只找到了日文原版的后续
看看有没有大神能翻译吧
ヴァニラは妖艶に唇を舐めると、少年の口にぬるりと舌を差し込んだ。相手を貪り尽くす高圧的な舌使い。口蓋、歯茎、舌の付け根、いやらしく濡れそぼった長い舌が、口の中を所狭しとのたうちまわり、少年の舌に蛇のように絡み付く。肉厚で瑞々しい唇が少年の唇をしゃぶり抜き、舌を甘く吸い上げる。猥褻なまでの接吻が淫らな音色を響かせる度に、ゾクゾクとした感覚が全身を走り抜け、肌が粟立った。
肉舌を伝って流れ込む粘度の高い唾液さえ甘ったるい匂いを放ち、少年をさらに恍惚とさせる。しかも、呼吸できるのは香魔のフェロモンに汚染された空気のみ。
「んちゅ、レロレロォ……んっ、ふううぅ、ちゅ、ちゅうっ……♡」
まさにこれは、男狩りのためのキスだった。親愛の情など一切存在しない、一方的な快楽責め。甘美な芳香と磨き抜かれたテクニックで男を否応なく屈服させる、魔性の技である。口腔だけでなく内臓や脳髄までもレイプされているみたいで、喩えようも無くおぞましく、けれど、狂おしいほどに快感だった。
「おいしいわぁ……ボウヤの舌も唇も、とってもおいしい……もっとお姉さんとのキスと吐息で蕩けなさい……ほら、ふうううぅ~……♡」
「んっ、んっんんんんんっ……」
香魔の舌と唇と吐息によって、理性が蕩けていく。少年の瞳が光を無くし、トロォ……と濁っていく。くぐもった呻き声の中に、切ないものが混じり始める――
「んっ……♡ ん、んんっ、んふうぅ……♡」
両手をだらりと垂らし、完全に脱力した体勢のまま濃厚過ぎるディープキスに体をビクビクと震わせる。粘膜の快美と悩ましい甘香に全てを支配されていた。触れられていないにも関わらず股間は限界まで勃起し、溢れ出る先走りにより下着の中はドロドロになっていた。
(き、気持ちいい、気持ち良いよぉ……♡)
「んちゅ、ふふふ……すっかり蕩けちゃって、ひ弱なボウヤ……さあ、これでトドメよ♡ ふうううううぅ~……♡」
「ん、んっ、んんんんんんっ――♡」
飛び切り濃厚な吐息を注ぎ込まれると同時に、少年はくぐもった呻きを上げて腰をガクガクと震わせた。意識が飛びそうなほどの快美感が全身に充溢し、脈動と放出が開始される。ドクン、ドクン。下穿きの中のペニスが打ち震え、生温かい感触が広がっていく。それはまさに敗北の証。少年の中の雄が魔の快楽に屈服した証だった。しかも、直接刺激を受けてもいないのに、吐息の威力に屈してしまったのである。あたかも魔性の芳香によって、肉体の機能を狂わされたかのようだった。
「あらあら、とうとう射精しちゃったのね……ふふ、服を着たまま白いのお漏らししちゃうなんて、はしたないわね、ボ・ク・ちゃん……♡」
「はぁ……はぁ……あ、あ、ああああぁ……」
ヴァニラが手と唇を離すと、シモンはヘナヘナと床にへたり込んだ。衝撃的な魔悦の体験、絶頂後の虚脱、そして心の襞にまで染み込んだ淫靡なフェロモンが、体も頭も心も完全に麻痺させていた。
「情けないわね。一度出しただけじゃない。吐息でイかされちゃうなんて思わなかった? こんな強烈な体験、人間相手じゃ絶対に出来ないもんね……♡」
ヴァニラは腰を屈め、へたり込む少年の髪の毛を掴んで、強引に面を上げさせた。
少年の顔は耳まで赤く染まり、半開きになった口の周囲はどちらのものともつかない涎に塗れていた。眼の焦点も合っていない。獲物が浮かべる夢見心地の表情に、ヴァニラは愉悦たっぷりにほくそ笑んだ。
「ふふふ、すっかり私の匂いでトロトロになっちゃったわね♡ ボウヤは可愛いから、搾り殺さずにお姉さんのペットにしてあげる……嬉しいでしょ?」
「あ、ぐ……だれが、お前の、ペットなんかに……俺はシモンだ。ダニー(盗賊団における兄弟の称)やロブに誓って、ぜ、ぜったいに、淫魔如きに屈するものか……!」
シモンはろれつのまわらない口で言い、焦点の合わない眼で香魔を見た。自身の雄が、肉体が快楽に屈してもなお、少年の意思は決して挫けてはいなかった。
「あっはははははっ……カッコいいわねボウヤぁ……けど、そんな蕩け切った表情で言われても、全然説得力が無いわよ♡」
女悪魔の勝ち誇った高笑いが、室内に木霊する。
少年の溶けずに残った僅かな理性が怒りによってハッキリとなっていく。
「うっふふふ……だけど、お姉さんちょっと驚いちゃった♪ ここまで魔香に汚染されて、まだ理性が残っているなんて……こんなに心の強い男は初めてよ……ボウヤのこと、ますますペットにしたくなっちゃったわぁ……」
ヴァニラはニタリと半月の形に口を歪めた。悪魔の笑みと言うに相応しい、貪欲でいやらしい笑みだった。
「ねえボウヤ。そこまで言うなら、私と一つ賭けをしてみましょうか?」
「賭け、だと?」
思いもよらない言葉に、シモンは訝しげに問い返した。
「そう。賭けよ。もしこれにボウヤが勝てば、逃がしてあげる。もし負けたら、うっふふふ……その時は多分、自分から私のペットになりたがるはずよ」
「俺が、じぶんから……? いったい、何を……するつもりだ?」
「それは後で説明してあげるわ」
「なら、何のために、こんなことを……それに、俺が賭けとやらに勝っても――」
「勝っても、私が約束を守らないとでも言いたいの? 安心なさい、悪魔はたとえ口約束でも契約は守るわ。人間と違って。それに、何のためなんて、意味のある質問じゃないわね。ただ、私がそうしたいから。強いて言うなら、退屈しのぎにボウヤで遊んであげるだけ」
淫魔は魔物の中でも狡猾で欲深く、気ままな性格で知られている。退屈しのぎというのは本心からの言葉だった。そして、契約を守るという言葉の裏には、提案の結果が絶対に自分の望むものであるという確信が潜んでいた。
「ふふ、それで、どうするの? と言っても、あなたにはこのチャンスに賭ける以外の選択肢は無いわよ。その理由は、快楽で惚けた頭でも理解出来るわよね?」
シモンは忌々しげに呻いた。生殺与奪権はもはや香魔の手中にある。相手の思うつぼだと知りながら、提案を受け入れざるを得なかった。
「……乗って、やる」
「はい。お利口さん。それじゃあ、準備をしましょうか」
「ふふふ……随分いい格好になったわね。ボウヤ……」
ヴァニラの舐めるような視線に、シモンは羞恥と怒りに顔を赤らめた。今や、完全に身動きが取れない状態だった。手首を肘掛けに、足首を足に持っていた荒縄で縛り付けられてしまっていた。しかも、全裸で、である。盗賊少年の細身ながらも鍛えこまれた身体を飾るのは、皮膚に刻まれた古い傷痕と<闇猫の兄弟>の証である猫をモチーフにした刺青タトゥーだけだった。隙を窺って逃げ出そうとしたが、傀儡の香の支配力は衰える気配を見せず、なすがままになるしかなかった。
「こんな風に縛り付けられても、おちんちんはギンギン……ボウヤって、変態なのかしら」
少年の股間に屹立し先走りを零して物欲しげに震えるソレは、興奮の証であると同時に、香りの淫毒が肉体に効果を及ぼし続けているという証でもあった。ヴァニラは獲物の容体を熟知した上で心を嫐るために嘲弄するのだった。
だが、あろうことかシモン自身こんな状況であるにも関わらず、ペニスを扱き立てたいという、強い衝動を感じていた。だが、それは出来ないことであり、またしてはならないことだ。肉を火で炙られるようなもどかしさと戦いながら、弱みを見せまいと口を開いた。
「やるのなら、さっさと始めろ。何をされても……俺は負けない……お前などに、いや、何者にも服従するものか」
「そう。その言葉、覚えておくわ。精々頑張ってね、ボ・ウ・ヤ♡」
ヴァニラは優越感たっぷりに笑うと、ドレスのスカートの切れ目に手を潜り込ませ、あろうことか下着を脱ぎ始めた。予想外の行動に唖然とするシモンに見せ付けるように、ヴァニラは脱いだものに両手を通して拡げた
縁にレースの刺繍があしらわれた三角形の布は、艶めかしい光沢を帯びていた。
「明日の朝まで、ボウヤにはこのパンティを被っていてもらうわ」
「は? ふざけるな。何のつもりで……」
「あら、ふざけてなんていないわよ。この下着がどれほど危険かわからないの? 香魔の一番強烈な雌の香りがたっぷり熟成されて、こびり付いているのよ……しかも、これ一週間も穿きっぱなしなの♡ それに、さっきからボウヤの可愛い姿を見て、ちょっと濡れちゃったから、さらに素敵なフレーバーになっているはずよ」
下着を自らの鼻先に持って行き、ヴァニラは濡れた唇を割って笑った。
「これを被せられたらボウヤはもう終わり♪ 呼吸できるのは、私の匂いが沁み込んだ空気だけ……この魔の香りは鼻腔を犯し、脳を蕩かし、心を汚染する……ふふふ、愉しみでしょ?」
目の前の三角布に、シモンは本能的な危機感を覚え慄然となった。魔香の威力は、もうすでに嫌という程思い知らされていた。しかし――
しかし、同時にそれを嗅いでみたいという欲求が沸き起こったのは、果たして淫香に汚染されたが故であろうか?
「ふふ、自分の運命、理解した……? ボウヤはもう、お姉さんの匂いに支配されるしかないのよ……」
「舐めるなよ……言ったはずだ。俺は、負けないと。服従しないと……」
「あっは♪ カッコイイカッコイイ♪ ……だけど、ボウヤには勝つも負けるも無いのよ。脳を蕩かされ、心を汚染されちゃうんだから……それじゃあ、せいぜい頑張りなさい。結果はもう決まっているけどね♡」
ヴァニラの手が伸びる。扇情の光沢を帯びた紫色が、視界をゆっくりと埋め尽くしていく。極上のサテンを思わせる滑らかな肌触りに顔が包み込まれる。鼻先に押し当てられる部分は、しっとりと湿っていた。それが女の蜜であることは、考えなくても理解出来た。
「あっはは♪ ますますいい格好になったわね」
愉悦の笑い声が、シモンのプライドを嫐る。裸で、椅子に縛り付けられ、女の下着をかぶせられている自分の姿を想像すると、死にたくなる程屈辱だった。だが、今は耐えなければいけない。少しでも魔香の効果を紛らわせるため、口で息を吸おうとした、次の瞬間――。
「あ。いいこと思いついちゃった♪ ボウヤ、口を閉じなさい」
ヴァニラの指先が薄布の上からシモンの唇を撫で回した。するとどうだろう、まるで磁石が惹かれあうように上唇と下唇が引っ付き、離れなくなってしまったのである。傀儡の香りの効果である。
「ふふふ、これで鼻呼吸だけになっちゃったわね……さあ、お次は肺の中の空気をぜ~んぶ吐いて、それからふか~く吸うのよ♪ 思いっきり、もちろんそのお鼻でね♪」
行為の結果を理解していながら、傀儡とかしたシモンは命令を拒めなかった。肺を目一杯収縮させ、それから大きく息を吸い込んで――。
「すうううぅっ――んふっ、んふううううううううううううっ♡♡♡」
馬のように広がった鼻腔を空気が通り抜けた瞬間、シモンは白目を剥いて、くぐもった叫び声を上げた。快感の衝撃に、叩きのめされてしまった。下着に染みついた香魔の淫臭。その威力は少年の想像を遥かに上回っていた。あまりにも官能的で、衝撃的で、刺激的で。ただただ甘美で。悩ましく。快感で――あのおぞましいピンクの吐息を何十倍にも濃縮したような、それほど凶悪な魔の香りだった。もはや、揮発性の快楽としか表現しようがなかった。
一瞬で頭が真っ白になり、股間の雄は瞬く間に血管を太くしてビキビキと肥大化し、爆発するように白濁液を噴出させた。
ただの一度深呼吸をしただけで、深くその淫臭を嗅いだだけで、快楽の極点に追いやられてしまったのである。
少年の頭を過ぎて高々と打ちあがった精液の一部を手のひらで受け止め、それを啜りながら、ヴァニラは高らかに笑った。
「あっはははは♪ 強烈でしょ? まさか、一呼吸だけでイっちゃうなんて、思わなかった? ふふふ……ほうら、もっとパンティの香りを吸いなさい。豚みたいに鼻を鳴らしてね♪」
その命令に、シモンの肉体はまた従順だった。甘い香りが、痺れ切った鼻腔と脳をさらに恍惚でダメにしていく。
「ふうっぐっ♡ ふぐうううっ……♡ むふうううううぅ♡」
逃げ場のない非情な匂い責め。呼吸の度に意識が飛びそうになった。頭が真っ白な快楽で埋め尽くされる。絶頂の波状攻撃。射精が止まらない。ペニスはビグンビグンと痙攣し、精液を散布する機械と化していた。
「あっはははは、イきっぱなしだね……♡ 理性が吹き飛んじゃいそうでしょ? 気持ち良過ぎて、辛いぐらいかなぁ? あはは♪ だけど、気絶することも出来ないでしょ? ふふ、気付け薬の効果もあるからね。ボウヤはこのまま、朝までずう~っと魔香に犯されてイき続けることになるんだよ」
(匂いが、匂いが……あ、あああぁ……頭の中が、ぐちょぐちょになって……! こんなの、知らねえ……こんなの、有り得ねえ……!)
まるでその甘ったるい匂いの微粒子に、脳味噌をかき混ぜられ、脳細胞の一つ一つを犯し抜かれているみたいだった。気持ち良過ぎて、気が狂いそうだ!
「ふふふ、もちろん、匂いには増精効果もあるし、仮に精液が出なくなっても絶頂は出来るから、おちんちんはビクビクしっぱなし……朝までに、何百回イけるかしら? ふふふ、匂いで支配してあげる。一日中私の匂いを嗅いでないと生きて行けない体にしてあげる。ああ……私にメロメロになって、匂いを嗅がせてくださいって必死になって懇願するボウヤの痴態が目に浮かぶわ♡」
「むぐうううっ……♡ ふ、ふうううぅ……んふうううぅ……♡」
もはや香魔の言葉は微塵も聴こえていない。少年は電気を流されたみたいに体を痙攣させ、ただただ快楽に悶絶していた。椅子に固定されていなければ、狂ったように頭を掻きむしり、床の上を転げまわっていたに違いない。だが、そんな極限の状態にも関わらず、くぐもった快楽の悲鳴しか上げられないのは、なおも唇が硬く引き結ばれているからだった。
「ふふ、男が快楽に悶える姿って、なんて可愛らしいのかしら……ずっと見ていたいくらいだけど、そういうわけにもいかないの」
ヴァニラはランプをふっと吹き消し、シモンが持ってきた角灯を手に、扉の方へ歩いていく。
「約束通り朝になったら戻ってくるから、それまで闇の中で快楽によがり続けなさい……うふふふ、それじゃあ、私のパンティの匂い愉しんでね、ボ・ウ・ヤ♡」
バタン、と無情な開閉音が聞こえ。それぎり、辺りは真の闇に包まれた。
「んんっ、ふううぅっ……♡ んんんんっ――♡」
闇の中には、切なさを帯びたくぐもった声と椅子の軋む音。
視覚を奪われたことにより、感度を増した嗅覚を魔の香りが容赦なく鼻腔粘膜を責め抜いてくる。言ってみればそれは、呼吸という生理活動を利用した逃げ場のない香りの快楽地獄だった。絶え間なく訪れる絶頂感に脳を焼かれながら、シモンは闇の中で悶え狂い続けた。
「おっ……あっ……あうぅ……♡」
闇が広がっていた。昼夜の別のない地下の一室である。その闇の中に、搾り出すような官能の喘ぎが、繰り返されている。
角灯を持って現れたヴァニラは、部屋に入るなりすぐに魔法でランプに火を灯した。部屋全体を覆っていた闇が、放射状に広がるぼんやりとした光によって部屋の隅に追いやられ、裸身で椅子に縛り付けられ、頭に女性物の下着を被せられた少年の姿が明るみに出た。
ヴァニラはそんなシモンの前に立ち、優越感たっぷりに彼を見下ろした。
「おはようボウヤ。と言っても、その状態じゃ一睡もできなかったでしょうけど……」
「おっ~~……おおっ~~……♡」
シモンは、長らくの香りの拷問によってほとんど虫の息になっていた。実際には半日ほどだった時間は無限よりも永く感じられた。それほどまでに辛く、苦しく、快感だった。まさに、地獄の快楽責めだった。その間に、傀儡の香の効力は失せていたが、自由になった口は、弱々しい喘ぎを発作的に繰り返すだけで、人間の言葉は一切紡いでいなかった。そして口が自由であるにも関わらず、呼吸をするのは鼻だけに限っていた。
さらに、股間では興奮を示すように性器が屹立し、ビクビクと震えている。
どれほどの絶頂を繰り返したのだろうか。椅子の上には夥しい量の精液がぶちまけられ、さらにそれは床の上に滴って白い水たまりを形成していた。
「あ、あ、あ、ああっ……」
少年は弱々しい喘ぎ声を上げ、全身を震わせた。もう何度目か分からない絶頂に追い上げられたのである。しかし、ペニスは何も放出しない。ただ、発作のようにヒクッ、ヒクッと痙攣するだけだ。
「ふふふ、また私のパンティの匂いでイっちゃったのね? はしたないボウヤ♡ お目目にハートマーク浮かべちゃって可愛いわぁ……それじゃあ、パンティ脱がせてあげるわね」
「あ、あああぁ……♡」
パンティが外されると、シモンはそれを追いかけるように首を前に伸ばした。ヴァニラはそんなシモンの様子を見て、ニンマリと文字通り悪魔のように笑い、けれど何も言わずに少年を椅子に縛り付けていた荒縄を爪の先で切り解いた。
「覚えているかしら? これは、ボウヤと私との間の賭けだってこと」
「か、け……?」
椅子にぐったりともたれかかり、ヒューヒューと荒く息を吐きながら、シモンは呟くように答えた。
「もしボウヤがここから逃げ出したいのであれば、構わないわ……追いかけたりはしないし、何だったら街まで送り返してあげてもいい、だけど――」
歌うような調子で言いながら、ヴァニラはベルベット張りの寝椅子に足を組んで座った。ドレスのスリットから、膝上まで扇情的なストッキングで覆われた白い美脚が零れた。
「もし……それが嫌だと言うなら……私のペットになりたいのなら……」
裾の長いスカートが翻り、しなやかな足がわざとらしく組み替えられる。途端、魅惑の香りがふわりとシモンの鼻先に漂ってきた。
「ふふふ、こっちにいらっしゃい♡」
妖艶な眼差し。美しい声音。組んだ足を遊ばせ、そっと手招きをされると同時に、シモンは椅子から降り、犬のような四つ這いで近づいて行った。文字通り匂い立つほど美しい淫魔の元へと――
長時間の匂い責めによって、パンティに染みついた雌の香りを脳に刻み付けられ、シモンの理性は欠片も残さず蕩かされてしまっていた。最早、彼はザモンの誇り高き盗賊シモンでは無く、香魔に完全屈服した憐れな敗北者に過ぎなかった。
「もうすっかり私の匂いに病み付きになっちゃったねえ……よしよし、偉いよ、ボウヤ。ほら、ご褒美。私の足、舐めなさい」
ヴァニラは満足げな微笑を口元に湛え、ブーツから足を抜いた。すっと、ストッキングに包まれた美しい足が眼前に伸びてくる。ブーツの中で蒸れ返り、ホカホカと湯気まで目視できそうな、汗ばんで匂い立つそのすらりとした爪先。
それはまさに香毒の塊で、女の足を舐めろなどとは、半日前の少年であれば、命と引き換えにしても不服従を貫き通したであろう屈辱に満ちた命令だった。
しかし。
シモンは、一秒たりとも躊躇わなかった。差し出された淫魔の爪先に舌を伸ばし、恥も外聞も無くしゃぶりついていた。
「あむっ……ちゅ、ちゅぱっ……♡ んちゅ、んふうぅ……はああぁ……♡」
むれむれのストッキングを口に含んだ瞬間、咽返るほどに芳醇な女の汗の匂いと味が口腔一杯にじゅわっと広がった。クラクラとした酩酊感にさらなる恍惚境へと導かれ、少年は夢中になって香魔の足を味わった。蹠の形を確かめるようにいやらしく舌を蠢かせ、ちゅぱちゅぱと音を立てて足指をしゃぶり、ストッキング生地に染み込んだ汗を一心不乱に啜り立てる。
「あははははっ、必死でむしゃぶりついちゃって……情けないわぁ……絶対負けないんじゃなかったの? 誰にも服従しないんじゃなかったの?」
「すうぅ、はああぁ……あ、あふぅ……それは……」
鼻腔を拡げ、肺一杯に蒸れた足の匂いを吸い込みながら、シモンは恍惚に蕩けた切った瞳で恥ずかしそうにヴァニラを見上げた。プライドを捨てた弱者だけが見せる、卑屈な媚を潜めた、おもねるような上目使いが、淫魔の嗜虐性をゾクゾクとくすぐった。
「ふふ、いいのよ。誰にでも間違いはあることだから。でも、間違いはしっかり反省しないとね。足の臭いを無様にクンクンしながら、僕が間違ってました、ヴァニラ様ごめんなさ~いって情けなく言いなさい。でないと、匂い嗅がせてあげないよ♡」
ヴァニラは足指で器用に舌を弄びながら言った。恥ずかし過ぎる命令だったが、シモンはやはり少しも躊躇わずに、
「あ、あああぁ……ヴァニラ様ぁ……僕が、僕が間違ってました……ご、ごめんなさい、ごめんなさいヴァニラ様……」
「もっと大きな声で。それに、ボウヤは私の足元にも及ばないどころか、私の足を悦んで舐める匂いフェチマゾのザコのくせに、私に対してババアとか色々酷いこと言ったよね? そういうこともしっかり念頭に入れて、しっかりごめんなさいしなさい」
「ごめ、ごめんな、さ……あぅ、ごめんなさいいぃ……匂いフェチマゾのくせに、ヴァニラ様に敵わないザコなのに、生意気なこと言って、ごめんなさいぃ」
「あっはははは、なんて愉快なのかしら。あの生意気なボウヤが、私の足を舐めながらごめんなさいだなんて……ああ、ゾクゾクしちゃうわぁ……」
ヴァニラは感極まったように身をくねらせ、空いた足でシモンの頭をよしよしと撫でる。蒸れた足裏の匂いに酔い痴れるシモンの表情がさらに恍惚となっていく。
「あううぅ……ヴァニラ様ぁ……」
「ふふふ、可愛い……ご褒美にもっといいことしてあげる……」
うっとりと微笑むと、ヴァニラはシモンの顔から足をどけ、寝椅子にかけ直した。背もたれに身を預け、大きく股を開くと、ロングドレスのスカートをそっとたくし上げた。眩しい程のふともも、さらにその奥に扇情的な赤っぽい色の下着が見えた。その瞬間、官能をくすぐる媚香がゆるやかな一筋の流れとなってシモンの鼻先をかすめた。
「いらっしゃい……」
「あ、あああぁ……♡」
シモンは食虫植物の蜜に誘われる羽虫のように、引き寄せられていく。脚の間に頭を突き入れた瞬間、たくし上げていたスカートがそっと落とされた。まるで、スカートに食べられてしまったかの錯覚に酔い痴れながら、シモンは鼻の先を下着に押し当てくんくんと匂いを嗅いだ。その香りは、下着に染みついたものよりも濃厚で、刺激的だった。籠って熟成された雌臭が鼻腔粘膜と脳を心地よく蕩かしていく。
「まるでワンちゃんみたいね……うふふ、もっと嗅いで好いんだよ……頭の中を私で一杯にしてあげる……」
スカートの上からヴァニラの手がシモンの頭を撫で回す。スカートの生地はスベスベで、肌を擦られるだけでも快感だった。内部に籠った匂いが生地に染みついた匂いと混ざり合い、スカートの中はシモンを狂わす匂いの坩堝と化していた。呼吸の度に危険な多幸感が脳に充溢する。
さらに、ヴァニラは広げていた足を閉じてきた。むちむちとした、絶妙に柔らかな太ももが顔に両側から密着してくる。極上の柔心地と馥郁たる香りの同時責めに、長く耐えていられるはずは無かった。
触れてもいないペニスは充血し、ビキビキと血管を浮かせ、さながら犬の尻尾を振るように痙攣して――
「ふあ、あ……ヴァニラ様、あ、ああぁ……♡」
天にも昇るような快感を味わいながら、シモンはガクガクと腰を震わせた。あれだけ出して、撃ち尽くしたはずなのに、白濁した液体が迸っていた。香魔の香りによって強制的に快復させられたのだろう。
「あらあら、もうイっちゃったの? 香りでイくの、癖になっちゃったのね……はしたないボウヤ……」
ヴァニラはクスクスと笑いながら太ももでぎゅうぎゅうと少年の顔を圧迫した。蜜を滴らせる禁断の花園が、無理矢理鼻に押し当てられる。むせ返るほどの、むっとするほどの空気の流れが、鼻腔に充満する。脳を痺れさせる。絶頂したばかりの肉体を、強制的に高めていく――。
「んっ、ふあ、ああぁ……♡ こんなの、だめ、また、イくぅ――」
性感神経を直接刺激する、香りの快楽。呼吸という生物に欠かせない生命維持活動を行っている限り、この快感は終わらない。
香魔に捕らわれた盗賊は、彼女のペットとして命尽き果てるまで弄ばれる悲惨な運命を悦んだ――。
原版我也有,只是最近换办公室了,和领导坐一起没法摸鱼了。。。。。。。
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这个是好文来的, 我以有限的日文大约看过一次, 调教过程描写得非常好
txt的不支援, 我在此发上半部吧
いかなる物質も、それが神の手によるものでなければ崩壊を運命づけられている。かつて、丘陵地帯を根城としていた恐るべきケンタウロス達の猛攻を幾度となく凌いだと伝えられるマルゴス城も、主を失い、棲む人の絶えて120年余りを経た現在では、外堀は完全に干上がり、城壁の所々崩れていて、切石の表面は苔に覆われ、厚い鉄の扉は赤錆の塊と化し、堅牢の二文字とは程遠い有様だった。
ザモン王国はディーナール出身の少年シモンは、今なおライノス山脈を睨みつける古ぶるしい城を馬上から眺め、今尚眠ると噂される財宝に思いをはせた。
著名な作家であり、また騎士でもあったキムナス地方の旧領主マルゴスが、自らの半生を綴った自伝的騎士道物語の中で、ライノス山脈に巣食う悪しきケンタウロス共から勝ち得たと記した財宝である。
それがどんなものであるか、具体的な言及こそされていないものの、人の一生を使っても費いきれないほどの富であることは疑うべくも無かった。しかし、マルゴスの隠し財宝は存在こそ認知されているが、未だに発見されていない。
今までに何人もの盗賊が巨万の富を求めてこの古城に挑んだが、それを手にして戻った者は誰一人としていなかった。というのも、主の死後、打ち捨てられた城に恐ろしい魔物が棲み付き、財宝を守る番犬の役目を果たしているというのである。
魔物に守られた巨万の富。戻った者はいない。そのスリリングで魅力的な響きに、シモンは興奮の怖気を覚えた。ロブ(盗賊の親分の伝統的な呼称)から独り立ちしたばかりの少年は、盗賊としての自分の腕を試す機会を餓えた猛禽のように求めていた。
シモンは赤茶けたマントを翻して馬から飛び下りると、付近の灌木に馬を繋ぎ、対岸の、ほぼ垂直に跳ね上げられた架け橋を見上げた。
目算で大よその距離を測り終えると、荷物の中から鉤フックの付いたロープを取り出した。回転させ勢いをつけてから、ロープを高々と放り投げた。ロープは鎖と鉄柱で拵えられた欄干に蛇のように絡みつき、鉤がカチリと音を立てて噛みついた。
力を込めて荒縄を数度ひっぱり、自分と荷物の重さを支えるに足ることを確信してから、助走をつけ、両足で堀の淵を強く蹴って、飛んだ。矮躯の少年はまるで密林を跋扈する有史以前の猿人のように、広い掘りを跳び越え、向こう岸へと鮮やかに到達した。
帰路のためにロープの端を欄干の鎖にくくり付け、半分ほど開かれた正門をくぐった。
このマルゴス城は城と言っても要塞都市を手のひらに乗せてギュッと握って縮めたような代物で、本に記してあった通り、庭には畑や井戸や家畜用の厩舎が見られた。しかし、時の流れは城壁では塞き止められないらしい。畑は背の高い草で埋め尽くされ、厩舎は無惨に倒壊していた。
そんな荒廃の有様を横目で眺めながら、シモンは庭を抜け、隙間から草の伸びたる石段を上がり、二階の扉から城内に侵入した。
石造りの城の内部は冷たい空気で満たされていた。薄暗かったが、角灯を取り出すまでも無かった。窓から漏れる陽光のおかげで、ディーナールの地下世界で生まれ育った少年にとっては、昼間も同然だった。広いエントランスだ。広間の向こうには、幅広の階段が見え、1階と3階へと通じている。左右にはそれぞれ東側と西側に向かう通路が伸びている。ここが、探索の中心点となりそうだ。シモンは細心の注意を払いながら、城内を調べ始めた。
「クソッタレめ」
頭の後ろで手を組み蔵書室の椅子を傾け、長机の上に両足を投げたシモンは忌々しげに独りごちた。太陽は西の草原地帯へ傾き、見る者に説明不可能な陶酔をもたらす窓からの光線が、少年の右貌をオレンジ色に染めていた。研ぎ澄まされたナイフのような釣眼は、苛立ちによって鋭さを増していた。
城の西側と東側にある全ての部屋に立ち入り、あらゆる場所を調べてみたが、宝と呼べるようなものは何一つとして見つからなかった。隠し部屋の存在を疑い、ロブから盗んだ知識と技術を頼りに思いつく限りの方法を試してみるも、成果は上がらなかった。それでも欲望と功名心を糧に調査を続けていたが、城の三階、西側の廊下の突き当たりに配された部屋の扉を開け、雑然と並んだ埃塗れの空っぽの書架の群れを目の当たりにした途端に、気力は萎えてしまったのだった。
「宝どころか、金目の物すらもこの城にはないときた」
そもそも、城に住みついていると噂される魔物とすら、未だに遭遇していない。警戒心はすっかり緩み切っていた。この数時間の内に見かけた動く物と言えば、物陰から物陰へと怯えたように走り回るネズミや、無表情に壁面を這い回るトカゲ、そしてあの薄気味の悪い蜘蛛族だけだった。シモンはゾッと身を震わせた。ぷつぷつと鳥肌が浮くのを感じながら、あの八本足の悪魔の姿を脳裡に描いた事を後悔し、かぶりを振った。
もしや、以前に誰かが、この古城にアタックし、成功を遂げたのだろうか? しかし、そうであれば、誰々がマルゴス城の宝を獲得したという具体的な、或いは辿ってきた耳と口の数だけ誇張された噂を耳にするはずである。酒に酔い痴れた盗賊は、たといそれが縛り首の原因になると知っていても、同業者に自らの栄誉を誇らずにはいられないものだからである。
となれば――。
「初めから、財宝なんざなかったってのかよ」
諦念の籠った考えは、音韻として発するとより真実味を帯びて感じられた。そもそも、巨万の富を持つ者が、自伝的騎士道物語に記した財宝を、自分の死後、誰かの手に渡るような状態で置いておくだろうか?
或いは、80で床に臥せるまで享楽的な老後を送ったと伝えられる旧領主の遊蕩生活の中で、費えてしまったのかもしれない。普通であれば最も有力と思われる、血縁者の手に渡ったという可能性は皆無だった。マルゴスは、命を救った幾人もの美しい女性からアプローチを受けたがすべて断り、生涯を独身で過ごしたのである。それ故に、財宝の存在は有力視されてきたのだが――。
無駄骨を折ったという考えが、徐々にシモンの脳内で膨れ上がっていた。それによりにわかに頭が重くなり、体が徐々に後ろに傾き、テーブルに乗せていた不作法な足が浮いた。
「おわっ……!」
シモンは目を見開き、手と足で宙を掻いたが徒労に終わった。二本足で少年の体重を支えていた椅子は、一度バランスが崩れるや、万物に共通する法則に従って後ろに倒れた。
「畜生! マルゴスのインチキ野郎め!」
重々しい衝撃音と共に背中と腰を強かに打ち付けた少年は、失態への羞恥と痛みへのむかつきを、今は無き城主への呪詛として吐き出した。
突然、シモンは細い眉を訝しげにひそめ、碧い瞳を額側に動かした。ふいに、嗅ぎ慣れない甘い臭いが鼻先に香ったためである。だが、見つめる先には、書棚の隙間、破れた覆いのかぶせられた石壁があるのみだ。しかし、盗賊の眼は西日によって、ほんのわずかに垣間見えた秘密の構造を見逃さなかった。
少年は体のばねを使って軽業師はだしの俊敏さで飛び起きると、壁に駆けより、その表面を注意深く手のひらで撫で回し、ある一か所を押し込んだ。するとどうだろう、壁の一部が鈍い音を立てて内側に半回転し、矩形の入り口が現れた。
秘密の扉には暗黒がぎっしりと詰まっていた。覗き込むと、螺旋状に階段が続いているのがわかったが、それがどこへ、そしてどれくらいの深さまで続いているのか、湾曲した壁と深い闇のせいで、夜を昼と同一視できるシモンの眼にさえ見通せなかった。
しかし、シモンは焦燥の解放と富への期待に唇を吊り上げると、道具袋から角灯を取り出し、火を点じて、意気揚々と闇を下りて行った。ディーナールの地下孤児にとって、闇は恐怖の対象では無く、敵の眼から体を隠してくれる目に見えないマントであり、親しむべきものなのである。
長い階段だった。3階から一挙に地下まで続いているらしい。角灯を右手に掲げコツコツと規則的な音を刻みながら、シモンは鼻先に奇妙な臭いを感じ取っていた。先程、隠し扉を発見した時と同じ種類の、胸が一杯になるような甘い香りを、ほんのかすかではあるが、地下特有の黴臭さと冷気の中に嗅ぎ取ることができた。
やがて、80段に迫る階段も終わりを迎えた。足を止めると、辺りは寂寞となった。角灯を動かし、闇の中を探る。左右に通路が伸びていた。どちらの通路の先も、しばらく行った後で折れていて、どこに続いているのかは不明だ。右から左に向かって、空気の流れが感じられた。どうやら、外とも通じているようだ。天然の地下洞窟を基礎に作られたもののようで、通路の天井は高く、少年の背丈が倍ほどあっても楽々と通れそうだった。
さて、どちらに進むべきか、考える前にシモンの足は右に向いていた。歩み始めてから、なぜ自分がこちらの道を選んだのか、訝しく思った。手がかりが無い場合は、直感を頼りにする少年だったが今回はその直感を働かせる以前の行動だ。
その答えは、すぐに思い当たった。
匂いだ。幽かな風に乗って、流れてくるその甘い匂いに向かって、少年は無意識の内に足を進めていたのである。
「なんだ? この匂い……とっても、いい匂いだ……」
鼻をヒクつかせて、通路を右に曲がり、闇の中をふらふらと進んでいく。半ば夢遊病者のような足取りで歩きながら、シモンは大きく息を吸い込み、恍惚とため息を吐いた。
その馥郁たる香りは、遥か東方の国で育まれ、死の眠りと桃源の夢をもたらすと言われる、黒睡蓮ブラックロータスの花粉の香りに似ていた。
だが、少し違う。シモンはそれを嗅ぎながら、粘ついた淫らな情動が、血液の中を駆け巡るのを感じた。酩酊したように頭がクラクラした。唾液がいつもより多く出ているのに喉が渇く。だが、危険だとは考えなかった。いや、考えなかったというよりも、考えられなかったというほうが正しい。進むにしたがって濃く、ハッキリとしてくるその甘美な香りが頭に靄をかけ、思考力を奪っていた。
そうやって、闇から流れてくる香りを辿り、3度目に角を曲がった途端、少年は落ちかかった瞼を持ち上げた。闇の向こうに、光を見つけたのである。10メートルほどの距離があるだろうか。そのあたりの右手の壁から光りの筋が、左手の壁に投げかけられていた。
扉から光が漏れている。鈍った脳でも、すぐに理解出来た。
(誰かいるのか……?)
扉に近付くにつれて匂いはさらに濃厚になった。前に立つと、簡素な造りながらもがっしりとしたオーク材の扉の隙間から、光りと共にその臭気が漏れ出ているのがわかった。
「入ってらっしゃい」
だしぬけに、扉の向こうから聞こえてきた。どこか音楽的な響きをもった、艶やかな大人の女の声だった。
シモンはぼんやりとしたままその声に従って、ドアノブに手を伸ばした。普段の少年ならば、決してこんな迂闊な行動はとらなかっただろう。しかし、空気中に漂う甘美な匂いによってもたらされた恍惚感が、思考を鈍らせ、警戒心を薄めていた。
小さく軋みを上げ、扉が通路側に開く。茫洋とした光に包み込まれながら、室内に足を踏み入れた。次の瞬間、さらに濃度を増した甘い匂いが、鼻腔粘膜を刺激した。部屋の中で、香が焚かれているのだろうか。脳が芯から痺れるような芳香に、ただでさえ霞んでいた意識が、より一層朦朧となってくる。
そこは予想外に広い部屋だった。四方の壁は大理石で固められており、天井は高く床には金糸の刺繍が施された絨毯が敷いてある。部屋の左手の奥には、大きな天蓋付きのベッドが備え付けられ、薄紗のカーテンの隙間から黒っぽい物体が覗いている。右手の奥の壁には書棚が並び、その前にはマホガニー製の頑丈そうな机と、黒い革張りの椅子がある。
部屋の中央にはオーク材のリビングテーブルが配され、その向こう側には紅色のベルベッド張り寝椅子があった。寝椅子にはロングドレスを着た一人の女が、女神のようにしなやかな体を気だるげに横たえていた。目を瞠るほど凄艶な美女だった。享楽と退廃の都として知られるディーナールにさえ、ここまで美しい女はいないだろうと思われた。
身に着けているシルクのドレスは室内の曖昧な光に艶やかに冴え、扇情的に繰り開かれた胸元からは、女の象徴が豊かさを誇示している。スカートの部分にはスリットが入っており、膝上までストッキングに包まれた艶めかしい足とフリルのあしらわれたガーターベルトがしどけなく垣間見えている。ほっそりした腕は複雑なレースの刺繍が編み込まれたロンググローブに覆われ、露わになった5本の指には、瑪瑙色のマニュキアが光っている。
零れる肌は象牙色で、薄墨を染ませたような豊かな長い黒髪が、その美白を芸術の域にまで高めていた。濃いまつ毛にかげった黒い瞳は退廃的な官能に潤い、真っ直ぐにこちらを見つめている。
次元がいつの間にか違ってしまったような錯覚を抱きながら、女の魅力に誘われるように、シモンは数歩前に出た。
「うふふ、いらっしゃいボウヤ」
「お前は……?」
「私? 私はヴァニラよ」
謎の女はシモンの存在を予期していたようで、まるで動じた様子は無い。紫色のルージュに彩られた唇に如才ない微笑が浮かんでいる。
「ボウヤのお名前は? こんなところに、何をしに来たのかしら?」
「シモンだ……マルゴスの残した宝を頂きにきた」
シモンは問われるがまま答えていた。鈴の転がるような美しい声音で紡がれた言葉が理性の峻別無く、意識に滑り込んできた。それはちょうど催眠術にかけられた者が、夢うつつの内に施術者の言うなりに何でも答えてしまうのと同一で、ザモンの盗賊は見ず知らずの怪しい女に目的と名を告げてしまったことに対する疑問は露ほども抱いていなかった。
「あら、盗賊さんだったのね。盗賊なんてむさくるしい男ばかりだとおもっていたけど……うふふ、こんな可愛らしいボウヤもいるのね……でも、お宝ってなんのことかしら? 机の下のアレのこと?」
女は書棚の前の大きな机を物憂げに見た。
「ホント、人間ってつまらないものを欲しがるのねえ……」
その言葉に、シモンの中に警戒心が立ち返った。
「なんだと? お前は人間ではないのか」
「そんなことはどうでもいいじゃない。あなただって、すぐにどうでもよくなるわ……」
ヴァニラは艶然と微笑み、寝椅子からゆっくりと身を起した。
「だけれど、ボウヤが知りたいというのなら、見せてあげようかしら……私の本当の姿を……うふふふふ……」
女が自らの体を掻き抱くようなしぐさをすると同時に、周囲の空気が渦巻き、ピンク色の靄となって女を包み込んだ。
ピンク色の帳はすぐに霧消し、中から再びヴァニラが現れた。だが、その身体には異形の特徴が加わっていた。頭部に逆巻く角を冠し、背中にコウモリを思わせる薄膜の張られた黒翼を備え、臀部から奇妙な光沢を帯びた尖端が矢尻型になった尻尾を生やした姿となっていた。全てが悪魔の象徴である。しかしその悪魔の姿は、女としての魅力は維持したままに――いや、人間でいた時以上に、妖しく蠱惑的だった。
「淫魔サキュバスか……」
驚きによりほんの少しの理性と緊張感を取り戻した盗賊少年は、人外の美に見惚れそうになる生理本能を御して、忌々しげに呟いた。淫魔は絶世の美貌と艶めかしい肉体、そして怪しい魔術によって男を魅了し、全てを奪う悪魔である。熟練の戦士でも戦いを避けたがるという厄介さは、耳学問だけではなく実際に経験したこともあった。
「うふふ、半分正解という所かしら……」
「へえ、そりゃどういう意味だよ」
「私は香魔……淫魔の中でも香りを操る怖いお姉さんよ。もう、気付いているでしょう? この部屋に充満するとってもいい香りに……」
ヴァニラは芝居がかった仕草で両腕を拡げ、ニヤリと口元を歪めた。
「これはね、香魔の発するフェロモンの一つ……思考を蕩かす甘美な毒……嗅いでいると、頭がボーッとして、エッチな気持ちになってくるでしょう?」
シモンはその言葉を聞いて、ハッとなった。室内に満ちる香りは、ヴァニラがその魔物としての本性を露わにした瞬間から、一段と濃度を増していた。
「うっふふふふ、お馬鹿なボウヤ。こんなに簡単に、香りの罠に堕ちてしまうなんて……まあ、それだって、オスを誘き寄せるための香技を使ったからなんだがねえ……」
シモンは鋭さを取り戻した眼差しで隙を窺いながら、背後のドアを意識した。目の前で余裕の笑みを湛える淫魔の強さは不明だが、匂いの罠を張って待ち構えるような手合いが脅威になるとは思えなかった。勝ち誇って自分の手の内を得々と語るなど、三流以下である。
しかし、自分は愚かにもその三流の罠に嵌ってしまっているのである。まだ毒の効きが浅いのか、恍惚感は意思の力でどうにか制御できそうだったが、今の状況を考えると立ち向かうのは下策だ。宝の在処はわかった。ここは一旦退き返し、体勢を立て直してからアタックするのが上策だろう。
扉まではすぐだったが、一歩で外に飛び出すには少し距離があった。
相手は油断している。ナイフを投げると同時に外へ飛び出し、一気に通路を駆ける。
これしかない。
シモンはマントの下で、気付かれぬようにリストバンドに隠した投げナイフを取り出し、じりじりと後退を始めた。
しかし、狡猾な女悪魔が一度罠にかかった獲物を易々と逃すはずは無かった。
草臥れた皮のブーツが大理石の床をジリッっと擦過した、その刹那――。
「ふふ、逃がすわけがないでしょう……はあぁん……♡」
ヴァニラはOの字に口を開けると、しなやかな肢体をくねらせ、悩殺的な声と共に吐息ブレスを吐き出した。むっとする熱を孕んだ濃厚な吐息は薄いピンク色の霧となって空気中に拡散し、少年をむわぁ……と包み込んだ。
シモンは呼吸を止めたが、意味は無かった。魔力を孕んだ桃色吐息はあたかも意思を持っているかのように鼻腔に侵入してきたのである。蕩けるように甘美な臭いが無防備な鼻腔を妖しく刺激し、粘液のようにねっとりと肺臓になだれ込んでくる。
「うあ……ああああぁ……」
「ふふ、お馬鹿さん。息を止めたくらいで、魔香を防げるとおもったの……?」
痺れる。麻痺の感覚が血管を通って全身の神経に広がっていく。興奮に血が滾り、顔が紅潮する。
シモンは顔を紅潮させ、その場に立ち尽くした。意思の力を総動員して働きかけたが、手足は命令を拒絶した。
「からだ、が……動かない……」
「うふふふ、香魔の魔香の効果は一つだけじゃないのよ。今プレゼントしてあげたのは傀儡の香り……もうボウヤは私の操り人形マリオネットよ……♡ さあ、持っている武器を捨てなさい」
「なっ!? 手が、勝手に……」
魔香に冒された体は、本人の意に反し、ヴァニラが命ずるままに動いた。シモンの手は、まさに見えない糸に操られるように、隠し持っていた武器の全て――6本の投げナイフと2本のククリナイフ――を大理石の床に投げ捨てた。金属質の音色が絶望的なまでに虚しく室内に響いた。
「まあまあ、こんなに沢山持ってたのね……ふふふ、それでどんなおイタをするつもりだったんでしゅか~? イケナイ、ボ・ウ・ヤ♡」
「くそっ……誰がボウヤだ!」
「あっは♡ そんなに睨んでも、ぜーんぜん怖くありまちぇんよ~♡ さあ。その邪魔なバッグも捨てて、こっちへいらっしゃ~い」
「誰が、お前などのいいなりに……う、くううぅ……」
艶めかしく踊る指先に誘われるがまま、憐れな木偶となった盗賊は美貌の悪魔の元へと歩み寄った。一歩近づく毎に香りが濃密になっていった。それは、汗の匂い。雄の心を絡め取る、雌のフェロモンである。陶酔感が弥増し、そのふらついた足取りで柔らかい絨毯を踏む心地は、雲の上を歩いているかのような錯覚を、シモンに抱かしめた。
「ふふ、良くここまでこられましたね~えらいえらい……」
手の届く距離まで近づくと、ヴァニラの方からシモンを軽く抱き寄せ、頭を撫でた。
「近くで見るとますます私好み……肌がスベスベで、可愛くて……だけど眼だけは激しくて……ふふ、ボウヤの身体からは血と汗と死と裏切りの匂いがするわ……」
「ふん、近くで見るとババアだな。口がくせーんだよ、喋んじゃねえ」
シモンが悪態を吐くと、女悪魔は口元に手を当ててクスクスと笑った。
「あらあら、この状況でまだおナマな口が利けるなんて……だけど、そういう意思の強い男を匂いでメロメロにして、匂いフェチ奴隷に変えてあげるのが、私の生きがいなの……ボウヤもじっくりと……私の匂いで調教してあげるね……ほうら、私の眼を見て、口を開けなさい」
悔しさに呻きつつも、シモンの体は命令に従ってしまう。眼を見ようとすると、二人の身長差から、自然とシモンは見上げる格好になる。非の打ちどころない人外の美貌。蠱惑的に潤んだ黒い瞳は底なしに深く、見つめ合うだけでまるで魂まで吸い込まれそうだった。
「何をする気だ……やめろっ……」
「うっふふ……」
ヴァニラはいやらしい笑みを浮かべて、ペロッと舌なめずりをすると、美しい手で頬を挟み込み、あたかも恋人同士であるかの熱烈さでシモンに口付けを迫った。毒々しい紫の口紅で彩られた唇が、グロスを何重にも塗ったようにテラテラと絖光りながら、ゆっくりと近づいてくる。うっすらと上下に割れた肉厚なその隙間から、白い歯が零れ、ピンク色の濃厚なガスが音も無く漏れ出す。何をしようとしているのか、不幸にも勘のいいシモンは理解してしまった。
「やめっ、やめろっ……むうっ、ふうううぅ……」
咄嗟に顔を背けようとしたが、傀儡と化した体に自由は無かった。だらしなく半開きになった少年の口を噛みつくようなキスが塞いでしまう。
「ん……ふううううぅ……」
二人の唇が交わった瞬間、ヴァニラは濃厚な吐息をシモンの口内に吹き込んできた。ピンク色のガスとして視認できるほど濃度の高い魔性の芳香が、無防備な口腔を一瞬で制圧し鼻腔を、肺を埋め尽くす。
(甘い、匂いが……こ、こんな……甘すぎて、頭の中まで溶かされちまう……!)
シモンの体がビクンッ、と震える。まるで熟し過ぎた桃を頬張ったかのような、官能的で甘ったるい臭いの感覚に、脳を直接かき混ぜられる。瞼が落ちかかり、瞳がドロンと濁りを帯びる。意識が朦朧となり、けれど肉の欲情だけがハッキリとしていく。
「ふふふ、今度は直接ふぅー……されちゃったね♡ 媚薬の魔香が濃縮された、お姉さんの吐息の味はどうかしら? クラクラきちちゃうでしょ? あらあら、ココをこんなにして、はしたないボウヤ……そんなに私としたいのかしら?」
「あっ、くううぅ、やめろぉ……」
完全に屹立したモノをズボンの上から撫でさすられ、耳の中に妖しい囁きと吐息を吹き込まれ、少年はあられもなく喘いでしまう。淫らな魔香に汚染された体は、そんな些細な刺激でもたまらない快感だった。
「ふふふ、ビクビクしちゃって……全身が性感帯になったみたいでしょ? もっと可愛い声で鳴かせてあげる……」
「はあっ、あああああっ……」
淫魔の手が服の中に潜り込み、全身をさわさわと弄ってくる。恐ろしい魔の芳香に汚染された肉体はあまりにも敏感で、その滑らかな手が服の中でくねり、肌の上を滑る度に、得も言われぬ恍惚の火花が脳内で弾けた。
「私の指テク、堪らないでしょ? ヴァニラ様もっとして下さいっておねだりしなさい……そうしたらぁ、もっと気持ち良くしてあげる」
「誰がお前なんかに……くはあっ……離せっ、このっ……」
このまま身を任せてしまいたい。そんなふしだらな感情を振り払い、少年は必死に敵を睨みつけた。
「ダ~メ♡ サキュバスのお姉さんい捕まったボウヤは、もう逃げられないの♡ ふふっ、そんなことも分からないなんて、まだ頭の中匂いで犯され足りないの? もっと、ふーっ……してあげましょうか? いいわよ、ねっとり吐息、いくらでも吹き込んであげる……」
「そ、そんな……嫌だ、やめろ、やめろっ!」
ヴァニラは大きく息を吸い込むと、嫌がるシモンの顔を両手でがっちりとホールドし、再び唇を重ねた。
「ふうううううっ~……♡」
注ぎ込まれるピンク色の吐息は、先程のそれよりもさらに数段濃厚だった。その甘美を極めた匂いがいくら危険だと理解していても、少年には拒めない。匂いが鼻腔を満たし、脳を汚染する。恍惚とした感覚に意識が蕩けていく。
(あ、あああぁ……あ、あたまが、変になる……心が痺れ、る……)
少年の全身がビクビクと小刻みに震えだす。膝が笑っている。腰が落ちその場に崩れそうになる。
だが、顔を支える淫魔の手は力強く、下半身が完全に脱力してもシモンはダウンすることすら許されない。
「ふふ、倒れたりなんてさせないわ。今度は、ベロチューしてあげる♡ 私の甘ぁい唾液で溺れさせてあげる……♡ んんっ……」
我在此简要地写接下来的情节, 我的日语有限, 只明白大概, 希望有其他大神翻译吧
情节已反白
香魔以舌吻形式把让人沉醉的唾液灌给男主
完成舌吻后, 香魔对男主表示不会榨死他, 而要让他成为自己的宠物
男主虽然意乱情迷, 但仍拒绝香魔
香魔对他还有理智感到意外, 于是跟他打赌: 若男主胜利, 他便可逃跑, 落败便要成为香魔的宠物
打赌形式:
香魔脱下她穿了一星期的内裤, 套在男主头上, 男主鼻孔位置正对着香魔在内裤上留下的蜜汁
若一晚后男主仍有理智, 她便放男主逃跑, 相反男主便会自愿成为香魔的宠物
男主在傀儡之香效力下, 被香魔用计吸入大量内裤和蜜汁的气味, 即使一晚后傀儡之香已失效, 他在香魔的气味调教下, 彻底成为香魔的俘虏, 自愿成为香魔的宠物。
虽然不想做伸手党,但是看着日文实在看不懂,有道翻译等工具也是翻译的语义不通……希望有大佬翻译一下
任何物质,如果不是神的手的话,就注定要崩溃。曾经,被称为以丘陵地带为根城的可怕的健塔斯洛斯们的猛攻,无数度凌辱的马斯斯城,也失去了主人,在不断地生活着120多年的现在,外堀完全干涸了,城墙的所作所为切石的表面被苔藓覆盖,厚铁的门变成了赤锈的块,与坚固的两个字相差很远。
萨蒙王国是出身的少年西蒙,从马上眺望着盯着现在的莱伊诺斯山脉的古老的城堡,感受到了现在尚在睡觉的财宝。
这是一个著名的作家,又是骑士的金纳斯地方的旧领主马斯,这是一个写着自己半生的自传骑士道故事中,记载了从走入莱诺斯山脉的恶作剧们的财物。
这是什么样的东西,虽然没有具体的提及,但也不可能怀疑是用人的一生也不能浪费的财富。但是,马马斯的隐藏财宝存在才被认知,但至今还没有发现。
至今为止有好几个盗贼向这个古城发起了寻求巨万财富的挑战,但却没有一个人回到这里。也就是说,在主死后,在被抛弃的城堡里栖息着可怕的妖魔,发挥着保护财宝的番犬的任务。
被妖魔守护的巨富财富。没有人回来。在这一惊险刺激中,西蒙记住了兴奋的恐惧。从罗布(盗贼的亲分的传统称呼)中独立自主的少年,就像是饿了作为盗贼的自己的手臂的猛禽一样要求。
三文鱼飘扬着红褐色的斗篷,从马中跳下,将马连接到附近的灌木上,仰望着对岸,几乎垂直的架桥。
用眼算完成量大的距离,从行李中取出带钩的绳子。在旋转的气势上,把绳子轻轻地扔了。绳索用链子和铁柱所修建的栏杆像蛇一样缠绕着,钩起钩来咬住。
用力过几次荒绳,确信足以支撑自己的行李的重量,然后加上助跑,用双脚用力踢了护城河,飞了。小个子的少年就像是跋扈的有史的有史以前的猿人一样,越过了广阔的挖掘,到达了对岸。
为了归路,把绳索的边缘挂在栏杆的锁链上,穿过了半个打开的正门。
这个马格斯城虽然说是城堡,但还是把要塞城市放在手掌上紧紧地握着缩成的东西,正如书中所记载的那样,院子里有田地、井、家畜用的厩舍。但是,时间的流逝在城墙中是无法阻挡的。田地被背上的高草填满,厩舍惨不忍睹地倒塌了。
在横望着那些荒废荒废的情况的同时,西蒙穿过院子,从缝隙中爬上了杂草生长的石阶,从二楼的门进入了城内。
石造城堡内部被冷气满足。虽然很暗,但也没有能取出角灯。多亏了从窗户漏出的阳光,对于在迪尔的地下世界出生的少年来说,和白天也一样。广阔的入口。在广间的对面,可以看到宽的楼梯,通向一楼和三层。左右方向各有东侧和西侧的通道。这就是探索的中心点。西蒙一边细心的注意,一边开始调查城内。
“我不知道”
在脑海后面伸出手往藏书室的椅子上倾斜,把两脚扔在长桌上的西蒙自暴自弃。太阳向西边的草原地带倾斜,从窗户带来不可能的陶醉的窗外的光线,把少年的右貌染成了橙色。被磨磨的刀子一样的钓鱼眼,因焦躁而增加了锐利。
在城的西侧和东侧的所有的房间里进入,调查了所有的地方,但是没有找到可以称为宝的东西。怀疑隐藏房间的存在,以依靠从罗布偷走的知识和技术来尝试的方法,结果却没有提高。即便如此还是以欲望和功名心为食粮进行调查虽然一直持续着,但是在城的三楼,西边的走廊尽头的房间里打开了一扇门,看到了一堆涂满了灰尘的空空书架。
“别说是宝物,连眼睛的东西都没有这个城堡的时候”
原本,甚至还没有遇到被传说在城堡里的妖魔。警戒心完全松开了。在这几小时内看到的移动物,是一只因物哀而胆怯而跑的老鼠,以及无表情地爬在墙面上的蜥蜴,还有那个不好的蜘蛛族。西蒙震颤了身子。一边感受着鸡皮疙瘩浮在一起的感觉,一边后悔那个八本脚的恶魔的样子,一边挥了不起的样子。
难道以前有人向这个古城进攻,成功了吗?但是,如果是这样的话,无论是谁都能听到这一具体的、或是追寻着的耳朵和嘴的数量的谣言。因为知道醉酒色情的盗贼,即使知道它是被束缚的脖子的原因,也不能不让该公司自豪自己的荣誉。
如果是这样的话——。
“一开始就是财宝了”
放弃的想法,作为音韵发出的话,更带有真实的感觉。原本,拥有巨额财富的人,将在自传的骑士道物语中记载的财宝,在自己死后,将其放在谁的手上吧?
或者说,在旧领主的游荡生活中,说不定已经耗费了在80年代躺在床上的享乐老后的旧领主的游荡生活。如果是普通的话,认为最有力的是血缘者的手上的可能性都是没有的。马格斯从一个救了生命的几个美丽的女性那里得到了办法,但一切都拒绝了,一生都是单身生活。因此,财宝的存在被认为是有力的。
这样的想法在西蒙的脑内逐渐膨胀起来了。比起那个,头变重了,身体慢慢倾斜,放在桌子上的不礼貌的脚浮上了。
“哇……!”
西蒙眼睁睁地睁着眼睛,用手和脚在空中挣扎,结果是徒劳无益。两条腿支撑着少年体重的椅子,一旦失去了平衡,就按照万物共同的法则在后面倒下了。
“畜生!”小哥斯的奇奇小子!”
与沉重的冲击声一起强加在背和腰上的少年,把对失态的羞耻和疼痛所吞没,现在作为对城主的诅咒。
突然,西蒙惊讶地隐藏着细眉,把碧眼移动到了额头上。突然,嗅觉不习惯的甜气味在鼻尖上香。但是,凝视的前方只有书架的间隙、破了的遮盖的石壁。但是,盗贼的眼睛根据西日的不同,不放过一点点的秘密的构造。
少年用身体的弹簧而轻盈地跳起来,从墙壁上跑来,小心翼翼地用手掌抚摩其表面,挤进了某个地方。怎么回事呢?墙壁的一部分发出迟钝的声音,在内侧旋转半周,出现了长方形的入口。
秘密的门里塞满了黑暗。窥视后,知道了螺旋状的楼梯持续着,那是到哪里,持续到多少的深度呢,在弯曲的墙壁和深暗的黑暗中,连晚上和白天同一看的西蒙的眼睛都看不到。
但是,西蒙对焦躁的解放和对财富的期待挂上了嘴唇,从道具袋里取出角灯,点着火,意气凌人地下了黑暗。对于迪尼尔的地下孤儿来说,黑暗并不是恐怖的对象,是从敌人的眼睛里隐藏着身体的无形的斗篷,是应该亲近的东西。
很长的楼梯。好像从3楼一直持续到地下。在右手上挂着角灯,一边刻着规则的声音,而西蒙却在鼻尖上感受到了奇妙的臭味。刚才,与发现了隐藏门的时候一样,有一种让人心酸的甜香,虽然微微有点微,但在地下特有的气味和冷气中可以嗅到。
不久,逼近80段的楼梯也结束了也迎来了结束。停下脚步,周围变成了寂寞。移动角灯,探索黑暗中。通道在左右延伸。无论是哪个通道的前方,有一段时间去后就断了,不知道继续在哪里。从右到左,感觉到了空气的流动。看来是和外面相通了。就像是以天然的地下洞窟为基础制作的,过道的天花板很高,少年的身高一倍也能轻松地通过。
那么,在考虑到哪一方面,西蒙的脚朝向右边。从开始走的时候,我感到很惊讶,为什么自己选择了这条路。没有线索的情况下,是依靠直觉的少年,这次是让其直觉发挥作用之前的行动。
我马上想到了那个回答。
味道。骑着幽幽的风,少年在无意识的状态下向前走着。
“什么啊?”这个味道……非常好的味道……”
把鼻子伸开,把通道向右弯,在黑暗中摇摇晃晃地前进。一半像梦游病者一样的步子一边走着,西蒙大大地吸了一口气,和爱上娜塔莉叹了一口气。
其馥郁的香气,是在遥远的东方国家孕育的,被称为死亡的睡眠和桃源的梦。
但是,有点不同。西蒙一边闻着那个,一边感受到了粘结的淫荡的情动,在血液中奔跑。醉得像酩酊大醉似的。唾液比平时多出来,却口渴。但是,没有认为是危险的。不,与其说没有考虑,不如说是没有考虑好。随着前进,一股浓浓,清脆的甘美的香气在脑海中飘扬,夺走了思考力。
就这样,走上了从黑暗中流出来的香味,第三次转角的时候,少年举起了掉下来的眼睑。在黑暗的对面,发现了光。有10米左右的距离吗?在那附近的右手的墙壁上,发光的肌肉被扔在左手的墙壁上。
光从门上漏掉了。即使是迟钝的大脑,也很快就能理解了。
(有人在吗……?)
随着门的接近,味道更浓了。站在前面的话,虽然很简朴,但却从结实的木料门的缝隙中,光着光就漏出了那个臭味。
“进来吧”
突然从门的对面听到了。有着音乐般的响声、艳丽的大人的女人的声音。
西蒙呆呆地跟着那个声音,把手伸向多诺诺。如果是平时的少年的话,绝对不会采取这样简单的行动。但是,在空气中漂浮的甘美的味道所带来的爱上娜塔莉感,使人的思考变得迟钝,使人们的警惕心淡化。
小小的摩擦,门打开到通道侧。在一片苍茫的光线中,踏入了室内。在下一个瞬间,增加了浓度的甜气味,刺激了鼻腔粘膜。房间里烧了香吗?脑被从芯发麻的芳香,只不过是朦胧的意识变得更加朦胧了。
那是个出乎意料的宽敞的房间。四方的墙壁是大理石,天花板很高,地板上铺着有金线刺绣的地毯。房间的左手里面,备有一张带着大天盖的床,从薄纱的窗帘的缝隙中窥视着黑色的物体。右手深处的墙壁上排列着书架,前面有一张像马霍格尼制的结实的桌子和黑色皮革的椅子。
房间的中央配置了一张牛仔的客厅,对面有一把红黄色的床铺。在睡觉的椅子上穿着长裙的一名女子,像女神一样轻盈着柔软的身体。真是令人惊讶的美女。就连作为享乐和颓废的都城而闻名的迪尼尔,也被认为没有一个美丽的女人。
穿着的丝绸的礼服,在室内的暧昧的光上艳丽,扇情地开着的胸口,展现了女人的象征。裙子的部分有刺激性,连膝盖都包在长筒袜上被妖艳的脚和褶皱搭配的加热带毫不犹豫地窥见着。细长的手臂被织入了复杂的蕾丝刺绣的长手套覆盖,而露面的5根手指上,有一颗美丽的玛瑙米勒。
零落的皮肤是象牙色,染上了薄墨的丰富的黑发,将其美白提高到艺术的领域。黑色的睫毛夹着黑色的眼睛,滋润着颓废的官能,一直盯着这边。
在几步前,西蒙在几步前出现了这样一种错觉,仿佛在不知不觉间会有不同的错觉。
“哼,欢迎光临”
“你是……?”
“我?”我是香草哦。
谜之女预料到西蒙的存在,完全没有动作的样子。浮在紫色的口红上的嘴唇上飘浮着无才能的微笑。
“您的名字是?在这样的地方,你是来做什么的吗?
“是三文鱼……”我来领受马马斯留下的宝物
三文鱼被问到。用铃铛般美丽的声音编织出的语言,没有理性的严厉,意识到了。那个正好被催眠术的人,在梦中在做手术者说什么都能回答的一样,对扎蒙的盗贼对不认识的可疑的女人说了目的和名字的疑问是露出来的啊。
“哎呀,是盗贼吗?”有人认为盗贼什么的都是一个很残酷的男人……呵呵,还有这么可爱的家伙啊……但是,宝物是什么事呢?桌子下面的那件事?
女人看着书架前的大桌子。
“真的,人真的要想些无聊的东西啊……”
在这句话中,西蒙中有了警戒心。
“什么?你不是人类吗?”
“那种事怎么样都没关系。你也会很快就好……
小提琴有着艳丽的微笑,从睡椅上慢慢地起身了。
“但是,如果你想知道波尔雅的话,就给你看吧……”我真正的样子……呼呼……”
在女人做自己的身体的样子的同时,周围的空气变成旋涡,变成了粉红色的照片,把女人包围了。
粉红色的本册马上就消失了,从里面再次出现了香草。但是,那个身体有异形的特征。在头部上冠以反卷的角,背上有着让人联想到蝙蝠的薄膜的黑翼,从臀部有着奇妙的光泽的尖端变成了矢尾型的尾巴。一切都是恶魔的象征。但是那个恶魔的姿态,在维持作为女人的魅力的状态下——不,比起在人类的时候更是妖艳而困惑。
“淫魔战士吗……”
因惊讶而恢复了些许理性和紧张感的盗贼少年,为了让人对外表的美而感到喜欢的生理本能,低声地嘟囔着。淫魔是一种绝世的美貌和妖艳的肉体,以及因奇怪的魔术而使男人入迷,全部夺走的恶魔。即使是熟练的战士也要避开战斗的麻烦,不仅是耳学,也有实际经历过的事情。
“哼,一半是正确答案的地方……”
“啊,那是什么意思啊”
“我是香魔……”淫魔中也有操纵香味的可怕姐姐啊。你已经注意到了吧?在这个房间里充满了非常好的香味……”
小提琴用戏剧般的动作扩大了双臂,与尼雅利的口角扭曲了。
“这个啊,香魔所发出的菲洛蒙的一个……”动摇思考的甘美的毒……如果嗅到的话,头脑就很厉害,会产生色情的心情吧?
西蒙听了那句话,感到很高兴。在室内散发出的香味,从香草为那个魔鬼的本性的瞬间起,渐渐增加了浓度。
“哈哈哈,你是笨蛋!”竟然会这么简单,陷入了香味的陷阱……嗯,因为这是因为使用了吸引奥斯的香技才是什么呢……”
西蒙用取回了锐气的目光注视着缝隙,意识到了背后的门。在眼前洋溢着从容笑容的淫魔的强度不明,但是味道的没想到贴上气味的圈套等待的手会成为威胁。高傲地说出自己的手掌,是三流以下的。
但是,自己却愚蠢地陷入了这三流的圈套。或许是毒的效果还很浅,爱上娜塔莉的感觉似乎可以用意志力来控制,但是考虑到现在的状况,这一点是下策。我知道了宝物所在。这是一旦拆迁,重整姿势再进行攻击是上策。
虽然很快就到了门,但是要一步一步地跑出去的话有点距离。
对方疏忽大意了。扔了刀子的同时从外面飞出来,一口气穿过过道。
只有这个了。
西蒙在斗篷下,为了不被发现,取出藏在名单上的投掷刀,开始倒退。
但是,狡猾的女恶魔并没有轻易地错过一次陷阱的猎物。
草席的皮靴擦过大理石的地板,那一刹那——。
“呵呵,不能错过吧……”啊……”
小提琴在O的字上打开了嘴,使其变得柔软的肢体,和烦恼的声音一起吐出了吐气布。孕育出闷热的热度的浓厚的吐气变成了淡粉色的雾雾,在空气中扩散开来,让少年生气……包进去了。
西蒙停止了呼吸,但没有意义。孕育着魔力的桃色吐气,就像是有意识地侵入了鼻腔。像飘荡一样的甘美的臭味,使无防备的鼻腔妖艳刺激,像粘液一样地粘在肺脏里。
“啊啊……”啊啊啊啊……
“呵呵,笨蛋。不停地屏住呼吸,可以防止魔香……?”
发麻。麻痹的感觉通过血管蔓延到全身的神经中。兴奋地流血,脸发红。
西蒙把脸红潮,站在那里。虽然总动员了意志力,但手脚却拒绝了命令。
“身体,……”不动……”
“哼,香魔的魔香的效果只有一个。现在送给你的是傀儡的香味……已经是我的操纵人偶了……♡,请扔掉拥有的武器。”
“啊!?手,随便就……”
被魔香所冒的身体,与本人的意意相反,由香草命行动起来。西蒙的手,就像是被看不到的线所操纵一样,隐藏着的全部武器——6根的投刀和2根针刀——把它扔到了大理石的地板上。金属质的音色在绝望的状态下空虚地回响在室内。
“哎呀哎呀,有这么多人啊……”呵呵,那是打算做什么样的东西呢?不好,波尔雅!”
“这个……”谁是博亚!
“啊哈哈♡那么盯着你,真是可怕啊~♡来了。把那个碍事的包也扔到这边来吧。
“谁会变成你这样的好……”啊,空了……”
被妖艳的指尖吸引着,成为可怜的木偶的盗贼走到了美貌的恶魔的身边。每一步越近,香味都变得浓厚起来了。那是汗的味道。将雄的心缠绕在一起,是雌的菲罗蒙。陶醉的感觉增加了,用那个蹒跚的脚步踩着柔软的地毯的感觉,让西蒙抱着像走在云层上的错觉。
“呵呵,很好地到这里来了啊~……”
靠近手的距离,从香草轻轻地抱起西蒙,抚摸着头。
“在附近看的话,越来越喜欢我……”皮肤很光滑,很可爱……但是,只有眼睛很激烈……呵呵,波尔雅的身体有血、汗、死和背叛的气味……
“哼,在附近看的话是巴巴亚啊。说不出话来,别说话了!
西蒙吐出恶态,女恶魔用手捂着嘴笑了。
“哎呀哎呀,在这个情况下还说不出话来……”但是,把那种意志坚强的男人放在味道中,变成味道的奴隶,是我生存的意义……小腿也好好地……用我的味道来调教吧……扫墓,看我的眼睛,打开嘴。
虽然懊悔而呻吟,但西蒙的身体却遵循了命令。想看眼睛的话,从两人的身高差开始,自然和三文鱼都能看到。绝无仅有的美貌。被迷惑地湿润的黑色眼睛深深地深,凝视着就好像被吸入了灵魂。
“我想做什么……”住手……”
“哼……”
小提琴脸上浮现出了讨厌的笑容,一下子咬着嘴,用美丽的手夹着脸颊,仿佛是恋人之间的热烈,向西蒙告急。被毒气的紫色的口红点缀着的嘴唇,像是涂了几层灰色,一边闪闪发光,一边慢慢地靠近。从薄薄的和上下碎了的肉厚的缝隙中,白色的牙齿洒了,粉色的浓厚的煤气也没有声音漏出。不知道该做什么,对不幸也有直觉的西蒙理解了。
“算了,住手……”不……”
虽然突然想背着脸,但作为傀儡的身体却没有自由。像不检点半开的少年的嘴一样的接吻被堵住了。
“嗯……”对了……”
两人的嘴唇交交的瞬间,香草味浓厚的吐气吹进了西蒙的嘴里。作为粉红色的气体,浓度高的魔性芳香,在一瞬间控制无防备的口腔,将鼻腔填满,填满肺部。
(甜,味道……)这个,这样……太甜了,就被溶化在头上……!)
西蒙的身体微微颤动。像把熟透了的桃子咬了似的,能让大脑直接搅拌。眼睑落下,眼睛带有多龙和浑浊。意识模糊,但只有肉的贪情很清楚。
“呵呵,这次就直接笑了……”好了啊♡献礼的魔香被浓缩了,姐姐的呼吸味道怎么样?是克拉克拉吧?哎呀哎呀,这件事就这么做了,开不开的海雅……你那么想做吗?
“啊,太饿了,住手吧……”
完全屹立的东西被从裤子上抚摸,耳朵里带有妖气的私语和吐气,少年也没有被吹得喘不过气来。被淫魔毒污染的身体,即使是细微的刺激也受不了的快感。
“呵呵,我做得很厉害……”全身好像变成了性感带了吧?用更可爱的声音来鸣叫……”
“啊,啊,啊啊啊……”
淫魔的手潜入衣服中,把全身弄得刺眼。被可怕的魔芳香污染的肉体太敏感了,那个光滑的手在衣服中扭动,在皮肤上滑下的时候,得到了不被说的爱上娜塔莉的火花。
“我的手指技巧,不能忍受吧?”请再给我一点香草吧……那样的话,我会更舒服的。
“谁会变成你……”……放开,这个……”
我想就这样把身体交给你。他付出了那种沉闷的感情,少年拼命地盯着敌人。
「ダン~メー♡萨克巴士的姐姐被捉住了的波亚,已经逃不掉了♡呵呵呵,那样的事也不明白,还用脑子里的味道被侵犯吗?”再加一点……我给你做吗?好啊,文静地吐气,无论多少都会给你吹过……。
“那,那样……”讨厌,住手,住手!”
小提琴大大地吸了一口气,用双手紧紧地保持着讨厌的西蒙的脸,再次重叠了嘴唇。
“风云……””
被注入的粉色的吐气,比刚才的更浓了几段。即使理解了那个甘美的极致的味道是多么危险的,也不能拒绝少年。气味充满鼻腔,污染大脑。爱上娜塔莉的感觉会变得很有意识。
(啊,啊啊……)啊,我的心变了……心发麻……)
少年的全身微微地颤抖着。膝盖在笑。腰落下的地方快要崩溃了。
但是,支撑着脸的淫魔手力强,即使下半身完全脱力,西蒙也不允许下降。不允许。
“呵呵,不让我倒下。”这次,我会把我的甘甜的唾液淹死的……♡嗯……”