"cnmbkfj":话说楼主有没有翻译音声台本的想法,我手上倒是好多未汉化的台本
暂时没有,而且音声的资源我自己有很多.300个G你怕不怕
在下特别喜欢看翻译文,不知楼主对 妖魔之城 感不感兴趣啊,论坛里有人翻译了第二话。是很多年以前的,如果楼主感兴趣的话,跪求翻译啊。
感恩樓主的無私奉獻和精彩的翻譯!!!
妖女迴廊的文章真的很棒,特別是淫夢、白尾和試練(可惜這篇未完成)
希望樓主可以翻譯,萬分感謝!!!
網址http://web.archive.org/web/20110713121519/http://akane.sakura.ne.jp/~vamp/abyss/library/libtop.html
论坛里看过这篇机翻的版本,非常喜欢!!再次拜读中文版果然是精彩,不得不佩服日本小说描写,感谢楼主翻译!
http://honnyara555.x.fc2.com/syo7-1.htm
楼主可以看看,我手机无力。
"aifff":http://honnyara555.x.fc2.com/syo7-1.htm
楼主可以看看,我手机无力。
我上不去啊,话说这么多奇奇怪怪的网站你们是怎么上去的啊
麻煩樓主了~~
淫夢〜醒めない夢に溺れて〜
「ふう、やっと着いた。」
僕は、目の前にひろがる町並みを眺めながら、肩の荷物を背負い直した。
ここは、ノーマン街道に面した宿場町、ラドブール。
ノーマン街道は、教皇の命によって造られた街道で、教皇領の首都ローディスから、
各地に点在する大教会や神殿、聖跡を結び、西の聖地クローラムへと続く。
聖地を目指して旅する巡礼の姿がよく見られる、別名「巡礼街道」だ。
僕も、聖地を目指して旅を続け、ようやく、ここラドブールまでやって来た。
ここまで来れば、あとは峠をひとつ越えれば聖地クローラムだ。
思わず、ここまでのつらく長い道のりの記憶が蘇る。
ローディスを出発してから半年あまり。盗賊に襲われた事もあった。
狼の群に追われた事もあった。時には、もっと恐ろしい怪物に襲われた事も……
何度も何度も死にそうな目にあって、それでもなんとか切り抜けてきた。
「神様、ご加護をありがとうございます……。」
僕は胸のロザリオを握りしめてつぶやいた。
さて、もうすぐ日も暮れるだろう。この町で宿をとって休むとしよう。
そして明日は、いよいよ聖地に向けて出発だ!
その時。
「ねぇ、そこのお兄さん、寄ってかない……?」
突然呼び止められて、僕は振り返った。
見ると、黒いドレスを身に纏った若い女が、こっちを見つめている。
腰まで届く長い金髪に、磁器のように生白い肌、血のように紅い唇。
大きく開いたドレスの胸元から、二つの大きな胸の膨らみが
はみ出している。きっと、旅人相手の娼婦だろう。
「悪いけど、その気はないよ。」
「ふふ……、だったら、その気にさせてあげましょうか……?」
女は媚びを含んだ笑みを浮かべて、ゆっくりと歩み寄ってきた。
甘い香水の香りがふわ、と顔にかかる。
「あなたが今まで味わったことのないようないい思いをさせてあげるわ……。」
じっと瞳を見つめながら、身を寄せて囁くその女を、僕は手で遮った。
「……僕は巡礼なんだ、分かるだろう?
君の仕事に文句をつけるつもりはないけど、よそをあたってくれないか?」
「そう……、じゃぁ、……ふふ、気が変わったら、いつでも来てちょうだい……。」
「気が変わったら、ね……。まぁ、そんな事は絶対ないけどね。」
妖艶な笑みを崩さず、なおも誘いの言葉をかける女に背を向け、僕は歩き出す。
「待ってるわ……ふふふ……。」
女の声に、背中ごしに手を振りながら、僕はその場を立ち去った。
僕は、町の一角にある、小さな宿屋に泊まることにした。
「お一人さんだね、部屋は大部屋と個室があるけど、どっちにする?
大部屋は銀貨3枚、個室は5枚だよ。」
「個室があるんですか、じゃあそっちでお願いします。」
そう言って、僕は宿屋のおやじに銀貨を5枚手渡した。
普段なら、お金を節約して大部屋にするところを個室にしたのは、
聖地という旅の終着点を目の前に控えて、これまでの旅の記憶を
ゆっくりと振り返っておきたいと思ったからだ。
「じゃあ、この部屋だよ。」
部屋に通される。こぢんまりとした部屋にベッドと机。
よく掃除されていて、居心地はよさそうだ。
「あ、そうだ。あんた、巡礼の人だよね?」
突然、宿屋のおやじが言い出した。
「?……ええ、そうですが?」
「変な女に誘われなかったかい?」
「え?なんで分かったんですか?」
驚く僕に、おやじはニヤリと笑って続ける。
「あれはな、『黒翼館』って娼館の娼婦だ。気をつけな、あいつらは巡礼を
目の敵にしてるからな……。巡礼を堕落させてやろうと誘惑してるんだ。
実際、聖地を目の前にして、ここで旅を終えちまった巡礼も多いらしいぜ。」
「え、そうなんですか?」
「ああ、あんたも気をつけるんだな。それじゃ、ごゆっくり。」
そういって、おやじは部屋を出ていった。
そうか……、あの娼婦、僕が巡礼と知って誘ってたのか……。気をつけないと。
まあ、外を出歩くつもりもないし、明日になれば聖地に向けて出発するから、
今晩一晩、部屋でゆっくりしてれば大丈夫か……。
宿屋にある酒場で簡単な食事をとり、お風呂で旅の汗を流して部屋に戻る。
いいお湯だった。旅の疲れもすっかりとれた……。
机に向かい、日記をつける。今日は一日、平穏な旅路だった。
そして、ここまでの苦難に満ちた旅の記憶に思いを馳せる。
思えば、もう半年以上旅をしてきた。大怪我をしたり、病気にかかったり、
殺されそうになったり……正直、もう駄目かも知れないと思ったことも
何度もあった。それでも、ここまでやって来れた……。これも、神様の
ご加護によるものだろう。
僕は、もう一度旅の無事を神に感謝し、床についた。
ふと、目を覚ます。
外はまだ暗い。どうやら夜中に目を覚ましてしまったらしい。
長く苦しかった旅路の終わりを前にして、やはり気持ちが昂ぶっているのか……。
そう思いながら、ゆっくりとあたりを見回すと、窓が開いているのに気がついた。
風で開いてしまったのだろうか?僕は身を起こして窓を閉めようと……。
「???……………!!」
か、身体が動かない!これは、一体……!?
「ふふふ……。」
妖しい笑い声に僕はぎょっとなる。
部屋の中にどこからともなく、甘い香りが漂ってきた。
記憶にある香り……僕は、街で会った黒いドレスの女の顔を思い出していた。
「気分はどう……?」
女の声と同時に、部屋の隅の闇の中から、人影がゆっくりと抜け出てきた。
「お、お前は……!」
「気が変わることはない、と言ったわね……だから……変えに来たの……ふふふ……。」
部屋に射し込む月明かりが、人影を照らす。脳裏に浮かんだ姿そのまま、いや、
月明かりを浴びて一層妖しげな雰囲気を身に纏い、あの女が現れた!
僕は身を起こそうとするが、首から下が、まるで力が入らない……
まるで、自分の身体じゃないみたいに、全く動かせない!!
「ふふふ……動けないでしょう……?」
「くっ……一体、何をした……?どうするつもりなんだ……?」
縛られてる様子はない……、なのに僕はベッドの上で身動き一つ出来ないでいる、
毒を盛られたのか?それとも、魔法でもかけられたのか?
……そして、これから何をするつもりなんだ?
『気をつけな、あいつらは巡礼を目の敵にしてるからな……。』
宿屋のおやじの言葉が脳裏をよぎる。まさか……まさか……!
「ふふ……どうするつもりだと思う……?」
甘い香りが一層強くなる、女の顔が目の前にまで迫り、
甘い吐息を吹きかけながら囁きかけてくる。
『実際、聖地を目の前にして、ここで旅を終えちまった巡礼も多いらしいぜ。』
おやじの言った言葉が、身震いするほどのリアリティを持って迫ってきた。
い……いやだ!半年以上旅をして、必死に頑張って、やっとここまで来たのに!!
「だ、誰かぁ!!助けてくれえええ!!!」
僕は声を限りに叫んだ。夜の夜中に大声を出して、近所に迷惑をかけてしまうが、
今はそうも言ってられない、とにかく助けを呼ばないと!!
「無駄よ……いくら叫んでも誰も助けには来てくれないわ……。」
妖しい笑みを浮かべて女が囁く。
「なっ……そんな……馬鹿な……!」
しかし、女の言葉通り、誰も助けに来る様子はなかった。
あたりは何事もなかったかのように静まり返っている。
「ど、どうして……?」
「ふふふ……どうして助けが来ないか教えてあげましょうか?それはね……。」
言いながら、女は背中に手を回す。
黒いドレスがするり、と落ち、足元でわだかまる。
女の、雪のように白い裸身が、部屋を覆う薄闇の中に浮かび上がった。
さらに、女が軽くいきむように、少し身をかがめると……
ぐ……ばさぁっ!!
女の背中が盛り上がったかと思うと、蝙蝠のような黒い翼が現れた!!
「!!」
「ふふふ、驚いたかしら……?
そう、私はサキュバス、そしてここは、私のいざなう夢の世界よ……。
ここでは、全てが私の思うがまま……。
だから、お前は動けない……誰も助けには来ない……。ふふ……おわかり……?」
サキュバス……!
聞いたことがある、確か、眠っている男の枕元に現れて、淫らな夢を見せて誘惑し、
交わって精を吸い尽くす女の悪魔だ!!
と言うことは……!
「分かったようね……そう、これからお前を『いただく』のよ……。
言ったでしょう?今まで味わったことのないような、
いい思いをさせてあげるって……。」
サキュバスはそう言うと、ベッドの中にするりと身を潜り込ませてきた……
「う……や、やめろ!」
「ふふ……しびれる様な快感ととろけるような陶酔に、
いやと言うほどよがり狂わせてあげる……何度も何度もいかせてあげる……。
そして、お前の精を一滴残らず搾り取ってあげるわ……。」
「やめろ……やめてくれぇっ!!」
サキュバスは、仰向けに寝ている僕の上に覆い被さり、四肢を絡ませて愛撫を始める……
床に就くときに着ていたシャツとパンツはいつの間にか脱がされていて、
むっちりとしたサキュバスの柔肌の感触が、全身にじかに絡み付いてくる!!
「う、くぅ……やめろ……ううっ……。」
僕の太股にサキュバスの太股が絡み付き、
背中や脇腹をサキュバスのしなやかな指がゆっくりと這いまわる……
その度に、ぞくぞくするような快感が僕の全身を走り回る……!
ああ……何て指使いなんだ……まるで、無数の手に撫で回されているみたいだ……
だめだ……こんな事されてたら……神様……!
「ふふふ……気持ちいいでしょう……?」
妖艶な笑みを浮かべて僕を見つめるサキュバス。
「きっ、……気持ちよく……なんか……ううっ……!あ、うくっ……!」
言い返そうとした瞬間、サキュバスの指が脇腹をさわさわとくすぐり、
その刺激に、僕は無様にも反論を喘ぎに変えられてしまう。
「うふふふふ……そんないい声あげちゃって、何が気持ちよくないの?」
瞳に嘲りの色を浮かべて、サキュバスが問いつめる。
「うう……うるさい……!僕は、お前の誘惑なんかに屈しない……!」
じわじわとこみ上げてくる快感を堪えながら、それだけ言うので精いっぱいの僕。
「そう……ふふ、言ったわね……
じゃあ、お前の意志が本物かどうか、見せてもらうわ……。」
その言葉と同時に、サキュバスの顔がゆっくりと近づいてくる。
そむけようとした顔を両手で押さえつけられ、妖しく輝く瞳に視線を絡め取られて、
そのまま、僕の唇は、とろけるように柔らかな感触に圧し包まれた。
「んっ……う……んん……!」
重ねられた唇から、甘い香りのする熱い吐息が吹き込まれてくる……!
うう……その度に意識が霧に包み込まれるように朦朧として……
なんだかくらくらする……めまいのような感覚が僕を捕らえる……。
サキュバスの身体から匂いたつ香りも一層濃厚になって、
僕は否応なく、甘い甘いサキュバスの匂いに酔わされていく……。
そして、僕の唇の間に、サキュバスの舌が割り込んでくる……。
僕は、入れさせまいと唇を堅く閉じようとしたが、その途端に
口に力が入らなくなってしまう……サキュバスの舌はやすやすと
僕の口の中に滑り込み、僕の舌を絡め取って、ぬるぬると妖しく蠢く……。
そうか……この夢の世界の中では、何でもサキュバスの思うままなんだ……。
抵抗しようとしても、その力を奪われて、どうすることもできない……。
ああ……駄目だ……口の中を這いまわるサキュバスの舌の感触が……
気持ちよすぎて、だんだん……何も考えられなくなってきた……。
まるで、理性も……意志も……この舌に舐め溶かされていくみたいだ……。
しかも……サキュバスは全身をくねらせて、柔らかな肌をすり寄せてくる……。
豊かな胸の膨らみが、むっちりとした太股が、僕の身体を圧し包み、揉みしだく……。
そして、全身を這いまわるしなやかな指先が、絶え間なく快感を注ぎ込んでくる……!
僕は、なす術もなくその快感に呑み込まれていく……。
その時、ふっとサキュバスの唇が離れた。同時に、口元に力が戻る。
僕は、長く濃厚なキスと愛撫から解放され、
「ぷはぁっ……はあ、はあ……。」
思わず深い息をついた。
「ほほ……口ほどにもないわね……この程度で『呑まれて』しまうなんて……。」
勝ち誇ったように嘲笑を浴びせてくるサキュバス。
「……う、うるさいっ!!ぼ、僕はこれぐらいで……!!」
「これぐらいで?」
むきになって言い返す僕の顔を、サキュバスがのぞき込んでくる。
「うっ……。」
言葉に詰まってしまう僕。
「これぐらいで、なぁに?」
サキュバスは邪悪な喜びに満ちた笑みを浮かべてさらに僕の目をのぞき込んでくる。
僕は思わず目を逸らしてしまう。
「ふふふ……私の愛撫を受けて、あんなにいやらしい表情になって、あそこも
こんなに元気にしておいて、な・あ・に?」
ぼくの股間に視線を落としながら、サキュバスは容赦なく問いつめる。
「う、……うう……。」
視線の先には、さっきの愛撫に反応して勃起してしまったペニスがあった。
それは、僕がいくら強がっても無駄な事を、雄弁に物語っていた。
あのまま責められ続けていたら……
僕はなす術もなくサキュバスの手に堕ちていただろう……。
サキュバスの手が、僕の顔に触れる。うつむいていた僕の顎が捉えられ、
ぐい、と顔を上げさせられる。
目の前には、満足げな笑みを浮かべたサキュバスの顔があった。
「ふふ、分かったでしょう……?私の力が……。
でも、これはほんのお遊び……さあ、お楽しみはこれからよ……うふふふふ……。」
「や、やめてくれ……お願いだ……うう……。」
無駄と知りつつ懇願する僕に、サキュバスは一層意地悪な笑みを浮かべて応える。
「ふふふ……ここまで苦労して、聖地を目指してきたのにね……うふふ……
いいわぁ……その屈辱と絶望にまみれた顔……感じて来ちゃう……。」
そして、サキュバスの視線が再び股間に移動する。
「それに……ふふ、本当にやめて欲しいのかしら?」
その言葉と同時に、新たな刺激が加えられる。
「はぁっ……!う、うあっ、やめて……ぁああ……!!」
「この子は、そうは言ってないみたいよ?」
サキュバスは、ますます楽しげな笑みを浮かべて、僕に問いかける。
その視線の先で、生白い指が僕の股間を捕らえてやわやわと揉み上げている……!
触られる前から大きく膨らんでいた僕のペニスは、まるで触手のように妖しく蠢く
サキュバスの指に包まれて、一層硬く、大きく張りつめていく……!
そして、サキュバスの指が動く度に、ペニスに送り込まれる快感が、
僕の体中を駆けめぐる……!
「ああっ、やめ、ぇあっ、く、うう……やめて……うあ、やめてぇっ……!」
喘ぐ僕の首筋に、サキュバスの唇が吸い付く。さらに、柔らかな舌がねっとりと
首筋を舐め上げて、先端でちろちろとくすぐる……!
さらに、サキュバスは全身に愛撫を加えながら、ゆっくりと身をずらしてゆく……
胸元に舌を這わせ、僕の乳首を指先でころころと転がす。
「ああ、く、うぁ、あああ……は、あくっ、うああ、あああああ……!」
その刺激に、僕はなす術なく喘がされてしまう。
「ふふふ、そんなに気持ちいいの?じゃあ、もっとよくしてあげる……。」
顔を上げて、満足げに笑みを浮かべると、サキュバスは再び僕の胸元にしゃぶりつく。
「ふぁっ、あああっ、あああああっ……!」
乳首を包み込む柔らかな唇。さらに、その中から這い出してきた舌がちろちろと
乳首を舐めしゃぶる……!
「ふふふ、いい声あげちゃって……こっちはどうかしら?」
その声とともに、もう一方の乳首に快感が移る。
「うあ、ああ、あくっ、うああああ……やめて、やめてぇっ、ぇああああ……!」
「ふふふふふ……ずいぶんかわいくなっちゃったわねぇ……。」
身を震わせて喘ぐ僕を見おろして、にんまりと笑うサキュバス。
「でも、本当に気持ちいいのは……ふふ、これからよ……。我慢できるのかしら……。」
そう言いながら、さらに身をずらす。
少し身を起こし、二つの豊満な乳房に手をあてがい、
ゆさ、と下から持ち上げた手に力を込めると……
どぷっ!どぷどぷどぷっ!!
生暖かい、白い液体が僕の股間に迸った!
母乳……?いや、もっと粘っこくて、ぬるぬるした感触……
そして……あ、熱い!液をかけられた所が、じんじんと痺れるように熱くなってきた!!
「うふふ……いかが?私のお乳……?」
そして、サキュバスが再び身を屈める……
ふにゅっ……!
「う、あああああっ!あっあっ、あああああああああっ!!」
股間に肉の感触が伝わる!サキュバスの乳房が、むっちりとペニスを挟み込む!
しかも、サキュバスのお乳が!ぬるぬるねばねばした感触が、絡み付いてくる!!
それだけじゃない!ペニスが、股間が、ものすごく敏感になってる!
まるで、神経がむき出しになってるみたいだ!!
「ほほ……もっとよくなるわよ……。」
そういって、サキュバスはゆっくりと身を揺すり始める……。
むにゅ。
「ふあぁああっ!!」
ペニスを挟み込んだ大きな肉の塊が、にゅるにゅるの粘液を塗り付けながら、
根本から先端までしごき上げる!強烈な快感が、ペニスから全身に拡がる!!
「ふふふ……。いいでしょう?もっとお鳴きなさい……。」
むにゅ、ふにゅ、ふにゅ、ぷりゅっ……。
「ひあ、ああ、く、あああ、やめ、えあ、あひぃいい、いああああっ!!」
サキュバスの柔らかな乳房がペニスを包み込み、しごき上げるその度に、
僕はどうしようもなく悲鳴をあげさせられる……!!
駄目だ!気持ちよすぎる!!こんなの我慢できない!!
「あああ、ああ、ああ……あひ、ひぁ、ふぁ、あああっ、あああああっ!!」
「どう……もう限界かしら……?ふふ、でも我慢なさい……今のお前はもっともっと
我慢できるはずよ……。」
満足そうに笑みを浮かべながら、しかしサキュバスは不思議な言葉を口にした。
「???……うああああっ、あああああ、ああ、うあああああ……!!」
僕はもうとっくに限界に来てしまっている……射精寸前で堪えながら、
しかしその意識も、圧倒的な快楽に呑み込まれてしまいそうだ……
これ以上、我慢なんて……!
「私のお乳は、感度だけでなく忍耐力も高める効果があるのよ……だから、今のお前は、
射精を我慢しようと思えば、どんな快感を与えられても耐えられるの……。
そうでなければ、……ふふ、お前はとっくに精を放っているはずよ……うふふ……。」
サキュバスはそう言いながらゆっくりと身をくねらせ、さらに僕のペニスを責め嬲る。
「ぁああっ、くふぅっ、ああ、ど、どうして……?」
「ふふふ、お前の精を搾り取るのはたやすい事よ……でも、それだけじゃ駄目……。」
「ああ、うう、うぁあああ、あひ、ぃああああ……!」
「お前が女肉の快楽に溺れ、自分の意志で私に精を注いでこそ、本当の意味でお前を
堕落させたと言える……そう、お前の精神を快楽で屈服させる必要があるのよ……。」
「あああ、くあ、あああああ、じゃ、じゃあ、ああ、あひっ、あああああっ……!」
「ふふ……そうよ……お前が自ら進んで私に精を放つまで、
徹底的に責め嬲ってあげる……徹底的に、ね……ふふふふふ……
どこまでもつかしら……ふふふ……ふふふふふ……。」
喘ぐ僕をじっと見つめながら、サキュバスは楽しげに笑った。
「ふふ……さあ、続けましょうか……うふふ……。」
そう言いながらサキュバスは一層大きく身をくねらせ、
再び胸の谷間でペニスをしごき続ける。
にゅる、むにゅっ、ふにゅ、ふにゅ……。
「ひああ、あう、くはあ、だめ、えぁあああっ!」
さらに、乳房を支えている手に力がこもり……
どぷどぷどぷっ!!
「あぎいいいいっ!!」
またサキュバスのお乳が迸り、生温かく、ぬるぬるのお乳が股間に浴びせられる!
そして、ペニスを咥え込んだ乳房が、たっぷりとお乳をペニスに塗り付けてくる!!
快感が一気に倍増して、僕は雷に撃たれたようにのけぞった!!
「ふふ、気持ちいいでしょう?じゃあ……これはどうかしら?」
ちゅぷっ!!
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
ペニスの先端に、サキュバスの唇が吸い付く!!そのまま亀頭を咥え込んで、
カリ首を柔らかな唇で包み込んでやわやわと揉みたてる!!
さらに、一番敏感なところを舌先でちろちろとくすぐってくる!!
暴力的なまでの快感に、全身ががくがくと痙攣する!!助けて!!
気持ちよすぎて、もう……!!
……それでも、塗り付けられたサキュバスのお乳のせいか、
僕のペニスは射精寸前で堪え続けている……
サキュバスの胸の間に埋もれてでひくひくと痙攣し、明らかに限界が来ているのに……
いや、もう快感そのものはとっくに限界を超えている、
普通の状態でここまで気持ちよくさせられたら、きっといきっぱなしで気が狂って
死んでいるだろう……なのに……まだ僕は堪え続けている……
耐えている……まだ耐えられる……そうだ……耐えなきゃ……!
でも……いきたい!……だ、出したい!!
限界を超えた快感で責められ続けて、もう僕は……!
だめだ!我慢しなきゃ!!ここで出してしまったら、僕は本当に堕落してしまう!!
ああ、でも……神様!助けて……!助けてください……!!
「ふふふふふ……ますますいい表情になってきたわ……いきたいんでしょう……?
出したいんでしょう……?いいのよ、我慢しなくても……。
思いっきり出しなさい、私のお口に……そして、お前は私のものになるのよ……。」
顔を上げ、股の間からじっとこっちを見据えて囁くサキュバス……
そして、再びサキュバスの顔が股間に降りていく……。
じゅぷっ!!
今度は、根本までサキュバスの口に呑み込まれる!!
そして、唇でペニス全体をねっとりと包み込み、ゆっくりと顔を上下させて
しごきたてる!!さらに、舌全体を使って裏スジをれろれろと舐め回し、
根本から先端まで丹念に舐めしゃぶってくる!!
「あぎぁああああ!あああああああ!!ふあ、あがっ、あぁあああああ〜〜〜っ!!」
「ふふふ……ふふふふふ……。」
そして、サキュバスの乳房はペニスの根本から太股までむっちりと包み込み、
表面をうねうねと蠕動させて股間全体を撫でさすり始める!
もはや手の支えも必要とせず、まるで意志を持った生き物のように、
二つの大きな肉の塊が股間を包み、やわやわと蠢いて僕を責め嬲る!!
それだけじゃない!乳首が太股の付け根をくすぐってる!
ぬるぬるのお乳をまき散らしながら、
ちろちろと蠢き、ペニスと太股の間をくすぐってる!!
「ひあ、ああ、あひあああ、ひ、ひぃああああっ!!あひ、あひ、あひゃあああ!!」
「ふふふふふ……ふふふふふふふ……。」
ペニスを咥え込んだまま、くぐもった声で笑うサキュバス。
僕は地獄の快楽にただ悲鳴をあげさせられ続ける……!!
「ひがあああっ、うあ、やめ、やめてぇっ!!あああああっ!あっあああああ!!」
しかし、サキュバスがこれでやめてくれるはずもなかった。
「は、ぐぁあっ!!」
サキュバスの手が股間に!
袋をさわさわと撫でさすり、指先で蟻の戸渡りをこちょこちょとくすぐってる!
指が袋の皺をなぞる度に、背筋をぞくぞくと快感が駆け上がる!!
「ふふふふふ……。」
さらに、もう一方の手が肛門をくにゅくにゅと刺激する!!
股間全体に粘りついてるぬるぬるのお乳をすくい取って、
お尻の穴ににゅるにゅると塗り付ける!!
「はぁああああ……あああああ、あふ、ふああ……ぁあああああ……!!」
新たな快感が僕を包み込む……お尻の穴がとろけそうだ……!
肛門の皺の一つ一つにサキュバスのお乳が染み渡っていく……
強力な媚薬であるサキュバスのお乳をたっぷりと含まされて、
僕のお尻はこれ以上ないぐらいに敏感にさせられていく!
そして……
つぷうっ!!
「あぎいいいいいいいっ!!!」
サキュバスの指が肛門を貫いて、じゅぽじゅぽと出し入れを始める!!
その度に、肛門の粘膜から新たな快感が全身に走り抜ける!!
粘液まみれの指が肛門を押し拡げる度に、
そして、すぼまりをこすりながら抜き出される度に、
お尻の穴から拡がる快感が全身を包み込む!!
「あぅ、うう、うああああっ、あがぁああああああ!!」
「ふふふ、どう……女の子みたいに貫かれる気分は……?」
のたうちまわる僕の頭に、サキュバスの囁く声が響く……
ペニスを根本まで呑み込んだまま、直接僕の頭の中に話しかけてくる!!
「うふふ……ひくひくいってる……いやらしい子……。」
楽しそうな、しかし陰湿な響きを含んだサキュバスの声が、僕を嬲る……。
「ああ、ああ、あああああっ……!!そんな、そんなぁ……!!!」
「……まだまだ、こんなものではなくてよ……さあ、もっと鳴かせてあげる……。」
ちゅぽ、と抜かれる指。次の瞬間、
どすぅっ!!
「ぎゃあああああああっ!!あ、あがあああああああっ!!!!!」
2本の指が一気に突き入れられた!!さらにぐりぐりと腸の中をかき回し、
一層激しく出し入れを繰り返す!!
「あぎあああ、やめてぇっ!!いがぁあああっ!!」
2本に増えた指が、激しく肛門の粘膜をこする!その度に、
そこから全身を痺れさせるような快感の波が駆けめぐる!!
「うふふ、凄い声……。」
そう言いながら、なおも容赦なく僕を責め嬲るサキュバス……
抜き差しを繰り返すその指を広げて、さらに穴を拡げる!!
僕の穴は限界一杯まで拡げられ、今にも裂けてしまいそうだ!!
その痛みすら快感に変わり、僕は激しい快感に痺れる……。
「あああああ、ぐぎいいいいいいいっ、いぎっ、いああああ!!」
さらに、サキュバスの責めは僕の身体の奥底にまで伸びる!!
「ぐおおおおっ!!」
「くふふ……どう……?いいでしょう……?ここが、男の子の弱点なのよ……。」
サキュバスの指先が、僕の身体の奥をぐにぐにと押している!!
「はあ、ああ、あああ、あぎい、いあ、あふ、ふああああ……!!」
ぐりぐりと押される度に、そこから尽きることのない快楽が溢れ出してくる!!
「さあ、もっと押してあげる……快楽のスイッチを……ふふふ……ふふふふふ……。」
肛門を貫くサキュバスの指が、さらに激しく前立腺を刺激する!その刺激を受け、
既に限界まで勃起していたはずのペニスが、さらに硬く、大きく張りつめる!!
ビキビキと音がしそうな程に膨れ上がり、今にもはじけそうだ!!
そのガチガチになったペニスに、なおも容赦なくサキュバスの唇が襲いかかる!!
激しく顔を上下させ、じゅぽじゅぽと音を立てながらペニスをしごく!!舌も、
裏スジ全体を包み込んで妖しくのたうち、敏感なポイントを的確に責めたててくる!!
「ふぎいいいっ、いっ、がっ、あああああっ、あふぁあああああああっ!!!」
「ふふふふふ……よく我慢してるじゃない……?
ここまでされてまだ出さないなんて、大したものだわ……。」
頭の中に直接囁きかけてくるサキュバス。その間も、ひとときも休むことなくペニスを
舐めしゃぶり、僕を快感で責めたてる。サキュバスの声はなおも続く。
「ねえ、あなた本当はもっと責めて欲しいんでしょう……?
だから、必死に我慢してるんじゃなくって……?ふふふふふ……そうでしょ……?」
「なっ……そんな、ああ、違う、違うううっ、あああああああああっ……!!!」
首を振って否定する僕を、サキュバスはなおも追いつめる。
「ふふ……いいえ、あなたはこの快楽を楽しんでるのよ……
だから、どんなに気持ちよくされても我慢できるのよ……
我慢すれば我慢するほど、気持ちよくしてもらえるから……。
いってしまったら、快感が終わってしまうから……。
おまえが射精を堪えてるのは、神様の教えを守ってるからじゃない……
私に、もっともっと気持ちよくしてもらいたいから我慢してるのよ……ふふふ……。
……いやらしい子……くふふふふ……。」
「ああっ、そんなぁっ……違う、そんなんじゃ……ああ、はぁあああっ!!」
サキュバスの指がさらに強く前立腺を押し込む。
「うふふ……違わないわ……お前はもう神の教えを忘れて、快楽に溺れているの……。
……そうでしょう?ふふ、こんなに責められてもまだ満足できないのね……。」
「違う、ちがうううっ……ああ、そんな事言わないでぇ……。」
「淫らな欲望に耽って、自ら性の快楽を求めて……
そんなお前に、神を信じる資格なんてないわ……
ふふふ、今の、そのいやらしい顔を神様に見せられるかしら……ふふふふふ……。」
「ああ……そんな、そんなぁ……ちがう……そんなんじゃ……ちがううう……。」
サキュバスは一層意地悪な笑みを浮かべて僕を見つめながら、
なおも激しくペニスを責めたてる……僕のペニスを根本まで呑み込んで、
唇でじゅぽじゅぽとしごきあげながら、舌でれろれろと舐め回す……。
さらに、唇をすぼめてきゅうっと強く吸い上げる!!サキュバスの口の中の粘膜が
ぴったりとペニスに吸い付き、温かな、ぬるぬるした感触で包み込む……!!!
ああ、しかも強く吸い上げられると、口の中でペニスが一層膨張するような感覚が……
あああ、精液を吸い出されてしまいそうだ……あああああ……!!
そして、股間はむにむにと蠢く乳房に覆われ、蠕動する肉の感触の中に埋没している……
ぬるぬるねばねばと絡み付くサキュバスのお乳が潤滑油となって、まるで女の肉襞の中に
呑み込まれてしまったかのような、いや、それすら遥かに超えた強烈な快感が、
股間全体から吹き上げる!!ああ、もうこれ以上は我慢しきれない!!
ああ、助けて!!で、出ちゃう!!
その下では、サキュバスのしなやかな指が袋を包み込み、やわやわと揉みたてる!!
その指使いは絶妙で、無数の触手に撫で回されているみたいだ!!
さらにその下では、肛門をえぐる指が3本に増え、僕の肛門は容赦なくこすられ、
貫かれる快感と排泄の快感の間を行ったり来たりさせられる!!
そして深く指を突き入れる度に、身体の奥に潜む快楽のスイッチをぐにぐにと
揉みしだかれて、僕はペニスをびくびくとわななかせてよがり狂わされる!!
も、もう、だめだ……!限界だ……!!もう、我慢できない……!!
出したい……!出してしまいたい……!!……もう、もう……出る……出す……!!!
「ふふふ……もう限界ね……いいのよ……いっぱい出してちょうだい……。
そして、お前は神を裏切って、私のものになるの……ふふふふふ……。
苦労して旅を続けて、聖地を目の前にして……お前は堕落の道を選ぶのよ……
ふふふ……ふふふふふ……ほほほほほ!!」
勝ち誇って笑うサキュバス。しかし、その言葉が、折れかかっていた僕の心に響く……
そうだ……!ここまで、半年以上もつらく苦しい旅を続けてきたんだ!
今より辛い事もあった、本当に死にそうになった時もあった、
それでも……『聖地にたどり着きたい!!』その想いだけで、
ここまで、あともう少しと言うところまでやって来れたんだ!!
ここまで来て、ここまで来てこんな誘惑に負けるわけにはいかないんだ!!
そうだ、これは最後の試練なんだ!!このサキュバスの誘惑に耐え抜ければ、
僕は胸を張って聖地を踏みしめることができる!!
なんとしても、耐えきってみせる!!!
きっと、朝まで耐えきればサキュバスも諦めるだろう、それまでなんとか……。
「ふふ、朝は来ないわよ……。」
僕の考えを見透かしたように、サキュバスが囁く。ぎょっとする僕。
「もう忘れたのかしら……?ここは、私の創った夢の世界なのよ……だから、全てが
私の思うがまま、って言ったでしょう?そう、どんなに我慢しても、朝は来ない……。
いくら頑張っても無駄なのよ……。いくら我慢しても、快楽が増していくばかり……。
お前が我慢しきれなくなるまで、どこまでもどこまでもよくしてあげる……。
ふふふ……分かったでしょう……?お前の運命はもう決まってるのよ……。」
「……そ、そんな……そんな……
ああ、はぁあああ、ああああああああ〜〜〜〜〜っ!!!!!」
その瞬間、僕の心の中で何かが弾けた。
心が絶望に押しつぶされ、理性は快楽に打ち砕かれる……
もうだめだ……いくら頑張っても無駄なんだ……ああ、股間から全身に伝わる快楽の波が
どんどん大きくなる……今まで抑えていた快楽が、堰を切ったように
どっと吹き出してきて、お、抑えようが……あ、ああ……
あああああっ!だ、だめぇっ!もう、どうしようも……どうしようもなくきもちいい!!
「はあああ、ああ、ああ、あああああっ!!!あっあっ、あぐぁああああああ!!!」
……か、神様……ゆる……して……くださ……い……。
どぶどぶどぶどぶどぶ〜〜〜〜〜っ!!!
尿道を激しく震わせて、迸る液。溜まりに溜まっていた精液が、
ペニスを根本まで咥え込んだサキュバスの口の中に、一気に噴き出した!!
「んん!!」
どぷどぷと激しく吹き出す精液の勢いに、思わず声を上げるサキュバス。
それでも、咥えたペニスは離さない……
ごきゅごきゅと喉を鳴らして僕の精液を飲んでいる……。
「あああああ、はぎぃあああっ!!あっ、あっ、あっ、あああああああああっ!!!」
僕は全身をびくんびくんと痙攣させながら、激しく精を放つ……
止まらない……止まらない……射精が、射精がどこまでも終わらない!!
びゅるびゅるびゅるびゅる……びゅるびゅるびゅるびゅる……
……永遠に続くかと思うほど、長い長い射精が続き……
そして、ようやく僕のペニスは液の噴出を終えた……
まだ、快感の余韻にひくひくと痙攣を続けている……。
ちゅぽ……。
最後の一滴まで残さず吸い上げて、ようやくサキュバスの唇がペニスを解放する……。
ゆっくりと顔を上げ、満足そうな笑みを浮かべて僕を見つめるサキュバス……。
こく……と、喉が動いて最後の一口を飲み下し、
口の端に残った精液を指先ですくい取って見せつけるような仕草でぺろ、と舐めると、
ゆっくりと僕の股間から這い上がって来る。
そして、僕の視界いっぱいに、サキュバスの花のような笑顔が広がった。
「ふふふ……どう、神の教えを破った気分は……。」
人智を超えた快楽の余韻にぼやける視界の中で、サキュバスが僕を見つめている……。
僕は強烈な射精の直後で、放心状態でサキュバスの顔に見とれる……。
……ああ……僕はとうとう精を放ってしまった……サキュバスの誘惑に負けて、
欲望のままに……快楽に溺れてしまった……。
「うふふ……朝まで我慢すれば、私も諦めるしかなかったのに……。」
「なっ……何っ!!……あ、朝は来ないって……!」
驚く僕を見て、サキュバスの顔にこの上なく邪悪で、淫らな笑みが広がった。
「ほほほほほ……駄目よ、悪魔の言う事を簡単に信じちゃ……
……そんな事では、やっぱり神を信じる資格はないわねぇ……ほほほほほ!」
「……あ、ああ……そんな……それじゃ……それじゃ……あああ……!!」
「そうよ、お前は悪魔の言葉を信じて、自ら神の徒であることをやめたのよ……。
本当に神を信じているのなら、私の言葉なんかに惑わされずに、たとえ永遠でも、
私の快楽責めを耐えつづけたはずよ……でも、お前はそうしなかった……。
朝まで耐え抜けば助かったのに、お前は耐えることをやめた……。
お前は神の教えを捨てたの……そう、お前の魂は、今こそ堕落したのよ……!!」
サキュバスの非情な宣告が、僕の心を貫いた。
僕は、その衝撃に打ちのめされる……ああ……僕は、取り返しのつかない事を……。
もう本当に駄目だ……終わりだ……僕は、僕は……自ら信仰を捨ててしまったんだ……。
もう、神様も僕を見捨ててしまったに違いない……ああ、ああ……。
絶望に身を震わせる僕に、サキュバスは甘く囁く。
「ふふ……大丈夫よ、安心なさい……神に見捨てられたのなら、ふふふ……
……私がお前の神になってあげるわ……ふふ……ふふふふふ……。」
そう言いながら身を起こすサキュバス。
そして、僕の身体にまたがり、視線を落とす……。
視線の先には、射精を終えたばかりの僕のペニスがあった。
精をごっそり吸い取られて、すっかりしぼんでしまっている……。
「さあ、これからは私がお前の神様よ……貢ぎ物をちょうだい……
……お前の熱くたぎる精を、一滴残らず私に捧げるのよ……!」
そう言いながらサキュバスがペニスに触れると、僕の身体に再び快感の電流が走る!!
「はぐっ、ぁああああ、やめてっ、あがあああああああ……!」
射精直後で過敏になっている身体にさらなる快楽を与えられ、僕はびくびくと身体を
わななかせる……そして、精を放って間もないはずのペニスが、サキュバスの手の中で
むくむくと勃ち上がる!!そう、この世界では全てがサキュバスの思うがまま……
僕のペニスも、ひとときの休息も許されず、再びビンビンに勃起させられる……!
「ふふふ……休んでる暇なんてなくてよ……さあ、いらっしゃい……
……私の体の中へ……魔界の快楽を味あわせてあげる……。」
サキュバスは僕のペニスに狙いをつけて、ゆっくりと腰を降ろしてゆく……。
そして……。
ぬちゅ……
「いぎっ、ぎぁあああああああっ!!」
ペニスの先端にぬるっとした感触が走る。それだけで、僕の全身に強烈な痺れが走る。
サキュバスがさらに腰を降ろすと、たっぷりと愛液を含んだ粘膜が、
ぬるりとペニスを咥え込む……僕のペニスは、熱くとろけた女の肉の感触に、
根本までねっとりと呑み込まれた!!
「あが、がはぁああっ!!あぐぁ、あああっ!!あっ、ああっ、あぎいいいっ!!」
「ふふふふふ……どう……私の中……気持ちいいでしょ……?」
サキュバスの甘い囁きを聞く余裕もなく、僕は全身を駆けめぐる強烈な快感に、ただただ
悶え狂う。さらに、ペニスを包み込む肉襞がやわやわと蠢いて、まるで無数の淫らな舌に
よってたかって舐め回されているかのような快感を送り込んでくる!!
さっきのフェラチオとは比べ物にならない、まさにこの世のものではない魔界の快楽……
サキュバスにとっては、今までのはほんのお遊びだったんだ……!!
あ、ああ……!気持ちよすぎる!!こんなの耐えられないっ!!
「あぎやああああ!!あああ、がああああああああっ!!!」
常軌を逸した異次元の快楽に、僕はあっと言う間に昇り詰め、
こらえようもなく、2度目の射精が迸る……
「……出しちゃ駄目!!」
その時突然、サキュバスが叫んだ。その声にびくっと驚く僕。
しかし、次の瞬間、さらに異常な事態が起こった。
サキュバスの声に答えるように、吹き出す直前で射精が止まってしまったのだ。
しかも、射精の瞬間の、どうしようもなく精が溢れ出る感覚をペニスに留めたまま。
「は、ぐあっ、あああ、あああああっ……!!」
ペニスを捉える異常な感覚に、僕はなす術もなく身悶える。
気持ちよすぎて射精を堪えられない!!なのに、出ない!!出せない!!!
「ふぁああああ……ああ、あああ……あ、はぁう、くぅううう、あああああ……!!」
「ふふ、いかが?我慢の限界を超えて精を放つ、一番気持ちいい瞬間で止められて、
いつまでも終われない気分は……最高でしょ……ふふふふふ……。」
そう言いながら、サキュバスはなおも無数の肉襞を蠢かせて、僕を嬲る……。
腰は動かさず、肉襞の動きだけで僕をよがり狂わせる……!!
「はぐあ、ああ、助け、えげっ、あっ、助けてぇ!!えあ、あああああっ!!!」
人の身体が、精神が耐えきれない極限の快楽を際限なく与えられ続け、
僕は半狂乱になって叫んだ。
「うふふ、助かりたい?……だったら……『出させて下さい』って、お言いなさい……。
屈服の証として、精を捧げたいと、捧げさせて欲しいと、その口で言うのよ……。」
「あああああ……ああ、そ、そんな……あ、あがあああ!!ぎひぃいいいいい!!!」
射精の感覚を固着させられてしまったペニスを、無数の肉襞がさらに責め嬲る。
射精の瞬間のペニスにさらに刺激を加えられ、僕の身体をさらなる魔の快楽が襲う!!!
さらに、サキュバスの女陰全体が、ぐにゅぐにゅと伸縮と蠕動を繰り返し、
ペニスを容赦なく締め上げ、揉みしだき、しごきたて、弄ぶ!!!
「あああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!」
「言わないと……もっともっと気持ちよくされちゃうわよ……さあ……お言い……。
『私はあなたのしもべです、あなたに私の精も、命も、魂も捧げます』と……
言うのよ……!さあ、早く……!!」
妖しい輝きを宿らせた瞳で、僕の目をじっとのぞき込みながらサキュバスは囁く。
もう、全身を駆けめぐる快楽は、むしろ苦痛に変わっている……
気持ちよすぎて、それが地獄の責め苦になっている……!
「さあ、言いなさい……!!」
どんどん苛烈さを増していく快楽地獄に、僕はとっくに忍耐力も、精神力も
限界を超えてしまっていた……サキュバスに命じられるまま、
屈服の言葉を口にしようとする……しかし、その瞬間……。
サキュバスの腰がゆっくりと動き出す……ねっとりと腰をくねらせ、
蜜壷全体でペニスをしごきあげ、僕をさらなる快楽地獄の深みに引きずり込む!!
「あふあああああああ、あああああ……ひう、うああああ……!!」
「ほら、早く言ってちょうだい……ふふふ……。」
よがり狂う僕を見つめながら意地悪く笑うサキュバス。
「あああああ、い、言い、ああ、言いま、がぁあああ、いい、いぎぁあああああっ!!」
「ふふふ……なぁに?……なんて言ってるのか分からなくってよ……ふふふふふ……。」
そう言いながら、サキュバスは腰を妖しくくねらせ、さらに僕のペニスを責め嬲る……
腰の動きが徐々に速く、リズミカルになっていく……!!
「わた、あぎっ!!い、いぎぁ、あな、ぐああっ!!!し、し、いぎいいいっ!!!」
「くふふふふ……もっとはっきり言ってちょうだい……聞こえないわ……。」
言いながら、一層激しく腰を振るサキュバス。僕は、一瞬も途切れることなく
与えられ続ける地獄の快楽の為に、まともに喋ることもできない……
……サキュバスは、それを知っていてわざと僕を責め続ける……!!
「ふふふふふ……早く言わないと、どんどん気持ちよくされちゃうわよぉ……?
……ふふふふふ……ほら、早く言いなさい……ふふふふふ……ほほほほほほほ……!」
「あっ、あがっ!!あ、あ、……!!…………!!!……!!……!!!!!」
「ふふふふふ……どぉしたのぉ……?もう声も出せないのかしら……?
困ったわねぇ……このままじゃ、どこまでもどこまでもよくされちゃうわよぉ……
くふふふふ……ふふふふふ……ほほほほほ……ほほほほほほほほほ……!」
あざ笑いながら、サキュバスはますます激しく僕を犯す。
僕は目をかっと見開き、涙をぼろぼろとこぼしながら身を硬直させ、小刻みに震える
以外何もできない……なす術もなくサキュバスに貪られるばかり……。
サキュバスの責めはいつまでもいつまでも終わることがなく、
僕は限界を遥かに超えて、どこまでもどこまでも高みにのぼらされていく……。
「ほほほほほ……ほほほほほほほほほ……ほほほほほほほほほ……。」
サキュバスの笑い声が響きわたる中、僕の意識は快楽の闇の中に呑み込まれていく。
薄れゆく意識の中で、サキュバスの笑う声と、ペニスから全身に駆けめぐる
地獄の快楽だけが、いつまでも鮮明に残っていた……。
…………………………。
……………………………………………………。
………………………………………………………………………………。
僕は、暗い暗い闇の中を漂っている……。
何も見えない、何も聞こえない……。
僕は死んでしまったのか……?
ただ、闇の中の静かな流れに流されて、
緩やかに、僕は漂っている……。
と、僕を包む流れに変化が起こる。
何か、ゆっくりと昇っていく感じがする……。
僕はその流れに乗って、ゆっくりと昇っていく……。
ゆっくり、ゆっくりと意識が浮かび上がって、
そして、再び身体に感覚が戻ってくる……。
僕は、ゆっくりと目を開く……。
「ふふふ……お目覚めかしら?」
サキュバスの淫らな笑みが、視界に広がる……。
「あ……あああああ……はああああああああ……!!」
同時に、全身をなおも包む魔の快楽も蘇る。
サキュバスは腰を振るのを止め、ペニスを咥え込んだ肉襞も動きを止めている。
しかし、ペニスは射精を強制的に止められたままで、
精を絞り出される感触もそのまま残っている……!!
「さあ……言いなさい……。」
再び屈服の誓いを迫るサキュバス。
「ああ……言います……言いますから……もう責めないで……。」
その途端、サキュバスの腰が激しく動き、肉襞がペニスを責め嬲る。
「ひがっ、あぎいいいい!!いっいっ、ぎぃあああああああああっ!!」
再び絶叫させられる僕。サキュバスはひとしきり僕を責めると、
僕の耳元に唇を寄せ、子供に教え諭すように囁く。
「お前はわたしの言うとおりにすればいいの……
……『責めないで』なんて、言えとは言ってないわよ……。」
「はあ、あああ……。」
僕は全く逆らえない……逆らえば再び快楽地獄に堕とされてしまう……。
その快感と苦しさ、恐ろしさをさっき嫌と言うほど思い知らされた……。
もう駄目だ、僕はこのサキュバスのいいなりになるしかないんだ……。
「ふふふ……解ったわね……お前は、もう私の言うとおりにするしかないの……。」
「う、うう……。」
「お前は私には逆らえないの……私の命令には、服従するしかないのよ……。」
サキュバスの囁く声が、一言、一言、熱い吐息と共に耳から頭の中に
入り込んでくる……甘く薫る吐息に、僕の意志も、思考も、意識も包まれて、
僕は、サキュバスの与える甘美な感覚に徐々に酔いしれていく……。
サキュバスの囁く声に、僕は徐々に意識を囚われていく……。
虚ろな目でサキュバスを見つめる僕、サキュバスはその様子を満足げに見おろす……。
「さあ、私の言う通りに、続けて言いなさい……。『私はあなたのしもべです』……。」
「……わ、わたしは……あな……たの……し、もべ……です……。」
「『私の精も、命も、魂も、全てあなたに捧げます』……。」
「……わたしの……せい……も……いの……ちも……たまし……い……も……
……すべて……あな……た……に、ささげ……ま……す……。」
「ふふ……『隷従の証として、あなたに精を捧げさせて下さい』……。」
「れい……じゅうの……あかし……とし……て……あな……たに……せいを……
……せいを……さ、ささげさせて……ささげさせてください……!!」
「ふふふふふ……よく言えたわねぇ……これでお前は完全に私のものになったのよ……
死ぬまで一生、いいえ、たとえ死んでもお前の魂は私の魔力に縛られて、
永遠に私のもとから逃れることは出来ないの……ふふ、安心なさい、
お前が死んだら、主人の私が蘇らせてあげる……。そして、また死ぬまで
精を搾り取ってあげる……何度でも、何度でも……未来永劫……ふふふ……
……さあ、ご褒美をあげる……思う存分、いきなさい!!」
その言葉と共に、僕の身体に変化が起こった。
僕の身体の内側で行き場を失ってぐるぐると渦巻き続ける快楽の奔流……
その流れの出口が、今、開かれて……!!!
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ぼじゅううううううううううううううう〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!!!
下半身が爆発したかのような感覚!!!!!
まるで火山の爆発のように、精液がじゃぶじゃぶと噴き出るっ!!
「ほほほほほ!!出てるわ!!いっぱい出てるうっ!!!そうよ、もっともっと
いっぱい出しなさい!!!お前の精も、命も、魂までも、一滴残らず
搾り取ってあげる!!!ほほほ、ほほほほほ、ほほほほほほほ!!!!!」
「!!!!!、!!!、!!!!!!!!!、!!!!!!!!!!!!!!!!」
僕は目も口も限界まで開き、背中も限界までのけぞらせた姿勢で石のように硬直し、
もはや、喘ぐことも、もがくことも、痙攣することすら許されず、
ただひたすら精を搾り取られていく……。どこまでも、どこまでも……。
「ほほほほほ……いいわぁ……お前の精……とっても美味しい……!
ああ……私の膣の中で……お前がびくびく震えてる……とっても気持ちいい……
……お前も……感じるでしょう……?もっと感じてちょうだい……そして……
もっと、もっと私に精をちょうだい……ほほほほほ……ほほほほほ……。」
サキュバスは再び激しく腰を振り、中を埋め尽くす無数の肉襞も、一枚一枚が
自らの意志を持って、よってたかって僕のペニスを責め嬲る……ただでさえ
激しい射精を続けているペニスを……さらに、さらに激しい射精へと導いていく……!!
「ほほほ……もっと、もっとよ……ほほほほほ……もっとよくしてあげる……。」
激しく僕を犯し続けるサキュバス……その快楽に、僕のペニスは一層激しく
精を噴き上げる……止まらない……止まらない……!!普通なら、とっくに
枯れ果てているはずの量の精を放ってなお、どくどく、びゅくびゅくと
サキュバスに求められるままに精を迸らせている……!!!
さらに、サキュバスは自らの乳房に手をあてがい……。
どぷどぷどぷうっ!!!
ま、またあのお乳が!!今度は僕の全身に、あの媚薬のお乳がかけられる!!!
ああ、ぬるぬるねばねばと全身に絡み付く感触が……
そして、じんじんと痺れるような、熱く火照る感覚が……!!
サキュバスは、僕の身体にたっぷりとお乳をかけると、その上に覆いかぶさる……。
ぬちゃり。
「!!!!!!!!!、!!!!!!!、!!!!!!!!!!!」
神経をむき出しにして直接愛撫されているような、常軌を逸した快楽が全身を包む!!
僕の身体は限界を超えてさらにのけぞる……全身の筋肉が、びきびきと音を立てる……!
限界を超えた負担に、身体が悲鳴をあげている……!!
そんな僕の身体にねっとりとまとわりつくサキュバス。のけぞる僕の背中に手を回し、
お乳をたっぷりと塗り付けながら愛撫する……さらに身体を妖しくくねらせ、生白い
柔肌を僕の身体にすり寄せる……。
にゅる、にゅる、ぬりゅ、ぬりゅ……。
「!!!……!!!!!……!!…………!!!!!……!!…………!!」
全身に、容赦なく流される快楽の高圧電流。視界にばちばちとスパークが走る!!!
びゅーーーーーーーーーーー!!!!!!
射精が、射精がますます激しくなって、もう何が出てるのかも分からない……!!!
体中から、何かがどんどん奪われていく……どんどん搾り取られていく……!!!!!
射精地獄の中で、僕の意識も快楽の泥沼に呑み込まれていく……!!!!!
サキュバスは僕の首筋に舌を這わせながら、耳元で甘く囁く……。
「ほほ……もう限界ね……いいわ、私に全てを捧げてお死になさい……
ふふふ、お前は今、ここで死ぬの……人としての人生はここでおしまい……
……そして、私のしもべとして生まれ変わるのよ……
ほほほほほ……ほほほほほ……ほほほほほほほ……ほほほほほほほほほ……!!!」
サキュバスの笑い声と、全身を駆けめぐる地獄の快楽とに包まれて、
僕は深い深い闇の奥底へと堕ちていく……何もかも吸い取られていく……。
精も命も魂も、魔界の快楽と引き替えに奪い去られて……堕ちる……堕ちる……!!
チュン、チュン……。
眩しい光が視界を満たす。
「う……。」
目を開ける僕。部屋の中に射し込む朝日が夜の終わりを、
鳥のさえずりと町のざわめきが新しい一日の始まりを告げる。
僕はベッドから身を起こす……シーツの乱れも、汚れもない。
まるで、ゆうべの出来事がただの幻だったかのように……。
しかし、部屋の中にほのかに漂う残り香が、ゆうべの性の狂宴が
決して嘘でも幻でもない事をはっきりと物語っていた。
身支度を整え、僕は部屋を出た。
宿屋のおやじが掃除をしている。僕に気づき、声をかけてきた。
「おはよう、ゆうべはよく眠れたかい?」
「ああ、どうも……。」
「……どうした?顔色が良くないみたいだが……風邪でもひいたか?」
「……いえ……大丈夫です……なんでもありません……。」
「そうかい……?まあ、気をつけてな。」
「ありがとうございました、では……。」
怪訝そうな表情のおやじに礼を言って、僕は逃げるように宿屋を後にした。
ラドブールの町を歩く……朝の市場が始まり、町は行き交う人々でにぎわっている。
活気に溢れた町並み、清々しい朝の空気、燦々と降り注ぐ朝日……
……しかし、今の僕には、それら全てがひどく空虚なものに見えた。少なくとも、
この世界は僕の世界ではないように思われた。
やがて僕は大きな三叉路にたどり着く……
ここを右に折れれば、町の外のノーマン街道へと向かう……
僕は立ち止まり、じっと道を見つめる……。
……この先に、僕の目指してきた聖地クローラムが……僕の旅の目的地がある……。
しばらくの間、ノーマン街道へ向かう道を眺めていた僕は、
やがてゆっくりと踵を返し、反対側の、左側の道へと足を向けた……。
細い路地へ入っていき、さらにしばらく歩く……。
そして……。
「ふふ、そろそろ来ることだと思ってたわ……。」
僕の目の前で、黒いドレスを身に纏った女が妖艶な笑みを浮かべている。
後ろにある館には、『黒翼館』と書かれた看板が下がっている……。
「さあ、いらっしゃい……今日から、お前はここで暮らすのよ……。」
そう言いいながら扉を開け、女は僕を館の中に招き入れる。
僕は導かれるまま、ふらふらと館の中に入る……。
その背後で、僕と、僕のいた世界とを隔てる扉がガチャリと音を立てて閉じられた。
館の中は、小さな酒場のようになっていた。椅子とテーブルが並び、カウンターの中には
酒瓶が並んでいる……奥の方には2階と、地下へと続く階段が見える……。
そして、色とりどりのドレスを身に纏った女達が、テーブルやカウンターの席に座って、
めいめいにくつろいでいた。皆、若くて美しく、そして魔界の妖気を漂わせていた……。
「あら……お客様?」
入ってきた僕に気づいて、ゆっくりと立ち上がる女達。
「いいえ、この子は新しい『贄』よ……。」
僕の背後で黒いドレスの女が答えると、全員の表情が変わった。
妖艶な笑みが、一層淫靡な陰を帯び、
獲物を見る目つきで、ご馳走を見る目つきで僕を見つめる。
「そう……ふふ、今度の贄はおいしそうねぇ……。」
「ふふふ……ちょうど良かったわ……下の子達、いいかげん弱っちゃってるから、
そろそろ活きのいいのが欲しかったのよね……うふふふふ……。」
「この子は、もう調教は済んでるのかしら?」
「ふふ、ゆうべたっぷりと魔界の快楽を教えてあげたわ……もう完全に私の虜よ……
……ふふふ、その子の精、とっても美味しかったわよ……。」
「そうなの?うふふ、それは楽しみだわ……じゃあ、これからみんなで、
じっくりといただくとしましょう……ふふふ……ふふふふふ……。」
女達は僕を見つめながら、笑いさざめく。
その視線に絡め取られるように、僕の足がひとりでに前に進む。
自分がこれからどんな地獄に堕ちるのか知っていながら、いや、知っているからこそ、
僕は女達の元へと吸い寄せられていく……ゆうべ味わった魔の快楽……その記憶が、
女達の放つ妖気に反応し、僕の身体の中でどうしようもない疼きとなって、
僕を破滅の快楽へと誘う……。
僕は女達の輪の中へと自ら入っていく……虚ろな瞳で……
女達が僕に群がる……僕は、色とりどりののドレスの中に埋もれていく……
「ああ……あああああ……はああ、あああああああああ……。」
女達の手が、よってたかって僕の身体をまさぐる……
熱い息を漏らす僕に、黒いドレスの女が囁いた。
「ふふふ……これからずっと、お前はここで私達の贄として暮らすのよ……
二度と、この館からは出られない……未来永劫、私達に魔の快楽を与えられ、
私達に精を捧げ続けるの……。」
「ふぁあああ……あああああああ……ああ、ああ……あああああ……。」
「……ここが、おまえの旅の終着点……ここが、お前の聖地なのよ……
ふふふ、どう……幸せでしょう?……ふふふふふ……。
さあ、続きは下でゆっくりと楽しみましょう……。ゆっくりと、ね……
ふふふ……ふふふふふ……ふふふふふ……!」
ここは、ノーマン街道に面した町、ラドブール。
別名「巡礼街道」と呼ばれるノーマン街道の終着点、聖地クローラムを目前に控える町。
場所柄、長く過酷な旅をしてきた巡礼が、目的地を前にして旅の疲れをとるために
宿をとることが多く、宿場町として栄えている。
だが、この町に、巡礼を狙ったサキュバスが棲み付き、
幾人もの若い巡礼が餌食となって終わりのない性の快楽地獄に引きずり込まれ、
精を搾り取られ続けている事は、誰も知らない……。
「ふふふふふ……ふふふふふふふ……。」
「ああ、ああ、あひぃっ、いあ、あああああ……ああ、あああああっ!!」
「ほほ、いい声だこと……もっともっと鳴かせてあげる……。」
「あああ、は、あぐあ、あふ、う、ふああ、あああっ、あっあっ、あああああっ!!!」
「うふふふふ……また出たわ……ああ……おいしい……。」
「さあ、次は私の番よ……私にもちょうだい……お前の精を……。」
「うああああっ!!ああ、あぎっ、ひぃああああ……あああああ……!!!」
「うふふふふ……ふふふふふ……ふふふふふ……ほほほほほほほ……!!」
END
這篇超級精彩
白尾〜妖姫の玩弄地獄〜
行燈の明かりに照らされた薄暗い室内で、男達が何やら話し合っていた。
「御館様は今宵も『御殿』通いか……?全く……。」
「それにしても御館様は何をお考えか……このままでは崎山の国は滅び申すぞ……。」
ここは、畿内よりやや北東に外れた小国、崎山国。
応仁の乱以来、小大名や豪族が乱立し、混乱を極めたこの国も、赤城上総守憲正によって
平定され、束の間の平和が訪れていた。
この頃、畿内周辺の大名達は、こぞって将軍家や朝廷、公家との縁組みを進めていた。
それらの中央の権力との結びつきを深めることで、戦における大義名分を得ようという
わけである。憲正もまた、朝廷と深い関係にある公家、白尾家と交流を深め、昨年末に
蜜姫という姫を迎えたのであるが……。
「白尾家との婚礼が成った折りには、これで当家も安泰じゃと思うておったに……。
よもや、その蜜姫様がかような傾国の……」
「これ、めったな事を申すでない。」
「しかし……崎山一の豪傑と聞こえた御館様が、かようなまでにお変わりあそばす
とは……げに、女性(にょしょう)の色香とは恐ろしきものよ……。」
蜜姫は、たいそう美しい姫であった。流れるように艶やかな黒髪、雪のように白い柔肌、
血のように紅い唇、そして、何か不思議な輝きをたたえた、潤んだ瞳……。
憲正は、瞬くうちに蜜姫の虜となった。彼は政治を省みなくなり、蜜姫にねだられる
ままに着物や宝物を与え、果ては城下に『蜜姫御殿』と呼ばれる豪華な屋敷を建てて
そこに蜜姫を住まわせ、夜ごと通うようになった。
国政は筆頭家老の前川義照を中心に、家臣達だけで行うこともできる。
だが、この乱世にあって、国の長が女に狂って腑抜けというのは深刻な事態である。
国境を接する黒部、橘、高桑といった大名達が、この国を虎視眈々と狙っているのだ。
元々赤城家は、憲正個人の武勇と人徳によって支えられてきた大名家であった。
崎山一国の平定が成ったのも、憲正の力によるところが大きかったのだ。その憲正が
骨抜きとなれば、周囲の大名家はこれぞ好機とばかり攻め込んでくるだろう。
「……もはやこれ以上手をこまねいているわけにもいきませぬ……それがしが御館様を
お諌めいたしましょう。」
そう言って、一人の男が立ち上がった。
まだ若い侍である。二十歳ぐらいであろうか……意志の強そうな真っ直ぐな眉、
凛々しく鋭いまなざし、引き締まった精悍な顔立ち、なかなかの美丈夫だ。
「片山殿……!何をしようというのじゃ!?」
「知れたこと、これから『御殿』へ行って御館様に国の窮状を訴えるのです。」
「!……やめられよ、『御殿』には我ら家臣は立ち入るなとの御館様の仰せじゃ、
それに今の御館様はまともな話が通じる状態ではござらぬわ。無用な怒りを買って
下手をすれば手打ちに……」
「もとより、その覚悟で乗り込みまする。それがしの様な青二才であれば、たとえ
手打ちになったとて国は揺らぎますまい。」
「しかし……!」
心配そうな顔つきの重臣達を真っ直ぐに見据え、片山と呼ばれた男はなおも語る。
「それがし、御館様が全く話が通じぬとは思うておらぬ。誠心誠意訴えれば、
耳ぐらいは貸してくれましょうぞ。それに、蜜姫様とてこの国が滅べば
今のような贅沢三昧はできぬのです。むしろ蜜姫様を説得して御館様に
お口添え頂くという手もありましょう。」
「む……。」
「ともあれ、事態は一刻を争うのです。失礼いたす。お止めだて召さるな。」
そう言って、男は席を立った。
片山正臣……赤城家家臣団の中で、最も若く、最も一本気な男である。
父親の片山重信は崎山国平定の折りに戦死し、母はその時に仏門に入った。
他に家族もなく、よって正臣は今は独りの身である。
元服してすぐに、父と共に戦陣に加わり、数々の武勲を上げてきた男でもある。
その功績と、誠実で真面目な人柄が認められ、若輩ながらも家臣団の中での信頼は篤く、
次代の赤城家を背負って立つ男とまで言われている。
彼にとって、今の崎山国はひとときも捨て置けない状態であった。
実際、黒部家が戦の準備をしているとか、橘家が密偵を放って探りを入れているとか、
不穏な噂は後をたたなかった。もはや一刻の猶予もならぬ。今宵必ず、憲正を説得し、
以前の、崎山平定を成し遂げた強い御館様に戻ってもらわねばならなかった。
日の落ちたばかりの薄闇の中を、正臣の乗る馬が蜜姫御殿に向かって走り抜けていった。
蜜姫御殿は城下の外れにある広大な屋敷である。警護の兵以外は立ち入ることはできず、
特に蜜姫の寝所がある奥の院には、蜜姫と憲正、それに蜜姫の侍女以外は何人たりとも
足を踏み入れることは許されていなかった。
「どう、どう!」
正臣が門の前で馬を止めると、門の前に立っていた警護の兵が歩み寄ってきた。
「これは、片山様……何用でござりますか?」
「御館様がこちらにおわすはずだ。目通り願いたい。」
「!……なりませぬ、御殿には何人も通すなとの御館様の仰せです。
いかな片山様といえども、お通しするわけには参りません。」
「国の行く末がかかっているのだ。もはや左様な事を言うておる場合ではない!
通さぬとあれば無理にでも押し通るまで、そこ退けい!!」
正臣の恫喝に、警護の兵にも殺気がにじむ。
その時。
「何事です、騒々しい……。」
鈴の音のような声が門の内側から聞こえてきた。
「!……は、これは、露葉様……!」
振り返った警護の兵が恭しく頭を下げる。
門の中から、薄紫の小袖を身にまとった若い女性が現れた。
蜜姫の侍女頭、露葉であった。
「これはこれは、片山様……ようおいでなさりましたな……。」
そう言って、露葉は柔らかな微笑を正臣に向けた。
「御館様に目通り願いたい。」
正臣は露葉を真っ直ぐに見据え、単刀直入に用件を告げた。
「片山様……!」
慌てる兵を、露葉は手を挙げて抑える。
あくまでも穏やかな応対で、歳に似合わぬ程の落ちつきぶりである。
「片山様……この『御殿』は憲正様と蜜姫様が、他の何事にも煩わされることなく
愛を育まれるためのものにございます……たとえ片山様といえど、許しの無いまま
お通しするわけには参りませぬ……。」
穏やかな表情で、しかし露葉は兵と同じ事を言った。
「たしかに許しは得ておらぬ、そればかりか、御館様も蜜姫様も、今宵それがしが
御殿に参ることなどご存じないはず。無礼は百も千も承知、国の行く末を案じての
火急の願いなのだ!邪魔だてなさるなら、例え露葉殿といえど、斬り倒して
押し通りまするぞ!」
烈火のような正臣の言葉にも、露葉は涼しげな微笑を崩さない。
しかし、その次にその口から出た言葉は、正臣の意表をつくものであった。
「……ご心配なさいますな、許しならばございますゆえ……
どうぞお入りくださいませ……。」
「……何と?」
さすがの正臣も、驚きを隠せず聞き返す。
さらに返ってきた返事は、彼を一層混乱させるものだった。
「今宵、片山様が参られる事は、蜜姫様からお聞き申し上げております……
そして、今宵だけは特別にお通しせよと……。」
「馬鹿な!」
思わず否定の言葉が、正臣の口をついて出た。御殿に来ると決心してから、すぐに馬を
飛ばして御殿にやってきた。御殿にいる者たちに、その事が伝わっているはずがない。
まして、蜜姫はずっと御殿にこもりっきりなのだ。ここ数カ月、正臣は顔を合わせた
事もない。そんな蜜姫に、どうしてそんな事がわかるのか?
「信じられぬのも無理はありますまい……その事については、御殿を案内する間に
お話し致しましょう。さ、こちらへ……。」
あくまでも穏やかな物腰で正臣を門の中へと招く露葉。
「つ、露葉殿……。」
そこへ、警護の兵がおずおずと声をかけた。
「何か?」
「困ります、我らは御館様に何人たりとも通すな、命に掛けて通すなと……。」
その途端、露葉の表情は柔らかなまま、その声だけが厳しさを帯びた。
「『御殿』の主は蜜姫様じゃ、その蜜姫様がよいと仰せなのじゃ、
それともそなたは蜜姫様に刃向かいなさるのか?」
「い、いや……めっそうも……ただ……。」
叱責された兵はいよいようろたえ、哀れなほどに萎縮してしまう。
そんな兵に、露葉は一転優しい微笑を注いだ。
「心配なさるな、もしこの事でそなたが憲正様に責められたならば、蜜姫様が庇って
下さいますほどに……そなたはこのまま、警護を続けてくだされ……。」
その言葉に、兵は心底ほっとした様子で胸をなで下ろす。
一連のやりとりに、正臣はすっかり毒気を抜かれてしまった。
彼は、蜜姫のことはほとんど何も知らない。僅かに、城で憲正に寄り添っているのを
何度か見たぐらいで、ただ美しいだけの姫だと思っていたが……
何となく、ただ者ではないのではないかという考えが頭をもたげていた。
「ささ、片山様……。」
露葉が再び、正臣を招く。
正臣は馬を降りて兵に預けると、彼女について門をくぐった。
なぜか、得体の知れない伏魔殿に足を踏み入れたような気がした……。
御殿の中は静かであった。
月明かりに照らされた廊下を、露葉に導かれて正臣は進む。
「……露葉殿、教えて頂きたいのだが……なぜ、蜜姫様はそれがしが参ることを?」
正臣の問いに、露葉は一度振り返り、やはり穏やかな笑みを返しつつ、先へと進む。
「元々、白尾家は占いやまじないを生業(なりわい)とし、朝廷と深い交わりを得た
一族にござります……特に、白尾家の女子は、かつては生まれつき神通力が
備わっており、巫女としてたいそう重用されたといいます……。」
静かに歩を進めながら、露葉は語る。
「今は、そのような神通力はほとんど無くなってしまっていたのですが……、
蜜姫様は、失われたはずの巫女の血を、たいそう濃く受け継いでおいでなのです……。
今宵の事も、蜜姫様が『お感じになられた』のです……それだけでございます。」
そう言って、露葉は再び振り返り、涼やかな笑みを見せた。
正臣はしかし、その笑みに何か別の涼しさを感じていた。薄ら寒さ、と言った方が
正しいかも知れない……勢い込んでのり込んできたものの、はたして蜜姫や、その
蜜姫の虜となった憲正を説得することができるのか、自信が揺らいできていた。
どうやら、蜜姫は思いのほか容易ならぬ相手のようだ……なるほど、あの意志の強い
御館様が骨抜きにされてしまったのは、蜜姫の持つ妖しの業の成せる所なのかも知れぬ。
もとより死をも覚悟して来たのではあるが、この様な超常の力を持つ女を向こうに
回して、本当に御館様を取り戻せるのだろうか……?
いやいや、ならばなおの事、蜜姫を説得して御館様をお返ししてもらわねば……
いかに神通力を持っていようとも、妖怪ではないのだ、話せば分かっていただけるはず。
蜜姫が今のような御殿暮らしをしていられるのも、この国あっての事なのだから……
「さあ、ここから奥の院でございます……。」
考えにふけっていた正臣は、声を掛けられてはっとする。
目の前に、大きな扉が立ちふさがり、両脇に長刀を持った侍女が控えている。
小袖の上からでも分かる引き締まった体格、一分の隙も見えないたたずまいは、
相当に厳しい訓練を受けていることをうかがわせる。
しかしそれでいて、見目麗しい容姿が、何とも言えぬ艶やかさをも漂わせている……。
「ご苦労様です……。」
露葉が侍女に声を掛けると、侍女達は恭しく一礼し、扉に手をかける。
思いのほか分厚い扉が、グゴゴゴゴ……と重々しい音を立てて開いた。
「……憲正様以外の男子が奥の院に入るのは初めてでございます……
さ、どうぞ……蜜姫様がお待ちかねですわ……。」
露葉が正臣を招き入れる。
彼女について奥の院に足を踏み入れた正臣の背後で、再びグググゴゴ……ドン、と、
音を立てて扉が閉まった。
奥の院は、意外に質素な造りだった。普通の武家屋敷となんら変わりない。
ごてごてと飾りたてられた豪奢な屋敷を想像していた正臣は、少々拍子抜けした。
しかし……何かが違った。
(何だ……これは……?)
正臣は、何となく胸がざわめくのを感じる。
見た目には、何の変哲もない、むしろ地味な印象さえ受ける廊下の床から、壁から、
何か不思議な気配が漂ってくるような、そんな気がした。
(何だ……落ちつかぬ……これは……この気配は……。)
何というか……そう、これは……女の柔肌が放つ甘やかな雰囲気……
何とも言えずなまめかしい、匂い立つような色香の気配……!
(馬鹿な……!)
正臣は思わずかぶりを振った。
(いかん、いかん、ここに来てから、どうかしている!こんな事では御館様を連れ戻す
など、ままならぬぞ……しっかりせねば……!)
きっと、自分の心の中に、蜜姫に対して「御館様を色香でたぶらかして骨抜きにした女」
という偏見があるから、奥の院に入った途端にそのような妄想にとらわれるのだ、
正臣はそう思うことで、忍び寄ってくる妖しい気配を振り払おうとした。
その時。
「ふふふ……。」
かすかな笑い声が正臣の鼓膜をくすぐった。
正臣は、思わず足を止めてあたりを見回す。
「どうなさいました?」
露葉が振り返って尋ねる。
「いや……、笑い声が聞こえたような……。」
そう答えつつ正臣は耳をすましたが、何も彼の耳には届いてこなかった。
「きっと、床がうぐいす張りになっているからですわ……。」
露葉が床を指し示す。すっかり日も落ちて暗くなってしまったために気づかなかったが、
言われてみれば確かにうぐいす張りになっている。
「露葉様のお好みに合わせて、あまり大きな音は鳴らぬように作ってありますので、
聞きようによっては笑い声のようにも聞こえるかも知れませぬね……。」
「そ……そうか……これは失礼……。」
やや顔が熱くなるのを感じながら、正臣は再び歩き出した露葉の後をついて行く。
(いかん、本当にどうかしている……俺はおかしくなってしまったのか?)
再びかぶりを振る正臣。その耳に、
「くすくすくす……。」
再びさっきの笑い声が聞こえてきた。
(違う!これは床の鳴る音だ、決して……!)
しかし、そう思えば思うほど、
「くすくすくす……くすくすくす……。」
「ふふ……ふふふふふ……ふふふ……ふふふふふ……。」
笑い声は鮮明に正臣の耳へと忍び寄ってくる。
(いやっ……!これは床の音などではない!……そうだ、露葉殿はああ言ったが……
天井裏にくノ一でも忍ばせているのだろう、きっと、悪戯で俺をからかっているのだ
……そうだ……きっとそうだ……。)
自らに言い聞かせる正臣 。
しかし、奇怪な現象はそれだけでは終わらなかった。
「!!!」
床や柱を覆う木目が、徐々に妖しげな曲線を描き始めてきた……。
そう、女体のそれを思わせるような……目に見えるのはただの床の木目だが、
そこから熱く息づく乳房が、しなやかにくねる腰のくびれが、浮かび上がって来る。
先程から正臣を悩ましていた女体の気配は一層濃厚に彼を包み込み、あたかも女の柔肌に
圧し包まれているかのような錯覚さえも起こさせる。
「ぅ……ぅぅ……ぁ……!」
正臣は、自らを捕らえる異常な感覚に、思わず漏れそうになる呻き声を
必死に飲み込む。
その瞳には男を誘ってゆさ、ゆさ、と揺れる尻が、そして熱く濡れそぼって淫らな蜜を
滴らせる蜜壷の幻影が、はっきりと映っていた。
「あ……ああ……ああん……あああ………。」
「くすくす……くすくすくす……。」
「いあ……ああ、ひぁ……ああん……いい……!」
「ふふふ……くふふふふ……うふふ……ふふふふふふふ……。」
いくつもの悩ましい喘ぎ声が、媚びを含んだ笑い声が、絡み合い、もつれ合って、
正臣の耳から忍び入り、彼の脳髄を愛撫する。
さらに、どこからともなく甘い香りが漂ってきた……
……それはより直接的に男の欲望を刺激する、生々しい女の匂いだった。
正臣の身体に、目に見えぬ女肉の香気が絡み付き、全身をやわやわと撫でくすぐる。
そして、彼の鼻から体内に侵入して、彼の視界を桃色に染めていく……。
女色の霧に煙る視界の中で生白い肢体が淫らに蠢き、正臣を誘う……!!
「う……うわ……あ……くっ、あ……!!」
「こちらでございます……。」
露葉の声に正臣は、はっと我に返った。
いつの間にか、突き当たりの間の、ふすまの前まで来ていた。
「は、……はぁ……はぁ……。」
思わず、大きく胸を喘がせる正臣。
「……どうかなさいまして……?」
「い、いや……なんでも……ござらぬ……。」
先程まで彼を捕らえていた奇怪な女色の幻影は、陰も形もなく消え去っていた。
床の木目は何を連想させることもなく、耳には何の音も届いて来ない。
辺りにはほのかに甘い香りが漂っていたが、それは普通の、香の香りであった。
伽羅であろうか……やや官能的な甘い香りではあるが、先程の淫らな牝臭と比べれば
むしろ清々しいと言っても過言ではなかった。
露葉はふすまの前に膝をつき、そして、ふすまを……叩いた。
コン、コン。
予想外に、硬質な音がした。
見た目はふすまのように見えたが、木製の引き戸であったようだ。
さらに露葉は、中からの返事を待たず、戸を細く開ける。
「蜜姫様……片山様をお連れいたしました。」
露葉の声に、
「ご苦労……。お通ししや。」
艶やかな蜜姫の声が返ってきた。
「では……片山様、どうぞ……。」
そう言って、露葉はゆっくりと戸を開く。
コロコロコロ……と、軽い音を立てながら開いたその戸が、異常に分厚い事に気づいて
正臣は驚いた。八寸ほどもあるだろうか……それでいて、全く重そうな感じがしない
所を見ると、中が空洞にでもなっているのだろうか……?
伽羅の香りが、やや強くなった。少々甘ったるいぐらいに色濃く匂うようになり、
正臣は先程の淫らな幻影の記憶を思い出して、少しばつが悪そうに眉をしかめた。
ともあれ、中に入るしかない。
「失礼いたしまする……。」
入口で膝をついて一礼し、正臣は静かに中へと入った。
背後で再び、コロコロコロ……という音がして、部屋の外にいる露葉の手によって
引き戸が閉じられる。
部屋の中は、昼間のように明るかった。
百匁蝋燭を灯した燭台が立ち並び、奥には金屏風が立てまわされている。
その屏風の前に、露姫がいた。足を崩し、肘掛けにしなだれかかるように座っている。
「よう参られたなぁ、片山殿……。」
部屋を満たす濃厚な伽羅の香りに負けず劣らず甘ったるい声を掛け、蜜姫は正臣に
微笑み掛ける。その笑みも、どこか媚びるような、誘うような甘ったるさを帯びていた。
「蜜姫様におかれましては、御機嫌麗しく、何よりにござりまする……。」
「ほほ、片山殿も、久しく見ぬ間にますます逞しゅうなったのぅ……。」
「は、お褒めにあずかり、恐悦至極に存じまする……。」
そんなやり取りを交わしながら、正臣はどこか違和感を感じていた。
いや、ここに来てから何もかもが不可思議な事ばかりではあるのだが……。
違和感の源は、蜜姫の容姿であった。正臣の記憶にある蜜姫と、今目の前で豪奢な
打ち掛けをしどけなく着崩して微笑む蜜姫とが、微妙に重ならぬ。
同一人物であることは分かるのだが……。
以前見た時も本当に美しいとは思ったが、これほどでは無かったような気がした。
透き通るように白い肌は一層生白く、何かぬめぬめとした様な輝きを帯び、
艶やかな黒髪は、今にもうねうねと蠢き出しそうな生命感が宿っていた。
何となく、今の蜜姫の美しさは不気味な感じすらした。人間離れしているような……
そう、伽羅の香りと共に漂ってくる濃艶な蜜姫の色香は、妖気ともいうべき異様な
雰囲気を含んでいた。
「さて、今宵参られたのは何用かの?」
蜜姫のその言葉に、正臣ははっと我に返った。同時に、自分が今、蜜姫の妖しいまでの
美しさに見とれていたことに気づいて、慌てて一つ咳払いをする。
「は、それは……蜜姫様、御館様はいづこに?」
部屋には憲正の姿はなかった。2人で一緒にいるものと思っていた正臣には、
少々意外な展開だった。
「憲正殿には、お帰りいただいた……そなたが来ると解ったのでのぅ……。」
そう言って、蜜姫は磁器の様に白い顔に、艶然と笑みを浮かべる。
「左様でござりまするか……?しかし、何故……?」
「そなたと憲正殿が顔を合わせれば、ただ事ではすまぬと思うたでの……
おおかた、憲正殿の御殿通いを諌めに参ったのであろ……?
妾は、憲正殿とそなたが争うのは見とうないでのぅ……。」
「は、これは……恐れ入りました……お気遣いいただき、申し訳ありませぬ……。」
やや肩すかしを食った形にはなったが、正直、正臣はほっとしていた。
彼は、奥の院で見た淫らな幻覚と、目の前の蜜姫の濃密な色香に呑まれてしまっていた。
今憲正に会っても、まともに説得できる自信は全くなかった。
そればかりか、あまり長居をすれば、自分までおかしくなってしまいそうな気がした。
今日の所は、蜜姫に御館様への口添えをお願いして、早々に帰った方がよさそうだ。
正臣は、まっすぐ蜜姫を見つめて話し始めた。
「それがしが参ったのはご推察の通り、御館様に御殿通いを控えて頂きたいとお願いする
ためでござりまする。国の主がまつりごとをないがしろにしていては、この乱世に
おいては命取りになりまする……このままでは、いつ何時か黒部や橘が攻め入って来た
時に、とても国を守ることができませぬ。」
蜜姫は、相変わらず媚びを含んだ様な笑みを浮かべ、正臣の言葉に耳を傾けている。
「蜜姫様からも、御館様にお口添え頂きたく、お願い申し上げまする……
御館様に会えぬのは辛うございましょうが……国が滅んでしまえば、左様な事も
言うてはおられませぬ。どうか、御館様に国の舵取りに励んで頂くよう、蜜姫様からも
お願いして頂けませぬか?」
正臣の熱のこもった言葉を最後に、部屋に沈黙が落ちる。
正臣の話を静かに聞いていた蜜姫であったが、やがてゆっくりと口を開いた。
「そうよのぉ……崎の国が他国に滅ぼされれば、
妾も捕らえられ、何をされるやら……それは嫌じゃ。」
「そうでござりましょう、されば……」
話し出す正臣を遮って、蜜姫は続ける。
「……実は、妾もそなたと同じ事を考えておったのじゃ……
憲正殿には、やはりまつりごとに精を出してもらわねばのう……。
そこでの、実は既に憲正殿には言うてあるのじゃ……御殿においでなさるのを
今少し辛抱して頂くようにの……。」
「は、左様でござりましたか……これは……」
「ほほ、少々間が悪かったかのう……?」
そう言って、蜜姫はにんまりと笑みを深くした。
「……どうやら、その様でござりまするな……いや、蜜姫様の深慮には、何から何まで
恐れ入りまする……正直、感服致しました。」
「ほほほ、妾もたまには国のためにならねばのう……。」
ころころと笑う蜜姫を見ながら、正臣は安堵に胸をなで下ろした。
同時に、蜜姫に何もかも先を越されて、すっかり呆気に取られてしまった。
「どうやら、心配は杞憂であったようですな……
そうとは知らず無礼を働き、誠に申し訳ござりませぬ……。」
「ほほほ……よいのじゃ、そなたのそういう所が妾は好きじゃ。」
そう言って笑う蜜姫に、少し気まずさを感じつつ、正臣は立ち上がる。
「では、それがしはこれにて……。」
その時。
「これ、待ちや。」
蜜姫は正臣を呼び止めた。
「……何でございましょう?」
呼び止められて、正臣は蜜姫の方を振り返った。
蜜姫は、媚びを含んだ笑みを一層濃くして、正臣をじっと見つめていた。
「そちの用が済んでも、妾の用が済んでおらぬ。」
「は……、これは、また失礼を……して、いかなご用にござりましょう?」
そう言う正臣を、にいっと逆三日月型に反り返った視線が捕らえる。
「うむ……憲正殿には城にお戻りいただいた……ならば、『代わり』が
要るであろう……?」
「?」
「今宵は……ふふ、そちが憲正殿の代わりじゃ……
若い盛りだけあって精気に溢れておるのぅ……ふふふ……。」
「!!……蜜姫様、悪い冗談はおよしなされ!」
蜜姫の言葉の意味を理解して、正臣は激昂した。
「冗談ではないぞえ、妾は一晩たりとも男を喰らわずにはおれぬでの……
ほほ、若い男の精、たんまりと吸わせてたもれ……。」
「馬鹿な!主君を裏切れと仰せか!不愉快千万、失礼致す!!」
足音も荒く畳を蹴たてて、憤然と正臣は踵を返す。
「待て、と言うておろう……。」
そう言いながら、蜜姫は立ち去る正臣の背に手をかざす。
そして、あたかも正臣の肩に手を置くかのように、空を掴んだ。
「!!」
その途端、出口の扉へ向かっていた正臣の足がぴたりと止まった。
蜜姫の声に反応して立ち止まったのではない。
正臣の身体が、何か巨大な力に捕まえられて、全く動けなくなったのである。
「こ……これは……!」
「ほほほほほ……どうじゃ……?」
楽しそうに笑う蜜姫。宙を掴む白い手と、正臣との間はゆうに三間はある。
しかも、その距離を越えて正臣を捕縛する力は、たおやかな女の手のものではなかった。
「ふふ……さあ、来や……。」
そう言って、蜜姫は正臣を手招く。
すると正臣の足が勝手に動き、彼は蜜姫の方へと振り返った。
そのまま、蜜姫の手招きに応じて、ゆっくりと歩き出す。
「あ……ああ……こ、これは……!」
「くふふふふ……さあ、来や……こっちじゃ……。」
蜜姫はゆっくりと立ち上がり、正臣を手招きながら屏風の裏へと後づさって行く。
正臣は、手招かれるままによたよたと蜜姫の後をついて行った。
「み、蜜姫様、おやめ下され!誰か!誰か!」
「ほほ、無駄じゃ……この部屋は、壁を二重にして、間に綿を詰めてあるのじゃ……
いくら叫んだところで、せいぜい壁の向こうで微かに聞こえるくらいじゃ、
奥の院の外までは、とてもとても届きはせぬわ……ほほほほほ……。」
正臣を手招きながら、蜜姫が笑う。その言葉に正臣は、この部屋の壁と扉が異常に
分厚かった事を思い出した。あれは、そういう事だったのか……!
部屋に入る際に、露葉が声をかけるのでなく戸を叩いて合図したのも、中からの声を
待たずに戸を開けたのも、その時は少々無礼に思えたが、それで合点がいった。
この部屋は防音が施されていて、中からの声も、外からの声も、壁を通らないのだ。
そこまで考えて、正臣ははっとした。
という事は、この蜜姫御殿が建てられた時から、この様な防音が必要な行為が行われて
いたという事か……いや、そもそもそういう目的でこの御殿が建てられたのでは……?
だとすると、おそらくは唯一この部屋に足を踏み入れたであろう御館様は、
一体この中でどんな事をされていたのだろうか……?
正臣は、背筋を冷たい物が這い上がってくるのを感じた。
「ほほ……さあ、来やれ……。」
魔力を秘めた繊手で正臣を手招きながら、蜜姫は屏風の向こうのふすまを開いた。
緋毛氈の敷き詰められた部屋の中央に、豪奢な褥(しとね)が延べてあった。
「蜜姫様!どうかお止め下され!奥方に手を出したとあっては、
この片山正臣、御館様に顔向けできませぬ!どうか、このままお帰し下され!」
自分の体を操る力に抗って、ばたばたともがきながら、正臣は懇願する。
「ほほほ、その様な心配は無用じゃ……。そちは、もう憲正殿に顔向けどころか、
顔を合わせることもないでの……。」
「なっ……それは、どういう……!」
笑いながら答える蜜姫のその言葉に、正臣は愕然とした表情を見せる。
その様子を見る蜜姫は、ますます楽しげに笑みを深くした。
「そちはの、もうこの部屋からは出られぬのじゃ……。」
「!!!」
「ずっと前から、妾はそちに目を付けておったのじゃ……憲正殿をたぶらかして
腑抜けにしたのも、そうすれば、いずれそちが御殿に乗り込んでくるであろうと
踏んだからじゃ……ほほ、これからずっと、そちは妾の贄としてここで暮らすのじゃ
……ほほほ……ほほほほほ……!」
笑いながら、蜜姫は打ち掛けの前を開く。
そして、古代紫の地に八重桜を縫い取った、豪華絢爛たる打ち掛けの内側へ
手を差し入れた。打ち掛けの下の、小袖の帯に白い手がかかる。
しゅっ、しゅるっ、するするする……
衣擦れの音と共に金糸銀糸をふんだんに使った綾織りの帯が手早く解かれていく。
さらに何本かの紐が抜かれると、藤色の地の小袖の前がはらりとはだけた。
そしてその下の、淡い桜色の単衣の下衣が露になる。
「み、蜜姫様……!」
「ほほ……もっと見たいであろ……?」
白い手がさらに帯を解いた。
下衣の前が割れ、隙間から雪のような裸身が覗く。
「あ……う、ぁあ……!」
正臣の視線は、下衣の間から僅かに見える蜜姫の素肌に吸い付けられた。
その白い肌から、伽羅の香りと共に渦巻く妖気が流れ出て、正臣の身体に絡み付く。
そして彼の全身にじんわりと染み渡り、正臣の意識を目の前の女体へと誘っていく。
正臣はそのまま、蜜姫の柔肌から目を離せなくなった。
目を背けようとしても、つぶろうとしても、瞳に映る蜜姫の肢体がそれを許さない。
白い肌が、下衣の間から僅かに見える豊かな胸の谷間が、
そして腰布に隠された蜜姫の股間が正臣の視界一杯に拡がってくる……!
「う……ああ、あ……!!」
蜜姫は、妖しい笑みを浮かべて正臣を見つめながら、下衣の中に手を差し入れる。
「ふふふ……ここも、見たいのであろ……?」
「……あ、ぁ……みっ、蜜姫様っ……!お、おやめ……くだされ……!」
蜜姫の魔力に身体を操られ、よたよたと歩み寄りながら、必死に懇願する。
だが、その願いとは裏腹に、正臣の目は一点に吸い付けられている……
わななく視界の中心で、白い手が下衣の中をまさぐっている……蜜姫の秘所を守る
最後の一枚……その、浅葱色の腰布が今、外されようとしている……!
その薄布が取り去られれば、蜜姫の最も女たる部分が露になる……!!
もはや正臣は蜜姫の股間から視線を外せない……身体の奥底から
本能的な欲求がこみ上げて、見てはいけないという理性を、徐々に蕩かしていく……
女色の誘惑が正臣の心をやんわりと包み込んで、あたかも蟻地獄の如く
ずるずると、目の前の女体へと引きずり込んでいく……!
「ほほほ……真っ赤になって、うい事よのぅ……望み通り拝ませてやろうぞ……
妾の火所(ほと)、とくと見やれ……!」
「み、蜜姫……さま……!あ、あ、……ああ……!」
蜜姫の、白くたおやかな手が下衣の中から出てくる……
それと共に、浅葱色の腰布がするりと解け……
ゆっくりと引き出されてくる……!
「あ……ああ……あああああ……っ……!」
「ふふふ、くふふふふ……。ふふふふふふふふふ……!」
何か、恐ろしい物を見るかのように身体をこわばらせ、目をかっと見開いて
目の前の女体に見入る正臣。
蜜姫は、そんな正臣の様子を楽しげに見つめている。
そして、見せつけるような仕草で自らの腰布を抜き取った。
「ふふ……。」
蜜姫は一度、淫蕩な眼差しで正臣の目を覗き込むようにじっと見つめ、
そして……、腰布をつまんでいる手を離した。
ふぁさ……。
腰布が落ち、蜜姫の足元にわだかまった。
下衣の陰になってまだ秘所は見えないが、もはやそこを覆い隠す物は何もない。
そして、蜜姫の手が打ち掛けの襟にかかる……!
「……それ……見るがよい……妾の火所を……ほぅれ……!」
その声と共に、蜜姫は自らの身体を包む着物の前をゆっくりと開いていった。
孔雀が羽を開くが如く、蜜姫の着物が大きく拡がり、正臣の視界を埋め尽くす。
美しい着物が大きく花開いたその中央に、
白くなまめかしい輝きを放つ蜜姫の裸身があらわになった。
「うあ……ああ……!」
「ほほ……どうじゃ……?」
艶然と微笑む蜜姫。その肢体は不気味なまでに精気をみなぎらせ、
ほのかに光さえ放っているかの様に見える。その光が正臣の瞳を射ると、めまいの様な
感覚が彼を捕らえた。それと共に、正臣の意識は一層強く、抗う術も無い程に
蜜姫の裸体へと引き込まれていく……!
そしてその股間では、充血して紅く染まった女肉の華が、
既にしっとりと蜜を含んで花びらを濡れ光らせていた。
その肉の華から、むせ返りそうな程の甘い香りが漂ってきた……。
それは、この部屋に入る前、淫らな幻覚を見た時に嗅いだ、あの香りだった。
その時よりも一層濃厚に、甘く淫らに匂いたち、正臣の脳髄を蕩けさせる。
充満する香気を一息吸い込む度、女のなまめく色香の気が彼の身体に染み渡り、
じんわり、じんわりと甘美な痺れを与えながら浸食していった。
「ふふふ……さあ……来やれ……妾が、そちの全てを包んでくれようぞ……!」
そう言って、誘うような妖しい笑みを浮かべる蜜姫の元へ、正臣はふらふらと歩み寄る。
何か、自分が妖美な食虫花に捕食される虫になったかのような気がした。
その正臣の視界の中で、蜜姫の媚びを含んだ美しい顔が、徐々に大きくなっていく……
そして、その顔が視界一杯に拡がった次の瞬間、蜜姫のしなやかな腕が正臣の首に
絡み付き、豪奢な打ち掛けが彼の身体をふわりと包み込んだ。
「ふ……ぅ、くぁ……ああ……!」
全身を包む甘美な感触に、正臣は思わず熱い吐息を漏らした。
打ち掛けに炊きしめられた伽羅の芳香と、蜜姫の柔肌から立ち昇る「おんな」の匂いが
混ざりあい、ふんわりと正臣を抱きしめる。
さらに、柔らかな下衣が正臣を包み込み、下衣が含む女の柔肌の温もりが
彼の身体に伝わってくる……温もりだけでなく、柔らかく、しなやかな
蜜姫の肢体の感触も、正臣の全身に悩ましく絡み付いてくる……!
そして……首に巻き付いた蜜姫の腕に力がこもり、正臣は顔を引き寄せられる。
紅く濡れ光る蜜姫の唇が、ねっとりと正臣のそれに重ねられた。
「ん……んん……!」
合わせた唇から、熱い吐息が正臣の口の中に吹き込まれ、その吐息の熱に正臣の頭は
否応なくのぼせさせられてゆく……さらに、吐息に含まれている甘い香りが、その中に
潜んでいる快楽の毒が、正臣の脳髄を侵してゆく……正臣の意識は抗う術もなく
蜜姫の女色の誘惑に絡め取られていった。
彼の身体から力が抜けていき、かくりと膝が折れる。
そして、正臣は羽二重の夜具の上に横たえられ、その上に蜜姫が覆い被さって来た……
夜具の代わりに、縫い取られた満開の八重桜も艶やかな打ち掛けが、
柔らかな蜜姫の肢体が、正臣の身体を覆い隠して行く……!
そして蜜姫は袖から白くしなやかな腕を抜き、正臣の着物の胸元をかき開く。
「うぁ……あ……み……蜜姫……さま……!」
半ば朦朧とした表情で、必死に抵抗しようとする正臣。その身体が、不意に軽くなった。
彼を捕縛していた蜜姫の呪縛が解かれたのだ。
しかし、もはや正臣の身体は呪縛の必要もないほどに力が抜けてしまい、
蜜姫の細腕でもたやすく押さえつけられてしまう……そして、露になった正臣の胸板に、
すべすべと滑らかな蜜姫の柔肌が、ねっとりと重ねられた。
「は……あ……ああ……は、ぁああああ……!」
「くふふふふ……どうじゃ……?こんな快楽を味わうのは生まれて初めてであろ……?
もう、極楽であろ……?ふふふ、くふふふふ……。」
甘い囁きを聞きながら、正臣は全身を駆けめぐる快感に身を震わせて喘いだ。
蜜姫の言う通り、正臣の身体を包む甘美な感触は、彼がこれまで一度も味わった事の
ないものであった。
彼は、物心ついてから常に、厳格な父の元で武士としての鍛錬に励んでいた。
女人との交わりはおろか、母以外の女性には触れたこともなかった。
そして元服してからは、崎山国平定を進める憲正の軍団の中で、
戦に次ぐ戦の日々を送り、女に縁のない生活をしてきたのだ。
もちろん城内では、年頃の若武者である正臣に対して興味を持ち、近づこうとする女性も
いないではなかったが、彼は努めてそれらの女性を遠ざけていた。
彼にとっては、剣の腕を磨き、鍛錬を重ね、全身全霊をもって主君に仕え、働く事こそが
人生の全てで、色恋事などは全く関心の外にあったのだ。
かくして正臣は、「おんな」という生き物に対して、全く無知なまま今日まで
生きてきていた。その肢体のしなやかさも、その肌の柔らかさも、その吐息の甘やかさ、
その立ち昇るかぐわしき香り、それらの感覚が生み出す甘美な痺れ、欲望を刺激されて
こみ上げてくる身体の疼き、何一つ知らなかった。
「く、ううううう……あぁあああ……あ、あぁっ……。」
見た目の逞しさとは裏腹に、少年のように無垢な身体に、
この上なく濃艶な蜜姫の肢体が絡み付く。
彼女の肉体が与えてくる「おんな」の刺激は、正臣にはあまりにも濃厚過ぎた。
彼女の、妖気さえ漂う程の色香を前に、正臣はあまりにも純粋すぎた。
「ふぁ……あ……あ……あああ……うぁ、はあぁあぁあああああ……!」
「ふふふ、くふふふふ……さあ、そちも脱ぐがよい……。」
そう言いながら、蜜姫は手早く正臣の衣服を脱がし始めた。
いや、彼女の白い指が軽く触れるだけで、するすると帯が解け、着物がはだけ、
袴がずり下げられていく……褌もひとりでに解けて、正臣が着ていた全ての物が、
まるで彼の身体から逃げるように脱げていった。
「うああ、あ、ああ……おやめ下され……蜜姫様……!」
「ほほほ……何を言いやる……脱がねば、続きができぬではないか……。」
「ああっ、そ、そんな……ああ……蜜姫……様……!」
彼の懇願は聞き入れられず、ついに正臣の身体から全ての衣服がはぎ取られてしまった。
そして、一糸まとわぬ姿になった正臣に、蜜姫の生白い裸体が絡み付く。
「うわ、あああ……!ああ、ああ、あああああ……!!」
蜜姫の柔肌の感触が、今度はじかに正臣の身体を包み込んだ。
「ほほ……どうじゃ……さっきよりも、ずっと心地よかろう……?」
「あ、あ、ああ……はぁあああ……み、みつ……ひめ……さま……ふぁ、あああ……。」
しなやかな蜜姫の肢体がねっとりと動き出す。白い腕が正臣の胸板を、脇腹を、背中を
這い回り、悩ましい太股の感触が腰をむっちりと挟み込んでくる……。
「うああああ……ああ、ああ……はああああ……あああああ……。」
成す術もなく喘ぐ正臣。蜜姫の濃艶な肉体が妖しくくねる度に、
豊かな乳房が、甘く薫る柔肌が、彼の身体に擦り付けられる。
肌が触れ合い、こすれあうその度に、甘美な痺れの波が全身を駆けめぐる。
さらに、蜜姫の身体の動きに合わせて、二つの身体を覆う豪奢な打ち掛けが波打ち、
正臣の全身をさわ、さわ、と愛撫する。その動きは偶然のものではなかった。
蜜姫が、身体の微妙な動きで巧みに打ち掛けを操り、愛撫を加えているのだ。
今や、正臣の身体のどこ一つとして、愛撫を受けていない所は無かった。
どこ一つとして、快楽を感じていないところは無かった。
「ふぁああああ、ああ……あひ、いああ……あくっ、うああああ……。」
柔らかな、甘やかな感覚に全身をくるみ込まれて、
正臣は際限なく喘ぎ声を奏でさせられていった。
「ふあぁああああああ……ああ、はぅあああ……。」
「ふふふ、もうすっかり蕩けてしもうたか……?たわいもないのう……。」
「うああ……ああ、くぁっ……あああああ……。」
「崎山一のますらおが、女一人に手も足も出ぬか……?ほほほほほ……。」
まともに抵抗する事もできぬ正臣を、嘲笑する蜜姫。
「う……うああ、くっ……うあ、あああああ……!」
「ほほ、悔しかったら、はねのけてみや……今のそちでは到底かなうまいがのう……。」
「くっ……そ、そんなことは……ふあ、あああ……!」
蜜姫の侮蔑の言葉に、正臣は絡み付く女体を振りほどこうともがく。
しかし、もがけばもがくほど、触れあう肌の感触がもたらす甘美な痺れが、
正臣の身体から抵抗する力を奪い、正臣の意識から抵抗する意志を奪っていった。
力を入れようとしても、入れるそばからどこかに抜けてしまい、そうしているうちに
力を入れようという意志そのものが、とろとろと溶け去っていってしまう……。
「ほほほほほ……ほれ、どうしたのじゃ?はようはねのけてみやれ……。
ほほほ、できぬか?できまい?ほほほ、ほほほほほ……。」
「ふああああ……ああ、く、くはっ、あふ、うああああ……はああ、あああ……!」
「ほほほほほ、そちの力はその程度か……?この立派な身体は見せかけかえ……?
おなごの細腕に押さえつけられて、どうにもできぬ男がもののふとは、くふふ、
片腹痛いことよのぅ……ほほほほほ……ほほほほほほほ……!」
嘲り笑う声が閨中に響きわたる。
「ああ……そんな……うあ、ああ……こ、こんな事が……ぁああああ……!」
いつしか、その嘲罵の声さえも、正臣の身体に甘い疼きをもたらしていた。
崎山でも五指に入る膂力の持ち主が、日の下に出たことも無いような女相手に
子供扱いされている……甘美な誘惑に筋力を封じられ、抱きすくめられている……。
鍛え上げた強靭な肉体も、蜜姫の肉体が与えてくる快楽の前ではまるで無力であった。
幾多の戦場で数々の武功を上げてきた強者も、この未知の『戦場』では、
持てる力を全く発揮できず、蜜姫の細腕に屈してしまう……。
その事が、何か異様な、倒錯的な快感となって、正臣を更なる快楽へと誘う……。
「ああ、あああああ……み、みつひめ、さまぁ……はあ、あああああ……!」
「ほほほ、もうすっかり妾の虜かえ……?この程度で我を失うようでは、この先が
思いやられるのぅ……これからまだ、もっともっと心地良うなってゆくぞえ……
ほれ、こんな風に……!」
その声と同時に、蜜姫は一層強く、がっちりと正臣の身体を抱きしめる。
柔らかな女体の感触が、その圧力をさらに強くして、
正臣をむっちりと締め付けて来る……その身体がうねうねと妖しく波打ち、
豊かな乳房を、しなやかにくねる腰を正臣の全身に擦り付けてくる……!
色香の匂い立つ蜜姫の肉体と、焚き締めた伽羅の香りもかぐわしい打ち掛けと、
天上の雲の様な羽二重の夜具が正臣の身体をぴったりと包み込み、
さわさわと、やわやわと、蠢いて全身を撫で回し、舐め回し、しごきたてる……!
「ふああ、あああああ……!あああああ……!!ひ、うああああああああ……!!」
「ほほ、たまらぬであろ……?もっとじゃ……もっと鳴きゃれ……!」
魔性の肉体を妖しくくねらせ、全身を包む打ち掛けを巧みに操って、
蜜姫はさらに激しく正臣を愛撫する。
その動きは、あたかも男根を呑み込んで貪る、女陰のようであった。
「うああっ、ああっ、あああああっ、うあ、あああああああああっ!!」
蜜姫の悩ましく淫らな愛撫に全身を責め嬲られ、その身をこわばらせて喘ぐ正臣。
「くふふふふ……もう、極楽であろ……?」
「ふああああっ、あく、あああっ!!、あひ、いあ、あああああああっ!!」
「ほほほ、良い顔じゃ……じゃが、ここはまだ極楽の入口じゃ……
もっともっと、この色欲の極楽の奥深くへ引きずり込んでくれようぞ……!」
その声と同時に、二人の身体を覆う打ち掛けが、ぎゅっ、と締め付け、正臣の
身体をくるみ込む。正臣の背中の下にも、打ち掛けの柔らかな感触が入り込み、
二人の全身をぴったりと包み込んで来る。が、それだけではなかった。
「ぐぁ、あああああああああああああああああっ!!」
正臣の絶叫は、彼がさらなる超常の快楽責めにかけられた事を物語っていた。
「あああああっ、ああああああああああっ、ひいぃっ、いぎいいいいいいいっ!!」
身も世もない悲鳴を上げ続ける正臣。彼の全身を、異様な感触が包み込んでいた。
ぬるぬるとした淫蜜のぬめり、くちゅくちゅとしごきたて、絞り上げる蜜壷の感触、
にゅるにゅる、ちろちろと蠢き、撫でくすぐり、舐めしゃぶる無数の肉襞の感触……
そこは、女の中だった。蜜姫の、魔性の女陰の中だった!
正臣の身体をぴったりと包む打ち掛けが、まさしく蜜壷そのものの感触で彼を包み込む。
打ち掛けそのものは、見た目上の変化は無かった。いや、ひとりでに蠢き、ぐねぐね、
やわやわと正臣を揉みしだく様は、まるで男を貪る魔界の生き物の様ではあるが……。
しかし、その中にくるみ込まれた正臣が味わっているのは、まさしく女陰の感触だった。
魔性の打ち掛けが、むにゅむにゅと、やわやわと、全身を揉みしだき、濡れそぼった
淫肉の感触と例えようもない快楽とを、にゅるにゅると塗り付けてくる……!
「くふふふふ……どうじゃ……もう、どうする事もできまい?
ほほほ……ほほほほほ……ほれ……どうじゃ……?ほほほほほほほほほ……!!」
「ぎぃあああっ、あぎあぁあああああっ!!ああっ、あっ、あっ、あああああ!!」
魔性の打ち掛けに捕らえられて、びくんびくんと全身をわななかせる正臣を、
蜜姫は勝ち誇った眼差しで見つめる。
見つめながら、白蛇の如くしなやかな肢体をうねうねとくねらせて、愛撫を繰り返す……
白い指が背中や脇腹を這いまわる度、絡み付く太股が蠢く度、
そして、たわわな乳房や下腹部が身体に擦りつけられるその度に、
痺れるような快感の電流が正臣の全身を駆けめぐる!
しかも、魔性の打ち掛けがもたらす、幻の女陰の感触の中で、蜜姫の身体もまた
幻の愛液にまみれていた。その指先も、太股も、乳房や下腹部も、すべからく
ぬるぬるの陰蜜をたっぷりとまとい、それを正臣の全身に塗り付けてくる……!
実際には、正臣の汗で僅かに湿る程度の打ち掛けの中に、ぬめる陰蜜の幻覚が溢れ、
その淫らな感触の滴る中で、蜜姫の妖艶な肉体が蠢き、正臣を容赦なく舐めしゃぶる!
ぐちゅ、ぬちゅ……にゅる、るちゅっ……にちゃ、くちゃ、ちゅぷっ……!
「うあああああああああっ、ああっ、あああがあああああ!!」
「ふふふ……あそこも、もう堪らぬであろ……?くふふ、ふふふふふ……!!」
そう言って、妖しく笑う蜜姫。笑いながら、下腹部を正臣のそれに圧し当てる。
正臣の股間に、ぬちゅっ……と、熱くとろけた蜜姫の粘膜が触れた。
「いっ、うああああっ!あああああ、ふあっ、ううあああああああっ!」
蜜姫の腕の中で、大きくのけぞる正臣。彼の男根の根本の部分を、
女の肉の華が咥える。既にたっぷりと蜜を含んだ花びらが正臣の男根を横咥えして、
温かく、柔らかく、ぬめる肉襞の感触で包み込む……!
「うああああああああっ!!ああ、はぁあああああああ……!」
生まれて初めて、直に味わう女の肉の華の感触。正臣の男根をゆっくりと舐め上がり、
そして、ゆっくりと舐め下がる。
その度に、ぬるぬるとした華の蜜が男根に塗り付けられ、ぽってりと柔らかな花びらの
感触が、痺れるような快楽で正臣を責めたてた。
「ううっ、ううあああ、あふぁああっ、ああっ、あああああ……!」
「ほほ、良い声じゃ……もっと鳴いてくりゃれ……。」
言いながら、蜜姫はさらに身をくねらせ、正臣の男根に淫蜜を塗り付けていった。
「くううっ、うああああ……はああ、ああ、あああああ……!」
閨の中に、若い男の喘ぎ声が響きわたる。正臣の男根を蜜壷の入口がぬるり、ぬるりと
舐め回し、熱く蕩けた粘液が絡み付いてくる。
蜜姫の花びらに男根を舐め回される快感に、正臣はただただ喘がされた。
しかも、彼の全身は、ぬるぬるとぬめる淫蜜の感触に、やわやわと蠢く肉襞の感触に
包まれている。二人の身体をくるみ込んだ打ち掛けが、巨大な女陰に包み込まれている
かのような幻覚で正臣を包み込んでいるのだ。
男根のみならず全身をも魔性の肉襞の感触で愛撫されては、
もはや正臣には、顔を上気させて喘ぎ、よがり続ける他に術はなかった。
「はああああ、ああっ、あっ、あはぁああああああ……!ああ、はああああ……!!」
「ほほほ……分かるであろ……?そちの摩羅がどうなっておるか……
ほぅれ、妾の蜜にしとどに濡れて、入れ易うなっておるわ……。
ほほ、ひくひくいうて、妾の中に入りたがっておるぞ……ほほほほほ……。」
蜜姫の言うとおり、正臣の男根は根本から先端までたっぷりと淫蜜を塗り付けられ、
陰唇での愛撫を受けて、その快感にわなないている。
「どれ、そろそろ入れてくれようぞ……妾の火所に呑まれて天上へ昇るがよいわ……
妾の壷は快楽の坩堝、中に入ればこの世に居ながらにして極楽への旅を楽しむ事の
できる魔法の壷じゃ……ほほほ……もっとも、あまり長居すると、
帰って来れなくなるがのう……ほほほほほ……。」
そう言って、蜜姫は少し腰を浮かせ、しなやかな白い指を正臣の男根に添える。
先端が、蜜姫の肉体の入口にめりこみ、押し拡げられた女肉の花びらが、
正臣を呑み込もうと左右から挟み込んでくる……!
「おっ、おやめくだされっ……!それだけは、おやめくだされぇっ……!!」
絶叫する正臣。このまま蜜姫の中に侵入すれば、それは明らかな不義である。
蜜姫と肌を合わせ、その愛撫を受けている時点で、既にそれは憲正に対する裏切りでは
あるが、これ以上先へ進めば、その罪の重さは比べようもない。
その事が、快楽に蕩けていた正臣の意識の中に、憲正への忠心を蘇らせた。
「ほほほ、駄目じゃ……どうしても止めさせたくば、そちが止めればよかろう……!
ほれ、来やれ……妾の中へ……ほほほ……ほほほほほ……!!」
正臣の制止にも耳を貸さず、蜜姫はゆっくりと身を沈めていく……!
熱く、やわらかな肉の壷が、じわり、じわり、と正臣を呑み込んでいく……!!
正臣を魔性の打ち掛けの中に捕らえ、異次元の快楽で弄ぶ蜜姫。
彼女の操る妖しの術の前に、正臣はどうすることもできなかった。
そして今、蜜姫の肉洞が、ゆっくりと正臣の男根を呑み込んでいく……熱くとろけた
生殖器の感触が、正臣の先端を咥え込んで、じわじわと女肉の中へと沈めて行く……!!
「う、あああああああああっ!!」
正臣は、渾身の力を振り絞って蜜姫を突き飛ばした。
魔性の快楽によって骨抜きになっていた身体に、今一度ありったけの気力を込めて、
目の前の女体に双手突きを見舞う。
「あうっ!!」
蜜姫の肢体が宙に舞う。
正臣の必死の突きを受けた女体は、思いの外軽く吹き飛んだ。
しかし。
「ふ、ぐああああああああっ!?」
蜜姫をはねのけたはずの正臣が、悲鳴を上げてのけぞった。
彼の股間を、異様な感触が包んでいた。それは、蕩けるように柔らかな女肉の感触……
ぬるぬるとぬめる陰蜜の感触……そして、やわやわと男を撫で包む肉襞の感触だった。
正臣の男根は、目に見えぬ幻の女陰に、ねっとりと咥え込まれていた!
ぶあさぁっ!!
宙を飛んだ蜜姫が、空中で一回転する。豪華な打ち掛けがくるりと回って
体勢を立て直し、ふわりと畳の上に着地した。
「ああっ、あああああ……、ぅあっ、ああっ、あくっ、うああああああああ!!」
逃れたはずの女陰に、男根を根本まで呑み込まれ、くちゅくちゅと貪られる……!
正臣は、何が起こったかもわからず、ただただ与えられる快楽に悶え狂った。
その正臣の視界の中で、蜜姫がゆっくりと立ち上がる。
「ふふふ……主君の奥方に手を上げるとは、とんだ忠臣じゃのう……
これは、仕置きをせねばならぬのう……ふふふ……ふふふふふ……!!」
笑いながら正臣を見つめる蜜姫。その目には、欲望の妖しい輝きがともっていた。
「ううっ、あああ、あくっ、うああ、あひいぃいいいいい……!」
びくびくと全身をわななかせながら、喘ぐ正臣。彼の男根から、総毛立つような快感が
ざわざわ、ざわざわと全身に這い上がってくる……!
「くふふふふ……どうじゃ……?妾の火所の味は……ふふふふふ……!」
正臣の足元に、その肢体を見せつけるように仁王立ちする蜜姫。
その、あらわになった股間が動いている……ぱくぱくと口を開閉し、やわやわと肉襞を
蠢かせ、さかんに何かを貪っている……!!
そして蜜姫の淫唇が、咥え込んだ何かをしゃぶる度、蠢く肉襞が目に見えぬ男根を
舐め回す度、正臣の男根は三尺も離れているはずの女陰にしゃぶられ、舐め回された。
「ふふ……たまらぬであろ……ああ……妾も……良いぞえ……硬くて……熱い……
……ふふふふふ……熱ぅて、ひくひくわなないておるわ……ほほほほほほほ……!!」
「くあぁっ、あっ、あああああ……!ひぁっ、あぐっ、ううぅぅぁああああ……!!」
「ほほ……まだまだ……もっと、仕置きにかけてやらねばのぅ……ふふふ……
覚悟しやれ……快楽の仕置きで、妾の忠臣に作り変えてくれるわ……!!」
言いながら、蜜姫は羽織っていた打ち掛けを肩から外す。
蜜姫の足元に、豪奢な打ち掛けが、ふぁさ……と落ちてわだかまった。
「ふふふ……さあ……もっと鳴きゃれ……ふふふ、くふふふふふ……!!」
その声と共に、蜜姫の女陰が、くちゅくちゅと蠢く。
「がぎぃいいいいいっ!!ぎぁあ、あがはああああああ!!」
目をかっと見開き、がくがくと痙攣する正臣。
彼の男根を、蜜姫の女陰の感触がじゅぽじゅぽ、ぐにゅぐにゅと貪る……!
正臣の身体も、男根も、びくん、びくんとわななき、
限界がすぐそこまで来ていることをはっきりと示している……!!
「ふふ……もう駄目かえ……?」
言いながら、蜜姫はゆっくりと正臣に覆い被さる。
まるでそれ自体が性器なのではないかと思えるほど、柔らかく、すべすべとした
蜜姫の肌の感触が、正臣の身体にしっとりと吸い付いてきた。
「うああああ!ああっ、はぁあああ……!ああ、ああ、あふぁああああああ!!」
肌を触れあった所から、ぞくぞくと肌が粟立つような快感が流れ込んできて、
正臣をさらに追いつめていく……!
「さて……そろそろ、直に咥えてやらねばのう……
そちの精、妾の火所でたっぷりと受けてくれようぞ……!」
そう言いながら、蜜姫はさらに強く正臣を抱きしめた。
「うあっ、あああああ!!あひっ、いいっ、いぎぁああああああっ!!」
成す術もなく悶える正臣。
蜜姫の魔性の肉体に全身を絡め取られ、甘美な女体の感触に痺れさせられる……。
精一杯の気力を振り絞っての抵抗も、蜜姫の妖術の前には無力であった。
もう、彼に抵抗する力は残っていなかった。
そして……今度こそ、正臣の男根は蜜姫の女陰に呑み込まれる……!
ずぶ……ずぶずぶずぶ……にゅるにゅるにゅるるるる……!
「ああ、あぎぃあああああああっ!!や、やめ……!!ぇあああああああああっ!!」
正臣の男根を包む魔性の女陰の感触……それが、一層濃密になる。それまでは幻であった
快楽が、本物のそれにとって変わる。正臣の男根は、ついに蜜姫の女陰に、根本まで
ずっぽりと呑み込まれた!!
「うああああああああっ!!あああああああああっ!!ぐ、がああああっあっあっ!!」
ひときわ大きな絶叫が閨に響きわたる。
正臣は、びくん、びくんと全身をわななかせて悶絶した。
彼の男根は、到底この世のものとは思われぬ異様な感触に包まれていた。
恐ろしく柔らかく、熱く、ぬるぬる、とろとろの、女肉の感触……
妖しく蠢き、淫らにのたうち、男の欲望を刺激する……!
「くふふふふ……どうじゃ?妾の中はたまらぬであろ?ほほほほほ……!」
正臣の脳裏に、蜜姫の嬌笑がこだまする。超常の快楽に包まれ、責め嬲られながら、
同時に正臣は背筋の凍るような戦慄を覚えていた。
蜜姫が、これほどまでに恐ろしい淫女であったとは……!色狂いになってしまうのも
むべなるかな、御館様は毎晩この様な淫獄に捕らわれていたのだ……!!
にゅる……………にゅる……………る……………。
蜜姫の粘膜が、正臣の先端から根本まで、ぴったりと吸い付き、四方八方から
むっちりと圧し包んで来る……包み込んで、欲望に燃える女体の熱を、じんわりと
男根に伝えてくる……!
「……さて……たんまりと味わわせてくりゃろうぞ……くふふ……
妾の肉体で、極楽へ昇るがよいわ……!」
蜜姫の妖しい笑みに、毒気がこもり、魔性の肉体がゆっくりと動き出す……!!
ぬ……ちゅぅ……っ!
「うぁ……あ、はぁあああああ!!がっ、あああああああああっ!!」
ゆっくりと、実にゆっくりと、肉襞が正臣を舐め上がっていく。
身体の芯を引き抜かれるような快感が、正臣の身体を貫き、彼は大きくのけぞった。
「くふふふふ……ほぅれ、もっと昇りや……ほぅれ……!」
先端まで舐め上がった深紅の肉の華が、再び正臣を呑み込んでいく……!!
にゅ……るるる……る……!!
「いぎいいいいいいい!!あっ、あがっ、がふぅあああああああ!!」
焦らすようにゆっくりと上下する女体に、
しかし正臣は断末魔のような絶叫をあげ続けさせられる。
「ほほほほほ……大げさじゃのう……まだ、昇りはじめたばかりじゃというに……。」
そんな正臣を見下ろして笑う蜜姫。笑いながら、ゆっくり、ゆっくりと腰を上下させ、
じっくり、じっくりと正臣を嬲る。穏やかな春の海のうねりの如く、ゆったりと蜜姫の
生白い肉体がくねる度に、その身体の下に組み伏せられた正臣を快楽の荒波が翻弄した。
じゅ……ぷっ……、にゅ……るる……るる……!くちゃ……ぬちゅる……るる……!!
「ぎぃあああああああああっ、あっ、あがっ、はくっ、あああああああああっ!!」
凄惨な正臣の絶叫が閨に響きわたる。
「ほほほ……さあ……もっと高みに昇らせてくれようぞ……ほぅれ……!」
ぐちゅ、にゅるっ……にちゃ……くちゃ……むちゅぅっ……!!
「がああああああああっ!!あっ、あがあああっ!!がっ、がっ、がぁあああっ!!」
蜜姫の女陰が正臣を吐き出し、そして再び呑み込むその度に、正臣は激しく悶え狂った。
「ほほほほほ……もっとじゃ……もっと昇るのじゃ……ほほほほほ……!!」
「ぎぁっ、あああああっ、が、ぐううぁあああああっ!!は、あがあああああああ!!」
徐々に蜜姫の身体の動きが速くなる。妖しくくねる女体が、容赦なく男根を責め嬲る。
ちゅぷっ……にゅぷっ……にゅる、にゅる、くちゅっ、ぬちゅっ、ぐちゅうぅっ!!
「ぐぎいいいい!!いがっ、がぐ、はがあああああああ!!うごっ、おおおおおっ!!」
「ほほ……もう、堪えられまい?……ほれ、我慢することはない……
存分に出しゃれ……妾の火所に、たっぷりと注いでくりゃれぇ……。」
がくがくと身をわななかせて悶える正臣にまとわりつき、甘く囁く蜜姫。
「何もかも忘れて、この快楽に身を任せて……妾の中で、頂を極めてたもれ……
そして、妾にそちの精を……魂を……注いでくりゃれ……ほれ……ほぅれ……!」
「おおおおおおおおおっ!!あっがあっあっあっあああああっ!!!」
甘えるような、熱っぽい睦言とは裏腹に、蜜姫の肉体はこの世ならぬ異次元の快楽を
送り込んでくる。正臣は、次々と襲いかかる快感の波に、そしてそれに反応して体内から
こみ上げてくる身体の疼き……狂おしい射精の欲求に追いつめられていった。
正臣の男根は、彼の意志に反して、蜜姫の与える快楽に屈服し、その証を妖姫の女陰に
放とうと、びく、びく、と脈動を繰り返す。男根の中では白濁液が噴出を待ち焦がれて
細い尿道をじりじりとせりあがって来ていた。
圧倒的な快楽の前に、正臣の手足はもはや言うことを聞かない。今の彼に、絡み付く
女体を振りほどく力は無かった。それはすなわち、男根を包み込む魔性の女陰から
逃れる術も無い、という事でもあった。
正臣は、目をかっと見開き、歯をがちがちと噛み鳴らして射精を堪え続けた。
「ほほほ……人の身でよう堪えるのう……まして、初めての身でのう……
憲正めなどは、気を遣りっ放しで、枯れ果ててしもうたがのう……ほほほほほ……!」
明らかに限界を迎えている正臣、しかし蜜姫の言葉通り、彼はこの快楽地獄をよく
耐え続けていた。いや、もう限界を超えているのではないかと思われるほどの苛烈な
快楽責めにあいながら、それでも正臣は耐え続けていた。
正臣は、もはや自らの事は覚悟を決めていた。どのような形であれ、主君の奥方と姦通
した罪は万死に値する。連座して罪を問われる親族がいないことが、せめてもの救いだと
さえ彼は思っていた。
しかし、もし今蜜姫に求められるままに精を放ってしまったら……
そして……もしその胤がついてしまったら……!
そうなれば、事は正臣一人の問題ではなくなる。赤城家そのものを揺るがす大事に
発展するのだ。それだけは、それだけはこの身が滅ぼうとも防がねばならぬ。
ただひたすら、その一念だけで、正臣は蜜姫の快楽責めを耐え続けた。
見開いたまなじりに、噛みしめた歯茎に血が滲む。持てる精神力の全てを注いで、
容赦なく送り込まれる快楽の波にかき立てられる甘い疼きを、意志の力で堪える。
彼の男根は濡れそぼった肉襞のさなかで射精寸前のわななきを繰り返している。
もう、あと僅か、あと一押しで堪えようもなく精が迸る、そのぎりぎりの所で、
あやうく耐え続けている。
あまりにも圧倒的な女肉の誘惑を前にして、なお正臣は儚い抵抗を続けていた。
「ほほ……大したものよのぅ……じゃが、くふふ……どこまで保つかのぅ……!」
必死の正臣を余裕たっぷりに見下ろして、蜜姫はその美しい顔に、一層淫らな、そして
一層邪悪な笑みを浮かべた。
「ほぅれ……!」
ぎちゅぅっ……!!
「ひ、ぎいいぃいいいいいいっ!!」
蜜姫の女陰が、正臣の男根を締め上げる。そして……!
ぐちゅっ、じゅぷ、ぬちゃ、ぐちゅぐちゅっ、にゅるにゅるにゅるるるるぅっ!!
さらに激しく、速く、蜜姫の腰が踊った。すでに限界を迎えている正臣にとどめを
刺すべく、情け容赦のない腰使いで正臣の男根をしごき立てる!
ひらめく肉襞の群れが寄ってたかって正臣をしゃぶり、舐め回し、貪り喰った。
「ほれ、ほれ、どうじゃ、これでも堪えられるかぇ……!
ほほほ、ほほほほほ、ほほほほほほほほほ……我慢しようとも無駄なこと、
妾の火所に呑まれて、極楽に堕ちるがよいわ……!
ほほほほほほほ……!ほほほほほ……ほほほほほほほほほ……!!」
蜜姫の嬌笑が閨に響きわたる。
ぬちゅぬちゅにゅるるちゅぷちゅくちゅにゅちゅるちゅるるる……!
「ぎああああああああああああああああああああああああああああ〜〜〜〜〜っ!!!」
妖しく全身をくねらせる蜜姫の下で、激しく粘膜が擦れあう淫らな音と、
人の身が耐えられる限界を遥かに超えた、人外の快楽に呑み込まれた正臣の悲鳴とが
もつれあった。
「ほほほほほほほほほ!!さあ、そちの全てを吸い尽くしてくれよう、
妾の中で快楽に溺れ狂うが良いわ!!ほほほ、ほほほほほ、ほほほほほほほ……!!」
「がぎぁああっ、あぐふぁあああああああああ!!!うぎぃあああああああ!!!」
楽しげに笑いながら、なお激しく正臣を陵辱する蜜姫。その下で、貪られるままに
悲鳴を上げ続ける正臣。既に限界を迎えていた彼が、この容赦のない責めを堪えられる
道理はなかった。
びくん、びくん、びく、びく、びく……
蜜姫の女肉の中で、正臣の男根が射精の痙攣を繰り返す。それは、彼の意志が蜜姫の
与える快楽に屈した証であった。
だが……。
激しく上下していた白い女体が、徐々にその動きを緩める。やがて蜜姫は、正臣への
責めを止め、ゆっくりとその顔をのぞき込んできた。
「ほ……これでも、まだ耐えやるか……?
なるほど、崎山一のますらおというだけの事はあるのう……。」
驚くべき事に、正臣はこの快楽地獄を、それでも耐え続けていたのだ。
彼の男根は、蜜姫の中でびくびくとのたうち回り、熱く蕩けた女肉の中に精を注ぎ込む
動きを繰り返していた。だが、その先端から迸る液体はなかった。
正臣は、堪えようという意志の力だけで、噴出する精液の流れを止めてしまったのだ。
戦場で深手を負うなど、極限状態に陥った場合に、人は時にその精神の働きによって
出血を止めてしまう事がある。今の彼にも、同じ様な現象が起こったのだろうか……?
いずれにせよ、蜜姫の与える快楽が人外の物ならば、それを耐え続ける正臣の精神力も
また、超人的というべきであろう。
「……み……み……みつ、ひめ……さま……。」
びく、びく、と全身をわななかせながら、正臣は苦しげに声を絞り出した。
「ど……どう…か……おゆるし、を……。」
今もなお全身を苛む射精への欲求を抑え込みながら、やっとの思いで訴える。
「くふふ……これは、面白うなってきたわ……。」
そんな正臣を見下ろして、蜜姫はにんまりと笑みを深くした。
「正臣や……よう耐えてくれた……妾は嬉しいぞぇ……。
ふふ……妾はそちのような我慢強い男が大好きじゃ……。」
「……どうか……どう、か……う……ご勘……弁……く……だ……され……。」
意識が朦朧としているのか、半ばうわごとのように繰り返す正臣。
蜜姫は、愛しくて愛しくて堪らないといった様子で、正臣を見つめる。
「そして、そちのような我慢強い男が妾の与える快楽に、成す術もなくよがり狂う
様を見るのは、もっと大好きじゃ……ふふふ……これは、狂わせがいがあるわ……。
よかろう、褒美に妾の本気を見せてくれようぞ……!」
「!!!……ぇ……え……!!?」
「ほほ……何じゃ?今までのが、本気だとでも思うておったかぇ?
ほほほほほ……愚かな、ここまではほんのお遊びよ……!」
愕然とする正臣を見ながら、蜜姫はころころと笑った。
「あ……あ、あぁ……!!」
正臣の表情が、驚愕から絶望へと塗り替えられていく。
蜜姫は、益々楽しげな、そして淫猥な表情を浮かべた。
「ふふふ……この程度で、妾の全てを見たと思うておったのか……?
ならば、見せてくれようぞ……妾の真の姿を……ぬしらの御館様が夜ごとまぐわって
おる相手が何であるか……そして、御館様がどんな極楽に囚われておるのかを……!」
言い終わらないうちに、正臣を組み敷く女の身体に変化が起こった。
生白い肌がさらに白く、乳白色に変化していく……明らかに、人間の肌の色としては
不自然な、本来あり得ない程に白い、艶やかな肌に変わっていく……。
そして、流れるように艶やかな黒髪はざわざわと蠢きながら、その色を変えていく……
漆黒の髪から、輝く白銀の髪へと変わっていく……!
さらに、蜜姫の耳が大きく、尖った耳へと変化していく……その、大きな三角の耳に、
髪と同じ白銀の毛が生え揃っていく……!
そして、正臣の視界の中で、蜜姫の背後から何かがゆらゆらと伸びてきた。
「ふふ……どうじゃ……面白ぅなって来たであろ……?」
楽しげに笑う蜜姫。その後ろから這い出てきたのは、ふさふさの白い毛に覆われた、
九本もの尻尾だった。
「……ぁ……あ……!!」
驚愕から絶望へと塗り替えられた正臣の表情が、再びさらに大きな驚愕の色に
塗り替えられる。彼の目の前には、まさしく信じられない光景が広がっていた。
「ほほほ……驚いたかえ……これが妾の真の姿じゃ……。」
「ば……化け物……!!」
「ほほほほほ……化け物とは無礼な事をいいやる……。」
九本の尻尾をゆらゆらとゆらめかせながら、蜜姫は笑った。
「まあよい、妾が化け物であろうとなかろうと、そちが何もできぬ事には
変わりはないわ……ふふ……憲正も、鳥羽帝も、殷の紂王も、この尻尾で
狂わせてやったのじゃ……。
さあ……正臣や……そちも、同じように狂わせてくれようぞ……!
ふふふ……ふふふふふ……ふふふふふふふ……ふふふふふふふふふ……!!」
笑う蜜姫の背後でゆらめく尻尾が、あたかも獲物を狙う大蛇のように鎌首をもたげた。
「ひ……!」
身の危険を感じて、身をよじってもがく正臣。しかし……!
しゅるるるるっ……!
「ひ、いひぃああああああっ!」
正臣が逃れようとするより早く、両腕両脚に一本づつ、四本の尻尾が絡み付いた。
両脇の下に差し込まれた尻尾は、二の腕をぐるりとひと巻きして肘の内側を通り、
更に手首に巻き付いて、その先端は手のひらを覆っている。
太股に巻き付いた尻尾は、膝の裏を通ってふくらはぎ、足首と巻き付き、
先端は足の裏を覆った。柔らかな毛先が脚の指の間に入り込む。
そして……正臣の四肢を絡め取った尻尾が、
さわさわ……くしゅくしゅ……さわさわさわ……!
と蠢き、両手両足をくすぐり始めた!
「あ、あひゃひひひひひぃいいいいい!!いひゃひゃははひはははぁっ!!」
柔らかなふさふさの毛にくすぐられて、正臣はたまらず笑い出す。
こちょこちょ……さわさわさわ……しゅるしゅるしゅる……わさわさわさ……!
「ひは、はひゃはひっ、ひあっ、あひあはひひひひひぃっ!!」
真っ白な尻尾が妖しく蠢く度に、正臣の四肢から全身へ、電流が流れるような
くすぐったい感触の波が拡がっていった。
くしゅくしゅくしゅ……さらさらさら……こちょこちょ……こちょこちょこちょ……!!
「ふぎいっ、いひゃっ、あひひゃははははひはぁっ!!」
ふさふさの尻尾に両手両足を絡め取られて、撫でくすぐられる正臣。
「ほほほ……ほれ、妾の尻尾はまだまだあるぞぇ……!」
蜜姫の声に応えるように、二本の尻尾が正臣の脇腹へと這う。
脇腹から背中を通って反対側の肩へ……更に、両側からぐるりと首に絡み付き、
その先端が、ふさっ……、と耳の中に入り込んだ。そして……
さわさわさわさわさわ……しゅるしゅるしゅるしゅるしゅる……!
「いひゃぁぁあああああっ!!あひっ、ひっ、ひひゃはははひひひひぃっ!!」
さらなるくすぐり責めに悶絶する正臣。彼の脇腹を、背中を、首筋を、そして耳を、
柔らかな毛先が容赦なくくすぐった。
「ほほほほほ……もっとじゃ、もっとしてくれよう……!」
更に二本、尻尾が正臣の身体にまとわりついてくる……!
「ひひゃあああああああっ!!ひぁっ、あはひはひひひひゃはあっ!!」
正臣は、新たな刺激に全身をびくん、びくんとわななかせて悶えた。
新たな二本の尻尾は、彼の腰を両側から巻き、尻の谷間を通って、正臣と蜜姫の
太股の付け根の間に滑り込んできた。正臣の陰嚢を、ふさふさの尻尾の毛が撫で上げ、
さらに蜜姫と結合している男根の両脇を、尻尾が這い進む。柔らかな毛先が、
男の根本をさわさわとくすぐりたて、新たな刺激を送り込んでくる!
そして、その尻尾は正臣の下腹部から再び脇腹を通って背中へと回り、その先端を
巧みに動かして背筋を撫でくすぐった。
つつーっ、と毛先が正臣の背筋を撫で上がり、さわさわさわ……と撫で下がる。
「はぎぃいひひひははっ!!ひひゃははああああっ!!はひゃはははひひひひっ!!」
その尻尾の動きにあわせて、正臣の口から笑い声とも悲鳴ともつかない叫び声が迸った。
「あひひゃははっ!ひひゃぁっ!!いひぃあっ!!はひゃひははひははひぃっ!!」
全身に絡み付く蜜姫の尻尾によって、とめどなく笑い狂わされ、悶え狂わされる正臣。
細く柔らかな尻尾の毛が、極上の感触で正臣を包み込む。その心地よい感触と、
全身をくすぐられる苛烈な刺激とが、正臣を翻弄する。
例えるなら、柔らかな筆先でくすぐられるような感触……それも、何千本、何万本もの
筆で、一斉に全身をくすぐられるような……それは、人の精神が耐えられるものでは
なかった。快感とも苦痛とも異なる、いや、その両方が複雑に絡み合い、混ざりあった
濃厚な刺激が、正臣の全身を絶え間なく駆けめぐり続ける。
白い尻尾の群れが蠢く度、正臣は成す術もなく夜具の上をのたうち回った。
そして……半刻が過ぎた。
「ほほほほほ……どうじゃ、たまらぬであろう……?」
妖艶な笑みに淫らな影を濃くして、蜜姫はなおも執拗に正臣を責め嬲った。
「ひひゃぁあああ……は、ひひぃいいいい……いひゃ、は、ひああああああああ……。」
半時の間、ひとときも休むことなく全身をくすぐられ続けて、正臣の表情には
消耗の色が濃く、意識も朦朧としているのが伺える。
にもかかわらず、彼の身体の一点だけは、彼の男根だけは、蜜姫の肉洞の中で
ぎっちりと張りつめ、ひく、ひく、と射精寸前のわななきを繰り返している……
「くふふ……もう、堪えようにも気力があるまい……ほほ、ならばそろそろ搾って
やろうかのぅ……ほほほ……どうじゃ?今度は耐えられるかのぅ……?
くふふ、ふふふふふ……ふふふふふふふふふ……!」
勝ち誇った表情で、蜜姫は正臣を見下ろす。
もう、正臣に射精を堪える力が全く無い事を、その力をくすぐり責めで根こそぎ
奪い取ったことを確信しているのだ。実際、蜜姫の下で喘ぐ正臣の目からは完全に
精気が消え失せてしまっていた。もはや、先刻射精を耐え抜いたような鉄の意志は
そこには無かった。
「さあ……覚悟しや……今度こそ、そちの若く精気に溢れる精を、ほほ、たっぷりと
搾り取ってやるほどにの……ふふふ……ふふふふふ……ほぅれ、出しゃれ!!」
正臣の全身を絡めとった尻尾が、一層激しく正臣の全身をくすぐる。
「い、ひあぁあははひははははっ!!ああっ、ひぁっ、はひゃあああああああっ!!」
閨中に、正臣の悲鳴が響き渡る。その声は、先刻より明らかに喜悦の響きを増していた。
半刻もの間くすぐられ続けるうちに、正臣の身体はくすぐられる事に快感を覚える様に
なってしまったのだ。
柔らかな毛先の心地よい感触で全身を撫でくすぐられる、その感覚に反応して、
正臣の身体の奥底から甘い、熱い疼きが溶岩の如くこみ上げて来ていた。
その熱い疼きは、ゆっくりと正臣の身体の一点に集まっていく……もはや抑えようもなく
じりじり、じわじわと、噴出の時を待ちわびてせりあがっていく……!!
「くふふ……どうじゃ……?もう堪えられまい……?くふふ、ふふふふふ……!」
さわさわさわさわさわさわさわさわ……!!
「ひいぃいひゃひゃはひゃっ、いひゃっ、あひゃひひゃひひひひひぃっ!!」
蜜姫の熱く蕩けた火所に包まれて、正臣の男根がびきびきと限界を超えて張りつめる。
その奥で煮えたぎっている白濁液を、今にも吐きだそうと、蜜姫の胎内に注ぎ込もうと
びくん、びくん、とわなないている……!
「ふふふ……堕ちよ……堕ちるのじゃ……ふふふ、ほほほほほ、ほほほほほ!!」
しゅるしゅるしゅるしゅるしゅるしゅるしゅるしゅる……!!
「いひぃあひゃはぁあああ!!あひいっ、ひっ、ひひゃひぃっ!!ひあああああっ!!」
勝ち誇った蜜姫の笑い声と、悲壮な正臣の笑い声が絡み合い、閨を満たす。
狂気を含んだ笑い声の渦が、正臣を呑み込んでいく……もはや、正臣に抵抗する術は
無かった。全身を激しく痙攣させて笑い狂い、よがり狂う!
「ほほほほほほ!!ほほほほほほほほほ!!ほほほ、ほほほ、ほほほほほほほほほ!!」
くしゅくしゅくしゅくしゅわさわさわさわさこちょこちょこちょこちょこちょ……!!
「ひひゃひひひ、いひゃっ!!はひゃっ!!あひ、あひあぁあああああああああっ!!」
さらに激しく、さらに容赦なく、ふさふさの尻尾が正臣の全身を這い回り、撫で回し、
くすぐりたてた。脇も、肘の内側も、手のひらも、太股も、膝の裏も、ふくらはぎも、
足の裏も、手足の指の間も、脇腹も、背筋も、首筋も、耳も、腰も、尻の谷間も、
蟻の戸渡りも、袋も、根本も、まさしく全身を、一斉にくすぐってきた!
その感触がもたらす、例えようもないくすぐったさ……そして、
気が狂いそうな程の快感!!正臣の男根を、熱い液が昇っていく……!!
「ほほほほほ!!さあ、出しゃれ!!妾の火所に、存分に注ぐがよいわ!!」
嬌笑を放ちながら、蜜姫は身をくねらせる……正臣の男根を深々と呑み込んだ女陰が
妖しく蠢き、無数の肉襞が、正臣の一番感じる所を、とどめとばかりにくすぐった!!
くちゅくちゅくちゅくちゅくちゅっ、にゅぷにゅぷにゅるにゅるるるる……!
「ひぃっ、ぎぃああああああああああああああああああああああああああ!!」
断末魔のような悲鳴が正臣の喉から迸る。いや、それはまさしく断末魔だった。
正臣の理性の、精神力の断末魔の叫びだった。
どぶどぶどどどどぶりゅびゅるびゅるびゅるびゅる〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!
ついに、正臣の屈服の証が蜜姫の秘奥へ吸い込まれていった。
「ほほほほほほほほほ!!ついに堕ちたわ!!これでそちは妾のものじゃ!!
ほほほ、ほほほ、ほほほほほほほほほ!!ほほほほほほほほほ!!」
笑いながら全身をくねらせ、さらに尻尾もくねらせて、蜜姫はさらに正臣を責めたてる。
「あああああっ!!かはっ、がぁっ、はぐぁあああああああっ!!」
一気に精液を吸い上げられる快楽と苦痛に悶絶する正臣。
正臣のその様子を見ながら、そしてその精を搾りながら、蜜姫はその淫らな笑顔に
徐々に陶酔の感情を滲ませていった。
「ほほほほほ……その顔じゃ……妾が観たかったのは、そちの、その苦悶と快楽に
歪む顔じゃ……屈辱にまみれながら、妾の虜となっておる、その顔じゃ……ほほほ……
おお……さすがに『初物』じゃ……雑味がのうて、濃くて……実に美味じゃ……
もっともっと注いでくりゃれ……妾の壷に……おお……これは美味じゃ……
若い男の熱くたぎる精が……妾の中に……。」
蜜姫は、うっとりとした表情で精を味わいながら、腰を動かしてさらに正臣を嬲る。
「ふあああっ、あ、く、うくぅっ、やめ、えぁああっ!」
とろけるように柔らかい肉襞に翻弄されて、正臣の男根はなおも激しく精を放った。
「あああああっ!!ああ、ああっ、はああああ……!ああ、はぁあああ……。」
びゅくびゅくびゅくびゅくびゅくっ、びゅくっ、びゅく……ぴゅく……ぴゅっ……。
やがて、長い長い射精が終わり、正臣はぐったりと息をついた。
「おお……美味じゃ……これは……素晴らしい精じゃ……。」
恍惚の表情で正臣の精を味わう蜜姫。
「ああ……は、ああ……うあ、あああ……。」
生まれて初めて味わうには、あまりにも強烈な射精。その余韻に全身を満たされて、
正臣は虚ろな眼差しで喘いでいる。……だが。
「ほほ……さあ、まだ宴は始まったばかりじゃ、さらなる快楽の園へとそちを導いて
くれようぞ……!ほうれ、鳴きゃれ!!」
さわさわさわ……しゃわしゃわしゃわしゃわしゃわ……!
「ひぎっ、いひゃあああっ!!あひゃっ、ひゃひいぃっ!いっいぃっ、いああああ!!」
射精直後の、過敏な身体を柔らかな尻尾の毛が撫でくすぐる。
「ほほほほほ……効くであろ?たまらぬであろ?ほほほほほ……!」
「ぎぃいっ、ひぎゃっ、ああ、あひゃあひいぃいいっ!!」
「ほほほ、これはどうじゃ……?」
「ひ、いひいいいいいいっ!いっいあっ、はぎひいぃいいいいっ!!」
ふさふさの尻尾の毛に埋もれながら、全身を大きくのけぞらせて絶叫する正臣。
その両の乳首を、蜜姫がつまんでいる。白い指先が微妙な動きを繰り返し、
正臣の乳首をくりくりと弄くり回している……十本の指が、激しく、それでいて繊細に
蠢いて、絶え間なく刺激を加え続ける……正臣の乳首から全身に快感の電流が
走り抜けて、正臣を痺れさせていく。
そしてその刺激に、正臣の身体が反応する。蜜姫の体内に収められた正臣の器官に、
再び熱がこもり、失いかけていた硬度を取り戻していく……。
「ほうれ、また固うなってきおったわ……ほほほ……そんなに良いのかえ……?
なればもっとしてくれよう……くふふ……ほれ……ほうれ……!」
蜜姫のしなやかな指が正臣の二つの突起の上をくるくると踊る。
くりくり……くりくりくり……くりくりくりくりくり……
「ああっ、ふぁ、あひいいい!いい、ひあっ、あああああああ!!」
悶え狂う正臣。射精直後の余韻に痺れている身体を、全身に絡み付くふさふさの尻尾で
よってたかってくすぐられ、さらに両の乳首を弄ばれる……あまりにも強すぎる快感は、
今や苦痛ですらあった。その快楽地獄から逃れようと、正臣は必死に暴れもがくが、
彼の四肢は蜜姫の尻尾に絡め取られて、全く自由がきかなかった。
そして逃れる術もないまま、再び快楽の坂道を昇らされていく……。
「ほほほほほ……さらなる快楽地獄へと引きずり込んでくりゃろうぞ……ほほほほほ……
そちにはもうどうする事もできまい……ほほほ……ほぅれ、もっと鳴きゃれ!!」
きゅううぅぅっ!!
「ひぎいいいいいいいいいいいいいいいっ!!」
蜜姫の身体を持ち上げて、正臣の身体が大きくのけぞる。蜜姫が指先で乳首を強く搾り、
引っ張っているのだ。蜜姫は更に強く、指先に力を込める。
ぎりぎりぎりぎりぎりぃっ……!
「いい、ぎあぁああああああっ!!」
「ほほほ、良い声じゃ……こっちも搾ってやろうぞ……。」
きゅううぅぅ……!!
「ふあ、はぁぁぁあああああ……!!」
今度は下の突起を、女の器官で絞り上げられる。熱くとろけた粘膜が男根にぴったりと
吸い付き、もにゅもにゅと蠕動して搾ってきた!
既に正臣のものは熱く息づき、ぎっちりと張りつめていた。射精して間もないにも
関わらず、蜜姫の与える異常な快感によって強制的に勃起させられている。
男根の芯からはじんじんと鈍い痛みすら感じられたが、男根を根本まで呑み込み包み込む
蜜姫の肉襞が、そのこの世のものとも思われぬ異様な感触が、圧倒的な刺激で正臣を
快楽の頂へと押し上げていく。
熱く、柔らかく、ぬるぬるしていて、やわやわと妖しく蠢く蜜壷が男根を貪り、
無数の肉襞で撫で上げ、しごき上げる……!!
くちゅ、くちゅ、にゅるにゅるにゅる……ぎちゅうぅうぅうぅぅ……!!
「いひいぃいいいい……いいっ、いひゃあああああああ……!!」
再び射精寸前の状態に追いつめられる正臣。彼の男根は、既にひく、ひく、と痙攣を
繰り返し、今また淫乱な妖姫への屈服の誓いを放とうとしていた。
「ほほほ……どうじゃ?また妾に精を注ぎたくなってきたであろ?ほほほほほ……
我慢せずともよい、何度でも存分に放ちやれ……何度でも搾ってやる程にのぅ……。
ほほほほほ……ほほほほほほほ……ほれ、ほうれ、もっとよくしてくれようぞ……!」
笑いながら、蜜姫は再び乳首をくるくるといじくり回し、さらにゆるゆると腰も回し
始めた。正臣の3つの突起が同時にくるくると弄ばれる……!
そして、全身に絡み付く尻尾が、一層いやらしく正臣の全身をくすぐりたてる……!!
さわさわさわさわさわ……くりくりくりくりくり……!
「ひいあっ、ああ、あはあああっ……!はああ、あああああ、あああああああああ!!」
正臣は、果てしなく続く快楽責めに、悶え鳴き続ける他に成す術がなかった。
「遅い……。」
城では、居並ぶ重臣達が正臣と憲正の戻りを今や遅しと待ち続けていた。
正臣が蜜姫御殿に向かってから既に二刻が経っていた。結局、彼が憲正を説得する以外に
解決の手だても見いだせず、ともあれ彼の帰りを待つことにしたのだが……。
「大丈夫でありましょうか……?」
家臣の一人が筆頭家老の前川義照に問う。問うた所で義照にも分かる道理もないのだが、
そう問わずにはいられない、いいしれない不安が座に蔓延していた。
「……わからぬ。だが、今はともかく待て。我らがむやみに動いては、あるいは
片山の説得を妨げる恐れもある。今はしばし堪えて待つのだ。」
「しかし……。」
その時。
「失礼いたしまする。蜜姫御殿より、侍女頭の露葉様が参られました。」
襖が開き、警護の兵が薄紫の小袖姿の露葉を連れてきた。
無骨な城内に、彼女の容姿がもたらす涼やかで優美な雰囲気が漂う。
だが、同時に蜜姫御殿の侍女頭が参上したという事実が、切迫した事態の到来を告げ、
座には緊張感の方がより色濃く漂った。
「これは……露葉殿、よう参られた。して、ご用件は何であろうかな?」
義照は努めて平静を保ちつつ、露葉に問うた。
「はい……今宵、御殿に突然片山様がおいでになりました。」
露葉の言葉に、一気に座の緊張感が高まる。
そんな一同の様子を、あくまで涼しげな表情で見渡しつつ、露葉は続ける。
「そして、憲正様を城にお返しするよう、蜜姫様に嘆願なさいました。
姫様はその誠意にうたれ、また、それが国のためでもあり御身のためでもあると
いうお考えに至り、片山様の希望をかなえて差し上げるご決心をなさいました。」
「……おおっ……!」
居並ぶ家臣達から、誰ともなくどよめきが漏れた。
「それは、御館様をお返し頂ける、という事でございますか?」
義照の問いに、露葉は穏やかな笑みを浮かべて応える。
「はい……、今宵はもう遅うございます故、お二人には御殿にお泊まり頂き、
明朝、城にお帰り頂く事となりましてございます。
城で皆様が心配してお待ちであろうという事で、私が皆様の心配を取り除き
申し上げる為にこうして参上した次第でございます。」
露葉のその言葉に、座の緊張もふっ、とゆるんだ。
「そうか……いや、かたじけのうござる。一同胸のつかえがとれ申した。
では、我らは明朝のお帰りを心穏やかにお待ち致しましょう。
御館様と、片山殿によしなにお伝え下され。」
安堵の表情で、義照は露葉に礼を言った。
が、彼らは知らなかった。蜜姫の正体を。
そして、御殿で憲正と正臣がどのような魔界に引きずり込まれているのかを。
その頃……、蜜姫御殿・奥の院の最深部、蜜姫の寝室では、まさしくこの世のものとも
思われぬ凄惨な陵辱絵巻が展開されていた。
さわさわさわ……くしゅくしゅ、さらさらさらさらさら……!
「はぎぃっ、いひゃっ、あっ、あひぃいいぃぃ……!」
全身を撫でくすぐる尻尾の群れの中で、成す術もなく悶え狂う正臣。
そんな正臣の様子を見て、満足げに笑みを浮かべながら、しかし蜜姫は不思議な
問いを投げかけた。
「ほほほ……もう極楽であろ……?だが、何か忘れてはおらぬかえ……?」
「うああっ、あひあぁあ……ああっ、ふぁっ、あひゃはああぁ……!」
正臣は訳も分からず、ただただよがり狂い、悶え乱れる。
「ほほ……分からぬか……?ならば教えてやろう……これは、何じゃ……?」
その言葉と同時に、新たな刺激が正臣の身体に与えられた。
「!!……は、あくぅっ、ま、まさか、うくぁあっ……!!」
一層激しく悶える正臣。
「そうじゃ、妾の尾は九本、今ぬしを捕らえておるのは八本、最後の一本は……ほほ、
どこにやろうかのぅ……?」
しかし、その答えが既に決まっていることは明らかだった。
正臣の股間、蜜姫の蜜壷に根本まで呑み込まれた男根の、そのさらに下にある小さな
すぼまりから、こちょこちょと筆の先でくすぐられるような快感が伝わってくる。
「ひぁあ、やめ、ぇああっ、お、お願い、いぐっ!やめぇ、ぁああああっ!!」
全身を包み込む快楽に身も世もなくよがり狂いながらも必死に懇願する正臣。
その表情が快楽と恐怖で歪む。
「くふふ……駄目じゃ、他に責める所ももう無いでのう……ほほほ、覚悟しや……。」
「ひ、ひぃいっ、あくっ、いあ、嫌ぁあっ……!」
正臣はなんとか逃れようともがいたが、四肢を絡め取った尻尾が彼の身体を拘束し、
身動きもままならない。さらに、脇腹を、太股の付け根を、背中を、脇の下を、首筋を、
そして耳の中をこちょこちょさわさわと撫でくすぐる四本の尻尾が、正臣の身体に
凄まじい快感を惜しみなく送り込み、代わりにもがく力を容赦なく奪い去ってゆく。
もちろん、四肢に巻き付いた尻尾も正臣の肘の内側や太股の内側、膝の裏側、足の裏
などの性感帯を的確に責め、正臣を快感の泥沼へと引きずり込んでゆく。
そして肛門に迫る最後の一本。尻尾の先を妖しく蠢かせて、正臣の肛門をちろちろと
舐め回す。為す術もなく貫かれるのを待つのみの獲物を前にして、じっくりと嬲り、
余裕たっぷりにいたぶっている。
その感触に怯えながら、全くどうすることもできない正臣。彼に許されているのは、
肛門を犯される危機を前にしながら、全く無防備に、全身に絡み付く異界の快楽に
よがり狂い、悶え狂う事だけだった。
「ほほ……では、そろそろ挿してやろうかの……。」
つぷぅっ。
「くひぃっ……!!」
尻尾の先端が肛門に挿し込まれる。それだけで正臣は全身に電気を流されたかの如く
のけぞって痙攣した。尻尾の毛先一本一本が、実に微細な動きでちょろちょろと肛門の
皺一本一本を余すことなく、くすぐったのだ。
「ほほほ、もうこれだけでたまらぬであろ?しかしのぅ、これはまだまだ序の口よ……
くふふふふ……ほぅれ……!」
ぞぼっ。
「ひ、いひいいいいいいい!」
絶叫する正臣。尻尾の先が、肛門を押し広げて侵入してきた!
入口を柔らかくふさふさの毛が撫でくすぐりながらくぐり抜ける……!
正臣の男根が、びくん、びくんと悶える。限界ぎりぎりまで張りつめ、もはやいつ精を
迸らせてもおかしくない。
「ふああっ、ああ、あはぁああああああ……!ううっ、くはあああああああ!!」
「ほほほほほ……もう駄目じゃのぅ……もう、我慢もきかぬのぅ……ほほほほほ……
そうであろ?もう、あと一押しでいってしまうのであろ?ほほ、崎山一のますらおが、
女に尻穴を犯されていかされるとは、ほほほ、無様な事よのぅ……ほほほほほほほ!」
蜜姫は、正臣を見下ろして嘲り笑った。そして……。
「ほほほ、ならば引導を渡してやろうぞ……ほほほほほ……ほうれ、逝きゃれ!!」
ぞぼぞぼぞぼぞぼぞぼぉっ!!
「ふぎぃいいいいいいいいいいああああああああああああああああああっ!!」
正臣の肛門を限界まで圧し広げて太い尻尾が侵入し、正臣を貫く。
直腸全体をふさふさの尻尾の毛がぞわぞわと撫でくすぐり、肛門は外からも内からも
柔らかな毛先に包み込まれて情け容赦なくくすぐりたてられた!!
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!」
既に限界に達していた正臣には、あまりにも過ぎた刺激であった。
どぶどぶどぶどぶどぶびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるるるる……!!
正臣は蜜姫の体内に、堪えようもなく2度目の屈服の証を放った。
「ぐ……あ、はぁ、ああ……はぁ……。」
死んだようにぐったりと横たわる正臣。蜜姫の与える魔界の快楽に、2度までも
大量射精を強いられ、もはや息も絶え絶えといった様子である。
光を失い虚ろな瞳、弛緩しきって全く力が抜けきった身体……蜜姫にごっそりと精液を、
そしてそれと共に生命力そのものを吸い取られた正臣は、実際に死の淵にあった。
もう、抵抗する力も、抵抗しようとする意志も、彼には無かった。
あとはもう、蜜姫に貪られるままによがり、狂い、精を搾り取られていくのみ……
そこには崎山国の次代を担う若武者の姿は無い。
今の正臣は、魔性の美姫の餌食となって精を吸い尽くされ、朽ち果てていく哀れな男
でしかなかった。
「ほほほ……どうじゃ?もっともっとくすぐって欲しいのであろ?ほほ、妾のくすぐりは
味わえば味わうほどに気持ちようなってゆくでのう……くふふふふ……。」
にんまりと淫猥な笑みを浮かべて、蜜姫は正臣を見下ろす。
そして、正臣の身体を絡め取った尻尾の毛先をさわさわと蠢かした。
「あ……ああ……ぅ……くっ、ぁああ……。」
その刺激が、正臣の全身を包む……柔らかな毛先がちろちろとくすぐる、微かな刺激が
身体中を駆けめぐり、それが甘美な疼きとなって身体の奥底に溜まっていく……
そして、じわじわとこみ上げてくる……甘く熱い痺れが、じわり、じわりと正臣を
満たしていった。精を放ったばかりの男根が、萎える間も与えられずに再びひく、ひく、
と喘ぎ始める。正臣は再び快楽地獄の泥沼へと引きずり込まれていった。
「うぁ……ああ……はぁ、あああああ……!」
「ほほほほほ……ほうれ、もう身体が次の極楽を欲しておるわ……ならば、望み通りに
してくりゃろうぞ……くふふ、ふふふふふ……ふふふふふふふ……!」
妖しく笑いながら、蜜姫は正臣の腹に両手を添える。その手のひらが、静かに温かな光を
放ち始めた。最初はほのかな光であったのが、徐々に明るさを増していく……。
それと共に、正臣は自分の身体が軽くなったような、何かが抜け落ちたような、そんな
感覚に捕らわれた。わが身に何が起こっているのか、いい知れない不安がこみ上げる。
そんな正臣に、蜜姫は妖艶な笑みを一層深くした。
「くふふふふ……心配するでない、そちのはらわたの中身を消しただけじゃ……
そのままでは汚いし、邪魔になるでのう……ふふふ……ふふふふふ……!」
「う……ああ……あ……!」
既に快楽の虜になりつつある正臣にも、それが何を意味するのかは想像がついた。
そして、それはすぐに現実のものとなったのだった。
「ほほほ……では、いくぞぇ……ほうれ!!」
その声を合図に、正臣の全身に絡み付く8本の尻尾が、にゅるにゅるにゅるにゅる……
と伸び始めた!そして、より隙間無く螺旋状に巻き付いて、正臣の身体を包み込んで
いく……十重二十重に絡み付いて、ふさふさの白く柔らかな毛で覆い尽くしていく……
「う、うぁっ、あふあぁあああああ……!はああ、ああ、あああああ……!!」
正臣は、なす術もなく白い螺旋の中に埋もれていった。
さわさわさわ……こちょこちょこちょ……くしゅくしゅくしゅくしゅくしゅ……!!
「ひああああ……ああ、あひぁああああああ……はあ、あああああっ……!!」
正臣を再びくすぐり地獄が襲う!それも、先程よりも一層濃密な刺激で、正臣の身体の
全てを包み込んでいく……!今や、正臣の身体で露出しているのは顔ぐらいだった。
首筋も、脇の下も、腕も、脇腹も、背中も、胸元も、脚も、股間も、何もかもが、
純白の柔らかな尻尾の毛に包み込まれ、さわさわとくすぐり撫で回されている。
あたかも、全身を毛皮に包まれているかのような姿の正臣……しかも、その毛皮の毛先が
ぷるぷる、ちろちろといやらしく蠢き、正臣の身体のあらゆる部分に苛烈なくすぐりの
快感を刻み込んでいく……!何十万本、何百万本、いや、もっと、もっとたくさんの、
まさしく無数の白い刺客が、正臣を寄ってたかってくすぐり責める!!
ちょろちょろちょろ……さらさらさらさらさら……こちょこちょこちょこちょ……!!
「あああああっ、あはぁああああああ!!はひっ、ひいっ、いひゃあああああああ!!」
白い毛の海の中で溺れ狂う正臣。びくん、びくんと全身をはげしくわななかせ、この
くすぐり快楽地獄の中でのたうちまわる!!しかし、どんなにもがいても全身をみっしり
と包み込む尻尾からは逃れられなかった。そればかりか、尻尾が妖しく蠕動を始め、
さらに激しい快感で正臣を責めたててきた!!
さわさわさわ……うにうにうにうにうに……ふさふさふさふさふさ……!!
「ひいいっ、いいっ、いああああああああ!!あぎぃっ、いひいいいいいいいい!!」
「ほほほほほ……ほれ、もうたまらぬであろ?もっとじゃ、もっと狂いやれ!!」
蜜姫は笑いながら、さらに全身を激しくくねらせ、正臣の男根を嬲った。
熱く蕩けた蜜壷が正臣を舐めしゃぶり、搾り、肉襞一枚一枚を振るわせてくすぐる!!
「あぎいいいいいいい!!いぎいいっ、いひいいあああああ!!」
正臣は全身を包み込む尻尾の責めに、男根を包み込む肉襞の責めに、たちまち限界まで
追いつめられてしまった。逃れる術もなく、がくがくと全身を痙攣させてよがり狂う。
だが、これだけでは終わらなかった。
「くふふふふ……もう堪えられまい?じゃがのぅ、まだまだこんなものではないぞぇ……
ほほほ、そちに真の快楽を教えてくれよう、存分に味わって果てるがよいわ!!」
その次の瞬間。
ぞわ。
「はぁあああ、あああああああああああああああああああああああああっ!!!」
白い毛の中に埋もれた正臣の身体が、蜜姫を乗せて跳ね上がる。それまでの快楽地獄さえ
も児戯に等しい、異次元の快楽が彼を貫いたのだ。
ぞわぞわぞわぞわぞわ……!
「があああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」
さらなる刺激に、正臣の血を吐くような絶叫が閨中に響きわたった。
新たな快感が、彼の体内に侵入してくる……ふさふさの柔らかな毛の感触が、彼の中に
潜り込んでくる……!そう、最後の一本、彼の肛門を貫いていた尻尾が、他の八本の
尻尾同様ににゅるにゅると伸びて、正臣の腸の中をさらに深く侵入してきたのだ!!
「があああっ、あがぎひいいいいいいいいい!!いいっ、ぎああああああああ!!!」
「ほほほ、どうじゃ?こんな快楽はこの世のどこにもあるまい?」
悶絶する正臣を見下ろして、蜜姫はころころと笑った。
「何しろ、そちのはらわたの中身を消したついでに、中で感じられるようにもしておいた
からのぅ……ほほ、今そちのはらわたは、おなごの火所と同じように、いや、それより
ずっと感度が良くなっておるのじゃ……ほほ、それを妾の尻尾で嬲られては、もはや
極楽も通り越して地獄であろうて……ほうれ、もっと深う挿してやろう、ほほほ、
鳴きゃれ!もっと鳴きゃれ!!そして、逝って逝って逝き尽くしゃれっ!!!
ほほほ、ほほほ、ほほほほほ、ほほほほほほほほほ!!!ほほほほほほほほほ!!!」
ぞわぞわぞわぞわぞわ……ぞわぞわぞわぞわぞわ……!!
蜜姫の哄笑と共に、尻尾がどんどん奥へ奥へと潜り込んでくる……
そして、無数の柔らかな毛先が、正臣の腸の内側の襞一枚一枚を、ちろちろ、さわさわと
くすぐり、撫で回す!!さらに奥へ……奥へ……長い長い腸の中を、長い長い尻尾が
みっしりと充たし、正臣の身体を内側からくすぐりたてる!!
そして、正臣の腸は与えられた刺激に敏感に反応し、言語に絶する強烈な快感を正臣の
全身に発信した。
「ぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」
どぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶ!!!!!
三度目の射精が、正臣の尿道を迸る。
それは、人の身で耐えられる刺激ではなかった。それはまさしく、人の身体も精神も
破壊し尽くす、殺人快楽だった。身体の外側も内側も、あますことなく無数の毛先で
くすぐられ、身も心もその快感に塗りつぶされる。
「ほほほ、もっと鳴きゃれ!もっと逝きゃれ!そして妾に全てを捧げて死ぬがよいわ!」
「ぎがあああああああっ!!!あぎあああああああ!!!あああああああああ!!!」
どぶどぶどぶどぶどぶ……どぶどぶどぶどぶどぶ……!!
正臣の精の迸りは、いつまでも止まらなかった。彼の男根は、断末魔の叫びのように
白濁液を吐きだし続けていった。
「……これ、正臣や……起きゃれ……これ……起きゃれ……。」
「ん……。」
闇の中から、意識が引き戻されてくる。正臣は、ゆっくりと目を開いた。
意識が戻って来るにつれて、五感が周囲の状況を知覚する。甘い伽羅の香り、真っ赤な
緋毛氈、豪奢な夜具……蜜姫の寝所だ。どうやら気を失っていたらしい。
「は!!」
がば、と正臣は跳ね起きた。身体は自由が効く。
一瞬、今までの快楽地獄は夢だったのではないかとさえ思えた。
だが。
「ほほほ……ようやく目が覚めた様じゃのぅ……少々待ちくたびれたぞえ……。」
目の前で微笑む蜜姫の姿は……目にも眩しく輝く白銀の髪、両のこめかみの上に大きく
尖った三角形の耳、そして背後にうねうねと、さわさわと、触手のようにのたうつ九本の
尻尾……それは、正臣が堕とされたくすぐり地獄が紛れもなく現実であった事を、雄弁に
物語っていた。そして、これからその続きが待っているであろう事も……。
「ふ、うう……あ、あ、ぁあ……!」
正臣の顔に、絶望の表情が浮かぶ。もはや彼は、蜜姫の贄でしかなかった。
それでも、半ば無駄な努力と知りながらも、必死に起きあがって逃げようと……
逃げようと……
「う……!う、うう……!!」
「ほほほほほ……どうしたのじゃ……?」
蜜姫がその目をにんまりと、逆三日月型に細める。その目の前でもがく正臣の動きは
あまりに緩慢で、あまりに弱々しかった。まるで嬰児のごとくよろよろと立ち上がり、
よろけて倒れ、そして再び起きあがろうともがく。
「ほほほほほ……ほほほほほほほ……なんじゃ、そのざまは……?
まあ、仕方あるまいのう……その身体ではのぅ……ほほほ……ほほほほほ……!」
蜜姫の言葉に、はっと我が身を見る正臣。その顔が、死人のようにこわばった。
「こ、これ……は……!!」
「ほほほほほ……ほほほほほほほほほ……ほほほ……ほほほほほほほほほ……!!」
哄笑が閨中に響きわたる。
その笑い声を聞きながら、正臣はまさしく奈落に堕ちた気分を味わっていた。
彼の目に映る手足は、異様にか細かった。あたかも、幼い少年のように……。
手足だけではなかった。彼の身体からは、分厚い胸板も、岩肌のような腹筋も、
太い筋肉をまとった首も、消え失せていた。
胸板は僅かにあばらの影さえ浮き出るほど薄かった。
腰回りと首は、少女のように細く、華奢だった。
正臣の肉体は、逞しさを微塵も感じさせない、まるで小姓や稚児の様な、いや、もはや
愛玩動物のような身体になり果てていた。
そして……その見た目以上に、無惨なまでに彼の筋力は奪い去られていた。
もはや、満足にその身を支えることも叶わぬ程に……
「ああ……あ、う、あ、あ……!」
「ほほほほほほほほほ……どうじゃ、新しい身体は……?なかなか良いであろ……?」
驚愕のあまりに我が身を見つめたまま凍り付いた正臣に、蜜姫が嬌笑を浴びせる。
そして、
「ほほ……ほんに愛い姿じゃ……どれ、妾が愛でてやろうぞ……。」
淫らな笑みを向けながら、正臣にいざり寄ってきた!
「ひっ……!」
逞しさの抜け落ちたあどけない顔に恐怖の表情を浮かべて、正臣は後ずさる。
「くふふ……なぜ逃げやる……?愛でてやろうと言うに……。」
「う、うぁああああ!!」
正臣はたまらず、這いずって逃げ出した。だが……。
身体が重い。今の彼の筋力では、四つん這いさえも困難だった。
「う……ふ、うう……くっ……!」
のた、のた、と這いずる様は、あたかも亀か山椒魚の様だった。
無様に這い回る正臣の背中に、蜜姫の声が浴びせられる。
「ほほほほほ……ほれ、ほうれ、早う逃げねば捕らえてしまうぞえ……!」
「……う、ぐぅ……っ!あ、くっ……ふ、うう……!」
屈辱と絶望感が正臣の表情を崩した。泣きそうな顔になりながら、閨から這い出る。
そして、この部屋から逃れるべく、出口の襖へと必死に這い進む。
「ほれ、早う逃げや……そんなにゆっくりでは逃げられぬぞ……ほほほほほほほ!!」
正臣を嘲弄する蜜姫。余裕たっぷりに、正臣の後をゆっくりとついてくる。
その気になれば、彼女はいつでも正臣を捕らえられるのだ。それをわざと捕らえず、
正臣が必死に、そして無様に這いずるさまを見て楽しんでいるのだ。
「うう……う、ううう……!!」
出口の襖は、今の彼には果てしなく遠かった。
一間進むのにも、途方もなく時間と精神力を要した。
そして彼の背後には、邪悪な笑みを浮かべた魔性の美姫。
正臣を嬲るように、ゆっくり、ゆっくりと後を追ってくる。
「ほほ……ほれ、あと少しじゃ、そこから出れば助かるぞえ……ほほほほほ……!」
そして、果てしなく遠く、困難な旅路の末に、正臣はついに出口へと辿り着いた。
「う、う、うう……くっ、うう……!」
しかし、彼の表情には安堵の色はなかった。もう、今すぐにでも彼を襲うであろう運命を
いやと言うほど理解しているからだった。
「ほほほほほ……ようここまで来たのう……ほれ、もうすぐ出られるぞぇ……。」
彼の背後から、蜜姫がしなだれかかってくる。顔をすり寄せるようにしながら、甘く、
そして優しく囁く。
「う、ううううう……ふ、ぐぅっ……!」
ついに正臣の目から涙が溢れた。それは、逃れる術を持たぬまま嬲り殺しにされる獲物の
涙だった。顎をつたった熱い流れが畳にぽた、ぽた、と落ちる。
「ほれ、早う逃げや……早うせねば、狐の化け物にとって喰われてしまうぞぇ……。」
濃厚な伽羅の香りで正臣を抱き包みながら、蜜姫は顎で襖の取っ手を示した。
それは、この逃亡劇に幕を引けという命令に他ならなかった。
「うう……ううううう……!!」
顔を絶望に染め抜いて、正臣は命令に従った。か細い手を、取っ手に伸ばす……。
そして、襖を、この淫ら地獄からの出口を開く……。
「う、うう……ううう……!!」
正臣の喉から、新たな嗚咽が漏れた。
「ほほほほほ……どうしたのじゃ?早う開けや……。」
一層淫らな笑みを浮かべて、笑う蜜姫。
涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、正臣は必死に襖を開けようと手に力を込めていた。
だが、目の前の襖はびくともしなかった。
蜜姫の白い手が、そのしなやかな指先が襖に軽く添えられている。
その繊手にはいささかも力がこもっていなかったが、たったそれだけの事で、今の正臣は
襖をほんの僅か開くことさえもできなかった。今の彼はまさしく無力そのものだった。
「うう……!う、う、うう……!!」
「ほほほ、逃げぬのか?ほれ、早くう逃ぎゃれ……それとも、逃げとうないのかぇ……?
妾ともっとまぐわいたいのかぇ?ほほほ、そうか、もう妾から離れられぬか……。」
正臣を嘲弄する蜜姫。その言葉と、甘い伽羅の香りと、柔らかな女体の感触が正臣を
包み、屈辱感と無力感で浸していく……。
「ならば……ほほ、また抱いてやろうぞ……さあ、閨に戻りやれ……ほほほほほ!」
「ううっ、うあ、あああ、いや、いやあっ、やめてくれえっ!!」
泣き叫ぶ正臣をひょい、と抱き上げる蜜姫。襖の取っ手から手がもぎ放され、そして、
「ああ、あああ……!」
蜜姫は正臣を胸に抱いて閨へと戻る……必死にここまで這い進んできた努力も空しく、
正臣の視界の中で、出口の襖がみるみる遠ざかっていった。
そして、再び彼は蜜姫の閨へと連れ戻される……人外の快楽が渦巻く、妖姫の巣へと……
「!!!」
閨へと連れ戻された正臣を迎えたのは、一体の骸であった。
先程は蜜姫の背後に隠れていて見えなかったが、木乃伊の如く干からびた男の骸が、
夜具の向こうに横たわっていた。
「ほほほ……なんじゃ、そんなに己の昔の身体が恐いのかえ?」
「えっ……!!!」
笑う蜜姫、ますます顔をこわばらせる正臣。
「ほほほほほ……あれはの、そちの骸じゃ……そちの精を一滴残らず搾り取って、
魂までも妾の胎内に吸い取ってやったのじゃ……今のそちの身体はの、妾が直々に
産み落とした新しい身体じゃ。その身体にそちの魂を吹き込み、まぐわいができる身体
にまで成長させてやったのじゃ……ほほほほほ……ほほほほほほほ……!!」
蜜姫はそう言うと、正臣の顔にふぅっ……と吐息を吹きかけた。
甘く薫る吐息の魔力か、ただでさえ無力な正臣の身体から、さらに力が抜けてしまう。
身体の自由が効かなくなった正臣を夜具の上に寝かせて、蜜姫は骸の上に屈み込んだ。
「くふふふふ……では、こちらの身体には新しい命を与えてやろうかの……。」
蜜姫は、骸の口に自らの乳房を含ませた。そして、乳房を搾るように揉み始める……。
「ん……。」
白い液体が、蜜姫の乳房から滴り始めた。妖姫の母乳が、骸の口の中に流し込まれる。
「んん……うぅんん……ん、ふぅんんん……。」
恍惚の表情で、乳房を搾る蜜姫。
プシャアァア……。
朱鷺色の乳首の先から迸る母乳。その魔の乳が、骸の身体に染み渡っていく……そして、
干からびていた骸が、徐々に膨らんできた……徐々に生前の姿を取り戻していく……
鍛え上げられた筋肉をまとった逞しい身体が復元され……
そして、いつしか骸は骸でなくなっていた。
正臣の姿をした「それ」は、自ら蜜姫の乳首を口に含み、赤子が母の乳を求めるように、
無心に妖姫の母乳を吸っていた。
「ああ……良いぞぇ……もっと、もっと吸ってたもれ……ああ、あああ……!」
乳を吸われる快感に妖しく身をくねらせながら、蜜姫は乳を与え続けた。
正臣は、悪夢を見ているかのような気持ちで目の前の光景を……自分の姿をしたものが、
蜜姫の乳を吸っているその光景を見ていた。まるで、自分が自分でなくなってしまった
かのような、そんな気分だった。
やがて……
ちゅぱ……と、「正臣」の唇が、蜜姫の乳首から離れた。
「ほほほ……これでよいわ。」
満足げに、蜜姫は「正臣」から離れる。同時に、「正臣」はゆっくりと身を起こし、
そして、主君に対してするように蜜姫に向かって正座し、頭を垂れた。
「……蜜姫様、どうぞご命令を……。」
「ふふ、今日からはそちが『片山正臣』じゃ。そちには、憲正と共に城に戻り、妾の為に
よう働いてもらうとしよう。まずは、ふふ、憲正を出してたもれ。」
そう言って蜜姫は押し入れを顎で指し示す。「正臣」が押し入れを開けると、そこには
やはり干からびた男の骸が一体、しまい込まれていた。
「!……お、御館様……!!」
正臣の喉から、嗚咽に似た叫びが漏れる。その骸はもはや生前の姿を留めておらず、
実際には憲正かどうかは判別はつかなかったが、蜜姫の言葉や周囲の状況を考えれば、
あれが正臣の主君の無惨な成れの果てであることに、疑いを差し挟む余地はなかった。
蜜姫は、その骸に対しても「正臣」に対してしたように、乳を与える……
そして、それからしばらくの後には、生前の姿を取り戻した「憲正」が、蜜姫の足元に
恭しく跪いていた。一国の国主が、その奥方に平伏している……今や、崎山国の主は
赤城憲正ではなかった。蜜姫こそが、この国の女主人となっていたのだった。
「さて、妾から最初の命を申しつける。」
平伏する二人の傀儡を前に、蜜姫は小袖と打ち掛けを羽織り、軽く身を整えて、命じた。
その胸元には、正臣がぐったりとした様子で抱き抱えられている。
「城では、赤城の家臣共がそちらの帰りを心配して待っておる。城に戻り、安心させて
やるがよい。これからは、皆で崎の国をよう支えて栄えさせてたもれ……。」
「ははっ。」
「それからのぅ……憲正が来ぬとなれば、奥の院は女しかおらぬようになる。
昼間はともかく、夜は心細いでのう……赤城の家臣団から毎晩一人づつ、宿居に来る
ように頼んでたもれ……夜はやはり、くふふ、男がおらねばのう……。」
「ははっ。」
にんまりと妖しい笑みを浮かべる蜜姫に、「正臣」と「憲正」は恭しく頭を下げる。
「ああっ……あああ……!」
蜜姫の胸に抱かれて、正臣が絶望的な悲鳴を上げる。
これから毎晩一人づつ、赤城の家臣が彼のように蜜姫の餌食となっていくのだ。
憲正と正臣が無事還ったとあれば、家臣達も蜜姫の「ささやかな願い」を叶えぬわけにも
いくまい。まさか、己の主君が傀儡となり果てていようなどと、目の前の二人の姿を見て
誰が思うだろうか。
蜜姫の邪悪な企みを阻止できるのは、それを知っている正臣のみだが、今の彼には、
もはや何をする力もなかった。彼は、自らの同僚が妖姫の餌食となって果てていくのを、
どうすることもできぬまま見ているしかないのだった。
「ほほほ……正臣や、どうしたのじゃ?何が恐いのじゃ……?」
蜜姫が、正臣の顔を覗き込む。艶やかな美貌が、妖しい笑みを浮かべた。
「案ずるでない、贄として飼うはそちだけじゃ……他の者は皆、主君と同じ所に送って
くれようぞ……くふふ、ふふふふふ……ふふふふふふふふふ……!!」
「!!お、御館様は、御館様をどうしたのだ!!」
はっと我に返る正臣。そう、憲正の抜け殻は今目の前で蜜姫にかしづいているが、憲正の
魂はどこへ行ったのか……?正臣は精一杯の気力を込めて叫んだ。
「んふふふふ……御館様なら……ふふふ、ここじゃ。」
にんまりと笑みを浮かべて、蜜姫は己の下腹部を愛しげに撫でる。
「精も魂も残らず吸い取って、まだ妾の胎内に留めおいてあるのじゃ……妾の胎内は
妖気と淫気の坩堝じゃ、その中で果てしなくよがり狂いながら、徐々にとろけて妾の
滋養となっていくのじゃ……完全に溶けて跡形もなくなるまでに、まあ三日はかかろう
かのう……その間、ずっとよがりっ放しのいきっ放しじゃ、幸せな最期であろ……?」
そう言って、蜜姫はにぃっ、と笑みを深くした。逆三日月に反り返った眼差しは、
端がつり上がった唇は、この上なく邪悪で淫らな、悪魔の笑みであった。
「ほほほ……では、行くがよい……、おお、そうじゃ。正臣や……。」
はた、と手を打って、傀儡の「正臣」に声をかける蜜姫。憲正に続いて寝室を出ようと
していた「正臣」が振り返る。
「は、何でありましょうか?」
「出がけにの、露葉らを呼んできてたもれ……。」
「は、かしこまってござる。」
「ああっ、ああ……や、やめ……ああ、やめて……た、助けて……!」
「正臣」は、正臣の哀願には応えず、一礼して部屋を出ていった。
「ほほほ……今宵は宴じゃ、皆で存分に楽しもうぞ……ほほほ……ほほほほほ……!!」
哄笑する蜜姫。今の正臣は、国や主君や同僚の心配をしている場合ではなかった。
やがて、コン、コン、と出口の襖を叩く音がした。そして間をおかず、コロコロ……と、
襖が開く。閨との間を隔てる屏風の向こうから、涼しげな声が聞こえた。
「蜜姫様……露葉以下、侍女一同参りましてございます。」
「ほほ……待ちかねたぞぇ……皆こちらに来りゃれ……。」
程なく、屏風の脇から露葉を先頭に、十人の侍女達が姿を現した。
「ああ……ううう……!」
すでに絶望と恐怖でぐしゃぐしゃになっている正臣の顔が、さらに大きく歪む。
侍女達の髪は蜜姫と同じ、輝く白銀の髪だった。彼女達の耳は、大きく尖った三角形の
耳だった。そして……彼女達は自らの帯に手をかける。
「ふふ……片山殿、美味しそうですわ……今宵は存分に味わわせて頂きますよ……。」
露葉の言葉と共に、侍女達の小袖が、下衣が、次々と緋毛氈の上に落ち、あたかも花畑の
ように色とりどりの色彩が閨を飾った。
その花畑の上に立つ侍女達……彼女達のお尻には、ゆらゆらと触手のように蠢く白銀の
尻尾が生えていた。露葉の尻尾は三本、他の侍女は一本ずつ、計十二本の尻尾が、正臣の
身体を狙って鎌首をもたげていた。
「う、うあ……ああ……!!」
これから自らの身がよってたかって貪り尽くされる、その恐怖におののく正臣。
必死にもがき、蜜姫の懐から逃れようとするが、今の彼の力は赤子のそれにも及ばぬもの
であった。蜜姫は彼を背後から軽く抱き抱えているだけだったが、たったそれだけの事で
正臣はほとんど身動きが取れないでいた。
「これで皆揃うたの……ふふ、では、もっと楽しめるようにしようかの……。」
そう言って、蜜姫は正臣の股間に手を伸ばす。菊座の後ろ、尾骨の辺りに指を添え……。
「ふんっ……!!」
軽い気合いの声と共に、蜜姫の指先から何か、熱いものが正臣の身体に打ち込まれた!
「ぎっ……!!」
のけぞる正臣。
打ち込まれた「何か」は、正臣の脊髄を貫いて全身に熱い波動を送り込んできた!
そして、正臣の身体に生じた熱が、脊髄を通って尾骨へと戻ってくる……!
「ああ、あああ……あああ、あああああ……!」
「くふふ、熱いであろ……?これは妾からそちへの贈り物じゃ……。
妾と同じ、九本の尻尾を賜ろうぞ……くふふ……ふふふふふ……!」
正臣の耳元で、蜜姫が熱く囁く……そうしている間にも、正臣の尾骨にはじわじわと
熱が溜まっていく……どんどん、どんどん、熱が溜まり、そして……
「うあ、あああああああああっ!!」
どばあっ!!
正臣の尾骨の部分から、九本の尻尾が迸り出た!
それは、蜜姫達のようなふさふさの尻尾ではなく、無毛の肌色の尻尾だった。
長さは五尺ほど、太さは一寸強ほど、そして、先端は太く丸く、傘状にエラが張っている
……そう、それはただの尻尾ではなかった。
「んっふふふ……どうじゃ?嬉しいであろ?」
「あ、あ……ああ……ま、まさ……か……!」
「ほほほほほ……そのまさかじゃ、その尻尾はの、摩羅じゃ。
これで、皆と存分に楽しめようて……ほほほほほ……ほほほほほほほ……!!」
正臣は今や、前に一本、後ろに九本、計十本の男根を持つ身体にされたのだった!
「さあ、宴の始まりじゃ。皆で存分に味わうがよい!!」
蜜姫の言葉を号令に、正臣の尻尾がにゅるるるる……と伸びる。
そして、侍女達の身体に絡み付く……!
「うふふ、いらっしゃいまし……とっても気持ちよくして差し上げますわ……。」
「ああ、私ももう我慢できませぬ……早く、早く来て……。」
侍女達も自らその尻尾を誘い、その身に絡ませる。
「うあ、あああ、ああああああっ!!ああっ、あっ、あがああああああっ!!」
蜜姫の腕の中で、正臣がびくん、びくん、と痙攣する。九本の尻尾、いや、男根が、
女の柔肌の感触を敏感に感じ取って、正臣の身体に容赦なく送り込んで来たのだ!
そして、侍女達は正臣の尻尾を股間へと導く。
九本の尻尾は、その持ち主の意志に関係無く、女達の体内へと先端を潜り込ませる!!
じゅぶっ、ずぼぼっ、ぬぷうっ、ずちゅるうぅっ、じゅぶるるる……!!
「ぐっ、ぐぇああああああああっ!!あぎっ、ぎいいっ、いぎぃああああああ!!!」
正臣の凄惨な絶叫が閨に響きわたる。九本の男根が次々と女の肉襞に呑み込まれる……
それも、この世のものとは思われぬ極上の名器の中に……その感触がもたらす快感は、
蜜姫に犯され尽くした正臣をもってしてなお、未知の快楽であった。それも道理、蜜姫と
同様の魔性の肉体をもつ女達九人と同時に交わっているのだ。
九倍に増幅された快感が、容赦なく正臣を貫いた。それは、もはや快楽とは呼べない程に
強烈で、暴力的な刺激だった。九本の尻尾の先端が侍女達の体内深く潜り込むその度に、
槍で串刺しにされたかのような、激痛に近い快感が正臣を貫いた。
「がぎああぁっ、あぎいいいっ、いがっ、がはっ、あぐぁはああああああああ!!!」
じゅぼっ、にゅぶっ、じゅぷっ、ぐちゅぐちゅっ、ぬりゅりゅりゅりゅ……!!
九本の男根は正臣の意志に反して、女達と進んで交わり、その妖しく蠢く肉襞一枚一枚の
感触を、熱く蕩けたぬるぬるの淫蜜の感触を、余すことなく正臣の身体に送り込む。
「はあ、あがあああ、ああっ、あはぁっ、ぎああああああああ!!」
正臣は情け容赦のない快楽責めに成す術もなく悶え狂った。
それ以外の何をする事も彼にはできなかった。全身をびくん、びくんと痙攣させ、半ば
白目をむいてのたうち回る。
「んふふ……どうじゃ……?新しい身体は、感度も良いであろ……?」
背後から正臣の耳元に口を寄せ、蜜姫が囁く。
「ああっ、があっ、あああ、あぎあああああああ……!」
もはや正臣には応える余裕もない。
「ほほほ……そうか、そんなに良いか……じゃが、それだけではないぞぇ……
その身体はの、快感に対する耐性も高くなっているのじゃ……どうじゃ……それだけ
気持ち良くなっても、いかぬであろ……?」
確かに蜜姫の言う通り、正臣は強烈な快楽によがり狂いながら、身体に射精の兆しを
感じてはいなかった。本来ならばいきっ放し、下手をすれば快楽のあまりに悶え死ぬ程の
刺激を受けてなお、正臣の男根は先端に透明な液を滲ませてひくひくとわななくのみで、
精の迸りはまだなかった。
「その身体は、もっともっと気持ち良くならねば、決していく事は無い……くふふ……
分かるかえ……?もっともっと気持ち良うなれる、ということじゃ……ほほほほほ……
さあ、宴はまだはじまったばかりじゃ、もっともっとよがり狂ってもらうぞぇ……!」
「あがあああっ、ああっ、ぎああああああああっ!!ああっ、あっ、あぐああああ!!」
蜜姫の甘い囁きに、正臣の悲鳴が重なった。
「うああああっ、あぐぁっ、あああ、ぎひぃああああああ!!」
蜜姫の懐の中で、激しく悶え狂い、のたうち回る正臣。
彼の全身を、まさしく地獄の快楽が責め苛んでいた。
正臣の尻尾は、一層激しく侍女達の肉襞の中へと潜り込む……そして、その柔らかく、
ぬるぬるの肉襞の感触を、余すことなく正臣の身体に送り込んで来る……!
じゅぶっじゅぶじゅぶっ、にゅるにゅるにゅるるるる、じゅぷっ、じゅぷぅっ!!
「ああっ、いい、正臣さまっ、いいっ、もっと、もっとぉっ!!」
「はあん、あん、あはぁああっ……おっきい、いい、とっても、ああ、いいのぉっ!!」
侍女達の嬌声が響きあう。彼女達は一様に歓喜の表情を浮かべ、正臣の尻尾を……
熱くたぎる男根の感触を楽しんでいた。そして、さらなる快楽を求めて、尻尾を太股に、
胸の間に挟み込み、身をくねらせてしごき始める……!!
「ぎあああああああああああああああっ、あああああああああああああああああっ!!」
ただでさえ地獄の快楽責めであるのに、その刺激がさらに倍加され、正臣は全身を限界
いっぱいにのけぞらせて絶叫した。九本の尻尾が、女達の太股の感触を、乳房の感触を、
快感に変えて正臣をよってたかって嬲り責める。
「ふふふ……正臣様、ようございますか……?」
よがり狂う正臣の目の前に、露葉の姿があった。彼女も全裸となって、しなやかで艶やか
な肢体を晒している。
「では……ふふ、私はこちらを……。」
涼しげな眼差しにほのかに淫らな期待の色を滲ませ、露葉は正臣の上に腰を下ろす……
最後の一本、彼の股間で限界一杯まで張りつめている男根の上に狙いを付けて、露葉の
肉の華がゆっくりと降下して来た。
「うぎぃっ、いあっ、あああああっ、いやっ、やああああっ!!」
必死にもがく正臣。彼が強制的に味わわされている快楽は既に人体が耐えきれる限界を
遥かに超えてしまっている。今の彼にとって、快楽は苦痛と同義であった。
だが、彼がどれほどもがこうとも、蜜姫の腕はびくともしなかった。
そして、露葉のぬれそぼった花びらが、正臣の先端に触れる……。
「いぎっ、ぎぃいいいいいいいいいっ!!あぎあぁあああああああああ!!」
断末魔のような正臣の絶叫が閨に響く。
「ふふふ……正臣様、謹んで、いただきますわ……。」
にゅる……にゅるる……ぬりゅぬりゅぬりゅ……。
ゆっくり、ゆっくりと露葉は正臣を呑み込んでいく……。
「ああっ、あああああっ、あああああひぃいいっ!!ひぎゃああああああああっ!!」
露葉の身体が沈み込むほどに、正臣の悲鳴が一層高く跳ね上がっていった。
ぐちゅっ、ぬちゅっ、じゅぽっ、じゅぽっ、ぐちゅぐちゅぐちゅぅっ!!
「ぎああっ、あぎあっ、あああああっ、がはっ、は、ああああああああああっ!!」
「ううん……ああ、いい……大きくて、固い……びくびく震えてる……ああ……!!
正臣様ぁ……もっと、もっと味わわせてくださいませぇ……!!」
対面座位で正臣を貪る露葉。正臣は、圧倒的な快楽に呑み込まれて、半ば白目を剥いて
全身をがくがくと痙攣させている。
「ほほほほほ……もう気絶してしまいそうじゃのう……じゃが、そうはいかぬぞぇ……
さあ、皆で正臣をさらなる高みへと引き込んでやりゃれ……!!」
蜜姫の声を合図に、侍女達の尻尾が蠢き出す。にゅるにゅると長く伸びて……
正臣の尻尾にくるくると巻き付き、さわさわとしごき始めた!!
「ああっ、があああああああああああああああああああああああっ!!!」
血を吐くような絶叫が閨の空気を振るわせる。
男根の尻尾にふさふさの尻尾を巻き付けられ、その柔らかな毛先でしゃわしゃわと、
くしゅくしゅとくすぐりしごかれる……!!
長い長い尻尾はそれ全体が男根同様の性感帯となっていた。
九本の尻尾は柔らかな毛の感触を敏感に感じとり、その何百万本、何千万本もの毛先が
もたらす快感を余すことなく正臣の身体に送り込んできた!!
「がはあああっ、ああああああぎぎひいぃいいいいい!!」
正臣は目をかっと見開いたまま、ぼろぼろと涙をこぼす。
「ほほほ……では妾も……。」
その言葉を合図に、正臣の全身に再度、蜜姫の尻尾が絡み付いてくる!!
そして、全身を余すことなく尻尾でくるみ込み、首筋も、脇腹も、乳首も、股間も、
ありとあらゆる性感帯をさわさわとくすぐり責めてきた!!
「ぎひぃいいいいいいいい!!いぎゃぁっ、あぎゃはあああああああああ!!」
蜜姫の懐に抱かれたまま、正臣はびくびくと全身をわななせて悶え狂った。
しかも、彼の身体を、尻尾を包み込む尻尾の感触は、ただ単に新たな快楽をもたらした
だけではなかった。その毛先が彼をくすぐる度に、その刺激が全身を駆けめぐる度に、
正臣の神経が活性化され、意識が覚醒させられていく……快楽のあまりに失神しかけて
いた状態から引き戻され、そして意識がはっきりとした状態で、更なる快楽を無理矢理
味わわされる……気絶することも許されぬまま、どこまでもよがり狂わされる!!
正臣は、この快楽地獄から逃れる術もなく、ただただ喘ぎ鳴くほかなかった。
「いぎゃあああっ、あああ、あぎひいいいいいいい!!いいっ、いあああああああ!!」
「ほほほほほ……良い声じゃ……もっとじゃ、もっと鳴きゃれ……ほほほほほ……!!」
露葉が鳴かせてくれようほどにのぅ……さあ、露葉も……くふふふふ……。」
蜜姫がにんまりと笑みを浮かべ、そして露葉に目配せする。
「はい、では……くふふ、正臣様……。思いっきり鳴いてくださいましね……!!」
露葉の涼しげな顔に、妖しい笑みが浮かぶ。もとより冷涼とした雰囲気を醸し出す
その美貌に浮かんだその表情は、残忍ささえも感じさせるものであった。
「では……行きますわ……正臣様、お覚悟を……!!」
その言葉と共に、
ずぼぼぼぼぼぉっ!!
「ぎゃああああああああああああああああっ!!」
正臣の身体を露葉の尻尾が貫いた。彼の肛門を、腸内の粘膜を、露葉の尻尾の毛先が
ぞわぞわとこすり上げ、くすぐりたてる!!どこまでも、奥へ、奥へ……遠慮呵責なく
体内へと侵入してくる!!
「あぎいいいいいいいい!!いいっ、ぎひぃぃっ、いぎいいいいいいいいい!!」
限界一杯までのけぞる正臣。腸内の襞一枚一枚をこすり上げながら、露葉の尻尾が彼を
串刺しにしていく……!!
「うふふふふ……いかが?気持ちようございましょう……?」
「ああっ、ああっ、あぎあああああああ!!いやっ、やっ、ああああああああああ!!」
腸内をごしゅごしゅとしごく露葉の尻尾。
「ああっ、いやっ、あぎあああああああっ!!あひぃっ、やめっ、やめてぇえええ!!」
正臣は身も世もなく泣き叫んで悶え狂った。
九本の尻尾を侍女達の乳房に、太股に、ふさふさの尻尾にしごき抜かれ、
さらにその先端をぬるぬるの肉襞でむっちりと挟み込まれて、その快楽を一つの身体に
無理矢理ねじ込まれる……その上彼の本来の男根も露葉の蜜壷に根本まで押し包まれて、
容赦なく貪られる……そのあげくに全身を蜜姫の尻尾にくすぐり嬲られ、露葉の尻尾に
串刺しにされて身体の外側も内側もくまなくねぶり犯される……!!
十一人の妖狐の人外の性戯の前に、正臣は全く成す術を持たなかった。
「ぎああああっ、ああっ、あがあああ、やめぇええっ!!えあっ、あげえぇえええ!!」
人智を超えた魔性の女達に十一人掛かりでよってたかって貪り喰われる正臣。
既に、彼の男根も、そして九本の尻尾も、限界一杯まで張りつめ、そしてひくひくと
痙攣を繰り返している。蜜姫に与えられた新しい身体の、その限界が近づいているのだ。
「ほほほ……そろそろ逝かせてやろうかのう……?正臣や、その身体はいく時の快感も
また格別じゃぞぇ……十本の摩羅で、存分にいくがよいわ……ほほほほほ……!!」
蜜姫の言葉を合図に、侍女達の愛撫が激しくなる……そして、正臣の尻尾もそれに応える
様にじゅぽじゅぽと激しい出し入れを繰り返す!!
「いぎゃあぁあああああああっ!!やっ、やめてくれぇええっ、ぎぃあああああ!!!」
泣き叫ぶ正臣。だが、彼の身体の一部であるはずの尻尾は、彼の意志を無視してさらに
激しく侍女達の体内へと潜り込み、蠢く肉襞と協力しあうように激しくこすりあい、その
感触を余すことなく正臣の身体に送り込んでくる!!
「うぎぃいいいいいいっ、いいいいいっ、いぎぃあああああああああっ!!」
正臣は無理矢理に体内にねじ込まれる快楽の嵐に、全身をこわばらせて悶え狂った。
彼の男根は、びくん、びくん、と激しくわなないている。前に一本、後ろに九本、
あわせて十本の男根が、全て射精寸前の快楽にのたうち回っている……!
「ほほほほほ……もう限界のようじゃのう……さあ、我慢することなど無い、たっぷりと
十本の摩羅から精を放ちやれ……もっとも、我慢などできまいがのう……ふふふ……
……さあ、皆で快楽の極みに引きずり込んでやりゃれ……ほほほほほほほほ!!!」
「ああんっ、正臣様っ、早く、早く注いでくださいませ、熱い精を……!!」
「はあん、あん、あはあぁあああああん……正臣様ぁ……早く来てぇ……!!」
蜜姫の囁きが、侍女達の嬌声が、正臣の鼓膜を揺する。
「ふふふ……正臣様……では……私が最後のとどめを刺して差し上げますわ……
何も考えないで、いっぱい出して下さいましね……くふふ、ふふふふふ……!!」
正臣を見下ろしながら、露葉が宣告する。そして、彼女は身体を一層激しくくねらせ、
その体内に潜む花びらの群れを妖しく蠢かせて正臣を貪った!!
ぐじゅ、じゅぶっ、にゅるにゅるにゅる……ぬちゅっ、ぬちゅっ、ぬちゅるるるうっ!!
「ぎいああああああああっ、あぎああああああああ!!ひぎぃいいいいいい!!」
よがり狂い、悶絶し、泣き叫ぶ正臣。彼の身体は限界ぎりぎりまで追いつめられている。
もっとも、彼の精神はとうの昔に限界を超えてしまっている。彼が味わわされているのは
人間には耐えられない、この世では絶対に味わえない地獄の快楽なのだ。
「ふふふふふ……いい顔ですわ……もっといい顔になって、いって下さいませ……!!」
その声と共に、
ぞぼぞぼぞぼぞぼぞぼぞぼ……ずぶずぶずぶずぶずぶ……!!
「ぎひいいいいいいああああああああっ、ああああああああああああああっ!!」
露葉の尻尾が、正臣の腸の中を暴れ回る!!激しい出し入れを繰り返してこすり上げ、
正臣の腸の肉襞一枚一枚を容赦なくくすぐり撫で回す!!
「あぎいいあああああああああああああああっ!!ああっ、あああああああああっ!!」
「んふふふふ……さあ、出しておしまいなさい……ほら、ほらぁっ……!!」
ずぞぞぞぞぞぞぞぞ……ぞずぼぼぼぼぼぼぼ……ずぼずぼずぼずぼずぼ……!!
身体の中を快楽でえぐられていく正臣。限界を超えた刺激に、男根が膨れ上がり……
「ぎいああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
どぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶりゅぶりゅぶりゅりゅりゅうっ!!!
十本の男根が激しくわなないて一斉に白濁液を迸らせた。
「ああっ、ああがあああああああああああっ!!!」
十本の男根による射精は、正臣に一層強烈な快楽の刺激を味あわせた。
「うふふふふ……いかが?とっても気持ちよかったでございましょう……?」
悶絶する正臣を見下ろして妖しく笑う露葉。
「でも……私の尻尾は、あと二本もございますのよ……くふふ、ふふふふふ……!!」
徐々にその美貌に残忍な笑みを色濃くして、露葉が笑う。
その背後で、残り二本の尻尾が大蛇のように鎌首をもたげる……!
「うああっ、あああああっ、ああああああ……や、やめっ……!!」
射精の余韻に悶え狂いながら、必死に逃れようともがく正臣。だが……
どすうううっ、ぞぼぼぼぼぼぼぼぼぉっ!!!
「ぎがああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
正臣の肛門に、さらにもう一本の尻尾が突き刺さる。すでに限界まで拡げられている肛門
が、さらに裂けんばかりに押し拡げられる。そして、拡げられた肛門の皺を尻尾の毛先が
無慈悲に、容赦なくくすぐり犯す!!その奥の腸は二本の尻尾を無理矢理ねじ込まれ、
内部の粘膜の襞をごしゅごしゅとこすられ、その人外の快楽に悲鳴を上げる!!
「う、ぎいぃいいいああああああああああっ!!!あああああああああああああ!!!」
どびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるるるるるるるるるぅううううううううっ!!!
射精の余韻も醒めやらない状態で、もう一度強烈な射精を強制される正臣。
「んっふふふふふふふ……さあ、もう一本いきますわよ……くふふふふふふ……!!」
「いやあっ、やめてぇっ、あああっ、おねがいっ、いああああああっ!!」
露葉の無慈悲な宣告に、泣き叫んで許しを乞う正臣。武士の誇りも、男の誇りも失って、
涙をぼろぼろとこぼしながら、目の前の妖女に懇願する。
……だが、その懇願も露葉の淫虐心をくすぐっただけだった。
正臣を見下ろす露葉の顔が、一層淫らな、残酷な色に染まる。
「くふふふふ……いい顔です事……。
私は、男の方のそういう顔を見るのが大好きですのよ……うふふふふふふ……!!
さあ、お覚悟なさいませ……ふふふ、ふふふふふ……ほほほほほほほほ……!!!」
ぞぼおおおっ!ずぶじゅるじゅるるるるうっ……ずぶぶぼぼぼぼぼぼぼぼ……!!
三本目の尻尾が容赦なく突きいれられる。正臣の体内は露葉の尻尾でみっしり充たされ、
その三本の尻尾がびちびちと彼の中で暴れ回り、ぐしゅぐしゅとくすぐり回した!!
「ひぎいああああああああああああああああああ!!あぎあああああああああああ!!」
どびゅるるるるぅうううううう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!
正臣の十本の男根が三度精を噴き上げる。そして、その射精は止まらなかった。
びゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるるううううううう……!!!
「はぎいいあああああああああっ、ああああああああああああっ、ああああああ!!!」
十本の男根がびくんびくんと暴れ狂いながら、大量の精を吐きだし続ける。
人外の快楽によがり狂いながら、正臣は己の生命力が恐ろしい勢いで搾り取られていく
のを感じた。感じながら、しかし彼にはどうすることもできなかった。
際限なく逝かされ続ける正臣の耳元に、蜜姫がそっと唇を寄せる。
「ほほほ……どうじゃ、たまらぬであろ……もう死にそうであろ……?んふふ、そちは
これから先、ひとときも休むことなくこの世とあの世の間をさまよい続けるのじゃ……
いくらでもよがりやれ、いくらでもいきゃれ、そしていくらでも精を放ちやれ……!
その末に命尽き果てたならば、また産んでやるほどに、のう……ほほほほほ!!」
蜜姫の悪夢のような囁きを聞きながら、正臣は白い闇に落ちていった。
「う……。」
正臣の意識が戻ってくる。
崎山国に巣くう妖女達によってたかって犯され尽くして、一度ならず二度までも精を
吸い尽くされて命尽き果て……しかし、彼の地獄は終わらない。
そう、彼の本当の地獄はまだこれから始まったばかりなのであった。
「くふふ……正臣や、どうやら目が覚めたようじゃのう……。」
「うふふふふ……また、おいしい精をたっぷりと頂きますわ……。」
「ああ……私、もう我慢できませぬ……早く下さいませぇ、正臣様ぁ……。」
正臣の視界には、蜜姫の、そして露葉と侍女達の欲望に満ち満ちた妖しい笑顔があった。
「う……うぁ……ああ……!」
正臣の表情が、全てを物語っていた。
彼はこれからまた、目の前の妖女達の淫欲の贄となるのだ。そして、彼女達が容赦なく
与える快楽に成す術もなくよがり狂い、よってたかって精を搾り取られ、その果てに
悶え死ぬのだ。そしてまた新たな生命を与えられ、また一から犯されて……。
それは、まさに無限地獄であった。果てしのない、終わりのない、淫欲と快楽の宴……。
もはや、正臣にはこの淫ら地獄から逃れる術はなかった。耐える術もなかった。
どうすることもできないまま、際限なく餌食となり、永遠に貪られ続けるしかないのだ。
「くふふ……待ちや、これからもっと面白うしてやるでのぅ……ふふふふふ……。」
そう言って、蜜姫は軽くいきむように下腹部に力を込めた。
すると……
ず、ずにゅる、ぬりゅるるるぅ……!
蜜姫の女陰が大きく口を開き、何かを吐き出す……!
「ん……ううぅん……んんんんん……!」
蜜姫のいきむ声と共に、鶏卵大の肉塊が股間から出てきた。一つ……二つ……三つ……
見る見るうちに、九個の肉塊が産み出された。
産み落とされた肉塊は、すぐにむくむくと膨らみ始めた。膨らみながら、徐々に人の形に
なっていく……そして……。
ほどなく、それは九体の男の姿になった。そう、それは九人の正臣だった。
「ほほほ……これはの、そちの分身じゃ……。」
正臣の分身達が一人、また一人と目を覚ます。そこへ、九人の侍女達が群がって行った。
「ああ……正臣様ぁ……早く私の中へお入り下さいませぇ……ああん……!」
「ほら、私、もうこんなになってしまって……もうぐしょぐしょですわぁ……!」
「うわ、あああっ!なっ、やめてぇっ!!うああああああああっ!!」
侍女達は、期待と欲望に満ちた表情で正臣の分身達に襲いかかった。
九人の正臣は逃げようとしてもがく。が、あえなく次々と捕らえられ、魔性の女体に
抱き包まれて閨の上に組み伏せられて行った。
「ううっ、あああああっ、あはぁああああああ!!」
閨を狭しと乱れ絡む男女の群れの中、ひときわ悲痛な悲鳴が上がった。
「ほほほほほ……どうじゃ……?たまらぬであろ……?」
楽しそうに笑う蜜姫。その傍らに、がくがくと全身をわななかせて喘ぎ泣く正臣の姿が
あった。蜜姫と露葉に左右から挟み込まれるように抱きしめられている。
彼こそが本体の正臣であった。彼の尻の後ろから生えている九本の尻尾がその何よりの
証だった。
そして、彼の全身を、身を焼き尽くさんばかりの快楽の刺激が駆けめぐっていた。
背中を、脇腹を、這う何本、何十本もの女の指先、首筋に、唇に、両の乳首に吸い付く
唇、全身を舐め回す何枚もの女の舌。絡み付く太股の感触は、あるものは腰を挟み込み、
あるものは脚にまとわりつき、あるものは顔をむっちりと挟み込む……。
そう、それは九人の侍女達の女体の感触だった。正臣の分身達が味わっている感覚の、
その全てを彼は一身に味わわされているのだ。
「ああっ、ああああああ、あふぁあああああああ……!うぁ、あひあああああああ!!」
「ほほほほほほほほほ……まだじゃ……もっと鳴きゃれ……!」
「うふふふふ……正臣様ぁ、では頂きますわ……んふふふふふ……!」
「ああん……さあ、いらして下さいませぇ……ああっ、あはぁああああ……!!」
じゅぷっ……!ずちゅるぅ……!ずぷずぷずぷ……じゅぶうっ……!!
「いああっ、あああああっ!!あぎぃいいっ、いひぃああああああ!!」
分身の男根が、一本、また一本、侍女達の蜜壷に捉えられていく。
その度に、正臣の悲鳴が高く、大きく、凄惨なものへと変わっていく。彼の男根は、
九つの肉洞の中に呑み込まれ、無数の肉襞に舐めしごかれる感触を味わっていた。
ぐちゅ……ぬりゅりゅりゅりゅ……くちゅっ、くちゅくちゅっ、ぬちゃあぁあっ!!
「ぎああああああああああああああああっ!!あああ、あああああああああああっ!!」
「ほほほほほ……もう、極楽であろ?妾が、更なる快楽の極みへといざのうてやろう……
くふふ、ふふふふふ……さあ、妾の中で悶え狂いやれ……!!」
蜜姫と露葉は正臣を上下に挟み込むように体位を変えた。露葉が正臣の下になって、
正臣を背後から抱きしめるようにして仰向かせる。その上に蜜姫が馬乗りになる。
そして、ひくひくとわななく男根に狙いをつけて、ゆっくりと腰を下ろしていった。
逃れようともがく正臣。しかし、露葉は正臣をしっかりと抱きしめて放さない。
「うああっ、やめっ、やめてっ、ああ、たすけてえぇええええ!!」
「うふふ……逃げなくとも良いではないですか……蜜姫様のご寵愛を、
たんとお受けなさいませ……んふふふふ……ふふふふふふふふふ……!!」
「ほほほほほ……ほうれ、もう入ってしまうぞぇ……入ったが最後、ほほほ、生きては
出られぬぞぇ……さぁ……来やれ……底なしの淫楽地獄に……!!」
ずちゅっ……! 「ぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
股間を捉えた異様な感触に、大きくのけぞる正臣。
「ほほほほほ……妾の中は心地良かろう……?だが、まだじゃ……ほぅれ……!!」
しゅるっ、しゅるるるるるるるる……!
「がはぁああっ、あぎああああああああああああああああああああああああああ!!!」
正臣の尻尾に、蜜姫の尻尾がくるくると巻き付く!九本の尻尾全てが、根本から先端まで
ふさふさの尻尾の柔らかな毛先の感触にみっしりと包み込まれた!!
同時に、露葉の尻尾が正臣の身体にしゅるしゅると絡み付く!三本のうち二本が螺旋状に
正臣の身体を巻き取り、その先端で乳首をくしゅくしゅとくすぐりたてる!!
そして、最後の一本が正臣の肛門を貫いた!!
「うぎいぃひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!」
正臣は、殺人的な快感に悶絶した。彼の男根は侍女達の九つの蜜壷の感触を味わわされ
ながら、蜜姫の蜜壷に根本まで呑み込まれ、容赦なく貪り喰われている。
そして彼の身体は内外ともに露葉の尻尾に攻め抜かれ、彼の尻尾は蜜姫の尻尾に
絡め取られてふさふさの毛先で撫でくすぐられている。
異次元の快楽に、彼の十本の男根がびくんびくんとのたうつ……快楽への屈服の証を、
精を迸らせようとわなないている……!
そんな正臣を見下ろして、蜜姫は言った。
「くふふ、たまらぬであろ?だがのぅ……まだこれで終わりではないぞぇ……!!」
そして。
ぷちゅっ……!
「いああっ、あああああっ!ああっ、ああっ、あああああっ!!!」
新たな刺激が正臣を襲った。彼の尻尾の一本から、異様な感触が伝わって来る!
異物が侵入してくる感触……尻尾を、男根を貫かれる感触!
そう、彼の尻尾の尿道に、蜜姫の尻尾の先端が挿し込まれたのだ!!
「くふふふふ……良いであろ……?では、もっともっと挿してやろうぞ……!」
「ああっ、やめっ、やっ……!」
ぷちゅっ!つぷうっ、ちゅぷうっ!!くちゅっ、ぷつっ、つぷうぅっ!!
「ぎいいいいああああああああああああああああああああああああああっっ!!!!!」
次々と串刺しにされていく尻尾。敏感な尿道をふさふさの毛の群れが遡り、深く深く
貫いて内側の粘膜をくすぐり犯す!!
「ぎゃあああああああああ!!あああああああああ!!ぐぎがあああああああ!!!」
どぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶどぶうううううううううっ!!!
限界を遥かに超えた刺激に、正臣の尿道を精が走る。尻尾の尿道を塞がれたため、唯一
残った男根の尿道を、膨大な量の精液が一気に迸った。
「あがぎあああああぁぁあああああぁぁあああああああああああああ!!!」
ぶびゅるるるるるるるるるっ、びゅびゅびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるうううっ!!!
悶え狂いながら、激しく精を放つ正臣。十本の男根の精を、一本の男根で無理矢理に放出
させられる。十倍の量の精が、尿道を限界まで押し拡げて迸る、その感触さえもが強烈な
快感であり、責め苦であった。
「ほほほほほ……そうじゃ……もっとたっぷり出してたもれ……くふふ、ふふふふふ……
おお、美味じゃ……そちの精は、ほんにいくら味わっても飽きることがないのぅ……
さあ……もっと吸わせてたもれ、一滴残らず搾り取ってくれよう……ほほほほほ!!」
正臣の上で、妖姫の裸体が、そして尻尾が妖しくくねる。
ぬりゅぬりゅぬりゅるりゅりゅ……くちゃ、ぬちゃ、じゅぷじゅぷじゅぷぅっ!!
「いぎひぃいいいいぃぃぃいいいいいぃぃぃいいいいいっ!!!」
びゅびゅっ、どびゅぶぴゅぶりゅりゅりゅびゅるるるるぅぅ……っ!!
「ほほほ……露葉や、正臣はもっとして欲しいそうじゃ、たんと可愛がってやりゃれ。」
「ああっ、そんなっ、あぎひぃいいいいいいいいいいいぃぃいいいいいいいっ!!!」
さわさわさわ……くしゅくしゅくしゅ……ぞぼぞぼぞぼぞぼぞぼぉっ……!!
正臣の全身に絡み付いた露葉の尻尾が、一層激しく妖しく蠢いて、正臣をくすぐり嬲る。
そして、肛門を深々と貫いた尻尾が、左右に捻りながら出し入れを繰り返し、腸の内側に
くまなく柔らかな毛先の感触を刻み込む!
「あがはぁあああああああっ、はぎぃあああああああああああああああっ!!!」
どびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるるるるぅぅっ!!!
「ふふふふふ……正臣様、そんなに良いのですか……?嬉しいですわ……。」
悶絶する正臣の耳元で、露葉が甘く囁く。
「では、皆にも同じ事をさせましょう……ふふふ、皆も正臣様を貫いて差し上げて……」
「はい、露葉様……では……んふふふふ……!」
ぞぼっ、ぞぼぼぉっ、ぼぞぞぞぞぞぞぞぞおおっ……!
「がはああああああああぁぁぁぁぁあああああっ!!」
侍女達の尻尾が一本、また一本と正臣の分身を串刺しにしていく。体内を犯される感触に
悶絶する分身達。むろん、その快楽の全てを本体の正臣は共有している。
女達の下でのたうち回る分身達の中で、正臣はひときわ激しく悶え狂った。
「ほほほ、では妾はこちらを同じようにしてやろう……くふふふふ……!」
ぞわぞわぞわぞわぞわ、ぞぼぼぼぼぼぼぼぼっ……!!
「ぎぎぎぎぎぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!」
正臣の尻尾に巻き付き、先端を尿道に差し込んでいた蜜姫の尻尾が、外側を激しくしごき
ながら、尿道のさらに奥深くまで侵入してきた!!
そして、敏感な尿道の粘膜を、ごしゅごしゅと内側からもしごき上げる!!
「あああっ、あがはああっ、いぎいぃいいいいいっ!!いっいっ、いひゃああああ!!」
びゅぶびゅぶびゅばびゅぶぶりゅりゅりゅりゅううううううっ!!
どこまでも、どこまでも正臣はいかされ続けた。いって、いって、それでも快楽は尽きる
事がなかった。それどころか、いってもいっても、快楽は際限なく高まり続けた。
快楽の底なし沼へと、正臣はどこまでも深く、深く引きずり込まれていった……。
半年後……
崎山国の赤城氏が突如、隣国への侵攻を開始。国境を接する黒部、橘、高桑を手始めに、
次々と各国大名に戦を仕掛け、そして次々とこれを打ち破っていった。
赤城氏の軍勢は、いつの間にか恐ろしく強大で、恐ろしく精強な軍団と化していた。
数カ月前までは倍の兵力を有していたはずの黒部氏は、さらに倍の軍勢に包囲され、僅か
一夜にして全滅した。
橘氏は、自慢の騎馬隊をもって突撃したが、彼らは兵力ほぼ同数の赤城の足軽隊の前に、
理不尽なまでに一方的な敗退を喫した。両軍がぶつかり合ったその刹那に、橘の騎馬隊は
溶岩に浴びせた水の如くに弾け飛び、霧散した。
高桑氏は策をめぐらせ、鉄砲隊の目の前に赤城勢をおびき出すことに成功。
鉄砲千丁と、援護の弓隊五千とで鉛玉と弓矢の雨あられを浴びせた。が、赤城勢はそれを
ものともせず真っ向から全軍突撃。高桑勢は一瞬にして踏み潰された。
赤城氏の勢力拡大に伴って、大名達の間に不穏な噂が広まっていった。
曰く、赤城の兵は死人の兵だと。
曰く、彼らは斬られても槍で突かれても、鉄砲で撃たれても倒れぬと。
曰く、槍ぶすまに串刺しになった兵がそのまま、槍を持つ足軽達を斬り伏せたと。
曰く、首を落とされた兵がなおも戦い、敵兵五十人を道連れにしたと。
曰く、討たれたはずの武将が次の戦場で何事もなかったように戦っていたと。
曰く、赤城の兵は兵糧を食わぬ、曰く、赤城の兵は眠ることもない、曰く、曰く……
それらは、初めはただの噂だと思われていた。赤城の快進撃に、尾鰭がついて伝わった
ものだと……赤城と戦火を交えて初めて、彼らは真実を知るのだった。
眼前の地獄絵図に、敵軍は恐れをなして潰走し、逃げ遅れた者はことごとく赤城勢の中に
呑み込まれて血の海に沈んでいった。
赤城憲正は一年後には畿内全域を制圧した。それからわずか三年で西は長州、土佐まで、
東は武蔵までを支配下に従えた。そして、足利将軍家を京から追放、朝廷の勅命を受けて
征夷大将軍となり、ここに赤城幕府が成立したのだった。
その頃になると、もう憲正に表立って敵対する大名はいなかった。
しかし、赤城に臣従した大名も、安泰ではいられなかった。憲正は、傘下に下った大名と
その家臣を蜜姫御殿に招いた。女達の歓待を受け、一夜を過ごして御殿を出たときには、
彼らは既に人ではなくなっていた。
赤城憲正が天下統一を果たしたのはその一年後だった。
日の本の民は、それとは知らぬうちに人外の者達の支配下に堕ちたのであった。
天下統一を成し遂げた憲正は、崎山に新たな都を造った。
その中心にそびえる新崎山城の一角に、広大な、そして豪華絢爛たる装飾を施した屋敷が
建てられた。そこには、各国の諸大名からその奥方や寵姫、腰元など、見目麗しい女達が
召し上げられ、住まわされていた。
そう、大奥である。住まわされている女達の数は、実に千二百名を数えた。
いずれも、若く美しい女ばかりであった。
ただし、この女達は将軍の胤を授かるために召し上げられたのではなかった。
「あああ、あはぁああああああ……!ああん、ああっ、あひぁああああああ……!!」
豪奢な閨の中で、若い女が悶え狂っていた。全裸であった。その身体に、ふさふさの尻尾
が絡み付いている。そして、彼女の全身をさわさわと執拗に愛撫していた。
「ああっ、あああああっ、あふぁあああああっ!!あはぁああ、ああああああああ!!」
「ほほほ……かような快楽は初めてであろ……?ほほほ、人として味わう最初で最後の
快楽じゃ、よう味わいや……ほほほほほ……ほほほほほほほ……!!」
女の腹の上に、もう一人の女が馬乗りになっていた。蜜姫であった。
白銀の髪を揺らめかせ、淫猥な笑みをたたえて女を見下ろす。蜜姫の尻尾の一本は女の
体内に侵入し、内側の粘膜を、襞の一枚一枚を丹念にくすぐり犯していた。
さらにもう一本はその下の肛門から侵入し、ぞぼぞぼと出し入れを繰り返している。
その尻尾の動きが、だんだん激しくなっていった。
「ぎひいぃいい……いぎゃぁああああっ!!ああ、ああ、あはぁああああああっ!!」
女は引き絞られた弓のように反り返って悶絶した。
性器を、肛門を、全身を、蜜姫の尻尾が嬲り犯すその度に、女は全身を振るわせて快楽の
極みに達した。達して、なお一層高まる超常の快楽に再び悶え狂う。
その女の唇に、蜜姫のそれが重なった。女の悲鳴をその唇で吸い取り、そして……
「……!!!!!……!!!!!!!……!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
最期の絶叫と共に、何かが蜜姫の口の中に吸い取られた。すると、女は何かがぷつりと
切れたかのようにぐったりとなった。
ぷ、ふぅうううううぅぅぅ……。
蜜姫は唇を合わせたまま、今度は女の中に何かを吹き込む。
その『何か』が体内に送り込まれると、女はまるで眠りから覚めたかの様に目を開けた。
「くふふふふ……どうじゃ、気分は……?妖しの身も、悪くはあるまい……?」
身を起こした女に蜜姫が問いかけると、女は妖しくも美しい笑みを浮かべて応えた。
「ありがとうございます、蜜姫様……ああ……もう身体が疼いてしまいます……。」
切なげに眉を寄せながら、女は期待を込めた笑みを蜜姫に送る。
「ほほほ……気の早い事じゃ……良い良い、今産んでやろうぞ……。」
そう言って、蜜姫は股を開いた。
そして……
「うああっ、やめてっ、やめてぇえええええ……っ!!」
「んふふふふふ……逃げてはなりませぬ……蜜姫様より直々に授かった可愛いわこ様……
もう放しませぬ……これから私が、昼も夜も可愛がって差し上げましょうぞ……。」
新たに産み出された正臣の分身に襲いかかる女。既に、女の肌は生白くぬめり、
髪は白銀に輝き、妖気を漂わせる女体の背後には、白い尻尾がゆらゆらと蠢いていた。
「うああっ、ああ、あひぁあああああああっ!!あっ、あっ、あはぁああああああ!!」
「ああ……美味しい……もっと下さいませぇ……ああっ、あはあぁあああん……!!」
早くも正臣の男根を呑み込み、激しく身をくねらせて貪る女。その下で、正臣が全身を
びくんびくんと振るわせてよがり狂う。
結合した器官も、女のそれはやわやわと妖しく、いやらしく蠢き、正臣のそれはびくびく
とわなないて人外の快楽に悶えていた。
「ほほほほほ……よう可愛がってやりゃれ……では、妾も楽しむとしようかの……。」
絡み合う二つの身体に妖しい笑みを送って、蜜姫は部屋を後にした。
「あはぁああああっ、あああああっ、ひいぃいいいいいいい……!!」
「くふふ、うふふふふ……ふふふふふふふ……ああ……あああああぁ……!!」
「ぎひいいいっ、いっ、いぎゃああああああああああっ!!あああああああああっ!!」
「ああん……はあ、ああ……もっと、ああ、もっとぉおお……あああああ……!!」
大奥の廊下を挟んで並ぶ、部屋のそこここから漏れ聞こえてくる声、声、声……
その中を蜜姫は満足気な笑みを浮かべてゆっくりと歩いていく。
そう、この大奥は彼女達妖狐の巣窟なのだった。諸国の大名より召し上げた女達も仲間に
し、その数を増やしていく……国の中枢で、彼女達の傀儡となり果てた男達によって
厳重に守られながら、妖狐達は一層その勢力を拡げようとしていた。いずれは海を渡り、
世界をその手中に収めるために……この大奥は、その準備のための妖狐の城なのだった。
そして、彼女達は妖力を高めるため、こぞって『食事』に耽っていた。
じゅぷっ、じゅぷっ、にゅる、くちゅっ、ずちゅっ、ずちゅっ、ぬちゅるるるうっ!!
「ぎああっ、あひぃいっ、いいっ、いっ、いぎひぃいいいいいいっ!!」
「ほほほほほ……正臣様、美味しゅうございますわ……もっとくださいませぇ……!!」
ぐちゅぐちゅっ、にゅちゅっ、くちゅくちゅくちゅ……にゅりゅりゅりゅりゅ……!!
「ぎいいっ、いひゃああああ、あはああああああああっ!!」
「ああ……大きくて……固いわぁ……びくびくいってる……はぁあああん……!」
千二百の妖狐と化した女達が、一人の男を犯している。昼も、夜も、ひとときも休むこと
なく、大奥のそこかしこで、美しい女達が正臣の分身を組み伏せてその若い身体を貪って
いる……それはまさしく地獄絵図であった。美しく淫らな、女色地獄であった。
……やがて蜜姫は、廊下の突き当たりの部屋の前で足を止めた。
大奥の最深部に位置する、蜜姫自身の部屋である。
襖を開けると……
「お帰りなさいませ、蜜姫様……。」
露葉が恭しく一礼して迎えた。部屋の中央に敷かれた豪華な夜具の上で。
そして彼女の股間の下に、正臣がいた。虚ろな瞳で、ぐったりと横たわっている。
彼の身体は時折ぴくっ、ぴくっ、と痙攣する以外は、完全に弛緩しきっていた。
もう、抵抗する気力も、よがる力さえも失われてしまっているのだった。
「ぅ……………ぅ…………………………ぅぅ…………………………。」
死んだようにぴくりとも動かず、僅かに呻くのみの正臣……しかし、彼の体内には
極限の快楽が充満していた。千二百余の女に愛撫され、犯され、よってたかって精を
搾り取られる……六年前の「あの日」から、彼はずっといかされっ放しだった。
赤城家が勢力を拡げる度、彼を犯す女は増えていった。何十人、何百人という女に犯され
続けて、正臣は何度もよがり殺され、その度に蘇らされた。その度に、正臣の身体はより
強い快楽に耐えられるように、より多く、より濃い精を出すように作り変えられて、
ついにはどんな快楽を味わわされても死ぬことがなく、無尽蔵に精を出せる身体にされて
しまったのだった。
びゅくん、びゅくん、びゅくん、びゅくん、びゅくん……。
そして今も、彼の男根は熱い精を迸らせ続けていた。
「ほほほ……正臣や……どうじゃ、気分は……?」
蜜姫の問いに、正臣の口が僅かに動く。その唇が声にならない声を紡ぐ。
「(……たすけて……たす……け……て……………)。」
終わりのない快楽地獄に心身共に犯し尽くされて、意識も朦朧とした状態で、
うわごとのように救いを求める正臣。しかし、彼の願いが叶えられることはなかった。
「ほほほほほ……そうか、助けて欲しいかぇ……じゃが、そちは我らの大事な贄じゃ……
食料でもあり、玩具でもある……手放すわけにはいかんのう……ほほほほほ……!
さあ、露葉や、そろそろ代わってたもれ……正臣の精を、吸わせてたもれ……。」
「はい……私ももうたっぷり頂きましたので、どうぞ……。」
露葉はそう言うと、正臣の男根の付け根を強く握った。尿道が塞がれて、正臣の射精が
止まる。その間に露葉は素早く正臣の上からどき、代わって蜜姫がまたがる。
露葉が手を放すと、
どぶりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅうううぅぅ……っ!!
再び激しく精が迸り、蜜姫の体内に注がれていく。
もう、正臣の射精はひとときも止まらないのだった。彼の男根は千二百の女陰の感触に
包まれて、果てしなく射精を続けている……。
そのため、蜜姫か露葉のいずれかが常時正臣を抱き、その精を受けているのだった。
「ぅ……うぅぅ……ぁ……ぁ……ぁ……ぁあ……!!」
どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷどぷどぷどぷどぷぅっ……!!
魔性の女達に際限なく犯され続け、際限なく精を搾り取られる正臣……。
そんな正臣を見下ろしながら、蜜姫は淫らな笑みを浮かべて囁く。
「そちは、これからも我らの家畜として生き続けるのじゃ……精を搾り取られる、
そのためだけに、永遠に……そちには自由は一切ない、死ぬ自由すらも与えてやらぬ。
代わりに、いやというほど快楽を与えてやろうぞ……光栄に思うがよいわ……
ほほほ……ほほほほほ……ほほほほほほほ……ほほほほほほほほほ……!!」
正臣は、蜜姫の笑う声を聞きながら、さらなる快楽地獄へと堕ちていった。
そう、彼の地獄はまだ始まったばかり……そして、永遠に終わることもない……。
ずちゅっ、くちゅっ、ちゅぱっ、ぬちゅ、ぬりゅりゅるるるるる……!
「ほほほほほほほ……ほほほほほほほほほ……ほほほほほほほほほ……!!」
「あ……ぁぁ……………ぁ、はぁぁ……………ああ……………!!」
どぷっ、どぷっ、どぷっ、どぷっ、どびゅるるる……びゅくびゅくびゅるるるる……!!
完
這篇也很精彩,可惜斷尾了,但還是非常值得一看
試練〜堕天女の淫らな罠〜
時は唐の時代、この時代は道教が国の保護を受け、仙術修行が盛んに行われた時代で
あった。不老不死を得、天空を飛翔し、水面の上を歩き、雷を操り……各種の仙術を
使いこなす超人、それが仙人であった。
富める者はその栄華を永遠のものとするために、貧しき者は恵まれぬ境遇に終止符を
打つために、多くの者が仙術修行に励んでいた。
そして、ここにも仙人になることを目指す若者が一人……。
「ふぅ、ふう……ふぅ……。……ここ……かな……?」
きつい山道を越えて、乱れた呼吸を整える僕。その目の前には、質素な庵があった。
ここは、紫雲山の奥深く。この辺りに黄河老師の庵があると聞いて、僕はやってきた。
もちろん、黄河老師の弟子となって、仙道を極め、仙人となるためだ。
黄河老師は、この辺りでも有名な道師で、厳しい修行の末に道を極めて仙人となった。
普段は庵にこもって修行しながら、時折人里に降りてきて、困っている人々を助けて
回っているらしい。不作の時は、地面に触れるだけで田畑にもこもこと作物が実り、
洪水の時は、一息吹きかけるだけで水がひとりでにひいていく。
魑魅魍魎の類も、黄河老師の名を聞くだけで、怖じ気づいて逃げて行くらしい。
「ごめんくださ〜い。」
庵の中に声をかけると、中から一人の老人が現れた。
白くて長い、見事なヒゲを蓄えていて、明らかに常人とは違う雰囲気を身に纏っている。
どうやら、この老人が黄河老師その人らしい。
「ふむ、こんな所まで何用じゃな?」
黄河老師は、穏やかな笑みをたたえて僕を見つめる。
「あなたが黄河老師とお見受け致します。どうか僕を弟子にして下さい!」
僕は、その場に跪いて、老師に訴えた。
「ほ……弟子に、のう……ふぅむ……。」
老師は、真っ白なヒゲに手をやって、しごき始める。
「お願いします!仙人になりたいんです!
何でもします、どうか、ここで修行させて下さい!」
深々と頭を下げる僕。老師は、少し考え込んでいるようだったが、やがて口を開いた。
「どれ……目を見せてみい。」
頭を上げた僕の目の前に、ずいっと老師の顔が迫る。
老師の穏やかな顔から笑みが消え、じっと僕の目の中をのぞき込んでくる。
その視線は僕の何もかもを見透かしてしまうようで、少し恐かったが、
僕は、勇気を振り絞って老師の目を見つめ返した。
そのまましばらくの間、僕の目を見つめる老師。が、不意にその表情が緩んだ。
「……………ふむ……………よい目をしておるわ。
ええじゃろ、ちっとしごいてやるわい。ついて来い、早速修行じゃ!」
そう言って、老師は皺だらけの顔に楽しげな笑みを浮かべた。
その日から、厳しい仙術修行の日々が始まった。
まずは穀断ち。米、麦、キビ、アワ、豆の五穀をはじめとして、肉類、
匂いの強い植物、その他様々な食物を断ち、心身を浄化する。
穀断ちによる厳しい食事制限はそれだけで苦行だった。空腹感、めまい、頭痛、
その他様々な体調の変化が、僕を責め苛んだ。
それに耐えながら、導引法と胎息法で体内の気の循環を整えつつ、日々瞑想を行う。
体力的に負担の大きな修行ではなかったが、そのために穀断ちの苦しさから
気を紛らわす事もできず、精神的にはかえって過酷だった。
「仙人になるためには、高い精神力と集中力が必要じゃ。この修行は、仙人になるために
必要な、清浄な身体と、強靭にして静謐な精神を得るためのものじゃ。
これを成し遂げてはじめて、仙人になるための修行ができると知れい!」
その老師の言葉に従って、僕はひたすら地道な、そして過酷な修行に明け暮れた。
そして……あっと言う間に3年が過ぎた。
ある日、修行を終えた僕を老師が呼んだ。
「老師、お話というのは……?」
「うむ、そろそろ次の段階の修行を始めようと思うての。」
初めて会った時と同じ、楽しげな笑みを浮かべて、老師は言った。
「!……そうですか、ありがとうございます!」
「うむ、ここからは、本格的に仙人になるための修行じゃ、
厳しさも今までとは比べものにならんぞ。心してかかれよ。」
「はい、がんばります!……ところで、どんな修行をするんですか?」
その問いに、老師は何故か、にたりと悪戯っぽい笑みをうかべた。
「……お主、房中術というのを知っておるか?」
「……房中術……ですか?」
房中術については、僕も少しだけは知っていた。確か、男と女のまぐわいによって、
男の持つ「陽」の気と、女の持つ「陰」の気を交わらせ、不老長生を得るという
術だった。
「そうじゃ、明日からは房中術の修行じゃ。……ん?どうした?」
「しかし、老師……房中術といっても、相手がいなくては……。」
「心配するな、お主好みの美人に化けてやるでな、どんな女でも望みのままじゃ。」
「え……、あ、ええっ!!ちょ、ちょっと待って下さい、それは……!!」
うろたえる僕を見て、高笑いする老師。
「ふぉっふぉっふぉっふぉっふぉ、冗談じゃ、本気にするでない。
その程度で動揺するとは、まだまだ修行が足りんのう。」
「……だれでもびっくりしますって……。」
「ふぉっふぉっふぉ、まあええじゃろ、冗談はここまでじゃ。」
そう言って、老師はふと真顔になった。
「ここから南に山を3つ越えてさらに行くと、霧に閉ざされた谷がある。
その霧の中に『百華楼』という館があっての、そこに儂の弟子の女仙が住んでおる。
そこに行って、鍛えてもらうとええ。」
なるほど、その女仙を相手に房中術の修行をするのか……僕はほっと胸をなで下ろした。
「ところで、その女仙というのは、どんな方なんですか?」
僕の問いに、老師は真っ白なヒゲをしごく。
「うむ、元は天界に住まう天女だった女達じゃ。」
「て、天女……!」
天女が弟子だなんて……やはり、老師の仙人としての器は、僕の想像を超えている。
感心している僕をよそに、
「……そして、男の精を吸い尽くし、魂を喰らう女妖でもある。」
老師はしれっと、とんでもない事を言った。
「じょ、女妖……!!」
ちょ、ちょっと待って……天女なのに、女妖?天女なのか?女妖なのか?
天女で、女妖で、仙女……?なんだか、分からなくなってきた……。
分かるのは、少なくともただの人間じゃないって事ぐらいか……。
何か、ただでは済まない予感がしてきた……。
房中術の修行相手が元天女の女妖……やはり、仙人になる為の修行だけあって、
思っていた以上にすごい修行になりそうだ……気を引き締めないと……!
……ん?そういえば……?
「老師、あの……。」
「何じゃ?」
「さっき、『女達』って言いませんでしたか?」
「うむ、そうじゃ。一人ではないぞ。三人じゃ。」
「さ、三人……!!!」
なんだかくらくらしてきた……元天女で、元女妖の仙女が、三人……?
「そ、そこで、修行するんですか?その、房中……術の、修行を?」
「そうじゃよ?ん?なかなか充実した修行になりそうじゃろ?」
「それは……まあ……そうです……ね……。」
充実しすぎて、身が保たないような気が……大丈夫なんだろうか。
「あ、あと……天女なのに女妖って、どういう事なんですか?」
その問いに、ヒゲをしごいていた老師の手が止まる。
「ふむ……そうじゃのう……ちっと詳しく話してやろうかの……。」
そう言って、老師は再びヒゲをしごき始めた。
「天女はの、元々天界に漂う清浄な霞から生まれてくるのじゃが……。
……ある時、どこから漏れてきたのか、地獄の瘴気が天界に上がってきてしもうた。
そして、それが混ざった霞の中から、三人の天女が生まれてきたのじゃ……。」
老師は、少し遠い眼差しで話し始めた。
「……その三人の天女は、美人ぞろいの天女達の中でも飛び抜けて美しかった。
じゃが……、その美しさは、邪な、淫らな美しさじゃった。性格も淫乱にして貪欲、
男と見れば片っ端から誘惑し、性の快楽の虜にして、堕落させていったのじゃ。」
ヒゲをしごきながら、いつしか老師は厳しい表情になっていた。
「その魔性の魅力の前に、天界の住人は次々と色狂いにされていった。
おかげで天界は大混乱、地獄は地獄で、堕落した天界の住人で溢れ返ってしもうた。
そして、三人の天女は天帝の怒りを買って地獄に堕とされた、はずじゃった。」
「……はず、だった?どういう事です?」
僕の問いに、老師の顔に苦笑いが浮かぶ。
「奴等は地獄の獄卒までもたぶらかして、人間界に脱走しおったのじゃよ。
……そうして、そやつらは人間界に棲みつき、近隣の村の男や、旅人を襲っては
その精を吸い、魂を喰らうようになったのじゃ。男達は、次々と三人の天女の
餌食となっていった。なにしろ、全ての欲望を捨て去ったはずの、天界の住人を
たぶらかす程の力をもっておるんじゃ、俗世の人間などひとたまりもないわい。
そうして、まぐわいを繰り返し、人間を喰いものにしておるうちに、そやつらは
身体の芯から女の妖怪、すなわち女妖と化してしもうた。
そして、人々はそやつらを『堕天女』と呼んで恐れるようになったのじゃ。」
そこまで話すと、老師は一息つくように言葉を切った。
部屋に沈黙が落ち、蝋燭の炎がチリチリと音を立てる。
堕天女……話を聞けば聞くほど、恐ろしくなってくる……そんな女妖達相手に
房中術の修行なんて、できるんだろうか……?
そんな僕の心配を知ってか知らずか、老師が再び口を開く。
「……堕天女の被害にたまりかねた村人達が儂を尋ねてきたのは、
もう五十年程前になるかのう……女妖退治を頼まれた儂は、百華楼にのりこんだ。
相手は天界出身、それも一対三では、さすがの儂も往生したがの……
なんとか、堕天女の妖力を封じる事に成功したのじゃ。」
「それで、その堕天女達は……?」
「妖力を封じられた奴等は、命だけは助けて欲しいと泣きついてきおった。
そこで儂は、条件付きで助けてやることにしたのじゃ。」
「条件……ですか?」
「うむ。一つは、人間を襲うのを止める事。
もう一つは、儂の弟子として仙術修行に励む事。
そしてもう一つ。お前のような若者の修行を助けてやることじゃ。
元々、房中術はそやつらの十八番じゃったし、高い仙力をもつ堕天女達とまぐわえば
通常の数十倍、数百倍の修行の効果がある。後進の指導にあたらせれば、
うってつけというわけじゃ。」
「でも……大丈夫なんですか?」
僕は、どうしても不安が拭えない……百華楼に着いたとたんに襲われて、
寄ってたかって精を吸い尽くされてしまうんじゃないか……?
「心配するでない。並の人間の精を百人吸い尽くすよりも、
お主のような仙人候補と修行するほうが、堕天女共にとっても『おいしい』のじゃ。
むしろ丁重に扱ってくれるじゃろう。……ただし……。」
「?」
不意に、老師は厳しい表情に変わり、真っ直ぐに僕を見据えた。
そして、厳しい眼差しのままで、にたり、と不気味な笑みを浮かべた。
「奴等には、預けた弟子がもし途中で修行を投げ出すようなら、
煮て喰うなり焼いて喰うなり好いた様にせいと言うてある。覚悟せいよ。」
僕の背筋を、何かぞくっ、と不吉な予感が駆け抜けた。
そんな僕の様子を見て、ふっ、と表情を緩める老師。
「まあ、大丈夫じゃ。お前ならやり遂げられると儂は信じておる。
いままで儂が見た中では、お前が一番真面目に修行に励んでおったからの。
しっかり面倒見てもろうて、立派な仙人になって帰って来い。」
……そしてその翌日。
「それでは、行って参ります。」
「うむ、気をつけてな。無事帰ってくるのを心待ちにしておるぞ。」
見送る老師に一礼して、僕は庵の簡素な門を出る。
立派な仙人になって、ここへ帰って来られるか、はたまた……
いや、なんとしてもやり遂げてみせる!そして、必ず仙人になって帰って来るんだ!
そして、僕は女仙達が住むという『百華楼』を目指して庵を出発した。
山の中を巡る、獣道のような細い道を辿って、南に向かう。
三つ目の山を越えたときには、既に日が傾きかけていた。
一日中山道を歩いて、しかし僕の身体は軽かった。疲れもほとんど感じない。
3年間の修行で、僕の身体も相当に鍛えられている、ということか……。
そう思いながら細道を行くうちに、前方に微かに霧が漂っているのが見えてきた。
微かだった霧は、歩を進めるうちにどんどん濃くなっていき、
そして、ついに僕の視界は乳白色の霧で埋め尽くされて、何も見えなくなってしまった。
『霧の中では、桃の香りを辿って行くがええ。』
出発前に聞いた老師の言葉を思い出し、大きく息を吸い込む。
ほんのわずか、ともすれば消えてしまいそうな程の微かな桃の香りが、漂ってきた。
その香りが漂ってくる方へ、ゆっくりと歩き出す……意識を集中していないと、
すぐに分からなくなってしまいそうな、はかなげな香り……一歩踏み出す度に、
揺らぐ空気が香りをかき消してしまいそうになる。
僕は、香りを見失ってしまわないように気を付けながら、慎重に進んで行った。
一体、どれぐらい進んだのだろうか……僕の視界は濃い霧によって真っ白に塗り潰され、
全く何も見えない……方向感覚も、一体どっちがどっちなのかさっぱり分からない……
今や、僕の頼りになるものは、微かに漂ってくる桃の香りだけ……
細い糸をたぐるように、ゆっくり進む僕……
どこまで行けば、『百華楼』に辿り着くのだろう……
……………
どれぐらいか分からないぐらい、長い長い時間がたち……
もしかして、永遠にこの霧の中から出られないのではと思い始めたその時。
不意に、視界が開けた。
目の前に、満開の花も艶やかな桃の木々に囲まれた美しい館が建っていた。
霧が晴れると同時に、桃の甘い香りが強くなる。
その香りに包まれながら、僕は目の前の館に思わず見とれる……。
館を囲む桃園は、まさしく桃源郷と呼ぶにふさわしかった。
その中に建つ、天上の建物のような美しい館……。
まるで、この世ではないような、極楽にやってきたかのような、そんな気がした。
その時、館の門が音もなくゆっくりと開いた。
まるで、僕を招くように……。いや、実際に招かれているのだろう。
いずれにしても、入るしかない。僕は、期待と不安に高鳴る気持ちを抑えながら、
ゆっくりと朱塗りの門をくぐった。
門の中は、これも見事な庭園になっていた。小川が流れ、池が作られ、白や桃色の
蓮の華が咲き乱れている。そして、池のほとりに、敷地を囲む塀の側に、満開の花を
びっしりとまとった桃の木が植えられている。華だけでなく、桃の実もたわわに実って、
庭園内は、桃の甘い香りがくらくらしそうなぐらいに濃厚に薫っていた。
そして、庭園の向こうには小さな館が、桃の香気に霞んで建っていた。
いかにも女性的な、優美で繊細な造りの建物だった。美しい装飾が施された立派な館を
見ると、黄河老師とどっちが弟子なのかわからなくなりそうだ。
あまりの美しさに思わずみとれていた僕の背後で、開いたときと同じように
音もなく門が閉まる。
そして、館の中から何かが飛んでくるのが見えた。
ひらひらとひらめきながら、飛んでくる……三色の淡い色彩がもつれ合いながら、
みるみる大きくなってくる……!
そして、それが近づいて来るにつれて、僕は胸が高鳴ってくるのを感じた。
そう……飛んでくるそれこそが……紗の衣をひらめかせて飛んでくるそれこそが、
僕の修行相手である堕天女達だったからだ。風になびく艶やかな黒髪、雪の様に白い肌、
そしてしなやかな肢体を包む、紗の衣……霞のような薄い衣が、風に舞う。
その美しさに見とれているうちに、三人の堕天女は僕の目の前まで飛んできた。
ふわ……。
堕天女達の美貌が目の前に並ぶ。
「ようこそ百華楼へ……私は蘭芳(ラン・ファン)と申します。」
真ん中の、淡い紫色の衣をまとった堕天女が口を開く。彼女が三人のリーダー格らしい。
「こちらが、薫藍(シュン・ラン)……。」
蘭芳は、向かって左側の、淡い水色の衣をまとった堕天女を指した。
薫藍と呼ばれた細身の堕天女は、鋭い目つきで僕を見つめた。
「お前が今度の修行者か。房中術の修行は、見た目とは比べ物にならぬ程過酷なものだ。
中には気がふれる者や、命を落とす者もいる。……覚悟しておくのだな。」
彼女の氷のような眼差しに、僕の背筋にぞくりと冷たいものが走った。
「そしてこちらが、緋香(フェイ・シャン)……。」
次いで、蘭芳は向かって右側の、淡い桃色の衣をまとった堕天女を指す。
「うふふ……坊や、可愛い顔してるのね……たっぷり愉しませてあげる……。」
彼女は藍芳とは対照的に、けだるささえ漂う濃艶な雰囲気を身にまとっていた。
むっちりとした豊満な身体を誇示するようにしなを作り、媚びを含んだ笑みを浮かべる。
「修行のこと忘れちゃうぐらいに、気持ちいいことしてあげるわ……んふふ……。」
そう言って僕に熱っぽい視線を注ぎながら、緋香はぺろりと舌なめずりをした。
「これから私達が、あなたに房中術の極意を伝授して差し上げますわ……
それでは、早速参りましょう。」
「はい、よろしくお願い……あ、ええ……?」
僕の返事を待たず、薫藍と緋香が僕の左右へと回り、両側から抱き抱える。
柔らかな女体の感触と、彼女達の身体から漂う甘い香りが僕の身体を包み込んでくる……
戸惑う間もなく、
「では、行きます……身体の力を抜いて、楽にして下さい。」
僕の耳元で、蘭芳の声がした。彼女はいつの間にか、僕の背後に回っていた。
そして、身体が浮き上がる感触。
「うわ、わあっ!」
堕天女達は僕を抱きしめたままふわりと上昇し、館に向かって飛翔した。
山桃の甘い香りが匂い立つ中、三色の淡い色彩が空中を滑っていく。
遥か遠くに霞む館に向かって飛ぶ、三人の堕天女の肢体の中に、僕は包まれていた。
僕の身体を両側から薫藍と緋香が抱きかかえ、さらに背後から蘭芳の腕が僕の腰に
回されている。三人の肢体の柔らかくしなやかな感触が、しっとりと僕を包み込む……
こうして、服の上から抱かれているだけでも、気持ちよくて……ああ……
なんだか、身体がとろけてしまいそうな感じさえしてくる……
さらに、堕天女達の身体から立ち昇る甘い香りが、僕の鼻をくすぐる……ほのかに薫る、
女の匂い……それが霞のように僕を包み込み、僕の頭の中までも甘美な香りで満たし、
そして僕の意識に霞をかけていく……。
「うぁ……あ……ああ……。」
全身を包む快感にうっとりと酔いしれる僕。
その視界の中で、壮麗な堕天女達の館がみるみる大きくなってきた。
館の入口の前で、堕天女達は僕を降ろした。
「さあ、着きましたわ。百華楼へようこそ……。」
薫藍と緋香が両開きの扉を開き、蘭芳が僕を招き入れる。
僕は、誘われるままに百華楼の中へ足を踏み入れた。
百華楼の中は、広い室内を衝立で間仕切りしてあった。
手前の方には卓を囲んで椅子が四脚……食事の際にでも使うのだろうか?
すぐそばに、小さめの食器入れらしい家具が置いてある。
家具や調度品は、いずれも高級そうな、流麗で上品な造形のものを揃えてある。
衝立の向こうには、天井から紗が垂らされており、その向こうはよく見えない。
「では、早速修行を始めましょう……こちらへどうぞ……。」
蘭芳はそう言って、先に立って歩き出した。薫藍と緋香が両側から僕の手を取り、
僕を促して、後をついて行く。
そして、僕は衝立の向こう側へと連れられて行った。天井から垂れ下がる紗は、
人が通り抜けられる隙間が設けてあり、そこを抜けていくと……
僕の目の前に、天蓋付きの大きな閨が姿を現した。どうやら、ここが修行の場らしい。
これから、この美しい三人の堕天女達と……
想像するだけで、僕は下半身が熱くなるのを感じた。
堕天女達は、先に閨に身を横たえ、僕を誘った。
「さあ、いらっしゃい……これから、房中術の全てを教えて差し上げますわ……。」
「私達の与える快楽をどこまで堪えられるか、見せてもらうとしよう……。」
「んふふ、我慢なんてしなくていいのよ、たっぷり楽しませてあげる……さあ……!」
なまめかしい肢体が三つ、閨の中から僕を誘う……僕は誘われるままにその中へと
入って行った。僕の身体に堕天女達がまとわりつく……しなやかな六本の腕が、僕に
絡み付いてくる……そうして、僕は豪華な夜具の上に寝かされた。柔らかな、天上の雲の
ような夜具の感触が、優しく僕を包み込む……。
夜具に寝かされた僕に、さらに堕天女達の肢体が絡み付いてきた。
左右から薫藍と緋香が抱きつき、蘭芳が僕の上に覆い被さってくる……六本の腕が僕の
服をまさぐり、白い指が胸をはだけ、帯をするすると解いて、僕はあっと言う間に
裸に脱がされてしまった。そして、全裸の僕の身体に、堕天女達の柔らかでしなやかな
肉体の感触が、彼女達が身に纏う羽衣の感触がまとわりついてくる……!
「う、あぁ……!」
思わず、僕は熱い吐息をもらしてしまった。抱きしめられた僕の全身から、痺れるような
快感の波が一斉に押し寄せてきたのだ。
何も身につけてない僕の身体を、堕天女達の柔肌が、三方からむっちりと圧し包む……!
彼女達は羽衣を着たままだが、まるで直接肌を合わせているかのように、とろけるような
女の肉の感触が伝わってくる……その刺激が甘美な波となって僕の全身を巡る……!
「ああ……あ、ぁあ……!」
「……うふふ……いかが……?気持ちいいでしょう……?」
恍惚の境地へ誘われていく僕の耳元で、蘭芳が甘く囁く。
「私達の羽衣は霞を紡いで織りあげたものだ……肌の感触を妨げることはない。
お前は今、私達の肌の感触を、じかに味わっているのだ……。」
薫藍の氷のように冷たい声に、僕の背筋をぞくぞくと快感が這いあがる。
「くふ……そして、私達堕天女の肌の感触は、男の欲望を直接刺激するのよ……
どう?こうして肌を合わせているだけで、したくて堪らないんじゃなくて?」
緋香が悩ましく囁くその言葉の通り、僕の身体は熱い疼きに満たされていた。
堕天女達の肌の感触は、今まで一度も味わったことのないものだった。
まるで、僕に絡み付く堕天女達の肢体から、何かが僕の身体に染み込んでくるような……
こうして触れられているだけで、身体中をぞくぞくするような快感が駆けめぐり、
僕の身体の奥底から抑えようもなく淫らな欲望がこみあげてくる……!
「ああ……あ、あああ……!は、ああ……うあ、はぁあああ……!」
僕は彼女達の身体が与えてくる快感に、全身をわななかせて喘いだ。
「さあ……それでは、本格的な修行に入る前に……まずは私達の与える快感を知って
頂きます……そして、貴方の身体を少しでもその刺激に馴染ませて頂きますわ……。」
蘭芳の声を合図に、堕天女達の身体が妖しく蠢きだす。
しなやかな腕が僕の身体を這い回り、熱い吐息が耳元に吹きかけられる……!
「あ、ああ、はああああ……!あああ、ああ、うああああ……!」
「房中術の基本にして極意の精神は、『接して漏らさず』です……。」
全身を駆けめぐる快感に混じって、蘭芳の囁く声が聞こえてくる……。
その間も、六本の腕が悩ましく僕の身体をまさぐり、快感を紡ぎ出していく……!
さわさわさわ……さわさわさわ……!
「ふあ、はぁあああ……!ああっ、あ、あああっ……!」
「房中術では、女人と多く交わり、その快楽をよく味わって心身の合一を為し、
女人を快楽の頂きに至らしめて、その際に放たれる陰の気を取り込みます……。」
愛撫を続けながら、蘭芳は話を続ける。
「しかし、その陰の気と、男の体内にある陽の気を交わらせるためには、
自らの陽の気を漏らすことなく体内に留めなければなりません……
陽の気とは、すなわちあなたの精……。」
言いながら、白い指を僕の身体に這わせ、巧みな指使いで刺激を加えてくる……!
「うあ……ああ……あああ……あああああ……!」
「あなたは、いかなる快楽を受けようとも、精を放たぬよう堪えなければなりません。」
薫藍と緋香も左右から僕の身体にまとわりつき、身をくねらせて愛撫を繰り返す……!
妖しい笑みを浮かべ、首筋に舌を這わせ、耳元に熱い吐息をふきかけてくる……!
「ああ、あああ、はぁ……ああっ、あはぁっ、ああ、いいいいいっ……!」
「そして、陰の気と陽の気を交わらせて体内に無限の気の循環を創り出す……。
それによって無限の生命力を得ることが、房中術の最終目的なのです……。」
「ああ……はあ、あああああ……!ああ、ああっ、あああああ……!!」
蘭芳の話を聞きながら、僕は絶え間なく続く快感の波に、ひたすら喘がされ続けた。
ああ……もう、これだけで……気持ちいい……気持ちいいぃ……あぁあああ……!
「まずは……私達が与える快楽がどんなものか……お教えいたします……
大丈夫……気持ちよすぎていってしまったりしないように、私達が導きますから……
身体を楽にして……この快感に、身も心も委ねて下さい……。」
「あああ……はあ、あはぁああああああ……!ああ、ああ、ふぁああああああ……!!
「うあぁ……ああ……あふぁああ……!!」
三人の堕天女の悩ましい肢体が僕の全身を包み込み、愛撫を続ける。
僕の身体中を、六本の白い腕が這い回り、さらに六本の太股が次々と巻き付いてくる……
まるで大蛇の群れに襲われているかのようだ……それも、淫らな白い雌蛇の群れ……!
むっちりと吸い付いてくるような柔肌の感触が、よってたかって僕を圧し包む……!
「あああ……はあ、あああああ……!ああ、はあぁああ……あああああ……!」
僕は、舞い踊る堕天女達の四肢の動きにあわせて、ひく、ひく、と身体をわななかせて
喘ぎ鳴いた。
「くふふ……気持ちよさそうねぇ……。」
そんな僕に、緋香が囁きかけてきた。悩ましげな笑みに淫らな色を一層濃くして、
ぺろりと舌なめずりしてみせる。
「もう、あそこもこんなになっちゃって……んふふ、かわいいのね……。」
「ああっ、そ、そんな……ああ、はああああ……!」
彼女の視線は僕の股間に向いている。その先で、僕の男根がひく、ひく、と喘いでいた。
既に、ぎっちりと張りつめて、先端からは透明な液が滲み出している。
「んふふ、もう私達の中に入れたくて仕方ないんでしょう……?
意外と『好き』なのね……そうでしょう……?んふふふふ……!」
緋香の淫らな言葉に、僕は耳まで真っ赤になってしまう。
は、恥ずかしい……女性の愛撫を受けて、もうこんなになっちゃうなんて……。
「ふふ、いいのですよ……房中術の修行をしようという方は、むしろそれぐらいで
なければ困ります……。」
恥じ入る僕に、蘭芳が優しい笑みを注ぐ。絶世の美貌に柔らかな微笑が花開く……。
僕は、その慈母のような微笑みにうっとりと見とれさせられる……。
「でも、まだまだ良くなりますから……もっともっと感じて下さいね……。」
蘭芳の言葉と同時に、新たな刺激が僕を包み込んできた。
「ああっ、はああああ……こ、これ……、うあ、はあぁああ……!」
思わず、ぶるぶると身を震わせる僕。彼女達の身を包む羽衣が……風もないのに妖しく
波打ち、さわさわと愛撫を加えてきた!
さらさら……さらさらさら……さらさら……さらさらさらさら……!
「うああ、ああ、はああああ……!ああっ、あっ、あっ、ひぁあああああああ……!!」
「うふふ……いかが?こんな感覚は初めてでしょう……?」
耳元で蘭芳の囁く声が聞こえる……心なしか、さっきより媚びを含んだ、淫らな湿り気を
帯びた声になってきたような気がする……。
だが、僕はそんな事を気にしていられるような状態ではなかった。
ひらひらとひらめく堕天女達の羽衣が、絶えず僕の肌の上を滑り、まるで無数の女の手に
愛撫されているかのような快感を送り込んでくる……!
しかもそれが、三方から僕の全身を隙間なく包み込んで、どこもかしこも余すことなく、
柔らかな羽衣の極上の感触で覆い尽くしていく……それも、堕天女達の柔肌の感触を
損なうことなく、女体の感触と羽衣の感触を同時に味わわせてくれる……。
ああ……いい……気持ちいいよぉ……もう、もう……おかしくなっちゃうぅ……!!
さらさら……さらさら……さらさらさら……さらさらさらさらさら……!
「あああっ、いい、いいよぉ……ふぁあああ……いいぃいぃ……!!」
三人の堕天女と、羽衣の波に包み込まれて、僕はとめどなく快感に酔い痴れていった。
「んふふ……もうすっかり虜になっちゃったわねぇ……。」
身を震わせて喘ぐ僕の耳元に、緋香が熱い吐息混じりの声で囁いてきた。
「他愛もない……仙人候補と言っても所詮人間、私達にかかれば赤子同然だな……。」
反対側からは薫藍の声……うう……恥ずかしい……でも、本当に僕、どうしようもなく
よがらされてしまっている……薫藍の言うとおり、堕天女達の前では、僕は
まるで無力だ……ああ……このまま……成す術もなくいかされちゃうんだろうか……?
僕の男根はもう、限界一杯まで張りつめて、びく、びく、と痙攣を繰り返している……
もう、いついってもおかしくない……ああ……ますます快感が高まってくる……
気持ちよすぎて……もう……ああ……いく……いっちゃうよぉ……!!
……しかし……限界まで到達しながら、僕はまだいくことはなかった。いくためには、
もう一押し、刺激が足りない……気持ちよすぎて、もう頭の中は真っ白になって……
もう、我慢できない……できないのに……いけない……!
いや……駄目だ、いっちゃ駄目なんだ、我慢しないといけないんだ……
でも……いきたい!いきたい!!もう、今にも溢れ出そうなぐらい気持ちいいのに……
いけない……終われない……どこまでも……どこまでも……
気持ちいいのだけがとめどなく続いて、どこまでいっても最後が来ない……!
ああ……あああ……快感だけがずっと続いてる……こんなに続きっぱなしじゃ……
おかしくなっちゃう……うあ、あああ……助けて……助けて……終わらせてぇ……!!
そんな僕の様子を、執拗に愛撫を繰り返しながらじっと見つめる堕天女達。
その表情は、さっきよりも明らかに淫乱で貪欲な彼女達の本性を色濃くしていた。
「うふふ……気持ちいいでしょう……?もう、我慢できないのでしょう……?」
蘭芳が僕に笑いかける。その瞳にも、先程まではなかった妖しい輝きが宿っている。
「……でも、ご心配なく……今宵はあくまでも『慣らし』ですから……
たとえ我慢できなくなっても、決していかないよう私達が加減していますから……。」
え……そ、そんな……それじゃ……それじゃ……!
「んふふ、これから夜明けまで、ずぅっとこの快感が続くのよ……
どう……?最高でしょう……?くふふ、ふふふふふ……!!」
淫らな笑みを一層深くして、緋香が笑う。
そんな……この、この限界ぎりぎりの状態が、ずっと……!ああ……!!
「今はまだ日も沈んでいない……明日の夜明けまではざっと七刻といった所か……
その七刻、ふふ、果たして正気を保っていられるかな……?ふふふふふ……。」
薫藍も、やや吊り上がった切れ長の目に冷たい笑みを浮かべて、僕を見つめる。
あ、あと七刻……!む、無理だ!こんなの、こんなの堪えられない!!
「うああっ、あああああ……!ひぁ、あああ、あはぁああああああっ!!」
僕は、絶えず送り込まれる快楽に、男根をびくんびくんとわななかせて悶え喘いだ。
「あふぁあああっ、ああ、あはぁああああああ……!!」
いつまでも続く快感に悶え狂う僕。三人の堕天女の魔性の肉体に絡み付かれ、さらに
妖しく蠢く羽衣の中に埋もれて、巧みな愛撫でいくことも萎えることも許されず、
気が狂いそうな程の限界ぎりぎりの快感で責めたてられ続けていた。
「んふふふふ……だいぶいい顔になってきちゃったわねぇ……。」
緋香が僕の顔をのぞき込んで妖しく笑った。
「はあっ、ああ、あひあああぁぁ……!」
僕はもう、返事もまともにできずただただ喘がされる。気持ちいい……気持ちいい……!
全身が快感に痺れ、とろける……甘い疼きが僕を酔わせる……!
「くふふ……でも、こんなものではすまないのよ……。」
そう言いながら、緋香は僕の首筋に顔を寄せる。そして、
れろぉっ……!
「ひ、いひいぃいいぃぃぃ……っ!!」
柔らかな緋香の舌が首筋を這い上がり、僕の背筋をぞくぞくぞくぅっ、っと
身震いするような快感が駆け抜けた。
そのまま、緋香は唇で僕の耳を挟み、耳の裏をれろれろと舐め回す。
「ひっ、いひぁああ、あああああ……!」
「もっともっと気持ちよくなるんだから……本当の極楽を教えてあげるわ……。」
耳たぶをしゃぶりながら熱く囁く緋香の声が、僕の心を蕩かしていく……。
「そう……まだここは極楽の入口に過ぎない……さあ、私達の世界に来るがいい……
淫欲の極楽、性の桃源郷、そして快楽の地獄へと……!」
そう言う薫藍の声が聞こえるのとほぼ同時に、
ぷちゅっ……!!
「い、いああはぁあああっ……!!ああっ、はああはぁあああ……!!」
僕の乳首を、熱い唇の感触が包み込んだ。きゅうっ、と吸い上げ、ちろちろと舌で
舐め回してくる……!その度に、乳首から僕の全身に、電流が流れるような快感が
走り抜ける……!ああ、いい、やめてぇ……おかしくなる……おかしくなっちゃう……!
「いい、いひいぃい……!あ、あ、あふあぁあああああ……!!」
僕は、びく、びく、と全身を震わせて身悶えた。
「うふふ……もっともっとよくなりますわ……では、私はこちらを……。」
蘭芳は悶える僕を見下ろしながらそう言うと、ゆっくりと僕の身体の上を這い下がる。
そして、
「あ、あはああああああああっ!!」
僕の喉から、ひときわ激しい喘ぎ声が迸る。
しなやかな蘭芳の指が、僕の男根に絡み付いたのだ。その快感は、まるで未知の生物の
触手に捕らえられたかのようだった。既に限界を迎えている僕の男根が、びくんっ、と
快感に身悶える。もう、今にも爆発しそうなほどに張りつめて、その奥底に噴火寸前の
マグマを蓄えて、快感にうち震えている……!
「あう、あああああ……くあっ、あ、あふああああああああ……!」
「ふふ……気持ちいいでしょう……?私達堕天女の愛撫は、まさしく極楽の快感……
天界に住まう聖者や仙人、神仏さえも、私達の紡ぎ出す快美に酔いしれ、
地獄の鬼達も、私達の愛撫に包まれればその力を振るう事もできず虜となる……。
うふふ、果たしてあなたはどこまで自分を保っていられるのでしょうね……?」
しなやかな指先で僕の局部を揉み立てながら、蘭芳は熱く囁く……。
囁きながら、さらに僕の身体を這い下がっていく……そして……
ふにゅっ……!
「あああ、あああああっ……!」
例えようもない位柔らかな蘭芳の乳房が、僕を挟み込んだ。
「うふふふふ……柔らかいでしょう……私のおっぱい……気持ちいいでしょう……
これだけで、もういってしまいそうなのではないですか……?」
生白い胸元に、ひくつく男根を挟み込んだまま、にっこりと微笑む蘭芳。
むっちりと柔らかく、温かな女の感触が僕のものを包む……す、凄い……!まるで、
まるで女陰の中に包まれたような、いや、もっと柔らかくて、もっと温かくて……
ああ、もう駄目だ……意識が、朦朧として、と、溶けていく……
気持ちいい……どうしようもなく気持ちいい……ああ……ああ……!
「うふふ……もうすっかり虜のようですわね……では、こちらはいかが……?」
その声と共に、僕の男根を包む女肉の圧力が、ふっ、と抜ける。
極楽の快感から解放されて、僕は大きく吐息をついた。……それも束の間。
ちゅぷぅっ……!
「ふああああっ、ああっ、あはぁああああああ!!」
一層熱く、煮えたぎるような快感の坩堝が僕を包み込んだ。
そこは、蘭芳の唇の中だった。僕の男根は、彼女の口の中に根本まで呑み込まれた!
「いああっ、ああ、あああああああああっ!!」
蘭芳の、柔らかな唇が僕のものを含んで、ぬるるるる……としごきあげる!
「んふふ……いい声だこと……もっと聞かせてちょうだい……ふふふふふ……!」
首筋をちろちろと舐め回しながら、耳元で緋香が熱く囁く。
同時に、蘭芳の舌先の感触が、ちろり、と僕のカリ首を舐めあげた。
「あひあぁあああああっ!!」
電流のような刺激が走り、僕の身体が、男根が、びくん、と反応する。
そして、びくびくびく……と甘い痺れが身体中を駆けめぐる……まさしく射精寸前、
あともうわずかでも刺激を加えられれば、僕はたやすく限界を超えてしまう……
でも、その限界ぎりぎりの所で堕天女達は刺激を止めた。そして、僕の身体が快楽の山を
乗り越えるのを待って、再び刺激を始める……
ぬりゅるるるるる……と、蘭芳の唇の感触が僕を再び呑み込んでいく……!
「うああああ……あああ……はああああああああ……!」
「ふ……お前はいく事も萎える事も許されぬ……お前に許されているのはよがる事、ただ
それだけだ……さあ、もっともっとよがり狂うがいい……!」
両の乳首をくるくると弄くりながら、薫藍は冷徹に言い放った。そして、僕の男根に
再び蘭芳の舌が這う……れろおっ、といやらしく僕の裏スジを舐めあげる……!!
「ああ、あはあぁあああああ!!」
また僕は限界ぎりぎりまで押し上げられてしまう……ああ……終わらない……いくことも
萎えることもできず、どこまでもどこまでも射精寸前の快感で責めたてられ続ける……!
三人の堕天女は僕の限界点を熟知していて、絶対に限界を超えないように、それでいて
決して僕の快感が醒めないように、絶妙の加減で責め続ける……!
助けて……ああ、お願い……休ませてぇ……もう、終わりにしてぇええ……!!
僕は、ひとときの休みもなく限界ぎりぎりの状態で喘がされ続けた。
じゅるり……ぬりゅり……にゅるり……じゅぷり……
「あああ、はああああっ!!ああ、あああああ……あふあぁあああああ……!!」
閨の中に、僕の喘ぐ声が響きわたる。気持ちいい……いいよぉ……!
この、男根に絡み付く柔らかな、そしていやらしいぬめり気を含んだ温かな感触……!
それが、ぬるり、ぬるり、と蠢く度に、僕の背筋を女色の快美感が貫く!!
僕の男根は、蘭芳の妙なる舌使いにびきびきと張りつめて、もう今にもはちきれそうに
なっている……!
「んふふふふ……いいの?いいのね?とっても気持ちよくて、いきそうなんでしょ?」
「んああっ……ああっ、は、あああああ……!!」
緋香の淫らな囁きが、さらに僕を追いつめる。
同時に、蘭芳の柔らかな唇がぬるるるる……と、僕の男根を這い上がり、しごき上げた。
そして、きゅううっ、と唇をすぼめて吸い上げる!
唇の粘膜がぴったりと男根に貼り付き、吸い上げられる感触が一層男根を膨張させる!!
「うああああああああっ!!」
僕は堪えようもなく絶叫する!駄目だ!もう、もう堪えられない!!
あ、溢れる……溢れちゃう!!出る!!出るっ!!!
と、まさに精が迸るその寸前で、ちゅぽ、と蘭芳の唇が僕を解放する。
限界を超えた快感から一気に引き戻されて、僕は
「う、あああ……!!」
と溜息をついた。
「んっふふふふふふ……なぁに?いきたいの?いっちゃ駄目でしょ?ふふふふふ……。」
淫らな笑みに嘲りの眼差しを浮かべて、緋香が笑う。
うう……そうだ……いっちゃいけないんだ……ああ、でも……もう我慢できない……!
いや、我慢できないのに……いけない!いきたい!!いきたいのに……いけない!!
……いや、いけなくていいんだ、いっちゃいけないんだから……でも……でも……
ああ、もうわけが分からなくなってきた……このままじゃ……おかしくなっちゃう!!
耐え難い快楽に霞む視界の中で、蘭芳が僕の股間から顔を上げた。
「……これは、あなたの身体を私達が与える快楽に慣らすための、大事な修行です……
また、あなたの適性を見る試練でもあるのです……朝までこの責めを耐え抜く事が
できない様では、房中術を極めることなどできませんよ……。」
あくまでも優しい笑顔で、しかし彼女の声は僅かに厳しさを帯びていた。
その声が僕の頭にこだまする……そうだ、僕はここに修行に来たんだ……!
決して快楽に溺れる為じゃない……仙人になるための修行をしに来たんだ……!
こんなことで我を失っていては駄目だ!気をしっかり保って、耐えるんだ!!
「うふふ……そう、その調子ですよ……。」
にっこりと微笑む蘭芳。そうだ、がんばらないと!!
「では、続けましょうね……。」
そう言って、彼女は再び股間に顔を伏せた。そして……
とろろろろ……とろろろろろろろろ……
「う……………!」
熱い……!何か、温かな蜜のような物が……僕の股間に垂らされている!
見ると、蘭芳の口から水飴のような液体が、僕の男根に垂れ落ちている!!
あれは、唾液なのか……いや、もっとあったかくて……もっとぬるぬるしてて……
うう……もっと、もっと気持ちいい!!
これだけで、もう僕の男根はひくひくとわなないて、限界一杯まで膨れ上がる……!
「うふ……いかが……?」
言いながら、蘭芳はさらに身を屈める。そして……
むちぃいいっ……と、再び彼女の胸の谷間が僕を咥え込んだ。
「うあ、あああああ……!ああっ、あああああ……!!」
再び僕の口から熱い喘ぎが漏れる。さ、さっきとは比べ物にならないぐらい……いい!
この感触……ぬるぬるしてて……むっちりと圧し包んでくる……う、うう……
……ああ……気持ちいい!……ま、またいきそうに……いく!あああ、いっちゃう!
「うふふふふ……いかが……?気持ちいいでしょう……?」
熱っぽい囁きと共に、蘭芳の身体がゆったりと上下する……胸の谷間が僕をしゃぶる!
「ああっ、あああああっ!!あっあっ、あひぁあああああああ!!」
もう、人間の女性の中とも比べ様のない、まさしく人外の快楽、極楽の快感……!
げ、限界を……超える……!もう、尿道を精が……せり上がってくる!!
「うふふ……そんなにいいのですね……でも、ふふ、堪えて下さいね……。」
蘭芳の声と共に、刺激が止まる……。限界を超える快感の波が、引いていく……!
「う、うう……。」
すかさず、再び快感が送り込まれてくる……!
ぬちゃあ……にゅるう……にちゃあ……ぬちゃあ……!
「あああああ、あはぁああああああ……!ああっ、あああああ……!!」
あくまで僕がいってしまわないぎりぎりの加減で、ゆったりと蘭芳はしごき続けた。
「んふふふふ……またいっちゃいそうねぇ……それとも、壊れちゃうかしら?」
緋香が妖しい笑みを浮かべて僕の顔をのぞき込む。
「ふ……うう……うああああ……!ああ、ああ、あはぁああああああ……!!」
「ふ、所詮はその程度か……いっそ狂ってしまった方が、幸せかもしれんぞ……。」
薫藍は冷酷にそう言うと、僕の乳首に再び吸い付く……!そして、舌先で乳首をころころ
と転がしながら、両手を僕の脇腹に這わせる……しなやかな指先がさわさわと僕の身体に
快感を紡いでいく……!
「ああっ、あああああ……うああ、あふぁあああああああ……!!」
また僕は限界まで押し上げられる……ああ、もう、出る!もう我慢できない!!
すると、限界を超えるのを察知して、薫藍の口と手が止まる……ああ……また寸前で……
「んっふふふふふふふ……だぁめ、絶対いかせないんだから……くふふふふ……。」
楽しくて楽しくて仕方ないといった表情で、緋香は僕をあざ笑った。
「うああっ、あああああああああっ……!ああ、はああぁあああああ……!」
三人の堕天女に責められ続ける僕……もうどれぐらい経ったんだろう……
一体、何回寸止めされたんだろう……もう、頭がぐらぐらして、時間の感覚もなくなって
……あと、どれぐらい……どれぐらい耐えないといけないんだろう……?
そろそろ……朝なんじゃないか……?もう、一晩どころか、何日も責め続けられてる様な
気さえする……きっと、もうすぐ……朝が来るはずだ……朝が……!!
「ふふふ、よく堪えていますね……。」
蘭芳が微笑みかける……。そして彼女は、僕の心を読んだかのように、こうつけ加えた。
「あと三刻ですからね、頑張って下さいね……。」
「!!……うぁあっ……!!」
思わず、僕の口から絶望のうめきがもれた。
あ、あと三刻!!ま、まだ三刻も……駄目だ!!もう……耐えられない……!!
「大丈夫……気をしっかり持ち続けていれば、必ず耐えられますわ……現に、あなたは
最初の頃よりずっと強い刺激にも、耐えられるようになっているのですよ……。」
その言葉に僕ははっとさせられた。そうだ……今僕が受けている責めは、最初の時より
ずっと激しくなっている……緋香に耳たぶや首筋をしゃぶられ、淫らな言葉を囁かれ、
薫藍には乳首と脇腹を容赦なく弄り回され……そして、僕の男根は蘭芳の粘液状の唾液を
塗り付けられて、たわわな肉の果実に挟み込まれてしごかれている……。
最初からこの責めを受けていたら、僕はたちどころに精を漏らしてしまっただろう。
そうか……『慣らし』と言ったのは、こういう事なのか……!
「気がついたようですね……後はあなたの意志の力次第ですわ……。」
そう言って、蘭芳は優しい笑みを送った。
そうだ!あきらめちゃ駄目だ!頑張らないと!あと三刻、絶対に耐え抜いてみせる!!
「ふふ……では、もう一段上に昇って頂きますわね……。」
「うあああああああああああああああああっ……!!」
僕の喉を再び絶叫が迸る。男根を咥え込んだ乳房がぷるぷると震え、一層激しい刺激を
送り込んでくる!!痺れるような快楽が、容赦なく僕の男根に注ぎ込まれた。
「うああああっ、ああっ、あはぁああああああ!!ああ、あああああ……!!」
「うふふ……あと三刻、頑張ってこらえてくださいね……。」
胸の谷間で僕の男根を貪りながら、蘭芳は優しくも淫らな笑みを浮かべた。
「は、ああ……あ、あ……あぁ……はぁあ……。」
薄明かりの差し込む閨の中で、僕は半ば虚ろな眼差しで喘いでいた。
「……よく頑張りましたね……第一の試練は合格ですわ……。」
蘭芳の優しい声が聞こえる……ああ……ようやく……よう……やく……朝……が……。
「……今日の日没から次の修行を始める。夜に備えてしっかり休息をとっておくのだな。
次の修行は一層過酷なものとなるぞ……。」
薫藍の厳しい声も……とにかく、休めるんだ……やっと、……この寸止め地獄から……
解放されるんだ……。
「んふふ……ほら、そのまま寝ちゃだめよ……ちゃんと、お風呂で汗を流してらっしゃい
……汗くさいままじゃ、抱いてあげないわよぉ……んふふふふ……。」
緋香が甘ったるい声で囁きかける。僕は、ゆっくりと身を起こす……
う……重い……全身が……鉛みたいだ……。
「あらあら、大丈夫?一人で歩ける?」
「だ……大丈夫……です……。」
そう言いながら寝台から降りた僕の膝ががくりと折れて、倒れそうになる。
あっ……!と思った次の瞬間、
ばふ。
僕の顔は、緋香の豊満な胸の中に埋まっていた。
そして僕の身体も、彼女の身体と、羽衣の感触に抱き包まれる。
「むむぅ……ん……んんん……!」
「んふふふふ……本当に大丈夫……?もう足腰立たないんじゃないのぉ……?」
囁きながら、緋香は僕の頭を抱き抱え、さらに深く自らの胸元に埋め込んだ。
何か別の生き物のような、むちむちと柔らかく巨きな肉の塊が、僕の頭を後頭部まで
包み込んでくる……そして、緋香の身体から立ち昇る堕天女の甘い体臭が、一層強く、
甘く匂う……むっちりと吸い付いてくる柔肌に顔面をぴったりと覆われて、まともに息が
できない中、辛うじて吸い込める空気は、むせかえりそうな程濃厚な女の香気……
一息吸い込む度に、脳髄が痺れるような感覚が全身に染み渡ってくる……。
全身を、顔面をむにむにと圧し包む柔肌の感触と、くらくらするような緋香の甘い匂いに
身体から力が抜け、僕はますます自分で立っていられなくなってしまう……。
「んふふ、しょうがないわねぇ……お風呂まで連れてってあげる……んふふふふ……。」
緋香はそう言うと、ふわ、と僕の身体を抱き上げた。
全く力を入れてないような彼女の腕に、僕は軽々と抱き上げられた。というよりも、
僕の身体が宙に浮かび上がって、彼女の腕の中に収まっている、と言う感じだ。
緋香は、そのままするすると滑るように動き出すと、
「じゃ、蘭芳、薫藍、行って来るわね……んふふ……。」
そういって寝室を後にした。
僕は、緋香に抱かれて百華楼の地下へと連れて来られた。
「んふ……ここが、『桃精泉』よ……私達もここで湯浴みするのよ……。」
岩壁に囲まれた、三間四方ほどの空間が目の前に現れる……明かりは何もなく、ただ、
周囲の岩肌が、青白い淡い光を放っていた。
そして、その中央に泉が沸いていた。円形の窪みに、透明な薄桃色の液体が満たされて
いる……立ち昇る湯気からはほのかに桃の香りが匂い立っていた。
緋香は僕を抱いたまま、桃精泉の前までやってきた。
「……ありがとうございます……。後は大丈夫ですから……降ろしてください……。」
「んふふ、いいのよ……ふふふ、んふふふふふ……。」
緋香は、そのまま滑るように前進し、泉の水面に立った。羽衣の裾が水面に広がる。
「さ、お風呂に入りましょう……ふふ……一緒に、ね……んふふふふ……。」
「え……あ、あの……!」
緋香の身体がゆっくりと降下し、お湯の中に沈んでいく……
そして、彼女の腕に抱かれた僕も、そのままお湯の中に……
ぬる……。
「……え……?」
にゅるるるる……。
「……な、な……これは、ああ……あああああ……!」
異様な感触が僕を捕らえた。桃精泉に浸かった僕の身体を包む感触は、ただのお湯のもの
ではなかった。ぬるぬるとぬめる温かな粘液の感触だった!
「んっふふふふふ……どぅお?気持ちいいでしょぉ……?」
楽しそうに笑う緋香。笑いながら、豊満な肢体を淫らにくねらせて、僕の身体に絡ませて
くる……そして、しなやかな腕が胸を這いまわり、むっちりと張りのある太股が腰を挟み
つけてくる……!
「ん、んぁあああぁあああ……っ!!」
「くっふふふふふふふふ……良い声だこと……もっと鳴いてちょうだい……。」
耳元で熱っぽく囁きながら、緋香は僕の全身を愛撫してくる……その指が僕の身体の上を
這う度に、ぬるぬるの粘液の感触が身体中に塗り付けられていく……うあ、あああ……!
にゅる、にゅるる……ぬりゅぬりゅぬりゅりゅりゅりゅ……!
「い、いあぁあああ、あはぁあああぁあああ……!ああ、ああ、あはあああ……!!」
「んふふ……この桃精泉に浸かれば、垢や汗だけじゃなくて、体内の濁気や邪気も浄化
されて、とっても元気な身体になれるのよ……。って、聞いてる?んふふふふ……。
もう、それどころじゃないみたいねぇ……んふふ、ふふふふふ……!」
ぬちゅるるる……ぬる、ぬるぬるぬりゅるるる……。
緋香の指遣いはますますいやらしくなり、僕の全身を耐え難いほどの快感が駆けめぐる。
既に、僕の男根は粘液のお風呂の中でぎちぎちに張りつめていて、今にも精を放って
しまいそうだ……あああ……もう……もう……!
「は、はぁあ、ああ……う、うあ、あはぁあああ……!」
「んふふふふ……もう、我慢できないでしょ……?いいのよ、いっても……。
……仙人になるのなんてやめて、私の肉奴隷になっておしまいなさいな……。」
緋香の甘い囁きが僕の耳をくすぐる……うう、だ、駄目だ……!
ここで、誘惑に屈してしまったら、僕は……!
「私の奴隷になれば、毎日毎日いくらでも気持ちよくさせてあげるわぁ……んふふ……
いっぱい、いっぱいいかせてあげる……仙人なんかになるよりずっと良いわよぉ……。」
そう言いながらなおも愛撫を続ける緋香の、その手を僕は掴んで止めた。
「……ぁあら……どうしたの……?」
「……だ……駄目、で……す……。ぼ、僕は、……仙人に……なりたいんです……。」
僕は全身を捕らえている甘い疼きに喘ぎながら、やっとの思いでそれだけ言った。
「んっふふふふふ……よく言えたわ……大したものねぇ……。で・も……!」
緋香の手が僕の手の中からするりと抜けて、肩に触れる。
次の瞬間、僕の身体がくるりと回った。不思議なぐらいに軽く、抵抗のしようもなく
振り向かされて、僕は緋香と向かい合う形になった。
「う……!」
「んふふ……どぉ……?」
僕の視線は、緋香の悩ましい肢体に釘付けになった。むっちりと豊満な肉体が、僕の視界
を覆い尽くしていた。一つ一つが人の頭よりも巨きな乳房が、つんと硬く張りつめて
突き出した乳首が、目の前にあった。
お湯に濡れた羽衣が透けて、緋香の裸体があらわになっている。その白い肌に薄桃色の
羽衣がぴったり貼り付き、さらにぬるぬるの粘液のお湯が絡み付いて、とてつもなく
いやらしい……僕は自分の胸が、股間が、どくどくと熱く脈打つのを感じた。
「くふ……私のこんな姿を見て……それでも、同じ事が言えて……?んふふふふ……!」
「う……う……ぅうう……!!」
緋香の淫らな眼差しが僕を射抜く。僕は、ぼ、ぼくは……あ、ぁあ……!!
危険な罠と知りながら、僕はその眼差しから目を逸らす事が出来なくなっていた。
「んっふふふふふふふ……さぁ、いらっしゃい……。」
妖しい笑みを浮かべながら、緋香は僕を見つめる。
「ぼうやの目の前に、極楽があるのよ……ほら、こ・こ……んふふふふふふふふ……!」
言いながら、緋香は大きく股を開いた。薄桃色の粘液のお湯の中に、女の肉の華が
咲き誇っている。男を包み込み、この世ならぬ快楽で骨抜きにして精を吸い上げる魔性の
華……ぽってりと大きくふくらんだ花びらが、桃色のお湯の中でゆらゆらと揺れている。
あの中に……入ったら……どんな快楽が待ってるんだろう……
どう……なってしまうんだろう……
「んふふ……ほら……早くぅ……来て……!」
緋香の白い手が僕を招く……僕は彼女の腕の中に吸い寄せられて……
ぬちゅうぅうううっ……!
「あ、はぁああああぁぁぁ……!!」
豊満な緋香の肉体が、むっちりと僕を包み込む……!まるで、巨大な女陰に包み込まれた
かのような、温かくて柔らかな、そしてぬるぬるとぬめる、淫らな感触……!
「んふ……どぅお……?気持ち……いいでしょぉ……?んふふふふ……。さぁ……
いらっしゃい……私の中へ……根本まで、呑み込んであげてよ……くふふふふ……!」
濡れそぼった緋香の囁きが、僕の頭の中にこだまする……
僕は……その声に操られるかの様に腰を進める……
緋香の股の間に……僕の腰が入り……
「んふふふふ……いただきまぁす……ふふふ、ふふふふふ……!」
「はああ、あああああ……!」
その時。
「フェ〜イ〜〜シャン……!」
はっ、と僕は我に返った。
見ると、浴室の入口に、腰に手を当ててこっちを見つめる蘭芳の姿があった。
「あぁら、蘭芳……。どうしたの?そんな恐い顔して。」
振り向いて微笑みかける緋香。
「帰りが遅いから気になって見に来たの……こんな事だと思ったわ。」
そう言って、蘭芳は微笑みを返す。だが、優しい微笑みとは裏腹に、蘭芳の声は笑って
いなかった。彼女の髪が、羽衣が、風もないのにゆらゆらと波打っている……。
柔らかな笑みを浮かべる彼女の全身から立ち昇っているのは、間違いなく怒気だった。
「さあ、こっちにいらっしゃい……『つまみ食い』は許さないわよ……!」
「あらあら、残念ねぇ……せっかく、ここからがいい所だったのに……。
まあいいわ……それじゃあ、ぼうや……また後で楽しみましょうね……んふふ……。」
緋香は悪びれた様子もなく、ゆっくりと僕から離れた。
「緋香……そんなに溜まってるのなら、私がお相手してあげてもいいのよ……!」
「恐い恐い、おしおきされちゃう……んふ……じゃあね、ぼうや……あんっ……。」
二人の堕天女は、もつれ合うようにして浴室を出ていった。
「……ふぅ……。」
僕はひとつ、溜息をつく。……今、蘭芳が止めていなかったら……。
「危ないところだったな……。」
はっ、と振り返ると、すぐそこに薫藍の淡い水色の羽衣が揺れていた。
「あ、あの……。」
「……恥じることはない。我々堕天女の誘惑は、神仙さえも虜にする力がある。
まだ修行中の身では到底堪えられるものではない。」
あいかわらず冷ややかな眼差しを向けながら、薫藍は言う。
「……はい……。あの……一つ訊いていいですか?」
「何だ?」
「今夜の修行なんですが……どんな事をするんですか?」
僕の問いに薫藍は、くっ、と小さな笑いを漏らした。
「何を聞くかと思えば……房中術の修行でやることなど決まっているだろう?」
「そ……そうですね……。」
薫藍に言われて、僕は自分の顔が熱くなるのを感じた。
「……まあ、いい。もう少し詳しく教えてやろう。
今宵から毎晩、お前は私達と交わる。最初は私が相手だ。
むろん蘭芳と緋香も立ち会うが、基本的には修行は一対一で行う。」
「一人づつ……なんですか?」
薫藍は、にやりと冷ややかな笑みを浮かべる。
「なんなら三人掛かりで責めてやっても良いぞ?
精を一滴残らず搾り尽くし、精神も快楽で破壊し尽くして悶死させてやるのに
四半時の半分とかからぬだろうがな……それでもいいならそうしてやろう。」
「い、いえ……遠慮します……。」
薫藍は真顔に戻って話を続ける。
「一人づつ、というのにはちゃんと理由もあるのだ。
我ら堕天女と一人づつ交わる中で、一つづつ段階を踏んで房中術の道を極めてもらう。
私は、房中術の基本である忍耐力を鍛える。詳しくは今夜の修行の際に説明するが、
過酷な修行になるのは間違いない。今のうちに少しでも身体を休めておくのだな。」
「はい……。」
湯から上がる僕。桃精泉の粘りけのあるお湯は、みるみるうちに身体に染み入って
乾いてしまった。
「さあ、寝室に戻って休め。しっかり休んでおかないと……死ぬぞ。」
薫藍はそう言い残して、滑るような足どりで浴室を出ていった。
寝室に戻ると、華のような微笑みを浮かべて、蘭芳が出迎えた。
「……疲れはとれましたか?」
「はい、おかげさまですっかり……。」
「どうぞ、床も整えておきましたから、ゆっくりおやすみなさい……。
今夜の修行はますます大変ですから、しっかり休んでおかなければいけませんよ。」
と、彼女も薫藍と同じ事を言う。それだけ今度の修行は過酷だという事なのだろう。
彼女達の忠告に従って、しっかり休息をとっておいた方がよさそうだ。
「……あ、そうそう……お休みの前に、これを……。」
そう言って、蘭芳はどこからともなく一個の桃を取り出した。甘い香りが、ふわ、と
拡がり、僕の鼻腔をくすぐった。
「これは、『神仙桃』という特別な桃です。生命力、仙力を増進し、体内を浄化する効果
がありますの……ここでの修行中は、これだけを食べていただきます。」
「はい……。」
僕は蘭芳から神仙桃を受け取った。思ったよりも、ずしりと重い。
「これを食べて日暮れまでお休みなさい。そして、日没と共に修行を始め、夜明けと共に
一日の修行が終わります。そして『桃精泉』で疲れをとり、『神仙桃』を食べて、
休息をとる……その繰り返しです。」
蘭芳はそう言いながら、寝室の隅に向かう……その先にあるものを見て、僕はぎょっと
なった。部屋の隅に置かれた椅子に、緋香が座ってぐったりとなっている。
上気した顔、虚ろな眼差し……意識も朦朧としているようだ。まさか……蘭芳が……?
蘭芳は緋香を軽々と抱き上げると、
「それでは、私達は失礼します……ゆっくりお休みなさいね……。」
と、優しい微笑みを投げかけて寝室を出ていった。
2日目の日暮れと共に、寝室に堕天女達がやって来た。
「……それでは、修行を始める。準備はいいか?」
「はい……。」
身を起こそうとする僕を、手で制する薫藍。
「そのままでいい……楽にしていろ。」
そして、三人の堕天女は閨の中に入ってきた。彼女達の身体から漂う甘い香りが、
ふわ……、と顔を撫でる。
「私達は、そばで修行のお手伝いをさせて頂きますわ……。」
「んふ……頑張ってね……。薫藍だけにいい思いさせちゃ嫌よ……。」
言いながら、蘭芳と緋香は僕の両どなりに横たわった。彼女達の甘い香りが閨を満たす。
左右を堕天女の悩ましい肢体に挟まれて、僕は早くも胸の高鳴りを感じた。
「昨日も言ったが、私が教えるのは忍耐力だ。
房中術を極めるためには、どのような快楽にも耐えられる、強靭な精神力を
身につけなければならない。これから行うのはその為の修行だ。」
僕の正面に膝立ちになり、薫藍は僕を見下ろす。
「これから朝まで、お前は私と交わり、責めを耐え続けなければならない。
精を漏らせば……修行は失敗だ。懲罰が与えられ、翌日に再度修行が行われる。」
そう言って、薫藍は僕の上にのしかかってきた。淡い水色の羽衣をまとった、やや細身の
しなやかな肢体が僕の身体に絡み付いてくる……!
「……ん……んん……っ……!」
僕の全身を、薫藍の柔肌の感触が包み込む……しなやかな肢体が妖しくくねり、僕の
身体を愛撫する……その白い指が僕の身体を這い回るたび、その乳房や太股が僕の身体に
擦り付けられるたび、甘い痺れが全身に染み渡ってくる……!
その甘美な感覚に僕の身体が反応する。股間がじんわりと熱を持ち、むくむくと男根が
立ち上がってくる……!
「……ふふ……随分敏感なのだな……。」
愉しげにそう言うと、薫藍は僕の上に馬乗りになった。
「ゆうべはお前が限界を超えないように私達が加減した。だが、今回は違う。
これからの修行では、お前は全力で射精を堪えなければ、直ちに精を漏らしてしまう
事になるだろう。」
僕を見下ろしながら宣告する薫藍。僕の目の前には、彼女の股間が見える。
淡い水色の羽衣を透かして、彼女の秘部がうっすらと見えている……。
これから……あの蜜壷の中に包まれるんだ……一体、どんな快楽が待ってるんだろう……
どれほどの……快楽を堪えなければならないんだろう……
期待と不安に、僕の背筋をぞくぞくと痺れるような感覚が這いあがってきた。
と、その時。
「んっふふふ……動いちゃ駄目よ……くふふふふふふふふ……。」
「ごめんなさいね……これも修行のためですから……。」
両側に寝ていた緋香と蘭芳が、僕の手足を捉えて抱き込んでしまった!
僕の両腕は2人の堕天女の豊かな乳房に挟み込まれ、両脚はむっちりとした太股に
絡め取られて、女体の感触に包まれる……!
「うっ……んんっ、ううんんんんん……!!」
「修行中、快楽に耐えきれず暴れる方もいらっしゃいますから……。」
「んふふ、それぐらい気持ちいい、って事よ……おかしくなっちゃうくらいにね……!」
両側から緋香と蘭芳の囁く声が、頭の中にこだまする。うう……全身に堕天女達の柔肌の
感触が駆けめぐる……もう、これだけで身体中が熱く火照って……頭がくらくらして……
目の前の女体のことしか考えられなくなってくる……
この堕天女達の身体は、それ自体が強力な媚薬なんだ……こうして肌を合わせている、
それだけで……心の中に淫欲がじわじわとこみ上げてくる……!
「では、始めるぞ……覚悟はできてるだろうな……。」
蘭芳と緋香に押さえつけられて身動きのとれない僕の股間に狙いをつけて、ゆっくりと
腰を降ろしていく薫藍。紗の衣の裾をはだけると、その奥に咲き誇る女の肉の華が露に
なった。ぽってりと厚く膨らんだ陰唇がやわやわと蠢いている……
すでに蜜をたっぷりと含んで、合わせ目からじっとりと滲ませている……!
薫藍は、ゆっくりと腰を下ろしてくる……ああ……もうすぐそこまで……
「……意識を集中しておけ。気をしっかり保っていないと、いきなり『飛ぶ』ぞ。」
薫藍の警告を聞きながら、僕はじりじり迫ってくる彼女の秘部を、じっと見つめていた。
……来る……男を狂わす魔性の女陰が……来る……呑まれる……!
くぱ、と薫藍の女陰が口を開く。あたかも獲物を捕食するかのように……。
来る……!来る……!の、呑み込まれ……る……!!
ちゅぷ。
「!!……………んんっ……!!!んんんぐぅんんんんっ!!!」
僕は、喉から迸りかけた絶叫をすんでの所で呑みこんだ。
な……何だ!?何だこれは!!!こんな、こんな感触……こんなものが、あるのか!?
「んんんっ、んんんんん!うっ、んっ、ぐぐっ、うむっ、ぅぁ……んんうんんっ!!」
「……どうした?まだ触れただけだぞ……?」
冷ややかな微笑を浮かべて僕に囁く薫藍。軽く触れあっただけの股間から……強烈な
快感が全身に伝わってくる!!
それは、今までの人生で一度も味わったことのない感触だった。
強いて言えば、半分蕩けて粘液状になった女肉の中に男根を突っ込んだような感触……
それでいてはっきりと襞の一枚一枚がやわやわと蠢いているのが分かる……!!
「では……入れるぞ。」
未知の快楽に身悶える僕に、薫藍の冷酷な宣告が浴びせられる。
「あ、まっ、待って!!だめっ、やめてっ、今っ……あああああああああっ!!」
今度は堪えきれず、悲鳴を上げてしまう僕。ずちゅ……と音をたてて、薫藍の女陰が
僕の男根の先端を捉えたのだ。男根を薫藍の肉襞が舐め回す……!
淫蜜をたっぷりと含んだ女の花びらが、やわやわ、くちゅくちゅといやらしく蠢いて、
僕のものに気が狂いそうな程の快楽を塗り付けてくる……!
ずちゅ……にゅる……ずぶずぶずぶ……!!
「ああっ、あああっ、ひあぁああああああ……たすけてっ、たすけてぇええっ!!」
一度声を上げてしまったら、もう止まらなかった。男根を呑み込んでいく薫藍の肉襞の
感触が、僕の全身に人外の快楽を教え込んでいく。神仙さえも虜にする堕天女の快楽……
人の身では到底耐えられない、その快楽が、僕を包み込んでいく……呑み込んでいく……
き……気持ちいいなんてもんじゃない!!恐い!!たすけて!!たすけてぇっ!!!
おかしくなる!!こんなの、おかしくなっちゃうっ!!
僕は思わずこの魔性の蜜壷から逃れようと、暴れもがいた。
だが、蘭芳と緋香がぼくの四肢をしっかりと捕まえて離さない……!
「あん……駄ぁ目よ、くふふふふ……観念しておとなしくしなさい……。」
「頑張って……頑張って堪えて下さい……!」
彼女達の声も遥か遠くに聞こえる……視界が白く霞む……!!いい……いい……!!
よすぎる……気持ちよすぎる……!!うああっ、あああああああ……!!
「……もう、限界か……?」
霞む視界の中で、薫藍が尋ねる……
「お、お願いですっ、早く、はやく抜いてっ!!も、もう保ちませんっ!!」
必死に懇願する僕。だが、返ってきたのは薫藍の冷ややかな笑みだった。
「ふん……愚かな。これを堪えるのが修行だと言ったはずだ。ならば、こうだ……!」
その声と共に、
ずぶずぶずぶ……ずちゃぁ……っ!
薫藍の身体が一段深く降下し、無数の肉襞が僕の男根を根本まで呑み込んだ。
「うぁっ、あああああああああああああああああっ!!」
倍増した快感にのけぞる僕。次の瞬間、
どぷっ、どびゅびゅびゅびゅるびゅるびゅるるるるううぅぅぅっ……!!
とっくに限界に達していた僕の男根から、大量の白濁液が噴出した。
「うああっ、ああっ、あはぁああ……うああああああああっ!!」
びゅくっ、びゅくびゅくっ、びゅびゅっ、びゅっ、びゅるびゅるびゅるうぅぅ……!!
僕は男根を激しく震わせて精を放った。男根から送り込まれる強烈な快感が背筋を迸り、
頭の中へなだれ込んでくる……全身を駆けめぐる甘美な痺れに、意識が呑み込まれる……
うああああ……いい……気持ちいい……よすぎる……うああああああああ……!!
びゅくびゅくっ、びゅくっ、びゅるるるる……びゅびゅびゅるるるる……!!
僕は成す術もなく、薫藍の魔性の肉体に精を吸い取られていった。
……そして……。
「……はぁ、はぁ……、はぁ……う、あ……はぁ……。」
まだ続く快楽の余韻に包まれて、僕はびく、びく、と全身をわななかせていた。
ただ、震えていたのは快楽のせいだけではなかった。
せ、精を……漏らしてしまった……少しも、堪えられなかった……!
「……たったこれだけで、終わりか?無様だな……。」
「ひっ……!」
思わず、小さな悲鳴が僕の喉から漏れる。上から僕を見おろす薫藍の眼差し……
凍てつくような冷たい眼差しが、僕を射抜く……!
美しくも恐ろしい薫藍の顔に魅入られて、僕はただかたかたと震える他なかった。
だが……薫藍は、ふっ…と表情を緩めた。
「……心配するな。漏らした精は戻してやろう。」
「え……?」
驚く僕に、薫藍は下腹部をさすりながら話し始める。
「人間の女相手ならば、漏らした精は取り返しがつかない。漏らした分の精と気を、
一から溜め直す事になる。だが、我ら堕天女ならば、漏らした精をお前の体内に戻して
やることができる。だから精を漏らした事自体は気にするな。」
「そうなんですか……。」
僕は、少しほっとした。房中術の修行で難しいのは、精を漏らしてしまうと修行が一から
やり直しになってしまう事だ。
ほんの一瞬、射精を堪えられなかったがために、それまで何年、何十年と積み上げてきた
修行の成果が無に帰してしまう……それが房中術の修行の恐ろしい所だ。
もし、精を漏らしても元に戻せるのであれば、これほど有り難いことはない。
しゅる……
薫藍は、後ろで結ってある髪をほどいた。
長く艶やかな黒髪が、ふぁさ……と垂れ落ちて夜具の上に広がった。
「では……行くぞ。」
薫藍がそう言うのと同時に、
ずちゅ……!!
「……え……っ、ああっ、あああああ……!!」
男根の中に何かが……何かが入ってくる!!
「ふふふ……精を戻すには、精巣まで管を通してやらねばならん。少し痛いかもしれんが
じきに気持ち良くなる。さぁ……受け取るがいい!」
薫藍が言い終わらないうちに、びゅびゅっ、びゅるびゅるびゅるびゅるびゅる……!と、
尿道を、なにかが逆流してきた!!
「うああっ、ああっ、あああああっ……ああ、ああ、うああああっ……!!」
……熱い!熱い……っ!!精巣に、熱い液体が流れ込んでくる……!!
こ、これは……ただの精じゃ……ない……っ!!
「ふふふふふ……気付いたか?私の胎内には淫気が充満している。
お前の精に、その淫気が混ざり合って強力な催淫効果を発揮しているのだ。」
「そ、そんな……ああっ、あああああ……っ!!」
どくん、どくん、どくんどくんどくんどくんどくん……!!
股間から粘っこい熱が全身に回ってくる……ああ……熱い痺れが……広がってくる……
全身の感覚が……鋭くなって……あああ……すごく、感じる……感じる……!!
三人の堕天女の柔肌の感触が……どんどん倍加して……うああ、あああああ……っ!!
「どうだ……?もう、極楽だろう……?ふふふ……。」
快感に歪む視界の中で、薫藍が妖しく笑う。これまでは氷のように冷たい表情だった
彼女が、人が変わったように淫猥な表情を浮かべていた。
「ああ……ああ……もう……うう、う、くっ、ううううう……!」
僕は必死に歯を食いしばって快楽を堪えていた。既に、僕の男根は新たな快楽に反応して
再び限界いっぱいまで張りつめている。薫藍の肉襞が動きを止めているから辛うじて
堪えていられるものの、ひく、ひく、と射精寸前のわななきを繰り返している。
「……ふふ、もう我慢しなくてもいいのだぞ。ふふふふふふふ……。」
「……え……?」
薫藍の言葉に、僕は耳を疑った。だが、薫藍は笑いながら続けた。
「言ったはずだ。精を漏らせば修行は失敗だと。ここからは夜明けまで懲罰を行う。
射精を堪えることができぬのならば、身体に教えてやるまでだ。……精を漏らすことが
どれほどの地獄をもたらすことになるのかを、な……ふふふ……ふふふふふ……!!」
美しい顔に淫らな欲望に満ちた笑みを浮かべながら僕を見つめる薫藍。
その髪がざわざわ……と蠢きだす……
あたかも髪の毛一本一本が意志を持っているかのように……
そして、その髪が……僕の身体に群がってきた……!!
さわさわ……さわさわさわ……しゅる、しゅるしゅる、ざわざわざわ……!!
「うああっ、あああ、あはぁああああああ……はぁあ、あふぁあああああああ……!!」
無数の黒髪が僕の全身に絡み付いて愛撫する!!髪の一本一本が僕の肌の上を這い回る
その度に、強烈な快感が送り込まれてくる!!艶やかな黒髪が触手のように蠢いて、
先端でちろちろとくすぐったり、束になってさわさわと撫で回したり……僕の身体中の
性感を掘り起こしていく……何千、何万本もの、いや、もっと、もっと……
僕の視界が薫藍の髪に覆い尽くされていく……僕の身体が薫藍の髪に埋もれていく……
僕の精神が、薫藍の髪が与える快楽に絡め取られていく……!!うあ、あああああ……
気持ちいい……いい……!!もう、もう……耐えられない……!!
どぷどぷどぷどぷどぷうううっ!!
再び、僕の男根が精を迸らせる。
「ほほほ……また精を漏らしたな。それ、また戻してやろう……ふふふふふ……!!」
ずびゅるるるるるるる……!!と尿道を逆流してくる精、そして……
「うああ、あああああ……あああああああああっ!!」
全身に充満する薫藍の淫気が濃度を増し、僕は身体中を蝕む甘い疼きに悶え狂った。
「くふふふふ……どうだ、もう分かっただろう……?お前が精を放つ度に、お前は精と
共に私の淫気を注がれて、どんどん敏感な身体にされていくのだ。
極楽なのは最初の2、3回まで、そこから先は、果てしない快楽地獄だ。
ふふふ、お前は果たして朝まで生きていられるかな……?ふふふふふふふ……!!」
笑いながら、ぺろり、と舌なめずりする薫藍。
「さぁ、もっともっと気持ちよくしてやろう……ほらっ……!!」
ぬちゃ、ずちゅ、くちゅっ、にゅるにゅるにゅる……!!
薫藍の腰が妖しくくねり、魔性の蜜壷が再び僕を貪り始める!!
「うああっ、ああっ、あひあぁあああああ!!ああ、ああああああああああっ!!」
どびゅびゅびゅびゅくびゅくびゅくびゅくうううっ!!
全身に絡み付く黒髪の愛撫、男根を舐め回す無数の肉襞、しかもそれらの快感が淫気に
よって何倍にも増幅されて襲いかかってくる……!!成す術もなく精を絞り出される僕。
そして、
ずちゅるるるるるるる……!!
「あうあっ、あがっ、あうぁあああああ!!いぁっ、あぁっ、うぁはぁあああああ!!」
さらに淫気を注入されて、それまでとは比べものにならないほどの強烈な快楽に責めたて
られる。長い長い懲罰の一夜は、まだ始まったばかりだった。
「うああ、ああ、あぎひぃあぁあああ……うあっああっあああああっ!!」
「ふふふふふ……それ、もっともっと精を搾り取ってやろう……そしてもっともっと
注ぎ込んでやろう……淫気をたっぷりと含んだ精を……ふふふ、ふふふふふ……!!」
ぐちゅ、ぐちゅ、くちゅくちゅくちゅ……ぬちゅっ、ちゅぷ、にゅるるるる……!
さらに激しく腰をくねらせる薫藍。その度に、蕩けるように柔らかな肉の花びらが、
男根をしゃぶり、舐め回す!そして、ぬるぬるとぬめる淫蜜を塗り付けながら、
精を搾り取ろうと、むっちりと締めつけてくる!
「ああっ、ぐあ、あはぁああああ……うぎぃっ、いっ、いひゃぁああああ……!!」
僕は、成す術もなくよがり狂った。男根を無数の肉襞にぬらぬらと舐め回される度に、
すさまじい快楽が全身を駆けめぐる!堕天女の粘膜の感触が、この世のものとは思えない
軟体物質の感触が男根をしごき上げる!
「ふふふ……私の中は気持ちいいだろう……?もう、堪えられぬだろう……?」
薫藍が淫らな笑みを浮かべて僕に囁きかけてくる……囁きながら、僕の乳首をくりくりと
両手で弄くり回す……その度に、電流のような刺激が、僕の全身を駆けめぐる……!
大量に注がれた淫気によってとてつもなく敏感にされた乳首は、いじられる度にまるで
男根を激しくしごかれているかのように強烈な快感を僕の身体に送り込んでくる……!!
どぷっ!どぷどぷどぷっ!!びゅくびゅく、びゅるるるる……!!
僕の男根を、4度目の射精が迸る。
「ほほほ……もう止まらないようだな……?くふふ、入れただけで漏らしてしまう様な
男が、淫気を注がれた今、耐えられるはずもあるまい……!さあ、もっとだ……!!」
さわさわさわ……しゅるしゅるしゅる……!
薫藍の髪が全身を撫で回す……!何万本もの髪の一本一本が妖しく蠢いて、淫らな刺激を
送り込んでくる……!!さらに、くりくり……くりくり……と、しなやかな白い指が
僕の乳首をいじり、弄ぶ!そして、
じゅぷっ、じゅぷっ、にゅる、くちゅ、ぬちゅるるる……!!
男を狂わせる魔性の蜜壷が僕の男根を容赦なく貪る……!!
「ふぁあああああああ……っ、ああっ、は、うぁあああああああ……!!」
びゅびゅっ、ぶびゅるるるるるるる……どぷ、どぷ、どびゅるるるうっ!!
人が耐えられる限界をはるかに超えた快楽に、射精がますます激しくなる……!!
「ほほほほほ……どうだ……もう地獄だろう……?気持ちよすぎて苦しいだろう……?」
僕を激しく犯しながら、薫藍は妖しく笑う。彼女の言うとおり、僕は快楽地獄のただ中に
あった。あまりにもきつい快楽に、全身が悲鳴を上げている……!!
びゅぶっ、びゅっ、びくん、びくん、びくん……!!
「うああっ、ああっ、あああああああああ!!ぎぃっ、いあああああああああ!!」
男根から迸っていた精が、突然出なくなった。あっという間に一滴残らず吸い尽くされ、
枯れ果ててしまったのだ。空の男根を搾られて、股間に激痛が走る!!
「ほほ、もう枯れてしまったか……ならば、また戻してやろう……ほほほほほ……!」
ずにゅる、びゅるるるるるるるるる……!
また精が逆流していく……精巣がぱんぱんになるまで注ぎ込まれる……!!
そして、また……
ぬちゅっ、ぬちゅ、にゅるにゅるにゅるるるる……!!
薫藍の腰が激しくくねり、無数の肉襞が僕の男根を舐め回す……!!
「ああ、あああ、やめて、やめてください、うあぁああああああっ!!」
「ふっふふふふふ……辛いか……?苦しいか……?だが、これは懲罰だ。もっともっと
苦しんでもらう。まだ夜は始まったばかりだ、時間はたっぷりとあるぞ……!!」
淫猥な笑みを浮かべて僕を見下ろしながら、薫藍はさらに身をくねらせる。
ずちゅっ……!!
「いぎぁああああああああああああああっ!!!」
びゅくびゅくびゅくびゅくびゅくうっ!!
ぬちゅうっ……!!
「ああ、ああ、あがぁはあああああああああっ!!!」
どぷどぷどぷどぷどぷっ!!
薫藍の身体が僕の上で上下する度に、僕の身体は暴力的な快感に串刺しにされ、そして
身体の芯を引き抜かれるような感覚と共に精を絞り出されていく……!!
何度も、何度も……射精と注入を際限なく繰り返しながら快楽で責めたてられる……!!
異次元の快楽の宴は、いつまでも終わりがなかった。
そして……
「あああああ、がぁっ、うああっ、いぎぃいいいいいいい……!!」
びゅるびゅるびゅる、どぶどぶどぶどぶどぶうっ!!
僕の男根を、大量の精が迸る。もう、これで何度目の射精なのだろう……
もう、どれぐらいの間犯され続けているんだろう……
わからない……僕の身体は、休み無く続く無限の快楽で、もうぼろぼろになって……
だめだ……もう、身体が……身体が保たない……!!
「ふふ……どうした?もう……駄目か?」
そう言いながら、薫藍は僕の顔を覗き込んできた。
「う……うう……。」
「……ふふ、もう返事もできないぐらいに弱っているようだな……。ならば……死ね。
所詮お前はその程度の男だったという事だ。せめて、最期に存分に快楽を味わって
逝くがいい……ふふふ……ふふふふほほほほほ……!!」
その言葉と共に、薫藍の髪に変化が起こった。艶やかな黒髪がさらに輝きを増して……
いや、違う……!髪が、ほのかに青白い光を帯びている……!!
そして……!!
「いぎっ、ぎぃいいいいあああああああああっ!!あっあっ、あああああああああ!!」
僕の喉を、身も世もない絶叫が迸った!!全身に絡み付く薫藍の黒髪から……凄まじい
快楽の刺激が流し込まれてくる!!その刺激が、身体中でばちばちとはじける!!
「あああ、ああ、あぎっ、ぎいぃいいいいいいっ!!」
「ほほ、どうだ?たまらぬだろう……?
髪から直接、お前の身体に快楽の波動を流し込んでいるのだ……ふふふふふ……
さあ、さらなる快楽でお前の全てを奪ってやろう……精も、命も、魂も……!!」
そう言いながら妖しく笑う薫藍の髪が、獲物を狙う蛇のように鎌首をもたげ……
ひゅひゅっ、ぷつぷつぷつぷつぷつっ!!
「うああああっ、ああ、あああああああああ!!」
僕の身体に何本、何十本もの髪が突き刺さった!!不思議と痛みは無かったが……
「……その髪が刺さっている場所は、お前の経絡だ。……ここに快楽の波動を流せば
どうなるか……分かるな?ふふふ、ふふふふふ……!!」
髪が放つ青白い光に照らされて、一層妖美さを増した薫藍の美貌が、僕を見下ろす。
「ああ、あああ、たすけて……たすけてぇええええ……!!うあぁああああああっ!!」
「ふふふ……さあ、悶え苦しみながら死ぬがいい!!」
きぃいいい……ん……、と音を上げて、髪が放つ光が強くなっていく……!!
びびっ、ずびびびびびびびびびびびびびびびびびぃっ!!
「ぎあああああああああああああああっ!!ああ、あぎあぁああああああああああ!!」
ぼじゅううぅうううううううっ!!ぶびゅっ、びゅびゅびゅるるるるるるるる!!!
雷にうたれたかのような衝撃が僕の全身を貫く!!
そして、僕の喉からは断末魔の悲鳴が、男根からは大量の精液が迸った。
殺人的な快楽に全身を充たされて、僕は休みなく絶叫と精とを放出しつづけた。
いい……気持ちいい……全身が、痛いぐらいに……意識が、焼き切れてしまう程に……!
果てしなく続く射精感の中、僕の意識は白熱の闇の中に埋もれていった……。
……………。
「ぅ……んん……。」
ゆっくりと意識が戻ってくる……僕は、いったい……どうしたんだ……?
僕の身体は、なにか温かいものに包まれている……記憶にある感触……これは……
そうだ、これは……
僕は、ゆっくりと目を開ける……。
僕の視界いっぱいに、薄桃色の液体が広がっていた。
粘液状のその液体の中に、僕の身体は肩までつかっている……そうだ、ここは桃精泉だ。
桃の甘い香りがやさしく鼻腔をくすぐる……
……でも、僕は……どうしてここにいるんだろう……?
「……目が覚めたか、未熟者。」
突然降ってきた声に、僕ははっとなって後ろを振り仰いだ。
すぐ目の前に淡い水色の羽衣がゆらゆらと揺れていた……薫藍だ……。
……そうだ……!僕は、薫藍との修行に失敗して、懲罰を受けていたんだ……!
気が狂うほどの凄絶な快楽地獄に堕とされて、死の淵で悶え狂わされて……
薫藍は冷ややかな眼差しにやや呆れた様な感情を滲ませて言った。
「一刻と保たんとは、どこまでも情けない奴……恥を知れ。」
「す、すみません……。」
容赦のない言葉に僕は、ただ恥じ入るしかなかった。
そんな僕の様子に薫藍は、ふっ……と唇を緩める。
「だが、これで良く分かっただろう……中途半端な覚悟で修行に臨めば、どうなるか、と
いう事を。今回は最初だから、ここまでにしてやろう。」
「い、いいんですか?」
思わずほっとする僕。薫藍はあくまで冷ややかな眼差しで続ける。
「だが、次は無いぞ。明日の修行で進歩が見られなければ、私はお前を殺す。
わかったな?……さあ、もう上がれ。疲労も癒えただろう。淫気も浄化された筈だ。」
僕は、薫藍に連れられて寝室に戻った。
寝室に戻った僕と薫藍を、蘭芳と緋香が迎えた。
「んふふ、お疲れ様……よがり狂う坊やの顔、とっても可愛かったわよ……。
明日はもっといっぱい見せてちょうだいね……楽しみにしてるから……ふふふ……。」
「お疲れ様でした……最初は皆、こんなものですよ。あまり気になさらないで……。
さあ、これを食べてゆっくり休んで下さい……。」
言いながら、蘭芳は神仙桃を僕に手渡した。
僕が神仙桃を食べ終わると、堕天女達は僕を閨へと導いた。
「明日の夜まで、ゆっくり休め。そしてその間に、私の与える快楽をいかにして堪えるか
考えておくことだ。もっとも、ただ休ませてはやらんが、な……!」
薫藍のその声と共に、しゅるる……と身体に巻き付いてきた物があった。
これは……堕天女達の羽衣だ!三人の堕天女が身に纏っていた羽衣が、まるで生き物の
様に僕の全身に絡み付いてきた!柔らかな紗が、僕の手足に、身体にまとわりつき、
「うっ、うわあっ、あああああっ!」
もがく間もなく、そのまま僕は仰向けで大の字になって、磔にされてしまった。
そして、僕を包み込む羽衣がさわさわ……と蠢いて、僕を愛撫してきた!
「ああ、あはあああ……ああ……あああああ……!」
僕は、再び喘がされる……羽衣が与えてくる刺激は、さっきの修行の時ほどではなく、
あくまでも穏やかな愛撫だったが、肌の上をそよ風のように滑る羽衣の柔らかな感触は、
僕の身体に痺れるような甘やかな刺激を送り込んできた。
さらに、羽衣は僕の顔も、男根も包み込んできた……羽衣から立ち昇る、3人の堕天女の
匂い……その甘い香りが僕の顔を包み込む……一息吸い込む度に、頭の中がとろとろと
溶けてしまうような陶酔感が僕の全身に染み渡っていく……ああ……あああ……。
男根に巻き付いた羽衣も、さわさわと妖しく蠢いて、穏やかな愛撫を繰り返す……。
女の匂いを嗅がされ、全身を愛撫されて……ああ……また興奮させられる……!
「ああ……はあ、あああああ……!」
「んっふふふふふ……じゃあね、ゆっくりお休みなさい……。」
「明日の夜までは、その羽衣に包まれて眠るのだ……それも修行の一環と思え。」
「では、私達は失礼いたします……また明日の夜、修行を頑張りましょうね……。」
羽衣によって霞がかかったような視界の中で、堕天女達が閨から出ていく……。
そして、僕は身動きがとれないまま、彼女達の羽衣と、その感触と、匂いの中に埋もれて
閨の中に一人残された。
こんな……こんな状態じゃ休めないよ……!ああ……三人の匂いが……いい匂いだぁ……
これを嗅いでると……何も考えられなく……なる……欲望が……こみ上げて……くる……
全身を這い回る羽衣の感触が……気持ちよくて……心地よくて……なんだか……
興奮するのに……眠くなって……きた……ああ……気持ちいい……
全身を……ぞくぞく……するような……感触……が……
気持ちよくって……それでいて……安らぐ……
ああ……いい匂い……気持ちいい……
いい……ああ……いいよぉ……
あああ……あああ……
……………
抗いがたい快感に酔い痴れながら、いつしか僕は、深い眠りに誘われていった。
……………
「……起きて下さい、もう夜ですよ……。」
「……ん……ぅうん……。」
深い眠りの底から意識が引き上げられる……。
ゆっくり目を開くと、目の前に蘭芳の穏やかな笑顔が華開いていた。
いつの間にか、羽衣の戒めは解かれていた。
僕は……どうやらあれから丸一日近く、ずっと眠っていたらしい……。
「……よく眠っていたようだな……身体の方はどうだ……?」
蘭芳の背後から薫藍が姿を現す。
「はい……桃精泉と神仙桃のおかげで、すっかり回復しました。」
「ふむ……ところで、私の責めをどう堪えるか、考えておいたのか?」
薫藍の問いに、僕はぎょっとなった。しまった……!羽衣の愛撫に酔いしれてしまって、
何も考えられないままに眠りに落ちてしまった……!
「ふん、どうやら何も考えていなかったようだな。愚かな奴め。
その愚かさがどのような地獄をもたらすのか、たっぷりと思い知らせてやろう。
明日の朝日を生きて見たければ、せいぜい死にもの狂いでもがく事だな……!」
冷ややかに僕を見下ろしながら宣告する薫藍。
再び、恐るべき快楽地獄の一夜が始まろうとしていた……!
「んふふ……さあ、今夜も頑張ってね……坊やの可愛いよがり声を聞かせて頂戴……。」
「気持ちを落ちつけて……精神を集中して、頑張って耐えてくださいね……。」
緋香と蘭芳は、ゆうべと同じように僕の両側に身を横たえる。そして、薫藍は仰向けに
なっている僕の股の間に腰を下ろした。
「それでは早速始めるとしよう……。」
その言葉と共に、薫藍は僕の股間に顔を降ろす。彼女の紅い唇が、僕の男根をぬらりと
咥え込む……!
「う……うくっ、ぅうっ……!」
僕の股間の上で、薫藍の頭がゆっくりと上下する度に、痺れるような快感が僕の全身を
駆けめぐった。薫藍の舌が男根の裏スジやカリ首、時には根本や玉の方まで丹念に
舐め回し、さらに柔らかな唇が男根を包んでしごき上げる……!!
特に、一番敏感なところは舌先で転がすようにちろちろと舐めくすぐり、執拗に快楽を
送り込んでくる……!
僕の男根が、薫藍の口の中で快楽に反応し、熱く息づく。
薫藍の舌が這いまわる度に、柔らかな唇が男根をしごき上げる度に、与えられる快楽に
反応して、ひく、ひく、とわななく……!
「うう……うぁ、あぁあああ……はぁ、あふぁああ……!!」
僕の男根はみるみるうちに固く、大きくなっていった。
「……ふ……、そろそろ良いだろう。」
薫藍の唇が僕のものを解放する。既に限界一杯まで張りつめていた男根が、びたん、と
僕の腹を打った。
「では……行くぞ。」
薫藍は僕の腰をまたいで膝立ちになる。彼女の冷ややかな眼差しとは対照的に、
股間の肉の華は熱く潤んで、既にたっぷりと蜜を含んでいる……
僕の男根に薫藍の指が触れる。
「ううっ……!」
触れられただけで僕の背筋をぞくりと快感の波が這いあがる。
肌と肌が触れ合っているところから、まるで何かが染み込んでくるように、甘美な疼きが
送り込まれてくる……!
「頑張って下さいね……無事堪えきれるよう、お祈りしていますわ……。」
「んふふ、駄目だったらその時はその時よ……今は、いぃっぱい楽しんでね……。」
左右から蘭芳と緋香が身体を密着させてくる……そして、しなやかな四肢を僕の手足に
絡めてくる……!彼女達の肌の感触も、じんわり、じんわりと僕の身体に染み込んで
甘い痺れとなって全身を浸食してくる……!
僕はもう、それだけで身体中の力が入らなくなってしまって、もう動けない……
両腕は堕天女達の胸の中に抱き込まれて、両脚は生白いふとももに絡み付かれて、
魔性の柔肌がもたらす甘美な感触に縛られて、全く身体の自由が効かない……!
ああ……気持ちいい……いい……もう、とろけそうだ……!!
その時、薫藍の指が、僕のものの根本をつかんだ。
「あ、ああっ……!」
のけぞる僕を冷ややかに見下ろす薫藍。
「昨日、私が言ったことは覚えているだろうな……?」
『次は無い』『進歩が見られなければ、私はお前を殺す』……ゆうべ言われた言葉が、
僕の脳裏に蘇ってくる……底冷えのするような重みを伴って……!
「ああ、は、はいっ……いあ、あああ……覚えてますっ……うああああ……!!」
「ならば、ここで漏らせばどうなるかも、分かっているな?」
一層、冷え冷えとした凄みを増す薫藍の声。
「は、はい……う、うくっ、うああ、分かって、ます……うぅ……!!」
薫藍の白い指が、僕の男根をくい、と上に向かせる。そして、やや細身のしなやかな
身体が、ゆっくりと降下してくる……。
熱く潤んだ薫藍の蜜壷が、僕の男根を狙ってゆっくり、ゆっくりと迫ってくる……!!
もう、今にも触れそうな所まで……ああ、熱く蕩けた肉襞の熱気が、ほのかに男根に
伝わってくる……もう、すぐそこに……あの快楽の坩堝が……迫ってきている……!!
「……もしも、我慢ができなくなったなら……。」
僕を見つめる薫藍の瞳が、きらり、と妖しく輝く。
「ゆうべ味わった地獄の事でも、思い出すことだな……!」
その声と同時に、
む、ちゅうぅぅ……!!
ぬるぬると濃厚な蜜をまとった柔らかな女の肉が、僕の先端を包み込んだ。
「うあ、あはぁああああっ……!!」
熱いぬかるみの中に沈み込んでいく感触が、耐え難い快感となって脊髄を駆け上がり、
熱い吐息となって僕の口から漏れた。
ぬるぬると温かな淫蜜が僕の男根に塗り付けられる……ぞわぞわと蠢く肉襞が敏感な所を
舐めくすぐり、くちゅくちゅと揉みしだく……!!
「ううっ、うあ、あああ……あ、うくっ、くはぁああ……!!」
悶え喘ぐ僕を冷ややかに見下ろす薫藍。
「ふふ……まだ半分も入っていないぞ……さぁ……もっと入れてやろう……!」
ずぶ……
「うあっ、あああああ……っ!!」
薫藍の身体がゆっくり、ほんの少しだけ沈み込むのと同時に、男根を包み込んでいる
快感がずくん、と倍増する……!
「ふふふ……どうだ?……もう……堪えられんか……?」
身体の下で快楽にのたうちまわる僕に、薫藍は昨夜と同じ問いを投げかけた。
「ううっ、うっ、うううんんんんん……っ!!うう、むうんんん……!!」
僕は必死に口を閉じて、首を横に振る……もう、口を開けばその途端に許しを乞う言葉が
漏れてしまいそうで、返事もまともにできない……!!
でも、ここで堪えられなかったら……精を漏らしてしまったら……!!
「ふふ、分かっているな……?精を漏らせば、どんな運命がお前を待っているか……
……ふふふ……死にたくなければ、精々もがくことだな……くふふふふ……!!」
妖しく笑う薫藍の身体が、さらにゆっくりと降下する……
ずぶぶ……
「ううっ、うあ、くぅううう……ううっ、うっ、うぐふうぅうう……!!」
僕の男根は、熱く蕩けた快楽の坩堝のさらに深く、奥深くへと呑み込まれていく……
……快楽の泥沼の奥底へ……引きずり込まれていく……あああ、あああああ……!!
脳味噌が煮えたぎる程の快感が全身を駆けめぐる……薫藍の秘肉が、くちゅくちゅと
蠢く……あたかも、咥え込んだ僕の男根を味わうかのように……にゅるにゅるとぬめる
淫蜜を塗り付けて、淫らな感触で包み込み、ひらひらと蠢く肉襞で舐めしゃぶる……!!
僕の男根は、絶え間なく送り込まれる刺激に、限界ぎりぎりまで張りつめさせられて
しまう……もう、今にもはちきれんばかりに……ひくひくとわなないている……!!
「くふふ、さあ……もっと奥まで……呑み込んでやろう……くふふふふ……!」
冷ややかな眼差しに好色な輝きが宿り、白蝋のような肌がほんのりと上気する。
薫藍の淫乱な本性が露わになっていく……!
そして……
ずちゅ、ずにゅるる……ぬちゅうっ!!
ついに僕の男根は、その根本までむっちりと薫藍の柔らかな蜜壷に圧し包まれた!!
むにゅ、にゅる、ぬちゅ……くちゅ、にゅるる、じゅるるるる……!
「うあ、ああ、あああああ……ああっ、ああっ、あはぁあああ……!!」
人智を超えた魔性の快楽に、僕は成す術もなく悲鳴を絞り出されてしまう……
男根はさっきからずっと、びくん、びくん、と射精寸前のわななきを繰り返している……
ぎりぎりまで追いつめられて、もういつ限界を超えてしまってもおかしくない……
僕は、身体の奥底から絶え間なくわき上がってくる射精の欲求を必死に抑え込む……
ああ……でも、もう……これ以上はとても堪えきれない……!!
この世のものとは思えない、いや、まさしくこの世のものではない、この感触……
僕のものを包み込む堕天女の肉襞の感触……とてつもなく柔らかく、温かく、そして
淫らにぬめり、どこまでも絡み付いてくる……!
こんな、こんなに気持ちいいの、堪えられるわけがない……ああ、あああああ……!!
「ふふふ……もう本当に限界のようだな……。」
僕を見下ろす薫藍の妖しい笑みが、一層淫らな色を濃くしていく。
「ううっ、ううう……うあ、ああ、あはぁああ……!!ああ、あ、あああああ……!!」
「ふふ、だが……私はまだ毛ほども本気を出していないのだぞ……それどころか、まだ
中に入れただけだというのに……くふふ、これから私が本気で責めたなら……
お前は果たして堪えられるのかな……?くふふ、ふふふふふ……!!」
冷徹で残酷な薫藍の宣告。もちろん、男根を捉えられただけで限界まで達してしまって
いる僕が、これ以上の責めになど堪えられようはずもない……!
そして、堪えられずに精を漏らしてしまったら……その先に待っているのは……
精を搾り取られ、淫気を注ぎ込まれて、果てしなく高みへ押し上げられる快楽地獄……
そして、徹底的に犯し抜かれ、精を搾り尽くされて悶え狂いながらの……死……!!
「ううっ、うああ、あああああ……い、いや……ああ、あはぁ、ううううう……!」
「くふふふふ……いい顔になってきたな……そうだ……私が見たかったのはその顔だ……
性の快楽と死の恐怖に歪むその表情……私の与える快楽で、死へと追いつめられていく
その顔……ふふふ……さあ、もっともっと追いつめてやろう……くふふふふ……!!」
薫藍の笑みがさらに深く、淫らに、そして邪悪なものになっていく……!!
ずちゅる……るる……うぅぅうう……!!
「うあっあっ、あふぁああ……!くっ、ううっ、う、うふぁあああ……!!」
薫藍がゆっくりと腰をすり上げる……それと共に、強烈な快感が襲いかかってくる!!
無数の肉襞が、僕のものをやんわりと柔らかく締め上げながら、ゆっくり、ゆっくりと
しごき上げてくる!ぬるぬるとした濃厚な淫蜜を男根に絡ませて、柔らかな肉襞の群れが
一枚一枚、一番感じるところをいやらしく舐め上げる!!
既に限界ぎりぎりの状態に達している僕を、さらにもう一押し、高みに押し上げる……
僕は、必死に射精を堪える……いよいよ切羽詰まった欲求が、男根をずくん、ずくん、と
激しく疼かせる……まさしく射精寸前、これ以上の刺激を僅かでも与えられれば、直ちに
限界を超えてしまう!!
「んっふふふ……わかる……わかるぞ……お前の忍耐力の限界が……もう、すぐそこまで
来ているのがよくわかる……さあ、もっとじわじわと嬲り犯してやろう……!」
薫藍がそう囁くのと同時に、
じゅぷ……にゅるにゅるにゅるにゅるにゅる……ぬちゃあっ……!!
ゆっくりと薫藍の身体が沈み込み、僕を再び根本まで深々と呑み込んでいく……!!
熱く蕩けた女肉の感触が、幾重にも折り重なった細かな肉襞が、ぬるぬるとぬめる淫蜜の
感触が、僕の男根の先端から根本まで、この世ならぬ魔性の快楽で充たしていく……!
「ああ、ああ……ふぁ、あくっ、うくああぁあぁああ……!あああ、あああああ!!」
「ふふふ……どうだ……?もう堪えられぬのだろう……んっふふふ…… いきたくていきたくて、どうしようもないのだろう……?さあ……もっとだ……!」
ぬちゃぁり……にゅる、ぬりゅぬりゅぬりゅ……くちゅ……じゅぷるるるるる……
薫藍の蜜壷はゆっくり、あくまでもゆっくりと上下動を繰り返し、僕を責め嬲る……!
僕の限界を完全に知り尽くして、その限界を超えるか超えないかの瀬戸際、まさに
ぎりぎりの快感を絶え間なく送り込んでくる……!!
「うくあっ、ああ、あはぁあああっ、うぐっ、うあぁああ……!!」
僕は果てしなく続く快楽責めに成す術もなく悶え狂った。
僕の男根は、絶え間なく送り込まれる人外の快楽に、薫藍の女肉の華の中でびく、びく、
と激しく射精のわななきを繰り返し、限界を訴え続けている……。
全神経を集中して堪え続けていなければならなかった。一瞬でも気を抜けば、たちまち
精を搾り取られてしまう……僕は狂おしいほどの射精の欲求を、必死に堪え続けた。
「ふふふ……もう、本当に限界のようだな……くふふ、ふふふふふ……」
悶える僕を見つめながら、囁く薫藍。
「うう、あ……はぁ……あくっ、うっ、ううあああぁあぁぁ……!!」
「ふふ……まだ夜は始まったばかりだ……もう少し、じっくりと楽しませてもらうぞ……
このままお前の限界ぎりぎりの快楽で責め続けてやろう……くふふふふ……。」
ぬちゅう……ぬりゅぬりゅぬりゅ……くちゅ……くちゅ……にゅるるるる……!!
悩ましく囁きながら、濡れそぼった肉襞で柔らかく、じんわりと男根を締め上げ、
ゆっくり、ゆっくりと出し入れを繰り返す……!!その度に、既に限界を迎えている
僕の男根に、新たな快感の波が送り込まれ、それが男根から全身に広がっていく……
その波が、切羽詰まった射精の衝動となって全身から打ち返し、男根へと殺到する……!
身体中に充満した人外の快楽が、男根へ集中し、内側から責めたてる……
出せ、出してしまえ、と僕を激しく追い立てる……限界の崖っぷちへと……!!
「ああ、あふぁ……ああっ、うあぁああああああ……!」
限界ぎりぎりの刺激に、僕は全身をわななかせて悶え狂った。
「んふふ、気持ちいいか……?それとも、辛いか……?くっふふふふふ……。
お前が全精神力を集中して堪えない限り……この快楽は堪えられぬ……。
だが……人間はいつまでも最高の集中力を持続することはできぬものだ……。」
囁きながら、薫藍は身に纏っている紗の衣を肩から外した。衣がはだけ、生白く輝く肌が
露になる。……そして、薫藍はゆっくりと上体を倒してくる……薫藍の、淫らに上気した
美貌が、ゆっくりと近づいてくる……!!
むにゅ、ふにゅうぅう……!!
「ううっ、うあはぁあああああ……!!ああ、あああ、あふあぁああぁぁぁ……!!」
薫藍のしなやかな身体が僕の身体に覆い被さる……堕天女の魔性の柔肌が僕の身体に
直接重ねられた……!ああ……しっとりと吸いついてくるこの感触……むっちりと僕の
身体を包み込んでくるこの感触……それだけで意識が飛んでしまいそうだ……!!
「ふふふふふ……こうやって、お前を限界ぎりぎりで嬲り続けてやろう……くふふ……
お前が力尽きて、私の中に熱い精を漏らす、その時まで……。」
薫藍は、僕の耳元で熱っぽく囁く……
「たとえお前が堪え続けても、じっくり楽しんだ後で、私がちょっと本気を出してやれば
お前はたちどころに限界を超えて、成す術もなく精を漏らすことだろう……
ふふ……そして、夜明けまで二刻もあれば、お前を快楽で悶死させてやることなど
造作もないことだ……んっふふふふふふふ……!!」
瞳に粘つくような欲望の輝きを宿らせて、笑う薫藍。
男を貪る堕天女の本性をあらわにして、彼女は僕をさらなる責めにかけていった……。
ぬちゃり……くちゅ……ぬちゅぅ……ぬりゅぬりゅぬりゅ……
「うう……あ、あくぁ、あふぁああ……!ああ……う、うふぅああぁぁああ……!!」
夜の深い闇の中、ほのかな明かりが閨をぼんやりと浮かび上がらせる……
明かりの源は閨そのものだった。天蓋から垂れ下がる紗の幕と、天上の雲の様な夜具が
自ら発光して、幻想的な光景を生み出していた。
光を発しているのは閨だけではなかった。三人の堕天女の身体が、そして彼女達が
身に纏っている羽衣がほのかに光を放ち、閨の中を夢のような光で満たしていた。
だが、僕はその美しい光景に見とれている余裕などなかった。
「ふふ……さあ、もっと楽しませておくれ……。」
耳元で甘く囁きながら、薫藍は僕の身体にしなやかな白い腕を絡み付かせてくる……
そして、すらりと伸びた美しい指先が、僕の脇腹を撫で上げる。
「うああ、ああっ……!!」
電流のような甘い痺れが、薫藍の指がなぞった軌跡から全身に広がる……!
熱く蕩けた薫藍の女陰の中で、ひくひくと射精直前のわななきを繰り返している男根が、
新たに加えられた快感に反応して、びくん、とひときわ大きく跳ねた。
「あっ……んっふふふふふ……気持ちいいか……?」
男根の動きを感じた薫藍は、楽しげに笑いながら、さらに僕の身体に指を這わせる。
さわ……
「ううっ、く、くうぅ……!!」
「くふふふふ……また動いた……気持ちいいのだな……?では、これはどうだ……?」
その言葉と同時に、薫藍の白く輝く肢体が妖しくくねり、僕の身体に甘美な柔肌の感触を
擦りつけてくる……触れているだけで、じわじわと男の淫欲を昂ぶらせる、この世ならぬ
魔性の柔肌の感触が、僕の全身を愛撫する……!!
「うああ、ああ……ああ……!ううっ、く、はぁあああ……!!」
限界ぎりぎりの状態からさらにもう一段押し上げられて、僕は全身をびくん、びくん、と
わななかせながら悶え狂った。僕の男根も、とろとろの淫蜜にまみれ、柔らかな肉襞の
群れの中でびく、びく、と激しくわなないている……!
「ふふふ、ますますいい顔になってきたな……さあ……もっといい顔を見せておくれ……
もっといい声で鳴いておくれ……もっと悶え狂って、私を楽しませておくれ……!!」
しなやかに身をくねらせて、僕を責めたてる薫藍。
その姿は、まるで淫らな白蛇が、捕らえた獲物をじっくりと嬲り殺しにしているかの
ようだった。そして僕は、囚われの哀れな獲物……成す術もないまま薫藍の責めに
のたうちまわる……死の恐怖に怯えながら……喘ぎ、わななき、悶え鳴く……!!
「うう、うああ、あはぁああああああ……ああっ、くっ、うくあぁぁっ……!!」
「くっふふふふふふふ……たまらぬだろう……?さあ、もっとお鳴き……!」
れろおおぉっ……!!
「うあ、あああああああああっ!!」
首筋を這い上がる、生温かく濡れそぼった肉の感触。薫藍の舌だ……!!
新たな刺激に、全身が、男根が、ずくん、ずくんと激しく疼く……!!
「ほほほ……どうだ……?もう、耐えられぬだろう……?」
薫藍は、余裕たっぷりに僕を責め嬲りながら、耳元で妖しく囁く……
囁きながら、耳元に舌を這わせ、耳たぶを甘噛みしながら熱い吐息を吹きかける……!
ずちゅ、にゅるにゅるにゅる……
「うっ、うくっ、うふぁああああああ……ああ、い、いあ、いやあああ……!!」
既に限界を超えつつある僕の男根を、やわやわと蠢く薫藍の蜜壷がゆったりとしごき、
ぬるぬるの淫蜜を塗りつけながら、しゃぶりたてる……まるで、女陰自体が一つの生き物
であるかのように、邪悪な意志を持って、男を狂わせる為の、精を搾り取るための動きを
繰り返す……くちゅくちゅと淫らに蠢き、内部に捕らえた獲物を貪り喰らう……!!
僕の身体は、絶え間なく与えられる淫らな刺激に、射精のわななきを繰り返している……
もう僕の身体は、薫藍の快楽にとっくに屈服してしまっている……!
それを、精神力だけで無理矢理耐え続ける……快楽に堕ちようとする身体を、必死に
押さえつける……あ、朝まで……耐え続けられるのか……?
こんな状態で、ずっと耐え続けることができるのか……?うう、うああ……!!
ぬらぬらと耳元に舌を這わせながら、薫藍が囁く……
「耐えることなどない……思う存分、私の中に注ぐがいい……
仙人になれなくとも良いではないか……くふふ……私に与える快楽に屈服して、
何もかも諦めて、せめて最後に死ぬほどの快楽を楽しんで逝くがいい……
己が命と引き替えでも、これほどの快楽を味わえるなら構わぬだろう……?」
熱い吐息と共に、薫藍の悩ましい誘惑の囁きが頭の中にこだまする……!
抗い難い程の蟲惑の囁きが、僕の意識を蕩かしていく……必死に抵抗している僕の心を、
じわりじわりと屈服への道へと誘っていく……!!
しかし、僕はなおも必死に堪え続けていた。全身を駆けめぐる快楽に悶え狂いながら、
それでもぎりぎりの所で踏みとどまっていた。
僕は……こんな所で終わりたくない……!
まだ、修行は始まったばかりじゃないか……この3年間、黄河老師の元で辛い修行に
耐え続けてきた……こんな所で快楽に溺れて果てるために修行して来たんじゃない……!
僕は、その一念だけで、薫藍の愛撫がもたらす魔性の快楽を耐え続けた。
……………そして……………。
「ふふふ……なかなかよく耐えるではないか……?」
僕の首筋にねっとりと舌を這わせながら、薫藍は囁いた。
「ああ……うぁ、ああ……うっ、くうぅ……!」
僕はもうまともに返事をする事もできない……限界ぎりぎりの状態で延々と嬲られ続け、
頭がもう快楽にのぼせて、めまいのような感覚が僕を捕らえていた。
「もうかれこれ三刻になろうというのに、まだ耐え続けるか……?
それはそれで誉めてやろう。普通ならば、心身の疲労で集中力を失って、とうに
精を漏らしているところだからな……。……だが……、それだけだ。」
薫藍はそう言いながら、ゆっくりと腰を巡らせた。ぬちゃり……と、彼女の蜜壷が
僕の男根を舐め回す。
「うあっ、あああああ……ああ、あふあぁあああああ……!!」
射精寸前の男根を、幾重にも折り重なった柔らかな肉襞が舐め回す。
「お前は分かっていない……どんなに必死に堪えようとしても無駄なのだという事を。」
冷ややかな侮蔑の笑みを浮かべて、僕を見下す薫藍。
「そろそろ手加減なしで責めてやろう……神仙をも狂わせる、堕天女の快楽を存分に
味わわせてやる。ふふ、人の身で耐えられると思うか……?くふふふふ……!!」
言いながら、薫藍は後ろで止めてある髪に手を伸ばす……く、来る……あれが……!!
夕べ、人外の快楽で僕を悶え狂わせた、あの髪の毛地獄が……来る!!!
しゅる……
薫藍が、束ねてある髪を解く。
解かれた髪が、ふわ……、と重力に逆らって、そのまま大きく広がる。
それ自体が何かの生き物のようにうねうねとうねくりながらゆっくりと伸びて、
僕の身体の周囲に群がってくる……!
「う、うう……!」
脚の方から、甘美な感触が身体を包み込んでくる……!
柔らかな黒髪がしゅるしゅると絡み付き、愛撫を加えてくる……!!
艶やかな髪が蠢く度に、既に限界ぎりぎりまで追いつめられている僕の全身に甘い痺れが
走る……僕の男根は与えられる快楽に反応して、びく、びく、とわなないている……
もう……本当にこれ以上は……ああ……!
髪が、髪が……身体中を包み込んで撫で回してくる……!!
僕の身体はもう、黒いうねりにすっぽりと覆われて……身体中のあらゆる場所が、薫藍の
髪の感触に包み込まれている……!!
「うああ……あああああ……!!」
射精寸前の状態で悶え喘ぐ僕を見下ろして、薫藍が残忍な笑みを浮かべる。
瀕死の獲物に、どうやってとどめを刺してやろうか、という嗜虐の笑みだ。
「くっふふふふふふふふ……さあ、もっともっと責めたててやろう……
ゆうべ交わった時に、おまえの弱い所は全て分かっている……例えば、ここだ。」
さわ……
「ひぁうっ……!!」
突然両の脇腹に加えられた刺激に、僕は大きくのけぞった。びくんっ、と男根が大きく
わななく。何かがせりあがってくるような射精の感覚に襲われて、僕は必死に意識を
集中し、快楽に屈服しようとする肉体を引き止める。
びくん、びくん、びくん……と男根が射精の痙攣を繰り返す。
だが、尿道を精液が迸る感覚はなかった。すんでの所で堪える事ができたようだ。
「ほほほ……よく堪えたな……では、もっとよくしてやろう……。」
辛うじて射精を堪えた僕を見て、薫藍の瞳が一層淫らな、そして残酷な光を帯びる。
さわ……さわ……しゅるしゅるしゅる……!
「ひっ……、いっ、いひゃぁっ、ああっ、ああっ、あひぁああっ……!!」
脇腹に加えて、首筋にも黒髪の愛撫が与えられる……!
「んっふふふ……良いだろう……?さあ、もっとだ……ここはどうだ……?」
しゅる……くしゅ、さわさわさわ……!
今度は太ももの付け根に、髪の毛の束が這い回る……あたかも淫らな雌蛇の様に……!
「んああっ、あひっ、いいいいいい……!」
次々と、そして的確に僕の感じるところを選んで襲いかかる黒髪の群れ。
「ふふ……ここも……ここも弱いのだろう……?んっふふふふふふふ……!!」
背筋に、膝の裏に、足の指の間に……髪の毛が群がってさわさわと撫でくすぐる……!!
刷毛のように束になった髪の毛先でくすぐり、別の束がしゅるしゅると巻き付いて
蠕動し、執拗に快感を送り込んでくる……!!
「ふぁあ、あああああ……あっ、あっ、いや、いやぁああ!!」
僕は、黒髪の海の中で身をよじって悶え狂った。全身が髪の毛の感触で充たされる……!
柔らかく、しなやかな髪……一本一本が、毛先を震わせてちろちろと、僕の身体の隅々に
至るまでくすぐり、舐め回す……!!
頭がじぃんと熱く痺れ、身体が奈落に落ちていくような感覚に襲われる。
そして、とどめとばかりに薫藍の秘部が蠢く。男根を根本まで咥え込んだ女陰が……
その内部を埋め尽くす無数の肉襞が……やわやわ、にゅるにゅると蠕動して、男根を
しゃぶりたてる!!それは、まさに人の身では堪えられない異次元の快楽だった。
男根がびきびきと張りつめ、全身の快感が一点に集中していく。既に限界に達していた
僕が、この快楽を堪えられるはずもなかった。駄目だ……もう……駄目だ……!!
こんな快感、どうやっても堪えられない……!!
『お前は分かっていない……どんなに必死に堪えようとしても無駄なのだという事を。』
薫藍の言葉が脳裏によぎった。そうだ……こうして無理に堪えようとするやり方では、
どうしても限界がある……それじゃ駄目なんだ……!
その瞬間だった。
はっ、と脳裏にひらめいた。
どうやってもこの快楽は堪えられない……だったら、堪えられなくとも精を漏らさない
ようにすればいいのでは……?
……でも、どうやって……?ああ、こうしている間にも、全身を責めたてる快楽に……
精が……精が漏れてしまう……ああ……駄目だ……もう、抑えられない……っ!!
「ううっ、ああああああっ、あっ、ああっ、あはぁああああああああああっ!!」
どぶっ、びゅっ、びゅぶびゅるびゅるっ、びゅくびゅくびゅるるるるうっ!!
堪えようもなく尿道を迸る精液。脳髄が焼け付くような快楽の中、僕は全身を激しく
わななかせて、薫藍の胎内に精を放った。
三刻以上もの間必死に堪え続けた分、ひとたび理性が崩れてしまうと、もうどうしようも
なかった。僕の男根は熱く蕩けた女肉の中で暴れながら、何度も何度も精を迸らせる……
止まることを忘れたかのように、いつまでも精を放ち続ける……気が狂ってしまいそうな
ぐらいの射精の快感が、いつまでもいつまでも続く……!!
「あああああっ、あぐぁっ、あふぁああああ!!ああっ、あっ、あああああああ!!」
びゅくん、びゅくん、びゅくん、びゅくびゅくびゅく……ぶびゅるるるるるるる……!!
……僕はどうする事もできないまま、薫藍の女陰に精を吸い上げられていった。
地獄の快楽に悶え狂いながら、一滴残らず、枯れ果てるまで搾り取られてしまった……。
「……ぁ……ぁ、ぅ……は、……あぁ……。」
「ほほほほほほほほほ……たわいもない。やはりお前には、無理だったようだな……
この程度で精を漏らすようでは、仙人になる資格などないわ。ほほほほほほ……!!」
精を吸い尽くされて息も絶え絶えの僕に、薫藍の嘲笑が浴びせられる。
だ、駄目だった……必死に堪え続けて……けれど、薫藍の与える圧倒的な快楽の前に
成す術もなく屈してしまった……。
「んふふ……これでお前の修行は終わりだ。夜明けまであと三刻弱といった所か……
それだけあれば十分だ。徹底的に犯し抜いて快楽にのたうち回らせ、一瞬の休みもなく
いかせ続けたあげくに、悶死させてくれよう……くふふ、ふふふふふ……!!」
薫藍は妖しい笑みを浮かべて、僕を見下ろす。
だが、僕はこのまま諦めるわけにはいかなかった。
射精の直前、頭にひらめいた事がある……このまま死ぬわけにはいかない……!!
「お……お願いです……も、もう一度……機会を下さい……。」
懇願する僕に、しかし返って来たのは薫藍の残酷な笑みだった。
「駄目だ。お前は試練を乗り越えることができなかったのだ。
くふふ……私の与える快楽に、お前ははしたない姿でよがり狂い、そして無様に泣き
叫びながら精を漏らしたのだ……ふふ、そんな男が仙人になれると思うか?」
「ぅ……うぅ……!」
侮蔑の眼差しを僕に向けながら、薫藍は続ける。
「私の胎内に、お前の精をたっぷりと吸い取った……もう、この中に充満している淫気と
混ざり合って、お前を狂わせる強力な催淫薬となっているだろう……。ふふふ、これを
お前の体内に注いでやれば、お前はもう私の責めを一瞬たりとも堪えられぬ。
そのまま快楽の余りに狂い死ぬまで、際限なく絶頂を迎え続けるのだ。……くふふ……
お前が私の快楽地獄に堕ちて悶え狂い、死んでいく様が目に浮かぶぞ……!!」
妖しい笑みを浮かべた瞳に残忍な光を宿して、薫藍はそう宣告した。
「ふふふ……覚悟することだな。もうお前の運命は決まっているのだ。この程度の快楽で
精を漏らすようでは、淫気を注がれればもう、正気を保っている事などできまい。
さあ……せめて、人生の最後の快楽を存分に味わって逝くがいい……!!」
僕を見つめる薫藍の眼差しが、一層淫蕩なものになっていく……
修行者を見る目から、獲物を見る目に変わっていく……!!
だが……僕は……このまま薫藍に犯されて死ぬわけにはいかない……
まだ……試していない事がある……せめて、もう一度だけでも……!!
「薫藍……お願いです。もう一度、もう一度だけ……お願いします……!!」
懇願する僕に、薫藍はやれやれといった様子で首を横に振る。
「くどいな……何度やっても同じ事だ。もう諦めろ……。」
「いえ、諦めません。この試練の答えが見つかった気がするんです。それを試すまでは、
諦めるわけにはいきません!だからお願いです、もう一度だけ……お願いします!!」
僕のその言葉に、薫藍の顔から淫らな笑みが消えた。
「ほう……どんな答えが見つかったというのだ?……言ってみるがいい。」
薫藍の問いに、僕は答える。
「はい……無理に快楽を堪えるのではなく、快楽を受け入れ、その上で精を漏らさない
ようにするべきだったのです……快楽を与えられると、身体は体内の陽の気を精に
変えて放出しようとします。
それを防げるのなら、快楽そのものを堪えなくても、修行を続けられるはずです。」
僕の答えを聞いた薫藍の眼差しが、心なしか緩んだような気がした。
「……ようやくそれに気付いたか。全くの愚か者ではないようだな……。
お前は今まで快楽を拒もうとしてきた。だが、快楽は拒むものではない。
房中術では、互いに快楽を交歓し、心身共に深く交合することが重要なのだ。
快楽は拒むのではなく、全身で味わうのだ。その代わり、いかなる快楽を味わっても
精を漏らさぬようにしなくてはならぬ。……ところで。」
薫藍の瞳がきらり、と冷たい光を放つ。
「……精を漏らさぬようにする為に、どうするつもりだ?」
「は、はい……その……気の流れを制御して……体内を環流させます。体内を循環する
気の流れを作ることで、精や気が体外へ流出する流れは生じにくくなるはずです。」
「ふ……言うは易いが、理解するのと実践するのとでは大違いだぞ。」
冷ややかな笑みを浮かべる薫藍。
「気の流れを、どれだけ自分の思い通りに操れるか、それが重要だ。
もしも制御しきれなくなったら、お前は成す術もなく射精してしまうだろう。」
「そ、それでは、もう一度やらせてくれるのですか?」
薫藍の口振りに期待を抱いて、僕は尋ねた。薫藍は、ゆっくりと頷く。
「……今回だけ、特別にもう一度だけ機会を与えてやろう。ただし……」
そこまで言って、薫藍は、にぃっ……と唇の端を吊り上げた。
ぼちゅんっ……
「うあ、あああああああああっ……!!」
不意をついて加えられた刺激に、僕は思わず悲鳴を上げてしまう。男根の中心を貫いて、
体内に何かが侵入してくる……!こ、これは……吸われた精を僕の体内に戻す為の管……
と、いうことは……!!
ぶびゅっ、びゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅる……!!
「ああっ、ああっ、あああああ……うぁああああああああぁぁぁぁぁ……!!」
せ、精が……薫藍の胎内でたっぷりと淫気と混ぜ合わされ、強力な催淫薬と化した精が、
僕の体内に注ぎ込まれてくる……!!
「懲罰は懲罰として行う。それを朝まで耐え抜いて見せろ。そうすれば本来の試練を
克服したものとして認めてやろう……。ふふ、もっとも、淫気を大量に注ぎ込んだ上で
私の手加減無しの責めを受けるのだ。果たしてお前に、堪えられるかな……!!」
薫藍のその声すらも遠く聞こえる……身体中が、注ぎ込まれた淫気によって極限まで
感度を高められていく……身体に触れる全てのもの……堕天女達の柔肌や、背中を包む
夜具の感触が、狂おしいほどの快感となって全身を駆けめぐる!
全身がずくん、ずくん、と熱く疼く……まるで、全身が男根になったかの様だ……!!
「あと三刻足らず……ここからが本当の修行だ。心してかかれよ……。」
薫藍の言葉と同時に、彼女の黒髪が再びゆっくりと動き出す……!!
さら……さらさら……しゅるしゅるしゅる……。
薫藍の黒髪が僕の肌を這い回る……注ぎ込まれた淫気によって、先程の数倍に増幅された
快感が僕を襲う。甘く痺れる感覚が、全身を駆けめぐる……!!
「ああっ、あはあああ、うあぁああああああっ!!」
悶絶する僕の身体に、薫藍の黒髪が十重二十重に絡み付いて愛撫を加えてくる……
何万本、何十万本という髪の、その一本一本が、淫らな触手と化して僕の身体に
まとわりついてくる……あるものは毛先を細かく震わせてこちょこちょとくすぐり、
あるものはしゅるしゅると身体に巻き付いて妖しく蠢く……
柔らかく、しなやかな髪の感触が、僕の全身を包み込む……身体中から、暴力的な程の
快感の波が、情け容赦なく送り込まれてくる……!!
「ああっ、あぐあぁあ!!あっ、あっ、あああっ、あうあぁあああああ!!」
「……どうした?何を堪えている?快楽を拒むのではなく、受け入れると言ったのでは
なかったか?……身体の力を抜け。快楽に身を任せるのだ……。」
僕を見下ろして囁く薫藍。そうだ……思わず快感を我慢しようとしてしまっていた……
我慢しちゃいけないんだ……その上で、精を漏らさないようにしないと……!
僕は意識を下腹部に集中する……快感を堪えるのではなく、あくまで気の流れを制御する
事だけに集中するんだ……!!
ぬちゃ……!!
「うあ、あはぁああああああっ……!!」
背骨を引き抜かれるような強烈な快感が僕を貫く!!薫藍が再び腰を動かし始めたのだ。
ほんの僅か動かれただけで、頭の中が焼け付くような快楽が僕の全身を駆け抜ける!!
淫気をたっぷりと注ぎ込まれた僕の身体は、あっさりと限界を超えてしまう……!!
びくん、びくん、びくん、びくん、びくん……
激しく男根がわななく。しかし、尿道を精液が迸る感覚はなかった。咄嗟に気を操り、
体内を巡る気の流れを作ったために、辛うじて射精をまぬがれたのだ。
だが……
「ふふふ……言っただろう?理解するのと実践するのでは大違いだと。
この快楽に身を任せながら、気の制御に精神を集中せねばならぬのだぞ……?」
ゆるゆると腰を巡らして僕を嬲りながら、薫藍は笑った。
その瞳に、再び妖しい情欲の光がともる……淫乱で貪欲な堕天女の本性が薫藍の美貌を
染め上げていく……!
僕はこの時、この修行の恐ろしさにようやく気がついた。
快楽を堪えず、精の流出を防ぐ……つまりそれは、限界を超えた快楽を感じながら……
つまり、絶頂の極みに至りながら、体内の気を操らねばならないと言うことだ。
精の流出を防いでも、快楽そのものは和らぐわけではない。
限界以上の快楽を与えられれば、僕は成す術もなくよがり狂い、絶え間なくいかされて
しまうだろう……。そんな状態でも、気の流れを制御してやらねばならないのだ。
そんなことが……できる……のか……?
しかも、淫気を注がれて感度を何倍にも増幅されてしまったこの身体で……!!
「……さっき、本当の修行はこれからだと言った。だが……本当の快楽地獄も、ここから
始まるのだ。さぁ……お前はどこまでもちこたえられるかな?くっふふふふ……!!」
楽しげに笑う薫藍。笑いながら、徐々に大きく身をくねらせて僕の男根を貪る……!!
ぬちゃ……くちゃ……じゅぷ……ぬりゅぬりゅぬりゅ……!
「うぁ……あああ……!!あ、あ、あぅあああ……!!」
無数の柔らかな肉襞が、男根を包み込んでむっちりと締め上げる……裏スジをぬらぬらと
撫で上げ、カリ首の一番感じるところをちろちろとくすぐってくる……!!
この世のものではない魔性の快楽に根本まで呑み込まれ、僕の男根はまたびきびきと熱く
張りつめる……まずい、このままじゃ……気を、気を巡らせて射精を防ぐんだ……!
僕は、身体の力を抜いて深く息を吐いた。
全身を責め苛む快楽のせいで、なかなか精神を集中させることができない……!
でも、やるしかないんだ!!僕は努めて深く、ゆっくりと呼吸を繰り返す……
にゅる……ぬちゅぬちゅぬちゅっ、ちゅぱ、くちゅくちゅっ……!!
「ふ、ぐっ……!う、あ、うくうっ……!!あ、く、うあっ……、ああ……!!」
男根から伝わってくる肉襞の感触が、意識を乱す……だめだ……集中するんだ……!!
さら……さらさらさらさらさら……くしゅ、くしゅ……こちょこちょこちょ……!!
「うあ、あ、あはぁああ……うう、うぁ、あはぁっ……あうううううううう……!!」
全身を包む黒髪の感触に身体が勝手に反応する。意識が快楽に流されそうになる。
それでも、僕は必死に精神を集中する。僕の体内を巡る、陽の気……男の精の源である
陽の気が快楽に反応し、精となって体外に流出しようとする……その陽の気を、精巣の
手前で体内に送り返すイメージを頭に思い浮かべて、強く念じる……!
「ふふふ……さあ、もっともっとよくしてやろう……。」
薫藍の声と共に、全身に群がっている髪がさらに妖しくのたくる……そして……
「!!!……ああっ、あぅ、あふぁああ……!そ、そこは……!!」
新たな刺激に、僕は身をよじって悶えた。男根の下、陰嚢や会陰の周辺に……薫藍の髪が
まとわりつき、ちろちろと毛先でくすぐっている!!袋や蟻の戸渡りを、柔らかな黒髪の
感触が包み、さわさわと愛撫される度に、痺れるような快感が身体中を駆けめぐる!!
「ほほほほほ……どうだ……?たまらぬだろう……?だが、これだけではないぞ……。」
「うっ、うあはぁあああ……!!あひっ、いいっ、いやぁああ……!!」
さらに、黒髪の愛撫が新たな性感帯を捉える。会陰からさらに下……肛門に、柔らかな
毛先が差し込まれ、ちろちろ……ちろちろ……とくすぐってくる!!
僕は、股間を責めたてる甘い痺れに、身をのけぞらせて悶え狂った。気持ちいい……
おかしくなってしまいそうな程……気持ちいい!!
肛門の皺の一つ一つに毛先が入り込み、ちろちろと舐めるようにくすぐりたてる……
皺をほぐすように丹念に、そして執拗に、精妙な動きを繰り返して、肛門の性感を
堀り返していく……まるで……無数の触手にくすぐり犯されているかのようだ……!!
「ああっ、あはぁああっ、うくぁ、ひぁああああああ……!!」
びくん、びくん、びくん、びくん、びくん……
僕は、全身を激しくわななかせて悶え狂った。限界を遥かに超えた刺激に、僕の男根も
薫藍の膣内で射精の痙攣を繰り返す。精が出ないだけで、快感は射精しているのと全く
変わらない……身体の底から、雷撃の様な快感が脳髄へと突き上げてくる……!
「うああ、ああ、あはあぁあああああ!!いっ、いいい、いああああああああ!!」
あまりに強烈な刺激に、思わず僕はもがいた。だが、僕の四肢は緋香と蘭芳によって
押さえつけられ、自由を奪われていた。
「いけませんわ、暴れては……快楽を受け入れて、よく味わうのです……。」
「んふふ……とぉっても気持ちいいのよねぇ……たぁっぷりいっちゃいなさい……。」
細くたおやかな腕が、生白い太股が僕の手足に絡み付く……
そして、肌を触れ合っている所から、この世のものとは思えない堕天女の柔肌の感触が
流れ込んできて、それと引き換えに手足の力が吸い取られてしまう……
緋香と蘭芳は軽く四肢を絡めているだけで、特に力を込めてはいなかったが、たった
それだけで、僕はほとんど身動きが取れなくなっていた。身動きが取れないまま、
なす術もなく薫藍に犯され続ける……!!
ずちゅっ、ぬちゅっ、ぬちゅぬちゅぬりゅりゅりゅりゅ……
さらさら……くしゅ、くしゅ……しゅるしゅるしゅるるるる……
僕の男根を熱く蕩けた蜜壷が、僕の全身を妖しくのたうつ黒髪が責めたてる!!
しかも、大量に淫気を注ぎ込まれて感度を極限まで高められた身体は、与えられた
刺激を通常の何倍にも増幅して、体中に送り込む……ただ快感が強くなっただけでは
なく、一瞬の快感がずっと余韻をひいて体内に残り、僕を責め嬲る!!
「うああっ、あぐあっ、あああああ……うう、うぎっ、ぃいいいいいいいいい!!」
容赦なく、そして休みなく襲いかかる快楽に、僕は立て続けにいかされ続けた。
まさにいきっ放しだった。あまりの快感に、脳髄が煮えたぎり意識が蒸発して飛んで
しまいそうになる……!!
しかし、僕はぎりぎりのところでかろうじて意識を保ち続けていた。
意識が白い闇に飲み込まれそうになるその度に、精が漏れそうになる……意識を保って
いないと、気の流れを操って射精を防ぐ事ができなくなる……そうなってしまったら、
今度こそ僕は、薫藍の餌食となって犯し殺されてしまう……!!
僕は漏れ出ようとする気を、精を、必死に体内に送り返し続けた。
……どれぐらいの時間がたったのか……容赦のない薫藍の責めを受け続け、ひとときの
休みもなくいかされ続けて……それでも僕はかろうじて射精を抑え続けていた。
「ふふ……よく耐えているな……。」
薫藍はそんな僕を、妖しい笑みを浮かべながら余裕たっぷりに見下ろす。
「だが、まだまだ快楽は高まっていくぞ……果たしてお前はどこまでもつかな?……」
楽しげに笑う薫藍。同時に彼女の髪が、ほのかな光を帯び始める。
次の瞬間、僕の身体を責め苛む快楽がさらに倍加した!!全身に絡み付く髪から、
快楽の波動が流し込まれてきたのだ!!
さらに、何本かの髪は僕の経絡に毛先を挿し込んで、直接体内に快楽の波動を流す!!
「ああっ、あぐあぁああああああああああああああああああっ!!」
僕の喉を絶叫がほとばしる。僕は絶頂のそのさらに上の高みに押し上げられて、身体を
大きくのけぞらせながら、激しく悶え狂った。
ずくん……ずくん……ずくん……
僕の体内を巡る気が、精となって漏れ出そうとする……本来なら精が枯れ果てている程
いっていっていかされ続けて、なおも快楽が高まっていく……
あまりの快楽に、気の制御ができなくなって……きた……うあ、あああああ……!!
「ふふふ……どうだ……?ここも気持ちいいだろう……?くっふふふふふふ……!!」
妖しく笑う薫藍の下で、さらなる快楽地獄が僕を襲った。
肛門に侵入した髪の毛が、さらに奥深くへと潜り込み……その毛先が……身体の内側
の性感帯を刺激している!!細い髪の先端が腸壁に突き立てられ、そこから前立腺に
直接快楽の刺激が流し込まれる!!うああああ!!な、なんて強烈な刺激!!
まるで、身体の芯を快楽で串刺しにされたようだ!!
「ううっ、いひいぃい!!いあ!!ああ!!あぎっ、うぎあぁあああああ!!」
僕は身も世もなくよがり狂い、絶頂のそのさらに上で激しくいき続ける……
僕の体内をぎゅるぎゅると気が駆け巡る……もう……もう……これ以上は……
抑えきれない……漏れる……精が……漏れる……あああああ……!!
「ほほほ……たまらぬだろう……?だが、これで終わりではないぞ……。」
朦朧とした意識の中、薫藍の声が聞こえる……まだ……まだあるのか……?
もう……駄目……だ……これ以上の快楽には……到底……持ちこたえられない……
全身を薫藍の黒髪に絡めとられ、快楽の波動を流し込まれながら撫で回され、
男根は快楽の坩堝と化した堕天女の女陰に囚えられて、先端から根元まで魔性の
肉襞に舐めしゃぶられて、僕の体は隅々まで人外の快楽に満たされている……
これ以上は……もう……もう……う、うあああああああああああああああああ!!
新たな刺激は、うなじから送り込まれてきた。
うなじに髪の毛が突き立てられ……頭の中に侵入してくる!!
そして、そこから僕の脳の中枢に、直接快楽の波動が!!うあっ、あああああ!!
脳髄が……快楽ではじける!!気持ちいい!!いい!!いいいいいいいいいい!!
「ほほほほほ……お前の脳を直接犯してやろう……どうだ……もう限界だろう……?
これでも精を漏らさずにいられるか……?ほほほほほ……ほほほほほほほ……!!」
悶え狂う僕を見下ろしながら、薫藍は勝ち誇って笑った。
「……私は、男が私の快楽に悶え狂いながら死んでいく、その瞬間を見るのが好きだ。
断末魔の瞬間の、絶望と恍惚とが入り交じった男の顔を見るのが好きだ。
……さあ……お前の最期を私に見届けさせておくれ……そして私の快楽に抱かれて、
私の中に魂を解き放って果てるのだ……おほほほ、ほほほほほほほほ……!!」
笑いながら薫藍はますます激しく僕を犯す……妖しく全身をくねらせ、魔の蜜壷で
僕をしゃぶる……そして全身を包む黒髪が放つ光が、徐々に強くなっていく……!!
ほのかな光だったのが、徐々に室内全体を照らすほどに、強く、強く……!!
それと共に、僕の体に流される快楽の波動も、どんどん強くなっていく……特に、
前立腺と脳髄に流される快楽は、容赦なく僕の肉体と精神を快楽で侵していく……!!
ああ、あああああ……もう、だ……め……だ……!!きもち……いい!!よすぎる!!
いい!!いい!!ぎっ、いぎぃあああああああああああああああああああ!!
体の奥底から熱く煮えたぎったマグマが吹き出てくる感触が僕を捉えた。
抑えようもなく、男根にこみ上げてくる……どうしようもなく……吹き出して来る!!
あ……あふれる!!あふれる、せいが!!もれる!!もれちゃうう!!いやあああ!!
あああああ!!あああああ!!しぬ!!しぬ!!いくぅぅううううううううううう!!
どぶぶりゅぶりゅぶりゅびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるびゅるるるるるるううう……
全身が破裂するような射精感を味わいながら、僕の意識は闇へと沈んでいった……
……ぴし、……ぴし、ぴし……。
「……いつまで寝ている……?そろそろ目を覚ませ、未熟者。」
「……ぅ、ぅう……。」
頬を軽くたたかれる痛みが、僕の意識を深い闇から引き上げる……。
ん……僕は……僕は、いったいどうしたんだ……?
確か……薫藍に淫気を注がれて犯され、快楽の波動を体中に流し込まれてよがり狂い、
……そして……そうだ、精を……精を漏らしてしまったんだ……。
僕はゆっくりと目を開ける……もう、部屋の中は明るい日差しに満たされていた。
そして、僕の両脇に緋香と蘭芳が寝そべり、薫藍は僕の上に四つん這いで覆いかぶさる
ようにして見下ろしていた。
「……ようやく目を覚ましたか。気分はどうだ?」
薫藍は、氷のように冷ややかな眼差しを僕に向ける……だが、僕はその眼差しに微妙な
変化を感じ取った。本当にごくわずかではあるが、これまでのような厳しさが抜けて、
こころなしか穏やかささえ漂わせている……。
それを見て、僕は修行の終わりを感じ取った。もう修行の相手をしないのならば、厳しく
接する必要もない。一度ならず二度までも精を漏らしてしまっては、もう次の機会は
与えられないだろう。僕は、……僕は……修行をやり遂げる事ができなかったのだ……。
「……………すみません……。」
「……なぜ謝る?」
「僕は……もう……失格なんでしょう……?だから……。」
そこまで言った時、薫藍の口元にわずかに笑みが浮かんだ。
「誰がそんな事を言った?……私はお前を失格にした覚えなどないぞ?」
「えっ……?」
僕は、驚いて薫藍を見上げる。薫藍はさらに笑みを濃くして僕を見つめ返した。
「お前が精を漏らしたのは日の出の直後だ。
夜明けまでは持ちこたえたのだから、その後で精を漏らしても問題はない。」
「え、ええっ……!?」
「気づかなかったのか?まあ、無理もないかもしれんな……私の髪が放つ光で、室内が
かなり明るくなっていたからな……朝の光が差し込んでも、あれでは分かるまい。
射精直前のお前は意識もほとんど飛んでいたようだしな……。」
そこまで言うと、薫藍は、ふっ、と表情を緩めた。
「……よく……頑張ったな……。」
「ぁ……ぁ、あ……。」
それは、今まで彼女が一度も見せた事のない、優しい笑顔だった。朝の光に照らされた
その笑顔は、まるで彼女が本当の天女であるかのように神々しく、美しかった。
桃精泉で淫気と疲労を洗い流し、寝室に戻って来ると、蘭芳と緋香が僕を出迎えた。
「おめでとう……あなたならきっとやり遂げられると思っていましたわ……。」
そう言いながら蘭芳は僕に神仙桃を手渡す。
「ありがとう、蘭芳……。」
「でも、まだまだ修行は始まったばかりですわ……これからは、さらに過酷な修行が
あなたを待っています。どうか、最後まで強い意志を持って頑張ってくださいね。」
「は、はい……頑張ります。」
僕がそう言うと、脇から緋香が口を挟んできた。
「ふふ、そうよ……頑張ってちょうだい……ぼうやのかわいいよがり顔を、いぃっぱい
見せてね……とっても気持ちよくさせてあげるから……んっふふふふふふふ……。」
悩ましくしなを作りながら、緋香は僕に身を寄せる。
ねっとりと糸を引きそうな程濃厚な色香を漂わせる豊満な肉体が、僕の視界を埋めた。
「今夜からは……んふ、私が相手よ……ふふふふふ……たぁっぷり楽しませてあげる
……おかしくなっちゃうぐらいに、ね……ふふふ……くふふふふ……!」
緋香は挑発的な眼差しで僕を見つめながら艶然と笑った。
そうか……今夜からは緋香と修行するのか……。
薫藍とは対照的な、見るからに淫乱そうな緋香……いったい、どんな修行をする事に
なるんだろう……?期待と不安がないまぜとなって僕の心の中に膨らんできた。
「……ところで、薫藍は……?」
「ふふ、薫藍なら閨の中にいるわ……お待ちかねだから、早く行っておあげなさい。」
「では、私たちはこれで……。」
そう言って、緋香と蘭芳は静かに寝室を出て行った。
閨に近づくと、天蓋から垂れている紗が音もなく、ひとりでに開いた。
閨の中には、薫藍が身を横たえてこちらを見つめていた。
そして……閨の中は、艶やかな薫藍の黒髪で満たされていた。長く長く伸びた薫藍の
髪が、うねうねとのたうちながら夜具の上を覆っていた。
「……薫藍……これは……?」
「……さあ、こちらへ……。」
薫藍は、両手を大きく広げて僕を招いた。
これまでの薫藍とは少し雰囲気が違う。彼女の眼差しからは凍てつくような冷たさが
抜け落ち、穏やかな光が瞳の中にたゆたっていた。
ともあれ、ここは彼女の言う通りにするしかない。
僕は招かれるままに閨の中に……そして、薫藍の腕の中へと入っていった。
薫藍のしなやかな腕が僕の背中に回り、彼女の柔肌の感触が僕の身体を包み込む。
「あ……ああ……。」
全身を優しく包む柔らかな女の肌の感触に、僕は思わず溜息をついた。
もう、何度も肌を重ねたというのに……堕天女の肌の感触は何度味わっても、まるで
初めて味わうかのような新鮮な刺激を送り込んで来る。その感触を感じた所から、
例えようもない甘い痺れがこみ上げてきて、欲望を刺激して来る……!
さらに、薫藍の黒髪が再び僕の身体に絡み付いて来る……柔らかな髪の感触が全身を
包み込む……。先ほどのような激しい責めではなく、ゆったりとした動きで僕の身体を
愛撫し、甘やかな快感を送り込んで来る……!
ああ……いい……なんて気持ちいいんだ……まるで……まるで……天上の雲に包まれて
いるかのようだ……!もう……体中……隙間なく髪の毛に包み込まれて……うう……
温かくて、柔らかくて……この上なく優しい快感に……僕は抱かれている……!!
「ああ……薫藍……う……あぁ……!!」
蕩けるような快楽に喘ぐ僕の視界を、薫藍の美しい顔が埋める。
次の瞬間、柔らかな堕天女の唇の感触が、僕の口を覆った。
そして、薫藍の舌が僕の口の中に侵入し、僕の舌を絡めとる……さらに、とろとろと
あたたかな唾液が流し込まれる……ああ……僕の意識も、とろとろと溶けていって
しまいそうだ……僕は、薫藍の濃厚な舌技に酔わされていく……!
ちゅぱ……。
やがて、薫藍の唇が僕を解放する。離れた唇からこぼれた唾液が、とろりと糸をひいた。
「ぷぁ……はぁ、ああ……こ、これ……は……?」
すでに陶酔の極致へと誘われている僕に、薫藍は優しく微笑みかける。
「……修行に失敗したら、懲罰を加える……ならば、修行をやり遂げたなら……褒美を
与えねばなるまい……?さあ……私の胸に抱かれて眠るがいい……。」
そして、薫藍の髪がさらに僕に絡み付いて来る……十重二十重に巻き付き、柔らかな
感触で包み込んで、さら……さらさら……と優しく撫で回す……。
ああ……気持ちいい……もう……何も考えられなく……なって……きた……
う……しかも、僕の顔にまで髪が巻き付いてくる……鼻も、口も、髪に覆われて……
ああ……いい匂い……薫藍の髪の香り……とってもいい……
この香りを嗅いでいると……体中の力が抜けて、もう……ああ……いい……
こんな……いい……はぁあああ……あああああ……
蕩けるような快感に抱き包まれて、僕は眠りへ落ちていった。
僕は……深い深い闇の中を漂っていた。
どこまでも続く、漆黒の闇……その中を僕は……薫藍の胸に抱かれてゆったりと漂う……
さら……さらさら……さらさらさら……
ああ……気持ちいい……全身を……薫藍の黒髪が愛撫する……
長く長く伸びて広がる薫藍の黒髪……辺りを包む漆黒の闇は、ゆらゆらとゆらぎ、
うねうねとうねる艶やかな髪に満たされていた。この闇の全てが薫藍の髪だった。
その黒い海の中を……僕は漂う……身体中の肌から、優しい愛撫の波が送り込まれ、
僕の身体を充たす……何度も何度も寄せては返し、寄せては返し……僕は、その甘い波に
揺られるがままに、陶酔の深みへと引き込まれていく……。
「ふふ……今しばし……この快楽に身も心も委ねて酔いしれるがいい……。」
薫藍は、優しく僕を抱きしめて愛撫を加える……僕の顔を胸に埋め、背中に白い指を
這わせる……白蛇のようなしなやかな太股が悩ましく絡み付き、なまめかしい女の柔肌の
感触を送り込んで来る……。
そして、薫藍の身体からほのかに立ちのぼる甘い香り……薫藍の身体が悩ましく蠢く度、
辺りをゆらゆらと充たす黒髪が揺れる度、かぐわしい女の匂いが僕の鼻腔から体内に忍び
込み、僕の心を愛撫する……抗いようのない甘美な刺激に、僕は恍惚として薫藍に身を
任せていた……。
「ふふふ……心地よいだろう……?」
僕の脳裏に、薫藍の甘い囁きがこだまする……。
「ああ……は……はい……。きも……ち……いい……で、す……。」
「……お前さえ良ければ、ずっとこのままでも良いのだぞ……?」
「ずっと……あ、はぁ……この……ま……ま……?」
夢うつつのまま応える僕に、薫藍は、ふっ、と苦笑を漏らす。
「ふふ……このままでは本当に私の下僕になってしまいそうだな……止めておこう。
……さあ、そろそろ時間だ……元の世界に帰るぞ……。」
薫藍のその言葉と共に、周囲の闇にきらきらと輝く光の粒が現われた。光の粒はみるみる
うちにその数と輝きを増し、辺りは漆黒の闇の世界からまばゆく輝く純白の光の世界に
塗り替えられていく……!
「ん……。」
目を開けると、そこはやはり白い世界だった。柔らかな白い肌が、視界を埋めている……
「……目が覚めたか。」
頭上から降ってきた言葉に振り仰ぐと、薫藍が僕を見下ろしていた。
「そろそろ、私の胸に甘えるのも終わりにしてもらいたいのだがな……。」
「!……あっ、す、すみませんっ……!!」
僕は慌てて薫藍から身を離した。薫藍はそんな僕のうろたえぶりにくすくすと笑う。
「そんなに女の胸が好きなら、緋香に抱いてもらう事だな……私のより、ずっと抱かれ
がいがあるだろう。頼めば嫌という程味わわせてくれるぞ……ふふふふふ……。」
「い、いや……そんなわけじゃ……。」
「ふふ……まあ……頼まなくても、もうじき味わう事になるだろうがな……。」
照れる僕に、そう応える薫藍。その表情はいつしか、元の厳しさを取り戻していた。
「……一つだけ、忠告しておく。緋香は私のようには甘くない。それどころか、隙あらば
お前を肉奴隷にしようと狙って来るだろう。今まで以上に強い意志をもって挑まねば、
ひとたまりもなくお前は緋香の下僕とされてしまうだろう。」
「……………。」
「もしも心が挫けそうになったら、私との修行を思い出せ。……あれほどの快楽責めを
耐え抜いたのだ。どんな目にあっても自らを保っていられるはずだ。
あとは……お前の意思の力がどこまで保つか……それが勝負を決めるだろう。」
静かに語る薫藍の言葉に、僕は引っかかるものを感じた。
「……勝負って……いったい、どんな修行をするんですか?」
「んっふふふ……それは、すぐに分かるわ……すぐに、ね……ふふふふふ……。」
と、突然背後から浴びせられる濃艶な声。振り返ると、緋香と蘭芳が寝室の入り口に
立っていた。緋香の淡い桃色の羽衣が、ゆらゆらと生き物の様にゆらめく。
あたかも、獲物を狙う軟体動物のように、妖しく蠢いている……!
「さあ……ぼうや……今日からは私がお相手するわ……くふふ、ふふふふふ……。」
そう言って、緋香はぺろりと舌なめずりした。既に彼女の眼差しは欲情に潤み、妖しい
輝きを灯していた。
「では、そろそろ始めましょう……頑張って下さいね……。」
「私との修行の成果を無駄にするな……分かったな。」
薫藍と蘭芳は僕の両脇に身を横たえた。そして緋香が僕の上に身を屈め、見下ろす……。
「ふふふ……それじゃ、さっそく始めるわよ……。」
「……あの、緋香……一体、どんな修行をするんですか……?」
僕の問いに、緋香はにんまりと淫猥な笑みで応えた。
「んふ……ぼうやは、女を抱いた事はあって?」
「え……あの……薫藍と寝たのは別に、って事ですか?」
唐突な質問にややうろたえながら応える僕。
そんな僕に対して、緋香はやれやれといった様子でかぶりを振る。
「あのね、ぼうや……あれは『抱いた』なんて言わないの。『抱かれた』って言うのよ。
その様子では、ふふ、女を抱いた事は一度もないようね……ふふふふふ……。」
やや蔑む様な眼差しで僕を見下ろす緋香。僕は、顔がかあっ、と熱くなるのを感じる。
「んふふ、いいのよ……だったら、お姉さんが手取り足取り一から教えてあげる……。」
そう言いながら、緋香はゆっくりと両手を広げた。薄桃色の羽衣が大きく広がり、僕の
視界を埋める。そしてそのまま、緋香は僕の上に覆いかぶさってきた……!
「あ……あ……ぁあ……!!」
思わず、僕は熱い息を漏らしてしまう……緋香の柔肌の感触が僕を包む……!
羽衣を通してもなお、生々しい女の肉の感触が伝わって来る……
「んふふ……房中術では、男と女が互いに深く交わり、一体となる事が大事なの……
肉体だけじゃなくて、精神も……魂もね……それでこそ、男の持つ陽の気と女の持つ
陰の気を交わらせる事ができるのよ……。」
甘く囁きながら、緋香は僕の脇腹に指を這わせる。
さわ……。
「ぅあ……っ!!」
軽く撫で上げられただけで、痺れる様な快感が全身を駆け抜ける……!
「くふ……気持ちいいでしょ……?男と女が一つになる為には、互いが互いを深い悦びに
導く事が必要なのよ……一方だけが気持ち良くなってるんじゃ、だぁめ……!」
緋香は、鼻と鼻がくっつきそうな程に顔を近づけ、じっと僕の目を見つめて囁く……
僕は、妖しく輝く瞳の中に吸い込まれてしまいそうな錯覚を覚えた。
「いぃい?……じっくり教えてあげるから……しっかり覚えるのよ……?」
緋香との修行がいよいよ始まる……しかし、それが底なしの性の泥沼への入り口だと
いう事に、この時の僕は気がついていなかった。
「んふふ……まずは、愛撫の仕方から教えてあげる……。いいかしら……?」
僕を組み敷いたまま、緋香は妖しく笑う。彼女の豊満な肉体が、僕の視界を埋めていた。
むっちりと豊かな乳房が、圧倒的な量感を誇っている……一つ一つが人の頭より大きい
女肉の塊が二つ、僕の目の前に垂れ下がっている……
「……くふふ……ほら、何を見とれているのかしら……?」
そう言いながら、緋香は僕の脇腹に再び指を這わせた。
「うっ、くう……!」
ぞくぞくぞくぅ……っ、と総毛立つような快感の波が走る。思わず喘ぎ声を上げる僕。
緋香はそんな僕を見つめながら、にんまりと笑みを深くした。
そして、身を包んでいる羽衣の胸元をはだけ、肩から外す。
彼女の上半身が、雪のような生白い肌をあらわにした。
「いぃい?私がするのと同じようにやってごらんなさい……んふふふふ……。」
言いながら、緋香はさわさわさわ……と脇腹を撫で上げ、胸元へ指を這わせる。
「ううっ、あああ……!」
僕は快感に喘ぎながら緋香の脇腹に手を伸ばす……緋香がやっているように、脇腹から
胸元へと撫で上げる……
「うっ、ああ、あああああ……!」
這わせた指先から、堕天女の柔肌の感触が伝わってくる……蕩けそうにやわらかで、
むちむちと弾力に富み、みずみずしくしなやかな堕天女の肌……愛撫しているはずの
僕の方が快感に喘がされてしまう……!!
「んふふ、初めてにしては上手いわよ……
でも、もっと手首を柔らかく使わなきゃ駄ぁ目……ふふ、こうするのよ……!」
緋香は胸元から下腹部へ、そしてまた胸元へと円を書くように指を這わせる。
「ふぁっ、あああああ……ああ、ああ、あああああ……!」
愛撫しても、愛撫されても痺れるような快感が僕を襲う……!僕は、快感に喘ぎながら
必死に緋香に愛撫を返した。
「ああっ、あ、ううううう……!」
再び快感に痺れる僕。
「んん……まだまだ、もぉっと手首を柔らかく使うのよ……まだ堅いわ……
んふふ、堅いのはおちんちんだけでいいのよ……ほら、こうよ……んっふふふ……!」
「あふぁあああ……ああ、はぁあああ……!!」
今度は胸元をくるくると撫で回す緋香。快感が倍返しで僕を襲う。
「ほほほ……指先ももっと柔らかく……流れるような動きを心がけなさい……ふふ……
……ねぇ……、聞いてる……?くふふ、もう私の指の虜になっちゃったかしら……?」
「うあ、あはぁああ……ああ、う、うふぅぁあああ……!」
半ばうつろな目で、僕は必死に緋香を愛撫した。
「んっふふふふふ……駄目ねぇ……まぁいいわ、これをご覧なさい……。」
そう言いながら緋香は手をくるりと回す。と、どこから出したのか、いつの間にか
その手には大きな筆が握られていた。筆と言っても普通の筆ではなかった。
一尺程もある、長くて柔らかそうな毛がみっしりと密集している……。
「よぉく見なさい……ふふ、そして、感じるのよ……気持ちいい愛撫の仕方を……。」
その言葉と共に、緋香は僕の身体にその筆の先を触れる……
「んん……っ、ううううう……!!」
触れられただけでぞくぞくと痺れるような感覚が背中を這い上がってくる……!
緋香は、ゆっくりと筆を動かして、僕の身体を愛撫し始めた。
さら……さらさらさら……さらさらさらさらさら……
「ふ、ううううう……ああ、あああああ……ああ、あ、あはぁああああああ……!!」
柔らかな毛先が、僕の身体を這い回る……その度に、身体中を快感の波が駆け抜ける……
緋香は優雅な手つきで筆を操り、さらに愛撫を加える……くるくると筆を回して乳首を
責めたて、さらにそこから脇の下へ……そしておへそへと筆を走らせ、反対側の脇腹から
脇の下へと撫で上げ、また乳首へ戻る……さらに首筋に愛撫を加え、耳の裏をくすぐり、
再び胸元へ戻ってくる……柔らかな痺れが、僕の身体中を駆け巡る……絶え間なく……
いつまでも……きもちいいのが……終わらない……ああ……いい……きもちいい……
いつしか僕は、緋香のなすがままに、愛撫に身を任せてしまっていた。
「んっふふふふふ……気持ちいいでしょう……?」
緋香の甘ったるい囁きも、どこか遠くでこだまのように聞こえる……僕の意識は、緋香の
筆の愛撫に、完全に絡めとられてしまっていた。
気持ちいい……気持ちいい……ああ……ずっと……こうしていたい……
ずっと、ずっと……この快感に酔い痴れていたい……あああ……あああああ……
「くふ……ぼうやさえ良ければ、ずっとこのままでもいいのよ……。」
緋香の囁く声が、僕の頭の中にこだまする……何度も……何度も……
『ぼうやさえ良ければ……ずっとこのままでも……いいのよ……ずっとこのままでも……
いいのよ……ぼうやさえ……よければ……ずっと……このままでも……いい……。』
ああ……ずっと……このまま……いい……ずっと……ずっと……いい……。
甘い囁きと、身体中を這い回る柔らかな毛先の感触が、僕を虜にしていく……。
『ずっと……このままでも……いい……ずっと……』
と、その時。かすかな既視感が僕を捉えた。そう……この感覚……今回が初めてじゃない
……以前にも、こんな感覚を味わった事が……そうだ……!
はっと、陶酔に煙る僕の意識を貫くものがあった。
『……お前さえ良ければ、ずっとこのままでも良いのだぞ……?』
全身を柔らかな黒髪の感触に包まれながら耳にした言葉。陶酔の極致の中、囁かれた
甘い言葉。それは薫藍に修行の褒美として愛撫されていた時のものだった。
それを引き金に、次々と蘇る記憶。薫藍の厳しく、冷たいまなざし。苛烈を極めた修行。
そして、薫藍の言葉の数々。
『……一つだけ、忠告しておく。緋香は私のようには甘くない。』
『隙あらばお前を肉奴隷にしようと狙って来るだろう。』
『今まで以上に強い意志をもって挑まねば、ひとたまりもなくお前は緋香の下僕とされて
しまうだろう。』
『あとは……お前の意思の力がどこまで保つか……それが勝負を決めるだろう。』
そして最後に、緋香と修行を始める直前にかけられた言葉が蘇る。
『私との修行の成果を無駄にするな……分かったな。』
私との修行の成果を無駄にするな……
私との修行の成果を無駄にするな……
私との修行の成果を無駄にするな……!
その言葉が、僕を陶酔の深みから一気に引き上げた。そうだ、僕は緋香の下僕になる為に
ここに来たんじゃないんだ!仙人になるために、この修行をやっているんだ!!
こんな事で我を失って快楽に溺れていたら、仙人になんてなれないんだ……!!
快楽に酔い痴れ、うつろになっていた僕の瞳に光が戻る。
それを見て、緋香の眉がぴくりとはねた。『面白い』とでも言わんばかりに。
「んふふ……いぃい?愛撫する時はね、この筆の毛先の様に、手の全ての関節を柔らかく
使ってあげるの……やわらかぁく、やさしく……それが基本にして極意なのよ……。」
何事もなかったかのように説明する緋香。
しかし、彼女の瞳の妖しい輝きは、より一層深みを増していた。
『今まで以上に強い意志をもって挑まねば、ひとたまりもなくお前は緋香の下僕とされて
しまうだろう……。』
薫藍の言葉が、僕の脳裏に蘇る。緋香との修行は、文字通り命がけの勝負なのだ。
僕は、緋香の説明を聞きながら、薫藍の方へ一瞬視線を流す。
薫藍は「修行に集中しろ」とでも言いたげに視線を外した。
僕は彼女に心の中で「ありがとうございます……」とつぶやき、再び緋香の方へと
向き直った。修行を「受ける」のではなく、「挑む」気持ちを持って。
緋香との修行は、まだ始まったばかりだった。
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我少打一个L。。。。