいいわね。」礼子はゆっくりと絞るように右手に力を込める。「ぎ、ぎあっ、や、やべ、いだいいいいっ、いだ、いだ、やべでぐれーーーっ!!!」坊野の絶叫が轟く。突き出たボールペンは梃子の原理で礼子の握力をほぼ二倍に拡大し、坊野の指に伝える。指自体にはクッションになる肉は少ないし、第一横からの力に対しては人体の構造上、いくら力を込めようとも抵抗は殆ど不可能だ。中指と薬指の骨にボールペンが食い込む。外側から、そして真中に挟んだボールペンが両指に食い込み苦痛を更に拡大する。
頭の中が苦痛で真っ白になっていく。いたいいたいいたい・・・痛み以外何も感じられない。礼子が強く握ると坊野は殆ど自動的に悲鳴をあげ、緩めると荒い息をつく、また握られて喚き散らす、その無限ローテーション、たった三本のボールペンの拷問だけで、礼子は完全に坊野をコントロールしていた。坊野の感覚の全ては礼子の思うがまま、礼子は自由自在に坊野の苦痛をコントロールし、拷問を楽しみ続けていた。
礼子が拷問を開始するのとほぼ同時に、玲子も楽しみ始めていた。「さあタマナシ君、覚悟はいいわね?私は十分に警告してあげたはずよ。それを断ったのは君自身。て言うことは君が自分で、私にお願い拷問してください、ておねだりした、て言うことだからね。これから私にどんな酷い目に会わされたって、それは自業自得というものよ?」悠然と微笑む玲子に奈良村は内心のビビリを必死で押し隠しながら絶叫した。「ひ、酷い目、拷問だあー?て、てめえ何をするつもりなんだよ!?」「別に難しいことをするつもりはないわよ。頭の悪い君でも良くわかるように、拷問の定番商品で責めてあげるわ。」言いながら玲子は再び、ウエストからベルトを引き抜いた。パシーンッ!と二つ折りにしたベルトを打ち鳴らす。「礼子は貴方たちのプレジに結構、何発もベルトをお見舞いしてたみたいだけど、タマナシ君はさっき、すぐ伸びちゃったからたった二発しか私の鞭、味わってないでしょ?だからその分、たっぷりと味あわせてあげるわ。」ヒュンッ!バシーンッ!言いながら玲子が振るったベルトが奈良村の背中を打ち据える。「っあっ!」「何演技してるのよ、役者やのおーーーっ。若いのに芸が上手すぎるわよ。ったく、服着たままで、しかもロープまであるのよ、こんな程度のベルトで痛いわけないじゃない。こんなんじゃ拷問はおろか、SMごっこにすらならないわよ?」
玲子は笑いながらブーツの爪先を奈良村の胸の下に差し込むと、グイッと一気に蹴り転がした。「ギアッ・・・イダイ!」関節を外された肩に力がかかり、奈良村の口から悲鳴がもれた。その奈良村の胸を玲子のブーツが踏みしめる。「な、何をする気だ・・・」奈良村の声が妙に弱々しくなっていく。「一本鞭ならともかく、今日はベルトしかないのよ、拷問っていうからには、せめてこれ位はやらなくちゃね。」玲子はベルトの先端でゆっくりと奈良村の顔を撫でた。「さっきの礼子の鞭、見てなかった?拷問、ていうからにはせめてあれ位の鞭にはしてあげたいな、てお姉さん思うのよねえ。あ、そっか、君はあっさりお寝んねしちゃってたものね。見てなかったか。じゃ、教えてあげる。このベルトでね、たっぷりと君の顔を鞭打ってあげる。遠慮しないでいいわよ。一生懸命抵抗してね。ちゃんと逃げないと、いつまでも引っ叩かれちゃうよ?」スッと右足を奈良村の胸から上げた玲子はそのまま奈良村の胸をまたぎ、仁王立ちになる。
か、顔を引っ叩く?しかもベルトで?思わず奈良村が悲鳴をあげそうになる機先を制し、玲子のベルトが唸る。ヒュオッ!バシーンッ!ギアーッ!したたかに打ち据えられた奈良村の頬が乾いた音を立てる。全く、今から拷問楽しむんだから少し静かにしててよ。貴方は一番弱そうだから、ほっといたら何にもしない内に白状しちゃいそうだわ。暫くは声も出ないように苛めてあげないとダメみたいね。玲子のベルトが立て続けに宙を舞い、奈良村の顔面に襲い掛かる。バウッ!パシッ!ビシャッ!パシーンッ!・・・「ヒ、ヒィッイ、イダイ、ブファッヒギーッッッ!!!!!」立て続けに襲い掛かり顔面を打ち据えるベルトに奈良村は恥も外聞もなく悲鳴を上げつづけた。
「アハハッ、何イタイイタイって騒いでるのよ大げさね!」パシーンッ!と一際高い音を立てて奈良村の左頬を打ち据えると、玲子はグイッとブーツでその頬を踏み躙った。「全く、私、礼子と違って君の目も耳も打ってないのよ?私、さっきから君の頬っぺたしか引っ叩いていないわよ?それをまあイタイイタイってこんなに騒いじゃって、ほんと役者よのおー。その根性、叩き直してあげるわね!」何とも楽しげに言い放った玲子は、ブーツをどけるなり再びベルトの往復ビンタを繰り出す。確かに玲子は奈良村の頬しか鞭打たず、より多くの苦痛を与えられる目や耳は敢えて狙っていなかった。当然だろう、それは必要ないからだ。確かに頬をベルトで鞭打たれるだけでも通常の平手打ちの何倍も痛いだろう。だが実のところ、顔面の痛みは玲子の拷問の半分に過ぎない。今、奈良村は仰向けに横たえられている。脱臼させられた肩、股関節を不自然に折り曲げられながら。玲子に鞭打たれる度に、奈良村は反射的に全身に力が入り、身を捩じらせてしまう。その動きが外された肩、股間に無理な力として伝わり、ねじれ、新たな激痛を呼び覚ます。玲子の本当の狙いはそちらだった。
「ヒッ!ヒイッ!!!やべで、ぶぶっ!」虫けらのように地べたに転がされた奈良村を跨ぐように立ち、玲子は思う存分ベルトを振るいつづけた。「アハハッ!ほらタマナシ君、それでも逃げてるつもりなの?ちゃんと逃げないっていうことは、もっとお姉さんの鞭がほしいのかなー?よーし、じゃぁ一杯ご馳走してあげるわね!」腕、足が動かずしかも厳重に縛られた奈良村にできる動きはただ顔を左右に振る程度、転げまわって逃げることなど到底不可能だ。しかも上から見下ろす玲子にとって、奈良村がどう顔を動かそうが顎を引こうが、動きは丸見え、鞭打つ場所には全く困らない。「アハハハハハッ!そんなに顔振っちゃって、あ、そうか、わかった!右を叩かれたら慌ててそっちを下にしてるってことは、今度は左を叩いて欲しいのね!汝、右の頬を打たれたら左の頬を差し出すべし、てわけね!OK!ご要望通り、たっぷりと鞭打ってあげるわね!」パシッ・・・ビシッ・・・玲子のベルトは休むことなく宙を舞い続け、右から左から間断なく奈良村の頬を打ち据える。いくらベルトとはいえ、十分にスナップを効かせた玲子の鞭だ。通常の平手打ちとは比べ物にならない程の威力を発揮する。ひとしきり打ち据えた玲子が漸く手を休めた時、奈良村の頬は既に内出血に見舞われ腫れ上がり始めていた。あらあら、この分だと綺麗に腫れ上がりそうね。いわゆるサッカーボール状態、てやつ?
「う、ああ・・・い、びだい・・・グエッ!」脳天にまで響くベルトの連打にまだクラクラしている奈良村の鳩尾を玲子は踵で踏みつけ、喝を入れた。「フフフ、どうタマナシ君、大分効いてるみたいね。もうやめて欲しい?もう顔面鞭は許して欲しい?」玲子に散々苛められてきた信次たちなら、玲子のこの言葉の裏を、隠された毒を感じることも可能だったかも知れない。だが玲子とは初顔あわせの奈良村にそれは無理だ。奈良村は思わず、救いと信じて偽りの命綱を掴んでしまった。更なる泥沼へ誘うロープを。「あ、ああ・・・や。やべで・・・か、顔は、もう・・・ぶたないで・・・くれ・・・・」「いいわ、わかった。私、こう見えても結構優しいのよ。もう顔はぶたないであげる。安心して。」言いながら玲子は左手からベルトの先端を放すとスッとベルトを二つ折りにした。ああ、よかった・・・どうやらこいつも満足したようだ・・・顔の痛みはまだジンジンと残り、更に内出血の気持悪さを伴う痛みは徐々にひどくなっていたが、奈良村はほっとして全身から力を抜いてしまった。その瞬間、玲子は奈良村の鳩尾に乗せていた踵を再び、グッと踏み込んだ。「グボァッ!」
「タマナシ君、勘違いしてない?私、リンチを楽しんでるんじゃないの。今は君を拷問に掛けているのよ。約束通り、顔面鞭はもうお終いにしてあげる。でもね、それは拷問の趣向を変える、てことなのよ?」「ひ、ヒッ!い、な、なにをする気・・・」「怖い?知りたい?いいわ、教えてあげる。今度の拷問はこれよ!」玲子はベルトの先端を握ったまま、バックルのみを放した。バックルがブラブラと宙を泳ぐ。「ひ、ひっ・・・ま、まさか・・・」玲子に蹴り転がされ、奈良村は今度はうつ伏せにされた。「そうよ、漸くわかったみたいね。ご名答。だって体は服を着たままだし、背中はロープであちこちガードしてるでしょ?普通にベルトで叩いただけじゃ痛くもなんともないわよ。だから今度は、このバックルで鞭打ってあげるわね!」「ヒ、ヒイーーーッッ!!!や、やべ・・・ギャァーーッ!!!」ブオッ・・・バズッ!奈良村が悲鳴に似た哀願を叫ぶ暇も与えずに玲子は思いっきりベルトを振るった。先端に大き目の、頑丈な鉄のバックルがついたベルトは先程と明らかに違う、重々しい風切り音を伴って奈良村の体に忍び寄り、鈍い音とともに体に食い込む。十分なスピードを得た鋼鉄の一撃が奈良村の腕、丁度力瘤のできる辺りを打ちのめした。「ぐ、グブアアアアア・・・」骨まで響く痛みに奈良村は悲鳴すら上げられずに口をパクパクさせながら痛みに呻吟していた。「アハハハハッ!どう。タマナシ君、結構効いてるみたいじゃん!?やっぱ、この位痛くないと拷問されてる、て気がしないでしょ?さあ、ガンガン逝くわよ!」残忍な笑みを浮かべながら、玲子は全力を開放して立て続けに奈良村にバックルを叩きつける。「ウギャアァッ! ヒグッ、ガッ、ア゛ア゛ッ、イ゛ガア゛ア゛ア゛ッ!!」獣のような、悲鳴とも絶叫ともつかぬ咆哮をあげながら奈良村は玲子の鞭に呻吟しながら床をのた打ち回った。いや、のた打ち回った、と感じているのは本人だけで、実際には縛られた全身をビクビク痙攣させていただけなのだが。
ふう、二人ともよくやるわね、もう、ほんと、好きなんだから。玲子たち二人が嬉々として拷問に興じるのを朝子は半ば苦笑しながら眺めていた。朝子の足元には鼻と顎を蹴り潰された須崎が横たわっている。拷問ね・・・じゃ、私はこの人の担当拷問官って役回りか。まあいいけど・・・全く・・・朝子は些か面倒くささを感じていた。拷問が楽しくない訳じゃない。朝子とて玲子に十分に感化された身、他人を痛めつけるのは大好きだ。だが単純に鞭を楽しむならともかく、この場で咄嗟に効果的な拷問を考えろ、と言われては些か困ってしまう。うーん、何したらいいかな。あんま、いい手考えつかないな・・・蹴り潰した鼻や顎でもグリグリしてあげようかな?でも、それもしつこいだけで想像力にかけるわね。なんか、いい手ないかしら?
「ねえ須崎さん、成り行き上、私があなたのこと拷問してあげなくちゃいけないみたいなんたけどね、どうしたらいいかな?あんまりいい拷問考えつかないのよね。折角だから一緒に考えてよ。ねえ、どんな拷問して欲しい?何か希望はある?」問われた須崎の方が言葉につまる質問だった。こ、こいつ、何考えてやがるんだ?お、俺の顎、割りやがって、その俺にどう拷問したらいいか考えろだと?お、俺を、自分を拷問する方法を考えろだって?こ、このクソアマ、舐めやがって・・・思わず怒鳴ろうとした須崎だったが、口を動かした途端、顎の激痛に言葉すら発せられずに思わずうめいてしまった。グウウ・・・激痛が須崎の頭に僅かに冷静さを呼び戻す。痛みを堪えながら見上げた朝子の表情を須崎は一生忘れられなかった。
朝子の表情、須崎が想像していたそれは、他人を苛めることを心底楽しんでいる、肉食動物、ネズミを弄ぶネコのような表情だった。だが実際の朝子の表情は先ほどのファイトと同じく、ちょっと小首をかしげ、キョトンとした、どこか困ったような表情だった。楽しむ、といった感じはどこにもない。だが同時に須崎の痛みなど痛みとしてすら認識しない、いや意識すらしなさそうだった。どこかモルモットを見る科学者を連想させる表情だった。得体のしれない、今まで自分が会ったことのないタイプの恐怖に須崎は思わず言葉を失ってしまった。「ねえ、ねえったら!聞いてる?どう拷問したらいいか、一緒に考えてよ!」朝子は少し苛立ったような声をあげた。そ、そんな・・・何を言ったらいいかも分からず呆然としている須崎に苛立ったように、朝子は須崎のポケットに手を突っ込んだ。「もう、須崎さんたちは喧嘩やリンチ、いつもやってるんでしょ?何かいい道具持ってるんじゃないの?貸してよ!」
「や、やめろ!い、いや・・・」確かに須崎も獲物を持っていた。朝子に見つかるのを恐れた獲物、それは大型のメリケンサックだった。巨体の須崎に相応しい大型のメリケンサック、それで割られた顎や鼻を殴られたら!だが予想に反し、朝子はメリケンを面白そうにいじくりはしたものの、さして興味を示さなかった。「ふーん、こんなもん持ってたんだあ。ああ怖い。こんなもんで殴られてたら、私の折角の美貌が台無しになるところだったわ。ああ怖い。」折角の美貌、そりゃ確かにてめえツラは綺麗だとしてもよ、自分で言うんじゃねえ!心の中で悪態をついた須崎だが、一瞬後、その顔が凍りついた。朝子が大きな瞳をキラリと輝かせながら、ある物を握り締めたのだ。それは・・・大型のZIPPOライターだった。
「いいもの見つけちゃったっと!」クスクス笑いながら朝子はZIPPOの蓋を開け閉めした。玲子と違って朝子はタバコは吸わないが、ライターの着け方位はわかる。拷問を楽しんでいる玲子たちの方をひょいと見てから再び須崎に向き直った時、朝子はついさっき迄の困ったような表情とは一変し、新しいオモチャを与えられた子供のようにワクワク、ウズウズした笑顔を満面に浮かべていた。「玲子たちは鞭とペンで楽しんでいるみたいだから、私はちょっと趣向を変えようね。だーいじょうーぶよ!こう見えても私、結構優しいんだから、痛い思いはさせないわよ、安心して。」須崎の顔の前にしゃがみこみ、朝子はゆっくりとライターを弄んだ。「やや、やめろ・・・や、やめろよ・・・な、なにするきだよ・・・・」須崎の顔が恐怖に歪んでいく。ウフフ、バカみたい、こんなに怯えちゃって。まだなんにもしてないのにね。シュボッ、ヒッ!朝子がライターを灯した瞬間、須崎の口から思わず悲鳴が漏れた。眼前10センチに灯された炎。今まで無数に見てきたものだし、タバコを吸うときはもっと近くで着ける。だが今はわけがちがう。縛られて身動き一つできない自分。そして自分の目の前でライターを灯し、楽しそうにクスクス笑う美少女。そして、その美少女が可愛いルックスとは裏腹に、他人を傷つけることを何とも思っていないことは先刻、たっぷりと身をもって味合わされたばかりだ。今の須崎にとって目の前のライターの炎は、タバコに火をつけるためのちっぽけな炎ではなくなっていた。それは原始の炎、野獣が本能的に恐れた、克服しようのない恐怖に膨れ上がっていた。
「須崎さん、す、ざ、き、さん!ねえ、ねえったら!!!」パンッ!朝子の平手打ちに漸く須崎は現実に引き戻された。まだ何もされていないのに既に全身油汗まみれだ。「ねえ、私、これからどうするかわかる?どうやって拷問するのか、わ、か、るーっ?」わからない訳がない。文字通り火を見るより明らかだ。だが、そんなことを自分の口から言えるわけがない。「や、やべ・・・ゆ、ゆるじで・・・」「あん!そんな泣き声ださないでよ!何言ってるかわからないじゃない!ねえ、私、どうやるかわかる?て聞いてるんだよ!?簡単でしょ、答えてよ!答えてくれないなら・・・火炙りの刑だぞー!」朝子がグッとライターの炎を須崎の鼻先に近づける。「ヒアッ!あ、熱い!や、やめて、火炙りだけは許してくれーっっっ!」もはや恥も外聞もない、須崎は絶叫し、何とか逃れようと必死で全身をくねらせる。
「キャハハハハハッ!わかってるじゃない!そうよ、火責めにしてやるわ!」拷問開始を宣告するや否や、朝子はピョンッとジャンプした。ドスッ!グエッ!見事に須崎の背中のど真ん中にヒップドロップで着地した朝子は須崎の指先にゆっくりと炎を近づけていった。「さあてっと!じゃ、拷問開始っ!朝子の火責め拷問、たっぷりと楽しんでね!」笑いながら朝子はゆっくりとライターの炎を須崎の指先に近づける。「イアッ!ヤ、ヤメ、ア、アヂッ!アヂアヂアヂイイイッッッ!!!」早くも須崎の絶叫が轟いた。「アハハハッ!もう大袈裟なんだからっ!私、まだ近づけただけだよ。直火でもないのに、もう大袈裟ね。」朝子は一旦遠ざけた炎を再び近づけていく。「ねえ、須崎さんって随分毛深いのね。指にまで毛がこんなに生えてるのって、ウザくない?毛焼きしてあげようか?」チリッ、チリッと炎の先端で須崎の指の毛を炙ってみる。「ギャッ、アヂイ、ヤ、ヤベロ、ヤメ゛デグレーーーッッッ!!!」必死の絶叫をあげつつ須崎は何とかのがれようと必死で手を動かそうとするが、しっかりと縛り上げられたロープはびくともしない。須崎にできるのは半ば本能的に、両手を必死で握ったり開いたりとバタバタさせるのみだった。
だがその程度の動きは須崎の背中にどっしりと腰を据えて火責めを楽しむ朝子にとって、何の妨げにもならない。手の動きで多少は風が起き、炎を揺らしてはいるものの強風の中でも火が消えないように設計されているZIPPOだ。消える心配など全くない。むしろ手の動きと相俟って須崎の指を不規則に炙り、満遍なく熱を伝えるのには却って好都合だった。熱さに加えて、後手に縛られた手を炙られている須崎は朝子の動きが全く見えない。気まぐれにライターを動かし、指先から手首までのあちこちを炙る朝子の炎が全く見えず、次にどこを炙られるのか全くわからないことが須崎の恐怖を一層掻き立てる。「ヒアッ!アヂイ、アヂイヨーーーッッッ!イアッ!ピギイ゛゛゛゛!!!」
朝子にとっては何とも楽しい拷問だった。殆どなんの労力も使わない、単にライターの炎をちょっと近づけたり遠ざけたりするだけで須崎が全身を痙攣させ、苦悶の絶叫を張り上げる。上から見下ろすと須崎の苦悶の動きは激しい、というよりむしろコミカルとさえ言えた。最高!こんなお手軽拷問なのに効果絶大じゃない!あたし冴えてるーっ!火責めを楽しむ朝子の瞳が、ふと須崎の指の変化を捉えた。あら、これ何かしら?須崎の指のあちこちに半透明というかやや白っぽい水泡ができつつあった。何、この膨らみ、なんか気持ち悪いな・・・一瞬戸惑った朝子だったが、直ぐにその正体に気づいた。あ、なーるほどね、熱が中まで通って水泡が出来てきたって訳なんだ。あーあ、可哀想に。火傷の水泡って痛いのよねえ。なかなか治らないし。クスクス笑いながら朝子は更に炎を近づけてみた。「ギャアッ!アヅ!イヤ!ヤベヤベヤメテグレーーーーッ!!!」チリチリと須崎の指の毛がカールしながら焦げていく。毛が焼け焦げる嫌な臭いと、屈託なく更に楽しそうに笑い転げる朝子の笑い声が須崎の悲鳴に重なっていった。
坊野、奈良村、須崎の三人が拷問に呻吟している中、ポツンと未だ静かな一角があった。富美代と検見川の一角だった。坊野たちの方に顔を向けたままうつ伏せに転がされている検見川は恐怖に震えていた。拷問、と聞いても最初は所詮お嬢様連中、単に殴る蹴る程度だろ、とタカをくくっていたが、目の前で繰り広げられているのは本格的、あまりにも本格的な拷問だった。今まで聞いたこともないような三人の絶叫は検見川を震え上がらせるに十分なものだった。そして、自分の目の前にしゃがみ込み、じっと自分の目を見ているのは、自分が騙し、レイプしようとした当の富美代なのだ。どんな目に会わされるのか、検見川は恐怖に震えていた。こんなに怖いのは生まれて初めてと言ってもいいほどだった。富美代が何も言わず、じっと自分を見つめているのが余計に怖かった。
「・・・何震えてるの、先輩・・・」ポツンと富美代が声を発した。「・・・怖いの?坊野さんたちがあんな拷問されてるから?怖いの先輩?私に拷問される、て怯えてるの?」静かな、どこか哀しげな声で富美代は語りかけた。その静かさに検見川は縋り付いた。な、なんでもしてやる!あ、あんな目に会わされる位なら、なんでもしてやる!「あ、ああ、怖い、怖いよ。なあ、許して、許してくれよ。冗談、冗談だったんだよ。なあ、頼む、頼むから・・・ほどいて、ほどいてくれよ・・・頼む、頼むよ・・・俺を、あんな目に、あんな目に合わせないでくれよ・・・なあ・・頼むよ・・・」検見川は必死で哀れみを乞う表情を作り、自分的には一世一代の名演技で何とか富美代を口説き落とそうとした。相変わらず静かに見下ろす富美代の瞳に、微かな悲しみの色が浮かんだ。
「・・・そう、怖いんだ。先輩、怖いんだ・・・だけどね、私だってさっき、とってもとっても怖かったんだよ。でも先輩、私のことなんか全然心配もしてくれなかったね。今だってそう、私のこと傷つけて悪かったなんて、全然考えてもくれてないんでしょ?自分が痛い目に会いたくない、それだけなんだね・・・私のことなんか、何にも考えてくれてないんだよね・・・」「ち、違う、そ、そんな、そんなことない!違う、ちがうーっ!わ、悪かった、悪かったよ、許して、頼む、許してくれよーっ!」「・・・先輩、なんでそんなに必死で叫ぶの?本当は悪かった、なんてこれっぽっちも思ってないんでしょ?なのに何でそうやって謝るの?私が怖いから?私に苛められる、て思うから?私も礼子たちと同じ、他人のこと平気で痛めつけられる女の子だと思うから怖いの?ねえ、何で?要するに先輩、痛い目に会うのが嫌なだけなんでしょ?」図星、ご名答。だがそれを認めるわけにはいかない。検見川は必死で取り繕おうとした。「ち、違う、ほ、本当だよ、し、信じて、信じてくれよーっ!ほ、ほ、本当に悪かったって思ってる!な、何でも、何でもするから、だから、だから頼む、ゆ、許して、許してくれーっっっ!!!」
這いつくばったまま半べそをかきながら必死で哀願する検見川を見下ろす富美代の瞳から一滴、大粒の涙がこぼれると同時に耐え難い程の嫌悪感が浮かんだ。「・・・嘘つき・・・未だそうやって嘘をつき続けるんだ・・・私みたいなバカな女の子なら、そうやって舌先三寸でどうとでも言いくるめられる、て未だ思ってるんだ・・・嘘つき・・・最低・・・!」ペッ!富美代は必死で喚き立てる検見川の鼻先に思いっきり唾を吐き掛けた。ベチャッ、ウッ!思わず反射的に睨み返したくなるのを堪えながら検見川は必死で哀願し続ける。つ、唾なら、唾程度ならいい。あ、あんな、あんな拷問される位ならなんでも、なんでもする!「た、頼む、頼むよ富美ちゃん、し、信じてくれよ・・・つ、唾を掛けたくなるのもわ、分かるよ。ひ、酷いことしちゃったからな。それで気がすむんなら、い、いくらでも唾かけてくれ!で、でもし、信じてくれよ、お、俺はな、なんにもするつもりなかったんだよーっっっ!!!」富美代の切れ長の瞳に嫌悪感を通り越し、怒りの色が浮かんできた。「・・・最低・・・未だ言うの・・・じゃあ、これは何なのよ、これは!」
富美代は検見川の尻ポケットに手を突っ込むと、隠し持っていたバタフライナイフを取り出した。「何なのよこれは!?先輩、女の子とのデートにナイフを持ってくのがノーマルだ、とでも言うつもりなの?答えてよ!」あ、アワワ!ま、まずい、まずい!!!な、何とか、何とか誤魔化さなくちゃ!!!検見川は必死で言い訳を探し、頭をフル回転させた。「、それは・・・そう!そうだよ!ほら、最近何かと物騒だろ?だ、だから、誰か悪いやつに襲われたら危ないだろ?だ、だから、そんな時にふ、富美ちゃんを守ってあげるようにって思ってもってたんだよ。な、ほんと、本当だよ!「私のことを守るため?先輩が?私たちをレイプしようとした先輩が?・・・ねえ先輩、言ってて恥ずかしくない?よくもまあ、いけしゃーしゃーとそこまでペラペラと嘘を並べられるわね。」富美代の美貌が青白い炎のような怒りで静かに燃え上がった。「先輩、こんな格好いいイケテル顔してるのに、先輩って最低最悪ね!先輩の中には絶対悪魔がいるのよ。私が悪魔祓いをしてあげる。先輩の腐った根性、私が根本から叩き壊してあげるわ!」
富美代はスッと立ち上がると同時に検見川の肩を蹴り上げ、うつ伏せに転がした。外された肩が捩じれ、うめく検見川の顔の横にしゃがみ込むと、富美代は手にした検見川のナイフをカシッと起こし、その刃で検見川の頬をピタピタと叩いた。検見川の全身が恐怖に震える。「ヒッ!ヒッ!な、何を、や、やめて・・・」「怖いの、先輩?これ、先輩のナイフでしょ?自分が散々使ってきたナイフなのに、何をされるかわからないの?じゃあ、私から質問よ。先輩、ナイフはどうやって使うものなの?刺すの?こうやって刺すものなの?」言いながら富美代はナイフの切っ先を検見川の頬に押し当てた。刺さるほどの力は加えていない。だが、チクリとした痛みだけでも検見川の恐怖を更に煽るのには十分だ。「い、イヤーッ!や、やべ、おねがいだーっ!」検見川の絶叫を暫く観察していた富美代は一旦、ナイフをすっと外した。「う、ううっ・・・お、おねがいだ・・・お願いだから刺さないで・・・」すすり泣きながら哀願する検見川を見下ろす富美代の顔に残酷な微笑が浮かんできた。
「フーン、そんなに怖がるってことはどうやら、ナイフは刺すのが正しい使い方なのね。いいわ、先輩、一つ安心させてあげる。私、このナイフで先輩のこと、刺したりしないわよ。約束してあげる。」「ああ、あ、ありがとう・・・」涙と涎で顔中グシャグシャになりながら、検見川は思わず富美代に礼を言ってしまった。「ありがとう?そう、刺されなくて良かったわね。」言いながら富美代は再びナイフを検見川の顔に近づける。「ヒ、ヒイーッッ!さ、刺さないって約束したじゃないかあーっ!!!」「そうよ、先輩、刺さないって約束したわ。だから、刺さないで切り裂いてあげる。先輩のこの顔を。先輩、イケテルこの顔、ご自慢なんでしょ?この顔で私みたいなバカな女の子を何人も騙してきたんでしょ?ウフフ、でも可哀想。今日限りもう二度とそんなこと、できなくなるわね。この顔に二度と消えない傷を刻み込んであげる。思いっきり派手な、隠しようのない傷を刻んであげる。先輩、そんな傷のあるスカーフェイスじゃ、二度と女の子を騙せないわね。」「イ、イヤーッ!や、やめてくれーっっっ、か、顔は、顔だけはやめてくれーっっっ!!!」富美代の見抜いた通り、検見川の最大の自慢はそのルックス、要するに顔だった。だからその自慢の顔を傷つけられる、それも一生消せない傷を刻み込まれる、というのは検見川にとって何よりの苦痛だった。
富美代は必死で叫びながら顔を振り、何とか逃れようとする検見川の髪を鷲づかみにし、次いで膝で額をゴリゴリと音がしそうなほど強く押さえつけた。「ヒッ、イ、イダイ!」「大丈夫、大丈夫。直ぐにこんなの痛いと感じなくなるわよ。だってこうするんだからね!」富美代は握り締めたナイフを検見川の左頬にグッと押し当てると、まるで刺身を引くようにナイフの刃全体を使い、一気に検見川の頬を引き切った。深く、より深く傷を刻もうと手にたっぷりとウェイトをかけ、ナイフを少しでも検見川の顔の奥に食い込ませようとしながら、富美代は検見川の頬を縦に切り裂いた。「ギ!ギアーッッッ!!ヤ、ヤベデーッッッ!!!」ズパッ・・ナイフの先端が検見川の顎の辺りを通過し、顔から離れるのを追いかけるように検見川の顔に赤い線が走り、プツップツッと血の赤い玉が湧き出した。ふーん、これが人を切る感触なんだ。なんかお刺身切る時とあんまり変わらない感じだな。でも、結構いい手応えね。血は直ぐに繋がり、後から後からとめどなく流れ出し、検見川の頬を染めていく。「ビャアーッッッ、か、かおがーっ、お、俺のかおがーっっっ!!!ああ、あぢい、アヂイヨオオオオオッッッ!!!」だが富美代は泣き喚く検見川に一切構わず、今度は鼻の横辺りに、丁度顔を横切るようにナイフを当てる。「アハハハッ!先輩、いい傷じゃない!先輩みたいな人でなしでも、一応血は赤いんだ!私、先輩の血はどす黒いんじゃないか、て思ってたよ!?赤い血で良かったね、先輩、じゃあもっと、もっともっと一杯血を流してあげる!」
ズリュッ!「イ、イアーッッッ!!!い、イデエ、イデエヨーッッッ!!!」「アハハッ、アハハハハッ!どう先輩、思い知った?もうこの傷、一生消えないわよ!アハハッ、アハハハハッ、アハハハハハハハハッ!」富美代はゆっくり立ち上がると、左頬に深く長い傷をまるで十文字のように刻まれ、激痛に泣き喚く検見川を見下ろしながら狂ったように高笑いした。「ア、アアアッッッ・・・お、おれの、俺のかおがーっ、い、いでえ、いでーよーっ!あ、あんまりだ、あんまりだあああーっっっ!!!」泣き喚く検見川を暫く楽しんでいた富美代は、やがてゆっくりと右足をあげ、思いっきり蹴り付けるように検見川の血塗れの顔を踏み付けた。「いいザマね、先輩。でもね、まだまだ終わりじゃないのよ。こんなんじゃ拷問にもリンチにもなりはしないわ。先輩、先輩は私の心を踏み躙ったわ。土足で踏み躙ったのよ。こんなちっぽけな傷じゃ、私の心の傷の万分の一にも足りないわ。」「い、いや、もうやべでグブァッ!」検見川の哀願を踏み潰しながら富美代は続けた。
「先輩、このブーツどう?先輩が赤、大好き、て言うから何軒も何軒もはしごして、必死で探してやっと見つけたブーツよ。先輩のために買ったブーツなんだから、先輩の体でたっぷりと味わってね。町で女の子のブーツを見たら、赤い靴を履いている女の子を見かけたら、それだけで体が震える位の、一生消えないトラウマを刻み込んでね。折角の先輩のためのブーツなんだから!」冷たく言い放つと富美代はブーツの銀色に光り輝くメタルピンヒールを検見川の頬の傷、タテヨコの傷が丁度クロスするポイントに押し当てると、一気に全体重を掛けて踏み込んだ。「ブ、ブビャァーッッッ!ビ、ビダイ゛―――ッッッ!!ア!アブァバババーッッッ!!!」断末魔のような絶叫がフロアに響く。「ほらほら!たっぷり味わってよ先輩!先輩のためのブーツなのよ!どうなの、おいしい?うれしい?ほらほら!ブーツでピアスしてもらうなんて、一生二度と出来ない経験でしょ?たっぷり楽しんでよ!ほらほら、どう、どうなのよ!何とか言いなさいよ!」富美代は全体重を掛け、ギリギリとブーツのヒールをめり込ませる。「ギャ、ギヒーッッッ!イ゛ア゛―ッッッ!!!」検見川の絶叫は悲鳴とも泣き声ともつかぬ、獣の断末魔のような、聞く者の耳から一生消えないような凄まじいものになっていた。無理もない。如何に鋭いピンヒールとは言っても基本的には歩くための、人間の体重を支えるためのものだ。錐や尖針とは違い刺し貫くためのものではない。そのヒールで頬の肉を、如何に深く刻み込んだ傷口だとは言っても、人間の肉体を踏み破ろうというのだ。簡単に刺し貫けるわけがない。針で刺し貫かれるなら数秒で刺し貫かれる分、まだいい。だが富美代は本来、刺さるわけのないブーツのヒールで検見川の頬に穴を開けようというのだ。富美代はヒールに全体重をかけながら、右に左にと激しく足首を捻り、検見川の顔を踏み躙り続けた。刺さるのではない。富美代がブーツで踏み躙る動きに連れ少しずつ、少しずつ、検見川の頬の筋繊維がヒールにこすられ、すり潰され、引き千切られていく。刺されるのより何百倍も痛い。おまけにそう簡単に穴があくわけではないから、たっぷりと時間をかけて検見川は地獄の苦しみを味合わされる。「イヴァッ、イビギャアアアアアッッッ!!!」検見川は間断なく断末魔のような悲鳴を上げ続ける。そうよ、先輩、その声よ。もっともっと、もっともっともっともっと苦しむのよ、泣き喚くのよ!私、さっき一生で一番傷ついたんだから。一番泣いたんだから。だから負けない。先輩なんかに負けない。私よりもっと泣かせてあげる!先輩を私よりもっともっと、100倍たっぷりと泣かせてあげる!
1ミリ、また1ミリ、ゆっくりゆっくりと富美代のブーツは検見川の肉を,血管を,神経を引き千切りながら進んでいく。やがて富美代はブーツを通して感じる抵抗が少し軽くなったのを感じた。うん?どうしたのかな?構わずブーツを捻じ込み続けると,最後にまた少し、固いというより妙に弾力のある抵抗を感じた。ったく、しぶといわね。富美代は一瞬、ブーツを少し持ち上げるとグッと勢いをつけ、思いっきり踏み込んだ.「ギ、ギアーッ!ウ!ウブアッッッ!!!」突然、富美代はブーツのヒールにかかる抵抗がなくなり、検見川の頬をヒールが一気に貫通するのを感じた。同時に、口の中に侵入した富美代のヒールと踵全体が頬にのしかかったことにより、検見川の悲鳴は瞬時にして押し殺された、なんとも苦しげな悲鳴に変えられてしまった
「アハハハハハッ!やった、やったわ!どう先輩、少しは思い知った?私のブーツの味は如何?良かったわね、これでほっぺたに特大ピアスを嵌められるわよ。ピアス、通しやすいようにもっと穴を大きくしといてあげるわね。ほら!ほら!ほら!」富美代は高笑いしながら足首を、いや脚全体を使ってブーツを前後左右、円を描くように大きく振り動かした。どう先輩、痛い?苦しい?許して欲しい?でも駄目よ。絶対に許してあげないんだから!私、今日が終わったら先輩のことなんか、ぜーんぶ、綺麗さっぱり忘れてやるわ!先輩なんかよりずっとクールな彼氏も作って、一杯一杯ハッピーになってみせるわ。だけど先輩には私のこと、絶対に忘れさせてあげない!この傷が疼くたびに私のこと、思い出してね。鏡に写るこの傷見る度に、私のこと思い出してね。一生私の影を引きずって生きていってね。醜い傷だらけのスカーフェイスで。先輩、これから一生死ぬまでずっと、思いっきり不幸な人生を送ってね。どうか先輩の一生に、今後いいことなんか一つもありませんように。それが私のことを傷つけた報いよ。一生かけて償ってね!
メリ、ミリ、ベリ・・・「ビ!ビア゛ア゛ア゛ア゛!!ヤ、やべで、ざ、ざげるーーっっっ!!!」検見川は自分の顔が引き裂かれる音を確かに聞いたような気がした。痛い、などという言葉では生ぬるい。今まで人生で経験した痛みを全部合計しても遠く及ばない、発狂しないのが不思議な位だった。しかも頬を貫通したヒールに口の中を掻き回され、悲鳴をあげることすらままならない。その悲鳴は富美代の全身に浸み透るようだった。ああ、いい気持ち。ブーツ越しに、検見川の頬を引き裂く感触と全身を間断なく痙攣させる検見川の苦悶が伝わってくる。富美代の耳は断末魔のような検見川の悲鳴に満たされている。そして足元を見下ろすと、自分のブーツに縫い付けられ虫けらのようにのたうち回る検見川の無様な姿と、頬から、口の中から溢れ出る真っ赤な鮮血で床が血の海のようになっているのが見える。ああ、いいわ・・・癒される・・・先輩が私の拷問で苦しんでいる・・・私を傷つけた報いを受けている・・・地獄に堕とされた検見川の苦悶が、富美代の傷ついた心に無上の癒しとなって浸み透っていく。
だが癒し、と言っていられるのは責め手の富美代だけだ。拷問されている検見川にとっては癒しどころではない、凄まじい激痛に間断ない悲鳴をあげるのが精一杯だ。余りの凄まじい悲鳴に、礼子たち三人まで自分の拷問を中断して富美代のところにやってきてしまったほどだ。「ワオッ!すっごーい、完全に貫通してるじゃない、フミちゃん凄い事するわねえ。」「うわ、ほっぺた裂けてるじゃない、いったそー!」「でもさ、なんか綺麗じゃない?だってフミちゃんのブーツ、メタルヒールじゃない?銀色のヒールと血の深紅のコントラストって、なんか綺麗じゃない?」富美代のブーツに踏み貫かれ、床に縫い付けられた検見川の前にしゃがみ込んで礼子たち三人は口々に感心したような声をあげた。「あ゛、あ゛あ゛あああ、だ、だすげで・・」検見川の目は涙でかすみ、もう誰が目の前にしゃがんでいるのかさえはっきりとは見えない。だが必死で哀願せずにはいられなかった。「こ、ごろざれる・・」だが、その哀願は全くの逆効果、検見川本人だけではなく、SNOW CRACK全員をより深い地獄に引きずり込んでしまっただけだった。
「助けてですって?先輩、まだ言ってるの?今更誰が助けてくれる、て言うの?私が許すとでも思ってるの?許してあげるわけなんかないでしょ?まだ思い知ってないようね。ええ、どうなのよ!ほら、もっともっと懲らしめてあげるわ!ほら!ほら!ほら!」「ギ、キヒーッッッ!イア、イダイ゛゛゛゛!!!」富美代が暫く休めていた足首を再び回転させ、検見川の頬を更に引き裂きにかかる。ガッ、ガッ、あん、なによこれ、硬いわね!富美代はイラついたように何度もブーツを蹴り込むような動きをした。「イ゛イ゛アーーーッぼ、ほねぐぁ、お、おれるーーーっ!!!」白い顔を真っ赤に興奮させた富美代も漸く気づいた。ああ、頬骨に当たってたのね、全く邪魔なんだから!ズボッと富美代はブーツのヒールを引き抜いた。銀色のピンヒールに検見川の血がこびり付き、不規則なストライプを描いている。「ひ、ひあっっっ・・」検見川は半失神状態で頬から、口から血を垂れ流している。いくら痛くても、傷口を手で押えることすらできない。止めどもなく血を、涎をだらしなく垂れ流しながらうめくだけしかできない。だが冷酷な拷問官と化した富美代は検見川に僅かな休憩すら与えない。「ほら先輩、誰がもう終わりって言ったのよ!許してなんかあげない、て言ったのが聞こえないの!?さっさと右のほっぺたも出してよ!」ガッ!「ブギャッ!」顔が捻じ曲がる位、思いっきりブーツの爪先で顔を蹴り上げられ、強引に反対側を向かされた検見川の右頬を富美代のブーツが踏み付ける。「フフフ、さあ先輩、片方だけじゃバランス悪いわよ。聖書でも汝、右の頬を打たれたら左の頬を差し出せ、て言うでしょ?こっちにも大穴、開けてあげるわね!」凄絶な笑みを美貌に湛えながら富美代はナイフを拾い上げた。
「・・ねえ礼子、私たち、少しぬるかったようね。」「全くだわ。私たちの拷問なんかフミちゃんの責めに比べたら、ほんの子供だましね。ちょっと手加減しすぎたようね。朝子はどう思う?」「ええー、ぬるかったかなあ?結構熱そうだったけどねえ・・でも、やっぱりもっと、逝くとこまで逝っちゃえ、て感じかな?」玲子たち三人の顔にも富美代と同じ、凄絶な笑みが浮かんだ。小さく頷き合うと、三人の拷問官もクルリと踵を返し、三方に待つそれぞれの担当受刑者へと向かっていった。拷問が再開され、そして過熱する時間が訪れた。
今回のストーリーは様子見の間にどんどんストーリーが脱線してしまい、やたらと長くなってしまいました。おまけに些か悪乗りしてしまい、過度に暴力的、SMと言うより拷問・リンチに近いストーリーです。
正直言って、ここまで暴力的なストーリーは今後、おそらく書かないとは思いますが、それでも多少のこだわりは入れたつもりです。
それは器具を極力使わず、精々その辺にいかにもありそうなもの、または女性の肉体的パワーだけを使って十分に拷問として機能する責めを考えることです。
例えば、礼子たちは相当な金持ち、有力者の家族、という設定ですが、「礼子たちは坊野たちを自宅の地下室奥深く似連れ込んだ。そこは昔から礼子の家に伝わる秘密の拷問室、天城家に逆らうものを徹底的に責め、全てを白状させるため、あらゆる拷問具が揃っていた。しかも、全てすぐにでも使える状態で。」などとしたら余りにありえない設定、苦痛、暴力のレベルは幾らでも引き揚げられますが、却って興奮できない設定になってしまうと思います。そのため、ある意味でその気になれば誰にでも、すぐにでもできる責めを中心にストーリーを組み立てて見ました。
さて、礼子たちは坊野たちに、どんな地獄を味あわせるのでしょうか。
レイコとシンジ ―復讐するは我にあり 後編―
「さあ坊野さん、少しは休めた?あなたの相棒も目一杯、拷問されているのがわかったでしょ?お待たせしたわね、もうオードブルの時間は終わり。坊野さんにも本格的な拷問をたっぷりと味合わせてあげるわ。」相変わらず静かな、優しげな口調で恐ろしいことを宣告しながら礼子は再び、坊野の背中に腰を下ろした。「ヒ、ヒイッ!ほ、本格的な拷問だなんて・・や、やめてくれ!た、たのむ、や、やめて!」「もう!しっかりしてよ!坊野さん、悪名高いSNOW CRACKのプレジなんでしょ?たかだか女の子の拷問が怖いだなんて、おかしいわよ?」言いながら礼子は坊野の右手を握る。今度はボールペンなしで、そして必死で握り拳を作る坊野の小指だけを握り、無理やり伸ばさせる。既に十分痛めつけられ、握力が極端に低下した坊野の指は最早、礼子に抗することは不可能だった。
「ヒッヒ、イア・・や、やべで・・な、なにを・・」「あら、こうやって指握られてるのに、何されるのか分からないの?案外想像力貧困なのね。難しいことするつもりはないわ。指をへし折ってあげるだけよ。こうやってね。」ニッコリ笑いながら礼子はゆっくりと坊野の指を反らせ、折りにかかる。「ギ、ギアーーッッ!イ、イダイーーーッ!!ヤ、ヤベ、ビギャーアアッッッ!!!」ベギッ、坊野の小指、第三関節があっけなく脱臼する。「イ、イエッッッイ、イデエ、イデエヨーーー・・」余りの痛さにすすり泣く坊野を満足そうに見ながら、礼子は尚も折った指を離さない。「ウフフッ、どう、痛い?少しは効いたかしら?じゃあね、もっといいこと教えてあげるわ。指の関節っていくつあるか知ってる?そう、人差し指から小指は各三個、親指は二個、両手合計で二十八個もあるのよ。ウフフフフ、全部へし折ってあげる。フフ、フフフフフ、クラゲみたいにしてあげるわ。どう、後二十七回もこの痛みを味合えるのよ。どう、嬉しい?楽しい?感想を聞かせてよ。」
楽しげに笑いながらも礼子はへし折った小指から手を離さない。そして一呼吸置き、坊野が味わっている脱臼の最初の衝撃的な激痛が少し収まった頃を見計らいながら第二関節をゆっくりへし折った。「イ゛!イ゛ギャアアアアッッッ!!!」だがまだ小指一本すら終わっていないのだ。礼子は焦らず、じっくりと坊野の苦痛の波を観察しながら、続いて第一関節を折りにかかった。「ビ、ビギイイイッッッ!」僅かに動かせる首だけをエビのように反らせながら、坊野は断末魔のような悲鳴を三度張り上げた。小指を完全に破壊した礼子が漸く、手を離す。いいな、この感じ。礼子は思わずうっとりと、遠い目になっていた。様々な関節技を使いこなせるといっても、基本的に格闘技として使う関節技は肘、肩、せいぜい手首位しか狙わないものだ。第一、礼子が修行したのはあくまで格闘技であり、相手を責めいたぶるものではない。相手を脱臼させてしまったことは何回かあるが、それはいずれも事故、流れの中で予想外に技が深く入りすぎ、折ってしまった場合だけだ。
だが今は違う。礼子はゆっくりと指を折る快楽を満喫していた。じっくりと坊野の指を反らして行くと、ミシミシと関節がきしみ、もうこれ以上は無理だと悲鳴をあげるのが伝わってくる。それを更にそらして行くとキシッキシッと軋むような感触に変わっていく。このあたりになると、折られる坊野の絶叫は段々人間離れした悲鳴に変わってくる。そして更にそらすと何かが引っかかたようなブレーキが働き、坊野の関節が最後の抵抗を試みる。その抵抗を踏み躙るかのように更にゆっくりと手に力を込め、止めを刺しにかかるとゴリュッと関節が外れ、骨同士が滑るように擦れあう感触が伝わってくる。抵抗は今までの骨の抵抗と違い、筋が引きずられ、伸びていく柔らかく、どこか弾力のあるものに変わっていく。坊野の休む間のない悲鳴をBGMとして楽しみながら、礼子は極上の快感に、人体を破壊する快感に浸っていた。いつも慎治を鞭打っている時とは違う、再生、治療のことなど何も考えない、純粋な人体破壊。礼子は麻薬のように抵抗しようのない快感を無限に供給する、人体破壊の快楽の完全な虜となっていた。
坊野は小指の関節を三ヶ所ともへし折られ、激痛に肩を震わせながらうめいている。だが休む暇さえ与えずに、今度は薬指に礼子の白魚のような細く長い指がまとわりつく。「い、いや・・・も、もうやめでぐれ・・・」最早完全に涙声になって訴える坊野の哀願に礼子は冷たく答えた。「ダメよ。オードブルは終わり、本格的な拷問の時間だって言ったでしょ?まだ指は9本もあるんだから。どんどん逝くわよ!」
玲子もまた、自分の担当受刑者、奈良村のもとに戻っていた。「・・・さあタマナシ君、検見川さんの悲鳴、聞こえたでしょ?私もお遊びはおしまい。君にもあれ位の悲鳴をあげさせてあげるからね。」言いながら玲子は再びベルトを握り締めた。先ほどと同じく、バックルではなく、ベルトの先端の方を握っている。「フフ、脅かす割には拷問道具は相変わらずベルトなんで一安心してるんじゃない?でもね、私はこう見えても鞭のプロだからさ、色々な打ち方、使いこなせるのよ。さっきとは比べ物にならない位痛くしてあげるわよ。さあ、覚悟はいいわね!」「い、そ、そんな!も、もっと痛くだなんて・・・な、何をする気、ヒッや、やめ!ヒッ!」「煩いわね。何をするかなんて直ぐに分かるんだから、心配いらないわよ。その体にたっぷりと分からせてあげるからさ。さあ!逝くよ!」ビュオッ!と玲子のベルトは風を巻いて襲い掛かり、次の瞬間、ドズッと異様な、鈍い音を立てて奈良村の腕に食い込んだ。「ギ、グブアーーッッッ!!!」先ほどとは全く次元の違う激痛に奈良村は思わず息が詰まりそうなほどだった。「アハハハハッ!どう、痛いでしょ!もっともっと痛くしてあげるからね、さあ、ガンガン逝くわよ!」ビュオッ、ブオッ・・・ドズッ、ガズッ・・・玲子の振るうベルトが立て続けに奈良村の体に襲い掛かる。「ギャァァァァァッ!ビア゛――ッ!イダイ!イデエヨーッッッ!!!」余りの激痛に奈良村は喉が張り裂けそうな程の絶叫を上げつづけた。痛い、とにかく痛い。な、なぜだ。なぜこんなに痛いんだ。たかが、たかがベルトなのに。さっきと同じベルトなのに。だがその激痛は先ほどまでとは比較にならない。な、なぜだ、何をされているんだ。床にうつ伏せに転がされた奈良村からは玲子が振り下ろすベルトが見えない。肉体的な激痛に加え、自分が何をされているのかさえ分らない恐怖が奈良村の苦痛を更に倍化させる。
「ヒッ!ヒイッ・・・お、ねがい、もうやめ、ヒギイイイッッッ!!!」奈良村が激痛の余り、哀願すら涙声になるのを確かめて玲子は満足そうに一旦、ベルトを振るう手を休めた。「ウフフフッ、大分効いてるみたいね。じゃあ気分を変えて今度は体の表側を鞭打ってあげるわね。」玲子は言いながら奈良村の体の下にブーツの爪先を潜り込ませ、無造作に蹴り転がす。「ヒッ、か、体の表・・・い、今でも、背中や尻でもこ、こんなに痛いのに腹や胸だなんて!や、やめて、やめでぐれーっっっ!」「うるさいわね!もう遊びはおしまい、て言ったでしょ?まだまだよ!拷問はこれから佳境に入るんだから!」喚き立てる奈良村の顔をブーツで踏み躙りながら玲子は無慈悲に拷問の続行を宣告する。「フフ、それにタマナシ君、そんなに悪いことばかりじゃないかもよ。こうやって仰向けになってれば、少なくとも自分がどんな拷問を受けているかだけは見られるかもよ。」スッと奈良村の顔からブーツを下ろし、玲子は間合いを取るために2,3歩下がった。「もっとも、君の動体視力で私のベルトの動きを見切れたら、の話だけどね。さあ、逝くわよ!」ビュオッ、ブオッ・・・ドズッ、ガズッ・・・玲子のベルトが再び唸りをあげて奈良村の体、二の腕から胸、腹を襲う。「ビ!ビギイイッ!イ、イダ,ゴブァッ!イ、イダイ!イダイイダイイダイヨーーーーッ!!!」背中とは比べ物にならない痛みに奈良村は獣のような絶叫を張り上げつづける。
自分をこんなに苦しめる玲子の拷問は一体なんなのか、奈良村は激痛の中で必死で見ようとした。だが全く分からない。「アハハハハッどう、痛い?どうなのよ!ほらほらほら!もっともっと!泣くのよ!喚くのよ!もがき苦しむのよ!」玲子は相変わらず高笑いしながらベルトを振り下ろしつづける。だが奈良村にはどう見てもさっきまでと同じく、単にベルトで打ちのめされているようにしか見えない。だがこの激痛、さっきまでとはケタが違うこの激痛は尋常ではない。自分が何をされているのかすら分からない、その恐怖が肉体の激痛に加え、精神的苦痛をも追加サービスしていた。奈良村が分からないのも無理はない。玲子の拷問の正体は僅か90度の手首の捻り、ただそれだけだったのだから。玲子は振り下ろしたベルトが遠心力を十分なスピードに変え、奈良村に命中する寸前に手首を返し、強力なスナップでベルトの威力を倍増させている。だが今はそれだけではない。命中する寸前、スピードが最高点に達したポイントで返した手首を内側に捻りこみ、ベルトの面ではなく、サイドで奈良村を打ち据えていたのだ。ベルトの威力が幅数センチに拡散されず、サイドの数ミリに全て集約される。しかもサイドは硬く、反り返ったりはしないから奈良村の体に命中したベルトは、その威力を肉体の表面に拡散させず、全てを体の奥深くへと食い込ませていた。
打撃の種類は、イメージとしては木刀に近い硬質のものだ。だが木刀よりも質量はない代わりに、より狭い範囲に集中する打撃はむしろ、日本刀による峰打ちに近いものがある。いずれにせよ、こんなもので打ち据えられては堪った物ではない。玲子の責めは筋肉がクッションとして受け止められる限界値を軽く突破している。連続して打ち据えながら、玲子は軽い驚きを感じていた。へえ、ベルトをタテにしたら、こんな感じになるんだ。打ち据える、という感覚とは全く違う、ガツッという手ごたえと共にベルトが奈良村の体に食い込み、急ブレーキがかかる。鞭打ちのように打ち抜く、といった感覚とは全く違う、居合抜きで巻藁等に切りつけた時の感触に似ていた。そして胸、肩など、奈良村の筋肉が薄く、骨が体表に近いところにあたると直接、骨にベルトが食いこむような素晴らしい感触がある。ギシ、ミジッ・・骨が軋み、食い込むベルトに悲鳴をあげ、ヒビが入っていく感触が玲子の手を通じ、全身に強烈な電流のような快感を走らせる。いい、最高・・・打つ、て言うより切りつける感じね・・いいわよ、タマナシ君、おバカな君だけど、私を楽しませるのは上手じゃない!もっと楽しませて頂戴!さあ骨が砕ける音を聞かせて!
玲子はヒユッと小さく息を吐き、気合を入れ直すと体を捻り、大きくバッスイングを取ると自らの全身をも鞭の一部とし、全身の力を込めてベルトを振り下ろした。狙いは・・・奈良村の肋骨、左一番下の肋骨だった。メジッ!「ぎ、きばあああっっ!」一撃で肋骨をへし折られた奈良村が悲痛な叫び声をあげる。「アハハハハッ!どう、今の一撃、気に入った?骨を砕かれる激痛って最高でしょ!ポキッて折られるよりずっとずっと痛いでしょ?ここまでの痛さなんて、そうそう味わえるものじゃないわよ!さあ、この痛み、もっともっとあげるからね!逝くわよ、次に砕くのは・・・ここよ!」玲子のベルトが風を巻いて襲い掛かり、今度は右の鎖骨を直撃する。バギイッ!奈良村は確かに自分の骨が砕ける音を聞いたような気がした。「ぎゃあああっ、あぎっ、ぎゃっ、やべ、やべでぇっ!!!」何か声を発していないと気が狂ってしまいそうな程の激痛だ。死んだほうが遥かにマシ、と思える程の激痛に喘ぎ、のた打ち回りながら奈良村は断末魔のような悲鳴を際限なく上げつづけた。
朝子もまた、大張り切りで担当受刑者の須崎のもとに戻っていた。「わあ、この指、どうしたの?真っ赤じゃない!それに何、これ。あちこち水泡ができちゃって、なんかいけない病気にでもかかっちゃったみたいだよ!」朝子の素っ頓狂な声が響いた。須崎自身は見ることができないが、確かに須崎の指は真っ赤に紅潮していた。ズキズキとした痛みが時間を追うごとにひどくなっている。火傷の典型的な症状、体の中に浸透した熱の効果が現れてきていた。「フーン、ああやって遠火で炙っただけでも結構、効くものなのね。どう、痛い?」「ヒッ!アッ!アヒッ!」朝子が指先でツンツンと軽く突っつくだけで、須崎の指に鋭い痛みが走る。「あ、あうっ、た、たのむ、も、もうやめで、あうっ!お、おねがいだから・・・」須崎が必死で哀願するのを朝子は面白そうに眺めていた。既に礼子たちは拷問を再開している。辺りには坊野たちの悲鳴が充満している。「うーん、まあ私としては許してあげてもいいんだけどね。でもね」クスリと朝子は笑った。「あっちでお友達三人とも、お楽しみ中みたいじゃない?一人だけハブにしちゃ可哀想だから、私がちゃんと拷問してあげるね。」「ひっひーっ、そ、そんな、お、おねがい、や、やめて、たのむ、やめてくれーっっっ!」「うーん、どうしようかなーっと」と口では迷ったように言いながらも朝子は早くもライターを取り出している。「でもね、古今東西、拷問官が途中で受刑者を許しちゃう、ていうのはやっぱ、やっちゃいけないことだと思うのよね。だから・・・やっぱり、これの出番よね!」シュボッ・・・朝子は須崎の鼻先にライターを近づけると、これみよがしに目の前で点火した。それだけで須崎の全身に恐怖と悪寒が走る。
余りの恐怖にガタガタ震えている須崎を見て朝子は楽しそうに微笑んだ。「どうしたの、ガタガタ震えちゃって。あ、もしかして寒いの?まあ無理ないわね。コンクリートに直に転がってるんだもんね。うん、わかった、心配しないで。私があっためてあげるね。じっくりゆっくり、たっぷりとあっためてあげる!」言うなり朝子は一旦立ち上がり、須崎の背中にドスンと座った。「あ、あわわ、お、ねがい・・・」「大丈夫、安心してよ。さっきみたいな酷いことはしないからさ。」えっ酷いことはしない・・・須崎の頭を一瞬の期待と不安がよぎる。「さっきの程度じゃあんまりあったまんなかったんでしょ?こんなに震えてるんだもんね。じゃ、今度は寒くないように、ちゃんと直火で炙ってあげるね。」
朝子はゆっくりとライターの炎を須崎の指先へと近づける。そして宣告どおり、今度はライターの炎の中に須崎の指を完全に捕らえた。「ひいいいぃっ、熱っ、熱いっ。やめてくれええっ!!!」須崎の悲鳴は先ほどまでとは比べ物にならない。必死で逃れようとするが手首を完全に縛られ、かつ肩は外されているのだ、動ける範囲などごく僅かでしかない。それでも須崎が僅かに動く指を必死で動かすため、炎は乱れ、あちこちになびいている。だが強風の中でも着火可能なZIPPOの炎はその程度では消えはしない。却ってあっちこっちに不規則に動く炎が須崎の指、手のあちこちを炙り、苦痛を増してしまっている。「アハハハハッ!須崎さん、おっきな体の割には結構器用なのね、指、凄い速さじゃない、もしかしてピアノでもやってたの?」火責めを楽しむ朝子は楽しそうに笑っているが、責められる須崎はそれどころではない。余りの熱さにもがき苦しむので精一杯だ。「嫌ぁっ、いやっ、熱いっ、熱いぃっ。ぎゃあああああぁっ!!!」
ジリジリと炙られる須崎の指のあちこちで皮膚が焼けていく。直火とはいえ、ライターの炎は大した火力ではないから黒焦げ、とはいかないがそれでも皮膚が焼け爛れ、所々に赤い肉が露出している。既に水泡は殆どが熱に炙られ、破れている。炎に炙られ続けている須崎の指から血とも体液ともつかぬ液体が滴り落ちている。最初の内は指の毛が炙られ嫌な臭いを立てていたが、その臭いはもう収まり、別の匂いが立ち始めている。うん?なにかな、この匂い。なんかいい匂いだな。あ、そうか。これ、お肉の焼ける匂いだ!「わあ須崎さん、いい匂い!ねえ須崎さんも嗅げないかなあ、お肉の焼けるいい匂いしてるよ、どう、そっちにも逝ってる?なんか焼き肉食べたくなってこない?」だがそれに対する返事はない。いくら肉が焼ける匂いがする、とは言っても完全に指に、手に火が通り、痛覚が焼け死ぬにはまだまだ至らない、と言うかそこまでの火力はない。だから須崎は延々と苦痛を味わいつづけている。朝子の問いに答えるどころの騒ぎではない。「ぎゃあっ、熱いっ、嫌っ、ぎゃ、あっ、熱いぃっ。嫌あああっ、助けてっ、許してっ、ひいいいっ」
「ねえ私、お肉の焼ける匂いを嗅げてる、て聞いてるんだけどな。ねえ、どうなの、返事してよ?」朝子はライターの炎を手の甲の中心に持っていく。これでは逃げ場がない。須崎の手を一点集中で炎が炙る。「ぎゃああああっ、ぎゃぎゃがああああっ、ひいいいいいいっ!!」須崎の悲鳴がいっそう激しくなる。朝子の尻の下で須崎の体が激しく揺れる。「もう!おっへんじが、あっりませーん!」子供と遊ぶように、おどけながらも朝子は間断なく火責めで須崎を責め苛み続ける。朝子はこの火責めが心底気に入っていた。朝子は指先でライターの位置をキープするだけ。それだけで須崎が際限なく苦しんでくれる。責める朝子にとっては何ともお手軽な、全然疲れない拷問だが責められる須崎にとって、その苦しみは坊野たちに勝るとも劣らない。須崎の皮膚が焼け爛れ、所々ピンクの肉が現れそれも焼けていくところを朝子は特等席でじっくり観察できる。炎で炙られる須崎の全身の痙攣が尻を通して朝子の全身に伝わってくる。その苦悶を、自分は殆ど指先一本動かさずに楽しめるのだ。もともと些かものぐさの気がある朝子にとって、このお手軽な拷問はなんとも性に合うものだった。「もう!お返事してくれないのね!冷たいんだから!いいもん、じゃあ一人で楽しんじゃうから・・・バーベキューパーティーをね!」バーベキュー、そう、須崎は朝子を楽しませる人間バーベキューとなり、延々と焼かれ続けていた。
「グギャアアアアアアアアァァッ!! 痛い、痛い痛い痛いぃぃっ! ヤベデェェッ!!」「あ、が、ぎゃあああぁっ。う、うぐぐ……ぎやあぁっ!うぎゃあああああああああああぁっ!!」「ぎゃああああっ、ぎゃっ。許してっ、嫌ぁっ、痛いっ、ぎゃああああああっ!!」「ぎゃあっ、熱いっ、嫌っ、ぎゃ、あっ、熱いぃっ。嫌あああっ、助けてっ、許してっ、ひいいいっ!!」拷問は佳境を呈していた。「アハハッ、アハハハハッ!」「ほらほらほら、どうしたの、もっと叫びなさい!」「どう、楽しい、最高だよね!」「エヘヘヘヘッ、こっちも焼いてあげよっと!」坊野たちの絶叫と礼子たちの笑い声が工場の全空間を満たしていた。人間の声に混じり、微かな音も鳴りつづけていた。ミリッ、ミリリリッ・・・ビキッ、ベシッ・・・ドズッ、バギッ・・・ジリッ、ジジジジッ・・・人間の皮膚が、肉が引き裂かれ、骨が砕かれ、炎に炙られる音が。
礼子たち四人は至福の時間を満喫していた。思う存分坊野たちを痛めつけ、苦しめていた。罪悪感など全く感じない。自分たちをレイプしようとした悪党に対して罪悪感や慈悲心などは全く感じなかった。プロの拷問官のように、礼子たちはより多くの苦痛を、より長時間与えることに全神経、全労力を集中していた。坊野たちにとってはまさに地獄だった。坊野たちとて喧嘩で負け、いいように殴られたりリンチを受けたこともある。常人よりは痛みに慣れているはずだ。だが礼子たちから与えられているような、本格的な拷問に近い痛みを味わったことはない。単なるリンチではない。拷問、プロが発揮する手練の技。常軌を逸した苦痛を長時間与えつづける技。慎治たちを苛めることによって得た経験、知識をフルに活用し、礼子たちはプロの拷問官に近い水準の技術を発揮していた。逃げ道などどこにもない。どう動こうと何をしようと、礼子たちが与える拷問の苦痛から逃れるすべはない。気絶という救いの女神すら、礼子たちの巧みな拷問テクニックに邪魔されて訪れてくれない。坊野たちは延々と、ひたすら愚直に苦痛を味わいつづけた。
「アッ!アヒッ!アヒーーッ!マ、ママーーーッッッ!ママーーーッッッ!!!」「ヒイッ痛い、痛い、いたいよーっ、誰か、誰かたすけてーーっっっ!」「ひぎーーーっもうしません、もうしません、もうしませんんんん!もうしませんからゆるしてーーーっっっ!!!」「ウギーーーッおがあぢゃーん、あづいよーっ、い、いやだ、やだやだ!あっあぢっ、あぢあぢいいいっ!あづいよおおおおおっ!!!」どんなに叫んでも何の救いも訪れない。礼子たちは拷問の手を全く休めない。ヒッヒイッ・・・な、なんでこんな目にあわなくゃいけないんだ、なんでこんな酷い拷問をされなくちゃいけないんだ・・・肉体も精神も崩壊の淵に近づいた時、坊野たち四人は漸く気づいた。救いの道に。拷問をやめてもらうたった一つの方法に。単純な事、拷問官に屈服し、問われるがままの答えを自白すること、それが拷問から逃れる唯一の方法だ。気が狂わんばかりの苦悶の果てに漸くそれに気づいた時、坊野たちの頭は最後の気力を振り絞るようにフル回転した。
な、なんだ、なんだ、なんなんだ。俺たちが聞かれていた尋問はなんだったんだ・・・そうだ、あれだ!四人は殆ど同時に気づくと一斉に絶叫した。「ひっ、や、やめて、しゃ、しゃべる、しゃべるからやめてくれえええええっ!」「た、頼む、や、やめて、少しでいいから、しゃべるあいだだけでもゆるしてえええっ!」「あ、あいつだ、あいつらにたのまれたんだーーっ!」「い、いやっ、しゃ、しゃべる、白状するからおねがい、火を、火をあっちへやってええっ、お願いだあああっ!」礼子たちは一瞬、視線を交わしただけで無言のまま拷問を続行する。だがもうこれしか希望がない坊野たちは必死で喚き立てた。「し、慎治、慎治たちだあああっ!」「た、頼まれただけなんだよ、あいつら、信次たちに頼まれただけなんだああっ!」「あ、あいつ、ほら、慎治、慎治だよおおおっ!」「し、熱い、信次、あのガキがわるいんだーーーっ!」
フウッ・・・礼子たちは拷問の手を漸く休め、視線を交わした。礼子の全身を興奮と何とも言えぬ満足感、達成感、俗な言葉でいえば快感が走り抜ける。性的な快感とは違う、精神的な充足をもたらす快感だった。やったわ、私、拷問に成功したのね。さっきまであんなに反抗的だった坊野さんのこの態度、何?もうすっかり縮み上がっちゃって、私に反抗する気力など、根こそぎにしてやったみたいね。苦痛のみで相手を屈服させた、自分より体も大きく力もある相手を根本的に屈服させた、という快感に礼子は暫く酔いしれていた。横を見ると玲子も自分と同じく、何とも満足げな表情を浮かべている。「フフ、玲子、やっと屈服させたみたいね。」「そうね、どう、初めての拷問のご感想は。礼子も満足した?」「まあね、で、それはそうとして、今白状した依頼人、慎治たちとはね・・・」「そう?私は結構予想通りだったけどな。だってあれだけ苛めてやれば、流石に仕返しの一つや二つ、考えそうじゃない。ねえ朝子?」「うーん、そうねえ。信次たちならまあ、本命筋だけど・・・それにしても、連中にしては随分小ジャレタ仕返しを考えたものねえ・・・」ここまで言って三人は富美代を振り向いた。流石にブーツの動きは止めたが、富美代はまだ検見川の頬を刺し貫いたまま、ブーツを引き抜いていない。どこか遠慮しているかのような目で見ている礼子たち三人に頷きながら、富美代はゆっくりとヒールを検見川の頬から引き抜いた。
「ア、アワアアア・・・」苦しげにうめく検見川を冷たく見下ろしながら、富美代は新たな尋問をした。「・・・先輩、慎治たちに頼まれた、て言ったわね。でも先輩と慎治たちが友達だなんて話、聞いたことないわよ?どうしてこんなこと、引き受けたの?」だが検見川は未だ収まらぬ激痛に即答できなかった。そんなことを許す富美代ではない。一旦下ろしたブーツをすっと上げると、再び検見川の顔を踏み躙る。「どうなのよ!私の質問に答えられないの?さっさと答えないと・・もう一穴開けるわよ!?」もう一穴!検見川の口を開かせるには十分だった。「ヒッヒイッ!や、やめて、やめてくれーっ!は、話す、なんでも喋るからやめてくれーっっ!か、かね、金だよ、俺たちゃ、金で雇われただけなんだーっ!」クスリと傍で聞いていた玲子が笑った。「お金で雇われた、ねえ・・ねえタマナシ君、君もそうなの?」「あ、アウッそ、そう、そうなんだ、お、俺たちは金で頼まれただけなんだ。だから・・・もう、許して・・・」フウッ・・・礼子も小さく溜息をつきながら坊野の顔を軽く蹴りながら尋ねた。「フーン、お金で雇われたの。ところで一体、幾らで雇われたの?」「じゅ、十万、一人十万円だ・・・」「たったそれだけ?たった十万円で雇われただけで、こんな手の込んだセッティングして私たちのこと、襲ったの!たった十万円で!ご苦労様・・・それでこうやって返り討ちにされて拷問にまで掛けられて・・・随分と高くついたわね?」「あ、ああ・・・た、頼む、もう許して、ぜ、全部話しただろ?いや、か、金も、貰った金だって要らないから、いや、そっくりそのままやるから、頼む、もう許して・・・」「バーカ、私たち別にお金なんか要らないわよ!」笑いながら礼子は軽く坊野の顔面を一蹴りした。
ア、アワワ・・バ、バレタ、バレテしまった・・れ、玲子さんたちに全てバレてしまった・・信次たちは恐怖の余り失禁しそうだった。恐怖、苦痛、絶望・・ありとあらゆる負の感情が二人を包み込む。破滅、僕たち、もう終わりだ・・顔面蒼白で口をパクパクさせる信次たちの目にはもう、何も映っていない。「あーあ、バレちゃった。どうするの信次?」ツンツンと傍らの信次を肘で突っつきながら里美が呆れたような顔をした。「全く、あんたも思い切ったことしたものね・・ああいう連中雇って玲子たちを襲わせるとは、ね・・でもどうするつもりなの。一体?」「うーん、まあ、いくら無事だったとは言っても、結果オーライじゃすまないよ、これ。玲子たちを本気で怒らせちゃったかもね。ねえ、二人ともどうする気?ちょっとこれ、高くつくんじゃない?もしかしたら・・本当に殺されるんじゃない?」殺される!真弓がどこか楽しそうに言い放った恐ろしい言葉に、慎治は反射的に泣き出してしまった。「そ、そんな・・こ、殺されるでなんて・・ね、ねえ、う、うそでしょ、うそだよね、うそだと言ってよーーっっ!」信次も思わず里美のブーツにすがり付いていた。「お、おねがい・・た、助けて・・死にたくない・・」
里美と真弓は余りに身勝手な慎治たちの台詞に心底呆れたように、両手を軽く上げた。「ねえ信次、何か勘違いしてない?」邪険に信次を振り払うと里美が冷たく宣告した。「私たち、玲子の友達だよ。第一、ギャング雇ってクラスメート襲わせようだなんて、あんたたちマジで人間腐ってない?なんで私たちが信次の味方なんかしなくちゃいけないのよ!拷問されようが殺されようが、自業自得でしょ!」大きく頷きながら真弓も続けた。「まったく・・はっきり言って私たち、ここで慎治たちのこと、速攻リンチしてやりたい位なんだからね、あんまり甘ったれたこと、言わないでよね!・・・最も」クスクスっと真弓は楽しそうに笑った。「慎治たちのこと、リンチしたいのは私たちだけじゃないかもね。あそこで寝てるSNOW CRACK、連中も慎治たちのこと、恨んでるんじゃない?なにせ、慎治たちのせいであんな拷問受ける羽目になったんだからさ。」そ、そんな!慎治たちには最悪の悪夢だ。ぼ、坊野さんたちにまで狙われるだなんて、そんな!その時、ふと下をみた里美が少し興奮した声をあげた。「うん?慎治、ちょっとこっち来てごらんよ。下でまた楽しいイベント、再開されるみたいよ。大丈夫、いいからおいでよ。ひょっとしたら慎治たちにとっても、FAVORな展開かもよ?」FAVORな展開?地獄に仏を求めるように、必死で救いを求めながら慎治たちはフロアを見てみた。そこで展開されていたのは、確かにある意味意外、慎治たちの想像を超えた光景だった。
「さーて、と。まあ一応自白もさせたことだし、取り敢えずは警察呼んで引き渡して、今日のところは終わりかしらね。」如何にも疲れたように腕をストレッチングしながら礼子が周りを見回した。富美代も朝子もそうね、という表情をしている。警察に引き渡される、普段だったら絶対マズイ、最悪の展開だが坊野たちにとって今、警察に引き渡される、という礼子の言葉はまさに、地獄に仏だった。け、警察、だったら病院に連れてってもらえるな。なんでもいい。とにかく病院にさえ連れてってもらえれば・・・だがそんな甘い希望を玲子が粉々に打ち砕いた。
「ちょっと待って礼子、まだダメよ!まだやることが残っているわ。」玲子の凛とした、この場の弛緩した雰囲気にそぐわない妙に強いトーンの声が響いた。「やること?未だ拷問続行するの?別にいいけど、一応自白させちゃったし、これ以上やっても単なるリンチじゃない?それもまあ楽しいけど、今日のところはもうご馳走様、て感じするけどな。」「ううん、私も拷問はもうするつもりないよ。だけどね、ここからが最後のツメ、ここをミスっちゃ、折角ここまで上手くやったのに、全部台無しになっちゃうよ。」「ツメ?うーん、分からないな。何を詰めるの?」ああ、礼子も分からないんだ。玲子にとっては少し意外だった。だけど考えてみれば、礼子はこういう方面、やったことないものね。じゃあ仕方ないか。「礼子、フミちゃんも朝子もよく聞いて。そもそも私たち、なんでこの人たちをやっつけて、更には拷問までしたの?お楽しみのため?ううん、確かに思う存分楽しんだけど、それはサブの目的よね。メインの目的は私たちの身の安全を守ることよ。普通の相手だったら、これでお終いでいいわ。もう十二分、お釣りがくる程よ。もう二度と私たちを襲おう、なんて思う訳ないわ。だけどね、こういった最悪のギャングたちはしつこさ命なのよ。これだけ痛めつけても、傷が治ったらリターンマッチでまた狙われかねないわ。そんなの、ご免よ。だからね。」玲子は一呼吸入れた。いつものように痛めつけるのを楽しむための、シチュエーション作りを楽しむ表情ではない、完全に100%真顔だ。「やるからには情け無用、やれる時に徹底的に、相手が再起不能になるまでやらなくちゃダメなのよ!」「確かに玲子の言うとおりだけど・・・でも、具体的にどうやるの?さっきあれだけ拷問したし、もっと痛い目にあわせる、て言ったってさっき以上の痛い目、て中々難しいと思うんだけどな?」小首を傾げながら朝子が言うと、礼子も富美代も確かに、という表情で頷いた。そうよね、朝子の言うとおり、さっき以上に痛い目なんて、一体どうやるの?「ううん、違うのよ、私は別にこれ以上痛めつけよう、て言ってるんじゃないの。原因を取り除きたいのよ。考えてみてよ、この人たちはなんで私たちを襲ったの?お金のため?確かにそれもあるけど、メインはそうじゃないわよね。私たちをレイプするのが目的よね。だったら」「そうか・・・なんか玲子の考えてること、分かったような気がする。」今まで黙っていた富美代が口を開いた。声の調子が妙に冷たい。「要は先輩たちが二度とレイプなんてしたくなくなる、ううん、改心してしたくなくなる、なんてことは絶対にないから、生理的に、と言うか物理的に、と言うか・・・兎に角二度とレイプなんかできない体にしてやろう、て考えてるんじゃないの?」「そう。フミちゃん、よく分かったわね。その通りよ。」礼子と朝子も薄々分かってきた。「そのとおり。この人たちのあそこ、ううん、タマタマね、そこを潰してあげるのよ。そうすればもう二度とレイプなんかできなくなる。もう二度と私たちを狙う理由もなくなるわ。」「ええっ!タマタマを潰すって、玲子、あなたまさか、そんなことまでしてたの!?」流石に驚いた礼子が思わず大声を張り上げた。「まっさかーっ!やだ、やめてよ礼子ったら!いくら何でも、そんなことするわけないじゃん!いくら私でもそこまでしたことなんかないわよ!」半ば笑いながら否定した玲子だが、直ぐ真顔に戻った。「マジで私もタマタマ潰したことなんかないわよ。だけど今は話が別。この人たちだけはキッチリ潰しといた方がいいわ。ここで手加減抜き、完全に再起不能にしとかないと、後で後悔しそうな気がするの。」
「ヒッ!ヒイイイイイッ!!や、やめて、それだけは!」「う、うそだ、うそだーっ!た、頼む、お願い、潰さないでくれえええっ!」「そ、そんな、やめてよして許してええっ!」「イ、イヤ、イャ、イヤアアアッ!!!」金玉を潰される!いくら痛いと言っても、今までの拷問の傷なら時間さえたてば何とか治る。検見川を除いては。だが睾丸を潰されたらそうはいかない。一生治らないし、大体レイプを生き甲斐にしているような彼らにとって、それは半分殺されたも同然だ。坊野たちは必死で悲鳴を張り上げ哀願し許しを乞うた。哀願されることにすっかり慣れきっている玲子たちは坊野たちの哀願など殆ど気にもとめないが、朝子が少し心配そうに尋ねた。「えっ・・タマタマって、おちんちんの・・あのタマタマでしょ?ねえ玲子、そんなとこ潰して大丈夫?マジで死んだりしないでしょうね?半殺し程度ならいいけどさ、本当に死んだら流石にまずくない?」「うん確かに朝子の言う通りね。流石に死んだらまずいわよ。」富美代も頷く。確かに死んだらまずい、それには玲子も異論はない。「うん、確かにそうよね。で、考えてみたんだけど、タマタマ潰した時に死ぬのって、余りの痛さに自分で舌を噛み切っちゃうのが大半なんだって。だからさ、潰す前に顎を外すか歯をへし折っといてあげれば多分、大丈夫と思うわ。」ア、アワワ・・・こ、こいつら本気だ、本気で潰す気だ・・・坊野たちは殆ど小便を漏らしそうな位、怯えていた。だが追い討ちをかけるように、礼子が更に刑の追加を宣言した。
「ねえ玲子、宦官って知ってる?」「宦官?中国の?知ってるけど、それがどうかしたの?」「うん、宦官もあそこを切り取られたわけだけどさ、金や権力に対する欲望とか執念とか、方向性こそ変わってもそっちの方は消えないって言うか、却ってひどくなったって言うじゃない?だからさ、坊野さんたちもタマタマ潰しただけじゃ足りないかもしれないわね。性欲はなくなってもさ、私たちへの仕返しに一生を捧げます、なんてやられたらかなわないわ。だから、それこそ物理的に、腕力の面でも再起不能にしといた方がよくない?」「腕力も再起不能って、どうやるの?」「うん、折角肩と股関節外してあって仕事しやすいんだからさ、ついでに腱を全部捻じ切っといてあげようよ。そうすればもう、完全に再起不能よ。文字通り、一生女の子以下の力しか出せなくなるわ。」け、腱を捻じ切る!金玉を潰すだけじゃなく腱を捻じ切る!「そ、そんな・・・や、やめてくれえええっ、ほ、本当に死んじまうよおおおっ!」「あら大丈夫よ坊野さん、腱を捻じ切った程度で死ぬわけないじゃない?あ、そうか、痛さでショック死すること心配してるのかな?だったら大丈夫、心配いらないわよ。腱を捻じ切るのは最後、タマタマを潰してからにしてあげるから。どうせタマタマ潰したら、痛くて失神しちゃうか激痛でもう何も感じられなくなるわ。その後だったら、今更腱を捻じ切られた所でもう痛いなんて感じられないと思うから心配いらないわよ。」如何にも優しげに微笑みながら、礼子は平然と恐ろしい刑罰を宣告する。
「さあ、話はついたわね!と言うことでチャッチャッと逝こうか!」ヒッヒイッ!な、なにも話はついてないよおおっ!坊野たちの悲鳴、哀願など全く無視して四人の美少女は新たな刑罰の執行を開始した。「で、まず誰からいく?」「うーん、まあやっぱり、最初は言い出しっぺの私かな?」と玲子が言った瞬間、富美代の凛とした声が響いた。「待って、玲子!」三人の拷問官と四人の受刑者の視線が富美代に集中する。「今日のこのパーティー、そもそもの発端は私、ううん、私と先輩の二人よね。だったら・・・やっぱり締めも私と先輩からやらせて。」富美代は言いながら検見川の顔を再びブーツで踏み躙る。「そうよね、先輩。やっぱり先輩と私が一番最初にやるべきだと思わない?そうでしょ先輩、ねえどうなのよ!」幾ら踏み躙られても、検見川がハイそうです、と言えるわけがない。「や、やだ、頼む、やめ、やめてくれえええっ!!!やめてよしてたすけてえええっ!」「先輩、別にそんなに嫌がらなくてもいいジャン。どうせ先輩たち、みんな潰されるんだから。順番の違いだけ。それもほんのちょっとの時間の差だけよ。嫌なことは早く済ませた方がまだいいでしょ、ていう私のせめてもの優しさも分からないの?」富美代はブーツにグッと力を込める。グエッ・・・だがここで認めるわけにはいかない。理屈ではない。本能。金玉を潰される、という最悪の事態を少しでも、一秒でもいいから後に引き延ばしたい、そこに何か希望があるわけではない。だが引き延ばさずにはいられない。それは生存本能そのものだった。「や、いや・・・頼むよ、やめて、やめてぐれえええっっっ!」最早恥も外聞も何もない。検見川は涙で顔中グシャグシャにしながら大泣きしていた。「やだよおお、お願いだよおおお、潰さないで、おねがい・・・」
だが検見川を見下ろす富美代の端正な顔には何の変化もない。憐憫の情など、微塵もない。僅かに呆れた、といった感じで唇の端を歪めた富美代はブーツの爪先で検見川の顎をグイッとこじ上げる。「・・・先輩、そんなに潰されるのはいや?」「あ、ああ、お願い、なんでもするから潰すのだけは許して・・・」「フーン、じゃあ一回だけ、最期に一回だけチャンスをあげる。後の三人、坊野さん、奈良村さん、須崎さんの誰かが先輩の代わりになってくれるなら、私はその人のこと、潰すわ。先輩のことは許してあげる。」「ヒッそ、そんな無茶な・・・」出来るわけがない。藁にも縋りたいのは後の三人も同じだ。一分一秒でも長く生き延びたい。富美代の一言を聞いた坊野たち三人は殆ど反射的に顔を背けていた。「あ、ああ・・ぼ、坊野、た、頼む、お、おまえプレジだろ、いい思いもたくさんしてきたじゃねえか!沢山女も回してやったろ?た、頼む、助けてくれよ!な、奈良!お前にも女世話してやったろ?おい、なんで何もいわねえんだよ!おい、こっち向いてくれよ!すざきいいい・・・お、お前なら助けてくれるよな、代わってくれるよな・・・お前をチームに引っ張ったのは俺じゃねえか!な、頼む、今、今こそその借り返してくれよ!なあ、頼む、頼むよ・・・な、なんでだよおおお・・・なんでみんな何も言ってくれないんだよおおお・・・た、頼む、頼むよ・・・潰されたくねえよおおお・・・」当然の如く、三人とも何も言わない。ふ、ふざけるな!何で俺がお前の身代わりにならなくちゃいけねえんだ!三人ともそう叫びたかったが、声に出すことはできなかった。何か言えば富美代たちがどんな反応を示すか分かったものではない。触らぬ神に祟りなし、とばかりに坊野たち三人はひたすらだんまりを決め込んだ。
「・・・先輩、誰も代わってくれないみたいね。じゃあ、処刑始めようか。」「ヒ、ヒイイイイッ!た、頼む、頼むお願い待って、待ってくれえええっ!」「先輩、もう悪あがきやめたら?誰も代わってくれないみたいよ?もう諦めた方がいいんじゃない?後10秒、後10秒で誰も変わってくれなかったら・・・タイムアップね。」富美代は静かに言い放つ。「ヒ、ヒイッ!イ、イヤ、10秒だなんて・・・」「・・・10,9,8・・・」「い、いや、待ってくれえええっ!」だが富美代は無表情でカウントダウンを続ける。「・・・7,6,5・・・」「い、いや、坊野、奈良、すざきいいいいい!頼むよ、たのむよおおお!!!」「・・・4,3,2・・・」「あ、ああああ・・・み、見捨てないでくれえええええ・・・」「・・・1,0。・・・先輩、タイムアップよ。」再び検見川の顔をブーツで踏み躙りながら刑の確定を宣告する富美代の声は、氷のように冷たかった。先程までの怒りはもうない。富美代を支配している感情はどちらかと言えば悲しみに近かった。自分が憧れていた先輩が、自分をレイプしようと嵌めたことに対する後悔ではなく、金玉を潰されるという恐怖だけでこんなにみっともなく泣き喚いている。先輩、やっぱり私のことなんかどうでもいいのね。私のためには泣いてくれないのに、自分のタマを潰されるとなったらこんなに泣くんだ・・・先輩、先輩はどこまで逝っても自分の事しか考えてくれないんだね・・・その悲しみはより残酷な刑罰の動機へと変化していった。ふと思いついたように富美代は振り向くと、玲子たちに声をかけた。
「ねえ玲子、私、気が変わったわ。」「何、どうしたのよ急に?」「うん、さっき頬にブーツでピアスしてあげたのは・・・拷問ね。そしてタマタマを潰したり腕、脚を破壊するのは将来に対する保険よね。だったら・・・一つ足りないものがあるわ。」「足りないもの?何よ一体?」「うん、足りないものはね・・・罰よ。考えても見てよ、先輩たちは私たちをレイプして人生滅茶苦茶にしようとしたのよ?だったら、罪を憎んで人を憎まず、とは言うけど何の罰も与えないで許すわけにはいかないわ。これは先輩たち自身のためでもあるのよ。罪を犯せば必ず罰を与えられる。そのことをしっかり教えこんであげなくちゃ。玲子たちも分かるでしょう?先輩たちは人間じゃない、野獣同然の・・・そう、けだものよ。けだものに教え込むには言葉じゃ駄目、体に教え込まなくちゃ。二度と忘れられないように、厳しい、一生忘れられない位痛い罰を与えて体に教えこんでやらなくちゃ、本能に刻み込まれる程の罰を与えて懲らしめてやらなくちゃ駄目なのよ!」
礼子たち三人は思わず顔を見合わせた。フミちゃん、完全に目が逝っちゃってる。どうする?少し間を置いて玲子が口を開いた。「うーん・・・フミちゃん、気持ちは分かるけどさ、罰はまあ・・・タマタマ潰すだけじゃ足りないかな?それ、メチャメチャ痛いと思うよ。」「駄目よ絶対!絶対駄目!潰すだけじゃなくて、ちゃんと罰も与えないと駄目よ!」色白な、端正な富美代の顔で眼だけが爛々と青白い炎を発するかのように燃えている。それはある種、凄絶と言いたくなる程の美しさだった。フウッ小さく礼子が溜息をついた。「玲子、駄目よ、フミちゃんのこの目、見てごらんよ。フミちゃん、この目の時は止まらないよ・・・いいわ、確かにフミちゃんの言うことにも一理あるわ。罰を与えましょう・・・でもね、あれだけハードに拷問した後よ、あの拷問に匹敵する、ううん、それ以上の苦痛を与える刑罰って、何か考えつく?考えつくんだったらいいけど、ないんだったら玲子の言うとおり、タマタマ潰すので十分、刑罰になるんじゃないかしら?」虚を突かれたように富美代も、困惑したような表情を見せた。だがそれはほんの一瞬だった。どうすれば先輩のことを痛めつけられるかしら、さっきの拷問以上の苦痛を与えるにはどうしたらいいかしら・・・必死で考えながら富美代は自分のブーツの下でうめく検見川を見下ろした。頬はほぼブーツに覆われ、僅かに鼻だけがブーツの下から覗いている。鼻、鼻・・・鼻!富美代の脳裏に、稲妻のようにあるアイデアが閃いた。
「・・・思いついたわ、先輩への刑罰。」「何、どういう刑罰なの?」「聞いたことない?鼻鉛筆、とか鼻割箸って。ほら、両鼻に鉛筆とか割箸突っ込む、ていうリンチよ。昔の朝鮮高校のリンチらしいわね、たまにヤンキー系の雑誌なんかの伝説コーナーで見るけどさ、実際に見た人は多分殆どいない、まあ都市伝説の一種みたいなやつよ・・・ウフフフフ、ねえ先輩、伝説を現実に復活させてあげるわ。イマ風に進化させてね。フフ、ウフフフフ、もう分かったでしょ?鉛筆や割箸じゃなくて、もっともっと痛い、ずっとずっと硬くてよく効くものを突っ込んであげるわ。そう、突っ込むものは勿論・・・私のブーツのピンヒールよ!先輩、先輩への刑を宣告するわ。鼻ブーツの刑、受けてもらうわよ!」
鼻ブーツの刑!検見川も勿論、鼻鉛筆位は知っている。実際に見たことはないし、勿論やったこともない。だが半ば伝説と化した究極のリンチの一つ、恐怖の対象としてヤンキー系の先輩から語り継がれ、存在だけは知っていた。それを我が身で味合わされる。しかもブーツで。富美代のブーツで。両頬に大穴を開けられ、嫌と言うほど苛められ、責め苛まれ、その威力に震え上がらされた富美代のブーツで。そのピンヒールで頬より遥かに弱く、敏感な鼻を、鼻の粘膜を蹂躙され、踏み躙られるのだ。どんな痛みかは全く分からない、だがあれほど残忍冷酷に自分を責め嬲った富美代だ、今度も手加減など一切なし、遠慮会釈なく自分の鼻を責めることは容易に想像できる。ど、どんなに痛いのか・・・想像も出来ないほど痛いことだけは間違いなかった。
「さあみんな、手伝って!まずは場所を変えるわ。先輩をあそこに引き摺ってくわよ!」富美代が指差した先は工場のやや奥の方、階段状に一段低くなっている資材置場だった。「や、嫌だ、や、やめてくれえええええっ!ぎゃぁっ、い、いでえ、いでえええええっ!!!」関節を外された両腕を四人がかりで引き摺られ激痛に絶叫する検見川を委細かまわず、四人は検見川をその段差まで引き摺っていった。「そう、そこ、もうちょっと前、首だけ出るようにして。」富美代は仰向けに転がっている検見川の首だけが段差からはみ出て宙に浮いた状態にセットすると、検見川の顔を跨いで仁王立ちに見下ろした。「さあ先輩、もうすぐ準備完了よ。みんな、ちゃんと押さえてね。」「フフフ、分かったわフミちゃん、こうすればいいのね。さ、検見川さん、上向いてもらえる?」礼子が検見川の髪と顎を掴むと、グイッと強引に後ろにそらせた。「丁度いい高さじゃない、ちょうど検見川さんの頭の天辺が床についてるわよ。ウフフフフ、ここ、まさに鼻ブーツ専用の処刑台、て感じね。」礼子の顔に期待と興奮の彩が浮かんだ。「じゃ、私たちは両手を押さえてあげる。」玲子と朝子が両腕に乗り、検見川の動きを封じると富美代はゆっくりと検見川の胸の上に腰を下ろした。「さあ先輩、入れるわよ・・・」ツッと右足を上げると富美代はゆっくりとヒールを検見川の鼻へと近づけていく。「や、いや、いやだあああっ、や、やめて、やめてそれだけは、ひっひいいいいいいいっっっ!!!」必死で首を振り何とか逃れようとする検見川の首を礼子がグッと腕に力をこめて押さえつける。「観念するのね、もうこの体勢じゃ絶対逃げられないわよ。下手に動くとヒールが変に刺さって却って危ないわよ。」「ひ、そ、そんな・・・ブギャッ!」恐怖の余り思わず凍りついたように動きを止めた検見川の左の鼻腔に富美代はブーツのヒールを侵入させた。「フンッ、結構きついのね。ギリギリじゃない、だけどまあいいわ。直ぐに拡張してあげるからね。」冷たく笑いながら富美代は左のヒールも鼻に侵入させる。いくら細いピンヒールと言っても女の子一人の体重を支えるのだ、それなりの太さはある。少なくとも直径1センチ程度しかない人間の鼻腔に入れるには、無理矢理こじ入れなければいけない。富美代はゆっくりと両足を左右に回転させ、ヒールがこれからの責めで抜けないように鼻にしっかりと侵入させた。
「さあ準備OK!どう先輩、鼻にブーツを突っ込まれた気分は?無様な姿ね、まるで鼻からブーツが生えてるみたいよ!?」「う、うびっひぎっややべで・・・」鼻に突っ込まれたヒールの圧力を少しでも緩和しようと検見川は必死で首をそらし、ほぼ垂直にまで曲げていた。余りに近すぎ、焦点距離が合わないためぼやけた視界に映るのは、富美代のブーツの銀色のヒールと黒いソールだけだった。視界の殆ど全てが富美代のブーツに塗りつぶされている。「ウフフフフッ、先輩、いい歌思い出したわ。ほら嘉門達夫のあの歌よ、あのフレーズ、チャラリー、鼻から牛乳!て知ってるでしょ?先輩にはこうかしら、チャラリー、鼻からブーツ!てね、どう、ぴったりでしょ、ねえ先輩、ウフ、ウフフ、アハハハハッ!」狂ったように笑いながら富美代は礼子の方を向いた。「ありがとう礼子、もうしっかり入れたから抜けないわ。もう首はいいから体の方、押さえてくれない?」「OK、じゃあ私が腰に乗ってしっかり押さえてあげるね!」腕から肩に玲子と朝子、そして腰に礼子が乗り検見川は完全に、身動き一つできない体勢だ。富美代が検見川の胸の上に腰を下ろしたままだから、未だ何とかブーツは刺さらないでいる。だがもう限界、あと僅か、あとほんの数センチ奥にブーツを押し込まれたら、間違いなく検見川の鼻は富美代のブーツにズタズタに破壊される。自分の足下でうめく検見川を見下ろす富美代の美貌が残酷な笑みに彩られた。「さあ先輩・・・鼻ブーツの刑、執行開始よ!」
「玲子、朝子、肩借りるわよ、それっ!」掛け声と共に富美代は玲子たちの肩に手を置くと、両手の力だけジャンプするように勢いよく立ち上がり、一瞬の反動をつけた次の瞬間、両手を玲子たちの方から離して全体重をヒールにかけ、検見川の鼻腔奥深くへと思いっきり踏み込んだ。「ガバアアアアッ!ビギャアアアアアアアッ!キ゜!ヒイイイイ!イイイッッッ!!!!!」獣の断末魔のような悲鳴が轟き、同時に少しでも富美代のブーツから逃れようとするかのように、検見川は全力で体を、首を仰け反らせた。検見川の腹の上で礼子の体が10センチほどバウンドするが、50キロはある礼子の体を腕も足も使わずに腹筋だけで跳ね飛ばすのは流石に無理だ。「アラッ!検見川さん、頑張るじゃない!だけど私を跳ね飛ばすにはその程度じゃ無理ね!」両手も必死で動かそうとしたがこちらは肩を外されているからろくに力が入らず、僅かに自由な手首から先をバタバタさせるだけだ。そして検見川の必死の抵抗をあざ笑うかのように富美代は冷酷に鼻ブーツの刑を執行し続ける。「アハ、アハハ、アハハハハハハッ!ほら先輩、どう、どうなのよ!痛い!?苦しい!?でもまだまだよ、もっともっと痛めつけてあげる!これはケダモノへの、先輩への刑罰なんだから!もっともっと泣き喚いてよ!もがき苦しんでよ!ほら!ほら!ほらほらほら!!!」富美代は高らかに笑いながらも巧みにバランスをコントロールし、転ばないように、鼻からヒールが抜けないように細心の注意を払いながら検見川を責め苛み続けた。「ほら先輩、先輩のために歌ってあげるわよ!鼻からブーツ、鼻からブーツ、鼻からーー、ブーーーー、ツ!!!」富美代は大声で歌いながら足踏みをするかのように交互に細かくステップを踏みつつ左右のヒールを上下に、かつ腰のツイストも利かせて微妙に鼻の中の責めるポイントを変えながら激しく動かし、検見川の鼻の中をズタズタにしていく。
「ギイイイィッ! ヒギイイィッ! ヒギャアアアアァァッ!!イギャッ! ギヒャアアアアアァァッ!!!」この鼻ブーツの刑に比べれば、鼻鉛筆など子供の悪戯程度のものだ。鼻鉛筆はいくら痛くても一瞬、何度も何度も連続でやられることは殆どない。だが鼻ブーツの刑は違う。富美代は上から責めているのだ。まず力の入り具合が全然違う。鼻鉛筆は下から突き上げる手の力、それも相手も動くし細い鉛筆に力を伝えるため、持てる力のほんの一部しか使えない。だが富美代は全力で、全体重を使って検見川を責められる。しかも基本的には下段蹴り、と言うより足踏み運動に近い動きだから責める富美代はバランスにさえ気をつければ幾らでも責められる。富美代のヒールは繰り返し繰り返しいつまでも検見川の鼻腔を抉り続けた。検見川の鼻は突き抜けて穴を開けられるのだけはなんとか免れていたが、内部はもう滅茶苦茶だった。切れる、鼻血が出る、などという生易しいものではない。情け容赦なく抉り、踏み躙り続ける富美代のブーツは検見川の鼻腔の粘膜を剥ぎ取り、こそげ落し、鼻の肉自体を神経ごと抉り取っていた。
痛い、やめて、許して等という言葉を発する余裕などどこにもない。鼻自体の痛みだけではない、鼻腔の奥、眼球の裏にまでヒールの圧力は及んでいる。鼻の奥、目・・・更には地面に擦り付けられている頭蓋骨、殆ど90度直角に曲げられている首・・・頭部の全てが強烈な痛み、他の全ての感覚を吹き飛ばす程の激痛に塗り潰されている。だが富美代の責めは単純に痛い、だけではない。更にブラスアルファがあった。「ガアッ!ギギャアアアアアッ!!!・・・」「おぶうぅっ。うぶっ、げぶっ、ごぼぼっえぶうぅっ、おぶっ、うぶぶっ、ごぼぉっ、おごっ、ごあああぁっ・・・」突然、間断なく悲鳴を上げ続けていた検見川が苦しげに咳き込み、全身を苦しげにビクビクと激しく痙攣させ始めた。犯人は血、検見川自身の血だった。鼻血、等という桁ではない。毛細血管が集中している鼻腔の中をグチャグチャに破壊され、検見川の鼻腔は大量の流血に満たされていた。後から後から流れ出る出血のかなりの部分は、富美代のヒールに塞がれた狭い空間から外へと溢れ出て検見川の頬を真っ赤に彩っている。だが鼻の中は血で満杯の状態だ。その血の一部が苦しげに絶叫する検見川が思わず大きく息を吸ってしまった拍子に鼻から逆流し、肺へと入り込んだのだ。検見川の意識に血の鉄臭い味と生臭い匂いが広がる。苦しげに思わず咳き込むがその拍子にまた血を飲み込んでしまった。「がっ、ふっ、あ。。。…あぐが……おごぉっ・・・」あまりの苦しさに検見川は全身を必死でよじり、更に深く富美代のブーツに鼻の奥深くを抉られる。痛さと苦しさの二重奏、検見川は視界が真っ赤になるのを感じていた。富美代のブーツ、頬から鼻から口から溢れ出る自分の鮮血、そして余りに全身に力を入れすぎて眼球内の毛細血管も切れてしまい、目からは遂に血の涙を流していた。
検見川が咳き込む度に肺に逆流した血と、鼻の奥から口に流れ込んだ血が血泡のように、あるいは飛沫状になって飛び散る。富美代のブーツにより頬に開けられた大穴からも、その傷口自体の出血に加え口中に溢れた血の一部が垂れ流しになっている。目からは血の涙を流し、勿論鼻自体からも大量に出血している。検見川の顔面は大量の鮮血に一面真っ赤に染まっている。そして検見川を責め苛む富美代のブーツも真っ赤に彩られていた。富美代の鮮やかな赤いブーツに同じく赤い、だが明らかに濃淡が違う赤が重なっていく。富美代は満足そうにもがき苦しむ検見川の顔を見下ろした。銀色のメタルピンヒールは検見川の鼻に埋め込まれて見えない。自分の膝から下を覆うブーツの赤と血まみれになった検見川の顔の赤、そして飛び散った血で床一面も真っ赤だ。フフフ、今日の私のファッション、赤で統一してきたけどこれが仕上げね。服だけじゃなくて私の足から先輩の顔、床まで全部真っ赤で統一ね。先輩、悪党の先輩にしちゃ結構、私のこと楽しませてくれるじゃない!これが私への償い?ダメ、まだまだ足りないわ、こんなのほんの手付よ!富美代は漸く一時の興奮は収まりかけていたが、逆に怒りの方は却って激しく燃え上がっていた。まだまだ許してあげないわよ、ほらもっと私のブーツで苦しむのよ!もっともっと、ずっとずっと、一杯苦しむのよ!
富美代は何度も何度もヒールを検見川の鼻腔に思いっきり食い込ませた。グニュッともズリュッともつかぬ、何か柔らかだが丈夫な芯を感じさせる感触、その感触がヒールを伝い富美代の脊椎を駆け上がる。何なのかしら、この感触は。慎治を踏みつけた時の肉を、生身の肉体を踏みつけた時の感触と似ているけど、どこか違うわね。何かこう・・・壊している、削っている、ていう感じかな?うん・・・ヒールが肉をこそぎ落とす感触ね、きっと。この感触、何だか気持ちいいわね。癖になりそうよ。検見川の肉体、それも極めて敏感な、神経の集中している部分を破壊している実感をブーツ越しに感じながら富美代はさらに責め続けた。自分がブーツに力を込める度に、足元で検見川が何種類もの痛みと苦しさに喘ぐ。検見川が流す大量の血がブーツを突き抜け、自分の足全体を浸しているような感覚すらあった。その生温かい血の感覚は富美代にとって嫌悪感ではなく、快感に結びついていた。フフ、ウフフフフッ、アハハハハッ!!!先輩、もう絶対に逃げられないわよ。私が許してあげない限り、先輩はいつまででもこうやって苦しみ続けるのよ。痛い?苦しい?早く気絶したいでしょう?でもダメよ、これだけ痛ければ、簡単には気絶すらできない筈よ、そんな簡単に許してなんかあげないわよ!その通りだった。余りの痛さ、苦しさに検見川は何度も意識を失いかけていたが、そのたびに激痛に意識を叩き起こされ、気絶すらできないでいた。すっと富美代が左のヒールを検見川の鼻から引き抜いた。「ア、アブッ・・・ブバアアッッッ!!!」検見川の右の鼻腔から噴水のように血が噴き出る。「フフフ先輩、まさかもう許して貰える、なんて甘いこと考えてないわよね?まだまだ刑の執行は終わってないわよ。ウフフ、ウフフフフフ、そうよ、片方を抜いてあげたのはこうやって、私がしっかり立てるようにするため。こうすればもっともっと力を込めて先輩を踏み躙ってあげられるからよ!」言うなり富美代は全体重をかけ、全力を込めて右のヒールを更に深く、もっと奥へと蹴り込んだ。「ギ、イギャアアアアアッ!!!ヒッヒギイイイイイッッッ!!!」富美代は自分のヒールが今までよりも更に奥へと侵入するのを確かに感じた。ほんの1-2センチかもしれない。だがその1-2センチの威力は絶大だった。何かコリッとしたわ、今、間違いなく何か踏み潰してあげたわね。ウフフ、きっとこれ、先輩の鼻骨よ。折れたわね、じゃあそこをもっともっと痛めつけてあげる、折れたところをグチャグチャにしてあげる!ほら、ほら、ほらほらほら!「ギッ!ヒアッ!ビギイャアアアアアッ!!!」富美代は巧みにヒールを操り反動をつけながら何度も何度も思いっきり踏み込む、いや踏み込むなどという穏やかな動作ではない、蹴りを、しかも足首の捻りを十分に効かせ全体重をヒールに一点集中させた蹴りを連続して検見川の鼻に叩き込む。唯でさえ破壊力十分なその蹴りだ、弱い鼻の粘膜に対しては破滅的な威力を発揮していた。「アハッアハハハハハッ!どう先輩、最高に痛いでしょ!先輩の鼻、ズタズタにしてあげる!鼻の中の肉も軟骨も神経も、全部削ぎ落としてあげるわよ!これだけメチャメチャにすれば、もう再起不能じゃないの!?嗅覚神経も何もかも全部まとめてバラバラに引き千切ってあげるわよ!もう一生匂いを嗅ぐのは無理なんじゃない?そしたら先輩、一生片輪ね!どんないい匂いも嗅げなくなるわよ!絶対にそうなってね、先輩にはスカーフェイスにしてあげるだけじゃ足りないもの!こうやって嗅覚も一生失って、一生不幸な人生を過ごすようにしてあげるからね!」ゴボッゴボゴボッと際限なく血を噴出しつづける検見川のことを、富美代はいつまでもいつまでも責め続けた。左の鼻腔を完全に破壊し尽くした後、今度は責め足を左に変え、検見川の右の鼻腔も完全に破壊し尽くした。漸く鼻ブーツの刑の執行が終了したとき、検見川は大量の出血と余りに長く続いた苦痛に身動きひとつできず、虫けらのようにピクピクと痙攣していた。もはや痛さの余り声すら出ない。
富美代は断末魔のように痙攣し続ける検見川を満足げに見下ろしていたが、やがて玲子たちの方を向き、小さく頷くと横たわった検見川の足を引き摺り、工場の中央へと連れ戻した。ゴリッ、富美代は血塗れのブーツで、同じく血塗れの検見川の顔を踏み躙った。「フフフフフ、先輩、鼻ブーツの刑の味はどうだった?少しは反省したかしら?尤も先輩みたいなけだものに反省、なんて言葉はないでしょうけどね・・・まあいいわ、私は寛大だから、一応罪は償った、として許してあげる。ということでね・・・」ゴリゴリッ、富美代はブーツに更に力を込める。「過去の罪を償ったところで、今度は私たちの将来のための保険、かけさせて貰うわよ!フフ、ウフフフフ、アハハハハッ!先輩のタマタマ、約束どおり潰してあげるわよ!」「・・・あ、あああ・・・ゆ、ゆるして・・・」「なに先輩、なんか言った?よく聞こえなかったんだけど、もうちょっとはっきり言ってくれない!?」「お・・・ねがい、ゆるして・・・し、しんじゃう・・・もう、しんじまうよ・・・」「ああ死んじゃうかもね、うん確かにね。で、それがどうかしたの?別に先輩が死のうが生きようが私の知ったことじゃないわ。私は自分の明るい未来のために先輩のタマタマをここで潰して、腕も足も靭帯を引き千切って再起不能にするだけよ。別に先輩が死んだところで私は痛くも痒くもないわ。と、言うことでお話タイムはお終い、後は痛い痛いのお時間再開よ!じゃあみんな、執行準備を手伝って!」凛とした声を張り上げると富美代は縛り上げた検見川の足だけを解放する。検見川は自由になった足を必死で動かして逃げようとするが、股関節を外されていては不可能と言うものだ。「OK,フミちゃん、じゃあまずは顎、外してあげて!」まずはうつ伏せにした検見川の髪を掴み、礼子が顔を引き摺り起こす。「有難う礼子、じゃあ先輩、武士の情けで顎外してあげるから、口開けて。」「い、いやだあああ、いやだあああああ!」パニック状態に陥った検見川には最早、富美代の声は聞こえない。当然口を開けようともしない。「・・・先輩、あと5秒数える内に開けないと、キックだよ。」「や、いや、やだあああああ・・・」「・・・5,4,3・・・」「やめでぐれえええええ・・・」「・・・2,1,0。」富美代は検見川の髪を掴む礼子と頷きあった。
礼子は検見川の首の後ろに膝を当て、全体重をかけて押え込みながらそこを支点とし、髪を掴んで顔を固定する。「ア、アワワワワ、ヤベデグレエエエ!!!」カエルのような姿勢で地面に這いつくばらされた検見川の、涙を流しながら哀願の言葉を吐きつづける口めがけて富美代は狙いを定め、大きくバックスイングを取るとサッカーボールキックの要領で真っ赤なブーツの爪先を思いっ切り蹴り込んだ。ぐぎっ、べぎゃっ、ばぎっ・・・富美代のブーツの固い爪先は検見川の下唇に命中し、いとも容易く数本の歯をへし折った。「イア、イギャアアアアア!!!」口から鮮血を迸らせながら絶叫し、何とか逃れようと必死で頭を振る検見川を礼子が全力で押さえつける。ミリッ、ブヂッ・・・検見川の髪が数十本単位で引き抜ける。長くは持たないわね。間髪を入れずに富美代は再び脚を振り上げ、第二撃を繰り出す。今度はやや下から蹴り上げる形で検見川の口を強襲した富美代のブーツが再び数本の歯をへし折る。「ガッ、ガハッ、ゴバアアアッッッ・・・い、いでえ、いでえよおおおおお・・・」礼子が解放するなり検見川は頭を床につけてうめいた。床に見る見る鮮血が広がる。「アハハハハッ!全くバカよね、先輩ったら!折角、痛めつけないで楽に顎を外してあげよう、て言ってあげたのにね!人の好意を無にするからこうなるのよ!」
富美代は狂ったように高笑いする、だがこれで終わった訳ではない。今のは単なるオードブル、刑の執行はこれからなのだ。「・・・さあ先輩、前座は終わり、いよいよ本番、逝くわよ。男、廃業させてあげる。覚悟はいいわね?」富美代が死刑執行宣告をすると同時に礼子は検見川を転がして仰向けにし、腹の上に馬乗りになる。そして玲子は右足、朝子は左足を掴み、検見川の両足を全開脚にする。勿論検見川は必死で足を閉じようとするが、股関節を外されていては力の入れようがない。そして富美代はゆっくりと歩を進め、検見川の無防備に曝け出された男性器の前に仁王立ちした。
「フフフ、さあ先輩、逝くわよ、死刑、執行!」凛とした声で刑の執行を宣告すると同時に富美代は思いっきり右足を後ろに振り上げ、全力でのサッカーボールキックを股間に見舞う。ドゴッ・・・「ブ、ブギャアアアアア!」潰れた手応えはないわ。第二撃。ガズッ・・・「ヒギイイイイイッ!!」アン、中々上手く逝かないわね!金玉をしっかり狙って必殺のトーキックを突き刺したつもりだったが、狙いが微妙に外れた。検見川の股間、恥骨の方にダメージを与えたが肝心の睾丸には命中しなかったようだ。よく考えてみたら、タマタマって丸いのよね。トーキックで蹴れるわけないじゃない。丸くてちっちゃいものを蹴るには・・・しっかり足の甲で蹴らなくちゃね。第三撃。今度はさっきの二発よりややキックの軌道を低くした。命中直前、地表すれすれを飛来した真紅のブーツの爪先は検見川の左睾丸の下に滑り込む。一瞬遅れてブーツに覆われた富美代の足首が睾丸に命中し、そのまま睾丸を検見川自身の恥骨との間に挟み込む。ブヂャッ!先ほどとは明らかに違う、何かが破裂したような感触がブーツ越しに富美代の脚に伝わる。「ギ、ギャアアアアアアアッッッ!!!」全身を仰け反らせながら検見川は絶叫した。痛いいたいイタイ・・・それ以外何も感じられない。全身を貫く激痛と殆ど同時に強烈な悪寒を伴った気持ち悪さが体中の神経を支配する。フフフ、やったやった!先輩、死ぬほど苦しんでるわね。いい気味。その顔見てると、先輩に傷付けられた私の心が癒されるわ。ああいいわ先輩、これだけ癒されたから、そろそろ許してあげる。今止めを刺してあげるわ。もう一個もちゃんと潰してあげるね!これで先輩、男は廃業ね。これから先輩がどんな人生生きるか知らないけど、全力で不幸な一生でありますように!じゃあね、サヨナラ、先輩!身体の内外からの二重の苦しみに痙攣する検見川に何の憐憫も見せずに真紅のブーツを大きく振り上げ、富美代は止めの一撃を蹴り込んだ。
先ほどの一撃でコツを掴んだ富美代の第四撃は的確に検見川の残された右睾丸を捕らえ、恥骨とのサンドイッチにする。バヅンッ・・・検見川は確かに破滅の音を聞いたような気がした。一生忘れられない音だった。「ガッ!ゴアッッッッッ!!!!!」余りの激痛に呼吸困難を起こし、全身がビクビク痙攣する。激痛の余り舌が飛びでている。そしてギヂギヂと音が出そうな位強く噛み締めた口のあちこちで、限界以上の力で口内に食い込んだ歯が出血を引き起こす。噛み締めた歯は勿論、はみ出た舌にも食いこんでいるが殆どの歯をへし折られているために舌を噛み切るには至らない。だが残った数本の歯や、折れた歯の残骸が残る歯茎が食い込み、舌もズタズタだ。口一杯に溢れ出る新たな鮮血が真っ赤な血泡となり、検見川の口からブクブク噴き出る。余りの痛さに失神すら中々出来ない。失神と覚醒とを繰り返しのた打ち回り続けながら、検見川の意識はゆっくりと闇に沈んでいった。
「フーッ・・・フミちゃん、やるときゃやるわね・・・」流石の玲子が些か圧倒されたような声になっていた。「うん。まあ折角のチャンスだからね。私もイヤなこと早く忘れたいから。私は先輩の思い出とバイバイ、先輩は男としての機能とバイバイ、ていうことでまあチャラかな、て思ってさ。」「チャラってフミちゃん・・・これ100倍返しだと思うんだけど。ま、いいか。蹴ろう、ていったのは私だしね。」気を取り直すように2、3回首を振ると玲子は奈良村に向き直った。「と、言うわけでタマナシ君、次は君の番で確定よ。」奈良村の顔から恐怖の余り、サーッと音を立てて血が引いていく。青白い、殆ど死人のような顔になりながら、口をパクパクさせている。「あ、それとね」玲子はその美貌に悪魔の様な残酷な笑いを浮かべながら宣告した。「さっきまでは単に潰すだけのつもりだったんだけどね、私も気が変わったわ。ウフフフフ、そうよ、私も刑罰を追加するわ。たっぷりと楽しませてあげるわよ、覚悟しなさい、思いっきり痛めつけてやるからね!」「ひ、ヒイーッ!い、いや、おねがい!!!もう許してくれえええっ、お、おねがいだあああああっっっ」ボロボロと涙を流して哀願する奈良村を満足気に見下ろしながら、玲子は冷たく宣告した。「ダメよ!タマナシ君、さっき君は私にナイフで切りかかったでしょう?あれがもし私に当たってたら、どうする気だったの?女の子に、特にもし、顔に傷なんかつけられてたら私、一生台無しだったかも知れないのよ?それを思ったら、未遂犯でも罪状は同じよ!やっぱり、そんなことが二度と出来ない様に片輪にしてやらなくちゃ気が済まないわ!」無情な宣告を下しながら玲子は床に転がる奈良村の右手を伸ばすと礼子をその上に座らせた。次に朝子を背中に、富美代を腰に座らせ、奈良村が身動き一つ出来ない様にする。「さあ準備完了!何をされるか分かる?分からない?じゃあ教えてあげる。私、さっきタマナシ君の骨を何本か砕いてあげたわよね?骨ってね、腕や肋骨ならね、きれいに折れれば結構簡単に治るものなのよ。でもね、ああやって砕けばずっと治りにくくなるわ。で、もっと治りにくいのはどこだと思う?」玲子の顔に凄絶な笑みが浮かんだ。
「手の骨よ。指、手の甲、手首・・・細いけど繊細な構造であちこちに関節があるわ。そこを砕かれたらどうなると思う?ましてや手は人体で最も微妙な動きをする所だからね、神経も縦横に通っているのよ。それを破壊したら・・・フフフフフ、もう一生、手は自由に使えなくなるわよ?分かる?どうやるか」玲子はブーツの硬いヒールで奈良村の右手を踏み付けた。「このヒール、硬いでしょう?私の得意技は蹴り、そしてこのヒールを活かした下段蹴りは・・・」玲子がゴリッとブーツに力を込める。「ウフフフフ、君の手の骨なんか、簡単に砕けるわ。そう、指も手も手首も、全部グシャグシャに砕いてあげる。何箇所骨折したか、なんて数えても意味ない位粉々にしてあげるわ。骨も関節も神経も、全部踏み潰してあげる。そう、ドラエモンの手みたく、手首から先が単なる肉球になるまで徹底的に蹴り潰してあげる。フフフ、アハハハハッ!そこまで完全に破壊したら、どんな名医にかかったって絶対に治らないわよ!一生指一本まともに動かせない片輪にしてあげるわ!」
「や、やだ、やべでぐれえええええっ!お、おねがいだ、踏み潰さないでくれえええっ!」奈良村は絶叫しながら必死で右手を固く、全力で握り締めた。肩を外されているから力は入りづらいが今はそんなことを言っている時ではない、全身の力を振り絞って握り締めた。だがそんな奈良村の必死の悪あがきを玲子はあっさりと鼻でせせら笑った。「フフ、タマナシ君どうしたの、そんなに固くお手て握っちゃって。もしかして、固く拳を固めたら私が踏み潰せなくなる、とでも思っているの?馬鹿ねえ、そんなことしても、何の役にも立たないわよ。」玲子はツッとブーツを奈良村の手からどけるとカッカッとヒールで床をつついた。「分かる、この音。この床、コンクリートなのよね。上から加えられる力を下へ逃がしちゃうことはないわ。て、言うことはね、要するに上から私が下段蹴りを加えるとね、力学的にはコンクリートで君の拳を殴りつけているのと同じことになるのよ。分かる?ガードなんて無意味、そうやって握り締めれば石の拳になる、と言うのなら話は別だけどね。果たして君の手、コンクリートよりも硬いかどうか、試してあげるわ!」
玲子はニヤリと笑いながらゆっくりと右足を引き上げた。「さあ、右手にお別れは言えたかしら?覚悟はいいわね、逝くわよ、ハッ!」気合もろとも玲子は全身のウエイトを掛けながら、捻りを効かせた凄まじい蹴りを奈良村の右拳に叩き込んだ。バギッ・・・「ギャアアアッ!」瓦数枚を蹴り割る必殺の下段蹴り、しかも玲子は巧みに角度を調節し、ヒールの角が奈良村の拳に食い込むように蹴り付けていた。これでは人間の骨など一たまりもない。早くも人差し指の付け根から手の甲を走る骨をへし折られた奈良村の悲鳴が響く。「アハハハハッ!何回聞いても君の悲鳴はいいわね、その情けない声、私結構好きよ、ゾクゾクしちゃう!もっとその声、聞かせてよ!ほら!ほら!ほらほらほら!」ガッ、ドガッ、ベジャッ、バギッ・・・ギャアッ!ヒッヒギイイイッ!イ、イデエ、イデエエエエエッ!!!玲子が立て続けに蹴りを叩き込む毎に奈良村の悲鳴が轟く。僅か数発で既に奈良村の手の力は完全に失われ、拳はだらしなく開いていた。まずは手の甲から手首にかけて数箇所をへし折られ、奈良村は最早拳を握る力すら奪われていた。「ウフフフフ、どうタマナシ君、私の言った通りでしょ?拳を握ったところで無駄だって。さあ、じゃあチューリップが開いたところで、今度はその指を潰してあげる!」ガギイッ・・・ギアアアアッッッ!一段と高い悲鳴が轟いた。玲子の黒いブーツのヒールが奈良村の親指を覆い隠している。そして玲子がグリッと一躙りした後ヒールを持ち上げた。「アハハハハッ!ほらタマナシ君、見てご覧よ!君の親指、潰れちゃったみたいよ!」涙にボヤケた目で自分の親指、ズキズキ、と言うよりズシンズシンと体の奥底へと響く痛みを送りつける自分の指を見て、奈良村は思わず我が目を疑ってしまった。な、なんだこりゃ!?!?そこにあったのは見慣れた自分の親指ではなかった。ほぼ丸い、筒状の親指が明らかに扁平な楕円形に変形していた。何箇所もの骨折から来るズキズキとした鈍い、体の奥底から響いてくる痛みすら一瞬忘れさせる、自分の体が変形させられてしまった、という衝撃が奈良村に絶望的な悲しみとなった。「う、ううっ・・・あ、あんまりだ、あんまりだ・・・つ、つぶすなんて・・・ひ、ひどい・・・」全身を震わせてすすり泣く奈良村の頭上から玲子の嘲笑が降り注いだ。
「アハハッ!泣いてるの、タマナシ君?そんなに指潰されたのが悲しいの?大丈夫、心配いらないわよ、そんな悲しみ、お姉さんが吹き飛ばしてあげるからね!直ぐに残りの指四本もお手ても手首も、全部砕いてあげるから!悲しいなんて感じている暇なんかなくなるから安心してね!」言うなり玲子は再びブーツを振り上げ、奈良村の人差し指に思いっきりヒールを叩き込んだ。「ギギャアアアアアッッッ!」ああ、この感触最高よ!ヒールを踏み込む度に、ブーツの中の玲子の踵にミジッというような、硬い芯のあるものを砕く感触が伝わってくる。単に硬いっていうのとは違うのよね。硬いくせして、砕けると今度は小砂利を踏んだような感触と言うか、なんか粘りがあるって言うか・・・兎に角気持ちいいわね、この感触!しかも私が踏み潰したところ、どんどん内出血してくるじゃん!鞭の内出血とも全然違う感じの出血ね、こう、なんかブワッと膨れて腫れ上がる、ていう感じじゃない?なんかこのままグシャグシャにしてあげたら、タマナシ君の手、冗談抜きでグローブみたいに大きくなっちゃうかもね!玲子といえども他人の骨を折った経験は殆どない。だがこうやってコンクリートの床で逃げ場がない奈良村の指を固いブーツのヒールで責めると、面白い位簡単に骨がポキポキと折れていく。折れる、と言うより潰され、砕け、骨としての機能を失ってバラバラの骨片に分解されていく。ふーん、人の骨って案外もろいのね。こんなに簡単に砕けるものなんだ。玲子は不思議な気分だった。流石に人の骨を砕くなんて、考えてもみなかったな。だけど・・・気持ちいい!楽しいわよこれ!練習中、まともに蹴りが入って相手の骨にヒビが入ったことはあったけど、その時は結構罪悪感あったのに不思議ね、こうやってブーツを履いて骨を蹴り砕くのって、全然罪悪感なんて感じないわ。骨を砕く感触がブーツで濾過されて快感に変わっていくみたい・・・最高ね、この感覚。でも残念、流石にこんな経験、一生二度と出来ないかもしれないわよね。だったら・・・今、このチャンスに精一杯、目一杯楽しんどかなくちゃ嘘よね!ほら逝くわよ!もっと感じさせて頂戴、骨の砕ける感触を!聞かせて頂戴、骨を砕かれて片輪になっていく君の悲鳴を!見せて頂戴、崩壊していく君の手が内出血で変形していく様を!
涙に曇った奈良村の視界の中で、玲子の漆黒のブーツは天上界から降り注がれる神々の大槌のように、視界の上方に消えては再び振り下ろされ、奈良村に新たな苦痛を刻んではまた上方に消えて行った。神々を怒らせた愚かな虫けらのように、奈良村には唯ひたすら玲子の責めを受け泣き叫び続ける以外に道はない。最早首を上げる気力すらない奈良村の視界に映るものは一つだけ、一定の周期で降り注ぎ、自分の指を、手を破壊していく玲子の漆黒のブーツだけだった。玲子はこまめに丁寧に、満遍なく奈良村の手を砕いていった。指一本につき十回近くも蹴りを叩き込み、文字通り粉々に砕いていった。「ウフフフフ、さあもう指は全部、粉々に砕けたみたいね。じゃあ仕上をしてあげるわ!」玲子はブーツ全体を使って奈良村の指を踏みつけると、全体重をかけながらゆっくりゆっくりと丁寧に踏み躙っていく。「アッアギギギッイイ!イアアアアアッ!!イデエエエエエエエッッッ!!!」なら村が一段と高い悲鳴をあげた。「アハハハハハハッ!どうタマナシ君、最高に痛いでしょ!?そりゃそうよね、だってあっちこっちでグシャグシャに砕けた骨を踏みつけてあげてるんだものね。痛いでしょう?こうやって踏み躙ってあげると、砕けた骨の欠片が君の指の中であっちこっちに散らばって神経に刺さりまくっているはずよ!アハハ、アハハハハハハッ!気が狂いそうに痛いでしょう?もう死んじゃいたいんじゃないの?でもダメよ、そう簡単に死ねるわけないでしょ。いくら痛くてもたかが指なんだからね。死ねるわけないわよね!覚悟しなさい、もっともっと痛くしてあげるからね、たっぷりと味わうのよ!そして思い知りなさい、女の子にナイフで切りつけた罪の重さを!ほら!ほら!ほらほらほら!」玲子は指全体を、五本の指全てを一本一本満遍なく破壊し、骨を文字通りバラバラに崩壊させていった。次いで手の甲、更には手首、と順次砕き、踏み躙り、徹底的に破壊していった。延々と続いた破壊作業が終了した時、悲鳴を上げ続けていた奈良村は精魂尽き果てたようにグッタリしていた。「ウフフフフ、どうタマナシ君、踏み潰し刑、随分効いたみたいね。さあ、じゃあ君のお手てがどうなったかみせて頂戴。」処刑が一段落したところで礼子たちは一旦奈良村の上から降りたのだが、最早動く気力は全くない。肩を震わせて荒い息をする奈良村の右手を礼子は無造作に持ち上げた。「ワ~ッほらみんな見てご覧よ!これおもしろーい!」玲子の言うとおり、奈良村の手は中々の見物だった。何箇所と数えるのも馬鹿らしいほど沢山の複雑骨折、そして内出血で手はパンパンに腫れ上がって来ていた。そして何よりも、その柔軟性は誰も見たことがないものだった。「ほら、これこれ!どこでも、どの方向にでも曲がるよ!ほらタマナシ君の手、まるでタコみたいじゃん!」玲子がクイクイッと適当なポイントを掴みながら曲げると奈良村の手はどこでも、殆ど何の抵抗もなく有り得ない角度に曲がっていく。勿論、骨が折れた所だ、そんな傷口を更に抉られて痛くないわけがない。「ひっひぎああっい、いでえええっや、やべで、さわらないで・・・ひいいい!!!」「あら冷たいじゃない、そんなに嫌わなくてもいいでしょ、私、別に手荒な真似なんかしてないよ。単に握手したいだけよ。ほら、握手しよ!」玲子が無理矢理奈良村の右手を握る。指、手の甲、手首、砕かれた骨があちこちで神経を刺激し奈良村に爆発的な激痛を与える。どこが痛い、等というのは無意味だ。手全体の神経が一斉に悲鳴をあげる。「ギャアアアアアッ!ヒッヒイイイイイッッッッ!」「あら、そんなに嬉しいの?うん、分かる分かる!この霧島玲子さんに握手して貰えるなんて、君には身に余る光栄だものね、泣いて喜ぶのも当然よね!じゃあお姉さん、今日は機嫌いいから特別サービスもしてあげるわ。ほら、両手一緒に握手してあげる。但し・・・左のお手ても砕いてからね!」「ひっそ、そんな、そんなあああっやべでぐれええええっ、や、やべでえええええっっっ!!!」奈良村は甲高い声で泣き叫び続けた。だが玲子の言うとおり、まだ片手なのだ。もう一回、もう一回奈良村はこの激痛の処刑を受けなければならないのだ。漸く処刑が終わった時、奈良村は半ば意識を失いかけていた。だが玲子の恐ろしい宣告が失神、という救いの女神を一瞬にして遠ざけてしまった。「さあタマナシ君、これで踏み潰し刑は執行完了よ。良かったわね、大負けに負けて、一応罪は償った、てことにしておいてあげるわ。・・・と言う事で、そろそろ仕上、タマタマ潰しに移ってあげるわね!」あ、あああ・・・奈良村の口から絶望の嗚咽が漏れた。だが余りに体力を消耗し、その声は虫の息程度のものだった。
「ウン?何言ってるの?全然聞こえないよ、もうちょっと大きな声で言ってよ?」玲子は奈良村の口元に耳を近づけた。「・・・た、たすけて・・・つぶ、さ・ない・・で・・・」
「ああ、それはダメよ。諦めなさい。どうせ潰されるのが早いか遅いかだけの違いなんだからさ、イヤな事は早く済ませた方がいいんじゃない?」玲子の拒絶に合わせるように、礼子が奈良村の髪を掴み、顔を引き摺り起こす。「さあ、ここで最後の選択よ。顎外して貰うのがいい?それとも、検見川さんみたく、歯を蹴り砕かれるのがいい?お好きなほうを選んで頂戴。あ、念のため逝っとくけど、どっちもイヤ、とか、やめて、とかいう返事は歯をへし折られる方をチョイスした、と見なすからね。」玲子は漆黒のブーツの爪先でコツコツと奈良村の口をノックしながら最後の選択を迫った。「あ、ああ・・・」奈良村は恐怖と絶望の余り、口をパクパクさせるだけで何も言えない。だが目の前で検見川が歯を蹴り砕かれるのを見せ付けられたのだ、選択の余地はない。奈良村は涙を流しながらも口をダラリと開け放った。フンッと玲子は冷笑を浮べながらブーツを更に突き出す。「あ、やっぱ顎を外される方がいいのね。まあ賢明な選択と思うわよ。じゃあ、私が仕事しやすいように、ちゃんと咥えこんで頂戴!」
クイッと玲子がブーツをしゃくる動きにつられるように、奈良村は玲子のブーツの爪先を自ら咥えこんだ。自分の両手を粉々に砕き、再起不能の片輪にしたブーツを。自分のことを際限なく責め苛んだ漆黒のブーツ、苦痛と屈辱の象徴、元凶とも言える玲子のブーツを自らの意思で咥える。靴を舐める、等というレベルではない屈辱だ。激痛に頭の中が真っ白になった中でもその屈辱は決して掻き消されずに奈良村の精神を責め苛む。だがいくら悔しくても玲子に逆らうことはできない。その気になれば玲子はいつでも自分の歯を蹴り砕けるのだ。これだけの苦痛を味わった後、しかもこの後は睾丸を砕かれる責めが待ち受けているのだ。その前に受ける苦痛は少しでも、ほんの僅かでも減らしておきたい。奈良村は屈辱を必死で堪えながら玲子のブーツを、咥えこんだ。土埃と皮革の匂いが奈良村の口の中一杯に広がる。目の前には玲子の漆黒のブーツが聳えている。信次たちが味あわされたのと同じ、屈辱の情景だ。フフフフフ、タマナシ君、泣いてるのね、いいザマよ。自分でブーツを咥えに来るなんて、もう精神もズタズタに踏み躙ってあげられたみたいね。その屈服して怯えた目、私を見上げるその目、最高よ。いつまでもずっとずっと、その目で見上げさせていたいわ!玲子は奈良村が涙を流しながら、自分のブーツを咥えたまま見上げているのをゆっくりと楽しんだ後、おもむろに刑を執行した。「いいわ、じゃあ、逝くわよ?」玲子の宣告に合わせるように、礼子が奈良村の首を支えたまま指を耳の下、頬骨と頭蓋骨の付け根に食い込ませて上に持ち上げ、力の支点とする。「せーの、それ!」玲子は奈良村の口に押し込んだブーツを一気に踏み下げる。ガックーン・・・あっけないほど簡単に奈良村の顎が外れる。「ア、アワワ・・・」奈良村は顎が外れるのは初体験だった。いたい、と言うより疲労感を伴うような、時間と共に痛み、不快感が増す、何とも形容し難い苦痛だ、これだけでも十二分に苦しい。だが今はこの程度の痛み、ほんの前座に過ぎない。本物の苦痛はこれからやって来るのだ。
「OK・・・さあ準備完了ね。さ、タマナシ君、これで君も名実共に、本物のタマナシ君になるのよ。」仰向けにひっくり返した奈良村の股間にしゃがみ込みながら、玲子は拳を固め、片膝をついて下段正拳突きの姿勢を取る。言葉は相変わらず奈良村を嘲っているものの、眼は笑っていない、むしろどこか緊張感すら漂わせている。検見川の時と同じく礼子は腹の上、そして今度は富美代が右足、朝子が左足を広げながら押さえ込む。「い、いや、ヒック、ウエッ・・・やめて・・・イアッ・・・」奈良村は最早絶叫する気力すらなく、ひたすら泣いている。「タマナシ君、ダメよ、泣いても許してあげない・・・だけど君をいたぶるつもりも、もうないのよ。余計な苦しみを味あわなくて済むように、一発で決めてあげるわね!」玲子は右拳を引き付け、ゆっくりと呼吸を整えた。「ヒュウウウッッッ・・・ハッ!」列昂の気合と共に、玲子は必殺の下段突きを繰り出した。ドグジャッ!瓦数枚を砕く玲子の下段突き、しかも睾丸はコンクリートの床にくっついている。これでは力の逃げ場所が全くない。奈良村の左の睾丸があっけなく潰れた。「ギギャアアアアアッッッ!ギア゛ッ、イ、イデエ、イデエヨオオオオオッ!!!」奈良村の全身に鉛の塊で殴りつけられたような重い衝撃が走る。イタイ、それ以外は何も感じられない。殴る蹴る、といった体の表面から来る痛みではない。内臓を傷つけられる感覚、生命の危機を本能が感じ取り、最大限の警報を鳴らしているようだ。
奈良村は全身を苦悶にのた打ち回らせるが肩、股関節を外された上に礼子たち三人掛かりで押さえつけられていては満足にのた打ち回ることすらできない。その奈良村の股間を触った玲子の美貌に満足そうな、そして見るものを震え上がらせる残酷な冷笑が浮かんだ。「ウフフフフッ、我ながら完璧にヒットしたわね。タマナシ君、左は潰してあげたから・・・今度は右よ!」「いあ゛、あべておしえおえあいいいいいいっっっ!!!い、いっあつ、いっあつ!」玲子の余りに無慈悲な宣告に、激痛にのた打ち回っていた奈良村の口から断末魔のような悲鳴が迸る。だが顎を外されているから殆ど言葉にすらならない、「うん?!一発だけ、とでも言ってるのかな?確かに私、一発、て言ったわよね。だけど、それは左を一発で潰してあげる、て言っただけよ。両方一辺に潰すだなんて、一体誰が言ったの?」玲子にとって、この刑罰は確かに必要に迫られての刑罰だ。だが、玲子の中では必要だから仕方ない、というドライな判断と折角の金玉潰し初体験をたっぷり堪能したい、という加虐の慶びの二つの感情が全く矛盾なく共存していた。思ったよりあっけなく潰れるものね・・・だけど潰した瞬間のこの絶叫、ゾクゾクするじゃない?いいわよタマナシ君、私、君にこんなに私をゾクゾクさせる才能があるなんて知らなかったわ。今は右の拳で極めたから・・・今度は左の拳にこの感触、焼き付けておかなくちゃ!さあ、もう一度楽しませて頂戴!
玲子がゆっくりと左拳を巻き上げる。「さあ、逝くわよ・・・覚悟はいいわね!?ハヤッ!」ビュオッ・・・グジャッ・・・「ギャビイイイイイッッッ!!!ギブアアアアアアッッッッ」未だ先ほどの激痛が抜けない、というより痛みが余計激しくなっている奈良村の全神経を、新たな苦痛がパニック状態に陥れる。冷たい氷のような感覚、身体の奥底にズシンと氷の巨弾を打ち込まれたような感覚だった。「グヴエッ・・・オゲブァアアアッッッ!!!」奈良村の全身を押え様のない吐き気が貫き、胃液がこみ上げてくる。「ヴベバッ、ガハッゲバアッッッッ!!!」だが胃液を吐き出すほどの力さえ出ない。余りの痛さに呼吸困難に陥った奈良村の喉を胃液が上下し、それが新たな咳き込みを誘って苦痛を更に増していく。股間の痛みと呼吸困難と内臓の反乱と。奈良村は全身の神経の暴走に延々と苛まされつづけながら、長い時間をかけてのたうち回ったあげくに白目を剥いて気絶していった。
残り二人。未だ意識があるのは須崎と坊野の二人だけだった。「さあ、残るは二人、後半戦ね。で、どっちが先に逝く?」完全に気絶した奈良村の背中から降りた礼子が、冷たい微笑を浮べながら尋ねた。「い、いやだあああ!ぼ、坊野、坊野さああああん!お、お願いだあああ、助けて、先に逝って、いやだよおおお!!!」「ば、ばかやろおおお、お、おれだって、おれだっていやだ、お、おまえだ、おまえが先いけ、め、めいれい、命令だ、おまえが先逝け、言うこと聞かねえとぶっ殺すぞ!」もう仲間意識などどこにもない。あるのは唯一つ、生存本能。助かりたい、自分が、自分だけは助かりたい。坊野も須崎も、頭の中にあるのはそれだけだ。二人の醜い罵りあいに些か辟易としたように朝子が肩をすぼめた。「あーあ、最凶のギャング、といってもタマタマ潰すよ、ていうだけでこんなになっちゃうんだ・・・なんか、もううんざりだな。もうこんな連中に付き合うの、そろそろ終わりにしたいな。ねえ礼子、チャッチャッとすませちゃおうよ。まあトリは一応この人たちのプレジ、ということで坊野さんと礼子にしてさ、次、私が片付けちゃっていい?」礼子にも否やはない。早速四人は須崎を取り囲んだ。「い、いや、いやだあああああ、やめてくれえええええっ!」「・・・全く五月蝿いわね、何よ、そんなに涙流して情けない声で・・・貴方たち一応、最凶ギャングを名乗ってるんでしょ?恥ずかしくないの?ペッ!」須崎の髪を掴んで引き上げた朝子が軽蔑と嫌悪感を露骨にその愛くるしい美貌に浮かべながら、思いっきり唾を吐き掛けた。「ホラ今何されたかわかんないの?唾吐き掛けられたんだよ?女の子に、自分の顎を蹴り砕いて、手を焼いて拷問した女の子に。自分よりずっと小っちゃくてしかも年下の女の子に。須崎さん今、唾吐き掛けられたんだよ?ねえ、悔しくないの?顔に唾吐き掛けられるなんて、人間最大の屈辱じゃないの?ほら、そんなことされたのに睨み返す位できないの?よく唾吐き掛けられて、悔しいとも思わずにいられるわねえ。最低!ねえ、そんな意気地なしだったら、もう一回唾吐き掛けちゃうよ?ほら!こっち見て、私の口を見てよ、自分が唾吐き掛けられるところをたっぷりと見なさいよ、ほら逝くよ、ペッ!」朝子は須崎のことを嬲りながら再度、唾を吐き掛けた。朝子は他人に唾を吐き掛けることが大好きだった。自分の優位性、他人を屈辱させられる強さの象徴と思っていた。うーん、気持ちいい!こうやって唾吐き掛けるのって、何度やっても最高に気持ちいいよね。唾掛けられた相手が悔しそうに私のこと見て、だけど怖くて逆らうことすらできない、ていうの最高よね。ゾクゾクしちゃう!なんかさ、唾吐く度に唇がこう、フワーッとあったかくなるような感じがしてほんと、気持ちいいのよね。私、フミちゃんほど唾吐くのは上手じゃないけど、それでもこうやって唾吐き掛けるのって大好き。ほんとこれ、最高に楽しいのよね・・・だが須崎はもう反抗する気力も何もない。悔しそうに朝子を睨むことさえできない。唯々怯えるだけだった。「・・あ、あわわわわ・・・ゆるして、やめて・・・つぶさないで・・・・・」うわ言のように呟き続ける須崎に、呆れた、というように朝子が両手を広げて肩をすぼめた。
「ふう、全く情けないわね・・・じゃあ須崎さん、いいこと教えてあげる。私ね、男の人の好みは結構男っぽい人が好みなんだ。逆に意気地なし君は大っ嫌いなの。今の今までね、まあこれ以上苛めたら可哀想だから、あっさり潰して終わりにしてあげよう、て思ってたんだけどね」ニヤリと朝子が残酷な笑みを浮かべた。「須崎さん、大っきいだけで実はとんでもない意気地なし君だったみたいね。だって唾吐き掛けられたのに悔しくもないんだものね。そんな意気地なし君の分際で私を襲おうとしたなんて、図に乗るのにも程っていうものがあるわ!やっぱり・・・懲らしめてあげなくちゃいけないわね、たーーっ、ぷりと!」やれやれ、玲子は思わず苦笑してしまった。朝子ったらはなからすっかりやる気だった癖して。睨み返したら反抗的だ、とか反省が足りないとか言って結局絶対に苛めるつもりの癖してね。変に希望を持たせたり前振りしてる間に自分で勝手に盛り上がっていくから朝子って怖いのよね。そんな玲子の苦笑に気付かないかのように、朝子は嬉々として刑の宣告をした。
「さあ、どうやって懲らしめられるかは、もう分かっているわよね。そう。も・ち・ろ・ん・・・火焙りの刑よ!」ひ、ひあぶりーーー!須崎にとっては最も聞きたくない言葉だった。「そ、そんな!ひ、火焙りだけは、それだけは許してくれえええっ!」「だーめ!須崎さん、さっきあれだけいい声で叫んでたんだから。よっぽど私の火責め、効いたんでしょ?だったら刑罰は勿論、火焙りよ!覚悟しなさい、拷問の火責めじゃないんだからね、火焙り、これは刑罰なのよ。さっきよりも・・・ずーっとずーっと、熱ーくしてあげるからね!」必死で泣き喚く須崎に構わず、朝子は須崎をうつ伏せにするとパンツとトランクスを一気に引き摺り下ろし、尻を剥き出しにした。玲子と富美代が両腕を、礼子が両足に乗って押さえつける。「アハハハハッ、須崎さん随分とお尻が白いのね、ちょっと不健康なんじゃない?」ピシャピシャと須崎の尻を叩きながら朝子が笑った。「でも安心してね、直ぐに色をつけてあげるわ・・・そう、真っ赤にしてあげるからね!」恐怖で震える須崎の眼前に朝子は四個のライターを突きつけた。須崎のライターと同じ大型のZIPPO、そう、須崎たちSNOW CRACKの幹部が一緒に特注したものだった。気絶した須崎たちを縛り上げている間に、朝子は抜け目なくそのライターを四人全員から集めていたのだ。「ウフフフフ、ねえどうするか分かる?まさか、さっきまでと同じ、単純に炙るだけ、なんて思ってないわよねえ?」カチッと音を立てて朝子はZIPPOのオイル注入口を空け、中のオイルを須崎の尻に垂らした。「あっあわわわわわっ・・・・ま、まさか・・・・」「ウフフ、そうよ、分かったみたいね、ビンゴよ。ライターのちっぽけな火で炙る、なんて手温いわ。そんなんじゃ刑罰にはならないでしょ。だから今度は・・・直火で焼いてあげる!」恐ろしい宣告をしながら朝子は四つのライターから次々にオイルを須崎の尻に垂らしていく。そしてそのオイルを尻一面に満遍なく伸ばした。「さあ準備完了。覚悟はいいわね、オイルでの直火焼き、これきっと熱いわよー!足自由にできないのが残念ね。文字通り尻に火が着く、てやつかしら。ウフフフフ、自由にしてたらきっと、100メートル3秒で走れるんじゃない?残念だわ、世界新記録を見損ねちゃったわね。」
「や、やべ、やべやべやめてぐれえええええっ!」須崎が必死で絶叫するのを楽しそうに眺めながら、朝子は問い返す。「ねえ須崎さん、ところでひとつ質問なんだけど。そうやって絶叫するのは須崎さんの勝手なんだけどさ、叫んでいたら許してもらえる、て本気で思ってるの?」グウッ・・・須崎が思わず返答に詰まるのを見て朝子は大きく頷いた。「あ、そっか!自分でも無駄だ、て分かってるんだ!だったらいいわね。私、もしかして須崎さんが本気で許してもらえる、て本心から信じているんだったら、悪いからやめようかな、て思ってたのよ。だけど須崎さん自身が信じていないんだったら遠慮はいらないわよね!じゃ、遠慮なく火焙りの刑、執行よ!」シュボッと朝子がライターに点火した。オイルを抜いても暫くの間は芯に染み込んだオイルで十分に火はつく。わざと須崎の鼻先を掠めるようにしながら、朝子はゆっくりとライターの火を須崎の尻に近づけていく。
「あっああっや、やめて・・・おねがい・・・」恐怖の余り微かな泣き声しか出なくなった須崎を嘲笑うかのように、朝子はゆっくりと炎で尻を掠める。「ヒイッ!」ライターの熱を感じると同時に甲高い悲鳴をあげ、須崎の尻が跳ね上がる。「アハハハハッ!やーねえ、大袈裟なんだから!未だ火は付いてないわよ。今のはほんの予告編。本番はこれからよ、さあ、本当に・・・火をつけてあげるわね。逝くわよ・・・ファイヤーーーー!」「あ、ああっや、やべ・・・ギッアヂイイイイッッッ!」朝子が今度はしっかりと須崎の尻にライターの火を押し付ける。と、一瞬の間を置いて須崎の尻に擦り込まれたオイルがポッと赤い炎をあげた。炎はあっと言う間に広がり須崎の尻を覆い尽くす。「ギアッ! 熱いっ、熱いぃっ! グウギャアアアアアアァァァギイイイイイィッ!!」四肢の関節を外された上で縛られ、身動きのとれない須崎の体がその場で30センチ近くも飛び上がった。「アハハハハッ!須崎さん凄い腹筋力じゃない!その調子よ、もっと踊って踊って!」笑い転げる朝子にかまう余裕などどこにもない。炎で我が身を焼かれる苦痛、意思の力で制御できるような苦痛ではない。殆ど原始の本能、野獣の本能というべきか、なんとか、なんとか逃れようと須崎は凄まじい悲鳴をあげながら飛び跳ねつづけた。なんとか、なんとか引っ繰り返って尻を床につけ、火を消そうと必死でもがき続けた。だが周りを囲んでいる朝子たち四人はそんなこと、百も承知だ。須崎がヒコヒコと腰を突き出すように必死で飛び跳ね、なんとか引っ繰り返ろうとしてもしっかり全身を押さえつけ、、あえなく腹から着地させてしまう。体を捻ろうとしても、手足をしっかりと固定されていては無理というものだ。あらゆる動きを封じられ、須崎は尻を焼かれつづけた。
「ひギアあああっ、熱いっ、くああアアあぁっ、アッ、アギイイィィッ!!」須崎は狂ったように叫び続けた。手を炙られた時の苦痛の比ではない。体の奥底にまで熱が伝わってくるのが分かる。まさに命そのものを燃やされているような苦痛だ。これほどまでの苦痛は未だかって味わったことがない。須崎がのた打ち回るのを見下ろしながら朝子は大笑いしていた。「アハ、アハハ、アハハハハッ!いい動きよ!ほらもっとお尻を動かして!そんなんじゃいつまで経っても火は消えないよ!」笑い転げながら朝子はふとオイルが燃える匂いに混じって異臭を感じた。なんだろ、この匂い。余り記憶にない、ツンと刺激的な匂いだった。どこから漂ってるのかな?匂いの源を探してニ、三回鼻をクンクンと鳴らした朝子がポンッと手をたたいた。「あ、そうか!この匂い、須崎さんのお尻が焼ける匂いなんだ!」そう分かった瞬間、朝子はその匂いを何とも言えずいい香り、と感じた。人間が焼ける匂いは耐え難い悪臭、と聞いていたけど、全然そんなことないじゃん!いい匂い・・・うっとりしちゃうわ、なんか焼肉食べたくなってくるような匂いじゃない!それを職業としている軍人でも、初めて敵の焼け焦げた死体の匂いを嗅いだ時は生理的嫌悪感に耐えられない、と言う。だが須崎を責め苛むことに、特に長時間火責めを続け、火で責め苛むことに耽溺してきた朝子にとって、その匂いは自らの拷問、処刑の成功を祝福する香り、自らの勝利と須崎の苦悶を象徴する至上の芳香となっていた。「ああ、いい匂い!うっとりしちゃう・・・ねえ須崎さんも感じない?自分の体が焼ける匂い。最高の香りだと思うんだけど、どう?」朝子は大きく息を吸い、須崎の尻が焼けていく匂いを満喫した。だが問い掛けられた須崎に答える余裕などあるわけがない。我が身を焼かれている最中なのだ、ひたすら絶叫をあげ、悶え苦しむ以外のことが出来ようはずがない。
須崎にとっては無限とも思える時間が流れた。実際には高々10ccかそこらのオイルしかない。燃える、と言っても何分も燃えつづけるわけではない、一分かそこらのものだ。だが須崎の精神も肉体も全てを焼き尽くすには十二分な長さだった。漸くオイルが燃える炎が須崎の尻の上で小さくなり、一条の煙を残して燃え尽きても須崎は全身をピクピクと痙攣させたまま精根尽き果てて横たわり、啜り泣いていた。だが朝子が与えた休息時間はほんの僅かしかなかった。「うん、結構いい色に焼けてきたじゃない!もう触っても熱くないかな?」満面に笑みを浮かべながら、朝子は焼け爛れた須崎の尻を平手でピシャピシャと叩いた。「ぎ、ぎあっや、やべ、さわらないで!!!」火は消えたとは言え重度の火傷を負った尻を叩かれては堪らない。痛い、というより不快感、悪寒のような苦痛が全身を駆け巡る。「アハハハハッ!そんなに痛いんだ!そう、可哀想にねえ。この火傷、果たして治るかしら?一生痕が残るかもね!」笑いながら朝子は須崎の眼前にしゃがみこんだ。「でもね、これはあくまで刑罰、須崎さんを懲らしめる火焙りの刑だ、て言ったでしょ?唯のリンチ程度ならもうこれでお終いにしてあげてもいいんだけどね、刑罰、て言ったらこれじゃまだまだ手温いわ。いい?これは刑罰、火焙りの刑よ。今のはほんのオードブル、本物の火焙り刑の執行は・・・これからよ!」
楽しげに笑いながら朝子は奥の機械が置かれている作業場にあるテーブルへと歩いていき、上に置いてあった缶を持ってきた。その缶を須崎の目の前で揺り動かすとチャポチャポと音がする。何だろう、と涙で曇った目で見た須崎が声にならない悲鳴をあげる。その缶にはこう書いてあった。「潤滑用オイル」「・・・ひっひいいいいっ!そ、そんな!!!」「あら何そんなに驚くのよ、ここは廃業したとは言っても工場なんでしょ、オイル位残ってたって不思議はないでしょ?そんなことより、この量・・・ウフフフフ、100CC以上は入ってるわね。さっきお尻を焼いてあげたオイルの十倍はあるんじゃない?ねえ、もうこの先の展開、流石に分かるわよね?ウフ、ウフフ、ウフフフフフ、このオイル、ぜーんぶ使って焼いてあげるからね!あっついわよー、どうするの、さっきみたく直ぐには火、消えてくれないわよ。ウフフフフ、須崎さんのお尻、真っ赤になるとか皮が剥ける、じゃすまないかもね。お尻、黒焦げになっちゃうんじゃない?どんな悲鳴とダンスを見せてくれるかな?たのしみー!たっぷりと堪能させてね!」朝子は蓋を開け、須崎の尻にゆっくりと黒ずんだオイルを垂らしていく。「ヒッ、ヒイッ!」「あら冷たかった?ごめんねー、直ぐにあったかくしてあげるからさ、ちょっと待っててね!」先ほどよりも遥かにたっぷりとオイルを垂らしたところで朝子はふと手を休めた。「あっ、そう言えば一つ忘れてたわ。玲子もフミちゃんも、一生再起不能、絶対に消えない痕が残るような刑を執行したわよね。うーん、こうやってお尻を焼くだけじゃちょっと物足りないわね。・・・お顔でも焼く?」「や、やだああああっや、やべでぐれえええええっそ、それだけは、それだけはやめてくれえええええっっっ!!!」朝子が目の前にオイル缶を突きつけると須崎は死に物狂いで泣き喚き、激しく首を振り回して何とかオイルから逃れようとする。クスッ、馬鹿ね須崎さん、流石に顔面ケロイドにしたんじゃ後始末が厄介すぎるわよ。でもこんなに恐がっちゃって、何だか可愛いわね。「アハハハハッ、よっぽど顔面焼きは怖いみたいね。いいわ、じゃあ勘弁してあげようか?」「あ、ああっお、おねがい、なんでも、なんでもする
から顔だけは許して・・・」「ふーん、じゃ、顔以外だったらどこを焼かれてもいいね?」朝子はグイッと須崎の尻の割れ目を広げると、その割れ目の中、特に肛門周辺にたっぷりとオイルをかけた。「さっきはオイル少なかったから、中までしっかりと焼けなかったでしょ?でも本当にバッチクテ臭いのはここだもんね。ここもこんがり焼いてあげるわね!」ヒイイイイッ再び須崎の悲鳴が上がる。「そ、そんな酷い・・・」「あ、何?やめて欲しいの?いいわよ、やめても。じゃ顔面ケロイドがいい?どっちか好きな方選んでいいよ。でもどっちか一つよ。あれも嫌これも嫌、どっちも嫌だなんて言うのは、そりゃ無理よ?どっちがいい?お尻、お顔、はーい、ファイナルアンサーのお時間でーす!ラストカウント終了までにチョイスしてくださーい!あ、念のため、アンサーがなかった場合には、両方まとめて焼いちゃいますからねー!」りょ、両方!そ、そんな・・・と言おうとして朝子を仰ぎ見た須崎は絶望に言葉も出ない。こ、こいつなら・・・こいつなら本当にやる・・・お、俺を絶対に焼く・・・「5,4,」答えなければりょ、両方とも「3,2,」・・・ど、どうする・・・「1,0!はーい、ではファイナルアンサーをどうぞ!」流石に顔か尻かで、顔を焼いてくれ、と言えるわけがない。「・・・け、けつ・・・」「うん、なんですかあ?はっきり答えてくださーい!」「・・・あ、ああ・・・け、けつ・・・尻にしてくれ・・・」「はあい、お尻がファイナルアンサーですね!ではお望み通り、しっかり焼いてあげましょう!焼き加減は・・・ウェルダンでよろしいですね!」
朝子がゆっくりとライターの炎を近づけ、再び須崎の尻に点火する。ボッ・・・純度が低い潤滑用オイルはやや黒い煙をあげながら燃え始め、あっと言う間に須崎の尻全体を炎が舐めつくす。「「ギャアアアアアアアァッ!! 熱いッ、熱いいぃっ! ウギャアアアアアアアアァッ!!」「いやあああああぁっ、助けてえぇっ、誰、誰かっ、火を消してぇっ。いやああああぁっ」先ほどとは比べ物にならない位の絶叫が須崎の口から迸り出る。相変わらず引っ繰り返ろうとしては朝子たちに押さえつけられるので、せめて唯一自由にできる動きを、少しでもオイルを振り落とそうと尻をヒコヒコと上下左右に振り回し、必死で珍妙なダンスを踊りつづける。だが揮発性が高く、サラッとした燃料用オイルと違い潤滑用オイルはある程度の粘性を持つ。その粘性はオイルを下に垂れ落とさず、須崎の尻にしっかりとこびり付かせている。そして純度の低さも須崎を責め苛むのに寄与していた。潤滑用オイルは燃料用オイルよりは純度が低い分、燃える速度もかなりゆっくりである。勿論燃焼温度も若干低いのだが、そんなことは須崎にとってなんの慰めにもならない。少なくとも人体を焼くには十二分な温度だ、皮膚に密着して中々床に垂れず、しかも延々と燃えつづける。潤滑用オイルは本来の意図とはまったく関係ない用途、火焙り刑にその威力を、須崎を責め苛むには遥かに適した特性を発揮してゆっくりと燃え続けた。「ああっ、熱いっ、ひいっ、あっ、あっ、ああああ---っ! 熱いっ、やめてっ、お願いぃっ!」やっと少し炎が下火になり、かつ表皮の神経が焼け死んだせいであろうか、須崎の悲鳴が若干とはいえ何か多少は意味のある、言葉らしきものになってきた。その様子をゆっくりと鑑賞していた朝子の美貌に更に悪戯っぽい笑みが浮かんだ。
「ウフフフフフ、須崎さん少しは余裕出てきたみたいじゃん?火も大分弱くなっちゃったしね、もう終わりだ、やっと終わった、て思ってるんでしょ?・・・ブーッ!ざーんねんでーしたっと!誰がもう終わり、だなんて言ったの?ほらよく見てご覧、まだオイル残ってるよね?聞こえる、ほらまだこーんなにチャポチャポって言ってるじゃん?全部須崎さんにあげる、て言ったでしょ?私、約束守る人なんだ。だから約束通り、須崎さんにこのオイル、全部あげるね!と、いうことでオイル追加いっきまーす!」「ヒッ!イッ!!ヒイイイイイッ!!!きゃああああああああぁっ! やべてっ、も、もうっ、じんじゃううぅっ! ぎゃああああああああぁっ!!」処刑が漸く終わる、と思って神経が緩んだところに処刑再開を告げられ、苦痛が全て振り出しに戻りまた一から焼かれ直す。肉体面だけではない、この朝子の巧みな緩急自在の処刑は須崎の精神までも焼き尽くし、幼児退行に追い込んでいく。須崎の精神は錯乱一歩手前だった。いや、いっそ錯乱してしまえたら、気が狂ってしまえたら、どんなに楽なことだろうか。だが発狂することすらできなかった。
泣き喚く須崎を満足そうに見下ろしながら朝子は追加のオイルを降り注ぐ。しかも今度は既にかなり焼けた尻だけではなく、太腿から膝裏の方にまでオイルを降り注いだ。弱まりかけた炎が新たな燃料補給により勢いを取り戻し、そして炎が脚に、今まで焼かれていなくて未だ神経が生きている脚へと伸びていく。「ギャッ、アッ、あ、あ、熱いっ、熱、っ、ぎゃあああっ!ひいぃっ、ひいっ、ひいいいいいっ!!嫌ああああぁっ!!!えーん、マ、ママ、ママァッ!!!熱い、熱いようっ!た、たすけてえええっ!!!やべでえええっ!!!」だが幾ら泣いても喚いても助けなど来るわけがない。須崎にできることはひたすら苦しむこと、朝子が手にするオイルが全て燃え尽きるまでもがき苦しむこと以外には何もない。漸く全てのオイルが燃え尽きた時、須崎の尻から膝裏にかけては悲惨な状況になっていた。皮膚はべろりと剥け、下の筋肉組織も焼け爛れていた。特に長時間焼かれた尻の一部などは黒焦げに炭化している。一目で分かる。面積に直せば人体全体の1/10程度だから生命に別状はないが、一生ケロイドが残るのは間違いない。須崎は巨体に似合わない女の子のような声でウエッウエッと啜り泣き続けていた。だが未だ終わってはいない。朝子はもう一つの処刑を忘れてはいない。そう、須崎の睾丸を潰すことを。
いかにも楽しそうに須崎を見下ろしていた朝子がやがて立ち上がり、ゆっくりと須崎を蹴り転がす。「ギアッ!ヒヅウッ!!」焼け爛れた尻が床につく刺激に須崎が悲鳴をあげる。その悲鳴に朝子が微かに眉をしかめる。「ああもう!ったくうるさいんだから!それくらいで一々悲鳴あげないの!しっかりしなさい!ペッ!」朝子は再度、須崎に唾を吐き掛けた。そして唾を吐き掛けた朝子の唇が残酷な微笑に歪む。「須崎さん、男の子でしょう?未だ刑は終わっていないのよ・・・そう、これから須崎さんのタマタマ、潰してあげるんだから!あ、そっか、潰したら須崎さん、男の子じゃなくなっちゃうんだね!そうか、じゃあ男らしくないのも仕方ないわね、アハハハハッ!」ケラケラと朝子は楽しそうに笑った。「あっあぐううううう、そ、そんな・・・もうやべで・・・し、死んじゃう・・・」「アン、ほらそんな情けないこと言わないで!大丈夫よ、検見川さんも奈良村さんも潰されたけど、一応生きてるみたいよ。だから須崎さんも多分きっと・・・上手くいけば命は助かるわよ、うん!」「そ、そんな・・・ひ、他人事だと思って気軽に言わないでよお・・・」「他人事?気軽?何バカ言ってるのよ、あったりまえじゃん!他人事に決まってるでしょ?分かってるの?須崎さんは犯罪者、私たちをレイプしようとした罪人よ。私たちはその罪に対する刑を執行しているだけじゃない!当然のことでしょ?それをなんで私が須崎さんみたいな最低の犯罪者のことを親身になって心配してあげなくちゃいけないの?なんで被害者の私が、加害者の須崎さんに同情してあげなくちゃいけないのよ、バカ言わないでよ!」朝子の顔に怒気が浮かんでいた。
「やっぱり須崎さんって全然反省してないのね!あれだけ焼いてあげたのに未だ反省してないなんて、本当に人間の屑、筋金入りの屑ね。須崎さん、骨の髄まで腐ってるわよ・・・いいわ、たっぷりと懲らしめてやる。須崎さんのタマタマ、両方ともペシャンコに潰してあげるから覚悟しなさいね!」罵りながらペッ、ペッと二度、三度と朝子は須崎に唾を吐き掛ける。そして腰に手を当て須崎を見下ろしながらブーツの爪先で須崎の顎を小突いた。「ほら、武士の情けよ、顎は外してあげるから、口開けて!」だが朝子を怒らせてしまった恐怖にパニック状態に陥った須崎は朝子のイラついた声すら聞こえず、ますます大声で叫びたてた。「ひ、ひいいいいった、たすけでぐでえええええっ!つぶさないでくれえええええっ!」「ああもう!うるさい!だったら・・・こうよ!」日頃はどちらかというと脳天気な、やや天然ボケっぽいところさえあり、決してキツイ印象を与えない朝子の可愛い顔立ちが、夜叉のような憤怒に彩られた。
スッと純白のウエスタンブーツを上げた朝子は委細構わず、大口を開けて泣き喚く須崎の口に強引にブーツの爪先をねじ込んだ。「ウ、ウグッ・・・ぐえっ!」悲鳴を封じられ、苦しそうにのたうつ須崎を憎々しげに見下ろしながら、朝子は一気にブーツを踏みこむ。ガグッ・・・呆気なく須崎のあごが外れる。「アガッ、アガガガガッッ・・・」恐怖に顎の苦痛が加わり須崎的には一層激しく絶叫しているつもりだが、顎を外されたせいで悲鳴の音量は急低下している。「ああ清々した。もう須崎さんの悲鳴はうんざり、聞き飽きたわ。さあ止めよ、須崎さんの大事なとこ、潰してあげる。フフフッ、こんな大きな身体でオカマちゃんになるなんて、なんか結構、キモイわね。」言うなり朝子はクルリと須崎に背を向け、須崎の左足を跨ぐように立ち、位置を極めると振り向いて冷たく宣告した。「さあ準備できた、と。須崎さんは私のブーツ、特にヒールが大好きみたいだから、やっぱりここもヒールで潰してあげるわね。フフフ、思い出した?私のブーツのヒールの堅さ。お鼻と顎でたっぷりと味わったんでしょ?今度はここにも味合わせてあげる!」
「ギビイイイッ、ヤベ・・・ア゛ビイ゛イイイイイッ!!」刑の執行を宣言した朝子は須崎の哀願を完全に無視して前に振り向き、ブーツを振り上げると一気に股間めがけ、踏み込んだ。グヂャッ・・・堅いウエスタンブーツのヒールで踏まれては一たまりもない。須崎の右睾丸が呆気なく潰れる。検見川が、奈良村が味わったのと同じ激痛が須崎を襲う。「ギベエエエエエッ!イ゛ダイ゛イイイ、イデエエエエエエ!!」須崎にとって不運だったのは、朝子は一気に二つとも潰すつもりで踏み込んだのに、実際には右しか潰れなかったことだ。堅いブーツ越しでも一つしか潰せなかったのは朝子にも分かる。「ったく、しぶといんだから!全くホント、バカよねえ。人が折角、ちゃんと両方一辺に潰してあげよう、ていうのに変に動くんだから!片方しか潰せなかったじゃない、余計な手間、かけさせないでよね!ほら、今度こそ止め、逝くわよ!」激痛に全身をビクビク痙攣させる須崎に何の憐憫の情も見せずに朝子は再びブーツを振り上げ、再度踏みつける。ベヂッ・・・狙い違わず、須崎の左睾丸も完全に潰れた。念入りに止めを刺すように、そのままブーツで踏み躙る朝子の足の動きが須崎の激痛を更に高めていく。「イ゛、イビイイイイイイ、ブブァッ、オゴグゲエエエエエッ!!!」激痛、吐き気、貧血、ありとあらゆる苦痛が須崎の全身を走る。「キャッ、もう汚いんだから!」こみ上げてくる胃液を、顎を外されているから吐き出すことすらできずに垂れ流しのように噴出す須崎に朝子たちが一斉に飛びのく。その胃液が逆流し、半ば溺れるように咳き込みながら須崎は意識を失っていった。
吐瀉物と鮮血とに塗れてボロ雑巾のようになった検見川以下、SNOW CRACKの幹部三人が意識を失い、床に断末魔の様相を呈しながら横たわっている。廃工場を奇妙な沈黙が支配していた。佇む美少女四人と縛られて転がる男一人。この場で唯一意識のある男、坊野にとって現状はおよそ考えうる最悪の状況だった。もう自分しかいない。自分しか・・・そして自分を担当するであろう美少女、未だ役割を果たしていない美少女は唯一人、自分の指をバラバラにした礼子だった。物心ついて以来勝手気侭に振舞ってきた坊野にとって、礼子は生まれて初めて本能的な恐怖を覚えた相手だった。肉体的、と言うより精神的に屈服させられた唯一の相手だ。その礼子がスッと自分の方に一歩を踏み出した時、坊野は柄にもなく泣きながら哀願してしまった。
「ヒッウッウェッッッッ・・・お、ねがい、許して、たすけて・・・」その時礼子が浮べた表情は嘲笑、侮蔑といった当たり前のものではなかった。聖母のような慈愛に満ちた弱者に対する憐憫の表情と、強い決意に満ち満ちた戦士の表情が同居していた。「・・・私が恐いの、坊野さん?」フウッと礼子は軽いため息をついた。「まあ無理もないかもね。あれだけ坊野さんの指を痛めつけて、挙句にクラゲにした私だものね。もういい加減に許して欲しい、て思うのも無理ないわね。私ももういい加減、今日一日の暴力の応酬にうんざりしてきてはいるのよ。」一瞬坊野は淡い期待を、礼子が許してくれるのでは、という期待を抱いた。だがその幻想はものの五秒も持たなかった。「でもね、坊野さんのお仲間はみんな逝っちゃったみたいだし、おまけに坊野さんはそちらのプレジでしょ?だったら成り行き上、私もこっちの代表として恥ずかしくないパフォーマンスをしなくちゃいけない、と思うの。」「ヒッヒイッッッそ、そんな、や、やめて・・・」「ねえ坊野さん、障害者プロレス、て知ってる?」障害者プロレス?坊野も名前だけは聞いたことがあるが、どういうものか見たことはない。「読んで字の如し、文字通り身体障害者のプロレスよ。一見色物、て思うでしょ?ところがどうして、グラウンドや関節技中心の、結構ガチガチのシュート系に近い、セメント勝負のプロレスよ。でね、そのキャッチフレーズがいいの。曰く、「俺たちは命懸けでやっているんだ、だからお前たちも命懸けで見ろ!」ってね。どう、痺れるフレーズだと思わない?」ゴクッと坊野は息を呑んだ。嫌な、喩えようもなく嫌な予感がする。「そう。坊野さん、私、心を鬼にするわ。今から暫く血も涙もない、残忍冷酷な鬼になって坊野さんのことを責めてあげる。私の全てを、頭も力も技も、全てを使って坊野さんのことを全力で、一切の手加減なしで苛めてあげる。私が本当に全力で苛めたら、坊野さん掛け値なし、命懸けで苦しむことになるわね。だから私もその分、命懸けで苛めてあげる。これから私が坊野さんにする責め、坊野さんにとっては一生忘れられなくなるはずよ。だからせめて、私にとっても一生忘れられなくなるように、他人に対してあんな酷いことをしたのはあの時だけ、て一生記憶に残るように全力で、命懸けで苛めてあげるわね。」
静かな、奇妙なほど静かな口調で礼子は恐ろしい宣告を口にした。そ、そんな・・・やめてくれ!!!余りのことに反射的に絶叫しようとした坊野は自分の身体の異変にぞっとした。声が出ないのだ。余りの恐怖に、自分を散々責め苛んだ美少女の静かな死刑宣告に坊野の肉体自体が恐怖し、機能を停止しつつあった。カエルのように口をパクパクさせている坊野を床に横たえると、礼子はゆっくりとブーツの爪先で坊野の口をなぞった。「さあ、もう分かるわね?須崎さんと奈良村さんは顎を外してもらえたけど・・・坊野さんはどうなるのかしら?」言いながら礼子はブーツをゆっくり動かし、爪先を上に滑らせ、ヒールを坊野の口に当てて軽くノックする。「・・・分かるわね、次の展開は?」礼子はそのままヒールをゆっくりと持ち上げる。焦らすように、ゆっくり、ゆっくりと。そしてついにヒールが止まる。横たえられた坊野の視界に礼子のブーツのヒールだけが妙に大きく映る。ひいっ、せ、せめて顎を外してくれ!坊野の目に声にならない哀願が浮かぶのを見て取った礼子が静かに答える。「そう、ご想像のとおりよ。坊野さんには選択の自由はあげないわ。余りの苦痛に舌を噛み切って自殺する自由も、顎を外して貰って一段階、楽をする自由も。歯をへし折られる苦痛と潰される苦痛、両方フルに味合わせてあげる。それがプレジの務めでしょ?」
坊野の返答を待たずに、礼子は一気に全体重をヒールに掛けながら思いっきり踏み込んだ。グギャベギッバギッ!!!「ギ、ブギギャアアアアアッッッ!!!!!」全体重をかけた礼子の蹴りは当然の如く、坊野の上の歯を数本、一瞬にしてへし折る。更にブーツのソールは坊野の上顎と鼻を踏み潰し、鼻骨もへし折っている。礼子がブーツのヒールを持ち上げると殆ど同時に鮮血が噴き出る。へし折られた歯茎から、口の中に侵入した堅いヒールに傷つけられた口の内部から、そして鼻骨を砕かれた両方の鼻の穴から。「イデエ、イデエヨオオオ、イデエエエエエ!!!」絶叫とともに坊野が必死で頭を左右に振る動きに連れ、飛び散った鮮血が床一面に降り注ぐ。噴水のような勢いはないが、汲めどもつきぬ泉のように鮮血が後から後から止め処もなく溢れ出る。「どう、痛い?でもまだまだよ。今のは上の歯だけ。まだ下の歯が残っているでしょ?」そう、礼子は巧みに蹴りをコントロールし、わざと上の歯だけをへし折っていた。下の歯を残し、もう一度歯をへし折られる苦痛を坊野に味合わせるために。「さあ、下の歯も行くわよ?上と下、どっちが痛いかしらね?」トントンと予告するかのようにブーツのヒールで下の前歯をノックした。「さあ、逝くわよ?」スーッと持ち上げられた礼子のブーツが再び踏み下ろされる。「ギギャァァァァァッ!」下の歯を数本へし折られた上に、下顎の骨まで砕かれた。「痛いでしょう?でも未だ終わっていないわよ。」礼子は更に坊野の頬を蹴り、横を向かせると上顎、下顎それぞれに更に蹴りを入れ、上下の顎を完全に蹴り砕いた。丁寧に、左から、右からと二セット繰り返し、完全に坊野の鼻と顎を粉砕する。「アラアラ、これで一生総入れ歯確定ね。まあ歯はまだいいとしてもね、きっと今ので顎の骨も砕けたわよ?しっかり踏み砕いたから多分、もう顎の骨、くっつくのは無理よ。あーあ、可哀想に。これで一生、硬いものは食べられないわよ。ステーキもフライドチキンも、美味しいものは殆ど諦めるしかないわね。これからのお供はお粥やお豆腐だけ。ウフフフフッ、つまらない人生になったわね。文字通り味気ない、ていう所かしら?」「あがが・・・あぎひいいい・・・ガボッ、グガアッッッッッ・・・」相変わらず優しい表情で嬲る礼子に反応もできずに喘いでいた坊野だが、不意に苦しげに咳き込みながら全身をビクビクと痙攣させた。「ウン?どうしたの、急に静かになっちゃって、ねえったら!」礼子は砕いた顎を爪先で小突いてみたが坊野の反応はない。指の関節を殆ど全て外された上に歯を10本以上もまとめてへし折られ、おまけに鼻、顎まで砕かれたのだ。言葉にすらできないほどの激痛に喘いでいる上に自分の出血を肺に飲み込んでしまった坊野は遂に痛みの限界値を超え、白目を剥いて気絶してしまっていた。
普通だったらこれで流石の礼子も拷問・リンチ終了だ。だが今日の礼子に対しては気絶など、何の救いにもならない。ゴロリと坊野を蹴り転がし、うつ伏せにさせると礼子は坊野の口に指を突っ込み、飲んだ血を吐かせた。「ゲッ、ゲバアッッッ・・・」失神したまま坊野が肺に入った血を吐き出すのを確認すると、礼子は坊野の背中に右膝をあて、更に両肩を掴んだ。「・・・ハッ!」「・・ガッ、グハアッッッ・・・」礼子に巧みな活を入れられた坊野が弱々しい声と共に息を吹き返す。「どう、目覚めた?気絶したらもう終わり、と思ってたでしょ?フフフ、駄目よ。今日は気絶なんかしても絶対に許してあげない。好きなだけ気絶していいわよ。何回でも活を入れてあげるから。」「…して…」「何、何か言った?もうちょっとはっきり言ってくれないかしら?」「・・ゆる・・して…お・ねがい…」消え入りそうな声で坊野は哀願した。その目は涙でうるみ、視線は弱々しい負け犬のものだ。最早最凶ギャングの誇りも何もない。余りに圧倒的な礼子の暴力の前に坊野の精神は完全に打ち砕かれてしまった。あるのは唯一つ、目の前にいる礼子に対する恐怖だけ。礼子が女の子、自分より年下の美少女であることすら、もう関係ない。目の前にいる礼子は残酷な、余りに残酷な支配者、冷酷な拷問官、純粋な恐怖の対象そのものである、破壊の女神の化身、人間を超えた存在だった。そして、その残酷な女神は許す、等という言葉とは無縁の存在だった。
「許して?残念だけど無理ね。言ったはずでしょう?命懸けで苛めてあげる、て。こんなんじゃあ、まだまだ終わらないわよ。」そ、そんな・・・坊野が必死で口を動かそうとするより早く、礼子が問い掛けてきた。「さてと、ここで一つ質問よ。私の次の責めは何かしら。当ててご覧なさい。当たったら・・・そうね、少しは痛くないようにしてあげるかもよ?」い、痛くなくしてくれる!坊野にとってその言葉は何よりのカンフル剤となった。「まあ結構簡単な質問だと思うわよ。」内心で舌を出しながら、礼子はヒントらしきものを与えた。かすれている意識を必死で叩き起こしながら、坊野は必死で考えた。そして、その必死さは当然のように礼子の仕掛けた罠にはまり込んでしまった。か、簡単・・・み、みんながやられたのは・・・「つ、潰す・・んです・・・か・・・」フフ、こうも簡単に引っかかるとはね。「潰す?タマタマを潰す、て思うの?それが坊野さんのファイナルアンサーでOK?」「・・・は、はい・・・」「ブーーッ!外れよ。坊野さん、結構頭悪いわね。簡単だ、て言ったでしょ?私、さっき言ったはずよ。あなた達の肩と股関節、四箇所全部の靭帯を引き千切って再起不能にしてあげる、て。他の三人はもう失神してるから後回しにして、坊野さん、あなただけは特別扱い。あなただけは潰すより先、意識がある内に、痛みを十分に感じられる内に引き千切ってあげるわ。」
凄絶な微笑を浮かべながら、礼子は坊野の右腕を掴むとグルグル回して見せた。「どうかしら?普段だったらこんな角度では肩、回らないはずよ。関節外したおかげでこんな回転ができるんだけどね、生憎これじゃ、いくらやっても靭帯、千切れないのよ。まずは下拵えをしないとね!」楽しそうに言いながら、礼子は掴んだ腕を反時計回りにほぼ一回転ねじ上げる。「い、いでえええっ!」早くも坊野の悲鳴があがる。「痛い?でもこれからもっともっと痛くなるわよ。」礼子は腕をもうこれ以上絞り上げられない、というところまでねじ上げると膝を坊野の肩に当てて力の支点とした。「ウフフフフッ、さあ準備OK!私も結構何人もの靭帯を伸ばしたり、関節を外しちゃったことはあるけど、流石にこうやって意図的に靭帯を引き千切るのは初めてよ。どう、怖い?私がこの腕絞り切ったら、坊野さんの靭帯、ブチブチ、て音立てて千切れる筈よ。そうしたら・・・多分、もう一生直らないわね。可哀想、一生片輪、確定ね。」「い、いやだ、いやだあああああっ、やめ、やめでぐれえええええっ!」坊野は必死に腕を振り解こうとするが、礼子の束縛はびくともしない。「無駄よ。肩は外してあるんだから、坊野さんの力は半減以下よ。それに第一、これだけねじ上げてあれば、力を出すどころじゃないわよ。嘘だと思うなら試してご覧なさい。ほら、振り解いてもいいのよ、できるものならね!」笑いながら礼子は坊野の腕を前後左右に小刻みに揺り動かした。「あひっ!あいつっ!いだっ、いたいいい!」礼子に翻弄される度に坊野の肩に様々な角度から痛みが走る。痛みにあえぎながらも坊野は必死でなんとか自由になろうともがくが、礼子の言うとおり、肩には殆ど力が入らない。力を入れる度に却って肩に痛みが走るのだが単に余計痛いだけで、力が入り自分の思うように腕を動かせる感触は全くない
「どう?もういい?じゃ、処刑開始よ!」礼子は腕をギリギリと絞り上げながらゆっくりと前方向に坊野の腕を倒していく。ギジッ、ミジッ・・・既に限界値まで伸ばされていた靭帯に更に負荷がかかる。人間の靭帯は丈夫だ、そう簡単には千切れるものではない。だが礼子は手首と肘を極めながら梃子の原理で絞り上げ、坊野の肩に強烈な負荷をかけている。「ひぎっ、ひきいいいっ!ぐふぁっ!?」坊野の声が甲高くなっていく。靭帯が伸び、千切れかけていく音、実際には音などしないのだが、責めている礼子と責められている坊野の二人だけは、その音を確かに感じていた。耳ではない、全身で感じていた。ち、千切れる!!!「・・・感じるわ、坊野さんの腕が壊れていく音を。全身が悲鳴を上げているわね。もうやめて、もう限界だ、て。これ以上逝ったら本当に千切れる、て言ってるわ。フフフ、坊野さんの全ては今、私のものよ・・・」礼子の全身にゾクゾクするほどの快感が走った。この快感を直ぐに終わらせるのは勿体無いわ。礼子は二度、三度と坊野の肩を絞り上げたり緩めたりして弄んだ。うん?さっきより少し前まで倒せるみたいね。「あら坊野さん、肩の可動域、少し広がったみたいよ。ストレッチング効果、といったとこかしら。よかったわね、少し希望が出てきたじゃない、このままもっともっと柔かくなれば、引き千切られないで済むかもよ?」「あ、あぎぎぎっっっ!ひ、いでえええええっっっ!そ、そんな、いだい!も、もうだめだあああ、いや、やめて、放してくれえええっ!」礼子の美貌に満足げな笑みが浮かぶ。「駄目よ、あきらめちゃ!人間は無限の可能性を持ってる、て言うでしょ?それを信じなさい!自分の限界を認めちゃったら・・・その時は靭帯を引き千切られちゃう、てことを忘れないでね。さあ、逝くわよ!」「ヂ、ヂギレルウウゥッ! ヂギレジャウッ! ギャビャアアアアアアアアアアアアァッ!!!」
ゆっくりゆっくりと礼子は坊野の肩を絞り続けた。ゆっくりゆっくりと、坊野の靭帯が千切れる限界ギリギリまで負荷をかけては少し緩め、また絞り上げ、延々と激痛を味あわせ続けた。「い、いや、ビギャァァァァッッ、は、はな、しゃべ、な、なんでもしゃべるよ、しゃべるがら、アギアッ!いや、ゆるめで、ギャヒイッ!ちょっと、ちょっどでいいいいいからあああっ!!ゆ、ゆるめで、はなじでぐれえええええっ!しゃべるあいだだけでもおおお!ゆ、ゆるめでぐれえええええっっっ!!!」だが礼子は坊野の悲鳴などどこ吹く風で相変わらず涼しい顔だ。「あら坊野さん、もう拷問は終わったのよ。別にもう、これ以上喋ってもらうことなんかないわ。聞くべきことはもう十分に聞かせて貰ったわよ。後はあなたを処刑するだけなの。だから安心してゆっくり苦しんで頂戴。いいってことよ、遠慮はいらないわ、坊野さんと私の仲じゃないの!」ヒイッ!そ、そんな!拷問ではない、礼子のその言葉は坊野の救いを全て断ち切るものだった。もう白状しようが何をしようが、この激痛から救われることはない。本当に片輪にされる・・・坊野の精神は恐怖と絶望に崩壊一歩手前だった。
だが坊野自身より早く、礼子は坊野の自我が崩壊しようとしているのを見取っていた。フン、そろそろ限界のようね。いいわ、まずは一本、引き千切ってあげる。発狂なんかさせてあげないわよ、フフフ、この激痛で意識を叩き起こしてあげる。最強のカンフル剤になるわよ!礼子は大きく息を吸った。「だいぶ痛そうね、ウフフフフッ、さあ、じゃあこの腕、そろそろ引き千切ってあげるわね。いーち、にーの・・・さん!」「ビッビアアアアアッ!あぎゃっ、アギイイイイイッ!!!」断末魔のような坊野の絶叫が響き渡る中、礼子はゆっくりと最後の一線を超えていった。既に限界に達して伸びきり、筋繊維が脆くなっていた坊野の肩の靭帯が遂に抵抗不能となった。ブツッ・・・ビヂッブヂッ・・・バッヅッ・・・その音は周りにいる玲子たちには聞こえなかった。その音を聞いたのは処刑官の礼子と受刑者の坊野の二人だけだった。いや、聞いたというのは不正確かもしれない、感じたと言った方が正確だろう。最後の一線で抵抗していた靭帯が遂に限界を超えてこれ以上持ちこたえる力を失い、一本、また一本と筋繊維が断裂し、千切れていった。
「ひっひぎいいいいいっ!いだい!いいいいっ!!ああああっ!!!」坊野の悲鳴は完全に裏返り、金切り声となって響き渡る。「いぎゃあああああっ!い・だ・いいいいいいっっっ!!!」ああ、本当にいい声。ゆっくりゆっくりと坊野の肩を破壊しながら礼子は今まで味わったことのない程の快感に浸っていた。礼子が少し、また少しと締め上げる度に坊野の断末魔が響く。ああ坊野さん、あなたって最高・・・私の精神とあなたの精神、今完全にシンクロしてるわね。私の動きとあなたの叫び、私の快感とあなたの苦痛、今完全に一つに溶け合っているわ・・・もう少し、もう少しよ・・・もうすぐ一緒になれるわ・・・礼子がまた少し絞る。ミジッ、また一本坊野の筋繊維が断裂する。「ウ、ウギャアアアアアーーーッ!」ああ、そうよ、その反応、私の責めにリアルタイムのその絶叫、最高よ・・・礼子は最早坊野のことを憎んでなどいなかった。リターンマッチを挑まれては面倒、という恐怖心すらもうない。礼子の心を占めているのはいとおしさ、坊野のことを限りなくいとおしく思う心だった。ああ、私と坊野さん、今完全に理解しあっているわ・・・同じ時間を共有している・・・いつまでも、こうやってずっと二人で、二人だけでいられたらいいのに・・・さあ、一緒に昇り詰めましょう・・・愛情、と言ったほうがふさわしいかもしれない穏やかな、優しい感情だった。勿論坊野の側にそんな感情は毛頭ない。想像を絶する苦痛に喘ぎ、絶望に打ちひしがれている坊野に愛だの何だのを語る余裕など全くない。一方的な、完全に一方通行の愛情。だが礼子の愛情は坊野の全てを、肉体も精神も全てを奪い尽くし焼き尽くす激情だった。
プヂッ・・・「ギアアアアアッ!ア!ギギギイイイイーーーッッッ!!!」ああ、切れたのね・・・最高・・・痛いでしょう?最高に痛いでしょう?気が狂いそうな位の痛さでしょう?私もよ・・・私が坊野さんを破壊し尽くしたのね・・・最高・・・最高に気持ちいい・・・私もこんな気持ちいいの、生まれて初めてよ・・・遂に坊野の右肩の靭帯、最後の一本が断裂する破滅の音が響いた。力が全く入らなくなった坊野の右腕を漸く解放した礼子は暫しの間、全身に満ち溢れる快感の余韻に浸りながら苦痛に喘ぐ坊野を見下ろしていた。その視線に先ほどまでの鋭さ、残酷さはもうない。相変わらず微笑を浮かべていたが、その微笑は慈愛に満ちた、何とも優しげな微笑だった。満面に優しさを湛えながら、礼子は坊野の左腕を取った。「あ、や、やだ、ひいっ、お・・ねがいだ・・・やめて・・・くれ・・・」虫の息で涙を流して哀願する坊野に礼子は相変わらず微笑みながら首を振った。「そんなこと言わないで、坊野さん。私とあなたの二人だけの時間、もっともっとたっぷりと楽しみましょうよ。時間は十分あるわ。腕一本と足二本、ゆっくりと楽しみましょう?」「や、いや、いやだあああっ!だ、だれか、誰か助けて、たすげでぐれええええっ!こ、ころされるううううっっっっ!!!」「心配しないで、私が坊野さんのこと、殺したりするわけないじゃない?だって私のことを世界で一番分かってくれているのは坊野さんなんだから。そうでしょう?」確かにその通りだった。他人の肉体を、精神をなんら良心の呵責を感じずに完膚なきまでに破壊し尽くし、相手の自我の崩壊を無常の喜びとする礼子。その礼子の本質を骨の髄まで叩き込まれたのは坊野だけだ。慎治たちだってここまではやられていない。魅入られた者を最悪の破滅に追い込む破壊の女神、拷問室の天使。その女神に魅入られた坊野に許されることはただ一つ、苦痛を味わい続けることだけだ。「坊野さん、私を分かってくれて嬉しいわ・・・私も坊野さんを世界で一番理解しているわ・・・坊野さんの苦痛、嘆き、悲しみ、後悔・・・全部分かっているわ・・・さあ、もっともっと理解しあいましょう・・・もっともっと感じさせて、坊野さんの全てを・・坊野さんの今までの人生は全て、私に会う今日のための準備に過ぎなかったんだから・・・私が坊野さんの今までの人生に意味を与えてあげるわ・・・」恐怖に蒼ざめ、全身を震わせる坊野の左手を礼子が優しく、しっかりと握り締めた。
たっぷりと時間をかけて礼子は坊野の左肩、そして両足を破壊していった。何回となく坊野は気絶しては活を入れられて無理矢理意識を取り戻させられ、再び靭帯が引き千切られる苦痛を味合わされた。漸く礼子の人体破壊が一段落した時、床に転がっている坊野は自力では殆ど動くことすらできなくなっていた。四肢の関節を全て外され、靭帯を引き千切られ、指の関節も何箇所も何箇所もへし折られていた。想像を絶する苦痛に全身の筋肉は痙攣するほど緊張し、間断なく悲鳴を上げ続けた喉も破れて血が流れていた。全身の全てのエネルギーを使い果たし、ボロ雑巾の様になって坊野は床に転がっていた。「あ・・・あぎぎぎ・・・」関節を破壊された痛みは一過性のものではない。体内で進む内出血、炎症に坊野の痛みは全くと言っていいほど軽くならない。激痛から嘔吐感を伴う鈍痛に変わりつつあるが、痛みの程度としてはむしろ余計ひどくなっているような感じさえする。礼子はそんな坊野を満足そうに見下ろしていたが、やがてゆっくりと坊野を仰向けに引っくり返した。先ほどまでのように、乱暴に蹴り転がすのではない。優しく慈しむかの様に坊野を抱きしめながら、礼子は仰向けに坊野の体を横たえた。
「がっ!いだい・・・」礼子がいくら優しく転がした、とはいっても関節に力が加わり、坊野の全身に新たな激痛が走る。「痛い?大丈夫よ、直ぐに次の責めに移ってあげるから。その痛みは暫く、忘れられるわ。」暫く!?忘れる!?ま、まさか・・・怖くてその先を言葉にすることは流石にできない。「そう。これが今日の私と坊野さん、二人のデートの仕上げ、クライマックスよ。さあ、精一杯楽しみましょう。」「ヒ、ヒッ、ヒイッ!そ、そんな、まさか、つ、つぶす・・・の?やめて・・・もう許して・・・し、死ぬ、ほ、本当に死んじまう・・・」絞り出すような声で、両目一杯に涙を浮かべて哀願する坊野の髪を優しく撫でながら、礼子は何とも穏やかに微笑んだ。
「死ぬ?大丈夫よ、ちゃんと歯は折ってあげたでしょう?痛さの余りショック死、ていう可能性はあるけど、人間そう簡単には死ねないものよ。交通事故かなんかで潰れちゃったけど生きてる人っていうのは結構いるんだから。坊野さんも多分、助かるわよ。」柔らかい声で恐ろしい宣告をしながら、礼子は坊野のチノパンとトランクスを脱がせた。坊野の一物は哀れなほど縮み上がっていた。その一物をそっと持ち上げながら、礼子は坊野の睾丸を両手に一つずつ、優しく包み込んだ。「坊野さん、私、男性の玉を触るのなんて初めてなのよ。うん、ちょっぴり恥ずかしいわ・・・だけど大丈夫、安心して。あなたのなら私、大丈夫よ。私の初体験、坊野さんにあげるわ。坊野さんも女の子に潰されるのは勿論初めてでしょう?」
礼子はゆっくりと、まずは右手に力を入れていく。「ぐっ・・あはっ・・・おばっ、い、いいいいい!!!」先程までの痛みとは異質の、体の奥底にズシリと重く響くような痛みに坊野は溜息をつくような、押し殺された悲鳴を漏らした。フーン、潰される時ってこういう声になるのね。さっきまでの金切り声の絶叫とはずいぶん違う悲鳴ね。「ねえ坊野さん、いいこと教えてあげようか?私ね、こう見えても握力には結構自信があるのよ。大抵の男の子には負けたことないわ。いくつだと思う?私ね、両手とも60キロあるわ。どう、驚いた?もしかしたら坊野さんより上なんじゃない?」ろ、60キロ?激痛にボヤケた意識の中で坊野の頭の中を、その非現実的とも言える数値が飛び回った。ろ、60キロだって!?お、おれでさえ50キロそこそこだぞ、それをこんな細い女の子が出すなんて、マジかよ。怪力自慢の須崎といい勝負じゃねえか・・・こ、こいつ化け物か?坊野が怯えるのも無理はない。普通、かなり鍛えた運動部系の女の子でも握力の平均値は30キロ台前半だ。40キロあれば相当に強い方、柔道、空手等、格闘技系の男でも50キロ台なら通常、十分な握力だ。勿論、怪力自慢のプロレスラーや力士等、100キロを超える人間もいるが、それは基本的には異常値の世界であり、一般的には男でも、60キロと言えば十分、握力自慢で通用するレベルだ。そ、それをこんな細い女の子が出すなんて・・・坊野は涙で曇った目で改めて礼子の腕を、肩を見てしまった。確かに細いとはいえ、引き締まった腕には十分な、鞭のような強靭かつしなやかな筋肉が秘められていそうだ、だがどう見てもそんな怪力型、ゴリラタイプには見えない。ま、マジかよ・・・こいつ、化け物か・・・化け物、その言葉を坊野は何度も何度も反芻した。急速に礼子が人間を超えた何か、非現実的な存在に思えてきた。ゾクッ・・・坊野の背筋になんとも言えない悪寒が走った。目の前にいる、自分を責め苛み続ける美少女が想像を超える怪物、悪魔に思えてきた。坊野の精神が感じる礼子は強大な悪魔だ、だがその目に映る現実の礼子は美しい、天使、とさえ言いたくなる程の美少女だ。そのギャップが坊野の恐怖を余計に掻き立てる。し、信じられねえ・・・坊野は何度となくその言葉を歯をへし折られた口で呟き続けた。だがそれも束の間、礼子は優雅に呟いてなどいられないレベルに責めをアップし始めた。
坊野の目に怯えの影が浮かんだのを見て礼子は微かに微笑みながら右手を緩めた。「ゼッ・・ゼハッガッ・・・」坊野が荒い息をつくタイミングを礼子はじっと見ていた。「ゼハッ・・・グブアアアアアッ!」坊野が息を吐ききったまさにその瞬間を狙って礼子は今度は左手に力を込める。たちまち先ほどまでと同じ、内臓を鷲掴みにされたような痛み、苦しみが坊野の全身を支配する。いや、先ほどまでと同じではない。礼子に睾丸を締め上げられた坊野は余りの苦しさに息が詰まり、半ば呼吸困難状態だ。だが今度は息を吐き切った瞬間に締め上げられているのだ、肺に空気は殆どない。「グウ、ウウウッ・・・グヘッ、ゲグッ、ゲハッ!ゲハアアッ!!!」苦しさに喘ぐ坊野は空気を貪るように必死で口をパクパクさせ、その拍子にへし折られた歯茎から未だ止めどもなく溢れつづけている自分の血を肺に吸い込んでしまったからたまらない。たちまちの内に抑えようのない、止め処もない咳が重症の喘息患者の発作のように坊野の全身を痙攣させる。
喘息患者が酷い発作に襲われると、しまいに呼吸困難からチアノーゼ症状を起こすように、坊野もまた空気を奪われる苦しみ、そこに、目の前にいくらでも空気はあるのに殆どそれを吸えない苦しみに全身を痙攣させてもがき苦しみ続けた。礼子は巧みにインターバルをおき、責める睾丸を時々変え、痛みが新鮮さを失わないように最新の注意を払いながら坊野を責め苛みつづけた。
「ウフフフフッ・・・その調子よ坊野さん、人生で最高の痛みでしょ?私も最高。こんな楽しいのは初めてよ。さあ、もっともっと聞かせて頂戴、坊野さんの最高の声を!魂の叫びを!」礼子は満面に笑みを湛えながら両手で同時に左右の睾丸をしっかりと握り締めた。「さあ、今度は両方いっぺんに苛めてあげるわ。お楽しみも二倍よ!」ギシッ・・・礼子が両手に力を込めると同時に坊野の全身を更に倍加された激痛が抱きしめる。「ガアッ、ギ、ギアッ!ギャアアアアアッッッ!!!」坊野は必死で身をよじり、何とかこの地獄から逃げ出そうとした。だが四肢を全て砕かれ、更に最大の急所である睾丸をしっかりと抑えられていてはどうしようもない。逃げるは愚か、腰を浮かすことすらできない。動かない手足を波打たせ、それが神経を余計に刺激して更に坊野を苦しめる。「嬉しい・・・坊野さん、こんなに喜んでくれているのね。そんなに全身が震えるほど嬉しいのね!私もよ、私も最高に嬉しいわ!喜んで、また新しい責めを考えついたわよ!もっともっと苦しんでね、ほら、今度はこうやって苛めてあげる!」白い頬を上気させながら、礼子はまるで揉み洗いをするかの如く、両手に握り締めた坊野の睾丸を激しくこすり合わせ、睾丸同士をグニグニと押し付け、こねくり回した。「イヤアアアアアッ、イ、イダイ、デエ、イデエヨオオオオッ!ヤ、ヤベ・・・グバアアアッ、ゲ、ゲバッ!ヒッ!ピギイイイイイッッッ!!!」激痛の余り目の前が真っ暗になっていくようだった。痛い、苦しい・・・その極限点、礼子の両手が自分の体内に侵入し、内臓を鷲掴みにされているようだった。礼子が睾丸同士を打ちつけ、こすり合わせ、相互に潰し合わせる動き、僅か数ミリ、数センチ単位に過ぎない睾丸の変形が坊野の全身に悪寒と強烈な嘔吐感を伴った激痛を駆け巡らせる。体の表面や筋肉、骨といった組織ではない、生命維持に直接関わる内蔵そのものを礼子に破壊されているかのような激痛に、坊野の生物としての本能が全力で悲鳴をあげ、警告を最大音量で発している。これ以上責められるのは生命に関わる、と。「グッ、グボアアアッッッ・・・」坊野は内臓そのものが飛び出てくるかのような強烈な嘔吐に見舞われた。だが既に激痛の余り、本人が気づかないうちに何度も何度も嘔吐していた坊野の胃袋には内容物など最早ない。吐き出された僅かな胃液と空気、それは口の中に溢れ続ける血と混じりあい、ブクブクとカニのような泡となって口の端から零れ落ちた。真っ赤に染まった血泡を吹き出しながら、激痛に半ば錯乱状態に陥りつつある坊野は白目を剥いて気絶しかけていた。だが礼子が気絶などという救いを許してくれるわけがない。
坊野を責め続けた両手を一旦休め、痛みの余韻に痙攣し続ける坊野の胸を、まるで赤ん坊でもあやすかのように礼子は掌で優しく、トントンと叩いた。「ひっひあっっっっっ・・も、もう・・・や、べ・・・て・・・」坊野の哀願はもはや微かな独り言並みのボリューム、よっぽど注意深く耳を傾けないと聞こえないレベルにまで落ちていた。礼子はそのまま坊野の心臓の上にそっと手を置いた。早鐘のように凄まじい速さで鼓動を打っているが
、なんとなく鼓動が弱々しくなってきたような気がした。フウッ・・・礼子は小さく溜息をついた。楽しい時って本当にあっという間ね。もう坊野さん、本当に限界が来ちゃったみたい。仕方ないわね・・・「フウッ・・・坊野さん楽しかった?私とのデート。私は最高だったわ。生涯最高に楽しいデートだったわよ。でもどうやらお別れの時間が来たようね。私とのデート、坊野さんにとっても一生の思い出になったかしら?でもね、デートは別れ間際が一番盛り上がるのよね。さあ、最期にとびっきりの思い出を刻み込んであげるわ!」礼子は最早虫の息の坊野の睾丸、左の睾丸をしっかりと右の手掌に包み込み、更に上から左手を添えた。「さあ・・・逝くわよ・・・」礼子はゆっくりと両手に力を込めていった。「・・・イ、ガッッッ!ギッヒイイイイッッ!ア、アウウウウッッッ!!!」激痛が坊野の意識を蹴り起こす。睾丸を、いや体の中心、はらわた全てを握り潰されるような激痛に坊野が全身を痙攣させながら苦しげに喘ぐ。「うん、そうよ・・・いい表情・・・最高よ・・・こっちを向いて・・・坊野さんの表情、よく見せて頂戴・・・そう、そうよ・・・いいわ・・・さあ、いよいよよ・・・逝かせてあげる!」礼子は60キロの握力全てを一気に解放した。「アッ!アアッ!ギ、ヤ、ベデエエエエエッ!ツ!ツブ、ギャアアアアアアアッッッ!!!」ブヂュッ・・・聞く者の耳に一生こびりついて離れないような凄まじい悲鳴の影で、微かな音を立てながら坊野の左睾丸が潰された。ブクブクと口から血泡を吹きながら坊野が全身を痙攣させている。痛い、等という言葉は生温い。腹の中に無理矢理巨大な鉛の塊を詰め込まれたかのような圧迫感を伴った鈍痛、そしてその鉛の塊は氷のように冷たく、はらわたを、全身の熱をあっという間に奪い尽くすかのようだった。そして全身の血液がそこに流れ込んでいくかのように、坊野の左睾丸が急速に腫れ上がり、ボールのように膨れ上がっていく。「ウ、ウグアアアアッ・・・ゴブアアアアッ・・・」何度目かの嘔吐に全身を震わせながら、随意筋、不随意筋を含め全身の筋肉を最早自分では全くコントロールできなくなった坊野は礼子の足元でついに失禁してしまった。
素早く手を引っ込めた礼子は、坊野の失禁が止まると今度は右の睾丸を左手で握り、上から右手を添えた。「ウフフフフッ!坊野さんったら!そんなに気持ちよかったの?おしっこ漏らしちゃう位気持ち良かったのね。嬉しい、そんなに喜んで貰えるなんて、私も最高に幸せよ。でもね、もう正真正銘、お別れの時間が来たようね。さあ、こっちも潰してあげるわ。この玉が潰れたら・・・私と坊野さんもお別れね。楽しかったわ坊野さん、あなたのことは一生忘れないわ。坊野さんもでしょ?」礼子が徐々に握力を解放していく。「ギッ!ヒッ!ヒヒャッ!ヒギッ!ハヒャアッ!!!」坊野の悲鳴はどこか、笑っているような響きがあった。「ハッ!ハヒッ!ハヒッ!ハヒヒッ!ハヒヒヒヒッ!ハヒヒヒヒイイイッ!!!」坊野の目は裏返り、完全に白目を剥いている、口はだらしなく開き、血泡を垂れ流している。痛い、苦しい、という感覚すらどこかに飛び、他人事のようになっていた。視界が暗くなり真っ暗な中、目の前でチカチカと星が瞬いた。「さようなら、坊野さん!」ブヂュウッ!!!「アッ!アビイイイイイッッッ!!!」礼子が全てのパワーを解放し、坊野の右睾丸をペチャンコに潰すと同時に坊野の喉から断末魔の悲鳴があがった。完全に意識を失った坊野の体から、永久に失われた男の機能とプライドの名残かのように、白い精液がドクドクと流れ出していた。通常の何倍もの量の放出、いつもなら快感に震えたであろう坊野だが、今は射精の喜びに何百倍も勝る喜びに浸っていた。やっと失神できる、全身を支配する苦痛から束の間とは言え解放してくれる、失神という喜びに咽び泣きながら、坊野の意識は何もない、暗黒の虚無に堕ちていった。
あ、ああ・・・慎治たちは呆然と眼下に広がる地獄絵図を眺めていた。ついさっきまで最凶を誇っていたSNOW CRACKの四人がボロ雑巾のように横たわっていた。全身血塗れ、手足はあらぬ方向に折れ曲がっていた。今は玲子たちが最後の後始末、奈良村たち三人の靭帯をねじ切っているところだった。普通だったら想像を絶する激痛を伴う筈だ。だが睾丸を潰され、人生最大の激痛に悶絶しながら気絶していった奈良村たちはピクリともせずに為すがままにされていた。そ、そんな・・・坊野さんたちがやられるなんて・・・慎治たちは未だに自分たちが見ている光景を信じられなかった。礼子たちが強いのは分かっていた。残酷なのも身をもって味合わされている。だがこれほどまでとは・・・全てのリミッターを取り払った礼子たちの恐怖は底無しだった。復讐、固く心に誓ったつもりでも上っ面だけ、所詮は他人を雇う、という程度の覚悟しかできなかった自分たちと傷つくリスクを省みずに前に出て危機を乗り切った礼子たち。しかも闇雲に前に出るのではなく、礼子たちは慎重な計算と何重もの安全確保も図っていた。差が、余りにも差があり過ぎた。そして今、時は満ちた。坊野たちは礼子たちの拷問に屈し、慎治たちに端金で雇われたことを洗いざらい白状していた。
あ、ああ・・・ど、どうしよう・・・もう逃げ道はどこにもない。呆然と涙を流しながら思考停止に陥っていた二人に真弓が声を掛けた。「さあ信次、下も終わったようだし、そろそろ玲子に電話して降りていこうか。」恐怖の、死刑宣告に等しい一言だった。「・・・あ、ああ・・・や、やめて・・・」「何言ってるのよ!信次も見てたでしょ?坊野さんたち、玲子たちに拷問されてあんたたちのこと、全部喋っちゃったじゃない。今更やめても何もないでしょ?」笑いながら真弓が携帯のコールボタンを押すのを信次たちは呆けたように見つめていた。「あ、玲子?私、真弓よ。うん、今ここの二階にいるのよ。里美もいるわ。でね、まあ玲子も察しがついてるとは思うけど、スペシャルゲストも一緒よ。そう、信次たち。二人ともいるわよ。どうする?うん、下に連れてけばいいのね。OK、直ぐ行くわ。」携帯を切った真弓が信次に微笑みかけた。「信次、玲子が一緒に下に来て、てさ。じゃ、行こうか。」信次たちは半ば腰が抜けかけていたが、最早真弓たちに逆らう気力もなかった。されるがまま、半ば抱きかかえられるようにして立ち上がると階下へ引き摺られていった。
「あっ、来たわね信次!この!」待ち構えていた玲子が真弓から信次を受け取ると軽く頭を小突いた。「全く、ギャングを雇って私たちを襲わせるとは、随分と小ジャレタ真似をしてくれるものじゃない?ねえ礼子?」礼子もにこやかに笑いながら答えた。「全くよ。あんなに毎日、私たち美女軍団がたっぷりと遊んであげてた、て言うのに、この仕打ちなんだもんねえ。何か、飼い犬に手を噛まれた、ていう感じかな?」にこやか、礼子たちが妙ににこやかなのが慎治たちにとって却って恐ろしかった。きっといきなり殴りかかられる、蹴りつけられて坊野たちと同じような拷問に掛けられる、と思っていた。それが礼子たちは妙にフレンドリーだった。な、なに、なにを企んでいるの・・・信次が怯えているさまを楽しんでいた玲子の口元が緩んだ。「信次、信次が何考えてるかは分かるわよ。私たちに拷問されるか処刑されるか、兎に角死ぬほど痛い目に会わされる、て怯えてるんでしょ?フフ、バカねえ、そんなことする訳ないじゃない。罪を憎んで人を憎まず、て言うでしょ?だから私たち、信次たちのことを憎んではいないのよ。」礼子も大きく頷いた。「そうよ。私たちがそんな鬼だと思う?可愛い可愛い、大事な慎治たちを処刑するなんて思ってるの?そんな訳ないでしょ。悲しいわ、私たちの優しさが未だ分かってないのね?」予想だにしない展開に戸惑う慎治たちを見て朝子がケラケラと笑った。「バッカねえ信次ったら!玲子たちが何て言ってるか分からないの?要するにね、許してあげる、て言ってるのよ!全く鈍いんだからもう!最も」クスクスと笑いながら朝子は続けた。「本当に許してあげるかどうかはフミちゃん次第かしらね。なにせ今日の最大の被害者はフミちゃんだからね、最終判決を下すのはやっぱりフミちゃんだと思うわよ?」
フ、フミちゃん・・・ごくりと息を飲みながら慎治は富美代の方を怯えためで見た。フ、フミちゃん・・・あの気性の激しい富美代が、自分を嵌めようとした慎治たちを許せるとは思えなかった。だが富美代は意外なほど明るい声で笑った。「アハハ、最終判決ね。そうね・・・まあついさっきまでは慎治たちのこと、絶対許さない、て思ってたんだけどね。先輩のこと踏み付けながら、慎治も絶対私のヒールでズタズタにしてやる、体中穴だらけにしてやる、て思ってたんだけどね。だけどまあ・・・先輩の鼻グチャグチャにして、タマタマも潰しちゃったら何か、スッキリした、て感じかな。いいよ慎治、私も許してあげるわ。飼い主の礼子たちがいい、て言うなら、私も文句言わないよ。」「お、おおおっっっ・・・」「あ、ああ、あああああっっっ・・・」慎治たちの口から歓喜とも嗚咽ともつかぬ声が漏れた。た、助かった・・・こ、殺されないですむ・・絶望、絶体絶命、絶対に助からない、と思っていただけに、生き残れる、殺されないですむ、という嬉しさは想像を絶するものだった。「あ、あ、ありがとう・・・」「ご。ごめんなさい。ごめんなさい・・・」慎治たちは殆ど無意識の内に礼子たちの足許に跪き、ブーツにキスしていた。血に塗れ、幾多の悲鳴を吸ったブーツに。
そんな二人を見下ろしながら礼子たちは満足げに頷きあった。礼子が小さく頷くのを合図に、玲子がブーツにキスしている信次を小突き起こした。「さあ二人とも、許してもらった喜びに浸りたいのはわかるけど、今日はもうお開きよ。私たちはこれから後始末、この人たちを警察に引き渡さなくちゃいけないから、まだ一仕事あるの。だから今日は信次たちと遊んであげられないのよ。今日のところはこのまま、真弓たちと一緒に帰りなさい。」か、帰れる!生きてここから帰れる!は、早く、早くここから逃げ出さなくちゃ、玲子たちの気が変わらない内に・・・未だ力がうまく入らない足を絡ませフラフラしながら信次たちは工場から逃げだそうとした。だが工場を出る直前、礼子が発した言葉は二人の心臓を一瞬にして凍りつかせてしまった。「慎治、あなたたちの罪は確かに許してあげるわよ。でも罪と罰、て言うでしょ?罪は許すけど、罰はキチンと与えるからね。どういう罰を与えるかは月曜に学校で宣告するわ。楽しみにしていなさいね!」
披露していた。そして礼子たちに叩かれる時には決してよけてはならない、と厳命され1年間冷酷に教育されてきた慎治は、明日香の平手打ちに打ち据えられながら、唯々涙を流して耐え忍ぶしかできなかった。
くっううう・・・遂に下を俯いてしまった慎治の髪を引っ掴み、明日香は荒々しく顔を上げさせた。「下向いていいなんて、誰が言ったのよ!」ちょっと叩き方を変えてやろうかしら。髪を掴み顔を引き起したまま、顔を伏せることさえできない慎治の頬を打ち据え続けた。パシーン、パシインッ、ビシイイイッ・・・往復ビンタとせず、スナップを思いっ切り効かせながら右手で外側から内側へと打ち据え続ける。一発一発、慎治の左頬に手を添えてからゆっくりとテイクバックし、これから来る苦痛の予告に十分怯えさせながら悠然と打ち据える。平手打ちの音が響く中、明日香の責め心は純粋さを増していく。いい感触・・・平手打ちの経験など幾らでもある。だが大抵は犠牲者が必死で顔を背ける中、一発二発と打ち据えただけ、思う存分無抵抗の相手を打ち据える機会は流石に殆ど無かった。いや、こんなに何発も何発も続けて打ち据えられた記憶は平手打ちが大好きな明日香といえども全くない。五発六発七発・・・右手に力が籠る。八発九発十発、弱々しい視線で慈悲を乞う兄・慎治の姿が浅ましい、情け容赦なく打ち据えてやった。責め手を左手に変えて右頬を打ち据える。再度右手に戻し手の甲も使った往復ビンタで打ち据える。そして左右両手での乱れ打ち。慎治の顔が右に左に弾き飛ばされる。思う存分平手打ちを堪能した明日香が漸く手を離してやると同時に、慎治は痛みと屈辱に火のように熱い頬を押さえつつ、嗚咽に咽びながら下を向いてしまった。
まさに最悪の反応、苛めっ子の嗜虐心を嫌がおうにも掻き立てる反応、実の兄の無様さを見下ろす明日香の責め心に新たな燃料が注ぎ込まれる。鈴谷には許してやったあの責め、今ここでやってやる・・・唇をキュッと噛んだ。「お兄ちゃん、顔を上げなさいよ!」思いっ切り頬を打ち据えた右手で顎を小突き上げ、正面を向かせる。左手をベルトのバックルにあて、カチャカチャとわざと音を響かせつつバックルを外した。「あ、あうう、そ、そんなまさか!」慎治の泣き顔が引きつる。「そうよ・・・面の皮が厚いお兄ちゃんをぶってたら私の手が痛くなっちゃうじゃない、だからこれで叩いてやるわよ!」大きく息を吸い、右手でバックルを掴むと、おろしたてのベルトを一気にウエストから引き抜いた。引き抜いたベルトの先端を掴み二つ折りにし、左手で折ったベルトの真ん中を握る。グッと両手を近づけて輪のようにベルトを撓める、明日香の美瞳が輝きを増す。撓めたベルトを一気に引き伸ばした。パーーーンッ!高らかな音が響く。責め手の女の子を高ぶらせる音、生贄の慎治を震えあがらせる音が。ゾクゾクと明日香の背中を快感が駆け巡る。「さあお兄ちゃん、さっさと・・・パンツ脱ぎなさいよ!お尻を叩いてあげるからさ!」「あああああ・・・明日香あああ、や、やだよおおお・・・そ、それだけは・・・それだけはやべでえええええ・・・」恥も外分も何もなく、ぼろぼろと涙をこぼしながら必死で哀願する慎治、だがその体は責め手の明日香の意志力と生気に満ちた動きの真逆の、絶望と屈従のみに支配された生ける屍のようなものだ。泣きながらもその手は震えながらもベルトを外し、アイロンなどもう半年以上もかけてもらっていない皺苦茶のズボンを、よれよれのパンツを脱ごうとする慎治を明日香はベルトを片手に悠然と見下ろしている。明日香の脳裏に、つい1か月前の記憶が甦る。卒業を間近に控えたあの日の思い出を。
あの日、たっぷりと唾を吐き掛けてやった鈴谷もまた、無様な濡れ鼠のように顔を吐き掛けられた唾で照からせながら怯えていた。何発も何発も打たれた頬も赤く染まっている。ウフフフフいいザマね、だけどね、もうすぐ卒業なんだもん、今日は特別の思い出を刻み込んであげようかな、一生忘れられない思い出をね。ゆっくりとベルトを引き抜き囁いた。「ねえ鈴谷、今日は今までの苛めぜーーんぶよりも凄い屈辱を味合わせてあげる。ウフフフフ何か分かる?そうよ、ム・チ!このベルトでたっぷりと引っ叩いてあげる!」「ひ、ひあああああっ!そ、ぞんなのいやあああああっ!」鈴谷の悲痛な叫びが明日香をそそる。「さあ鈴谷、さっさとパンツを・・・脱ぎなさい!」パアアアアンッ!二つ折りにしたベルトを撓めて打ち鳴らした。いい音・・・ゾクゾクしちゃう・・・「ひいいいいっ!」思わず目を閉じる鈴谷、パンツを脱ぐなんて、お尻を叩かれるためにパンツを脱ぐなんて絶対に嫌・・・だが苛め責め苛まれた肉体と精神は、鈴谷の意志に関係なく体を突き動かす。震える手がベルトのバックルを外しズボンを下ろそうとした瞬間、明日香の細い指が鈴谷の両手を抑えていた。
漸くしてようやく気づいた。あ、あれ・・・何をされて、いるの・・・・・・恐る恐る目を上げると、明日香が悪戯っぽく笑っていた。「アハハハハ、本当にベルトで叩かれると思った?バーカ、しないわよ。ほっとした?」「う、うん・・・でも・・・」「う、うん・・・でも・・・何で???」「あら嫌なの、じゃあやっぱり叩いてあげようか?」「い、いやそんな、やめてぶたないで・・・」怯えながら縋り付く鈴谷を楽しみながら明日香は微笑んだ。「大丈夫よ、冗談冗談、苛めないわよ。ううん、それだけじゃないわ、鈴谷のこと、許してあげる。もう苛めないであげるわ。」「・・・え、ま、まさか・・・ほん、とうに・・・」「まさか、ほんとうに?なんで、て聞きたいの?だってさ、私に、今まで散々苛められて唾まで吐き掛けられた子に、これ以上苛められたら流石に鈴谷も一生残っちゃうんじゃないの?ましてやベルトで鞭打たれただなんてさ。もうすぐ卒業してさよならだから、暫くすればこうやって私に苛められたこともまあ思い出の内になっちゃうだろうけど、鞭でまで叩かれたら流石にそう簡単には消えないんじゃない?一生トラウマになっちゃうんじゃない?どう、違う?」「そ、そうだよ、鞭は、鞭だけは・・・絶対イヤ!」全身を震わせた鈴谷は、意外な一言を言った。「明日香ちゃん・・・ありがとう・・・」「ありがとう、なんで?」「だって・・・鞭、鞭を許してくれて・・・もう苛めないでくれて・・・ありがとう・・・」「アハハハハ、バッカじゃないの!今までこんなに苛めてきた私にありがとうだなんてさ!」
そして今、あの時の鈴谷と同じく、自分の命令で慎治がベルトを外しズボンを脱ぎ下ろそうとしている。だが今は、今この時は、それを止める気など毛頭ない。ウフフフフお兄ちゃん、晒し者にしてあげる。礼子さんに、フミちゃんにやられてるみたいにね!「ああああ・・・ううう・・・いやだよおおお・・・」呻きながら慎治はのろのろとズボンをズリズリ下ろす。「や、やめてくれよおおお。明日香あああ・・・」必死で縋り付くように見上げる慎治、だが返答は無情な命令だけだ。「速く!」言い放つと同時に再びベルトを撓め、打ち伸ばす。パシイインッ!慎治を震え上がらせる快音が昇降口に響き渡る。ズボンはもう膝まで下ろしている。続いてよれよれのパンツ、今時珍しい白いブリーフをずり下ろす。生白い尻、礼子たちの鞭跡が未だ生々しく残る尻が曝け出される。四つん這いになり、ベルトを握り締める妹の前で尻を曝け出す、それも満座の観衆の前でだ。屈辱的、などという言葉では生温いほどの生き恥、死んだほうがましなほどの屈辱に慎治は真っ赤な顔になりながら唇を噛み締める。「何よお兄ちゃん、赤くなっちゃってさ、生意気に恥ずかしいだなんて言う気?私や礼子さんの靴を舐めちゃうような恥知らずのくせにさ、ペッ!」ピチャッ、と再び唾を吐き掛けられる。
鞭を握りしめる驕慢な女の子に唾を吐き掛けられる、礼子に富美代に散々味合わされた屈辱を今まさに、実の妹に味合わされている。「そんな恥知らず、もっともっと辱めてやるわよ。顔を赤らめるなんて生意気よ、お尻も赤くしてるやるわよ、私の鞭でね!」パシイインッ!再度ベルトを打ち鳴らす、その心地よい音に、明日香の嗜虐心が燃え上がっていく。もう止まらない。ああ楽しみ、引っ叩ける、鞭で引っ叩ける、それもこんな生き恥を晒させてやりながら引っ叩けるだなんて・・・最高!心臓が興奮でバクバク言うほど高ぶっている。よーーーし、いく・・・わよ!ベルトの先端を左手で握り、ベルトを一直線に引き伸ばす。「あっひっ!」ベルト鞭を構える明日香にすばやく反応し、慎治は四つん這いのまま床に頭をこすり付け尻を突き出すように高く上げる。礼子に厳しく仕込まれた、ベルト鞭や乗馬鞭を受ける時の姿勢の一つだ。薄汚い尻,礼子の、富美代に刻み付けられた鞭跡が生々しい尻が曝け出される。いいザマよお兄ちゃん、これだけ大勢に見られているのにお尻を出せるなんてね、私が鞭打ちやすいようにお尻を突き出すなんてね、人間失格のお兄ちゃんに相応しいわよね。
右手をギュウウウッと力一杯握りしめながら体を捻り全身を引き絞る。しなやかな明日香の肢体に力が漲る。ハッ!短い声と同時に黒い細身のベルトが打ち下ろされる。パシイイインッ!明日香のベルトが慎治を打ち据える音が響き渡った。「ヒイッ!」情けない悲鳴が上がる。いい音、いい声!興奮と快感が明日香の全身を駆け巡る。振り下ろしたベルトから伝わる手応え、慎治の悲鳴、その尻を打ち据えたベルトのしなやかな動き。理性のタガを吹き飛ばすほどの快感だ。いい・・・もっともっと・・・打ってやる!ビシイッパシイッバシイインッ!「ひいっ、ひいいいいっ、だじゅげでえええええっ!」高らかな鞭音と慎治の悲鳴が立て続けに交錯する。ビシイッパシイッバシイインッ!・・・快音はいつ果てるともなく響き続けた。「イイイ、イダイ・・イダイヨオオオ・・・ア、ズガアアア・・・ユ、ユルジデエエエエエッッッ・・・」
痛い?痛い、確かに痛い。だがベルト自体の痛さは一年間にわたって革鞭を散々味あわされてきた慎治にとって耐えられないほどのものではない。だが痛さそのものよりも、屈辱が、精神に焼き付けられる痛さの方が遥かに辛かった。屈従の象徴の鞭、それを実の妹に、満座の観衆の前で尻を曝け出さされて打ち据えられるのだ。悪夢、悪い夢、こんなの現実じゃない、悪い夢なんだ・・・必死で自分をごまかそうとしても明日香の嘲笑と鞭音と尻の痛さが現実逃避すら許してくれない。屈辱と苦痛に泣き叫ぶ自分の声が、惨めさを一際掻き立てる。アウウ、アウウウウ・・・何て・・・惨めなんだ・・・泣いても泣いても、泣けば泣くほど惨めさだけが募っていく。
やがて漸く鞭音が止み、一頻り慎治を打ち据えた明日香が興奮に頬を染め荒い息を吐きながら、ゆっくりと歩み寄った。「ウフフフフお兄ちゃん、どうやら分かったみたいね。これから自分がどういう目に会うか。」ゆっくりと足を伸ばし、当然のように慎治の頭を踏みつけた。「ねえお兄ちゃん、丁度いいわ。ここには礼子さんもフミちゃんも、それにお兄ちゃんや私のクラスメートに三年生の先輩方、みんないるわ。だからこの場で宣言してあげる。ここにいるみんなが証人よ。」悠然と周りを見渡す誇らしげな明日香の足元で、慎治は妹に顔を踏み躙られながら呻いている。「みなさあん、私、矢作明日香はここに宣言します。矢作明日香は本日ただ今から先、矢作慎治のことを学校でも家でもどこでも、一生苛め抜くことを宣言します!」パチパチパチ、礼子と富美代を先頭に拍手が昇降口に溢れる。得意満面の明日香の靴の下で、慎治は礼子の言葉を噛み締めていた。地獄には底の更に下があるのだということを。
信次の試練と受難は少し遅れて始まった。いつものように部室の片付けにこき使われた後、休む間もなく練習、新入部員を迎えての空手部初練習に駆り立てられた。ううう・・・1年生も来るんだ・・・新入部員を、後輩を迎え自分が先輩になる喜びなどどこにもない。そもそも男子空手部は別に作られており、女子空手部にいる男子生徒など信次一人しかいないのだ。そして昨日既に目の前で見せられた通り、飛鳥が、実の妹が入部してくるのだ。どうしよう、どう過ごそう・・・何を考えても全くまとまらない。そして真っ先に道場に入ってきたのは案の定、飛鳥だった。久し振りに見る妹の道着姿、使い込んだ道着を着こなし誇り高く黒帯を締めた飛鳥の姿は、玲子たちと同じくしなやかな美獣そのものだった。
初練習の高揚が道場に満ち溢れる。新入生は経験者組と初心者組に分けられ、勿論飛鳥は経験者組に入り、玲子や朝子に混じって練習を始めた。異変が起きたのは、丁度1時間が経過した時だった。玲子が主将の摩耶に何事かを囁くと、待ちかねたかのように摩耶が頷いた。「はーい、じゃあみんな、ちょっと集まって!」玲子の声が道場に響く。「はいみんな輪になって、大きく広がって。飛鳥ちゃん、それと信次、ちょっと来て。」呼び出された2人が輪の中央に、飛鳥は堂々と、信次はおどおどと進み出る。「さあ新入部員の皆さん、空手部へようこそ。心から歓迎します。ところで」玲子は一旦言葉を切った。「我が空手部の最大の売り、他校には決してない存在はもうご存知よね、これだけ有名だものね。そう、聖華が誇る人間サンドバッグ、川内信次君の存在でーす!」そ、そんなもう・・・余りに急な展開に焦る信次を楽しみながら、玲子が続ける。「新入生のみんな、もう聞いてると思うけど、このサンドバッグ信次を蹴りまくれば、あっという間に強くなれるわよ。そしてこれは飼い主の私からの歓迎プレゼント、信次を組み手でノックアウトしたら、ご褒美に苛め参加フリーパスをあげるわ。ウフフフフ、唾を吐き掛けるもおしっこ飲ませるも好きにしていいわ。先輩だなんて、遠慮すること全然ないからね!」きゃあっ!すっごーい!待ってましたあっ!嬌声が一斉に上がる。ああ、あああああ・・・そんな、新入生に、下級生にまで苛めさせるなんて・・・半ば予想していた展開ではあるが、絶望の余り信次は早くも半ベソをかいている。だが玲子の企みはこんな単純なものの筈がない。
玲子の美瞳が悪戯っぽく輝く。「ところで、今日はもう一人スペシャルゲストがいるわ。そう、信次の実の妹、川内飛鳥ちゃんよね。ウフフフフ飛鳥ちゃん、歓迎するわ。ようこそ聖華空手部へ。苛められっ子信次君の妹ちゃん、あなたも可愛がってあげるわよ、フフフフフお兄ちゃん同様、たっぷりとね!」飛鳥の美瞳が驚きに更に大きく見開かれる。「え、そんな可愛がってあげるって、まさか!」「ウフフフフそうよ飛鳥ちゃん、そのまさかよ。お兄ちゃんだけ苛められてたんじゃあ寂しいでしょう?きょうだい仲良く苛めてあげる!♡」「そ、そんな・・・き、聞いてないよ!」「そりゃそうよ、ターゲットに教えてあげるわけないでしょう?でも安心しなさい、きょうだい仲良く、て言ったでしょう?飛鳥ちゃんを捕まえるのは、これから仲良く苛められる信次にやらせるから!」信次に視線を向けた玲子が高らかに命じた。「さあ信次、飛鳥ちゃんを捕まえて押さえつけなさい。私たちが苛めやすいようにね!」さっと全員の視線が信次に注がれた。え、そんな、どうしたら・・・動揺する信次に朝子が笑いかけた。「アハハハハ、信次どうするのよ、ちょっとはお兄ちゃんらしく飛鳥ちゃんのこと守ってみる?せめて苛めるのは僕だけにして、飛鳥にだけは手を出さないでください、てさ。そんな男前のとこ見せるなら、応援してあげるよ。玲子がこれをネタに苛めないように、私が守ってあげるよ。」
ど、ど、ど・・・どうしよう・・・朝子が楽しげに笑いながらも幽かな優しさをその瞳に浮かべていたことを、最後の蜘蛛の糸を垂らしていたことを信次は全く気付かなかった。信次の脳裏にあるのは唯一つ、玲子への恐怖だけだった。爪の先ほどでも逆らえば鞭打たれる、その恐怖は信次の全てを支配していた。「あ、あすかあああ・・・」この世のものとは思えぬほどの情けない声を上げながら、壊れたロボットのようにぎこちなく明日香に擦り寄っていく。「ちょ、ちょっとやめてよお兄ちゃん、本気で私を押さえつけるつもりなの?」飛鳥の悲痛な叫びがあがる。「あ、あすかあああ、だって、しょうが、しょうがないんだよおおおお・・・」あーあ、バーカ信次、幾ら予想通りとは言ってもこんなに簡単に言っちゃうかしらね。守ってあげるよ、て嘘じゃなかったんだけどな。肩をすくめる朝子を、軽くつっつきながら玲子も笑いを堪えるのに必死だ。ウフフフフ、いいじゃん信次、その期待を裏切らない情けなさは大好きよ。躾のし甲斐があった、ていうものだわ。玲子たちの視線の先で、信次はのそのそと両手を広げ、飛鳥に抱きつき抑えようとした、だが飛鳥は軽やかに身をかわす。「お兄ちゃん、正気なの?わたしを、妹を売り渡す気なの?」「だって、だって・・・」お、俺だって・・・俺だってやだよ・・・卑屈な涙目で玲子を盗み見た。楽しそうに笑っている玲子、だがその笑いが却って信次の恐怖を煽り立てる。怒っている玲子は勿論恐ろしいが、笑っている玲子もまた恐ろしい。わわわ、笑ってる、玲子が笑ってる・・・あの笑いを消しちゃったら・・・鞭で叩かれる!
玲子を怒らせないこと、玲子の機嫌を爪の先ほどでも損ねないこと。それが信次の心の全てを塗り潰していた。だめだあああ、やめてくれだなんて、言えるわけないよおお・・・「あああ、飛鳥あああ、お、大人しく、大人しくしてくれよおおお・・・」世迷いごとのように呟きながら縋り付こうとする信次をかわした飛鳥の美瞳に、怒りの炎が点火する。「お兄ちゃん、もう一回だけ聞くわ、本気で私を売り渡すつもりなの!?」「だ、だって・・・だって・・・」言い淀んだ信次は再び玲子たちを盗み見た。腕組みをしながら笑って見ている玲子と朝子。その手の先に、鞭がしっかりと握られている光景がまざまざと甦る。い、いやだ、やめてなんて言ったら、絶対お仕置部屋に連れて行かれる、そ、それだけはいやだあああ!玲子たちの残酷な責めに対する恐怖に解き放たれた生来の身勝手さと品性の下劣さ、信次の醜さが耐えがたい臭気を放って溢れ出た。「い、い、いいじゃないかあああ!い、言うこと、言うこと聞いてくれよおおお、お、お前、お前妹だろおおおおおっ!兄ちゃんの言うこと、聞けよおおおっっっ!お、お前が、お前が大人しくしてくれなきゃ、お、おれが、おれがぶたれるんだよおおおおお!」助かりたい、自分だけは助かりたい。痛い目に逢いたくない。飛鳥のことなど、飛鳥がどうなるかなど全く考えてもいなかった。いや、腐臭を放つ幽かな希望さえ感じていた。へ、へへへ・・・飛鳥も一緒に堕とされちゃえば、俺への苛めがちょっとは減るかもしれないな・・・家でも少しはいやすくなるかも・・・
その下劣な腐臭を飛鳥は敏感に感じ取っていた。「お兄ちゃん・・・そこまで堕ちちゃったのね・・・許さない・・・」飛鳥の美瞳は炎の熱さに加え、氷の冷たさをも放ち始めていた。あーあ信次、やっちゃった。飛鳥ちゃんに踏ん切りつけさせちゃった。軽く溜め息をつく朝子を玲子が肘でつついた。ちょっと朝子、いいとこなんだから静かに見ようよ。これから楽しくなるんだからさ、噴き出しちゃったりしたら台無しよ。分かってるよ、と朝子が頷いた時、凛とした声が響いた。「もう絶対に許さない!」縋り付こうとする信次をあしらうかのように軽いステップを踏んでいた飛鳥が、ツッと足を止めた。「私を捕まえたいの?玲子さんに私のこと、差し出したいの?そうすれば・・・自分が少しは助かるとでも思っているの?・・・最低!いいわよお兄ちゃん、だったら捕まえてご覧よ、私のこと、捕まえて、玲子さんに差し出してご覧よ!」真正面から睨み据える飛鳥の視線は素晴らしい迫力に満ち溢れていた。妹の強い眼差しに射すくめられた信次は立ち竦み、しばし凍りついてしまう。
「どうしたのお兄ちゃん、私を捕まえるんじゃないの?捕まえないと玲子さんたちに苛められちゃうんでしょう?ほら早く捕まえてご覧よ!」だが信次の惰弱な精神は飛鳥の、妹の魔眼に射すくめられ動くことすらままならない。「どうしたのよ、かかってこれないの?じゃあ私から行ってあげようか!?」無造作に飛鳥は歩を進め、信次の眼前に歩み寄った。あああ、捕まえなくちゃ・・・今なら捕まえられる・・・精一杯の力で右手を伸ばす信次、だがその動きは黒帯の飛鳥から見れば芋虫同然ののろさだ。パシイッ!手で払うのも穢らわしいとばかりに、無造作にその手を蹴り上げた飛鳥の左脚がそのまま返す刀となって前蹴りで信次の腹を蹴りのめす。「ぐっぱああ」情けない悲鳴とともにうずくまる信次を、飛鳥は憎しみと軽蔑に満ち満ちた視線で睨み付けていた。あーあ、信次ったら飛鳥ちゃんのこと、本気で怒らせちゃった。可哀想に、私たちの、みんなの目の前でこれから妹にリンチされるなんてね。信次を苛めて苛めて苛め抜いてきた自分が信次を哀れと思うのが、玲子には堪らなくおかしかった。美瞳を爛々と燃え上がらせながら信次を責め苛もうとする飛鳥の姿に、玲子は懐かしさすら感じていた。そう言えば夏合宿で朝子が目覚めちゃった時も、あんな顔してたな。きっと私も最初はああだったんだろうな。最も私の最初は慎治の方だけどね。
飛鳥は仁王立ちで信次が体を起こすのを待っていた。うぶうううう、腹に響く蹴撃に呻きながら、信次は必死で膝立ちし、激しく痛む鳩尾を右手で抑えながら左手を飛鳥へと伸ばした。パシイッドスウッ!鋭く踏み込んだ飛鳥の右脚が閃き、信次の左手を蹴り上げ次の瞬間、強烈な回し蹴りをがら空きの腹に叩き込む。「ゴッブウウウッ!」脇腹を蹴り付けられ、信次は息が止まりそうな痛みに喘ぐ。もがき苦しむ信次を見下ろしながら飛鳥が言い放つ。「なに呻いてるのよお兄ちゃん、頑張んないと玲子さんに叱られるわよ。お仕置部屋に連れてかれてもいいの?」お、お仕置部屋!そ、それだけは・・・本能的な恐怖に駆り立てられ身を起こす。「あああ、あずがあああ・・・だのむ・・・」縋り付こうとするかのように信次が手を上げた瞬間、飛鳥自慢の美脚がその手を下から蹴り上げた。ヒッ!右手を蹴り上げた妹の脚が宙で閃き襲い掛かるのを、信次は為す術もなく見せつけられた。ドスウウッ!踏み付けるかのように踵が腹にめり込んだ。あっぶううううう・・・重い衝撃に思わず腹を押さえつつ、信次は顔から床に倒れこんでしまった。あらあら飛鳥ちゃん、残酷モード全開ね、嬲り殺しにするつもりなのね。可哀想に、あんなにお腹を蹴られたんじゃ、信次ったらさぞ苦しいでしょうね。朝子が軽く肩をすぼめた。その通りだった、飛鳥は蹴りしか使わず、しかもボディのみを蹴り続けた。飛鳥の技量であれば、顔面を蹴りつけて脳震盪を起こさせ、一発で気絶させることなど何の造作もない。だが残酷な妹は決して顔面には蹴りを入れず、ひたすら腹のみを蹴り続けた。兄を苦しめるために。兄に苦痛を与えるために。みんなの目の前で妹に甚振られるという辱めを与えるために。
ドスウッガズウッゴズウッ・・・さまざまな角度から自由自在意のままに、飛鳥の蹴りは信次の腹に次から次へとめり込んでいく。オゲエエッグブウウウウッゴッフウウウッッッッ信次の悲鳴が響く。腹を蹴られる苦痛は酷いものだ。こみ上げる吐き気と息苦しさに脱力、そして何より意識を失うことができず、延々と苦しみ続けるしかない辛さ。それだけではない、腹を押さえ苦痛にのたうつ自分を見下ろすのは、生き地獄の苦痛を自分に味合わせているのは紛れもなく実の妹、飛鳥なのだ。同級生に先輩だけではない、新入部員、年下の女の子たちもいるのに、その目の前で妹に足蹴にされ、もがき苦しんでいるのだ。ウブウウウッグフウウウウッッッグゲエエエエエッッッッ・・・余りの苦しさに身悶えながら、信次はとうとう起き上がり縋り付こうとすることさえできなくなってしまった。「どうしたのよお兄ちゃん?私を捕まえるんじゃなかったの?ねえ、ほら、ほらっ!」芋虫のように蹲り腹を押さえる信次、飛鳥はその肩を無理矢理こじ開けるかの如く蹴り上げ引っ繰り返すと、そのまま真正面から肩をギュッと踏み付けた。あうううう・・・何とか半身になろうとするが、そんなことを許す飛鳥ではない。「なに勝手に動いてるのよ!」ガッ!と肩を蹴り仰向けに蹴り戻すと、明日香は隙だらけの腹を思いっきり踏み付けた。どっずうっ!ぐはあああああっ・・・飛鳥の踵に踏み潰された信次の蛙のような悲鳴が、飛鳥の嗜虐心をそそる。思わず信次は飛鳥の脚に縋り付いてしまった。自分を踏みしだく脚に、妹の美脚に。
「だ、だじゅげで・・・ゆるじで、・・・ねがい・・・」涙目で必死で仰ぎ見た信次は、背筋が凍りつきそうになった。見下ろす飛鳥の瞳は怒りの炎だけではなく、残虐な輝きを放っていた。「ほら・・・起き上がってご覧よお兄ちゃん・・・ほら!ほらほらほら!」ドズウッドグウッズグウウッ・・・飛鳥の踏み蹴りが立て続けに信次の弛んだ腹を蹂躙する。「ぐばああああああっっっ・・・あ。あずがあああ・・・ねがい、ゆるじでえええ・・・」余りの苦しさに意識は冴えわたり、天の慈悲たる失神など遥か彼方の夢だ。ドズウウウウッ!もう一発踏み付けた飛鳥の美脚を必死でかき抱き、信次は哀願した。だが既に残酷な女神に昇華してしまった飛鳥に、そんな哀願が届く筈もない。邪険にその手を払いのけた飛鳥は、わざと信次が体を起こすまで蹴らずに待っていた。うっううっぶえええええ・・・苦しげに呻きながら信次が必死の思いで身を捩じらせ腹ばいに体を起こした瞬間、スッと横に回った飛鳥は思いっ切り腹を蹴り上げ、玲子の足元へと信次を蹴り転がした。「あっがあああああっ!」涙目で喘ぐ信次を玲子と朝子が楽しげに見降ろしている。「ぐ、えええ・・・れ、玲子・・・さん・・・ダメ、か、かなわない・・・」ウフフフフ、そりゃそうよ、敵わないのなんか百も承知。だけど未だ許してあげない。玲子は冷たく拒絶する。「なに信次、私が言ったこと聞こえなかったの?私、飛鳥ちゃんを捕まえなさい、て言ったんだけどな。私の命令が聞けないの?そんなにお仕置部屋に連れてって欲しいのかしら?」
そ、そんなあああ・・・前門の虎後門の狼、引くも地獄進むも地獄、諦めれば玲子の鞭が、諦めなければ飛鳥の腹蹴りが待っている。うう、ううううう・・・ど、どうしたらいいんだ・・・うろたえながらもにじり寄る信次を、飛鳥は嫌悪感も露わに睨み据える。「まだ来るの、しつこいウジ虫ね!」飛鳥の美瞳に気圧された信次は思わず両手で腹を押さえた。だが一閃した飛鳥の美脚がその脆弱なガードを蹴り払い、水月に鋭い爪先蹴りを叩き込んだ。「ごおっぶうううううっ!」余りの痛さと衝撃に信次の体がくの字に折れ曲がる。苦しさの余り横倒しになり胃を押さえて喘ぐ信次に情け容赦なく飛鳥は追い討ちをかける。ドッボオッ、甘いガードを嘲笑うかのように、二発目の爪先蹴りが突き刺さった。ぐっひえええええええっっっ!!!のたうち回りながらもがき苦しむ信次の体が不意に何かにぶつかり止まった。玲子の美脚だった。「何やってるのよ信次、そんなんじゃ100年かかっても飛鳥ちゃんのこと、捕まえられないわよ?」呆れたように首を振る玲子に、朝子も頷く。「ほら信次、頑張って!男の子なんでしょ、お兄ちゃんなんでしょ?ちょっとはお兄ちゃんらしく強いとこをみせてあげなよ!」
うう、ううう・・・立ち上がる体力もなく、半ば転がるようにして腕組みして待つ飛鳥の足元へとにじり寄る。何のために?妹に苛められるために、蹴りのめされるために。待ち構える飛鳥は、凄惨な笑みを浮かべていた。ウフフフフ、楽しい・・・柔らかい腹を蹴る感触はなかなか心地よかった。あんなにお腹蹴り放題だなんて、お兄ちゃんほっんと、弱いわね。素人だってもうちょっとはまともにガードするわよ。大粒の瞳は残酷に光り輝き、唇の端はクッと吊り上がって冷笑していた。あらあら飛鳥ちゃん、もう苛めモード全開ね。既に飛鳥は信次に対する怒りなどとっくに消え去り、公開リンチを楽しんでいる真っ最中だった。腹を蹴り嬲っている、それも実の兄を自分の同級生、信次にとっては後輩になる、年下の女の子の目の前で蹴り嬲っている。途方もない辱めを与える快感に、飛鳥は全身が粟立つ程の興奮を満喫していた。たっのしい!散々に蹴りのめし、動けなくなったところで玲子の足元に蹴り転がす。玲子に拒絶され絶望の中、自分に再度蹴られるためににじり寄る兄の顔。その顔が自分に蹴られるたびに苦しげに歪み恥辱に真っ赤になり、内臓から込み上げる苦痛のあまり床をのた打ち回る。最高の光景だった。よーし、責めの趣向をちょっと変えてあげる。
苦悶を必死で堪えながらフラフラと信次が立つのを待ってやった飛鳥は、両腕で信次の肘、肩をしっかりと絡めとった。あ、飛鳥ちゃん膝地獄いくつもりね。同じく膝地獄を得意とする朝子が瞳を輝かせたが、飛鳥は膝を一瞬止めた。このまま蹴ったんじゃ、お兄ちゃん直ぐ倒れちゃうね。崩れかかる信次を抱きかかえるようにしながら壁際まで押しやり、背中を押しつけたところで飛鳥は軽く舌なめずりをした。ウフフフフお兄ちゃん、簡単には倒れさせてあげないよ。飛鳥の長い美脚が閃き、柔らかな関節を生かし鋭角に折り曲げられた膝が下から突き上げるように、信次の無防備の腹に深々と食い込んだ。ドズッドズッドズッウウウッッッ・・・グッボッゴフッグッボオオオオオッッッ!信次の断末魔のような悲鳴が上がった。ドズッドズッドズッウウウッッッ・・・飛鳥は信次が倒れられないように鋭角に下から膝を突き上げ、更に絡めた両腕をしっかり絞り上げ背中を壁に押し付け、今にも崩れ落ちそうな信次をしっかりと支えながら冷酷な膝蹴りを叩き込み続ける。今にも崩れ落ちようとする信次を支えながら、飛鳥は無慈悲な膝蹴りで責め続ける。突き上げる飛鳥の膝はあたかもカウンターのように、崩れ落ちようとする信次の腹を蹴り続け苦痛を倍加させていく。オエッグエッオゲエエエエエッッッ!!!ヤ、ベデ・・・グデエエエエエ・・・グル・・・ジイ・・・イダイイイイイイイッッッ!!!倒れたい崩れ落ちたい、だが壁に押し付けられ両腕を引き摺り上げられ膝で蹴り上げられ、倒れる自由すら奪われた信次は地獄の苦しみに喘ぎ続けるしかない。あぐう、うぶううううう、、、じ、じんじゃうううう・・・膝はガクガクと笑いとっくに力など抜け落ちている。だが未だ倒れさせてもらえない。痛さと息苦しさと強烈な吐き気とに、目の前が真っ暗になりチカチカと嫌な光が点滅しているかのようだが、意識は明瞭なままで一向に失神という救いの女神は訪れてくれない。ドズッドズッドズッウウウッッッ・・・無慈悲な膝蹴りが更に食い込む。鉛のような重い痛みがマグマのように、蹴り続けられる腹全体に黒い熱気を帯びながら広がっていく。内臓奥深くへと浸透するかのようなその痛みは、肉体が悲鳴を上げる痛み、生命の危機を訴える痛みだった。うぐぇえええええ・・・ゆ、ゆるじでえええ・・・ズリュッ、とうとう信次の尻が壁を滑り、そのまま尻から落ちた信次は体を折り曲げ虫の息で倒れ伏した。その顔は丁度、誇らしげに仁王立ちする飛鳥の足元にひれ伏していた。
「アハ、アハハ、アハハハハハッ!」飛鳥の哄笑が木霊した。横向きに倒れたまま海老のように体を折り曲げ喘ぎ苦しむ信次の鼻先に、飛鳥は左足をわざと響かせながら踏み下ろした。そしてゆっくりと右足を信次の頬に降ろし、思う存分踏み躙った。「グッアッウウウウッ、や、やべであずがあああ、ふ、踏まないでぐでえええっっっ・・・」何とか呻き声をあげるが、余りの苦しさに腹から手を離すことさえできない。顔を踏みしだく妹の足を振り払うことすらできない。「フフ、ウフフフフ、アハハハハハッ!」朝子が堪えきれずに笑い出してしまった。「もう朝子ったら!笑ったらダメじゃん!」そう言いながら玲子も笑っていた。吊られるように摩耶たちも笑いだしている、道場全体に笑いが満ち満ちていた。その笑いが飛鳥の嗜虐心を更に掻き立てていく。元来明日香が容貌通り猫型、実力故に一目置かれるが基本的には一匹狼型なのに対し、飛鳥もまた容貌通りであり猿型、それもヤマを支配するボス猿型だった。信次の顔を踏み躙りながら、飛鳥は陶然としていた。ああ久し振りの苛め、やっぱりこの感触は最高よね!
リーダーシップに富み誰からも一目置かれる飛鳥は中学の時、クラス・学年全体の纏め役、学年きっての優等生かつ頼れる姉御の顔と同時にもう一つ影の顔を持っていた。クラス、いや学年苛め軍団のボスの顔を。誰を苛めるも苛めないも自由、思いのままに苛めを楽しんでいた。そして飛鳥の一番のお気に入り苛めターゲットはクラスメートの男の子、三隅だった。陰湿な策略家の顔も持つ飛鳥は、PTAや教員など大人たちの前では決して自分が苛めになど関係ないかのように装いながら、苛めの楽しさを満喫していた。残忍冷酷な飛鳥、それだけに玲子から信次に味合わせている責め苦を聞かされた時は衝撃だった。玲子、朝子を始めとする面々が兄を、信次を苛めていることは薄々感づいてはいた。だがその苛めの全容は衝撃的だった。鞭・・・唾・・・おしっこ・・・そんな凄い責めを毎日加えてるなんて・・・すごい・・・!飛鳥の中に炎が灯った。今わたしが三隅にやってるのなんて、ほんのお遊びね・・・卒業を間近に控えた3月のある日、飛鳥はいつものように舎弟格の男女延べ8人を従え三隅を責め嬲っていた。靴を舐めさせ裸踊りをさせ剣道と称して竹刀で散々尻を引っ叩き、たっぷりと楽しい一時を過ごした飛鳥はいつもの通り、三隅を正座させ顔に唾を吐き掛けてやった。
絶対的リーダーとしての自らの立場を誇示するかの如く、飛鳥は皆で苛めを楽しみながらも唾を吐き掛けるのは自分だけの大切な特権、ターゲットに決めた相手に唾を吐き掛け、生贄に転落させる楽しみだけは自分一人の特権として誰にも許さずにいた。皆が見ている前で唾を吐き掛けられる屈辱を生贄に味合わせると同時に、自分だけが唾を吐き掛ける楽しみを独占する優越感。この二つが何とも心地よい。だがこの日、飛鳥はいつもと違う企みを用意していた。三隅の顔面にたっぷりと唾を吐き掛けた飛鳥は、悠然と言い放った。「ねえみんなさ、もう卒業も近いことだし、三隅に一生忘れられないトラウマ刻み込んでやろうと思うんだ。ウフフフフ、三隅にさ、私のおしっこ、飲ませちゃおうかな?」「すげえ飛鳥、女の子のおしっこ飲まされるとこ、見たい見たい!」「賛成賛成!やっちゃえやっちゃえ!」男女を問わず取り巻き連中の賞賛の声が木霊しあっという間に三隅は飛鳥の足元に引き据えられ仰向けにされ、手足を押さえ付けられた。「ウフフフフ、覚悟はいい?今から三隅は、私の便器にされるんだよ?ウフフフフどう、私のおしっこを飲まされる覚悟はいいかしら?」「ひいいいい、お願い、そ、それだけは、それだけはやべでえええええっ!」三隅の必死の哀願を楽しみながら飛鳥は全員を駆り立てるかのように両手で煽りながらゆっくりと三隅の顔を跨ぎ、腰を降ろしていく。
辱めを与えるのが大好きな飛鳥、唾責めが大好きな飛鳥が顔の真上にしゃがみこんでいる。そして悠然と一旦腰を浮かせた飛鳥がパンティに手をかけた。何度となく吐き掛けられた飛鳥の唾に凌辱された三隅は、これから味合わされるであろう責め苦と汚辱に全身を恐怖に震わせ、半ばパニック状態だ。だがその時、飛鳥の手が止まった。あれ、パンティを脱いで・・・いない・・・おそるおそる顔をあげると、見下ろす飛鳥が悪戯っぽく笑っていた。「ウフフフフ、本当に飲まされると思った?私におしっこ飲まされると思った?」「う、うん・・・」状況が飲み込めずに戸惑う三隅に飛鳥が微笑んだ。「あははははっ、ちょっとからかっただけじゃん、そんなことしないわよ、そんな酷いこと、私がするわけないじゃん!?」酷いこと?するわけない?三隅の腹に腰を下ろした飛鳥は、戸惑う三隅を慈しむかのように優しく頬を撫でた。
「私さ、聞いちゃったんだ。お兄ちゃん、私のお兄ちゃんの信次がさ、クラスやクラブの先輩に滅茶苦茶苛められてる、てこと。私が三隅にやってるのなんてさ、ほんの子供騙しにしか思えない苛めを毎日されてる、てことをね。」「こ、子供騙しって、これが・・・」動揺する三隅に飛鳥は微笑んだ。「ねえ三隅さ、私のおしっこ飲める、それも毎日毎日何回も何回もだよ?本物の鞭でさ、血が出るくらいまで叩かれるの我慢できる?」「そ、そんな・・お、おしっこ、鞭だなんて・・・」余りの言葉に凍りつく三隅の髪を、飛鳥は優しく撫でた。「アハハハハ、自分がやられると思った?しないしない、安心してよ。そう無理よね、普通の人間はそんなの絶対耐えられないよね。だけどさ、お兄ちゃんはそれを毎日毎日味合わされてるんだって。だからさ、ウフフフフ」飛鳥は悪戯っぽく微笑んだ。「私、三隅の事苛めるの、興味無くなっちゃったんだ。高校入ったらお兄ちゃんのことを無茶苦茶にできるんだからさ、少し苛めエネルギーを溜めとこうと思うんだ。」
優しげな笑みを浮かべた飛鳥は続けた。「だからさ、三隅のこと、許してあげる。もう苛めないであげる。」全く予期しない言葉に三隅は動転を隠せなかった。「ええ、そ、そんな・・・ほ、んとうに???」「うん、本当よ。」戸惑う三隅が堪らなく愛おしい。今までついさっきまで、散々苛めぬかれた自分に与えられる許しに縋り付こうとする三隅の必死さが愛おしい。ウフフフフ、じゃあこんな楽しみも味合わせてね。「それだけじゃないわ、三隅が一番言って欲しいことも言ってあげる。」膝立ちした飛鳥は三隅の両手を握り、体を起こしてやるとキュッと頭を胸に抱きしめた。「ごめんね、今まで沢山苛めて。辛かったでしょう?本当にごめんね。もう苛めないから、みんなにも苛めさせないから、許してね。」抱き締めた頭に頬ずりし、左手は背中を優しくさすり右手では髪を撫でてやる。抱きしめられる三隅の頬に頭に、飛鳥の温もりが心地よく伝わる。甘いとろけるような香りが鼻腔をくすぐる。何十発何百発となく叩かれた飛鳥の両手に優しく撫でさすられている。あああ・・・気持ち・・・いい・・・陶然とする、ついさっきまで生き地獄を味合わせられていた美少女に優しく抱きしめられる、まさに最上の癒し、辛い苛めの日々の記憶を甘美に癒す桃源郷だった。ゆっくりと手を離した飛鳥は、三隅の両頬を両手で挟み、慈母の笑みを浮かべながら言った。
「この言葉、一番聞きたかったんじゃない?私のこの口で言って貰いたかったんじゃない?私のお詫びの言葉、心からのお詫びの言葉。ごめんね。」「あ、ああ、あああああ・・・」三隅の嗚咽が響く。「あああ、あ、りがとう・・・ありがとう・・・」泣きじゃくる三隅を見下ろしながら、飛鳥は快感に打ち震えていた。ゾクゾクと飛鳥の背筋を優越感と快感の奔流が駆け抜ける。ウフフフフ、三隅ったら私にお礼を言ってるんだ。今まで散々苛め抜いて生き地獄を味合わせた私にね。つい今さっき、顔に唾を吐き掛けた私に感謝の言葉を捧げるんだ。最高の気分だった。苛めるだけでなく、許しを与えることですら楽しめる。まさに三隅の全てを征服し尽くした快感だった。ウフフフフ安心していいよ、フェイントはないから。私の期待通りのリアクションしてくれたんだからさ、本当に許してあげる。もう苛めないであげるよ。最後の1カ月、安心して過ごすがいいよ。私はその間、苛めエネルギーをたっぷりと溜めとくからさ。
そして飛鳥は今、久しぶりの快感を、待ちに待った実の兄を苛め、晒し者にする快感を精一杯、何のリミットもかけずに楽しもうとしていた。「踏まないで欲しいのお兄ちゃん?あははははは!ダメ!許してあげるわけ・・・ないじゃん!」グッと更にしっかりとウエィトを掛けながら、飛鳥は思う存分信次の顔面を踏み躙った。「まだ分んないの?私ね、お兄ちゃんが玲子さんたちに苛められてることなんて、とっくに知ってたんだよ。だけど一度位はチャンスあげようかなって、お兄ちゃんがちょっとは根性見せてくれるんなら助けてあげようかな、と思ったけどさ、結果は・・・ブーー!」ゴリッと一際強く踏み躙る。「落第ね。もう救いようがないわ。だから私も・・・」凄絶な冷笑を満面に湛えながら言い放った。「思いっきり、苛めてあげる。」
ドスッと乱暴に信次の胸のあたりに馬乗りに腰をおろした飛鳥は、両膝で信次の腕を押さえ付けた。「ウフフフフお兄ちゃん、起きられるかしら?私のことを跳ね除けて。まあ頑張ればできるかも知れないけど。但し、私のこと落としたら、またお腹蹴るわよ。」残酷な笑みが飛鳥の美貌に広がる。「で、これからどうやって苛めるか、もう想像つくわよね?アハハハハ、そうよ、痰壺の刑よ。こうやってみんなに見られているど真ん中で、たっぷりと私の唾、吐き掛けてあげる!」「あうううう、ぞんなあああああ・・・」腹を散々に蹴られ息が詰まっている信次は、胸にかかる飛鳥の体重に苦しげに喘ぐ。組み敷かれ下から見上げる女の子の顔。玲子に、朝子に散々見せつけられた屈辱の顔だが、今見せ付けられているのは格別に屈辱的な顔、紛れもない妹・飛鳥の顔だ。そしてその顔に、みんなが見ている前で唾を吐き掛けられるのだ、妹に、飛鳥に唾を吐き掛けられるのだ。「あああ、あああああ・・・お願いだあああ、そ、それだけは、それだげはゆるじでえええ・・・」必死で哀訴する信次を見下ろす飛鳥の美瞳には、憐れみなど最早欠片もない。「お願い?許して?ねえお兄ちゃん、お願いするなら、先ず何か言うことがあるんじゃないの?私のこと、玲子さんたちに売り渡そうとしたこと、どう思ってるのよ?」「ああああ、あうううう・・・ゆるじで・・だって・・・だって・・・」「だって?だって何よ?」「だ、だっでえええ、れ、玲子ざんが、朝子・・・ざんがあああ・・・」「玲子さんや朝子さんに命令されたから仕方ないって言いたいの?」我が意を得たりとばかりに信次は必死で頷いた。「ぞ、ぞう、ぞうだよおおおおお!じ、じがだながっだんだあああああ!」
必死で叫びながら、信次は何とか飛鳥の賛意を得ようと顔を歪め、精一杯の笑顔を作ろうとした。ニンッと歪めたその顔は無様を通り越し、虫唾が走るほど醜く浅ましかった。「何よその顔、その言い訳・・・命令されたからだなんてそんな言い訳、通るとでも思っているの!?」飛鳥の美貌から冷笑が消え、本気の怒りの彩が浮かぶ。口の中が酸っぱくなる感触が溢れる。久々に味わうこの感覚、本気の怒り、本気の軽蔑だった。ついさっきまでの嘲りだけではない、心の底からの軽蔑、心の底からの怒りを感じていた。「お兄ちゃん、ほんと人間のクズだね。お兄ちゃんなんか、一生こうやられているのがお似合いよ!」吐き気を催すほどの嫌悪と侮蔑と憎悪を口一杯に溜め、飛鳥は大きく息を吸うと全身全霊の力を口に集中して思いっきり唾を吐き掛けた。ベッ!飛鳥の美唇が割れ、白く泡立つ唾が吐き出された。一直線に落下した唾がピチャッと音を立てて信次の目に降り注ぐ。「うぐうっっっ」思わず信次を鼻でせせら笑い、飛鳥は情け容赦なく次々と唾を吐き掛ける。
ペッベッデュッ・・・信次にとって聞き慣れた音、見慣れた光景が現出する。飛鳥の尻に敷かれ両腕を押さえられ、身動きできない信次の顔面に飛鳥の唾が間断なく降り注ぐ。「ウフフフフ、みっともない顔。妹の私にこうやってお尻に敷かれて唾吐き掛けられてるなんてさ。もう顔じゅう私の唾でベトベトじゃない。アハハハハいい気味、思い知るがいいわ。」みんなの目の前で女の子に蹴り倒され組み伏せられている。自分を蹴り倒した女の子に組み敷かれその尻の、膝の下で身動きすら取れずに身悶えている。そして・・・勝ち誇る女の子に唾を吐き掛けられている。上から一方的に唾を吐き掛けられ、反撃の術など一切ない。両腕は押さえられ、よけることすらできない。必死で首を振りイヤイヤをするが、動ける範囲などタカが知れている、上から見下ろしながら唾を吐き掛ける女の子にとっては、何の妨げにもならない。そして自分をとことん辱め貶めているのは・・・飛鳥、妹の飛鳥。最愛の、そして最大の天敵である妹の飛鳥。その飛鳥に徹底的に蹴りのめされ打ち負かされ辱められている。この上ない、今まで味合わされた屈辱の中でも一、二を争うほどの屈辱だ。
胸に座られ両腕を膝で組み敷かれ、唯一動く首を必死で振る信次に情け容赦なく唾を吐き掛けていた飛鳥が、一旦唾責めを中断した。「お兄ちゃん、そんなに動いてたらちゃんと見えないんじゃない?私に唾吐き掛けられているところが。」グッと膝を寄せ、飛鳥は信次の頬をがっちりと固定した。優美な曲線を湛えながらも逞しい飛鳥の太腿に挟まれ、信次は真上を向かされたままとうとう首を振る自由さえ奪われてしまった。「ウフフフフ、もう逃げ場はどこにもないわよ。さあ唾責め、再開よ。」獲物をいたぶる残酷な笑みを浮かべながら、飛鳥は唾責めを再開した。ペッ、ベッ、デュッ、ブッ・・・残酷な音と共に再び飛鳥の唾が降り注ぐ。しっかりと顔を固定され飛鳥の美貌と正対させられた信次。その距離1mもない。だが上下に分かれたその距離が飛鳥と信次の身分を象徴している。君臨し思う存分に唾を吐き掛ける飛鳥、両手両足全て自由で思うがままに加虐を楽しめる。そして妹に体も両手も、あまつさえ顔まで固定されて唾を吐き掛けられる信次。格差などという言葉では表せないほどの惨めさだ。最早飛鳥を見上げること以外何もできない信次、唾を吐き掛けられる以外、何もできない信次。その信次の頭上から飛鳥の美唇は、次から次へと唾を吐き掛け続ける。アハハハ、アハハハハッ!飛鳥の哄笑が道場に響く。「どんな気分、お兄ちゃん?私も他人に唾吐き掛けたことは何回もあるけどさ、流石にこんなに一杯吐き掛けたことはないわよ。みんな必死で逃げるもん、精々1,2回吐き掛けてやる程度よ。それをまあこんなに一杯吐き掛けられちゃって、もうお顔全部ビチャビチャよ。ほらこんなのはどう?今度は・・・唾爆弾よ。」たっぷりと溜めた唾を塊にして、ゆっくりと信次の顔めがけて垂らしていく。仰ぎ見る信次の遥か頭上で半開きになった飛鳥の美唇から白い巨大な唾の塊がゆっくりと、徐々に速さを増して垂れてくる。ピッチャッ!巨大な唾の塊は信次の顔面で跳ね、池のような水溜り、いや唾溜りを作った後、ゆっくりと流れていく。爆弾という通り、飛鳥の唾が次々と落下してくる。無防備な市民を焼き尽くす無差別爆撃のように、信次の心も体も全てを飛鳥の唾爆弾が焼き尽くしていく。
「あううう、ひっひっく・・・うう、うええええんんん・・・」嗚咽を必死で抑えようとするが止めようもない。悔しさと恥ずかしさの余り、信次は全身を震わせて泣き出してしまった。「あーらあらあらお兄ちゃん、泣いちゃったの?妹に蹴られて唾吐き掛けられて、悔しくて泣いちゃったの?アハハハハ、なっさけないの!ペッ!」泣き咽ぶ信次の目に飛鳥の唾が命中し、溢れる涙と一体となって流れていく。飛鳥の強さと快感、信次の弱さと屈辱が入り混じりながら流れていく。
「ウフフフフお兄ちゃん、まだまだ許してなんかあげないからね。もっともっと辱めてあげる。」飛鳥はゆっくりと立ち上がった。ひっひっく・・・泣きながら体を起こそうとした信次に、飛鳥の声が降り注いだ。「誰が起きていいって言ったの?そのままよ!」声と同時に信次の顔の真上に、飛鳥の足の裏が出現した。ベヂャッ!何の躊躇もせず、飛鳥は信次の顔面を真っ向から踏み付けた。「うっぎゅううう!」押し潰された悲鳴が響く。「ウフフフフ、みっじめねえ。でもお似合いよお兄ちゃん、こうやって妹に顔踏み躙られてるのがさ!」楽しげに笑いながら、飛鳥は思う存分信次の顔を踏み躙った。「ううん、ううううう、うっぎいいいいいい、や、やべでえええええ・・・」信次は余りのことに遂に大声で泣き叫んでしまったが、それは火が点いてしまった飛鳥の嗜虐心を駆り立てるだけだった。
「アハハハハ、泣いちゃったのお兄ちゃん?泣けば許して貰えるとでも思っているの?バーカ、許すわけないじゃん!」踏み躙っていた足を信次の口の上で静止させ、驕慢な美少女は言い放った。「汚いお兄ちゃんの顔踏んづけたから足が汚れちゃったじゃない。きれいにしてよ。」「あっあああっっっ・・・飛鳥、ひどいよ・・・」泣きながらも信次は舌を突き出し舐め始めた。飛鳥の足を。自分を蹴りのめし唾を吐き掛けた妹の足の裏を。腰に両手を当て傲然と見下ろしながら足を舐めさせる飛鳥と、嗚咽を押えきれずに泣きながら妹の足を舐める信次の対比は、最高のショーだった。そこへ笑いながら玲子が肘掛椅子を持ってきた。「飛鳥ちゃん、踏みながら足舐めさせるのって、疲れるでしょう?それに座って舐めさせた方がみんなにもよく見えるし、信次も飛鳥ちゃんの脚舐めさせられてるのが身に滲みるし、いいと思うよ。」「さっすが玲子さん、ありがとうございます!」飛鳥は玲子がセットした椅子に腰を下ろすと、悠然と長い脚を組んだ。「さあお兄ちゃん、しっかり舐めてきれいにしてね、飛鳥の足を。お兄ちゃんのせいで汚れちゃった足、しっかり舐め清めてね。」
あうううう・・・そこまで・・・やるか・・残酷な妹を呪いながら正座した信次は、突き出された飛鳥の足を押し戴き舐め始める。幽かに汗臭い足の臭いと、付着した唾の臭いが鼻を衝く。仄かなしょっぱさが飛鳥の足を舐めていることを実感させる。そして涙に曇る視界、飛鳥の足の先に広がる視界には、驕慢な笑みを浮かべて自分を見下ろしながら悠然と微笑む飛鳥と、自分の惨めさを楽しむ空手部員達。先輩、同期だけでなく後輩、入部したての1年生部員たちの姿が映っていた。あああ、あうううう・・・見、見られている、下級生の、年下の女の子たちにも・・・信次の動揺を察した飛鳥が大きく頷いた。「ウフフフフ、気づいたみたいねお兄ちゃん。そうよ、私たち1年生もみんな見ているよ、お兄ちゃんの惨めさをね。だからアハハハハハッ!これから一杯苛めてあげるからね、私だけじゃなくて1年生全員もね。年下の女の子に苛められる屈辱も、一杯一杯いいいいっぱい、味合わせてあげるからね!空手部だけじゃないわ、家でもどこでも苛めて苛めて苛めぬいて、生き地獄を味合わせてあげるからね!」
に塗り潰され、漸く鞭音が止んだ。「ウフフフフお兄ちゃん、いい色にお尻、染まったわよ。いいわほどいてあげる。」明日香が革ベルトを外すと、慎治は拷問台から力なく転げ落ちた。
「あうううう・・・い、たい・・・」焼け付くような痛みなどとっくに超えてしまい、重く不快な痛み、いつまでも消えない鈍痛が尻の皮だけではなく中から外から、立体的に湧き上がっていた。もがく余裕すらない、慎治にできることはただ一つ、痛みの溶鉱炉と化した尻に手をそっと当て、何とか痛みの波が早く過ぎ去ってくれることを待つだけだ。涙を流しながら足元で呻き続ける兄・慎治を、明日香は鞭を片手に悠然と見下ろしていた。無様なその姿は虫けらそのもの、責め心をそそりこそすれ、憐憫など微塵も呼び覚ますものではない。拘束を解いてやったのに、起き上がることすらできない慎治、それは折角蜘蛛の糸を垂らしてやったのに掴むことすらできない慎治にふさわしい惨めな姿だった。何て惨めなのかしら。ここまで追い込んでやった、たった一本の鞭だけでここまで追い込んでやった喜びを、明日香は何度も何度も噛みしめていた。「ウフフフフお兄ちゃん、ちょっとは堪えたかしら?明日香のお仕置。どう、少しは反省した?」無造作にブーツで横顔を踏み躙りながら明日香は問い質した。あ、ううう・・・ちく・・・しょう・・・顔を踏み躙るなんて・・・だが、妹に顔を踏まれる屈辱に抗議する気力すらもうない。う、ううう・・・尻の痛さに嗚咽しながら耐え忍ぶ、だが残酷な妹は沈黙すら許さない。「ねえお兄ちゃん、お返事はどうしたの、私、聞いてるんだけどな。あ、それともちゃんとお返事できるように、もう一回お仕置し直してあげなくちゃいけないのかしら?」ヒュオッ!明日香が素振りをくれると同時に、慎治の全身がビクッと恐怖に痙攣した。「ああ、あああ、あうううう・・お、願い明日香あああ・・・もう・・・許して、お願い・・・は、反省・・・反省・・・するから・・・だから・・・ねがい・・・もうぶたないで・・・ごめん・・・なさい・・・ごめん・・・なさい・・・ごめん・・・なさい・・・」最期の力を振り絞って土下座し、純白のブーツに縋り付くかのように口付けし、ピチャピチャと舐め始めた。パシッパシッ・・・いい、いいわ・・・散々思う存分鞭で打ち据えた兄が、限界などとうに超えて精神崩壊寸前まで追い込んだ兄・慎治が慈悲を求めて自分のブーツを舐めている。至福の光景を明日香は悠然と愉しんでいた。
クスクスと笑いながら、明日香はヒールを床につけたまま爪先だけをクッと持ち上げた。ブーツが動いた瞬間、ビクッと震えた慎治は次の瞬間、のろのろと体を伸ばして明日香の足元に腹這いに横たわり、ブーツのソールに舌を伸ばした。礼子に鞭で仕込まれた絶対服従のポーズ、虫けらの姿勢だ。首を反らせ顔を必死で明日香のブーツの下に捻じ込ませてブーツのソールをピチャピチャと舐める。そして上向きになった視界の遥か天空には、自分を見下ろす鞭を手にした残酷な女神、自分を責め苛み生き地獄を味合わせた女神の美しい姿があった。それは紛れもなく、妹・明日香の姿だった。ブーツのソール、普段まず見る機会のない箇所、明日香の美脚を汚れや危険から守る箇所、そして靴の中で最も汚い箇所。地べたに這いつくばってそのソール、汚辱の象徴を舐めている姿を見下ろされている、実の妹に見下ろされている、屈辱などという言葉では生温すぎた。
ううう・・・くくく・・・明日香に・・・こんな目に遭わされるなんて・・・今日何度目か、数える気力すら失いつつも身の置き場すらない屈辱に新たな涙が頬を伝う。その姿を見下ろしながら、明日香は陶然としていた。こんなに気持ちいいんだ・・・お兄ちゃんを苛めるのって・・・鈴谷たち生贄に靴を舐めさせた事は何度もある、だがここまでの優越感を感じた事はなかった。嫌がることを無理矢理やらせる楽しさはあったが、基本的にはその場限りの楽しさ、犠牲者にとってはともかく、少なくとも明日香にとって後々まで残る楽しさではない。だが今この瞬間の楽しさ、今まさに慎治に味合わせている屈辱は遥か別次元のもの、相手の一生に消えようのないトラウマを焼き付ける至上の悦楽だった。ましてやそのトラウマを焼き付けている相手は実の兄・慎治なのだ。微かに燃え残った憐憫と背徳の味が最高のスパイスとなり、責める楽しさをより一層掻き立てる。たのしい・・・お兄ちゃんを苛めるのって、こんなに楽しいんだ・・・自然に笑みが湧き上がる。可哀想にお兄ちゃん、私もう、ハマっちゃったよ。絶対やめないからね、お兄ちゃんのこと、嬲り尽くしてあげる・・・
ふと横を見ると、飛鳥も信次を責め潰しブーツを舐め清めさせている最中だった。顔を見合わせた2人が苦笑を浮かべる。玲子さんたちもきっと、こうやったんだろうな。鞭で打ちのめしてブーツ舐めさせて、思う存分楽しんだんだろうな。怯えきった兄・信次がブーツの底から見上げる視線を楽しみつつ、飛鳥はゆっくりと、苛め心が純粋さを増していくのを感じていた。朝家を出るまで、いやついさっきまで微かに薫りを残していた同情の欠片すらもうない。お兄ちゃんのこと、どうやって苛めてやろうかな、鞭もいいけどそれだけじゃダメよね。玲子さんにも朝ちゃんにもできない苛めを考えないとね。激情が冷静に変わり、赤い炎は青白い炎へとその温度を高めていく。手に入れた新たなターゲットをどうやって苛めてやろうかと考える至福の一時、これをまさかお兄ちゃんで楽しむとは思わなかったな。企みが次から次へと頭に浮かんでくる。あれもいいな、こうやってみるのも楽しいな、あ、あれもやってやらなくちゃ・・・飛鳥が最も愛する一時だ。恍惚とブーツを舐めさせながら信次を地獄に堕とすプランを練り上げていく。
「アハハハハッ、二人とも楽しかった?人生初めての鞭、たっぷり楽しめた?」不意に玲子の笑い声が響いた。よしよし二人とも、想像以上の出来よ、合格合格。でも今日はもうそろそろお開きにしないとね。チラッと腕時計を見た礼子も頷いた。そうね、そろそろ時間だわ。それに・・・急ぐことなんか何もないわ、時間は幾らでもあるんだからね。明日も明後日もその先も、ずっとずっと、明日香ちゃんたちにお兄ちゃん苛め、ゆっくり堪能させてあげる。だから今日のところはそろそろお終いにしなくちゃね。「じゃあ・・・そろそろ帰ろうか?」帰れる、やっと帰れる・・・礼子の声に信次の顔に安堵が浮かぶのを、目ざとく玲子は見つけた。ウフフフフ、バカね信次ったら。そんな簡単に帰れるとでも思っているの?振り向くと飛鳥がちょっと待って、とばかりに自分を制止しようとしているところだった。大丈夫よ飛鳥ちゃん、私そんなにKYじゃないわよ。ちゃんと飛鳥ちゃんから宣告させてあげる。笑いながら頷く玲子に、安心した会釈を返した飛鳥が、大きく息を吸った。
「帰りたい?お兄ちゃん、いいわよ帰ろう。だけどね、その前にすることがあるわよね。」意味深に微笑む飛鳥をポカンと見つめた信次は、ああというように顔を伏せた。どうせおしっこ、便器になれ、て言うんだろう。玲子も朝子ももう今日何回目なんだよ・・・その瞬間、ビクッと悪寒に震え上がった。おしっこ・・・便器・・・ま、まさか!思わず顔を上げようとしたまま恐怖に凍り付く。飛鳥がどんな貌をしているか、容易に想像がつく。美貌の満面に笑みを浮かべ、自分が顔をあげるのを待っているに違いない。きっと・・・きっと・・・いやまさか、そんな、そんなことなんて・・・ダメ絶対、許されることじゃない・・・「怖いのお兄ちゃん?顔上げたら私に宣告されそうで怖いの?」嘲りすら殆どなく、心底楽しそうに飛鳥は声をかける。「顔上げてよお兄ちゃん、そんな下見られてたんじゃつまんないよ。」上げられない、上げられる訳がない。「上げて!」ヒイッ!飛鳥が凛と命じた瞬間、弾かれたように顔をあげた。床に這いつくばりおそるおそる卑屈な目で見上げる自分を、飛鳥の美貌が悠然と見下ろしていた。想像していた通りの表情を浮かべている。美しく大きな瞳を爛々と輝かせ、色白の頬はうっすらと赤く上気している。淡いピンクの、大きく薄い唇の両端がクッと吊り上がっている。凄絶な薄笑い、残酷な肉食獣の冷笑。玲子や朝子が見せつける笑顔。その唇が開かれる時、破滅が宣告される笑顔。そして今、ゆっくりと飛鳥の唇が開かれていった。
「そうよお兄ちゃん、私知ってるわ、お兄ちゃんが玲子さんたちの便器にされていること。毎日毎日何回も何回もおしっこ飲まされて、挙句の果てにうんちまで食べさせられたんだって?ウフフフフ、かっわいそうに。人間が人間のおしっこ飲んだりうんち食べさせられるなんて、あり得ないわよねえ。人間だったらそんなこと、できるわけないわよねえ。」「うう、うぐううううう・・・た、のむ、そう思うならやめて・・・せめて、せめてそれだけは・・・ゆ、許してくれえええええ・・・い、いや・・・それだけは・・・どうかどうか・・・お、ねがい・・・します・・・」信次の哀願はその意に反し、飛鳥の責め心を強烈に掻き立てる。快感が全身を駆け巡り肌が粟立つかのようだ。夢見ていた瞬間が遂に訪れようとしている。信次の哀願を聞きながら飛鳥は、三隅を震え上がらせ救いあげてやった時のことを思い出していた。あの時三隅は許してやったけど、お兄ちゃんのことは許してあげない。ウフフフフ、さあ救いは来るかしら?三隅の救いはこの私だったけど、お兄ちゃんの救いはいるかしら?アメリカ映画じゃないし、危機一髪で助けなんか絶対来ないわよ。許してあげるも飲ませるも私次第、全部100%私の思うが儘。お兄ちゃんがどうこうできることなんか、これっぽっちもないのよ。漆黒のブーツを履いた自分の足元で蠢く兄に対して、飛鳥は針の先ほどの憐憫すら感じなかった。感じるのはただ一つ、楽しさだけ。他人を自分の便器に貶める楽しさだけ。他人?違う、身内、身内も身内、実の兄、この世で最も近い血縁を辱める興奮。セッティングしてくれた玲子や朝子ですら味わえないこの快感を心行くまで満喫していた。禁断の果実を齧る快感が全身を陶酔に包み込む。ああ幸せ・・・やっぱり苛めって楽しいな・・・それもお兄ちゃんを苛めるなんて…最高!大きく息を吸い込み、宣告した。
「そうよお兄ちゃん、私の便器にしてやるわよ。ウフフフフ、私のおしっこ、飲ませてあげる。」「いいいあああああ!そ、それだけは・・・それだけはやめてくれよおおお・・・」涙を流しながら必死でブーツに縋り付いて哀願する姿がいじましく嗜虐心をそそる。自分のブーツに縋り付き甲の辺りに顔を埋めて哀願する信次を、飛鳥は暫し悠然と見下ろしていた。だがやがて、両腰に手をあてた飛鳥はクッと爪先をそらせ、信次の顔をこじ上げた。「やめて欲しい?ダメよ、許してあげるわけないじゃん?絶対・・・飲ませてやるからね、私のおしっこ!」飛鳥の無情な宣告を、玲子は大きく頷きながら楽しんでいた。最高よ飛鳥ちゃん、ここまでしっかり苛めてくれるなんてね。じゃあ早速行こうか。もうちゃんと準備してあるからね。二手に分かれ、玲子たちは小部屋に入って行った。そこには既に便器がセットされていた。高さ20センチ位のU字型の踏み台、ご丁寧に前部に金隠しのような透明のプラスチック板まで取り付けられていた。誰がどう見ても和式便器を連想するその器具、違和感を催す点は唯一つ、水洗設備も何も付いていないということ、そこで排泄されたものがどこに行くかは不明、ということだけだ。そしてその便器としての最重要ポイントを欠いた未完の便器は今、最後の、そして最重要な部品の到着を待っていた。
「さあ飛鳥ちゃん、どうぞ。順番だからね、今日は飛鳥ちゃんのデビュー記念日なんだから、何はともあれ飛鳥ちゃんからどうぞ!」軽く肩を叩き、玲子と朝子が退室した。後に残ったのは飛鳥と信次の二人だけだ。「あああ、飛鳥・・・」悪足掻きのように説得を試みようとする信次にチャンスすら与えず、飛鳥は命じた。「さあお兄ちゃん、愚図愚図しないでさっさと準備してよ。」既に飛鳥は命ずる女神と化していた。「あうう・・・ひどい・・・」嗚咽を漏らしながらも命ぜられるままに、信次は便器の一部と化した。仰向けに横たわりU字型の溝に首から上を差し込み、パクッと口を全開に開けた。「アハハハハ!何よお兄ちゃんその格好!」カッとブーツを鳴らして踏み台に上がった飛鳥が見下ろす。「ねえお兄ちゃん、ところで質問なんだけどさ。」腰に手を当て見下ろしながら飛鳥が尋ねる。「ここってトイレじゃないじゃん、お兄ちゃんの顔の下は普通の床よね。でさあ、私がおしっこして、もしこぼしちゃったらどうするのかなあ?教えてよ?」ち、ちくしょう・・・知ってるくせに・・・声に出せない呪いの言葉を飲み込みながら、信次はせめてもの反抗とばかりに黙りこくっていた。飛鳥の思う壺だった。
「あ、そういう態度とるんだ。私、おしっこ飲ませるのなんて最初だからさ、分んないから聞いてるのに。妹の質問にそんな態度とるんだ。よーし、じゃあお兄ちゃんが答えたくなるようにしてあげるね。ほら、こうすれば答えたくなるかな?」漆黒のブーツを履いた右足を上げると、無造作に信次の顔を踏み躙り始めた。「ううう!ぶぶうっ!」両脇を踏み台で邪魔され、顔を背けることさえできない信次は鼻を口を目を額を、真正面から踏み躙られる。いいなこの位置、踏みやすい!踏み台があるおかげでた易く全体重をかけて顔を踏み躙れる。ウフフフフ、さあお兄ちゃん、私のブーツにいつまで耐えられるかしら?限界はあっと言う間に来た。「うう、ぐううう!い、いだいいい、言う、言う言う言う、いうからやべでぐでえええっ・・・」ブーツで踏みしだかれながら、信次は必死で声を絞り出した。ブーツが顔の上で止まった、だがどけてはくれない、力を抜いてもくれない。兄の顔面を踏み潰しながら、飛鳥は悠然と尋ねた。「そう、教えてくれるの?ありがと。で、どうするの?」答えは一つしかない。玲子に、朝子に、鞭とブーツで嫌というほど仕込まれたたった一つの答えしかない。だけどこれを・・・言うのか・・・妹に・・・言わされるのか・・・躊躇、そんな贅沢はほんの一瞬しか許されない。「どうしたのよお兄ちゃん、教えてくれるんじゃなかったの?」飛鳥がグッとブーツを捻った瞬間、信次の抵抗などあっさりと粉砕されてしまった。
「ひいいいい、の、飲む飲む、飲むから、一生懸命飲むから、絶対こぼさないで飲むから・・・」「こぼさないで飲むから?こぼしたらどうするのよ?」「・・・こぼしたら・・・お仕置してください・・・鞭で・・・ぶって・・・」「アッハハハハハッ!なに言ってるのよお兄ちゃん、気は確か?一生懸命飲みます?こぼしたら鞭でぶってください?よっくまあ、そんなお願いできるね、あっきれちゃうなあ、もう!」哄笑しながら足首を上下させ、バチンバチンとブーツでビンタするように信次の顔を叩いた。「そこまで惨めなこと言えるんなら、もう人間止めて完全に便器になっちゃった、てことよね。」右足を踏み台に戻し、腰を折り曲げて信次を真上から見下ろした。「だったら、私もお兄ちゃんのお口、心置きなく便器にさせて貰うね。ウフフフフ、私のおしっこ、たーっぷりと、飲ませてあげる。」優越感を露わに見下ろす飛鳥、遥か下で、自分のブーツよりも下に顔を埋められ怯え泣きながら見上げる信次の無様な顔がたまらなく興奮させる。
カーッ、口をあけてわざとらしく喉をならす。何をされるか分かってるよね。おしっこじゃないけど、ちゃんと口を開けてるのよ。わざと命じることなしに痰唾を溜め、吐き掛けた。ペッ!ピチャッと白く大きな痰唾が大きく開かれた信次の口元に命中し、そのまま口中に流れ込んでいく。きっもちいい!命じたわけでもなんでもないのに、必死で口を開けて自分の痰唾を受け呑み込んでいる。極上の優越感が飛鳥の全身を包み込む。妹の私に見下ろされて痰唾呑まされて、ウフフフフお兄ちゃん、何て惨めなの。だけど痰唾だけじゃ許してあげないからね。本番はこれから。おしっこ、飲むのよ。既に尿意は十二分に高まっている。おしっこを、排泄物を他人に飲ませる楽しさ、三隅を許してやって自分にあえてお預けを課して高めに高めた期待。もう抑えられない。さあお兄ちゃん、覚悟はいいわね。絶対飲ませてやるんだから。誰が何と言っても何が起きても、絶対に飲ませてやるんだから・・・飛鳥のおしっこ!
わざとゆっくりと漆黒のパンティを脱ぎ、飛鳥は腰を下ろしていく。自分の性器が兄の口のすぐ上までおりていく。どんな気分かしら?妹におしっこを飲まされようとしている気分って?私には想像もつかないけれど。満面に残酷な笑みを湛えながら、涙を流しながら、大口をあけてブーツの下から自分のおしっこを待ち受けている信次を見下ろす。お兄ちゃん、朝、家出る時に今日こうなるなんて想像してた?私は・・・してたよ。ラストチャンスはあげるけど、きっとこうなる、て思っていたよ。しゃがみこみいつものトイレでのポーズになると同時に、尿意は急速に高まってきた。全身の神経が下腹部に集中していく。おしっこなんて今まで数え切れない位してきたのに、不思議。膀胱から尿管を伝い、おしっこが尿道口へと押し寄せてきているのを感じている。ああしたくなってきた・・・思いっきり飲ませてやらなくちゃ・・・でもその前にお兄ちゃん、その惨めな顔をもっと見せてよ・・・高まる一方の尿意を必死で堪えながら、飛鳥は信次の顔をじっと見据える。勝ち誇る妹と負け犬の兄。強い視線と惰弱な視線が交差する。最早尿意は極限まで高まり、押し留めるにもギュッと力がいる位だ。分かる?お兄ちゃん。私が力を抜いたらどうなるか分かる?おしっこを思いっきり引っ掛けられるんだよ。私のおしっこを飲まされるんだよ。責め立てるも苦しめるも・・・そして許すも私の胸先三寸。ねえ、どんな気分?何にもできないで私のここを見上げている気分は?お兄ちゃんがこの場を逃れられるのはたった一つ、私が許してあげる、て言って立ち上がってあげることだけだよね。ウフフフフフ、でもそんなの絶対にしてあげないよ。飛鳥は美瞳を爛々と輝かせながら無言で見下ろしている。初めてだもん、おしっこ飲ませるのなんて。これから毎日毎日一杯一杯飲ませてやるけどさ、最初の一回は今この時だけのお楽しみだもんね。すぐに飲ませたりしたら勿体ないわ、じっくり楽しんでから飲ませないとね。
ハッハッアハハハハハッ、お兄ちゃん、私のお股の下で何考えてるの?ウフフフフ直ぐ分かるわよ。一生懸命反抗的な顔作っちゃってさ、足広げてそんなとこ堂々と見せるなんて恥ずかしくないのかよ、て自分を奮い立たせてるんでしょう?そうやって飛鳥のことを貶めれば少しは自分が惨めじゃなくなる、て思い込みたいんでしょう?ねえ。玲子さんたちの生贄に私も引き摺りこもうとしたした時みたいにさ。バーカ、そんなことさせてあげるわけないでしょう?どんなに頑張ったってさ、そんなの私がお尻一振りしちゃえば吹っ飛んじゃうのにね、ほーら。飛鳥は如何にもさあ引っ掛けるよ、というように美尻を軽く振り姿勢を正して見せた。ヒッ、く、来る!!!その瞬間、信次の涙目に微かにあった反抗の燻りが、恐怖と絶望の轟炎に見事なまでに吹き消されてしまう。アハハハハッ!バッカじゃないの、ちょっとは耐えてみせてよね、そんなんじゃ苛めがいすらないじゃない。笑いながら飛鳥はキュッと括約筋を引き締めた。もう、お兄ちゃんが笑わせるから、出そうになっちゃったじゃない!ハアッハアアッハアアアアッ・・・熱い吐息を吐きながら、飛鳥は改めて信次を見下ろす。ウフフフフお兄ちゃん、もう出そうよ・・・おしっこ。どんな気分?私のお尻の下でさ、今にもおしっこ引っ掛けられそうなのに逃げられないのって。分かるよね?私が力緩めたら、お兄ちゃん速攻おしっこ飲まされるんだよ?どう、私に頑張って欲しい?引っ掛けられるの、ちょっとでも後にして欲しい?それともいっそひと思いにさっさと引っ掛けて欲しい?どっちでもいいけどさ、決めるのは・・・わ・た・し!お兄ちゃんの言うことなんか絶対に聞いてあげない、私の好きな時に引っ掛けてやるんだからね!
実の兄の絶望を、飛鳥はゆったりと贅沢に楽しんでいた。まだ引っ掛けない、だがそれは赦免ではなく執行猶予。いつ刑を執行するかは飛鳥の気持ち一つに委ねられた執行猶予にすぎない。そして残酷な妹が与える猶予の時間は終わりつつあった。クウックウウウッグウウウッ・・・体の中で尿意が高まりを通り越し、高波のように押し寄せつつあるのを飛鳥は快感と直結させながら感じている。ああしたい。もうお兄ちゃんのこの顔は十分に楽しんだし、次は別の顔見たいな。私の・・・おしっこを・・・飲まされる、か・お・を!尿意と責め心が絡み合い一体と化し、止め処もなく燃え上がっていく。よおし・・・引っ掛けてやる・・飲ませてやる・・・覚悟はいいわね、お・に・い・ち・ゃ・ん!?大きく息を吸った。尿意は既に限界に達し、括約筋がプルプルと震えるほどだ、ちょっと力を緩めれば今すぐに出てしまいそうだ。ああもう、我慢できない!でも我慢できないで思わずしちゃった、なんて絶対に嫌よ、お兄ちゃんには私が飲ませてやるんだから、私の意志で、私の力で飲ませてやるんだからね!
大きく息を吸い、姿勢を正してから飛鳥は、股間の下で大口を開けて泣き咽いでいる信次に宣告した。「・・・お兄ちゃん・・・いくよ、ちゃんと・・・飲む・・・のよ・・!」言い終わると同時に括約筋を解き放った。一瞬の間を置き、膀胱から尿管へと灼熱の奔流が進軍を開始した。下腹部が熱く激しく高まっていく、尿道口がプクウッと膨れていくのを感じる。熱さとくすぐったさと体を引き裂かれるような感触とが相混じり、もどかしさに急き立てられながら期待感に満ち満ちた快感となって全身を駆け巡る。ア、アア、アアアアア、ハウウウウウウッ!芳しい吐息が飛鳥の美唇から吐き出された瞬間、もう一つの音楽が奏でられていた。シュウウ、シュウウウウウ、シャアアアアアアアッ!飛鳥の股間から細い水流が噴出された。ヒッ!き、きた!痙攣するかのように首を微調整し信次は必死でその水流を受け止める。シュウウウウウ、細い水流は勢いを増し太くなっていく。必死で口を開けその水流を受け続ける。シャアアアアアアアッ!水流が奔流と化し、情け容赦なく降り注ぐのを信次は必死で受け止める。
ハアアアアアアアッ・・・大きな瞳を見開きながら、飛鳥は股間で繰り広げられる兄の恥態を見下ろしていた。自分の股間から延びる水流、おしっこの奔流が吸い込まれていく。どこへ?便器ではない、口へ、人間の口へ、信次の、実の兄の口へと吸い込まれて行く。上手じゃんお兄ちゃん、全然こぼさないじゃん。あんな風に大口開けたまま、飲めるもんなんだ。思わず感嘆してしまうほど、信次は巧みに飛鳥のおしっこを飲み干していく。ングッングッングッ・・・信次の喉が鳴る、比喩でなくはっきりとおしっこを飲み込む音がする。大口をあけたまま大量の液体を飲み干し続ける技術、放尿を楽しむ女の子が爽快に排泄を楽しめるように、喉を大きく鳴らしながらどんどん飲み干していく技術、噎せて吐き出したりしたら玲子たちの鞭で厳しく罰せられて仕込まれた悲しい技術を、信次は飛鳥の股間で、妹のおしっこを飲みながら如何なく発揮していた。股間で喉を鳴らしながら自らのおしっこを飲み干している信次を、飛鳥は恍惚の笑みを美貌の満面に湛えながら見下ろしていた。ハッウウウウウウウッ、気持ちいい・・・
シャアアアアアッッッ、放尿は未だ続いている。唾を吐き掛ける快感、鞭で打ち据える快感とは異なる種類の、持続する快感だ。ブーツで顔をゆっくりと踏み躙る快感に近いかな、この責め・・・とっても楽しい!ゆったりと放尿の快感を満喫しながら、飛鳥は一つ分かった気がした。玲子先輩も朝ちゃんも、おしっこ飲ませるのがなんであんなに好きなのかな、て不思議だったけど、当然よね、だってこんなに楽しいんだもん!改めてまじまじと股間の下で自分のおしっこを飲み続ける兄・信次を見下ろす。おしっこを飲まされながら私のこと見上げてるんだもん、ウフフフフ、さぞ辛いでしょうね、さぞ悔しいでしょうね、お兄ちゃん?私はすっごく、楽しいんだけどね!「どうお兄ちゃん?く・つ・じょ・く・て・き・で・す・か・あっ?ウフフフフ、妹の私におしっこ引っ掛けられちゃってさ、それをそーんな大口開けてクピクピ飲み続けてるんだもんねー、もう人間廃業口便器、てとこかしら?アハハ、みっじめねえ、アハハッ、アハハハハハッ!」
嘲笑いながら飛鳥の精神は鮮やかな変貌を遂げていた。腹を蹴り唾を吐き掛け鞭で打ち据えながらも、どこか心の片隅には残っている信次に対する憐憫という不純物が、純粋に苛めを楽しむのを邪魔していた。だが今、全ての邪魔ものは撤去されていた。憐憫は未だ微かに残っている。だがそれは同情というよりも上から目線、信次とかけ離れた次元、女神の視点から地べたを這いずり回るウジ虫を見下ろし憐れみながら責め潰す快感、苛めの楽しさをより一層掻き立てるスパイスのようなものに昇華されていた。シャアアアアアッッッ、飛鳥は遠慮会釈も良心の呵責も何もなく、思う存分おしっこを引っ掛け続ける。体の中から湧き出でたおしっこが排泄され、膀胱の内圧が急激に低下していく爽快な快感、熱いその液体が勢いよく体外へ迸り出る瞬間に尿道口を、性器を優しく刺激していく快感、精神的な優越感だけではなく、肉体的な快感もまた素晴らしい。ああ楽しい・・・もうおトイレなんかじゃおしっこできないわ・・・うっとりしながら飛鳥は生涯最高の放尿を満喫していた。
シュウウウウウ・・・なんだもうお終いか、つっまんないの。信次にとっては無限の責め苦の時間の果てに、漸く飛鳥の股間から放出される奔流が細くなってきた。シュウウッ、チロロ・・・最後に数滴の雫となり、漸く飛鳥は放尿を終えた。荒い息を突きながら口を閉じる信次を見下ろしながら、飛鳥は軽く美唇を舐めた。ペーパーはいらない、て朝ちゃんが言ってたよね。わざと黙って股間を下ろしてみる、と、慌てたように信次が口をパクッと開けて舌を伸ばした。「ハッ、分かってるんだお兄ちゃん、そうよ、便器が終わったら今度は、飛鳥のトイレットペーパーよね。」飛鳥の股間に向け、信次は呆然としながら首を持ち上げていく。放尿を終えた飛鳥の股間、妹の性器。動物最大のタブーの一つ、近親相姦を持ち出すまでもなく、幼いころ一緒に風呂に入ったりした最も身近でありながら最も縁が遠い性器。幼い頃は単なるお尻だったものが今、美しい女性の性器となって自分を蹂躙しようとしている。鞭に、おしっこに興奮した飛鳥の性器は充血し艶やかに濡れ輝き、芳しい野生の香りを思う存分発散している。玲子に、朝子に散々臭された香りだ。美少女の誉れ高い飛鳥の股間の香り、普通の男の子だったら奮い立つその香りは信次にとって、この上ない恐怖と屈辱の香りだ。妹の性器が間近に迫り、もう間もなく口づけしなければならない。性的興奮など全身どこをどう探しても逆さに振ってもでてこない。あるのはただただ恐怖と屈辱だけだ。震える舌を必死で伸ばし、飛鳥の性器に触れる。たった今、自分にたっぷりとおしっこを飲ませた妹の性器に。
自分の舌をトイレットペーパーと化し、一生懸命舐め清める。ピチャペチャッ・・・飛鳥の性器のそこかしこに付着したおしっこをきれいに舐め清める。自分を便器に貶め責め苛んだ女の子の性器を舐め清める、苛められた自分が舐め清める屈辱の奉仕。この一年間、数え切れないほど味合わされたこの屈辱の奉仕が、今日は一段と屈辱的だ。飛鳥に、実の妹に奉仕させられているのだから。ペチャピチャ・・・チュッチュパッ・・・自分の舌が唇が飛鳥の性器に触れ舐め清め汚辱を吸い取っている。濡れた粘膜の熱い感触、舌を刺す塩辛さ、そして生々しい女芯の匂い。全てが忌まわしく呪わしく穢らわしい。飛鳥は傲然と股間を広げ、何の恥じらいもなく秘所を口に押し付けている。優越感と軽蔑と快感が融合した満足げな笑みを満面に湛えた飛鳥に見下ろされながら、たった今自分におしっこを飲ませたその性器を舐め清めている。その屈辱の仕事を拒否することもできずに勤しむ自分の姿が限りなく惨めだ。
大声をあげて泣きだしたくなるのを必死で堪えながら、信次は舌を動かし続けた。飛鳥に見下ろされ侮蔑に満ち満ちた視線を浴びせられる気が狂いそうな屈辱、何かしていなくては、例えそれが汚辱に満ち満ちた仕事であっても、何かしていなくては到底耐えられない程の屈辱だった。飛鳥の美貌が幾重にも重なる複雑な面持ちで、自分を見下ろしている。玲子に朝子に投げかけられた優越感、真弓たちクラスメートに浴びせられた興奮と高揚とも違う何かが微妙に入り混じっている。それは憐憫だった。可哀想にお兄ちゃん、ここまで堕ちちゃったのね・・・勢いよくおしっこを引っ掛けながら、飛鳥の瞳には確かに憐憫の影があった。自分を責め苛んでいる当の妹に憐憫を投げ掛けられる、それは塩味を引き立てる微妙な甘味のように、信次の屈辱をより一層掻き立てる。気が遠くなる程の屈辱の果てに、舐める舌に塩辛さは感じられなくなった。「終わった・・・よ・・・きれいに・・・したよ・・・」絞り出すように呻いた。「そう、きれいにしてくれたの。ありがとう。」ゆっくりと飛鳥が立ちあがった。ああ・・・やっと終わった・・・小さく溜め息をついた瞬間、飛鳥の美唇が膨らんだ。「この・・・汚い便器!ペッ!」軽蔑も露わに吐き掛けられた止めの唾が、信次の目に炸裂した。滲む涙と吐き掛けられた妹の唾が一緒になって顔を流れていく。ひ、酷い・・・嘲る責めるではなく、飛鳥が心の底からの軽蔑を込めて唾を吐き掛けたことが、信次の落ちぶれ果てた魂を更なる屈辱地獄に突き落とした。
「うっううっうううううっっっ・・・」嗚咽が腹の底から湧きあがる。もう止めようもない。「ううううう、あううううう・・・・・」肩を震わせる信次に、飛鳥は氷のような視線を浴びせ掛けている。「辛いのお兄ちゃん?飛鳥に鞭で叩かれておしっこまで飲まされて・・・悔しいの?でもこんなのほんの序の口だからね。飛鳥だけじゃない、パパとママのことも一杯悲しませたんだからね、お兄ちゃんは。絶対許してなんかやらないんだから。」黒ブーツに包まれた美しい脚を上げ信次の顔を真正面から踏み躙る。「いいお兄ちゃん、これから飛鳥も、お兄ちゃんのこと、苛めてあげる。学校でも空手部でも、そして勿論家でも思いっ切り苛めてあげる。もう逃げ道なんかどこにもないようにしてあげるからね!」
朝子慢慢地靠近打火机的火焰,再次点燃了须崎的屁股。 低纯度的润滑油开始燃烧,同时冒出了一些黑烟,很快火焰舔遍了须崎的整个屁股。 "啊啊啊啊啊啊啊!!好热啊,好热啊!!呜呀呀呀呀呀!!" "救命啊,有人帮帮我,快把火灭了。啊啊啊啊啊啊啊!!" 与刚才相比,须崎发出了更为可怕的尖叫声。她仍然试图翻滚着挣脱朝子等人的控制,所以至少她唯一可以自由活动的部位——屁股,会左右上下地晃动,试图甩掉一些油,继续拼命跳着奇怪的舞蹈。但是与易挥发的燃料油不同,润滑油具有一定的粘度。这种粘性使得润滑油不会滴落到地面上,而是紧紧地粘在须崎的屁股上。 低纯度也加剧了须崎的痛苦。与燃料油相比,润滑油的纯度较低,因此燃烧速度较慢。当然,燃烧温度也略低,但这对须崎来说并没有任何安慰。它已经足以将人体烧焦,而且它紧贴着皮肤,不会很快滴落到地面上,而且还会持续燃烧。 润滑油的本意与现在的用途完全不同,但对于火烤刑来说,它发挥了非常适合的特性,缓慢而持续地燃烧着。 "啊啊啊,好热啊,别了,求你了!" 最终,火焰终于稍微熄灭了一些。也许是因为顶皮的神经被烧死了,须崎的惨叫声变得有些有意义,更像是一些词语。慢慢欣赏着这一切的朝子面容上又露出了一个更加恶作剧的微笑。
「呵呵呵呵呵呵,须崎先生看起来稍微松了口气?火也弱了不少,你一定觉得已经结束了吧?...啵!太遗憾了!谁说已经结束了呢?看看,还有油剩余吧?听得到吧,它还在这样滴滴答答地流淌着。我说过,全部给须崎先生,是吧?我是遵守承诺的人。所以,按照承诺,我会把这个油全部给须崎先生!那么,加点油吧!」「嘿!哎!!嘿嘿嘿嘿!!!啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊!不好了,我、我已经受不了了!啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊!」
当处决终于结束,须崎的神经松弛下来,却被告知处决要重新开始,所有的痛苦重新开始。这种朝子巧妙的变化,不仅仅是身体上的折磨,还将须崎的精神也烧尽,将他逼入儿童状态。须崎的精神已经濒临崩溃边缘,但他连发疯的机会都没有。
哭泣的须崎一边被满足地俯视着,朝子一边倒入额外的油。而这次,不仅仅是已经烤得相当焦了的屁股,还有油被倒在了大腿到膝盖后方的位置。燃烧的火焰在新的燃料补给下重新获得了势头,然后向着腿部伸展,直到触及到之前没有被烤焦且神经还活着的腿部。 "啊!啊!热!好热!啊!啊!啊!啊!啊!啊!啊!啊!啊!啊!
然而,无论如何哭喊,求助也不会到来。须崎所能做的只有默默承受,除了朝子手中的油全部燃烧殆尽而苦苦挣扎之外,别无他法。当最后一滴油烧尽时,须崎的屁股到膝盖后面处变得十分悲惨。皮肤被撕开,肌肉组织也被烧成了焦炭。尤其是长时间被烧烤的屁股部分已经变成了黑炭一样。一眼就能看出来。以身体总面积计算,只占了1/10左右,所以不会对生命造成致命伤,但瘢痕永远不会消失。须崎以不适合她巨大身材的女孩般的声音不断啜泣。但还没有结束。朝子并没有忘记另一个处决方式。是的,就是将须崎的睾丸压碎。
朝子像是很開心地俯視著須崎,然後慢慢地站起來,踢了須崎一下,讓他滾了出去。「噫——!嗚——!!」燒傷的屁股碰到地板,須崎尖叫了起來。朝子微微皺起眉頭,對他的尖叫感到不耐煩。「啊,真的!你真吵死人了!只是這點小痛就要喊叫,做人要堅強一點!啪!」朝子再次吐了口唾沫在須崎臉上,然後她的嘴角扭曲成了一個殘忍的微笑。「須崎先生,你是男孩子,對吧?你的刑罰還沒有結束呢...對,現在我們要來擊碎你的蛋蛋了!啊,對了,擊碎了之後,你就不再是男孩子了!沒關係,這樣的話你不夠有男子氣概也沒關係啊,哈哈哈哈!」朝子開心地笑了起來。「啊,嗚嗚嗚,不要啊...已經夠了...我,我會死的...」「嗯,你別說這種可憐兮兮的話!別擔心,檢見川先生和奈良村先生也被擊碎了,但他們還活著呢。所以須崎先生,你很可能會...也許會...好的話還能保命哦,嗯!」「嗚,這樣...感覺好像與我無關...請不要這麼輕鬆地說...」「與你無關?輕鬆?你在說什麼蠢話啊,當然與你無關啊!明明是與你無關的事情吧!你明白嗎?須崎先生是罪犯,曾經想要強姦我們的罪人。我們現在只是在執行對他的刑罰而已,這是理所當然的吧?你懂嗎?為什麼我們這些受害者要為像須崎先生這樣的罪犯擔心和同情?為什麼被害人的我
"須崎先生还是没有反省呢!明明已经被我烤了那么久,还是没有反省,真是人渣中的人渣。須崎先生,连骨髓都腐烂了...好吧,我会好好惩罚你的。我会把你的蛋蛋都压扁,你做好心理准备吧!" 朝子一边咒骂,一边朝着須崎不停地吐口水。她用手按着腰,俯视着須崎,用靴子的尖端戳着他的下巴说:“看,作为武士的仁慈,我会让你把嘴张开的!”但是,須崎已经被朝子吓坏了,陷入了恐慌状态,听不到朝子愤怒的声音,更加大声地尖叫着:“救...救救我,不要压扁我!” "啊,真烦人!那就这样吧!" 平时她虽然略带天然呆气的一面,给人的印象并不严厉,但此时,朝子的可爱脸庞被愤怒染成了夜叉一般的样子。她抬起纯白的西部靴子,不顾一切地将靴尖硬塞进須崎张开的大口中。 "呜...呜呜..." 須崎被尖叫声压抑住,痛苦地挣扎着。朝子瞪着他,目光中充满了憎恶,一口气将靴子踩了进去。 "嘎...嘎嘎嘎..." 須崎的下巴瞬间被顶掉了。"啊,真是爽快啊。須崎先生的尖叫声真是让人厌烦,听得腻了。好了,停下吧。我要把須崎先生重要的地方也压扁。呵呵呵,这么大的身体竟然变成了娘娘腔,感觉有点恶心呢。" 说着,朝子转过身,跨上須崎的左腿,调整好位置,冷冷地宣告道:"好了,准备好了。因为須崎先生好像特别喜欢我的靴子,尤其是靴跟,所以这次我也会用靴跟来压扁他
“ギビイイイッ、ヤベ・・・ア゛ビイ゛イイイイイッ!!” 宣告了处罚的朝子完全无视了須崎的哀求,转身举起靴子,直接向他的下体踢去。哗啦啦…即使是坚硬的西部靴的高跟鞋踩在上面也毫无意义。須崎的右睾丸瞬间被击碎,受到了奈良村所经历的同样剧痛的検見川的攻击。“ギベエエエエエッ!イ゛ダイ゛イイイ、イデエエエエエエ!!”不幸的是,对于須崎来说,朝子一开始打算一次性将两个睾丸都踩碎,但实际上只有右侧睾丸被击碎了。即使穿着坚硬的靴子,朝子也知道只能碾碎其中一个。 “真是的,这么顽强!真是笨蛋。明明我打算将两个一起碾碎,可他还是奇怪地动来动去!只碾碎了一个,多此一举!快点,停止吧!”面对須崎全身痉挛的剧痛,朝子毫无怜悯之心,再次举起靴子,再次踩碎。砰……如愿以偿,須崎的左侧睾丸也被完全粉碎。为了确保停止他的呻吟,朝子用脚踩在須崎的身上。他的脚步让須崎的痛苦更加剧烈。“イ゛、イビイイイイイイ、ブブァッ、オゴグゲエエエエエッ!!!” 剧痛、恶心、贫血和各种痛苦袭击着須崎的全身。“喂,这已经很肮脏了!”朝子等人一齐飞跑,远离了呕吐着的須崎。随着胃酸的反流,須崎的意识逐渐模糊,半溺水的感觉令他咳嗽不止。
吐瀉物和鮮血沾染了身軀,檢見川以下及 SNOW CRACK 的三名幹部失去了意識,躺在地上呈現斷斷續續的痛苦樣貌。荒廢的工廠被一片奇異的寂靜所支配。四名美少女站立著,一名男子被綁著躺在地上。坊野是唯一有意識的人,對於他來說,現在的情況是最糟糕的。他只能依靠自己,只有自己......還有一個美少女,那就是還未完成任務的、曾經將自己的手指撕開的礼子。對於一直以來都是自由自在的坊野來說,礼子是第一個讓他本能地感到害怕的對手,是他唯一在精神上屈服的對手。當礼子向他走近時,坊野突然失去了理智,哭著懇求她。
「ヒッウッウェッッッッ・・・哦,拜托,原谅我,救救我……」那时,礼子的表情并不像是嘲笑或轻蔑那么普通。她脸上既有像圣母一样充满怜悯的表情,也有充满坚定决心的战士的表情。 「……我让你害怕了吗,坊野先生?」礼子轻轻叹了口气,“可能也不难理解。毕竟是我伤了坊野先生的手指,最后还把他变成了水母。也不奇怪要求你原谅我,我也觉得挺难的。我也已经厌倦了今天一整天的暴力对抗。" 坊野瞬间抱着礼子会原谅他的淡淡期望。但那个幻想甚至不到五秒钟就消失了。“但是,坊野先生的伙伴们好像都已经去世了,而且坊野先生也在那边的比赛吧?结果,我也必须作为这里的代表,做出不会让人感到羞耻的表现,这也是无可避免的。” “嘿嘿嘿……那么,停止吧……” “嘿,坊野先生,你知道障碍者职业摔跤吗?” 障碍者职业摔跤?虽然坊野听说过这个名字,但他从未看过这种东西。 “顾名思义,它是身体残疾者的职业摔跤。你觉得这是个猎奇表演,不是吗?但是,它实际上更接近于重视擒杀和技术的摔跤,类似于严肃的击打摔跤。而且,它有一个很好的口号,说:‘我们正在冒着生命危险做这个,所以你们也必须冒着生命危险来看’。你觉得这个口号很让人激动吗?” 坊野咽了口唾沫。他感到一股不愉快的预感。 “对,坊野先生,我会让自己变成一个冷酷无情的魔鬼。我会用我的一切,包括头脑、力量和技巧,全力以赴地折磨你,不留丝毫余地。如果我真的全力以赴地折磨
静静地,以异常沉静的口吻,礼子宣布了可怕的宣告。 坊野试图尖叫,但在如此可怕的情况下,他的声音发不出来。 由于恐惧,坊野的身体本身也感到恐惧并且正在停止运转。面对美少女发出的安静的死刑宣告,坊野的身体自身也在恐惧中停止功能。礼子将坊野横放在地板上,然后缓缓地用靴子的尖端沿着坊野的嘴边滑动。 "现在你明白了吧?虽然须崎先生和奈良村先生已经被割下下颚了,但是...坊野先生会怎样呢?”礼子一边说,一边慢慢地移动靴子,让尖端滑到嘴边,轻轻地敲了一下坊野的嘴。 "......你明白了,接下来会发生什么?” 礼子一直慢慢地提起高跟鞋。它被慢慢地提起,直到停在那里。坊野被放在地上,只能看到礼子的靴子高跟鞋的尺寸似乎异常巨大。 "求求你,至少给我切掉下颚吧!"看到坊野眼中无声的哀求,礼子静静地回答道:“是的,正如你所想象的那样。坊野先生没有选择自由。没有自杀的自由,也没有摘掉下颚后稍微缓解一下的自由。我们会让你尝试被打破牙齿和压碎喉咙的痛苦。这是我作为施虐狂的职责。”
这是第一次。第二天早上醒来时,慎治和他的朋友们的背部、臀部、胁腹等全身还残留着礼子和她的朋友们的鞭打痛感。如果仅止于此,那没什么新鲜的。但被富美代和朝子撒尿、被覆盖在马粪里的仇恨感并没有消散。不,可能经过了一夜,恨意反而更加强烈了。身体上的疼痛随时间迅速减弱,但精神上的痛苦却随着时间增加。慎治和他的朋友们被这种疼痛驱使,相互谈论着复仇幻想,舔舐着彼此的精神伤口。他们是认真的,他们拼死想出各种主意,日复一日地制定报复计划。
这是一个错误。他们越想,就越意识到礼子和她的朋友们与自己之间的实力差距。不止是礼子和她的朋友们。即使他们以两个人合力,慎治和他的朋友们也无法与富美代和朝子的力量相提并论。他们被提醒了许多次。所以慎治和他的朋友们的计划走向了完全不同的方向。是的,需要比礼子和她的朋友们更强的人来殴打他们。这是一个可怕的错误。礼子和她的朋友们无疑比慎治和他的朋友们强得多。但那又怎样呢?即使是礼子和她的朋友们,也不是时刻都保持着警惕的24小时。如果只要慎治和他的朋友们真的准备放弃自我,把复仇作为首要任务,就有无数种方法可以做到。
例如,从背后用刀刺他们,黑暗中袭击他们,纵火烧他们的房子,甚至从日本黑帮那里购买一把枪并射击他们。无论礼子和她的朋友们有多强,那只是正面对峙时的问题。如果慎治和他的朋友们真的准备成为罪犯,那么一切都是有可能的。说到极致,杀人只是移动几厘米的刀或扣动几厘米的扳机罢了。慎治和他的朋友们没有那种决心。他们真的讨厌被礼子和她的朋友们欺负,如果这意味着摆脱这个地狱,他们会采取任何行动。他们不在乎成为罪犯。他们要么杀了礼子和她的朋友们,要么自己死去。如果他们在思考和决心上做得足够好,他们的勇气会增加,他们可能真的能够报仇。
但是慎治和他的朋友们不是那样的人。他们只是玩弄着言语,只用言语规划复仇,没有必要采取坚决的行动来实现复仇。相反,他们一而再,再而三地进行着无意义的小反抗,没有坚定的决心,这就是为什么他们被礼子和她的朋友们欺负的原因。无论如何,慎治和他的朋友们犯了一个致命的错误,依靠陌生人来报复礼子和她的朋友们,冒着自己命运的风险。与慎治和他的朋友们不同,那些人没有任何其他针对礼子和她的朋友们的怨恨,那样做的目的到底是什么?如果那个无聊的请求失败了,慎治和他的朋友们都不能想象礼子和她的朋友们会做什么。相反,他们沉迷于这种幻想之中,“我们应该向比礼子和她的朋友们更强大的人求助!”,好像他们已经得到了攻破厚厚的墙壁的天启一样,陷入了美好的期望中。但是他们无法找到足够强大且愿意把类似礼子和她的朋友们的女孩搞翻的人。然而,在他们探讨所有选项的同时,他们找到了一根线,慎治和他的朋友们的命运正在发生巨大的变化。
“嘿 Shunji,让我们请求我们的前辈照顾那些人吧...”像往常一样,Shunji没有多想就同意了。这是关于请求那位在初中时充当小喽啰的前辈 Shinji 帮忙处理礼子和她的朋友们的事情。这已经是第n次了,他知道这是不可能的答案。“你要请求谁照顾这件事情呢?如果你想找初中同学的前辈,雇佣一个黑社会可能会更好,不是吗?”通常来说,这个对话就到此为止了。但今天不同。Shinji 眨了眨眼睛,身子向前靠了靠。“不,Shunji,不是我的的直接前辈,但他说他能介绍我认识一个人。那个名叫 Snow Crack 的人,你知道吗?他说他认识那里的一名干部 Bono。这真的很了不起,不是吗?”Shunji 有些惊讶。Snow Crack,这个名字听起来像网球圈那样柔软,实际上是一个声名狼藉的帮派,被家乡人所恐惧。他们专门从事贩毒活动,连他们的领袖都缺乏理智。他们是一群打男人、奸女人、抢钱的疯子,就像疯狗一样。他们如此不受控制,以至于连职业黑社会也不想与他们有任何关联。当然,Shunji 只是听过他们的名字,但从未见过他们。Shinji 声称已经与他们联系上了。“Shinji 真的是这样吗?Snow Crack,那个队伍对吧?即使有钱,你也不可能请他们帮忙,对吧?”“不,这是真的。我的高中朋友的表兄弟是 Bono,他在那里担任一名成员。如果我们有钱,向他请求,他会提供帮助。而我要谈的人是検見川先生,他不是成员,但与 Bono 有合作关系。这真的很棒吧?他是 Sabu 的下属,甚至和検見川先生是好朋友。”検見川…有些名字在 Shunji 的脑海中徘徊。検見川,如此罕见的姓氏…“Shinji,那个検見川先生是不是就是我在初中遇到的人?那个看起来像主持人,却有很多坏习惯的人?”“是的...你一提到,我就想起来了,検見川先生和你是在同一所初中上学的。没错,我记得那个人有一些坏习惯,但看上去很酷,他是谁呢?”“他比我们大两岁,是我们当时作为新生的时候的最年长的学长...検見川,这个罕见的姓氏,除了他没有其他人了,所以一定是他!”命运的齿轮开始发出不吉利的声音...“Shunji,看来我们终于有了一点运气。不仅 Prez 的 Bono,我们还可能与 Sabu 的検見川先生有联系!”
慎治和他们进入快速设定并等待了两周后,他们得到了好消息。慎治在指定的家庭餐厅里见到了确实是他初中时的前辈検見川。"嗯?你好像有一点印象啊。你是不是初中时和我撞衫了?是不是和那个小嚣张的富美代在一起?" "是,您还记得富美酱吗?" "啊,那个小屁孩闻起来臭臭的还缠着我,真是讨厌。那个认真的孩子还误以为我是什么好人呢,搞笑。我曾经想过姦她一次,但那个时候我还很天真,所以像个好人一样玩耍,毕业后就没有再见过了。她们现在还好吗?"好的,他记得她,而且对富美没有任何好感,这太好了!慎治们很快地解释了他们的要求。这个要求很简单,用一两句话来表达就是:攫取天城礼子、霧島玲子、神崎富美代和萩朝子,将她们姦混成一团,如果能拍下姦混的照片最好。拍下那些羞耻的照片,如果被公开就再也不能出门了......
"嗯,慎治,我不知道发生了什么,但你一定非常讨厌富美代她们。你一定是向她们示爱被拒绝了吧,不过没关系,我不在意。那么孩子,你怎么想?" "哦......但是这些女孩都非常可爱啊!......我们也可以攫取她们....就像被像这样抛弃的女孩一样,当听到她们哭泣时,就会感到刺痛。这四个人都非常不错,让我们也邀请奈良村和须崎来点,他们也是这样的类型,我们要开心地玩耍!......好的,信次,虽然这些价格平时是不太合理,但这些女孩都是上等的,那就出血大甩卖吧。每个人10万日元,4个人总共40万日元。那么,我们将根据您的意愿,开心地玩弄她们。参加我们的活动的不仅有奈良村和须崎,还有我和化学家,我们是一群超级豪华和劲爆的团体!你认识她们中的人吗,化学家?如果认识的话,那就应该更容易画出她们啊?......好了,这四个人都非常好,能让我享受一下吗?" "嗯!那种画可是我的专长呢,放心吧。富美代呢?看上去比初中时漂亮多了呢。虽然初中时没能得逞但这次一定要完成!"
太好了,太好了,太好了!慎治和他们一起在外面拥抱庆祝。“太好了!太好了!听说了吗?他们会非常开心地玩弄她们!他们说派对又疯又多!礼子和富美代他们不是已经结束了吗?” “没错没错!四个人一起结束了!哈哈哈!看到她们哭的样子了” “嘿嘿嘿嘿!啊,我希望她们会尽情玩混,然后再出来,这样只是想想就会感到兴奋!!!”慎治感受到了复仇的愉悦,即使实际上什么也没有发生,他们已经沉浸在复仇的快感中,束缚的短暂瞬间。
检见川立刻开始寻找邀请富美代的机会,找到一个不必担心被警惕的好方法。“好的,慎治,你经常和富美代一起聊天吧?因为即将到文化节季节了,他们大概也会去某个高中的文化节玩。如果你能问出去哪里了,告诉我吧。我会安排一个偶然重逢的场景的。”按照检见川的预料是正确的。圣华是一所受欢迎的名校,在文化节季节的时候收到各校的邀请十分频繁。礼子和她的另外三个同学作为圣华中的一群模范生,也受到很高的欢迎。慎治一直在旁边听着,很明显,他们几乎每周都会去参加不同的文化节。虽然检见川会催促慎治和其他人去参加,但是人的身体是有极限的,如果每个周末都去那么可以想见他们的身体早就扛不住了。所以礼子她们的基本计划是在周六折磨慎治他们,周日她们就自己玩去其他地方。当慎治一个个地向检见川汇报她们的计划时,他们俩发现了一所高中引起了检见川的兴趣。“嗯?下周,是二宫义塾啊。这所高中不错,坊野的高中也在那里吧。”对于慎治来说,这话太出乎意料了。二宮义塾是一所非常高级的高中,在相关测试上比圣华还高一点,在城市中也属于上位的高级高中。事实上,无论是在坊野还是在检见川,奈良村和須崎,他们都在相对比较高水平的高中就读。他们并不是蠢人。在他们看来,那些在工业高中或者其他学校却决定要做帮派或者暴力分子的人是脑残,会进行过时的行动。现在,如果要比现在更出名的话,头脑肯定是非常关键的了。实际上,尽管他们是一个凶恶的团队,他们曾经犯下过强奸、勒索和暴力等罪行,但他们从未被警方抓捕过。当然,警方已经把他们标记了,但是他们经过周到的准备和口封,即使被捕,也只是那些底层的人,像坊野他们这四个人却一直不受伤害。
周日,礼子和富美代出现在二宮义塾的文化节上。她们被邀请参加了很多不同的活动。两人从远处逛来,引人注目的容貌吸引了很多人。然而正当她们在散步时,找到了一点喘息的时机,检见川和坊野却动了起来。“那个 , 是富美代和神崎呀?富美,你认识他们吗?他们在坐着板凳喝咖啡的时候,坐在后面的时候,富美代不禁感叹道,”是的,検見川前辈!哪一个学校啊?”他们看到的是检见川,一个在初中时就崇拜过的前辈。他还是一副清秀的外貌,露出一个爽朗的笑容,看起来很惊讶,两只手张开。“不,我不是在这所学校,只是因为有朋友在这里玩。噢,这位是坊野,我的朋友。“
“啊,你是Chem的后辈吗?”坊野心中隐藏着极其阴暗的一面,却展现出了清爽的微笑。咳咳,今天只有我们两个啊,请求的另外两个人,雾岛玲子和萩朝子不在一起啊。不过,没关系,今天只做准备工作就好了,吃饭的话心情舒畅地慢慢享受就行了。不过话说回来,这两个人真是太有利了啊,等等再轮奸他们就有乐趣了。为了不让警惕心太高,他们被引到附近的开放咖啡馆,検见川开心地开始说话。“我说啊,真的惊讶呢。在这样的地方遇到富美呀。但在我的印象中她还真是越来越可爱了。她现在在哪里读书呢?”“呃,是,是圣华。礼子也是圣华的同学。”“啊,圣华啊。真不错。那不是个名门吗?”对于初中时的憧憬,富美代在与検见川前辈的意外相遇使得她兴奋不已。平时带着高傲和足够的警惕心处理性骚扰的事富美代不会追随。但是今天她的警戒心完全松懈了。站在一旁的礼子也苦笑不得。富美代的脸都红到了耳根,我第一次看到卖萌的富美代了。等一下得好好戏弄她。検见川等人非常聪明。在今天他们无法引起过多的警惕心。因此,他们与富美代等人到附近的开放咖啡馆时,唯一的手段是与他们开心闲聊,一开始只是问问学校和其他话题,然后巧妙地把话题转移到他们自己的兴趣爱好上。“我说啊,我们要去参加自己的活动,所以只能先走了。很不好意思但下次再见面吧。”“是吗?就算重逢了,你们就要走了吗!? ”富美代不自觉地焦急了起来。在与憧憬中的検见川前辈的意外相遇中,因为突然宣布结束了,富美代完全被打搅了。他们已经是初中时的憧憬之前辈了。我应该花更多的时间与之相处。于是富美代做出了常常不能想象的行为。她主动邀请了検见川前辈。“前辈! 那么下次,带我去玩一次,可以吗?”得到了!検見川心中肯定暗自高兴,坊野则尽力控制住自己的笑容。说起来,Chem真的是脱颖而出的女性勾引高手。这种高傲的女性不会被邀请,但这种人却能发挥最佳效果。这只是一次释放,不断地维持着富美代的热情。而在那个晚上,富美代毫不犹豫地打电话邀请了玲子和朝子。“玲子,拜托你了! 我和前辈的相处很好。请协助我!”“请帮帮我,朝子! 我会请你们做任何你们喜欢的事情!”唉,只要给富美一点笑容,那边就肯定会拼死追赶。不管怎么样,富美代他们呀,不就是要追着学长们跑的人吗?礼子和玲子一半心不在焉地答应了。富美代答应,但是这种人被邀请得太多就成为烦恼了。富美代就像礼子一样,总是做一些出乎意料的事情。検見川和坊野看了看对方,露出了邪恶的笑容。只有两个人再找另外两个人,那就有丰富的团队了。算了吧,她们真是表现得像个孩子呢。对于富美代这样的人,玲子和朝子会同意的。
但是,在四个人当中唯一的玲子却感觉到一些奇怪之处。偶然重逢,开车旅行,这次四个人去吧...有点奇怪。感觉做得太过份了。每件事都非常自然,但是...虽然是权力繁忙的吉米·富美的资深前辈,但如果礼子当天也在场的话...与那两个人一起喝茶,然后很容易就分开了,很正常吗?确实,每个人都有自己的口味,即使是礼子,对于那些讨厌认真而高贵的人而言也许不是愿意的。但是,那么还有必要特意邀请四对四,增加人数去驾车旅行吗?得到了富美的电子邮件地址,不是十分容易邀请她去某个地方吗?如果玲子太入迷于礼子,那也许还好,但是她们很容易就分开了,然后去驾车旅行?有点奇怪...
玲子的直觉,比礼子等人稍微有些流氓的玲子的直觉非常敏锐。原本,玲子是一个非常冷酷的欺凌常習犯,曾经把同班同学逼到自杀边缘。现在,她已经完全改过自新,获得了信次等人作为好玩的玩具和礼子等人作为好朋友,但她在中学时期认识的人变成不良少年的也有很多。立即跟踪调查了那些人。结果...bingo。从玲子那里听到了那个名字的人异口同声地答道:“二宫义塾的坊野,还有検見川吧?那些人是SNOW CRACK的NO.1和NO.2吧?那些男的打人,女的轮奸,是最最最坏的人。后面的两个人是奈良村和须崎吗?他们是NO.3和NO.4。哦哦,SNOW CRACK的高层齐聚了!这些男生和女生的后辈有健康的联系?不可能!他们能将一只动物以下的人轮奸并拍摄视频,然后流传到背后吗?如果那个孩子是玲子的朋友,你一定要让她停止。我百分之百保证她会永远承受不起的伤害。不是说坏话,如果你无法拒绝,那么你应该立即去警察局。如果他们是对手,警察肯定会在什么也没有发生之前,帮忙出手的。”
“呼……果然如此啊。谢谢,我明白了,感激不尽。” 伊莲挂断第三通电话,轻轻叹了口气。毫无疑问是个陷阱。现在如果拒绝邀请并逃跑很容易,因为此时那边也应该意识到了,不会再靠近了。当然,也可以报警。虽然通常情况下,在警察介入之前不会有任何事发生,但对方是SNOW CRACK,警察也会找到解决方法的。最坏的情况下,只要提到她自己和礼子的父母的名字,警察应该会帮忙。“但问题是富美子,对吧?” 当局者迷,旁观者清。礼子对検見川一伙没有任何情感,她保持冷静。她接受了伊莲的话,并且已经完全不信任検見川一伙了。“是啊。那么,现实情况如何?如果富美子听了现在的谈话,会马上醒悟并退出吗?和那些人没关系是最好的选择。在这个阶段,只需要找个合理的理由拒绝,然后再也不见面,那边大概会放弃寻找其他目标吧。但是,富美子会轻易回绝吗?” 端正的富美子脸孔浮现在礼子的脑海中。富美子的外貌和行为都很酷,但有时候,她会变得非常热情。阻止陷入这种状态的富美子是一项巨大的挑战……“嗯,老实说,这很棘手。伊莲也这么想吧?因为富美子一向非常一心一意,所以要在还没有发生任何事情的情况下阻止她是相当困难的。” “是啊……我也这么想。那么,最坏的情况呢?你知道吗?最坏的情况就是,我和礼子已经退出了,但富美子不相信我的话,一直跟着那些人。那就像乞求他们强暴我的请求一样。他们不是人类,是野兽。要一个人面对这种人是自杀行为。” “没错,非常糟糕。那怎么办……伊莲在这方面比我更有经验。你有什么好主意吗?” “是呢……礼子,见过那两个人,坊野和検见川,是吧?我听到的是他们是队伍的NO.1和NO.2。你看到他们的时候怎么感觉?礼子应该知道他们有多强。”
礼子想象出了两个人的形象。身高大约175厘米,比礼子略高,但并不特别高大。他并不是很瘦弱,但肩宽和身体厚度也不是特别好。 “ ...是啊。确实有好的身形,但并不是太特别。至少不是那种真正从事空手或柔道等正宗格斗技术训练的职业格斗家身材。虽然没有仔细观察,但即使不局限于格斗系,也没有感到经常锻炼身体。他似乎并不是那种拥有绝对力量的类型。他们是邪恶的团队吧?他们可能经常打架,但很可能是那种通过路上实战锤炼的类型,可以立刻转向刀剑等武器类型。 “ “是的。那么,根据你的直觉,如果他们打起来的话,你觉得能赢吗? ““嗯,如果正面一对一,徒手对徒手,我认为我可能会赢。但他们可能会拿着刀之类的东西。如果他们拿出刀来,即使我赢了,可能我也不会毫发无伤。”玲子笑了起来。“那没必要担心。确实,如果是刀对徒手的情况,可能会受伤。但是,如果预先知道对方是那种类型的人,我们也可以做好准备。礼子和我都很擅长使用武器。如果你能赢得徒手对手,那么持有武器将使差距扩大。只要我们做好准备,就可以放心前往!” 礼子们的估计是准确的。坊野确实是臭名昭著的邪恶团队,打架是家常便饭。但他们被称为邪恶团队的原因并不是因为战斗的强度本身。相反,他们使用的方法才是主要的。用一句话来说,他们是专业的肮脏打斗专家。他们专攻多人对一个、徒手对武器等手段,擅长突击袭击和暗中打击。无论是坊野还是検見川,几乎没有正大光明地迎战的情况。他们的常规手段是利用不意袭击和闇討ち。玲子想着要借用他们的手段。如果她能敢于接受这次邀请,对方可能会对我们——女孩子放松警惕。他们不会带其他队员来。这样一来,就可以导致4对4的实质性1对1比赛。如果是1对1的比赛,应该可以应付。如果反击他们袭击的话,就可以将他们交给警方了。可以通过指控未遂猥亵将他们一起送进少年院。即使获胜,如果成为了复仇的目标,那么胜利就无效了。如果要彻底解决这个问题,必须将他们送进少年院。但是,如果接受了对方的邀请,然后回击,就可以以正当防卫的理由将其移交给警方。可以同时实现两个条件!
无论礼子她们再强,女孩子的极限总是存在的。肉体和力量的壁垒是难以战胜的。就算有礼子她们的实力,面对某些有段者级别的全真派拳击手,胜算也是微乎其微。而对于礼子她们而言,最不好对付的对手,就是经过训练且充满力量的猩猩类型。对于此类力量型格斗者来说,即便完全没有格斗经验,也绝对是十分危险的。例如,做橄榄球前锋或美式橄榄球的人等等,只要进行全力的冲撞就会被往返不停的猛撞,真的很难对付。但幸好,铃野她们不是这种类型。对于招数非常卑劣的对手来说,只要准备得当,就可有多种对付方法了。铃子的决断相当明确。
“礼子,虽然有危险但也无法避免。我会警告她们,但之后就要看她们自己的责任了。我们当然不能任由富美被轮奸。对吧?所以只有一个方法了,如果不能逃脱,只有必须向前冲,将他们全部击倒,送进少年监狱,这样我们才赢。怎么样,愿意吗?”
“嗯。……当然不能丢下富美而走。铃子,我们做吧!”礼子美丽的双眸里闪烁着淡青色的火焰。于是礼子她们向朝子做了详细的说明,并请求她们的帮助。“嗯,我明白了。可以的,毕竟富美危险,我也会加入战斗!”朝子也下定了决心。
周五时,慎治终于收到了他期待已久的消息。“哦,是慎治啊!我是检见川。关于我们之前谈过的事情,我们就在后天的星期天进行。而且我们还将为你们提供特别的服务。”
“嗯,特、特别的服务是指?”听到电话那边的检见川笑声,慎治有些紧张起来。
“呵呵,你们肯定对富美代她们怀有仇恨吧?那你们想要目睹她们被轮奸的场面吗?”
“什、什么?可以、可以让我们看到?!”
“哦,因为我们很大方,所以我们会把她们带到我们每天使用的据点,从二楼就可以很好地欣赏到整个过程。你们想的话,我们甚至可以让你们也参与其中,如何?”
“什、什么?!那样的话,如果我们被发现的话,礼子女士肯定会杀了我们!”
“什、什么?太懦弱了,什么都不敢做?好的,那随你们。那么,你们要怎么做呢?看还是不看?”听到检见川的这番话,慎治无法拒绝,“请、请让我们看到!拜、拜托了!”而对于慎治等人来说,晚上的倒计时已经开始了。
然后到了开车的日子。聚集在集合地点的四个人,包括坊野、检见川、奈良村和须崎,一眼看去和普通的高中生没有区别。虽然有茶色的头发和街头风格的时尚,但没有给人以凶恶的感觉。渐渐地,礼子们陆续出现了,尽量不让人感觉到她们的戒备心理。她们表现得一切正常,但充满了紧张感。礼子穿着米色的皮夹克,搭配棕色的仿麂皮裤子,还有同样的棕色短靴。玲子穿着黑色的皮夹克,搭配修身的设计师牛仔裤,并穿着黑色长靴,突出了她的细腿。早子穿着白衬衫,配着明亮的棕色皮质马甲和同色皮裙,穿着白色西部风格的长靴。虽然风格各异,但有一个奇怪的共同点是,虽然三个人都穿着靴子,但靴跟不是高跟鞋,而是极易走动的类型,而且还系着一个坚硬的皮带,上面有一个看起来很硬的扣子。最后,今天的主角富美代出现了。“啊,富美酱,你真的太可爱了!”礼子用嘲弄的语调喊道。富美代穿着白色的衬衫,配着红色的西装马甲,红色为基调的休闲裙子,还有一双到膝盖以下的红色长靴,这样的颜色不是深葡萄酒色,可以说是极为明亮的意大利红色靴,而其高跟鞋高七厘米,非常细的金属针跟成为了绝妙的点缀。“真的,在哪里买的?我从来没有见过这样的靴子!”“呵呵,因为检视川前辈说喜欢红色,我就买了这个。怎么样,我合适吗?”“...嗯,确实很合适,但是...”确实这双靴子非常适合富美代,但是礼子关心的是其他事情。“但是这个非常高的高跟鞋走起路来不困难吗?今天估计要有很多走路的吧?”“嗯,其实这双靴子走路还是很容易的。也许是因为跟的重心位置很好,我可以跑一会儿都没问题!”礼子们交换了一些不安的眼神,但还是比较平静地进行了开车。两辆切诺基车带着四个人通过了海上公路到达了木更津,并绕着湾区继续前进,直到抵达了台场,这比较顺利。在日落时分,他们经过了彩虹桥。这是一次非常普通的开车过程,礼子他们觉得有些失望。但是,在渡过桥时,检视川开口了。“今天真的很有趣。能和您一起开车真是太棒了!请务必再邀请我们!?”富美代脸红了,答道:“当然!能和前辈开车真是太棒了!绝对,一定要再邀请我!”“好的好的,我会再邀请你们的!即使你们不想来,我还是会邀请你们的!”
憧憬中的检见川前辈邀请我特别参加!富美代感到非常高兴,“哇,太开心了!前辈的车库,带我们去看看吧!礼子也要一起去吧!” “......嗯,很高兴!”富美代兴奋,而礼子则变得紧张。 ...车库吗...无意中,礼子开始放松双手腕。精神上的战斗准备开启。到了此时。她感到背脊像是有数不清的虫子在爬。她能感觉到自己的目光正在振作。因为紧张而少见的情况下,她感觉到鞋子里的脚已经开始出汗。害怕?不舒服吗?不,这是一种令人愉悦的紧张感。焦虑着等待着,期望着,今天一整天,一种无法形容的情感在她心中越拉越长。吱嘎......吱嘎......礼子的脑海中突然出现了拳击比赛中的贯头想象。拳击比赛就要开始了。没关系,心理准备已经足够了。没问题,随时准备好! 刚穿过彩虹桥的 Jeep 立刻下高速路,向芝浦工厂区行驶。然后停在一家工厂前,打开卷帘门,走了进去。里面空旷得很。业主早已破产,这里是废弃工厂了。把两辆 Jeep 停进去,坊野、检见川、须崎、奈良村四个人先下了车。然后,最接近出口的须崎快速地,严格地锁住入口。四个人站成了一个围着两个 Jeeps 的圈。沉默的时间持续了一会儿。 在里面反而不利呢。这样下去是没法好好战斗的。“富美酱,我们下车吧。”礼子请富美代下了车。朝子和玲子也已经下了车。寒冷的空气吹来。刚才还和睦的气氛已经消失了。礼子们的表情变得越来越冷酷。“你、你们怎么了?为什么一脸可怕的表情……前辈,这、这是什么地方?车库?但是这,不是错了吗?这是什么玩笑,我明白了,这只是一个玩笑吧!你们在吓唬我们,对吧!”检见川默默地拿出一根蜥蜴草,点着了。“......喂,前辈!请求,你能说点吗!”检见川缓缓地转过身,慢慢地走近富美代。检见川靠近了约两米左右的距离。“前辈!”富美代的声音变成了祈求的惨叫,回荡在工厂内。“啊!”检见川像是用手指击打香烟一样将香烟扔向富美代。富美代因为将香烟摆脱而飞出的火花掠过了富美代的脸。“你想干嘛!?前、前辈,难、难道!?” “够恶心的了,知道吗,闭嘴吧,你这个烂孩子!”检见川的怒吼回响在工厂里。他的脸上已经没有微笑了,取而代之的是邪恶的嘲笑。“你以为我是认真看待你这种不爽的小家伙吗?这个章鱼!谁会注意你这样的等等屎习惯的家伙呢?我会去担心你吗?” “这、这是......前、前辈,你、你骗人的吧!!!”“骗子?别说这种恶言,你自己独自得意洋洋了吧,笨蛋。今天就为你们玩了一整天,你不感激我一生都不行,你知道吗?就这样吧,今天的事我会和你们好好指导,加油!”坊野等人不停地喊着低俗的话,坊野朝検見川竖起了中指,摆起了臭名昭著的 pose。...充分强暴你们!呵呵呵呵...我们已经为这里准备好了录像,所以很好,录成背面录像就可以了!等四个人一起卖,也会有很好的价值吧? “喔!”然后嘿嘿嘿地强调了一遍,“当然,我们在充分享受自己的同时,也会把这些传给我们下属的人。很好啊,你们今后一生都不会为男人麻烦了!!!”
“イヒッ、イヒッ、イヒヒヒヒッッッ!!!” “ヒャハッ、ヒャハハッヒャハハハハハッッッ!!!”在二楼的小房间的窗户前面,慎治他们拼命忍住笑声,看着工作场所。不能发出声音,不能大声笑,否则礼子女士们就会察觉到。所以,他们拼命抑制着大声笑,蹦蹦跳跳快乐地沉浸在其中。“... 嗯,嗯嗯,做到了,做到了!富美酱,哭了哦! 噢,我,我受到了那些曾经拐打我折磨我的人的惩罚!”“不花花哈哈哈! 玲子小姐和朝子很快就会被轮奸! 坐视不管! 曾经粗暴地欺负别人! 这种女人,终究会遭受这样的报应!”“ 见证你的失败! 礼子小姐,你还能撑多久呢?快了,礼子小姐也会被强行撕裂啊!”慎治们拼命地颤抖着,充满了复仇的喜悦。
从心底这么笑过,是什么时候呢? 自从慎治升入学校后,不久就开始受到礼子们的欺负。每一天,每一天,他们都受到女孩们的欺负和辱骂。不知不觉中,忘记了笑容这种东西。啊,笑,这种感觉是这样的吗?我们只有在允许鞭打的时候,才会摆出卑屈的追随的笑容...笑声,这么令人兴奋的事情啊。信次的脑海中,玲子们欺负他的痛苦记忆像马灯一样出现。被抽打,被踢,被吐口水,被舔鞋,被强制口交……被打,被灌尿...痛苦的记忆一个接一个被唤起。奇怪的是,感觉很好。当然,这是很自然的,因为那些使我们经历这种痛苦的玲子们,现在将遭受报应。咯咯咯!哭吧!喊吧!挣扎着痛苦吧!即使你们只经历了我们遭受的痛苦的千分之一,也会感受到! 我们这个世界缺少的东西只有...我们心底所渴望的只有...玲子们流泪的脸...啊,这慰藉。心灵的伤口正在愈合...你们也和我们一起跌入地狱吧! 复仇的愉悦感给了信次无与伦比的解放感。嘿,太好了... 呐,万岁,万岁,复仇万岁!
富美代惊讶地看着身边的一切。甜美的富美代回忆起了中学时代的検見川。今天的愉快时光回荡在富美代的脑海里。富美代突然失去了对现实的认知...“吼吼吼吼!”“哭吧,孩子们,没用的,哭了也不会原谅你们!”伴随着検見川下流的声音,地板上传来了清脆的声音。这是礼子用力打富美代脸颊的声音。“知道吗?富美酱,你醒过来了吗?”礼子猛烈地摇晃着富美代的肩膀。“这就是富美代酱憧憬的前辈的真面目。 SNOW CRACK 就是最差的团队里的副队长,以骗女孩子为专长,专门进行轮奸的最低男人,这就是検見川的真面目!”脸颊上的痛和礼子凛然的声音,让富美代再次认识到现实。是的,富美代啊,回到我们这边来吧! 玲子看着富美代恢复了意识,继续说道:“知道吗,富美代酱?他们用你的名义布下陷阱,企图强奸我们。你还满意吗?你是那种默默地哭泣,接受轮奸的富美代吗? 你会是那样吗?!”
无理矢理现实中被拉回的富美代的意识已经干涸了。沉浸在悲伤和后悔中,富美代失去了自己的自我,消失在虚空之中。干涸而空虚的富美代的精神,被空无的黑暗空间所充满,唯一的情感,愤怒,不断地涌现。玲子的话充满了富美代的精神,充满了无法形容的黑暗感情,只能用一个词汇来概括,那就是愤怒。火焰不断地燃烧着,愤怒不断地膨胀着。富美代低下了头,肩膀小幅颤抖着。“...先辈...不…放过我...”富美代的悲伤变成了愤怒,愤怒又变成了战斗的勇气。富美代的愤怒就像一股能量,让她能够抵御所有的攻击。她眼中充满了泪水,美丽的脸上充满了愤怒和憎恨,那是一种非人类的表情,那是一个夜叉的表情。
検見川不喜欢这样的表情。这个孩子不行,还不大哭不大闹的,这样不好玩啊!検見川内心十分震惊,富美代的愤怒表情让他感到压力。他之前带来的女孩子都只是哭泣,乞求原谅而已。对于愤怒的富美代和冷静的礼子,検見川感到十分的意外,但他还不理解事情的严重性。那个孩子为什么愤怒了?她不放过他,这件事情他理解吗?一个那么小的孩子,还敢在他面前发火?“你生气了,啊?不放过你?这是我的台词,孩子,不要以为你能干什么。你还是老实脱衣服吧,不然我会把你踢到街上。”検見川的话充满威胁。他随意地伸出手。啪!“哈!”富美代用下巴轻轻挑起検見川的手,然后以迅雷不及掩耳之势反击,用力打在他的后脑勺上,让他一下子瘫倒在地。
“哈哈哈!看啊,Kemi,这个家伙太傻了吧!竟然被一个小孩子打败了,哈哈!”坊野指着検見川嘲笑道。検見川的愤怒高涨。“闭嘴!这只是玩玩而已!喂,富美代,你知不知道你这样会有什么后果?不要后悔!”検見川重新站了起来,想要扑向富美代。他没有想到,富美代已经系统地学习了合气道和其他防御技巧,在战斗中拥有充足的能力。他只是想要打她,强暴她,那就是他的本意。他从来没有意识到,富美代已经有了足够的能力抵抗这样的行为。検見川没有做好充分的准备,他只是想着用蛮力来解决问题。他的大意让他陷入了十分被动的状态。他的手被富美代反制住了,他的身体被富美代击倒了,他的思考被富美代控制了。
富一方,富美代感到很奇怪的心情。她非常生气,这是她人生中最生气的时候。她的愤怒几乎让她疯狂。但与此同时,她感到非常冷静。尽管她的身体热得无处不在,但她的头脑却异常冷静。即使看到検見川逼近,富美代也不觉得害怕或紧张。她不能原谅検見川,因为他欺骗了她,而且富美代并不是他行骗和强奸的唯一受害者。强烈的仇恨、厌恶和鄙视充斥着富美代的全身。她感到嘴里不由自主地涌出口水。面对逼近的検見川,她要怎样应对呢?为了更有利地进攻,该采取什么最好的手段呢?在短暂的一瞬间,富美代的头脑就像电脑一样迅速地思考着。她找到了最好的攻击方案,她知道検見川永远都猜不到她的攻击方法。検見川的手已经近在眼前了。他用左手抓住富美代的头发,准备用右手狠狠地打她的脸。他并不犹豫去打女孩的脸。但是,当他随意伸出左手时,被富美代从下方抓住,并被她拉倒了无法自拔。相反,她利用他的力量将他摔了出去。他的手臂被富美代的手紧紧缠住,她扭住他的手腕,将它向外扭。検見川的手腕、肘部和肩膀感觉到电流般的疼痛。他的韧带发出尖叫声。他因为疼痛而惊叫出声。他的所有注意力都被左手吸引了过去,导致他的右手无法发挥作用,整个身体都处于无防御状态。検見川的手被她拉着,他本能地弯腰,摇晃着身子。他迷惑的目光注视着富美代。她没有错过这个时机。
“ペッ!ペッ!” 樱色的富美代美丽的双唇迅速凸起,如同白色箭头般喷出两个大口痰块。噗噗! “啊呜!” 痰块呼啸而过,精准地击中了検見川的双眼。即使在四人组中,富美代的唾液掌握技巧也是毋庸置疑的NO.1。射程距离轻松超过了2米,并且她还能精准命中目标,不将唾液分散成小水滴,而保持大块飞出的巧妙技巧。虽然现在在实战中距离検見川只有1米左右,但对富美代来说完美控制唾液并喷出来并不需要做出任何举动。 此时,検見川因左手的疼痛而瞪大了眼睛,他的视野完全被富美代的唾液挡住了。大部分的唾液从他的两只眼睛慢慢滑出,顺着颊部流下,但他的视野被泡沫爆炸的富美代的唾液白色所遮蔽,就像遮上了雾一样。这攻击既屈辱,也挑衅,让検見川感到头脑发热,眼睛被遮蔽,战斗力减半。这是非常恶意但极其实用的攻击方式。富美代成功地将唾液转化为武器,充分展现了她的唾液喷吐技术。无论是精神还是身体,富美代的唾液攻击都比预期的强,效果非常好。
在意想不到、想象不到的方式反击中,检见川猛地一震,但下一刻,他完全被激烈的愤怒所吞噬。“你,你居然……这样做!!!”他终于意识到女孩吐唾沫的行为,狂吼着试图挣脱富美代用力封印住他的手臂。这是个愚蠢的选择,被富美代的挑衅毫不费力地击中,检见川已经完全失去了自我。他的肘骨发出破坏性的咔哒声并未引起注意,他完全疯狂地挥舞着右直拳,甚至忘记清理唾液。这是个粗暴、毫无技术含量的攻击,虽然力量惊人,但仅仅只有“如果击中”的可能。加上动作被大幅预测和视线被唾液阻挡,富美代的位置很难被准确地瞄准。富美代轻松地躲过了这个拳头。当对手有余裕时,战斗一定会落败。
富美代左手拨开检见川的右拳,右手抓住他的手肘,扭曲身体以吸收攻击力量。“啊——”我们能隐约看到富美代在吐唾沫的同时转动着身体,而检见川则被自己的必杀拳所引导,再度失去目标,被逼得踏步。然后,富美代继续使其臂部扭曲,完全封锁住检见川的手臂,同时将其掳走并在她身后拖着,最终将检见川的身体完全扔到空中。检见川眼中昏昏欲睡,感觉世界在转动。这样的高超投技只在教科书上见过。但是,事情并不像教科书那么简单。在道场中,为了避免对手受伤,通常会将对手从背面令其倒地。但富美代在检见川的身体凌空时弯曲了膝盖,同时连续地下拉使他与地面接触。“呃!!”检见川无法做出防守反击。他的头颅猛然撞击在混凝土地面上,幸好颈椎没有断裂。尽管如此,他的头部已经严重受伤,意识模糊。此时,富美代冷静地给予致命一击。她对这个晕厥且痉挛的检见川施以臂锁,将其头部置于自己的腋下,然后轻轻地将手臂向前伸展,最终达成了完美的恶意压制。
富美代正在打倒検見川,而此時早子正在面對須崎。須崎在SNOW CRACK中排名第四,身高超過180厘米,是四個人中最高的。而早子只有156厘米,身高差近30厘米。 面對面時,須崎卻十分輕鬆自在。在打架時,身高高的須崎基本上經常俯視對手進行戰鬥。早子比自己矮很多,而且還是女性,不會有打架的情況。嗯,她可能會反抗一下,但只要打二、三下,她就會乖乖地停下來。他根本沒有想過如何打敗早子,只想到之後的強暴。今天總共有四個人作為獵物,可以大肆享受...須崎根本沒想到早子會抵抗。况且,就像他擅長对付身高矮的对手一样,他甚至想象不到早子与比自己高大的对手打斗更加熟悉、更有把握。須崎完全松懈了。他傾著頭,通過大眼睛凝視著早子的無表情。他以為早子只是像他強暴過的女孩一樣,受到震撼而半失神了。靈子看到旁邊的早子一瞥無表情和詭異的微笑,內心稍微安心了一下。好吧,早子冷靜下來了。無表情是早子的優點,我們無法猜測她在想些什麼,實際上她可能只是在一個思考停止的狀態中。实际上,她在冷静地观察着我方并瞄准反击。須崎听到了这些话,根本没有察觉到早子的陷阱。顺应玲子所料,須崎已经落入了早子的陷阱中。早子在无表情表面下,正在等待著須崎的把柄,以及将其拖下水的时机。須崎张开双臂,试图抓住早子的肩膀,此时,朝子的眼中闪耀着一道电光。 "哈!" 朝子大力向前一步,以断裂纸张的气势上前。早子在第一时间内迅速缩小距离,用右脚狠踹地面,最终将左脚深深地踩在了地面上。她用腰部和肩膀的转动加速了右肘的击打力度,把肘部超速向被带空的須崎下巴准确地打出一拳。早子愉快地感受着施力,一瞬间,40 公斤的早子的体重增加到 80 公斤。她深深地感受到了肘部在击打头部的感觉,这让她感到更加兴奋。用猴臂的全力猛攻实在是太危险了,平常真的用不到它。她想试一次,而今天她终于试了一次! "喀...呃!" 須崎因为内脏剧烈的疼痛而喘不过气来,张大了口,身体成了一个“口”字形,捂着肚子,倒向后面。
机会来了!你逃不掉了!朝子双手举起,警惕地挡住对方的攻击。须崎的脸一片空白,现在打击应该能够顺利进攻。但是朝子非常谨慎。她不是直线追击,而是轻盈地跟随左右摇晃的身体来逼迫须崎。然后,当须崎仍无法停止后退并将右脚抬起时,朝子就趁机进攻。她放出了自己擅长的低踢:“哈!嗨!”,她的纯白色西部靴袭击了须崎大腿和膝盖外侧。“グアダッ!”须崎因新的疼痛而不自觉地停下来,拿双手捂住左脚。朝子不会错过这样的机会。“嘿!”当她的右腿踢中须崎后,她继续追逼,并在须崎的动作停止时,她的左腿再次上升。被踢到脸上了吗?...本能地举起双手,须崎拼命地保护着自己的面部。但是朝子不会做出如此简单的进攻。她没有着急放手,慢慢地使须崎受伤,并试图剥夺她的战斗力。她不会犯困难,例如急于刺死对手这样的冒失行为。傻瓜,须崎女士,你们高大的人的弱点在于腿和身体的下部,你不知道吗?看到须崎的警戒正在减弱,朝子的左弯脚嘲笑地攻击了须崎的左膝盖,这次从内侧袭击。“阿达!”除了外侧,内侧也为须崎造成了难以忍受的痛苦.当情况逐渐恶化时,由于太过沉重,他承受不住自己脚上的负担。须崎退后摇晃着平衡,忍受着疼痛,在右脚上支撑自己。这是致命的错误。即使是经常打架的十分擅长,通常这种程度的损伤也不会让她害怕。但是对手是一个女孩,一个瘦削的、矮小的女孩。完全大意了,没有做好心理准备。由于疏忽大意,精神上的冲击比肉体上的冲击还要大,须崎在对手面前几乎站不稳。她趴在地上,用双手抱住自己的腿等等,犯下了绝不能犯的错误。
朝子不可能错过这个机会。朝子抬起右脚,目标是…… 須崎的右脚。现在,攻击已经够狠狠地打伤了左脚,继续攻击的话是新手的选择,专业选手是攻击那片已经承受全部体重而无法移动的右脚。朝子毫不犹豫地全力发出右脚的前踢。噼……凝结自己体重的纯白西部靴坚硬的鞋跟在須崎没有躲避的右膝上嵌入。做到了!攻击成功了!我很有信心进行低踢。而且,今天穿的是硬靴,如果用鞋跟直接打击,即使是低踢也足以在一击中击败对手,我认为,但是“嘿哟!”正如玲子所料的,玲子告诉我,今天我穿着的这双硬靴是朝子的武器,确实如此。須崎先生,你没有想到这双靴子是凶器吧?正如预料的那样,朝子的低踢本来就有足够的威力。加上硬靴的鞋跟,这变成了必败的凶器。“细嗷!”是否肘上出现裂缝,須崎发出了惨叫声,因为剧烈的疼痛落在地上。“啊,啊啊……!”而朝子的时间从这里开始。"好的,我来了!"朝子第一次停下来,站在須崎的前面。須崎挣扎着不停地喘着气,并拼命抬起头。朝子一开始是在低处,他现在的表情充满了自信和优越感,而且有一种残忍的微笑,对胜利非常确定。"别,别......咕哈!" 未能发出哀求的須崎,朝子的利脚猛烈攻击过来。右转踢,他拼命抬起手防御,但在空中暂停的朝子的右脚一直旋转下来,从下方用脚尖踢起須崎的左肘。“呀!”带有电流的麻痹感和热感的疼痛在須崎身体中疯狂蔓延。靴子坚硬的脚尖在須崎的手臂上刻下剧痛,而且无情地打破了保护。做到了!因为穿着靴子,所以托踢也没问题!托踢,平时也绝不使用的技巧。这不仅仅是危险。他们像手指和脚趾一样,需要花费相当多的时间和痛苦来锻炼,就算名声在外的危险技能也是如此。对于以美貌自居的朝子来说,她毫不想制造出这样的拳头和脚,甚至连美甲和足甲也无法修饰。但现在,穿上靴子,在强硬的鞋头下保护自己柔软的脚趾。毫不犹豫地,他尽一切努力,放松托踢。朝子最大限度地利用了穿靴子的好处。与此同时,須崎的胳膊只穿了薄薄的夹克。没有办法对抗穿上西靴脚趾尖的快速踢踢。左臂被踢向空中,同时失去了平衡,右边的护盾也下拉了。
而在毫无防备的脸上,最终朝子的踢击袭来了。她的左轮式踢击撞在了须崎的右脸颊上。“Geha,Gefuaccu!”朝子的左腿画了八字形,用脚后跟踢了须崎的左脸颊。在被靴子抽打着的同时,须崎的脸被左右晃动,口水不停地流着。“太棒了!”朝子说,“这是一个好机会!快走!”朝子收回左腿,对准须崎的鼻子,发起了一记正面踢脚。在朝子完全伸展的美丽腿上,一种愉悦的感觉通过她的脚跟涌出,发出了“Bugyuaaaa!”的声音。须崎的鼻子被粉碎,他在地上打滚。没错,她做到了!朝子确信自己的胜利,感觉最好了。但是可以说,须崎还是名副其实,经过一段时间的失败后,他缓缓站起来了。
“可恶的畜生!”须崎怒气冲冲。“一个小女孩就这样片刻之间造成这么大的伤害!”他的内心充满了愤怒,他激发了巨大的肾上腺素,即使右膝盖和左肘已经破裂,鼻子也已经完全被打烂,他仍然能活动。即使他应该无法正常移动,他被愤怒所驱使着,努力地爬起来。
晃动着,须崎走向朝子。无论他被兴奋驱使多少,他的膝盖已经破裂了。所以他无法快速移动,也无法使用左手。虽然须崎刚站起来,让朝子有一瞬间的惊讶,但她很快就恢复了镇定,因为她看到须崎摇摆着走过来。 “算了,它还能起作用。嗯,你能做什么呢?我要解决你。”
“嘿!不要太逞强了!你的鼻子肯定碎了!”朝子斜着头微笑着,但这种微笑却更加激起了须崎的愤怒。“可恶的畜生!你太放松了!”
"Buguguooo!" 须崎用全力向朝子猛打一拳,瞄准她的脸。他不惜一切代价,使出全力,狠狠地打一个女孩的脸。但是,由于他的右腿已经受到了巨大的损害,而且他的左手也被打碎了,他所剩下的只有右拳。朝子自信地预测到这一点。须崎的拳击正如她所预料的那样。一步踏出,朝子左手从须崎的内侧挥起,击中须崎右手腕处,并扭曲了她的左手,接着用全身扭曲来轻松地避开须崎的死里求生之拳。在避开拳头的同时,朝子沉了下去,须崎的拳头越过了她沉下去的头顶。朝子的左手现在抓住了须崎的右拳肱二头肌,向前拉紧。她的身体几乎与地面平行。她在计划着什么?
下一秒,我认为从正下方追赶的白影突然加速,同时须崎的下巴受到了巨大的冲击。 咯咚!须崎没有发出声音,他的头被弹起来,昏迷了。朝子倒下身体,用右脚180度张开腿,在低位置突然踢了须崎下巴,技术类似于中国功夫的天空腿。她利用小身体的灵活性,潜入对手的腋下,从下面踢起。由于用双臂拉住对手,朝子的腿对对手来说则成了死角,看不见。从那个盲区里,朝子用比手臂多三倍的力量,对对手发出了致命的踢腿。更何况, 硬鞋跟的重击达到了惊人的力量。须崎无言以对,变成了失神,这是踢腿的巨大力量,一个奇迹,他的脖子没有折断。
“KEMI!”“须崎!” 芦野和奈良村的声音同时响起。这不是骗人吗...芦野无法相信眼前的情形。作为极恶团队的SNOW CRACK,那个NO.2和NO.4突然被KO了。而且,对手是他们试图强奸的年轻女孩。我是陶醉了吗?但这个仰卧在那里的场景是真实的。就在芦野和奈良村反射性地想袭击富美代的时候,“等一下!”礼子冷静的声音响起来了。“你们错了目标。你们的对手是我们。”呵呵,礼子端庄的脸露出了狞笑。“你们也是两个人,我和玲子也是两个人,这是一对一的战斗,你们不必欺负人,放心地冲过来吧!”
一对一的战斗?不欺负?这个小娘们轻视我们吧!芦野感到全身的血液都在向上流动。这时,芦野信任的不再是自己的肉体,而是他的武器。坊野毫不犹豫地从自己的切洛基底下取出了金属球棒,准备用武器粉碎猎物,不管对方是女孩还是裸体,无装备。同时,奈良村掏出了藏在身上的小刀,摆出了威胁礼子等人的姿态。但礼子等人看着坊野和奈良村掏出的武器,不是恐吓,而是大笑。“哈哈!什么啊,你们只有那东西吗!”玲子的讥讽笑声让芦野生气,甚至让他迷茫。“你...你看不到这把小刀吗?真是粗心大意!” 在奈良村愤怒地威胁性的言辞中,玲子已经在苦笑了。“...好了,好了,我视力很好,就算是小刀,我也能看得出来,你们知道我们的武器是什么吗?”
说着话,玲子解开了腰带,从自己的牛仔裤上拔下了一根黑色的腰带。而在旁边,礼子也从自己的仿皮裤上拔下了一条棕色的腰带。啪!礼子将折叠好的腰带击响。“嗯,既然你们说要和我们一起玩,那你们不想再拿出些更有创意的武器吗?你们用这种廉价的武器炫耀,不觉得很丢人吗?反正你们也只能达到这种程度吧。好了,来吧!”礼子握着右手的腰带,用左手的食指不停地挑衅,让坊野他们的头脑里充满了血液。这小鬼到底在干什么?还出来吗?真舐犊子!坊野和奈良村都为自己的猎物没有让礼子他们畏惧而感到失望,反而表现出了轻松自如,这令他们非常愤怒。他们不知道礼子和玲子的余裕和自信来自何处,根本没有时间去想。对礼子和玲子来说,这两个獵物完全不是威胁。实际上,礼子和玲子唯一担忧的就是坊野和奈良村拿着手枪。确实,这种可能性很小,几乎接近于零的概率。但是,如果他们拿着,礼子和玲子已经有了对策。因此,像刀和球棒这样的物品对礼子和玲子来说,已经不是威胁。相反,坊野和奈良村却低估了礼子和玲子的腰带。事实上,他们甚至没有意识到腰带可以作为武器。对于像礼子和玲子这样的高手来说,在他们的灵巧和坚韧的皮革腰带下,它们是多么强大的武器,这个想象力根本无从想象。接下来,奈良村先动手了。“这个小鬼...腰带是武器吗?是不是在扮女王啊?喂!”奈良村握着刀向前迈出一步,砰!礼子的腰带一闪,发出了打击奈良村右手的声音,奈良村惨叫起来,刀掉在地上发出了干巴巴的声音。刀落在玲子的脚下哐当一声掉在地上。这...这是怎么回事?奈良村甚至不能理解他被腰带抽打的事实。礼子用右手握着腰带的动作,极其微小,但同时,它确实拥有非常高的速度。奈良村甚至不能捕捉到礼子腰带的移动。礼子的嘲笑加剧了奈良村的混乱。“啊哈哈,怎么了,小子,就被一下子击败了?你那样的人连强迫我发生性行为都不可能。哦,是啊,我明白了,只用一下鞭子就痛得不行,这样的小孩只是一个没有根气的蠢蛋,不可能强迫我发生性行为的。呼,呼,没了,公牛没有了!!! “你...你这个...你在小看我!!!”在玲子以独特的节奏挑衅的背景下,奈良村被气疯了,准备向玲子冲去。但是,奈良村仅仅保持了理智的原因是...很遗憾,正是他们失去的刀。玲子用靴子踩住了奈良村的刀,以防止奈良村拾取。是的,如果有刀,奈良村会像刚才一样刺击,但仍然需要想办法取回刀。
一方想要拾起刀子的,玲子也一样。从外观来看,奈良村的刀轻巧,看起来可以用作飞刀。缩短距离后,将其投掷出去,首先不必担心会被避开。但是...玲子冷静地评估了与奈良村之间的距离。在这个距离下,如果太过鲁莽下蹲,就有被Tackle撞击的风险。在下蹲时被撞击时,可能无法避免。玲子谨慎地考虑了下一步,并推测了奈良村的眼神。尽管这个视线似乎面向着玲子,但超过一半的关注却是对刀子。哦,对这把刀这么执着啊。好,很好。对于这个刀,我并不需要强行亲自拾起它。我就用这只手吧!玲子已经预测出奈良村的行动,并进行了更大胆的挑衅。"嘿,你不是没有子弹了吗?你这么想要这把廉价刀回去吗?"玲子嘲笑着,一边用靴子底搓着刀一边说。"好啊,这种廉价物品,我会归还的。除此之外,我还会吐我的口水在上面!"玲子多次咂唇,储存了足够的口水,然后移开靴子,朝着刀柄啪地吐了一口口水。口水哗啦哗啦地覆盖在刀柄上。"你看,是我的口水脏脏的刀子,我回收到了呢。"玲子嘲笑着踢了刀到奈良村的脚边。"可恶的混蛋..."奈良村犹豫了一下。沾满口水的刀。平时他是绝对不会碰触的。但现在...一眼就能看出来他已经没有时间去抹去它。奈良村半闭着眼,拾起了刀。嗡嗡...玲子口水的感觉传到奈良村右手。太...太肮脏了,这种肮脏的东西,竟然让我碰... "啊啊,吓死我了!连口水都沾的刀子也拾起来了!赶紧走!果然,你和其他人不一样嘛!看啊,你这么喜欢口水,过来让姐姐给你吐上一口吧!"玲子噘起嘴唇,浮现白色的口水,趁机挑衅,奈良村只剩下微薄的理性去阻止了它。
「て、て、てめえーっっ!こ、殺す、ぶっ殺す、カンペキに殺す!!!」奈良村大喊大叫着,手中抓着涂满玲子的口水的刀,向玲子扑了过去。他已经没有什么战术可言,只是盲目地、用力地挥舞着刀,朝着玲子的脸猛砍。真是蠢到家了。这把刀并非日本刀,它的战斗方式崇尚刺杀,而不是砍杀。砍杀只能被视为拙劣的使用方法。如果是大型的短刀,例如砍刀,那还好说,但是像达克刀这样短的小刀,由于其短小的长度,使用砍杀就无法发挥完全的威力。此外,如果从大挥击中挥下来,那就有了漏洞,而玲子的腰带正好成为了一个完美的目标。
“唔,你上当了。你这个笨蛋,甚至不想去想一想我为什么要往刀上吐口水。这样的智商,与我相抗衡需要一亿年和三天呢!”玲子冷静地躲过奈良村的刀刃挥击和反手攻击,完全占据了距离和速度的优势。然后,她再一次向后拉开,做好了下一次攻击的准备。当奈良村向下挥刀的时候,玲子也快速地向后跨出一步。她的腰带也随之回响。砰!这一次,玲子从下面向上挥出腰带,巧妙地砸中了奈良村的右手。即使紧握刀柄,也无法忍受腰带打击的剧痛。加上奈良村手上的刀柄已经沾满了玲子的口水,这个刀柄比通常情况下还要滑。
“看来你也很在意这把刀嘛。我会还给你的!”玲子在动态和反应神经方面都远远超过奈良村,当刀柄离开主人的手,旋转在空中时,她迅速伸出左手,以最佳角度抓住了刀柄。确切地说,是以投掷的最佳角度。
当玲子接住刀子的同时,她优美地弯曲了左手,借力把刀子投掷出去,刀子破空、呼啸而过:“轰!!!”。玲子掌握了剑道和鞭术,所以完全是左右开弓的剑手。她的左手具有远非普通男子能比的矫健。玲子利用刀子划出银色弧线,刺中了奈良村的右脚脚背。刀子贯穿了奈良村的鞋子,穿过右脚脚背,刀尖伸展出来,直接刺向脚掌底下的表皮:“呜!!”奈良村发出野兽般的惨叫,反射性地想拔出刀子,结果只是蜷缩着疼痛昏迷. 趁着奈良村蜷缩的瞬间,玲子的长右腿如闪电般破空,“哈”发出烈昂的咆哮声,朝奈良村下巴一脚踢去。正当玲子的右腿接近奈良村时,她突然向后扭动脚踝,同时脚尖因此高高翘起。这一瞬间,玲子施加了脚腕的力量,使脚尖处的硬鞋部分作为利器,狠狠地将爪子踢向奈良村的下巴。融合了脚速和踢脚反弹的迅速踢踏,甚至连道馆都禁止使用的爪部踢踏,在硬实的鞋鞋部分撞击伤害。“嗯!!”奈良村被踢晕过去,脖子往后一仰,向后垂直一落扑倒在地上,身体颓然动弹不得,并发出闷响声与身体痉挛,“嘶嘶”声层层传出,他的意识完全消失了。
“哪, 奈良村!”坊野的噩梦再次在眼前出现。奈良村也跟着檢見川、須崎倒下了。而且,奈良村不是手無寸铁,拿着得意的刀却被轻易击败。坊野感到寒意透过背脊一直传来。难道连我也会受到女人的攻击吗?如果我们的Snow Crack被女人打败的事传开,我们就再也不能走在街上了。坊野为了挥去恶梦和胆怯,用力地摇着头,大声说道:“我,我这家伙!别瞎想,我怎么可能输给女人啊!肯定是KiMi他们被女人打败就大意了!我一定死也不会输的!”坊野深吸一口气,重新握住金属球棒,“你们这些家伙,已经惹怒我了。忘了关于强奸的事,我会狠狠惩罚你们!啊,糟糕!灵子,有麻烦了。我们不想被打倒你们的头,对吧?”“那是理所当然的!对了,Reiko,我留着最后一个吧。我把对方的即将到来的献给Reiko,那么请享受吗!”扑啪!礼子笑着挥舞着皮带朝坊野走来,“你听说过吗?我会虐待你的。来吧,让我看看你的样子!”“你虐待我?我才是应该脱口而出的话!你这个小破孩!”坊野满腔怒火几乎昏倒,高喊着“别动,我要把你杀了!”他用双手紧握球棒,向礼子劈头扑去。尽管速度惊人。如果击中头部,肯定会将其击碎,即使用手臂挡也可能只会折断。礼子的力量即使用带子挡住也无法避免被摔倒。但这仅仅是“如果能击中”的局面。对于曾经是剑道高手,掌握了绝对的断击技能的礼子来说,坊野球棒的动作实在是太简单了。没有任何伎俩,只是靠力量来挥动。即使是有怪力的坊野,球棒也有特定的重量,不可能像木刀那样自由挥舞。一旦开始挥动,就无法在空中进行轨迹修正等调整。对于礼子来说,看破这样的球棒动作实在是再简单不过的事情。
嗯,这就是您的能力吗?如果只是这个水平,我什么时候都能做饭了呢。那笑容嘲讽的出现在礼子的嘴边上。不过,无论如何,坊野的力量确实是惊人的。礼子不强求,从容等待着坊野失去速度。这么用力,辛苦了。但是那股劲头,能持续多久呢?您已经是最后一个了,没必要慌张。慢慢来吧。空振打击比击中对手时疲劳多倍。加上沉重的球棒、酒、香烟、毒品等不健康的习惯,坊野的体力自然无法持久。正如礼子所料,仅仅外出几次便已经失去了坊野的力量。差不多可以结束了。一直专注于躲避的礼子重新握紧了腰带,“不、不要逃……”一边喘着气,坊野试图挥起球棒,礼子则反击,“高!”礼子带着气势挥动腰带。扔向坊野脸前的球棒,被礼子用手指突击枪弹性质的腰带反弹了回来,来回抽打着旁枝末节。“疼、疼!”坊野获得防御本能,拼命躲避着,试图掩护头部。但礼子的目标不是那里。指甲划过球棒的正面并反弹一次,礼子斜着腰带转了一圈,最终用球棒狠狠地击中坊野的右膝盖。“砰!”听到殴打骨骼的声音,坊野实在难以忍受,“嗷!”她试图推到鸡尾酒柜,但礼子没有追击。可以通过!不,还没完。如果是木剑的话,那另说。但配合球棒来二刀流的话,我的速度也会降低。另外,坊野还没有完全停下来。还是先让他感到疲劳更好。……好吧,我会还棒的。如果轻易地迫使对方陷入困境,就会像折磨一样无聊。等到把坊野的余力全部消耗后,再结束比较好。“哇,好痛啊……没事吧?如果现在用两把剑一起攻击的话,就好像我在欺负他一样呢。那么,玲子也给奈良村放了一个机会,我也要把这个球棒还给坊野先生。”卡嘎,礼子毫不在意地在坊野脚下滚动着球棒,“可、可恶……你、你太猖狂了!”
坊野和奈良村一样,完全被礼子牵制住了。无论如何,对手是男性,对于礼子他们来说,坊野们仍然是危险的敌人。而且,自己受伤了,这样也不好。那怎么办呢?挑衅并使对手失去冷静是最好的策略。此外,礼子们的武器是腰带和鞭子。在使用鞭子作为武器战斗时,最大的策略是保持心理优势,瞧不起对手并攻击对手的同时不失去冷静。如果被迫防守,鞭子便显得不够强力。所以挑衅和侮辱是礼子们战斗的必要策略。
坊野捡起棒球棒站了起来。虽然右脚有些摇晃,但还没有站不起来的程度。"可,可恶...你们居然敢这样对我..."坊野几乎因愤怒而变得脸色苍白,向礼子逼近。能够看到他握棒球棒的手更强了。坊野逐步缩小距离,而礼子却冷静地等待着他,脸上带着淡淡的微笑。 "啊啊,坊野先生,你不应该这么僵硬,这样会减缓速度,对方也更容易看清你的动画。"但你还是吃我一拳吧!"坊野缩小了距离,用一只大的棒球棒挥动,然后回应他的反冲,在侧面用袈裟打击礼子。礼子闪避了这一招。"什么?你还有吗?"坊野的球棒没有停下来。他没有休息,然后用逆凉性夹击袭击礼子。礼子闪避了这一招。 "哎呀?还打吗?坊野,你下了挑战!不过...我真搞不懂,为什么你单凭力量攻击别人的身体,这么笨的战术,难道你的智商哪里有六十以上?你是不是连大脑也变成了肌肉?难道你要去日体大吗?"坊野全力冲锋,全身心,不管礼子如何躲避,他都紧追不舍。他几乎没有呼吸。无限的全力冲刺和严峻的速度使棒球棒在自己周围粉碎了所有东西。
坊野确实有一定的战斗技巧,也是一个职业摔角手。在如此强大的棒球棒面前,一些技术问题似乎并不重要。他们能用力量一举击溃对手,在对方还没有反击的时候袭击并控制对手。礼子苦笑着,但这也是一种正确策略。在大多数情况下,他们可以击败对手,实际上,当坊野使用此技术时,他将所有对手都淹没在了血腥的海洋中。但坊野也错过了一些重要的因素。在这个工厂,自己把礼子们带进了此情报,装备足够宽敞,礼子能够自由地使用跨步踏在地上,并有足够多的空间躲避坊野的猛攻。过去的对手都会抵抗或试图反击,所以无论如何,坊野都能用棒子打击到他们。但礼子在速度、身体的柔韧性、运动视力和感觉等方面均优于坊野,完全是在避免攻击中度过的,这样,他几乎不可能抓住她。虽然坊野被兴奋所冲昏了头脑,但被棒球棒击中的右膝已经受到了严重的损伤,追击速度比平常慢。此外,人的活动是有限度的,无氧运动的极限是一分钟,之后人体就已经到达了极限。
「ゼハッ、ま、待ちやがれ、オラ、チョコマカと・・・」坊野的全身肌肉乳酸值急速上升。礼子冷静地观察着坊野的球棒速度急剧减弱,呼吸却急速加快,就像成反比例一样。嗯,很好,差不多到时候了。看起来供氧能力已经追不上了。虽然坊野可能没意识到肾上腺素过度分泌,但速度已经大幅降低了。你没发现挥棒晃动得很吗?...礼子突然停下脚步。机会来了!我终于抓住你了!你也疲倦了,已经逃不掉了吧!?判断能力因极度疲劳而减弱的坊野认为礼子已经像他一样累坏了,脚动不了。他甚至没想过这可能是礼子的陷阱。 "咔,尝尝这个!!!"他兴奋地高举球棒,全身力量充斥,以空前的气魄挥下棒子,企图将礼子打倒。
嗯,当坊野充满胜利确信时,感受到礼子的头骨被他的双手压陷的瞬间,礼子突然向右后方收回身体,带著左右踩的小步移走,当然趁势避开了坊野致命的一击。啪......坊野全力殴打地板,感到双手发麻,同时感觉到一只黑蛇一样窜到了他的眼前。“啊!”坊野尖叫著,礼子已经躲过了球棒,巧妙地利用了反弹,用摆手打出后手刀。她的目标是......坊野的眼睛。她全力挥下球棒,礼子的腰带准确无误地抓住了坊野身体无保护的双眼。“哇啊啊啊啊!”坊野因为极度疼痛而不自觉地放下球棒,双手捂住双眼。“啊啊啊!”但礼子根本不会给他沉浸在疼痛中的时间。
"哈!"礼子迅速拿起球棒,对着无防护的坊野,猛地刺入他的屁股。因为看不见,坊野不知道接下来从什么地方会攻击到,完全没有防备。在突然的痛苦中,礼子冷酷地进行了再次打击。她举起握在左手中的球棒,迅速获得了充分的速度,并狠狠地击打了坊野的右小腿,受害人的软肋。球棒准确地击中了坊野的骨头,啊,那个感觉,我折断他的骨头了吗?精彩的感觉让礼子全身舒畅。 "呜啊啊啊啊啊!"虽然这只是一个女孩子的单手一击,但重重地击打了小腿骨,还是难以忍受的疼痛。由于鸽尾和脚的极度疼痛,无意识中双手下垂。虽然这些手一直被视为头部的防护,但现在完全没有用了。此外,两眼开始发蒙,见得十分不清楚。就在这时,礼子正好等待着这个机会。
隙あり!" 礼子鼓起全部的勇氣,抽起擊球手套,在強烈的腰帶一擊中,瞄準依然是坊野的眼睛。啪咕!聲音響起,"阿啊!眼睛!眼睛啊!" 礼子熟練的鞭子迅速捕捉住坊野的眼睛,並且完美地擊打下去。坊野的痛苦非常劇烈,他用雙手摀著眼睛,痛苦地在地上打滾。礼子步步為營地靠近坊野,她沒有任何焦躁不安。實際上,她甚至沒有虐待坊野的意圖。她只是想合理、確實地打倒他,不帶任何風險。然而,礼子对坊野的痛苦并没有任何考虑。
"阿啊啊啊!" 坊野仰面倒在地上,手臂無助地四處打滾,礼子擡起左手持著球棒,再次向坊野的鳩尾狠狠一擊。"乾,咳崩!"坊野的右手陷入太空,她需要再下一步。礼子再次擡起球棒,向抓住坊野鳩尾的右手再次猛擊。"喂...!太痛了!誰在那兒!"手掌是人體的一個急救點,骨頭被球棒粉碎了,讓坊野左手失去了重力,掉到右手,成為她的一次獨一無二的機會。礼子的右手閃身,皮帶再次打斷了坊野左右兩側的耳朵。"阿巴啊!"头脑不僅疼痛,而且像炸彈爆炸一樣的衝擊波震動了腦袋。耳朵可以是一個重要的打擊點,即使是空手,如果打得精準,也會對摔倒的敵人造成嚴重的打擊。當然,用皮帶重重地敲打在這個部位,坊野簡直無法忍受。
"……"坊野發出最後一聲慘叫,他的嗓子都沙啞了。他無力地躺在地上,甚至無法分辨自己是在蠕動,還是在抽慣性。"哇哇哇!!!"最後的慘叫消失了,礼子的聲音代替了痛苦的坊野。
“‘グヴェーーーッッ!’”突然,坊野被突然夺去呼吸的时候,发出了一声像空气漏气般的悲鸣。就算想要发出绝叫声,突然袭来的喉咙剧痛也让他无法正常喊出声来。“‘グギェーーーッ!’”设置计划杀掉坊野的礼子穿着一双棕色靴子的右脚踏在了坊野的喉咙上,关闭呼吸并试图割断他的意识。在极度的疼痛和痛苦,活着不如死的折磨中,坊野拼命抓住了礼子的靴筒,像是试图支撑住自己的生命。他的样子就像是在顶住礼子的脚。一瞬間,礼子脸上流露出困惑的神情。啊,我以为已经给他足够的伤害了,难道我的计算错了吗?这样抓住我可能会有麻烦呢…但是,冷静地俯视下面,礼子看到坊野抓住她靴筒后,脸上只露出为了求生而挣扎、明显的苦痛表情……嗯,没关系的,再来一把致命伤吧。好的,坊野,就这样握住我的靴子。不要防备什么,我会轻松解决你的。 “‘ギュァッ!・!・!’”坊野的惨叫声变得更加痛苦了。礼子一边让坊野握住靴子,一边将自己的左脚踩在坊野的喉咙上,双脚并立。坊野完全呼吸不到空气,视野变得一片漆黑,眼前闪烁着星星点点。在他失去意识之前,礼子已经将所有力量都压在了他的喉咙上,使他彻底无法动弹。坊野已经看不到任何东西了,甚至看不到礼子正在一只穿着硬底靴子的脚,高高抬起,准备践踏他的胆小样子。最后一瞬间,坊野的脑海中浮现出的画面是……依旧流露出温和微笑的礼子。 那…那怎么会这样?慎治四人目瞪口呆地看着工厂中发生的惨案。这怎么可能……坊野他们居然被打败了,而且甚至都没有还手之力,只是被单方面地攻击。 “怎、怎么办…嘿,怎、怎么办啊?”面对如此意外的情况,慎治结巴地自言自语着。 信次同样没有答案。他期望看到的是,玲子四人被轮奸并哭泣的样子。但结果是,哭泣着,而四名SNOW CRACK的干部全部浑身是血地倒在地上,已经昏迷。 “怎、怎么办……”突然,信次意识到了一个可怕的事实。他们差点被轮奸了,玲子可能会报警,如果在四周寻找的时候我们被发现了!!! 害怕!不是害怕警察。如果被玲子发现了,我们的身份作为委托人可能会被暴露!!!害怕被杀害!!!“慎治…糟糕,危险!”慎治几乎与信次同时意识到了这一点。 “嗯,危险!快跑!”但这时,从身后传来的声音冻结了慎治等人的心脏。“信次,不可以离开。我们应该慢慢享受这个过程。”啊!两个人想要大叫,同时回头,发现站在他们身后的是真弓和里美。
原本为日文:
原本为日文:もともと暴力礼賛、M的快感への目覚めは皆無の「レイコとシンジ」ですが、SM、或いは苛めといった限度を取り払ったら、そこから先はむしろ拷問、処刑の領域に接近すると思います。
则对于素人的玲子等人来说,暴力,换言之,能够给他人带来痛苦的极限在哪里呢? 我想试试只用身边的工具进行拷问的效果。
「レイコとシンジ ―復讐するは我にあり:中編―」
「え,你们怎么在这里!!!」 「从什么时候开始!?」 慎治他们的尖叫声响起。 慎治们全神贯注地观察着出现在眼前的意外景象,完全没有注意到背后正逼近的真弓和里美。 真弓看着慎治满脸惊慌的表情,觉得很有趣。“虽然我们很想知道你们为什么在这里,对吧,里美?” 「确实啊。 我们受到玲子的委托来的,你们知道吧。 那个良治老师是玲子们的家庭教师,所以他们开车把玲子们带到这里来,我们也一直在追踪他们,以防万一。 然后,因为玲子的预料,他们就把玲子带到这里来了,我们也跟着追来,在这里找到了可以看到内部情况的视角。” “是的,如果连袭击者都非常强大,玲子们处于危险之中,玲子叫我们立刻叫警察的话,所以我们想从二楼看到内部情况。 但是,我们没想到会有突然的客人,这就是结果了。嗯,良治老师们好像在外面准备了木刀和另一种武器,随时都要狠打袭击者,如果袭击者到来,他们会在警察到来之前把袭击者击败的。
哎呀,这太糟糕了。一切都被读出来了。真是可惜,明明已经诱导玲子她们到这里来了,但从一开始就是徒劳无功。玲子她们就算能够自力摧毁SNOW CRACK,那也已经足够了;如果被打败了,就会马上打电话报警,让人来救。无论结果如何,我们都没有机会复仇。 ..... 慎治和良治的脑海里浮现着肌肉强壮的形象。他们锻炼了十二分的巨大身体,空手三段,剑道二段。虽然他们还没有参加比赛,但如果用木剑或铁叉,就无法在街上被碰。无论你怎么说,只要是普通人,即使准备了刀子和球棒,也没有任何意义。这四人很快就会被击败。玲子的认真准备远远超出了慎治们的想象! ..... 看起来,Mayumi和Satomi都穿着皮夹克,牛仔裤和靴子,似乎随时准备参加战斗。但这些都不重要。重要的是玲子她们的阴谋已经全部暴露。慎治的心脏在喉咙里翻腾着。他的膝盖在发抖。他的胃脖子在疼痛,下腹部也像被紧紧捏住。恐惧使他无法站立或坐下。 “啊,啊啊......” “不、不是!!!” 两个人反射性地想要掩饰,但以绝对的证据面前,他们自己也无法去自欺欺人。 “不、不是......啊,巧、巧合,你看,这只是巧合!!!” “对、对,对呀,我们无意中......)。 真弓轻轻笑着看着他们。你们太蠢了,在现场被逮捕后,现在的辩解已经太晚了!
“嗯,你想帮忙对吗?好吧,那我就这样让你吧。然后,告诉玲子她们在这里发现了两个曾经想要成为白马王子但失败的人。偏偏你们这些经常欺负他们的人来帮助他们,这不是一件感人的故事吗?玲子也会很高兴的吧?或许你们也不会再欺负他们?”里美从皮夹克口袋里拿出手机,用手指转着搭扣。
“这、这就是!?”慎治们陷入了慌乱。被玲子她们发现了!这意味着死刑宣判。如果被发现我们在这里的话,一定会被杀的,绝对会被杀的!不行,我不想死!”
信次下意识地跪在里美的脚边。“求求你,放,放过我们!!!”
慎治也恢复了理智,紧紧抱住真弓的靴子。“救救我,求求你!我们什么都愿意做,默默地把我们的事情藏起来,拜托了,我们会被杀的……”
他们已经无所谓羞辱与脸面了。两人都会流泪和口水,满脸凌乱。真弓和里美虽然比玲子、朝子差一点,但她们都是受过空手术训练的,眼中的信次和慎治无疑是高高在上的。尤其是信次,由于在组合中经常被踢打,他深深感受到自己的软弱和真弓的强大。首先,逃跑对他们没帮助。即使他们逃离了这里,真弓很快就会向玲子告发。结果就一样了。为了逃离这种危险,信次和慎治必须杀死真弓,只有这样才行。但是,两个连杀害遭到欺负的玲子都没有勇气,也没有这样的决心。他们只能哀求。无能为力,但是如果什么都不做,他们就会发疯。两人只能继续绝望地哀求,像自慰一样,舔着真弓的靴子。
真弓俯视着两个匍匐在脚下的人,咯咯地笑。“傻瓜,你们觉得别人会原谅你们吗?真是傻啊。哈哈,但是看到这两个惨叫的样子,有点有趣呢。现在,我们要继续欺负你们了吗?你们甚至可以喝我们的尿。"
但是当真弓和里美看向楼下时,更残忍的冷笑浮现在两人脸上。里美轻轻把靴子踢起,顺着信次的下巴抬了起来。“虽然哭也没关系,但现在下面好像有更有趣的事情要开始了。嗯,我们可以一起去观看…我们会晚点再打电话给玲子的。” “
面,有趣的事情?尽管有不良感觉,信次还是不敢反驳地望着楼下,他的目光开始冰冻。
礼子在防野给予了最后一击,一楼只有礼子他们四个人。防野们全部失去了意识,到处都是慵懒地伸展着身体。“呼~搞定了。干得好。”礼子松了一口气,并回头看着大家说。“辛苦了礼子,攻击得很好呢。想到了眼击鞭这个技巧。”“谢谢,其它人都很出色,玲子的那把刀控制得也不错啊。你们练过投刀术吗?当然玲子制胜的不是那把刀,而是在那把刀投出前的唾沫。朝子和你一样,在使用靴子时也用膝盖进行了制胜,不过那个唾沫攻击真是绝妙的点子。”“啊?明白了。对了那确实是唾沫啊。虽说唾沫攻击是富美的绝活,但有时候也应该一试,所以我也用了一次。”礼子等人的话突然停了下来。在投来视线的富美代脸上,露出了释怀的笑容。“不,大家已经不用再担心我了。已经对前辈什么的毫无所谓了。比起这个...”富美代说到这里突然停了下来,环顾了一下礼子等人。“...谢谢,真心的感谢。不然的话,要是没有大家来帮忙的话我可能就在这儿结束人生了。谢谢!”好的,富美小姐已经没事了。礼子等人脸上流露出释怀的表情。这时,玲子拍了一下手。“休息结束了,今天还有很多要做的呢。礼子,帮帮忙!”“什么,要做什么啊?只要叫警察,交给防野那些人就完了,不是吗?”“没错,我当初也是这么想的。可想想,他们为什么要坚持四对四呢?不认为只是瞄着了富美小姐吧。那礼子和富美小姐,这两个可爱的女孩子被绑架了,邀请礼子她们两个参与抢劫,之后再轮奸也不迟。可他们为什么要坚持四对四呢?就算说是轮奸,人数多了反而更麻烦吧?他们应该有什么理由在里面。所以我们必须问清楚。如果只是把他们送去警局,我们也许不会解决事情的根源,而且他们可能再以别的方式袭击我们。所以我们必须找出原因。”“...这有点奇怪呢。不过就算我们问了,他们会老老实实地回答吗?”噗!玲子不由自主地大笑了出声。“礼子,想一想。这不仅仅是为了我们自己的安全...呜呜呜,显然这些家伙绝对不会老老实实的交代。所以,我们只能不择手段地逼问他们了。对不对?那...”礼子的背后传来刺激性的电流。“...这就是拷问...呐...”“真是个好答案。啊啊啊,我们弄伤了信次那些人,那只是恶作剧和折磨而已。而这...这就是拷问了。对吧礼子?真·正·的·拷·问。礼子,你期盼的不就是这个吗?不是开玩笑,我们有正当理由进行拷问,对方也是真正的罪犯,拷问是理所当然的。迫使罪犯坦白自己的罪行,是正统的...当然,这种情节正好是拷问的典型吧。礼子,你觉得呢?”礼子的美貌上浮现出可怕的微笑。这是充满了酷虐、冷酷和残忍的微笑。“玲子,你真的太棒了!真·正·的·拷·问!!哦,真是最棒的情况!这种机会可不会多啊。拷问拷问,今天可以成为最棒的一天!富美、朝子,你们也要和我一起进行对吧?啊,不过”,礼子突然咯咯笑了起来。“如果你们讨厌的话,那我就不强求了。我会代替你们进行大量的拷问!...礼子,你个小淘气!自私独占不好哦,对吗,富美?我们也想拷问!?”“当然!最初拷问的权利是属于我!”
“好的,话已经定了。礼子,你来帮忙吧。趁他们晕倒的时候准备一下!”
“准备?做什么?”
“嗯,一般来说和礼子虐待慎治时差不多。为了避免他们在拷问中挣扎或反抗,我们要彻底束缚他们,我已经准备好绳子了。现在趁着他们昏迷的时候好好绑起来。”
“用绳子绑?准备周到啊。玲子是不是把拷问也列入计划了?这个欺负人的女孩子……”礼子感觉自己的残忍欲望有些控制不住。其实应该说是破坏冲动更为恰当。她要折磨和击垮大家的身心,挑战他们的极限。她虽然在虐待慎治等人的时候注意留下永久性的伤害,但这次完全没有必要。她该怎么折磨他们?他们会发出怎样的悲鸣声?谁会发出最大的哀号呢?如果毫不留情地折磨他们,他们会怎么抽搐呢?她很兴奋,但也感到害怕。她的身体从内心深处燃烧到了极点。当她打算用绳子把他们绑住时,礼子的手突然停了下来。
“对啊,今天要进行拷问。虽然平时我们虐待他们只需要绑住就行了,但这些人比慎治等人更有力气。我们必须更加谨慎,让他们无法反抗。”
“嘿,玲子,要是把他们绑住了,他们会不会发疯地挣扎?只是用绳子绑可不太保险。怎么能让他们无法抵抗呢?”
“确实,只是用绳子来绑不太放心。但该怎么做呢?礼子,你有什么好主意吗?”
“嗯。关键是,即使在拷问中绳子松了,也要确保他们一动不动。在他们被绑起来之前,我们要把他们的肩膀和股骨都拆掉,然后再把他们绑起来。这样一来,他们的手和脚就没有力气,绳子绝对绑不开。此外,即使什么事情发生了,就算绳子松了,关节已经脱臼,他们甚至无法站起来,所以没什么好担心的。当然,把关节脱臼这件事本身也是一种折磨,但如果他们醒来后知道了这一点,那就会更麻烦。现在他们都昏迷睡着了,尽快做完这些事情吧!”
哦,我明白了。真不愧是礼子!确实,如果拆掉他们的肩膀和股骨,他们就完全无能为力了。然后,剩下的便是我们所想象的了!
“好的,那我和奈良村先生还有須崎先生各自负责一些。礼子,你和坊野先生还有検見川先生来准备吧。”
嫌恶的声音反复回响着。礼子和另一个人抓住了四个人的手臂和腿,无序地依次解开关节。即使礼子是武道大师也不是在实战中解开对手的关节那么容易。对手也是活生生的人,会拼命反抗和逃跑。但是现在,坊野四个人都完全失去意识和防备,这样做起来很容易。礼子像折断鸡毛一样轻松地解开坊野的关节,每个人四次,合计十六次,发出关节被解开的声音。在解开了所有人的关节后,玲子从包里拿出四根绳子,把其中两根交给了礼子。“那么礼子,就拜托你了。把手脚好好叠在一起绑起来吧。”由于肩膀和髋关节被解开,奈良村比平常更加灵活,将两手两脚转到背后,然后严密地把手腕放在膝盖后部,把肘放在脚踝下面,将左右的手臂和腿紧紧地绑在一起。玲子他们擅长绳索工作,用一种绝对不会松开并且紧绷的方式进行牢固的束缚。在SNOW CRACK仍然完全失去意识的情况下,折磨的准备已经完全做好了。这样严密地束缚,绝对无法反抗。首先,四条手腿都被解开了。连翻身都做不了。看着准备完备,朝子像往常一样一脸茫然地问道:“嘿玲子,虽然折磨挺好的,但仔细想想,今天我们什么鞭子也没带来?我们怎么办?没道具,能折磨吗?”“切切……”玲子摇了摇手指。“朝子,不要想得那么麻烦,即使没有那种夸张的道具,还是可以让他们受到足够的痛苦的。例如他们,已经准备好了刀和棒,只要使用这些就足以折磨了。嗯,不是简单地刺或切,而是如何创造性地考虑折磨的地方是我们的一手好牌!”“对,朝子和富美也要努力啊。我们已经很少有这样的机会了,尽情地想象一下有趣的折磨。”确认了绳子的情况后,礼子回头说:“嗯,是啊。在开始拷打之前,我们也可以做一些铺垫。”“铺垫?要怎么做?”“嗯,在折磨他们的时候,如果只是让他们稍稍受点伤,他们就会很快交代了,那样有点让人失望。所以,我们要让他们对我们充满反抗意识,这样他们就会反抗到底,这样他们的反抗态度也会成为折磨的最大乐趣之一!”“好主意,礼子就交给你了!好啊,我们也要配合。”礼子慢慢地接近每个猎物,活动了他们的身体,让他们恢复意识。“呜……呜呜……”在坊野艰难地呼吸时,恢复了意识。“啊……”由于失去了意识,忘记了疼痛。但不仅仅是疼痛。整个身体似乎都不自然地紧张着。“啊……”坊野无意识地试图移动他的手臂,肩膀感到了剧痛。动不了。手臂完全无法动弹,肩膀和腿之间也感到了剧痛。拼命地摇头,发现自己的脚和手完全重叠在一起。什么???绳子?他被绑起来了吗?
“你醒了吗,坊野先生?”礼子小心翼翼地拍了拍脸颊,坊野望向她,礼子美丽的脸庞俯瞰着他。而拍他脸颊的是礼子棕色靴子的鞋尖。“你睡得真沉啊。我都等得不耐烦了。”
“你,你给我记住了,一定,一定会报答你的礼物!”
“噢,好可怕啊。不过你最好先看看自己的处境再说话。”礼子抬起右脚,慢慢地踩着坊野的脸。脸颊、鼻子、嘴巴都被她慢慢地践踏。“呜,啊,呕,呕呕,停下来!”面对女孩的靴子践踏,坊野尖叫着试图避开。但他被两手紧紧绑起来,并且无法动弹的身体里,无论他如何避开,他的脸都像被碾压在礼子的靴子上一样。“哈哈!你那么喜欢我的靴子吗?坊野先生,你难道是变态?你不是黑帮成员,偷偷跟着我是因为想要被我欺负吗?嘿,周末难道一直在秋叶原晃荡吗?”礼子不停地笑着,继续踩踏着坊野的脸,更加折磨着他。“快承认吧,我们SNOW CRACK是你们家的跟踪狂群体,是不是?哈哈哈哈哈!听话点,求求您了,请欺负我吧!嘿嘿嘿嘿!”
“混蛋,不,不要呕吐!我们,我们不会忍受被你们SNOW CRACK欺负的!”坊野满嘴大叫着。他的四肢关节已被卸下,被严密绑起来。他唯一能够做出的抵抗就是毫无用处地高声呼喊。
“该死!把、把绳子解开啊!”砰砰砰——礼子用靴跟的角轻轻敲打着坊野口中乱叫的地方。牙齿和嘴唇都是没有肌肉直接和神经相连接的敏感点,即使是轻轻用靴跟碰上也会很疼。“好了没关系,塔基君,就别再欺负他了。我对你家不感兴趣。如果你们想欺负人,那么就欺负点更可爱的男孩子吧。”礼子切断了自己的话,双眼闪烁着阴险的光芒。“所以我会原谅你。但是请诚实地回答我的问题好吗?塔基君,你们为什么袭击我们?你们这些家里的跟屁虫们,怎么会胡乱想要袭击我们呢?难道是被某人指使的?得承认,这样的话我就不再欺负你们了。所以说,到底是谁让你们来的?胡说八道的话你们要承担后果的哦。” “放开我!” 话刚一落,坊野又开始狂叫。“放开我吧!你们这群家伙还打算怎么欺负我啊!” 礼子轻轻踩住靴子,目光注视着喊叫着的坊野。“你还是很有精神啊,塔基君?但是,我问的问题你最好还是诚实回答吧。如果你不想回答,那么就让我好好地问你,直到让你哭泣恳求为止吧。再次询问,如果你不诚实回答我的问题…我会进行拷问的哦?!” 拷问——瞬间,坊野的眼中浮现出惊恐和恐惧。对方刚刚还遭受过自己严重的伤害,而且对这种手段还有着深入的了解。再加上自己现在被极度束缚,动弹不得。那么到底会遭受到什么样的折磨呢?混蛋,我怎么会这么胆怯呢!那个对手只是个女人而已啊。自己不是经历过多次的打斗吗,被殴打并不算什么呀!被这种女人殴打也不用感到害怕的啊! 坊野拼命强迫自己振作起来,抬头狠狠地盯着礼子。“你是想威胁我吗!你在不断威胁这个坊野!你以为我是谁啊!不要藐视我!我不会配合你的问题的!就算你打我,我也不会向你们道歉!” 话语一落,坊野身后传来一阵冷冰冰的感觉。礼子正在微笑着。那美丽的脸上浮现出来的笑容,毫不让人感到亲切和友善。总觉得这张脸在哪里见过。没错,就是在对那些被绑架的人进行问话时的表情。尽管看上去善良美丽,但是却充满了令人不寒而栗的说不出什么道理的恶意。 “你说得好,塔基君?可以的,请自己行动。我现在就可以折磨你哭喊求饶。乐趣之所在在于看你保持着的勇气,有多久能坚持下去呢?”
在一旁,玲子也在挑逗奈良村。「嘿,應該醒了吧,小白(Tamanashi)?現在是大人的時間了哦?」玲子輕踢了一下意識逐漸清醒的奈良村的臉頰。「...呃,呃呃...你,你該死的,刺了我...記住了...絕對要殺了你...」
「哦,小白,你的腦袋太輕了吧?也許你的腦子裡皺紋一點都沒有?你還不知道你的細胳膊打不過姐姐嗎?你這個沒學習效應的孩子。那麼,你還不如猴子哦?是要從幼稚園再開始學嗎?」玲子用童言童語取笑奈良村,讓他氣得大喊大叫。「你這個該死的女人!!!別開玩笑了!!你以為我會回答你的問題嗎?!」
「問題?你在開什麼玩笑?把你可惡的腳移開!!你這樣做的話,我就會殺了你!!!哇!!!」奈良村的尖叫聲被玲子的靴子踩踏著。
「好了,小白,別在房間裡大喊大叫了。你聲音這麼大,我們聽得很清楚哦。那麼,現在是姐姐問問題的時間了哦。」
「問問題?你在開玩笑吧!把你這個垃圾的腳移開!你以為我會回答你的問題嗎?!」玲子用力踩了奈良村的臉頰。「小白,你真的太蠢了!你知道嗎?你現在被姐姐打敗了,現在你被綁住,根本沒有反抗的能力!」玲子在移開靴子後,從上方俯視著奈良村。「你要好好聽姐姐說話,否則...你就會體驗到痛苦了哦?」奈良村的背脊感到一陣寒氣。玲子的目光不僅殘忍冷酷,還有折磨弱者的快感。但玲子的目光不僅如此,還散發著更遠的邪惡氣息。邪眼,邪惡的眼神會將對方帶入毀滅。玲子的眼睛是長而細的,讓奈良村完全被吸引。為什麼我會盯著她看呢?這個女孩在逼迫我。玲子從上方俯視著動盪的奈良村。對玲子來說,這個情景再熟悉不過了。呵,是啊。這樣的害怕最適合你了。
「明白了嗎?我來告訴你吧。你得老老實實地回答我們的問題。否則...我就讓你嘗試真正的痛苦。不像你們做的那種小孩子騙人的人肉體驗,真正的折磨。」
如果从让人毛骨悚然的角度来看,须崎也感到了寒气从背脊处传来的不适。眼前俯瞰着刚刚恢复了知觉的须崎的人是早子。早子仍然带着一副茫然的表情,带着天真的微笑,向一边歪了歪头,“没事吧?鼻子好像被弄扁了,但是可以呼吸吗?”虽然显得非常担心,但与此同时,早子只用靴子的尖子去戳了戳须崎的下巴。早子正好踢到须崎的下颌,引起了剧烈的疼痛,“疼,呜呜呜!你,你在干什么啊!?”“啊,别生气啦,我已经没有什么别的想法了啊。只是担心你的下巴究竟怎么样了呢,只是来确认一下而已啦。”早子这样说着,还在不停地戳着须崎的下巴。
“疼,不要了,停止啊!!!”只是喊了一声,他的下巴就传来了疼痛,须崎全身颤抖着。早子只是抬起了一只脚,观察着须崎在自己面前呻吟的样子,看上去非常有趣。这与玲子她们欺负玩乐的表情非常不同,这是一种充满了邪恶感的表情。早子看上去很高兴,某种程度上说,这是一种像孩子一样纯真的,没有邪恶心理的表情。与其说是享受,还不如说是感兴趣地观察着。看到须崎的痛苦,他感到了恐惧。这是什么意思,这个家伙……早子的眼神是须崎从未见过的类型。如果是在拿他来娱乐暴力,那还能想得通。甚至我自己都是这样。但是,这个家伙到底是什么啊!?早子的目光中不是充满了乐趣,而是充满了兴趣、纯粹的兴趣。就像孩子们去公园玩一样,所有的东西都充满了刺激,这是一种寻求的目光……不,这个眼神在哪里……是的,在采集昆虫时,不对,采集不是很文雅的话,像孩子一样捉虫子和青蛙,拔取它们的翅膀和腿,以及解剖玩耍时,会有这样的表情和眼神……须崎感到冷汗从背上流下来。这个家伙,她不认为我是人类吗……如果她欺负我,我会有什么反应,她打算用我当做小白鼠吗……拷问,礼子等人说如果我们不回答问题,她们就要进行拷问,尽管人类是不会受到太大的痛苦的,但这个家伙……我不知道她会干什么……
但就在那时,似乎是为了煽动奈良村和须崎的斗志,坊野的怒吼声响起来了。“你们这些家伙!奈良,须崎!难道你们要一直畏畏缩缩吗?这些混蛋小鬼让你们害怕了吗?如果你们就给他们嘴巴说出来的话,我会把你们给狠狠地杀掉!!!”太好了!礼子在心里叫床了。好啊,继续这样下去!这样做就像是把杠杆越拉越高。杠杆越高,折磨的快感就越强烈!礼子尽力控制自己想要敲手掌欢呼的行为,她用靴子轻轻地踩住了坊野的脸。
"后悔吧,Taki?如果你不听我的劝告,你自己就会尝到痛苦的滋味。还有……"礼子笑着说着:“你会既疼又求我饶恕,最后第一个嚎啕大哭并招供的人,我想就是你了吧。”
"你说什么?!你在瞎扯什么?为什么我要首当其冲的道出实情?!"
"还不明白吗?很简单咯~"啊,太好了,气氛终于热了起来了。礼子深吸了几口气。
"这样吧,我就要对你进行拷问咯~"
咕……就算是坊野,他头脑也完全被激怒的情绪所占据,但在礼子的宣告下,他还是忍不住感到恐惧。但是就好像是为了摆脱这种恐惧一样,坊野大喊起来:“闭、闭嘴!!谁会听你的话一味地做你的奴仆啊!我们不会让你们这帮SNOW小鬼得手的!就算死我也不会招供的!!!"
太好了,坊野先生,你太棒了!真的是最好的氛围制造者啊!我都想亲你一口了!啊啊,终于梦寐以求的拷问,成为了最好的情境。好吧,让我们好好享受吧,我的第一次拷问!礼子露出了一种强烈的微笑,这真是一件美丽的惨案。"好的,那么也没办法了,拷问……正式开始!"
“这是什么?你懂吗?”礼子蹲在坊野的面前,拿出了几支铅笔和圆珠笔。她在工厂的一角找到了它们,当坊野们昏迷时。坊野抬头看着礼子,除了警惕心外,微微的恐惧之色也浮现在他的眼中。 礼子乐滋滋地看着他,并说道:“呵呵呵......就像你所看到的,这只是一只铅笔和一支圆珠笔,没有任何机关或陷阱,只是普通的铅笔和圆珠笔。但是,从现在开始,这支铅笔和圆珠笔将为您带来地狱般的痛苦,比单纯的殴打和踢打更加痛苦。”礼子说完,漫不经心地坐在坊野的背上。
“呜……你这混账,你在想什么……”。坊野拼命想要甩掉礼子,但被严密地捆绑住,他几乎没有动作的余地。
礼子握住坊野的无名指,然后用另一只手将一支铅笔插进他的中指下方,继而握住食指,把铅笔往下移动。
“准备好了吗?你知道这是什么拷问吗?也许你小时候曾经和朋友玩过这个。但是,如果你认真对待它,它会成为相当痛苦的拷问。”礼子说着,轻轻地握住坊野的手。 礼子握住坊野的手指,微微露出恶毒的微笑,狠狠地握住了他的中指。虽然是礼子的手掌,实际上是她的指头和球笔在坊野的中指上深深地嵌入。“呜呜呜呜......”坊野因激烈的疼痛而拼命抵抗,试图张开手指,摆脱礼子的手。 但是,他徒劳无功。礼子本来只握住了坊野的三根手指,食指,中指和无名指。即使坊野再强壮,连根手指都不够,在对比礼子的强握力时更不可能胜利。而且他的两肩还被解开,只能发挥正常的力量的几分之一,双臂被牢牢地绑住,张开手指或移动手臂都几乎不可能,而且由于太过于拼命张开手指,也导致中指更强烈地深入球笔中,这使得他更加困扰。这是一种集中在一个局部的痛楚,与肌肉疼痛完全不同。它直接钻进骨头里,缓慢地侵蚀着全身。这是一种剧痛,即使只针对一个指头,但同时也是身体各处所受到的疼痛。它实在太痛了,眼前开始发出让人眩晕的星星。这不是错觉。由于剧痛导致血压急剧上升,甚至呼吸困难。更糟糕的是,尽管只是指头,仅仅被一个瘦小的女孩子捏着,坊野感到极度的痛苦。这种痛苦已经开始支配他所有的意识了。
“グアアッッッ…い。イデエェェェッッッ”伴随着惨叫,坊野全身感到疼痛,肌肉不由自主地抽搐。真是太好了...礼子慢慢地享受着坊野在自己屁股下挣扎痛苦的样子。除了耳中令人心旷神怡的尖叫声外,坊野的抽搐也通过礼子的屁股直接震撼着体内的深处。这感觉太好了。什么来着?身体共鸣椅?那个吧!联想着那个令人怀念的AV工具,礼子慢慢地享受着坊野的痛苦。“嘿嘿,这声音不错吧?但是,这拷问才刚刚开始。礼子慢慢地松开手,先暂时释放了坊野。“呃、呜呜…” 但是,即使被释放,坊野的痛苦也没那么容易结束。当中指受到强烈的挤压,造成血液循环障碍时,麻痹的痛觉再次苏醒,一种刺痛的新痛苦传遍全身。“嗷,呜呜…”礼子观察着坊野短暂的喘息,慢慢宣布开始拷问。“嘿嘿,现在痛觉好像也恢复了。那就继续拷问吧!”“啊,别……别,别啊……呜,呜呜…”礼子再次慢慢地握住坊野的手,把钢笔塞了进去。礼子慢慢地进行拷问,用力绞紧坊野让他尖叫,当他的痛觉开始麻痹时松开,恢复感觉。礼子微调钢笔的位置,一直折磨下去,无论时间过了多久,痛觉都不会消失。约经过了5轮折磨,“啊,呜……”坊野的惨叫声中夹杂着轻微的啪嗒声。“哎呀,钢笔断了。坊野先生,真是太好了,可以稍事休息。我可不想给你休息的机会。”礼子苦笑着,晃着完全折断的钢笔在坊野面前。“哈哈哈,别啊,停了停……”“你在说什么呢,挺起来!看吧!”砰!礼子用手掌拍击着坊野的脸,并斥责道:“你不是还想表现出SNOW CRACK的本事吗?说真的,你这么喧哗,实际上没有受到多大的伤害。看啊,仔细看看吧,甚至连一滴血也没有流出!”坊野看到自己被折断的钢笔和礼子面无表情的脸时,感觉确实没有受到伤害。虽然坊野的中指从根部到第一关节处呈深紫色,或者更确切的说是暗黑色,但这个颜色只在极为狭窄的区域中闪现。“怎么可能这样,明明这么疼,怎么一点伤也没有?”虽然一直以来对别人使用暴力,但坊野和其他人所使用的暴力只是简单粗暴的打打杀杀。他们的痛苦和伤害几乎是正比例的。而礼子在长时间的折磨中,依然没有造成太多的伤害。这样的技巧超出了坊野的想象,他甚至无法理解礼子的技术。当惊讶变成恐惧时,礼子坚定的声音响起。
"现在,休息结束,拷问继续!"礼子说着,手中拿着三支圆珠笔。"嘿!你准备干什么啊!?"礼子兴奋地笑着,"我们要换个拷问方式。之前那种方式已经没意思了。现在我们要用另一种方式来折磨他。" "啊!新的拷问方式!你打算干什么?"坊野因恐惧而几乎要失禁了。但是对于第一次使用拷问来说,礼子非常兴奋,不给坊野有思考的时间。她先将第一支笔夹在食指和中指之间,接着将第二支笔夹在中指和无名指之间,最后将第三支笔夹在无名指和小指之间,将三支笔插在坊野的手指中。当然,坊野拼命抵抗,但对于一个手指的力量来说是微不足道的,而且他在之前的拷问中已经消耗了很多精力。礼子容易地排除了坊野的抵抗,准备好了拷问的准备。
"好了,准备好了!你知道我们将使用什么样的拷问方式了吗?就是这样,用这种方式来折磨!"礼子说着,用左手紧握出手的圆珠笔,然后用右手握住手背上突出的圆珠笔,三角形放开,用手指替代笔筒。"准备好了,敢不敢来?"礼子慢慢地施加力量。 "啊,啊!不要了,好痛,好痛啊!"坊野的嚎叫声在房间里回荡。外推的笔以杠杆原理将礼子的握力扩大了近两倍,从而将痛苦传递到坊野的手指上。指头本身没有多少缓冲肉体,对于来自横向的力量,无论你用多少力量,抗拒几乎是不可能的。笔尖深深地刺入中指和无名指的骨头中去,滚动着,扩大着他们的痛苦。
头脑中除了痛苦之外,什么也感觉不到。礼子一用力,坊野几乎自动地呼喊,松开手时喘息,再次用力时再次呼喊,这种无限循环,仅仅是三支圆珠笔的拷问,礼子就完全控制了坊野。坊野的一切感觉都在礼子的心中,礼子可以随心所欲地控制坊野的痛苦,并继续享受着拷问的愉悦。
礼子开始拷问之际,玲子也开始感到兴奋。 “现在,小玉君,做好准备了吗? 我已经好好警告过你了。你自己拒绝了。这意味着你自己对我说的请求拷问,让你乞求我。无论你今后遇到什么困难,都是自己造成的,明白吗?”玲子轻松地微笑着,而奈良村则在内心惊恐的同时尖叫着试图掩盖它,“什,什么,拷问? 你在干什么啊!?” “我没有想要做什么复杂的事情。就像你这样头脑不够聪明的人也能理解,我只是用最受欢迎的拷问工具来拷问你。”说着,玲子又从腰间拔出了皮带。 哗啪! 玲子又折叠了皮带。“礼子似乎已经很享受用皮带打击你们的背部了,但是小玉君刚才只让我抽打了两次,所以现在我要为这两次补偿的够味!” 呼哧! 哗啪!说着话,玲子的皮带击中了奈良村的背部。 “啊!” “你在做什么戏弄我,你真是个演员。”尽管很年轻,但你的表演技巧却非常好,穿着衣服,还有绳子,这样少量的皮带还不足以造成疼痛。这种拷问甚至不能称为SM游戏。 “ 玲子笑着,向着奈良村的胸口插入了她的靴子,瞬间将他踢倒在地。 “啊!啊!” 奈良村的关节被脱臼了,他的嘴里发出了悲鸣声。 玲子的靴子踏在了奈良村的胸部上。 “你在干什么…” 奈良村的声音变得异常虚弱。 “如果只有一条鞭子,那就这样吧。但是今天只有一条皮带,既然是拷问,至少应该做到这一点。” 玲子用皮带末端轻轻抚摸着奈良村的脸。“你没看到礼子用鞭子抽打过你吗? 我想要至少和那种程度的鞭子敲打你,这是姐姐的想法,好吧? 哦,是的,我忘了,你刚才已经睡着了,没有看到那个礼子的表演吧。 那么,让我来教你。 我会用这条皮带轻轻地抽打你的脸。 不必客气,使劲挣扎吧! 如果你不逃,那么你将永远被鞭打。” 玲子抬起了右脚,越过奈良村的胸部,独自站着。
把脸打得哇哇叫?还用皮带?为了避免奈良村惨叫,玲子的皮带振动着。呼!铛!咔嚓!奈良村的脸颊被狠狠地打了个响亮声。真是的,我要从现在起享受拷问的话,你最好安静点。因为你看起来最弱,如果你放任不管,你很可能会忍不住交代。似乎要折磨一阵子才行呢。玲子的皮带连续舞动,袭击着奈良村的面部。宝!啪!滋滋!啪声!… “…咦,唔,噗啊哈哈哈!!!”像一样袭击着面部的皮带让奈良村不可避免地尖叫着。
“啊哈哈哈,你太夸张了!” 打了奈良村左脸后,“我不像礼子那样打你的眼睛和耳朵吧,我仅仅在打你的面颊啊?实际上,你疼痛的程度太夸张了,真像演员一样。就让我重新让你知道疼痛吧!”玲子兴致勃勃地说着,一挥脚,她就再次打了奈良村的左脸。“啊哈哈,那么塞在上面的孩子,你还打算逃脱吗?你不打算逃跑,你是想姐姐再打你同样的鞭子,是吗?好的,让我给你当一个慷慨的姐姐吧!”奈良村的手脚被紧紧地绑着。他只能摇晃着头以及蜷缩在地上逃脱。而且,在上面看着奈良村的玲子,无论他如何动弹,下巴怎么样弯曲,他的动作都被温暖地看到了,完全不用担心皮鞭击打的位置。 “啊哈哈哈哈哈!因为一直晃动着,啊,懂了!如果右脸被打了,那么紧急地把左脸往下压到了,这意味着你想要我再次打你的左脸!所以如果你想要我打这个部位,那么请把另一颗脸转向我吧!好的,根据你的请求,我会让鞭子打的更多!” 啪、啪、皮带一直舞动,一次又一次地打击着奈良村的左右脸颊。即使是皮带,玲子动用了十足的力量来让它发挥作用。与正常的掌掴相比,玲子的鞭子的力量无与伦比。当玲子不断地拍奈良村的脸时,他的脸已经开始内出血,开始肿胀。哎呀,从这个角度看,它像个足球,不是吗?
「う、ああ・・・い、びだい・・・グエッ!」響彩着地在奈良村陶醉于腰帶的連擊,甚至腦袋都顫動了,並開口譴責他,“呵呵呵,怎麼樣,田犬,看來效果不錯呢。想要停下來嗎?不要再拍打我脸了,行不行?”對於受了玲子如此糟践的信次等人,也許可以感受到玲子言外之意,感受到她隱藏的毒藥。但對於初次見面的奈良村來說,卻無能為力。奈良村不由自主地抓住了被認為是救命繩的偽裝,並被帶到更加泥泞的境地。“啊,啊啊...我...臉,已經打得夠了...別打我...”玲子說:“好的,我知道了。儘管看起來像這樣,我還是相當溫柔的。我不會再打你的臉了,放心吧。”當她快樂地說完後,玲子放開了左手的腰帶,然後折成兩半。「啊,太好了......看來它也很滿足......」面部仍在刺痛,加上內出血的不適感逐漸加劇,但奈良村松了一口氣,身體也軟了下來。就在那一瞬間,玲子再次將響彩踏踩在奈良村的尾部。「唔......?」“田犬先生,你有誤解嗎?我不是在享受鞭打。現在我是在拷問你。正如承諾的那樣,我不再打你的臉。但是,這意味著拷問的方式發生了變化。”“嘶...嚇死我了...要幹什麼?”“害怕嗎?想知道嗎?好吧,我告訴你。這次的拷問是......這個!”說完,玲子握住了腰帶的末端,鬆開了金屬扣子。扣子晃動著。「你,你不會......」玲子把奈良村踢倒,然後把他翻過身。她說:“現在你終於明白了。答對了。因為你穿著衣服,背上用繩子保護,所以普通的腰帶打不痛。所以,這一次,我會用這個扣子來鞭打你!”“呃,嘶...不要......啊啊啊啊啊啊啊......”哀求居然未及宣洩,玲子放手振動著腰帶使劲地猛击奈良村。帶子上體積較大且堅固的金屬扣子,帶著沉重的劈風聲悄悄靠近奈良村的身體,深深地扎了進去。得到足夠的力量,钢鐵猛擊致使奈良村的胳膊,正好形成力瘤的位置。奈良村的骨頭都在發出響聲,他哼哼著感受到了痛苦。「啊哈哈哈哈哈哈!你沒事吧?田犬先生,它明顯地擊中了吧!?不是這麼痛的拷問,你不認為它不算是拷問吧?現在,我們繼續吧!」帶著殘忍的笑容,玲子全力以赴地猛擊奈良村的金屬扣子。“呜哇啊啊啊啊啊!呃呃、咕嚕、噹、啊啊啊啊啊啊啊啊!”奈良村像野獸一樣,大聲嘯叫,咆哮而非哀訴,他尖叫著,呻吟著,並挣扎著。對於奈良村來說,他覺得自己在打滾,而實際上,他的全身被束縛著,只是在痙攣而已。
嗯,你们两个做得很好啊,既然是喜欢的话。朝子半开玩笑地看着玲子两人愉快地进行着拷问。在朝子的脚下,昏迷的须崎躺着,鼻子和下巴被踢碎了。拷问吗…那么我就是这个人的负责拷问官吧。嗯,无所谓…真是的…朝子感到有些烦恼。拷问本身并不不好玩。身为受到玲子影响的人,朝子喜欢伤害别人。但是,在此时此地,要想快速想出有效的拷问方法,却让她有些困扰。嗯,我该怎么办呢?我真想不出什么好主意…是把碾碎的鼻子和下巴再捻一捻吗?但是,那只是无意义的折磨,缺乏想象力。有没有更好的办法呢?
“嘿,须崎先生,按照现在的情况,好像我得拷问你,你有什么好主意吗?我真的想不出什么好的拷问方法。既然这样,我们一起想吧。嘿,你想要什么样的折磨?有什么特别的要求吗?”须崎询问是一个口吃的问题。这个混蛋,他在想什么?这个家伙把我的下巴打碎了,现在他要我想出如何拷问他的方法?他让我去想出如何拷问自己的方法?这个衰人,肆无忌惮的…须崎试图大喊起来,但当他说话的时候,下巴的剧痛让他尖叫起来。咕噜噜…须崎的剧痛让他稍微冷静下来。他盯着朝子,试图忘记她的表情。
朝子的表情,跟须崎想象的不同,她似乎在玩得开心之余对此感到困扰,就像一只捉弄老鼠的猫没有那么狰狞。然后,令人恐惧的是,朝子几乎没有察觉到须崎的疼痛,好像看着一只老鼠的科学家一样。这是一种奇怪的恐惧,让须崎失去了言语。
“嘿,嘿!你在听吗?我们要一起考虑如何拷问!“朝子有点恼怒地说道。看着目瞪口呆的须崎,朝子伸手伸进他的口袋。“噢,须崎先生,你总是打架和恶作剧吧?你有什么好的工具吗?把它借给我!”
“停下!不、不要啊……”須崎确实抓住了一只猎物。这只猎物是一只大型的美国手提袋,它宽大的身躯与須崎的巨大身材相称,如果一拳打在它分裂的下巴或鼻子上,就可以把它打烂!但出乎意料的是,朝子虽然对美国手提袋耍了些小聪明,却对它没有太大兴趣。“哦,原来你也有这种东西啊。啊,好可怕。要是被这种东西打到我的脸上,我的美貌就毁了。啊,好害怕。”美貌,虽然你也确实挺好看,但你别自夸了吧!須崎在心里嘀咕着,但转瞬之间,他的脸都吓僵了。朝子闪烁着大眼睛,握紧了某物。“我找到了好东西!”她笑嘻嘻地打开了ZIPPO的盖子。与玲子不同的是,朝子不吸烟,但她知道如何使用火机。她瞥了一下正享受鞭打和笔刺的玲子们,然后又转回須崎的方向,她的表情从刚才的为难变成了像孩子一样兴奋和翘首以待的笑容。“玲子她们好像还在享受鞭笞乐趣,我们来点新鲜玩意吧。别害怕!虽然我看起来很嚣张,但我还是很温柔的,不会让你痛苦的,你可以放心。”她蹲在須崎的面前,慢慢地戏弄着ZIPPO。“不……停下……不要……你干嘛啊……”須崎的表情开始扭曲成恐惧。嘿嘿,像个傻子一样,这么小的事情就被吓到了。我还什么都没做呢。嗖,嘶!在朝子点燃ZIPPO的瞬间,須崎口中不自觉地发出悲鸣声。火焰距离他的眼前只有10厘米。虽然他曾经看过无数次,吸烟时火机更接近,但现在情况却不同了。他被束缚,无法动弹。还有,一个美少女在自己面前点燃火机,开心地笑着。而且,这个美少女虽然长得可爱,但却毫不关心伤害别人,这在刚刚发生的事上,他已经深刻地体会到了。对須崎来说,眼前的火焰已经不再是点燃香烟的微小火焰,而是一种原始的火焰,一种野兽本能的恐惧,不可能克服。
"須崎先生,す,ざ,き,さん!嘿,嘿!" 扑通!随着朝子的一巴掌,终于让須崎回到了现实。 虽然还没开始拷问,但已经满身油汗了。 "喂,我接下来该怎么做?如何拷问,我知道!" 毫无疑问。文字上清楚明了。但他不可能从自己的嘴里说出那种话。 "不好,放过我……" "啊!别哭啊!我不知道你在说什么!嘿,我在问你该怎么做呢? 简单吧,告诉我,告诉我!如果你不告诉我……那就是火刑了!" 朝子把打火机的火焰靠近須崎的鼻子。 "嘿!啊,热!别……拜托,只有火刑是不行的!" 須崎尖叫着,拼命扭动全身,显然已经不再顾及外表或尊严了。 "哈哈哈哈哈!你明白了!没错,我就给你火刑!" 只要开始拷问,朝子便会高兴地跳起来。咚!顺利地,朝子呈现出 hips 的落地,用大腿砸在須崎的背中央上。然后,手指上点燃了火焰。 "好了! 拷问开始!让朝子的火狱稍稍愉悦一下吧!" 话音未落,朝子慢慢把炉子的火焰靠近須崎的手指。 "呀!停下来!啊,哎吱吱!这一吱吱声!" 顷刻间,須崎的尖叫便声势浩大地响起。 "哈哈哈哈哈!已经过分夸张了吧!我刚刚才靠近一下!现在这点距离你也太夸张了吧!" 朝子把炉子远离,然后再次把手指靠近火焰。 "喂,須崎,你真的毛茸茸的。指头上面如此的毛发,不觉得恶心吗? 要不要烤一下毛发呢?" 炉子的尖端触及了須崎的手指头毛发,发出了焦味。 "啊,哎吱吱!别,别、痛、不、救~我!" 須崎使劲扭动手,试图挣脱束缚,但绳子牢牢地捆住了他。他的本能只允许他无助地扭动双手。 然而,这种程度的运动对于坐在須崎背上享受火狱的朝子来说一点都不妨碍。手的动作虽然会带来一些微风,摇晃火焰,但ZIPPO的设计使得即使在强风中也不会熄灭火焰。此外,朝子的手跟着手指的移动,不规律地烘烤着須崎的指尖和手腕,却又不会烤伤。 加上高温,須崎的手被绑在后面,还被朝子烤着,他根本看不到朝子的动作。朝子任性地晃动打火机,火焰不断接近須崎的手指,但他看不到到底将烘烤哪里,不知道接下来会在哪里烤到,这进一步加深了他的恐惧。 "嘿!啊,哎吱吱吱吱!呀!啊!啊哈哈哈哈哈!"
朝子对著須崎玩弄火燒造成的痛苦,是对她來说多麼愉快的折磨啊。她几乎花费任何的力气,只需将打火机的火焰稍微靠近或远离須崎,就能让她全身抽搐,发出痛苦的嘶吼声。从上面看,須崎的痛苦动作非常激烈,但说实话更像是有些好笑。好厉害啊!这种简单的折磨效果竟然如此显著!我真是聪明极了!朝子享受火烤的眼神,突然捕捉到了須崎指头的变化。哎呀,这是什么?須崎的指尖上出现了许多半透明或略微白色的水泡。这些肿胀,感觉有点不舒服啊……一瞬间,朝子感到有些迷惑,但她很快意识到了它的真正身份。啊,原来是这样,熱通過了到達皮膚深處,水泡就出現了。啊,真可憐。烧伤的水泡真的很疼。朝子笑著試著再靠近火燒。“Gyaah!ADU!不要!危險,停止啊!!!”須崎的指毛开始卷曲,发出啪啪声。头发烧焦的难闻气味,还有朝子得意的笑声,掩盖了須崎的惨叫聲。
在坊野、奈良村和須崎三人被酷刑折磨的时候,还有一个安静的角落。那是富美代和検見川的一角。検見川躺在那里,面对著坊野等人,全身颤抖着。尽管听说过类似的事情,但面前所发生的是真正的拷打,是完全不同的经历。三人发出的不同于以往的惊恐嚎叫足以让検見川感到害怕。她的眼前正是曾经欺骗过她、企图轮奸她的富美代。她怀着恐惧,迫切地想知道将要面临什么样的眼神。这么害怕,好像是她生命中第一次。富美代一言不发地盯着她,那张脸吓人之余,也让她感到更加恐惧。
"......你在发抖吗,前辈......" 忽然间,富美代轻轻开口。"你害怕吗?坊野等人正在接受这样的拷贝,害怕了吗?害怕受到我的拷贝吗?"用柔和、悲伤的声音说话,検見川依偎在富美代身边。她静静地听着,感觉自己好像有了一个可以依靠的存在。她会不择手段地,为了不再遭受那种眼神拼尽全力地诱骗富美代。然而,富美代还是一言不发,深沉的双眼极其害怕。
「...是啊,真可怕。前辈,真可怕...但是呢,我剛剛也非常非常害怕。但前辈你一點也不擔心我啊。現在也是,你根本沒有想過自己傷害了我,對吧?只是不想自己受到傷害,就只有這樣了...對我什麼也沒有想過吧...」「不,不是的,不,不是那樣的!不對,不對啊!不好意思,對不起,求你了,請原諒我啊!」「...前輩,為什麼你這麼拼命地喊呢?其實你根本就沒有想到『我很抱歉』這事吧?那你為什麼要這樣道歉呢?是因為你覺得我很可怕嗎?因為你想到我像礼子一樣,能平心靜氣地傷害別人,所以害怕嗎?嘿,為什麼啊?總而言之,前輩,你只是不想自己遭受痛苦罷了吧?」這是正中下懷的一語,但検見川並不能承認這點。他拼命地掩飾著「不,不是的,相信我,請相信我!」富美代看著仰視她的検見川,眼中溢出了一滴大大的淚珠,同時也浮現出無法忍受的厭惡感。「...騙子...你還在不斷說謊...你還在覺得像我這樣的傻女孩,就能被你那種靈巧的舌頭隨心所欲地哄騙嗎...騙子...最惡劣的人...!」哗啦!富美代在検見川用盡全力哀求的鼻尖前激烈地吐出了口水。「啪嗒,噁!可惡...」検見川竭力忍耐著想要直視富美代的目光,並繼續不斷哀求。「就、請你原諒我吧,富美代?相、相信我好嗎...我、我明明並沒有打算做什麼的啊!」富美代的狹長瞳孔中除了厭惡外,還有怒氣的顏色浮現。「...最惡劣的人...你還有理嗎...這又是為什麼呢?」
富美代伸手插进検见川的后口袋中,取出藏匿的蝴蝶刀。“这是什么意思?前辈,你认为带着刀去和女孩子约会是正常的吗?回答我!”“啊,啊哇!不好了,不好了!!!必须要想办法糊弄过去!!!”検见川拼尽全力地想找借口,全神贯注地思考。“那个,那个…是这样!对了!听到现在的话题是安全问题吧?所以如果有人袭击富美酱会危险。所以……所以我想保护富美酱。对,是真的!”“为了保护我?前辈吗?曾经试图强奸我们的前辈?......嘿前辈,你说这么丝毫不感到难为情吗?真是够没羞耻的。”富美代因愤怒而变得苍白,如同燃烧着的火焰,“前辈,你看起来这么帅气,但你是最卑鄙的!绝对有恶魔在你身上!我给你驱魔。我要彻底地教训你这个人渣!”富美代突然站起身,一边踢着検见川的肩膀,把他摔倒在地。富美代跪在検见川的旁边,手中拿着他的刀,砍了下去,刀刃轻轻地刮过他的脸。“咿!咿!你、你在、你这是……”“害怕了吗,前辈?这不是你的刀吗?你不知道自己曾经用来干什么吗?那么让我问你:前辈,刀是用来干什么的?扎人的?是这样用的吗?”富美代削着刀子的刃,轻轻地碰了検见川的脸。她没有用力刺入他的脸。但刺痛的感觉足以让検见川更加害怕。“不、不要……噫!不行,拜托了!”富美代一阵强烈的冷笑后,暂时把刀子拿开了。“不要啊……拜托你不要刺进去……”検见川哭泣着恳求,富美代看着他,脸上带着残忍的微笑。
呵呵,你真是个胆小的人啊。看来,对于你来说,刀子最正确的用途就是刺杀了。好吧,前辈,我会给你安心的。我发誓,我不会用这把刀子去伤害你。这是个承诺。“啊,啊,谢谢……”検見川在泪水和口水的混合下夸张地赞美着富美代。富美代,像先前一样,又把刀子放在了検見川的脸旁边。“呵呵,前辈,我说了不会刺你吧。所以,我决定为你割开一道大口子。你的这张脸可是你最引以为傲的东西吧?它是你骗了多少女孩子的法宝,但是我真的很同情你呢。所以我要给这张脸留下一个永远消失不了的伤疤。我会刻划在你脸上一个明显、难以掩盖的伤痕。你这样有刻有铭的脸,可就再也不能骗到女孩子了呢。”“不,不要……!”富美代开口即中,検見川最引以为傲的就是他的颜值。所以,如果这个自豪的依据被破坏了,他会遭受难以想象的痛苦。富美代拼命扯着検見川的头发,使他无法逃脱,在用另一只膝盖狠狠地按住他的额头。富美代猛地将刀子放在検見川的左脸颊上,手持刀子的刀锋像是在切生鱼片一样将検見川的脸撕开。为了让这个伤痕更深刻,富美代使出了全部力量,让刀子深入検見川的脸颊。“啊……呃……!!!”刀子的尖端贯穿了検見川的下巴附近,一道鲜红的线在脸上留下,红色的血滴涌了出来。“哇哇哇,我的脸……我的脸……”听见検見川的惨叫,富美代毫不在意,把刀子放在鼻子旁边,用那尖锐的刀刃一切开来。“啊哈哈哈!前辈,这个伤口不错吧?即使是像你这样的恶棍,也有着红色的血!我还以为你的血是乌黑的呢。幸好是红色的,老师,让我再多向你挖出几口血吧!”
富美代毫不留情地将她的银色长靴的尖跟一步步用力踩在検見川的脸上,无情地抚着她深深的伤口。当她最终离开她那令人毛骨悚然的受害者并慢慢地站了起来时,她的左脸留下了一个深而长的伤痕,就像一个十字架一样,而検見川只能哭泣着瓦解在地上。
“啊哈哈,啊哈哈哈!看起来你终于明白了,不是吗?这个伤疤永远不会消失!啊哈哈,啊哈哈哈哈哈,啊哈哈哈哈哈哈!”富美代看着検見川,狂笑着看着她那双泪流满面的双眸。
“啊啊啊啊……我的脸,我的脸怎么了?太痛了,太痛了啊啊啊啊!”検见川恸哭着,求饶着。
“先輩,你觉得这双靴子怎么样?你说你喜欢红色,所以我为了你,搜索了好几家店,费尽了心思,才买到这双靴子。这是我为你准备的,好好地品一品吧。”富美代毫不在乎地说着,把流光闪闪,银色点缀的红色长靴的尖跟,压在検見川脸上伤口的交叉点上,然后用全力一踩。“哇呀啊啊啊啊啊!我的脸啊啊啊啊啊!太痛了,太痛了啊啊啊啊啊!”
这个声音是无法忘记的,尖锐的,凄惨的,带有动物性的歇斯底里的声响,富美代毫不在意地踹了上去,那折磨让她听到了一个无耻女人的口吻上的奇怪舞台剧的音乐。
“看啊,看啊!享受一下先輩!这是为你准备的靴子!你喜欢吗?你开心吗?你喜欢这种用靴子当耳环的经历吗?这是一辈子都不可能有的经历,好好享受吧!快说啊,快说吧!”富美代把全身的重量压到了脚上,足跟插入検見川面颊伤口的深处。
“啊啊啊啊啊!啊啊啊啊啊!我的脸啊啊啊啊啊!”検見川哀嚎着,无情地被富美代踏在过程中。
富美代的长靴尖跟并没有一下子刺进去,因为它们本质上是为了支持人体重量而不是为了穿透任何东西。不像针,钉子之类的东西,针可以在几秒钟内切入肉体,而银色的尖跟却不能像刺一样刺穿検見川的面颊。当富美代用力踹时,検見川的面颊肉开始被擦磨、碾碎和被剥离。这是远远比受刺激更加痛苦的。不仅如此,富美代还通过强烈的脚腕扭动的动作,让検見川的脸被她的长靴尖跟踩得更加狠辣,一点点地擦碎她面颊的皮肉。
这种痛苦让人难以忍受,尖锐的哀嚎,夹杂着哭泣和无助的声音,从検見川嘶哑的喉咙中发出,听起来像是痛苦的野兽的歇斯底里嚎叫。
一英寸,再一英寸,富美代的靴慢慢地,缓缓地穿过検見川的肉、血管、神经,令她感到了微弱的抵抗。但很快,随着她用力将靴子扭进去,最后她感觉到了一种略带弹性的抵抗,而不是坚硬的。真是死不瞑目啊。富美代瞬间将靴子抬起来,然后猛地踩下去。“呀!呀呀呀呀呀呀呀!”突然,富美代感觉到了靴子的跟部没有了抵抗,靴跟一下子刺穿了検見川的脸颊。同时,因为她的靴子和跟部进入了検見川的口中,検見川的惨叫瞬间消失,变成了一种难以忍受的痛苦之声。
“啊哈哈哈哈哈!好了,我做到了!怎么样,前辈?你也知道我的靴子有多厉害了吧?太好了,现在我可以把一个特大号的耳饰放在你的脸颊上,为你扩大穴位。来吧,来吧!”富美代一边高兴地笑着,一边用她的脚踝,或者可以说是她整条腿,大力地摇晃着靴子,画出各种形状。前辈,疼吗?痛苦吗?求求你,饶恕我吧。但没有用的。我绝对不会饶恕你的!一旦这一天结束,我会把你和你的一切都狠狠地忘记!我还要找到一个比你更酷的男朋友,变得更加快乐。但我不会让你忘记我!每当这个伤口难受,就想起我。每当你看到这个伤口,就想起我。就要像一个满身伤痕的面容之一般,终身跟随着我的影子,前辈。从现在开始,你会度过一生的不幸,希望你的一生里,没有任何好事发生。这就是你伤害我所应得的惩罚,终身来赎罪吧!
“梅里,米里,贝利......”“嗷!呜呜呜呜呜呜!”検見川听到了自己的脸被撕裂的声音,这种疼痛不是靠“疼痛”的词语可以形容的。尽管这样,検見川居然没有疯狂。这种疼痛可能比她曾经经历过的所有疼痛总和还要强烈,但她却觉得不出奇怪。此外,由于靴跟穿过了她的脸颊,靴子翻腾着,让她无法尖叫。她的惨叫在富美代全身发出的笑声中消失了。她的耳朵被这种绝望的声音所淹没,这种声音直接撞击着她的身体,让她不断地疼痛。
而当她低头看向脚下时,她看到了自己像虫子一样在富美代的靴子上跳动,以及从她的脸颊和口中飞溅出来的鲜红色血液,地面上布满了鲜血。啊,真是太好了......我感到了治愈......我感到了他在受我的拷问而痛苦......我想起他伤害我的事情......在自己的心灵中,这种痛苦变成了一种无上的治愈。
然而,能够说出“治愈”这个词的只有折磨者富美代。对于正在受折磨的检川来说,他正在忍受难以置信的剧痛,不断发出悲鸣。他的惨叫声是不间断的,如此可怕,以至于连礼子和其他两个女孩都不得不放下自己的酷刑转身去看富美代。“哇哦!它完全穿透了,不是吗,富美代你太厉害了。”“哇,它的脸颊被撕开了,真的好疼啊!”“但,是啊,这不是很漂亮吗?富美代的靴子不是金属钉?银色的钉子和鲜红的血液形成的强烈对比非常美丽,不是吗?”
把富美代的靴子踩在上面,彻底刺穿了検見川的面颊并缝在地板上,礼子和其他两个女孩跪在検見川的面前,不停地称赞。“啊啊啊啊,太惊人了…”検見川的眼睛因为泪水而模糊,甚至看不清是谁在他面前跪着。但是他无法承受这种剧痛,只能死死地尖叫。“我…我快死了…”然而,他的哀求完全没有效果。不仅仅是对検見川本人,对于整个SNOW CRACK团队来说,富美代的行动已经把他们都拖入了更深的地狱。
“求求你救我啊?前辈,你还在说这个吗?到现在还有谁会来救你吗?你认为我会原谅你吗?我才不会!你还没有好好反省的感觉呢,是吧?”在富美代的冷酷拷问下,検見川已经处于半失神状态,从他的脸颊和口中流下的是血和唾液。他的伤口太痛了,他甚至无法用手按住它。他只能不停地流血流涎地呻吟着。但是富美代已经变成了一名冷酷的刑讯官,她甚至不给検見川一点休息时间。“怎么了,前辈?你已经放弃了吗?难道你没听到我说过,我不会原谅你吗?快点把右边的脸也拿出来!”扑通!“啊啊啊!”她用靴子的尖端重重地踹了他的脸,把他的脸扭曲了起来。富美代抓起刀子,露出可怕的笑容。
一位叫礼子的女孩,向她的朋友玲子抱怨:“我们刚刚的审问好像有些过于温和了。”
“说的没错,” 玲子同意道,“相比于富美代的拷问,我们完全就是小孩子玩闹一样了。我们似乎太过手软了。”
“朝子,你觉得呢?” 两人问到她。
“嗯,这是不是有点温和了?尽管那些刑讯官看起来已经非常狠了,但是我觉得我们还是应该更加残忍一些。你们不觉得应该彻底把他们摧垮么?” 朝子回答道。
三人的脸上浮现出了像富美代一样的恐怖的笑容,微微点头,三位审问官转身向各自的指定囚犯走去。审问重新开始了,一段崭新而愈加炽热的时间即将到来。
在这个故事中,我想说有点“言之过甚”了,情节有点跑偏,甚至偏向折磨和酷刑的故事,而非轻度的SM。虽然我个人认为以后不会再写这样暴力的故事,但仍然希望做出一些努力。
我想在故事中尽可能地避免使用工具,并只使用女性的身体力量作为拷问手段。比如说礼子家族是相当有钱、有权势的人物,他们将坊野们拐到家里的地下室里,那里是礼子家传下来的秘密拷问室,专门用来毒打那些反抗天城家的人,里面有各种拷问工具,而且一应俱全,可以随时使用。
这样的设定实在有点不可思议,这样的折磨和暴力越多,就越不能激起读者的兴趣。因此,我尝试在故事中使用一些简单的拷问手段,让读者可以轻松地想象到。接下来,我们的主人公礼子和她的家族,将要将坊野们置于何种地狱之中呢?
“现在,坊野先生,稍微休息一下了吗? 你的拍档也快被折磨个够了吧? 抱歉让你久等了。前菜的时间已经过了。我会给你尝试正宗的刑讯。 "礼子再一次蹲在坊野的背后,嘴巴仍然保持着温柔的口吻,同时宣布着可怕的问题。" 呜……呜……这,这是真正的刑讯……请,求求你了! 不……不要!"
“她到底是何方神圣,为何如此冷酷无情?”坊野心中暗忖着。
礼子说:“好了! 不要这么懦弱! 坊野先生,你是臭名昭著的SNOW CRACK成员吧? 单单对于一个女孩子的刑讯就感到如此害怕,真是奇怪。” 说着,礼子握住了坊野的右手。这回没有笔,礼子硬生生地扯住了坊野拳头里面较柔弱的小指并阻止他抵抗。早已受伤并且握力极度下降的手指无法和礼子抗衡。
“呵呵,这样就可以弄断手指了,你知道人的手指有多少个关节吗?从食指到小指各有3个,拇指有2个,两只手总共有28个。呵呵,我都会弄断所有的关节,像海蜇一样。嗯?被弄疼了吗?还剩下27次呢,会很开心吧?”
尽管礼子看起来非常高兴,但她从来没有真正玩断别人的骨头或残酷的手段。虽然她精通各种关节技,但她只把它们作为竞技场上的格斗技巧。她并不想太过分伤害对手的身体。所以她不是一个倒霉的人,每次折断别人的手指都是在过程中出现了意外情况而不是故意的。她有一些自卫技巧和战斗技能,但是在实际战斗中,也绝不会使用这些手段。
然而现在情况已改变。礼子正慢慢地享受着折断指头的快感。慢慢地扭动着坊野的手指,关节发出了咯吱咯吱的声音,他的悲鸣声也越来越响。然后继续扭动,感觉变得像是发出了刺耳的嘎吱声。在这个地方,坊野的尖叫声已经变成了超乎人类的悲鸣声。再次扭动,就像碰到了什么刹车一样,坊野的关节试图进行最后的抵抗。礼子将力气慢慢地加强,无视他的抵抗,像践踏将其摧毁一般,查看着坊野的快感。最后,关节外科手术完成,他的骨头一滑而过,指骨间摩擦的感觉传来。不同于以往,这次的抵抗开始变得柔软,肌肉紧绷着,柔软而有弹性。坊野不停地尖叫,作为背景音乐,而礼子则陶醉于破坏人体的绝佳快感中。这种感觉与她平常打鞭子虐待慎治时大不相同,不考虑再生,治疗等一切,单纯的破坏人体。礼子上瘾了,就像毒品一样,她无法自拔地追逐着无穷无尽的快感,成为了人体破坏的奴隶。
坊野的小指已经被完全折断,激烈的疼痛使他的肩膀不停地颤抖着发出呻吟。但礼子不允许他休息,他的无名指又被她轻轻地包围着,“不,不要……请停下……”坊野已经完全成为哀求的声音。“不可以。前菜已经结束,现在是正统的酷刑时间对吧?你还有九根手指可以用。继续吧!”礼子并不在乎。
玲子也回到了她的负责受刑者,奈良村的身边。 "…好啦, Tamashi 先生,你听到了検見川先生的惨叫吧?我也不是来玩的。我会让你也尖叫起来的。" 玲子一边说着,一边再次握紧了皮带。与之前一样,她不是握住了带扣,而是握住了皮带末端。"呵呵,虽然是在威胁,但我仍然使用的是皮带而不是拷问工具,你不用太担心。不过,我是鞭子专家,可以使用各种打法来掌握它。我会让你感到比之前更加惨痛的。好了,准备好了吗?"“额、那、那样太……更疼了,别、别做了!啊啊!”“真是烦人,我告诉你我要做什么,你完全了解,不用担心。我会让你充分地感受到体内的疼痛。走吧! " 啪嗒! 玲子的带子卷起风声,下一瞬间,它发出一种奇怪而沉闷的声音,刺入了奈良村的手臂。“咕,呜哇哈——!!!”与之前完全不同的剧烈疼痛使奈良村无法呼吸。 "啊哈哈哈哈!怎么样,疼吧!我会让你更疼的,快点撑住!"啪嗒、哗啦啦……咚、咔嗒…… 玲子挥舞着皮带,连续攻击奈良村的身体。 "啊啊啊啊啊——!呜哇——!背部和屁股的疼痛不止,现在即使是肚子和胸部也疼!快停下!停下来!"在剧烈的疼痛中,奈良村的悲鸣变成了哀求和哭泣。太疼了,非常疼痛。为什么呢?仅仅是一条皮带,为什么会这么疼?那和之前使用的皮带一样。但是这种剧烈的疼痛与之前完全不同。为什么?奈良村不知道自己正在经历什么,这种恐惧让他的痛苦倍增。 "呜——!求求你了,停下吧!"在确认奈良村因剧烈的疼痛而变成泪声的时候,玲子满意地停了下来。 "呵呵,看起来已经有效果了。那么,改变一下心情,现在我会抽打你的正面。" 玲子说着,把靴尖伸进奈良村的身体下面,粗暴地将他踢了一下。“啊、正面……现在背部和屁股已经这么疼了,肚子和胸部更疼!请停下!请停下!” 在踩着奈良村的脸时,玲子无情地宣告了拷问的继续进行。 "呵呵, Tamashi 先生,这并不总是坏事。像这样躺在背上,至少你能知道我在对你施加什么样的折磨。" 玲子从奈良村的脸上放下了脚,向后退了两三步,保持了一定的距离。 "当然,这取决于你的视力,能否看清我的皮带运动。好了,开始吧!" 啪嗒、哗啦啦……咚、咔嗒…… 玲子的皮带再次轰轰地袭击了奈良村的身体,从肌肉到胸腹。 "啊——!真的好疼!快停!快停下!啊——!" 像野兽一样,奈良村不停地尖叫着,因剧痛而无法移动。
奈良村身陷痛苦之中,不知道为什么玲子要这样折磨自己。他想要看清楚,但是完全看不清楚。
玲子仍然高笑着,持续地挥舞着皮带。奈良村看到玲子跟之前一样,只是用皮带打他。但是这股激烈的痛苦,完全超过了之前。他甚至不知道自己究竟正在经历什么,这种恐惧除了肉体的痛苦外,也增加了精神上的痛苦。
很明显,奈良村不理解玲子的折磨真相,其实只是把娇小的腕关节扭曲了九十度罢了。玲子挥舞了皮带,将其转化为足够快的离心力,然后在命中前猛烈地回转腕关节,以强烈的“咔擦”声将皮带的力量增强了一倍。
此外,在拜访前夕,她将腕关节向内扭曲,在达到最高点的那一刻痛击奈良村的身体。这样,皮带的力量没有扩散到几英寸,而是聚集在只有几毫米的边缘上。另外,边缘是坚硬的,不会弯曲,所以击中奈良村的皮带没有将力量分散到肉体表面,而是直接钻入体内。
这种打击与木刀类似,硬质的质地,但比木刀更集中在一小块区域,就像用日本刀打峰一样狭窄。无论如何,被这种方式打击是不堪忍受的。玲子的折磨已经超出了肌肉作为缓冲的极限值。她一边连续痛击,一边感到一些惊喜。“嗨,如果把皮带垂直,它会有这种感觉呢?”这种感觉与击打的感觉完全不同,带着一种强烈的压迫感,皮带深深地陷入奈良村的身体,然后突然刹车。这种感觉有点像切垫草或其他东西时的感觉,而不像鞭打。
当皮带击中奈良村的肌肉较薄,骨骼靠近表面时,直接穿过骨骼,产生了非常绝妙的感觉。“吱嘎、嘣……”骨头发出刺耳的脆响,皮带逐渐陷入和碎裂的骨头使奈良村发出惊惶的尖叫。这种邪恶的感觉就像一股强烈的电流,通过玲子的手而传播到全身。“感觉真是好极了……就像不是敲打,而是切割一样……好棒啊,玲子,虽然你很傻,但是还是很会让我快乐,再让我快乐一次吧,现在开始让我听到骨头碎裂的声音吧!”
玲子深吸一口气,重新调整体态,用全身的力量挥动皮带,瞄准的目标是奈良村的第十一个肋骨。扑嗵!一下子便让奈良村的肋骨断裂. 奈良村痛苦地叫喊出来:“呜唔,好痛苦啊...!” 玲子得意地笑着说:“哈哈哈哈,我的一击不错吧?骨头破裂的疼痛感最棒了!比崩断可疼多了吧?这样的痛苦,很难再尝到了!那么,我会带给你更多的痛苦!下一个目标就是...这里!”玲子摇动皮带,打中了奈良村的右锁骨。吧咚!奈良村也能听到他骨头破裂的声音:"啊啊啊啊啊啊!不行,不行啊!!!” 痛得奈良村仿佛要发疯了。他发出断断续续的惨叫,身体如同疯狂扭动,他开始感到死了也比这痛苦舒服。
与此同时,朝子也兴致勃勃地回到了对待犯人的领域。她注意到了绑架犯須崎的指头异常红肿。“喔,你的指头怎么了?这么发红!而且,这些泡泡是怎么回事?仿佛生了不顺的病一样!”朝子惊讶地说道。虽然須崎自己无法看到,但他的指头确实因为火烤感染了一种炎症。时间一长,炎症的效应开始在身体中显现出来。“嗯,原来远程用火烤的这种方式也非常有效啊。痛不痛?”“嘶嘶!”只是朝子用手指轻轻戳了一下,就让須崎十分痛苦。
須崎求饶,但朝子对此感到很有趣。“当然我也能原谅你的错误,但是呢,‘拷问官中途饶过受害者’这种事情肯定是不应该的。所以……还是该轮到这个东西出场了吧!”说完,朝子提出打火机。她把火柴头点燃,然后把点燃的火摆在須崎的鼻子前. 須崎的全身都感到了恐惧和颤抖。
早晨看到颤抖不已的须崎,朝子露出了高兴的笑容。“怎么了啊,这么发抖。啊,难道是冷吗?嗯,没关系的啦。因为你直接滚到了混凝土上。好了,我会暖暖你的。慢慢地,充分地,我会好好暖着你的!” 说完,朝子暂时站起来,重重地坐在须崎的背上。“啊,啊哇哇,求求你......” “没关系,放心吧。我可不会像之前那样那样对你的。”咦不会那样......须崎的脑海里一瞬间窜过期待和不安。“刚才没有好好地暖到你吧,才这么发抖啊。好了,这次我会用直火好好地烤着你,让你感觉不到冷了。” 朝子慢慢地将打火机的火焰靠拢到须崎的指尖。并且像她所说,这一次她完全用火烤住了须崎的手指。“哎呀呀呀呀,好热,好烫啊!!求你别再这样了!!!” 须崎的惨叫声已经不可同日而语了。他拼命地想挣脱,但是他的手腕已经被绑牢,而且背部还被扭曲使肩膀无法动弹。尽管如此,为了拼命地移动他的指头,火焰仍然在乱跳,也在不规则地烤着须崎的手指,甚至影响到他的整个手的疼痛。“啊哈哈哈哈!须崎先生,体型虽大,却还蛮灵巧啊,手指动得好快哦。是不是以前学过钢琴啊?” 正在享受火烤的朝子开心地笑着,而被烤的须崎却不能再聚精会神去感受这个了。由于疼痛的难忍,他只能竭尽全力地挣扎。“我不要!不要!好烫啊!啊啊啊啊啊!!!”
在指尖,須崎感到炽热烤焦的感觉。尽管火焰直接作用于指尖,但火力并不强大,无法使皮肤完全变成黑色,不过却引起了皮肤烧伤,有些部位的肉露出了红色肉眼。水泡已经被高温打破,大量透明的液体从被烤烤焦的指头上滴下来。最开始,指毛烧焦时会散发出让人厌恶的气味,但现在已经消失了,有另一种味道流出来。嗯?有什么味道,这个味道有点好闻。啊,原来是烤肉的香味!
“哇,須崎先生,好香啊!嘿,須崎先生,你也试试嗅嗅吧,有烤肉的香味啊,怎么样?你那边感觉怎么样?想吃烤肉了吗?” 然而,没有回答她。尽管有着烤肉的香味,但指头还没有完全燃烧,痛觉还没有死亡。负责这一切的是火焰。須崎会持续承受剧烈的痛苦。现在是不可能回答朝子的问题的。
“嘿,我听说你能闻到烤肉的味道,你怎么不回答呢?快说......”
朝子将火焰放在手腕上的中心,让須崎无路可逃。火焰聚集在他的手指尖并炽烤了一会儿:“啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊!!”須崎的尖叫声变得更加剧烈。在朝子的底下,須崎的身体剧烈颤抖着。“咳,痛死啦,原谅我,救救我。”
“嘿,我都闻到了烤肉的香味咧〜,怎么回事呢?回答我啊。”
对朝子的折磨而言,这种火上烧烤是她喜欢的折磨方式。只需集中火焰在手指尖,朝子就可以在无限的痛苦中欣赏。对于朝子来说,这是一种最方便的折磨方式,无需过多的劳动,也不会感到疲累。但是对被折磨的須崎来说,这种痛苦已经劣迹于柏野等人。須崎的皮肤烧焦,有些地方的肉仍然是粉色的,而朝子则坐在那里欣赏着他的整个身体无力颤抖的画面。她可以看到他被火焰烧着的场景,享受着他身上肆虐病态的痛苦,而却毫不费力地极尽所能享受这场煎熬的过程。这是朝子求之不得的事情。
“哎呀,说什么都没有回应啊!真是太冷酷了!好吧,那我就自己一个人玩了。烧烤派对!”須崎成为了朝子能够占有理由的人类烧烤,而这种折磨,一直持续下去。
“啊~~~~~~~~——!!!好疼,好疼啊啊啊啊!!!糟了!”
“啊~~~~~~~~——!!!呜,呜咕咕……哥……啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊——!!!”
“啊~~~~~~~~——!!!求求你,放过我!好痛啊,啊啊啊啊啊啊啊!!!”
“啊~~~~~~~~——!!!好热啊,不要,啊啊,热死了。不要啊啊啊!!!救命啊,求求你停下来啊!!!”
折磨达到了顶峰。 “啊哈哈哈哈哈哈!!!” “快点啊,再大声叫!”
“感觉怎么样,好玩吧?”
“嘻嘻嘻,我们也来烧你们一下!”
昨天晚上,礼子等人四人过了一段至幸福的时光,使坊野等人支配了长时间的痛苦。他们感受不到罪孽或慈悲心。他们只是全力集中于予以更多更长时间的折磨,就像专业的审问人员那样。
尽管坊野等人曾在打斗场所输过,甚至受到了欺凌和殴打,但他们从未尝过像礼子所给予的如此逼真的痛苦,这种不单只是简单的打斗而是和专业的拷问经验相较的话,可以说是靠近于拷问的痛苦。他们没有任何逃脱的机会,无论怎样挣扎或反抗,哪怕尝试一切方法都无法逃脱礼子给予的拷问。 疼痛持续数小时,坊野等人已接近失神的边缘。
「啊!啊嗯!啊嘿——!妈妈——!」双手捂着脸,不停地叫喊着;「好痛,好痛,求求大家帮帮我——!」「咿呀——不要了啊,不要了啊,我告诉你们我知道了!我不再做了,不再做了啊啊啊!求你们饶了我——!」绝望的声音从拷问室中传出;「呃——太热了,不要啊,我不想要啊,不要啊啊啊啊啊!」又是一声惨叫。然而,无论怎样的叫喊,都不能给他们带来任何救赎。拷问者们始终不停地施行着折磨。他们的身体和心灵,都已到了崩溃的边缘。当坊野们最终意识到逃脱的方法时,他们的头脑已经快要崩溃了。逃脱的唯一方法,就是屈服拷问者的要求,供认自己的罪行。无论身体还是精神,都已经到了极限,他们意识到,这是唯一的出路。
「什么鬼,什么鬼!为什么要遭受这样的拷问......为什么我们要受到这样的残酷折磨......」他们的尖叫声同时响起。「不要,不要,我讲,我讲就行了,求你们放了我!!」「求求你们,让我歇口气好吗,只要讲话就好,求你们放我一马啊啊啊!!」「那家伙,就是那家伙让我们来的啊!!」「不......不要啊,我讲,我讲,我说他们是慎治和他们啊!!」「好烫啊,信次那小子做的......!」
然而,礼子和她的同伴们无动于衷,他们默默地继续折磨下去。直到坊野们喊到喉咙都沙哑了,他们还在不停地施行着折磨。但当坊野们以为再也没有逃脱的机会时,他们终于听到了一丝希望。他们只需要屈服拷问者的要求,供认自己的罪行,就可以逃脱折磨。虽然这看起来简单,但对于挣扎在折磨之中的他们来说,这已经是唯一的希望了。
看着坊野们终于屈服,礼子的整个身体被兴奋和满足感所充满,她感到了一种前所未有的成就感。这不同于性快感,而是一种精神上的满足感。她成功地屈服了一个比她更强壮、更有力的对手,把他压制在了自己的脚下。她为自己的成功感到醉心。在她左右,玲子也露出了同样满足的表情。「哈哈,玲子,你看,我们终于屈服了他们。」「是啊,你对这场拷问有何感想?你满意吗,礼子?」「嗯,算是吧。不过说起来,我们白状出来的依願者,其实就是那几个......」她转向富美代,欲言又止。那个貌似略带顾虑的目光似乎在点头示意着她,于是她缓缓地发出了声音。
当富美代一边冷冰冰地俯视着検见川痛苦呻吟,一边开始了新的审问。“……你说是因为被慎治等人拜托了吧。但我从来没有听说过你和慎治是朋友。你为什么要接受这种拜托呢?”可検見川还在痛得欲死,无法立即回答。这种事富美代是绝不会容忍的。她一脚踩在検見川的脸上后,继续逼问他。“怎么回事啊!你不能回答我的问题吗?赶紧回答!否则……我可还要再多开一个洞哦!”再多开一个洞!这话足以让検見川开口了。“啊哈哈啊!别、别再踩了!我、我会说的,什么都会说的。我们、我们只是被请以钱雇佣而已!”旁边的玲子笑了起来。“被请以钱雇佣?啊,这样啊。那么,你也是这种情况吗?”“啊,嗯,是,是的。我们只是被付了一笔钱而已。所以……请、请原谅我们啊……”然而礼子一边轻轻踢着坊野的脸,一边问道:“嗯,只被请以钱雇佣吗。话说回来,你们被请了多少钱啊?”“十、十万,每人十万日元……”“只有这点钱?只因为被请以十万日元而精心策划袭击我们,这么高级的安排……只因为那十万日元!真是劳烦你们了……现在你们还被我们制服并遭受拷问,付出了巨大的代价呢。”“啊……是,是的……请、请原谅我们,我、我都说了,金钱也不要了,真的,真的,请原谅我……”“笨蛋,我们不需要你们的金钱!”礼子一边笑,一边轻轻踢着坊野的脸。信次和真弓的双眼里充满了恐惧、痛苦和绝望。所有负面情绪一下子淹没了他们。毁灭,我们已经完了……信次和真弓脸色苍白,不停地翻动嘴巴。“啊啊啊,被发现了。信次,怎么办啊?”里美用胳膊肘戳着坐在旁边的信次,表情无奈。“真是的,你也太冒失了吧……你真的雇佣了那些家伙攻击玲子等人吗?这怎么办呢?”“嗯……好吧,虽然我们平安无事,可是结果并不完美。玲子等人很生气,我们不知道会发生什么。你们两个打算怎么做呢?这可能会很麻烦哦……也许,真的会……被杀掉?”被杀掉!真弓兴奋地说出了这个令人胆战心惊的话,而慎治则本能地开始了哭泣。“你、你说什么……怎、怎么可能……这、这是骗人的吧……求、求你了……救救我……我不想死……”信次也紧紧抓住里美的靴子。“求、求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求求!”
里美和真弓瞪大了眼睛,听到了慎治等人自私的话语,不禁轻轻扬起了双手。“喂,信次,你们有什么误解吗?”里美冷酷地申明道:“我们是玲子的朋友。首先,你们真的那么腐化成人了吗?雇佣黑帮袭击同学,这种想法难道不让人感到愤慨吗?我们为什么要站在信次那边?不管是受拷问还是受害,都是你们自作自受!”真弓也点头附和道:“真是的,莫非我们不想立刻在这里打击慎治他们吗?不要说这种蹩脚的话!…当然…”真弓开心地笑了,突然想到了什么。“也许不只是我们想打慎治他们吧。那个正在那里睡觉的SNOW CRACK,他们难道不也恨慎治吗?毕竟,他们也是受慎治的连累而受到拷问的受害人。”
这、这些话简直就是慎治等人最大的噩梦。没想到坊野等人也盯上了他们,这简直太可怕了!正在这时,里美突然看向地面,兴奋地说道:“嗯?慎治,过来看看吧。下面好像又有新的有趣事件了。没关系,放心过来。说不定对慎治等人来说,这是个好机会嘞?”好机会?就像在地狱里寻找救赎一样,慎治等人拼命地寻求着任何可能的出路,于是便向着舞池看去。那里展示的场景真的非常出人意表,远超想象。
“那么,好吧。总之,自白也得到了,现在该通知警察了,今天的活动就到这里结束吧。”礼子伸展着自己的胳膊,看着周围。富美代和朝子也点头附和,似乎已经筋疲力尽了。对于慎治等人来说,被警察带走通常是非常糟糕的最坏结果,但对坊野等人来说,礼子之前的话简直是得心应手,简直是救命稻草。随便什么方式,只要能被带去医院就好了……但是,玲子粉碎了这个甜蜜的幻想。
“等一下,礼子,还不可以!还有未完成的任务。”突兀而强势的声音,打破了现场放松的气氛。虽然与场合毫不相符,但却充满了玲子不容忽视的气势。
“任务?还要继续拷问吗?虽然我无所谓,但已经让他们供出了,再干下去只会变成折磨吧?虽然也挺有趣的,但对今天来说已经足够了。”礼子对玲子的话感到困惑。对于玲子来说这似乎有些出人意料。但想一想,礼子在这方面并没有经验,也就顺理成章了。
“对,我也不想再拷问了。但是,现在还有最后的关键一步。如果这里出差错了,我们之前的努力就白费了。”玲子吸了一口气,表情严肃至极。“关键一步?我不太明白。你要塞进去什么?”礼子也感到不解。朝子和富美代也点头表示赞同。没错,朝子想的一样,我们已经拷问得这么狠了,再搞什么更狠的可不太容易啊。
“不对,我的意思并不是让我们再拷问。我是想除掉罪魁祸首。想一想,为什么他们要袭击我们?为了钱?当然有那个因素,但主要是为了……轮奸我们。那么……”
“原来是这个……听起来有点明白了。”一直沉默的富美代开口了,语气冷淡。
“我想的就是让前辈们绝不会再有轮奸的念头了。从身体上永远无法再发生。用生理手段或物理手段,总之让他们无力再轮奸任何人……解决根本问题,让我们不再担忧被他们再度袭击。”
“什么!你是说你真的动手潷他们的……那种地方吗?”礼子惊呆了,不由得大声尖叫。
“不可能吧!千万不要啊礼子!就算是我,也从来没有做过那样的事情!”朝子微笑着否定了,但马上又变得严肃。“但现在的情况不一样。这些人是例外,必须彻底地让他们再也无法轮奸任何人。”
“对。就是那个。把他们的关键位置……球,用力搓扁!这样他们就再也无法轮奸任何人了。而且再也没有理由再来烦我们了。”玲子已完全认真了,一脸没有丝毫开心的表情。
“什么!你们不可能吧……”礼子和富美代惊愕万分,都摇着头,表示无法相信。
虽然玲子笑了出来,但很快又变得严峻起来。“我没有假,这件事情很重要。这种最坏的家伙非得连他们的未来也要毁掉不可!”
「啊呀呀呀呀呀!不要啊!就差这个了!」坊野们惨叫着,在玲子和其他女囚的面前屈服,请求不要搞砸他们的“家伙”。
即使这么痛苦,但只要时间过去,之前的折磨可能就会消失。除了検见川之外的男囚,他们不会受到永久的伤害。但如果睾丸被压碎,恢复的可能性就非常小了。对于那些以强奸为生的男囚来说,这几乎相当于一种死亡。坊野们尽其所能地尖叫,哀求着减轻他们的惩罚。习惯了这种哀求的礼子们几乎不在意,只有朝子心疼地询问道:“啊...睾丸是指...那个吧?玲子,你确定不会死吧?如果坊野们真的死了,那肯定不妙吧?”
富美代也点头表示赞同。确实,如果坊野们死了,那是绝对不能接受的。玲子也无异议地接受了这一事实。“啊,确实是这样。但我想了想,似乎大多数人在睾丸被压碎的时候,由于剧烈的疼痛,大多数人都会咬碎自己的舌头。所以,在压碎睾丸之前,最好将下颚脱臼或是折断牙齿。这样的话,应该没什么问题吧。”
啊,这些女囚真的很认真,她们真的想要压碎坊野们的睾丸。坊野们已经惊恐到了失禁的程度。礼子听到这些后,决定加上更多的刑罚:“你们知道宦官吗?”他重重地问。
“宦官?你是说中国的那种吗?我知道,但这跟我们的情况有什么关系呢?”玲子问道。
“没错,这些宦官也失去了性器官,但是贪婪、渴望权力的欲望,还有恶意,这些都没有改变。即使路径改变了,方向却越来越恶化,不是吗?所以,坊野们只摔坏他们的睾丸可能是不够的。即使他们失去了性欲,他们依旧会像以前一样,用尽一生来对我们进行复仇。所以,从物理方面来说,还应该摔坏他们的阴茎,正当这些肌肉起到重要作用的时候,将阴茎扭断。这样,他们就完全失去复原的可能性了。事实上,他们以后一生的力气也只会像女孩子一样微弱。”
扭断阴茎!不仅压碎睾丸,还打算把坊野们的肌肉扭断!“那...那样太残忍了吧...别这样,我...我真的会死的!”坊野痛苦地哀求着,请求女囚们不要给予太大的惩罚。
礼子面带温柔的微笑,宣布了可怕的刑罚:“没关系啦,坊野先生,你不可能死的。在压碎您的睾丸之后,才会把阴茎扭断。疼痛使人昏厥,然后再继续那个过程。事实上,当您的睾丸被压碎后,您已经无法感受到其他痛苦了。无需担心会死亡。”
礼子在微笑着,向坊野们宣布刑罚。
“好了,谈好了啊!那我们继续吧!”喜怒无常的美少女们无视了坊野们的哀哭和恳求,开始执行新的刑罚。
“那我们要从谁开始?”“嗯……那当然是先提出这个提议的我了吧?”玲子说着,富美代清晰而冷静的声音响了起来。
“等一下,玲子!”三名拷问者和四名囚犯的目光都聚焦在富美代身上。
“今天这个聚会的源头,其实是我和前辈两个人。那么……结束时,我和前辈还要出场吧。”富美代说着,又用靴子踩住了検見川的脸。
“没错啊,前辈。是不是我和前辈最先上场比较好呢?前辈,怎么想?”尽管被踩住了也不能说出“好啊”,検見川一直在哭泣着恳求。
“前辈,这么被踩下体不是很舒服吗?”
“啊、啊啊,拜托了,我什么都做,只求你不要让我被阉……”
“嗯,那我给前辈机会一次,最后有其他三个人可以替代前辈,坊野、奈良村和须崎,谁可以代替前辈,我就踩碎他。前辈的就原谅了。”
“喂,这不是不可能的吗?”三人都想去当替身,但显然无法申请。他们想活得长一些时间,哪怕只有一瞬间。坊野三人都反射性地转过头去。
“啊,啊啊,坊野,你喜欢女孩子吧,我给你过很好的生活吧,你可以享受女孩子的服务吧?求求你救我啊!还有,奈良村啊,我也提供女孩子给你,怎么不谈了?为什么没有说话啊?走来看看我,须崎……你能代替我吗?不是我把你带进团队的吗?求求你,现在是时候回报了!求求你啊……为什么啊?为什么你们都不回答我啊……拜托了,求求你们……我不想被阉割…”
当然,三人都没有回答。他们不知道是否还能有什么反应。
富美代没有表现出丝毫怜悯或同情,拧着嘴唇用鞋子的尖骨子把検見川的下巴抬起来。
“……前辈,你不讨厌被踩碎吗?”
“啊、啊啊,拜托了,怎么都好,只要不踩碎……”
“哼,那我给你一次机会,在最后一次,有谁能替代前辈,我就代替他。前辈的事情,就原谅了。”
在场的青年们面面相觑,他们都心知肚明,先前的怨恨和不满已经让富美代失去了理智。而她的目标,就是刚才还在凶狠威胁他们的検見川。
“前辈,似乎没有人愿意替代呢,那我们就开始执行吧。”
“啊,不要啊,求求你们,等一下啊!”
“前辈,你不要死死挣扎了,似乎没有人愿意替代你了呢?你还是放弃吧,还有10秒钟,如果没有人替代你,时间就到了。”
富美代平静地说道。
“啊,不要啊,这只有10秒钟啊……”
“……10,9,8……”
“不,等等啊!”
但是,富美代一直面无表情地数着倒计时。
“……7,6,5……”
“不要啊,坊野、奈良、铃木啊!求你们了,求你们!!!”
“……4,3,2……”
“啊啊啊啊……不要……不要丢下我啊……”
“……1,0。……时间到了,前辈。”
富美代再次宣告了他们的死刑定罪,并用靴子踩在了検見川的脸上。她的声音像冰一样冷淡,她不再感到愤怒,而是更接近于悲伤。她坐以待毙,自己憧憬的先辈竟想强奸她,让她感到了恐惧,以至于她如此丢脸地哭泣和呼喊。先辈,你真的不在乎我啊。你不会因为我而流泪,但是一旦自己的生殖器受到重创,甚至像我这样尖叫着哭泣。先辈,你到底能为自己考虑多少呢……她为这种悲伤而变成了更残忍的刑罚的动机。富美代转过身来,突然对玲子等人说话了。
“喂,玲子,我换了主意。”
“什么,怎么了啊?”
“嗯,刚才在脸上钉了一个小洞,绝对是拷问。而压碎蛋蛋、摧毁阴茎则是未来的保险。如果这样的话……还差了一件事。”
“差了一件事?到底是什么?”
“嗯,还差……惩罚。你们认为一定要恨罪不恶人吗?但不惩罚他们的话,我们不能原谅。这是为了他们自己。如果犯了罪就一定会受到惩罚。我们必须好好地教育他们。你们也都懂吧?那群先辈不是人类,是野兽。他们无法用语言来教育,而必须通过身体来教育。为了让他们永远不会忘记,我们必须给他们严厉的、一辈子都无法忘记的痛苦惩罚,让他们从本能上明白,必须用惩罚来纪律自己。”
三个女孩不由自主地相互看了看。富美代看起来完全迷失了自己,怎么办?玲子稍稍等了一会儿,说到:“嗯...富美代,我知道你的想法,但是想想这个惩罚...光是阉割是不够的吧?我想那肯定非常非常痛苦。”
“不行,绝对不能!”富美代的脸色苍白而端正,唯有眼睛中显示出淡白色的火焰。在某种程度上,它是一种惊人的美丽。
礼子轻轻地叹了口气:“玲子,不行,看看富美代这种眼神。每当她这样看着人的时候...就无法停止...你说的话有道理,我们应该给她惩罚......但是,刚刚那么残酷的拷问之后,你有任何想到像那次拷问一样或更残酷的刑罚吗?如果你能想出来就好了,但如果你不能,我想确定我们可以轻易地惩罚她,对吗?”
富美代被虚张声势地说服了,她露出困惑的表情。但那只是一瞬间,她想知道怎样才能更折磨前辈,怎样才能给她比刚刚的拷问更痛苦的刑罚……她看着検見川,掩盖在她的靴子下的裂缝,当她的鼻子露出来。她的脑海中灵光一闪:
“…我有了一个主意,惩罚前辈的方式。”
“什么?什么惩罚?”
“你没听说过吗?鼻铅笔和鼻裂箸。这是一种骑士。你将铅笔或裂箸插入你的鼻子,作为一种体罚。它像是朝鲜中学时代的惩罚。有时在不良青年杂志上的传奇版面上会看到,不过几乎没有人看过。这是一种城市传说…嗯,你明白我的意思吧?我们将它变成一种现代式的骑士。哈哈哈哈!你知道吗?我将用更痛苦的、更硬的东西来挖她的鼻子。是的,我会用我的靴子高跟鞋!我宣布对前辈进行鼻靴体罚!”
鼻靴惩罚!検見川当然也知道鼻铅笔和裂箸的事。她从来没有亲眼见过,当然也没有做过。但是,作为一种几乎成为传奇的最后惩罚之一,从不良青年的前辈那里传承下来,而且只是存在着。现在,她要自己亲身体会到这种刑罚了。而且用靴子来实施。使用富美代的靴子。在自己的两颊上挖了巨大的洞,受尽折磨,煎熬和贪婪的富美代靴子的力量,用它那高耸的钻石跟踩碾小鼻子,压碎并践踏鼻腔黏膜的敏感部位。她不能想象这会是多么痛苦……
所有人都依次前去帮助!首先得换个地方了。富美代指向了工厂深处的材料存放区,那里由梯级形成,略低于地面。“不、不要、不、别这样啊啊啊啊啊啊!呀啊、疼、好疼啊啊啊啊啊!!!”検見川双臂被四人拽着拖走,发出惨烈的叫喊声,毫不在乎他的关节深受伤害,四人依次拖着他走到那个梯级的前面。富美代将検見川仰面放倒,只留下他的脖子悬空在梯级外面,然后她跨坐在検見川的脸上,如同哪吒捏着蟹壳一般慢慢俯视着他。“现在,先生,准备工作完毕。大家,好好地抓紧他。”“呵呵呵,知道了,富美代,这种技巧听起来相当好。検見川先生,能不能抬起头来?”礼子抓住了検見川的头发和下巴,用力地将他向后推去。“恰好高度差不多,検見川先生的头顶正好碰到了地面。呼呼呼,看起来像是专门用来断鼻的刑台。”礼子带着期待和兴奋的笑容说道。“那我们就用两只手安抚他吧。”玲子和朝子跳上了検見川的双臂,控制着他的移动,富美代缓缓坐在検見川的胸前。“现在,先生,我就要插进去了……”富美代抬起右脚,慢慢地贴近検見川的鼻子。“不、不要,不要啊啊啊啊!不要这样啊,呜呜呜!”慌乱中,検見川用力摇头,试图逃脱。礼子紧紧抓住他的手臂,将他的头固定住。“听好了,你要认命。现在就是你最后的机会,再动一下就会把鞋跟戳到你脑子里去。”她冰冷地笑着,将另一只鞋跟也插进了他的鼻孔。即便是纤细的鞋跟,也得承受住人体重的压力。要想将它们插进仅有不到一厘米宽的鼻孔里,就必须用力冲撞。富美代慢慢地旋转着双腿来保持她的鞋跟在鼻孔里不会滑落出去。
现在准备好了!前辈,你觉得被靴子塞进鼻子里的感觉怎么样?好不丑陋的姿态,简直像是从鼻子里长出靴子一样嘛?!“哎呀好痛苦啊……”検见川拼命地扭动着头,试图减轻靴子上的压力,弯曲的程度几乎达到了90度。靠得太近了,焦距不对,所能看到的只有富美代靴子上的银色高跟和黑色鞋底。视野几乎都被富美代的靴子占据了。 “呵呵呵呵呵前辈,我想起来一首好歌了啊。你知道嘉门达夫的那首歌吗?那个段落,Cha-La Head-Cha-La从鼻子里流牛奶!你知道嘛?对于前辈来说,似乎可以改成这样:Cha-La Head-Cha-La从鼻子里钻出来靴子~嘿嘿嘿嘿嘿!”富美代一边放声大笑,一边转向礼子。“谢谢你啊礼子,我已经完全钻进去了,抽不出来了。现在我的头已经没问题了,还能帮我按住身体吗?”“好嘞,那我就坐在她的腰上,好好按住她!”玲子、朝子从手臂顺着肩膀爬上来,礼子则坐在検见川的腰上,让她完全动弹不得。富美代仍旧坐在検见川的胸前,所以靴子还没有完全刺入她的鼻子里。但是已经到极限了,只要再往里面挤一点点,検见川的鼻子肯定就会被富美代的靴子残忍地摧毁。 富美代俯视着在脚下呻吟的検见川,嘴角泛着残忍的笑容。“那么,前辈……开始执行鼻子靴子刑吧!”
富美代高喊着:“玲子、朝子,借我一下肩膀!快!”,便把她的手放在了玲子和朝子的肩膀上。富美代立即用力跳起来,仅仅靠双手的力量,然后在下一刻迅速地脱离玲子和朝子的手,把全部重量靠在鞋跟上,狠狠地踩进了検見川的鼻子深处。“噶吧吧吧吧!噗吧吧吧吧吧!咳!嘶嘶嘶!啊啊啊啊啊!!!”検見川发出了像野兽一样的绝望的惨叫,同时全身用尽力气,使颈部向后仰。礼子的身体在検見川的腹上弹起了10公分,但是没有使用双臂和双腿,仅仅通过腹肌弹跳50公斤的岩石礼子到空中是相当困难的。“哦!検見川先生,你真棒!但是,你不可能用这种程度弹飞我!“ 富美代想挣脱肩膀,但由于肩膀已经掉下,所以脱手很困难,她只能颤抖着手腕,半推半就。然后,富美代冷酷地对待検見川的顽强抗争,执行着鼻子鞋刑。“啊哈哈,啊哈哈哈哈哈!学姐,你看看!痛吗?苦恼?但是还远远没完全结束,我要更残酷地折磨你,这是对兽罪的处罚,对学姐的惩罚!更大的痛苦,更大的哀嚎!看呀!看呀!看看看看!!!”富美代发出高调笑声,同时巧妙地控制着平衡,不让自己跌倒,紧握鞋跟,不让鞋跟从鼻子里滑出,不断对着検見川进行质问和虐待。“学姐,我给你唱歌听吧!鼻子鞋,鼻子鞋,鼻子...从鼻子里滑出去,呜呜!“富美代大声唱着歌,一边假装踏着节奏,在左右脚之间快速变换,同时扭动腰部,微调着鼻子里被迫害的区域,并愤怒地折磨着検見川的鼻子。
富美代毫不留神地踩踏着検見川的鼻子:“嘿嘿嘿!嗯呦呦呦!!比起鼻铅笔的玩笑程度,这个算得了什么?!即使鼻铅笔疼痛,也只是一瞬间,并不会一连串地连续被使用。但是鼻子刑不同。富美代是从上方责罚検见川的。首先,施力程度完全不同。鼻铅笔是从下方用手推送,而且相互移动,只能使用很少一部分的力量,以传达给细笔的力道。但是,富美代用尽全力,利用自己的整个体重来责罚検见川。而且基本上是下踹,类似于脚踏运动,因此只要富美代注意到平衡,她就可以实施无数次的责罚。富美代的高跟鞋不断地划破并抠掉了検见川通气道内的粘膜,切割、流出鼻血,完全把鼻肉从神经中剜走了。
没有任何余地发出痛苦、停止、原谅等词语。疼痛不仅在鼻子本身,而且在鼻耳喉深处、眼球后方甚至到达地面上的颅骨,并将头部整体弯曲成近乎90度,所有感觉因激烈的痛感而消失。但富美代的折磨并不仅仅是疼痛。还有水银滴度計(一种体位自行车)。
“咕哇啊啊啊啊啊啊啊!!!......”検见川突然不断地发出惨叫声,同时全身开始痉挛着痛苦地抽搐。凶手是血,検见川自己的血。这种鼻血不是几滴。由于毛细血管集中在鼻通气道内,因此鼻腔内部被破坏得非常严重,充满了大量的鲜血。许多出血后来从狭窄的空间被塞在富美代的高跟鞋里外流,将検见川的脸染成了红色。但是鼻子内部充满了血液。部分血液在検见川疼叫时无意中逆流,进入了肺部。検见川意识到咳嗽会非常痛苦,但失误地又吞了一口血。
“Gah, huh, ah... aguga.....ogo...goooooo.....”由于疼痛过于严重,検见川疯狂地扭动着全身,并被富美代的靴子抠出了鼻子的深处。疼痛和痛苦的二重奏,検见川感觉到自己的视野正在变成红色。富美代的靴子、从脸、鼻子和嘴里流出来的鲜血,以及由于太用力整个眼球内小血管破裂而开始从眼睛中流出的血泪,让他的全身都占据着一种强烈的疼痛感,这种感觉比其他所有的感官更让他感到痛苦。
每当检见川咳嗽时,从肺部反流的血液,以及从鼻子流入口腔的血液,就像血泡一样,或者成为喷溅物四处飞溅。在开裂的富美代靴子留下的大洞上面,除了伤口自身出血,还有口中溢出的部分血液无法停止地滴下来。从眼睛中流出血液的泪水,当然还有大量从鼻子中流出的血液。检见川的脸被大量鲜血染成了红色。而折磨着检见川的恶毒富美代的靴子也涂上了鲜红。与富美代鲜艳的红色靴子相似的,但色彩深浅显然不同的红色不断叠加。富美代满足地看着检见川挣扎的脸。银色的金属鞋跟藏在检见川的鼻子里,无法看到。富美代遮盖膝盖以下的靴子和检见川满是血的脸和飞溅的血液,让整个地板都染成了红色。呼呼呼,今天我的时尚风格统一了,全部是红色。不仅是衣服,从我脚下到前辈的脸,整个地板都是红色的。前辈,作为坏人的前辈,还敢这样对待我,真是太有趣了!难道这是对我所做的赎罪?不行,这还不够,这只是开始!富美代渐渐地平静下来,但相反,她的愤怒却变得愈发猛烈。我还不能原谅你,你看,用我的靴子继续承受痛苦吧!越多越好,一直,一直,尽情地忍受疼痛!
富美代一而再再而三地将高跟靴全力踢进検见川的鼻孔里。感觉到柔软但坚硬的内核,既不湿润也不滑溜,就像嗓子上的异物,从鞋跟开始沿着富美代的脊椎升腾而上。这是什么感觉啊?类似于践踏慎治肉体时的感觉,但又有些不同。有种削弱、摧毁的感觉吧?嗯...很有可能是高跟鞋把肉削落的感觉。这种感觉不知怎么的感觉很舒服,似乎让人上瘾。通过靴子感觉到検见川的敏感神经集中的部位被毁坏,富美代继续加以折磨。每次她施加踩踏的力量时,検见川脚下会因多种疼痛和苦痛而喘息。大量的血液从検见川的肉体中流出,淹没了她的整只脚,像是一种温暖的液体膜。这种温热的感觉让富美代感觉到快感,而不是厌恶。
哈哈,呜呜呜呜!!!先生,你逃不了了。只要我不允许,你就会一直这样痛苦。痛吗?难受吗?想晕过去了吗?但千万别那么轻易地想要得到我的宽容。由于过于痛苦,検见川几乎昏迷了很多次,但每一次都被猛烈的疼痛敲醒。她甚至不能昏厥,因为疼痛太过强烈。然后,富美代从検見川的鼻子里取出了左鞋跟。“啊,噗...布巴啊!!!”血从検见川右侧鼻腔喷涌而出。“哼哼哼,先生,你千万别以为我会给你宽恕,好吗?刑罚还没结束呢。呜呜呜,没错,我先抽出一只鞋跟以便支撑自己,这样我就能更加剧烈地踩踏你了!”
富美代在右鞋跟的支配下,完全集中自己的体重,然后尽全力,将右高跟鞋深深地踩进検见川的鼻子里。“咕,畏畏缩缩...秕轨轨轨轨轨轨轨轨轨轨轨轨轨轨轨轨轨轨!”富美代巧妙地操纵着鞋跟的运动,不断地把这种连续、猛烈而凶残的连续踢击之感传递到検见川的鼻子里。这样的攻击已经足够破坏力十足,而对于脆弱鼻粘膜来说,更是具有毁灭性的威力。
“好笑吗?哼!这个样子虽然已经足够让鼻骨碎裂!但为了让你彻底绝望,我要更加戏剧化,毁灭你的嗅觉神经!让你的嗅觉功能永不恢复,让你的人生永远充满绝望!不单将你打败成瘸子,而且还将让你在整个人生中过得无比痛苦!”,富美代不停地折磨着検见川,让她不断地流血喘息。在破坏完整个左鼻孔之后,她把负责宣布惩罚的脚移向右鼻孔,也把它完全摧毁了。当鼻子的刑罚执行完毕时,検见川由于过度流血和长时间的疼痛而无法动弹,只能像昆虫一样抽动着。现在她已经不能吐出任何声音了。
富美代满意地俯视着痉挛不止的検見川,像是在经历一番慢性折磨后得到了最后的胜利。她转向玲子等人,微微点了点头,把横躺在地上的検見川的脚拖拽过来,带着他回到了工厂中央。哗啦啦,富美代用血淋淋的靴子残忍地踩在同样血淋淋的検見川脸上。“哇哈哈哈哈,前辈,尝到鼻子靴子刑的滋味了吧?有点反省了吗?虽然像前辈这样强硬的人是不会觉得后悔的吧……不过算了,我很宽容,我将此作为惩罚,原谅你吧。所以……”哗哗哗,富美代更用力地践踏着她的靴子。“尽管你已经为过去的罪孽赎罪了,现在我会要你为我们未来的保险付出代价!啊哈哈哈哈哈!按照承诺,我会把你的“小蛋蛋”踩碎的!”“……啊,啊啊啊……求求你,放,放过我吧……”“什么,前辈?我没听清楚,你能再说的清楚一点吗?!”“拜,拜托……放,放过我吧……我,我会死掉的……”“啊,确实可能会死呢,没错。那又怎样呢?我不管你死还是活,这都与我无关。为了我光明的未来,我只是为了把你的小蛋蛋踩碎,把你的胳膊和腿打断,让你再也无法起来罢了。你死不死,我早已不在乎了。好了,我们的交流到此为止,接下来继续折磨你!”富美代坚定地说完,便只释放了绑着検見川的脚。検見川挣扎着试图逃跑,但已经失去了正常的腰部着力点,根本做不到。 “好的,富美子,先把他的下巴解开吧!”検見川趴在地上,礼子抓住他的头发,把他顺着头发拉起来。“谢谢你,礼子。好了,前辈,基于我对武士的同情,我会帮你解开下巴,你张口吧。。。”“不, 不要啊啊啊啊,不要啊啊啊啊啊!”検見川惊慌失措,已经无法听到富美代的声音了。当然,他也不会自己张嘴。 “……前辈,如果你不在五秒内张嘴的话,我就要踢你了”“别,别,别啊啊啊啊……”“……5,4,3……”“求你了,不要啊啊啊啊……”“……2,1,0。”富美代与礼子相互点头。
礼子把膝盖压在検見川的后颈上,全身的重量向下压迫之,将头发揪住并固定住他的脸。“啊,啊,啊,啊,糟糕!你太过份了!!!”検见川像青蛙一样跪在地上,流着泪哀求,而富美代对准他哀求的口,目标清晰,大幅度摇晃一下就像踢足球那样,用红色的靴子猛烈地踢了一脚。嘎嘎嘎、刮噶嚓、咖嘣……富美代的硬鞋尖撞在検见川的下唇上,轻松断了几根牙齿。“呀,呀,呀,呀呀呀呀!!!”他疯狂地尖叫着,同时拼命地摇头躲避,而礼子却全力压住他。米丽、扑嘶……検見川的头发被拔了几十根。不长久呢。富美代毫不犹豫地再次抬起脚,准备第二次攻击。这次她从底下向上踢,用靴子猛地袭击了検见川的嘴巴,再次折断了几颗牙齿。“噶,咳嘿,咕吧啊啊啊……哎哎,疼疼,疼疼啊……”礼子一放手,検見川就趴在地上呻吟。鲜血在地板上弥漫开来。“哈哈哈!你真是蠢货啊,前辈!明明我跟你说了不要痛苦地放开下巴,我要让你在轻松的情况下脱臼的,但是你无视了我的好意!这就是报应!”富美代狂笑着,但这还不是结束,这只是前菜而已。其实刑罚才刚刚开始。“……好了,前辈,前面都结束了,接下来,就是正式演出,你准备好了吗?我要让你彻底废掉,成为残疾人。你准备好了吗?”富美代宣布了死刑,同时礼子翻倒了検見川,让他仰面躺着,在他的肚子上骑了上去。玲子抓住他的右腿,朝子抓住他的左腿,把検见川的双腿完全张开。当然,検见川拼命想把双腿闭上,但是他的股骨已经脱臼了,完全没有力气。富美代慢慢地向前走,站在検见川无防备的生殖器前。“
哼哼哼,现在开始,审判!死刑立即执行!” 富美代以坚定的声音宣布了判决,同时她将右腿振起,全力以赴地踢向検见川的下体,像是踢足球一般。哐当一声……不会有像二话没说地执行判决的感觉。 第二击。咚……“嘶嘶……”哎呀,还不太流畅呢!虽然想要用致命的Toe Kick准确地瞄准睾丸,但是瞄准点有点微妙地偏移了。尽管对検见川的腹股沟产生了伤害,但并没有命中睾丸。好好的想想,睾丸毕竟是圆的。那还能靠Toe Kick踢吗?要用脚背好好踢才行。 第三击。这次的脚力微调了一下。就在即将命中时,一双真红色的靴子飞过来,穿过検见川的左睾丸,同时富美代的足踝也命中了睾丸,在他的恥骨和睾丸之间卡住。噼啪一声!这里明显和之前不同,好像有什么东西炸裂了一样,穿过靴子传到了富美代的身体里。“啊!啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊!!!”検见川全身抽搐着扭曲着,并尖叫着。除了疼痛,他没能感觉到任何东西。强烈的疼痛和恶心感几乎同时支配了他全身的神经。哼哼哼,干得好,现在我的心灵已经被现在的样子治愈了呢!好了,好了,因为已经彻底被治愈了,我会放你一马的。现在我就要结束这一切了。再附带搞定他的那个家伙!先生们,从今以后,検见川就退出男人的行列了。虽然不知道之后他会过什么样的人生,但是希望他一生都不得安宁!那就拜拜咯,先辈!没有任何怜悯地对患感觉到双倍苦楚的検见川,富美代高高举起了红色的靴子,给了一记最后一击。 由于体会到了先前那一击的技巧,富美代的第四击准确地攫取了検见川剩下的右睾丸,使其成为了恥骨和睾丸之间的三明治。啪咚 。。。検见川确实听到了灭顶之灾的声响。那是他一生都不会忘记的声音。“呜咽!啊啊啊啊啊啊啊!!!!!” 由于疼痛过于剧烈,他感到呼吸困难,全身抽搐着。他的舌头剧烈地突出来了。那颗牙齿几乎像是将会咬断舌头一样强烈,每一处口腔都感到极度的压迫感。几乎所有的牙齿都弯曲和断裂了,所以即使舌头被咬爆了也不至于断掉。尽管已经被众多断裂和残骸遮盖住了,在口腔中支撑着的数只牙齿会一边侵蚀舌头,一边让它瑟瑟发抖。肆虐于身体内外的双倍痛楚使得検见川昏死的感觉也无法出现。趁着昏迷和清醒之间的反复,検见川的意识开始慢慢沉下去。
“呼……呼……哒!不愧是菲碧小姐,做事果断啊。”玲子说话的声音变得有些紧张,“嗯,这次是个好机会。我也想要快快忘了令人烦恼的事情。我决定和前辈的回忆说再见,用手指和性能说再见。总之,卡拉就可以了。"
“卡拉,这可是要怎么报复啊……我觉得这是一百倍的回报。不过,没关系了。踢你的决定是我的。”
玲子摆动几次,重新振作起来,面向奈良村。“所以,轮到你了,玉梨。”
在奈良村惊恐异常、脸色苍白得近乎死亡的表情下,他的血迅速地从脸上流走。他的嘴巴小张小合,像是在做出求饶的姿态。
玲子带着像恶魔的残忍笑容宣布:“对了,刚才我还只是想把你阉掉的。但是我现在心情变了。嗯,呵呵呵,是的,我也要加上刑罚。我要好好享受这一切,所以要做好准备、要把你折磨得死去活来!”
“嘿、嘿嘿……不,不要啊!求求你了!!!请再给我一次机会吧!”
玲子满意地俯视着奈良村,他满脸是泪,努力地求饶。然后,玲子冷静地宣布:“不听!玉梨君,你拿着刀向我冲过来了吧?如果那个刀割到了我会怎么样?如果我的脸上留下了伤疤,可能会让我失去一生的机会,对吧?所以,即使是一次未遂罪,罪名也是一样的。为了让你以后再也无法做出这样的事,这一次我要把你恶整了!”
玲子给奈良村伸出右手,让礼子坐在他的手中。接下来,她让早子坐在他的背上,让富美代坐在他的腰上,以保证他不能动弹。
“现在准备好了!你知道自己要经历些什么吗?不知道吗?那我来告诉你。我刚刚已经把你的骨头碎了几根了吧?骨头,如果是手臂或肋骨的话,只要骨折得干净就可以很容易地治愈,但是如果是像这样弄碎了的话就很难治愈了。那么哪个部位更难治愈呢?”
“手骨。手指、手背、手腕……虽然非常细小,但在结构上非常精密,到处都是关节。如果这些部位破碎了会怎样?手对于人体来说是最微妙的部分之一,神经也纵横交错。如果破坏了它......呵呵呵呵,那么你就再也无法自如地使用手了吧?明白了吗?我准备怎么做了吗?”
玲子用靴子上坚硬的高跟踩住了奈良村的右手。“这个高跟,很硬吧?我的拿手好戏是踢人,然后用这个高跟进行低位踢......”玲子用力压迫着奈良村的右手,“呵呵呵,你的手骨很容易就会破碎。指头、手背、手腕......全部都变成烂泥了。无论你这次骨折伤了多少地方,数是数不尽的。把骨头、关节和神经全部踩扁。像龙珠里哆啦a梦的手一样,从手腕以下彻底踩扁了。呵呵呵,啊哈哈哈哈!如果一直破坏到那种程度,即使到名医那里也不可能治好的,明白了吗?我会让你的手变成只能成为残缺不全的肉球。永远也无法运用你的手,片轮(殘廢)!”
天啊,不行了,糟糕透了啊啊啊啊!拜托了,不要踩碎我的手呀啊啊啊!奈良村尖叫着,拼命用右手紧紧握住,竭尽全力地用力。由于他的肩膀被脱臼了,所以他很难产生力量,但现在已不是说这种话的时候,他施展出全身的力量,紧紧握住手。但是玲子轻蔑地用鼻子笑着,笑着说:“哈哈,你这个笨蛋,太用力握手了吧。也许你认为,如果握紧了拳头,我就无法踩碎你的手?笨蛋,就算你这么做了,也起不了任何作用。听到了吗?保护也毫无用处,如果你把手握得这么紧,就成了石拳了,除非你想要这样尝试。究竟你的手,比混凝土硬吗?让我来试试!”
玲子一边咧嘴笑着,一边慢慢地抬起右脚。“现在,你的右手已经被送别了吗?做好准备吧,我来了,哈!”玲子用全身的力量,扭曲了踢腿的角度,将可怕的踢腿直接拍在奈良村的右拳上面。咔嚓…瓦片被踢破,这是致命的下段踢法,而且玲子巧妙地调整了角度,鞋跟的尖端如同被咬住的巨兽一样,嵌进了奈良村的手背中。任何人的骨头都会被立即击碎。很快,奈良村的悲叫声开始响起:“啊啊啊啊!”,而玲子却嗤笑着:“哈哈哈哈!不管听多少次,你的惨叫声真是太好听了。我挺喜欢你那可怜的声音的,让我感到兴奋!再多发些声音给我听吧,看这里!看这里!看这里!”
随着玲子不断踢打,奈良村的惨叫声愈来愈高。短短几记之后,奈良村的手已完全失去力量,拳头也松散地张开。他的手背部位是首先被打断的,如今即使重新握拳也无法行动。
“呼呼呼,怎么样,Tamana-shi,我的话到底是不是对的?握拳真的毫无用处。那么,现在在这个开出向日葵的地方,我将粉碎你的指头!”
吱吱吱...更高的惨叫声响起来。玲子的黑色靴子鞋跟覆盖住了奈良村的大拇指,然后玲子狠毒地扣了一下鞋跟。“哈哈哈哈!瞧瞧,Tamana-shi,你看你的大拇指,已经被碾碎了!”。奈良村怒视着这个场面,眼睛也被泪水淹没了,看着他那早已不是他熟悉的大拇指,而是明显扁平且椭圆形的手指,因为多次骨折的疼痛不仅仅是像钝痛一样从体内传来,更是一种不断遍布全身的冤屈和绝望。
“呜呜...过分了,过分了,不要...不要碾碎它啊...太残忍了...”奈良村浑身颤抖,抽泣着,而玲子的嘲笑却从他的头上犹如雪花一般洒下来。
啊哈哈!泣了吗,多情的小奶猫?这么伤害手指让你很难过吗?放心,不用担心,姐姐会把你的悲伤吹走的!我会把你剩下的四个手指,手掌和手腕全部粉碎!你连感觉难过的时间都没有,放心吧!
玲子兴高采烈地说着,然后再次抬起靴子,狠狠地将高跟鞋的鞋跟砸进了奈良村的食指中。 "吱呀呀呀呀呀!" 啊,这感觉太好了!每次鞋跟撞击时,玲子的脚后跟传来一种碎裂的硬物的感觉,不仅仅是硬,还有点像碎石子,或者说粘稠的质感……这种感觉太棒了!加上我把这些地方踩碎,它们必定会不断内出血!这种出血感觉和鞭子打出来的出血完全不同哦,这样膨胀起来,肿胀,不是吗?如果我这样把他们都弄成烂泥,奈良村的手,说不定就像手套一样大了!
尽管玲子曾轻轻打断他人的骨骼,但这种赤裸裸的利用坚硬的靴子践踏柔弱的手指的经验还是很少。但是当她在水泥地板上狠狠地践踏奈良村的手指时,骨骼很容易被粉碎,不是说被折断,而是被碾碎,被粉碎成碎片。哎呀,人的骨骼还真是脆弱啊。这种简单的粉碎的感觉,让玲子有些奇怪的感觉。即使是她自己也没有想到会粉碎他人的骨头。但是......感觉太好了!这太有趣了!虽然在练习中,自己曾踢到对方的骨头上,对此感到有些愧疚,但奇怪的是,现在用靴子压碎骨头,完全没有感到罪恶感。靴子的压碎感转化为快感......这感觉太棒了!但可惜,这种体验可能一生只有一次。所以......我必须充分地享受这个机会,充分地感受骨头被粉碎的感觉!请听听你砸碎的骨头发出的惨叫声!请看看你的手变得扭曲,内出血导致崩坏的样子!
在满是泪水的奈良村的视野中,玲子的漆黑靴子仿佛是从天降下的众神之锤,在视野上方消失,又再度挥下,为奈良村刻下新的苦痛,就像是愚蠢的蝼蚁,惹怒了众神般,奈良村唯有承受着玲子的折磨和呼喊。此时,奈良村已经失去了抬起头的力量,视野中只剩下玲子的漆黑靴子,每当她用力踹击奈良村的手指,指骨就会被粉碎成末,并在痛苦中散布着。玲子小心翼翼地把奈良村的每个手指粉碎十次左右,是真正地完全地摧毁一切:“嘻嘻嘻,看来所有的手指都被粉碎了呢,那么我来收尾吧!”然后,玲子用整个靴子踩在奈良村的手指上,用上全部重量,慢慢而又仔细地蹬踏着。奈良村高声尖叫:“啊啊啊啊啊!!!痛死了!!好可怕!”
“哈哈哈哈哈哈,怎么样?现在非常痛苦吧!?当然了,因为我已经把砸碎的骨头踩在你的手指上,像这样踩踏下去,应该能在你的神经中散开,刺痛你呢,哈哈哈哈哈!”玲子高兴地继续蹬踏着,使得奈良村的尖叫声更加悲惨。她像是已经疯狂,用靴子击碎了奈良村的每一个手指、手背,甚至连手腕都粉碎成碎片,接着用力踩在上面。无穷无尽的摧毁工作结束时,奈良村已经没了力气,颤抖着肩膀,精疲力竭地躺在地上。
“哈哈哈哈哈哈,你这家伙真的很喜欢踩碎刑哦,现在来看看你的手吧。”玲子说着,跳下了奈良村的身上,但他已经没有了生气。礼子随意地抬起奈良村右手,手处处骨折,青紫肿胀。但最令人注目的是,它的柔韧度是前所未见的。“看这里啊,好神奇啊!可以在任何方向上弯曲,就像章鱼的触手一样!”玲子捏起他的手,无处不曲折,没有任何阻力,向着不可能的角度弯曲。当然,痛苦難以形容。每个神經都发出惨叫声。
“呀啊啊啊啊啊!!!”奈良村高声嚎啕大哭。但玲子却大笑着,认为太有趣了。“呀,好开心啊!以今天的心情,特别服务吧。给你一次双手握手的机会。但是……左手也要破坏才能这么干哦!”她宣布后,礼子匆忙占据了奈良村的左手。按照玲子的话,左手还没碎呢。奈良村必须一次次地接受这些痛苦的处罚。当凌晨结束这个可怕的惩罚时,奈良村几乎失去了意识。但就在他失神的那一瞬间,玲子却向他发出了可怕的宣言。
“好了,关于踩碎刑,已经执行完毕了。很好,尽管败下阵来,现在你已经“償”了自己的罪过。…所以,现在该到裂睾刑了吧!”听到这个恐怖的惩罚,奈良村的喉咙只发出了绝望的啜泣。但已经耗尽了他的力量,他的声音只像虫鸣般微弱。
玲子向奈良村的嘴边凑近耳朵,“咦?你说什么呢?我完全听不到啊,再说大点声好不好?”
“...救、救我…不要…弄碎… ”奈良村惊恐万状地喃喃自语。
“啊啊,这样不行哦。你还是放弃吧。反正不管是早点还是晚点被踩扁,结果都是一样的,不是吗?为什么不早点结束这件不愉快的事情呢?”玲子的拒绝声伴随着礼子抓住奈良村的头发抬起脸,“现在该作出最后的选择了。让我们把你的下巴踩碎还是像検見川一样,把你的牙齿踢碎呢?你随便选吧。哦对了,如果你说不想两种都要,不想了之类的话,我会认为你选择踢碎你的牙齿,明白吗?”
玲子在敲着奈良村的嘴唇,不停地催促着最后的选择。“啊啊……”奈良村由于恐惧和绝望而只能嘴巴张开,拼命地流着泪。但是面对着検見川在眼前的牙齿被踢碎的景象,他已经没有选择余地了。他必须要承受罚刑,而在此之前,他需要经历的痛苦远远超出了几句话可以描述的范围。而且,即便这次的疼痛苦难,也只是在接下来他将面临的睾丸被踩碎之前的一点点缓冲而已。面对着如此巨大的痛苦,即使只能稍稍减轻一点,奈良村也愿意咬牙承受。他不得不承认,自己如此地屈服和惊慌,在玲子面前根本无法反抗。如果她想要,随时都可以把他的牙齿踢碎。在尝试了如此大的痛苦之后,接下来的罚刑对他来说无疑是一种更加严厉的惩罚。奈良村屈辱地咬了咬牙,拼命地忍受着,把玲子的靴子咬在了嘴里。
就像被靴子拍打的玲子一样,奈良村自己的靴子也像是自愿地被抓住了爪子一样。这双自己双手粉碎、成为了永不再起的单轮靴子,这双黑暗般折磨自己并无限指责自己的靴子,这双承载痛苦与屈辱的罪魁祸首,奈良村主动用自己的意志抓住了玲子的靴子。这种屈辱远远不是只是舐舐鞋子那么简单,即使头脑因剧烈的痛楚而变得空白,这种屈辱也绝不会被消灭,一直折磨着奈良村的精神。但无论多么懊悔,奈良村也无法违抗玲子的意愿。只要她想,随时都能将自己的牙齿踢碎。在经历了这样的痛苦之后,接下来还有扭曲精神的惩罚等着他。在这之前,无论苦痛仅仅减轻了一点点,奈良村都要拼命抵挡住屈辱,咬紧牙关抓住玲子的靴子。泥灰与皮革的气味充斥了奈良村满嘴的口腔,就在他面前便是玲子漆黑的靴子。而信次等人的屈辱,与之前的那一幕一模一样。"呵呵呵呵呵,你哭了呢,这下好了吧。你主动咬住自己的靴子,已经被我践踏的精神也破碎不堪了。看到了吗,那恐惧和屈服的眼神,为我而定格的眼神,太美妙了。我希望,一直一直这样,让我用这个目光注视着你!"玲子慢慢地享受着奈良村流着泪戴着自己的靴子看向她的场面,然后她开始实施刑罚。"好了,开始吧?"礼子一边扶着奈良村的脖子,一边用手指钳住他的耳朵下方、颧骨和头骨缝合处,用力往上拉来当做支点。"好了,行动!"玲子将靴子猛压进奈良村的嘴里。啪的一声……奇怪的是,奈良村的下颚很轻松地就脱落了。"啊,啊哇……"奈良村第一次体验到下颚掉落的感觉。这种痛苦与不适感伴随着时间而增加,已经到达了疲劳的程度,真是太难受了
好的......现在准备好了。现在,小太监,你终于成为了名副其实的真正的小太监了。玲子拳头握紧,单膝跪地,采取了下段正拳突击姿势,趴在仰卧的奈良村股间上。尽管她的语言仍然嘲讽着奈良村,但她的眼睛没有笑容,相反却流露出某种紧张感。像検见川一样,礼子将奈良村的腹部压在上面,现在则是富美代掌握着他的右脚,朝子则是掌握着他的左脚。"不要,啊,咕嘟,哇......停止......啊......“奈良村已经没有绝叫的力气,只是不停地哭泣着。“小顽童啊,不可以哭,即使你哭,也不会得到我们的原谅......但是我已经没有折磨你的心情了。为了让你避免多余的痛苦,我会立即把它结束!”玲子收回了她的右拳,缓慢调整呼吸。 伴随着列昂的心脏跳动声,玲子发出了致命的下段踢。嘭!玲子下段踢摧毁了好几块瓷砖,而睾丸却卡在了混凝土地面上。这样力量在任意方向上都没有空间逃脱。奈良村的左睾丸很快就瘪了。 “吉雅雅雅雅啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊!”奈良村全身被一块铅锭似的沉重冲击击中,只感觉到疼痛,其他什么都感觉不到了。这不是体表上的打痛和踢痛,而是内脏和生命受到的伤害感觉,本能感知到生命的危险,大声警告着他。
奈良村身体里的每一个神经都在痛苦中抽搐,肩膀和髋部脱臼,被礼子和其他两个人强行按住,甚至连完全挣扎都做不到。玲子触碰奈良村的下体,一脸满足和令人惊颤的冷笑浮现在脸上。“哈哈哈,我太完美了。我把他的左边搞定了,这一次轮到右边了!”奈良村尖叫着,像临终的哀鸣一般传遍整个空气,他之前差点说不出话来,脸上满是茫然无措之色。“什么?你是想说只要一下就行吗?没错,我说过只要用一下就能搞定他的左边。我可没说要两边都搞定啊?!”玲子心里很清楚,这刑罚必须实施,然而她的两种感情,一种是必须为了执行刑罚,另一种是她要好好享受这个用力捏碎睾丸的初次体验。这就像是一件买一送一的商品,让她有些矛盾,然而两者并不矛盾,完美地共存着。没想到捏碎睾丸的感觉如此美妙,她静静地盘腿,慢慢地握紧左拳到顶部。“好了,开始吧……你做好准备了吗?来吧!”奈良村再次尖叫,而这次的痛楚比之前更加剧烈了。像是一块巨大的冰块被狠狠地打进了他的身体,他整个人陷入了混乱的痛苦中。“别、不……呕吐感……”然而他已无力吐出胃液。痛苦让他的呼吸变得困难,而喉咙里的胃液则引发了新的咳嗽,更加剧烈的痛苦,三种痛楚交织在一起,使奈良村不停地抽搐哀嚎。经过漫长的时间,他最终失去了知觉,昏迷在地上。
现在还有两个人保持着清醒,那就是须崎和坊野。 "好了,只剩下两个人了,下半场开始。那么,哪个先逝去?"礼子从完全昏迷的奈良村身上下来,冷漠地微笑着问道。 "不、不要啊啊啊!坊野、坊野啊啊啊啊!拜托了,救我,你先去,我不要啊啊啊!!!" "白痴,不要啊啊,我也不要,你去,我命令你,你要是不听,我就杀了你!"没有任何团队意识了,他们只有一个本能:生存。想要生存,只想自己能活下去。坊野和须崎的头脑里只有这一个想法。看着两人丑陋的互相辱骂,朝子有些不耐烦地耸了耸肩膀。 "啊,最凶的黑帮…我只是说要毁了他们,结果就变成这个样子了…我真的已经很厌烦了。我快要结束和这些人的往来了。礼子,我们快结束这件事吧。首先让坊野和礼子照顾最后一个人,然后轮到我去弄定他?"礼子没有异议。四个人立即包围了须崎。 "不、不……不要啊啊啊啊啊!" "真是吵死人了,流着眼泪,说着那么可怜的话……你们可是自称是最凶黑帮的吧?这不难为情吗?Pei!"朝子抓住须崎的头发,嘲讽和厌恶充斥她可爱的脸庞,狠狠地吐了口唾沫。 "看到我吐在你脸上了吗?你被一个女孩踢碎下巴,经过折磨,还暴力拷问了,都是那个比你小得多的女孩,须崎先生现在,是被我吐在脸上的吗?你难道不悔恨吗?被吐在脸上可是人类最大的耻辱,你还要对视吗?你被吐在脸上,一点都不后悔吗?真是太过分了!" "哦,你知道现在自己被吐了一次口水吗?自己的顶峰?"早子不断地吐口水,同时挑战和折磨着须崎。 "朝子喜欢吐口水,认为这是她自己的优势,也是她屈辱他人的力量的象征。嗯,感觉不错!如此吐口水,有多少次都感觉是最好的!看到被吐口水的那个人感到沮丧,但害怕不敢反抗,这种感觉是最棒的!我感到了电击!那么说,每次吐口水,我的嘴唇都会变得热热的,这种感觉真是太棒了。
让人毛骨悚然!不知怎么的,每次吐口水时,我的唇都会感觉到温暖,这种感觉真是舒服极了。虽然我不像Fumi一样擅长吐口水,但我还是很喜欢这样吐口水。真的,这太有趣了......但是,Suzaki已经没有任何反抗的力量了。他甚至无法气愤地盯着Asako。他只能感到恐惧。 "啊,啊哇哇哇......请原谅,别再这样了......不要压碎我......" Suzaki喃喃自语,而Asako则耸了耸肩,表情表示出对他的失望和愤慨。 "呼,真没用......那么,Suzaki先生,我会告诉你一个好消息。你知道吗,我喜欢男性,尤其是那种有男子气概的人。相反,像你这种没胆量的人,我非常讨厌。直到现在,我一直想着不要再折磨你了,因为你可怜的可怜,但是......" Asako露出了一丝冷酷的笑容。 "Suzaki先生,你只是一个大坏蛋,虽然你很强壮,但喷在你脸上的口水并没有使你感到沮丧。像你这种人竟然想袭击我,简直太自大了!当然......我必须惩罚你,塞住你这张大嘴!" 玲子不禁苦笑。虽然Asako一开始似乎对他没有兴趣,但在说教和自夸之间,她却开始变得自高自大了。她确实很可怕。Asako毫不在意玲子苦笑的表情,高兴地宣布了她的制裁。
嘿嘿,想要惩罚多少有点清楚了吧。没错,当然是……火烤刑!”
“呜、呜——!”对于须崎来说,这可是最不愿意听到的话。“那、那个!请、请饶了我吧!”
“不行!须崎先生,你刚才不是嗓门很大的尖叫了吗?我的火烤对你很有效吧?那么惩罚当然是火烤了!做好准备吧,这可不是折磨的火烤,这是刑罚。比之前更,让你感到更热的火烤哦!”
不顾须崎的哀求和呜咽,朝子把他扔倒在地上,毫不留情地抽掉他的内裤和短裤,把屁股露在外面。玲子和富美代牢牢抓住他的手臂,礼子则跨坐在他的腿上稳定他的双脚。
“啊哈哈哈哈,须崎先生的屁股真是白呢,看起来有点不健康呢。”朝子一边啪啪打着须崎的屁股,一边笑道。“不过放心,我会很快让他变成……嗯,火红色的!”
四个打火机在须崎惊恐的眼中闪烁着。这与须崎自己的打火机完全相同,都是由须崎所属的SNOW CRACK的高层一同定制的特别版。
趁须崎还晕倒着被捆绑着,朝子猫着腰四处收集打火机。
“呼呼呼呼,你知道该怎么做吗?你不会认为我像之前一样,只是简单地烤一下,对吧?”朝子发出一声卡哇嚓的声音,打开了ZIPPO的油注入口,把油滴在须崎的屁股上。
“啊啊啊啊啊……不、不会吧……”
“呼呼呼,没错,你知道了吧。哎呀,我中了,火花不大的打火机来烤,真是太不热情了。这样肯定不能成为一种惩罚。因此,这一次……我会直接用明火来烤给你看!”
朝子一边做出恐怖的宣告,一边从四个打火机中一个接一个地把油滴在须崎的屁股上。然后她将油涂抹在整个屁股上。
“好了,准备完毕。你做好准备了吧,用油烤,这当然很热的!不过,有点遗憾的是你不能自由动弹。这就是文字上的屁股着火了哦。呼呼呼呼呼,如果你能自由活动,也许你可以在100米比赛中跑过来,可惜了,你错过了世界新纪录。”
「啊啊啊啊啊啊啊!」須崎痛苦尖叫着,拼命地挣扎着,而朝子却快乐地看着他。她问道:“嘿,須崎先生,我有个问题。这么尖叫是您的自由,认为这样尖叫我就会原谅你,你真的这么认为吗?”
須崎回答不上来,朝子则点头表示理解:“啊,我知道了!你自己也知道没用,如果你真的相信我会原谅你,我就会停下来。但如果你自己都不相信,那就没必要客气了!那么,火烤刑,开始执行!”
朝子打开打火机,即使没有油也能令火焰燃烧一段时间。她故意接近須崎的鼻子,慢慢地将火焰靠近他的屁股。須崎恐惧地哭泣,朝子却嘲笑他因惊恐而无法开口:“哈哈哈哈哈!太夸张了!火还没有点燃,这只是预告片。现在,真正的...火烤刑,开始了!”
朝子现在把打火机的火焰紧紧地贴在須崎的屁股上,这一次,油在一瞬间燃烧,導致須崎的屁股突然着火。火焰很快地传播,覆盖了須崎的屁股。須崎的关节被拆开并绑紮,身体无法动弹,完全不能操控自己的身体、忍受这种疼痛。这几乎是原始的本能,像野兽的本能一样,須崎拼命尖叫着,试图挣脱这种苦痛的束缚,即使在炙烤着忍受这种疼痛的同时,他仍然试图逃离这种苦痛。他试图通过翻转他的身体摆脱这种折磨,但他的四肢被紧紧地压在身体两侧,无法移动。朝子与其他三个人紧紧封锁住須崎的身体,使他无法转身,甚至无法靠近地面,始终处于空中。在长时间的坚持和挣扎之后,須崎终于屈服于疼痛之下,无言以对,这种痛苦已不是他的意志所能控制,而更像是从本能层面上防止他摆脱不开。
须崎狂叫着:“啊啊啊啊!太烫了!疼死我了!啊啊啊啊!啊!啊嗷嗷嗷!”
这种疼痛简直不能与手被烧时的痛苦相比。他能感受到热度一直传递到身体深处。这就像着火燃烧自己的生命,疼痛难以形容。他从未感受过如此强烈的痛苦。而旁边的朝子则看着他的痛苦挣扎,大笑不止。
“哈哈哈哈!太棒了!你的动作好极了!多动动屁股!这样的话火烧得更厉害哦!”
朝子笑个不停,忽然就闻到了一股与烧油混合的异味。这种味道非同寻常,散发着刺激性气息。她不知道这股味道来自哪里,于是捏住鼻子用力嗅了几次。
“啊!我明白了!这种味道,应该是须崎先生的屁股烧焦的味道吧!”
顿时,朝子就开始感受到这种味道的美妙之处。据说人类烧焦的味道会很难闻,但绝对不是今天这个情况。这味道实在太香了,让人痴迷。就像是在享受烤肉的美味。一些专职士兵在第一次闻到敌人烧焦的臭味时,完全受不了生理上的反感。
但对于朝子来说,这种味道是她折磨和迫害须崎的铁证,她享受芳香,并为自己获得胜利而庆祝。对于这位沉迷于长时间火烧和折磨中的人来说,这种气味是胜利和须崎苦痛的象征。
“啊,这味道真棒!让人陶醉啊……你不觉得吗,须崎先生?这种气味烧焦了自己的身体,绝妙的味道,不是吗?”
朝子大口地呼吸,充分享受着须崎屁股烧焦的气味。但须崎已完全没有回答的余地。他一心只顾着自己正在被烧的苦痛,除了尖叫和挣扎,再也做不了什么了。
須崎感受到了无限而又漫长的时间,虽然实际上只是10毫升左右的油。燃烧是不会持续几分钟的,而只会是一分钟左右的时间。但对于須崎的身心来说,这一分钟足够把他烧尽了。最终,油火燃烧在他的屁股上变小了,留下一条烟,随后完全燃尽了,須崎则痉挛着全身倒在地上,抽泣着。然而,休息时间很短,朝子给他的休息时间只有片刻。
“嗯,你的颜色变得很好看了,是吧!可以摸一摸了吧?” 朝子脸上挂着满脸的笑容,一边说一边用手掌拍打着須崎被烤焦的屁股。“啊!不要碰!不行啊!!!”尽管火已经熄灭,但是被严重烧伤的屁股被打击时,須崎非常难受。全身传来的感觉不是疼痛,而是不愉快,类似于寒冷的疼痛。
"啊哈哈哈哈!这么疼吗?哎呦,真可怜啊。 伤口真的会愈合吗?也许会永远留下疤痕呢!” 朝子笑着低头看着須崎。“但是啊,这只是你的刑罚,須崎先生接受的烤火刑罚,我说过了吧? 如果只是一般的惩罚那就用这个就结束了,毕竟相当于鞭刑啦。但是,你说是刑罚,还不太够呢。 懂吗? 这是惩罚,这是烤火刑。 刚才那只是前菜,真正的烤火刑将在......从现在开始! "
,请您不要太过分了!」
朝子一边哄笑着,一边拿着装有润滑油的罐子来到作业场内放置着机器的桌子旁。她颤抖着罐子,发出“哗啦哗啦”的声响。看着这一幕,已经因为泪水而有些模糊的眼睛,让朝子的助手-須崎无法发出声音的惊叫。在罐子上写着:“润滑用油”。
“呜呜呜~ 咳~ 咳~ 咳~!你这是什么!?太可怕了!!!”
“哎呀,你这么吃惊干嘛?虽然这里已经宣布废产,但这也毕竟是一家工厂,用油残留下来并非什么不可思议的事情吧?更重要的是,这罐油……呵呵呵,写的是一百毫升以上呢。比刚刚烧屁股的油多了十倍呢。现在你想必已经明白接下来的情节了吧?剩下的油全部给你倒上去!好烫哦~你打算怎么处理啊,不会像刚刚那样火不停的燃烧吧?呵呵呵,如果你的屁股被烫得又红又肿,就更不好啦!皮肤可能会脱落哦!您的屁股会变成焦炭的吧?哈哈哈哈哈!我已经很期待了!耗上呀,全都让我好好享受一番啊!”
朝子打开罐子,慢慢地将黑黑的油液滴在須崎的屁股上。“呔呔!”,須崎喊出声来。
“哎呀,好冰啊?对不起呀~立刻加热给你暖和暖和吧,你稍等一下哦!”
朝子不断地倒上油,比之前多了很多。“啊,对了,我好像忘了一件事。我可是执行了对玲子和富美的无期徒刑,让他们远离一生也洗不掉的罪过啊。唔-这种烧屁股的刑罚,总觉得有些单调了?……焦脸又如何呢?”
“呜……呜呜呜……你这是什么啊!?不要呀!!”
“啊呵呵呵呵呵呵!可怕的焦脸吗?好吧,勉为其难说,放过你好了。”
“啊……啊啊啊啊啊!求你了……我什么都愿意……”
“请别烧我的脸……” 朝子挑了挑眉,问:“哦,那如果不是脸的话,任何地方都可以烧吗?”她拉开了須崎的屁股,给屁眼周围擦上了大量油。“刚才油不够,没烤熟吧?但真正难闻的是这里吧。我会好好把它烤熟的!”須崎惊恐不安地尖叫着:“这、这太残忍了……”“嗯,什么?你不想要了?好吧,不烤了。那就让我把你的脸烤成疤痕怎么样?选一个吧,但只能选一个。既不想要这个也不想要那个,这是不可能的。你选哪一个?屁股还是脸?好的,最终答案是?时间到了!最终倒计时开始了!啊,顺便提一句,如果你不回答,我就把两个地方一起烤!”两个都烤?!須崎抬头看着朝子,绝望地无言以对。这、这个女人……她真的会烤我……不管怎么样,她会把我烧死……“五、四——”我该怎么办?“三、二——”要选哪个?“一、零!好了,请告诉我最终决定!”我无法说出选烤脸还是烤屁股。“…屁、屁股……”“好的,尽管选屁股!那我们就好好烤熟你的屁股!用火力设定器并调入适当的温度!”
在慢慢靠近脸上点燃着打火机的火焰后,朝子再次点燃了须崎的屁股。 咕嘟…低纯度的润滑油开始燃烧,同时散发着黑烟。在短短几秒钟内,火焰舔遍须崎的整个屁股,“嗷嗷嗷!!好热啊,好热啊,呜哇!!!”须崎的口中发出着无比惨烈的尖叫声。他不断地扭动身体,试图挣脱旁边的朝子们,为自己留下最后的自由。他挣扎着左右晃动着他的臀部,希望能甩掉沾在上面的润滑油,好歹稍微减轻一点火焰的侵袭,可是润滑油很黏稠,它不像普通的燃料油那样易于挥发。这使它在须崎的屁股上紧紧地依附着,无法轻易滴落。更为恶劣的是,低纯度的润滑油不仅在燃烧速度上慢于燃料油,还对须崎的屁股造成更大的伤害。当然,这对须崎来说毫无安慰之说。对于烧毁人体来说,它能产生足够的温度,它紧贴在皮肤上,无法在地面上滴落,而且火焰一直燃烧的时间更为长久。润滑油的使用完全偏离了它原本的用途,此刻它仅仅展示了它在火刑中惊人的威力,给予须崎无尽的折磨和煎熬。终于,火焰逐渐消退了一些,而抗拒神经因为烧毁而死去,使得须崎的尖叫声稍微渐渐有了意义。朝子欣赏了这个画面之后,脸上浮现出一个又淘气又奸笑的表情。
「哼哼哼哼哼,须崎先生好像稍微有点松懈了呢?火也变得相当小了,你是不是已经认为这一切结束了呢? …… 嘭!噔噔当!真可惜呢~谁说一切都结束了呢?看呐,还有油剩下来呢。听到了吗?它还在这样这样滋滋作响呢。记得我说过,我会全部给须崎先生,对不对? 我是遵守诺言的人。因此,照约定,我会把这些油全部给须崎小姐!所以,现在加油喽~!」
当须崎以为折磨终于结束了,他松懈下来的神经却再次受到了折磨的通知。所有的痛苦重新开始燃烧,他的思维被扑灭,甚至被迫进入儿童般的幼儿退行状态。须崎的心灵在疯狂边缘徘徊。不,如果疯狂下去会更好,他会变得疯狂,会变得多么轻松啊。但他甚至不能发狂。
旁边的朝子满意地俯视着哭泣着的须崎,让油不断涌入。这次,油不仅涌到了已经被烤焦的屁股,还流到了大腿和膝盖后面。新油的加入让原本正在消退的火势变得更加猛烈。火焰蔓延到脚上,从这之前未曾被烧到的腿向下伸展。
"啊!热!太热了!啊!啊!啊!"尽管须崎哭喊着,却无法得到任何援助。除了承受折磨之外,须崎别无其他选择。当油被完全燃烧时,须崎的屁股到膝盖之间情况变得悲惨无比。皮肤剥落,下面的肌肉被烧伤。特别是尖锐的急炼部位非常深灰。面积大约只有全身的1/10,生命并未受到威胁。然而,对于他留下的丑陋和疤痕却无法忽视。
须崎此时已经像一个年轻女孩一样抽泣着。但朝子并没有结束所有的折磨。她还没有压碎须崎的睾丸。
朝子看着須崎,露出出十分快樂的表情。然而,她卻突然站起來,慢慢地踢著須崎,他因為劇痛尖叫著:「嗚啊!請停下!」
須崎的慘叫讓晨子皺起了眉頭。「真是夠了!你這麼怕痛還一直尖叫什麼!做人要堅強一點!」
然後,她再次吐了口水在須崎的臉上,她的嘴唇因為殘忍而扭曲成一個不好看的笑容。「須崎先生,你是男孩,刑罰還沒有結束...對,現在我要壓碎你的蛋蛋!啊,那麼一旦蛋蛋被壓碎,須崎就不再是男孩了!難怪他會變得沒有男子氣概,哈哈哈哈!」
朝子開心地笑著,還說:「呃,啊啊啊啊啊,我...我這樣不行了...我...我要死了...」
「啊,別這樣,不要這麼沒出息!検見川先生和奈良村先生他們都被壓碎了,但他們還活著。所以,須崎先生也有希望...如果我們很幸運地話,他可能會活下來的,對吧!」
「啊,這...這不關我的事吧...你不要這麼膚淺地說話吧!」須崎的回答顯得無奈。
「不關你的事?不要隨便亂說!這當然不是『不關你的事』!你是罪犯,你曾經試圖強姦我們!我們現在正在為你的罪行執行刑罰,這是理所當然的。為什麼我必須關心和同情你這樣的罪犯?為什麼作為受害者的我必須要在意你這樣的加害者?你不要說這些蠢話了!」
朝子的臉上充滿了憤怒。
朝子一边骂着,一边朝着須崎唾沫横飞地吐出口水,她心里愤怒极了,认为須崎根本没有认识到自己的错误,无异于人类的渣滓和无可救药的废物。須崎让她感到极度厌恶,她决定给他好好地教训一顿,让他付出代价。朝子打算直接把須崎的睾丸全部压扁,让他付出满满的代价。
她不断地骂骂咧咧地朝須崎吐口水,然后用靴子的脚尖在須崎的下巴上踢了一下,“听好了,武士是不需要怜悯的,我可以放过你的下巴,但你必须张开嘴巴。”
但是,朝子的愤怒激怒了須崎,让他陷入恐慌之中,他听不到朝子愤怒的声音,他更加大声地尖叫着:“不、不要啊!救救我啊!不要压扁我啊!”
“哎呀,真吵人!那就…这样好了!”尽管平时朝子显得有点天真糊涂,却决不会给人留下刻薄的印象,可是现在她的愤怒让她的可爱面容变成了魔鬼的脸孔。
朝子拉起白色的西部靴,毫不留情地用靴子的脚尖强制塞入須崎大口张开的嘴巴。“啊,呕吐……!”須崎的哭声被压抑下去,他痛苦地挣扎着,而朝子则愤慨地俯视着他,把靴子用力踏进去。格格声响起,須崎的下巴被狠狠地弄断,他无法发出来一丝一毫的声音。
“哼,终于安静了。我已经听够了須崎的哭声了。现在,让我们结束这一切。我会把須崎的重要部位都弄碎。嘿嘿,想到这个庞大的身体变成了太监,我就觉得恶心!”说完,朝子转过身,骑在須崎的左腿上,然后侧过身来向后看,“准备好了,須崎。你喜欢我的靴子,特别是我的高跟鞋,对吧?这一次,我会让你好好品尝一下它的硬度。记得吗?你曾经用鼻子和下巴尝过。现在我会再次给你在这里品尝!”
朝子宣布了执行惩罚的命令,完全无视了須崎的哀求,转身抬起靴子,猛力向他的下体踢去。哎呀——厄……阵痛太强烈了。須崎悲鸣着,右侧睾丸被她用坚硬的皮靴踩得粉碎。就像奈良村曾经经历过的那种剧痛一样,須崎也遭受了同样的痛苦。
“啊——痛死了!别这样,放我走!”
須崎真是太不幸了,朝子本想一气呵成将他的两个睾丸全都踩碎,但实际上只能摧毁右侧睾丸。即使是穿着坚硬的靴子,朝子也明白自己其实只踩坏了一个。 "真是讨厌,你真是太扯了!明明我要把两个踩碎,你还这么反抗!只踩坏一个也给我加大了麻烦,真是够了!来吧,这次可得好好休息了!”
看着須崎被痛得全身抽搐,一点慈悲之情也没有的朝子再次抬起靴子,狠狠踩了下去。啪嗒——她又狠准地踩坏了須崎的左侧睾丸。正如要彻底结束他的痛苦,朝子用靴子狠狠地踩着他不断发出的呻吟和哀嚎,不断牢牢地将他的下体折磨得更加痛苦。
“啊,好痛啊……咳咳……呕……”
須崎遭受着剧烈的痛苦、恶心、头晕目眩,全身难受得无法承受。 "哟,够恶心的,自己去弄出来吧!” 面对須崎不断咳嗽、吐出胃酸的情景,朝子等人纷纷四散而去。此时,須崎已经因为胃酸反流而感觉到窒息,最终昏厥了过去。
在呕吐和鲜血的混乱中,検見川以下和SNOW CRACK的三名幹部失去了意识,倒在地上发出了奄奄一息的声音。废弃工厂里笼罩着奇怪的沉默。四名美少女站在那里,还有一个被绑着的男人。对于唯一还有意识的男人坊野来说,现在的情况堪称是最坏的。除了他自己之外,没有其他人了。只有一个美少女,还没有履行角色的美少女,也就是把自己的手指弄碎的礼子。对于一向任性的坊野来说,礼子是他第一次感到本能恐惧的人。她是唯一一个精神上完全屈服于坊野的人。当礼子朝他迈出一步时,坊野不自觉地哭和求饶。
“嗯啊啊啊啊啊啊啊……拜托,求你了,放过我,救救我……”礼子显露出来的表情不是嘲弄和轻蔑的,而是充满了对弱势者的怜悯和对战斗者坚定决心的表情。“……我吓到了你,坊野先生?”礼子轻轻叹了口气,“嗯啊,可能是吧。毕竟我这么虐待了坊野先生的手指,最后还把它变成水母了。没有理由要求你原谅,也没有理由希望你能理解。我已经厌倦了今天一天的暴力斗争。”
坊野一瞬间抱着淡淡的期望,希望礼子可以原谅他。但这是幻觉只维持了五秒。“不过,坊野先生的同伴好像都死了,而且你不是在你那个代表处吗?所以,就顺着情况来看,作为这边的代表,我也必须展现出一个不丢人的表演,这样不是应该吗?”
“呜呜呜呜呜……不、不要这样,停、停一下……”坊野哭喊着,惊恐万状。
“坊野先生,你知道障碍者跤吗?”障碍者跤?虽然坊野只是听过名字,但它是什么还是第一次听说。
这里讲述的是身体残疾人的职业摔跤,如字所述,真正的身体残疾人摔跤。初见,大家都会觉得这是个滑稽的玩意儿,对不对?但实际上,这是场以地面和关节技为主,趋近于激烈的实战风格的摔跤赛,会让职业摔跤迷们大饱眼福的比赛。而他们的口号更是非常棒:“我们以命搏命,所以你们也要以命搏命来看!”非常激动人心的口号,你不觉得吗?
在听到这个介绍之后,坊野不禁倒吸一口气,心中涌起一阵无法形容的糟糕的预感。
“没错,坊野先生,我要对你毫不留情地挖掘你的心灵。现在,我会变成一个残忍无情的恶魔,用我所有的力量和技巧,以及毫无任性的手段来折磨你。只要我真正地用尽所有的力量来折磨你,你坊野将会以史无前例地遭受痛苦。所以,我也会用我全身心来折磨你,以牙还牙。我要折磨你的痛苦,将是你一辈子都无法忘记的。所以,至少,我也要用我全身心来折磨你,让你一辈子都无法忘记我。我只为那个时候对别人做过如此残忍之事而铭记于心。”
礼子用平静却令人恐惧的声音发表了这个可怕的宣告。在坊野陷入恐慌之际,他尝试尖叫却发现自己的声音无法发出。在这种恐怖下,他的肉体感到恐惧,开始停止了功能,他的眼睛善于模仿青蛙,使劲地张合,但什么也说不出来。
礼子把还在发抖的坊野放到地板上,然后慢慢用靴尖踩在他的嘴唇上,“你懂了吗?尽管须崎和奈良村的下巴都被释放了,但…坊野会怎样呢?”礼子一边说着,慢慢地移动着她的靴尖,滑过坊野的嘴唇,轻轻地敲打。“…你知道下一步会发生什么吗?”礼子缓缓拿起高跟鞋。耐心地和缓慢地,引起坊野的紧张。
最后跟着礼子的高跟鞋被慢慢地停下来,映入横躺着的坊野的视线中的,只有礼子的靴跟显得异常巨大。坊野的眼里满是恐惧和苦求,但礼子却平静地回答道:“没错,正如你所想的那样,坊野先生没有任何选择。你将经历到痛不欲生的痛苦,即使你为了摆脱这种苦痛而割舌自杀,或者你想让我释放你的下巴,都是不能得到自由的。我会尽可能让摔角赛变得更残酷。”
在等不及坊野的回答下,礼子一边将全身重量压在高跟鞋上,一边猛地迈腿。咯吱——!!! “咕、步步啊啊啊啊啊啊啊!!”礼子以她的全力一脚将坊野上面的几颗牙齿一瞬间碾断。更加严重的是,她的靴子钉子踩碎了坊野的上颚和鼻子,甚至将鼻骨也压碎了。当礼子抬起靴子的钉子同时,鲜血喷涌而出。从牙龈断裂的地方到被坚硬的钉子伤害的口腔内部,再到两个鼻孔破碎的地方,鲜血从各处流了出来。 “哎呀呀!”坊野从他的悲鸣中发现,他必须疯狂地左右摆动头部,让飞溅的鲜血在地板上散开。虽然不像喷泉一样汩汩而出,但这些鲜血就像一个永远抽不干的泉水一样持续地流了出来。 “怎么样?疼吗?但现在还不够。刚才只是上面的牙齿,我们还有下面的牙齿,对吧?”是的,礼子巧妙地控制着她的脚,故意只将上部的牙齿折断。这样,为了让坊野再次尝到牙齿被折断的痛苦,她保留了下部的牙齿。 “好吧,现在轮到下面的牙齿了?哪个更痛苦呢?”礼子用靴子的鞋跟轻轻敲打下部门牙齿,好像在预告什么。 “行,开始吧?”礼子的靴子再次砸了下去。“啊啊啊啊啊啊啊!!”被折断了几颗下部牙齿,下巴的骨头也被碾碎了。 “痛吗?但还没有结束。”礼子踢了一下坊野的脸颊,然后踢了上部和下部的牙齿,彻底摧毁了它的整个下巴。她仔细地从左侧,右侧重复两次,完全粉碎了坊野的鼻子和下巴。“哪哪,这样确定一生都是假牙了。虽然牙齿还有,但肯定现在都碎了吧?因为这次彻底粉碎了嘴巴。哎呀,可怜啊。这样一来,你的一生都只能吃软的东西。只能喝粥和豆腐了,牛排和炸鸡这些美食只能放弃了。嗯呐呐呐,这会变成很乏味的人生。文字通常是无味的,不是吗?” “啊。。啊。。咳咳,咳咳。。。”尽管坊野依旧喘着气,面容表情更加的和蔼可亲,他突然感到剧痛,全身痉挛着。 “嗯?怎么了?你突然安静下来了,怎么会这样!“礼子用脚爪攻击碎裂的下巴, 但坊野没有任何反应。他的指关节几乎全都被打断了,而且十多颗牙齿一起被打断了。此外,坊野已经吞下他的鲜血,也到达了他的肺中。他已经超越了疼痛的极限,露出了白眼珠,晕厥了过去。
在普通情况下,这种酷刑和折磨肯定已经足够让礼子满足了。但是对于今天的礼子来说,昏过去也毫无意义。她狠狠一脚踢倒坊野,然后将他翻转到腹部上,把手指塞进他的嘴里,让他吐出血来。“咳咳…。”坊野昏迷不醒,像是在咳嗽着什么。礼子再次确认他正在把血吐出来,然后把右膝架在坊野的背上,掐住他双肩。“哈!”“呃呃……”礼子熟练地施加技巧,坊野虚弱地喘息着,声音微弱。“怎么样?醒来了吧?以为晕过去就完了吗?呵呵,那可不行。今天即使昏倒我也绝不会原谅你。你可以晕倒任意次数,我会一直折磨你的。”“……求……求你……”坊野哀求道。他的眼中充满泪水,眼神不再是凶猛的黑道傲气,而变得极其柔弱。他已经不再是最凶的匪徒,他的精神已经被彻底摧毁。他唯一剩下的是对面前的礼子的恐惧。礼子已经不再是一个女孩,一个比他年轻的美少女,她是一个残酷的、过于残酷的支配者,一个冷酷的拷问者,一个人类超越的存在。那个残酷的女神从来没有原谅一个人的想法。 “原谅?抱歉,不可能。难道你不记得我说过的话吗?我会为你生死相搏,折磨你。这样不行啊,还远远没完呢。”“不、不能……”坊野试图艰难地说话,但礼子比他说话更快。“好了,现在有一个问题,猜一猜我的下一个行动是什么?猜对了……没错,如果你猜对了,我可能会稍微减轻痛苦。”“能……能不要太痛……吗?”对坊野而言,这句话就像是一剂良药。“嘻嘻,这个问题很简单吧。”礼子心中暗自嘲笑,给了一个提示。“其他人都已经被我折磨过了,你们的肩膀和大腿关节都是我的目标。我会把你们的韧带全部撕断,让你们再也无法站立。其他人都已经昏过去了,任我处置,但是你……”礼子抓住坊野的手臂,咬着嘴唇说道,“你享有特殊待遇,我会在你意识清醒的情况下让你尽可能感受到痛苦。”“嗯……我、我知道了……”“啊!答错了。坊野君,你的智商真是让我大失所望啊。是不是太简单了?我刚才不是告诉你了吗?我会撕裂你的所有韧带,包括你的肩膀和腿。其他人都已经晕过去了,你可不能那么轻易就被我弄昏。我要让你在完全清醒的状态下尝试这种痛苦。”
在浮现着悲凉的微笑时,礼子抓住了坊野的右臂,开始不停地围着他转圈。“怎么样?通常情况下,肩膀不可能以这个角度转动的。多亏了解除了你的关节,我才能这样旋转,但遗憾的是,无论怎样也无法撕裂韧带。首先,我们要先做好准备工作!”礼子兴奋地说着,抓着他的手臂将其逆时针转了近一周。“啊,疼疼疼!”坊野的惊叫声早已响彻周围。“疼吗?但是从现在开始,还会更加疼痛的。”礼子捏住坊野手臂直到它再也无法扭曲,然后将自己的膝盖放在坊野的肩膀上作为支撑力的中心。“呵呵呵,准备充分!我已经拉伸了许多人的韧带,甚至脱臼了许多关节,但像这样有意地拉断韧带是我第一次尝试。怎么样?害怕了吗?当我完成这个臂锁之后,坊野先生的韧带就会扯断,发出咔嚓咔嚓的声响。接下来......很可能永远不会再恢复。可怜啊,一生只能做一只翅膀了。”“不,不要,不要啊啊啊啊!停止,停止!“坊野拼命地挣扎,但礼子的束缚并未有所松动。“没用的,你的肩膀已经脱臼了,所以你的力量至少减半。此外,如果你加力的话,你的疼痛只会加剧。如果你不相信,可以试试看。喏,你可以试着挣脱,如果你能的话!”礼子一边笑一边轻轻晃动着坊野的手臂,从前后左右的各个角度不断地折磨着他的肩膀。坊野一边呻吟着,一边拼命想松开她的束缚。但正如礼子所说,他的肩膀已经没有什么力量了。每一次用力都会带来更加剧烈的疼痛,加力反而让他更难以自如地活动自己的手臂。
“怎么样?已经够了吗?那么,执行开始吧!”礼子紧紧绞着手臂,缓缓地向前,将坊野的手臂扭向一旁。咔嚓,嘶嘶……已经伸展至极限的韧带受到更大的负荷。人类的韧带很强,不会轻易断裂。但礼子一边极度扭曲手腕和肘关节,一边借助杠杆原理扳动,施加强烈的压力在坊野的肩膀上。“啊啊啊!呜呜呜!咕噜!”坊野的声音变得尖细。韧带拉伸,发出即将断裂的声音,实际上并没有声音,但折磨人的礼子和被折磨的坊野能够清晰地感受到那个声音。不是耳朵,而是全身感受到。快快裂开!“……我感觉到了,就是坊野先生手臂摔断的声音。全身在尖叫啊。够了,已经极限了,已经说了要断裂了。哼哼哼,坊野的一切现在都是我的东西......”礼子的全身因为这种快感而发生了震颤。太可惜了,不能让这种快感过早结束。礼子两次,三次地缩紧并放松拧弯坊野的肩膀。嗯?似乎比刚才还要弯曲。 “哦,这样啊,坊野先生,肩膀可动范围好像略微增加了。是伸展效果吧。太好了,希望终于出现了,如果能变得更柔软一些,就不必担心会割裂了吧?”“啊,啊啊啊!好,好疼痛!不,不要那样!这,这不行了!停,停下来,放开我啊啊啊啊!”礼子满意地笑了。“不行,不能放弃!人类拥有无限的可能性,这话你应该信吧?相信自己!但别忘了,要时刻记得:认同自己的极限......那时韧带会被割断的。好了,到头了!”“啊啊啊啊啊!韧带断了!!!啊啊啊啊啊啊啊!!!”
礼子慢慢地用手紧紧扼住坊野的肩膀。她以慢慢的速度施行着她的调查方法,一点点地加重坊野的压力,直到他肩膀的韧带快要断裂,然后又稍稍地松开,接着又抓紧,这样一直重复着,让坊野毫无止境地感受到疼痛的折磨。
"我、我不要了!啊啊啊啊啊啊啊……请停下来啊,我、我什么都会说,快点停下来啊!不要这样!" 坊野痛苦地尖叫着,但礼子依旧不为所动,保持着冷静的表情。
"哎呀,坊野先生,你招供已经足够了。我听到足够的答案了。现在只剩下执行死刑了。所以放心大胆地受折磨吧,不要客气。毕竟我们并不是好朋友啊!" 礼子的话打断了坊野原本已经减弱的尖叫声,让他完全绝望了。无论他做出什么样的交代,他已经无法摆脱这种巨大的疼痛。他已经感到恐惧和绝望深深地吞噬了他的心灵。
但礼子比坊野自己更早地察觉到了他的自我崩溃。"嗯,他的承受极限快到了。很好,我会先把他的腕骨给扭断,然后再借此让他意识清晰一些。这是最强的兴奋剂!"
礼子深吸了一口气。“看起来相当痛苦啊,呵呵呵…”,她说。接着她开始慢慢地施加更大的压力在坊野的肩膀上。 "一、二、三,让我们开始吧!” "比、比啊啊啊…!啊啊啊啊啊……!!!" 在坊野的歇斯底里尖叫声中,坊野的肩膀骨发出一系列的咔咔声和噼噼声。
这个声音周围的人都听不见,只有再场上坊野和凌子听到了这个声音。或者说他们感受到了这个声音的存在。
坊野的肩膀的韧带极度拉伸到断裂的极限,到了再也无法承受的地步,筋肉的纤维已经变得脆弱。终于,他的肩膀韧带超出了极限,断裂了,他的身体在这刻彻底崩溃了....
“啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊!”坊野的悲鸣完全被倒转,变成了刺耳的金属般的尖叫声。“伊呀啊啊啊啊啊啊!大!啊啊啊啊啊啊啊!”啊,真的是美妙的声音。礼子慢慢地摧毁着坊野的肩,享受着前所未有的快感。每次礼子轻轻地拧紧坊野时,他的死亡嘶吼都会响起。啊啊,坊野先生,你真是太棒了……我们的精神现在完全同步了。我的动作和你的叫喊,我的快感和你的痛苦,现在完全融为一体……再来一点,再来一点……我们马上就会在一起了……礼子再一次绷紧。啪嗒一声,坊野的又一根肌肉纤维被撕裂了。“呜,呜呀呀呀呀呀呀呀!”啊,对,那个反应,这真是对我折磨的实时反应,最好了……礼子已经不再讨厌坊野。他的再次要求比试并不让她觉得麻烦,因为那种恐惧已不存在。礼子心中充满着温馨,对坊野的无限亲切。啊,我和坊野先生,现在完全相互理解了……共享相同的时间……要是一直这样,只有我们两个,那该多好啊……好,让我们一起升华……这是一种温和的、温柔的感情,也许是更适合称之为爱情的吧。当然,坊野那一边毫无这种感情。他无法处理这些痛苦的想象,深陷绝望之中,完全没有谈及什么爱之类的余地。这是单向的、完全单向的爱情。但礼子的爱情却将坊野的一切,包括肉体和精神在内,都占尽剩尽,将其燃烧殆尽。
跟着一声“扑嘟”、“咯吱”的声音,连续发生在坊野身上的事物终于到达了顶点。那要素不是别的,恰恰是绝对的疼痛。难道不是吗?你也体会到了吧?这种把人逼疯的程度的疼痛?我也是……我把坊野摧毁到了极限……太好了……太棒了……我也是头一回感受到了这种完美的感觉……突然间,最后剩下的一根肩袖带断裂的咔嚓声响起。慢慢地将坊野右臂的压迫舒缓开来的礼子,沉醉于全身洋溢的欢愉余韵之中,仰望着呻吟着的坊野。那眼神已经不再如之前那般冷酷,已经没有了任何尖锐的感觉。坊野还是一如既往地保持微笑,但是这种微笑充满了慈爱和温柔,如此和善。沉浸于这份亲切中的礼子,取走了坊野的左臂,坚持微笑着拒绝了坊野的不停哀求。 “小声点,坊野先生。咱俩的时间,要多多享受它哦。时间还很充足呢。一个胳膊和两条腿,慢慢地享受吧?” “不、不、不要啊啊啊啊啊!求求你、求求你拜托、别……这样……会杀了我啊啊啊啊啊啊!” 毫无疑问,是由于正常的肉体和心灵被毫不知悔改地摧毁而引起的精神控制所致。在这样的女神之下,人只能替代地面对这样的痛苦和壮烈。 “别担心,我又不会杀了坊野先生。毕竟,坊野先生才是全世界最理解我的人,是吧?” 就是这样。只有坊野把礼子的本质深深地钉入了骨头。没有任何良心上的遗憾,就控制了别人的肉体,精神崩溃成自己的快感,那就是她的本质。这样一个毁灭女神,一个拷问室里的天使,魅入她的人就可能被推到最坏的毁灭之中。能够享受到这一点,只有坊野先生。防止任何逃脱的坊野的肩上,礼子花了整整一个早上。 眼神中有温柔,礼子拿起了坊野的左手,握了握。 “别这样啊,坊野先生。我非常高兴坊野先生能理解我……而且,我也是世界上最理解坊野先生的人……坊野先生的痛苦,悲伤,痛苦,悔恨……我全都理解。好了,让我们相互理解吧……再多让坊野先生感受一下自己的全身……坊野先生的生命已经为今天和我相遇做出了准备……我会帮助坊野先生赋予他生命中的含义……” 直到黎明,礼子用坊野的手实践了她的话。
花了足足的时间,礼子摧毁了坊野的左肩和双脚。数次坊野昏迷,然后被强制苏醒,再次品尝绷带断裂的痛苦。最终,当礼子的人体破坏似乎结束时,坐在地上几乎没有动力。所有的关节被移出来,强制断绝了肌腱,指节也被折断了。全身的肌肉因极度紧张而痉挛,整个身体都在发出悲鸣,连喉咙都破裂,流出鲜血。用尽了全身的能量,坊野成为了破烂布一般的东西,倒在地上。
“啊……哦哦哦……”被戕害的关节疼痛不是一时半会儿的事情。坊野的痛苦并未减轻,反而因为内出血和炎症而加重。尽管疼痛变成了肿胀的麻木感,伴随恶心感。礼子满足地看着他,然后缓慢地将坊野引过来。不像之前那样粗暴地踢他,而是抱着他,像对待一个婴儿一样温柔地将他倒在床上。
“呃!”礼子尽管轻柔地将他翻转过来,但仍在关节上用力,导致坊野全身都有新的剧痛。“疼吗?没关系,我马上就要开展下一步袭击了。这种疼痛,在接下来的暂时中,是可以遗忘的。”暂时?忘记?难道……他无法表达出自己的恐惧。“是呢。这是我和坊野的约会的完成,高潮。所以,让我们尽情享受吧。”
“啊、啊、啊!”坊野哭出来,满眼是泪水,恳求着礼子。她轻轻地拨弄着他的头发,微笑地对他说:“别担心,我会对你更温柔的。我会让你一个人开心地死去。”
“死?”礼子说着这可怕的预言,但她也补充道:“没关系,我已经折断了他的牙齿了。虽然由于疼痛而休克致死的可能性也存在,但人不会那么容易死去。像交通事故这样它们直接无法生存的人还不少呢。我想坊野也应该能够幸存下来。”
说着这些话的同时,礼子轻柔地剥去坊野的牛仔裤和内裤。他的生殖器可怜地萎缩着。礼子轻抚着坊野的睾丸,缓缓抬起他的阴茎。
“坊野,这是我第一次触摸男人的鸡鸡。嗯,有点害羞……但是没关系,不用担心。对于你,我很放心。我想将我的第一次献给你。而对于坊野来说,也是第一次被女孩夺去了对吧?”
礼子缓缓地开始将力量集中在右手。“咕……啊哈……嘶……”坊野发出被压抑的尖叫声,这种痛苦与之前的完全不同,它沉重地在身体深处回响着。哦,这就是被挤碎时的声音吗?与之前的尖叫声相比,这个尖叫声完全不同。“你知道吗,坊野先生?我可以告诉你一个好东西,虽然看起来我很瘦弱,但我的握力还是挺令人自豪的。在大多数男孩面前,我从未输过。你觉得我几岁了?我的两只手都是60公斤。惊讶吗?也许比坊野先生还强?“ 60公斤? 在坊野意识模糊的剧痛中,这个非现实的数字在他的脑海中飞来飞去。60公斤? 就算是我,也只有50公斤多一点,一个如此苗条的女孩子能达到这个力量,真的吗?这个战斗家須崎也算得上是强硬对手啊... 这个女孩是个怪物吗?坊野的恐惧无法掩盖。通常,即使是经过训练的运动员女孩的握力平均值也只有30公斤左右。如果能达到40公斤,就已经很强壮了,对付柔道、空手道等格斗技能的男性来说,50公斤的握力也很足够了。当然,有相当数的怪力自夸的摔跤手和力士等,他们的握力超过100公斤,但这基本上属于异常人类的范畴,在一般情况下,即使是男性,60公斤也是足够的,握力自夸可以达到这个水平。为什么这样一个苗条的女孩能够做到这一点......坊野再次注视着礼子的手臂和肩膀,虽然它看起来非常修长,但其中肯定隐藏着不少结实而灵活的肌肉。但她的力量,却不是充满暴戾的怪力型、猩猩型。像这样......难以置信。坊野一遍又一遍地嘀咕着这句话。但这一切又是短暂的,礼子开始加紧压迫他的手。
在坊野害怕的眼神中,礼子微微一笑,放松了右手。“啧...啧哈嘎...”礼子注视着坊野喘息的时机。“哈...咕哇啊啊啊!”坊野吐出最后一口气时,礼子再次用力紧握左手。顷刻之间,坊野身体中再次被抓住了内脏,痛苦支配着他的整个身体。不,这次不同了。被礼子扭紧睾丸的坊野因剧痛而喘不过气来,陷入了半个呼吸窒息的状态。但这次,他被扼住的时候已经将气全部呼出,他的肺几乎没有气体。“咕,呜呜...咕嘿,格格...格哈!”因为痛苦而喘息的坊野不得不拼命翻动着嘴巴,贪婪地吸入空气,但这样做的同时,牙龈上破碎的血液仍然没有止住,继续不断地流入他的肺中。短时间内,无法控制的、不停止的咳嗽,就像病情严重的喘息患者的发作一样,痉挛着坊野的全身。
当喘息患者陷入严重的发作时,最终会因呼吸困难而出现发绀症状,坊野同样也陷入了因为缺氧而夺去他空气的痛苦。在这里,身边有足够的空气,但是他几乎无法呼吸,全身痉挛着,挣扎着承受着痛苦。礼子巧妙地间隔时间,时而切换迫使他痛苦的睾丸,确保疼痛的新鲜感,并注意到痛苦不能失去新鲜感,并继续折磨着坊野。
哦呵呵呵呵呵呵...做得好啊,坊野先生,这不是你生命中最极致的痛楚吗?我也是。这么愉快的事情我第一次体验到。来吧,再让我听听,坊野先生的最高声音!听听你灵魂的呼喊吧!
礼子满脸笑容,双手紧紧握住左右睾丸。
“现在,我要同时让你痛苦!”
格啪...礼子用力握住坊野的全身,痛苦瞬间加倍。
“呀啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊!!!”
坊野拼命挣扎,想要逃脱这个地狱。但四肢都被撕碎了,而且睾丸作为最重要的要害部位被紧紧压住,无法逃脱。逃跑是愚蠢的,他甚至无法抬起腰。手脚无法动弹,呈波浪状,更刺激了神经,使坊野更受折磨。
“太棒了...坊野先生,你能这么开心,我也非常开心!我也很高兴!享受吧,我还想到了一个新的责备方式!让你更加痛苦吧,这样,我像这样折磨你!”
礼子脸涨得通红,双手在坊野的睾丸上摩擦着,猛烈地揉捏睾丸,互相碾压。
“啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊!!!”
激烈的疼痛让眼前变黑。这是极限的痛苦,礼子的手进入了他的身体内部,就像是抓住了内脏一样。礼子相互碰撞着睾丸,猛烈地摩擦着,相互折磨着,只有几毫米甚至几厘米的睾丸变形,让坊野全身感受到一阵寒意和强烈的呕吐感。这不是身体表面、肌肉和骨骼等结构,而是直接涉及生命维持的内脏本身,使坊野全力发出了本能的呼喊和最大电流警告。再这样下去,他就会死亡。
“咕...呕吐强烈得让坊野完全失去了意识。但是礼子是不会给他任何救赎的。
礼子停下了一直责难着的双手,以宁静慈爱的方式,像哄睡着的婴儿一样,轻拍着坊野胸口上,他一直在痛苦的后遗症中痉挛。 “嘿呀嘿呀嘿呀啊……不行了……”坊野的哀求如同微弱的私语一般低声细语,在注意不够的情况下几乎无法听到。礼子轻轻地把手放在他心脏上。心跳声以如早钟般惊人的速度跳动着,但礼子似乎感觉到心跳声有些微弱了。呼……礼子轻轻叹了口气,“开心的时光总是那么短暂。 坊野先生,看来你已经达到极限了。这没办法……” “呼……坊野先生,这次约会很愉快吧?和我一起约会,我真的很开心。这是我一生中最愉快的约会之一。但是显然是分别的时间到了。和我约会,对坊野先生来说也是一辈子的回忆吧? 不过,约会在分别前的高潮最精彩。好了,我会给你留下最后一份难忘的回忆!”礼子没有再责难坊野,在他已经快要失去意识的情况下,她包裹着他的左睾丸,并在上面添加左手。 “好了……去吧……”礼子慢慢地用力。 “......啊...!噫!啊呜呜呜呜呜...!」疼痛让坊野恢复了理智。礼子像是把他的睾丸挤压在一起,甚至是被包裹在他全身的内脏中,他疼得全身抽搐,苦苦呻吟着。
「嗯,对的……表情很好……太棒了……看向这里……给我看看博野先生的脸色……对,对啊……很好……现在,就是时候了……我要让你射精!」礼子释放了她60公斤重的握力。
“啊!啊啊啊啊!肏、草、他妈的!!塌!塌了,搞砸了,呃啊啊啊啊啊啊啊!!!”听到坚挺的惨叫声,连同那令人毛骨悚然的撕心裂肺的声音,坊野的左睾丸被压碎了。坊野全身抽搐着,从口中喷出血沫。"疼"这个词很微弱。他感到的只有一种带有压迫感的麻木的疼痛,仿佛一个巨大的铅块被强行塞进了他的肚子里,并且这个块头又冷又重,瞬间从他的身体里夺走了热量。随后,他的血液流到那里,他的左睾丸迅速肿胀,像一个球一样膨胀起来。
“唔、呜呜呜……咕噜呜……”在这第几次呕吐的时候,坊野全身都在颤抖,他的随意肌,非随意肌,甚至身体中的所有肌肉都已经完全无法控制了,最终在礼子的脚下失禁了。
礼子迅速把手收回来,当坊野的失禁停止时,她用左手握住了右蛋,右手从上面搭在上面。“哎呀呀呀呀呀呀呀!博野先生!你是不是这么舒服?你真的很喜欢它,你甚至都尿了,这真是太棒了!我也很高兴,我能让你这么开心。不过,现在正是真正告别的时候了。好了,我也要压扁这个蛋。一旦这一颗被弄烂……就是我和坊野先生的终结了。哎呀,我真开心能和你这个博野先生共度欢乐,我永远也不会忘记你。对吧,坊野先生?”礼子逐渐放松握力。
“啊!!嗯!嘶,呜咕嗲呃啊啊啊啊啊!!!”坊野的惨叫声似乎有种在笑的感觉。"哈哈哈哈!"坊野的眼珠翻白,口吐白沫,喉咙张开,血沫四溅。他的感官甚至无法感到疼痛和精神折磨了。视线暗淡下来,暗中不停地闪烁着星星。
“再见啦,坊野先生!”哗啦!礼子用尽全力把右蛋压扁,坊野发出凄厉的断崖式惨叫声。坊野完全失去了意识,他的活力和尊严都消失了,一股白色的精液倒出来,似乎是他永远失去的男性功能和自尊的余烬。那是比正常情况下还要多数倍的精液发射,坊野通常会因此而颤抖,但现在他享受的快感甚至超过了射精的快感。他终于可以失去意识了,使身体从被痛苦支配的束缚中解放出来,享受晕厥的快感,在哭泣中,坊野的意识陷入了彻底昏迷
啊,啊啊……慎治眼前展开的是地狱般的场景,他们目瞪口呆地望着。刚刚还猖狂跋扈的SNOW CRACK四人现在像被扔在地上的破布一样躺在那里,浑身染血,手脚骨节扭曲。玲子和她的伙伴正在收拾残局,刚才他们断掉了奈良村三人的韧带,这本应是一种惊人的剧痛,但被击碎了他们的蛋蛋,施加了史上最大的疼痛之后昏厥,奈良村他们毫无反应地被对待着。
这,这是……竟然连坊野先生他们都被打败了……慎治们仍然无法相信自己所看到的景象。他们知道礼子很强大,也亲身经历了她的残酷,但现在事态已经超出了他们的想象。礼子和她的伙伴们是在完全放开所有限制、恐惧与复仇的内心深处,在不计牺牲和安全的情况下冲向这场危机,而他们自己则只是言辞上做了“立下复仇誓言”的准备,并且只有依靠着雇佣他人而别无选择。两者之间的差距是如此之大。
现在,时机已经成熟了。坊野他们已经在礼子的拷问下招供,他们是受到慎治等人雇佣的。
啊,啊啊……怎、怎么办啊,已经没有逃路了呢。慎治两人流着眼泪茫然地陷入了思考中,此时真弓开口打断了他们的思路:“现在信次,下面的事情已经结束了,该和玲子联系下来,然后下去了吧。”这句话等同于一句死刑宣告。
“……啊,啊啊……别、别这样……”
“你在说什么呢!信次,你也看见了吧?坊野先生他们已经被玲子他们拷问而说了出来,现在已经来不及改变什么了吧?”真弓笑着按下手机的通话键,信次两人目瞪口呆地望着她。
“喂,玲子吗?是我啊,真弓。嗯,现在我们在这儿二楼。里美也在。嘿,我想玲子也已经想到了,特别的客人也在这儿,他们就是信次他们。两人都在这儿。要怎么办?嗯,就把他们带下去。好的,我们现在就来。”
真弓挂断电话后向信次微笑着说:“现在玲子和他们一起下来了。那么,我们走吧。”
虽然信次等人的腰已经快要软了,但他们再也无法反抗真弓等人的力量。他们如同被拖拽般站起来,被带到楼下去了。
“啊,信次来了!” 等待在那里的玲子一接过真弓递来的信次就轻轻地推了一下他的头。“真的,居然雇用黑帮来袭击我们,真是太滑稽了吧。你说是不是,礼子?” 礼子也微笑着回答道:“完全是。明明我们每天都陪那些家伙玩得不亦乐乎,结果他们却对我们这样。感觉就像被饲养的狗咬了一样。” 看到玲子和礼子这些奇怪的微笑,让慎治和其他人感到有点害怕。他们原以为玲子和礼子会一下子殴打他们,或是像对待坊野一样进行折磨,但是却没想到她们会如此友好。信次感到害怕,不知道玲子她们究竟在计划什么,玲子的嘴角随之而舒展:“我知道信次在想什么。你肯定觉得我们要对你们进行拷问,处决或者是让你们尝尝死亡的滋味吧。哈哈,真是可笑。我们不会像你想的那样恨你们吧。不憎恨罪人,只憎恨罪过,你们应该听说过这句话吧?所以我们并不恨你们信次,而是憎恨你们的行为。”礼子也点头表示赞同:“没错。你认为我们是那种魔鬼吗?我们会像对待可爱,可爱的慎治他们一样去处决他们吗?当然不会。真是伤心啊,我们的善良你们到现在还没有理解吗?”看着受到突然转弯的情况而感到困惑的慎治和他们,朝子咯咯地大笑着说道:“笨蛋信次!你们不知道玲子她们在说什么吗?其实,她们就是在说:原谅你们了。当然,最终的裁决还在我们的小妹妹负责啦。毕竟今天最大的受害者是小妹妹嘛,最终的判决也由他来做才合理啊,对不对?”
慎治看着富美代,咽下口水,充满惊恐。他不相信那善变、脾气异常的富美代会原谅试图陷害他们的行为。但是出乎意料的是,富美代笑声嘹亮起来:“啊哈哈,最终判决啊。没错......刚才我一度确定绝不能原谅慎治等人,甚至打算用我的高跟鞋把他的整个身体踩成筛子,让他浑身布满洞穴。不过...就算是把前辈的鼻子O了,把小鸡鸡压扁了,也有一种解脱的感觉吧。好了,慎治,我也原谅你了。如果主人的礼子她们都同意,我也不会有意见。”
听到这些话,慎治等人发出了欢呼和哭声。他们感到幸运,因为他们本以为自己已经陷入绝对的绝望、死地,没有活下来的可能。但是现在,他们却有了生还的希望。慎治等人几乎是下意识地跪在礼子身前,吻了她们的靴子,这双鞋曾被鲜血染红,吸收了无数惨叫。
看着这两个人,礼子和玲子点头满意。玲子用微小的动作示意,把正在吻她们鞋子的信次拉了起来。“我知道你们很想享受被赦免的喜悦,但是今天结束了。因为我们还要处理后续事宜,必须将这些人送到警察局。你们不能和信次他们一起玩了。今天,就和真弓一起回去吧。”
“我们可以回家!我们还能活着回去这里!”慎治等人心中充满了喜悦。他们拖着无力的脚步,在外面拼命逃离这个工厂。但就在他们要离开工厂的时候,礼子说出了一句话,令两人的心跳停止了一瞬间:“我会原谅你们的罪,但罪与罚,你们要承担后果。我会在星期一在学校里宣布你们的惩罚。期待吧!”