一片日文 剧情是男孩子被触手皮寄生

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qiqinzi:一片日文 剧情是男孩子被触手皮寄生
「はいはい、とうちゃーく。やー、これからこの部屋が私の物になると思うと感慨深いなー。」
 俺が身体を動かそうとするたびにお尻を叩かれるような痛みを味わわされながら、ようやく部屋へと戻ってきた。誰にも叩かれていなかったのに痛みだけは襲ってくるってことは、コイツが自分の意思で俺に痛みを与えられるってことだよな。今のところお尻を叩かれるだけだけど、やろうと思えば他のことも出来るってことじゃないのか?
 というか、ここは俺の部屋であってコイツの部屋なんかじゃない。
 それにこの声。俺の口から出てるのは間違いないのに明らかに声色がまるで違う。アニメに出てくる女の子みたいな可愛らしい声だ。
「よっ、と。うん、同じベッドでも自分の意思で乗っかるとまた感動もひとしおだねー。」
「ッ!!」
 飛び上がってベッドに座られたせいでお尻のディルドゥに衝撃が走る。くそ、身体を動かすのはコイツなのに被害を受けるのは俺だけってちょっとひどくないか?
「さーて。説明してあげるって約束だったっけ。もう分かってるとは思うけど、私はキミの着ているこの服ね。」
 やっぱりか。しかしスカートを摘まんで捲り上げるのは止めてくれないか。まるで下着を見せつけられてるみたいな気分になる。
「雪美ちゃんは私のこと疑似生命体だなんて言ってたけどね、この通りちゃんと意識も感情もあるの。だから普通の命とおんなじだよ。ただこれまではそれを表現する方法がなかったってだけ。」
 表現がって、これまでも俺に対して色んなことをしてきた気がするんだけどな。
「んーー。やっぱり私が一方的に喋るばっかりじゃつまんないなー。しょうがないからあゆむちゃんにも喋らせてあげる。と言っても口は1つしかないから当然優先権は私にあるけどね。」
 くそ。俺の身体なのに。でもこれでさっきから気になってたことが聞ける。わざわざ喋らせるってことは。
「俺の考えてることが分かるってわけじゃないのか?」
 うわっ。なんだ今の声。俺が喋った声、だよな? コイツの声もアニメのキャラクターっぽかったけどそれに比べても更に作られたような声。小さな女の子のみたいな声だ。
 おまけに舌も覆われているからか、思ったように動かせなくて舌っ足らずになっている。これじゃ本当に小さな女の子みたいじゃないか。
「そりゃあねー。所詮私はあゆむちゃんの身体を覆っているだけの服ですから? どんな風に動こうとしたかとか、鼓動が早くなったり汗をかいたから緊張しているなとかは分かるけど頭の中身までは見れないなー。」
 そうなのか。先回ししたような答えを返されることもあったから心配してたけど、それなら救いはあるかも知れない。
「あー、でも助けを呼ぼうとかは考えない方がいいよ。だって人前ではあゆむちゃんに自由にさせてあげるつもりなんてないもの。」
 くっ。
「うーん。折角喋らせてあげるって言ってるのにあんまり喋ろうとしないね。ひょっとして喋らなくてもいいとか?」
「そ、そんなことっ!!」
 うぅ。やっぱり声に違和感がある。
「まあいいや。それで説明の続きね。雪美ちゃんねー、意地悪だから私に色々制限かけてたのよ。例えば首から上には身体を伸ばしちゃいけない、とかね。」
 え? でも今顔まで来てるじゃないか。
「だからね。私も色々試してみたの。身体の外を覆ってる部分はどうやっても首までしか来られなかったんだ。だったらあゆむちゃんのお尻の中に入ったのを伸ばしていけばひょっとしたら顔に出られるんじゃないか、って。あ、でも汚くなんてないから安心してね。そのまま身体を伸ばしていったわけじゃないから、口から出てる部分はお尻の中に触れた部分とは別の場所。」
 うん? どういうことだ?
「そうだねー、タケノコをイメージしてみて。最初は皮に覆われてるけど皮がむけて中から竹が出てくるでしょ。それを繰り返すような感じで常に内側から飛び出した部分が奥へ奥へと進んでいった、って感じかな。」
 まぁ多少はマシなのかも知れないけど。どっちにしろ俺の口までこいつに覆われたってことに変わりはないんだけどな。
「ついでにね、身体を枝分かれさせて肺の方にまで入り込んでるの。だから呼吸も私の支配下になってるってわけ。」
 呼吸まで操られてるのは分かったけど、それじゃこいつは俺の身体の中じゅうに入り込んでるってことなのか?
 それでも現状については大体わかった。
「それで、これからどうするつもりなんだ?」
「どうするって?」
「明日からのことだよ。俺の身体を使って、何をしようとしているんだ?」
 コイツの考えは多分大澤さんの考えていた予定とは違っているハズ。それなら気付いてもらえる可能性だってあるはずだ。
 それ以前に大澤さんは俺のことをドローンで確認しているんだよな。だったら明日にでも気づいてくれるんじゃないか? そのことを言えば諦めて解放してくれる……いや、下手に言わない方がいいか? 俺の身体は今、完全にコイツに支配されてるんだ。自暴自棄になられたりしたら何をされるか分かったもんじゃない。
「うん、別になにをするってこともないよ。ただ私があゆむちゃんになって生活するってだけ。」
「は? 何か目的があってこんなことをしたんじゃないのか?」
「わっかんないかなー。私、ついさっきまではただの服だったんだよ?」
 ただの、とはとても思えないけどな。
「ただ人に着られて、着ている人にちょっかいは出せるけどそれだけ。変なことをしたら雪美ちゃんに脱がされてそれでお終い。」
 十分変なことしてただろ。いや、大澤さんの意に沿わないことをしたらってことか。
「それがね、こうやって人間として生きられるチャンスが来たんだよ。だったらそれを生かさないって手はないでしょ。」
 これは逆にマズいかも知れない。目的があるならそれを達成すれば解放して貰えたかもしれないけど、俺として生きること自体が目的だとしたらずっと解放する気はないってことだ。何とか説得出来ないか?
「人間としてって。こんな声で喋ってたら明日にだってすぐに周りにばれるに決まってるじゃないか。」
 声だって喋り方だって俺とは全く違う。これで疑わない人が居るって思う方がおかしい。
「あははー。心配してくれるんだ。でも大丈夫。……ほら。こんな風に声だって自由自在。」
 声が、変わった? いつも聞いてる俺の声だ。
「クラスメイトと喋るときはいつも通りの喋り方をするからね。安心していいよ。」
 喋り方まで! 確かにこれじゃ声から俺じゃないって気付いてもらうのは無理だ。
「これで万一あゆむちゃんが喋れたとしても、どっちが本物だと思われるかは分かるよね。あ、そうそう。ついでにこんなことしてみよっか。」
「こんなこと?」
 うぅ。俺が喋るときは相変わらず小さい女の子みたいな声のままだ。コイツも声を戻したから俺の声を勝手に使われてる感じは無くなったのが救いか。
「うん。ちょっと喋ってみて。私にとっても挑戦みたいなものだから。」
「喋ってみてってぇ、何を喋ればいいのぉ?」
 ッ!? なんだ、今の。俺は『何を喋ればいいんだよ』って言ったはずなのに、口から出た言葉が変わってた?
「あはっ。上手くいった上手くいった。」
「今のってぇ、あゆむちゃんの仕業なのぉ?」
 まただ。舌っ足らずなのは今まで通りだけど妙に語尾が伸びてる。それになんだ? あゆむちゃんって。それは俺の名前じゃないか。俺は『お前の仕業なのか』って言おうとしたのに。
「うん、そうだよー。声は変えてあげたけど喋り方は元のままだったから違和感があったものね。これでばっちり。」
 その声を発しているのが高校生の男の俺だってことに違和感は無いのか?
「それから私のことはこれからあゆむちゃん、って呼んでね。明日からあゆむちゃんとして生きてくんだから呼び名も合わせなきゃおかしいでしょ。」
「ふざけないでぇ! 私があゆみだよぉ。」
 ッ!! 俺、今なんて言った?
「そうねー。今から君はあゆみちゃん。と言っても呼んであげるのは私しかいないけどねー。」
 うぅ。いくら文句を言おうとしてもその言葉自体を勝手に変えられるんじゃ話にならない。「これでばれる心配もなくなったし、明日から私が広瀬あゆむとして生活できるってわけ。」
「もしすぐにばれなくたってぇ、最後には脱がされちゃうんじゃないのぉ?」
 ……そのはずだよな? どれ位先になるかは大澤さん次第だけど、まさか一生この服を着せたままで過ごさせるつもりじゃないはず。 絶対にないとは言い切れないのが怖いけど。
「だから、色々考えてるんだってばー。ほら、これ見て。」
「??」
 目の前に片手を掲げる。指先まで真っ白な手袋に覆われてしまっているけれど、これがどうかしたのか?
 ん、なんだ? 指先から手袋が裂けて……下から俺の手が出てきた。
「?? ……あれぇ?」
 俺の手? いや、見た目は確かに俺の手にしか見えない。けど未だに覆われた感覚が残ってる。
「気付いた? そうだねー、脱皮って言うと分かりやすいかな。これはね、服の形をしている部分を脱ぎ去って肌を再現した薄皮を残してるの。薄くたって私であることに変わりはないからね。あゆみちゃんの自由にはさせてあげないよ。」
 確かに、どう見ても俺の手にしか見えないのにいくら動かそうとしてもピクリとも動かせなかった。
「だから言ってるでしょ? 勝手に動こうとしても無駄だって。でもやっぱり私に逆らったお仕置きはしなくちゃねー。はい、パッチーン!!」
「ッッ!!」
 またお尻を叩かれる感覚。こんな時に限って声まで出せなくされて、痛みを紛らされることすら出来ない。
「大声を出しちゃうと他の人の迷惑になるからねー。こんな夜中なんだし静かにしなくっちゃ。」
 自分で試させるようなこと言っておいて。
 でもこの手みたいに全身を薄皮で包まれた状態にされたら見た目で判断するのは難しい、よな。
、大澤さん、ちゃんと気づいてくれるかな? 大丈夫だよな? 今のこれだってちゃんとドローンの映像を見ればどうなってるか分かるはずだ。撮影してるのに見ないなんてこと、ないよな?
「それじゃー一旦手を戻して、って。今はまだ私に包まれた状態にしておかないとね。それとあゆみちゃんにはお礼をしなくちゃ。」
「おれえ?」
「そ、お礼。だって私が人間として生きていくための一番必要なものを譲ってくれたんだから。」
 必要なもの? なんのことだ?
「この身体のことぉ?」
 ちょっと待て。これじゃ身体を譲ってやったみたいじゃないか。言いたかったのは『この身体のことを言ってるのか。』だったのに。
「身体もそうだけどねー。でも身体だけだったら最悪可動式のマネキンにでも着て貰えれば何とかなるの。見ての通り顔だって再現できるし、栄養は口から摂ることも出来るしね。」
 確かにそうだ。俺の顔を覆った直後は真っ黒だったけど、その後すぐに元通りの顔になった。あれはコイツが色を変えて俺の顔を再現したんだよな。だったら着るのがマネキンでも人間そっくりになれるってことか。
「それよりも重要なのは、あゆみちゃんがこの学校の生徒だったってこと。マネキンに着てもらっただけじゃ私は誰にもなれないの。例え見た目が完璧に人間だって、いきなりその場に現れただけじゃ誰も受け入れてくれないでしょ。」
 つまり、俺に成り代われるからお礼をするって言ってるのか? それこそ譲ってやった覚えなんて全くないぞ。
「そうそう、口から栄養を摂れると言えばね。今、あゆみちゃんの身体の中はね。口から大腸まで全部私に覆われてるんだよ。それってどういうことか分かる?」
 どういう、って……
「わっかんないかなー。これから先、この口で食べたものが直接あゆみちゃんに触れることは無いってこと。雪美ちゃんは私があゆみちゃんの排泄物を栄養にして活動するって言ってたでしょ。でもね、それって半分しか当てはまらなくなったんだよ。」
 いまいち言ってる意味が掴めない。どういうことだ?
「これだけ言ってもダメ? あゆみちゃんが栄養として身体に取り込めるのは腸からでしょ? でも食べたものはあゆみちゃんの腸に触れることは無いの。もちろん餓死させるつもりなんてないからね。私が取り込んで、栄養として消費した残骸をあゆみちゃんの腸に排泄してあげるってこと。」
 排泄、って俺の身体の中に? いや、単に捨てるってだけじゃない。これから俺が栄養として取り込めるのって……
「うそ……でしょぉ?」
「あー。良かった。これで分かってもらえなかったどうしようかと思った。そ。これからはあゆみちゃん“が”、私“の”排泄物を吸収して生きていくの。もっともあゆみちゃんのおしっことか身体の表面から出る垢みたいのは私が処理するしかないんだけどね。だから雪美ちゃんの言葉も半分だけは当てはまるってこと。」
 うぅ。身体の動きだけじゃなくてこんな所まで主導権を取られるなんて。
 ひょっとして、コイツの機嫌を損ねたらそれすらも貰えなくなったりするのか? さっき着られるのはマネキンでもいいって言ってたし、下手したら俺が死んでも皮まず身体を覆ったままで動かし続けるなんてことは……
 うぅ。大澤さん、本当に気づいてよ。お願いだから。
「あー、話ずれちゃったね。お礼をするって話だったっけ?」
 そうだ。お礼っていったい何をするつもりなんだ?
「こういう、こ・と。」
「ッッ!!」
 なっ!! ちょっと待って、身体中ッ、くすぐらないで!!
「ふふ。全身くまなく愛撫して気持ちよくしてあげる。本当はもっと早くこうしたかったんだけどねー。ほら、叫ばれちゃうと私が変なことしてるってばれちゃうでしょ? だからこうやって口が支配できるまで我慢してたんだ。」
 愛撫? 何をッ……身体中をくすぐられるのは昼間にもあったけど、あれよりもずっと激しい。それに、何だか服の内側がヌルヌルしてるの? 昔、お風呂で身体を洗ってる最中に擽られた時みたいな感覚だ。
 あっ!! お尻の中ッ、かき回さないで!!
「知ってる? 男の子の身体ってね、お尻の中に2か所の快感ポイントがあるの。1つはおちんちんを大きくして射精をさせるための前立腺。」
 は? 急に、何を言い出すんだ?
「そしてもう一つは精嚢って言ってね。ここを刺激すると男の子でも女の子みたいなイキ方が出来るの。今刺激をしてあげてるのはそっちなんだ。」
 いいからっ、止めてよ!!
「あははっ。本当だったらものすごい息荒げてるねー。これじゃ過呼吸になっちゃったかも。でも大丈夫。こうやって私がちゃんと呼吸まで管理してあげるからねー。過呼吸にも酸欠にもしてあげないから。ずっと意識を保ったまま、快感を受け入れてね。」
「気持ちよく、なんてぇ。」
 うぅ。叫びたいのに。出来るだけ強く喋りたいのに。ただでさえ幼い喋り方の上に鼻にかかった声で囁くようにしか喋れない。これじゃ本当に気持ちよくなってるみたいじゃないか。
「うんうん。最初はお尻だけじゃなかなか気持ちよくなれないよね。だから、一緒に気持ちよくなれるポイントを重点的に愛撫してあげる。」
 あっ!! ちょっと、止めッ!!
「どう? 男の子だって乳首で気持ちよくなれるんだよ。」
 うあぁ!? 胸の刺激が急に強く……くすぐったいだけじゃない。なんなんだ、これ。
「と言ってもやっぱりこっちも慣れが必要なんだよねー。だから、大サービスでおちんちんも弄ってあげる。」
 ひあぁっ!? ペニスをそんなに激しくこすらないで!!
「あ、でも気を付けてね。あんまりおちんちんに意識を向けちゃうと……って遅かったかなー。」
「ッッ!! ~~~~~ッッ!!」
 痛ッ!!
「だからさー。おちんちんは大きくなれない様にしてあるって雪美ちゃんにも言われたでしょ?」
 ペニスが潰されるような痛み。いや、正確には潰されてるんじゃない。勃起しようとしているのに押さえつけられて、大きくなれずにいるんだ。
「あゆみちゃんのおちんちんはちっちゃなままで完全に包みこんじゃってるからねー。いくら大きくなろうとしてもだーめ。上にも下にも逃げ場は作ってあげないから。」
 そんなっ。うぅ、腰が引けそうになるのに、身体が動かせなくてそれすら……
「ほら、勝手に身体動かさないの。覚えるまで何度でもお尻ぺんぺんだからねー。」
 ひっ!! お尻ぺんぺんだなんてそんな生易しい痛みじゃない。平手で直接肌を叩かれたような痛み。何度叩かれても慣れる気がしない。「んっ、くぅっ……」
 漏れ出る声も可愛らしく変えられてしまっている。なんだか小さな女の子がすぐ近くで声を上げてるみたいで、変な気分になってしまいそうだ。
「ほらほら。早くお尻の快感を受け入れないといつまで経ってもおちんちんは痛いままだよー。」
 快感だなんて言われてたって、お尻の中をかき回されるのが気持ちいいわけがないじゃないか。
 受け入れるって一体どうすればいいんだよ。
「あー、逆におちんちんが大きくなろうとしちゃってるねー。そう言えばあゆみちゃん、床オナニーって知ってる?」
「床、おなにぃ?」
「その反応だと知らなさそうだねー。おちんちんを床に押し付けて潰しながらするオナニーのことだよ。こうやっておちんちんが大きくなれないままのオナニーだとそれに近いのかもねー。」
 そんなこと言われたって、その床オナニーをしたことなんてないんだから分かるわけないじゃないか。そもそも今はオナニーなんかじゃなく、一方的に身体を弄られてるんだし。
「う~ん。なかなかイけなさそうだし、ちょっとサービスしてあげよっか? おちんちんの刺激を強くしてあげる。」
「ッッ!!!」
 何、これ? どうなってるの!? ペニス全体が刺激されてるのは分かる。でもこれ、どっちの向きに撫でられているのかがさっぱりわかんない。まるでペニスを細かく分解されてそれぞれを別々に刺激を受けてるみたいな異様な感覚だ。
「あははっ。いい反応。どうなってるか知りたい? ものすごく細い触手を伸ばしてそれぞれがおちんちんにを撫でてあげてるの。それも気持ちよくなれる粘液に分泌しながらね。人間じゃ再現できない気持ちよさでしょ?」
 気持ちいい? のか? 潰される痛みと一緒になってわけが分からなくなってる。でも射精をするための感覚としてならお尻や乳首よりはペニスへの刺激の方が受け入れやすいハズだよな。
 それに昨日、化学室で射精して以来ずっと射精直前の様な感覚が続いてるんだ。ペニスに集中すればこんな状態でもイけるかも知れない。
「あゆみちゃんのおちんちん、透明なお汁が溢れてきてるねー。もうちょっとでイケちゃうかな?」
 うぅ。あまり茶々を入れないで。意識が変な方に持っていかれる。
 あ、でも……うん。あとちょっとで、イケそう。んッ……
「あ~ん。あゆみ、イッちゃう~~~!」
 なん、だ? 今の。
 俺の口から出た言葉なのは間違いない。でも、さっきまでコイツが喋ってた声じゃない。むしろ俺が喋ろうとしたときに出していた声色っぽかったような……
「あはは。あゆみちゃんがイくのが分かったからから気持ちを代弁してあげたんだけど、どう? 似てたでしょ?」
 似てるもなにもっ、お前が勝手に変えた声なんじゃないか。喋り方だって俺の本当の喋り方とは似ても似つかないんだし。
「うんうん、まだおちんちんがビクンビクンしてるねー。でも残念。まだ男の子としての絶頂かー。」
 うぅ。相変わらずいつ射精が終わったのかが分からない。ずっと射精が続いている様な、それでいてペニスの中を成績が通る感覚がなくて全然イケてないような変な感覚がずっと続いている。
「んんっ……」
 でもペニスが萎えてきてるし、もう終わった……のか?
「ね、ねえ。もうイッた。イッたから、止めてよ。」
 射精は終わってるはずなのに、身体中をまさぐる刺激はずっと続いたままだ。
「何言ってるの。お礼をするって言ったでしょ? これから先、ずっとあゆみちゃんを気持ちよくしてあげるのがそのお礼だよ。」
 ……は? コイツは一体何を言ってるんだ。
「さっき射精をした時も、お尻や乳首も弄ってあげてたからねー。そっちの刺激も快感として脳が結び付けてくれてるはずだよ。その内おちんちんを弄らなくてもちゃんとイけるようになるから、頑張ろうね。」
「そんなの、ヤぁ!!」
「ヤでもなんでも、あゆみちゃんの意思は関係ありませーん。」
 んんっ!? コイツの言葉に合わせるようにお尻の刺激が一段強くなった。
「でもね、ずっとこのままじゃ男の子としてしかイけなくなっちゃいそうだから、、次からはおちんちんへの刺激は途中で止めちゃうね。」
「途中、でぇ?」
「そ。次はイく直前になったらおちんちんへの刺激はストップ。その次はもうちょっと前に、一回イくたびに少しずつおちんちんへの刺激を減らしていくの。最後にはきっとお尻だけでイケるようになるはずからね。」
 そんなの、しなくていい。だからもう止めてよ。……あれ?
「なんでぇ? 今射精したばっかりなのにぃ。」
 またペニスが大きくなり始めてる!?
 ずっとしてなかったならともかく、昨日の昼にも射精したのに。いくら身体中を弄られてるからってなんでこんなすぐに勃起するんだよ?
「おちんちんが大きくなったのが不思議? じゃあ種明かししてあげよっか。」
「種明かしぃ?」
 まさか、これもコイツの仕業なのか? でもどうやって……
「ふふ。昨日射精をした時に、輸精管をさかのぼって触手が入り込んだって話はしたよね。射精直前に精液が溜まるところで風船みたいに膨れた、って。でもね、実はそれだけじゃなかったんだ。」
 どういうこと?
「精液ってね、タマタマで作られた精子と今も刺激してあげている精嚢で作られた精嚢液が混じったものなの。射精すれば当然溜まってた精子と精嚢液が減っちゃうでしょ? もし私がそれを補充してあげたらどうなると思う?」
「補充ってぇ……」
「あゆみちゃんの頭の中、脳みそはね。今どれ位精子が溜まってるかってのを判断してるんだ。たっぷりと精子が溜まっているならすぐに射精したいって欲求を生み出すのは分かるよね。」
 何となくだけど、理解は出来る。何日もオナニーをしてないとオナニーをしたくなるってことだよな。
「私が精子や精嚢液……そのものじゃないけどね。あゆみちゃんの脳みそじゃ区別できないようなよく似たものを注いであげるとあら不思議。あゆみちゃんの脳みそは、精子が限界まで溜まってると判断して射精したくてたまらなくなっちゃうってわけ。」
 ウソだろ、そんなの……
「普通だったら何度も射精をしたら精液が出なくなっちゃうでしょ。でも今のあゆみちゃんなら大丈夫。例え何百回射精しても、ずっとオナニーをせずに我慢した後みたいな特濃の精液が毎回出せるってこと。」
 信じられないけど、実際に今ペニスが大きくなってることを考えれば本当だと信じないわけにはいかない。
「それにね。普通はおちんちんからはおしっこも出すからずっとオナニーなんてしてられないよね。でもあゆみちゃんの場合は膀胱に入れた私の触手がおしっこを処理してあげてるからね。ずっと射精だけをしていることだって出来るんだよ。」
「そんなのうそ……だよね?」
 射精っぽい感覚はずっと続いているけど、もし本当に射精が続いたら? うぅ。考えたくない。
「嘘かどうかは実際に体験してみるのが一番じゃない? さ~ってと。そろそろ私もお布団に入らなきゃね。明日も学校に行くんだし。」
「えぇ? ちょっと待ってぇ。」
 俺の身体を使ってベッドの上で横になる。ひょっとしたら終わるのかと思った身体中の刺激は弱まる気配がない。
「だから。言ってるでしょ? あゆみちゃんはずっと気持ちいいまま。女の子としてイけるようになればそれが一番だけどね。ずっと男の子としてイったとしも怒ったりしないからたっぷり気持ちよくなってね。何度射精してもちゃんと精子を補充してあげるんだから。」
 そんなのしなくてっ、いいのに。
「それじゃ、おしゃべりタイムは終了ね。また私がお喋りしたいときに口を使わせてあげる。」
「ッッ!!」
 くそ、また声が出せなくされてしまった。
「おやすみ、あゆみちゃん。」
 あ、待って。電気消さないで。真っ暗だと身体の刺激にばっかり意識が……止めて。もう動かさないでよ!!

「んっ、くぁ……」
 一体どれ位の時間が経ったんだろう。時間の感覚は既に消え失せてしまった。
「んんっ!」
 暗闇の中、身動きも出来ないまま体中を撫でまわされるような感覚だけが続いている。
「ふぅ……んっ、はぁ……」
 撫でまわされる、と言ってもくすぐられているわけじゃない。いや、確かにくすぐったさも感じている。けれどもくすぐったさ何かよりも俺の意識を占めているのはもっと別の感覚。認めたくはないけれど気持ちよさ、つまりは快感だった。
「んっ、ぐう……」
 乳首を、脇腹を、お尻の穴を。以前だったらくすぐったさや気持ち悪さしか感じなかったハズの場所を撫でまわされているというのに、俺の身体はこの感覚を快感として受け取れるようになってしまった。全身を、と言ったけれどそれでも例外はある。これだけ快感を送り込みながら一番敏感な場所、ペニスだけには全く刺激が与えられていなかった。
「ひうっ!?」
 快感に抵抗しようと思うと刺激が強まり、諦めて受け入れようとすれば弱められる。微妙な強弱によって、快感を味合わされ続けながらも決して達することが出来ないように調整されていた。むかつく程に俺の状況を完全に把握されてしまっている。
「んぐぅ……」
 もし身体が自由に動かせたなら、すぐにでもペニスを扱きあげているだろうに。今の状況ではそれすら叶わない。
「あっ……んんっ!? ひあぁっ!!」
 急激に体中に送り込まれる刺激が強くなった。ってことはもう1時間経ったのか?
 1時間おきに与えられる絶頂。これが今の俺が時間を知れる唯一の方法だ。と言っても既に何度絶頂を迎えさせられたのか数えてなんかいない。分かるのは先の絶頂から1時間経ったってことだけ。結局こんな目に合わされてからどれくらいの時間が経ったのかが分からなくなってしまっていることに変わりはない。
「あっ、あぅぅ!」
 余計なことを考えている間にも強まる刺激に身体は絶頂へと向かっていく。誰にも見られていないこんな状況じゃ表情を取り繕おうだなんて気も起らない。
 ただただ快感を受け入れ何度目かも分からない絶頂へと到達しながら、こんな目にあった原因が脳内に走馬灯のように流れていた。









 ―――――― ぴんぽんぱんぽーん ――――――
 唐突に鳴り響く呼び出しのチャイムで授業が中断される。何人かの視線が既に俺へと向けられていた。
 頼む、俺の呼び出し以外の内容であってくれ。
『1年C組、広瀬あゆむくん。1年C組広瀬あゆむくん。至急、第二化学室まで来てください。』
 くっ。そんな願いもむなしく、聞きなれた声が俺の名前を呼ぶ。
 ―――――― ぴんぽんぱんぽーん ――――――
 呼び出し後のチャイムが鳴っても教室内は静まったままだ。
「広瀬君、アナタ今呼ばれたでしょう? 早く行きなさい。」
 授業中だから席を外すな。そんな先生の言葉を期待したけれど、かけられたのは真逆の言葉だった。
「……はい。それじゃ済みませんけど行ってきます。」
「えぇ、頑張ってね。特待生さん。」
 申し訳程度の応援を受け、授業を再開した教室を後にした。




 特待生。先生が口にしたのは俺のことだ。特別待遇生徒を略して特待生。この学校にある制度の1つで、これに選ばれた生徒は様々な特典を受けることが出来る。
 例えば授業料や寮費が免除されること。例えば授業を受けなくても単位が貰えること。例えば卒業後に希望すればこの学校を運営する財団の企業に就職できること。
 もちろん特典が得られるだけじゃなくて、果たさなければならない義務もある。と言うか、その義務があるからこそ特典が受けられるんだけど。
「……っと、まだ居ないか。」
 到着した第二化学室は無人だった。ここからはうちの教室より放送室の方が遠い。きっとまだこっちに向かっている最中なんだろう。
 それなら直接教室に来て呼び出せばいいものをわざわざ放送をするんだから意地が悪いというかなんというか。
「はぁ。今度は何をされるんだろう。」
 思わずため息が漏れる。さっき放送で俺を呼び出したのはクラスメイトの大澤雪美さん。彼女もまた特待生だ。
 同じ特待生と言っても俺とはかなり事情が異なる。彼女はその天才性を見込まれ、この学校へと招かれた本当の意味での特待生だ。授業なんて受けるまでもなく、本気でテストを受ければ簡単に満点を取れると言われている。もっともテスト自体滅多に受けてない様だけど。
 財団企業への就職だって、彼女に対する特典と言うよりはむしろその天才を取り込みたいという企業側の都合によるものだ。
 それに対して俺はと言えば普通の受験でこの高校に入学したただの凡人に過ぎない。
 それが何故特待生に選ばれていると言えば彼女に指名をされたからだ。大澤さんは中学のことからおかしな研究をしては先生やクラスメイトを使って実験まがいのことをしていたらしい。その実験内容が目に留まりこの学校へと招かれたそうだけれど、誰でも彼でも実験に巻き込んでいては学校の評判に関わるし授業の進行にも差し障る。ということで彼女の実験に付き合う生贄を差し出すことなった、ということだ。
 そうして俺も特待生に選ばれたわけだけど、それはあくまで大澤さんの実験に付き合うのが条件だ。呼び出しを受ければ授業中だからって断ることは出来ない。大澤さんと違って普通の出来の頭しか持ち合わせない俺が授業を受けなければ当然ついていけなくなるし、テストだって酷いことになる。それでも俺個人の都合として授業料の免除や食事つきの寮に無料で入れるのはありがたく、二つ返事で引き受けてしまった。
 しまった。つまり、今は後悔しているわけだけど。
 さっきの話、教室で呼び出せばいいのにわざわざ放送をしたのはこれから俺が実験台になるのを全校に対して通知したのに等しい。またみんなから変な目で見られるんだろうなぁ。
「おー、お待たせ。よく来たね、あゆむくん。」
「うん。こんにちは大澤さん。」
 背後から声をかけられ、振り向けば白衣をまとった大澤さんが入り口に立っていた。小柄な彼女は下手すれば小学生にも見えてしまう。本人が言うには白衣はそんな見た目への抵抗らしいけれど、まるで子供が大人びた格好をしたがっているようで余計に違和感がある。
「我がラボへようこそ。」
 この第二化学室は元々は移動教室として使われていたそうだけれど、今では彼女専用の実験室であるかのようになっている。本人も自分のラボと言ってはばからない。部屋の隅には……いや隅どころか半分近いスペースが彼女の発明品やら実験器具やらで埋められている。入学して1年も経たずにこうなのだから、そのうち第一化学室まで明け渡す羽目になるんじゃないかな。
「こんにちは、か。そう言えば今日はまだ会っていなかったな。いや。ここしばらくぶり、だったか?」
「そうだね。大澤さん、滅多に教室来ないから。」
 確か前回に会ったのは先々週の金曜日、次の実験のためと言って血を取られた時だったかな。素人に注射器を使われるのは怖かったけど、妙に手慣れた手つきで血を抜かれたっけ。
「で、何の用? 授業中に抜け出してきてるから出来れば手早く済ませて貰えると嬉しいんだけど。」
「そうだな。じゃあ早速本題に入ろうか。これを見て欲しい。」
 乱雑に物の置かれた机の一角、大澤さんの指差した先には学生服が置かれていた。その隣にはトランクスとランニンシャツといった下着も並んでいる。
「これって、学生服だよね。」
 今着ている学生服と同じ、ボタンもうちの校章入りだ。
「そうだ。そして学生服の用途と言えばひとつしかないだろう。つまり、それを着るんだ。」
 正直言って嫌な予感しかしない。だからって断ることは特待生を辞退することとイコールになってしまう。
「着るのはいいけど……ここで?」
 流石に女子の目の前で裸になるのは抵抗がある。トランクスも履き替えるなら全裸にならなきゃいけないわけだし。
「うん。そう言うと思ってちゃんと用意をしてあるよ。ほら、ここを使いたまえ。」
 ここ、って? 試着室? あれ? こんなのさっきからあったっけ? いつの間にか縦横1m、高さ2mほどのプラスチックっぽい壁で覆われた小さな部屋が化学室に出来ていた。
「ほら、時間が無いのはこちらも同じなんだ。さあ入った入った。」
 学生服と下着を持たされ、試着室へと追いやられる。カーテンではなくちゃんとした扉だし、中から鍵もかけられるみたいだった。よくある試着室と違って足元や上の方にもスキマは無くて、覗かれる心配もなさそうだ。
「これを着ればいいんだね。」
「うむ。当然下着もな。」
 何を企んでるのかは分からないけれどとにかく着てしまおう。 試着室は思った以上にしっかりとした作りだった。まさか俺が着替えるためだけにこんな部屋を作ったのか? だとしたら凄く無駄な気もするけれど。
「っと……」
 普通の試着室ならあるような壁のフックやそこにかけるハンガーは用意されていないみたいだ。てことは今着てる服は脱いだら床に置くしかないかな。
「もう着れたかい?」
「いや、ちょっと待って。流石にまだだから。」
 あんまり時間をかけてても機嫌を損ねそうだし、ちゃっちゃと着替えなきゃならないな。まずは今着ている服を脱いで、と。
 これ、見た感じは普通のトランクスだよな。わざわざ着替えろって言ってきた位だし何か仕掛けでもあるんじゃないかと思ったけど、ただの黒いトランクスでしかない。ランニングシャツにも異常は見当たらないな。着ても……うん、別に異常はないな。
 学生服もうちの学校で指定されてる普通の学生服っぽいんだよな。でもちょっと生地が厚いような気もする。冬用? いやいや、そもそも学生服に夏用も冬用もないじゃないか。
 厚手なせいかちょっとつっかかる感じはあったけど普通に着れたな。
「着替え終わったよ。これでいい……あれ?」
 扉が開かない? 鍵もちゃんと外したのに。
「うむ。ご苦労様。それじゃそのままちょっと待機してくれ。」
「え、うん。」
 何やら外で動いているらしい音が聞こえる。閉じ込めるのも計算の内、ってことなのかな。
「まずは……こうだな。」
「は??」
 大澤さんの声とともにいきなり目の前の壁が消え失せた。いや、違う。壁は今もしっかりある。ただ透明になっただけだ。しっかりと磨かれたガラスみたいな透明感。ちゃんと見れば壁があるのは分かるけれど、うっかりすると見落としかねない透明度だ。
「ひょっとしてさっきまでもこんな風に透明になってた?」
 化学室に入った時に試着室に気づけなかったのって、このせいだったのかも知れない。
「その通りだよ。見ての通りこいつは透明な液晶板でね。必要に応じてテレビ画面のように映像を映し出すことが出来る代物なのさ。さっきまでは一面に単色を映し出すことで壁だと思わせていたってわけだ。ちなみに、もう一つ面白い設定が出来てね。」
「面白い?」
 なんだろう、妙な予感がする。こうやって自慢げに話をするときは大抵ろくなことじゃないんだ。
「うむ。片面には画面を映し出しつつ、逆側は透明にすることが出来るんだ。つまりマジックミラーの様なものだな。君が訝し気な表情を浮かべながら着替えをしていたのは全てこちらから確認できていたというわけだ。」
「ぐ……いや。大澤さんのことだからカメラとカ仕掛けてる可能性も考えてたし、見られるのは覚悟してたよ。でもなんでそんな自慢げに語るかな。」
 口では強がって見せても頬が熱を持っているのが分かる。これまでだって何度か裸を見られたことはあるけど恥ずかしいものは恥ずかしいんだよ。仕方ないだろう。
「いやぁ、君の照れる顔を見るのが好きでね。だからこそ君を私のパートナーとして指名したわけだしね。」
「そりゃどうも。」
 パートナー。実情はただの実験台だとしても大澤さんは俺のことをそう呼んでくれる。それで少し嬉しくなっちゃってる俺も大概に単純だよな。
 それに彼女に特待生として指名して貰えたおかげで学費を免除されて学校を止めずに済んだって恩もあるわけだし。
「それで? ここからはいつ出してくれるの?」
 扉も透明になったことで分かったけれど、外から閂の様な鍵がかけられていた。これを外して貰わない限りここから出ることは出来そうにない。
「まあ待ちたまえ。君のその服に目覚めて貰えばすぐにでも出してあげるよ。」
「目覚めて?」
 服が? 何を言ってるんだろう。
「さて取りい出しましたるはタネも仕掛けもないただの霧吹き。こいつを試着室内に吹きかけると……」
 大澤さんが手にしたのは先端に細長いノズルのついた霧吹きだった。扉のわずかな隙間に先端を差し込み、言葉の通りに中へと吹きかけてくる。
 妙に甘ったるい匂いが室内に広がる。逃げ場がないとはいえどうしても我慢できないほどの臭いじゃ……
「あれ?」
 急に手首を握られたような感覚。でも試着室内に居るのは俺一人だ。誰かに握られることなんてあるはずがない。
「え、なんで?これ。」
 よく見れば学生服の袖口が窄まり、張り付くように手首を締め上げていた。いや袖口だけじゃない。張り付く範囲はどんどん広がって二の腕、肩へと向かっていく。
「大澤さん、なにこれ? どうなってるの!?」
「そんなに慌てるようなことじゃないよ。着て貰ったその学生服。と、下着もだね。それらは私の開発した疑似生命体でね。これまではただの服に擬態をしていたが、このスプレーにより本来の姿に戻ろうとしているんだ。」
 本来の、って?
 大澤さんが説明をする間にも服はどんどん体へと張り付いていく。気付けばまるで黒の全身タイツを着ているかのようになってしまった。
「これで、終わり?」
 下着も一体化しちゃったのかな。股間が盛り上がってしまっているのが少し恥ずかしい。
「まさか。私の発明品がその程度の変化しかしないわけが無いだろう。」
 大澤さんの言葉通りだった。一旦取っていた休憩を終えたかのように再び学生服、いや既に学生服の面影の残っていない服が動き出す。袖口が伸び指先まで覆われてしまう。裾も同じように足首から爪先まで伸び、顔以外の全身が包み込まれてしまった。
 足の変化はそれで終わりじゃない。両側から押さえつけられるように形が整えられ、先端の尖った靴でも履いているかのようなってしまった。更に踵から細長い棒が伸びる。これじゃまるでハイヒールを履いているみたいだ。
「あっ……っと。」
 細い踵は思った以上にバランスと取るのが難しい。思わず尻もちをついてしまった。
「う~ん。しばらく穿いていれば慣れるとは思うが。変化させるときは座らせておいた方が良かったかもしれないな。今後の反省点としよう。」
「そんな冷静にしてないで、転んだんだから少しは心配してよ。」
 怪我をするほどじゃなかったとはいえ、自分のことばかり考えているかのような大澤さんの言葉にちょっと腹が立つ。
「しかしだな。痛みはなかったんじゃないか?」
「……あれ? そう言えば。」
 怪我どころか言われてみれば痛みは無かったような。結構勢いよく尻もちをついたはずなんだけどな。
「その服には外部からの衝撃を吸収する機能もあるんだ。だから今後も気にせずじゃんじゃん転ぶといい。」
「まさか転ぶの前提で衝撃吸収機能なんて持たせたの?
「そんなわけではないのだがな。まぁ変化が全てが終わったらその辺りも説明しよう。ほら、腰回りも戻ってきたぞ。」
 なんだ、これ。一瞬全身タイツが変形してスカート型になったのかと思った。確かにスカートっぽくはあるんだけれど、スカートとは決定的に違う点がある。スカートなら一枚の布を腰に巻き付けるから当然下着は見えなくなるはずだ。
 それに対して今の俺が穿かされているのは少し違う。なんというか、腰から下が花のようになったとでも言えばいいのだろうか。重なり合わない花びらが腰から生えているみたいだ。実厚な花びらは軽く膨らんでいで、花びら同士の隙間を一層広くしてしまっている。おかげでその隙間からは股間の膨らみがはっきりと確認できてしまう。
「よしよし。計算通り。ちょうどスリットが中央に来るようにしてあるからね。スカートを穿いててもちゃんと男の子だって分かって貰えるんだ。嬉しいだろう? 女の子っぽい顔のせいで女子扱いされるのがコンプレックスだって言ってたものな。」
「くっ。」
 確かに女顔と言われるのはコンプレックスだったけど、だからこそこんなスカートみたいな服を着るのは嫌に決まってるじゃないか。
「ほら、次は胸元だ。」
 下半身に気を取られている間に胸が膨らんでいた。てっきり……その、女の人の胸みたいにされたのかと思ったけれどそうではないらしい。膨らみは次第に形を変え、胸元にリボンを付けているかのように整えられていく。「後は色が付けばひとまずの変化は終了だよ。」
「色、って……うわ!?」
 全身を覆っているこの服は元々が学生服だけあって黒一色だった。けれど、大澤さんの言葉とともにその色が変わり始める。
 上半身と花びらのようなスリットの入ったスカートは紫色に染まる。スカートと上着には継ぎ目もなくてまるでワンピースでも着ているかのようだ。いや、上半身全部が同じ色かと思えばそうじゃない。よく見れば肩の周りは少し膨らんでいて、色も淡い紫になっている。
 指先まで覆われたと思っていた腕は手首付近に袖口のような段差が出来ていて、その先は手袋を付けたかのように真っ白だ。
 胸元に出来上がったリボンは群青色で、俺の呼吸に合わせるようにふわふわと揺れている。リボンだけ見れば不自然な揺れのように見えるかも知れない。でも見方によっては女の人の膨らんだ胸が揺れてるのを再現しているようにも見える。
 下半身も既に黒一色から変わってしまっていた。踵の高い靴はヒールの高いパンプスなのかと思ったけれど色が付いたことでそうじゃないってことがわかった。足の先から太ももの3分の1ほどを残してくすんだオレンジ色に染まっていた。袖と違い足首には段差もなくてものすごく長いブーツを履いているみたいだ。履き口が斜めになっているんで、その上に見える下着が強調されてしまっている。
 そう、問題なのが下着だ。股間部分は白く染まっていてまるで女性用の……パンティ? ともかくブリーフよりも一回り小さくて体にぴったりと張り付くような下着を穿かされている。ご丁寧なことに正面には小さな赤いリボンまでつけられている。どう見ても女ものの下着なのに実際に穿いているのは男の俺だ。おかげで股間にはペニスによる膨らみが出来ていて、まるで変態みたいじゃないか。いや、下着に限らずこんなスカートを穿いてる時点で既におかしいんだけど。
 下着とブーツの間も肌が出ているわけじゃない。黒いストッキングを履いているみたいでうっすらと肌色が透けている。いや。透けて見えているだけ、と言った方がいいかな。実際に触ってみればそこも厚みのある服に覆われているみたいで太ももには触られているって感覚が届かない。
 もちろんパンティもストッキングに覆われているわけで、実際には白と言うよりは灰色っぽく見えているんだけど見た目のイメージとしては白いパンティの上に黒いストッキングを穿いている様にしか見えない。
「うんうん、予定通りだ。うまく行ったな。」
 大澤さんは満足そうに頷いているけど、俺はそれどころじゃない。こんな服、一刻も早く脱ぎ去ってしまいたい。
「じゃあ、これで終わり? だったら脱いでいい?」
 そう言って服に手をかけて……手が止まった。脱ぐ? どうやって? 学生服だった時には正面に合わせにボタンが着いていたけれど形が変わった時に消えてしまっている。それどころか継ぎ目一つすら見えない。
 服を摘み上げようとしてみても身体に張り付いてしまっているかのようで僅かな隙間を作ることすら出来ない。まるで服自体が肌になってしまったような……いやいや、そんなことあるはずない。
 今俺の肌が出ているのは頭だけだ。タートルネックのように変形した服は首まで包み込んでしまっている。脱げるとしたらここからとしか考えられないけど……
「あ、あれ?」
 本当に身体に張り付いているのか、服と肌の間に指が入ってくれない。
「待ちたまえ。脱いでいいはずなんて無いだろう。これからそのままで生活をして貰って経過を観察しなきゃならないんだからね。」
「そのままって、そんな!? まさかこれで教室に行けって言うつもり?」
 出来るだけ考えないようにしていた可能性。これまで色んな実験に付き合ってきたけれど全てその場で終了してた。だから今回も、と思っていたのに。
「勿論だ。そうそう、コイツは以前に見せたことがあったかな?」
 大澤さんが人差し指を立てる。『コイツ』を見ることは出来ないけれどおそらく何を言っているかは想像できた。
「ドローン、だよね?」
「その通り。超小型のカメラ付きドローンだ。出来れば君に付き添って確認したくもあるんだけれどね。私には他にもすることがあるし、第一私まで教室に行ったら周りの連中が色々と忖度するだろう。」
 教室で大澤さんがかなり浮いた存在となっているのは事実だ。特待生だから、と言うだけだけじゃない。今は俺が専用の実験台になっているとはいえ、過去に誰彼構わず実験台扱いをしていたことは学校中に知られている。下手に期限を損ねればいつ自分が標的にならないとも限らない。そう考えれば出来るだけ関わらないようにしても不思議はない。
「とうわけでこんな風に君を観察させて貰おうか。」
 パチン、と大澤さんが指を鳴らすと黒板に俺の姿が映し出された。それも4画面に分割されていてそれぞれ違う角度から撮られている。
 これって試着室の壁と同じように黒板まで液晶板に差し替えていた、ってことだよな。それでドローンも1体じゃなくて4体、いやそれ以上だ。画面が切り替わりながらありとあらゆる角度からの俺が写されている。
「さて。それじゃ出てきたまえ。」
「え、あ。うん。」
 試着室の扉を固定していた閂が取り外される。そうだ、外の景色が普通に見えてたから忘れてたけど閉じ込められていたんだっけ。
「あ、っと……」
 不慣れなハイヒールのせいでバランスを崩しまた転びそうになってしまう。
「しばらくは気を付けたまえ。その内普通に歩けるようになるからね。」
「うん。」
 大澤さんに助けてもらって転ぶことは避けられた。けどさっきの言葉ってつまり、ハイヒールに慣れるまでこの服を脱がせるつもりはないってことだよな。
「しまった。忘れることろだった。最後の仕上げがあったな。」
「しあげ?」
 俺の手を取ったまま机の前へと移動する。無遠慮に手を引かれて転びそうにもなったけれど何とか耐えることが出来た。
「さ、これで本当の完成だ。」
「これ、なんなの?」
 紅い宝石の付いたブローチの様なものを手首へと付けられた。裏側に留め金とかは見えなかったから、服が俺の身体に張り付いたみたいにブローチともくっついたってことなのかな。
「こいつに関しては追ってのお楽しみだ。それではキミは教室に戻り給え。先生にもよろしく伝えておいてくれるかい。」
 時計を見れば既に次の授業に移っている時間だった。校内放送で呼び出されたんだから俺が居ない理由も分かってくれてる、よな。
 大澤さんと違い実験台として特待生になった俺の場合は授業の免除にも条件がある。免除されるのはあくまで特待生である大澤さんに呼び出されて授業に出られない時だけだ。
 これでもし教室に戻らなかったら授業をボイコットしたことになってしまう。これまにでも授業中に何度も何度も呼び出されたせいで授業に付いていけなくなってしまった。これで特待生資格を剥奪でもされたら、まともに俺を採用してくれる会社があるか疑問だ。
 つまり、特待生で居続けるためにもこの格好のまま教室に戻らざるを得ないってことだ。
「うぅ。じゃあ俺は教室に行くけど、大澤さんもたまには教室においでよ。」
「考えておこう。」
 既に俺への興味を失いかけているのか机に向かったままこっちを見もしない。ドローンの映像は記録も残せるって言ってたし、多分後でまとめて見れば十分なんだろうな。 教室へと向かう足取りが重い。慣れない踵の高い靴で物理的に歩きづらいってのもあるけれど、それよりもこんな格好で教室に入ることを考えると気が滅入る。
 全身を包む肌にぴったりと張り付いたタイツの様な服。それを飾り立てるようなスカートと胸元のリボン。スカートはスリットが入っていて隙間から下着が丸見えだ。ヒールの高いブーツは太ももまで覆っていて丸見えの下着を強調している。。
 旗から見れば今の俺はそんな恰好をしているわけだ。これを女の人が着ていたなら俺だって目を奪われる。でも着ている俺は男で、おまけに股間にはしっかりと膨らみが確認できてしまう。
「あっ!? ……と。」
 またヒールに足を取られて転びそうになった。ちょっとでも足をつく角度がずれるとすぐにバランスを崩してしまう。こんな靴、一体誰が考えたんだろう。
 今が授業時間で良かった。休み時間にこんな格好で廊下を歩いていたら絶対に人が集まってくる。ただでさえ恥ずかしいのに靴のせいで歩くスピードはが上げられないし、すぐに転びそうになるし。こんなの絶対に見せ物になるに決まってる。
「ん、と。」
 これまではスカートを抑えてたけど、もう諦めて壁に手をつけて歩こう。うん、こっちの方が歩きやすい。
 よし、あとちょっとで教室だ。
「はぁ。」
 ようやく入り口までは着いたけど……入らないってわけにはいかないよな。
 大澤さんに呼び出されたままだったってことに……いや、駄目だ。本人に確認されたらすぐにばれてしまう。それどころか大澤さんは今だってドローンで俺のことを確認しているわけで、教室に入らずにいたらサボったってことを告げ口されるかも知れない。
 仕方ない、せめて後ろのドアからこっそりと入ろう。





「おいおい広瀬ぇ。遅れてきたら何か一言くらい必要なんじゃないか?」
 教室に入り、こっそり席に移動しようとしたところで田川先生に咎められてしまった。
「……すみません。大澤さんに呼び出されていたので遅れました。」
 一応俺だって特待生で、状況によっては授業だって免除される立場なんだけどな。大澤さんに呼び出されたのはさっきの放送で分かってるハズなんだからスルーしてくれたっていいのに。
「特待生の特権ってやつか。でもな、一応は学生なんだから本分の授業はあんまりおろそかにするもんじゃないぞ。」
「……はい。」
 そんなこと言うなら全然授業に出てこない大澤さんにだって言えばいいのに。なんでか目の敵にされてるような気がする。
「というかだな。広瀬、なんだそりゃ。凄い格好だな。どうしたんだ? ちょっとこっちに来てみろ。」
「え、いや……それは……」
 そうだった。この先生、すぐに授業を脱線するんだった。おかげで勉強嫌いの生徒から人気は高いけど一部の授業に集中したい奴には評判悪いんだ。
 これが真面目一辺倒な古文の飯嶋先生だったり、黒板を埋めることに全てを賭けてるような数学の河野先生なら俺のことなんて気にしもしなかったハズなのに。なんでこんな時に限って英語の授業なんだよ。
「ん~。俺としても、ちゃんと制服を着てない生徒には注意しなきゃならない立場だからなぁ。ほら、いいから来い。」
「あっ、ちょっと。待ってください。」
 腕を引かれて無理やり教壇に立たされてしまう。前の授業中に席を立つまでは普通の格好をしてた俺がいきなりこんな服を着て戻ってきたせいか、皆の視線が一斉に向けられている。
 にやにやと笑っているヤツ、可愛そうなものを見るような目をしているヤツ、呆れているヤツ。共通しているのは俺のこの格好を見て優越感を持ってるってことだ。
「うぅ、見ないで……」
 どこを隠せばいい? 顔? いや違う。それよりも一番見られちゃいけないのは外からも膨らみがはっきりと分ってしまう股間だ。
「ッッ!!」
 両手で花びら状のスカートを纏めて押さえ、股間を覆う。バランスを崩しかけて思わず内股になったけど、こんなポーズをしてたらまるで本当の女の子みたいじゃないか。
「で? 広瀬。なんで制服を着ずにこんな格好をしているんだ?」
「それはその。この服は大澤さんに着せられまして……」
 正確には自分で着た後に服の形を変えられてしまったわけだけど、そんなことまでは説明する気にもなれない。
「そうか。でもな、校内では制服を着るのが規則だろう? 仮に着せられたんだとしてもその後に自分で着替えれば良かったじゃないか。」
 田川先生、ひょっとして分かってて言ってないか?
「その。この服自体が大澤さんの作った発明品みたいで、脱ごうにも脱げないんです。」
「そんなことは無いだろう。着れた服ならその逆をすれば脱げるんじゃないのか?」
「いえ本当なんです。この服、身体に貼り付いてしまっていて脱ぐどころかずらすことすら……」
 片手を首元に当てて服が剥がれないことを説明する。
「う~ん。一応広瀬も特待生だからな。校則の縛りは多少融通が利くわけだし、そうまでしてその恰好をしていたいのなら先生はこれ以上何も言わないけれどな。学校では趣味はほどほどにな。」
「違います、これは趣味なんかじゃ……」
 本当に脱げないと分かった途端、まるで俺が自分の意思で着ているかのようなことを言い出す。先生が言ってるからって信じるやつが居たらどうするんだよ。
「分かった分かった。いいからもう席に戻れ。ほら、授業を再開するぞ。」
「うぅ……はい。」
 結局みんなの前で教壇に立たせられて見せ物にされただけじゃないか。田川先生、特待生になんか恨みでもあるのか?
「ほら、ぐずぐずするな。授業時間が勿体ないだろう。」
「えっ……うわあっ!?」
 急に背中を押されてバランスを崩し、思い切り転倒してしまった。
「きゃあ!!」
 唐突にあがった女子の悲鳴で何が起きたのかを理解する。尻もちをついた俺は思い切り股を開いてしまっていた。おまけにスカートもめくれ上がり、視線を遮るものは何もない。女子の視線は俺の股間、その膨らみへと向けられていた。
 今の俺は女性用のパンティを穿いて、その上からストッキングを穿いているようにしか見えない格好をさせられている。いくら無理やり着せられた服だからと言って、見ている女子にはそんな言い訳が通用するはずもない。
「ち、違うんだコレは……」
「広瀬ぇ! お前はなぁ。いくらなんでもその下着は無いだろう。」
 自分で押して転ばせておきながらそんな言い方ってないじゃないか。
 反論しようとしたところで田川先生の言葉で皆の視線が下着へと注がれていることに気づいてしまった。離れた席のヤツまでわざわざ立ち上がってこっちを見てる。
 慌ててスカートを押さえつけて隠したけれどクラス中の皆に見られてしまったのは間違いなかった。
「違う……違うんだ……」
 そのまま身を縮めて自分の席に座る。
「まぁ大澤も特待生として色々やっているのは知ってるけどな。だからってそれに甘えてしまっちゃダメだぞ。」
 このまま時間が過ぎてくれないかと願ったものの田川先生のいじめの様な言葉をまだ続いていく。
「本当にその服が脱げないとしてもだな、上から何か着れば隠せるんじゃないのか? それをしなかったってことはやっぱり自分で人に見せたいって気持ちがあったんだろう。」
 化学室で着せられて教室に直行したのに一体どこで何を着ればいいって言うのさ。
 色々と反論したいことはあったけど、もう顔を上げることすら出来ずに授業時間が過ぎるのを待つことしかできなかった。「あ、あれ?」
 田川先生の授業を終えれば次は昼休みだ。取り囲むクラスメイト達を何とかやり過ごしながら時間を潰していたのだけれど、1つ問題が起きた。トイレに行きたくなってしまったのだ。
 こうなると教室に籠っているわけにはいかない。トイレに向かうため廊下に出れば当然のように奇異の視線を向けられた。そりゃそうだ。うちの学校は制服が指定されてるから基本的には私服を着ている生徒なんていやしない。しかもただの私服だって目立つのに、こんな目立つ服を着てるなんて普通じゃ考えられない状況なんだから。
 視線を避けることすら出来ず、ひたすら耐えながらトイレまでたどり着いて個室に潜り込んだ。それはいいのだけれど……
 これって、どうすればいいんだろう。
 この服が身体に張り付いてしまっているのは分かっていた。でも、まさかパンティまで脱げないだなんて思わないじゃないか。
「んんっ……」
 いくら引っ張っても肌ごと、下手すると自分のペニスを摘まみ上げているようなもので全く脱げそうにない。トイレに着いた時点では我慢できないほどの尿意って感じじゃなかった。でも個室に入ったことで完全におしっこを出せるつもりになってしまっていた。いきなりお預けを食らったことで急激に尿意が強まってしまったみたいだ。
 でも、このまま漏らすわけにはいかない。パンティもストッキングも脱ぐことが出来ないのだからもし漏らしたらおしっこまみれの下着をつけたまま過ごす羽目になる。おしっこを我慢をして……我慢してれば解決する? そんなはずない。じゃあどうすればいい?
 ……そうだ、大澤さん。多分だけどまだ化学室に居るはず。脱がせてもらえるかは分からないけど、何かおしっこを方法があるんじゃないかな。
「くぅっ!!」
 ここまでおしっこがしたくなってるのに。折角トイレに来ているのに。何もせずに出るのは辛いけど……でもしょうがない。
 そう言えば、手はどうしよう。手袋、ではないけど指先まで覆われちゃってるんだよな。トイレには入ったけどおしっこをしたわけでもないし、洗わなくても……いや。まだ外に人のいる気配もあるし、手を洗わずに行ったと思われても嫌だし……
 仕方ない。洗ってからいこう。




 また注目を集めながら化学室へと向かう。尿意が高まってるせいもあって、ただでさえ遅かった足が余計に鈍る。うっかり気を抜くと股間を抑えてしまいそうになるのを必死で我慢しながらの移動だった。
 いや、よく考えたらスカートを抑えた方が良かったのかも知れない。逆に意識してスカートから手を放していたせいで股間の膨らみを堂々と晒してしまっていたじゃないか。
 よかった、まだ大澤さんは学校に居てくれた。特待生は授業を受ける必要もないってことで、放課後まで残らずに帰ることも多いらしいからそれだけでもホッとした。
「なんだ、そんなことを悩んでいたのかい?」
「そんなこと、って。俺にとっては大問題なんだよ。」
 必死の相談をあっけらかんと答えられてちょっと腹が立った。でもこんな風に言うってことは何か方法が用意してあるってことだよな。
「要するにトイレをどうすればいいか、だろう? だったら答えは一つだ。そのまま出したまえ。」
「……は?」
 そのまま? え?
「何を変な顔をしているんだ。その服はそのままおしっこをしても大丈夫なように作ってある、と言っているんだよ。」
「大丈夫って言われても、服を着たままで漏らすだなんて。」
 大澤さんがそう言うってことは本当に大丈夫なのかも知れないけれど、どうしたって抵抗がある。
「そうか、君はそれをただの服だと思っているのだな。」
 いや、ただの服だなんてことはこれっぽっちも思っていない。何しろ学生服からこんな形に変わったんだから。
「その抵抗感を減らすために一つ説明をしてやろう。君の着ているそれはだな、寝たきり老人等の要介護者への使用も想定して開発しているんだ。」
「え……お年寄りにこんな服を着せるの!?」
 こんな可愛らしい服を着たお年寄りはちょっと想像したくない。と言うか、自分が着ることだって想像したくはなかったんだけど。
「そのまま着せるわけ無いだろう。形状に関してはいくらでも変更ができる。問題はその機能の方だよ。」
「機能って?」
 変形したり、脱げなくなったり?
「要介護者の排泄処理は介護者が特に苦労する点だろう。キミに着て貰ったときにも言った通り、その服は疑似生命体でね。着用者の排泄物を取り込み、自らの栄養として処理してくれるというわけだ。」
 それは……確かにすごいのかも知れない。
「でもさ。俺は寝たきりでも要介護者じゃないんだけど?」
「知ってるよ? それは君に着て欲しかっただけだからね。先ほどのトイレで困り果てる姿の楽しませて貰ったよ。」
「ッッ!!!」
 そんなリアルタイムで見られてただなんて。
「何にしろそいつは私が今持てる技術をつぎ込んだワンオフの最高傑作だ。介護品として流通するとしたらコイツの技術を財団が買い上げてデチューンをした機能制限品になるだろうな。」
 それってつまり服の変形機能が無くなったりするってことなのかな。まあその辺はどうでもいいんだけど。
「えっと、一応もう一度確認させてもらうけどさ。」
「なんだね。」
「これを脱がせてくれる気はない、ってことなのかな。」
 このまま漏らしても平気なのだとしても、出来ればちゃんとトイレを使いたい。
「勿論。それにだ。きちんと計算をして作ってあるから問題はないはずなのだが、正常に作動するかを確認する目的もあるからね。一度も排泄をしないうちに脱がれてしまってはこちらも困る。」
「うぅ。」
 やっぱり駄目か。
「さて、そろそろ午後の授業が始まるのだが。教室に戻らなくていいのかな?」
「あっ……」
 今回は呼び出されたわけでもないから普通に遅刻扱いになってしまう。
「じゃあ、これで教室に戻るけど……確認が終わったら脱がせて貰える?」
「さて、それはどうだろうね。一応一生着ていても平気なように作ってはあるはずなんだが。」
 大澤さんは凄く楽しそうだ。興味を失うまで脱がせてくれないんだろなぁ……




 教室に戻る最中にもう一度トイレに寄ってみた。すぐにでもおしっこをしてしまいたくなるような尿意はあったんだけど……それでも、いくら便器に座って頑張ってもおしっこが出てくれる気配は感じられなかった。
 この服が処理をしてくれると言われていても、俺にとってはおしっこを漏らしてしまうことに変わりはない。頭で分かっていても、身体は服に漏らすのを受け入れてくれなかったみたいだ。
 チャイムギリギリで教室に戻って席に着く。幸い次の古文は堅物の飯嶋先生だったから俺の服装を弄られることはなかった。
 授業を受けている間にも尿意はどんどんと増していく。お昼を食べた時に水を飲んだせいもあるんだろう。こんなことになるって分かっていたら出来るだけ水分は控えたのに。
「んぐっ……」
 どうしよう。トイレに先生に言って行かせてもらう? でもさっきトイレに行った時も出せなかったし、今行ってもまた出せないかも知れない。トイレに行ったきりでずっと戻って来なかったらおかしいと思われるだろうし、かと言っておしっこを出せないままで戻ってきたりしたら何しに教室から出て行ったんだって話になるよな。
「……せくん。」
 漏らしても平気なように作ってあるって言うのならこのまま我慢して、それで万一漏らしてもばれなければそれでいい。そう考えておくのがいいのかな。
 うん、そうしよう。それで次の休み時間になったらもう一度トイレに行こう。
「広瀬くんってば。」
「え?」
 隣の席の、山岸さん? なんで俺の顔をつついて……そう言えばさっきから呼ばれていたような。
「ねえどうしたの? さっきから先生が呼んでるよ?」
「え……」
 顔を上げると飯嶋先生が凄い形相でこっちを睨んでいた。
「広瀬ぇ。授業中に随分と上の空じゃないか。」
「あっ……その、違うんです。これは、あっ!?」
 釈明をするために立ち上がろうとして、靴がハイヒールになっていることを忘れてしまっていて、今日何度目かの転倒をする羽目になった。
 そして。痛みは無かったものの、その弾みで、ずっとおしっこを我慢するために入れていた力がほんの少し緩んでしまった。
「んんっ!?」
 漏らした。そう思ったのもつかの間、異変に気付かされる。
「んぎっ!?」
 ペニスの中を伝わって流れ出したおしっこが、せき止められている!? それでも膀胱はおしっこを送り出そうとする。圧力で尿層が裂けてしまいそうな痛みが襲う。
 何が漏らしても大丈夫なんだよ。こんな痛い思いをするなんて……
「ひあっ!?」
 更に予想外の感覚が俺を襲う。尿道内を満たしたおしっこを押し戻しながら、何かがペニスの中へと入り込んできた。「あっ……んぎぃっ!?」
 おしっこを逆流させながら、ペニスの中に何かが入り込んでくる。その痛み……いや、不快感? これまで経験したことのない理解しがたい感覚に頭が混乱する。
「おい、広瀬。いきなりどうしたんだ?」
「あ……うぁ……」
 流石に心配してくれたのか、飯嶋先生が駆け寄ってきてくれた。けれど、俺自身何が起きてるのかさっぱり分かっていないんだ。状況の説明も出来ず、ただスカート越しに股間を抑えてうずくまるしか出来なかった。
「んぎっ??」
 あ、あれ? 股間を抑えてるのに触られてる感覚が無い? ペニスに入り込んでくる何かを引き抜こうと思って、スカートごと掴んだパンティを引っ張ろうとしたのに。そりゃ張り付いた服を剥がすのは今まで何度も試して全部無駄に終わった行動だけど今はそこまで頭が働いてなかった。
 それで引っ張ろうとしたのに、まるでペニスが固い膜に包まれたみたいで押そうが掴もうが全くそれを感じ取れなかった。
「うぅ……あう……」
「このクラスの保健委員は誰だった? すぐに広瀬を保健室に連れて行ってやれ。」
「は、はい!! 広瀬君、大丈夫?」
 おしっこによって広げられたままのペニスにゆっくりと何かが入り込んでくる。ペニスの根元を通過して、更に奥。自分では感じ取ることのできない身体の奥にまで何かが入り込んで、そこでようやく動きが止まった。
「う……あ。あぁ……う、うん。ちょっとだけだけど、落ち着いた。かも。」
 相変わらず限界近い尿意があることに変わりはない。尿道も押し広げられたままだ。
 入り込んだ何かが膀胱にまでたどり着いたのかも知れない。おしっこを出すために力を抜いた状態を無理やり続けさせられているような感じ。それかおしっこを出しているときの感覚がずっと続いているような感じと言えなくもない。
「一応保健室、行く?」
「えっと……」
 多分保健室に行ったってきっとなにも解決なんてしない。原因は着せられているこの服なのは明らかだ。これを解決できるとしたら1人しかいない。大澤さん、この服を作り出した彼女に聞くしかない。
「いや、保健室はいかなくても大丈夫だけど……先生、化学室に行ってきてもいいですか。」
「化学室? あぁ、その服が原因だということか。」
 流石にすぐに察してくれたみたいだ。
「またいきなり呻きだされて授業を中断されても困るからな。それで解決するなら行ってこい。」
「は、はい。」
 足はふらつくけれど、それでも立ち上がって教室を後にする。




「んっ!! くぅ。」
 おしっこを出している最中で止められたような違和感がずっと続いている。と言っても本当におしっこをせき止められていた時にあった尿道を引き裂かれるような痛みは収まってくれているから多少はマシか。
 相変わらずおしっこは漏れそうで、一度出し始めたところを押し戻されたせいで常に限界を超えた尿意を感じ続けているような……あれ? でもさっきよりは尿意が減ってきてる?
「んんっ!!」
 なんだこれ。気のせい、か? さっきからペニスの中に入り込んだ何かが微妙に動いているような気がする。歩いているからそう感じているだけ、なのかな。
 いや、でも立ち止まっても動き続けているような……
「ひゃうっ!」
 それだけじゃない。身体全体がくすぐられている様な……服自体が蠢いているかの様な違和感がある。いや、服が動くはずないよな。ひょっとして身体に密着してるから蒸れてかぶれた? いや、でもまだ着てから数時間しか経ってないよな。いくらなんだってそんなに早くかぶれるはずがない。
 ……って、頭が働いていないな。普通の服は動かないけどこの服は普通じゃないんだった。元々学生服の形だったのがこんなスカート付きの全身タイツみたいに変わったんだから蠢くこと位簡単に
「んひっ!!」
 やっぱり、動いてる。それもだんだん強くなってるような気がする。早く、早く化学室に行かなきゃ。あとちょっと、あとちょっとだ。




「大澤さん。これ、どうなってるの!?」
 化学室の扉を開けると黒板には俺の姿が大きく映し出されていた。大澤さんはその前で校長室にあるような豪華な椅子に座っている。ひょっとしてずっと俺のことを見ていたんだろうか。
「ふむ、思ったよりも我慢したようだね。てっきりあの後すぐに漏らすものかと思っていたのだが。」
「いくら大丈夫だって言われても服を着てたらそう簡単に出せないよ。」
 一度は実際トイレに入って出そうとはしたんだ。ただ漏らすことに抵抗が大きすぎて、結局限界を超えるまで出せなかったわけだけど。
「それよりもこの服。一体、どうなってるの?」
 気のせいかも知れないと思っていた服の動きは明らかに大きくなってきている。
「さっき来た時にも言ったろう? そいつは疑似生命体だって。それもキミの排泄物からエネルギーを摂取して活動するんだ。つまりこれまではエネルギーを得られなかったから大人しくしていたのだが、ようやく動ける程にエネルギーが溜まったということさ。」
「エネルギーって、俺のおしっこのことだよね? でもそれならなんでこんな……」
 ペニスの中に何かが入り込んできて、とは流石に恥ずかしくて口に出せなかった。
「ふふふ、そんな恥ずかしがるようなことでもなかろう。今の状況だって聞きたいんだろう?」
「うぅ。それはそうだけど。」
 俺の思考は完全に読み切られているらしい。
「まぁ説明はさせてもらうよ。これからもその服を着続けて貰うのだから知っておいた方がいいだろうからね。確かにその服は排泄物をエネルギー源とするとは言ったけれど、一度に処理できる量には限りがあるのさ。そのまま漏らすと処理が追い付かず、股間が風船のように膨らんでしまうわけだ。」
「え、でもそのまま漏らせって……」
 確かさっきはそう言われたはず。
「うむ、漏らすことによって尿道口に届いたおしっこをエネルギーに変えて活動を始めただろう? そして流れ出したおしっこは膀胱から尿道口までの通路を開かせてくれた。無理やり押し広げると痛みが有るだろうからそれを待っていたんだよ。通路を確保したことで服は触手を伸ばして膀胱までたどり着けたってわけだ。」
「しょく、しゅ?」
 耳慣れない言葉だけど、触手って言った? それが俺の身体の中に入り込んでるってそういうこと!?
「うむ、触手だ。簡単に言ってしまえば縦横無尽、自由に曲がることの出来る突起だな。そいつが今は君のおちんちんの中にみっちり詰まっている。はっはっは。これから先、自由におしっこを出すことは出来なくなってしまったな。」
 確かに今もペニスの中に入り込んでいるのを感じる。おしっこを逆流させた後は全く漏れ出していなかった。
「そして膀胱に到達した先端が必要に応じてキミのおしっこを取り込んでいるというわけだ。もう少し早く漏らしていれば膀胱内のおしっこもそこそこの量しかなかったからそこまで苦しむ必要のなかったのに、残念だったな。」
「そんなこと言ったって……」
 少しは尿意が減った気もしているけれど、これが元に戻るのはどれくらいかかるんだろう。
「それとだ。触手はおちんちんの先端から伸びているモノだけではないんだよ。」
「え? それってどういう……」
 なんだかすごく嫌な予感がする。
「既に感じているんじゃないか? 膀胱に届くほどの長さはないが、その服の裏地にはびっしりと触手が生えているんだよ。今まではエネルギーが無くてじっとしていたがそろそろ動き出しているはずだ。」
 この全身で感じる服の蠢き、やっぱり気のせいじゃなかったのか?「動き出しているのはそれだけじゃないよ。その服は排泄物からエネルギーを摂取すると教えたはずだが、キミの排泄物はおしっこだけじゃないだろう?」
 おしっこだけじゃ……って!
「まさか……」
 思わずお尻に手へと伸ばす。
「分かってるじゃないか。その通り、君のウンチもその服のエネルギー源となるんだ。」
「ウソ……それってひょっとして、ウンチもこのまま漏らさなきゃダメってことなの?」
 少なくともおしっこはそうだった。しかも限界まで我慢したせいらしいけれど、今もすごい尿意に襲われている。
「うむ。だがそんなに心配はしなくても大丈夫だ。既に準備は済んでいるのだからね。」
「準備?」
 何をされるのかと辺りを見渡す。けれどさっき来た時から部屋の様子が変わった気配はない。
「あぁ、そうじゃないそうじゃない。どうせだから今すぐにやってみせてしまおうかな。」
 大澤さんが取り出したスマホを操作する。それに合わせて俺の手首につけられた宝石が光ったような気がした。
「えぇっ!! なん、でっ!?」
 次の瞬間、急激な便意に襲われた。ぎゅるぎゅるとお腹が音を立て腸が活発に動いているのがわかる。反射的にお腹を押さえうずくまってしまった。
「ははは、びっくりしたかい?」
「なにこれ? これも大澤さんのせいなの!?」
 でも人の便意をコントロールするなんて、一体どうやって……
「その通りだよ。全身の触手が動き出したのは話したろう? これもその触手の仕業さ。」
「どういうこと?」
 全身をくすぐられている様な感覚はあったけどそれでウンチがしたくなるだなんて考えられない。
「おちんちんの中には尿道ギリギリの太さの触手が入り込んでいたんだが、触手は必要に応じて太さも自由に変えられるんだよ。髪の毛よりも細く、目に見えないような触手が君の肛門を通過して腸内に入り込んでいたのさ。」
 お尻の中に!? ウソでしょ、そんなの全然感じなかったのに。
「今までは待機状態だったんだが、私が指示を出してね。あぁ、その手に付けた赤い宝石。そいつが受信機になっていてね。スマホから送った命令を受け取り、服へと送り込んでくれるようになっているんだよ。」
 大澤さんがスマホ画面をこちらに向ける。そこにはこの服を着た人型の簡単な絵と、色々なメニューが並んでいた。ここから命令を出したってことはさっき宝石が光ったのは気のせいじゃなかったんだ。
「おっと話がそれたね。それで、お尻の中に入り込んだ触手が浣腸効果のある液体を分泌してキミの腸内に塗りたくっているというわけさ。まだ止めるための指令は出していないから、どんどん便意が強くなってきているんじゃないか?」
「う……うぅ。」
 確かに。最初は普通にトイレに行きたいと思う程度だったけど、今は下痢をしたときみたいな痛みを感じるくらいの強烈な便意に変わってしまっている。
 どうせ脱げずに服の中に出すしかないとしても、こんな場所でするのは絶対に嫌だ。せめてトイレに……
「おいおい、どこに行こうというのだね。」
「え、あれ? うそ。何をしたの!?」
 かがんだままだけど、トイレに移動しようとした足が急に動かせなくなってしまった。力を入れても一歩も前に進むことが出来ない。
「その服に命令を出しただけさ。そのままの形で動かないように、ってね。」
「そんなことまで出来るの!?」
 これじゃトイレに行けないじゃないか。
「それだけじゃないよ。ほら、立ちあがりたまえ。」
「え……えぇっ!?」
 大澤さんの言葉に従い、勝手に身体が立ち上がって直立のまま固まってしまう。ただ今回は服が勝手に動いたせいで身体も同じように動かされたってのがはっきりと感じられた。
 うぅ。かがんでいたさっきまでのポーズに比べてこんな直立じゃお尻に力が入れづらい。
「お願い、トイレに行かせてよぉ。」
「行く必要は無いだろう。トイレに行ったところでその服を脱げるわけではないのだからね。着たまま漏らすならここでしたって一緒じゃないか?」
 結果としてはそうなのかも知れない。でもだからって受け入れられるかは別だ。こんな所で漏らすのなんて絶対に嫌だ。
「まぁ我慢するのは構わんがね。おしっこも我慢し過ぎて今そんな目に合っているのを忘れていないかい?」
「え……どういうこと?」
「うむ。基本的におしっこは作り出された量をそのまま消費するように計算をされているんだ。あまり必要量を多くしてしまうとおしっこが足りなくなった時に服の活動エネルギーが不足してしまうからね。それなのに君ときたら限界までおしっこを溜めるものだから。作られる量と使用量がほぼ釣り合っているから、いつまで経っても尿意が解消されない状況になってしまっているというわけだ。」
 じゃあこの尿意っていつまで待っても消えてくれないの!?
「って、そうじゃない。ウンチを我慢するのにもデメリットがあるのかって話なんだけど。」
「なんだ、そっちのことか。勿論あるよ。今君が感じている便意は極細触手が塗り付けた浣腸液の効果だという話はしたろう? そしてそれは分解されない限り消えることはないんだ。分解するには当然時間がかかるが、今も浣腸液は分泌され続けている。どうだい? 状況は理解できるかな?」
 漏らしてしまってもずっとこの便意が続くってこと? さっきからぎゅるぎゅるとお腹が鳴り続けているのにこんなのが続くなんて。
「分解するまでって、どれ位の時間がかかるの!?」
「さて、どうだろうね。少なくとも我慢をすればするほど時間がかかるようになるのは間違いないんだが。」
 うぅ。そんなこと言われたら我慢してるわけにはいかなくなっちゃうじゃないか。いや、そもそもどんどんと便意が強くなってきていて、既に限界が……んんっ!?
「あ、ダメ。もう限界、これ以上……」
 力を抜いているつもりはないのに、中から押し出されるようにお尻の穴が広がっていく。
「ひあっ!? うそうそうそ、ダメ!!」
 ペニスのことがあったから多少予想はしていた。でも外れて欲しいそんな予想ばかり当たってしまって、お尻の穴に何か……これも触手って言うのかな。太い触手が入り込んでくる。
 慌てていきんだけれど既に入り込んでしまった触手は出ていってくれる気配すらない。それどころか力を込めて肛門を締めても広げられたお尻は全くすぼめることが出来なかった。おまけに込めた力が緩むたびに少しずつ触手が太くなってるような気すらする。
「やあ、思った以上に美味しいリアクションをありがとう。」
「大澤さん、お願い。これ、抜いて!!」
 どんどんと入り込んでくる触手と限界を超えた便意で今にもお腹が破けるんじゃないかって気すらしている。
「そんなに焦らなくても大丈夫だよ。普通に生活していたって腸内にウンチは溜まるものだからね。もっともお尻の穴が開きっぱなしになるのはそうそう経験できるものではないと思うが。」
 うぅ。便秘の時に途中まで出たウンチが止まってしまったみたいだ。出し切ることは出来ず、と言ってお腹の中に戻すことも出来ずにトイレの中で延々苦しんだ思い出がよみがえる。それをトイレですらない学校の化学室で味わわされているだなんて。
「さて、これでエネルギーの摂取量も増えたからね。触手はこれまで以上に活発に動けるようになったというわけだ。」
「これ以上って……んんっ!?」
 予想外な動きがあったのはペニスだった。あまり胸を張って言えたことじゃないんだけれど俺のペニスはいわゆる仮性包茎ってやつで、先端だけが露出している。その包茎の皮と中の本体との隙間に何かが入り込んで来る感覚があった。
「ひっ!?」
 皮の中に入り込んだ触手が蠢いている。これまで直接刺激を受けたことのない場所に刺激が……
「あ、ちょっと……見ないで。」
 その刺激でペニスに血液が集まっていく。気付けば大きくなったペニスが正面のスリットから飛び出してしまっていた。「さあて。それではここに来た理由もなくなっただろう? 教室に戻ったらどうだい?」
「え?」
 確かに、元はと言えばペニスの中に何かが入り込んできたからって相談に来たんだった。事態は何も解決していないけれど……むしろお尻の中にまで触手が入り込んでしまって悪化しているけれど。それでも一応原因は分かったし、そもそも大澤さんは解決なんてしてくれる気なんてないんだろう。
 それならここにいる理由がなくなった、ってのは分かる。
 ただてっきり大きくなってしまったペニスを弄られると思ってたからこの反応はちょっと意外だった。
「どうかしたのかな? あぁ、そうそう。そう言えばこの説明も必要だったかな。」
「大澤さん? ちょっ、何をっ!」
 近づいてきた大澤さんにいきなり強く肩を押される。直立したまま動けない身体は盛大にバランスを崩してしまう。
「……あれ?」
 また転ぶと思った次の瞬間、足が勝手に動いた。細いヒールにも関わらず全くよろけることすらなく、軽いステップでバランスを整えると再び直立姿勢に戻る。それきりまた身体は動かせず完全に固まってしまった。
「何を驚いているんだ。最初にその服を着せた時に言ったろう? その内普通に歩けるようになるとね。」
「それって、その内慣れるって意味だったんじゃ……」
 まさか服が勝手に身体を動かして転ばないようにしてくれるってことだったのか?
「言ったろう? 要介護者に使うことを想定しているって。これなら寝たきりになったお年寄りでも自分で歩けるようになるというわけだ。もっとも介護用では尿道や肛門に差し入れる触手をそんなに太いものにはしないがね。」
「え、必要だからこの太さにしてるんじゃなかったの?」
 だったらなんでこんなに苦しい思いをさせられてるんだ。
「そりゃそうさ。限界ギリギリの太さにしているのはそれを入れられたキミの反応が楽しみたかったからさ。」
 酷い。なんだよ、それ。
「それでは気が済んだかね。ここに来るまでは大分足取りが遅かったようだし、教室までは素早く送ってあげよう。」
 身体が勝手に振り返り、大股で歩き出す。まずい、このままじゃ教室に戻らされる。
「あ、いや。ちょっと待って。」
 こんな話をしている間もペニスへの刺激は続いていて、大きくなったペニスは全く萎えてくれる気配はなかった。
「どうしたんだい? まだ何か?」
「このまま戻ったら……その、股間が目立っちゃうから……」
 真正面に向かって突き出したペニスは腕を動かせないこともあって全く隠せず、誰が見ても大きくなっているのがバレバレだ。これが普通の服を着て居る時だったらもし大きくなってしまっても上を向けたりと誤魔化しようもある。けれど今の状況じゃそれすら出来ない。
 そもそも普通の下着を穿いているならテントみたいに全体が膨らむから多少は目立たなくなるはずだ。それなのにこのパンティは一体どういう仕組みなのか、立体的に縫い合わせたみたいな形になっている。要は大きくなったペニスに張り付いていて、形がはっきり分かってしまうってことだ。
「別にいいじゃないか。こんな女性向けの様な服を着て、尿道と肛門に触手を差し込まれて興奮しているんだと周りの人にばれるだけだろう?」
「興奮してないかっ!!」
 ばれるだなんてそんな人聞きの悪いこと言わないでよ。
「そうか? では萎えさせたらどうだ? 興奮してはいなんだろう?」
「それは……ずっと刺激されてて、反応しちゃってるだけで……」
 ペニスを刺激されてるから、だと思ってたけどなんだかそれだけじゃないような気もする。単にくすぐられてるだけだと思ってた身体への刺激も何だか気持ちよくなってきたみたいな……
「ふむ。それではその大きくなったおちんちんをどうにかしたい、とそういうわけなんだな?」
「それは……うん。」
 あんまりはっきりと言われるとなんだか恥ずかしくなってしまう。
「分かった。ならば一度萎えさせたまえ。そうしたらその後は大きくならないようにしてやろうじゃないか。」
「萎えさせろって言われたって……」
 それが出来ないから苦労してるのに。
「おや。男性は一度射精をすればおちんちんが小さく萎えると聞いていたが違うのかい?」
「しゃせっ……って、ちょっと!?」
 大澤さんに真顔でそんなことを言われると思っていなかったから凄くびっくりした。
「まぁ嫌なら構わないがね。そのまま教室に戻ってもらうだけだがどうする?」
「うぅ……」
 選択肢はないってことじゃないか。
「分かったよ。射精するから、動けるようにしてよ。」
「了解した。少し待ちたまえ。」
 大澤さんのスマホ操作で、これまで自分の意思ではピクリとも動かせなかった腕が動かせるようになった。
「……って、腕だけ!?」
 首から上は服に覆われてないから元から自由だったけどそれ以外の部分。胴体も足も、全て動けなくされたままだ。
「射精をするだけなら腕が動かせれば十分じゃないか?」
「そりゃ、そうかも知れないけど……まさかこの場所で射精しろっていうの?」
 トイレに行くとか、そうでなくてもカーテンに隠れてとか思ってたのにこれじゃ隠しようがないじゃないか。
「うむ。私も射精には興味があるからな。是非とも見せて貰いたい。」
「そんなぁ……」
 どうやら目を逸らしてくれる気すらないみたいだ。
「嫌なら別にしなくても構わないんだが? そのまま教室に戻ってもらうだけだからね。」
 このまま戻らされたら教室中。それどころか廊下ですれ違う人にすら学校でペニスを大きくしている変態だと思われてしまう。でもここで射精をするなら大澤さんに見られるだけだ。それも、この服は脱げないんだから直接ペニスを見られることはない。
 それだけじゃない。大きくならないようにしてくれるってことは多分この服な動きを止めてくれるんだと思う。
 これから先のことを考えてもどっちを選べばいいかは考えるまでもない。
「分かった。射精、するよ。」
「それはいい心がけだ。ではその心意気に応えて私も少しサービスしてやろうか? 男性はいわゆるオカズになるものがあった方がいいのだろう?」
 スカートの裾を摘まみ、にやにやとこっちの様子をうかがっているみたいだ。えっと、どう答えればいいんだ? これ。
「……あ、あぁ。冗談だ冗談。そんな冷ややかな目で見るんじゃない。私みたいなチンチクリンを見ても興奮などしないことは分かっている。」
「え? あ、いや……」
「ええい、皆まで言うな。どうみても小学生みたいだとは言われ慣れているんだ。何せ、私服で繁華街にでも出かけようものならほぼ補導されそうになるのだからな。こんな私を見て興奮できるのは、よっぽど趣味の悪いロリコン位だろう。」
 摘まんだ裾を離し、埃を払うかのようにスカートを叩いている。なんだかこんなに捲し立てる大澤さんは初めて見た。
「ちょっと、大澤さん。落ち着いて。」
「何を言っている。私は落ち着いているぞ。あぁそうだ。手持ちの資料映像の中に女性の裸もあったはずだな。それを黒板モニターに写してやろう。言ってくれれば好みに合う映像を選定してやれるぞ。誰にも言わないと約束するなら女子更衣室を撮影した動画も……」
「そんなの要らないから!! それよりも、さ。……本当に、サービスしてくれるの?」
 あーもう。何言ってるんだろうな、俺も。どうせからかわれるに決まってるのに。
「……キミは趣味の悪いロリコンなのか?」
「人聞きの悪いこと言わないで。」
「だって、私だぞ? 可愛げもない、発育の良くない小学生の様な体型の女だぞ?」
 一見自虐で茶化しているようだけど、ちょっと震えた声色はかなり本気であるように聞こえる。
「別に本当の小学生だったら見たいだなんて思わないよ。」
 正直に言えば、特待生の誘いを受けたのは自分の都合も大きかったけど相手が大澤さんだからってのもあったんだ。もし同じ誘いがあったとして、嫌いな相手からだったとしたら引き受けずに学校を辞めていたかも知れない。
 その、はっきりと言えば。大澤さんのことは好ましく思ってる、わけで。
 くそっ、多分顔が赤くなってるな。首から上は自由に動かせて良かった。真正面からなんて向き合えないぞ、こんなの。
「そう、か。そういうことなら、私も宣言通りにサービスしてやらんとな。」
 大澤さんが小声で呟きながら視界から外れる。僅かな間を置いて、それを追う様に身体が動いた。
「とは言え、見せるだけだがな。触ったり触られたりは無しだぞ。」
 机に腰を掛け、少し目線が高くなった大澤さんがこちらを見ていた。「そ、それじゃあ。スカートをめくるからな。」
 机の上に片膝を立て、スカートの裾を摘まんだままで大澤さんの動きが止まる。
「……大澤さん?」
「わ、分かってる。分かってるからちょっと待て。私にだって心の準備と言うものがだな。」
 大澤さんの顔が赤く染まっている。
「そんなに恥ずかしいんだったら、別に無理しなくっても……」
「いや、一度言ったからには覆すのは性に合わない。サービスをすると言ったからにはきちんと見せないとな。よし。いいな? めくるぞ。」
 スカートを摘まんだゆっくりと手が持ち上がって……
「えっ!?」
 下着を見せるだけでなんでそこまで躊躇するのかと思ってた。俺に見られるのがそんなに嫌なのか、とも。けど、そうじゃなかった。
「ちょっと大澤さん!! なんで穿いてないの!?」
 サービスと言うのはてっきり大澤さんの下着を見せて貰えるのだと思ってた。でもめくり上げられたスカートの下に下着は無くて、大きく開いた足の間にある割れ目を直接目にすることになった。
 これまで女の人のアソコなんて見たことはなかったけど、大人の人だと吐きたくなるくらいグロくなるとか聞いたことがある。それなのに大澤さんのはほぼ一本の筋でしかないからやっぱり体型だけじゃなくてアソコも小学生みたいだってことなのかな。それでも食学生っぽいのはそこまでで、その上は高校生だけあってしっかりと毛が生え揃っている。
「なんでって、まるで人を普段から下着を身に着けていない変態みたいに言うんじゃない。ずっと穿いてなかったわけじゃなくて、今脱いだんだ。」
 そう言えば一瞬俺の視界から外れたっけ。その時に脱いだってこと? え? 何のために? ひょっとして、俺に見せるためってこと?
「ほ、ほら。いつまで固まっているんだ。見ているだけじゃなくてすることがあるのだろう。」
「え、あ。うん。」
 そうだった。正直なところ、こうやって大澤さんのアソコを見てもそれ自体をエロいとは感じない。でもいつもは隠されていて、普通に考えたら決して俺が見ることなんて出来なかった場所を見ているんだと言う事実。そして大澤さんが恥ずかしがりながらをそれを見せてくれているんだということ自体に興奮してしまっているみたいだ。
 外からの刺激で大きくなっていたペニスが更に一回り大きくなったみたいでちょっとした痛みすら感じている。
 これを見ながらオナニーしていいって、そう言うことなんだよな? 射精をしろって言われてたんだからそう言うことのはずだ。オナニー始めても、いきなり怒られたりとかしないよな。
「……あれ?」
 大きくなって正面に突き出したペニスを掴み、そのまま手をスライドさせた……ハズだった。俺の手は間違いなくペニスを掴んでいる。それなのに、なんでそれを感じないんだ?
「おや、どうかしたのかい?」
 そんな俺を見て余裕を取り戻したのか、大澤さんがまたニヤニヤと笑みを浮かべている。
 そうだ。確か教室でペニスを押さえつけた時もそうだったんだ。スカートごとペニスを押しても何も感じられなかったけれど、今もその時と同じってことなのか?
「これじゃ射精なんて……」
 今も体中やペニスの先端にはじわじわとした刺激が送られてきている。でも射精に到達できるかと言えばこの刺激だけじゃ弱すぎて正直物足りない。
「どうしたのかはっきり言って貰わないとこちらとしても対応のしようがないのだがね。それとも諦めてそのまま教室に戻るかい?」
 明らかに何が起こっているのかは分かっている顔だ。でも俺がはっきり言わなきゃどうにもしてくれないんだろう。
「……ペニスを触っても何も感じないんだけど、これもこの服のせいなの?」
「うむ、そう言えばそうだったな。その服は着用者を守るため、外からの刺激を遮断するようにしてあるんだった。つまりそうやって手で扱いても射精は出来ないだろうな。」
 まるで今気づいたかの様な言いようだ。
「こんなこともあろうかと用意をしていたものがあるんだ。こいつを使いたまえ。」
「え? うわっ。」
 机の上に置かれていた何かをこちらに放り投げる。何とか受け取れたそれは長さ50cm、太さ3cmほどの半ば透き通った紫色の棒だ。棒と言ってもそこまで硬いわけじゃない。軽く力を入れればグニャグニャと自由に曲げることが出来る。そして両端は少し膨れていて……これってひょっとして両端が先端になっているペニスの模型なのか?
「使うって、これをどうすればいいの?」
 ペニスの模型だと分かってもこれをどうしろと言うのかは読み取れない。
「うむ。そいつはその服と連動して、与えられた刺激を君のおちんちんにフィードバックするように設定してあるんだ。」
 刺激を与えればいいってこと? でも確認するために触ったり曲げたりしてるけどフィードバックなんて全然起こってないんだけど……
「ただし、だ。フィードバックされるのはキミがそいつをお尻の中に入れた時に限らせて貰っているがね。」
「は? お尻って……」
 こんなのを入れるって、どうやって!? ただでさえ脱げない服に覆われているのに、その上今は触手がお尻の穴に入り込んでいるんだぞ。こんなの、入るようなすき間は残っていないんだけど。
「なあに、心配はいらない。キミのその服は疑似生命体だと言っているだろう? これまでも体験した通り、自由な変形も出来る。ディルドゥがあてがわれれば中に受け入れられるように中空に変形してくれるよ。」
「中空にって、でもこんなに太いのに……」
 これがお尻に入ることなんて想像も出来ない。
「はは、何を今更言っているんだ。キミのお尻に入り込んでいる触手は既にそれよりも一回り太くなっているからね。その程度、入ったことすら感じることなく受け入れられるはずさ。」
 はずさって言われても。でも大澤さんのをピークに達していた興奮が多少収まってきた今でも相変わらずペニスは大きくなったままだ。このまま放っておいても勝手に萎えてくれるとは思えない。じゃあここは言うことを聞いておくしかない、のか。
「これを、お尻に当てればいいの?」
「その通りだ。触手の中央に穴が開くのでそのまま奥まで押し込めばいい。」
「うぅ、分かった」
 大澤さん、さっきこの棒のことをディルドゥって呼んでた? じゃあこのディルドゥてのの端を持って、そのままお尻の穴の位置に……
「ひゃうっ!?」
 びっくりするくらい簡単にディルドゥがお尻の中へと飲み込まれた。大澤さんの言葉通り、既に広がり切ってしまったお尻には何の感覚もない。けれどもペニスの先端にはこれまでとは違う刺激が送られてきた。
 締め付けるリング状の何かをペニスが通過するような感覚。通過した後は温かくて柔らかいものに包まれるみたいだ。ディルドゥを奥に送れば送るほど締め付け部分はペニスの根元に向かっていく。そのままお尻の中に入れたなら、肛門部分に締め付けられてこんな風に感じたのかな。
「えっ? んひぃっ!?」
 急にお腹の中に新たな感覚が生まれた。普通に考えればお尻の中にはっきりとした感覚があるわけじゃない。それなのにお尻の中でディルドゥがグネグネと曲がりまくって、あちこちをつつくような刺激を送りこんできていることがはっきりとわかる。消え切っていなかった便意に、新たに生まれた刺激に加わってお尻の中が壊れてしまいそうだ。
「うぅ。こんなの、お尻がおかしくなる!!」
 慌ててディルドゥ引き抜こうとしたものの、抜ける直前で何かに引っかかってしまった。入れた時はほとんど抵抗もなく入っていったのに。どれだけ引っ張ってもディルドゥの端にあった膨らみ部分が引っかかってしまったようで、それ以上外に出てきてくれない。それどころか引っ張ることでペニスの先端、段差の部分を引っ張られてるような感覚が再現されてしまっている。
「ほら、何を遊んでいるんだい。射精をするんじゃなかったのか?」
「それはっ、そうなんだけど……」
 更に肛門に対しても裏側から押されるような感覚がある。ウンチをしたくなって奥から押し出されているかのような感覚とは明らかに違う。フックか何かを差し込まれて肛門自体を引っ張られている様な……「これっ、なんで!? 抜けない!!」
「おいおい。射精をするんだろう? だったら抜く必要なんてないじゃないか。それとも、射精は諦めるのかい?」
 このディルドゥが無きゃペニスを刺激することが出来ないのは確かだ。大澤さんに頼めば抜いて貰えるのかも知れないけど、それきりで取り上げられる可能性だってある。そうしたらもう射精をできなくなってしまうかも知れない。
 だったらお腹の苦しさは無視してでも、とにかく一度射精をしてしまう方が正解なんじゃないか?
「うぅ、待って。諦めないで射精、するからさ。」
 改めて大澤さんに視線を送る。あんなことを言いながらもスカートは捲ってくれたままだ。とにかく目に入ってくる大澤さんの姿と、ペニスの感覚だけに集中しよう。
「んっ……」
 再びディルドゥをお尻の中に押し込んでいく。やっぱりお腹の中で暴れてるように感じるけれど、最初からそうなると分かっていれば我慢できないほどじゃない。
 ペニスとディルドゥの感覚は確かに連動している。けどそれはディルドゥの先の部分、俺のペニスと同じ長さが連動しているってわけじゃなかった。50cmくらいあるディルドゥ全体と俺のペニス全体が対応してるって感じだ。
 つまりディルドゥを全てお尻の中に収めない限りペニスの根元には刺激を感じることが出来ない。最初に見た時はこんな長いディルドゥなんて絶対に入れることなんて出来ないと思っていたけれど、軽く力を入れて押し込むだけで簡単にお腹の中に飲み込まれてしまう。
 お尻に入ったディルドゥはしばらくまっすぐ入ったかと思えば曲がりくねって左の脇腹へと向かっていく。理科の教科書で見た大腸の図って本当だったんだな。もっと長いのを入れれば右の脇腹にまで届いたりするんだろうか。
「ふっ、んくっ……」
 ペニス全体を刺激するためにはディルドゥを結構な勢いで出し入れしなきゃならい。お腹の中に入った部分は温かくて柔らかいものに包まれている様な感覚があるけれど、それだけじゃ物足りない。射精するには肛門の締め付けでペニスを扱かなきゃならない。ディルドゥとペニスの長さの違いすぎて、いつものオナニーでペニスを撫でているくらいの速度でディルドゥを出し入れするんじゃ遅すぎる。
「分かってはいるが、そこまでガン見されるとちょっと恥ずかしいな。」
「ごめん。でも今はもう少し集中させて。」
 大澤さんの恥ずかしがる表情も今はいいオカ……刺激だ。
 何度も出し入れを繰り返しているうちに少しずつ射精が近づいてくるのが感じられた。身体の奥から射精の前に出る透明な液体が溢れ出して来たのがわかる。
「あ、でもこれ……ペニスの中って触手が詰まってるんだよね。このままじゃ射精なんて出来ないんじゃ……」
 なんで今まで思いつかなかったんだろう。
「あぁ、心配しなくてもいい。流石に射精の時に輸精管が詰まっているとシャレにならないからね。尿道内の触手は一部が中空になって精液を通過できるようになっているよ。」
 輸精管? 名前からして精液の通る管、か? 考えてみれば精子って金玉で作られているんだし、膀胱から出てくるわけじゃないもんな。ちゃんと精液の通る道が用意して貰えてるなら、このままオナニーを続けても大丈夫なんだろう。
「んっ……あと、ちょっと……」
 ディルドゥを出し入れする速度を上げて最後の追い込みをかける。何だかお腹の中で暴れられるのもあまり気にならなく……いや、こんなの受け入れちゃダメだ。それよりもペニスのことだけ考えて……
「ッッ!! くぅっ!!」
 いつもよりも時間がかかったけど、ようやく射精まで到達することが出来た。腕以外が動かせないから直立のままで、射精に合わせて腰を引くこともペニスを突き出すことも出来ない。
 それでも精液は詰まることなく吐き出せて……
「あ、あれ? なんで!?」
 今は間違いなく射精をしている、ハズだ。ペニスから精液が噴き出してないのは服の中に取り込まれているからだとしても、ペニスの中を流れる感覚すらないのはなんでなんだ!?
「射精感が無いのが不思議かい?」
「えッ? これってッ、どういうことッ、なの?」
 したり顔をしているってことは原因が分かってるってこと?
「言ったろう? 精液は触手の内側を通過する、と。精液が通過しても触手の太さは全く変わらないからな。流れ出す感覚が感じ取れないと言うだけさ。」
「そんッ、なッ……」
 うぅ。射精をしているから頭では気持ちいいと感じてるのに、ペニスからの快感がないから何かが物足りない。
「んっ……くぅっ……」
 それなのにそんなことお構いなしに射精だけが続いて……続いて?
「あ、あれ? なんでッ、終わらないの!?」
 いくら何でも変だ。射精が始まってからかなりの時間が経つのに終わってくれる気配がない。
 普段だったらこんなに射精が続くはずがないのに。それにペニスだってすっかり萎えてしまってる。射精が続いているなら途中で萎えるなんて絶対に有り得ない。
「これ……これもまたッ、大澤さんがッ、何かしたの!?」
 うぅ。射精が続いているせいでまともに喋ることすら出来ず、言葉が途切れ途切れになってしまう。
「『これ』と言われてもなぁ。一体何のことを言っているんだい? 説明してもらわなきゃ分からないな。」
 嘘だ。絶対に分かっている。けど今はそんなことを言っていられる余裕はない。
「んんっ! 射精ッ、終わんないんだけどッ、どうしてッ!?」
「あぁ、そのことか。射精だったらとっくに終わっているさ。」
 終わっている、って?
「終わってッ、ないからッ、言ってるのに!!」
「そうさな。順を追って説明しようか。その服を着てから今まで、キミがおしっこやウンチをしようとするたびに触手が尿道や肛門に入り込んだ。そうだな?」
 あまり余裕はないから早く説明して欲しいのに。取り合えず言ってることは間違ってないので頷く。
「それじゃあなぜ、射精をするときに触手が入り込まないと思っていたんだい?」
「え? そんなこと……」
 まさか射精に合わせて新しい触手が入り込んだってこと? でもさっきは射精は普通に出来るって言ってたから……
「ふふ。射精自体を妨げないように尿道内のから輸精管を経由して精嚢や精巣に触手が入り込んだ、と言うことさ。」
「でもッ、それがなんでっ、こんな風に……」
 膀胱やお尻の中に触手が入り込んだからっておしっこやウンチが出続けるような感覚は無かった。なんで射精の時に限ってこんなことに。
「射精をするときはおしっことは違い、体内に一定量の精液を溜め込んでから勢いよく噴出させるのだろう? そして一定量の精液を吐き出し終えるまで、それを何度も繰り返すわけだ。」
 確かにそうだけど。
「その精液を溜め込む場所にも触手が入り込んで、自分の身体を風船のように膨らませたとしたらどうなると思う?」
「風船のようにッ、って……精液がッ、溜まったとッ、身体が勘違いする?」
 まさか今の状態って、その触手のせいで精液が溜まってると思い込まされてるってことなのか!?
「それは射精の時にしか感じない感覚だからね。脳が射精をしていると勘違いするのも当然だろうな。」
「そんなッ……もう、止めてよッ!」
 ずっと射精を続けているみたいで、ペニスの奥がつってしまいそうだ。
「何を遠慮しているんだ。男ではそうそう味わえない長時間の連続絶頂感だぞ? 厳密には違うのかも知れないがもっと楽しんだらどうだ。」
 別に気持ちよくなんて……
「さて、それともう一つ。おちんちんが大きくならないようにするんだったな。それももう済ませたから安心するといい。」
「え、何っ、したの!?」
 スマホを操作したのは分かったけれど、それで勃起出来なくされた? でもそんなこと出来るの?
「何、簡単な話さ。 その服がキミの動きを封じられるほど固くなれるのは分かったろう? おちんちんを覆う部分を今の形のままで硬化させ、変形出来なくしたのさ。」
「うそッ……でしょ!?」
 それってつまり、無理やり押さえつけてペニスが大きくなるのを防ぐってことでしょ? ひょっとして凄く痛いんじゃ…………気持ち悪い。吐き気がする。
 目が覚めちゃったけどまだ真っ暗だ。今って何時だろう?
 午前の、2時? なんでこんな時間に……




 結局化学室にいる間に授業時間は終わってしまっていた。大澤さんは自宅通いだから家に帰り、俺はこうして量に戻ってきている。
 そう言えばお尻に入れられたディルドゥは今も入ったままだ。どれだけ引っ張っても抜けるのは先端の膨らみまで。それ以上は服が放してくれず、完全に抜くことが出来なかった。それならいっそと全部を押し込もうとしても反対側の膨らみ手前まで入ったところで突っかかってしまう。
 ディルドゥが半透明なせいでお尻の中が空けて見えてしまうのが恥ずかしかった。とは言え服で覆われてるから見えているのは俺の身体そのものじゃないんだけど。
 ディルドゥをぶら下げたままで歩きまわるわけにもいかず、出来るだけ奥まで押し込んでおくことにした。けど身体に入った部分は暴れてるように感じることに変わりはなくて、ペニスとお尻を同時に刺激され続けてるようなものだ。大澤さんが言うにはまたディルドゥが必要になるかも知れないってことだったけど、それなら必要な時だけ使わせてくれればよかったのに。
 寮での夕食時間にはこんな服を着てるってことで流石に注目の的になってしまった。説明したら理解して貰えたしその後も変に追及されることもなかった。多分お尻のディルドゥにも気づかれてない、と思う。
 その頃には尿意や便意は少し収まっていたし、ずっと続く射精直前の様な感覚も多少は慣れてきたからちゃんと説明も出来た、はずだ。
 このままの格好で風呂に入った時には流石に驚かれていたけれど脱げないんだからこればかりはどうしようもない。寮には共有の浴場しかないから1人で入るなんて無理だったし。
 この服を着ていれば身体を奇麗に保ってくれるとは聞いたけど、それは覆われてる身体だけの話だ。頭を洗うにはどうしたって風呂に入るしかない。一応、濡らしても大丈夫だとは聞いてたけど大丈夫だったんだよな?




 で、早めに寝たんだけど……いつもなら早く寝たってこんな時間に目が覚めることなんてなかったのに。
 駄目だ。吐き気が酷い。このまま横になっていようかとも思ったけど、布団の中で吐いてしまいそうだ。
 洗面台に……いや、詰まるかも知れないし怒られるな。トイレに行こう。この時間なら人も居ないだろうし。
 足も重い。それでも服がバランスを取ってくれてるから転ばずに済むのが救いだ。トイレまであとちょっと。一度吐いちゃえば少しは楽になるかな……
「着い、た。」
 何か悪いものでも食べたっけ? いや、寮での夕食を食べただけだよな。あれが原因だったら今頃寮生みんなが吐きに来てるはずだ。誰もトイレに来てない所を見ると違う原因なんだろうな。
「うぅ。」
 普段は嫌なトイレ掃除だけどこうして便器に顔を近づけなきゃならないときはきちんと掃除していて良かったって思える。
「ん、うげぇ……」
 込み上げてくる吐き気に身を任せて……
「んっ!? んんーーー!!」
 なっ、なんだこれ!? 俺、何を吐いてるんだ? 太い何かがゆっくりと胃から這い上がってくる。ゲロみたいな液体じゃなくてしっかりとした形がある。それに酸っぱい味もしない
「ッッ!!」
 うぅ、吐き出すのを止められない。このまま捨てるものだけど。流石に口から繋がったままのものが便器に触れるのは嫌だ。飛び散る心配だけは要らなさそうだし、立ち上がって便器に当たらないようにしなきゃゃ。
「ッ!」
 胃から溢れ出してくるのは止まった。けど吐いたものは口から垂れ下がったままだ。噛み切ろうとして力を入れても歯を食い込ませることすらない。喉一杯に広がってるから息も出来ないし、このままだと窒息しちゃう。
 一体どうなってるのか、とにかく鏡で確認を……いや、見ても分からないかも知れないし、窒息するより先に寮母さんのところに行った方がいいのかな。
「!?」
 吐いた塊が震えてる? 何が起きてるんだ? やっぱりまずは鏡で確認した方がいいのか。
 ……なんだ、この黒いの。どう見たってゲロじゃない。口から伸びた30cmはありそうな黒い塊。こんな真っ黒なゴムみたいな物なんて食べた覚えはないぞ。
 あれ? でもこの表面のテカリ具合ってどこかで見たことあるような……
 いや、どこかどころじゃない。色が違うだけで、質感も光沢も着せられているこの服にそっくりなんだ。でも服だとしてもなんで口から? ……まさかだけど、お尻の中に入ったのがそのまま身体の中を通過して口まで来たってことなのか!?
 あ、あれ? 震えてた先端が細い何本もの房みたいに分かれて……
 うわあっ!? 止めろ。顔に貼りつくんじゃない!!
 房を掴もうとしてもヌルヌルしてて手からすり抜けていく。顔に貼りついたあとはそのまま薄く伸びて顔を包み込んでいくのが分かる。なんだよ、なんなんだよこれ?
「?? ふはぁっ!!」
 あ、息が出来る? 鏡の中、口の中が空洞になってる。ひょっとして吐き出してた塊って元々中身のない風船みたいなものだったのかな。お尻に入った時も中にディルドゥを入れられたくらいだしな。で、先端が裂けて分かれたから呼吸できるようになったってことか。
「ふぅ、はぁ……」
 駄目だ。息は出来るようになったけど喉は広げられたままで喋ることは出来ないみたいだ。
 うぅ、いつの間にか顔中を黒い触手で隙間なく覆われてる。でも何でだ? 目も真っ黒になってるのに視界は黒く染まらずに見ることが出来ている。
 原因はこの服みたいだし、明日になったら大澤さんに聞くしかないのかな。こんな真っ黒で口を大きく開けた人形みたいな顔で学校に行きたくはないけど、ずっとこのままでいるのはもっと嫌だし。
「はー、やっと喋れる。」
 っ!? なんだ今の声。
「初めまして、ってのはちょっと違うかな? もう半日以上一緒に居るんだし。でも挨拶はしておかないとね。よろしく、あゆむちゃん。」
 間違いない。この声、俺の口から出てる。開きっぱなしだった口が勝手に動いて俺の意思とは関係なく言葉を紡いでる。でもどうなってるんだ?
「っっ!!」
「あははっ。喋ろうとしてもだめー。この口は私が喋るために使うんだから。」
 くそっ、何が起きてるんだ? コイツが喋るのに合わせて勝手に息を吐き出してしまっている。
「そうだねー、ちゃんと説明してあげるからまずは部屋にもどろっか。あ、でもその前に。ほら、鏡を見て。」
 真っ黒だった顔が肌色に変わっていく。まるで最初から何もなかったみたいに元通りに。でも顔を覆われてる感覚はあるし、表情も自由に変えることが出来ない。
「ついでにおまけ。こんなことも出来るんだよ。」
 ちょっと待て。なんだよこれ。唇の色が変わって真っ赤に染まっていく。目の周りもピンクに変わってまるで化粧でもしてるみたいだ。
「じゃ今度こそ戻ろっか。」
 うわ!! 身体まで勝手に!? 俺の意志なんてお構いなしに勝手に歩き出して部屋へと向かっていく。この服に身体を操られるのは初めてじゃないけど、今までは大澤さんが命令を出して動いていたはずだ。
 でも今はそんな感じじゃない。服自体が意志を持って俺の身体を操ってるみたいな……
「ほーらー。抵抗しないの。」
「っ!?」
 痛ッ!? なんだ今の。お尻を叩かれた? でも叩くような人なんてどこにも居ないのに。
 ずっと身体を弄られ続けて、眠れたんだか眠れなかったんだか……
 半ば意識を失いながらだけど、何度もイカされたのは覚えてる。
 アイツの言ってた通り、イくたびにペニスへの刺激を減らされて……それなのに身体はしっかりイって射精をしてしまっていた。
 女の子のイき方をさせたいって一体どういうのなんだ? それで俺に何をさせようとしてるんだろう。
「おはようございます、先輩。」
「うわ、びっくりした。女子かと思ったら広瀬か。あー、その服って脱げないって言ってたんだっけ?」
「そうなんですよ。一晩中着てたから少しは慣れましたけど、やっぱりちょっと恥ずかしいですね。」
 俺の意思なんて全く無視して身体は勝手に日常生活に戻っている。いや勝手に、と言うのは違うか。この服が意志を持って俺に成り代わってるんだから。
 先輩も同級生も、果ては寮母さんまで誰一人今この身体を動かしているのが俺じゃないって気付いてくれる人はいない。
 いや、もしも他の誰かが服に身体を操られてたとしても俺だって気付けるかどうか。そもそも服に身体を操られるなんてことがことが想定の外だし、ちょっと言動がおかしくなったってその日の気分なんだろうとか思ってそれで済ませてしまうだろう。
 あっ……
 んんッッ!!!
 く、またイきそう……
 んっ、もうちょっとだから……待って。刺激、止めないで……
 うあ……ダメだ。
 ベッドから出てからはイケそうでイケない状態が続いてる。射精が近づくとペニスへの刺激が止まって、ちょっと落ち着くと再開する。
 今まではペニスへの刺激が止まっても昂った身体の余韻で射精までたどり着けてたけれど、今は変なところでバランスが取れちゃってるって感じだ。
 身体が自由になるならペニスを扱いて射精をしてしまいたいけれど、身体を操られている今はそれも無理だ。
「いただきます。」
 トーストと目玉焼き。それに野菜のスープ。目の前のテーブルに並んでいるのは金曜日のお決まりメニューだ。でもこれを食べられるのは俺じゃない。
 俺の口に含み、俺の歯で噛み、俺の喉に飲み込むけれど俺の身体は内側すらもこの服に覆われてしまっている。身体が栄養として取り込めるのはこの服が取り込んだ後の残りだってことだ。
 操られた手がトーストを口へと運ぶ。あれ? 鼻の中まで覆われてたんだっけ? 全然匂いが感じ取れない。
 うえぇ!?
 なんだ? これ。トーストを口にした瞬間から変な味が口中に広がってる。それに、この臭い。ツンと鼻に刺さるような臭い。どこかで嗅いだ覚えはある気がするけど、なんでこんな変な臭いがしてるんだ?
 トーストを齧ってるのにカリカリとした触感が感じ取れない。口の中に広がるのはなんだかねちょねちょとしてベタつく感覚だ。
「はいはーい、あゆみちゃん。起きてるよね?」
 え? この声……夕べ何度も聞いた、この服が喋るときに使っている女の子みたいな声だ。
 でも何で? 口はトーストを頬張ってるし、喋れる状態じゃないのに。
「あ、この声だけどね。耳の中に入った触手が振動して音を出してるの。だから聞こえてるのはあゆみちゃんだけね。」
 耳の中って、そんなことまで出来るのか?
「周りに人も居るし、あゆみちゃんに口を使わせてあげるわけにはいかないから一方的な語り掛けになっちゃうけどねー。で、一応今の状態を説明してあげようと思ったってわけ。うーん、私ってば親切。」
 親切だったらそもそも俺をこんな目に合わせたりしないだろ。
「あゆみちゃんってば、昨日から何度何度も射精してるよね。」
 してるっていうか、お前にさせられたんだけどな。
「実はね、射精で出した精液は捨てたり吸収したりせずに保存してあったの。」
 保存? って、そのまま残してるってこと?
 あ。……そうだ。この臭い、どこで嗅いだことがあったのか……思い出した。
「ひょっとして分かっちゃった? そう。私が食事をするのに合わせてあゆみちゃんの口や鼻の中に精液を流してあげたってわけ。」
 うぅ、やっぱり。この臭い、射精した後の精液の臭いと同じなんだ。流石に味は知らなかったけど、今味わわされてるこれが精液の味だってことなのか?、
「これから先もね。私が食事をするたびに精液を味わわせてあげる。つまりあゆみちゃんはこれから一生、精液だけを味わって生きていくんだよ。ふふ、面白いでしょ?」
 一体何が面白いんだよ。精液の味なんて味わいたくない。思い切り吐き出したいのにそれすら出来ない。完全に覆われた舌に直接塗り付けられているんだから防ぎようがない。
「広瀬。俺は先に行くけど遅刻しないようにな。」
「大丈夫ですよ、先輩。」
 表面上はいつも通りの朝。でも実際にはずっと全身を弄られていて、お尻の中までかき回されて、気持ちいいのにイくことが出来ずにいる。おまけに精液を味わわされて、こんなのがずっと続くの?
 大澤さん。お願いだから、助けてよ。




「おはよう。」
「おはよー。やっぱり今日もその恰好なんだね。」
「うん。これって大澤さんの作った服なんだけど脱げないんだよね。」
「え? じゃあお風呂とかどうしたの?」
「このまま入ったよ。それでも大丈夫って言ってたし。身体は服が奇麗にしてくれるらしいけど、頭は洗わなきゃならなかったしね。」
 教室に着いても服が俺に成り代わってクラスメイトと話をしている。俺が俺じゃないと気付いてくれる人は誰一人いない。昨日に続いてこんな恰好をしている俺を物珍しがってるだけだ。
 大澤さんも教室には来ていないみたいだ。でも別に珍しいことじゃない。いつも朝から化学室に籠っているし、それを咎められることもないからだ。
 ひょっとしたら夕べの記録から俺が乗っ取られてると気付いて助けに来てくれるんじゃないか。有り得ないとは思いながらも僅かに抱いていた希望はあっさりと潰えてしまった。
 こうなると大澤さんに会うには化学室に行かなきゃならないけど、コイツが自分から行ってくれるとは到底思えない。
「おはよう、諸君。」
「あれ? 大澤さん? 教室に来るなんて珍しいね。」
 って、うそ。大澤さん? 滅多に教室に来ないから、入ってくるなり注目を集めてる。
「うむ、我が発明品の確認をしたくてね。化学室に呼び出しても良かったんだがどうせ通り道だから教室に寄ってみたというわけだ。」
 取り囲むクラスメイトをあしらいながらこっちへと向かってくる。
「と言うわけで広瀬くん、調子はどうだい?」
「おはよう、大澤さん。流石にね、一晩着てたら少しは慣れたよ。おしっこも消費して貰えたのか尿意も落ち着いたしね。」
 違う。大澤さん、これは俺じゃないんだ。
「そうか、それは良かった。問題が無いようならもうしばらく着てもらって経過を確認したいからね。」
 ちょっと待ってよ。本当に気づいてないの? ドローンで確認してたんでしょ?
「いや、流石にこの格好でいるのって結構恥ずかしいんだけどさ。具体的にいつごろまで着てなきゃならないのかな。」
「現時点では何とも言えないな。脱いでも良くなったらこちらから指示するからそれまではその恰好でいてくれたまえ。何、生活に支障はないのだろう?」
「うん、まあ。それはそうだけど……」
 支障だらけだよ。だから早く脱がせてよ!!
「私はこれから別の研究に取り掛かる予定でね。もし何かあったらまた化学室に来るといい。こちらとしても一応リアルタイムでキミの姿は追うつもりだがね。」
 ……そうだ。ドローンのモニターって化学室の黒板を改造したモニターだったんだ。ってことは自宅では俺のことを確認してなかった、ってこと?
 これからはリアルタイムで追うって、まさか夕べの記録を見るつもりもないの?「それじゃ次の問題を……広瀬、解いてみろ。」
「はい。えっと……わかりません。」
「おいおい。特待生だから留年や落第は無いとは言えしっかりと勉強してくれないと困るぞ。」
「すみません。授業に全部出られればいいんですけど、呼び出されたら行かないってことも難しくて。」
「まあ分かるけどな。出来る範囲でいいから頑張れよ。」
「はい、ありがとうございます。」

 違う。

「広瀬君、今週ってトイレの掃除当番だったよね。大丈夫なの?」
「大丈夫って何が?」
「だってその恰好でしょ? スカートはいてて男子トイレに入ってたら変な目で見られたりしない?」
「確かに驚く人は居るかも知れないけどさ。掃除中に用を足しに来る人なんていないんだから大丈夫だよ。」
「そっか。そう言えば昨日もその恰好のまま掃除してるんだもんね。」

 違う。

「広瀬。外出届を出してないみたいだけど今週末は出かけないのか?」
「いや先輩。学校内ならともかく、この格好で外に出るのは流石に厳しいですよ。今週は部屋で大人しくしてます。」
「そうか。なら何か欲しいものあったら買ってきてやるぞ。勿論手数料は取るけどな。」
「そうですね、必要になったらお願いします。」
「あー、でもエロ本とかはダメだぞ。見つかったら俺の責任になっちまうからな。」
「そんなのは頼みませんよ!!」

 違う。違う違う違う。それは、俺じゃない。

 身体を動かしているのは俺じゃない。この身体を覆っている服だってのに、誰一人として気付いてくれない。
 でも、それも当然かもしれない。喋り方も言葉の選び方も、ちょっとした動きの癖までいつもの俺を再現されてしまっている。
 でも……一人くらい気付いてくれる人が居てもいいのに。


 んんっ!!


 うぅ。考えがまとまらない。
 最初は違和感でしかなかったこの感覚。
 身体中を……特に胸を撫でまわされたり揉みしだかれて、唯一刺激をされないのはペニスだけ。
 その上でお尻の中を触手でかき回されて、それである時を境に始まったこの感覚。
 メスイキ。
 確かコイツはそう言っていた。男でも感じられる女としての絶頂だってことだ。
 学校で言われた通りに、あれからひと時も休まずにずっとメスイキって状態が続いている。
 正体不明の違和感だったのは最初だけ。これが快感だって言われたせいで、今では本当に気持ちが良くなってるんだって信じ込まされてしまった。
 頭の中がぼうっとしびれている様な、身体に力が入れられないおかしな状態が続いている。
 俺だってもう子供じゃない。今までだってオナニーをしてイッたことくらいはある。
 でもこの感覚はこれまでオナニーで感じた快感とはまるで違う。
 激しい快感が一瞬で終わるオナニーの快感と違って、大きく変わることなくずっと一定のままだ。
 いきなり高まることも無ければ、鎮まって落ち着いてくれることもない。
 気づけばペニスはすっかり萎えてしまっているのに、それでもこのメスイキが終ってくれる気配はない。
 オナニーをするときは勃起しなければできなかったのに、まるで身体が壊れてしまったみたいだ。
 おかげで身体が慣れてきてしまったような気がする。
 いや、慣れるって言うのはちょっと違うかも知れない。
 この状態でいることに違和感を持てなくなってしまっている、と言った方が正確かな。
 身体がおかしくなってるってことは今でもちゃんと分かっている。
 でも、どうすればこれを終わらせて元に戻れるのかが分からない。
 快感が身体に馴染んでしまっている、とでも言えばいいのかな。
 快感が一定だとは言ったけれど、最初の頃と比べれば段々と強くなってるような気もしている。
 まるで一度生まれた快感が身体の中で反響して、際限なく強くなっているような……
 いや、そんなハズはない。
 単に身体が疲れてこの感覚を受け入れたくないと思ってるから違和感が強くなってるだけだ。
「あゆみちゃん、気分はどう?」
 自分の意思では身体を動かせず、服に動かされるのを見ているだけだ。
 そんな状態を続けていたらおかしくだってなるだろう。
「ねえ、あゆみちゃんってば。」
 でも……自分では動くことが出来ずに、ただただ服の動きに合わせて身体が動かされるだけ。
 おまけにこの快感で、服の中で身体がぐじゅぐじゅに融けてしまっているみたいだ。
「もう。勝手に身体を動かそうとするのもダメだけど私を無視するのはもっとダメー。と言うわけでペナルティのお尻ペンペンいくからね。」
 え……
「痛ッ!?」
「あはっ。気が付いた?」
 え……あ。ここ、俺の部屋? いつの間にか戻ってきてたのか?
「声をかけられてるのにも気づかないだなんて、すっかりメスイキのトリコになっちゃったんだねー。」
「ち、違……」
 これまでずっと俺のことなんて無視してたから、こっちに向かって話しかけてるなんて思わなかっただけだ。
 それなのに、言葉の途中で口の自由を奪われて説明をさせてくれさえしない。
「様子を聞こうと思ったんだけど、邪魔しちゃったかなー。もう邪魔はしないから遠慮しないで堪能してね。」
 うあぁ……お尻をかき回す触手の動きがなんだか強くなった!?
「でも意識の端でいいんでちょっと聞いておいてね。あゆみちゃんはね、これからもずうっと快感に浸っているだけでいいんだよ。」
 そんなの……
「面倒な授業も、特待生だからって腫物を扱う様に接してくる友達の相手も、雪美ちゃんの理不尽な注文に応えるのも、全部全部私が変わってあげるんだから。」
 面倒、なんかじゃ……うぅ。頭がぼんやりして考えがまとまらない。
「普通の人だったらね。こんなこと、絶対出来ないんだよ。あゆみちゃんは食事も排泄も何一つ自分でする必要はないの。呼吸ですら自分でする必要なんてないんだから。」
 そんなの、人間じゃない。
 ダメだ、コイツの言葉は聞いてたらおかしくなる。でも、俺には耳を塞ぐ自由すらない。
「うふふ。抵抗しようとしてる? でも無駄だよー。一度イっちゃったらもう終わり。絶対に止めてなんてあげないんだから。」
 もうやめてよ……
「これからのあゆみちゃんにとって、生き続けることはイき続けることと同じになるの。」
 やだ、やだよぉ……
「ほら、今日はもう寝ちゃおう? 寝ててる間もイき続けてもう私なしじゃまともな生活なんで出来なくしてあげる。」
 あ……急に目の前が真っ暗になった? 目は閉じてないのに。目を覆ってる部分が光を通さなくなったってこと?
「この土日は身動きすら取らずにずうっとずうっとメスイキだけを味わわせてあげる。その気になれば食事だってとらなくていいんだから。あゆみちゃんの老廃物を私が栄養として使って、私の出したものはあゆみちゃんの栄養になる。そんな半永久機関としてつくられているからね。」
 そんなことまで……
「さ、これからは快感だけに集中して。それ以外のことは何も考えなくていいから、たっぷり楽しんでね。」
 身体が横になった……ベッドに寝たのか? 目の前は真っ暗で、身体も動かせない。
 今まで声が聞こえてたから気づかなかったけど、それ以外の音が全く聞こえなくなってる? いつもだったら窓の外から風や虫の声が聞こえてるのに。
 いつの間にか口の中に広がっていた精液の味も臭いもしなくなくなってる。
 じゃあ今の俺が感じ取れるのって、服の中で起きていることだけ?
 そんな……
 ひうっ。
 なんで……なんでこんな目に合ってるのに、気持ちいいのが終わってくれないんだ……
「はいはい、とうちゃーく。やー、これからこの部屋が私の物になると思うと感慨深いなー。」
 俺が身体を動かそうとするたびにお尻を叩かれるような痛みを味わわされながら、ようやく部屋へと戻ってきた。誰にも叩かれていなかったのに痛みだけは襲ってくるってことは、コイツが自分の意思で俺に痛みを与えられるってことだよな。今のところお尻を叩かれるだけだけど、やろうと思えば他のことも出来るってことじゃないのか?
 というか、ここは俺の部屋であってコイツの部屋なんかじゃない。
 それにこの声。俺の口から出てるのは間違いないのに明らかに声色がまるで違う。アニメに出てくる女の子みたいな可愛らしい声だ。
「よっ、と。うん、同じベッドでも自分の意思で乗っかるとまた感動もひとしおだねー。」
「ッ!!」
 飛び上がってベッドに座られたせいでお尻のディルドゥに衝撃が走る。くそ、身体を動かすのはコイツなのに被害を受けるのは俺だけってちょっとひどくないか?
「さーて。説明してあげるって約束だったっけ。もう分かってるとは思うけど、私はキミの着ているこの服ね。」
 やっぱりか。しかしスカートを摘まんで捲り上げるのは止めてくれないか。まるで下着を見せつけられてるみたいな気分になる。
「雪美ちゃんは私のこと疑似生命体だなんて言ってたけどね、この通りちゃんと意識も感情もあるの。だから普通の命とおんなじだよ。ただこれまではそれを表現する方法がなかったってだけ。」
 表現がって、これまでも俺に対して色んなことをしてきた気がするんだけどな。
「んーー。やっぱり私が一方的に喋るばっかりじゃつまんないなー。しょうがないからあゆむちゃんにも喋らせてあげる。と言っても口は1つしかないから当然優先権は私にあるけどね。」
 くそ。俺の身体なのに。でもこれでさっきから気になってたことが聞ける。わざわざ喋らせるってことは。
「俺の考えてることが分かるってわけじゃないのか?」
 うわっ。なんだ今の声。俺が喋った声、だよな? コイツの声もアニメのキャラクターっぽかったけどそれに比べても更に作られたような声。小さな女の子のみたいな声だ。
 おまけに舌も覆われているからか、思ったように動かせなくて舌っ足らずになっている。これじゃ本当に小さな女の子みたいじゃないか。
「そりゃあねー。所詮私はあゆむちゃんの身体を覆っているだけの服ですから? どんな風に動こうとしたかとか、鼓動が早くなったり汗をかいたから緊張しているなとかは分かるけど頭の中身までは見れないなー。」
 そうなのか。先回ししたような答えを返されることもあったから心配してたけど、それなら救いはあるかも知れない。
「あー、でも助けを呼ぼうとかは考えない方がいいよ。だって人前ではあゆむちゃんに自由にさせてあげるつもりなんてないもの。」
 くっ。
「うーん。折角喋らせてあげるって言ってるのにあんまり喋ろうとしないね。ひょっとして喋らなくてもいいとか?」
「そ、そんなことっ!!」
 うぅ。やっぱり声に違和感がある。
「まあいいや。それで説明の続きね。雪美ちゃんねー、意地悪だから私に色々制限かけてたのよ。例えば首から上には身体を伸ばしちゃいけない、とかね。」
 え? でも今顔まで来てるじゃないか。
「だからね。私も色々試してみたの。身体の外を覆ってる部分はどうやっても首までしか来られなかったんだ。だったらあゆむちゃんのお尻の中に入ったのを伸ばしていけばひょっとしたら顔に出られるんじゃないか、って。あ、でも汚くなんてないから安心してね。そのまま身体を伸ばしていったわけじゃないから、口から出てる部分はお尻の中に触れた部分とは別の場所。」
 うん? どういうことだ?
「そうだねー、タケノコをイメージしてみて。最初は皮に覆われてるけど皮がむけて中から竹が出てくるでしょ。それを繰り返すような感じで常に内側から飛び出した部分が奥へ奥へと進んでいった、って感じかな。」
 まぁ多少はマシなのかも知れないけど。どっちにしろ俺の口までこいつに覆われたってことに変わりはないんだけどな。
「ついでにね、身体を枝分かれさせて肺の方にまで入り込んでるの。だから呼吸も私の支配下になってるってわけ。」
 呼吸まで操られてるのは分かったけど、それじゃこいつは俺の身体の中じゅうに入り込んでるってことなのか?
 それでも現状については大体わかった。
「それで、これからどうするつもりなんだ?」
「どうするって?」
「明日からのことだよ。俺の身体を使って、何をしようとしているんだ?」
 コイツの考えは多分大澤さんの考えていた予定とは違っているハズ。それなら気付いてもらえる可能性だってあるはずだ。
 それ以前に大澤さんは俺のことをドローンで確認しているんだよな。だったら明日にでも気づいてくれるんじゃないか? そのことを言えば諦めて解放してくれる……いや、下手に言わない方がいいか? 俺の身体は今、完全にコイツに支配されてるんだ。自暴自棄になられたりしたら何をされるか分かったもんじゃない。
「うん、別になにをするってこともないよ。ただ私があゆむちゃんになって生活するってだけ。」
「は? 何か目的があってこんなことをしたんじゃないのか?」
「わっかんないかなー。私、ついさっきまではただの服だったんだよ?」
 ただの、とはとても思えないけどな。
「ただ人に着られて、着ている人にちょっかいは出せるけどそれだけ。変なことをしたら雪美ちゃんに脱がされてそれでお終い。」
 十分変なことしてただろ。いや、大澤さんの意に沿わないことをしたらってことか。
「それがね、こうやって人間として生きられるチャンスが来たんだよ。だったらそれを生かさないって手はないでしょ。」
 これは逆にマズいかも知れない。目的があるならそれを達成すれば解放して貰えたかもしれないけど、俺として生きること自体が目的だとしたらずっと解放する気はないってことだ。何とか説得出来ないか?
「人間としてって。こんな声で喋ってたら明日にだってすぐに周りにばれるに決まってるじゃないか。」
 声だって喋り方だって俺とは全く違う。これで疑わない人が居るって思う方がおかしい。
「あははー。心配してくれるんだ。でも大丈夫。……ほら。こんな風に声だって自由自在。」
 声が、変わった? いつも聞いてる俺の声だ。
「クラスメイトと喋るときはいつも通りの喋り方をするからね。安心していいよ。」
 喋り方まで! 確かにこれじゃ声から俺じゃないって気付いてもらうのは無理だ。
「これで万一あゆむちゃんが喋れたとしても、どっちが本物だと思われるかは分かるよね。あ、そうそう。ついでにこんなことしてみよっか。」
「こんなこと?」
 うぅ。俺が喋るときは相変わらず小さい女の子みたいな声のままだ。コイツも声を戻したから俺の声を勝手に使われてる感じは無くなったのが救いか。
「うん。ちょっと喋ってみて。私にとっても挑戦みたいなものだから。」
「喋ってみてってぇ、何を喋ればいいのぉ?」
 ッ!? なんだ、今の。俺は『何を喋ればいいんだよ』って言ったはずなのに、口から出た言葉が変わってた?
「あはっ。上手くいった上手くいった。」
「今のってぇ、あゆむちゃんの仕業なのぉ?」
 まただ。舌っ足らずなのは今まで通りだけど妙に語尾が伸びてる。それになんだ? あゆむちゃんって。それは俺の名前じゃないか。俺は『お前の仕業なのか』って言おうとしたのに。
「うん、そうだよー。声は変えてあげたけど喋り方は元のままだったから違和感があったものね。これでばっちり。」
 その声を発しているのが高校生の男の俺だってことに違和感は無いのか?
「それから私のことはこれからあゆむちゃん、って呼んでね。明日からあゆむちゃんとして生きてくんだから呼び名も合わせなきゃおかしいでしょ。」
「ふざけないでぇ! 私があゆみだよぉ。」
 ッ!! 俺、今なんて言った?
「そうねー。今から君はあゆみちゃん。と言っても呼んであげるのは私しかいないけどねー。」
 うぅ。いくら文句を言おうとしてもその言葉自体を勝手に変えられるんじゃ話にならない。「これでばれる心配もなくなったし、明日から私が広瀬あゆむとして生活できるってわけ。」
「もしすぐにばれなくたってぇ、最後には脱がされちゃうんじゃないのぉ?」
 ……そのはずだよな? どれ位先になるかは大澤さん次第だけど、まさか一生この服を着せたままで過ごさせるつもりじゃないはず。 絶対にないとは言い切れないのが怖いけど。
「だから、色々考えてるんだってばー。ほら、これ見て。」
「??」
 目の前に片手を掲げる。指先まで真っ白な手袋に覆われてしまっているけれど、これがどうかしたのか?
 ん、なんだ? 指先から手袋が裂けて……下から俺の手が出てきた。
「?? ……あれぇ?」
 俺の手? いや、見た目は確かに俺の手にしか見えない。けど未だに覆われた感覚が残ってる。
「気付いた? そうだねー、脱皮って言うと分かりやすいかな。これはね、服の形をしている部分を脱ぎ去って肌を再現した薄皮を残してるの。薄くたって私であることに変わりはないからね。あゆみちゃんの自由にはさせてあげないよ。」
 確かに、どう見ても俺の手にしか見えないのにいくら動かそうとしてもピクリとも動かせなかった。
「だから言ってるでしょ? 勝手に動こうとしても無駄だって。でもやっぱり私に逆らったお仕置きはしなくちゃねー。はい、パッチーン!!」
「ッッ!!」
 またお尻を叩かれる感覚。こんな時に限って声まで出せなくされて、痛みを紛らされることすら出来ない。
「大声を出しちゃうと他の人の迷惑になるからねー。こんな夜中なんだし静かにしなくっちゃ。」
 自分で試させるようなこと言っておいて。
 でもこの手みたいに全身を薄皮で包まれた状態にされたら見た目で判断するのは難しい、よな。
、大澤さん、ちゃんと気づいてくれるかな? 大丈夫だよな? 今のこれだってちゃんとドローンの映像を見ればどうなってるか分かるはずだ。撮影してるのに見ないなんてこと、ないよな?
「それじゃー一旦手を戻して、って。今はまだ私に包まれた状態にしておかないとね。それとあゆみちゃんにはお礼をしなくちゃ。」
「おれえ?」
「そ、お礼。だって私が人間として生きていくための一番必要なものを譲ってくれたんだから。」
 必要なもの? なんのことだ?
「この身体のことぉ?」
 ちょっと待て。これじゃ身体を譲ってやったみたいじゃないか。言いたかったのは『この身体のことを言ってるのか。』だったのに。
「身体もそうだけどねー。でも身体だけだったら最悪可動式のマネキンにでも着て貰えれば何とかなるの。見ての通り顔だって再現できるし、栄養は口から摂ることも出来るしね。」
 確かにそうだ。俺の顔を覆った直後は真っ黒だったけど、その後すぐに元通りの顔になった。あれはコイツが色を変えて俺の顔を再現したんだよな。だったら着るのがマネキンでも人間そっくりになれるってことか。
「それよりも重要なのは、あゆみちゃんがこの学校の生徒だったってこと。マネキンに着てもらっただけじゃ私は誰にもなれないの。例え見た目が完璧に人間だって、いきなりその場に現れただけじゃ誰も受け入れてくれないでしょ。」
 つまり、俺に成り代われるからお礼をするって言ってるのか? それこそ譲ってやった覚えなんて全くないぞ。
「そうそう、口から栄養を摂れると言えばね。今、あゆみちゃんの身体の中はね。口から大腸まで全部私に覆われてるんだよ。それってどういうことか分かる?」
 どういう、って……
「わっかんないかなー。これから先、この口で食べたものが直接あゆみちゃんに触れることは無いってこと。雪美ちゃんは私があゆみちゃんの排泄物を栄養にして活動するって言ってたでしょ。でもね、それって半分しか当てはまらなくなったんだよ。」
 いまいち言ってる意味が掴めない。どういうことだ?
「これだけ言ってもダメ? あゆみちゃんが栄養として身体に取り込めるのは腸からでしょ? でも食べたものはあゆみちゃんの腸に触れることは無いの。もちろん餓死させるつもりなんてないからね。私が取り込んで、栄養として消費した残骸をあゆみちゃんの腸に排泄してあげるってこと。」
 排泄、って俺の身体の中に? いや、単に捨てるってだけじゃない。これから俺が栄養として取り込めるのって……
「うそ……でしょぉ?」
「あー。良かった。これで分かってもらえなかったどうしようかと思った。そ。これからはあゆみちゃん“が”、私“の”排泄物を吸収して生きていくの。もっともあゆみちゃんのおしっことか身体の表面から出る垢みたいのは私が処理するしかないんだけどね。だから雪美ちゃんの言葉も半分だけは当てはまるってこと。」
 うぅ。身体の動きだけじゃなくてこんな所まで主導権を取られるなんて。
 ひょっとして、コイツの機嫌を損ねたらそれすらも貰えなくなったりするのか? さっき着られるのはマネキンでもいいって言ってたし、下手したら俺が死んでも皮まず身体を覆ったままで動かし続けるなんてことは……
 うぅ。大澤さん、本当に気づいてよ。お願いだから。
「あー、話ずれちゃったね。お礼をするって話だったっけ?」
 そうだ。お礼っていったい何をするつもりなんだ?
「こういう、こ・と。」
「ッッ!!」
 なっ!! ちょっと待って、身体中ッ、くすぐらないで!!
「ふふ。全身くまなく愛撫して気持ちよくしてあげる。本当はもっと早くこうしたかったんだけどねー。ほら、叫ばれちゃうと私が変なことしてるってばれちゃうでしょ? だからこうやって口が支配できるまで我慢してたんだ。」
 愛撫? 何をッ……身体中をくすぐられるのは昼間にもあったけど、あれよりもずっと激しい。それに、何だか服の内側がヌルヌルしてるの? 昔、お風呂で身体を洗ってる最中に擽られた時みたいな感覚だ。
 あっ!! お尻の中ッ、かき回さないで!!
「知ってる? 男の子の身体ってね、お尻の中に2か所の快感ポイントがあるの。1つはおちんちんを大きくして射精をさせるための前立腺。」
 は? 急に、何を言い出すんだ?
「そしてもう一つは精嚢って言ってね。ここを刺激すると男の子でも女の子みたいなイキ方が出来るの。今刺激をしてあげてるのはそっちなんだ。」
 いいからっ、止めてよ!!
「あははっ。本当だったらものすごい息荒げてるねー。これじゃ過呼吸になっちゃったかも。でも大丈夫。こうやって私がちゃんと呼吸まで管理してあげるからねー。過呼吸にも酸欠にもしてあげないから。ずっと意識を保ったまま、快感を受け入れてね。」
「気持ちよく、なんてぇ。」
 うぅ。叫びたいのに。出来るだけ強く喋りたいのに。ただでさえ幼い喋り方の上に鼻にかかった声で囁くようにしか喋れない。これじゃ本当に気持ちよくなってるみたいじゃないか。
「うんうん。最初はお尻だけじゃなかなか気持ちよくなれないよね。だから、一緒に気持ちよくなれるポイントを重点的に愛撫してあげる。」
 あっ!! ちょっと、止めッ!!
「どう? 男の子だって乳首で気持ちよくなれるんだよ。」
 うあぁ!? 胸の刺激が急に強く……くすぐったいだけじゃない。なんなんだ、これ。
「と言ってもやっぱりこっちも慣れが必要なんだよねー。だから、大サービスでおちんちんも弄ってあげる。」
 ひあぁっ!? ペニスをそんなに激しくこすらないで!!
「あ、でも気を付けてね。あんまりおちんちんに意識を向けちゃうと……って遅かったかなー。」
「ッッ!! ~~~~~ッッ!!」
 痛ッ!!
「だからさー。おちんちんは大きくなれない様にしてあるって雪美ちゃんにも言われたでしょ?」
 ペニスが潰されるような痛み。いや、正確には潰されてるんじゃない。勃起しようとしているのに押さえつけられて、大きくなれずにいるんだ。
「あゆみちゃんのおちんちんはちっちゃなままで完全に包みこんじゃってるからねー。いくら大きくなろうとしてもだーめ。上にも下にも逃げ場は作ってあげないから。」
 そんなっ。うぅ、腰が引けそうになるのに、身体が動かせなくてそれすら……
「ほら、勝手に身体動かさないの。覚えるまで何度でもお尻ぺんぺんだからねー。」
 ひっ!! お尻ぺんぺんだなんてそんな生易しい痛みじゃない。平手で直接肌を叩かれたような痛み。何度叩かれても慣れる気がしない。「んっ、くぅっ……」
 漏れ出る声も可愛らしく変えられてしまっている。なんだか小さな女の子がすぐ近くで声を上げてるみたいで、変な気分になってしまいそうだ。
「ほらほら。早くお尻の快感を受け入れないといつまで経ってもおちんちんは痛いままだよー。」
 快感だなんて言われてたって、お尻の中をかき回されるのが気持ちいいわけがないじゃないか。
 受け入れるって一体どうすればいいんだよ。
「あー、逆におちんちんが大きくなろうとしちゃってるねー。そう言えばあゆみちゃん、床オナニーって知ってる?」
「床、おなにぃ?」
「その反応だと知らなさそうだねー。おちんちんを床に押し付けて潰しながらするオナニーのことだよ。こうやっておちんちんが大きくなれないままのオナニーだとそれに近いのかもねー。」
 そんなこと言われたって、その床オナニーをしたことなんてないんだから分かるわけないじゃないか。そもそも今はオナニーなんかじゃなく、一方的に身体を弄られてるんだし。
「う~ん。なかなかイけなさそうだし、ちょっとサービスしてあげよっか? おちんちんの刺激を強くしてあげる。」
「ッッ!!!」
 何、これ? どうなってるの!? ペニス全体が刺激されてるのは分かる。でもこれ、どっちの向きに撫でられているのかがさっぱりわかんない。まるでペニスを細かく分解されてそれぞれを別々に刺激を受けてるみたいな異様な感覚だ。
「あははっ。いい反応。どうなってるか知りたい? ものすごく細い触手を伸ばしてそれぞれがおちんちんにを撫でてあげてるの。それも気持ちよくなれる粘液に分泌しながらね。人間じゃ再現できない気持ちよさでしょ?」
 気持ちいい? のか? 潰される痛みと一緒になってわけが分からなくなってる。でも射精をするための感覚としてならお尻や乳首よりはペニスへの刺激の方が受け入れやすいハズだよな。
 それに昨日、化学室で射精して以来ずっと射精直前の様な感覚が続いてるんだ。ペニスに集中すればこんな状態でもイけるかも知れない。
「あゆみちゃんのおちんちん、透明なお汁が溢れてきてるねー。もうちょっとでイケちゃうかな?」
 うぅ。あまり茶々を入れないで。意識が変な方に持っていかれる。
 あ、でも……うん。あとちょっとで、イケそう。んッ……
「あ~ん。あゆみ、イッちゃう~~~!」
 なん、だ? 今の。
 俺の口から出た言葉なのは間違いない。でも、さっきまでコイツが喋ってた声じゃない。むしろ俺が喋ろうとしたときに出していた声色っぽかったような……
「あはは。あゆみちゃんがイくのが分かったからから気持ちを代弁してあげたんだけど、どう? 似てたでしょ?」
 似てるもなにもっ、お前が勝手に変えた声なんじゃないか。喋り方だって俺の本当の喋り方とは似ても似つかないんだし。
「うんうん、まだおちんちんがビクンビクンしてるねー。でも残念。まだ男の子としての絶頂かー。」
 うぅ。相変わらずいつ射精が終わったのかが分からない。ずっと射精が続いている様な、それでいてペニスの中を成績が通る感覚がなくて全然イケてないような変な感覚がずっと続いている。
「んんっ……」
 でもペニスが萎えてきてるし、もう終わった……のか?
「ね、ねえ。もうイッた。イッたから、止めてよ。」
 射精は終わってるはずなのに、身体中をまさぐる刺激はずっと続いたままだ。
「何言ってるの。お礼をするって言ったでしょ? これから先、ずっとあゆみちゃんを気持ちよくしてあげるのがそのお礼だよ。」
 ……は? コイツは一体何を言ってるんだ。
「さっき射精をした時も、お尻や乳首も弄ってあげてたからねー。そっちの刺激も快感として脳が結び付けてくれてるはずだよ。その内おちんちんを弄らなくてもちゃんとイけるようになるから、頑張ろうね。」
「そんなの、ヤぁ!!」
「ヤでもなんでも、あゆみちゃんの意思は関係ありませーん。」
 んんっ!? コイツの言葉に合わせるようにお尻の刺激が一段強くなった。
「でもね、ずっとこのままじゃ男の子としてしかイけなくなっちゃいそうだから、、次からはおちんちんへの刺激は途中で止めちゃうね。」
「途中、でぇ?」
「そ。次はイく直前になったらおちんちんへの刺激はストップ。その次はもうちょっと前に、一回イくたびに少しずつおちんちんへの刺激を減らしていくの。最後にはきっとお尻だけでイケるようになるはずからね。」
 そんなの、しなくていい。だからもう止めてよ。……あれ?
「なんでぇ? 今射精したばっかりなのにぃ。」
 またペニスが大きくなり始めてる!?
 ずっとしてなかったならともかく、昨日の昼にも射精したのに。いくら身体中を弄られてるからってなんでこんなすぐに勃起するんだよ?
「おちんちんが大きくなったのが不思議? じゃあ種明かししてあげよっか。」
「種明かしぃ?」
 まさか、これもコイツの仕業なのか? でもどうやって……
「ふふ。昨日射精をした時に、輸精管をさかのぼって触手が入り込んだって話はしたよね。射精直前に精液が溜まるところで風船みたいに膨れた、って。でもね、実はそれだけじゃなかったんだ。」
 どういうこと?
「精液ってね、タマタマで作られた精子と今も刺激してあげている精嚢で作られた精嚢液が混じったものなの。射精すれば当然溜まってた精子と精嚢液が減っちゃうでしょ? もし私がそれを補充してあげたらどうなると思う?」
「補充ってぇ……」
「あゆみちゃんの頭の中、脳みそはね。今どれ位精子が溜まってるかってのを判断してるんだ。たっぷりと精子が溜まっているならすぐに射精したいって欲求を生み出すのは分かるよね。」
 何となくだけど、理解は出来る。何日もオナニーをしてないとオナニーをしたくなるってことだよな。
「私が精子や精嚢液……そのものじゃないけどね。あゆみちゃんの脳みそじゃ区別できないようなよく似たものを注いであげるとあら不思議。あゆみちゃんの脳みそは、精子が限界まで溜まってると判断して射精したくてたまらなくなっちゃうってわけ。」
 ウソだろ、そんなの……
「普通だったら何度も射精をしたら精液が出なくなっちゃうでしょ。でも今のあゆみちゃんなら大丈夫。例え何百回射精しても、ずっとオナニーをせずに我慢した後みたいな特濃の精液が毎回出せるってこと。」
 信じられないけど、実際に今ペニスが大きくなってることを考えれば本当だと信じないわけにはいかない。
「それにね。普通はおちんちんからはおしっこも出すからずっとオナニーなんてしてられないよね。でもあゆみちゃんの場合は膀胱に入れた私の触手がおしっこを処理してあげてるからね。ずっと射精だけをしていることだって出来るんだよ。」
「そんなのうそ……だよね?」
 射精っぽい感覚はずっと続いているけど、もし本当に射精が続いたら? うぅ。考えたくない。
「嘘かどうかは実際に体験してみるのが一番じゃない? さ~ってと。そろそろ私もお布団に入らなきゃね。明日も学校に行くんだし。」
「えぇ? ちょっと待ってぇ。」
 俺の身体を使ってベッドの上で横になる。ひょっとしたら終わるのかと思った身体中の刺激は弱まる気配がない。
「だから。言ってるでしょ? あゆみちゃんはずっと気持ちいいまま。女の子としてイけるようになればそれが一番だけどね。ずっと男の子としてイったとしも怒ったりしないからたっぷり気持ちよくなってね。何度射精してもちゃんと精子を補充してあげるんだから。」
 そんなのしなくてっ、いいのに。
「それじゃ、おしゃべりタイムは終了ね。また私がお喋りしたいときに口を使わせてあげる。」
「ッッ!!」
 くそ、また声が出せなくされてしまった。
「おやすみ、あゆみちゃん。」
 あ、待って。電気消さないで。真っ暗だと身体の刺激にばっかり意識が……止めて。もう動かさないでよ!!

「んっ、くぁ……」
 一体どれ位の時間が経ったんだろう。時間の感覚は既に消え失せてしまった。
「んんっ!」
 暗闇の中、身動きも出来ないまま体中を撫でまわされるような感覚だけが続いている。
「ふぅ……んっ、はぁ……」
 撫でまわされる、と言ってもくすぐられているわけじゃない。いや、確かにくすぐったさも感じている。けれどもくすぐったさ何かよりも俺の意識を占めているのはもっと別の感覚。認めたくはないけれど気持ちよさ、つまりは快感だった。
「んっ、ぐう……」
 乳首を、脇腹を、お尻の穴を。以前だったらくすぐったさや気持ち悪さしか感じなかったハズの場所を撫でまわされているというのに、俺の身体はこの感覚を快感として受け取れるようになってしまった。全身を、と言ったけれどそれでも例外はある。これだけ快感を送り込みながら一番敏感な場所、ペニスだけには全く刺激が与えられていなかった。
「ひうっ!?」
 快感に抵抗しようと思うと刺激が強まり、諦めて受け入れようとすれば弱められる。微妙な強弱によって、快感を味合わされ続けながらも決して達することが出来ないように調整されていた。むかつく程に俺の状況を完全に把握されてしまっている。
「んぐぅ……」
 もし身体が自由に動かせたなら、すぐにでもペニスを扱きあげているだろうに。今の状況ではそれすら叶わない。
「あっ……んんっ!? ひあぁっ!!」
 急激に体中に送り込まれる刺激が強くなった。ってことはもう1時間経ったのか?
 1時間おきに与えられる絶頂。これが今の俺が時間を知れる唯一の方法だ。と言っても既に何度絶頂を迎えさせられたのか数えてなんかいない。分かるのは先の絶頂から1時間経ったってことだけ。結局こんな目に合わされてからどれくらいの時間が経ったのかが分からなくなってしまっていることに変わりはない。
「あっ、あぅぅ!」
 余計なことを考えている間にも強まる刺激に身体は絶頂へと向かっていく。誰にも見られていないこんな状況じゃ表情を取り繕おうだなんて気も起らない。
 ただただ快感を受け入れ何度目かも分からない絶頂へと到達しながら、こんな目にあった原因が脳内に走馬灯のように流れていた。









 ―――――― ぴんぽんぱんぽーん ――――――
 唐突に鳴り響く呼び出しのチャイムで授業が中断される。何人かの視線が既に俺へと向けられていた。
 頼む、俺の呼び出し以外の内容であってくれ。
『1年C組、広瀬あゆむくん。1年C組広瀬あゆむくん。至急、第二化学室まで来てください。』
 くっ。そんな願いもむなしく、聞きなれた声が俺の名前を呼ぶ。
 ―――――― ぴんぽんぱんぽーん ――――――
 呼び出し後のチャイムが鳴っても教室内は静まったままだ。
「広瀬君、アナタ今呼ばれたでしょう? 早く行きなさい。」
 授業中だから席を外すな。そんな先生の言葉を期待したけれど、かけられたのは真逆の言葉だった。
「……はい。それじゃ済みませんけど行ってきます。」
「えぇ、頑張ってね。特待生さん。」
 申し訳程度の応援を受け、授業を再開した教室を後にした。




 特待生。先生が口にしたのは俺のことだ。特別待遇生徒を略して特待生。この学校にある制度の1つで、これに選ばれた生徒は様々な特典を受けることが出来る。
 例えば授業料や寮費が免除されること。例えば授業を受けなくても単位が貰えること。例えば卒業後に希望すればこの学校を運営する財団の企業に就職できること。
 もちろん特典が得られるだけじゃなくて、果たさなければならない義務もある。と言うか、その義務があるからこそ特典が受けられるんだけど。
「……っと、まだ居ないか。」
 到着した第二化学室は無人だった。ここからはうちの教室より放送室の方が遠い。きっとまだこっちに向かっている最中なんだろう。
 それなら直接教室に来て呼び出せばいいものをわざわざ放送をするんだから意地が悪いというかなんというか。
「はぁ。今度は何をされるんだろう。」
 思わずため息が漏れる。さっき放送で俺を呼び出したのはクラスメイトの大澤雪美さん。彼女もまた特待生だ。
 同じ特待生と言っても俺とはかなり事情が異なる。彼女はその天才性を見込まれ、この学校へと招かれた本当の意味での特待生だ。授業なんて受けるまでもなく、本気でテストを受ければ簡単に満点を取れると言われている。もっともテスト自体滅多に受けてない様だけど。
 財団企業への就職だって、彼女に対する特典と言うよりはむしろその天才を取り込みたいという企業側の都合によるものだ。
 それに対して俺はと言えば普通の受験でこの高校に入学したただの凡人に過ぎない。
 それが何故特待生に選ばれていると言えば彼女に指名をされたからだ。大澤さんは中学のことからおかしな研究をしては先生やクラスメイトを使って実験まがいのことをしていたらしい。その実験内容が目に留まりこの学校へと招かれたそうだけれど、誰でも彼でも実験に巻き込んでいては学校の評判に関わるし授業の進行にも差し障る。ということで彼女の実験に付き合う生贄を差し出すことなった、ということだ。
 そうして俺も特待生に選ばれたわけだけど、それはあくまで大澤さんの実験に付き合うのが条件だ。呼び出しを受ければ授業中だからって断ることは出来ない。大澤さんと違って普通の出来の頭しか持ち合わせない俺が授業を受けなければ当然ついていけなくなるし、テストだって酷いことになる。それでも俺個人の都合として授業料の免除や食事つきの寮に無料で入れるのはありがたく、二つ返事で引き受けてしまった。
 しまった。つまり、今は後悔しているわけだけど。
 さっきの話、教室で呼び出せばいいのにわざわざ放送をしたのはこれから俺が実験台になるのを全校に対して通知したのに等しい。またみんなから変な目で見られるんだろうなぁ。
「おー、お待たせ。よく来たね、あゆむくん。」
「うん。こんにちは大澤さん。」
 背後から声をかけられ、振り向けば白衣をまとった大澤さんが入り口に立っていた。小柄な彼女は下手すれば小学生にも見えてしまう。本人が言うには白衣はそんな見た目への抵抗らしいけれど、まるで子供が大人びた格好をしたがっているようで余計に違和感がある。
「我がラボへようこそ。」
 この第二化学室は元々は移動教室として使われていたそうだけれど、今では彼女専用の実験室であるかのようになっている。本人も自分のラボと言ってはばからない。部屋の隅には……いや隅どころか半分近いスペースが彼女の発明品やら実験器具やらで埋められている。入学して1年も経たずにこうなのだから、そのうち第一化学室まで明け渡す羽目になるんじゃないかな。
「こんにちは、か。そう言えば今日はまだ会っていなかったな。いや。ここしばらくぶり、だったか?」
「そうだね。大澤さん、滅多に教室来ないから。」
 確か前回に会ったのは先々週の金曜日、次の実験のためと言って血を取られた時だったかな。素人に注射器を使われるのは怖かったけど、妙に手慣れた手つきで血を抜かれたっけ。
「で、何の用? 授業中に抜け出してきてるから出来れば手早く済ませて貰えると嬉しいんだけど。」
「そうだな。じゃあ早速本題に入ろうか。これを見て欲しい。」
 乱雑に物の置かれた机の一角、大澤さんの指差した先には学生服が置かれていた。その隣にはトランクスとランニンシャツといった下着も並んでいる。
「これって、学生服だよね。」
 今着ている学生服と同じ、ボタンもうちの校章入りだ。
「そうだ。そして学生服の用途と言えばひとつしかないだろう。つまり、それを着るんだ。」
 正直言って嫌な予感しかしない。だからって断ることは特待生を辞退することとイコールになってしまう。
「着るのはいいけど……ここで?」
 流石に女子の目の前で裸になるのは抵抗がある。トランクスも履き替えるなら全裸にならなきゃいけないわけだし。
「うん。そう言うと思ってちゃんと用意をしてあるよ。ほら、ここを使いたまえ。」
 ここ、って? 試着室? あれ? こんなのさっきからあったっけ? いつの間にか縦横1m、高さ2mほどのプラスチックっぽい壁で覆われた小さな部屋が化学室に出来ていた。
「ほら、時間が無いのはこちらも同じなんだ。さあ入った入った。」
 学生服と下着を持たされ、試着室へと追いやられる。カーテンではなくちゃんとした扉だし、中から鍵もかけられるみたいだった。よくある試着室と違って足元や上の方にもスキマは無くて、覗かれる心配もなさそうだ。
「これを着ればいいんだね。」
「うむ。当然下着もな。」
 何を企んでるのかは分からないけれどとにかく着てしまおう。 試着室は思った以上にしっかりとした作りだった。まさか俺が着替えるためだけにこんな部屋を作ったのか? だとしたら凄く無駄な気もするけれど。
「っと……」
 普通の試着室ならあるような壁のフックやそこにかけるハンガーは用意されていないみたいだ。てことは今着てる服は脱いだら床に置くしかないかな。
「もう着れたかい?」
「いや、ちょっと待って。流石にまだだから。」
 あんまり時間をかけてても機嫌を損ねそうだし、ちゃっちゃと着替えなきゃならないな。まずは今着ている服を脱いで、と。
 これ、見た感じは普通のトランクスだよな。わざわざ着替えろって言ってきた位だし何か仕掛けでもあるんじゃないかと思ったけど、ただの黒いトランクスでしかない。ランニングシャツにも異常は見当たらないな。着ても……うん、別に異常はないな。
 学生服もうちの学校で指定されてる普通の学生服っぽいんだよな。でもちょっと生地が厚いような気もする。冬用? いやいや、そもそも学生服に夏用も冬用もないじゃないか。
 厚手なせいかちょっとつっかかる感じはあったけど普通に着れたな。
「着替え終わったよ。これでいい……あれ?」
 扉が開かない? 鍵もちゃんと外したのに。
「うむ。ご苦労様。それじゃそのままちょっと待機してくれ。」
「え、うん。」
 何やら外で動いているらしい音が聞こえる。閉じ込めるのも計算の内、ってことなのかな。
「まずは……こうだな。」
「は??」
 大澤さんの声とともにいきなり目の前の壁が消え失せた。いや、違う。壁は今もしっかりある。ただ透明になっただけだ。しっかりと磨かれたガラスみたいな透明感。ちゃんと見れば壁があるのは分かるけれど、うっかりすると見落としかねない透明度だ。
「ひょっとしてさっきまでもこんな風に透明になってた?」
 化学室に入った時に試着室に気づけなかったのって、このせいだったのかも知れない。
「その通りだよ。見ての通りこいつは透明な液晶板でね。必要に応じてテレビ画面のように映像を映し出すことが出来る代物なのさ。さっきまでは一面に単色を映し出すことで壁だと思わせていたってわけだ。ちなみに、もう一つ面白い設定が出来てね。」
「面白い?」
 なんだろう、妙な予感がする。こうやって自慢げに話をするときは大抵ろくなことじゃないんだ。
「うむ。片面には画面を映し出しつつ、逆側は透明にすることが出来るんだ。つまりマジックミラーの様なものだな。君が訝し気な表情を浮かべながら着替えをしていたのは全てこちらから確認できていたというわけだ。」
「ぐ……いや。大澤さんのことだからカメラとカ仕掛けてる可能性も考えてたし、見られるのは覚悟してたよ。でもなんでそんな自慢げに語るかな。」
 口では強がって見せても頬が熱を持っているのが分かる。これまでだって何度か裸を見られたことはあるけど恥ずかしいものは恥ずかしいんだよ。仕方ないだろう。
「いやぁ、君の照れる顔を見るのが好きでね。だからこそ君を私のパートナーとして指名したわけだしね。」
「そりゃどうも。」
 パートナー。実情はただの実験台だとしても大澤さんは俺のことをそう呼んでくれる。それで少し嬉しくなっちゃってる俺も大概に単純だよな。
 それに彼女に特待生として指名して貰えたおかげで学費を免除されて学校を止めずに済んだって恩もあるわけだし。
「それで? ここからはいつ出してくれるの?」
 扉も透明になったことで分かったけれど、外から閂の様な鍵がかけられていた。これを外して貰わない限りここから出ることは出来そうにない。
「まあ待ちたまえ。君のその服に目覚めて貰えばすぐにでも出してあげるよ。」
「目覚めて?」
 服が? 何を言ってるんだろう。
「さて取りい出しましたるはタネも仕掛けもないただの霧吹き。こいつを試着室内に吹きかけると……」
 大澤さんが手にしたのは先端に細長いノズルのついた霧吹きだった。扉のわずかな隙間に先端を差し込み、言葉の通りに中へと吹きかけてくる。
 妙に甘ったるい匂いが室内に広がる。逃げ場がないとはいえどうしても我慢できないほどの臭いじゃ……
「あれ?」
 急に手首を握られたような感覚。でも試着室内に居るのは俺一人だ。誰かに握られることなんてあるはずがない。
「え、なんで?これ。」
 よく見れば学生服の袖口が窄まり、張り付くように手首を締め上げていた。いや袖口だけじゃない。張り付く範囲はどんどん広がって二の腕、肩へと向かっていく。
「大澤さん、なにこれ? どうなってるの!?」
「そんなに慌てるようなことじゃないよ。着て貰ったその学生服。と、下着もだね。それらは私の開発した疑似生命体でね。これまではただの服に擬態をしていたが、このスプレーにより本来の姿に戻ろうとしているんだ。」
 本来の、って?
 大澤さんが説明をする間にも服はどんどん体へと張り付いていく。気付けばまるで黒の全身タイツを着ているかのようになってしまった。
「これで、終わり?」
 下着も一体化しちゃったのかな。股間が盛り上がってしまっているのが少し恥ずかしい。
「まさか。私の発明品がその程度の変化しかしないわけが無いだろう。」
 大澤さんの言葉通りだった。一旦取っていた休憩を終えたかのように再び学生服、いや既に学生服の面影の残っていない服が動き出す。袖口が伸び指先まで覆われてしまう。裾も同じように足首から爪先まで伸び、顔以外の全身が包み込まれてしまった。
 足の変化はそれで終わりじゃない。両側から押さえつけられるように形が整えられ、先端の尖った靴でも履いているかのようなってしまった。更に踵から細長い棒が伸びる。これじゃまるでハイヒールを履いているみたいだ。
「あっ……っと。」
 細い踵は思った以上にバランスと取るのが難しい。思わず尻もちをついてしまった。
「う~ん。しばらく穿いていれば慣れるとは思うが。変化させるときは座らせておいた方が良かったかもしれないな。今後の反省点としよう。」
「そんな冷静にしてないで、転んだんだから少しは心配してよ。」
 怪我をするほどじゃなかったとはいえ、自分のことばかり考えているかのような大澤さんの言葉にちょっと腹が立つ。
「しかしだな。痛みはなかったんじゃないか?」
「……あれ? そう言えば。」
 怪我どころか言われてみれば痛みは無かったような。結構勢いよく尻もちをついたはずなんだけどな。
「その服には外部からの衝撃を吸収する機能もあるんだ。だから今後も気にせずじゃんじゃん転ぶといい。」
「まさか転ぶの前提で衝撃吸収機能なんて持たせたの?
「そんなわけではないのだがな。まぁ変化が全てが終わったらその辺りも説明しよう。ほら、腰回りも戻ってきたぞ。」
 なんだ、これ。一瞬全身タイツが変形してスカート型になったのかと思った。確かにスカートっぽくはあるんだけれど、スカートとは決定的に違う点がある。スカートなら一枚の布を腰に巻き付けるから当然下着は見えなくなるはずだ。
 それに対して今の俺が穿かされているのは少し違う。なんというか、腰から下が花のようになったとでも言えばいいのだろうか。重なり合わない花びらが腰から生えているみたいだ。実厚な花びらは軽く膨らんでいで、花びら同士の隙間を一層広くしてしまっている。おかげでその隙間からは股間の膨らみがはっきりと確認できてしまう。
「よしよし。計算通り。ちょうどスリットが中央に来るようにしてあるからね。スカートを穿いててもちゃんと男の子だって分かって貰えるんだ。嬉しいだろう? 女の子っぽい顔のせいで女子扱いされるのがコンプレックスだって言ってたものな。」
「くっ。」
 確かに女顔と言われるのはコンプレックスだったけど、だからこそこんなスカートみたいな服を着るのは嫌に決まってるじゃないか。
「ほら、次は胸元だ。」
 下半身に気を取られている間に胸が膨らんでいた。てっきり……その、女の人の胸みたいにされたのかと思ったけれどそうではないらしい。膨らみは次第に形を変え、胸元にリボンを付けているかのように整えられていく。「後は色が付けばひとまずの変化は終了だよ。」
「色、って……うわ!?」
 全身を覆っているこの服は元々が学生服だけあって黒一色だった。けれど、大澤さんの言葉とともにその色が変わり始める。
 上半身と花びらのようなスリットの入ったスカートは紫色に染まる。スカートと上着には継ぎ目もなくてまるでワンピースでも着ているかのようだ。いや、上半身全部が同じ色かと思えばそうじゃない。よく見れば肩の周りは少し膨らんでいて、色も淡い紫になっている。
 指先まで覆われたと思っていた腕は手首付近に袖口のような段差が出来ていて、その先は手袋を付けたかのように真っ白だ。
 胸元に出来上がったリボンは群青色で、俺の呼吸に合わせるようにふわふわと揺れている。リボンだけ見れば不自然な揺れのように見えるかも知れない。でも見方によっては女の人の膨らんだ胸が揺れてるのを再現しているようにも見える。
 下半身も既に黒一色から変わってしまっていた。踵の高い靴はヒールの高いパンプスなのかと思ったけれど色が付いたことでそうじゃないってことがわかった。足の先から太ももの3分の1ほどを残してくすんだオレンジ色に染まっていた。袖と違い足首には段差もなくてものすごく長いブーツを履いているみたいだ。履き口が斜めになっているんで、その上に見える下着が強調されてしまっている。
 そう、問題なのが下着だ。股間部分は白く染まっていてまるで女性用の……パンティ? ともかくブリーフよりも一回り小さくて体にぴったりと張り付くような下着を穿かされている。ご丁寧なことに正面には小さな赤いリボンまでつけられている。どう見ても女ものの下着なのに実際に穿いているのは男の俺だ。おかげで股間にはペニスによる膨らみが出来ていて、まるで変態みたいじゃないか。いや、下着に限らずこんなスカートを穿いてる時点で既におかしいんだけど。
 下着とブーツの間も肌が出ているわけじゃない。黒いストッキングを履いているみたいでうっすらと肌色が透けている。いや。透けて見えているだけ、と言った方がいいかな。実際に触ってみればそこも厚みのある服に覆われているみたいで太ももには触られているって感覚が届かない。
 もちろんパンティもストッキングに覆われているわけで、実際には白と言うよりは灰色っぽく見えているんだけど見た目のイメージとしては白いパンティの上に黒いストッキングを穿いている様にしか見えない。
「うんうん、予定通りだ。うまく行ったな。」
 大澤さんは満足そうに頷いているけど、俺はそれどころじゃない。こんな服、一刻も早く脱ぎ去ってしまいたい。
「じゃあ、これで終わり? だったら脱いでいい?」
 そう言って服に手をかけて……手が止まった。脱ぐ? どうやって? 学生服だった時には正面に合わせにボタンが着いていたけれど形が変わった時に消えてしまっている。それどころか継ぎ目一つすら見えない。
 服を摘み上げようとしてみても身体に張り付いてしまっているかのようで僅かな隙間を作ることすら出来ない。まるで服自体が肌になってしまったような……いやいや、そんなことあるはずない。
 今俺の肌が出ているのは頭だけだ。タートルネックのように変形した服は首まで包み込んでしまっている。脱げるとしたらここからとしか考えられないけど……
「あ、あれ?」
 本当に身体に張り付いているのか、服と肌の間に指が入ってくれない。
「待ちたまえ。脱いでいいはずなんて無いだろう。これからそのままで生活をして貰って経過を観察しなきゃならないんだからね。」
「そのままって、そんな!? まさかこれで教室に行けって言うつもり?」
 出来るだけ考えないようにしていた可能性。これまで色んな実験に付き合ってきたけれど全てその場で終了してた。だから今回も、と思っていたのに。
「勿論だ。そうそう、コイツは以前に見せたことがあったかな?」
 大澤さんが人差し指を立てる。『コイツ』を見ることは出来ないけれどおそらく何を言っているかは想像できた。
「ドローン、だよね?」
「その通り。超小型のカメラ付きドローンだ。出来れば君に付き添って確認したくもあるんだけれどね。私には他にもすることがあるし、第一私まで教室に行ったら周りの連中が色々と忖度するだろう。」
 教室で大澤さんがかなり浮いた存在となっているのは事実だ。特待生だから、と言うだけだけじゃない。今は俺が専用の実験台になっているとはいえ、過去に誰彼構わず実験台扱いをしていたことは学校中に知られている。下手に期限を損ねればいつ自分が標的にならないとも限らない。そう考えれば出来るだけ関わらないようにしても不思議はない。
「とうわけでこんな風に君を観察させて貰おうか。」
 パチン、と大澤さんが指を鳴らすと黒板に俺の姿が映し出された。それも4画面に分割されていてそれぞれ違う角度から撮られている。
 これって試着室の壁と同じように黒板まで液晶板に差し替えていた、ってことだよな。それでドローンも1体じゃなくて4体、いやそれ以上だ。画面が切り替わりながらありとあらゆる角度からの俺が写されている。
「さて。それじゃ出てきたまえ。」
「え、あ。うん。」
 試着室の扉を固定していた閂が取り外される。そうだ、外の景色が普通に見えてたから忘れてたけど閉じ込められていたんだっけ。
「あ、っと……」
 不慣れなハイヒールのせいでバランスを崩しまた転びそうになってしまう。
「しばらくは気を付けたまえ。その内普通に歩けるようになるからね。」
「うん。」
 大澤さんに助けてもらって転ぶことは避けられた。けどさっきの言葉ってつまり、ハイヒールに慣れるまでこの服を脱がせるつもりはないってことだよな。
「しまった。忘れることろだった。最後の仕上げがあったな。」
「しあげ?」
 俺の手を取ったまま机の前へと移動する。無遠慮に手を引かれて転びそうにもなったけれど何とか耐えることが出来た。
「さ、これで本当の完成だ。」
「これ、なんなの?」
 紅い宝石の付いたブローチの様なものを手首へと付けられた。裏側に留め金とかは見えなかったから、服が俺の身体に張り付いたみたいにブローチともくっついたってことなのかな。
「こいつに関しては追ってのお楽しみだ。それではキミは教室に戻り給え。先生にもよろしく伝えておいてくれるかい。」
 時計を見れば既に次の授業に移っている時間だった。校内放送で呼び出されたんだから俺が居ない理由も分かってくれてる、よな。
 大澤さんと違い実験台として特待生になった俺の場合は授業の免除にも条件がある。免除されるのはあくまで特待生である大澤さんに呼び出されて授業に出られない時だけだ。
 これでもし教室に戻らなかったら授業をボイコットしたことになってしまう。これまにでも授業中に何度も何度も呼び出されたせいで授業に付いていけなくなってしまった。これで特待生資格を剥奪でもされたら、まともに俺を採用してくれる会社があるか疑問だ。
 つまり、特待生で居続けるためにもこの格好のまま教室に戻らざるを得ないってことだ。
「うぅ。じゃあ俺は教室に行くけど、大澤さんもたまには教室においでよ。」
「考えておこう。」
 既に俺への興味を失いかけているのか机に向かったままこっちを見もしない。ドローンの映像は記録も残せるって言ってたし、多分後でまとめて見れば十分なんだろうな。 教室へと向かう足取りが重い。慣れない踵の高い靴で物理的に歩きづらいってのもあるけれど、それよりもこんな格好で教室に入ることを考えると気が滅入る。
 全身を包む肌にぴったりと張り付いたタイツの様な服。それを飾り立てるようなスカートと胸元のリボン。スカートはスリットが入っていて隙間から下着が丸見えだ。ヒールの高いブーツは太ももまで覆っていて丸見えの下着を強調している。。
 旗から見れば今の俺はそんな恰好をしているわけだ。これを女の人が着ていたなら俺だって目を奪われる。でも着ている俺は男で、おまけに股間にはしっかりと膨らみが確認できてしまう。
「あっ!? ……と。」
 またヒールに足を取られて転びそうになった。ちょっとでも足をつく角度がずれるとすぐにバランスを崩してしまう。こんな靴、一体誰が考えたんだろう。
 今が授業時間で良かった。休み時間にこんな格好で廊下を歩いていたら絶対に人が集まってくる。ただでさえ恥ずかしいのに靴のせいで歩くスピードはが上げられないし、すぐに転びそうになるし。こんなの絶対に見せ物になるに決まってる。
「ん、と。」
 これまではスカートを抑えてたけど、もう諦めて壁に手をつけて歩こう。うん、こっちの方が歩きやすい。
 よし、あとちょっとで教室だ。
「はぁ。」
 ようやく入り口までは着いたけど……入らないってわけにはいかないよな。
 大澤さんに呼び出されたままだったってことに……いや、駄目だ。本人に確認されたらすぐにばれてしまう。それどころか大澤さんは今だってドローンで俺のことを確認しているわけで、教室に入らずにいたらサボったってことを告げ口されるかも知れない。
 仕方ない、せめて後ろのドアからこっそりと入ろう。





「おいおい広瀬ぇ。遅れてきたら何か一言くらい必要なんじゃないか?」
 教室に入り、こっそり席に移動しようとしたところで田川先生に咎められてしまった。
「……すみません。大澤さんに呼び出されていたので遅れました。」
 一応俺だって特待生で、状況によっては授業だって免除される立場なんだけどな。大澤さんに呼び出されたのはさっきの放送で分かってるハズなんだからスルーしてくれたっていいのに。
「特待生の特権ってやつか。でもな、一応は学生なんだから本分の授業はあんまりおろそかにするもんじゃないぞ。」
「……はい。」
 そんなこと言うなら全然授業に出てこない大澤さんにだって言えばいいのに。なんでか目の敵にされてるような気がする。
「というかだな。広瀬、なんだそりゃ。凄い格好だな。どうしたんだ? ちょっとこっちに来てみろ。」
「え、いや……それは……」
 そうだった。この先生、すぐに授業を脱線するんだった。おかげで勉強嫌いの生徒から人気は高いけど一部の授業に集中したい奴には評判悪いんだ。
 これが真面目一辺倒な古文の飯嶋先生だったり、黒板を埋めることに全てを賭けてるような数学の河野先生なら俺のことなんて気にしもしなかったハズなのに。なんでこんな時に限って英語の授業なんだよ。
「ん~。俺としても、ちゃんと制服を着てない生徒には注意しなきゃならない立場だからなぁ。ほら、いいから来い。」
「あっ、ちょっと。待ってください。」
 腕を引かれて無理やり教壇に立たされてしまう。前の授業中に席を立つまでは普通の格好をしてた俺がいきなりこんな服を着て戻ってきたせいか、皆の視線が一斉に向けられている。
 にやにやと笑っているヤツ、可愛そうなものを見るような目をしているヤツ、呆れているヤツ。共通しているのは俺のこの格好を見て優越感を持ってるってことだ。
「うぅ、見ないで……」
 どこを隠せばいい? 顔? いや違う。それよりも一番見られちゃいけないのは外からも膨らみがはっきりと分ってしまう股間だ。
「ッッ!!」
 両手で花びら状のスカートを纏めて押さえ、股間を覆う。バランスを崩しかけて思わず内股になったけど、こんなポーズをしてたらまるで本当の女の子みたいじゃないか。
「で? 広瀬。なんで制服を着ずにこんな格好をしているんだ?」
「それはその。この服は大澤さんに着せられまして……」
 正確には自分で着た後に服の形を変えられてしまったわけだけど、そんなことまでは説明する気にもなれない。
「そうか。でもな、校内では制服を着るのが規則だろう? 仮に着せられたんだとしてもその後に自分で着替えれば良かったじゃないか。」
 田川先生、ひょっとして分かってて言ってないか?
「その。この服自体が大澤さんの作った発明品みたいで、脱ごうにも脱げないんです。」
「そんなことは無いだろう。着れた服ならその逆をすれば脱げるんじゃないのか?」
「いえ本当なんです。この服、身体に貼り付いてしまっていて脱ぐどころかずらすことすら……」
 片手を首元に当てて服が剥がれないことを説明する。
「う~ん。一応広瀬も特待生だからな。校則の縛りは多少融通が利くわけだし、そうまでしてその恰好をしていたいのなら先生はこれ以上何も言わないけれどな。学校では趣味はほどほどにな。」
「違います、これは趣味なんかじゃ……」
 本当に脱げないと分かった途端、まるで俺が自分の意思で着ているかのようなことを言い出す。先生が言ってるからって信じるやつが居たらどうするんだよ。
「分かった分かった。いいからもう席に戻れ。ほら、授業を再開するぞ。」
「うぅ……はい。」
 結局みんなの前で教壇に立たせられて見せ物にされただけじゃないか。田川先生、特待生になんか恨みでもあるのか?
「ほら、ぐずぐずするな。授業時間が勿体ないだろう。」
「えっ……うわあっ!?」
 急に背中を押されてバランスを崩し、思い切り転倒してしまった。
「きゃあ!!」
 唐突にあがった女子の悲鳴で何が起きたのかを理解する。尻もちをついた俺は思い切り股を開いてしまっていた。おまけにスカートもめくれ上がり、視線を遮るものは何もない。女子の視線は俺の股間、その膨らみへと向けられていた。
 今の俺は女性用のパンティを穿いて、その上からストッキングを穿いているようにしか見えない格好をさせられている。いくら無理やり着せられた服だからと言って、見ている女子にはそんな言い訳が通用するはずもない。
「ち、違うんだコレは……」
「広瀬ぇ! お前はなぁ。いくらなんでもその下着は無いだろう。」
 自分で押して転ばせておきながらそんな言い方ってないじゃないか。
 反論しようとしたところで田川先生の言葉で皆の視線が下着へと注がれていることに気づいてしまった。離れた席のヤツまでわざわざ立ち上がってこっちを見てる。
 慌ててスカートを押さえつけて隠したけれどクラス中の皆に見られてしまったのは間違いなかった。
「違う……違うんだ……」
 そのまま身を縮めて自分の席に座る。
「まぁ大澤も特待生として色々やっているのは知ってるけどな。だからってそれに甘えてしまっちゃダメだぞ。」
 このまま時間が過ぎてくれないかと願ったものの田川先生のいじめの様な言葉をまだ続いていく。
「本当にその服が脱げないとしてもだな、上から何か着れば隠せるんじゃないのか? それをしなかったってことはやっぱり自分で人に見せたいって気持ちがあったんだろう。」
 化学室で着せられて教室に直行したのに一体どこで何を着ればいいって言うのさ。
 色々と反論したいことはあったけど、もう顔を上げることすら出来ずに授業時間が過ぎるのを待つことしかできなかった。「あ、あれ?」
 田川先生の授業を終えれば次は昼休みだ。取り囲むクラスメイト達を何とかやり過ごしながら時間を潰していたのだけれど、1つ問題が起きた。トイレに行きたくなってしまったのだ。
 こうなると教室に籠っているわけにはいかない。トイレに向かうため廊下に出れば当然のように奇異の視線を向けられた。そりゃそうだ。うちの学校は制服が指定されてるから基本的には私服を着ている生徒なんていやしない。しかもただの私服だって目立つのに、こんな目立つ服を着てるなんて普通じゃ考えられない状況なんだから。
 視線を避けることすら出来ず、ひたすら耐えながらトイレまでたどり着いて個室に潜り込んだ。それはいいのだけれど……
 これって、どうすればいいんだろう。
 この服が身体に張り付いてしまっているのは分かっていた。でも、まさかパンティまで脱げないだなんて思わないじゃないか。
「んんっ……」
 いくら引っ張っても肌ごと、下手すると自分のペニスを摘まみ上げているようなもので全く脱げそうにない。トイレに着いた時点では我慢できないほどの尿意って感じじゃなかった。でも個室に入ったことで完全におしっこを出せるつもりになってしまっていた。いきなりお預けを食らったことで急激に尿意が強まってしまったみたいだ。
 でも、このまま漏らすわけにはいかない。パンティもストッキングも脱ぐことが出来ないのだからもし漏らしたらおしっこまみれの下着をつけたまま過ごす羽目になる。おしっこを我慢をして……我慢してれば解決する? そんなはずない。じゃあどうすればいい?
 ……そうだ、大澤さん。多分だけどまだ化学室に居るはず。脱がせてもらえるかは分からないけど、何かおしっこを方法があるんじゃないかな。
「くぅっ!!」
 ここまでおしっこがしたくなってるのに。折角トイレに来ているのに。何もせずに出るのは辛いけど……でもしょうがない。
 そう言えば、手はどうしよう。手袋、ではないけど指先まで覆われちゃってるんだよな。トイレには入ったけどおしっこをしたわけでもないし、洗わなくても……いや。まだ外に人のいる気配もあるし、手を洗わずに行ったと思われても嫌だし……
 仕方ない。洗ってからいこう。




 また注目を集めながら化学室へと向かう。尿意が高まってるせいもあって、ただでさえ遅かった足が余計に鈍る。うっかり気を抜くと股間を抑えてしまいそうになるのを必死で我慢しながらの移動だった。
 いや、よく考えたらスカートを抑えた方が良かったのかも知れない。逆に意識してスカートから手を放していたせいで股間の膨らみを堂々と晒してしまっていたじゃないか。
 よかった、まだ大澤さんは学校に居てくれた。特待生は授業を受ける必要もないってことで、放課後まで残らずに帰ることも多いらしいからそれだけでもホッとした。
「なんだ、そんなことを悩んでいたのかい?」
「そんなこと、って。俺にとっては大問題なんだよ。」
 必死の相談をあっけらかんと答えられてちょっと腹が立った。でもこんな風に言うってことは何か方法が用意してあるってことだよな。
「要するにトイレをどうすればいいか、だろう? だったら答えは一つだ。そのまま出したまえ。」
「……は?」
 そのまま? え?
「何を変な顔をしているんだ。その服はそのままおしっこをしても大丈夫なように作ってある、と言っているんだよ。」
「大丈夫って言われても、服を着たままで漏らすだなんて。」
 大澤さんがそう言うってことは本当に大丈夫なのかも知れないけれど、どうしたって抵抗がある。
「そうか、君はそれをただの服だと思っているのだな。」
 いや、ただの服だなんてことはこれっぽっちも思っていない。何しろ学生服からこんな形に変わったんだから。
「その抵抗感を減らすために一つ説明をしてやろう。君の着ているそれはだな、寝たきり老人等の要介護者への使用も想定して開発しているんだ。」
「え……お年寄りにこんな服を着せるの!?」
 こんな可愛らしい服を着たお年寄りはちょっと想像したくない。と言うか、自分が着ることだって想像したくはなかったんだけど。
「そのまま着せるわけ無いだろう。形状に関してはいくらでも変更ができる。問題はその機能の方だよ。」
「機能って?」
 変形したり、脱げなくなったり?
「要介護者の排泄処理は介護者が特に苦労する点だろう。キミに着て貰ったときにも言った通り、その服は疑似生命体でね。着用者の排泄物を取り込み、自らの栄養として処理してくれるというわけだ。」
 それは……確かにすごいのかも知れない。
「でもさ。俺は寝たきりでも要介護者じゃないんだけど?」
「知ってるよ? それは君に着て欲しかっただけだからね。先ほどのトイレで困り果てる姿の楽しませて貰ったよ。」
「ッッ!!!」
 そんなリアルタイムで見られてただなんて。
「何にしろそいつは私が今持てる技術をつぎ込んだワンオフの最高傑作だ。介護品として流通するとしたらコイツの技術を財団が買い上げてデチューンをした機能制限品になるだろうな。」
 それってつまり服の変形機能が無くなったりするってことなのかな。まあその辺はどうでもいいんだけど。
「えっと、一応もう一度確認させてもらうけどさ。」
「なんだね。」
「これを脱がせてくれる気はない、ってことなのかな。」
 このまま漏らしても平気なのだとしても、出来ればちゃんとトイレを使いたい。
「勿論。それにだ。きちんと計算をして作ってあるから問題はないはずなのだが、正常に作動するかを確認する目的もあるからね。一度も排泄をしないうちに脱がれてしまってはこちらも困る。」
「うぅ。」
 やっぱり駄目か。
「さて、そろそろ午後の授業が始まるのだが。教室に戻らなくていいのかな?」
「あっ……」
 今回は呼び出されたわけでもないから普通に遅刻扱いになってしまう。
「じゃあ、これで教室に戻るけど……確認が終わったら脱がせて貰える?」
「さて、それはどうだろうね。一応一生着ていても平気なように作ってはあるはずなんだが。」
 大澤さんは凄く楽しそうだ。興味を失うまで脱がせてくれないんだろなぁ……




 教室に戻る最中にもう一度トイレに寄ってみた。すぐにでもおしっこをしてしまいたくなるような尿意はあったんだけど……それでも、いくら便器に座って頑張ってもおしっこが出てくれる気配は感じられなかった。
 この服が処理をしてくれると言われていても、俺にとってはおしっこを漏らしてしまうことに変わりはない。頭で分かっていても、身体は服に漏らすのを受け入れてくれなかったみたいだ。
 チャイムギリギリで教室に戻って席に着く。幸い次の古文は堅物の飯嶋先生だったから俺の服装を弄られることはなかった。
 授業を受けている間にも尿意はどんどんと増していく。お昼を食べた時に水を飲んだせいもあるんだろう。こんなことになるって分かっていたら出来るだけ水分は控えたのに。
「んぐっ……」
 どうしよう。トイレに先生に言って行かせてもらう? でもさっきトイレに行った時も出せなかったし、今行ってもまた出せないかも知れない。トイレに行ったきりでずっと戻って来なかったらおかしいと思われるだろうし、かと言っておしっこを出せないままで戻ってきたりしたら何しに教室から出て行ったんだって話になるよな。
「……せくん。」
 漏らしても平気なように作ってあるって言うのならこのまま我慢して、それで万一漏らしてもばれなければそれでいい。そう考えておくのがいいのかな。
 うん、そうしよう。それで次の休み時間になったらもう一度トイレに行こう。
「広瀬くんってば。」
「え?」
 隣の席の、山岸さん? なんで俺の顔をつついて……そう言えばさっきから呼ばれていたような。
「ねえどうしたの? さっきから先生が呼んでるよ?」
「え……」
 顔を上げると飯嶋先生が凄い形相でこっちを睨んでいた。
「広瀬ぇ。授業中に随分と上の空じゃないか。」
「あっ……その、違うんです。これは、あっ!?」
 釈明をするために立ち上がろうとして、靴がハイヒールになっていることを忘れてしまっていて、今日何度目かの転倒をする羽目になった。
 そして。痛みは無かったものの、その弾みで、ずっとおしっこを我慢するために入れていた力がほんの少し緩んでしまった。
「んんっ!?」
 漏らした。そう思ったのもつかの間、異変に気付かされる。
「んぎっ!?」
 ペニスの中を伝わって流れ出したおしっこが、せき止められている!? それでも膀胱はおしっこを送り出そうとする。圧力で尿層が裂けてしまいそうな痛みが襲う。
 何が漏らしても大丈夫なんだよ。こんな痛い思いをするなんて……
「ひあっ!?」
 更に予想外の感覚が俺を襲う。尿道内を満たしたおしっこを押し戻しながら、何かがペニスの中へと入り込んできた。「あっ……んぎぃっ!?」
 おしっこを逆流させながら、ペニスの中に何かが入り込んでくる。その痛み……いや、不快感? これまで経験したことのない理解しがたい感覚に頭が混乱する。
「おい、広瀬。いきなりどうしたんだ?」
「あ……うぁ……」
 流石に心配してくれたのか、飯嶋先生が駆け寄ってきてくれた。けれど、俺自身何が起きてるのかさっぱり分かっていないんだ。状況の説明も出来ず、ただスカート越しに股間を抑えてうずくまるしか出来なかった。
「んぎっ??」
 あ、あれ? 股間を抑えてるのに触られてる感覚が無い? ペニスに入り込んでくる何かを引き抜こうと思って、スカートごと掴んだパンティを引っ張ろうとしたのに。そりゃ張り付いた服を剥がすのは今まで何度も試して全部無駄に終わった行動だけど今はそこまで頭が働いてなかった。
 それで引っ張ろうとしたのに、まるでペニスが固い膜に包まれたみたいで押そうが掴もうが全くそれを感じ取れなかった。
「うぅ……あう……」
「このクラスの保健委員は誰だった? すぐに広瀬を保健室に連れて行ってやれ。」
「は、はい!! 広瀬君、大丈夫?」
 おしっこによって広げられたままのペニスにゆっくりと何かが入り込んでくる。ペニスの根元を通過して、更に奥。自分では感じ取ることのできない身体の奥にまで何かが入り込んで、そこでようやく動きが止まった。
「う……あ。あぁ……う、うん。ちょっとだけだけど、落ち着いた。かも。」
 相変わらず限界近い尿意があることに変わりはない。尿道も押し広げられたままだ。
 入り込んだ何かが膀胱にまでたどり着いたのかも知れない。おしっこを出すために力を抜いた状態を無理やり続けさせられているような感じ。それかおしっこを出しているときの感覚がずっと続いているような感じと言えなくもない。
「一応保健室、行く?」
「えっと……」
 多分保健室に行ったってきっとなにも解決なんてしない。原因は着せられているこの服なのは明らかだ。これを解決できるとしたら1人しかいない。大澤さん、この服を作り出した彼女に聞くしかない。
「いや、保健室はいかなくても大丈夫だけど……先生、化学室に行ってきてもいいですか。」
「化学室? あぁ、その服が原因だということか。」
 流石にすぐに察してくれたみたいだ。
「またいきなり呻きだされて授業を中断されても困るからな。それで解決するなら行ってこい。」
「は、はい。」
 足はふらつくけれど、それでも立ち上がって教室を後にする。




「んっ!! くぅ。」
 おしっこを出している最中で止められたような違和感がずっと続いている。と言っても本当におしっこをせき止められていた時にあった尿道を引き裂かれるような痛みは収まってくれているから多少はマシか。
 相変わらずおしっこは漏れそうで、一度出し始めたところを押し戻されたせいで常に限界を超えた尿意を感じ続けているような……あれ? でもさっきよりは尿意が減ってきてる?
「んんっ!!」
 なんだこれ。気のせい、か? さっきからペニスの中に入り込んだ何かが微妙に動いているような気がする。歩いているからそう感じているだけ、なのかな。
 いや、でも立ち止まっても動き続けているような……
「ひゃうっ!」
 それだけじゃない。身体全体がくすぐられている様な……服自体が蠢いているかの様な違和感がある。いや、服が動くはずないよな。ひょっとして身体に密着してるから蒸れてかぶれた? いや、でもまだ着てから数時間しか経ってないよな。いくらなんだってそんなに早くかぶれるはずがない。
 ……って、頭が働いていないな。普通の服は動かないけどこの服は普通じゃないんだった。元々学生服の形だったのがこんなスカート付きの全身タイツみたいに変わったんだから蠢くこと位簡単に
「んひっ!!」
 やっぱり、動いてる。それもだんだん強くなってるような気がする。早く、早く化学室に行かなきゃ。あとちょっと、あとちょっとだ。




「大澤さん。これ、どうなってるの!?」
 化学室の扉を開けると黒板には俺の姿が大きく映し出されていた。大澤さんはその前で校長室にあるような豪華な椅子に座っている。ひょっとしてずっと俺のことを見ていたんだろうか。
「ふむ、思ったよりも我慢したようだね。てっきりあの後すぐに漏らすものかと思っていたのだが。」
「いくら大丈夫だって言われても服を着てたらそう簡単に出せないよ。」
 一度は実際トイレに入って出そうとはしたんだ。ただ漏らすことに抵抗が大きすぎて、結局限界を超えるまで出せなかったわけだけど。
「それよりもこの服。一体、どうなってるの?」
 気のせいかも知れないと思っていた服の動きは明らかに大きくなってきている。
「さっき来た時にも言ったろう? そいつは疑似生命体だって。それもキミの排泄物からエネルギーを摂取して活動するんだ。つまりこれまではエネルギーを得られなかったから大人しくしていたのだが、ようやく動ける程にエネルギーが溜まったということさ。」
「エネルギーって、俺のおしっこのことだよね? でもそれならなんでこんな……」
 ペニスの中に何かが入り込んできて、とは流石に恥ずかしくて口に出せなかった。
「ふふふ、そんな恥ずかしがるようなことでもなかろう。今の状況だって聞きたいんだろう?」
「うぅ。それはそうだけど。」
 俺の思考は完全に読み切られているらしい。
「まぁ説明はさせてもらうよ。これからもその服を着続けて貰うのだから知っておいた方がいいだろうからね。確かにその服は排泄物をエネルギー源とするとは言ったけれど、一度に処理できる量には限りがあるのさ。そのまま漏らすと処理が追い付かず、股間が風船のように膨らんでしまうわけだ。」
「え、でもそのまま漏らせって……」
 確かさっきはそう言われたはず。
「うむ、漏らすことによって尿道口に届いたおしっこをエネルギーに変えて活動を始めただろう? そして流れ出したおしっこは膀胱から尿道口までの通路を開かせてくれた。無理やり押し広げると痛みが有るだろうからそれを待っていたんだよ。通路を確保したことで服は触手を伸ばして膀胱までたどり着けたってわけだ。」
「しょく、しゅ?」
 耳慣れない言葉だけど、触手って言った? それが俺の身体の中に入り込んでるってそういうこと!?
「うむ、触手だ。簡単に言ってしまえば縦横無尽、自由に曲がることの出来る突起だな。そいつが今は君のおちんちんの中にみっちり詰まっている。はっはっは。これから先、自由におしっこを出すことは出来なくなってしまったな。」
 確かに今もペニスの中に入り込んでいるのを感じる。おしっこを逆流させた後は全く漏れ出していなかった。
「そして膀胱に到達した先端が必要に応じてキミのおしっこを取り込んでいるというわけだ。もう少し早く漏らしていれば膀胱内のおしっこもそこそこの量しかなかったからそこまで苦しむ必要のなかったのに、残念だったな。」
「そんなこと言ったって……」
 少しは尿意が減った気もしているけれど、これが元に戻るのはどれくらいかかるんだろう。
「それとだ。触手はおちんちんの先端から伸びているモノだけではないんだよ。」
「え? それってどういう……」
 なんだかすごく嫌な予感がする。
「既に感じているんじゃないか? 膀胱に届くほどの長さはないが、その服の裏地にはびっしりと触手が生えているんだよ。今まではエネルギーが無くてじっとしていたがそろそろ動き出しているはずだ。」
 この全身で感じる服の蠢き、やっぱり気のせいじゃなかったのか?「動き出しているのはそれだけじゃないよ。その服は排泄物からエネルギーを摂取すると教えたはずだが、キミの排泄物はおしっこだけじゃないだろう?」
 おしっこだけじゃ……って!
「まさか……」
 思わずお尻に手へと伸ばす。
「分かってるじゃないか。その通り、君のウンチもその服のエネルギー源となるんだ。」
「ウソ……それってひょっとして、ウンチもこのまま漏らさなきゃダメってことなの?」
 少なくともおしっこはそうだった。しかも限界まで我慢したせいらしいけれど、今もすごい尿意に襲われている。
「うむ。だがそんなに心配はしなくても大丈夫だ。既に準備は済んでいるのだからね。」
「準備?」
 何をされるのかと辺りを見渡す。けれどさっき来た時から部屋の様子が変わった気配はない。
「あぁ、そうじゃないそうじゃない。どうせだから今すぐにやってみせてしまおうかな。」
 大澤さんが取り出したスマホを操作する。それに合わせて俺の手首につけられた宝石が光ったような気がした。
「えぇっ!! なん、でっ!?」
 次の瞬間、急激な便意に襲われた。ぎゅるぎゅるとお腹が音を立て腸が活発に動いているのがわかる。反射的にお腹を押さえうずくまってしまった。
「ははは、びっくりしたかい?」
「なにこれ? これも大澤さんのせいなの!?」
 でも人の便意をコントロールするなんて、一体どうやって……
「その通りだよ。全身の触手が動き出したのは話したろう? これもその触手の仕業さ。」
「どういうこと?」
 全身をくすぐられている様な感覚はあったけどそれでウンチがしたくなるだなんて考えられない。
「おちんちんの中には尿道ギリギリの太さの触手が入り込んでいたんだが、触手は必要に応じて太さも自由に変えられるんだよ。髪の毛よりも細く、目に見えないような触手が君の肛門を通過して腸内に入り込んでいたのさ。」
 お尻の中に!? ウソでしょ、そんなの全然感じなかったのに。
「今までは待機状態だったんだが、私が指示を出してね。あぁ、その手に付けた赤い宝石。そいつが受信機になっていてね。スマホから送った命令を受け取り、服へと送り込んでくれるようになっているんだよ。」
 大澤さんがスマホ画面をこちらに向ける。そこにはこの服を着た人型の簡単な絵と、色々なメニューが並んでいた。ここから命令を出したってことはさっき宝石が光ったのは気のせいじゃなかったんだ。
「おっと話がそれたね。それで、お尻の中に入り込んだ触手が浣腸効果のある液体を分泌してキミの腸内に塗りたくっているというわけさ。まだ止めるための指令は出していないから、どんどん便意が強くなってきているんじゃないか?」
「う……うぅ。」
 確かに。最初は普通にトイレに行きたいと思う程度だったけど、今は下痢をしたときみたいな痛みを感じるくらいの強烈な便意に変わってしまっている。
 どうせ脱げずに服の中に出すしかないとしても、こんな場所でするのは絶対に嫌だ。せめてトイレに……
「おいおい、どこに行こうというのだね。」
「え、あれ? うそ。何をしたの!?」
 かがんだままだけど、トイレに移動しようとした足が急に動かせなくなってしまった。力を入れても一歩も前に進むことが出来ない。
「その服に命令を出しただけさ。そのままの形で動かないように、ってね。」
「そんなことまで出来るの!?」
 これじゃトイレに行けないじゃないか。
「それだけじゃないよ。ほら、立ちあがりたまえ。」
「え……えぇっ!?」
 大澤さんの言葉に従い、勝手に身体が立ち上がって直立のまま固まってしまう。ただ今回は服が勝手に動いたせいで身体も同じように動かされたってのがはっきりと感じられた。
 うぅ。かがんでいたさっきまでのポーズに比べてこんな直立じゃお尻に力が入れづらい。
「お願い、トイレに行かせてよぉ。」
「行く必要は無いだろう。トイレに行ったところでその服を脱げるわけではないのだからね。着たまま漏らすならここでしたって一緒じゃないか?」
 結果としてはそうなのかも知れない。でもだからって受け入れられるかは別だ。こんな所で漏らすのなんて絶対に嫌だ。
「まぁ我慢するのは構わんがね。おしっこも我慢し過ぎて今そんな目に合っているのを忘れていないかい?」
「え……どういうこと?」
「うむ。基本的におしっこは作り出された量をそのまま消費するように計算をされているんだ。あまり必要量を多くしてしまうとおしっこが足りなくなった時に服の活動エネルギーが不足してしまうからね。それなのに君ときたら限界までおしっこを溜めるものだから。作られる量と使用量がほぼ釣り合っているから、いつまで経っても尿意が解消されない状況になってしまっているというわけだ。」
 じゃあこの尿意っていつまで待っても消えてくれないの!?
「って、そうじゃない。ウンチを我慢するのにもデメリットがあるのかって話なんだけど。」
「なんだ、そっちのことか。勿論あるよ。今君が感じている便意は極細触手が塗り付けた浣腸液の効果だという話はしたろう? そしてそれは分解されない限り消えることはないんだ。分解するには当然時間がかかるが、今も浣腸液は分泌され続けている。どうだい? 状況は理解できるかな?」
 漏らしてしまってもずっとこの便意が続くってこと? さっきからぎゅるぎゅるとお腹が鳴り続けているのにこんなのが続くなんて。
「分解するまでって、どれ位の時間がかかるの!?」
「さて、どうだろうね。少なくとも我慢をすればするほど時間がかかるようになるのは間違いないんだが。」
 うぅ。そんなこと言われたら我慢してるわけにはいかなくなっちゃうじゃないか。いや、そもそもどんどんと便意が強くなってきていて、既に限界が……んんっ!?
「あ、ダメ。もう限界、これ以上……」
 力を抜いているつもりはないのに、中から押し出されるようにお尻の穴が広がっていく。
「ひあっ!? うそうそうそ、ダメ!!」
 ペニスのことがあったから多少予想はしていた。でも外れて欲しいそんな予想ばかり当たってしまって、お尻の穴に何か……これも触手って言うのかな。太い触手が入り込んでくる。
 慌てていきんだけれど既に入り込んでしまった触手は出ていってくれる気配すらない。それどころか力を込めて肛門を締めても広げられたお尻は全くすぼめることが出来なかった。おまけに込めた力が緩むたびに少しずつ触手が太くなってるような気すらする。
「やあ、思った以上に美味しいリアクションをありがとう。」
「大澤さん、お願い。これ、抜いて!!」
 どんどんと入り込んでくる触手と限界を超えた便意で今にもお腹が破けるんじゃないかって気すらしている。
「そんなに焦らなくても大丈夫だよ。普通に生活していたって腸内にウンチは溜まるものだからね。もっともお尻の穴が開きっぱなしになるのはそうそう経験できるものではないと思うが。」
 うぅ。便秘の時に途中まで出たウンチが止まってしまったみたいだ。出し切ることは出来ず、と言ってお腹の中に戻すことも出来ずにトイレの中で延々苦しんだ思い出がよみがえる。それをトイレですらない学校の化学室で味わわされているだなんて。
「さて、これでエネルギーの摂取量も増えたからね。触手はこれまで以上に活発に動けるようになったというわけだ。」
「これ以上って……んんっ!?」
 予想外な動きがあったのはペニスだった。あまり胸を張って言えたことじゃないんだけれど俺のペニスはいわゆる仮性包茎ってやつで、先端だけが露出している。その包茎の皮と中の本体との隙間に何かが入り込んで来る感覚があった。
「ひっ!?」
 皮の中に入り込んだ触手が蠢いている。これまで直接刺激を受けたことのない場所に刺激が……
「あ、ちょっと……見ないで。」
 その刺激でペニスに血液が集まっていく。気付けば大きくなったペニスが正面のスリットから飛び出してしまっていた。「さあて。それではここに来た理由もなくなっただろう? 教室に戻ったらどうだい?」
「え?」
 確かに、元はと言えばペニスの中に何かが入り込んできたからって相談に来たんだった。事態は何も解決していないけれど……むしろお尻の中にまで触手が入り込んでしまって悪化しているけれど。それでも一応原因は分かったし、そもそも大澤さんは解決なんてしてくれる気なんてないんだろう。
 それならここにいる理由がなくなった、ってのは分かる。
 ただてっきり大きくなってしまったペニスを弄られると思ってたからこの反応はちょっと意外だった。
「どうかしたのかな? あぁ、そうそう。そう言えばこの説明も必要だったかな。」
「大澤さん? ちょっ、何をっ!」
 近づいてきた大澤さんにいきなり強く肩を押される。直立したまま動けない身体は盛大にバランスを崩してしまう。
「……あれ?」
 また転ぶと思った次の瞬間、足が勝手に動いた。細いヒールにも関わらず全くよろけることすらなく、軽いステップでバランスを整えると再び直立姿勢に戻る。それきりまた身体は動かせず完全に固まってしまった。
「何を驚いているんだ。最初にその服を着せた時に言ったろう? その内普通に歩けるようになるとね。」
「それって、その内慣れるって意味だったんじゃ……」
 まさか服が勝手に身体を動かして転ばないようにしてくれるってことだったのか?
「言ったろう? 要介護者に使うことを想定しているって。これなら寝たきりになったお年寄りでも自分で歩けるようになるというわけだ。もっとも介護用では尿道や肛門に差し入れる触手をそんなに太いものにはしないがね。」
「え、必要だからこの太さにしてるんじゃなかったの?」
 だったらなんでこんなに苦しい思いをさせられてるんだ。
「そりゃそうさ。限界ギリギリの太さにしているのはそれを入れられたキミの反応が楽しみたかったからさ。」
 酷い。なんだよ、それ。
「それでは気が済んだかね。ここに来るまでは大分足取りが遅かったようだし、教室までは素早く送ってあげよう。」
 身体が勝手に振り返り、大股で歩き出す。まずい、このままじゃ教室に戻らされる。
「あ、いや。ちょっと待って。」
 こんな話をしている間もペニスへの刺激は続いていて、大きくなったペニスは全く萎えてくれる気配はなかった。
「どうしたんだい? まだ何か?」
「このまま戻ったら……その、股間が目立っちゃうから……」
 真正面に向かって突き出したペニスは腕を動かせないこともあって全く隠せず、誰が見ても大きくなっているのがバレバレだ。これが普通の服を着て居る時だったらもし大きくなってしまっても上を向けたりと誤魔化しようもある。けれど今の状況じゃそれすら出来ない。
 そもそも普通の下着を穿いているならテントみたいに全体が膨らむから多少は目立たなくなるはずだ。それなのにこのパンティは一体どういう仕組みなのか、立体的に縫い合わせたみたいな形になっている。要は大きくなったペニスに張り付いていて、形がはっきり分かってしまうってことだ。
「別にいいじゃないか。こんな女性向けの様な服を着て、尿道と肛門に触手を差し込まれて興奮しているんだと周りの人にばれるだけだろう?」
「興奮してないかっ!!」
 ばれるだなんてそんな人聞きの悪いこと言わないでよ。
「そうか? では萎えさせたらどうだ? 興奮してはいなんだろう?」
「それは……ずっと刺激されてて、反応しちゃってるだけで……」
 ペニスを刺激されてるから、だと思ってたけどなんだかそれだけじゃないような気もする。単にくすぐられてるだけだと思ってた身体への刺激も何だか気持ちよくなってきたみたいな……
「ふむ。それではその大きくなったおちんちんをどうにかしたい、とそういうわけなんだな?」
「それは……うん。」
 あんまりはっきりと言われるとなんだか恥ずかしくなってしまう。
「分かった。ならば一度萎えさせたまえ。そうしたらその後は大きくならないようにしてやろうじゃないか。」
「萎えさせろって言われたって……」
 それが出来ないから苦労してるのに。
「おや。男性は一度射精をすればおちんちんが小さく萎えると聞いていたが違うのかい?」
「しゃせっ……って、ちょっと!?」
 大澤さんに真顔でそんなことを言われると思っていなかったから凄くびっくりした。
「まぁ嫌なら構わないがね。そのまま教室に戻ってもらうだけだがどうする?」
「うぅ……」
 選択肢はないってことじゃないか。
「分かったよ。射精するから、動けるようにしてよ。」
「了解した。少し待ちたまえ。」
 大澤さんのスマホ操作で、これまで自分の意思ではピクリとも動かせなかった腕が動かせるようになった。
「……って、腕だけ!?」
 首から上は服に覆われてないから元から自由だったけどそれ以外の部分。胴体も足も、全て動けなくされたままだ。
「射精をするだけなら腕が動かせれば十分じゃないか?」
「そりゃ、そうかも知れないけど……まさかこの場所で射精しろっていうの?」
 トイレに行くとか、そうでなくてもカーテンに隠れてとか思ってたのにこれじゃ隠しようがないじゃないか。
「うむ。私も射精には興味があるからな。是非とも見せて貰いたい。」
「そんなぁ……」
 どうやら目を逸らしてくれる気すらないみたいだ。
「嫌なら別にしなくても構わないんだが? そのまま教室に戻ってもらうだけだからね。」
 このまま戻らされたら教室中。それどころか廊下ですれ違う人にすら学校でペニスを大きくしている変態だと思われてしまう。でもここで射精をするなら大澤さんに見られるだけだ。それも、この服は脱げないんだから直接ペニスを見られることはない。
 それだけじゃない。大きくならないようにしてくれるってことは多分この服な動きを止めてくれるんだと思う。
 これから先のことを考えてもどっちを選べばいいかは考えるまでもない。
「分かった。射精、するよ。」
「それはいい心がけだ。ではその心意気に応えて私も少しサービスしてやろうか? 男性はいわゆるオカズになるものがあった方がいいのだろう?」
 スカートの裾を摘まみ、にやにやとこっちの様子をうかがっているみたいだ。えっと、どう答えればいいんだ? これ。
「……あ、あぁ。冗談だ冗談。そんな冷ややかな目で見るんじゃない。私みたいなチンチクリンを見ても興奮などしないことは分かっている。」
「え? あ、いや……」
「ええい、皆まで言うな。どうみても小学生みたいだとは言われ慣れているんだ。何せ、私服で繁華街にでも出かけようものならほぼ補導されそうになるのだからな。こんな私を見て興奮できるのは、よっぽど趣味の悪いロリコン位だろう。」
 摘まんだ裾を離し、埃を払うかのようにスカートを叩いている。なんだかこんなに捲し立てる大澤さんは初めて見た。
「ちょっと、大澤さん。落ち着いて。」
「何を言っている。私は落ち着いているぞ。あぁそうだ。手持ちの資料映像の中に女性の裸もあったはずだな。それを黒板モニターに写してやろう。言ってくれれば好みに合う映像を選定してやれるぞ。誰にも言わないと約束するなら女子更衣室を撮影した動画も……」
「そんなの要らないから!! それよりも、さ。……本当に、サービスしてくれるの?」
 あーもう。何言ってるんだろうな、俺も。どうせからかわれるに決まってるのに。
「……キミは趣味の悪いロリコンなのか?」
「人聞きの悪いこと言わないで。」
「だって、私だぞ? 可愛げもない、発育の良くない小学生の様な体型の女だぞ?」
 一見自虐で茶化しているようだけど、ちょっと震えた声色はかなり本気であるように聞こえる。
「別に本当の小学生だったら見たいだなんて思わないよ。」
 正直に言えば、特待生の誘いを受けたのは自分の都合も大きかったけど相手が大澤さんだからってのもあったんだ。もし同じ誘いがあったとして、嫌いな相手からだったとしたら引き受けずに学校を辞めていたかも知れない。
 その、はっきりと言えば。大澤さんのことは好ましく思ってる、わけで。
 くそっ、多分顔が赤くなってるな。首から上は自由に動かせて良かった。真正面からなんて向き合えないぞ、こんなの。
「そう、か。そういうことなら、私も宣言通りにサービスしてやらんとな。」
 大澤さんが小声で呟きながら視界から外れる。僅かな間を置いて、それを追う様に身体が動いた。
「とは言え、見せるだけだがな。触ったり触られたりは無しだぞ。」
 机に腰を掛け、少し目線が高くなった大澤さんがこちらを見ていた。「そ、それじゃあ。スカートをめくるからな。」
 机の上に片膝を立て、スカートの裾を摘まんだままで大澤さんの動きが止まる。
「……大澤さん?」
「わ、分かってる。分かってるからちょっと待て。私にだって心の準備と言うものがだな。」
 大澤さんの顔が赤く染まっている。
「そんなに恥ずかしいんだったら、別に無理しなくっても……」
「いや、一度言ったからには覆すのは性に合わない。サービスをすると言ったからにはきちんと見せないとな。よし。いいな? めくるぞ。」
 スカートを摘まんだゆっくりと手が持ち上がって……
「えっ!?」
 下着を見せるだけでなんでそこまで躊躇するのかと思ってた。俺に見られるのがそんなに嫌なのか、とも。けど、そうじゃなかった。
「ちょっと大澤さん!! なんで穿いてないの!?」
 サービスと言うのはてっきり大澤さんの下着を見せて貰えるのだと思ってた。でもめくり上げられたスカートの下に下着は無くて、大きく開いた足の間にある割れ目を直接目にすることになった。
 これまで女の人のアソコなんて見たことはなかったけど、大人の人だと吐きたくなるくらいグロくなるとか聞いたことがある。それなのに大澤さんのはほぼ一本の筋でしかないからやっぱり体型だけじゃなくてアソコも小学生みたいだってことなのかな。それでも食学生っぽいのはそこまでで、その上は高校生だけあってしっかりと毛が生え揃っている。
「なんでって、まるで人を普段から下着を身に着けていない変態みたいに言うんじゃない。ずっと穿いてなかったわけじゃなくて、今脱いだんだ。」
 そう言えば一瞬俺の視界から外れたっけ。その時に脱いだってこと? え? 何のために? ひょっとして、俺に見せるためってこと?
「ほ、ほら。いつまで固まっているんだ。見ているだけじゃなくてすることがあるのだろう。」
「え、あ。うん。」
 そうだった。正直なところ、こうやって大澤さんのアソコを見てもそれ自体をエロいとは感じない。でもいつもは隠されていて、普通に考えたら決して俺が見ることなんて出来なかった場所を見ているんだと言う事実。そして大澤さんが恥ずかしがりながらをそれを見せてくれているんだということ自体に興奮してしまっているみたいだ。
 外からの刺激で大きくなっていたペニスが更に一回り大きくなったみたいでちょっとした痛みすら感じている。
 これを見ながらオナニーしていいって、そう言うことなんだよな? 射精をしろって言われてたんだからそう言うことのはずだ。オナニー始めても、いきなり怒られたりとかしないよな。
「……あれ?」
 大きくなって正面に突き出したペニスを掴み、そのまま手をスライドさせた……ハズだった。俺の手は間違いなくペニスを掴んでいる。それなのに、なんでそれを感じないんだ?
「おや、どうかしたのかい?」
 そんな俺を見て余裕を取り戻したのか、大澤さんがまたニヤニヤと笑みを浮かべている。
 そうだ。確か教室でペニスを押さえつけた時もそうだったんだ。スカートごとペニスを押しても何も感じられなかったけれど、今もその時と同じってことなのか?
「これじゃ射精なんて……」
 今も体中やペニスの先端にはじわじわとした刺激が送られてきている。でも射精に到達できるかと言えばこの刺激だけじゃ弱すぎて正直物足りない。
「どうしたのかはっきり言って貰わないとこちらとしても対応のしようがないのだがね。それとも諦めてそのまま教室に戻るかい?」
 明らかに何が起こっているのかは分かっている顔だ。でも俺がはっきり言わなきゃどうにもしてくれないんだろう。
「……ペニスを触っても何も感じないんだけど、これもこの服のせいなの?」
「うむ、そう言えばそうだったな。その服は着用者を守るため、外からの刺激を遮断するようにしてあるんだった。つまりそうやって手で扱いても射精は出来ないだろうな。」
 まるで今気づいたかの様な言いようだ。
「こんなこともあろうかと用意をしていたものがあるんだ。こいつを使いたまえ。」
「え? うわっ。」
 机の上に置かれていた何かをこちらに放り投げる。何とか受け取れたそれは長さ50cm、太さ3cmほどの半ば透き通った紫色の棒だ。棒と言ってもそこまで硬いわけじゃない。軽く力を入れればグニャグニャと自由に曲げることが出来る。そして両端は少し膨れていて……これってひょっとして両端が先端になっているペニスの模型なのか?
「使うって、これをどうすればいいの?」
 ペニスの模型だと分かってもこれをどうしろと言うのかは読み取れない。
「うむ。そいつはその服と連動して、与えられた刺激を君のおちんちんにフィードバックするように設定してあるんだ。」
 刺激を与えればいいってこと? でも確認するために触ったり曲げたりしてるけどフィードバックなんて全然起こってないんだけど……
「ただし、だ。フィードバックされるのはキミがそいつをお尻の中に入れた時に限らせて貰っているがね。」
「は? お尻って……」
 こんなのを入れるって、どうやって!? ただでさえ脱げない服に覆われているのに、その上今は触手がお尻の穴に入り込んでいるんだぞ。こんなの、入るようなすき間は残っていないんだけど。
「なあに、心配はいらない。キミのその服は疑似生命体だと言っているだろう? これまでも体験した通り、自由な変形も出来る。ディルドゥがあてがわれれば中に受け入れられるように中空に変形してくれるよ。」
「中空にって、でもこんなに太いのに……」
 これがお尻に入ることなんて想像も出来ない。
「はは、何を今更言っているんだ。キミのお尻に入り込んでいる触手は既にそれよりも一回り太くなっているからね。その程度、入ったことすら感じることなく受け入れられるはずさ。」
 はずさって言われても。でも大澤さんのをピークに達していた興奮が多少収まってきた今でも相変わらずペニスは大きくなったままだ。このまま放っておいても勝手に萎えてくれるとは思えない。じゃあここは言うことを聞いておくしかない、のか。
「これを、お尻に当てればいいの?」
「その通りだ。触手の中央に穴が開くのでそのまま奥まで押し込めばいい。」
「うぅ、分かった」
 大澤さん、さっきこの棒のことをディルドゥって呼んでた? じゃあこのディルドゥてのの端を持って、そのままお尻の穴の位置に……
「ひゃうっ!?」
 びっくりするくらい簡単にディルドゥがお尻の中へと飲み込まれた。大澤さんの言葉通り、既に広がり切ってしまったお尻には何の感覚もない。けれどもペニスの先端にはこれまでとは違う刺激が送られてきた。
 締め付けるリング状の何かをペニスが通過するような感覚。通過した後は温かくて柔らかいものに包まれるみたいだ。ディルドゥを奥に送れば送るほど締め付け部分はペニスの根元に向かっていく。そのままお尻の中に入れたなら、肛門部分に締め付けられてこんな風に感じたのかな。
「えっ? んひぃっ!?」
 急にお腹の中に新たな感覚が生まれた。普通に考えればお尻の中にはっきりとした感覚があるわけじゃない。それなのにお尻の中でディルドゥがグネグネと曲がりまくって、あちこちをつつくような刺激を送りこんできていることがはっきりとわかる。消え切っていなかった便意に、新たに生まれた刺激に加わってお尻の中が壊れてしまいそうだ。
「うぅ。こんなの、お尻がおかしくなる!!」
 慌ててディルドゥ引き抜こうとしたものの、抜ける直前で何かに引っかかってしまった。入れた時はほとんど抵抗もなく入っていったのに。どれだけ引っ張ってもディルドゥの端にあった膨らみ部分が引っかかってしまったようで、それ以上外に出てきてくれない。それどころか引っ張ることでペニスの先端、段差の部分を引っ張られてるような感覚が再現されてしまっている。
「ほら、何を遊んでいるんだい。射精をするんじゃなかったのか?」
「それはっ、そうなんだけど……」
 更に肛門に対しても裏側から押されるような感覚がある。ウンチをしたくなって奥から押し出されているかのような感覚とは明らかに違う。フックか何かを差し込まれて肛門自体を引っ張られている様な……「これっ、なんで!? 抜けない!!」
「おいおい。射精をするんだろう? だったら抜く必要なんてないじゃないか。それとも、射精は諦めるのかい?」
 このディルドゥが無きゃペニスを刺激することが出来ないのは確かだ。大澤さんに頼めば抜いて貰えるのかも知れないけど、それきりで取り上げられる可能性だってある。そうしたらもう射精をできなくなってしまうかも知れない。
 だったらお腹の苦しさは無視してでも、とにかく一度射精をしてしまう方が正解なんじゃないか?
「うぅ、待って。諦めないで射精、するからさ。」
 改めて大澤さんに視線を送る。あんなことを言いながらもスカートは捲ってくれたままだ。とにかく目に入ってくる大澤さんの姿と、ペニスの感覚だけに集中しよう。
「んっ……」
 再びディルドゥをお尻の中に押し込んでいく。やっぱりお腹の中で暴れてるように感じるけれど、最初からそうなると分かっていれば我慢できないほどじゃない。
 ペニスとディルドゥの感覚は確かに連動している。けどそれはディルドゥの先の部分、俺のペニスと同じ長さが連動しているってわけじゃなかった。50cmくらいあるディルドゥ全体と俺のペニス全体が対応してるって感じだ。
 つまりディルドゥを全てお尻の中に収めない限りペニスの根元には刺激を感じることが出来ない。最初に見た時はこんな長いディルドゥなんて絶対に入れることなんて出来ないと思っていたけれど、軽く力を入れて押し込むだけで簡単にお腹の中に飲み込まれてしまう。
 お尻に入ったディルドゥはしばらくまっすぐ入ったかと思えば曲がりくねって左の脇腹へと向かっていく。理科の教科書で見た大腸の図って本当だったんだな。もっと長いのを入れれば右の脇腹にまで届いたりするんだろうか。
「ふっ、んくっ……」
 ペニス全体を刺激するためにはディルドゥを結構な勢いで出し入れしなきゃならい。お腹の中に入った部分は温かくて柔らかいものに包まれている様な感覚があるけれど、それだけじゃ物足りない。射精するには肛門の締め付けでペニスを扱かなきゃならない。ディルドゥとペニスの長さの違いすぎて、いつものオナニーでペニスを撫でているくらいの速度でディルドゥを出し入れするんじゃ遅すぎる。
「分かってはいるが、そこまでガン見されるとちょっと恥ずかしいな。」
「ごめん。でも今はもう少し集中させて。」
 大澤さんの恥ずかしがる表情も今はいいオカ……刺激だ。
 何度も出し入れを繰り返しているうちに少しずつ射精が近づいてくるのが感じられた。身体の奥から射精の前に出る透明な液体が溢れ出して来たのがわかる。
「あ、でもこれ……ペニスの中って触手が詰まってるんだよね。このままじゃ射精なんて出来ないんじゃ……」
 なんで今まで思いつかなかったんだろう。
「あぁ、心配しなくてもいい。流石に射精の時に輸精管が詰まっているとシャレにならないからね。尿道内の触手は一部が中空になって精液を通過できるようになっているよ。」
 輸精管? 名前からして精液の通る管、か? 考えてみれば精子って金玉で作られているんだし、膀胱から出てくるわけじゃないもんな。ちゃんと精液の通る道が用意して貰えてるなら、このままオナニーを続けても大丈夫なんだろう。
「んっ……あと、ちょっと……」
 ディルドゥを出し入れする速度を上げて最後の追い込みをかける。何だかお腹の中で暴れられるのもあまり気にならなく……いや、こんなの受け入れちゃダメだ。それよりもペニスのことだけ考えて……
「ッッ!! くぅっ!!」
 いつもよりも時間がかかったけど、ようやく射精まで到達することが出来た。腕以外が動かせないから直立のままで、射精に合わせて腰を引くこともペニスを突き出すことも出来ない。
 それでも精液は詰まることなく吐き出せて……
「あ、あれ? なんで!?」
 今は間違いなく射精をしている、ハズだ。ペニスから精液が噴き出してないのは服の中に取り込まれているからだとしても、ペニスの中を流れる感覚すらないのはなんでなんだ!?
「射精感が無いのが不思議かい?」
「えッ? これってッ、どういうことッ、なの?」
 したり顔をしているってことは原因が分かってるってこと?
「言ったろう? 精液は触手の内側を通過する、と。精液が通過しても触手の太さは全く変わらないからな。流れ出す感覚が感じ取れないと言うだけさ。」
「そんッ、なッ……」
 うぅ。射精をしているから頭では気持ちいいと感じてるのに、ペニスからの快感がないから何かが物足りない。
「んっ……くぅっ……」
 それなのにそんなことお構いなしに射精だけが続いて……続いて?
「あ、あれ? なんでッ、終わらないの!?」
 いくら何でも変だ。射精が始まってからかなりの時間が経つのに終わってくれる気配がない。
 普段だったらこんなに射精が続くはずがないのに。それにペニスだってすっかり萎えてしまってる。射精が続いているなら途中で萎えるなんて絶対に有り得ない。
「これ……これもまたッ、大澤さんがッ、何かしたの!?」
 うぅ。射精が続いているせいでまともに喋ることすら出来ず、言葉が途切れ途切れになってしまう。
「『これ』と言われてもなぁ。一体何のことを言っているんだい? 説明してもらわなきゃ分からないな。」
 嘘だ。絶対に分かっている。けど今はそんなことを言っていられる余裕はない。
「んんっ! 射精ッ、終わんないんだけどッ、どうしてッ!?」
「あぁ、そのことか。射精だったらとっくに終わっているさ。」
 終わっている、って?
「終わってッ、ないからッ、言ってるのに!!」
「そうさな。順を追って説明しようか。その服を着てから今まで、キミがおしっこやウンチをしようとするたびに触手が尿道や肛門に入り込んだ。そうだな?」
 あまり余裕はないから早く説明して欲しいのに。取り合えず言ってることは間違ってないので頷く。
「それじゃあなぜ、射精をするときに触手が入り込まないと思っていたんだい?」
「え? そんなこと……」
 まさか射精に合わせて新しい触手が入り込んだってこと? でもさっきは射精は普通に出来るって言ってたから……
「ふふ。射精自体を妨げないように尿道内のから輸精管を経由して精嚢や精巣に触手が入り込んだ、と言うことさ。」
「でもッ、それがなんでっ、こんな風に……」
 膀胱やお尻の中に触手が入り込んだからっておしっこやウンチが出続けるような感覚は無かった。なんで射精の時に限ってこんなことに。
「射精をするときはおしっことは違い、体内に一定量の精液を溜め込んでから勢いよく噴出させるのだろう? そして一定量の精液を吐き出し終えるまで、それを何度も繰り返すわけだ。」
 確かにそうだけど。
「その精液を溜め込む場所にも触手が入り込んで、自分の身体を風船のように膨らませたとしたらどうなると思う?」
「風船のようにッ、って……精液がッ、溜まったとッ、身体が勘違いする?」
 まさか今の状態って、その触手のせいで精液が溜まってると思い込まされてるってことなのか!?
「それは射精の時にしか感じない感覚だからね。脳が射精をしていると勘違いするのも当然だろうな。」
「そんなッ……もう、止めてよッ!」
 ずっと射精を続けているみたいで、ペニスの奥がつってしまいそうだ。
「何を遠慮しているんだ。男ではそうそう味わえない長時間の連続絶頂感だぞ? 厳密には違うのかも知れないがもっと楽しんだらどうだ。」
 別に気持ちよくなんて……
「さて、それともう一つ。おちんちんが大きくならないようにするんだったな。それももう済ませたから安心するといい。」
「え、何っ、したの!?」
 スマホを操作したのは分かったけれど、それで勃起出来なくされた? でもそんなこと出来るの?
「何、簡単な話さ。 その服がキミの動きを封じられるほど固くなれるのは分かったろう? おちんちんを覆う部分を今の形のままで硬化させ、変形出来なくしたのさ。」
「うそッ……でしょ!?」
 それってつまり、無理やり押さえつけてペニスが大きくなるのを防ぐってことでしょ? ひょっとして凄く痛いんじゃ…………気持ち悪い。吐き気がする。
 目が覚めちゃったけどまだ真っ暗だ。今って何時だろう?
 午前の、2時? なんでこんな時間に……




 結局化学室にいる間に授業時間は終わってしまっていた。大澤さんは自宅通いだから家に帰り、俺はこうして量に戻ってきている。
 そう言えばお尻に入れられたディルドゥは今も入ったままだ。どれだけ引っ張っても抜けるのは先端の膨らみまで。それ以上は服が放してくれず、完全に抜くことが出来なかった。それならいっそと全部を押し込もうとしても反対側の膨らみ手前まで入ったところで突っかかってしまう。
 ディルドゥが半透明なせいでお尻の中が空けて見えてしまうのが恥ずかしかった。とは言え服で覆われてるから見えているのは俺の身体そのものじゃないんだけど。
 ディルドゥをぶら下げたままで歩きまわるわけにもいかず、出来るだけ奥まで押し込んでおくことにした。けど身体に入った部分は暴れてるように感じることに変わりはなくて、ペニスとお尻を同時に刺激され続けてるようなものだ。大澤さんが言うにはまたディルドゥが必要になるかも知れないってことだったけど、それなら必要な時だけ使わせてくれればよかったのに。
 寮での夕食時間にはこんな服を着てるってことで流石に注目の的になってしまった。説明したら理解して貰えたしその後も変に追及されることもなかった。多分お尻のディルドゥにも気づかれてない、と思う。
 その頃には尿意や便意は少し収まっていたし、ずっと続く射精直前の様な感覚も多少は慣れてきたからちゃんと説明も出来た、はずだ。
 このままの格好で風呂に入った時には流石に驚かれていたけれど脱げないんだからこればかりはどうしようもない。寮には共有の浴場しかないから1人で入るなんて無理だったし。
 この服を着ていれば身体を奇麗に保ってくれるとは聞いたけど、それは覆われてる身体だけの話だ。頭を洗うにはどうしたって風呂に入るしかない。一応、濡らしても大丈夫だとは聞いてたけど大丈夫だったんだよな?




 で、早めに寝たんだけど……いつもなら早く寝たってこんな時間に目が覚めることなんてなかったのに。
 駄目だ。吐き気が酷い。このまま横になっていようかとも思ったけど、布団の中で吐いてしまいそうだ。
 洗面台に……いや、詰まるかも知れないし怒られるな。トイレに行こう。この時間なら人も居ないだろうし。
 足も重い。それでも服がバランスを取ってくれてるから転ばずに済むのが救いだ。トイレまであとちょっと。一度吐いちゃえば少しは楽になるかな……
「着い、た。」
 何か悪いものでも食べたっけ? いや、寮での夕食を食べただけだよな。あれが原因だったら今頃寮生みんなが吐きに来てるはずだ。誰もトイレに来てない所を見ると違う原因なんだろうな。
「うぅ。」
 普段は嫌なトイレ掃除だけどこうして便器に顔を近づけなきゃならないときはきちんと掃除していて良かったって思える。
「ん、うげぇ……」
 込み上げてくる吐き気に身を任せて……
「んっ!? んんーーー!!」
 なっ、なんだこれ!? 俺、何を吐いてるんだ? 太い何かがゆっくりと胃から這い上がってくる。ゲロみたいな液体じゃなくてしっかりとした形がある。それに酸っぱい味もしない
「ッッ!!」
 うぅ、吐き出すのを止められない。このまま捨てるものだけど。流石に口から繋がったままのものが便器に触れるのは嫌だ。飛び散る心配だけは要らなさそうだし、立ち上がって便器に当たらないようにしなきゃゃ。
「ッ!」
 胃から溢れ出してくるのは止まった。けど吐いたものは口から垂れ下がったままだ。噛み切ろうとして力を入れても歯を食い込ませることすらない。喉一杯に広がってるから息も出来ないし、このままだと窒息しちゃう。
 一体どうなってるのか、とにかく鏡で確認を……いや、見ても分からないかも知れないし、窒息するより先に寮母さんのところに行った方がいいのかな。
「!?」
 吐いた塊が震えてる? 何が起きてるんだ? やっぱりまずは鏡で確認した方がいいのか。
 ……なんだ、この黒いの。どう見たってゲロじゃない。口から伸びた30cmはありそうな黒い塊。こんな真っ黒なゴムみたいな物なんて食べた覚えはないぞ。
 あれ? でもこの表面のテカリ具合ってどこかで見たことあるような……
 いや、どこかどころじゃない。色が違うだけで、質感も光沢も着せられているこの服にそっくりなんだ。でも服だとしてもなんで口から? ……まさかだけど、お尻の中に入ったのがそのまま身体の中を通過して口まで来たってことなのか!?
 あ、あれ? 震えてた先端が細い何本もの房みたいに分かれて……
 うわあっ!? 止めろ。顔に貼りつくんじゃない!!
 房を掴もうとしてもヌルヌルしてて手からすり抜けていく。顔に貼りついたあとはそのまま薄く伸びて顔を包み込んでいくのが分かる。なんだよ、なんなんだよこれ?
「?? ふはぁっ!!」
 あ、息が出来る? 鏡の中、口の中が空洞になってる。ひょっとして吐き出してた塊って元々中身のない風船みたいなものだったのかな。お尻に入った時も中にディルドゥを入れられたくらいだしな。で、先端が裂けて分かれたから呼吸できるようになったってことか。
「ふぅ、はぁ……」
 駄目だ。息は出来るようになったけど喉は広げられたままで喋ることは出来ないみたいだ。
 うぅ、いつの間にか顔中を黒い触手で隙間なく覆われてる。でも何でだ? 目も真っ黒になってるのに視界は黒く染まらずに見ることが出来ている。
 原因はこの服みたいだし、明日になったら大澤さんに聞くしかないのかな。こんな真っ黒で口を大きく開けた人形みたいな顔で学校に行きたくはないけど、ずっとこのままでいるのはもっと嫌だし。
「はー、やっと喋れる。」
 っ!? なんだ今の声。
「初めまして、ってのはちょっと違うかな? もう半日以上一緒に居るんだし。でも挨拶はしておかないとね。よろしく、あゆむちゃん。」
 間違いない。この声、俺の口から出てる。開きっぱなしだった口が勝手に動いて俺の意思とは関係なく言葉を紡いでる。でもどうなってるんだ?
「っっ!!」
「あははっ。喋ろうとしてもだめー。この口は私が喋るために使うんだから。」
 くそっ、何が起きてるんだ? コイツが喋るのに合わせて勝手に息を吐き出してしまっている。
「そうだねー、ちゃんと説明してあげるからまずは部屋にもどろっか。あ、でもその前に。ほら、鏡を見て。」
 真っ黒だった顔が肌色に変わっていく。まるで最初から何もなかったみたいに元通りに。でも顔を覆われてる感覚はあるし、表情も自由に変えることが出来ない。
「ついでにおまけ。こんなことも出来るんだよ。」
 ちょっと待て。なんだよこれ。唇の色が変わって真っ赤に染まっていく。目の周りもピンクに変わってまるで化粧でもしてるみたいだ。
「じゃ今度こそ戻ろっか。」
 うわ!! 身体まで勝手に!? 俺の意志なんてお構いなしに勝手に歩き出して部屋へと向かっていく。この服に身体を操られるのは初めてじゃないけど、今までは大澤さんが命令を出して動いていたはずだ。
 でも今はそんな感じじゃない。服自体が意志を持って俺の身体を操ってるみたいな……
「ほーらー。抵抗しないの。」
「っ!?」
 痛ッ!? なんだ今の。お尻を叩かれた? でも叩くような人なんてどこにも居ないのに。
 ずっと身体を弄られ続けて、眠れたんだか眠れなかったんだか……
 半ば意識を失いながらだけど、何度もイカされたのは覚えてる。
 アイツの言ってた通り、イくたびにペニスへの刺激を減らされて……それなのに身体はしっかりイって射精をしてしまっていた。
 女の子のイき方をさせたいって一体どういうのなんだ? それで俺に何をさせようとしてるんだろう。
「おはようございます、先輩。」
「うわ、びっくりした。女子かと思ったら広瀬か。あー、その服って脱げないって言ってたんだっけ?」
「そうなんですよ。一晩中着てたから少しは慣れましたけど、やっぱりちょっと恥ずかしいですね。」
 俺の意思なんて全く無視して身体は勝手に日常生活に戻っている。いや勝手に、と言うのは違うか。この服が意志を持って俺に成り代わってるんだから。
 先輩も同級生も、果ては寮母さんまで誰一人今この身体を動かしているのが俺じゃないって気付いてくれる人はいない。
 いや、もしも他の誰かが服に身体を操られてたとしても俺だって気付けるかどうか。そもそも服に身体を操られるなんてことがことが想定の外だし、ちょっと言動がおかしくなったってその日の気分なんだろうとか思ってそれで済ませてしまうだろう。
 あっ……
 んんッッ!!!
 く、またイきそう……
 んっ、もうちょっとだから……待って。刺激、止めないで……
 うあ……ダメだ。
 ベッドから出てからはイケそうでイケない状態が続いてる。射精が近づくとペニスへの刺激が止まって、ちょっと落ち着くと再開する。
 今まではペニスへの刺激が止まっても昂った身体の余韻で射精までたどり着けてたけれど、今は変なところでバランスが取れちゃってるって感じだ。
 身体が自由になるならペニスを扱いて射精をしてしまいたいけれど、身体を操られている今はそれも無理だ。
「いただきます。」
 トーストと目玉焼き。それに野菜のスープ。目の前のテーブルに並んでいるのは金曜日のお決まりメニューだ。でもこれを食べられるのは俺じゃない。
 俺の口に含み、俺の歯で噛み、俺の喉に飲み込むけれど俺の身体は内側すらもこの服に覆われてしまっている。身体が栄養として取り込めるのはこの服が取り込んだ後の残りだってことだ。
 操られた手がトーストを口へと運ぶ。あれ? 鼻の中まで覆われてたんだっけ? 全然匂いが感じ取れない。
 うえぇ!?
 なんだ? これ。トーストを口にした瞬間から変な味が口中に広がってる。それに、この臭い。ツンと鼻に刺さるような臭い。どこかで嗅いだ覚えはある気がするけど、なんでこんな変な臭いがしてるんだ?
 トーストを齧ってるのにカリカリとした触感が感じ取れない。口の中に広がるのはなんだかねちょねちょとしてベタつく感覚だ。
「はいはーい、あゆみちゃん。起きてるよね?」
 え? この声……夕べ何度も聞いた、この服が喋るときに使っている女の子みたいな声だ。
 でも何で? 口はトーストを頬張ってるし、喋れる状態じゃないのに。
「あ、この声だけどね。耳の中に入った触手が振動して音を出してるの。だから聞こえてるのはあゆみちゃんだけね。」
 耳の中って、そんなことまで出来るのか?
「周りに人も居るし、あゆみちゃんに口を使わせてあげるわけにはいかないから一方的な語り掛けになっちゃうけどねー。で、一応今の状態を説明してあげようと思ったってわけ。うーん、私ってば親切。」
 親切だったらそもそも俺をこんな目に合わせたりしないだろ。
「あゆみちゃんってば、昨日から何度何度も射精してるよね。」
 してるっていうか、お前にさせられたんだけどな。
「実はね、射精で出した精液は捨てたり吸収したりせずに保存してあったの。」
 保存? って、そのまま残してるってこと?
 あ。……そうだ。この臭い、どこで嗅いだことがあったのか……思い出した。
「ひょっとして分かっちゃった? そう。私が食事をするのに合わせてあゆみちゃんの口や鼻の中に精液を流してあげたってわけ。」
 うぅ、やっぱり。この臭い、射精した後の精液の臭いと同じなんだ。流石に味は知らなかったけど、今味わわされてるこれが精液の味だってことなのか?、
「これから先もね。私が食事をするたびに精液を味わわせてあげる。つまりあゆみちゃんはこれから一生、精液だけを味わって生きていくんだよ。ふふ、面白いでしょ?」
 一体何が面白いんだよ。精液の味なんて味わいたくない。思い切り吐き出したいのにそれすら出来ない。完全に覆われた舌に直接塗り付けられているんだから防ぎようがない。
「広瀬。俺は先に行くけど遅刻しないようにな。」
「大丈夫ですよ、先輩。」
 表面上はいつも通りの朝。でも実際にはずっと全身を弄られていて、お尻の中までかき回されて、気持ちいいのにイくことが出来ずにいる。おまけに精液を味わわされて、こんなのがずっと続くの?
 大澤さん。お願いだから、助けてよ。




「おはよう。」
「おはよー。やっぱり今日もその恰好なんだね。」
「うん。これって大澤さんの作った服なんだけど脱げないんだよね。」
「え? じゃあお風呂とかどうしたの?」
「このまま入ったよ。それでも大丈夫って言ってたし。身体は服が奇麗にしてくれるらしいけど、頭は洗わなきゃならなかったしね。」
 教室に着いても服が俺に成り代わってクラスメイトと話をしている。俺が俺じゃないと気付いてくれる人は誰一人いない。昨日に続いてこんな恰好をしている俺を物珍しがってるだけだ。
 大澤さんも教室には来ていないみたいだ。でも別に珍しいことじゃない。いつも朝から化学室に籠っているし、それを咎められることもないからだ。
 ひょっとしたら夕べの記録から俺が乗っ取られてると気付いて助けに来てくれるんじゃないか。有り得ないとは思いながらも僅かに抱いていた希望はあっさりと潰えてしまった。
 こうなると大澤さんに会うには化学室に行かなきゃならないけど、コイツが自分から行ってくれるとは到底思えない。
「おはよう、諸君。」
「あれ? 大澤さん? 教室に来るなんて珍しいね。」
 って、うそ。大澤さん? 滅多に教室に来ないから、入ってくるなり注目を集めてる。
「うむ、我が発明品の確認をしたくてね。化学室に呼び出しても良かったんだがどうせ通り道だから教室に寄ってみたというわけだ。」
 取り囲むクラスメイトをあしらいながらこっちへと向かってくる。
「と言うわけで広瀬くん、調子はどうだい?」
「おはよう、大澤さん。流石にね、一晩着てたら少しは慣れたよ。おしっこも消費して貰えたのか尿意も落ち着いたしね。」
 違う。大澤さん、これは俺じゃないんだ。
「そうか、それは良かった。問題が無いようならもうしばらく着てもらって経過を確認したいからね。」
 ちょっと待ってよ。本当に気づいてないの? ドローンで確認してたんでしょ?
「いや、流石にこの格好でいるのって結構恥ずかしいんだけどさ。具体的にいつごろまで着てなきゃならないのかな。」
「現時点では何とも言えないな。脱いでも良くなったらこちらから指示するからそれまではその恰好でいてくれたまえ。何、生活に支障はないのだろう?」
「うん、まあ。それはそうだけど……」
 支障だらけだよ。だから早く脱がせてよ!!
「私はこれから別の研究に取り掛かる予定でね。もし何かあったらまた化学室に来るといい。こちらとしても一応リアルタイムでキミの姿は追うつもりだがね。」
 ……そうだ。ドローンのモニターって化学室の黒板を改造したモニターだったんだ。ってことは自宅では俺のことを確認してなかった、ってこと?
 これからはリアルタイムで追うって、まさか夕べの記録を見るつもりもないの?「それじゃ次の問題を……広瀬、解いてみろ。」
「はい。えっと……わかりません。」
「おいおい。特待生だから留年や落第は無いとは言えしっかりと勉強してくれないと困るぞ。」
「すみません。授業に全部出られればいいんですけど、呼び出されたら行かないってことも難しくて。」
「まあ分かるけどな。出来る範囲でいいから頑張れよ。」
「はい、ありがとうございます。」

 違う。

「広瀬君、今週ってトイレの掃除当番だったよね。大丈夫なの?」
「大丈夫って何が?」
「だってその恰好でしょ? スカートはいてて男子トイレに入ってたら変な目で見られたりしない?」
「確かに驚く人は居るかも知れないけどさ。掃除中に用を足しに来る人なんていないんだから大丈夫だよ。」
「そっか。そう言えば昨日もその恰好のまま掃除してるんだもんね。」

 違う。

「広瀬。外出届を出してないみたいだけど今週末は出かけないのか?」
「いや先輩。学校内ならともかく、この格好で外に出るのは流石に厳しいですよ。今週は部屋で大人しくしてます。」
「そうか。なら何か欲しいものあったら買ってきてやるぞ。勿論手数料は取るけどな。」
「そうですね、必要になったらお願いします。」
「あー、でもエロ本とかはダメだぞ。見つかったら俺の責任になっちまうからな。」
「そんなのは頼みませんよ!!」

 違う。違う違う違う。それは、俺じゃない。

 身体を動かしているのは俺じゃない。この身体を覆っている服だってのに、誰一人として気付いてくれない。
 でも、それも当然かもしれない。喋り方も言葉の選び方も、ちょっとした動きの癖までいつもの俺を再現されてしまっている。
 でも……一人くらい気付いてくれる人が居てもいいのに。


 んんっ!!


 うぅ。考えがまとまらない。
 最初は違和感でしかなかったこの感覚。
 身体中を……特に胸を撫でまわされたり揉みしだかれて、唯一刺激をされないのはペニスだけ。
 その上でお尻の中を触手でかき回されて、それである時を境に始まったこの感覚。
 メスイキ。
 確かコイツはそう言っていた。男でも感じられる女としての絶頂だってことだ。
 学校で言われた通りに、あれからひと時も休まずにずっとメスイキって状態が続いている。
 正体不明の違和感だったのは最初だけ。これが快感だって言われたせいで、今では本当に気持ちが良くなってるんだって信じ込まされてしまった。
 頭の中がぼうっとしびれている様な、身体に力が入れられないおかしな状態が続いている。
 俺だってもう子供じゃない。今までだってオナニーをしてイッたことくらいはある。
 でもこの感覚はこれまでオナニーで感じた快感とはまるで違う。
 激しい快感が一瞬で終わるオナニーの快感と違って、大きく変わることなくずっと一定のままだ。
 いきなり高まることも無ければ、鎮まって落ち着いてくれることもない。
 気づけばペニスはすっかり萎えてしまっているのに、それでもこのメスイキが終ってくれる気配はない。
 オナニーをするときは勃起しなければできなかったのに、まるで身体が壊れてしまったみたいだ。
 おかげで身体が慣れてきてしまったような気がする。
 いや、慣れるって言うのはちょっと違うかも知れない。
 この状態でいることに違和感を持てなくなってしまっている、と言った方が正確かな。
 身体がおかしくなってるってことは今でもちゃんと分かっている。
 でも、どうすればこれを終わらせて元に戻れるのかが分からない。
 快感が身体に馴染んでしまっている、とでも言えばいいのかな。
 快感が一定だとは言ったけれど、最初の頃と比べれば段々と強くなってるような気もしている。
 まるで一度生まれた快感が身体の中で反響して、際限なく強くなっているような……
 いや、そんなハズはない。
 単に身体が疲れてこの感覚を受け入れたくないと思ってるから違和感が強くなってるだけだ。
「あゆみちゃん、気分はどう?」
 自分の意思では身体を動かせず、服に動かされるのを見ているだけだ。
 そんな状態を続けていたらおかしくだってなるだろう。
「ねえ、あゆみちゃんってば。」
 でも……自分では動くことが出来ずに、ただただ服の動きに合わせて身体が動かされるだけ。
 おまけにこの快感で、服の中で身体がぐじゅぐじゅに融けてしまっているみたいだ。
「もう。勝手に身体を動かそうとするのもダメだけど私を無視するのはもっとダメー。と言うわけでペナルティのお尻ペンペンいくからね。」
 え……
「痛ッ!?」
「あはっ。気が付いた?」
 え……あ。ここ、俺の部屋? いつの間にか戻ってきてたのか?
「声をかけられてるのにも気づかないだなんて、すっかりメスイキのトリコになっちゃったんだねー。」
「ち、違……」
 これまでずっと俺のことなんて無視してたから、こっちに向かって話しかけてるなんて思わなかっただけだ。
 それなのに、言葉の途中で口の自由を奪われて説明をさせてくれさえしない。
「様子を聞こうと思ったんだけど、邪魔しちゃったかなー。もう邪魔はしないから遠慮しないで堪能してね。」
 うあぁ……お尻をかき回す触手の動きがなんだか強くなった!?
「でも意識の端でいいんでちょっと聞いておいてね。あゆみちゃんはね、これからもずうっと快感に浸っているだけでいいんだよ。」
 そんなの……
「面倒な授業も、特待生だからって腫物を扱う様に接してくる友達の相手も、雪美ちゃんの理不尽な注文に応えるのも、全部全部私が変わってあげるんだから。」
 面倒、なんかじゃ……うぅ。頭がぼんやりして考えがまとまらない。
「普通の人だったらね。こんなこと、絶対出来ないんだよ。あゆみちゃんは食事も排泄も何一つ自分でする必要はないの。呼吸ですら自分でする必要なんてないんだから。」
 そんなの、人間じゃない。
 ダメだ、コイツの言葉は聞いてたらおかしくなる。でも、俺には耳を塞ぐ自由すらない。
「うふふ。抵抗しようとしてる? でも無駄だよー。一度イっちゃったらもう終わり。絶対に止めてなんてあげないんだから。」
 もうやめてよ……
「これからのあゆみちゃんにとって、生き続けることはイき続けることと同じになるの。」
 やだ、やだよぉ……
「ほら、今日はもう寝ちゃおう? 寝ててる間もイき続けてもう私なしじゃまともな生活なんで出来なくしてあげる。」
 あ……急に目の前が真っ暗になった? 目は閉じてないのに。目を覆ってる部分が光を通さなくなったってこと?
「この土日は身動きすら取らずにずうっとずうっとメスイキだけを味わわせてあげる。その気になれば食事だってとらなくていいんだから。あゆみちゃんの老廃物を私が栄養として使って、私の出したものはあゆみちゃんの栄養になる。そんな半永久機関としてつくられているからね。」
 そんなことまで……
「さ、これからは快感だけに集中して。それ以外のことは何も考えなくていいから、たっぷり楽しんでね。」
 身体が横になった……ベッドに寝たのか? 目の前は真っ暗で、身体も動かせない。
 今まで声が聞こえてたから気づかなかったけど、それ以外の音が全く聞こえなくなってる? いつもだったら窓の外から風や虫の声が聞こえてるのに。
 いつの間にか口の中に広がっていた精液の味も臭いもしなくなくなってる。
 じゃあ今の俺が感じ取れるのって、服の中で起きていることだけ?
 そんな……
 ひうっ。
 なんで……なんでこんな目に合ってるのに、気持ちいいのが終わってくれないんだ……
Sirius悚聲:Re: 一片日文 剧情是男孩子被触手皮寄生
求翻译菌
lostfeet:Re: 一片日文 剧情是男孩子被触手皮寄生
Sirius悚聲求翻译菌
点击浏览器的一键翻译,就可以看个大概了。
18087750559:Re: 一片日文 剧情是男孩子被触手皮寄生
【好啦,好啦。哎呀,一想到今后这个房间会变成我的东西就感慨很深呢】(奇怪的东西所说)
每当我打算活动身体的时候,我总算能体会到像被打屁股一样的痛楚,就这样回到房间。明明没有被任何人敲打,唯独痛楚会袭来,这家伙用自己的意志给予我痛楚。现在只是被打屁股,不过,如果想做其他的事它不是也能做到吗?
话说,这是我的房间,不是这家伙的房间。
而且这个声音。明明从我嘴里说出来没错,但声音却明显不同。就像动画里出现的女孩子一样可爱的声音。
“啊,这样啊。嗯,同一张床,如果按照自己的意思坐,也会格外感动。”
“啊! !”
由于跳起来坐在床上,臀部的迪尔杜(这个不知道是什么东西,也许是弟弟?)受到了冲击。可恶,运动身体是件好事,但受害的却只有我,是不是太过分了?
“嗯,我说好要给你解释清楚的。我想你已经知道了,我是你穿的这件衣服。”
果然如此。但是能不能别把裙子撩起来?感觉好像被展示了内衣一样。
“虽然雪美说自己是疑似生命体,但是正如她所说的那样,我的意识和感情也是有的。所以和普通的生命一样。只是从来没有办法去表现它。
所谓的表现,我觉得到现在为止也对我做了各种各样的事情。
“嗯——。还是我一味地说话,太无聊了。没办法,我也让你说话。虽说只有一个嘴巴,但我当然有优先权。”
可恶。明明是我的身体。但是这样就能听到从刚才开始在意的事情。所以故意让他说话。
“你不是明白我在想什么吗?”
哇!什么啊,刚才的声音。我说的声音,是吧?这家伙的声音也很像动画里的角色,但是比起这个声音更像是制作出来的声音。小女孩的娇媚的声音。
再加上舌头被覆盖了吧,不能随心所欲地移动,舌头也不够了。这真的像个小女孩子吗?
“那是当然的。反正我只是覆盖着小绫的身体的衣服。我知道她是怎么动的,心跳加快,出汗了,所以很紧张,但是我看不到她的头脑。”
是这样吗?虽然之前也有过这样的回答,还是很担心,但如果是这样,也许会有帮助(自己的办法)。
“啊,不过,还是不要想要呼救为好。因为我不打算让你在别人面前自由。”
哇。
“嗯,我说要难得让你说话,你却不怎么说话。难道不说话也没关系吗?”
“是这样啊! !”
嗯。声音果然有违和感。
「算了。然后继续说明吧。雪美呢,因为太坏心眼了,所以对我施加了各种限制。比如说,不能把身体伸到脖子上之类的”
啊?但是现在不是已经到脸来了吗?
“所以呢。我也尝试了很多。身体外面覆盖的部分怎么都只能来到脖子上。那么把进入了亚由美的屁股中的东西伸长的话说不定就能在脸上露出来呢。啊,不会弄脏的,放心吧。因为并不是就这样把身体伸直,而且嘴巴露出的部分是和臀部接触的部分不同的地方。
嗯?怎么回事?
“是啊,试着想象一下竹笋吧。最初被皮覆盖,不过,从皮剥掉中竹出来。反复做这个动作的时候,经常会有从里面飞出来的部分往里面走的感觉?”
嘛,也许稍微好理解一点吧。不管怎样,我的嘴巴都被这家伙给遮住了,这一点是没有改变的。
“顺便一提,身体被分成枝条进入了肺部。所以呼吸也是由我支配的。
我知道他连呼吸都被操纵了,那这家伙是要深入到我的身体里去吗?
尽管如此,我还是大致了解了现状。
“那么,你接下来打算怎么办?”
“你说怎么办?”
“明天开始。你要用我的身体做什么?”
这家伙的想法大概和大泽先生考虑的预定不一样。那样的话应该也有可能被发现。
在那之前,大泽先生还用贷款确认过我呢。那么明天不也会注意到吗?如果说出那件事,他会死心释放……不,还是不要说得那么拙劣的好吗?我的身体现在完全被这家伙支配了。如果自暴自弃的话,不知道会被做什么。
“嗯,我并没有做什么。我只是想感受成为亚由美生活而已。”
「哈?是不是有什么目的才做这种事啊?”
“好可怕啊。我刚才还只是普通的衣服啊?”
只是,怎么也不认为,不过。
“只是被别人穿,对穿的人有点挑剔而已。如果做了奇怪的事情,就会被雪美脱了,这样的生活就这样结束了。
做了十分奇怪的事吧。不,就是做了不顺大泽先生意思的事情吗?
“这个嘛,作为人类能生存下去的机会终于来了。这样的话,就没有办法不使它发挥作用了吧。
这可能反而会很糟糕。如果有目的的话,也许可以得到解放,但是作为我来说,如果活着本身就是目的的话,那么(它还活着)我就不能自由。不能说些什么吗?
“作为人类的话。用这样的声音说话的话,明天不就马上被周围的人发现了吗?”
无论是声音还是说话方式都和我完全不同。这样还不怀疑根本就是搞笑。
“啊哈哈。你在担心我吧。但是没关系。……瞧!像这样声音也是自由自在的。
声音变了吗?因为总是在听我的声音的缘故吗。
“和同学说话的时候,我会用平常你的声音的,放心吧。
甚至说话的方式(都模仿了)!确实,这样的话很难从声音中发现不是我了。
“这样的话即使万一亚由美(滨琦布美酱【也就是主角】因为是用机翻,所以会在两个称呼见不停变换,请谅解)说了话,谁会被认为是真的呢?啊,对了。顺便做下这种事好了”
“这样的事?”
嗯。我说话的时候还是像小女孩一样的声音。这家伙也恢复了声音,所以没有了随意使用我的声音的感觉。
“嗯。说说看。对我来说也是一种挑战”
“说说看,说什么好呢?”
啊!!我现在说了什么?
“是啊。现在开始你就是步美。虽然这么说,但只有我才能叫你
嗯。不管你怎么发牢骚,那句话的意思也不会变的(我的想法也不会变的)。“这样就不用担心暴露了,从明天开始我就可以作为广濑亚梦生活了。”
“你看,如果马上被发现,我最后不是就只能被脱掉了吗?”
……应该是那样的吧?至于能走多远,就看大泽了,他应该不会让你一辈子都穿着这件衣服。虽然话不能说绝,如果没有这个可能,那么这种情况是很可怕的。
“所以,我想了很多。看,这个。”
“? ?”
一只手举在眼前。连指尖都被雪白的手套所覆盖,这是怎么回事呢?
嗯,什么事?手套从指尖裂开……我的手从下面出来了。
“??……咦?
我的手?不,外表看起来的确只是我的手。但是至今还残留着被覆盖了的感觉。
“注意到了吗?是啊,说脱皮的话很容易明白吧。这个呢,脱去衣服形状的部分,留下了再现皮肤的薄皮。就算很薄,我也不会改变。我不会让你自由的。
确实,怎么看都只看到我的手,无论怎么动都动不了。
“所以你不是说了吗?随便动也没用。就算这样,还是得做违逆我的惩罚。啪! !”
“咦咦咦! !”
还有被打屁股的感觉。偏偏在这种时候,连声音都发不出来,就连疼痛也无法排解。
“大声喧哗的话会给别人带来麻烦的。这么晚还得安静。”
这些话让你自己试试啊。
但是像这样全身都被薄皮包裹的状态,从外观上很难判断。
大泽先生,能好好注意到吗?不要紧吧?现在的这个如果好好地看无人机的映像应该知道是怎样的。明明在摄影,为什么不看呢?
「那就先把手放回吧。现在还得把我包起来。我必须向小亚由美道谢。
“我?”
「嗯,谢谢。因为你把作为人类生存下去最需要的东西让给了我。”
必要的东西?什么事?
“你说这个身体吗?”
等一下。这样不就把身体让出来了吗?想说的是“你在说我的身体吗?”明明如此。
“身体也是这样。但是如果只是身体的话,最坏的可动式模特儿也能穿的话,总会有办法的。如你所见,脸也可以再现,营养也可以从嘴里摄取。”
确实是这样。我的脸刚蒙上之后就黑漆漆的,不过,此后马上变成了原来那样的脸。那个家伙改变了颜色,再现了我的脸。那么就算是模特儿穿也能变得和人一样吗?
“比这个更重要的是,滨崎步酱是这个学校的学生。光是人体模特儿穿的话我谁都不会成为的。即使是外表完美的人,如果只是突然出现在现场的话,谁都不会接受的吧。
也就是说,你是说要替我道谢吗?我可不记得让给他了。
“对了,说起能从嘴里摄取营养的话。现在,亚由美的身体里。从嘴到大肠都被我包围着。你知道这是怎么回事吗?
这么说……
“好可怕啊。今后,今后,这个嘴吃的东西不会直接触及滨崎步酱。雪美不是说过我把亚由美的排泄物做为营养活动吗。但是,这只能用一半。
她现在说的意思我不能理解。怎么回事?
“这么说也不行?亚由美能作为营养摄入身体是从肠子开始的吧?但是吃的东西不会碰到亚由美的肠子。当然不会让你饿死的。我把作为营养消耗的残骸排泄到小步的肠子里。
排泄,在我的身体中?不,不仅仅是扔掉而已。从现在开始我要把那东西作为营养来摄取……
“说谎……对吧?”
「啊—。太好了。我想这样没让别人明白该怎么办。那。从今以后,步酱要吸收我的排泄物活下去。不过亚由美的尿和身体表面出来的污垢只有我处理了。所以雪美酱说的话一半也适用。
嗯。不仅仅是身体的动作,连这样的地方也能取得主导权。
说不定,如果破坏了这家伙的情绪连那个也不能得到吗?刚才说穿模特儿也可以,弄不好的话,就算我死了,皮也能覆盖着身体继续活动什么的……
嗯。大泽,期望你真的能注意到。拜托了。
“啊,说错话了,不是说要道谢吗?”
是的。道谢到底是要做什么呢?
“这样的……”
“咦咦咦 !”
变成! !等一下,身体里,不要挠痒痒! !
“呵呵。全身因爱抚而变得愉快。其实我想早点这样啊。你看,喊的话会被我奇怪的事情了吧?因为这样口可以支配一直忍着了。”
爱抚?你说什么……虽然白天也有挠痒痒的时候,但是比那个更激烈。而且,总觉得衣服的变得内侧空荡荡的?就像从前用洗澡洗身体的时候被逗弄了的时候一样的感觉。
啊! !屁股里,别搅动! !
“你知道吗?男孩子的身体啊,屁股里面有两处快感点。一是为了让小弟弟变大射精的前列腺。”
是什么?现在这个家伙是在说什么?
“还有一个叫精囊。刺激了这里的话,男孩子也能像女孩子一样舒服。现在我刺激的是你这里。
啊,住手!!
「啊哈哈。如果是真的话气喘吁吁的。这样也许就太难以呼吸了。但是没关系。像这样我会好好管理你的呼吸的。我不会让你缺氧而一直保持着意识,接受快感吧!”
“心情舒畅,该怎么说呢?”
嗯。明明想叫。明明想尽可能地强有力地说话。本来就很幼稚的说话方式,只能像用鼻子说话一样。这样的话怎么可能让心情变得舒畅。
“嗯嗯。一开始光靠屁股是很难让人心情舒畅的。所以,重点爱抚一下能让人心情舒畅的部位。”
啊! !停一下! !
“怎么样?男孩子也会因为乳头而心情舒畅的。”
啊啊啊!?胸部的刺激突然变强……不只是挠痒痒吗?这是什么?
“话虽这么说,果然这边也需要习惯啊。所以,我会大酬劳你,好好地玩弄你。
啊!?不要把阴茎磨得那么激烈!!
“啊,不过要小心啊。如果太过注重小弟弟的话……是不是说太迟了呢……。
“啊!!~~~~~~ッ!!”
好痛!
“所以呢。雪美酱不是也说过,小弟弟是不能直起来的吧?”
阴茎像要崩溃一样的疼痛。不,准确地说是被破坏了。虽然想要勃起,但被压住,长不大。
“因为小步的弟弟就那么被完全包进去了。再怎么想长大也没用。我不会给你在上面和下面设一个退路的。
那样啊。呜,腰快要弯了,身体却动不了,甚至连这个都……
“你看,不要随便动身体。直到我记住为止,屁股都变得扁扁的——”
嘿!!屁股扁了之类的不是那么简单的疼痛。用手掌直接拍打皮肤的疼痛。不管被打几次都不觉得习惯。“恩,唔……”
泄漏的声音也变得可爱了。总觉得小的女孩子好象马上在附近发出声音,快要变成了异怪的心情。
“看吧,不早点接受屁股的快感的话,不管过多久,小弟弟都会一直很痛的。”
被说成是快感什么的,在屁股里被搅拌不是很舒服吗?
接受到底要怎么做才好呢。
“啊,反过来说,小弟弟好像要变大了。这么说来,你知道地上自慰吗?”
“地板,你要什么?”
“好像不知道是那种反应。是指把小弟弟压在地板上,一边压着一边自慰。这样小弟弟一直没变大的情况下自慰的话,现在情况可能就接近于这个了。”
即使被这样说,也没有自慰过,所以不可能明白的。本来现在不是手淫,而是单方面地被玩弄身体。
“嗯~嗯,好像挺难对付的,给你服务一下吧?把小弟弟的刺激变强。”
“咦 ! !”
这是什么?怎么了??我知道整个阴茎都被刺激了。但是这个,我完全不知道是朝哪个方向抚摸的。就好像阴茎被细致地分解,分别受到刺激一样的异样的感觉。
“啊哈哈!你的反应很好。想知道是怎么回事吗?伸出非常细的触角,分别抚摸着它们。它们也会分泌出让人心情愉悦的黏液,是人类无法再现的快感吧?”
舒服吗?吗?和被摧毁的疼痛一起变得莫名其妙了。但是为了做射精的感觉比起屁股和乳头对阴茎的刺激容易接受吧。
而且昨天,在化学室射精以来一直持续着射精紧接之前那样的感觉。如果集中在阴茎上,这样的状态说不定也能去。
“小步的叔叔,透明的汁液溢了出来。再稍微好一点吧?”
嗯。不要泡太多的茶(这句话我也不能明白什么意思,也许是日本俗语一类的,我判断不了,毕竟我只是个日语小白)。意识被奇怪的人带走。
啊,但是……嗯。还有一会儿,好像就有什么要来了
「啊~。亚由美的感觉,好舒服~~!”
什么,什么?刚才的。
刚刚的话肯定是从我嘴里说出来的。但是,刚才的声音不是这家伙说话的声音。不如说我打算说的时候,这声音突然冒了出来,发出的声音好像还很性感……
「啊哈哈。因为知道了亚由美要去,所以就替你表达了心情,怎么样?很像吧?”
虽然很相似,但这是你随意改变的声音吧。说话的方式和我真正的说话方式一点也不像。
“恩,还是把我吓了一跳呢。但是很遗憾。还是作为男孩子的高潮吗?
嗯。依然不知道射精是什么时候结束的。一直持续射精的感觉,尽管如此,精液通过阴茎的感觉完全没有,还感觉的奇怪的感觉一直持续着。
“嗯……”
但是阴茎已经枯萎了,已经结束了……吗?
“啊,喂,我已经好了,我已经好了了,住手吧。”
射精应该已经结束了,可是刺激全身的刺激却一直持续着。
“你在说什么呢?不是说过要谢谢你吗?从现在开始,要一直让小美舒服。”
……是什么?它到底在说什么?
“刚才射精的时候,我也一直在玩弄你的屁股和乳头。这刺激也会让你的大脑为你带来快感。不玩弄那里面的小玩意也能让你好好地放松,加油吧。”
“怎么会这样啊! !”
“不管怎么说,和你的意思没有关系。”
嗯!?好像为了为了配合它的话一样,屁股的刺激更强了。
“但是,如果一直这样下去,就只能当男孩子了,所以,下次对小弟弟的刺激就会在途中停止。”
“唉?在途中停止吗?”
“嗯,下次再在你弟弟高潮之前,我就要停止对你小弟弟的刺激。然后在日后的日子一点,每一次稍微减少对小三的刺激。最后一定会变得光靠屁股就能高潮的。”
不用做那种事。快点停下来吧(指刺激)。……诶?
“为什么?明明刚刚射精了。”
阴茎又开始变大了!?
如果一直没有射精就另当别论了,昨天白天也射精了。被玩弄了那么多次身体,为什么这么快就勃起了呢?
“不敢相信你的小弟弟还是变大了?为什么呢?那我来告诉你吧。”
“要我解密(告诉你)吗?”
难道,这也是这东西搞的鬼?但是怎么做到的……
“呵呵。昨天射精的时候,我不是说过输精管里有触角伸进去了吗?射精前精液堆积的地方像气球一样鼓胀了吗?不过,其实不止这些。”
怎么回事?
“所谓精液,就是由蛋白制作的精子和现在还在刺激精囊制作的精囊液混合而成的精囊液。射精的话当然会减少积存的精子和精囊液吧?如果我补充那个的话会怎么样?
“补充一下……”
“滨崎步酱现在就用脑袋里判断一下。现在在判断精子有多少。充分地精子积蓄的话肯定马上就能产生想射精的欲望,明白了吗。”
不过,总觉得能理解。好几天不自慰的话会想要自慰的吧。
“我精子和精嚢液……虽然本身不是那种东西呢。不过滨崎步酱的头脑无法区分这样的相似的东西还是不可思议啊。因为滨崎步酱的大脑,精子积淀到极限就让你认为自己想射精了吧。”
是骗人的吧,那样的……
“一般情况下射精几次的话精液就不会流出来了吧。不过现在的步再怎么也无所谓也没关系。即使射精几百次,也可以一直自慰,每次都能射出特浓的精液。”
虽然不能相信,但是一想到现在阴茎确实变大了,就不能不相信是真的。
“还有呢。一般你的小弟弟也要积存尿液,放尿之类的,所以不能一直射精。但是滨崎步酱是膀胱放入了我的触手用作尿液处理啊。一直只射精也可以啊。”
“那是骗人的吧?”
射精的感觉一直持续着,如果真的持续射精的话呢?嗯。不能考虑下去了。
“是不是骗人的,实际体验一下不是最好的吗?”“我也差不多该被套了,明天还要去学校。”
“诶?等一下。”
那东西用我的身体躺在床上。而身体中对我的刺激没有减弱的迹象。
“所以。你说的吧?小步一直很舒服。如果能作为女孩子变得舒服,那个是最好的,不过。即使一直作为男孩子舒服也好,我也不会生气,所以要好好舒服哦。不管射精多少次,我都会好好补充精子的。”
不要那样做,好吗?
“那么,聊天时间就结束了。当我不想说话的时候,我替你使嘴。
“啊!!”
可恶,又出不了声音了。
“晚安,亚由美。”
啊,等一下。不要关灯。漆黑一片我只注能意身体的刺激……停下。别动了!
“恩,唔……”
到底过了多长时间?时间的感觉已经消失了。
“嗯!”
黑暗中,只有身体无法动弹的被抚摸着身体的感觉。
“呼……嗯、哈……”
虽说是被抚摸着,但并不是被痒痒的。不,确实感到痒。但是,比起这些东西,占据了我的意识更是别具一格的感觉。虽然不想承认,但很舒服,总之这种感觉是快感。
乳头,侧腹,屁股的洞。虽然被抚摸过的地方让人感觉很糟糕、很恶心,但是我的身体却能把这种感觉作为快感来接受。虽然说过要全身,但还是有例外。送进这么多快感最敏感的地方,只有阴茎完全没被给予刺激。
“哇!?”
如果想抵抗快感的话,刺激就会增强,如果放弃了去接受的话,就会变弱。根据微妙的强弱,一边持续品味快感绝对不能达到一边被调整。我身体被刺激的程度让我觉得那东西完全掌握了我的状况。
“嗯……”
如果身体能自由活动的话,马上就能处理阴茎了吧。现在的状况连那个也不能实现。
“啊……嗯!?嘿!!”
被急剧地送入身体中的刺激感变强了。也就是说已经过了一个小时了吗?
每隔1小时它就能给我一次绝顶。这是我知道时间的唯一方法。虽然这么说,但是我已经没有数过迎来几次高潮了。只知道从刚才的绝顶过了1小时。结果被这样对待也不知道过了多长时间,这一点是不会变的。
“啊,啊~!”
在考虑多余的事情的时候身体也向着绝顶走向了增强的刺激。在这种谁也看不到的情况下我根本不想要掩饰自己的表情。
只是接受了快感而到达了不知是第几次的绝顶,这样的遭遇的原因在脑内像走马灯一样流淌着(遭遇这件衣服的原因,以及经历在我脑内回放)。
我来帮忙翻译一下,这是前传(滑稽,这么说好像没什么问题)
18087750559:Re: 一片日文 剧情是男孩子被触手皮寄生
——pinponponpon——(学校铃声)
上课被突然响起的铃声打断。有几个人的视线已经转向我。
拜托,请播放呼叫我以外的内容。
“1年C班,广濑亚由美。1年C班,广濑亚由美。请赶快到第二化学室来。”
哇。这样的愿望是徒劳的,熟悉的声音呼唤着我的名字。
——(铃声)——
即使叫出后的铃声响了,教室里也保持着安静。
“广濑,你刚才不是被传呼了吗?快走吧。”
【正在上课,不要离开座位。】虽然很期待老师的话,但老师说出口的却是完全相反的语言。
“……是的,那我就走了。”
“啊,加油啊,是特待生。”
受到了相当程度的支援,我离开了重新开始上课的教室。
特待生。老师说的是我。特别待遇学生简称特待生。在这个学校的制度之一,被选中的学生可以享受各种各样的优惠。
譬如学费和宿舍费被免除的事。比如不上课也能得到学分。比如毕业后有望就职于经营这所学校的财团企业。
当然不仅有优惠,还有必须要履行的义务。或者说,正因为有那个义务才能得到优惠。
“……你还在吗?”
到达的第二化学室没有人。从这里开始广播室比我们的教室远。一定还在朝这边走吧。
那么,直接到教室叫出来就行了,特意广播,是不是有些坏心眼了?
「哈哈。这次要做什么呢?
不由得叹了一口气。刚才广播叫我的是同学大泽雪美。她也是特待生。
虽说同样是特待生,但和我的情况却大不相同。她被看中了那个天才的才能,是真正意义上的特待生。据说不用上课,只要认真参加考试就能轻易得满分。不过,考试本身好像不怎么容易的样子。
在财团企业就职,与其说是对她的优惠,倒不如说是因为企业方面想要吸取她的天才。
而对于我来说,只是普通的应试进入这所高中的普通人。
如果说那个为什么被特待生选了,是因为被她提名。大泽从初中就开始进行奇怪的研究,利用老师和同学做了实验模糊的事情。据说那个实验内容很引人注目,被邀请到这所学校,但是无论是谁,他都卷入了实验中,关系到学校的评价,也会影响到上课的进行。于是,她拿出了陪她做实验的牺牲品【祭品】。
而且我也被选为特待生,但条件是一定要陪大泽做实验。接到呼叫的话,不能因为正在上课就拒绝。和大泽不同,我的头脑很普通,如果不上课,我当然跟不上进度,考试也会很糟糕。尽管如此,我个人还是很感激免除学费和免费入住带饭的宿舍,二话不说就答应了。
糟糕的是。也就是说,我现在后悔了。
刚才的话,在教室叫出来就行了特意做了广播,等于对全校通知了今后我成为实验台。又会被大家用奇怪的眼光看吧。
“哦,让您久等了。你来了,亚由美。
“嗯。你好,大泽先生。(说起来,先生这词语是男女通用的吗?)
从背后被打招呼,如果回头穿了白衣的大泽先生站在门口。身材矮小的她如果长得不好,看上去就像小学生。本人说白衣似乎对外表有抵触心理,但简直就像小孩子想穿大人样的打扮,所以更加有违和感。
“欢迎来到我的实验室。”
据说这个第二化学室原本是作为移动教室使用的,但现在好像成了她专用的实验室。本人也毫不客气的称之为自己的实验室。房间的角落里……不光是角落,就连近一半的空间都被她的发明品和实验器具等填满了。入学不到1年就这么过去了,不久就到了让出第一化学室的窘境了吧。
“你好,是吗?这么说来,今天还没见呢。不。好久不见了,是吗?”
“是啊。大泽,我很少来教室。”
上次见面确实是上个星期五,为了下一次的实验而被取血的时候吧。被外行用注射器是很可怕的,却用很熟练的手法挤出了血。
“那么,有什么事?上课的时候我溜出来了,要是能早点解决的话我会很高兴的。”
“是啊。那我们赶快进入正题吧。希望你看这个。”
杂乱地放着东西的桌子一角,大泽指着的那头放着学生服。旁边还有箱子【这个是什么东西?算了,记得都是内衣就行】和兰宁衬衫等内衣。
“这是学生服吧。”
和现在穿的学生服一样,有着扣子(样式)的校徽。
“对了。而且说到学生服的用途只有一个吧。就是说,你要穿那个。
说实话我只有不好的预感。而在这拒绝就等于拒绝了特待生的身份。
“穿倒是可以……在这里?”
真不敢相信在女孩子面前裸露身体。如果皮箱也换的话,必须全裸。
“嗯。我以为你会那样说,所以已经准备好了。你看,用这儿吧。
这里,是?试衣间?咦?这种东西从刚才开始就有了吗?不知什么时候,一间宽1米、高2米左右的塑料墙壁覆盖的小房间出现在化学室。
“你看,我也一样没时间,进来吧。”
学生服和内衣被拿去了试衣间。不是窗帘,而是一扇像样的门,里面好像也被锁上了。和常见的试衣间不同,脚边和上面都没有疏漏(试衣间的帘子一般不会全部遮住,脚还是看得见的),所以也不用担心被窥视。
“穿这个就好了。”
“嗯,当然也要穿内衣。”
虽然不知道她有什么企图,但还是先穿上吧。试衣间的做工比想象的还要结实。难道我只是为了换衣服才做了这样的房间吗?如果是这样的话,我会觉得非常浪费。
“嗯……”
普通的试衣间好像没有墙壁挂钩或挂在那边的衣架。话说现在穿的衣服脱了就只好放在地板上了吧。
“已经穿了吗?”
“不,等一下。毕竟还是老样子。
花了太多时间也会伤感情,必须要换衣服。先脱掉现在穿的衣服。
这个,看了的感觉是普通的内衣哟。特意叫我换衣服,我还以为是不是有什么装置,只是个黑色的内衣。跑步衬衫也没有发现异常。穿也……嗯,没什么异常。
学生服也是我们学校指定的普通学生服。但是感觉质地有点厚。冬天用?不不不,学生服本来就没有夏用和冬用的嘛。
不知道是不是因为太厚了,感觉有点撑,不过穿起来很普通。
“我已经换好衣服了,这样就可以了……诶?”
门开不开?钥匙明明也开了。
“嗯,辛苦了。那你就等一下吧。”
“嗯,嗯。”
能听到好像在外面动的声音。这样封闭的环境也在她的计划中吗?
“首先是……这样啊。
“哈??”
伴随着大泽先生的声音眼前的墙壁突然消失了。不,不对。墙现在还很坚固。只是变得透明了。被好好地磨练了的玻璃一样的透明感。仔细一看就知道有墙壁,但是一不小心就会被忽略的透明度。
“也许直到刚才为止都还像这样透明?”
进化学室的时候没有注意到试衣间,也许是因为这个原因吧。
“你说得对。正如你所看到的,这家伙就是透明的液晶板。是能根据必要象电视画面一样地放映映映映出映像的东西。直到刚才为止,一直认为是单色映出的墙壁。顺便说一下,还有一个有趣的设定呢。”
“有趣吗?”
有种奇怪的预感。像这样骄傲地说话的时候,基本上不是什么好事。
“恩。一面放映出画面,另一面也能变透明。也就是说就像魔术镜子一样。你脸上露出惊讶的表情,换衣服的全部都是从这边确认的。
“啊……不。因为是大泽先生,所以也考虑着可能安装摄像机和摄像头,已经做好了能看到的觉悟了。但是为什么要这么骄傲地说呢?”
即使嘴皮现在还在逞强,我也能知道自己的脸颊在发烧。至今为止,虽然有过几次裸体被看到,但是害羞的东西还是很害羞的。没办法吧。
“不,我喜欢看你害羞的脸。所以才指定你作为我的搭档。”
「那太感谢了。」
搭档。即使实情只是实验台,大泽先生也会这样称呼我。因此稍微变得高兴的我也大概单纯吧。
而且多亏被她指定为特别待遇生,我才免除了学费,才没有停学。
“然后呢?我什么时候能从这里出来?”
虽然门也变得透明了,但门外还挂着被系好的钥匙。除非把它取下来,否则不可能从这里出去。
「等着吧。你那件衣服醒来我就马上给你拿出来。
“醒来?”
衣服?你在说什么呢?
“话说回来,我现在拿出来的只是个没有种子【内容物】也没有装置的喷雾。把这个东西吹到试衣室内……”(不能理解,但感觉能懂,希望你们也能懂这句话吧)
大泽手里拿着的是前端有细长喷嘴的喷雾。尖端插入门的细微的间隙,就像所说的那样往里面吹。
甜蜜且奇妙的味道在室内蔓延。无处可逃,而且臭(这里应该是说气味浓郁到让人觉得臭吧,香水喷多了也会有这种感觉)得让人无法忍受……
“啊?”
突然被握住手腕的感觉。但是试衣间里只有我一个人。不可能被谁握住。
“什么?这个是什么?”
仔细一看,学生服的袖口已经收窄,像是要贴上去似的,手腕已经收紧。不,不只是袖口。附着的范围不断扩大,向着二臂、肩膀。
“大泽先生,这是什么?变成怎样了!?”
“没必要那么慌张。你穿的那件学生服,内衣也是。那些是我开发的伪生命体。到现在为止只是对衣服做着拟态,不过,这个喷雾可以让它们变回本来的身姿。”
本来的?
在大泽先生说明的时候,衣服也越来越紧贴身体。一回过神来就好像穿着黑色全身紧身衣一样。
“这样就结束了?”
内衣也一体化了吧。胯股之间发起了热,稍微感觉有些害羞。
【不会吧。我的发明品不可能只有那种程度的变化吧。】
正如大泽所说。仿佛结束了暂时的休息,学生服,不,已经没有学生服的痕迹的衣服又开始动了。袖口被拉长,连指尖也被覆盖了。下摆也同样从脚踝伸到脚尖,脸以外的全身都被包裹。
脚的变化没有就此结束。从两侧被压得严严实实,就像穿着尖头皮鞋一样。再从脚后跟伸长细长的棒子。这简直就像穿高跟鞋一样。
“啊……啊。”
纤细的脚后跟比想象中要难取得平衡。不由得摔到了屁股。
“嗯~。穿了一会儿就习惯了。变化的时候坐着可能会比较好。作为今后的注意反省的地方。
“别那么冷静,我摔倒了,你上点心啊。”
虽说没有受伤,但对于大泽先生的一番只考虑自己的事情的话,我还是有点生气。
“但是呢。不疼吧?”
“……咦?这么说来。
别说受伤了,说起来好像不疼。应该说就像年糕一样相当厉害的护住了屁股。
“那件衣服还有吸收外部冲击的功能。所以今后也不要在意,好好地摔倒吧。
“难道以摔倒为前提,让它们具备冲击吸收机能吗?
“不是那样的。如果变化全部结束了那个附近也说明吧。你看,腰围也回来了。
这是什么?一瞬间全身紧身裤变形,变成了裙子型。确实有裙子的感觉,但是和裙子有决定性的不同点。裙子的话,一条布缠在腰上,当然看不到内衣了。
与之相对,现在的我穿的有些不同。怎么说呢,可以说腰部以下变成了花朵了。重叠不合的花瓣好象从腰生长着。厚实的花瓣轻轻地膨胀着,花瓣们的间隙更加宽广了。多亏那个间隙胯股间的膨胀能清楚地确认了。
「好的。按照计算。正好狭缝在中间。即使穿裙子也能让人明白你是男孩子。很开心吧?因为长得像女孩子,所以被当做女孩子看待,这才有自卑感呢。”
「哇。」
确实被说成是女人的脸是很自卑的,但是正因为如此,穿这种裙子那样的衣服肯定是很讨厌的。
“看,下面是胸口。”
注意力集中在下半身的时候,胸口鼓起了。肯定……我原以为变化的胸部像女生的一样,但事实并非如此。膨胀逐渐改变了形状,就像胸前系着蝴蝶结一样。“之后上色的话,暂时的变化就结束了。”
“颜色……哇! ?”
覆盖全身的这件衣服原本只有学生服,而且是清一色的黑色。但是,随着大泽先生的话语,颜色开始发生变化。
上半身和花瓣一样的开衩裙被染成紫色(提到开叉我就想到了旗袍)。裙子和上衣没有接缝,就像穿连衣裙一样。不,如果以为上半身全部都是同样的颜色就不是那样了。仔细一看,肩膀周围有点鼓起,颜色也变成了淡紫色。
原本以为手指被覆盖了的手腕在手腕附近出现了像袖口一样的阶梯,前面就像戴着手套一样雪白。
胸前形成的丝带是群青色的,像是配合着我的呼吸一样轻轻地摇曳着。如果只看丝带的话,也许看起来不自然的摇晃。但是根据不同的看法,可以看出女人膨胀的胸部在动摇。
下半身也已经从黑色一色变了。我原以为高跟鞋是高跟的浅口鞋,但因为带了颜色,才知道不是这样的。脚尖开始染上留下大腿三分之一左右的橙色。与袖子不同脚踝即使没有台阶也穿着非常长的靴子。因为鞋口是斜的,在上面能看到的内衣被强调了。(可爱的男孩子,是伪娘,awsl)
对,问题是内衣。裤裆部分染成白色,简直像女性用的……内裤?总而言之,她穿的内衣要小一圈,贴身贴紧。很礼貌,正面还系着小红带。怎么看都是女人的内衣,实际上穿的是男人的我。托您的福,胯股之间出现了阴茎的膨胀,不是完全变态吗?不,不仅是内衣,穿这样的裙子的时候已经很奇怪了。
内衣和靴子之间也没有露出皮肤。好像穿着黑色的丝袜,肤色很浅。不。说是透明,其实只是能稍微看见。如果实际试着触摸那里好象被厚的衣服也覆盖着一样,大腿被触摸的感觉感受不到。
当然,内裤也被长筒袜覆盖着,实际上与其说是白色,不如说看起来像灰色,但从外观上看,只会给人一种在白色内裤上穿黑色长筒袜的感觉。
“嗯嗯,按计划进行的,进行得很顺利。”
大泽先生满意地点点头,可是我哪里还说得出口。这样的衣服,想尽快脱掉。
“那么,就这样结束了?那就脱下来好吗?”
说着,手搭在衣服上……手停了。脱?怎么做?学生服的时候正面配上了扣子,但是形状变了的时候就消失了。不仅如此,连一个缝隙都看不到。
想要把衣服摘下来,却好像粘在身上一样,连一点缝隙都没有。就像衣服本身变成了皮肤一样……不,不,不可能有那种事。
现在只有头露出我的皮肤。象高领一样地变形了的衣服到(连)脖子进去了。如果脱了的话只能考虑从这里开始……
“啊,那个?”
真的粘在身体上吗,手指不能进入衣服和皮肤之间。
“等着吧。怎么可能脱掉呢。因为从现在开始要保持原样生活,观察经过。
“就这样,那样!?难道打算这样去教室吗?”
尽可能不考虑其他的可能性。到现在为止虽然做了很多实验,但是全部都当场结束了。所以这次也想着。
“当然了。对了,你以前有没有看过这东西呢?”
大泽竖起食指。虽然我看不见,但我能想象他在说什么(食指上停着超小看不见的无人机?这小说世界的科技好发达)。
“是无人机吧?”
“没错,这是一架超小型的带摄像头的无人机。如果可以的话,我也想陪你去确认一下。我还有别的事要做,第一,如果连我也去了教室,周围的人会有各种各样的想法。”
在教室里,大泽先生成为了相当突出的存在,这是事实。不仅仅是说因为是特长生。虽说现在我是专用的实验台,但学校里都知道这个家伙(大泽先生【小萝莉】)能把任何人当实验台。要是弄不好,说不定什么时候自己成为下一个试验品也说不定。这么想的话,其他人尽量不去管也没有什么不可思议的。
“为什么让我这样观察你呢?”
“啪”的一声,大泽先生一按手指,黑板上就出现了我的身影。而且分成4个画面,从不同的角度拍摄。
这和试衣间的墙壁一样,黑板也换成了液晶板。因此,无人机也不是1个,而是4个,不,更多。一边切换着画面一边从各个角度拍摄着我。
“好了,那你就出来吧。”
“嗯,嗯。”
固定试衣间门的门闩被取下。对了,因为外面的景色看起来很普通,所以忘了被关起来了。
“啊,这么说……”
因为不习惯的高跟鞋,失去了平衡,还差点摔倒。
“暂时注意一下,你可以正常走路了。”
“嗯。”
在大泽的帮助下避免了摔倒。但是刚才说的话,也就是说,在习惯高跟鞋之前,我不能脱掉这件衣服。
“糟了,忘了。有最后的收尾。”
“喂?”
拉着我的手移动到桌子前面。毫不客气地拉着我的手,虽然差点摔倒,但总算挺过来了。
“啊,这才是真正的完成。”
“这是什么?”
把带有红宝石的胸针一样的东西戴在手腕上。看不到后面的有别扣之类,衣服就像贴在我身上一样,和胸针粘在了一起。
“关于这一点,我很期待。那么你就回教室给我上课吧。能帮我向老师问好吗?”
看了看手表,已经是下节课的时间了。因为是在校内广播被叫出来的,所以也知道我不在的理由吧。
和大泽不同,作为实验台成为了特待生的我的情况是,免除上课也是有条件的。被免除的只有被特长生大泽叫去上课的时候。
这样一来,如果不回教室,就等于不上课了。这期间在上课的时候被叫了好几次,所以不能跟着上课了。如果因此而被剥夺了特待生资格的话,真不知道有没有公司肯录用我。
也就是说,为了让特长生继续呆在教室里,也不得不保持这个姿态回到教室。
“嗯,那我去教室,大泽偶尔也来教室。”
“先考虑考虑吧。”
好像已经对我失去了兴趣,坐在桌前也不看这边。说过无人机的影像也能记录下来,大概以后在总结时候来看就足够了吧。走向教室的脚步很沉重。虽然也有因为不习惯的高跟鞋物理上很难走的情况,但是一想到以这样的打扮进入教室就会很失落。
像紧身裤一样的衣服紧紧贴在包裹全身的皮肤上。装饰它的裙子和胸前的蝴蝶结。裙子有狭缝,从缝隙能看到内衣。高跟的长筒皮靴覆盖着大腿,强调能看到全身的内衣。
从旗帜上(旗袍?)看,现在的我就是这个样子。如果女人穿了这个,我也会被吸引。但是穿着的我是男人,而且能确认到胯股之间的膨胀。
“啊! ?”
我又被高跟鞋绊倒了。稍微一绊脚的角度偏离的话马上就会失去平衡。这样的鞋子,到底是谁想的呢?
现在是上课时间真是太好了。休息的时候穿着这样的衣服走在走廊上的话绝对会有人聚集。本来就很不好意思,因为鞋子的关系,走路的速度无法提高,马上就会摔倒。这样的绝对会成为杂耍。
“嗯……”
虽然到现在为止一直控制着裙子,但是已经放弃了,扶着墙走吧。嗯,这边比较好走。
好,一会儿就到教室了。
“啊。”
终于到达了入口……不能不进去啊。
被大泽叫去还没回来……不,不行。被本人确认的话马上就会露馅。不仅如此,大泽现在还在用无人机确认我的情况,如果不进教室的话,说不定会被告知我翘课了。
没办法,至少从后门悄悄进来。
ps:第二节翻译完成了,因为不是真大佬,速度慢也是理所当然的,唉
然后就是感言,我永远喜欢可爱的男孩子
18087750559:Re: 一片日文 剧情是男孩子被触手皮寄生
“喂,广濑啊。要是来晚了,是不是有必要说几句?”
进了教室,正要悄悄移到座位上,却被田川老师责备了。
“……对不起,我被大泽叫出去了,所以迟到了。”
我也算是个特待生,根据情况是可以免除上课的。被大泽先生叫去的广播老师是知道的,能无视我就好了。
“这是特待生的特权吗?不过,毕竟是学生,本分的课程可不能太疏忽啊。”
“……是的。”
要是说那种话,对完全不来上课的大泽说就好了。不知道为什么,我感觉自己好像被当成了眼中钉。
“是吗?广濑,你这是什么呀?好厉害的样子。怎么了?你过来这边看看。”
“呃,不……那是……”
是的。这位老师很快就脱课了。托您的福,我在讨厌学习的学生中很受欢迎,但是对想集中在一部分课上的人来说,我的评价很差。
如果这是一边倒的古文的饭岛老师,或者是把所有的精力都放在填黑板上的数学的河野老师的话,他根本不会在意我。为什么偏偏在这种时候上英语课呢。
“嗯~。即使是我,也要注意那些没穿制服的学生。你看,没关系,来吧。”
“啊,等一下。”
被拉着胳膊强迫站在讲台上。上次上课的时候离开座位之前一直是普通打扮的我突然穿了这样的衣服回来,大家的视线都集中在我身上。
嬉皮笑脸的家伙,眼睛看着可爱事物的家伙,目瞪口呆的家伙。他们的共同点是,看到我的这身打扮就有一种优越感。
“嗯,不要看……”
应该隐藏哪里呢?脸?不对。比那个最不能被看的是从外面也能清楚地知道膨胀的腹股沟。
“嘘! !”
用双手将花瓣状的裙子拢住,盖住胯部。失去平衡的时候,我不由自主地变成了大腿内侧,如果摆出这样的姿势,简直就像真的女孩子一样。
“那么?广濑。为什么不穿制服穿成这样呢?”
“那就是,这件衣服是大泽给我穿的……”
正确的说应该是自己穿了之后改变了衣服的形状,不过这种事我也不想解释。
“是吗?不过,在校内穿制服是有规则的吧?就算想穿,之后自己穿不就好了吗?”
田川老师,难道你不明白我说的吗?
「那个。这件衣服好像是大泽先生做的发明,想脱也脱不了。
“没有那样的事吧。穿的衣服的话反过来不就可以脱了吗?”
“不是真的。这件衣服,贴在身上,别说脱了,就连挪动……”
一只手贴在脖子上说明衣服不会剥落。
“嗯~。广濑也是特待生。校规的束缚多少也是灵活的,如果想做那样的打扮老师这个以上什么都不说,不过。在学校兴趣适可而止。
“不是的,这不是兴趣嘛……”
当知道我真的不能脱下来的时候,简直就像我按照自己的意志穿的一样说出来(简单来说就是扣帽子)。如果有人相信老师说的话该怎么办?
“我知道了。可以了,快回座位吧。你看,要重新开始上课了。
“呜……好的。
结果只是在众人面前被迫站在讲台上当众出丑罢了。田川老师,对特待生有什么怨恨吗?
“你看,别磨蹭了。上课时间太浪费了吧。
“诶……哇!?”
突然被推到后背失去平衡,狠狠地摔倒了。
“哎呀!!”
理解突然出现的女子的悲鸣发生了什么。摔了屁股的我,狠狠地把胯股打开了。再加上裙子也卷起来,遮住视线的东西什么都没有。女生的视线转向了我的胯股之间,那个膨胀。
现在的我穿着女性用的内裤,从上面被迫象穿长筒袜一样地看不见的打扮。虽说是强迫自己穿的衣服,但是在看的女孩子中那样的辩解是行不通的。
「不……不是这样的……」
“广濑!你啊。不管怎么说,那件内衣是不行的吧。
明明是你自己把我推倒的,现在怎么会有这种说法呢?
正要反驳的时候,田川老师的话才发现大家的视线都注入了内衣。特意站起来看这边。
慌慌张张的按住裙子藏了起来,但是全班同学肯定都看见了。
“不是……不对……”
就那样蜷缩着身子坐在自己的位子上。
“我知道大泽也作为特待生做了很多事,但是不能因此就对她撒娇。”
虽然希望时间就这样过去,但田川老师那欺凌般的话语还在继续。
“就算那件衣服真的脱不下来,从上面穿点什么不就能藏起来了吗?没有做这件事果然是想自己给别人看的吧。”
明明是在化学室穿着直接去教室的,我到底还能在哪里穿些什么东西?
虽然有很多想要反驳的地方,但是已经抬不起头来,只能等上课时间过去了。“啊,咦?”
田川老师下课之后就是午休了。虽然总算是度过了被包围的同学们的时光,但是却发生了一个问题。我想去厕所了。
这样的话就不能呆在教室里了。为了上厕所走到走廊里,理所当然地会投来奇异的目光。那是当然的。我们学校规定了制服,所以基本上不喜欢穿私服的学生。而且就算只是私服也很引人注目,穿这么显眼的衣服也是一般人无法想象的。
无法避开视线,一味的忍耐着走到厕所,钻进了单间。那倒不错……
这该怎么办才好呢?
我知道这件衣服粘在身上了。但是,连内裤都脱不掉。
“嗯……”
无论怎么拉扯,始终和皮肤粘连在一起,弄不好就像掐自己的阴茎一样,完全不能脱掉。到了厕所的时候并没有无法忍受的尿意。但是因为进了单间,就打算完全排尿。因为突然被寄养,好像尿意急剧增强了。
但是,不能就这样泄露出去。因为连内裤和长筒袜都脱不下来,如果穿漏了,只能穿着沾满尿的内衣。憋尿……只要忍耐就能解决吗?不可能。那怎么办才好呢?
……对了,大泽。大概还在化学室。虽然不知道能不能帮我脱下,但是有什么撒尿的方法吧。
“糟了! !”
明明想尿尿到这里。我难得来了厕所。虽然什么都不做出来很痛苦……但是没办法。
……对了,大泽。大概还在化学室。虽然不知道能不能帮我脱下,但是有什么撒尿的方法吧。
“糟了! !”
明明想尿尿到这里。我难得来了厕所。虽然什么都不做出来很痛苦……但是没办法。
这么说来,手该怎么办呢?虽然不是手套,但是连指尖都被覆盖了。虽然进了厕所,但又不是尿尿,不洗也……不。还有人在外面,我也不想让别人以为我没洗手就去了……
没办法。洗了再去吧。
又一边引人注目一边走向化学室。也有尿意高涨的原因,本来就慢的脚反而更加迟钝。一边忍耐不尿出来,一边压在胯间
不,仔细想想,也许还是控制裙子比较好。反过来意识到把手从裙子中放开,胯股间的膨胀也堂堂正正地暴露了吧。
太好了,大泽先生还在学校。特待生因为没有必要上课,放学后不剩就回家的事好像很多,光是这个就放心了。
“什么呀,你为那种事情而烦恼吗?”
“那种事。对我来说是个大问题。
被回答得满不在乎,有点生气。但是像这样说的话是有什么方法准备的吧。
“总而言之,厕所应该怎么办?那么答案只有一个,那就是直接尿出来吧。”
“……啊?”
就那样?呃?
“你有什么奇怪的表情?你说那件衣服是做得那样尿尿也没关系的。”
“即使被说没关系,也穿着衣服泄露出去。”
大泽这么说也许真的没问题,但怎么说都有抵触情绪。
“是吗,你以为那只是衣服。”
不,我一点也不认为这只是衣服。毕竟从学生服变成了这个样子。
“为了减少这种抵触情绪,我给你一个解释。你穿的衣服是为了给卧床不起的老人等需要护理的人使用而开发的。”
“诶……让老人穿这样的衣服! ?”
穿着这么可爱衣服的老人有点不敢想象。或者说,我也不想想象自己会穿。
“不可能就那样穿吧。关于形状完全可以改变。问题是那个功能。”
“什么是功能?”
变形了,脱不掉了?
“要看护人的排泄处理是看护人特别辛苦的地方吧。正如你穿的时候说的那样,那件衣服是类似生命体的。它能吸收穿着者的排泄物,将其作为自己的营养来处理。”
那是……也许确实很厉害。
「但是。我即使卧床不起也不是要看护人”
“你知道吗?那只是希望你穿上而已。刚才在洗手间看到困惑的样子很开心。
“啊!!!”
那样的实时能看见之类。
“不管怎么说,那家伙是我现在掌握的技术的一次性进球的最高杰作。如果作为护理品流通的话,这个家伙的技术会成为财团购入后调制的功能限制品吧。
也就是说衣服的变形功能会消失吗。嗯,那附近怎么样都无所谓。
“嗯,我再确认一次。”
“什么呀。”
“不想让它脱掉吗?”
即使这样泄漏也没关系,可以的话还是想好好地使用厕所。
“当然。而且,因为是经过仔细计算制作的,所以应该没有问题,但也有确认是否正常运作的目的。如果一次都没有排泄就被脱掉,那可就麻烦了。”
“嗯。”
还是不行吗?
“那么,下午的课就要开始了。不回教室可以吗?”
“啊……”
这次不是被叫出来的,所以一般会被当做迟到。
“那么,我这就回教室了……确认完了,能帮我脱下吗?”
“那么,这是怎么回事呢?即使穿一辈子,你应该也应该会做得很自然吧。”
大泽看起来非常开心。直到失去兴趣才让我脱下来吧……
在回教室的路上,我再一次去了趟厕所。虽然有想马上尿尿的尿意……尽管如此,再怎么努力地坐在马桶上也不会有尿出来的迹象。
虽然说这件衣服会帮我处理,但是对我来说还是不愿会漏尿的。即使头脑清楚,身体似乎不接受泄露在衣服上。
在之后回到教室就座。幸好接下来的古文是坚固的饭岛老师,所以没调弄我的服装。
上课的期间尿意也连续不断增加。也有吃午饭的时候喝水的原因吧。如果知道会变成这样的话,我会尽量控制水分的。
“嗯哼……”
怎么办?可以跟老师说去卫生间吗?但是刚才去洗手间的时候也出不来,现在去说不定又出不来。如果去厕所之后就一直没回来的话,会被认为很奇怪吧,或者说尿不出来就回来的话,就会变成不知道为什么从教室里出去了。
“……咳!
如果说泄露了也不在乎,那就这样忍耐,那样即使泄漏了万一也没关系。这样想比较好吧。
嗯,就这么办。所以下次休息时间再去一次厕所吧。
「广濑君啊。」
“诶?”
邻座的山岸先生?为什么要捅我的脸……这么说来,好像刚才就被叫了。
“喂,你怎么了?老师刚才就在叫你呢?”
“呃……”
抬起头一看,饭嶋老师正以非常厉害的表情瞪着我。
“广濑啊,上课的时候不是很心不在焉吗?”
“啊……不对,这个啊! ?”
为了解释而站起来的时候,忘记了鞋子是高跟鞋的事实,今天陷入了好几次跌倒的境地。
然后。虽然没有疼痛,但是因为那个弹力,一直为了憋尿而放的劲稍微松弛了。
“嗯? !”
泄漏了。这么想了一会儿,突然意识到有异变。
“嗯!?”
从阴茎中流出的尿,被堵住了!?尽管如此膀胱打算送出尿液。由于压力尿层快要裂开了的疼痛袭来。
泄露什么都没关系。遭受这样的痛苦……
“哎呀!?”
更意外的感觉袭击了我。一边推回充满了尿道内的尿液,什么进入了阴茎中。“啊……嗯!?”
一边逆流尿液,一边在阴茎里放入了什么。那种疼痛……不舒服吗?至今为止从未经历过的难以理解的感觉让人头脑混乱。
“喂,广濑。突然怎么了?”
“啊……哇……”
可能是担心,饭嶋老师跑过来了。但是,我自己完全不知道发生了什么。也不能说明情况,只能隔着裙子蹲着。
“什么? ?”
啊,诶?没有被摸到的感觉吗?本来想把塞进阴茎里的东西抽出来,连裙子都要拉紧抓住的内裤。剥掉粘在上面的衣服是我试过很多次都没用的行动,但现在我的脑子没动到那种程度。
本来想要拉上去的,却好像阴茎被坚硬的膜包裹着一样,无论按还是抓都感觉不到。
“嗯……我……”
“这个班的保健委员是谁?马上把广濑带到保健室去。”
“是的!广濑,你没事吧?”
某种东西慢慢地进入被尿展开的阴茎。通过阴茎的根部,再往里走。什么东西深入到自己感觉不到的身体深处,在那里终于停止了动作。
“嗯……啊。啊……嗯,嗯,虽然有一点点难受,但是还很平静。也许吧。”
依然有接近极限的尿意。尿道也一直被撑开。
也有可能是什么东西渗透到了膀胱。感觉像是为了排尿而放松的状态被强迫持续着。也可以说是排尿的时候的感觉一直持续着的感觉。
“先去保健室吧?”
“嗯……”
大概去了保健室也一定什么也做不了。原因显然是穿的这件衣服。如果能解决这个的话只有一个人。大泽先生,我只好问她这件衣服了。
“不,不用去保健室也没关系……老师,我可以去化学室吗?
“化学室?啊,是因为那件衣服的原因吗?”
果然很快就察觉到了。
“又突然被呻吟中断上课了,真不好办。所以要解决就去吧。
「是,是的。」
虽然脚有点摇晃,但还是站起来离开教室。
“嗯! !糟了。”
排尿的时候被制止的感觉一直持续着。话虽这么说,但真正被憋尿时,那种撕心裂肺的疼痛已经平息了,所以只有些不舒服。
尿好像还是一如既往地漏出来,因为刚开始排出的地方被挤了回来,所以总是感觉尿意超过了极限……诶?但是和刚才相比尿意减少了吗?
“嗯! !”
这是什么?是因为我的心情不好吗?我觉得从刚才开始进入阴茎的什么在微妙地移动。只是因为走着才有这样的感觉吧。
不,但是即使停下脚步也会继续移动……
“啊!”
不只是那个。浑身发痒的样子……衣服本身就像在蠢动一样的不协调感。不,衣服应该不会动吧。难道是因为跟身体紧贴所以闷得发炎了?不,不过穿了才几个小时呢。不管怎么说,不可能那么早就发炎的。
……想不通啊。普通的衣服不动,不过这个衣服不普通。本来是学生服的形状就变成这种带有裙子的全身紧身裤了
“嗯!!”
果然,在动。我觉得那个也渐渐变强了。要快点去化学室。还有一点,还有一点。
“大泽,这是怎么回事?”
一打开化学室的门,黑板上就出现了我的身影。大泽先生在那前面坐在校长室豪华的椅子上。难道你一直在关注我吗?
“嗯,好像比我想的还要忍耐。我还以为一定会在那之后马上泄露出去。”
“再怎么说没关系,穿了衣服就不容易拿出来。”
一次实际上是想进厕所拿出来的。只是对泄漏的抵抗太大了,结果在超过限度之前没能表现出来。
“倒是这件衣服,到底怎么样了?”
原以为可能是心理作用的衣服活动明显变大了。
“刚才来的时候也说过吧?那个疑似生命体。这也从你的排泄物能量摄取活动。也就是说此前从没有得到能源的老实了,终于能左右能源了。”
“能量是指我的尿尿吧?但是为什么会这样呢?”
阴茎里有什么东西进来了,我害羞得说不出话来。
“呵呵,也不至于这么难为情吧。你是想问我现在的状况吧?”
“嗯,那倒是。”
我的思考好像完全被读懂了。
“嘛,让我来解释一下吧。今后也请继续穿那件衣服,所以知道比较好吧。确实,虽然说那件衣服能将排泄物作为能源,但是一次性处理的量是有限的。如果就这样泄漏的话,处理就会跟不上,胯股之间就会像气球一样膨胀。
“啊,但是就那样泄漏了……”
刚才肯定是这样说的。
“恩,通过泄漏,尿道口到达的尿液就会变成能量开始活动了吧?然后流出的尿打开了从膀胱到尿道口的通道。强行推开的话有疼痛等着那个哟。通过确保通道,衣服可以伸出触手到达膀胱。
“喂,啊?”
听不惯的话,说是触手吗?那就是进入我的身体里面!?
“恩,是触手。简单来说,就是可以无拘无束、自由地拐弯的突起。那个家伙现在塞在你的小弟弟里。哈哈哈。从今以后,就不能自由地尿了。
确实现在也感到进入到阴茎中。尿布倒流后完全没有漏出来。
“然后到达膀胱的前端根据需要取入你的尿。如果再早一点泄漏的话,膀胱内的尿液也只有这个量而已,没必要苦到那种程度,真是遗憾啊。
“说那种话……”
虽然觉得尿意稍微减少了,但是要恢复到原来需要多长时间呢?
“还有。触手不仅仅是从小弟弟的前端伸出的东西哟。”
「诶?这到底是怎么回事……”
总觉得有很讨厌的预感。
“你不是已经感觉到了吗?虽然没有到达膀胱的那样的长,不过,在那个衣服的里地密密麻麻地长着触手哟。以前一直没有能量,一动不动的,现在应该已经开始行动了。
这个全身感到衣服的蠢动,果然不是心理作用吗?“开始行动的不止这些。那件衣服应该告诉过从排泄物中摄取能量,你的排泄物不只是尿吗?
不光是尿……你说!
“不会吧……”
不禁把手伸向屁股。
“你不是知道嘛。正如你所说,你的大便也是衣服的能量来源。
“骗人……难道说大便就必须这样泄露吗?”
至少尿是那样。而且好像是因为忍耐到了极限,现在还是被尿意袭击着。
“恩。但是不必那么担心。因为已经准备好了。
“准备?”
四处张望被干什么。但是从刚才来的时候开始房间的样子没有变化的样子。
「啊,不是那样的。反正现在就做给你看吧。
操作大泽先生拿出来的智能手机。而且合起我的手腕儿被带了的宝石象闪亮了一样的心情。
「诶!!什么,什么!?”
下一个瞬间,便意突然袭来。紧紧地一按肚子就会发出声音,肠道就会变得活跃起来。反射性地压住了肚子。
“哈哈,你吓一跳吗?”
“这是什么?这是大泽先生的错吗!?”
但是要控制人的便意,到底要怎么做……
“你说得对。全身的触手开始动了的话了吧?这也是那个触手干的。
“怎么回事?”
虽然有全身被痒痒的感觉但是不能想象因此就想大便。
“尿道中放入了尿道极限粗细的触手,触手根据需要可以自由变粗。而比头发还细,眼睛看不见的触手通过你的肛门进入了肠内。
在屁股里!?是谎言吧,完全没有那样的感觉。
“之前都是待机状态,我给出指示吧。啊,那手上戴着的红色宝石。那家伙是接收机吧。他们会接受从智能手机发送来的命令,把它送进衣服里。
大泽先生把手机画面朝向这边。在那里摆放着穿着这件衣服的人形图案和各种菜单。从这里发出命令,刚才宝石发光不是心理作用。
“哎呀,话扯远了。因此,进入臀部的触手会分泌有灌肠效果的液体涂到你的肠内。还没有发出停止的指令,难道不是越来越强烈的便意了吗?”
“嗯……嗯。
确实是。刚开始只是普通的想去厕所,但是现在变成了像拉肚子的时候一样感到疼痛的强烈的便意。
反正只能在衣服里拿出来,在这样的地方做绝对不行。至少在厕所里……
“喂喂,你要去哪里呢?”
「咦,咦?假话。你干了什么!?”
虽然弯着腰,但是要上厕所的脚突然不能动了。即使用力也无法向前迈进。
“我只是向那件衣服下达了命令。不要以原样动弹。
“连那种事都能做到吗!?”
这样不是不能上厕所吗?
“不止如此。你看,站起来吧。
“诶……诶!?”
遵从大泽先生的话,随意地身体起来直立的那样固定了。只是这次很清楚的感觉到衣服随意移动,身体也同样被动着。
嗯。比起刚才弯着腰的姿势,这样直立的话屁股很难使劲。
“拜托了,让我去厕所吧。”
“没必要去吧。因为即使去洗手间也不会脱掉那件衣服。如果穿着就泄露的话在这里不也一样吗?”
从结果来看也许是那样。但是因此能否接受另当别论。我绝对不愿意在这种地方泄漏。
“嘛,忍耐也没关系。尿液也忍耐过头了,现在已经忘记遇到这种情况的原因了吗?”
“诶……怎么回事?
“恩。基本上尿是按照制作出来的量来计算的。因为如果过多的话,尿布不足的时候衣服的活动能量就会不足。但即便如此,只要是你,便会把尿积到极限。因为制作的量和使用量大体上相配,无论经过多久尿意都不能消除。”
那这个尿意要等到什么时候都不会消失!?
“不,不是那样的。忍耐大便也有坏处吗?”
“什么呀,你说的那边啊。当然有。现在你感觉到的便意是极细触手涂抹的灌肠液的效果吧?而且那个只要不被分解就不会消失。为了分解当然花费时间,不过,现在灌肠液也持续被分泌。怎么样?情况能理解吗?”
就是说即使泄漏了,这个航班也会一直持续下去吗?从刚才开始就一直咕嘟咕嘟的肚子在叫,这样的东西还在继续。
“到分解为止,需要多长时间!?”
“那么,怎么样呢。至少,越是忍耐,时间就会越长,这是毫无疑问的。
嗯。被你这么一说,我不能忍受了。不,本来便意就越来越强,已经到了极限……嗯!?
“啊,不行。已经是极限了,再也……”
本不打算松劲,但就像是被从里面挤出来一样,屁股上的洞又扩大了。
“哎呀!?对了对了,不行!!”
因为发生了阴茎的事,多少预料了一下。但是总是猜中了希望偏离这样的预想,在屁股的孔里……这个也叫触手吗。粗的触手伸进来。
虽然慌慌张张地走了过去,但是已经进入了的触手连出去的迹象都没有。岂止如此,就算用力关上肛门,被打开的屁股也完全收不住。而且每次施加的力气松弛,触手就会一点点变粗。
“哎呀,感谢您做出超乎想象的美味反应。”
“大泽先生,拜托了。拔掉这个!!”
不由得担心由于连续不断进入的触手和超越了界限的便意现在肚子也破裂吗。
“不用那么着急。因为即使过着普通的生活,肠内也会积存大便。不过,我想,屁股上的洞还是开着的,这并不是我能体会到的。
嗯。好像便秘的时候大便中途出来了。不能全部拿出来,也不能返回到肚子中,在厕所中不断地痛苦的回忆复苏。竟然在学校连厕所都没有的化学室里品尝到这种味道。
“那么,因为这个能量的摄取量也增加了。触手比以前更加活跃了。”
“再往后……嗯!?”
出乎意料的是阴茎。虽然不是太能挺起胸膛,但我的阴茎就是所谓的假性包茎,只有尖端露出来。感觉那个包茎的皮和里面的主体的间隙有什么东西进入。
“哎!?”
钻进皮里的触手在蠢动。至今为止从未受到过直接刺激的地方受到了刺激……
“啊,等一下……不要看。”
由于那个刺激血液聚集到阴茎。回过神来发现已经长大的阴茎从正面的狭缝中飞了出来。「那么。那么来这里的理由也没有了吧?回教室怎么样?”
“诶?”
确实,原来是来找她商量,因为阴茎里面进了什么东西。虽然事态没有得到解决……倒不如触手进入到屁股中恶化着,不过。尽管如此大体上也知道原因,说来大泽先生根本不想解决之类吧。
那么,我明白在这里的理由就没有了。
只是想被明显变得大的阴茎玩弄这个反应稍微意外。
“怎么了?啊,对了。那么说来这个说明也是必要的吧。
“大泽先生?喂,干什么!”
突然靠近的大泽先生用力地被推肩膀。直立着不能动的身体被大幅度的破坏了平衡。
“……咦?”
以为又要摔倒的下一瞬间,脚随意地动了。尽管是纤细的鞋跟,也完全不会摇晃,用轻的步伐调整平衡的话再次回到直立姿势。之后身体就不能动了,完全凝固了。
“你惊讶什么?最开始你穿那件衣服的时候说的吧?在这期间变得能正常走路了呢。
“那不是意味着在那个时间内习惯吗……”
难道是衣服可以随意活动身体防止摔倒吗?
“说了吧?假设要使用护理人员。这样的话,即使是卧床不起的老人也能自己走路了。不过,在看护方面,对尿道和肛门伸出的触手是不会变得那么粗的。
“啊,你是因为需要才做成这个粗细的吗?”
那么,为什么让我有这么痛苦的回忆呢?
“是啊。在极限的粗细基础上加大了它,我很期待你的反应。”
糟糕。这是什么啊?
“这么说,你感觉过了吗?来这里之前,你的步伐好像慢了很多,我马上送你去教室。”
身体随意地转过头,大步向前走。糟糕,再这样下去就要回教室了。
“啊,不,等一下。”
在说这些话的时候,对阴茎的刺激仍在持续,长大的阴茎丝毫没有萎缩的迹象。
“怎么了?还有什么?”
“再这样回去的话……胯股之间会很显眼……”
向正前方突出的阴茎由于无法移动手臂,所以完全无法隐藏,无论谁看都显得很大。如果这是穿着普通衣服的时候,即使变大了也会有向上看的错觉。但是现在的状况连这个都做不出来。
本来穿普通的内衣的话,因为像帐篷一样整体鼓起,应该多少会变得不显眼。尽管如此,这个内裤究竟是怎样的构造呢?变成了立体地缝合了一样的形状。关键是,它粘在变大的阴茎上,可以清楚地分辨形状。
“这不是很好吗?穿着这样适合女性的衣服,把触角伸到尿道和肛门里兴奋,只会被周围的人发现吗?”
“是不是很兴奋啊! !”
不要说拆穿之类的难听的话。
“是吗?那就让它枯萎了怎么样?兴奋是什么呢?”
“那只是……一直被刺激着,做出反应而已……”
本来以为是受到阴茎的刺激,但总觉得不止如此。原本以为只是被挠痒痒的对身体的刺激也总觉得心情变好了……
“嗯。那么,你是说要想办法解决那个变大的小东西吗?”
“这个……嗯。”
被说得太清楚的话总觉得不好意思。
“我知道了。那就让它枯萎一次吧。那样的话,它就不会长大了。”
“说要让我枯萎……”
因为做不到那个所以很辛苦。
“哦,听说男性只要射精一次,就会使阴茎变小,不是吗?”
“不好意思……这么说,有点……?”
没想到会被大泽一本正经地说那种话,真是吓了一大跳。
“嘛,讨厌的话也没关系。只是让你直接回教室,怎么办?”
“嗯……”
没有选择不是吗?
“我知道了,我要射精了,让我动起来吧。”
“我知道了,请稍等。”
因为大泽先生的手机操作,到现在为止自己的意思是不能动的手臂也能动了。
“……只有手臂! ?”
脖子以上没有被衣服覆盖,本来就很自由,除此以外的部分。身体和腿都被压得动弹不得。
“如果只是射精,手臂动一下不就足够了吗?”
“也许是吧……难道要在这个地方射精吗?”
我本来想去厕所什么的,即使不是那样也要藏在窗帘里,可是这不是没法藏了吗?
“嗯,因为我也对射精感兴趣,请一定要让我看看。”
“这样啊……”
好像连转移视线的心情都没有。
“如果不喜欢的话,我会让你直接回教室。”
如果就这样回来的话教室里。不仅如此,在走廊上擦肩而过的人也会被认为是在学校里阴茎变大的变态。但是在这里射精的话,只会被大泽看到。而且,这件衣服不能脱,所以不能直接看阴茎。
不仅如此。我觉得不让它变大大概是为了阻止这件衣服的移动。
即使考虑今后的事情,也无需考虑应该选择哪一个。
“我知道了,我要射精了。”
“那是一个很好的主意。那么,我也会为你提供一些服务吧?男性还是有一些可以成为‘老千’的东西比较好吧?”
她掐着裙摆,笑眯眯地窥视着这边的动静。该怎么回答呢?这个。
“……啊,啊,开玩笑的。不要用那么冷淡的眼光看待我。我知道,看到像我这样的小混蛋也不会兴奋。”
“诶?啊,不……”
“哎,大家说的。怎么看都像小学生一样是被称为习惯了。总之,便衣在繁华都要出门的话几乎快要被当成小学生的。这样可以看到兴奋的是,萝莉控吧。”
她松开了被撩起来的下摆,像拂去灰尘一样拍打着裙子。第一次看到不知为何如此撩人的大泽。
“喂,大泽,冷静点。”
“说什么。我平静哦。哦,是的。手中的影像资料中也有女性的裸体的应该的。那黑板显示器照吧。告诉我就喜好选定符合影像没什么啊。谁也没说要承诺女子更衣室拍摄的视频也……”
“我不需要这种东西! !比起这个,你真的会为我服务吗?”
啊~够了。我在说什么呢?反正肯定会被嘲笑的。
“……你是兴趣不良的萝莉控吗?”
“不要说难听的话。”
“可是,是我吗?一个长得像小学生一样,一点也不可爱的女孩子?”
乍一看像是自虐、丑化,但颤抖的声音听起来相当认真。
“如果是真正的小学生的话,我就不想看了。”
说实话,接受特待生的邀请,虽然自己也很方便,但是因为对方是大泽,所以才接受这样的情况。如果对方提出了同样的邀请,自己不愿意,就因为不接受而退学了。
那个,说明白一些。因为喜欢大泽先生。
该死的,大概脸红了。从脖子到上面自由的移动真是太好了。从正面什么的不能面对,这样的。
「这样啊。这样的话,我也会按照宣言的服务的。
大泽先生一边小声嘟哝一边离开视野。在短暂的时间里,身体像追赶着它一样动了。
“话虽如此,我只是给大家看看而已。不许碰,不许碰。
坐在桌子上,视线稍微高了一点的大泽先生看着这边。「那么,等下。我先把把裙子翻过来。
大泽先生单膝立在桌子上,摘下裙子的下摆就停止了行动。
“……大泽先生?
“哇,我知道。我知道,稍等一下。我也要做好心理准备。
大泽的脸被染红了。
“既然这么不好意思,也不必勉强……”
“不。既然说了要做服务,就得好好展示一下。好吧,好吧,我翻了。”
掐着裙子慢慢地举起手来……
“什么? !”
我一直在想,仅仅是给她看内衣,她怎么会踌躇到这种地步。难道你这么讨厌被我看见吗?但是,不是那样的。
“大泽先生! !为什么没穿呢? !”
说到服务,我还以为可以让我看看大泽的内衣。但是被掀起来的裙子下没有内衣,直接看到了大张开的腿之间的裂缝。
到现在为止,虽然没见过女人的下面,但听说过,如果是大人,那里光让人看见就会变得想吐。尽管如此,大泽先生的剧情也不过是一根筋,所以不仅仅是体型,声音也和小学生一样。尽管如此,他还是很像个学生,而且是高中生,头发长得很整齐。
“为什么呢?不要把人说成是平时不穿内衣的变态。不是一直没穿,是现在脱的。”
这么说来,一瞬间就从我的视野里移开了。就是说那时脱了?啊?为了什么?难道是为了让我看见吗?
「瞧。凝固到什么时候?不只是看着,还有要做的事情吧。
「啊,啊。嗯。
原来如此。老实说,即使这样看着大泽先生的那里,也不会觉得那个本身就是色情。但是总是被隐藏着,如果普通地考虑绝对我看的事之类不能的地方看这样的事实。并且大泽先生一边害羞一边显出那个这样的事自己好象兴奋了。
外界的刺激使阴茎变大了一圈,感觉有点疼痛。
一边看这个一边自慰,是那样说的事哟?他说要射精,所以应该这么说。即使开始自慰,也不可能突然被骂吧。
“……咦?”
正面抓住变大的阴茎,让手直接滑动……我的手一定抓住了阴茎。但是,为什么感觉不到呢?
“咦,怎么了?”
看着这样的我,大泽又重新找回了从容,脸上浮现出笑容。
是的。在教室里摁阴茎的时候也是这样。连裙子都盖上阴茎也感觉不到什么,现在也和那时一样吗?
“这么说射精什么的……”
现在,全身和阴茎的前端也不断地受到刺激。但要说能不能达到射精,光靠这个刺激实在是太弱了。
“如果不明确告诉我是怎么回事,我也无法应对。还是放弃,直接回教室?”
明明知道发生了什么事。但是,如果我不把话说清楚的话,怎么也做不到吧。
“……摸阴茎什么都感觉不到,不过,这个也是这件衣服的原因吗?”
“嗯,这么说也是啊。那件衣服是为了保护穿着者,所以尽量避免外界的刺激。也就是说,即使这样用手来操作,射精也是做不到的吧。
这话听起来就像你现在才发现似的。
“我准备过这样的事情。你用这个吧。
「诶?哇!
把放在桌子上的什么东西扔这边。总算能收到的是长50cm,粗3cm左右半透明的紫色棒子。虽说是棒子,也并不那么硬。只要轻轻用力,就能自由地弯曲。然后两端有些膨胀……这是两端尖端的阴茎模型吗?
“要用,这个要怎么做才好呢?”
即使知道是阴茎模型,也不知道该怎么说。
“嗯,那是和那件衣服联动,把给予的刺激设定成反馈给你的小弟弟。”
给点刺激就好了吗?但是为了确认,摸着弯曲着,但是反馈什么的完全没有发生……
“但是,我只能在你把那个放进屁股里的时候才能得到反馈。”
“什么?屁股……”
怎么能把这样的东西放进去呢!?本来就被脱不掉的衣服覆盖着,而且现在触角已经深入到屁股的洞里了。这样的,虽然没有留下可以进入的缝隙。
“不,不用担心。你不是说你的衣服是伪生命体吗?就像我之前体验过的一样,可以自由变形。如果能接受的话,它会向中空变形。”
“空中,可是这么粗……”【理解不能】
我无法想象这个会进入屁股。
“哈哈,你在说什么呢?因为深入你屁股的触手已经比它粗了一圈。那种程度,你应该连进去都感觉不到就能接受。”
即使被说应该是吧。不过,让大泽达到顶峰的兴奋多少平息下来的现在,他的阴茎还是那么大。我不认为就这样放任不管就会自动枯萎。那么这里就只能听你说了,是吗?
“这个放在屁股上就行了吗?”
“没错,因为触手的中央有个洞,直接把它推到里面就可以了。”
“嗯,我知道了。”
大泽,刚才你叫这个棒子迪尔杜吗?那就拿着这个笛头的一端,就那样在屁股的位置……
“啊! ?”
18087750559:Re: 一片日文 剧情是男孩子被触手皮寄生
啊,对了,如果我哪天把这小说翻译完了,麻烦谁来帮我整理一个txt的文档在百度云,谢谢了,一下午在弄这东西……死的心都有了,看起来剩余章节还很多,我还是慢慢来算了
GLGLGL:Re: 一片日文 剧情是男孩子被触手皮寄生
18087750559啊,对了,如果我哪天把这小说翻译完了,麻烦谁来帮我整理一个txt的文档在百度云,谢谢了,一下午在弄这东西……死的心都有了,看起来剩余章节还很多,我还是慢慢来算了

感谢翻译,这么一大片日文翻译真是辛苦了
18087750559:Re: 一片日文 剧情是男孩子被触手皮寄生
我被这迪杜尔(我还是一开始出现的迪杜尔是什么东西,原来就是根棒子?)如此轻松的进入吓了一跳,随后它被吞入了屁股中。正如大泽先生所说的,已经扩散开来的屁股没有任何感觉。但是阴茎尖端送来了与以往不同的刺激。
阴茎象通过了什么禁锢的环状洞一样的感觉。通过后好像被温暖柔软的东西包裹着。越往里边抽送迪杜尔,紧固部分就越朝着阴茎的根部。如果就那样进入了屁股中,被肛门部分勒紧这样的感觉吗。
“诶?嗯!?”
突然肚子里产生了新的感觉。一般来说,屁股中并没有明确的感觉。尽管如此,在屁股中迪杜尔一个劲地弯曲,感觉阴茎被送入了象附有到处一样刺激的地方。没有消失的便意,再加上新生的刺激,屁股中快要坏掉了。
「呜。这样的话,屁股会变得奇怪!!”
虽然慌忙想把迪尔杜拉下来,但是在他即将离开的时候,却被什么挂住了。进去的时候几乎没有抵抗就进去了。不管怎么拉,迪尔杜的边缘的膨胀部分好像被卡住了,不能再出来了。不仅如此,这种感觉还再现到了被拉紧的阴茎的前端,部分被卡住的感觉。
“看,你在玩什么?不是要射精吗?”
“啊,是这样的……”
而且对肛门也有从背面被推的感觉。这明显不同于想大便而被从里面挤出来的感觉。好像是被插入了钩子或者什么东西,拉紧了肛门……“这个啊,为什么? !不能拔! !”
“喂喂,要射精了吧?那样的话就没必要拔了。还是说,要放弃射精吗?”
可以肯定的是,这个迪尔杜拿出来后就无法刺激阴茎。如果拜托大泽的话也许能抽出来,但也有可能在那之后就被拿出来。那样的话可能就不能射精了。
如果是这样的话,即使无视肚子的痛苦,总之射精一次才是正确的选择。
“嗯,等一下,不要放弃(再等一下),我会射精的。”
再次将视线投向大泽。说着那样的话裙子还是卷着我。总之,只集中于映入眼帘的大泽的身影和阴茎的感觉吧。
“嗯……”
再次把迪尔杜拉进屁股里。虽然感觉是在肚子里胡闹,但如果一开始就知道会变成那样的话,阴茎也不至于到无法忍受的地步。
阴茎和迪尔杜的感觉确实是连动的。但是这并不是说迪尔杜的头跟我的阴茎一样长。感觉50厘米左右的整个迪尔杜和我的整个阴茎是对应的。
也就是说,如果不把笛斗全部收进屁股里,阴茎的根部就感觉不到刺激。第一次看的时候还以为绝对不能把这么长的笛头放进去,只是轻轻用力一按就很容易被吞进肚子里。
进入臀部的迪尔杜走了一段路后,弯弯曲曲地向左肋走去。在理科教科书上看到的大肠是真的。如果再加上长一点的,会送到右肋吗?
“呼、呼……”
为了刺激整个阴茎,必须以良好的气势把迪杜尔拿出来。进入肚子的部分有被暖和柔软的东西包着的那样的感觉,不过,只是那个不满足。要射精的话,必须要用肛门的紧固来处理阴茎。迪尔杜和阴茎长度的差异太大,以平时的手淫抚摸阴茎的速度迪尔杜拉出放入太慢。
“我知道,但是看到这种程度还是有点害羞的。”
“对不起。但是现在让我再集中一点。”
大泽先生害羞的表情现在也很好……刺激。
在反复取出的过程中,感觉到射精一点点靠近。从身体深处可以看出射精前流出的透明液体。
「啊,但是这个……阴茎里面的触手堵住了。照这样下去的话,射精什么的是不可能的……”
为什么至今没有想到呢?
“哦,不用担心。射精时输精管堵塞可不是开玩笑的。尿道内的触角有一部分是中空的,可以通过精液。”
输精管?从名字上看精液的管道,吗?想想看,精子是用睾丸做成的,又不是从膀胱里出来的。如果能好好地准备精液通过的道路的话,就这样继续自慰也没关系吧。
“嗯……还有,有点……”
加快突破迪尔杜的速度,进行最后的冲刺。也不怎么在意在肚子里胡闹……不,不能接受这样的要求。比起那个,我只考虑阴茎……
“咦咦咦! !糟了! !”
虽然花了比平时更多的时间,但是终于达到射精了。因为手臂以外不能动,所以保持直立,不能随着射精弯腰,也不能突出阴茎。
即使如此精液也不堵塞地吐出……
“啊,咦?为什么! ?”
现在肯定是射精了,哈兹。即使精液没有从阴茎喷出是因为被吸入到衣服里,为什么连流过阴茎的感觉都没有呢!?
“没有射精的感觉不可思议吗?”
“诶?这是怎么回事?”
一副得意洋洋的样子说明你知道原因吗?
“不是说过了吗?精液通过触手的内侧,因为精液通过了触手的粗细完全没有改变。只是说感觉不到流出的感觉。”
“那、什么……”
嗯。因为射精了,所以头脑中感觉很舒服,但是因为没有来自阴茎的快感,所以总觉得有些不足。
“嗯……这样啊……”
尽管如此却不顾这种事,只持续射精……接着呢?
“啊,咦?为什么,做不完啊? !”
不管怎么说都很奇怪。射精已经过了很长时间,却没有结束的迹象。
如果是平时的话,射精不可能持续这么长时间。而且阴茎也完全枯萎了。如果持续射精,中途就会枯萎,这是绝对不可能的。
“这个……这个啊,大泽先生啊,做了什么吗?”
嗯。因为持续射精,连好好说话都说不出来,语言变得断断续续。
“被说成‘这个’也没关系。但你到底在说什么呢?不解释的话我就不知道了。”
骗人的。你绝对知道。但是现在已经没有时间说那种话了。
“嗯!射精了,一直不停射精,为什么?”
“啊,那件事啊,要是射精的话早就结束了。”
已经结束了吗?
“结束了,没有了,明明说了! !”
“是啊,要按顺序说明吗?从你穿上那件衣服到现在,每当你想小便或大便时,触手就会伸到尿道和肛门。是吗?”
因为没有多余的时间,所以希望早点说明。不能互相交流说的话没有错,所以点头。
“那么,你为什么认为射精的时候触手无法进入呢?”
“什么?那种事……”
难道是随着射精新的触角伸进去了吗?但是刚才说过射精是正常的……
“呵呵。为了不妨碍射精本身,从尿道内经由输精管将触角伸入精囊和睾丸。”
“可是,这是怎么回事啊,就这样……”
没有因为触角伸到膀胱和屁股里而持续小便和大便的感觉。为什么偏偏在射精的时候会出现这种情况。
“射精的时候和撒尿不同,是在体内储存一定量的精液后用力喷出的吧?然后反复多次,直到吐出一定量的精液为止。”
确实是这样。
“如果你的触角也深入到精液的储存处,让自己的身体像气球一样膨胀,你会怎麽样?”
“像气球一样……精液堆积在一起,身体会产生错觉吗?”
难道现在的状态,就是因为那只触手而被认为是精液堆积的状态吗!?
“因为那是只有在射精的时候才会感觉到的感觉。也难怪会误以为是大脑在射精。”
“怎么会这样……快住手!”
好像一直射精,阴茎的深处快要上吊了。
“你有什么好顾虑的?这是男人无法享受的长时间的连续高潮感。严格来说可能不一样,但如果更享受就好了。”
什么心情都没有……
“好了,还有一点,就是为了不让小弟弟变大,这个我已经解决了,你就放心吧。”
“诶,干什么了? !”
虽然知道她操作了手机,但是那样果然就不能勃起了吗?能做到那样的事情吗?
“简单的说。你知道那件衣服会硬化到能封住你的动作的程度吗?把覆盖在小弟弟上的部分按照现在的样子硬化,不能变形。”
“不会吧……对吧?”
也就是说,强行按压来防止阴茎变大吧?会不会特别痛…………心情好难受。好想吐。
虽然醒了,但还是一片漆黑。现在是几点?
上午的2点?为什么在这个时间……
结果在化学室的期间上课时间结束了。大泽先生回家了,我也就这样回到了家里。
这么说来,被放在屁股上的迪尔多现在也进入了。无论怎么拉扯到尖端的膨胀。因为衣服部分也不能再放出来了(被衣服封住了?),也不能完全拔掉。如果那样的话,即使干脆把全部都推进去,在另一侧的膨胀到跟前的地方就撞上了。
因为迪杜尔半透明的原因屁股中能看见了,很害羞。虽然这么说,但因为衣服被覆盖了所以不会被直接看见。
不能挂着迪杜尔走来走去,所以决定往里面推。但是进入了身体的部分象暴走一样的感觉没有变化,阴茎和屁股同时被刺激象持续一样的东西。大泽先生说也许需要迪杜尔,不过,如果那样的话只在必要的时候使之使用就好了。
在宿舍的晚饭时间穿着这样的衣服成为了关注的焦点。说明了之后就理解了,之后也没有被追究。我想大概连屁股上的迪尔都没注意到吧。
那个时候尿意和便意稍微收敛了,一直持续的射精前那样的感觉多少已经习惯了,应该也能好好地说明了。
就这样穿着去洗澡的时候,虽然被吓了一跳,但还是脱不下来。因为宿舍里只有公共浴场,所以一个人去是不可能的。
听说穿这件衣服可以保持身体的干净,但那只是被覆盖的身体。怎么洗脑袋也只能泡澡。虽然听说了,但打湿了也没关系吧?
然后,我早早睡了……如果是平时的话,即使早睡也不会在这样的时间醒来的。
不行。我很恶心。我本来想就这样躺着,但是好像要吐在被子里。
洗脸台……不,可能会被噎住,不要生气。去洗手间吧。这个时间人也不在吧。
脚也很重。即便如此,衣服也能保持平衡,不会摔倒。离厕所还有一点。吐一次的话会不会舒服一点……
“到了。”
吃了什么坏东西了吗?不,只是在宿舍吃了晚饭。如果是那个原因的话,现在宿舍的学生应该都来吐了。看到谁都没来上厕所的地方就会发现是不一样的原因吧。
“嗯。”
虽然是平时讨厌打扫厕所,但是像这样不得不把脸靠近马桶的情况,只能在之后好好地打扫了。
“嗯,嗯……”
浑身充满了想吐的感觉……
“嗯! ?嗯——! !”
啊,这是什么!?我在吐什么啊?粗大的东西慢慢地从胃里爬上来。不是像胃酸那样的液体,而是结实的形状。而且也不酸(看得好难受啊,这就是破口而出吧)
“嗯 !”
呜,无法停止吐出。就这样吐出来了。真不喜欢用嘴连着马桶的东西碰马桶。不用担心会飞散,要站起来别碰到马桶。
“啊!”
从胃里溢出来停止了。但是吐了的东西从口垂下了。即使想咬断牙关用力也咬不进去牙齿。因为扩展到喉咙里所以无法呼吸,这样下去的话会窒息。
到底是怎么回事,总之先用镜子确认一下……哎呀,看也说不定不明白,与其窒息,不如先去宿管的地方比较好吧。
“!?”
吐出的块在颤抖吗?发生了什么?还是首先用镜子确认一下比较好吗?
……什么呀,这个黑色的。怎么看都不成体统。从嘴巴伸长了30cm快要有的黑的块儿。我可不记得吃过这么黑的橡皮筋之类的东西。
咦?但是这个表面的反光效果好像在哪里见过……
哪里的话。只是颜色不同,质感和光泽都被穿的这个衣服一模一样。但是就算是衣服为什么也要从嘴里说出来?……难道说,进入屁股中的东西就那样从身体中通过口来了吗!?
“呼、哈……”
不行。虽然可以呼吸,但是喉咙好像不能张开说话的样子。
嗯,不知不觉中脸上被黑色的触手无缝地覆盖着。但是为什么?眼睛也变得漆黑了,可视野却没有被染黑。
原因好像是这件衣服,到了明天只好问大泽先生了。虽然不想以这样漆黑的张着大嘴的娃娃般的脸去学校,但是一直这样下去更让人讨厌。
“哈,终于能说话了。”
啊!?什么啊,刚才的声音。
“初次见面,怎么说有点不一样呢?已经在一起半天以上了。但是必须事先打招呼。请多关照,亚由美。”
没错。这个声音,从我的嘴里说出来。张着大嘴随意地动着,和我的意思无关,编织着语言。但是会变成怎样呢?
“啊!!”
「啊哈哈。想说也不行。这嘴是我说话用的。
该死的,到底发生了什么?随着这家伙的说话,我随意地吐了口气。
“是啊,我会好好说明的,先回房间吧。啊,但是在那之前。瞧,照镜子。
漆黑的脸逐渐变为肤色。就像从一开始就什么都没有发生过一样。但是有被遮住脸的感觉,表情也不能自由地改变。
「顺便,顺便。这样的事也能做到。”
等一下。这是什么啊。嘴唇的颜色变了,染成了鲜红。眼睛周围也变成了粉色,好像在化妆一样。
“那这次一定要回去啊。”
哇!!连身体都不受控制!?不顾我的意志,擅自走向房间。虽然第一次被这件衣服操纵身体,但是到现在为止大泽先生应该已经下令行动了。
但是现在不是那样的感觉。衣服本身就有意志操纵着我的身体……
「看—。你不抵抗吗?
“啊!?”
好痛!?什么呀,刚才的。被打屁股了吗?但是哪里都没有像敲门那样的人。
一直被玩弄着身体,是睡着了还是睡不着呢……
虽然半途失去意识,但还记得好几次被口交过过。
正如那家伙所说,每次去都减少对阴茎的刺激……尽管如此身体好好地i做了射精。
想让女孩子听话到底是怎么回事?所以才想让我做什么呢。
“早上好,学长。”
“哇,吓了我一跳。以为是女生,原来是广濑啊。啊,你说过那件衣服不能脱吗?”
“是啊。虽然穿了一整晚有点习惯了,但是还是有点害羞呢。
完全无视我的意思,身体擅自回到了日常生活。不,随意地说,不是吗?因为这件衣服是用意志代替我的。
无论是前辈还是同学,甚至连宿舍妈妈都没有一个人注意到现在动这个身体的不是我。
不,就算别人被衣服操纵了身体,我也不会注意到。本来被衣服操纵身体的事是意料之外的,即使言行有点奇怪,也会想是那天的心情吧,然后就这么过去了吧。
啊……
嗯! ! !
嗯,好像还不错……
嗯,已经有点……等等。刺激,不要停止……
嗯……不行。
从床上出来之后,一直处于一副很帅的样子。接近射精时,对阴茎的刺激会停止,稍微平静后再开始。
到现在为止,即使停止了对阴茎的刺激,也能以昂扬的身体余韵达到射精的程度,但现在感觉在奇怪的地方取得了平衡。
如果身体变得自由想使用阴茎做射精,不过,被操纵身体的现在那个也不行。
“我开动了。”
吐司和煎鸡蛋。还有蔬菜汤。眼前的桌子上排列的是星期五的固定菜单。但是能吃这个的不是我。
包含在我的嘴里,用我的牙齿咬,咽进我的喉咙,不过,我的身体连内侧都被这件衣服覆盖了。身体作为营养吸收的是这件衣服吸收后的残余。
被操纵的手把吐司送到嘴边。咦?是连鼻子都被覆盖了吧?完全感觉不到味道。
哎呀!?
什么?这个。从吃了吐司的瞬间开始异怪的味在口中蔓延着。而且,这种味道。刺鼻的臭味。好像记得在哪里闻过,为什么会有这么奇怪的味道呢?
明明啃着吐司,却感觉不到酥脆的触感。嘴里蔓延着总觉得是有点黏糊的感觉。
“好啊,亚由美。你起来了吧?
啊?这个声音……昨晚听了好几次,这衣服说话的时候用的好像女孩子的声音。
但是为什么?嘴巴贴着吐司,明明不能说话的状态。
“啊,就是这个声音。进入耳朵的触手震动发出声音。所以亚由美能听到。
耳朵里面,连那样的事也能做到吗?
“周围也有人,不能让步(ayumi)用嘴说话,所以就变成单方面的搭话了。所以,我想先说明一下现在的状态。嗯,对我来说很亲切。
如果亲切的话,我就不会遭遇这种事情了吧。
“说到亚由美,从昨天开始射精了好几次呢。”
说是在做,其实是你让我做的。
“其实,射精提取的精液没有丢弃或吸收就保存下来了。”
保存?也就是说,就那样留下了?
啊……对了。这种臭味,在哪儿闻过……想起来了。
“莫非你明白了?是的。为了配合我吃饭,我把精液流到亚由美的嘴巴和鼻子里。
嗯,果然。这个臭,和射精后精液的臭是一样的。虽然不是很清楚,但是现在被品味的这个是精液的味道吗?、
“从今以后,我吃饭的时候都会让你品尝精液。也就是说,小美今后一辈子都是只品尝精液的。呵呵,有意思吧?”
到底有什么好玩的呢。我不想尝到精液的味道。想尽情地倾吐却连那个都做不到。因为是直接涂抹在完全覆盖的舌头上,所以无法抵挡。
“广濑,我先去,但不要迟到。”
“没关系的,前辈。”
表面上是和平时一样的早晨。但是实际上一直被玩弄着全身,被搅拌到屁股里面,心情很好,却无法忍受。而且精液被品味了,这样的事情会一直持续下去吗?
大泽先生。求求你,救救我吧。
“早上好。”
“早上好。果然今天也是这个样子啊”
“嗯。这是大泽先生做的衣服,但是脱不了。
「诶?那洗澡什么的怎么了?”
“就这样进去了。即使那样也说不要紧。衣服把身体弄干净了,但是头必须要洗啊。
到了教室,衣服也代替我,和同学们聊天。没有人注意到我不是我。只稀奇着继续昨天这样的打扮的我。
大泽好像也没来教室。但是并不是什么稀奇的事。因为从早上开始就一直呆在化学室里,也没有被责备过。
说不定从昨晚的记录中发现我被抢了,就来救我了。虽然认为不可能,但仅有的希望却轻易地破灭了。
这样一来,虽然要见大泽先生必须要去化学室,但是这家伙自己去却怎么也想不到。
「早安,诸位。」
「咦?大泽先生?来教室真少见啊。
骗人的。大泽?因为很少来教室,一进来就受到关注。
“嗯,我想确认一下我的发明。把你叫到化学室也不错,反正是路过,所以顺便去了一下教室。”
一边应付着周围的同学一边朝这边走过来。
“广濑,你的身体怎么样?”
“早上好,大泽。穿了一晚上,就习惯了。尿也消耗了,尿意也平静下来了。”
不对。大泽,这不是我。
“这样啊,那太好了。如果没问题的话,我想再穿一段时间再确认经过。”
等一下。真的没有注意到吗?是用无人机确认的吧?
“不,这样穿对流石来说很不好意思。具体要穿到什么时候呢?”
“现在还不能说什么。脱下衣服好了的话,我就会指示你,在那之前你就穿成这个样子吧。什么,对生活没有影响吗?”
“嗯,是的,不过……”
问题太多了。所以快点脱掉吧! !
“我打算现在开始着手其他的研究。如果有什么事的话,再来化学室吧。我也打算实时追踪你的身影。”
……是的。无人机的监视器是改造了化学室的黑板的监视器。也就是说在家没有确认我的事情吗?
今后要实时追踪,难道不打算看昨晚的记录吗?“那么接下来的问题……广濑,你去解答一下。”
“嗯,什么……我不知道。”
“喂喂。虽说是特待生不会留级或不及格,但不好好学习可不行。”
“对不起,如果能全部上课就好了,但是被叫出来就不去也很难。”
“嗯,我知道。在力所能及的范围内就好,加油吧。”
“是的,谢谢您。
不对。
“广濑,你这周是打扫厕所的值班人员吧?你没事吧?”
“什么没问题?”
“那样子对不对?如果穿着裙子进了男厕所,会不会被人用异样的眼光看?”
“也许确实会有人感到惊讶,但是打扫的时候没有人来找我,所以没关系的。”
“这样啊。这么说来,昨天也照那个样子打扫了。”
不对。
“广濑,你好像没提交外出申请,这周末不出去吗?”
“不,前辈。学校里的话就不说了,穿这个出门对环境要求很严格。这周在房间里很老实。”
“是吗?那我有什么想要的东西就去买。当然要收手续费。”
“是啊,需要的话就拜托你了。”
“啊,不过,色情书什么的可不行啊。要是被发现了,那就全是我的责任了。”
“我不会拜托你的! !”
不对。不一样。那,不是我。
运动身体的不是我。明明是覆盖着身体的衣服,却没有人注意到。
但是,这也许是理所当然的。无论是说话方式还是语言的选择方式,甚至连一点动作的习惯都再现了平时的我。
但是……即使有一个人能注意到。
啊!!
嗯。想法不统一。
最初只是不协调感的这种感觉。
身体中……特别胸被抚摸被揉搓,唯一不被刺激的只有阴茎。
然后用触手在屁股中搅拌,然后以某个时候为界限开始的这种感觉。
女性高潮。
确实这家伙是这么说的。作为男人也能感受到的女人的绝顶。
正如学校所说的那样,从那以后就一直保持着紧张的状态。
暧昧不清的违和感只有最初。因为被人说这是快感,所以被人深信现在真的变舒服了。
脑袋里昏昏沉沉的,身体无法用力的奇怪状态持续着。
我已经不是小孩子了。到现在也有自慰的时候。
但是这种感觉和之前自慰时的快感完全不同。
激烈的快感与瞬间结束的手淫快感不同,没有太大的变化,一直保持不变。
没有突然高涨的事,也没有镇定下来的事。
如果注意到,阴茎已经完全萎缩,但这只鼻涕也没有结束的迹象。
自慰的时候,如果不能勃起的话,身体就好像坏掉了一样。
多亏了你,我感觉身体习惯了。
不,说习惯说不定稍微不同。
这种状态下就不会产生不协调感了,这么说才是正确的。
身体变得奇怪的事现在也好好地明白。
但是,不知道怎样做才能把这个做完,恢复到原来的状态。
身体已经适应了快感,这么说也可以吗。
虽然说快感是一定的,但是和最初的时候比起来,感觉越来越强了。
简直就像一次出生的快感在身体中回响,无止境地变强一样……
不,没有那种道理。
只是因为单纯的觉得身体很累不想接受这种感觉,所以才会有强烈的违和感。
“你觉得怎么样?”
自己的意思是身体不动,只是看着衣服动。
如果这种状态持续下去的话会变得很奇怪吧。
“喂,我叫阿步。”
但是……自己不能动,只是随着衣服的移动身体在动。
而且因为这种快感,身体好像在衣服里慢慢融化了。
“已经。虽然不能随意活动身体,但是无视我的话就更过分了。因为要用罚屁股。”
呃……
“痛! ?”
“啊,你注意到了吗?”
呃……啊。这里是我的房间?不知不觉就回来了吗?
“连被搭话都没注意到,完全变成了快感的俘虏啊。”
“不对……”
到现在为止一直无视我的事,只是没想到会对我说话。
尽管如此,说话的中途却被剥夺了嘴的自由,甚至不让我解释。
“我本来想问问情况的,不过打扰了吧。已经不打扰了,别客气,好好享受吧。”
啊啊啊……摸屁股的触手的动作好像变强了!?
“不过在意识的一端听一下就好了。小美啊,以后只要一直沉浸在快感中就好了。”
那样的……
“麻烦的授课也,特长生从无名处理样的朋友接触对方,也顺应了雪美酱的不讲理的订单,也全部都给你我改变了。”
太麻烦了……嗯。头脑昏昏沉沉,思绪不清。
“如果你是普通人的话,这种事是绝对不能做的。小美吃饭和排泄都不需要自己做,连呼吸都不需要自己做。”
那种人,不是人。
不行,这家伙的话听着就奇怪了。但是,我连堵住耳朵的自由都没有。
“呵呵。想要抵抗吗?但是是徒劳哟—。一旦离开就结束了。我绝对不会放弃的。
别说了……
“对今后的亚由美来说,活下去和坚持活下去是一样的。”
讨厌、讨厌……
“你看,今天就睡吧?睡着的时候也持续活下去,如果没有我的话就无法过正经的生活。
啊……眼前突然一片漆黑?明明没有闭上眼睛。遮住眼睛的部分变得不透光了吗?
“这个周末连身体都不动,一直只有前列腺高潮在品尝。如果您愿意的话,用餐也可以。我把亚由美的废物当作营养使用,我出的东西就是亚由美的营养。因为这样的半永久机关是建立起来的。”
到此为止……
“那么,今后就只集中在快感上。除此之外的事什么都不用考虑,好好享受吧。”
身体躺下了……睡在床上了吗?眼前一片漆黑,身体也动不了。
到现在为止听到过声音所以没注意到,除此之外的声音完全听不见了吗?平时在窗外都能听到风和虫子的声音。
不知不觉中口中蔓延的精液的味道和臭味都消失了。
那么现在的我能感觉到的,只是在衣服中起来吗?
那种……
哇。
为什么……为什么遇到这样的事,而舒服的感觉没有结束……

ps:完结了啊,男主好惨
有大佬能帮忙整理下云度盘就更好了……
至于翻译问题,因为是机翻,出问题也很正常,但保证70%左右的阅读体验还是可以了
嘛,麻烦是麻烦,不过有这种奇怪的文章没翻译的话,叫我一下也是可以的
XCY21:Re: 一片日文 剧情是男孩子被触手皮寄生
18087750559啊,对了,如果我哪天把这小说翻译完了,麻烦谁来帮我整理一个txt的文档在百度云,谢谢了,一下午在弄这东西……死的心都有了,看起来剩余章节还很多,我还是慢慢来算了
辛苦了!!!
18087750559:Re: 一片日文 剧情是男孩子被触手皮寄生
啊,顺便一提,别误会了啊,我对sm没什么兴趣,这样说大概也不对,sm发生在自己身上的话我是怎么也不能接受的,就算如此,果然还是喜欢看别人的故事(sm发生在二次元绝对是喜闻乐见的),这种情节总是能莫名其妙触动自己感官带动性器官兴奋起来,之所以喜欢肛门尿道play,很大程度上可能还是因为自己对这些感觉陌生吧(emmmm),很喜欢伪娘可能是因为同性,而且感官很好?(就二次元动漫形象来说),现实生活应该接受不了吧……(牵扯到的感官太多)
咳咳,废话太多了,总之,希望各位看的开心,因为是在手机上翻译,上传很难,终究是自己第一份翻译,不管怎么样还是想收藏,有人能帮忙就好了,谢谢
18087750559:Re: 一片日文 剧情是男孩子被触手皮寄生
XCY21
18087750559啊,对了,如果我哪天把这小说翻译完了,麻烦谁来帮我整理一个txt的文档在百度云,谢谢了,一下午在弄这东西……死的心都有了,看起来剩余章节还很多,我还是慢慢来算了
辛苦了!!!
没事,还算好吧,毕竟也是自己感兴趣的
18087750559:Re: 一片日文 剧情是男孩子被触手皮寄生
……我越想越不对劲,lz,这日文真的没有后续吗?有的话可以发一下,还是我来翻译一下……这个结尾感觉很奇怪啊
qiqinzi:Re: 一片日文 剧情是男孩子被触手皮寄生
18087750559……我越想越不对劲,lz,这日文真的没有后续吗?有的话可以发一下,还是我来翻译一下……这个结尾感觉很奇怪啊

作者还没更新
这个好像是目前到13章
qiqinzi:Re: 一片日文 剧情是男孩子被触手皮寄生
另外我手里还有几篇气味系的
和两篇男孩被外表是女孩的触手皮寄生的
文章
18087750559:Re: 一片日文 剧情是男孩子被触手皮寄生
ok,我知道了,有那个需要的话可以叫我一下,我抽空来翻(只要其他大佬没时间,我才来凑数,本质日语渣)像今天这样翻译,我估计还是吃不消,速度会慢点