鈴&天羽 vs 剣山 六
「ふぅ。。」試合前の更衣室の中で、剣山 六は気持ちをもう一度落ち着けた。今日は、デビューして以来初の3WAハンディキャップマッチだからだ。
3WAは基本的には、1on1もしくは2on2のタッグマッチなど正当な試合形式を取っているが、不況の煽りを受け、興行収入が厳しくなったことで、男性レスラー1人vs女性2人タッグという実験的な試合が組まれたのだ。
剣山 六 が選ばれた理由は、やはり彼の父親が有名なレスラーであり、そのファンも掴みたいという主催者側の思惑があった。六は、自分という個性が認められておらず、父親の過去の名声だけが取りだたされ、親の七光りと呼ばれることに、失望しきっていた。 そういう意味で、この試合、六にとってはプライドをかけて戦う試合になる。
「今日は負けられないッス、、、、」そう自分に言い聞かせ、ウォーミングアップを始めた。
一方、対戦相手の鈴&天羽の更衣室では、、、
「ん~?やっぱり、アタシのブーツ良い香りネ?三日連続試合が続いて、ラベンダーが咲き誇ってるネ~?」と鈴は、無理矢理、天羽の顔面に持っていき鈴のブーツの匂いを嗅がせようとしていた。「もぉ!本当に臭ぃ!」と天羽は、鈴にローキックを入れた。「やっぱり、緑子ちゃん、倒してから天羽ちゃん、ちょっとSっぽくなってないアルか?」
先日の試合で、ドSと呼ばれた緑子を脱出不可能+ギブアップ不可能なエンジェルウィングシザーズで倒してからというもの、3WAの選手内、観客内でも天羽ドS疑惑というのが浮上しているのだ。天羽は、天使のコスチュームで背も小さく可愛らしく、アイドルのような顔なので、ドSというイメージは浮かびにくい。
格闘スタイルにしても、スピードを活かした飛び技や打撃がメインのレスラーだった。しかし、先日の天羽の必殺技はパワーで相手を粉砕するようなタイプの締め技だったので、皆が驚いたのである。
「そぅかなぁ?でも、先輩絞め落としたのは快感だったかなぁ☆」と天羽はゆっくりと舐め回す様に、鈴を見た。
「鈴ちゃんって、先輩だっけぇ?笑」
「はいはい。わかったネ。」と、鈴は天羽に嗅がせようとしていたブーツを手からおろし、ブーツを履き直した。
「そろそろ、ウォーミングアップするネ。天羽ちゃんとは、タッグ初めてだけど、試合の流れはどうするアル?」と、鈴はもう片方のブーツも履きながら言った。
天羽は、鈴に感心した。明らかに、先程自分を追いかけていた、鈴とは違い、レスラーとしての<目>に一瞬で変わったのだ。それもウォーミングアップする前から。
鈴&桃華の試合は定評がある。いかにも格闘技といったものから、まるでコメディのような試合形式まで、とても安定感がある選手なのだ。これがキャリアの差なんだな。と天羽は思ったのだ。
「ん~?私が後輩の六ちゃんをボッコボコにして、最後に2人でボコボコにして、鈴ちゃんの匂い嗅がせ攻撃でKOってぃぅのは、ど~?☆」 と天羽は答えた。
「そうアルネ~、剣山ジュニアは打撃が得意なはずアルネ? それなら、最初にアタシがいくヨ。その後に、天羽ちゃんがボコって、フィニッシュでタッグ技いくネ!!」
「タッグ技?」 天羽はシングルで戦う事が多く、2人で同時に攻撃をしたことがないのだ。
「それはね、、、、、、、」
カーン!!!
「先輩、いくッス!」 確か、鈴先輩は打撃に気をつけなきゃいけなかったッス。やっぱり!
試合開始早々に、鈴は六めがけて、ハイキックを放った。バシっ!!!!!!それを六は片腕でガードした。
「頼もしい後輩アル。でも、15歳は骨や筋肉が出来上がりきっていないから、怪我には気をつけるアル!!!」と、鈴は高速のハイキックを交互に六に叩き付ける。
「くっ、、、、」みるみるうちに、六の両腕は真っ赤になっていく。鈴は重いブーツで六を蹴っている。ダメージは通常よりも大きい。
ガードが下がるとマズいッス、、、ここは、あれで!!
鈴のハイキックを腕でガードする事をやめ、六は鈴とは逆の方向に走り出した。そして、六は反対側のロープに身を預け、ロケットのように、鈴のもとに向かって行った。
「剣山エルボー来るアルネ?返り討ちネ!」と鈴は、構えたが、その刹那、六は、空中で舞ったと思うと、蹴りを繰り出して来た。胴廻し回転蹴りだ。
勢いのついた胴廻し回転蹴りは、綺麗に鈴の脳天を捉えた。バシっ!!!! その場に崩れる様に鈴は倒れた。
「よっしゃ!ッス!」という掛け声に会場が一気に歓声をあげた。
エルボーは横線の攻撃だが、胴廻し回転蹴りは、縦線の攻撃なのだ。技に入る形が、剣山エルボーと同じだったので、鈴は見誤ったのだ。
だが、会場の歓声はそれだけが理由ではない。六が胴廻し回転蹴りを放った距離は、相手がガードに入ってからの事なのだ。つまり、六は横線の攻撃をガードされるのか、縦線の攻撃をガードされるのか。判定するギリギリまで敵を見ていたのである。
六は、いま、剣山の子供ではなく、1人の立派なレスラーとしてファンに認められたのだ。
「本当に将来有望な後輩ネ~?」と、声の方を振り向いた六は、既に鈴に片腕を取られている状態で、そのまま鈴の太股に吸い込まれた。鈴の三角締めだ。
ギュウウウウウウウウウ!! と激しいブーツが急速に自分の首の周りにマトワリついてくるのが解る。
だが、六は異変に気づいた。全然苦しくないのだ。その変わりに、物凄い異臭と、女性の甘い独特の香りが六の鼻を襲った。
「ふふ、、、MERON畑っていう技ネ。プロレスは格闘だけじゃないアル?」鈴は、よりブーツが六の顔に近い場所にくるように体勢を入れ替えた。
鈴のこの技は、<綺麗に決まっていない三角締め>と解説者からはよく避難を浴びる。だが、真の狙いは、当然別にあるのだ。鈴は、この技を3分かけ続け、相手を一度失神させた事がある。それは、頸動脈や気管を絞めて落としたのでなく、彼女の足の匂いで失神させたのだ。
会場の一部から歓声が上がっている。鈴のこの<MERON畑>は一部では、とてつもなく有名なのだ。
「離すッス!」と六は逃げようとするが、逃げる事が出来ない。なぜなら、相手が<三角締め>を決めようと仕掛けて来ている相手ではなく、ただ<拘束>しようとしているだけだからだ。
六は嗅いだ事のない臭いに困惑していた。異臭の中に、濃く香る、女性の香り。六は格闘技を一心不乱にやってきた。周りにいた女性は、皆、男っぽく、恋愛対象となるようなものではなかった。
六が、3WAに入って、最初に感じた事は、綺麗な。もしくは、可愛い女性も格闘技をするんだなという事だった。今、自分は<異性>と絡み合っている。唐突に、そういう意識が、鈴の女性の臭いに誘われる様に、ふつふつと脳裏をかすめ始めた。
「どうしたアル?決めてないのに、顔が真っ赤アルヨ?」 鈴は面白そうに、顔を覗き込んだ。
「やめるッス!!」六は、必死に暴れ、ようやく鈴のMERON畑から開放された。
「鈴ちゃん、早く変わってょ~☆たっぷり後輩可愛がってぁげたぃの~?」と天羽がリングサイドで喚いている。
「そうアルね!」鈴はそれを素直に聞き入れ、リングサイドに帰って行った。変わりに出て来たのは、エンジェル天羽だ。
六は決心した。この人で決着するしかない。
「おそぃ☆」 立ち上がり、天羽の方を向こうとした時には、天羽の股間が顔全体を覆っていた。
「フランケンシュタイナ~☆」という掛け声と共に、天羽の太股はグッと六の頭を固定し、回転した後に、六の頭をリングに叩き付けた。バンっ!!!
そして、天羽は倒れた六の頭をまた太股で挟みつけると、「ごめんなさいね?」 そう言って、ヘブンズアーチをお見舞いした。ドンっ!!!!
その瞬間、会場がワーっ!!と歓声をあげた。
六は、度重なる顔面への攻撃で意識が朦朧としてきていた。「先輩達強過ぎるッス、、、」
「あらあら~?降参なの?可哀想だから、ハグしてあげる☆」そういうと天羽は、強烈なビンタを六にお見舞いし、六を鈴の待つコーナーポストに誘導し、そこで六を押し倒した。
「フフフ、、、天使が迎えにきたよ?」そういうと、緑子の対戦の時とは違い、ゆっくりと太股を六に巻き付け、六の両腕を後ろにひっぱり、優しくエンジェルウィングシザーズを構築した。
「くっ、、、、」六は意識が朦朧し、反抗する力も意識も、もうなかった。六はギブアップを宣言しようとしたが、両腕が、天羽の脇の下に拘束されている事に今気がついた。それほど、六は意識が朦朧としていたのだ。
天羽が太股に力を入れ始める。コーナーポストに向かい合うようにエンジェルウィングシザーズをかけられているためか、妙な閉塞感が六を襲った。
それと相応するように、天羽は太股にジワジワと力を入れ始めた。
「ギブアップしたかったんでしょ?ウフフ、、、可愛い後輩持てて、お姉さん嬉しいよ☆ほぉら、コーナーポストの上見てご覧?」と六の耳元で天羽が優しく語りかける。
六がコーナーポストを見上げると、同時に、六の目の前が真っ暗になった。
「洗礼アル?」 ムレムレのブーツを脱いだ生足の鈴が、六の顔面に乗ったのだ。
六は必死に顔振って抵抗するが、鈴はコーナーポストでうまくバランスを取り、六の顔面を踏み続ける。あまりに蒸れている為に、六の汗なのか、鈴の蒸れた足の汗なのか解らないほどだった。
「鈴ちゃん、蒸れ過ぎだよ笑 私の衣装にもついちゃうよ!もう天国にコイツ連れてっちゃっていい?☆」ぎゅううううううううううううううう!!!! と天羽は体を仰け反り、六を締め上げる!!! ぎゅううううううううう!!!!!!
「まだ駄目アル!!せっかく、ハイキック連発してムレムレにした足なのに、もったいないアル!!!」 グチャグチャ ニュチャニュチャ と六の顔面の上で、六のヨダレと汗と涙と、鈴の蒸れた足が音を立てはじめている。
「汚い!もう、天国まで案内してきちゃうからね☆それっ?」ぎゅううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!
六は軽い痙攣が始まり、もはや鈴の足置き場になったかのように身動き1つしなくなった。
「ぃぃ子?あとすこし、、、、、」ぎゅううううううううううううううううううううううううう!!!!!
六は、悪魔の香りと天使の様な甘い天羽の間で、失神した。
おわり
緑子の調教
緑子vs風太
「にゃぁ、、、面倒くさい!呼び出しってなんだろ」と風太はダルそうに、夜のリング場へとやってきた。TOMOEの置き手紙に、今日の夜にリング場へと来いと書かれていたのだ。
いつもなら面倒くさく顔も出さないであろう風太だが、夜のリング場に何時間も先輩であるTOMOEを待たせてしまうのは、いくら何でも悪い気がしたので渋々とやってきたのだ。
ガーッ。 と鉄製の扉を開くと、リングにTOMOEの姿はなかった。TOMOEの事なので直に来るのだろうと思い、風太は更衣室で自身のユニフォームに着替え、リングに上がり、ストレッチを始めた。
「あらあら、以外と真面目じゃない。」と姿を現したのは、TOMOEではなく、緑子だった。緑子は、既に自身のコスチュームに着替え、腕をポキポキ鳴らしている。
「え?TOMOE先輩は?」と困惑する風太を無視し、「始めるわよ」と緑子もリングに上がって来た。
「はぁ?俺はTOMOE先輩との約束があって、ここに来てるんだ。緑子には要はないよ!」と、風太がリングを降りようとした、その時、
シュルッ!!風太の周りに何かが巻き付いた。「ん、、、いたっ、、、」
風太の首に巻き付いたのは、バラ製の鞭であった。緑子が、試合のパフォーマンス等で使用する物だ。所々に刺が付いており、鞭が首に食い込む度に、小さな刺が喉元に刺さり、痛いのだ。
「何言ってるの?逃?が?さ?な?い?わよ?」緑子は、風太の首に巻き付けたバラの鞭をさらにキツく締め上げた。そして、鞭を思いっきり引っぱり、まるで鞭だけで首投げをするように、風太をリング中央に叩き付けた。
「いたたた、、、、なにす、、!!!」風太が立ち上がろうとした瞬間、緑子は風太を正面から抱きしめ、そして力を入れた。ベアハッグだ。
ぎゅうううううううううううう!!!!!!!女王という代名詞で、知られている緑子だが、彼女は同時に怪力ファイターで、風太を軽々と持ち上げた。
「ふふふ、、、風太君の腰の絞め心地も中々ね?ほら、もっとキツく絞めてあげる☆」ぎゅううううううううううううう!!!!!
「あ、、、、、あぁ、、、、」風太は懸命に逃れようとするが、緑子の絞めは益々強くなる。
「ホントに良い声で鳴くゎね?風太君を一度でも良いからボコボコに泣かせてみたかったの。貴方の先輩の名前を使ったら誘き出せるかな?って思ってね。ホラ?」
ぎゅうううううううううううう!!!!!!
「緑、、、子、、、てめ、、、、ぇ!!」風太は懸命に暴れるが、普段練習をサボってしまっているせいで力が出せない。
「ん~?風太君?お口の聞き方がなってなぃよ~ね~?言ってご覧なさい?緑子様って!!!」ぎゅううううううううううううううう!!!
「くっ、、、クソ、、、、、や、、、やめ、、、、、」ぎゅうううううう!!!
「やめないわよ~?もっと苦しくなるけど良いのかしらぁ?」ぎゅううううう!!
「は、、、な、、、せ、、、、」風太は渾身の力で緑子に対抗した。その言葉を聞いた緑子は突然、ベアハッグから風太を開放した。
「往生際の悪い子ね、、、、そんなに私のウィップラッシュがほしいのかしら?」
<ウィップラッシュ>という単語を聞いた時、風太の顔が一瞬曇った。ウィップラッシュが開始されると、レフェリーストップか、ギブアップまで緑子のウィップラッシュは止まらないと聞いた事があったのだ。
「ぇ、、、そんな、、、、」風太が絶望的な表情になったのを見計らったように、ドスンっと、緑子は風太の上に跨がりマウントポジションを形勢した。
「いくわよ?」 バチン!!!! バチン!!! 強烈なビンタが、風太を襲う。風太は顔面をガードしようにも、緑子は風太の両腕ごと彼女の太股で拘束しているので、風太はまるでサンドバックのように打たれ続けるしかない。
バチン!! バチン!! バキッ!!!
「あらあら、ごめんなさい?思いっきり、グーパンチで殴っちゃったぁ☆可愛いキャラで売ってる、風太君の顔が益々惨めになってくわよ?そらっ!!」
バチン!!!!バチン!!!バキッ!!!バチン!!バキッ!!!
「も、、、う、、、嫌、、、、、」風太は両目から涙を垂れ流し、両鼻からも大量の鼻血を出し、戦意は完全に失われている。
「フフフ、、、反省した?」泣きじゃくる風太を見下しながら、囁く様に緑子は聞いた。
「、、、、は、、、い、、、、緑子、、、さ、、ま、、、」と風太は力なく答えた。
「よくできました?もぅ私の可愛い下僕ちゃんね?」緑子は、風太をマウントポジションから開放し、風太の手を取り、立ち上がるのを手伝った。
「ぁ、、、ぁりがと、、ございます、、、」と風太は泣きながら、緑子の手を借り立ち上がった。
「さぁて?良く出来た子には、ちゃんとご褒美ぁげなきゃね?」そういうと、緑子は複雑にまるで蛇の様に風太に絡み付いたかと思うと、卍固めを形勢した。
ぎゅうううううううううううううう!!!!
全身が千切れてしまいそうな、そんな痛みが風太の全身を巡った。
うわぁああああああああああ!!!!
「あははは、良い声でホントに泣くわね?このまま壊してあげる☆」
そういうと、緑子は腕や太股に力を入れ、筋力を倍増させ、さらに、風太を締め上げた。
ぎゅうううううううううううううううううううう!!!!
風太は、叫び声をあげる余裕もなく、眠りへとついた、、、、、
「ふふ、楽しかったわ?次は、剣山Jrでも食べてみようかしら、、、、、」
緑子の<武者修行>は、これからも続く、、、、 ?
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