【日文pdf】サキュバスアドベンチャー

已完结转载奇幻图文魅魔榨精榨死add

suvbil1
【日文pdf】サキュバスアドベンチャー
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新鮮(しんせん)是一个非常好的榨精小说写手,因为其独一档的榨精表现张力,激进的说他可能是最好的。
我从23年在DL发现了他的小说【サキュバスアドベンチャー】就开始关注这个写手了。
他的作品的榨精与其他日本写手是不同的,他的作品更有破灭感,插画的风格也有种疯狂的失控感,现在开始偶尔会用AI作图,但仍然保留了那股疯劲,虽然比起以前那种模糊的淫靡感更少了但看上去也更舒服。
他最大的缺点是他的更新速度慢的蛋疼,一般需要两个月才有一篇成品,难怪人气那么低。
他的主要作品【財宝収奪カードゲーム マクガフィン】的主线故事从去年8月到现在还没有更新第六章
但他写的真的很好,每次品尝他的作品的时候都会对自己看得懂日文感到幸运。
分享一个他的早期作品【サキュバスアドベンチャー】:
https://mega.nz/file/E0hDFAgT#90SP1e7o5IB9Qkg5BMVNNLLIuDdd20nggtiTNtv9dOQ
作者链接:
https://www.fanbox.cc/@nest
https://www.pixiv.net/users/83132417/novels 有他其他作品的试吃装哦

































关注新鮮兄貴喵
Da
Danimakura
Re: 【日文pdf】サキュバスアドベンチャー
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卧槽,这个真的够魔性,简直就是灵魂作图,莫名的带感。 求大佬再推荐一些其他的榨精小说写手或者小说。
suvbil1
Re: Re: 【日文pdf】サキュバスアドベンチャー
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Danimakura卧槽,这个真的够魔性,简直就是灵魂作图,莫名的带感。 求大佬再推荐一些其他的榨精小说写手或者小说。
我其实只特别关注了这位与daikon 而另一位已经是大家的老熟人了 平时也是有啥吃啥 所以也没什么好分享的

但我可以先转两篇他的完整作品看看 一篇是他主要创作的小说的第四篇的本篇 这个小说的结构一般是本篇正常展开 然后每一篇有一个额外的end篇 主人公主要在那当抹布

另外一篇是他最近才更新的短篇

你的ai机翻很好 不如试试这个作者



財宝収奪カードゲーム マクガフィン 第4話 「嘆きの水やりアルラウネ」

「はぁ?」
 薄暗い部屋の中。小太りの青年が素っとん狂な声を発した。

「え? え?」



≪ネッチョリ貪るサキュバスホール≫

 手にしたカードの名前も、イラストも、効果も把握し終わっているが、どれ一つとして受け入れられない。

 上質で厚い光沢紙の手触りは、まぎれもなく公式が印刷した「マクガフィン」のカードであることを示している。

 というより、たった今パックを「剥いて」出てきたカードなので、正式なものであることはほとんど疑いようもない。

(え? この形……どう見てもオナホ……え? え?
 コンプラとか……)

 さらに、パックに封じられていた残りのカードも取り出し、手の中で扇のように広げた。
 灯りのもとに、奇々怪々の6枚が浮かび上がる。











≪モンスターホール ―搾精怪筒VS人類≫
≪ミニミズミミズミルミズミミズミニミルミズミミズの筒≫
≪天上天下卑棒独損(てんじょうてんがちんぽどくそん)≫
≪CYCLONE DICK KILLER V4≫
≪怨念ノ穴≫

 マクガフィンのパックは6枚入りだ。その全てが……

(全部オナホール……カード……)

 パックのカード全てが「財宝カード」という時点で相当に珍しい現象だが、ラインナップのせいでどうでもよくなってしまう。

「か、『管理室へ移動』……」

 唱えた言葉を「マクガフィン」のシステムが認識し、青年とカードは仮想空間の中へ移動した。

 

 注文したマクガフィンの新弾「深淵の開戦」10カートンが、青年のワンルームに届いたのはつい先ほどのことだった。
 
 プレイヤーというわけではない。品薄で高値になった頃合いを見計らってフリマアプリで売り、生活費にあてるつもりだった。
 一言で言えば、青年は「転売ヤー」だった。

 超人気コンテンツであるトレーディングカードゲーム「マクガフィン」は、青年が特に主力としている商材だった。

 青年は公式アカウントを持っているので一応「管理室」にも入れるが、ほとんど初期状態のままだった。
 デフォルトの安楽椅子に腰かけて、宣言を行う。
「カードを『実体化』!」

 6枚のカードが色とりどりに光り、次々に影が飛び出した。
 それらは「どんっ」という音をたて、同時に机の上へ並んだ。



≪ネッチョリ貪るサキュバスホール≫。

「うぅっ!?♡

 ……つ、使うって……」

『あなたの性器を、穴の中に挿入してください』

 あまりにも直接的に言われたので、聞き返す余地も無い。

 青年は独身かつ童貞だった。
 オナホールも所有している。最初はいくらか、「そんなものを使うなんて情けない」という意識もあったが、一度その、手では絶対に味わえない凹凸の刺激を味わってしまうと、つい手放すことができなかった。押し入れの奥に何種類かお気に入りを格納している。
 それもあって抵抗感が薄いと言えば薄いが、しかし、あまりにも――

『手に取ってください。一度挿入するだけで使用した扱いとなります。
 すぐに抜いても構いません』

 青年は動揺し続けているので、あえて敷居を下げるような促し方に気が付かない。

 かなりためらった後、びくびくしながら手を伸ばした。
 掴むと、ぷるん♡ という弾力が5本ともの指の腹に伝わってきた。持ち上げると重さで、ぷる♡ ぷる♡ とたわんだ。

(うぅっ……♡)

 手から腕、腕から脳へ昇ってくる感触は、あきらかに、普通の「オナホール」ではないことを教えてくる。
 しっとりと指の腹へ融着し、女の生肌をさらに数段滑らかにしたような手触りだった。

 目を細くして、おそるおそる穴の入り口を見つめた。

 ……ひく💜 ひく💜 ひくっ💜 ひくっ💜 ひくっ💜


「ひイィッ!?♡♡」

 妖しい紫色の入り口は待ちかねているように拡縮を繰り返していた。生命が宿っているとしか思えない。

 青年の怯えは何倍にもなった。これはマクガフィンの「財宝カード」なのだから、実体化した今は魔法の剣や、傷を癒す霊薬といったように、人智の及ばない機能を持つ道具になっている筈だった。

(で、でも……大丈夫だよな……あ、「安全ロック」があるし……

 市販のカードで、人体に害なんてあるわけ……

 でも……でも……こ、これに……自分の、その……「モノ」を……)

 狭くて奥はほとんど見えない。
 パク💜 パク💜 と穴の入り口が小さく開閉を続けていた。
 その開閉に合わせて、ねちょっ……💜 ねちょっ……💜 と何本も白い糸を引いているのが見える。ローションは不要のようだ。

 これを「使用する」――

 ごくっ……♡♡

 転売ヤーの青年は、ズボンに小高くテントを張り、粘っこい唾を喉の奥に飲みこんだ。





 🚪👄🦊🚪👄🦊🚪👄🦊🚪👄🦊



「……あー、そやねぇ」

「うんうん。わかるわー」

「それに関しては、うちも同じ意見や。そんなけったいなとこ、坊(ぼ)んが行く必要あらへんあらへん。ずっとこの部屋で遊んどいたらええんよ🧡」

「うちも見ての通り、閉じ込められてる身ぃやさかい、坊んみたいな話し相手がおってくれたほうが嬉しいわぁ🧡 ……こないにベタベタ札貼る必要、無いと思わへん?

 まぁ暇なもん同士、外のことなんて気にせず、一緒にのんびりしよな🧡」

「う、うん……♡」

 男子高校生はおずおずと返答した。

 あまりにも不気味なカードイラストだったため最初は会話を躊躇していたが、今では込み入った「相談」までするようになっていた。


≪封印されし悪狐(あっこ)≫



一昨日、コンビニで「マクガフィン」の新パック、≪深淵の開戦≫を3つ買った際に当たったカードだった。

 D級だが、種類としては珍しい「封印(シール)」カードだ。

 単体では何の戦闘力も持たないが、条件を満たせば強力なモンスターへ「解放進化(リリースプロモーション)」する可能性を持つカード。
 解放後のカードを持っていないと何の意味も無いが……

(でも、ネットでいくら検索しても全然ヒットしない……何でだろう……
 一体どんなカードに進化するのか、知りたいのに……)

 おびただしい数のお札が貼られた石の壁。
 そこへ開いた小さな穴の中から、女性の口元だけが覗いている。そういうイラストだった。



 初めて話しかけられた時は驚きすぎて、何が何だかわからなかった。

『何なん? その動く絵。
 えらいおもろそやなぁ🧡 いっしょに観させてもろてええ?』

 どこかねっとりとした余韻を残す、美しい声。

 声が聞こえてきたのは、男子高校生が2043年夏アニメ「100万回転生した勇者」の1話をネット実況とともに視聴していた時だった。

 マクガフィンのカードは部屋の前に置かれていた昼食代が余ったから、ただ何となく買ってみただけのことだった。

 3パックとも開封後、(全部ハズレじゃん)と思って、机の上に放っておいた。
 声が発せられていたのは、確かに、その時に放置された≪封印されし悪狐(あっこ)≫のカードからだった。

(え? え?)

『いけずやなぁ🧡 あんさん、うちの「所有者」やろ?
 聞こえとるはずやのに。答えてくれてもよろしいやん🧡』

 高校生の声は緊張で出にくくなっていた。ここ数ヶ月はコンビニ店員としか会話していない。

「ぁ……ぇ……」

『くすくす🧡 あんさん、可愛らしなぁ🧡
 まぁ、一緒に観るくらいええやろ?🧡 減るもんでもなし🧡

 こうやって逢うたのも何かの縁や。宜しゅうたのむわぁ🧡』



 あれから一ヶ月が経った。

「……ああ、おもろいなぁ🧡
 うちも歳やさかい、こういうわかりやすい話のほうがすんなり頭に入って来るわ」
「あ、あはは……
 こういうのは……もう…20年くらい前からずっとトレンドで……」

 暗い部屋の中で明滅するモニターの光。
 男子高校生は≪封印されし悪狐≫のカードを、積み上げた教科書と資料集に立てかけ、一緒にアニメを視聴し続けていた。

 目が描かれていないのに、こちらの世界の様子はつぶさに視えているようだった。
 イラストに変化は無く、喋っている時も口は微笑みの形から微動だにしない。

 男子高校生は隙を見てはちらちらと、イラストの穴から覗く口を見つめていた。

 美しい唇はしなやかに、三日月のような弧を描いていた。「女性の美しさは口元に表れる」というが、ふっくらとして濡れた唇、白くきらめく肌、全てが尋常ではない。一体どんな容姿をしているのだろうと昼も夜も無く考えてしまう。

 もうネットの実況を見ることは無くなった。≪悪狐≫と話しているだけで十分楽しい。

 ≪悪狐≫は話のキャッチボールが実に巧みだった。何でもない話をした時も興味深そうに相槌をうってくれたり、自然に笑いを返したりしてくれる。男子高校生は自分がとても話し上手になっているような気分になった。
 何もすることがない時にはしりとりなどの言葉遊びをして楽しく遊んだ。

 声は若いが、恐らく自分よりかなり年上なのではないかと男子高校生は推察した。おっとりと余裕のある声色で、会話の手管から経験と頭の巡りの良さが伝わってくる。

 これまで関わりを持ったどの相手とも違っていた。どれだけ言葉を交わしても、自分を軽んじることも、傷つけてくることもない。
 いつしか、男子高校生は胸の奥に秘めた事柄まで打ち明けるようになっていた。

『……ふぅん、そうなんかぁ。「学校」ってところにずっと行ってないんか。

 要は、そこにおる同じ年ごろの奴らが坊んを小ばかにしてくるゆうことやろ? まぁ、辛いやろなぁ。

 それくらいの歳ごろやと毎日、狭い世界の中で格付けのし合いや。坊んみたいな心根の優しいもんはいのいちに下へ置かれるんよ』

 真剣な声音だった。初めて親身になって聞いてくれる相手に出会ったので、男子高校生は思わず自分の胸の内側が熱くなっていくのを感じた。

『……ええよ、あほらし!
 そんなところに行く必要なんてあらへん。ずっとここで、うちと一緒に「あにめ」観とこうや』

 そんなことを言ってくれる相手は他にいなかった。親も教師も、何のかのと言いながら、結局はまた学校に通わせようと導いてくるばかりだった。

「あ、ありがとう、『あっこ』……」

 頼りがいのある「お姉ちゃん」ができたようだった。

『いや、そやからそれは名前やあらへん……って、もうええか。まぁ、名前みたいな響きやし、あだ名として呼んでくれてええよ。

 それにしても……
 言いにくい事をこんなあけすけに話してくれて、おおきになぁ。勇気要ったやろ?

 ほんま、嬉しいわ。これでうちと坊んの絆はかなり深まったなぁ🧡

 ……うちもそろそろ、言いにくい話の打ち明けをしよか』

 アニメのエンディングが終わった。再生が終了してHDDの待機画面となる。

『ふふっ🧡 改まったみたいでなんや恥ずかしなぁ。

 うち、ほら、こんないかにも『封印されてますー』って絵柄やろ? 昔ちょっと色々あって、ずっとこの部屋の中に閉じ込められてん。

 狭いのやら暗いのやらはどうでもええけど……何にも食べられへんから、どんどん力が弱っていくんよ」

 男子高校生の両親は仕事に行っているため、昼間はいなかった。
 静まり返った家の中に悪狐の声だけが響く。

『うちには、力を保つためにどうしても飲まなあかんもんがあってな?

 まぁ、婉曲的な表現を一切抜きで言うと……それは、人間の男の精液やねん』

 悪狐の口からまろび出た言葉は、高校生の脳にはうまく入り込まなかった。

『人間の、男の、精液🧡』

 「せ」、「い」、「え」、「き」。耳の中に貼りつく四文字。

『でな……ここからが本題や🧡 今言ったモンは奇遇にも、ずっと一緒におる坊んの、股の下についとる袋の中でも毎日毎日作られとるやろ?🧡

 そやから……』

 ≪悪狐≫の口端が、淫靡に歪められた気がした。

『もし余っとるようやったら、分けてもらうことって、できひんかなぁ?🧡

 うちも居候の身で、こんなお願いまでするのはあれやけど……

 ……なぁ🧡 後生やさかい🧡』

 声が近づいてきた。

(え!? え!?)

 男子高校生は恐怖してカードを見つめた。まるでアニメーションのように絵柄が動き、穴と悪狐の口が自分の側へ近づいてきている。1歩分。2歩分。男子高校生は自らの背を、成長して少し低くなった椅子の背もたれに動揺して押しつけた。

『こんなこと、気心が知れた後しか頼めんかってん🧡

 お願いや🧡 この、「開いてるとこ」に放り込んで、あとは全部うちに任せとけばええから🧡

 ……な?🧡 ペットに餌やりでもする思て、うちにご馳走してぇな🧡』

「うわっ!♡ うわぁっ!♡」

 男子高校生は思わず声を上げてしまった。

 近づいた口はもう、カードの枠内いっぱいになるまで近づいていた。
 無限に近しいフレームレートで開かれていく。
 
 ……かぱぁ🧡

「うぁっ!?♡ えっ!♡ ちょっ!?♡」

 長い舌は唾液にぬめり、ぶらんぶらんとカードの外で、実際に質量を持って揺れていた。
 もはやそれは「イラスト」ではなかった。

 2次元から突き出て、確かな実体を持って開かれた口。
口唇の奥に確固とした奥行きの空間がある。間違いなく、生きた女性の「口」だった。

 カードが、持っている高校生の手をぐぐっと引っ張るような形で、下へ動いていく。

 静止した位置は完璧に、狂いなく――

 高校生の性器の位置と全く同じ高さだった。
 ズボンとパンツを通り抜けて吐息の温かさを感じてしまうポジションへ備えつけられる。

『あ~~~~~~~~~~~~~~~~ん🧡🧡』

 意味がはっきりと頭へ伝わる。

「ひイイィィィ~~~~~!!!♡♡」




🚸🍑👨‍⚖️🚸🍑👨‍⚖️🚸🍑👨‍⚖️🚸🍑👨‍⚖️


 っっ…………―――

「うぅっ……クソッ!♡」
(何だ? 何なんだ!?)

 頭を振り、困惑しているのは20代後半の男。

(こいつ……
 プロである俺に『収戯(ゲーム)』を申し込んできて……)

 男は公式大会で3年連続上位入賞を果たしたことで、昨年から企業と契約して、「マクガフィン」二次リーグの選手となっていた。
 顔つきと運動不足の見た目と、ワックスで固められた茶髪がアンバランスだった。

 男は辺りを見回した。

 敵の宝庫は「魔の公園」。
 禍々しい形の遊具が数々並んでいる。棘付きの鉄棒、現代芸術のように歪み尽くしたジャングルジム、足場が刃で、振り子の処刑器具のようなブランコ――

「きゃははは♡」「きゃはははははは♡ こっちだよぉ~♡ おにいさん♡」

(うっ♡ こ、こいつらぁ……♡)

 何が何だかわからなかった。普段ならモンスターは「センシティブ除外フィルター」で、公序良俗に則した姿でしか実体化できないはずだ。
 それが――

「こっちこっち~♡」「おしりにタッチしてぇ~♡」「おしり鬼だよぉ~♡」

 見た目6歳くらいの幼女たちが、全裸で男の周りを駆けずり回っている。

(こ、こんな……お、俺は……ロリコンじゃないのに……ひっ♡)

 幼女たちは人間ではない。3体「召喚」されている。すべすべの褐色の肌、尖った耳、猫のような瞳。それでいて恐ろしいほど目鼻立ちが整っている。外人のキッズモデルが特殊メイクをして、さらにCGで修正されていると説明されればようやく納得できる。

 背も低く、歳相応な寸胴体形だが――あきらかに一ヶ所、臀部だけ肉つきがふっくらとしていた。いけないとわかっているのに、視線がそこへ一目散に向かってしまう。

 左右とも大きく、スペースが足りないと言うみたいにみっちりと隙間が詰まっている。
 「尻」は哺乳類の雌が雄の意識を引きつけることを目的に発達した器官だ。
 こんなに見た目が幼いのに、尻だけが男を誘引する可食部分の匂いを放っている。

 3匹とも、その高級桃のような部分の価値を明白に熟知していた。男の視野へその艶めかしいチョコレート色を塗りたくるように、フリフリ♡ フリフリ♡と動かしていた。いやらしすぎるお遊戯のリズムで。

(うぅっ……な、何だよ、このカード……♡
 本当に、公式のカードなのか……!?)
 
 男は説明用にポップしたカードを見つめた。
 ≪お尻振り振り魔妖精(リャナンシー)≫。アンロックカード。
 美しい全裸の褐色幼女が猥褻なお尻を左右に振っているイラスト。どこもかしこも一切修正が入っていない。こんなものは市販のカードではありえない。

(改造カードか!?
 そんなプレイヤーと戦った履歴なんて残ったら、後で問題になるかも……
 いや、で、でも、実体化してるってことは……「マクガフィン」に認識された公式の……
 い、いや、でも……相手のプレイヤー、今思うと怪しすぎだったし……AIみたいな喋り方で……

 とにかく、何もかも異常過ぎる……A級財宝カードに釣られたけど……収戯なんて受けなきゃ良かった……)

 男の頭の中で雑念がぐるぐると回る。そして、目はずっと、左右にぷりぷりと揺れまくる3つの女児のお尻を見続けてしまっていた。

『≪ARCH-T型 土管戦車≫召【喚】』
 キュラキュラというキャタピラ音とともに、迷彩柄の戦車が出現した。急加速して男に迫る。砲身はコンクリートの土管になっていた。

『「ドカン砲」』

 ゲームボードの向こうからの宣言とともに、必殺技が発動する。火薬の濃い臭いが広がり、至近距離に巨大な砲弾が射出された。

 男の体から冷や汗が吹き出した。体に届く寸前の所で辛うじて宣言し終わる。

「≪断罪の戦乙女(ヴァルキュリア)≫! ぼ、防御!!」

 分厚い剣が砲弾を割った。真っ黒い砲弾が半月型に分断された後、2片同時に後方で炸裂する。禍々しい形のシーソーと滑り台が吹き飛んだ。

 男の目の前に現れたのは、切り札の1枚、≪断罪の戦乙女(ヴァルキュリア)≫。

 全身を鋼の鎧に包んだ女性型のモンスターだ。背丈は男より頭一つぶん高い。長大な剣を持ち、ブロンドの髪が兜の隙間から流れていた。顔は格子状の顔甲に覆われて見えない。A級レアカードだ。

(あ、危な……

 だ、大丈夫だ……! 見たことのないカードが多いが、多分、構築も、プレイングも俺のほうが強い……

 他の財宝カードは惜しいが、もう相手のA級財宝カード≪究極の泥団子≫は収奪した……!

 ここで相手のライフを無理やり0にして、収戯を終了させれば……)

 男はゲームボードの駒とカードの配置に目をやり、自分の「神殿」宝庫に意識を集中した。

(お、俺はこれでもプロなんだ! 二次リーグの末席だけど……年間獲得賞金50万円だから引っ越し屋のバイトと掛け持ちしてるけど……

 こんな得体の知れないプレイヤーに、負けるわけが無い!)

「≪勝利の英雄 ジークフリート≫でプレイヤーに攻――」

 ぷりーん!!🤎🤎

 

 何も見えなくなる。

 鼻先に、みっちりとした「おケツ」が突き出された。

「うわっ!? うわぁぁっ!!!♡♡」

 攻撃宣言を途中で中断してしまう。

 1匹がふわりと、羽根も無いのに空を飛んでいた。鼻に香ばしい香りが伝わってくるような位置までお尻を差し出している。

「ねぇ🤎 おにーさん🤎🤎」
「あたしたちとあそぼーよー🤎🤎」

 残りの2匹が両耳に囁いてきた。

「このターンは、あたしたちに『こうげき』してぇ🤎」
「おにいさんがじぶんのからだで、すきなように『こうげき』して🤎」

「え!? え!? え!?」

 あまりにも大きく、近いので、視線を逸らせずじっくりと視てしまう。こんな子供の尻を……幼い尻を……♡ 絶対駄目だと思いながら、肉のふくらみと隙間に意識が吸い込まれてしまう。
 すごい……ほんと……♡ こんな……体に不釣り合いなデカ尻……♡

 プレイヤーもゲームに存在する要素の一部であるため、ルール上、相手従者カードに「攻撃」を行う権利も与えられている。
 しかし、プレイヤーはあくまでただの人間であり、どんなに弱いモンスター相手でも戦闘で勝つことは困難だ。最終手段として与えられている権利と言っていい。

 そして、その攻撃方法に制限は無い。
 宣言後は相手のモンスターは無防備になり、気のすむまで攻撃を行える。

「ほぉ~ら🤎 わかりやすいように、ちかくにおいてあげる🤎」

 尻が男の目の前から降りていき、股間のすぐ前に到達した。

「ひっ!!♡」

 男より圧倒的に細い幼女の腰が、腕を伸ばせば届く位置までやって来る。
 股間の1cm先には、ぷりんっ🤎 っと突き出された褐色の桃。豊かな丸み。

「ほらぁ🤎 バトルしよ🤎 あたしのおしりとぉ、エッチなバトル🤎
『ぱん、ぱん、ぱん🤎』 って……ね?🤎」

 ≪お尻を振る魔妖精(リャナンシー)≫はその名前通り、小さく、リズミカルにお尻を左右に振った。
 ふりっ🤎 ふりっ🤎 ふりっ🤎 ふりっ🤎 ふりっ🤎
 生じた風が、男の股間に当たる。
 
「う゛ぅっ!!♡♡」

 男は脳がぎゅうぅっと引き絞られる思いがした。

 視てはいけないのに注視してしまう。幼女の股には、ぴっちりと閉じた割れ目があった。恥丘には産毛が生えている。
 昔は銭湯などで、他人の家の女児のそれを男性が見る機会もあっただろうが、今はそんな時代でもない。

(お、俺はロリコンでも、ペドフェリアでもないぃ……♡

 で、でも、この、お尻♡ お尻があぁぁ♡♡

 こ、これを逃したら……こんな機会、他では……♡♡)

 男の頭の中に様々な考えが湧き上がってしまう。
 通常の「マクガフィン」では「センシティブ除外フィルター」によってこんな行為は絶対に行えない。しかし、今は――
 見ているのは得体の知れない相手の男だけ。この3体の幼妖精は、法律の及ばないただの「カード」。

(お、俺はプロだから……♡ た、たぶん、このターン攻撃をやめても、かて、かてるはず……♡

 お、おとなだから……♡ 例えカードが相手でも……やっちゃいけないこと……だけど……♡

 だ、誰も見てない♡ 誰も♡ 誰も♡ 誰も……♡)

 男はもはやA級財宝カードのことも、収戯のことも忘れ、幼女の腰に向かって震える腕を伸ばしてしまう。
 
 そんな中でただ1体だけ、主人である男に冷然たる目線を向けている存在がいた。
「……」


 

 ⚪🟢🟣🔴🔵⚫⚪🟢🟣🔴🔵⚫



 ……かぽぉっ💜
 ……にゅぐるるる……💜💜 ぐぢゅるるるうぅうぅぅぅぅぅぐちゅぐちゅぐちゅ💜💜 ぎゅぽ💜 ぎゅぽ💜

「あおほおおおおおおおおぉぉおおおぉぉぉ~~~~~~!?!?!?♡♡♡」

 小太りの青年は、狭い管理室の中で吠えた。

 ≪ネッチョリ貪るサキュバスホール≫を陰茎に、根元まで突っ込んでしまった。

 得体の知れない「カード」を実体化させ、その中に自分の大事な物を突っ込む。抵抗感と忌避感が強すぎるため、ゆっくりと挿れるつもりだったが――入り口を抜けたところで中がひとりでに動き、一気に最奥まで咥え込まれてしまった。

「ひいぃぃぃっ!!!???♡♡ ひっ!!!♡♡ ひっ!!!♡♡ ひいいぃぃぃぃぃぃ!!!!♡♡♡」

 青年は本気の悲鳴を上げた。

 挿入した瞬間に上下関係がしっかりとわかった。
 童貞ペニスで圧倒的上位の捕食口の中を検分させられる。
 上も下も右も左も、全てが未知の感触だった。知っている中で一番近いのは生肉だったが、温かく、ネバネバとしている。

「だべっ♡♡ だべえぇぇぇぇぇぇ♡♡」

 そして何か、得体の知れない力を放っている。熱でも音でもないネットリとした何かが、おでんの出汁がハンペンに次々しみ込むように、ペニスの内部へ入り込んでくる。
 どんどんそれが強まって来る。おちんちんの内部がぐじゅっぐじゅにされていく。まずいと思うのに、マウストラップにかかったネズミのように、「しまった」と思うだけで前進も後退もできない。

 そして完全に「力」に負け、ペニスのコントロールを失い、それが始まってしまう。

 ――びゅううぅぅぅぅ~~~~~~~っ💛💛 びゅっ💛 びゅっ💛 びゅっ💛 びゅるるるるるるぅぅぅぅぅぅ💛💛💛💛💛

「おっ!?♡ おおおぉぉ~~~~~~~♡♡♡」

 尿道へ一片も力の入らない射精を行ってしまった。
 挿入しただけ。挿れた後は一回も摩擦を行っていない。

 そして……

 ぐちゅぐちゅぐちゅ💜 じゅるるるるるるる💜💜

「ひいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!♡♡ あっ♡♡ あっ♡♡ あっ♡♡ ああぁぁぁぁ~~~!!!♡♡♡」

 筒内が、今しがた精を放ったペニスに向けて、意地汚い子供がチューペットの残りを絞り出す時の動きを加えてきた。中は一切力が入っていなかったので、精子が一匹も残らず外へ追い出されるような心地がした。
 その動きとともに、青年は、筒の内部がとても起伏に富んでいることを思い知る。ヒダが非常に多く、男にとって危険な構造をしていることがわかる。(こんなもの、とてもじゃないけど自力じゃ動かせない……♡)青年は背中にべっとりと脂汗をかいた。

 精液を全部搾り切った後も、内側の複雑な面が妖しくざわめいて、青年のペニスをねっちょねっちょと「咀嚼」した。

「ひイイィィィ~~~~~♡♡」

 まさに≪ネッチョリ貪る≫だ。これは次の一口を搾り出すための準備なのだと明瞭に知れる。
 
『オナニーを始めましょう。

 しっかりと握り込んでください。前後に擦ってみましょう』

 青年の耳の奥から声が聞こえてきた。

 例の女の声だった。学校のリスニングCDのガイド音声のような淡々さ。しかし、従えるわけがないと青年は思った。
(……無理♡ 絶対無理ぃ♡)
 キュウキュウに狭く、凹凸もエゲつなさすぎる。糊でも分泌しているのではないかと思うほど粘っこい。そして内部では見えない力が放射され、ペニスが触れているだけでずっと気を失いそうだ。
 肉壁がネッチョネッチョとペニスの周りで動き続けている。大人しくしているしかない。波一つ無い状態と、嵐で荒れ狂っている状態とでは水中の抵抗がまるで異なる。こんなもの、どんな速度で、どう擦ったとしても、陰茎がとんでもない目に遭ってしまう。

『それでは、オナニーサポート、「ネッチョリサキュバスのおチンポ喰い」を開始します。

 「ほぉ~~~ら💜 ぼくちゃん💜 しっかり握ってぇ~~~ん?💜💜」』

(!?)

 耳の中の声が急に、湿度の高い妖艶な女の声色に変わった。
 熱演すぎて、よく注意して聞かないと、さっきまでの無機質なアナウンスと同じ声だと気付かない。

 ぎゅっ……!!♡

「!?!?」

 青年は、自分の五指が、手形がつくほどサキュバスホールを握りしめたことに驚愕した。

『「いくわよぉ~~~ん?💜 栄養たっぷりの童貞精液、サキュバスの穴の中に、たっぷりごちそうしてぇ~~~ん💜💜💜

 いいいぃぃぃ~~~~~~~~~~~~ち💜💜」』

 ずりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅ💜💜 ずりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅ💜💜💜💜


「――――――!?!????!!!!♡♡♡♡♡♡♡」

 青年の視界が一片のシミも無く真っ白に染め抜かれた。

 手が、オナホールを力強く握り込んだまま、ペニスの先端まで動き、根元まで戻った。上下に一往復。穴の中の小突起がその運動エネルギーと連動するように、青年のペニスの弱いところ全てを四次元に擦り尽くした。

 想像を絶する旅路だった。青年は、例え自分の射精括約筋が千年間のトレーニングを積み、地球1位の射精耐久力を獲得していたとしても、こんなものに抵抗することは不可能だと思った。
 一瞬でタガが外れ、射精が始ま――

『「にいいぃぃぃぃぃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~い💜💜💜」』

 ずりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅんりゅんりゅんりゅんりゅんりゅん💜💜💜💜

「!?♡ お!???!?♡♡ ほ!?!???!?♡♡」

 青年の下半身は完全に降伏宣言をして、お尻が安楽椅子の座面から30cmも離れていた。その状態で、追撃の2ズリ目を行ってしまう。
 自分の手が、自分自身に耐え難い不意打ちを行った。青年はわけがわからなかった。

『「さあぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~ん💜💜 しいぃぃ~~~~~~~~~~~~~~~い💜💜」』

 ずりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅ💜💜 ずりゅりゅりゅりゅるるるるるるるるるるるるる💜💜💜💜

「!?!?!? ほきょおおぉぉぉおおっ♡ おっ♡ おっ♡ おっ♡ おっ♡」

 青年は口を大開きにして吠え声を上げた。腰がアーチのように反り返る。床に爪先をぴーんと伸ばす。そこでようやく予期していたものが、腰の完全な崩壊とともに始まった。

 びゅうううぅぅぅぅううぅぅぅぅううぅぅぅぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!💛💛💛💛💛 びゅるるるるるるっ!!!💛💛💛💛 びゅぐるるるるるるるるるるるるるるるるるる!!💛💛💛💛💛

「おっ!?♡♡ おっ!?♡♡ おっ!?♡♡ おっ!?♡♡ おっ!?♡♡」

 脈動に合わせて腰が、ばね仕掛けのように跳ね上がる。

 じゅるるるるるるるるるるぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ💜💜💜💜

「お゛お゛おおぉぉぉおおぉぉぉお~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」

 青年は、今度は逆に、腰を全力で引いた。吸い尽くそうとしてくる中の動きがあまりに耐え難かった。お尻が背もたれの付け根に深く食い込んだ。
 空腹の動物が給餌パイプからご馳走を啜り取ろうとするようだった。射精終わりかけのペニスを念入りにねぶり尽くされる。

『「……何これ?💜 うっすい精液ねぇ~💜 
 でも、根性の無いオナニー好きの味がするから、私たち仲良くなれるかも💜 
 じゃ、続き行くわよぉ~?💜

 ごおぉぉ~~~~~💜 ろぉぉおぉ~~~~~く💜 しいぃぃ~~~~~ち💜💜」』

 ずりゅりゅりゅりゅ💜💜💜 ずぐちゅちゅちゅちゅ💜💜💜 ずりゅずりゅずりゅずりゅずりゅ💜💜💜

「ほぎょおおおぉぉぉおおおぉぉ♡♡♡ おッ♡♡ おッ♡♡ おっ♡♡」

 青年の首はがくんと後ろに折れた。後ろ側の壁が見える。その状態で腰がホップアップする。
 射精したてのペニスが萎えず、精液もすぐ金玉の中に充填される。しかしそれは、大災害の起きている町で夏に桜が咲いたくらいの些末なミステリーだった。

『「はち💜 きゅう💜 じゅう💜 じゅういち💜 じゅうに💜」』

 ずるるるるるっ💜 ずるるるるるるっ💜 ずずずずずずずずっ💜 ずるるるるるるっ💜

「!?!?♡ !!!!!♡ !!!?!?!?!♡♡ !!!!♡♡ !!!!♡♡」

 手が声に合わせて運動してしまう。止まらない。
 左車線の車の中でブレーキを踏んでも右車線の車の速度が変わらないのと同じ。腕の駆動系の線が、別の動力源に繋がれてしまっている。そしてその動きは、耳の中で鳴る上下カウントに連動していた。

『「じゅうさん💜 じゅうし💜 じゅうご💜 じゅうろく💜 じゅうしち💜」』

 ずぽっ💜 ずぽっ💜 ずぽっ💜 ずぽっ💜 ずぽっ💜

「ああぁぁぁぁぁああぁぁ~~~~~~~~~♡♡ うおおおぉぉおおぉおおおおおぉぉおお~~~~~~~~~~ん♡♡♡」

 青年はぐいっ、ぐいっと、オナホールに引っ張られるように腰を何度も何度も上に突き出さざるを得なかった。自分の腕が、こんな筋力がどこにあったのかと思うほど、頼りがいのある力でペニスをしごく。

 中の感触は、美麗に表現すれば万華鏡のようだった。絶えず回転しており、わずかな傾きや指の力の入れ具合によって擦れる感触が別物に変わるので、何度シゴいても慣れることができない。常に予測不能な刺激をチンポに与えた。
 桁違いだった。青年は今まで十数本の市販オナホールを経験してきたが、もはや同じ物としてに呼んでいいかも疑わしい。これと比べれば通常のオナホールは、ペニスにただ空気を纏わりつかせているのと同じだ。

 びゅるるっ💛 びゅるるるるるる💛 びゅぐんっ💛 びゅぐんっ💛 びゅぐんっ💛 ぢゅるるるるっ💜

『「じゅうはち💜 じゅうく💜 にじゅう💜 にじゅういち💜 にじゅうに💜 にじゅうさん💜」』

 じゅぽっ💜 じゅぽっ💜 じゅぽっ💜 じゅぽっ💜 じゅぽっ💜 じゅぽっ💜

 びゅるるるっ💛 びゅぐびゅぐ💛 びゅるるるるるる💛 びゅくっ💛 びゅくっ💛 びゅくっ💛

 青年の腰が何度も何度もびくつき、中に精液を放ったことを、他に誰もいない「管理室」の中へ示す。まるで幾度もヒットを示す爆釣中の釣り師のようだった。竿に食いついた獲物は、自分の手で延々動かし続けているわけだが……

 もう何回も、金玉を閉店セールにするような射精を行っている。しかし全く商品が尽きる気配がない。明らかに異常なことが青年の体に起きていた。
 不吉な感覚もある。これはただ気持ちいいだけの行いではない。第一、こんな邪悪な感触をしている物体が、人間に害をもたらさないわけがない、と青年は泣きそうになりながら思った。

(ぬ、ぬ、抜かないとっ……♡ 逃げないとっ……!!♡)

 青年は先ほどの、アナウンスの声を思い出した。「一度挿入したら使用した扱いとなる」。

 自分で挿れたのだ。自分の意志で抜くこともできるはずだ。これは間違いなく個人の資金で引き当て、所有している「道具」なのだから。
 声に合わせて扱き続けようとする自分の腕の、ペニスの先端に向かっていく方の動きに合わせて力を加え、何とかオナホールから逃れようとした。
 抜けつつあった最後の時、入り口にカリ首がくいっ💜 っと引っかかる。

「う゛ぅっ♡♡」

『「……あら💜 おイタはだめよ、ボクちゃん💜 ねぇ、戻ってきてぇ~~~~?💜💜」』

 ウネウネウネウネニュルニュルニュル💜💜 クリクリクリクリクリクリクリクリクリ💜💜 グニグニグニグニグニグニグニ💜💜

「!?!?!?!?! おおおおおぉぉぉおおぉぉ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

 カリ首の溝の部分へ、そうするために配置されていたかのように、リンク状に生えそろった柔突起が残らず入り込んだ。
 そして再び奥へと誘い込もうと、一同勢揃いで涙が出るほどの「説得」を行ってきた。

 再び奥へ突き入れればさらに甘ぁい快楽が与えられると語り掛けてくる。

「だめっ♡ だめえぇぇぇえぇっ♡ 手っ♡ 戻っちゃう゛♡ もどっちゃうよおおぉっ♡ お゛おおぉおおぉお゛おお♡♡」

 柔らかい素材が亀頭に纏わり、ぐいぃぃ~~~~っ💜 っとペニス先端に食らいついたまま伸び続ける。

『「戻って来て?💜 オナニーの続きしましょうよぉ~~~~ん💜 今日は『はじめまして』の会なんだから💜 もっともっとご馳走してぇ~~~💜」』

 じゅるるるるるるるるるるるる💜💜 るるるるるるるるっ💜💜
「ああぁああぁあぁあぁ~~~~~~~~~~~~~~~♡♡」

 重力に逆らえないリンゴのように手が戻っていく。心が折れた瞬間、じゅっぽん!💜 と音を立てて、白い筒がペニスの根元に戻ってしまった。嬉しそうに、粘肉全体がぐっちゅぐっちゅと肉竿全体を貪った。
「うひいいぃぃいいぃぃぃ~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡」

『「それじゃ、続き行くわよぉ~ん?💜
 誰にも気兼ねせず、気持ち良さに浸れるのがオナニーの一番いいところ💜 たくさん射精して、最高のマスターベーションにしてねぇ~~ん💜
 ……にじゅうよん💜にじゅうご💜にじゅうろく💜にじゅうしち💜にじゅうはち💜にじゅうきゅう💜さんじゅう💜さんじゅういち💜さんじゅうに💜さんじゅうさん💜さんじゅうよん💜さんじゅうご💜さんじゅうろく💜さんじゅうしち💜さんじゅうはち💜さんじゅうきゅう💜よんじゅう💜よんじゅういち💜……」』

 読み上げの声があまりに色っぽく、吐息が脳へ絡みついてきて、それだけで十分なオカズとなってしまう。
 手がカウントに合わせ、オナホールを掴んだまま上下し続ける。
 ひとつひとつの数字が絶望的な結果をもたらす。頭が声に従ってしまい、ゴシゴシと力強いシゴきになってしまう。

 青年の両脚は150°くらいに開き、腰より高い位置に上がったり下がったりした。
 ペニスが、何度も連続で、凹凸の多いネッチョリ穴を通り抜け、その破滅的な威力を前にぐじゅぐじゅにされる。
 

 びゅるるるるるる💛 びゅくびゅくびゅく💛 びゅっびゅっ💛

 びゅっ💛 びゅるるる💛 びゅるるるる💛 びゅくっびゅくっびゅくっ💛

「~~~~~ッ──♡♡」

 青年は何か物を考えるどころではなかった。こんな経験などしたことがない。がっぽがっぽ💜 とこの世ならざる魔のオナホールで肉棒をシゴき5秒おきくらいに濃厚な射精が起き続ける。
 通常はたった1回で脳が白熱し全ての思考が奪われてしまうほどの大量射精の快感を、次から次へ、わんこそばのお代わりのように頭の中へ注がれる。
 目は部屋のあらぬ方向を向き、足の指が湯に投入したパスタ麺のように開いて、膝が何度も伸びきった。

『「ごじゅうはちごじゅうきゅうろくじゅうろくじゅういちろくじゅうにろくじゅうさんろくじゅうしろくじゅうごろくじゅうろくろくじゅうしちろくじゅうはちろくじゅうきゅうななじゅうななじゅういちななじゅうにななじゅうさんななじゅうしななじゅうごななじゅうろくななじゅうしちななじゅうはちななじゅうきゅうはちじゅうはちじゅういちはちじゅうにはちじゅうさんはちじゅうしはちじゅうごはちじゅうろくはちじゅうしちはちじゅうはちはちじゅうきゅうきゅうじゅうきゅうじゅういちきゅうじゅうにきゅうじゅうさんきゅうじゅうしきゅうじゅうごきゅうじゅうろくきゅうじゅうしちきゅうじゅうはちきゅうじゅうきゅうひゃくひゃくいちひゃくにひゃくさん💜💜💜……」』

 耳の中の声はアナウンサーも顔負けの活舌で、数字を怒涛の勢いで読み上げていく。ひとつひとつに0.5秒もかかっていない。そのたびにごっし💜 ごっし💜 と腕が動く。逆らうことができない。

(止めっ……♡ 止めてぇええぇぇ~~~~♡♡)

 何度も何度も擦りすぎて、中のぬめりが泡立ち、壮絶な粘り気になっていた。水気の少ないゲルのような「ぐちっ💜 ぐちっ💜」っという音がした。

 延々ずっと、薄暗い管理室の中へ、超高速テンポのメトロノームのような凶悪オナニー音だけが鳴り続け――


 ――『「……さんまんさんぜんいち、さんまんさんぜんに、さんまんさんぜんさん、さんまんさんぜんよん、さんまんさんぜんご、さんまんさんぜんろく……

 …… はぁい💜 じゃあ、今日はあくまで「お試し」ってことで、これくらいにしといてあげるわぁ~ん💜 『残り汁』だけ頂戴ねぇ~ん?💜」』
 ずちゅ💜 ずちゅるるるるる💜 ずずずずずずずぅうううぅぅぅ~~~~💜💜

「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

 最後の最後に尿道の中を残らず綺麗にする吸引を与えられ、青年の後頭部が首の裏側に深く押しつけられる。ようやくカウントが止まった。

「っ……♡ っ……♡」

 青年は喉が涸れ切っていた。呼吸も絶え絶えだった。
 脚は上げ下げを続け過ぎて、ふくらはぎや太ももの裏など、いたるところの筋肉が攣りまくっていた。腕にもたっぷりと乳酸が溜まっている。足裏が力なくべたんと床につき、安楽椅子の背もたれにがっくりと全体重を預けた。
 全身がびっしょりと汗に濡れ尽くしていた。

 結局、3時間以上オナニーを続けていた。

 青年はもう、体中どこも動かせないほど疲れ切っていたが、このまま挿入していると中の壮絶な心地でまた射精してしまいかねないので、何とか腕に力を入れ、オナホールを上に持ち上げた。

 ……ずるるるっ💜 ぐちゅぐちゅぐちゅ💜 ぐちゅちゅちゅちゅちゅちゅ💜💜

「う゛うぅっ……♡」

 青年はうめき声をあげた。中はもうペニスに対する執着を失くし、動きも収まっていたが、それでもわずかに擦れるだけで気を失いそうになるほどの摩擦が返って来る。

『「気をつけてねぇ~~~ん?💜 そこから射精したり、腕を戻しちゃったりしたらぁ~ん💜 また「食事」が始まったのかと思って、オナニーの『2周目』が始まっちゃうのよぉ~~~ん?💜
 また3万回のオナホール素振り、頑張ってみるぅ?💜」』

「ひいいいぃぃぃい~~~~~~~~~~~~~っ!♡♡」

 ……ずるるるるるるるるるるっ💜

 青年は恐怖によって二の腕に渾身の力を込め、オナホールを引っぱった。

 ……ぢゅっぽん💜💜

 いやらしい音を立てて、ようやく白い筒がペニスから外れた。
 青年の腰と肩ががくっと落ち、より一層深く背もたれへ寄りかかった。

 ペニスからむわぁ……♡ っと、湯気が立っている。泡立った粘液に塗れてワックスがけ中の車のようになっており、外気に当たってひんやりとした。べっとりと厚く、洗っても容易には取れそうにない。

 ≪ネッチョリ貪るサキュバスホール≫の中もほかほかと、温泉のように湯気が昇っているが、精液が中に溜まっている様子は全く無かった。今の間で自分がもう1人作れるくらいの質量分は射精したはずなのに。一体どこに消えてしまったのだろうと青年は空寒く思った。

 青年はカラカラの喉で荒く息をついていた。
 何だか、始める前と後とで自分の体の中の感覚がどこか違っていた。精液というのとは別に、ほんの僅かに、何かが目減りしたようなことが伝わって来た。だが、単純に射精と凶悪な快楽に3時間晒され続けたことで思考力も体力も尽き果てていたので、判断もつき辛かった。

(や゛、や゛っと終わった゛……♡ も、もう゛だめ……♡ も゛う無理……♡ 一生分のオナニー × 10回分くらいを……この3時間でやった……やり終えた……♡)

 超常的なオナニーを終え、フルマラソンを走り切った後のように思考がまとまらない。
 しかし、何とか終わったのだ。虚空を見つめながら、乱れ切った息を整えようとする。あと数時間は椅子から立ち上がれそうにない。


 ……グルルルルルルルルルルルルル💚

 猛獣のうめき声が聞こえて、青年は我に返った。
 首を振って辺りを見回す。声がした場所は近い。まさに今、オナホールが立ち並んでいる机の上から……

 ……ガオオオオオォォォ!!!!💚💚

 動物園でしか聞けないような吠え声とともに跳び上がったのは、蛍光緑色のオナホールだった。

 そのまま物理法則を無視して、ミサイルのように青年の股間へ向かった。青年は疲労困憊で、ほとんど反応することもできなかった。

 じゅるるるるるるるるるるるるるる!!💚 ぢゅぽんっ💚

「うお゛っ!!!!???♡♡」
≪モンスターホール -搾精怪筒VS人類-≫


『では、次のオナニーサポートを始めさせていただきます。

 続いては『猛獣オナホールとのバトル実況』です。

 ――「さぁ💚 油断したペニスに食らいついたのは一頭の凶暴なモンスター💚 獲物は目を白黒とさせています💚」』

 切り替わった女の音声は、先ほどまでとは打って変わって、ショーの興奮を迫真の声音で伝えるナレーターのようだった。

『「射精したばかりのペニスを出しっぱなしにして、ぷぅんと美味しそうな匂いを放っているからこんなことになるんですねぇ💚

 速く逃げないととんでもないことになるでしょう💚 今食らいついたそのオナホールは、おちんちんの絶対的捕食者💚 腕利きのハンターが束になってかかっても敵いません」』

 青年は陰茎表皮で筒の内部構造を感じ取り、背筋が寒くなった。
 この中――さっきよりもよっぽど溝が多くて、ギザギザに波が立っていて……

『「あぁっと!?💚 大変💚 逃げてぇ!💚」』

 ――じゅッぽ!!💚 じゅッぽ!!💚 じゅッぽ!!💚 じゅッぽ!!💚 じゅッぽ!💚 じゅッぽ!💚 じゅッぽ!💚 じゅッぽ!💚 じゅッぽ!💚
 ジュルルルルルルルル💚 ぐぢゅるるるるるるるる💚💚

「!? あオ゛オオオォォオオオオオ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!?!?!?!?!?♡♡♡♡」

 青年は両腕も両脚も振り上げ、安楽椅子が倒れてしまいそうなほど後ろにのけ反り、遠吠えのような声をあげた。

「だ(駄目♡♡)!!!!♡♡     ご(これ♡♡)!!!!♡♡ ど(止べで♡♡)       !!!♡♡♡ どべ(止べでえぇぇえ~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡)」

 序盤しか声を発することができない。言葉を成そうとするたびに「じゅぽっ!💚」と擦られ、中断せざるを得なかった。

 わけがわからなかった。黄緑色の怪筒から、残像が見えるほど高速でペニスを上下されている。内部はキツめの口径で、たっぷり生えそろった弾力高めの溝がぎゅるるるるるるるっ!!!!💚💚💚 っと回転したり、中で何段締めかにしている狭所の部分がぐぽぐぽ💚 と壮絶に擦れついたりしている。その上でごっしごっし💚と、ペニスを食い千切ろうとしているように全体が上下運動してくる。

 びゅるるるるるるるるるっ!!!!!💛💛 びゅぐっ💛💛 びゅぐっ💛💛 びゅるるるるるるる💛💛

「~~~~~~~~~~~~~~ッッ♡♡」

 食べられている獲物が為すすべなく血肉を捕食者へ捧げるように、青年のペニスも大きく脈動をして、円筒状の捕食者へ精液を捧げた。

 ――じゅッぽ!💚 じゅッぽ!💚 じゅッぽ!💚 じゅッぽ!💚 じゅッぽ!💚 じゅッぽ!💚 じゅッぽ!💚 じゅッぽ!💚 じゅッぽ!💚

 しかし、そんな降伏などただの自然の摂理で当たり前のことだとでも言わんばかりに、オナホールの上下は全く止まらない。その力強さたるや青年が絶望感すら覚えるほどで、体長10mの透明なゴリラの怪物か何かに筒を握られ、全力で振り立てられているようだった。

 まさにそれは猛獣の本気の食事を思わせた。往復の力強さもそうだが、中の動きの複雑さも容赦がない。ペニスから0.001秒でも速く精液を吐き出させることに特化している。

 びゅるるるるるるるっ!💛 びゅるるるるるるるるる!💛

『「さぁ、精子を賭けた戦いが今始まりました……!💚
 凶暴な搾精運動は、まさに全てのオスの天敵💚

 果たして、この哀れな獲物は、モンスターホールに抗うことができるでしょうか!?💚」』

 じゅッぽ!💚じゅッぽ!💚じゅッぽ!💚じゅッぽ!💚じゅッぽ!💚じゅッぽ!💚じゅッぽ!💚じゅッぽ!💚じゅッぽ!💚ジュルルルルル!!💚💚ジュルルルルルルルルルルルッ!!!!!💚💚

 びゅるるるるるるるるっ!!!!!💛💛 びゅぐびゅぐびゅぐ!!!💛💛 びゅるるるるるるるる!!!!💛💛 びゅぶっ!!💛💛 びゅぶっ!!💛💛 びゅぶっ!!💛💛

「う゛あ゛~~~~~~~~~~~~!!!!♡♡ う゛っ!!♡♡ う゛っ♡♡ うお゛おぉおおぉほおぉおぉお~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

 「バトル」と呼ぶにはあまりに一方的すぎる事象が起き続けていた。ハブ対マングースどころではなく、アリ対アリクイ。

 青年はもうずっと、筒の凶暴すぎる貪りつきと高速上下に頭を真っ白にしながら背を反らし、首を振り、垂れた鼻水をぴろんぴろんとさせ、脚を何度も何度も、はらわたを食いちぎられている草食獣のように、「ぴーん♡」「ぴーん♡」と連続で伸ばし続けている。
 残像で全く見えない結合部から、粘液が飛沫となって空間へ飛ぶ。

 3時間≪ネッチョリ貪るサキュバスホール≫に搾られ尽くした後に、これは、あまりにも酷い体験だった。フルマラソンの後の強制アイアンマンレース。脳も体も疲弊しきっており、ペニスはもう射精したくないと打ちひしがれているのに、そんなことは知ったことがない。さっさと射精せ!💚 と、旺盛な食欲を叩きつけられ続けている。

 もう、こんなのは無理。無理過ぎる。助けて。お願い。助けて。助けて。助けて。

 青年は無我夢中で、何度も指が空を切ったあと、奇跡的に上下し続けている≪モンスターホール≫を掴むことができた。むにゅっという感触はオナホールそのもので、親しみを覚える。

「……!!!!💢💢」

 しかしその後すぐ、津波のような後悔が訪れた。指と掌の下で怒りが膨れ上がったのが伝わって来た。

 ジュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル!!!!!!!!!!💚💚!!!!!!💚💚グチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュ!!!!!!💚💚💚
 ジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポジュポ!!!!!!!!💚💚💚💚💚💚💚

「ノ゛お゛お゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!♡♡♡♡♡♡♡」

 最悪の体験が待っていた。
 中の回転も、上下速度も、五倍速になってしまった。

 もう無理だった。青年は椅子から転げ落ちて、床に横倒れになり、半回転して激しく腰を反らせた。それでも筒は全く速度を落とさない。握っていた青年の手が一瞬で振り落とされてしまうほどの速さと力強さだった。

『「ああ……何ということでしょう……
 その≪モンスターホール≫は、触れられることを何より嫌うのです💚 そうなってしまうと、もう1時間はそのままで、止まりません💚

 それが終わっても、しばらく使用者がおらず空腹だったので、最低6時間は『食事』が続くでしょう💚 残酷ですが、弱者はどんな惨い目に遭っても仕方ない、というのが自然界の掟です💚」』

 管理室の床で腰をがっくんがっくんと動かしたり、ブリッジをしたりしながら、青年は咆哮を上げる。

『「6時間経つと動きが落ち着いてゆっくりになってくるので、その時にすかさず、注意深く、優しく撫でてやってください。うまくいけばそれで放してくれます。
 しかし、そこでうっかり機嫌を損ねてしまうと、怒って、今のような凶暴な貪りがまた1時間始まってしまいます💚 6時間経って疲労しきった状態でそんなことになったら、大変なことになるので、本当に気をつけてくださいね?💚

 ――また、それでも終わりではありません。最初にご説明した通り、『オナホール』は1日で6種全部使用しなければならないのです💚」』

 耳の奥の「声」の説明は、股間を貪り立てられている中でもはっきり脳に届くほど、絶望的なものだった。

『「どのホールも、今の2つに負けず劣らずの凶悪さなので、決死の覚悟で挑んでくださいね💚

 絶対に、1つとして――このまま使わずに管理室を出る、なんてことがあってはなりませんよ?
 これは、貴方のことを思って言っているのです💚

 オナホールの中には、使わなかったことに対しての『お仕置き』機能があったり、恨みを持つタイプのものもありますから💚

 あなたはこれらのオナホールの『所有者』となったのです。
 責任をもって管理し、全てのオナホールをしっかりと『ご使用』お願い致します💚

 オカズなら私が耳の中で、たっぷり差し上げますから……ね?💚』」

 ふううぅぅぅ~~~~~~~っ💚 っと、甘い吐息を注いできた。

「あ゛ああああぁぁぁああぁぁああぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

 青年の悲鳴が仮想現実の部屋の中に響き渡った。




 🚪👄🦊🚪👄🦊🚪👄🦊🚪👄🦊


「『あっこ』……あ……あ……♡ ほんと……♡ ほんとに……♡ ひぃ……♡」

 男子高校生は自らの人生を回想した。
 頭の中にアルバムの写真が並ぶ。幼稚園。小学校、中学校、高校。
 いつも隅の方に暗い顔で座っているか、右上へ楕円形に切り取られた写真で浮かんでいる。
 男女含めて同級生からいつも軽んじられ、遠巻きに嘲笑われていた記憶しかなかった。
 女子となんて、まともに体を触れ合わせたこともない。

 それが――

 硬く伸びた自分の陰茎のすぐ近くに、先ほどまで楽しく話していた異性の友達、≪悪狐≫の唇があった。
 口は実際の縮尺になっていた。スムーズに入る大きさに開かれ、舌が差し出されている。

……むわぁ🧡 むわぁ🧡 むわ🧡 むわぁ🧡

「……♡♡♡」

 陰茎の先端に纏わりついてくるのは暖かく湿った空気だった。悪狐の口から流れ出ている。
 その呼気と、唾液が滑り落ちる舌表面の視覚が、間違いなく現物の「口腔」だと脳へ思い知らせてくる。

 男子高校生はわけがわからなかった。ズボンもパンツも下に下ろし、陰茎を「友達」へ近づけていく。得体の知れないカードだという認識は思考の隅へ追いやっていた。
 あと1cm進めれば舌に触れる♡ 触れてしまう……♡

「さぁ、おいでぇな🧡」

 ≪悪狐≫が喋ったことで、吐かれた息がペニスへまともに当たった。

 そんなことをされて、健康な性欲を持つ男子高校生が正気でいられるはずがなかった。

「あ……♡ あ……♡」

 心臓がどくとくと跳ねる。呼吸が速すぎて喉の中が冷たくなる。
 イラストとして描かれた女の口へ、自らのペニスを突き出す。そんなまともでない行為を、誰にも見られていない部屋の中で行って――

 ねと🧡 れろぉ~……🧡

「!?!?!?!?!?!♡♡♡♡」

 まともな逡巡はそこで終わった。

 舌に触れた瞬間、温かさと、粘り気と、そして明らかに通常でない気配が亀頭から伝わって来た。舌の表面の粒々が、陰茎に備わる快楽のセンサーと異常に合致する。表面の微細な膨らみの一つ一つがどういう形をしているか、詳細に覚えることができてしまう。

「あっ!?♡ 『あっこ』待っ……待って♡ これ、これヤバ……♡ 一旦ストップ……♡」


 ――申し出た5分後。


 ――じゅっぽ🧡 じゅっぽ🧡 じゅるじゅる🧡 ぐぽぐぽ🧡 じゅっぽ🧡 じゅっぽ🧡 じゅるじゅる🧡 じゅるじゅるじゅるじゅる🧡 ぐぽぐぽぐぽぐぽ🧡

「あおおおぉぉおぉ~~~~~~~~~~~~~~~♡♡ 『あっこ』♡♡ 『あっこ』おおおぉぉおぉ~~~~~~~~~~~~~~ん♡ おおぉぉおおぉぉ~~~~~~~~~~~~~~~♡♡」

 全く聞いてもらえなかった。

 高校生は完全に腰がずっぽ抜け、3年間引きこもっている子供部屋のフローリングの上へ、全力の女の子座りになっていた。

 中学校の時の長座体前屈の記録は15cm、点数は「1」という体の硬さなのに、今はおでこが床へくっつくほど体を前に屈めることができている。

「また出る゛っ♡ また出るよ゛おおぉぉぉ~~~~~~~~♡♡ 『あっこ』♡ 『あっこ』おおぉぉぉ~~~~~~~~~~~~~♡♡」

 びゅるるるるるるるっ💛 びゅくっ💛 びゅくっ💛 びゅるるるるっ💛

 男子高校生はべったりと脚のほとんどを床へ接したまま、お尻を天井へ向け、びくびくっと、何かの新体操のように上下させた。

 ≪封印されし悪狐≫のカードは高校生の股間へぴったりと張りついている。屹立していたはずの根元から先の部分は、カードの中の空間へ行っていた。

 ……ぢゅるるるるる🧡 ずずずずずずずずっ🧡 ずずずずずっ🧡

「ひう゛っ♡ おおおお゛おおおぉぉ~~~~♡♡♡」

 脳が粟立つ。非常に丹念なお掃除の吸引だった。例え、尿道に溜まっているのが白玉入りのお汁粉汁だったとしても、残らず吸い取られて綺麗にされていただろうと思う。

 始まってまだ5分程度しか経っていないのに、男子高校生はもう86回も射精してしまっていた。しかも1回1回が、10日間オナニーができていない時のように濃厚で大量だった。

(こっ♡ こんなのっ♡ 「違う」♡ 「違う」うぅぅ……♡)

 もちろん、これまでの人生で女性にペニスを咥えてもらった経験など無い。しかし、この口内に備わっているもの全てが人の世ならざるものであることははっきりと断言できた。

 「妖力」という、漫画でしか見たことのない言葉が高校生の脳裏に浮かび上がって来る。ただ触れているだけで、ずっと、ペニスが何かに蝕まれているような心地がする。

『えらい大盤振る舞いやなぁ🧡 ほんまおおきに🧡 助かるわぁ🧡』

 ≪悪狐≫の声が頭の中に響いてきた。実際の口はみっちりとモノを咥えている。

『どや?🧡
 初心者向けで、丁度良い気持ち良さやろ?🧡 全盛期とは比べ物にならんほど弱なっとるし、今も手加減しとるから🧡』

 男子高校生は何を言われているのか見当がつかなかった。
 もはや肉棒の全てが≪悪狐≫の口を前に屈服し、どろんどろんにほどけてしまっているのに。咥えられているだけで立ち上がれず、多分あと10秒もすればまた射精してしまうような状態なのに。一体何をどう手加減されているというのだろうか。

『でも……もっともっと、遠慮のう……濃くて臭いお汁を頂戴な🧡 いっぱい弱いとこを「いけず」してあげるさかい🧡』

 れろ🧡 れろれろれろ🧡 べろべろべろ🧡 べろべろべろべろ🧡

(!!!!!!♡♡♡♡♡)

 巻きついてきた≪悪狐≫の舌を前に、男子高校生の腰がいよいよ崩壊した。既に地面についている額と膝が、さらに深く床下へ沈み込んでしまう。

 真に恐ろしいのは「妖力」ではない。≪悪狐≫の舌遣いの巧みさだ。

 本当に、狡賢い。咥えられてからものの10秒足らずで、男子高校生自身も知らなかった陰茎の弱点全てが暴き出され、箇条書きで羅列され尽くしたのがわかった。

 舌先がかすめる所、ほじくる所、面でねろりねろりと舐め回す所。巻きつかせてシゴいてくる所。その全てが予測不能で、芸術的とすら思った。一度も、誰の足もボールに触れることなく、ゴールキーパーの目の前にやって来る。オフサイドの笛は鳴らない。

「あああぁぁぁぁぁっ♡ すごっ♡ だめっ♡ これだめっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」

 高校生が細かく何度も、腹の底から困窮の声をあげた。腰が上下左右にひくっ💛 ひくっ💛 ひくっ💛 ひくっ💛 っと動き、ドリブル中のボールのようになっている。

 何と言う巧さだろう。心地良く会話を運んでいた話の巧さと同じ仕組みなのだと高校生は思った。滑らかな舌の動きがごく自然に精液を誘導してくる。自分が射精の世界的プロフェッショナルになった気持ちになる。男子高校生はただただ、「だめっ♡ だめすぎっ♡」「あぁあぁっ♡ おちんちん溶け……♡ ああぁあぁっ♡」と声を上げながら、床の上から決して立ち上がれなくなり、モップか何かのように這いずり続けた。体をよじらせ、びくっ💛 びくっ💛っと射精をする度に体が床を横滑りする。既にもといたPCデスクの椅子の位置から3mくらい移動してしまっていた。カードの中の口ひとつの動きによって。

「あぁっ!!♡ 『あっこ』♡ 『あっこ』♡♡ あぁ~~♡ すごっ!♡ あっ♡ あっ♡ あぁっ♡ ああぁぁっ!!♡」

 びくっ💛 びくびくっ💛 びくびくびくっ💛

「あぁんっ♡ もうだめっ♡ あぁぁぁあぁっ♡ ああああぁぁぁぁっ♡ おちんちん♡ 溶けちゃ……♡ あへああぁぁぁぁっ!!♡♡」

 びくびくっ💛💛 びくびくっ💛💛 びくびくびくびくっ💛💛

 ぢゅるぢゅる🧡 ぢゅるぢゅるぢゅぢゅるっ🧡
 「う゛ぅっ♡ 吸われっ♡ う゛うぅぅっ♡♡」



 1時間散々嬲られた後、ようやく口が一時停止した。

 男子高校生は体じゅうの筋肉が残らず弛緩した状態で、自分の体で掃除したフローリングの上へ仰向けになっていた。かといって綺麗にはなっておらず、全面に高校生のかいた脂汗が塗られてしまっている。精液は対照的に全て綺麗に吸われ、尿道の内側を含め微塵も残っていない。

 射精だけに筋力が使われ、口の中の唾液を飲む力すら残っておらず、口端からたらーっと頬を伝って透明な液が垂れていた。手の指と足の指が全部開いて、ひくっ♡ ひくっ♡ っと痙攣を続ける。

(む、無理ぃ……♡ おきあがれない……♡)

 腰が抜け尽くし、四肢から全ての力が奪い取られていた。今立ち上がれないのは当然のこととして、半日経った後もどうか怪しく思った。

 何度射精したかわからない。射精しても、射精しても、延々睾丸の底から精液が湧き上がってくるようだった。されている最中はずっと、泣くほど翻弄されまくっていて気づけなかったが、今になって不気味さを覚え始めた。

(こっ♡ こんなの♡ 普通じゃないぃ♡♡
 喋るカード……♡ 凄い『おくち』……♡ 今までずっと楽しくて……気づかなかったけど……ほ、本当は、この≪悪狐≫……き、き、危険、なんじゃ……
 そ、そういえば名前に……「悪」とかついてるし……)

『……もー🧡 疑っちゃ嫌やわぁ🧡
 うちと坊んの仲やろ?🧡』

 れろっ🧡
 舌に裏筋をひと舐めされて、「う゛うぅっ!!♡♡」っと高校生は大きくうめいた。
 疑念が顔に出ていたらしい。

『な?🧡 うちが困ってるのはほんとやねん🧡
 男の「精」がどうしても必要なんよ🧡
 代金は「気持ち良くすること」で……お珍々にいぃ~~~っぱい払ったげるさかい🧡
 友達を助けると思って、もっともっと、ようさんご馳走してや🧡

 さて……🧡』

 声のトーンがほんの少しだけ変わって、高校生の背筋が冷えた。

『そろそろ舌の「準備運動」は終わりにしとこか🧡
 まだ一口しか食べてへんさかい……ここからが本当の食事。お珍々遊びの始まりや🧡

 ほな、ええ子にしといてな🧡 あんじょうお気張りやす🧡』

「え? え? え?」




 男子高校生は、その後、心の底から思い知らされた。
 先ほどまでの≪悪狐≫の「口」は、全く、少しも、本気ではなかったのだった。

 じゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽ!!🧡🧡 じゅるじゅるじゅるじゅるじゅじゅるじゅるるるるるる!!🧡🧡 じゅるじゅるれろれろれろれろれろれろれろ🧡🧡 じゅるじゅるれろれろれろれろれろれろ🧡🧡

「あ゛お゛おおおおおぉぉおおぉぉ~~~~~~~~~~~~~ん♡♡ おほおおぉぉおおぉぉおおぉぉおおおぉ~~~~~~~♡♡」

 高校生は全く力の入らない腰で、踊り狂った。
 股間の位置にカードがあるが、今度は激しく、見えない力で前後に動いていた。
 長い舌がわけのわからない動きを繰り広げ続けている。さっきまでのフェラも異次元的に、5枚くらいの舌から色んな舐め方をされているような巧みさだったが、今はもう舌の枚数を数えることもできない。

 本当に、どうしようもない。ペニスを3秒で全部跡形も無く舐め落とされるような体験を、延々繰り返されている。
 さらに、がっぽがっぽ🧡 と、唇の輪が竿をしごく往復の速度も、鈍行から超特急の速度に変わっていた。とてつもない。男の竿を快楽でだまくらかして、精液をすっからかんにする、悪巧みの極致のようなフェラだった。

 びゅっ💛 びゅるるるるるるるっ💛 びゅぐるるるるるるるるるるっ💛💛

 高校生は口の奥に大量の精液を捧げた。≪悪狐≫の口はそれを全部舌で瞬時に絡め取って、少しも残さない。そして――

 ぢゅるるるるるるるるるるるる🧡🧡 ズゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾ~~~~~~~~~~~~~~~🧡🧡

「おっホおおおおおぉおぉおおぉぉぉおぉぉ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

 止めとして、意識が白転してしまうほどの物凄い吸引を浴びせられる。陰茎が引っこ抜けてカードの向こう側の世界へ連れ去られてしまうのではないかと真剣に危機感を覚える。そうなったらどんな風に遺失物届を書けばいいかわからない。男子高校生の尻が床から3cm浮いた。

『意地汚いように思わんとってな🧡 ほんに腹が空いとるんや🧡

 もうちょっと🧡 もうちょっとやさかい、堪忍してや🧡』

 じゅぽっ🧡 じゅぽっ🧡 じゅぽっ🧡 ジュルルルルル🧡 ジュルルルルルルルッ🧡 レロレロレロレロ🧡 レロレロレロレロレロ🧡 ジュポジュポジュポジュポ🧡

 弱い所ばかりを的確に探り当て、攻撃してくる舌。
 唇が陰茎を持ち上げられるほどみっちりとすぼまって、鼻口部が狐のマズルのように伸びている。その状態で貪欲に上下する。残像で肉竿へ長い舌が巻きついているのが僅かに見える。

「あお゛っ!!♡♡(だめっ♡♡) あお゛っ♡♡(だめだめ♡♡) あお゛あお゛(おちんちん無くなっちゃう♡♡) あお゛ぉぉ~~ん♡♡(吸わないで♡♡) あおお゛ぉぉ~~~~~ん♡♡♡」

 じゅっぽじゅっぽ🧡🧡 じゅるじゅる🧡🧡 じゅるじゅるれろれろ🧡 じゅぽっ🧡 じゅぽっ🧡 じゅぽっ🧡 じゅぽっ🧡

 カードはもはやとんでもない速度で、ペニスの根元からカリ首のあたりまでを高速で行ったりきたりしていた。たまにカリ首のところで静止し、10秒くらい、べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ🧡🧡 と溝のところを集中責めされる。溝を今の3倍くらい深めようとしているみたいに。
 それで抵抗の気力を一時的に奪った後で、またカードが高速で上下を再開し、じゅっぽじゅっぽと、聞くだけで射精させられてしまいそうな食事音を鳴り響かせる。

 びくっ💛 びくびくっ💛 びくびくびくっ💛💛 びくびくびくびくっ💛💛

 男子高校生はあまりのことに、床を転げまわりながら何度も何度も射精した。ペニスは≪悪狐≫カードの先の異空間にあるので、どうやっても止めることはできない。

 びゅっ💛 びゅるるるっ💛 びゅるるるるるるるっ💛💛 びくんびくん💛 びくびくっ💛

 ぢゅるるるるるる🧡🧡 ずぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞ🧡🧡

「ひいいいぃぃぃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん♡♡♡」

 精液を吸われに吸われ、その後でまたさらに吸われながら、高校生も、化け物を振り落とすみたいにカクカク腰を振ったり、下半身を右へ左で捻転させたりして抵抗を見せるが、カードは離れず、延々フェラチオを繰り返される。

『あとちょっと🧡🧡 あとちょっとやさかい🧡🧡 もうひと口🧡🧡 もうひと口🧡🧡』

 ぢゅるるっ🧡 ぢゅるるるるる🧡🧡 れろれろれろ🧡🧡 れろれろれろれろれろれろ🧡🧡

「お゛おおぉぉ~~~~~~~~~~~~~~~~~……♡♡」



 結局、「あとひと口🧡」「もうひと口🧡」と延々囁かれながら――

 ≪悪狐≫の「食事」が終わったのは、4時間が経過した時だった。

 ぢゅるるるるるるるるるるるるるるううぅぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~🧡 ずぞぞっ🧡 ずぞぞっ🧡 ずぞぞっ🧡

「――――――♡♡」

 これまでで最大の吸引を前に、一切の力を失くした男子高校生の腰は、ひくっ♡ ひくっ♡ っと虚しく震えた。

 ぢゅるるるるるるる……ぢゅぽっ🧡

 ……ごっくん🧡🧡

 はっきりとした、野性味あふれる喉の音の次に――

 げぇっふぅ~~~~~🧡🧡

 ≪悪狐≫の口から下品なげっぷ音がして、生温かい風が高校生のペニスに吹きつけられた。

「♡♡♡」びゅるっ💛

 魂が抜けたようになっていたが、高校生は風の感触で一度、少量の射精をしてしまった。

 高校生は床へ、ぐったりと大の字になった。汗でびっしょりだった。身を捩ったり、悲鳴を上げたり、体内に力を込めたりして、引きこもり生活で衰えた筋肉がぼろぼろに弱り尽くしてしまっていた。

「ごちそうさん🧡
 ……いやぁ~🧡 生き返ったわぁ🧡 おんま、おおきになぁ🧡
 いやもう、しみじみと思てまうわ🧡 ええ子に拾われて良かったって🧡」

 優しい声で≪悪狐≫は言う。
 男子高校生にはもはや思考をする余力も残っていなかった。腰の横に落ちた≪封印されし悪狐≫のイラストは元の通り、お札の貼られた壁に穴と口が浮かんでいる絵に戻っていたが、≪悪狐≫の口はぺろりと舌なめずりをして、唇の端に、高校生の物らしい陰毛がひっかかっていた。「ひっ♡」っと高校生は短く悲鳴を上げた。

「それじゃあこれから、よろしゅうなぁ🧡
 これからは『一日三食』、今の感じで『餌やり』してもらうと助かるわぁ🧡
 ――次は夕食、2時間後やな🧡」

 高校生の意識は淀んでいて、重大な内容を言われたことにも気づくことができない。

「仲良うしような🧡 何も怖がることは無いで?🧡 この『安全な』部屋の中で、味方のうちと二人っきりなんやさかい🧡
 
 心配せんでも、飽きたりなんかさせへんから🧡 色んな舐め方して、思春期の性欲のはけ『口』になったるさかい🧡

 ……な🧡 坊ん🧡 うちと出会えて、友達になれて、良かったやろぉ~?🧡」

 声の後で、れろっ🧡 れろれろれろ🧡 れろっ🧡 っとイラストの舌が複雑な動き方をした。
 舌先に高校生の陰毛を貼り付け、ぴろぴろと振って遊んでいる。

「ひぃぃぃ~~~~♡♡ ううぅぅぅ……♡♡」




🚸🍑👨‍⚖️🚸🍑👨‍⚖️🚸🍑👨‍⚖️🚸🍑👨‍⚖️



「ああぁぁぁぁあああぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡ あっ♡♡ あっ♡ ああぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡ 『お尻』に♡ 『お尻』に♡ お゛ちんちん゛食べられ゛でる♡♡ 食べられてる゛ううぅぅ~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」

 ……ぱんっ🤎ぱんっ🤎 ぱんっ🤎 ぱんっ🤎 ぱんっ🤎 ぱんっ🤎 ぱんっ🤎 ぱんっ🤎 ぱんっ🤎 ぱんっ🤎 ぱんっ🤎

 茶髪のプロの男は、ひたすら≪お尻振り振り魔妖精(リャナンシー)≫の、弾力のあるお尻に向かって腰を振り続けていた。
 「魔の公園」宝庫に、肉々しい、パン🤎 パン🤎 という快音が鳴り続けてる。

「あはははははは🤎 『食べられてるぅうぅ~~~♡』だって🤎 じぶんでこしふってるのにねぇ🤎 まぁ、なかもうごかしてるけど🤎」
「ほらほら🤎 もっとおまんこに『こうげき』してぇ~🤎 ぜんぜんダメージないよぉ?🤎」

 何度腰を振って、リャナンシーの狭い子供おまんこを突いても、マクガフィンの従者カードの体力を示す数字は全く微動だにしていない。

(む♡ むりぃ♡ こんな子供みたいな見た目でも……♡ マクガフィンの「モンスター」に……♡ 生身で勝てるわけない……♡♡

 ……あぁっ♡♡ 搾り取られる゛っ♡ この穴ほんと♡ 凄すぎ♡ ずっと動いてっ♡ 子供なのに……ファンタジー世界の化物ま゛んこっ♡ ん゛っ♡ ん゛っ♡♡)

 「攻撃力1、体力1の従者カードであっても、訓練を積んで武装した兵士1人と同等の戦闘力を持った怪物」、という「マクガフィン」の基本設定を男は思い出した。

 子供だからか何なのか知らないが、穴内の体温が高い。熱々だ。
 頭の中で「人間ではない。カードゲームの実体化したモンスターなのだ」と認識しようとしても、膣が完全に児童サイズをしていることも相まって、背徳感で頭の中がどうにかなりそうになる。妖精だからか少し浮力があって、重さは普通の子供より軽く感じる、と、思わず頭の中で姪っ子を抱っこした時と比較してしまい泣きそうになった。しかしそれも、穴の中の腕白な動きを前に押し流される。

「あううぅぅ♡ おっ♡ おっ♡ おっ♡ 中っ♡ むしゃむしゃ動いてっ♡ そんなっ♡ 元気に動かさないでっ♡♡ お゛っ♡ お゛っ♡ お゛おぉぉ♡」

 リャナンシーの膣内は男のペニスを遊び壊すようにずっと、強力に動き続けていた。
 本来であれば、こんな動きの中で腰なんて動かせるわけがない。ただでさえ運動音痴で、ピストン運動の経験も碌に無いのに――
 しかし――

 ぱんっ!🤎 ぱんっ!🤎 ぱんっ!🤎 ぱんっ!🤎 ぱんっ!🤎 ぱんっ!🤎 ぱんっ!🤎 ぱんっ!🤎


「あ゛ぁあぁあ~~~~~~~~~~~~♡♡ お゛ッ!♡ お お゛ッ!♡ お゛ッ!♡ お゛ッ!♡ お゛ぉ~~ッ!♡ 腰ッ♡ ぱんぱんっでバウンドずる゛ううぅぅ~~~~~~~~~♡♡ お゛ッ!♡ お゛ッ!♡ お゛ッ!♡」

 男の腰は否応なく、一定のリズムで、自動前後し続けていた。膣とリャナンシーのお尻にその秘密があった。ギュルギュルと膣ヒダを動かされて腰が丸ごと持って行かれたかと思うと、その度にプリケツの弾力によって後ろに弾かれてしまう。ぼよよよよん🤎 と。まるでゴム紐がついたテニスのボールを何度も打ち返されているようだった。この場合はお尻がラケットで、男の腰がボールだ。

 ぱん🤎 ぱん🤎 ぱん🤎 ぱん🤎 ぱん🤎 ぱん🤎 ぱん🤎
 ぼよよん🤎 ぼよよん🤎 ぼよよん🤎 ぼよよん🤎 ぼよよん🤎 ぼよよん🤎

 こんな往復を繰り広げてしまうと、ただでさえ崩壊しているペニスがカリ首も根元も隅々まで、のべつ幕なし遊び尽くされて、いよいよ壊滅してしまう。
 狭くて残酷な肉渦を何度も何度も何度も前後に潜り抜けさせられて、ペニスが無秩序化しながら精子鉄砲を乱れ射つ。チョコレートの割れ目の内側に白くて温かいミルククリームを注入し続ける。

「いやああぁぁああああぁぁぁぁ~~~~~~~!!!♡♡♡ 止゛め゛てえ゛ええぇぇぇぇぇぇええぇぇ~~~~~~!!!!!!!!♡♡♡」

 男は叫ぶが、周りにいる≪お尻振り振りリャナンシー≫もニヤニヤと馬鹿にしきった笑みを浮かべているだけで、助けてくれない。ゲームボードの向こうの敵プレイヤーも沈黙している。

 圧倒的強者の穴の動きなのに、握っている腰の細さと体の小ささが、今自分が腰を打ちつけ、交わっている相手が「幼い子供」であることを男の意識に植え付けてくる。

 罪の意識に苦しみながら――

「ひいいぃぃいいぃぃ~~~~~ひっ♡
 ……う゛っ♡♡」

 男の腰が情けなく、びくびくっと震えた。

 びゅうううぅぅぅううぅぅぅぅぅ~~~~~~~~~💛💛 びゅるるるるる💛💛 びゅっびゅっ💛💛 びゅるるるぅぅ💛💛

(あぁぁあぁぁ~~~……)

 犯罪の証拠をたっぷりと膣内に注ぐ。精液と全く同じ量だけ、頭の中に罪悪感が発生した。

 ぷりっぷりのお尻が、股間に何度も衝突し、産毛しか生えていない無垢な割れ目が男根をみっちり咥えて摩擦する。
 こんな歳の女児に生で膣内射精するなんて、現実で行ってしまったら懲役10年は固い。

 公園のお陰で、パンパン音や笑い声は、女児が縄跳びか何かで遊んでいる音に聞こえないこともなかった。

 パンッ🤎 パンッ🤎 パンッ🤎 パンッ🤎 パンッ🤎 パンッ🤎 パンッ🤎 パンッ🤎 パンッ🤎 「う゛ぅっ♡」びゅるるっ💛「あははは🤎」「どう? すっごく『ひっかかる』でしょ?🤎」 パンッ🤎 パンッ🤎 パンッ🤎 パンッ🤎 パンッ🤎……



 何百回と射精した後でようやく腰が止まった。
 男が自分の意志で止めたのではなく、リャナンシーがギュルギュルの動きを一時的に弱めたのだ。肉棒はまだ熱々の肉に捕らわれている。3匹ともが男の顔に目を向けて、ニヤニヤと馬鹿にした笑みを浮かべていた。

「さ🤎 どうするぅ~?🤎 おにーさん🤎」
 ぜぇ、ぜぇ、と息をする男。完全に疲労困憊だった。
 耳に口先をつけて、≪お尻振り振り魔妖精(リャナンシー)≫の1体が囁いてきた。

「つぎのターンも、なにもせずに、もういっかい『こうげき』して~🤎 そしたら……🤎」

 男はうつむいたまま、自分と繋がっているリャナンシーの尻の感触を味わっていた。ぷりっぷりの弾力だった。褐色の尻がむっちり🤎 むちむちと股間にくっついている。

 もう一方の耳にもリャナンシーが口を近づけて来た。口内と首筋から乳臭く、ほのかに香ばしいような幼児特有の臭いがした。
「またおんなじじかん、あたしたちのおしりでぇ~、おにーさんのライフをしぼりとってあげるよぉ?🤎」

「うぅ……♡ うぅぅ……♡」

 男はマクガフィンのプロだ。ルールは理解していた。バトルに「敗北」すると自分のライフがリャナンシーの攻撃力分減少する。
 他の行動をしなければ、自分の持ち時間である30分全てをリャナンシーへの攻撃にあてることができるが、その結果としてゲーム上は何も得られない。

 今腰を振って、数えきれないほど射精している間に、相手のプレイヤーは自分の宝庫の中盤付近まで進んでしまっていた。このままでいれば当然、全ての財宝を奪い取られて敗北を喫してしまう。

「そ、そん……そんな゛……♡ だめ♡ だめぇ……♡」

 男の脳裏に自分の財宝カードのことが浮かぶ。B級レアの≪破滅の指輪≫、≪黄金の猪 グリンブルスティ≫、そしてA級レアの≪神鎚ミョルニル≫。

 失うわけにはいかない。今はよりによって、大会の予選が始まろうとしている重要な時期だ。「マクガフィン2043 関東大会」。

「だめ……♡ だめ……♡」

 うわごとのように呟く男。二つにもっちり割れた褐色のお尻がペニスを食べている。
 しかし男は同時に、頭の中で別の計算も終えていた。

 ライフが0にされるにせよ、財宝が全て収奪されるにせよ……最短でも10ターンは、今のような「戦闘」を行うことができる……♡♡

「ねぇ……」

 ≪お尻振り振り魔妖精(リャナンシー)≫が微笑んだ。

「つぎはもっときもちよくしてあげるから🤎 ね?🤎」

 みぢっ🤎 みぢっ🤎 っと、「もっと遊ぼ♡」とせがむ女児のハグのように、リャナンシーの膣内が狭くなった。

「う゛っ!?♡♡」

「おにーさん🤎 おねがぁ~~~~~~~~~~い🤎🤎」

 ……ざわざわ🤎 ざわざわざわ🤎 ざわざわざわ🤎 ざわざわざわざわ🤎 うねうねうねうねうねうねうねにゅるにゅるにゅるにゅる🤎🤎

「ひいいぃぃぃいいぃぃぃぃ~~~~~~~~~~~~~♡♡」

 男は眉根をぴったり寄せて困窮の極みの表情を浮かべた。腰がガクンと崩れる。
 ぴったりと膣肉が密着した状態のまま、中の凹凸がとても妖しい動きで、ペニスの表面をざわざわざわっ🤎 っと擦り立てて誘惑してくる。

「ね🤎 もっともぉ~っと、『腰を振り振り』して、きもちよくなろ~?🤎」
「ねー🤎 ねーってばー🤎」

 両方の耳からリャナンシー2体も囁いてくる。

 ざわざわざわざわざわざわざわざわ🤎 うねうねうねうねうねうね🤎🤎

「ひううぅぅぅぅ~~~~~っ♡ ひっ♡ ひっ♡ ひいいぃぃ~~~♡♡」
 ざわざわと、甘え上手な蠢きで、男が腰を振るのを誘ってくる。

「ほらぁ🤎 あたしたちのごしゅじんさまのターン、おわったよぉ?」
「いまはおにーさんのターン🤎
 いっかいでも、こしをうごかしたら、『こうげき』だからねー🤎」
「ひっ♡ ひっ♡ ひっ♡ ひっ♡」
「うごかしてみて🤎 そしたら、さんじゅっぷん、きもちよくなれるよ~?🤎」

 リャナンシーが両側から囁く。子供が、秘密の危険な遊びを教えてくるように。
「ほら🤎 だれもみてないから🤎 ね?🤎」
「こしをいっぱいうごかして、おさるさんになっちゃお?🤎」

「ぁ……」

 ぱんっ🤎

 男は腰を動かしてしまった。

“「プレイヤーは≪お尻振り振り魔妖精(リャナンシー)≫に攻撃をした」”、という文字ウィンドウが出てきた。

「くすくす🤎」「あぁ~~~♡♡」「ば~か🤎」
 ぱんっ🤎 ぱんっ🤎 ぱんっ🤎 ぱんっ🤎 ぱんっ🤎 ぱんっ🤎 ぱんっ🤎 ぱんっ🤎 ぱんっ🤎……

「あぁぁ~~~~♡♡ 止まんなっ♡♡ あっ♡ ああぁぁぁ~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」

 ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎ぱん🤎

 2歩、3歩と斜面へ踏み出してしまうと、もう足の動きは止まらない。
 ペニスがお転婆な肉道を行ったり来たりする。何度も何度も、リャナンシーのおけつの、ぷりんぷりんの感触に、自らの鼠径部が弾き飛ばされる。入り口付近でカリをキュッ🤎 と捕まえられ、ズリュズリュと渦の動きで一番奥まで引き戻される。そしてその自動往復の力に合わせて、自分でも腰を振って加速してしまう。電車ごっこが盛り上がっていく。

 中は起伏が無邪気に回転していて、とてもではないが、男根と精神は耐えられない。「これがモンスターの捕食器官なのだ」と痛感する。しかし、抗えずに前後運動を行ってしまう。リャナンシーの小さな腰から手が離れない。
「あっ♡ でるっ♡ でるでるっ!♡ でるでるでるうぅぅ!!♡♡」

 びゅるっ💛 びゅるるるるるるっ💛💛 びゅっびゅっ💛 びゅるるるるるる💛💛

「お゛ぉっ♡ お゛おおぉぉお~~~~♡♡」

 再び、人間の幼女と全く同じサイズの穴奥へ、子供の素をたっぷりと注いでしまった。

「それじゃ、おにーさん🤎」
「さんじゅっぷんの『こうげき』、がんばってね🤎 あたしたちがたおせるといいねー🤎」
「あたしたちは『カード』🤎 いくらせーしだしても、なんにもわるいことじゃないからねー🤎 ……たぶん🤎 くすくす……🤎」



 30分、「攻撃」して――

 その後でターンが移り、人形のような敵プレイヤーが行動して――

 その後でまたリャナンシーたちから誘惑され、我慢できず30分「攻撃」して――

 また敵プレイヤーが行動して、1つ目の財宝カードを収奪されて――

 同じ事を何度も繰り返し――

 ――13ターン後、ようやく男は解放された。


 ちゅぽん🤎 ぬるぅっ🤎🤎 っと、膣からペニスが抜き去られた。

「きゃはははははは🤎」「ば~かば~か🤎」「おしりぺんぺ~ん🤎」

 引き抜いたリャナンシーが、ぺちんぺちん🤎 と自らの大きなお尻を叩く。それによって男の精液が膣穴からとろりと垂れた。

 男は完全に腰が抜けて、公園の地面の上へ仰向けに崩れ落ちていた。自分のカードも、ゲームボードも全てそこら中に散らばっていた。

「ぁ……♡ もうらめ……♡ こひ……こひ……うごかないいぃぃ……♡」

 男の腰を前後させる筋肉は、もう一生仕事をし終えたという感覚だった。十数時間ずっと、前後に激しく動かし続けていたので、筋肉痙攣を起こしてしまっている。それとは別に、何かが体からたくさん奪い去られたような虚脱感があった。

 もう相手プレイヤーは男の最後の財宝カード、≪神鎚ミョルニル≫の前まで辿り着いていた。荘厳なエンタシスの円柱の間に、神秘的なホロ加工のカードが浮かんでいる。
 勝負は完全に決していた。

 ゲームボードの向こうで、人形のようなプレイヤーは無感情ながらも当てが外れたように呟いた。

「違【う】……これは『不可触宝カード』で【は】無【い】……」

 収奪すればそこでゲームが終了するが、相手プレイヤーが掲げたのは1枚の「魔術カード」だった。

「≪洗脳-ブレインウォッシング2.01 「悪魔化」≫発【動】」

 掲げたカードから光が放たれた。
 男は息も絶え絶えで、思考もほとんど閉じかけていたが、プレイヤーが宣言したカード名に強い違和感を持った。

(「洗脳」? ≪洗脳-ブレインウォッシング≫か? いや……「2.01」って何だ? 「悪魔化」って……)

 迸った光はゲームボードを通って、男のいる公園宝庫のほうへ伸びてきた。しかし、向かっているのは地面に倒れている男の方ではない。

 男の後方へ、忘れられたように立っている鎧の女騎士。

 ≪断罪の戦乙女(ヴァルキュリア)≫が対象となっていた。

 次の瞬間には、洗脳の光が雷のように≪戦乙女≫へ浴びせられた。

「…!!……ああぁぁっ!!」

 人型モンスターである≪戦乙女≫が声を出したことに、男は驚いた。澄んだ、若い女性の声だった。光が≪戦乙女≫の全身を包む。頭を抱えて体を折り、苦悶の声をあげている。

「あぁ……ぐっ……あぁぁ……」

 しばらく苦しんだ後で、光が徐々に収まっていった。しかし、≪戦乙女≫の体はまだ震えている。

 ≪戦乙女≫の体に変化が現れた。
 パキン、パキンという音とともに、頭部と胸部、腹部、それに股の部分の鎧が外れた。ぼとぼとと地面に落ちる。

「え!?」

 男は見て、びっくりした。顔甲も落ち、≪戦乙女≫の素顔が露わになっていた。かなりメジャーなカードだが、素顔なんて見たプレイヤーはこれまで存在しないだろう。設定画も無い。

「うわ……♡」

 男は息を呑んだ。まさに、圧倒されるほどの美女だった。金髪で染み一つ無い白肌。北欧系の端整な顔立ちだ。

(な、なんで……? 『センシティブ除外フィルター』は……)

 それだけではなく、鉄板が外れて鎧の形が変わった部分は、全て「女の魅力的な部分」を強調するデザインに変わっていた。

 胸元は大きくはだけ、巨乳の谷間が曝け出されている。引き締まった細い腰もへそも外に見せつけられ、極めつけは、腰の下の、股間部分までもが完全に露わになっていた。

 大きなお尻には紐パンのようなエグい下着を身に着けている。

(な、何で……え?♡ え?♡ え?♡)

 マクガフィンの常識では有り得ない変化の数々に、男の脳は混乱の渦に飲み込まれた。

 ≪戦乙女≫はずっとうつむいたままの体勢だ。その間に、淡雪のように白かった肌がさぁーっと褐色に変わっていく。
 
 肌色が全て変わると、へその下の肌、子宮の部分に、男根を懲罰するような厳めしい紋様が浮かび上がった。

 宙に浮かんだ≪戦乙女≫のカードの絵柄と、名前が変化する。文字と文字の間ににゅっと四文字熟語が追加され、ふりがなも別物と化した。
 ≪断罪の男根処刑戦乙女(オーガンパニッシュ・ヴァルキュリア)≫


「始末し【ろ】。≪断罪の男根処刑戦乙女≫」

 敵プレイヤーの声に反応して、≪男根処刑戦乙女≫は顔を上げた。

 美しい顔の瞳は真っ赤に発光しており、ギン! と元主人の男のほうに視線を向けた。



 🃏💎⚜️🃏💎⚜️🃏💎⚜️🃏💎⚜️



『おら。あと2ターンだぞ?』

 那韋斗は歯噛みをした。脚をぎゅっと寄せて筋肉を強張らせる。炎の獅子に跨っており、暖かい毛並みを腿の間で感じる。大地を蹴る音が響いていた。

「くそっ……≪火炎翼竜≫召喚!!」

 頬で風を感じながら体を横倒しにし、跨っている≪フレアライオン≫の軌道を曲げつつ、カードを投げた。紙札が変化し、鮮やかな赤い鱗の翼竜が飛び出す。

「≪火炎翼竜≫へ移乗!」

 呼ばれた翼竜が旋回して、≪フレアライオン≫の背から跳び上がった那韋斗の体をそのまま拾った。

「≪フレアライオン≫で……」

 那韋斗は忌々しいという感情を満顔に浮かべながら、攻撃対象を見た。

「……≪無君の騎士≫を攻撃!!」

 いつも自分の傍らに立っている馴染み深い騎士が、敵のカードとして立ち塞がっていた。両手には通常の槍と「七色の槍」の2本を構えている。

 ≪フレアライオン≫はレベル1の従者カード。そのままでは≪無君の騎士≫の攻撃力には遠く及ばない。

「≪一気火成≫発動!! 攻撃宣言を行った火炎属性モンスターの攻撃力を倍に――」

 那韋斗の目の前にメッセージウインドウがポップした。

「“相手プレイヤーが≪無君の騎士≫の効果を発動しました。武器が水属性となり、炎系統属性モンスターの攻撃を防ぎます」

「……『七色の槍』の効果なんてわかってる!
 魔術カード≪灰燼に帰す≫発動!! 火系統属性の従者カード1枚を手札から捨て、相手従者カードがこのターン発動した効果を無効に……」

 またウィンドウがポップした。
「“相手プレイヤーが≪神速の回避≫を発動しました。相手の発動した罠ヴィジェットまたは迎撃系の魔術カードを回避します」

「んぐおおおおぉぉぉぉおおっぐぬぬ……」

 手札2枚を失った後で、≪無君の騎士≫が無色透明の「水」となった「七色の槍」を、投槍の予備動作で猛々しく振りかぶっている姿が見えた。

「あ……」

「“≪無君の騎士≫の必殺技が発動しました。『水式槍道(ハイドロハープーン・ストラーダ)』。ライフが0となり、あなたの負けです”」

 その文字を読み終える前に、恐ろしい速さで射出された無色の水槍が≪火炎翼竜≫と那韋斗の体を、2つ同時に刺し貫いた。水飛沫が空中へ大量に飛び散る。

 「草原陣営」宝庫が消え去って、那韋斗が、どさっと床に体が叩きつけられる感覚を覚えたのは、自分の何もない「管理室」の中だった。


『……おいおい坊主。もしかして聞き違えたか?』

 重々しく低い声が響いてきた。机の上に置かれた赤いカード、≪赤き王の卵≫からだ。

『俺様は「5ターンで全ての財宝カードを収奪して勝て」、と言ったんだが……
 3ターンで、しかも1つも財宝カードを収奪できずに負けてんじゃねぇよ』

 ため息をつかれ、呆れたような声を出される。那韋斗は理不尽さを覚えて必死に抗議した。

「む、無理だろ! できるわけない!! 

 AIが使ってるのは俺の本気の1軍構築で、俺が今使ってるのは2軍の、フリー対戦用の炎系統属性構築だぞ!? S級レアの≪王国を護る者≫も向こうにあるし!
 しかもターン数まで指定なんて、滅茶苦茶だ!! 無理ゲーすぎる!!

 それに……」

 那韋斗はこの、得体の知れない赤いカードと会話をしている状況に今更ながら不気味さを覚えた。しかし、引き続き抗議を行った。

「お前が用意したAIも、強すぎる! 返しも的確だし、最善手ばっかり打って来る!! これを1ヶ月以内に倒すのは、絶対無理だ!! このAI……」

 那韋斗はそこで口をつぐんだ。収戯中に抱いた違和感を思い出した。

(このAI、えらい強いけど……何か、プレイングに既視感があるんだよな……)

『……てか、お前の2軍、なかなかいい構築してるなー。平凡な従者と魔術ばかりの割に、取り合わせの妙がある。テーマも単純にして強固だ。やっぱセンスあるよなぁ』
 感心したように≪赤き王の卵≫が言った。

「え!?」
 いきなり褒められて那韋斗は動揺しながら、同時にやるせなさも感じた。
(……こいつ、ころころ話が変わるから抗議しても全然意味無いな……)
 那韋斗はげんなりした顔で思った。それでもまだ熱が冷めやらず、立ち上がり、赤いカードへ指を突きつけて唾液の飛沫を飛ばした。
「て、ていうか、何だよ! 『課題をクリアしないと俺様の効果は発動できない』って……そんなカードある!?」

『いや、俺様に言われてもな……

 ……いやぁ、こういう感じなんだな。カードって。自分がなってみて初めてわかるわ。なるほどなぁ……』
 那韋斗の言う事にほとんど耳を貸さず、一人で感慨にふけっている。那韋斗は泣きそうになった。意志を持ち、喋るが、全く「相棒カード」という感じではない。クセがありすぎる。

『まぁ、この特訓を突破できたら、お前は割と強くなる。多分。多分そうなると思う。まぁ俺様を信じろ』
(めっちゃざっくりとしてる……)
『ちなみに突破できたのはこれまで3人中2人だな』
「意外と多い!」

(だ、だめだ……)
 那韋斗はうんざりの極地のような顔を浮かべ、両肩を落とした。
 「特訓」という言葉の響きから、「ひょっとしたら超絶凄いパワーアップするやつでは!?」と期待を抱いていたのだが、ただただ圧倒的に難しいだけで、攻略する糸口も、自分が強くなるビジョンも全然見えなかった。

『……あぁ。
 あと、俺様別に、目覚めたら卵が孵って超強いモンスターになるとかもないから。ずっとこのままの見た目だから』

「そうなの!?」



 ⚪🟢🟣🔴🔵⚫⚪🟢🟣🔴🔵⚫


 6枚のオナホールカードを手に入れた青年の管理室。
 そこにはほぼ1日中、異音と、おどろおどろしい雰囲気が満ち続けることになった。

「うああぁぁぁあぁあああぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!♡♡♡♡♡」

 ジュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル🤍 ズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズ🤍💜

 青年はあれから、生業であるゲーム機やカードの転売手続きを、一切行うことができなくなった。
 それどころか、健康な生活に必須である、食事も、睡眠も碌に行えていない。

 じゅっぽん🤍 じゅっぽん💜 じゅっぽん🤍 じゅっぽん💜 じゅっぽん🤍 じゅっぽん💜 じゅっぽん🤍 じゅっぽん💜 じゅっぽん🤍 じゅっぽん💜

「ひいいぃぃいいぃぃぃ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!♡♡」

 右手にしっかりと握り込み、動かしているのは6種のオナホールのうちのひとつ、≪天上天下卑棒独損(てんじょうてんがちんぽどくそん)≫だった。



6本の中で一番見た目が平凡で、プラスチックで、有名な市販メーカー商品に似ている。そのこともあって、最初は、「一番刺激が弱いのではないか」と、藁にも縋る思いで選んでいたが――

 じゅぽっ!🤍 じゅっぽん!💜 じゅっぽ!🤍 じゅっぽ!💜 じゅっぽん!🤍 じゅっぽ!💜 じゅっぽ!🤍 じゅっぽ!💜 じゅっぽ!🤍 じゅっぽ!💜

 全くの「期待外れ」だった。中が邪悪な気配で満ちているのは他の5種のオナホールと共通で、高刺激さはむしろ6種の中でも上位だ。溝が深すぎて、引き抜く度に物凄くカリのエラに引っかかりまくる。

 しかし、このホールが男根に「損をさせる」特徴はもう一つ別の部分にあった。

 もう何回も使っているので、このオナホールを使う時は椅子と腰とを固定しておかなければならない、ということを青年は骨身に染みて学んでいた。
 今はマクガフィンのオンラインカードショップで0.0006MP(6000円)で買い求めた家具カード≪安全ベルト≫を安楽椅子の背に回し、自分の腰をギッチリとロックしている。まさに「自縄自縛」の言葉通りだが、仕方がない。

 じゅっぽん!🤍 じゅっぽん!💜 じゅっぽん!🤍 じゅっぽん!💜 じゅっぽ!🤍 じゅっぽ!💜 じゅっぽ!🤍 じゅっぽ!💜

「お゛ぉっ♡ お゛っ♡ お゛っ♡ お゛っ♡ 腰っ♡ お゛っ♡ 持゛って行かれ゛……!♡」

 腕の引っぱりに合わせて腰が持ち上がる。螺旋状のゾリゾリが摩擦係数を高めていることに加え、中の気圧が低く、ひとシゴキごとの「吸引力」が物凄いのだ。

 縛っていないと腰が一緒について動いてまともに往復できないし、この椅子に固定している状態ですら、たまに椅子の脚が持ち上がり、がたっ♡ がたっ♡ っと音がする。

 じゅっぽ!🤍 じゅっぽ!💜 じゅっぽ!🤍 じゅっぽん!💜 じゅっぽん!🤍

「ひっ♡ ひっ♡ ひっ♡ ひっ♡ ひぃいぃぃ~~~♡♡」
 それでも、必死にシゴき続けるのは、手を止めていればいるほど、中の吸引力が際限なく高まってくるからだ。

 最初に使用した時に酷い目にあった。延々吸引が強力になり続ける筒に対して、最終的には腕の力が負けて一ミリも動かせなくなり、「おち゛ん゛ち゛ん゛取れ゛ちゃうよ゛お゛おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉおぉ~~~~~~!!! ♡♡♡」と泣き叫びながら、ハイパワー掃除機も真っ青の吸引力と化した筒の中へ精液や尿をそれぞれ千回近く吸い上げられ、気絶してしまった。

 じゅっぽん🤍 じゅっぽん💜 じゅっぽん🤍 じゅっぽ💜 じゅぽ🤍 じゅっぽ💜 じゅっぽ🤍 じゅっぽん💜

「あ゛ぁ♡ も゛う゛だめ♡ いぐ♡ いぐうううぅぅぅ♡♡」

『「何回出すんだよ🤍 だっさ💜 ほんとお前のチンポ、根性が無ぇな🤍」』

 ただ使っているだけでもキツいのに、耳の中の声がオナニーの度に「サポート」を行ってくる。同じ女性の声だが、声色は回によって千差万別だった。

 今回は「早漏改善」の言葉責めだった。
 射精するとどんどん力が弱ってきて、ホールを動かせなくなってしまうから、耳を塞ぎたいのに塞いでも耳の奥へ声が響き続ける。妖艶で下品な女性の音声は否応なく射精欲を高めてしまう。今は脳へ刺さる罵倒の言葉を冷たく連射してきている。

「『1時間で100回まで』って言ったよな? 次が101回目なんだけど?
 今9分21秒……絶対駄目じゃねぇか、これ。このゴミ。根性無しのクソ早漏童貞チンポ💜 頭とオチンチンが子供のままで育っちゃったのかな?🤍 マーモットに生まれれば良かったな💜 5秒で交尾が終わる生態らしいから🤍 まぁでももしかしたら、0.5秒くらいしか我慢できなくて、マーモットのメスにも呆れられてるかも💜 そもそも相手見つかるか?🤍 ブタ鼻の不細工なマーモットになりそうだもんな?🤍 ぷっ💜 クスクス🤍」

 頭の中に流される、冷ややかな罵倒と嘲笑。ともすればインポにでもなりかねないが、オナホールの刺激の強さがそれを許さない。

『「ほら🤍 どうせ駄目なんだから、さっさとイけ💜 か弱いマーモットチンポから精子吸い取ってもらえ🤍
 ……で、イったあとは懲罰モードだからな? 今の10倍の速さで強制的に手を上下させて、中の吸引は15倍。それで残りの5時間、ノンストップでシゴかせ続けてやる💜」』

「そ、そん゛な゛……あっ……う゛ぅっ!♡♡」

 びゅっ💛 びゅるるるるるるるるる💛 びゅるるるるるるぅぅぅうぅぅぅ💛💛 びゅるるるるるる💛💛

 そしていつも通り、筒は出した精液を「ジュルルルルルルルルルルルルルルルズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズ!!!!!!!💜💜💜」と超強力に吸い上げた。尿道にも睾丸にも何も残らない。
 青年は白目を剥いた。安楽椅子の脚が「ガタガタガタッ!♡」っと鳴った。

 射精の後は後悔が襲い来る。腕がひとりでに、オナホールの僅かに凹んだ持ち手の部分を力強く握った。
『「それじゃほら、さっさとシゴけ🤍💜 チンポ滅茶苦茶に『損』させてやる🤍💜 さんはい🤍💜

 イチニ🤍💜イチニ🤍💜イチニ🤍💜イチニ🤍💜イチニ🤍💜イチニ🤍💜イチニ🤍💜イチニ🤍💜イチニ🤍💜イチニ🤍💜イチニ🤍💜イチニ🤍💜イチニ🤍💜イチニ🤍💜イチニ🤍💜イチニ🤍💜」』

 容赦のないカウント。滑舌が良いがためにはっきり聞き取れてしまう。声に筋肉が同期して動く。宣言された通り、さっき自分で動かしていた時とは比べ物にならない。1秒に5~6回扱くリズムだった。

 本来ならこんな速度で扱けるわけがない。摩擦と吸引が凄すぎて、1回1回が10kgのダンベルを持ち上げるくらいの手応えなのだ。
 それでも腕が、自分の限界を超えた力で反復運動を行ってしまう。紫と白の縞々が判別できない速度で上下する。
 大きく、ハイテンポな異音がペニスで断続的に鳴り続ける。トイレ掃除の達人が巨大スッポンでひたすら、何度も、何度も、徹底的に汚れを吸い上げるような音だった。
 これは汚れではない。自分の大事な遺伝情報なのだと申し立てたくなる。しかし、誰も聞き入れる者はいない。

 ズッポ!🤍💜 ズッポ!🤍💜 ズッポ!🤍💜 ズッポ!🤍💜 ズッポ!🤍💜 ズッポ!🤍💜 ズッポ!🤍💜 ズッポ!🤍💜 ズッポ!🤍💜 ズッポ!🤍💜 ズッポ!🤍💜

 精管と金玉が裏返しになるほどの吸引を受け、狭く螺旋状に溝深い肉穴でペニス全体を逆撫でし続ける行為は、口から泡を出し、気を失いそうになるほどの壮絶体験だった。それでも腕の動きは絶対に止まらない。椅子が青年を乗せたまま1cm浮き、また床にガタンと落ちるのを繰り返す。射精する度に腰が震え、ペニスが鬼吸引を受けるのでその時だけリズムが変わった。
 ガタッ!♡ ガタタッ!♡ ガタッ!♡ びゅるっ💛 ズルルルルルルッ!!🤍💜 ガタッ♡ ガタッ♡ ガタッ♡ ガタッ♡ びゅるっ💛 ズズズズズズズズ~~~ッ!!!🤍💜🤍💜 ガタッ♡ ガタッ♡ ガタッ♡……





「あぁぁああぁあぁあぁぁ~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡ やべ♡♡ やべでええぇぇぇ~~~~~~~~~~~~♡♡♡」



 ニュルルルルルルルグチュグチュグチュグチュグチュニュルルルルルルルルルルルニュルニュルニュルニュルグチュグチュグチュグチュニュルニュルニュルニュルニュルニュルニュルニュルニュル💗💗💗

 筒の外にもはっきり漏れ出るほどの音だった。「何重奏」なのかわからない。ペニスの上を大小様々な、大量の「ミミズ」が這いずり回っている。
 現実に存在するミミズの種ではない。うっかり一匹の頭の先が「ちょろっ💗」っと陰茎の先をかすめただけで、顔の筋肉が全てほどけ、膝ががくっと折れそうなほどの感触を持った「魔のミミズ」だ。いわば一匹一匹が小さな魔物だと思った。

 ニュルニュルニュルニュルグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュ💗💗

 中はミミズたちの体表から分泌される「ミミズ脂」のようなものでヌルヌルのグチョグチョだった。動くクリームパスタ状態。
 千差万別のミミズがペニスを細かく、チームワークを感じるような動きで這い回る。
 その動きの細かさ、複雑さが本当にすさまじい。一匹ごとのミミズの体節、環帯、動きのクセ、性格が克明に伝わってくる。ウゾウゾとカリも裏筋も尺取り虫のように這い回っている。全てのミミズが男の棒のか弱い所を心得ているようだった。

「あっ!♡ だめっ!♡ でるっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」

 びゅうううぅぅぅぅぅうううぅぅぅ~~~~~~~~~~💛💛💛 びゅるるるるるるっ💛💛 びゅっ💛 びゅるるる💛 びゅううぅぅ~~~~💛💛

 ミミズたちの中に自分の子種をたっぷり放ってしまう。おぞましさで頭の中が埋まる。動くクリームパスタに温かく黄ばんだチーズを加えて、カルボナーラが出来上がってしまった。その後に――

 ウゾウゾウゾウゾウゾウゾウネウネウネウネウネウネウネパクパクパクパクパクパク💗💗💗

「あぁぁぁああぁぁぁぁああぁぁぁ~~~~~~~~~♡♡♡」

 中のミミズたちが一層活発に蠢き、美味しいチーズを絞り出してきた。奥の方にいるミミズの一匹一匹が、精子をひとつひとつ食べているみたいな動きも伝わって来た。

 あまりの快感とグロテスクな感触を前に手を放しそうになって、青年は慌てて掴み直した。

 カードの説明欄に書いてあった。この筒を持っていることがミミズたちを筒の中に封じ込めておく条件になっており、手を離すと、次から次へとペニスを這ってミミズたちが筒の外へ出てくる。

 危険なオナホールだが、≪モンスターホール≫と同様、一日一回は使って必ず「餌やり」を行う必要があった。

『「そうしないと、空腹で、次に使う時に手がつけられないほど凶暴化してしまいます💗」』

 そう「声」に言われたのは、それぞれ一回ずつ凶暴化した状態を味わって、死ぬ思いをした後だった。

 この≪ミミズの筒≫の場合、たった20時間ほど間を空けただけで、ミミズたちの動きが壮絶な早回しになり、ペニスを溶かし尽くして食べるつもりなのかというとんでもない目に遭わされた。終わった後、陰茎表面にはミミズたちの這った痕がたっぷりと残った。

 その時の恐怖を青年は忘れることができない。10時間に渡って決死の覚悟で筒を掴み続けなければならなかった。甘い快楽で何度も何度も筒から手が離れそうになり、明らかに、ミミズたちも青年が筒を取り落してしまうことを狙った動き方をしていた。

 耳の中の声が甘い語りで誘惑してきた。

『「どうでしょう?💗 うっかり手を離して、ミミズちゃんたちに全てをお任せしてみませんか?💗

 前回の所有者も、この≪ミミズの筒≫を一週間放置して、次に使用した時、とても大変な目に遭いました💗

 今のように、ミミズたちが甘い動きで、筒から手を放すように仕向けて――

 取り落した5分後には、凄い光景になっていましたよ?💗 辺り一面、床も、壁も、天井も、夥しい数のミミズで覆われて何も見えなくて……💗 その所有者さんがいたところは、こんもりと人型にミミズの小山になっていました💗

 ミミズちゃんたちはテクニシャンですから、見た目に反して、意外と天国だったかもしれませんねぇ……💗
 延々、ウネウネ💗 グチュグチュ💗 と体中を、お尻の中の中までたぁ~っぷり虐められて、数えきれないほど射精して……💗

 十日後に、お腹いっぱいになったミミズたちが筒の中に戻った後には、干からびたミミズより細〜くなった所有者の死体が出てきましたとさ💗 めでたしめでたし💗

……ね💗 ほんのちょっとの間、筒を床へ落とすだけで、同じ目に遭うことができますよ?💗 ねぇほら💗 どうです?💗 うっかり、間違って、手を離してみませんか?💗」』

「ひっ!♡ ひいいぃぃ~~~~~~~♡♡」

 そんなことを囁かれては、絶対に手を放すわけにはいかない。
 ミミズたちがウネウネ動いて筒は震えるし、脂が染み出て表面がヌルヌルするし、射精の前後で指に力が入らなくなるが、必死にミミズの筒を自らの股間の位置に固定し続ける。

 その間、肉棒が、余す所なくミミズたちのディナーとなる。大量のミミズに耕され、ぐちゃぐちゃになったペニス畑は、芳醇な、栄養たっぷりの精子をご馳走し続ける。

 ニュルニュルグチュグチュグチュグチュグチュニュルニュルニュルニュルニュルニュルニュル💗💗
 びゅるっ💛 びゅるるるるるる💛💛 びゅっびゅ💛 びゅるるるぅぅ💛💛
「あぁっ♡ あっ!♡ ああぁあぁぁ~~~~~~~~~~~~~~♡♡」



ウ゛イ゛イ゛イィィィィィィ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ン💙💙 ギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュギュル💙💙

「止゛め゛てええぇぇぇ~~~~~~~~~~~~~~!!!♡♡ 止゛め゛っでええ゛ぇぇぇぇえぇえぇえぇ~~~~~~~~~~♡♡」

 電動オナホ≪CYCLONE DICK KILLER V4≫の恐ろしい駆動音が管理室の中に響いていた。

『「何度も説明致しておりますが、一度作動したら、『ベーシックモード』の3時間が終わるまでいかなる方法でも止まりません。動力が永久機関のため絶対に中断は不可能となっております。これはマニュアルの取り扱い注意事項④に記載されており――」

 ギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュギュル💙💙
「お゛オオオオォオオォォオオオオオ゛ッ♡♡ オオオオオォォオオォ~~~~~~♡♡ オオオォオオォォォオ~~~~~~~~♡♡」

 青年はそれ以上、説明を聞けるような状態ではなかった。
 中はグリースのような潤滑剤が定期的に、洗剤を自動で投入する洗濯機のように注がれているが、それでも辛いほど内部の凹凸の引っかかりが凄い。

 素材は文明レベルを何千年も進めたゴムのような代物だった。男の肌にしっとり貼りつくような触り心地がした。この素材でできたコンドームがあったら、多分あまりに滑らかすぎて、装着しているだけで射精しそうになってしまうかもしれない。

 そんな最新素材でできた複雑な起伏だらけの内部が、高速で、パワフルに――

 ギュイイイイイイイィィ~~~~~~~~~~~ン💙ギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュル💙
「だめええぇええぇぇえええぇぇぇ~~~~~~♡♡ しぼり゛どら゛れ゛る゛うう゛うううぅううぅぅううぅぅ~~~~~~~~~~~~~~~♡♡」

 生物の力では絶対に抗えない勢いで回転している。力に比べてこれも極めて先進的な静音モーターだった。馬力からして、多分現代なら大型貨物船のタービンくらいの轟音が流れているはずだ。
 しかも、微妙に上へ移動したり、下へ移動したり、中にいくつも駆動域があって、角度も、速度も、回転方向も、事細かに変化を続けている。

 その動きはまさに男の弱点を知り尽くしていた。高級車を運転している時のように、開発過程の緻密さを想像せざるを得ない。「このペニスは3.9秒で射精」「このペニスは3.1秒で射精」「このペニスは2.5秒で射精」というように、来る日も来る日も、哀れな被験者を何万人とテスターにしてブラッシュアップしたのだろう。とにかく1秒でも早く男の精液を搾り出すのに最適化されている。男根の人間工学にこの上なく基づいた責め立てだった。

「あ゛ああぁぁ~~~~~~ん♡ ああ゛あああぁぁぁ~~~~~~ん♡♡」

 ガチガチッ♡ っと、いくら引っ張っても、絶対に外れない手応えだった。ダンプとワイヤーで繋げてアクセルを全開にしても外すことはできなそうだ。
 機械ならではの、一度挿入すると何をどうしても止めようがない絶望感に浸される。

「あ゛♡ も゛う゛だめ゛♡ でる゛♡ でる゛う゛うぅぅうううぅぅ~~~~~~~~~~~~~~~!!♡♡♡」

 びゅううううぅぅぅぅぅぅううぅぅぅ~~~~~~~~~~💛💛 びゅるるるるるる💛💛💛 びゅっびゅ💛💛 びゅるるるるるぅぅぅ~~~💛💛

 ズボボボボボボボボ💙💙「あううぅぅぅ~~~♡♡」ギュイイイイイィィィィィィィィ~~~~~~~~~~ン💙💙

 青年の腰が哀れな角度に前傾する。射精してもゴミを回収するようにすぐ吸い上げられ、1秒も間をおかず次の搾精が始まる。工場の大量生産マシンと同じレベルの無慈悲さだ。

『「では、今回の終了コードを発表致します。

 『3時間搾精後、1番を押しながら3番を4回押して、その後1番から指を離して2番を3秒間押した後、5番を押さずに4番を強く2回押す』になります。

 心して入力してくださいね。例の如く、間違える毎に1時間の『キルモード』が追加されますので……💙」』

「ひいいぃぃぃいいぃぃぃ~~~~~~~~~~~~!!!♡♡ もうい゛っがい!!♡ も゛う゛い゛っがいゆっぐり言ってえええぇぇぇ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡」

 青年は泣きながら訴えた。前回、7回間違えて、7時間の「キルモード」を受けた。機械の筒から溢れ流れてしまうほど負け潮を噴出させられた(故障してくれないかと思ったが、「完璧な防水加工のため好きなだけ潮をお噴きくださいませ」とカードの説明に書いてあった)地獄の記憶が蘇ってきた。外された時に現れた、部屋の風景が全部克明に映るほどピカピカになった自分の性器の姿を思い出す。

 ギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュルギュル💙💙「あああぁぁぁぁぁぁ~~~~~♡♡」びゅるるるる💛 びゅるるるるる💛

 こんな、下半身全てが崩壊してしまうような刺激の中で、複雑なコマンドを間違えることなく入力することは到底不可能だった。

 結局青年はその日も5回間違え、ペニスが一回り小さくなってしまうほどの工業的な潮噴き地獄を味わうことになってしまった。



 事前説明の通り、6枚のオナホールカードはどれも1日でも使わないでいると次の利用時に何かしらの「お返し」をされるので、青年は毎日、全種類使わざるを得なかった。

 1種類につきどれだけ短くても最低3時間。全部使い終えるだけで18時間かかる。さらに、どれかの使用で不意の「延長時間」が発生すると、睡眠時間を削ってでもオナニーをする必要があった。

 何としてでもこれらのカードを処分してしまいたかった。本当にこれ以上は命に係わる。実際にもう寿命が10年は削れている気がした。

 肥っていた体はげっそりと痩せ細ってしまっていた。多分一日に5000kcalくらい消費している。それでいて、右腕だけにムキムキと筋肉がついていた。ずっとオナホを握り込み、振り立て、あるいは無駄だと知りつつも押さえつけているからだ。

(このままだと死ぬ……オナホに殺される……)

 とにかく、処分しなければならない。ストレージ行きのカードに紛れ込ませるとか、少し怖いが捨てるとか、多少勇気は必要だが、色々な手段が考えられた。

 しかし、できなかった。2つの理由からだった。
 1つは、失敗した時のリスクが大きすぎること。ほんの1日使わなかっただけで死ぬような目に遭わされるのだから、もし廃棄して、「帰って来たら机の上に6枚のカードがそっくりそのまま置いてある」、という展開にでもなったら、いよいよ命を全て奪い尽くされてしまう。泣いても喚いても許されない。このオナホールたちに命乞いが通用するわけがない。そういった事態を想像しただけで、股間がひゅん♡ となった。

 そしてもう一つは――

 全ての男性が、もっと生産的な行為に時間を割かなければならないと思いつつ、日々のオナニーをやめられない理由と同一だった。

(ぁ……何で……ぁ……ぁ……♡)
「か……『管理室へ……移動……♡』」
 青年は今日も、起きてすぐ、顔も洗わず、歯も磨かず、朝勃ちペニスをひっさげたまま、マクガフィンの管理室へ向かってしまった。

 机の上には出しっぱなしの状態になった6種類のオナホールが主の使用を今か今かと待っていた。

 青年が近づくと、嬉しそうに、また、空腹に耐え兼ねているように、6個全てがひとりでに動き始める。

 カタッ💜 カタカタ💚 カタカタカタ🤍💜 カタカタカタカタ💗 カタカタカタカタ💙 ゴトゴトゴト🖤

 ヒクヒク💜 ガルルルルル……!💚 ズズズズッ🤍💜 ウネウネニュルニュル💗 ウイイイィィィィ~~~~~ン💙 オオオォォ~~~ン🖤




「ひいぃっ♡ ひっ♡ ひっ♡ ひっ♡ ひっ♡」

 青年は恐怖で気絶しそうになりつつも、コキすぎて筋肉がついたほうの腕でオナホールの一つを掴む。
 今日も最初は≪ネッチョリ貪るサキュバスホール≫からだった。
 これも辛い目に遭うことは遭うが、他のホールに比べるとまだ何とか優しめなので、いつも最初に選んでしまう。

 ヒクヒク💜 ヒクヒクヒク💜 と、作戦勝ちを誇るように入り口が拡縮した。
 最初のホールが選ばれたのがわかると、ガルルルルル!💚 グルルルルルル!💚 と≪モンスターホール -搾精怪筒VS人類≫が怒りの唸り声を上げ、グジュルグジュルウネウネウネ💗 と ≪ミミズの筒≫のミミズたちがお仕置き前の準備体操をするように一斉に蠢いた。

「ひっ!♡」
 青年は怯え声を出した。今日もまた、それらのホールから酷い目に遭わされてしまうに違いない。

 青年は嘘偽りなく本気で恐怖の底に居たが、どうしようもなかった。

 人間の脳は、お手軽に強い快感を味わうと、無意識にそれを繰り返すようになってしまう。
 射精を一日、何十万回と行うというのは人体の設計外の体験だ。青年の脳には度重なる射精の快感が強力に焼き付いて、体が勝手に地獄のオナニーを求める「依存状態」に仕立てられてしまった。

(死んじゃう……♡ このままだと俺……♡
 で、でも♡ 止められない♡ 他の事が何も手につかない♡ 死ぬまでオナニーし続けちゃう♡

 お、俺……童貞なのに゛……生身のマンコも知らないまま、こ、こんな、化け物みたいなオナホールに、命を……♡)

 むにぃっ💜 っとサキュバスホールを掴んだ瞬間、耳の中の声が囁いてきた。

『はい。すっかり重度の「オナニー中毒」になってしまいましたね。

 ……どうです? オナニーというのは、本当に素晴らしいでしょう?♡ 自由で、孤高で、最高に気持ちいい営み♡

 あなたはこれらの素晴らしい名器たちによって、通常の男性が決して行うことのできない至高のマスターベーションを手に入れたのです♡ その幸福に比べれば、そのまま命を吸い尽くされてしまうことなんて、些細なことではないですか?♡』

 ほとんど自動で腕が動き、掴んだホールの入り口が陰茎先端の前にやって来てしまう。
 ほか💜 ほか💜 と入り口から熱気が亀頭へ浴びせられた。入り口近辺がウネウネウネウネ💜 と妖しく、招き入れるように蠢いている。

「だ、誰……誰なのぉ?」

 青年は泣きながら、耳の中の声に対して今更な疑問を口にした。

『私ですか?♡ 私は「オナホ妖精」です♡』

(誰……?)

「では、今日のオナニーを開始しましょう。
 1発目は……『射精したら懲罰音声』です♡

 では、始めます。

 ……『はい、じゃあ被せてぇ?💜 ……ぬっぽり💜

 慣らすために、ゆっくりシゴかせてあげる💜
 イチ、ニ💜 イチ、ニ💜 中もネ~~~~ッチョリ動かしてぇ💜 ほら💜 モグモグ💜 ムシャムシャ💜

 ……あ、もう腰浮いてきた💜

 相変わらず早漏ボクちゃんねぇ💜 でも、ぜぇ~ったい射精しちゃダメよぉ~~?💜 最初の1回目は、たった10分我慢するだけでクリア💜 でも、それまでに早く射精すればするほど、厳しい罰が待ってるからねぇ~ん?💜

 ……もう!💜 泣き言言っちゃダ~メ💜
 まだ残り9分45秒でしょぉん?💜
 1分以内に射精なんかしたら、≪ネッチョリ貪る≫から、一番酷い≪ゴッソリ吸い殺す≫モードに12時間変わって、オチンチン本当に、ギタギタの、滅茶苦茶にされちゃうのよ?💜 腕も、今の20倍くらいの速度で自動上下💜 こんな1発目の序盤から、トラウマオナニー味わいたくないでしょお?💜 あと5個も順番待ちしてるんだから💜 射精しちゃダメ💜 男の子でしょ?💜 泣く元気があったら我慢するの💜 ほら💜 イチ、ニ💜 イチ、ニ💜 イチ……」』

 びゅうううううぅぅぅ~~~~💛 びゅるるるるるっ💛 びゅっ💛

『「……あぁ~あ💜 大変大変💜」』ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜『「≪ゴッソリ吸い殺す≫始まっちゃった💜」』ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜
『「あらぁ~💜 もう見てらんない💜 こんな、オチンチン引きずり込まれながら、無理やり腕を上下に振って……💜」』びゅうううぅぅぅぅぅ~~~💛 びゅるる💛『「Oh……💜」』ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜びゅっ💛 びゅるるるるる💛『「もう私の声なんて聞こえてないわねぇ💜 それじゃ、そのまま凶悪オナニーにどっぷりと、没頭なさい💜 オナニーは嫌な事を後回しにさせて、男を破滅へ導く娯楽💜 ……後で、待たされた他のオナホールちゃんたちにオチンチン壊滅させられちゃうけど……今はただ、精液ぶっこ抜かれることだけを楽しんでねぇ~ん💜」』ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜ブッポ!!💜……




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『なぁ🧡 なぁ🧡 今日も……🧡 な🧡』
「ひっ!♡」

 布団を被って震える男子高校生の耳へ、甘えるような≪封印されし悪狐≫の声が届いた。
 引き出しの奥深くにしまったはずなのに、はっきりと聞こえる。

『機嫌直してぇな🧡 確かに、昨日はたっぷり、朝の八時から、今日の朝六時まで、ずぅ~っとしゃぶり通しから大変やったやろうけど……🧡
 今日は優しくするから……な🧡 な🧡』

「ひいぃぃ♡ だめぇ♡ 『あっこ』ぉ♡」
 「昨日」どころではない。一昨日も、三日前も、四日前も……
 毎日3食、≪悪狐≫の口に精液を捧げる生活が続いている。
 1回につき4時間。計12時間。もっと長くなることもあるし、最近は「おやつ」もねだるようになってきた。
 以前は楽しくお喋りをしていた口が、もう今は食事にしか興味が無いというように、執拗に自分のペニスを求めている。
 昨日の壮絶な体験を思い出す。ぶっ続けで22時間しゃぶられ尽くして、芯までふやけたペニスがまだパンツの中で元に戻っていない。

 ≪悪狐≫に行われている食事が何かしら自分の体に悪影響があるということも、もはや明白だった。もともと瘦せ型ではあったが、今はもう体が病人のように痩せ細っている。夜中に部屋から抜け出て風呂場の体重計で計ったが、最後に記憶にあった体重から10kg落ちていた。明らかに異常だった。

(ぁ……な、何か……食べないと……)

 これまでは放置していることが多かったが、いつもの通りなら、親が部屋の前に毎食食べ物を用意してくれているはずだった。布団から這い出る。

『……そうや🧡 なら、また「げーむ」しようや🧡 それならええやろ?🧡 短く終わるかもわからへんし🧡

 坊んもうちのおくち、嫌いやあらへんのやろ🧡 な?🧡』

 語り掛けてくる。まるで≪悪狐≫の実際の口が耳のすぐ傍にあり、吐息混じりに囁かれているようあった。

「うぅっ♡」

 ≪悪狐≫の声の甘さと、「げーむ」という言葉によって男子高校生は股間を押さえ、金縛りのように動けなくなった。

『なぁほら🧡 勝っても負けても、気持ちようしたるから🧡
 思い出してや🧡 うちの長ぁい舌が、坊んの珍棒をべろべろ🧡 べろべろぉ~って🧡 唇の輪っかが、かっぽかっぽ🧡 上から下まで忙しゅう移動して……🧡』

「ひいぃっ♡ ううぅぅっ~~~♡」

 これまで毎日何回も、通算何百時間も味わわされた体験が、テープに刻まれた情報のようにペニスの表面へ蘇ってくる。正直、たった2時間眠っただけでは陰茎に残る「食事」の感触は消え切っていない。唇の痕が残って縞模様のようになっているし、悪狐の濃い唾液の臭いも染みついている。

 想像によって、むくむくむくっ♡ っとペニスが勃起をしてしまうのを、高校生は止められない。腰が浮き上がってしまう。

『溝のところをベロの先っちょでほじられながら、亀さんをべろべろしつこぉ~く舐め回されるの、好きやろぉ?🧡 舌を蛇みたいに巻きつかせて口の中でじゅっぽじゅっぽオチンチン絞りされて……🧡

 坊んのしてほしいこと、ぜぇんぶこのお口でやったるで?🧡 さぁ🧡 うちと仲良う遊ぼうや🧡 な?🧡 な?🧡』

「あぁぁ……ううぅぅ~~~~~♡」

 部屋のドアノブに向かっていた手と体の方向は、そのまま、≪悪狐≫のカードが収められている机へ転換されてしまった。
 そして――



――べろべろべろ🧡 れろれろれろ🧡 がぽっ🧡 がぽっ🧡 がぽっ🧡 がぽっ🧡 がぽっ🧡 がぽっ🧡 がぽっ🧡 がぽっ🧡 がぽっ🧡 がぽっ🧡 がぽっ🧡 がぽっ🧡 がぽっ🧡 れろれろ🧡

「あああああああああぁぁぁああぁあぁ゛♡ う゛ううぅぅぅううぅぅぅ~~~~~~~♡ お゛おおおぉぉおおぉおお~~~~~~~♡♡」

 れろっ🧡 れろっ🧡 れろっ🧡 れろっ🧡

『さぁ坊ん🧡 次は「ご」から始まる夏のもんやで🧡 「こ」でもええで🧡 ほら🧡 早よ言いぃな🧡』

 がっぽがっぽがっぽがっぽがっぽがっぽ🧡 れろれろ🧡 れろれろれろれろ🧡

 下品な音の口淫を続けられながら、それを行っている≪悪狐≫の声が耳の中へ響く。

 今、股間で繰り広げられているのは、17歳のいたいけな高校生にとってはあまりに破壊的な捕食行為だった。例え何十年もピンサロに通った猛者でも、体をのけぞらせて耐えようもなく喉奥へ精液を放ち狂っているだろう。≪悪狐≫の口と舌はこの一ヶ月半の間で男子高校生のペニスのありとあらゆる「弱い」部分を、専門家のチームが何十年も分析した以上に明らかにしていた。

「いやああぁぁぁああぁぁぁぁ!!!♡ 『ごっ』! 『ごっ』! 『ごっ』……『ごりらぁ』!♡♡ ひいいぃぃっ♡」

『アホか🧡 夏のものって言うたやん🧡 ……これはペナルティやな🧡』

 ぢゅるぢゅるずぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞ~~~~~~~~~っ🧡🧡

 お仕置きするように、口の中が一瞬で真空になる。魂を吸い出すような特大バキュームが浴びせられた。カードから突き出た口元がひょっとこのように伸びて高校生のペニス全部に覆い被さっている。

『ひいいぃぃぃ~~~~~~~~~~~~♡ やべで~~~~~~~~~~~~!!♡』

 びゅるるるるるるる💛💛 びゅぐん💛 びゅぐん💛 びゅるる💛

 男子高校生は精液をたっぷり放出し、それらを全て、≪悪狐≫の口がおいしそうにぢゅるるるるるるるっ🧡🧡 っと吸い切った。マナーなど微塵も感じられない。
 ごっくん🧡 と音を立てて飲み込む。

「ぷはぁ🧡 だめやって🧡
 全然勝負にならへんやん🧡 この『季節しりとり』は本来、風流な遊びやのに🧡
 語彙からしたら、この世界に来たばっかりの、うちのほうが不利やろ?🧡

 ほら、ようさんあるやん🧡 「御霊祭』、『氷菓子』……『ゴキブリ』とかでもえかったんやで?🧡
 ……まぁ、ひとまず再開しよか。『氷菓子』として……『し』から始まる秋のもんは……『渋柿』にしとこかな。
 じゃあ、次は坊んの番や🧡 『き』で始まる冬のもんやで🧡

 ちなみに……」

 そこで≪悪狐≫は口だけの画面の中でぺろりと舌なめずりをし、凄絶な笑みを浮かべた。

「次言う前にイってしもたら……坊んの負けや🧡
 罰げーむで、約束通り、うちの『本気の尺八』見せたるさかいな🧡 封じられてもうて力は弱まっとるとはいえ……生身の人間の坊んには、ちょぉ~っと辛いもんになると思うでぇ🧡」

 それは恐ろしい迫力を伴った言葉だった。女性の口一つだが、男子高校生にとっては、筋骨隆々の大人1万人に、本気で暴行を加えると宣言されたような気分だった。

「ひいいぃぃぃ……ううぅぅ……」

「それじゃ、行くでぇ~?🧡」

 咥えられる前に考えようとした高校生の思考を先回りするように、宙に浮いたカードが前に進んで、また高校生のペニスを咥え込んできた。

 にゅるっ🧡 ぬぷぷぷぷぅ~~~~🧡 れろぉぉ~~~🧡

「ううぅぅ~~~~~~~♡♡」

 それだけでもう腰が溶け崩れ、精液の先っちょが放出口すれすれまで昇ってしまう。口いっぱいに満ちた邪悪な気配。長くて柔軟で、男の意識を削り取る舌。ただ口に含まれただけでも心が折れそうなのに――

 ……ジュッポ🧡 ジュッポ🧡 レロレロレロ🧡 レロレロレロレロ🧡 ジュッポ!🧡 ジュッポ!🧡 ジュッポ!🧡 ジュッポ!🧡 ジュッポ!🧡 ジュッポ!🧡 ジュッポ!🧡


「おおお゛おおおぉぉ~~~~~~~~ん♡♡」

 男子高校生の腰がくの字に折れ曲がる。重い荷物を必死で持ち上げる時のポーズになる。カードが、高速でペニスの根元⇔先端間の距離を何度も何度も往復した。

「お゛おおおお゛おおおお゛おおお゛おお゛おお♡♡ オッ♡ オッ♡ オッ♡」

 こんな上下をされているのに、口の中もしっかり、ベロベロベロと、スクリューのように舌を動かされたり、舌先で裏筋をナゾられたり、数百枚の舌が色んな動きをしているように、多種多様な責めを与えられ続けているのだからたまらない。

『ほぉら🧡 「き」のつく「冬」もんやでぇ?🧡
 早う答えぇな🧡 イってしもたらそこで終わりやでぇ?🧡』

 とてつもないフェラチオがずっと続いている。腹筋も、腰の奥の射精括約筋も、こんなものの前では役に立たない。

 あまりに凄すぎて体のどこにも力が入らなかった。歯を食いしばることもできない。全身を肉棒一本、口一つで完璧に弄ばれる。

「『き』……『き』……『き』……『き』……ぁ……あ……♡ あ……♡ そこだめ♡ だめ♡ だめ だめ♡」

 もうしりとりどころではなかった。切羽詰まった声しか上げられない。脚が内股の、角度広めの八の字になる。最初のオナニーを覚えてまだ10年も経っていない新参ペニスでは到底耐えられない。

「もうだめ♡ だめですぅ♡ あ♡ あ♡ あ♡ あ♡……」

 腰が融解した。
 びゅっ💛 びゅるるるるるるる💛 びゅっびゅ💛 びゅるるるるぅぅぅ💛

 降参宣言とともに、睾丸に詰まった、若いぷりぷりの中身をひっくり返すような射精を行った。ぴっちりと閉じた唇の中に青臭い精を放つ。放たざるを得ない。

 ちゅーちゅー🧡 と甘く吸われ、唇が離れるまでの間、高校生は呼吸もできなかった。

 ……っぽん🧡 ごきゅっ🧡

「……ぷはぁ🧡 ほんま、だらしないなぁ🧡
 『金柑』やら『北風』やら『切り餅』やらいっぱいあるやろ?🧡」

 唇の端からわずかに垂れた白濁を、べろりと舐め取りながら≪悪狐≫は言った。

「じゃ、可哀相やけど『罰げーむ』やな🧡

 うちの本気の舌使い、見せたるさかい……
 この世には、どうにもならんこと、逆立ちしても絶対に敵わへんことがあるゆうことを、珍棒でいぃ~っぱい『お勉強』するんやでぇ🧡」

 にっこり笑い、次いで突き出された舌がれろれろと、波打ちながら近づいてくる。男子高校生のペニスへ。

「いやっ♡ いやっ♡ いやっ♡」

 恐怖で床を後ずさるが、狭い部屋なので逃げ場がない。剥き出しの尻が壁にどんっと当たり、追い詰めたペニスへ1枚のカードが、口が、舌が、迫って来る。

「あぁっ♡ いやっ♡ あぁ……」



「上の部屋、今日は特に騒がしいな……」
 キッチンの机で中年の男女が向かい合い、神妙に話を続けていた。

「えぇ……何か、部屋の模様替えをしているか、運動をしてるかだと思うけど……」
「まぁ、何にせよ、動いてるっていうのは良い事かもな……外の世界に意識が向いているのかもしれない」
「……でも、最近あの子、全然食事を食べてないの。お金を置いても取ってないから、外に買い物にも行ってないみたいだし……大丈夫かしら……」
 話をしているのは男子高校生の父親と母親だった。スーツ姿の父親はテーブルへ肘をつき、深いため息を漏らす。
「もう少ししたら、この前の通信制高校の話をしてみよう。
 ……まぁ、大丈夫だよ。今の時代、こんなことはそう珍しいことじゃない」
 母親は心配そうに天井を見上げた。2階からずっと、何かの生き物が苦しんで床をのたうち回っているような、壮絶な物音が響き続けている。かれこれもう3時間ずっと――

 どすん!♡ どすん!♡ ごろごろごろ♡ どん!♡ ごろごろごろごろ♡ どすんどすんどすん!♡ どんどんどん!♡ どっすんどっすんどっすん♡♡……



 階段を上がっていれば聞こえただろう。閉ざされた扉の隙間から漏れ聞こえる、息子の絶叫と、何かが何かをひたすら舐めしゃぶり、吸い尽くしている凄絶な音。

 じュッポ!!🧡じュッポ!!🧡じュッポ!!🧡じュッポ!!🧡レロレロレロ🧡🧡れろれろベロベロベロ🧡🧡ネロネロネロネロ🧡🧡ヂュッポン🧡ヂュッポン🧡ヂュッポン🧡ヂュッポン🧡ヂュポヂュポヂュポヂュポ🧡レロレロレロレロ🧡ベロベロネロネログチョグチョグチョグチョ🧡🧡グポ!🧡グポ!🧡グポ!🧡グポ!🧡グポ!🧡グポ!🧡

 どすんどすん!♡ ごろごろ♡ ごろごろごろごろ♡ どすん!♡ どん♡ どん♡ どん♡ ばたっ♡ ばたっ♡ ごろごろごろ♡ ごろんごろんごろんごろん♡♡

「アオ゛ッ!♡ アオオオオオオオオオオオオォオオオォ!!!!!♡♡ たひゅっ!♡♡ タヒュケッ♡♡ おッ!♡ おち゛ンぢん♡♡♡ どげ♡♡ どげる゛ううぅぅぅううぅぅぅううぅぅ~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ たひゅけ……♡♡ たひゅげでえぇぇ~~~~~~~~♡♡♡」

 外へ出ようと、ガリガリ♡♡ と爪が扉に触れたり、ガチャガチャとドアノブを回したり、中のサムターンに触れて鍵を開けようと試みる音が時折響いたが、その度にヂュルルルルルルルルルズボボボボボボボボボボボボボ🧡🧡 っとひときわ凄い吸引音がして、そのまま手の届かない位置へ連れ戻されているようだった。

『ほら🧡 何しとるんや🧡 こっちは、やっと舌の調子が戻ってきたところやでぇ~~?🧡
 辛くなかったら「罰」にならんやろ?🧡 ここからは、もっともっと、比べ物にならん事にしたるさかいな🧡
 ほら🧡 こっち🧡 広いところに来ぃや🧡 あと30時間くらい、きっちり往生させたるわ🧡』

 バタフライのようにバタッ!♡ バタッ!♡ っと必死に腰を動かす音が聞こえる。ズルルルルルル~~~~~~~~~~~~~~ッ!!!!🧡🧡🧡 という凄まじい吸い音とともに、その音が止む。抵抗することもできなくなってしまったようだった。

「ママ~~~~~~!!♡♡ パパ~~~~~~!!♡♡」

 哀れな息子が助けを求める声も、息子の「友達」が立てる恐ろしい捕食音も、扉に隔てられ、誰の耳にも届かなかった。




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「あ゛あああ゛アアアァァァアアアアアアア!!!!!!!!!!!!♡♡♡♡ 熱っづい゛いいぃぃいぃ!!!!!!!♡♡♡ 熱゛い゛よオおおおぉぉおおおぉぉおおぉ~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

 ジュウウウウゥゥゥウウゥ~~~~~~~~~~🤎💛

 泣きながら大絶叫しているのは、「魔の公園」の砂場へ全裸で大の字にされたプロプレイヤーの男。

 四肢には黒いオーラを放つ鎖が、それぞれジャングルジム、シーソーの脚、ブランコの安全柵、鉄棒と繋がって磔にされている。

 泣き叫ぶ男の股間にデカケツを降ろし、根元まで膣でペニスを咥えながら座っているのは、褐色の暗黒鎧の姿に変わった男のエースモンスター。

 ≪断罪の男根処刑戦乙女(オーガンパニッシュ・ヴァルキュリア)≫だった。

 男の顔のすぐ横に両刃剣を突き刺し、その柄を握っている。
 美しい顔面と冷然とした赤い瞳で、元主人である男の狂態を見下ろしていた。

「罪名、『疑似児童強姦罪』。

 お前は幼児の見た目を有する吸精モンスターと性交を行い、計5851回の膣内射精を行った。

 天界の審判者たる私自身が罪の現場を見届けたもので、罪状の真実性は揺ぎ無い。
 何か申し開きはあるか?」

 ジュウウゥウウゥウゥゥウウゥウウゥゥゥゥウウウゥゥ~~~~~~~~~~~~~~🤎💛☠

「あっ♡ ああぁあああアアアアアアアアアアアァァァァ~~~~~~~~~~!!!!!♡♡」

 男はペニスが焼け焦げていると錯覚するが、熱が加えられているわけではない。膣が放つ恐ろしいほどの快楽が、ワッフルメーカーが生地をこんがり焼くように、性器一面に余すところなく浴びせられている。

「あ~~~ん🤎 おかされたよおおぉぉ~~~🤎 こわかったよおおぉぉ~~~~🤎🤎」
「う゛ぁるきゅりあのおねーちゃん🤎 このへんたいに、しっかりおしおきして~🤎」

 ≪お尻振り振り魔妖精(リャナンシー)≫が砂場の傍にあるベンチへ腰かけ、ウソ泣きをしたり、ぺろっと舌を出して嘲り笑いをしているのが男の目からのみ見える。

 ジュウウゥゥウウゥウウゥゥゥゥウウウゥゥ~~~~~~~~~~~~~~🤎💛☠ ジュワアアアアァァァアアァァ~~~~~🤎💛☠

「あ゛アアアァァァ~~~~~~~~~~~~~♡♡ アッ♡ アッ♡ アアアアァァァアアァ~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

 ≪叫喚の拷問呪印≫という魔術カードがある。相手の従者カード1体を対象に取り、行動不能にしつつ毎ターンダメージを与える有名な汎用カードだ。その対象となった従者カードは、苦痛に体をよじりながら、ゲームの中とは思えない迫真の絶叫を喉から出し続ける。

 男は愕然としていた。今、自分の口から出ている声の大きさと真剣さが、≪拷問呪印≫をかけられたモンスターとほぼ同じであるということを聞き取っていたからだ。

 プレイヤーに対してそんな体験を与えるカードなど、子供も遊ぶTCGの「マクガフィン」であり得る筈が無い。何が起きているかわからなかった。そして、体験のあまりの過酷さを前に、≪戦乙女≫へ何も返答することができない。
 何リットルもの汗が体から出て行き、ペニスがマグマオーシャンのような快楽に浸され、逃れられない。

「黙秘するのだな?
 審判の遅延行為。量刑にプラス1000点」

 ジュワアアアアァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアア~~~~~~~~~~~~~~~~~~🤎💛☠

「ひきゃああぁぁああぁああぁ~~~~~~~~~~~~♡♡ の゛お゛おぉぉおおおぉ~~~~~~~~~~~ん!!!!♡♡」

 股間の「快楽熱」がより一層超火力に変わった。海外などで行われている「性器を火で炙られる」拷問を受けた人間は、前後不覚になって失禁してしまうらしいが――

 びゅる💛 びゅるるるるる💛 びゅぐるるるるる💛 びゅるる💛

 プロプレイヤーの男も前後不覚となり、精液を情けなく膣内へぶちまけた。全くコントロールが効かない。

「……」
 呆れたように、ずっしりと尻を押しつけられる。自分が長く使っていた≪断罪の戦乙女≫に膣内射精を行ってしまったという意識が頭に湧くが、冷たさを増した視線によって断ち切られた。

「審判中の不適切行為。膣内に臭い汚れを放った罪。量刑にプラス2000点ずつ」

 声の冷たさに反比例して、膣内の熱さが上がって行く。

「ウワアアアァアアァァァァアアァァァ!!!!!♡♡♡」

 泣きながら男は首をブンブン振った。涙が飛び散り、禍々しい公園に泣き声が響き渡った。

「それでは、判決を言い渡す。
 『男根処刑ヴァルハラ』へ連行し、1万年、私の膣でペニス拷問を加えた上、斬首の刑に処す。
 ただし、この裁判中に量刑がプラス5000点されたため、5000年を追加する。

 さらにここから、今回の収戯中の愚かしい行動についても量刑に追加していく」

 ≪戦乙女≫は重く、低い声で、淡々と読み上げていく。
 
「『収戯中にずっと幼児のお尻に目を奪われていて惨憺たるプレイングだった』。1000年追加。『召喚しておきながら私の存在を完全に忘れていた』。2000年追加。『本当にもとからそういう性癖じゃなかったのか疑わしいほど簡単に誘惑に負けた』。2000年追加。『腰振りの仕方が素人童貞丸出しだった』。2000年追加。『センシティブフィルターがかかっているのに、たまに私の胸やお尻の膨らみを見ている目つきが気持ち悪かった』。4000年追加。『ローン返済が厳しかった時に私を手放そうか検討したことがある』。4000年追加。『使ってるスリーブが安物』。1000年追加。」

(ひっ♡ だ、だんだん関係なくなってきてる……♡)

 しかし、男は性器が快楽の焦熱地獄状態だったので、異議を申し立てることはとても無理だった。

「『この前のリーグ戦補欠出場の時、私を出せる状況だったにも関わらず、≪俊足の戦士 アキレウス≫の方を出した。4000年追加。『プロになってからマシになったが、昔は本当に体が臭かった』。4000年追加。『とても活躍しやすい構築を編成をしてくれて、徐々に型落ちになってきている私を使い続けてくれている』『7年間、ずっと』追加……減刑……追加……減刑……」

 壊れた音響機器のように、≪戦乙女≫がぶつぶつと繰り返した。

「追加……減刑……追加……減刑……」

 ぽたっ……ぽたっ……

(……?)

 男が気が付くと、自らの腹の上に熱い雫が滴り落ちていた。見ると、≪断罪の男根処刑戦乙女(オーガンパニッシュ・ヴァルキュリア)≫の、左目だけから涙が流れ落ちている。籠手をつけた左手がその目と、頭を押さえ、震えていた。

「ま……マス……ター……に……逃げ……」

 異変を察知した≪お尻振り振り魔妖精(リャナンシー)≫たちが素早く反応した。3人とも真顔になり、目線を合わせて、こくんと頷いた。

「おにーさん🤎 『だいこーぶつ』あげるねー🤎」

 男の頭の付近に3つの影ができた。

(え?)

「「「はい🤎 どーん!🤎」」」

 ぷりりりりりーーーーん🤎🤎 ずしずしずし🤎 ぷる~ん🤎🤎

「ん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!?!?!?!?!?!?!♡♡♡」

 男の顔面の全てが、ぷりっぷりんの、もっちもちの感触に包まれた。
 リャナンシーが全員、男の顔へ3つのお尻で「尻もち」をついたのだ。
 そして体重をかけて座り、力強くむちっ🤎 むちっ🤎 っと、息ができないほど押しつけてくる。「おしくらまんじゅう」に似ていた。

「ん~~~~~~~~♡ ん♡ ん♡ ん~~~~~~~~~~~~~♡♡」

「ほらほら🤎 これはただの、こどものあそびだよぉ~?🤎」
「こんなのでこーふんして、しゃせーしてたら、へんたいの『はんざいしゃ』かくてーだよねー🤎」

 びくっ♡ びくっ♡ っと体を跳ねさせる。幼児のお尻の濃厚な乳臭ささが胸いっぱいに広がる。3個のお尻が重くて首は全く動かせないし、下半身はずっしりと≪断罪の男根処刑戦乙女≫のお尻に潰されて動かせない。

「ん~~~~~~~~~~~~~~♡ ん~~~~~~~~~~~~~~♡♡ ん~~~~~~~~~♡♡ ん~~~~~~~~~♡♡」

 リャナンシーたちの顔は幼児の仮面が剥がれ、魔物そのものの悪逆な笑みを浮かべた。
「……ほぉ~ら🤎 とっとと射精せよ、雑魚🤎」
「手前の従者に手前で止め刺せ🤎 ロリコン犯罪者🤎」
「極刑受けろ🤎 ば~か🤎」

 3つのお尻、6つの膨らみが密に、一部の隙間なく押しつけられる。
 むぎゅううぅぅう~~~~~~~~~~~~~~~~🤎🤎🤎

「ん~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡」

 びゅううぅぅうぅううぅぅぅぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~💛💛
 びゅるるるるる💛 びゅるるるる💛 びゅっ💛 びゅっ💛 びゅっ💛

 まるでお尻で潰され、チューブから絵の具が押し出されたように、白くてぷりぷりの精液がペニスから飛び出した。

「!」

 その熱い液体を膣内で受け止めたことで――

 ぶつんっ……!

 ≪戦乙女≫の中に残っていた最後の何かが断ち切れてしまったようだった。だらんと首、肩から下が垂れさがる。

「……

 ……何という――
 愚劣で……破廉恥極まる……穢らわしい行為……」

 ≪断罪の男根処刑戦乙女≫が顔を上げるともう涙は流れておらず、表情からは一切の感情が消え去ってしまっていた。
 何の温度も籠っていない声を聞いて、男は鳥肌が立った。完全に、男に対して罰を与えるだけの、冷酷無比な状態に変わってしまった。

「現在の求刑は今の射精も含めて『7万年』だが……
 これでは、お前の罪深い、最悪のペニスを罰するには全く足らんな。

 今から、私の『必殺技』を受けてもらおう」

(ひっ!?)

 戦慄の宣言と同時に、膣内の「熱」が一瞬で消えて、氷のように冷たくなった。ペニスが冥界の冷気に包まれてしまったように、芯までひんやりする。そして次に、ぞわぞわぞわぞわと、真っ黒い不定形の力のようなものが膣内へ満ちて、ペニスを残酷に包んだ。

 ≪戦乙女≫が悠然と見下ろしたまま、ぺろりと唇の端を舌で舐めた。

「ここからの24時間は、お前のペニスにとって『審判』の時間だ。
 今から1回射精するごとに、量刑1万年が追加となる。

 ――軟弱なる男根に無慈悲な裁きあれ。

 『男根裁判-楽園と地獄-(ペニスジャッジメントーエリュシオン・オア・タルタロス)』



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「いやぁ~、昨日の『セブンス(マクガフィンアニメシリーズ7作目「マクフガフィン:セブンス・コード」のこと)』は良かったなぁ~。祐太郎とカインの戦いが熱かったし、CGも気合入ってたよな。≪超刻竜 タイムオーバードラゴン≫は次のパック看板だからフルCGなのは当然だが、祐太郎の≪増七の戦士(オーグメント・ソルジャー≫もCGとは思わなかったぞ。あれ絶対次の次くらいのパックでカード化されるだろ。でもあのフィールドを移動不可にする効果強すぎないか? 絶対調整入るだろ。規制食らってる≪伝説の結界師≫ですら行動力10消費だし。まぁ何にせよ、話が良かったよな。安定の竹田監督だったからあまり心配していなかったが。『超時波動(オーバークロックブラスト)』の時の作画も凄かったよなぁ。あのシーンだけ繰り返して7回観たもん。あと最後に出て来たあの赤い髪の男、やっぱラスボスだと思う? 那韋斗君」

「いや、というか葉月さん。こんな子供がいっぱいいるカードショップで、大人2人が早口でアニメの話をするのって、だいぶヤバくないですか?
 ……まぁでも多分ラスボスでしょ。もう2年目の3クールだし、前回の『666(マクガフィンアニメシリーズ6作目『財宝黙示録 マクガフィン666(ビースト)」のこと)』も大体このくらいの時期にブルーワイズが出てましたからね。声優も大岩昇厳さんだったし。ほぼ確じゃないですか? 話的には俺はちょっとなーって感じでしたね。俺ああいうコテコテのライバル対決みたいなの、ホビーアニメばっか観てるせいでもうだいぶ飽きてるんすよ。あとあの流れでまた中断するんかいっていう。ていうかCM見ました? 次弾で『動物楽団(アニマルオーケストラ)』めっちゃ強化されそうですよ。今ですら壊れ気味なのに」

「……おいちょっと待て! 無印のオマージュも入ってるからあのライバル対決は凄く深い構造だったんだぞ!? ちょっと今日も家に来い。無印流して解説してやるから。あと昨日の話もまた2人で観返そう」

「えー、やですよー。どうせまた他の話も観返すから長くなるし、今はちょっと……それに葉月さん、アニメ観てる時興奮して解説挟みまくるからめっちゃうるさいじゃないですか」

「な、何!? 聞き捨て無さすぎるぞ!? そんなこと無いよな、優哉!?」

「……いやごめん、話しかけないで。2人ともだいぶキモいから。
 あとマジで姉貴、アニメ観てる時うるさいから。1人の時ですら叫んでるし、管理会社から苦情もう6回来てるだろ」

「ぐぬ……ぐぬぬ……」

 葉月が黙った。
 日曜なのでカードショップは多くの子供でごった返しており、フリースペースで高速オタク談義を交わしている24歳の2人は完全に浮いていた。他に来ている18歳くらいのオタクっぽい男子2人もちょっと引いた感じの目で見ている。

「……じゃなくて、葉月さん! 話逸らさないでくださいよ!
 『返さなくていい』って、そんなの有り得ないですって!」

 那韋斗はカードを突き出した。



≪人馬一体≫のカードだ。
 前回の対戦中、≪同盟の矢札≫で送られ、逆転のきっかけになったカード。

「B級レアカードなんですから! 1枚20万くらいするでしょ!? これ!」
 葉月は涼しい顔をしていた。
「大丈夫だ。4枚持ってるから。≪ウォーター・マインド≫を当てるために『レジェンダリーアクアリウム』を800箱買った時にダブった」
「ひッ!」
 5000円×800箱=400万円という計算を頭の中でざっと行い、那韋斗は短く悲鳴を上げた。

「この前の収戯の時、使われ方がカッコ良かったからな。今の那韋斗君の構築とも相性がいいし、是非使ってくれ」

「だ、駄目ですよ! 高価すぎます! 受け取れません!
 売ってローン返済とかに充ててくださいよ!」

「何だもう、水臭いな……」
 葉月は唇を尖らせた。前までの那韋斗なら(か、可愛っ♡)となっていたが、今はほぼ毎日顔を合わせている上、突拍子の無い言動に振り回されることも多いため、かなり落ち着いて接することができるようになっていた。

「じゃあ、一旦持っていてくれ。今度会う時までに、何か交換条件のようなものを考えておくから」
「交換条件って……ゆ、指とか!?」
「何でだ。いらんわ」

 そんな感じでしばらく言い合っていたが、取り付く島もなかったので、那韋斗は諦めて一旦受け取った。「師匠! そんなヤベー女ほっといて早くこっち来てよ!」という声を受け、そのまま優哉のほうに向かっていった。

「師匠、俺のためにカード選んでたのに、何で捕まってんだよ!」
「いや……だって葉月さんめっちゃアニメの話してくるから……

 まぁでも、優哉。そう怒るな。
 見てみろ。めぼしいカードはちゃんと選んできたから。1円ストレージからだが……」

 那韋斗はそう言って、フリー対戦用の机の上に、使い込まれた紙質のカードを並べた。20枚ほど。全てE、D級のカードだった。

「『異次元の迷宮』を複数買いして組んだ今の構築をベースとして、これで補強したらかなりの強さの――」

 優哉の山札を繰っていた那韋斗の、指の動きがぴたっと止まった。

「……って

 何でまだ≪デッドエンド・ドラゴン≫が入ってんだよ!? お前、奪ったカードは全部返したんじゃなかったのか!?」



煌めく箔押しの、炎竜のカードが50枚の中に燦然と収まっていた。

「いや師匠。それ、俺がちゃんと自力で当てたカードだから」
「う、嘘だろ!? トップメタのA級レアカードだぞ!? 最近また値上がりして、確か8000万円くらいになったはず……」
「マジだぞ那韋斗君。私も当時びっくりして、≪迅雷戦士ライジングストライザー≫3枚で交換しようとしたんだが即値段を調べられて駄目だった。まぁ3枚セットで800万くらいだからな」
「小学生相手に鮫トレしようとすんなクソ姉貴」

 優哉はさらに葉月へ食ってかかった。

「……ていうか、何で姉貴がついて来てるんだよ! 今日は師匠に俺の構築を超強化してもらう予定だったのに!!」

 葉月は面倒臭そうな顔で腕組みをしていた。白無地のTシャツに深緑のクロップカーディガンを羽織っている。下はストレートのレッグパンツ。
 相変わらずスタイルと顔立ちが良すぎる。カードショップに何でこんな美人が来ていているのか、初見の人間は脳が混乱を起こしてしまう。

「うるさいな。最近全然遊べてないんだから仕方ないだろう。
 那韋斗君、まだ例の『赤い卵のカード』と特訓しているのか?」

 那韋斗は頷き、重い目を擦った。
「昨日も朝の2時まで、ずっとです。延々、構築を変えながら自分の1軍デッキと繰り返し、繰り返し……」

 那韋斗は額を指で押した。ずっと、深く頭を使い続けているので疲労が脳へ蓄積している。

「無理は駄目だぞ?
 ……だが、凄いな。まるで、アニメや漫画の特訓エピソードみたいじゃないか! 多分、終わった時には以前では有り得ないくらい強くなっているんだろう? 『体が……軽い?』みたいな」

 目をキラキラさせている葉月へげんなりして返す。
「そんな都合の良い話、現実にあるわけないじゃないですか……重いリストバンドを両手につけて日常生活を送っても手首を痛めるだけだし、山籠もりしても都会でトレーニングマシンに乗って地道に努力を続けている人間のほうが強くなるに決まってます。
 突飛な発想の特訓で飛躍的に強くなるなんて、架空の世界の中だけの話ですよ」
 自分が当初、滅茶苦茶期待しまくっていたことは棚に上げ、那韋斗は冷静に返した。

「ドライだなぁ。まぁ確かにその通りだがな。『マクガフィン』でもスポーツでも、地道な努力に敵うものはない。でもなんか、期待しちゃうんだよなぁ。
 ……ほら、だって、あの死ぬほどダサいTシャツ着てたムカつく奴と、『決闘』するんだろう? あと半月くらいしかないけど。
 もう完全に、話の流れが『出来上がってる』じゃないか!」

「いや、『決闘』て……今のこの時代に……カードゲームで……
 滅茶苦茶どうでもいいし、本当にやるかどうかわかんないですよ。だって向こうもこっちの連絡先知らないし、こっちも知らないし……

 とりあえず今は成り行き上、あの『赤い卵のカード』の言う事を聞いてますけど、大会も近いのに何をやっているんだか……」

 那韋斗は机の上に手を置いたまま、ため息をついた。
 レジのほうから優哉と店長のやり取りが聞こえてきた。

「釣りはいらねーよ。とっときな」
「いや優哉君。このカード全部で20円だから。100円出されてそんなこと言われても……帳簿合わなくなっちゃうし」
「ケチなこと言うなって!」
「いやその、ケチとかじゃなくて……」

 那韋斗は対戦スペースを離れ、レジに向かった。
「店長すみません。おい、何わけのわからないことになってんだ」

 青いエプロンをつけた店長が、カウンターの向こうから優哉に80円を返そうとしていた。ポニーテールの女アルバイトが疲れた顔で、購入した20枚のカードを透明スリーブにつめていた。

 レジを終え、店長がパイプ椅子に座る。
「それにしても……近頃物騒な事件が続いてるねぇ」
 新聞をめくりながら呟いた。白髪交じりの髪は綺麗に整えられており、今は黒縁の老眼鏡をかけている。

「何で日曜のこのクソ忙しい時間帯に新聞読んでるんすか?」
 バイトの女の子がキレそうな声で言った。相変わらず整った顔だが気だるげな目つきだった。茶髪をポニーテールで纏め、耳には小さいピアスをつけている。

「まぁまぁ。そう怒んないで……

 ほら見てよ山田君」

 向けられた新聞記事の見出しだけを読んでいく。
 「無職の男 アパート自室で怪死」
 「男子高校生 部屋からこつぜんと消失」
 「プロカードゲームプレイヤー 公園で首だけ見つかる」

 3つ目の記事を見た時に那韋斗は息を呑んだ。プロカードゲームプレイヤーという文字に意識が奪われる。
 そして細かく記事を読んで、那韋斗は呟いた。

「この人、知ってる人だ……関東チャレンジリーグ『神神(かみがみ)』所属の……バランス型聖系統属性使いの人……
 何で……」




 ⚪🟢🟣🔴🔵⚫⚪🟢🟣🔴🔵⚫


「あぁっ♡ あぁ゛っ……♡ あ゛ああぁぁぁ~~~~~~~~♡ 吸い゛……取ら゛……レル……♡ 吸い取られルよお゛オオオォォォ♡」

 青年の、細くなった腰がカクッ♡ カクッ♡ っと動き、弱々しく「下半身」へ打ちつけられる。
 もはや、筋肉のついている右腕のほうが、腰よりも直径が太くなっているように見えた。


suvbil1
Re: 【日文pdf】サキュバスアドベンチャー
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≪怨念ノ穴≫。

 他のオナホールに比べてかなり異様な雰囲気だった。手に触れた感触がオナホというより、「生身」に近い。ただし、芯までひんやりと冷たく、肉が硬く、重たいので、まるで死体の下半身を思わせる。

『「その穴は他のホールとは異なり、今あなたのいる世界で生まれた『財宝』です……」』

 おどろおどろしいBGMが後ろで鳴っている。段々演出が凝り始めてきた。

『「明治の中ごろ、ひとりの少女が殺人鬼の手にかかり、死体の腰から下の部分だけを切断されて持ち帰られました。性的な趣向を叶える相手として。

 しかし、その少女は生前から強い霊能力を持っていたため、下半身には強力な怨念が宿りました。
 そして自らの身体の一部を持ち帰った殺人鬼を逆に、その膣穴で『凄まじい目』に遭わせて殺してしまったそうです。
 
 以来、その下半身は男に対する強い怨念とともに現世に留まり、挿入したあらゆる男根から生気を啜り取ってあの世へ送る、『呪いのオナニーグッズ』になってしまったといいます。

 如何でしょうか? このホールはいわば女性の膣そのもの。そのため、ある意味では「童貞を卒業している」と言えるのではないでしょうか?」』

「ひっ♡ ひいいぃぃぃぃ~~~~~~~~~~♡」

 怪談話で身の毛がよだつ。話自体は大したことはないが、体験と併せると強い現実感をもって頭の中に入ってくる。

 カードに書かれた説明によると、このホールも1日1回は必ず使わなければならず、そうしなければひとりでにカードの中から現れ、夜の間中、金縛りをかけられながら下半身の上で激しく上下し、怨念たっぷりの搾精を受けることになる。青年はもうそれを5回も体験していた。

 恐怖のあまり山中に不法投棄した「元所有者」の話もテキストに記載してあった。夜になると下半身だけでなく全身が揃った状態の少女が枕元に立っており、幾日も布団の中で動けず、少女からゴミ捨てルールをペニスへ徹底的に教えられることとなる。最終的にはカラカラの死体――燃えるゴミとなって発見されたという。

 ――オオオォォン🖤 オオオォォオオォォォ~~~~~~~~~~ン🖤🖤

 青年の背中の毛穴が総開きになった。
 膣内は、何百万でも払ってお祓いを頼みたくなるような、男根に対する恨み骨髄の念で満ち満ちていた。どんなに霊感が無くてもいわくつきであることが伝わってくる。
 陰茎が触れているだけで体の熱が次々と吸い出される。三途の川にペニスを浸すとこのような心地がするのではないか。

 膣は霊能力とは関係なく、生前からとてつもない名器だったようだ。ヒダの配置が極上で、冷たい肉がぐちゅぐちゅと絡みつき、天井部分にザラつきもあって、わずかに擦れただけで腰が抜けてしまう。
 その構造に加え、気が遠くなるような怨念の力が中で絶えず浴びせられている。ペニスが芯まで祟られている。

 オオオォォン🖤 オオオオオオオオォォオオォォォ~~~~~~~~~~ン🖤🖤

 ビシバシと、男の象徴へ浴びせられる殺気。
 多分この穴で、数えきれないほどの男性の生命を啜り取ってきたのだろうと伝わってくる。
 対処法はひとつ。少女の気が鎮まるまで精を注いで祈るしかない。

「う゛……うう゛っ……しっ♡ 『鎮まり給えっ』♡ 『鎮まり給えぇっ』♡ ……す、すごっ♡ う゛ぅっ♡」

 パン🖤 パン🖤 パン🖤 パン🖤 パン🖤 パン🖤

 床の上に≪怨念ノ穴≫を固定し、鎮魂の詔を唱えながら、ひたすらそこに腰を寄せ続ける。女性と一度も交わったことが無いから、情けないへっぴり腰になってしまう。おまけに今は体力も大きく減衰しており、ヘロヘロだった。

 青年の容姿はもう、カードを手に入れた時と比べ、無残に変わり果てていた。
 脂肪のたっぷりついた90kgの体が、今では30kgしかない。頬がこけ、あばら骨が即身仏と同じくらい深く突き出ている。
 それと引き換え、オナニーばかりしている右腕だけがカチカチに引き締まり、あまりにアンバランスな見た目だった。

「アオオオ♡ アッ♡ アッ♡ しずまっ♡ しずまりた……♡ オオッ♡ オオオォォッ♡♡」

 恐怖を動力に下半身を駆動し続けているが、全身全霊をかけないと前後することができない。ペニスを引くたびに怨念マン肉に擦れついて、そのまま冥土へ逝きそうになってしまう。

 しかし、少女が満足するまで精を注がないと絶対に抜くことはできない。途中で逃げようとすると膣肉が、ホラー映画の伸びる手のように縋りついてきて引き戻される。平均して3~6時間(「鎮魂の詔」を心を込めて唱えないと、いつまで経っても終わらない)は、休みなく、死体まんこの中で腰を振り続けなければならない。

 オオオォォオオォォォオオォォン🖤 オオオォォオオオォォォオオォン🖤

「ひいいいぃぃ~~~~~~~~♡♡」

(死にたくない♡ 死にたくないいぃぃ~~~♡♡ まだ一度も女の子とエッチしたことないのに……

 何で……♡ 何でこんなことに……♡
 オナニーばっかりの毎日を変えたくて……
 転売でちょ、貯金とかできたら、か、彼女とかできるかもって、お、思って……ひいいぃぃ~~~~♡♡)
 ――パン🖤 パン🖤 パン🖤 パン🖤 パン🖤

 最中に胴体がぽきりと折れてしまうのではないかと疑うほど、今の青年の腰回りは弱々しい。それでも、肉が削げ落ちて軽量になっているので何とか振れないことはなかった。

 生存本能に突き動かされ、歯を食いしばりながら軽い腰を前に突き出し、そして必死の思いで引く。冷たい死の穴へ、せっせと生気のこもった汁を吐き出し続ける。

 びゅっびゅ💛 びゅっびゅっびゅっびゅうぅぅ~~~~~💛💛


 ……

 ……………




――――

「ぁ……♡ いや……♡ いやぁ……♡」

 青年はほとんど壊れてしまっていた。怯え、泣きながら、「管理室」の隅に縮こまって首を振る。
 体重はもう25kgを切っていた。命を保っていられるギリギリの線だ。

 机の上で――

 がたっ💜 がたがたっ💚 がたがたがた🤍💜 ウニョウニョウニョウニョ💗 ウィィ~~~~~~ン💙 がたがたがたがたごとっごとっごとっごとっ🖤

 今日はまだ全て未使用の、6種のオナホールが食欲旺盛に動いていた。




――ねちょっ💜 ねちょねちょ💜 ねちょねちょねちょねちょ💜 ウネウネウネ💜 ウネウネウネウネ💜 ほかっ💜 ほかっ💜

 ≪ネッチョリ貪るサキュバスホール≫が、入り口をくぱぁ……💜 と開き、その中を見せつけた。決して部屋が寒いわけではないのに濃い湯気が上がっている。
 入り口のビラビラが誘うように波打って、奥で粘液を泡立てている。「ネッチャネッチャ💜」という音が立っている。最も使い込まれた穴という自信を覗かせ、主の使用を余裕たっぷりに誘っていた。
 油断は一切できない。事前に甘く誘惑する時ほど、挿入後に激しく、粘着質に搾り取ってくるこのホールの「性格」は骨の髄まで身に染みていた。

 ――ニュルニュルニュルニュル💗 グチュグチュグチュグチュ💗 ネチョネチョネチョネチョ💗 パクパクパク💗 パクパクパクパク💗

 ≪ミニミズミミズミルミズミミズミニミルミズミミズの筒≫から、待ちきれない様子で、100匹近くのミミズたちが小さな顔を出した。今日もいち早く精子を食べ尽くしたいという意志が感じられ、これを無視するとおちんちんをぐちゃぐちゃのコンポストにされるようなミミズ地獄を何十時間も味わわされる。この筒での数々の体験と見た目のせいで、青年は二度とスパゲッティの類を口に入れることはできなくなった。どうやって突っ込んだらいいかわからないほどの密度だが、いつも賢いミミズたちはペニスを上手に中へ迎え入れ、逃げられなくなった後に壮絶に絡みついてくる。中で繁殖しているのか、最近ではさらに数が多くなって、ペニスを入れることが本当にためらわれる。

 ――ジュズルルルルルルル🤍💜 ズゾゾ🤍💜 ズゾゾゾゾゾゾゾ🤍💜 ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ🤍💜!!!!

 ≪天上天下卑棒独損≫が排水溝のような吸引音を立てて呼んでいた。青年は愕然とする。昨日は「一定の速度でシゴきがら、耳の中に息を吹きかけられている間に射精すると負け」というオナニーゲームを耳の中の声と行い、案の定ボロ負けしてしまった後、懲罰バキュームで精液も潮も、鈴口から裏返った金玉の皮が僅かに顔を覗かせるくらいの強さで12時間吸われに吸われまくった。それなのに、まだ精液を欲しがっている事に対して恐怖しか感じない。

 ――ウイイイイイィイィィ~~~~~~~~~~~~~ン💙 ウイイイイィィィイイイイイイイイイイイイイイィィ~~~~~~~~~~~~~ン💙💙

≪CYCLONE DICK KILLER V4≫は身の毛もよだつモーター音を上げて、凹凸で一杯の内部を高速回転している。あまりにハイパワー過ぎて、風が青年の所にまで漂っていた。
 一ヶ月くらい前に慌てて停止操作を行っているうちに変なボタンを押してしまったらしく、射精する度に必ず亀頭集中責めモードで潮噴きをさせてくる最悪な状態から戻らなくなってしまった。マニュアルを読んでも解除方法が載っておらず、書いてある電話番号へかけても「ただいま、大変混みあっております」の音声が流れて一度も繋がったことがない。必要な射精回数は前と同じなまま毎回潮噴きを挟むので倍の時間がかかり、本当に地獄中の地獄だった。心の底から使いたくないが、1日使用を休むと潮噴きの回数が40回に増えるディックキルモードに変わるので、どうしても使わざるを得ない。

 ――オオオオォォ~~~~~~~ン🖤 オオォォ~~~~~~~~~~ン🖤

 ≪怨念の穴≫が呪気を放っている。最近では青年がどんどん「死」に近づいていることが嬉しいらしく、「早くこのオナニー猿をあの世へ送ってやりたい🖤」と、本当にしつこく、死後の世界に引きずり込もうと穴の中が動きまくるようになった。

「ひぃっ♡ ひいいぃぃ~~~~~~~~~~~~♡♡」

 勢ぞろいで並んだオナホール一同を眺めながら、パニックになって青年は頭を抱え、管理室の隅でうずくまった。

『もうこうなっては一巻の終わりです♡

 例えこれらのオナホールを廃棄しても、カードを焼いたり破り捨てたとしても、どのオナホールもあなたのチンポの「匂い」を覚えていますから、必ずあなたの元へ戻って来ることでしょう♡

 所有者の命を最後の一滴まで吸い尽くすために♡』

「いやぁあぁぁ~~~~~~~!♡」

 青年は泣きながら悲鳴を上げた。耳の中の声が冷酷に語りかける。

『本来、購入した商品は責任を持って使用しなければならないものです。

 運よく手に入れることができたのですから……どうぞ、それら6つの名品を、最期の一瞬まで、余すところなくお使いになってください♡

 ……では』

 机の一番端から、腹の底まで震えるような、凄まじい唸り声が聞こえてきた。

 ――ウ゛ウ゛ウウウゥゥウウゥゥゥ~~~~~~💚 ガルルルルルルルルル!💚 グルルルルルルルル!💚 ゴルルァグルルゴルルガルルルッ!!💚💚



昨日≪天上天下卑棒独損≫に吸われまくっていたせいで丸一日使用されていなかった≪モンスターホール -搾精怪筒VS人類-≫が、どんな猛獣も尻尾を巻いて逃げ出すような殺気を放っていた。

 入り口からは、でろぉ~~~💚 だらだらだらぁ~~~~💚 と涎のように透明な、ねっちゃねちゃの粘液が漏れ、床まで滴り落ちていた。
 筒内は、空腹時の胃が盛んに収縮運動を行うように、ぎゅるぎゅるぐねぐねぐね💚 と音を立てていた。捕食のための牙であるゾリゾリ壁が、筒の中で竜巻みたいに乱回転している。あまりに回転が凶暴すぎて、机から床に震えが伝わっている。

 ――こんな動きの中に、ペニスを突っ込んで、さらに上下されてしまったら……♡☠

「ひいいいぃいぃぃぃ!!!♡ ひううううぅぅぅぅぅぅ~~~~♡♡ ステイ!♡ ステ~~~~イ!!♡」

 必死の哀願は全く聞き入れられなかった。≪モンスターホール≫がシリコンの体をぐぐぐっと縮め、次の瞬間、ミサイルのように青年の股間へ突き刺さった。
 ズボンもパンツも一瞬で食い千切られ、ズボボボッ! っと肉棒が穴の奥に飲み込まれる。そして――
「た、助け!!♡♡♡――」


 その後24時間、狭い管理室の中で、空腹の怪物と弱った人間が奏でる、迫力満点の戦闘音が響き続けた。

 ――ガッポガッポガッポガッポ!!!!💚💚 ガッポガッポガッポガッポガッポガッポ!!!!!💚💚 ギュルルルルルルルグチュチュチュチュチュチュチュ💚💚 ガッポガッポガッポガッポガッポガッポガッポガッポガッポガッポガッポガッポガッポガッポガッポガッポガッポ!!!!💚💚 グチュチュチュチュチュチュチュチュチュモグモグモグモグモグ💚💚 ガッポガッポガッポガッポガッポガッポガッポガッポガッポガッポガッポガッポ💚💚
「ギャアアァァァァァァ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!♡♡♡♡」

 部屋中をバウンドする青年の体。何人たりとも止められないパワーとスピードでとんでもない上下を続ける黄緑色の怪筒。

『あ~あ……♡ えっと……うわぁ……♡

 おちんちんが……♡ あ~あ……煙が出そう♡ 精液も泡立ってクリームみたいに……♡ 

 これは果たして……「オナニー」と呼べるんでしょうか? どちらにせよ、サポートの必要はありませんね♡ どうか頑張って戦闘を繰り広げてください♡

 あなたが最期までオナニーライフを楽しめるよう、私も心から祈っております♡』

 今日は24時間、怪筒にペニスを「捕食」され、明日は、1日食事にありつけなかった5つのオナホールたちから、それぞれ酷い目に遭わされる――

 青年は自らの身体をもって、手に入れた物を「使う」という責務を果たすことになった。



 そのおよそ3週間後――

 青年はアパートの自室で、死体として発見された。
 体重は10kgほどしかなく、死因は衰弱死と餓死の両方の線で調べられたが、結局不明のままだった。右腕の筋肉だけアスリート並みに引き締まっており、陰茎が鉛筆程度の直径に「ちびて」いて、表面に6種類ほどのおぞましい摩擦痕が残っていたため、まさに「怪死体」だと論じられた。

 青年が自室に持っていた在庫のゲーム機やカードは、遺品として親の元に届けられた後、やがて処分のため売りに出されることになる。
 そこに6枚のオナホールカードがあったかどうかは定かではない。





 🚪👄🦊🚪👄🦊🚪👄🦊🚪👄🦊


『なぁ坊ん🧡 えぇやろぉ?🧡』

 ――ジュポ🧡👄ジュポ🧡👄ジュポ🧡👄ジュポ🧡👄ジュポ🧡👄ジュポ🧡👄ジュポ🧡👄ジュポ🧡👄ジュポ🧡👄ジュポ🧡👄ジュポ🧡👄レロレロ👅🧡👅🧡ジュポジュポジュポ🧡👄🧡👄ジュポジュポジュポ🧡👄🧡👄レロレロレロ👅🧡👅🧡

「あああぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~♡♡ おおおぉぉ~~~~~~~~~♡♡ イカせっ♡♡😭 イカせてぇぇ~~~~~~♡♡😭」

 男子高校生の陰茎の根元には、真っ黒い輪のような模様が浮き出ていた。
 そのせいで一滴も精液が出せない。

 ぴゅっ💙 ぴゅっ💙😭 ぴゅっ💙😭 とろぉ~💙😭

 延々我慢汁だけ吐き出し続ける。


 ――昨日のことだった。

 「昼食」のフェラチオを3時間味わった後、腰が抜けて立てないのを壁に寄りかかって何とかごまかしながら、父親からの「通信高校へ通わないか」という提案を受けた。

 話しながら、自分の変わり果てた姿を見て父親が愕然としていることが伝わってきた。
 男子高校生は頬がこけ、目の下に真っ黒いクマが浮いていた。痩せてアバラ骨も見えている。2、3日食事をとっていない、ということだけではこうはならない。明らかに病気の疑いがあった。

 そこで、明日母親と一緒に病院へ行くことと、通信高校へ通う話を前向きに考えているという話を≪悪狐≫へ告げた。
 通信高校に通えば、スクーリングや試験などの間、≪悪狐≫の口から少しだけでも逃れられるのではないか、と内心では考えていた。

 しばし沈黙してから、≪悪狐≫は石壁にくり抜かれた円の中で優しい微笑みを浮かべた。

「勿論ええで! それが坊んの選んだ道なら、うちは尊重するだけや。

 ……まぁ、『頃合い』やしなぁ🧡

 なぁ坊ん🧡
 今から少しだけ……うちと『げーむ』で遊んでくれへんか?🧡」

 そして男子高校生は、≪封印されし悪狐≫の話に乗ってしまった。



「あ゛あぁっ!♡ あ゛ぁっ!♡ ひいいぃぃぃ~~~~~~♡ 『あっこ』、『あっこ』ぉ~~~~~♡」

 悪狐の麗しいピンク色の唇が陰茎を行ったり来たりする。鳴り響く咀嚼音。舌で舐め倒す意地汚い音色。
 今まで散々泣かされてきた口淫と同じだったが、状況が絶対的に異なっていた。

 男子高校生が話を受諾し、≪悪狐≫が口を嵌めた瞬間、陰茎の根元に黒いリング状の模様が現れた。

 その効果は、口淫が始まったらすぐにわかった。いつもなら最初に口を一往復されただけで腰が崩壊し、二往復目であえなく射精してしまうのだが、二往復しても、三往復しても、十往復しても百往復しても、精液が全く出て来なかった。

 陰茎の根元に蓋をされてしまったようだった。びくびくっ♡ っと精管が液の汲み上げを行っても、蓋に阻まれ、全て睾丸にUターンしてしまう。ただただ、ぴゅっぴゅ💙 ぴゅっぴゅ💙 と我慢汁だけが口の中へ出続けた。

『なぁ坊ん🧡 辛いやろぉ?🧡 いつもならもう、腰が抜けるほどお口ん中に白いお汁を出しとるところやさかいなぁ🧡

 ――ほら🧡 きつかったら、言うんやで?🧡 さっき教えたやろ?🧡

 「お狐様、其方(そなた)へ参ります」🧡

 それさえ言えば、この邪魔な輪っかが消えて、口の中へ、びゅっ🧡 びゅううぅぅ~~~~っ🧡 っと、濃いいのを射精できるんやでぇ?🧡

 その代わり……』

 声を聞いて、男子高校生の頭の中に、にんまりと笑みを浮かべる悪狐の口元が浮かび上がった。

『坊んの体は「こっち側」……つまり、うちのいる「壁の向こう側」に来てまうんや🧡

 ――どや?🧡 これがこの遊びの決まり事🧡 簡単やから忘れようが無いやろぉ?🧡』

 ――「『3時間』、言わずに我慢できたら……坊んも忙しくなるやろから、これからの『お口』は1日1食に減らしたる🧡」という、最初の≪悪狐≫の言葉を信じて始めたフェラチオゲーム。

 男子高校生は自分の勉強机の上に置かれた、デジタル式の置時計を見た。自分の記憶が定かであれば、始まってまだ3分も経っていない。あまりに絶望的な気分になった。秒の数字が1つ増えるまでの間に、≪悪狐≫の唇はゆうに5回は股間の前方を往復し、その間肉竿は長い舌によって原形を失うほど舐め尽くされている。

 そして、それ以上時計を見つめることはできなかった。せっつくように口がじゅぽっ🧡 じゅぽっ🧡 っとペニスを吸い立て、体を丸めざるを得ない。大量の我慢汁を唇が扱き出した。

「あ゛お゛お゛おおおおぉぉ~~~~~~~~~~~~~♡ あ゛おおお゛おおおぉぉ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡」

 地獄の苦しみだった。本来起こらなければならない、尿道の中をぷりっぷりの精液が気持ち良く潜り抜ける感触を、この数ヶ月でたっぷり覚え込まされたからこそ、少量の虚しい我慢汁だけ排出させられ続けるのは本当に辛いことだった。

『ほら🧡 ほぉら🧡 「こっち」へおいでぇな🧡 うちも直接、坊んに会いたいわぁ🧡 ほら🧡 怖いことなんもあらへん🧡

 おいでやす🧡 おいで🧡 おいで おいで🧡 おいで🧡 おいで🧡』

 じゅっぽ🧡👄 じゅっぽ🧡👄 じゅっぽ🧡👄 じゅっぽ🧡👄 じゅっぽ🧡👄 じゅっぽ🧡👄 じゅっぽ🧡👄 

 心を込めたフェラ説得が行われる。
 相変わらず高校生の陰茎の弱所を知り尽くした舌の動き。がっぽがっぽと腰が空中へ持っていかれるような口の前後。

 あまりにも力の差がありすぎた。
 外へ出て行きたいとのたうつ精液が、ミキサー車の中の生コンクリートのようにぐるんぐるんと渦巻いて止まらない。

 射精させてもらえるんだったら何でも捧げたい気持ちになる。自分が大金持ちなら財産の一切を。一国の王なら全ての国土と民を。

『我慢汁でお腹たぷたぷになりそやわ🧡
 早くおいでぇな🧡 「お狐様、其方へ参ります」🧡 って言うて、「こっち」においで🧡

 カードの中は平和やでぇ🧡 親にやかましいことも言われんし、坊んの心を傷つける輩もおらん🧡 うちとふたりっきりで、楽しうやろうや🧡 な🧡 な🧡』

 じゅっぽ🧡👄じゅっぽ🧡👄れろれろ🧡👄じゅっぽ🧡👄じゅっぽ🧡👄じゅっぽ🧡👄じゅっぽ🧡👄じゅっぽ🧡👄じゅっぽ🧡👄じゅっぽ🧡👄じゅっぽ🧡👄じゅっぽ🧡👄じゅっぽ🧡👄

 口の動きが速く、そしてねちっこくなる。絶対に射精を我慢させない動き。しかし、絶対に射精をすることはできない。

「だざぜで♡ 『あっこ』♡ 『あっこ』♡ おねがい゛♡ あ゛っ♡ あ゛っ♡ あ゛っ♡ あっ♡ あああぁぁ~~~~~~~~~♡♡」

 腰を屈め、地面に膝を突き、懇願のポーズになる。しかし、リングは全く射精を許してくれない。決められた言葉を言わなければならない。

 舌と口の動きで頭の中を滅茶苦茶にされているうちに、射精欲だけで口を開きかけ――
 一瞬、不吉な予感を覚えて言葉を呑み込み――

「🦊🧡」

 ジュルッ🧡👄 ズゾゾゾゾゾゾゾゾゾォォオオォォォ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~🧡👄🧡👄🧡👄」

 何もかもを崩壊させるとどめの「射精乞い」を前に、完全に陥落してしまった。口を開き、切実過ぎる声で発声をしてしまう。

「お♡ お♡ お……『お狐様♡』……

 そ、そ、そ……其方(そなた)へ参ります♡ 参りますぅ♡』」

『……よっしゃ🧡』

 言った瞬間、何か取り返しのつかない力が体を包んだような気がした。
 頭の中に聞こえた≪悪狐≫の声には、これまでと別人のような、残忍な響きがあった。

 しかし、違和感を覚える間も無く、陰茎の黒いリングがぱっ、と消失した。
「!」

 獲物の息の根を止める時のように、ずずっ🧡 っと≪悪狐≫の口のマズルが伸びた。熱い口の中目がけて、高校生の睾丸から尿道口までを、極太の白濁液が潜り抜ける。

 びゅっ💛 びゅるるる💛 びゅぐるるるるるるるるるるるるうぅぅぅぅぅ💛💛

「あ゛ああぁぁ~~~~~~~~~♡♡ あおおおぉぉ~~~~~~~~~~~~~♡♡」

 それは間違いなく、男子高校生が人生で味わった中で最大量の射精だった。精通の時の量の10倍はあった。

「お゛お゛お゛♡ お゛オ゛お゛オオオオオオ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

 頭の中の全てがかき消え、精液色になるほどの放出感を味わいながら……

 じゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる🧡🧡 ずぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞおおおおぉぉぉぉおおおぉぉぉ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!🧡🧡

 ≪悪狐≫の口が、素直になったご褒美を与えるように、有り得ないほどの吸引を浴びせてきた。これまでとは桁が違った。濃厚汁が一瞬で口の中に引き摺りだされていく。
 全身が弓のように反る。腰どころではなく、体全体が前へ持って行かれる。

 男子高校生は、ふわっと体が浮くのを感じた。重力が消失する。

『ほぉら🧡 くそ坊主🧡 約束通り、こっちの世界に連れ込んだるでぇ~~~~~~~~~~~~?🧡』
「うわあああぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」

 叫びとともに、高校生は自分の体が前へ移動し、体が小さく折りたたまれるような感覚を味わった。何もわからない。何もかも回転している。世界が圧縮され、点になり、最後にはそれすらもぷつんと消えた。

 目の前に暗闇が広がった。



(はぁ……♡ はぁ……♡

 ど、どこ……ここ……)

 男子高校生は立っていた。
 体が元の大きさになっていた。ちゃんと四肢はあるが、衣服は何も身に着けていない。
 足の裏に冷たい石床の感触があった。

 空気が閉塞している。自分がこれまで閉じこもっていた部屋とは比較にならないほど、深く閉ざされている空間のようだった。

 きょろきょろと辺りを見回す。

(え!?)

 暗闇の中に明るい点が見えた。
 そこから僅かに覗いているのは、間違いない。見慣れた自分の居室の、壁の一点。

(ど、どうして? こ、ここどこ? 一体何が、何で……)

 男子高校生はそこで思い出した。≪悪狐≫が言っていた言葉を。

 ――『坊んの体は「こっち側」……つまり、うちのいる「壁の向こう側」に来てまうんや』

 ぼっ……!

 高校生はびくっ! っと体を震わせた。

 空間に青白い炎が浮かんでいた。何もない空中でゆらゆらと燃えている。
 「狐火」という言葉が頭の中に浮かんだ。

「ちゃんとした姿では初めましてやなぁ、『坊ん』🧡」

 至近距離で女の声が聞こえた。狭い部屋に反響しているが、聞き覚えがある声だった。

 男子高校生は振り返って――

「!!!!!♡♡♡♡♡♡」

 ぴーんと全身が伸びた。脚も腕も背も。「その者」の姿を、正面からもろに視てしまったからだった。

「うわ♡ うわああぁぁぁぁあぁあぁ~~~~~~~~~~♡♡♡」

 青白い狐火に照らされ、高校生の瞳に映し出されたその体は、一糸も纏っていなかった。

 どたぷん🧡 と垂れて揺れる「何か」の大きさと、下側にあるどっちりとした「何か」の雄大さは、瞳の中に収まりきらないほどだった。

 肌はどこもかしこも白い。一歩歩いただけで、たぷん🧡 たぷん🧡 とたぷん🧡 と、体の様々な部分がとろけるように揺れた。

「何や、恥ずかしなぁ🧡 でも、うちと坊んの仲や🧡 もっとじっくり、視てくれてもええんやでぇ?🧡」

 顔がずい、と、男子高校生の近くに差し出された。

 その口元は、まさしく、何度も見たカードイラストの、穴から覗いていた物と同一で相違無かった。

 「全体」を始めて見て、男子高校生は言葉を発することができなかった。呼吸をすることも忘れていた。目がとろけ、口元がとろけ、涎がたらっと唇の端から筋を成した。

 がっくりと膝をつく。腰を抜かしてしまった。それでもその「顔」と「体」から目が離せない。二つの「何か」をぷらん、ぷらん🧡 とわずかに揺らし、突き出した顔はニヤニヤと意地悪く嗤っていた。

 ……ぴゅっ💛 ぴゅるるっ💛 とろぉ~💛

 男子高校生は半分白目になり、まるで失禁するように、ペニスから精液を漏らした。石の上に撒かれた白濁を、「その者」が呆れたように眺める。

「あ~あ🧡

 ……まぁ、うちの姿をこないな青臭いガキが直視してもうたら、こうなるやろ🧡」

「『あっこ』……しゃまぁ……♡」

 神の名前を呟くように高校生が声を出した。放心状態が続いている。口が開いたままだった。もう二度と閉じないかもしれない。

「しょうもないガキやなぁ🧡 そんなアホみたいな名前でもう呼ぶなや🧡

 まったく、何て名前やねん。≪悪狐≫て。悪者なんがバレバレやんけ!

 ……まぁええわ。

 それじゃあ『坊ん』🧡」

 その者が顔を高校生の横に持ってきた。とろとろの匂いが鼻に流れ込んできて、陰茎からまた精液が少量漏れ出た。口を近づけた主は嘲りの笑みを浮かべ、今までとは違って本当に、直接耳の中へ言葉を囁いた。

「うちの本当の名前は■■や🧡 これからは、ちゃんとこっちの名前で呼ぶんやで?

 今回はな、お前の命をぜぇ~んぶ平らげるために、ここへ呼んだんよ🧡 10日くらいかかるんやけど……ま、構わへんやろぉ?🧡
 ただ……」

 囁きながら、白い手を男子高校生の肩に置いた。長い指がぴとりと触れた。

「!?!?!?!?!?~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

 触れられたほうの肩ががくっと下に下がり、その代わりに背筋がまたぴーんと伸びた。
 指先の感触がなめらかすぎて、瞬間的に肩の骨が溶けた心地がした。先にちゃんと腕がついているかどうかもわからなくなる。

「ぁへ……♡ ぁへぁ~……♡」

 腰が崩れ、恍惚としている高校生を無視して、■■が囁いた。

「うちはお前の精液吸ってたお陰でなかなか力も戻ってきとるし、今からの時間は『直接』吸うことになるさかい……
 色々と、だいぶ大変なことになると思うんやけど……🧡

 まぁ、『友達』やさかい、何もかも許してな🧡 ほんで、さっぱりした心であの世に逝こ🧡 な?🧡」

 男子高校生はもう、自分が何を言われているかもわかっていない。しかし、とろとろになった意識の中、すぐ横の足元に和布団が一枚敷いてあることだけはわかった。

「ぁ……♡ ぁ……♡」

「さ🧡 横になりぃな🧡
 楽しい楽しい『珍々遊び』の始まりや🧡」



「ど、どこに行ったんだ!?」

 朝になって母親と父親が、予備の鍵で扉を開け、息子の部屋に立ち入ってきた。
 中に息子の姿は無く――
 ベッドの下のほうに1枚、「マクガフィン」のカードが裏向きに置いてあった。



よく見れば、そのカードはパタパタ♡ パタパタパタパタ♡ と細かく震えていた。

 しかし両親ともにそのカードへは注意を向けず、父親は玄関の靴を確かめようと外に出て、母親はどこかに書置きが無いかと机の上や引き出しの中を必死で探し始めた。


 裏向きのカードはずっと放置されることになった。



 穴も塞がって、暗く淀んだ空気の部屋の中――

 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊 パン🧡🦊

 布団が凶暴なリズムで上下に揺れる。

「『お船に帆かけて す~いすい♪🧡
 風吹いて 山見て 海回る♪🧡』

 ……あははは🧡 どや? 楽しいやろ? あぁ……今喋れんのんやったなぁ🧡」

 みっちりと白い双肉に飲まれて、男子高校生の頭部はすっぽり、みっちり、たっぽりと世界から見えなくなってしまっていた。

「ん~~~~~♡ ん~~~~~~♡」

 全てが自分の許容範囲を超えており、どろんどろんになった。そのことを、悲鳴と鼻息と、腰の震えが示していた。

 布団の下から、腰を打ちつける音と同時に、ぐぽっ🧡 ぐじゅるっ🧡 ぐぽぽっ🧡 っと聞いたことのない摩擦音が鳴っていた。3回ほど「ぱんぱんぱん🧡」とされるごとに男子高校生の腰が「びくびくっ💛」と跳ね、その後で布団の下から、「ぐぢゅるるるるっ!!🧡🧡」っと何かを吸い上げる音が響いた。
 高校生の双眸からぶわっと熱い涙が溢れた。

「なんや、イジメとるみたいやなぁ🧡
 ま、ええやろ🧡 だってお前も、イジメられるのには慣れとるわけやさかいなぁ🧡
 オラ🧡 オラ🧡 もっと泣けや🧡」

 上から高校生の体を抱き、のしかかったまま、下半身をダイナミックに上下させた。歌のテンポが速くなる。「巣穴に潜った鼠さん🧡 狐に騙され食べられる🧡 ぱくぱくぱく🧡 ぱくぱくぱくぱく🧡♪」布団の中の、叩きつける音が、拍子を刻むように高速に、そして力強くなる。ぱん!🧡🦊ぱん!🧡🦊ぱん!🧡🦊ぱん!🧡🦊ぱん!🧡🦊ぱん!🧡🦊ぱん!🧡🦊ぱん!🧡🦊

 男子高校生は泣いて、泣いて、泣いて、泣き尽くして、全てを悟った。
 これまで自分が周りの人間たちに受けていたものなど、「いじめ」の内には当てはまらない。

 そして自分は、きっと――
 これまで、この「お方」に、この布団の中で虐め抜いていただくため、ただそのためだけに生まれてきたのだ……♡

 17歳の眼窩から流れる洪水のような涙は、苦悶と、絶望の念が大量に混ざっていたが、確かにそれは「感涙」と呼ぶ種類のものだった。

「……ふぅ🧡」

 その存在が腰を持ち上げた。
 ほかほか♡ と湯気を立ち上らせながら、高校生の陰茎がくてんと「どこか恐ろしい場所」から解放され、横倒れになった。

 ほぼ丸二日の間死ぬほど発射し通しだったのに、陰茎には一滴の精液も付着していない。全て「どこか」の奥へ食べられてしまった。

 かぱっ🧡 っと、顔を塞いでいた2つの肉毬が外された。
 ねとぉ~~~~♡ と、涙と鼻水が透明な綱となって上へ伸びていく。男子高校生はもう叫ぶ気力もなかった。その存在の美しい顔を見ながら、うわごとのように呟き続けるだけだった。

「■■しゃま……♡ ■■しゃま……♡ ■■しゃまぁ……♡」
 
「くっく🧡」

 侮蔑の笑みを漏らしながら、その存在は体勢を変えた。体を上下逆にして、顔がペニスの前にやってくる。頭が下がると、むわっ🧡 っとペニスに暖かい吐息がかかった。
 その濃霧を浴びただけで、高校生の背筋にびりびりびりっ♡ っと電気が走った。
「ぁ……♡ ぁ……♡」

 そして、必然的に高校生の面前には、頭とは逆の位置にある部分がやってくる。途方もない大きさ。視界が全て、そのどっちりした膨らみに覆い隠される。ぷぅ~ん🧡 と、濃厚で甘い獣臭が漂ってきて、男子高校生は成すすべなく、陰茎から精液を漏らした。とろとろとろとろ……💛 と、白くて熱い物が溢れて止まらなくなる。

「何嗅いだだけで漏らしとるんや🧡 おしめでもつけといたろか?🧡

 ……まぁええ🧡 好きなだけ堪能しとけや🧡 これから、とんでもないことになるんやさかいなぁ🧡

 向こうで『穴越し』に味わうのと、こっちで直接味わうのとでは、まさに雲泥の差やさかい🧡
 ……あー、今までやりにくかったわ🧡」

 ■■が、べろべろべろべろ🧡 と、陰茎の近くで舌を動かしたのが伝わって来た。不吉な風が、精液が止まらなくなった陰茎に浴びせられる。

「これからお前が味わうのは、本当の『本気』や🧡 多重世界の支配者を数多堕としてきたうちのフェラチオ、ガキチンポで受け止めてみぃ🧡
 ほな、行っくでぇ~~~~~🧡」

 ぴと……!🧡

 舌先が亀頭に触れた瞬間、男子高校生の腰から下の骨が全て外れてしまうほど、下半身がビククククククウゥゥ~~~♡♡ と震えた。何が、どれだけ「今までと違う」のかが一瞬で伝わってきた。

「あ゛ア゛ッ!?!?!♡♡ ご、ごれ゛!!♡♡ ほン゛どにヤバ♡♡♡……」
 ズシィ!!🧡🧡 と上から巨大な肉塊が降ってきて、高校生の叫びは寸断された。

 にゅるるるるるるる🧡 がぽっ🧡

 ……がぽっ!🧡👄🦊 がぽっ!🧡👄🦊がぽっ!🧡👄🦊 がぽっ!🧡👄🦊がぽっ!🧡👄🦊 がぽっ!🧡👄🦊がぽっ!🧡👄🦊 がぽっ!🧡👄🦊がぽっ!🧡👄🦊 がぽっ!🧡👄🦊がぽっ!🧡👄🦊 がぽっ!🧡👄🦊がぽっ!🧡👄🦊 がぽっ!🧡👄🦊がぽっ!🧡👄🦊 がぽっ!🧡👄🦊 れろれろれろれろれろ🧡👅🦊 がぽっ!🧡👄🦊 がぽっ!🧡がぽっ!🧡👄🦊 がぽっ!🧡👄🦊がぽっ!🧡👄🦊 がぽっ!🧡👄🦊がぽっ!🧡👄🦊 がぽっ!🧡👄🦊がぽっ!🧡👄🦊

「!!!?!?!?!?!?!?!??!?♡♡♡」

 獣臭が濃厚に薫る肉塊の下、高校生の自我が粉々に崩壊した。ミクロの世界で粉になった自我とペニスが何億回もかき混ぜられる。世界新記録のバタ足をするように脚を激しく布団の中で上下した。腰をよじって、下半身を千切って逃げたいが、極悪な狐舌を前に腰がとろけ力が入らない。

 宙に浮いたカードではなく、確かな首の力で上下に動く口。本当に無理だった。陰茎にぴったり合った唇の輪。卑劣な舌の動き。ペニスからあらゆるものが誘い出される。びゅっびゅ💛がぽがぽ🧡びゅっびゅ💛がぽがぽ🧡びゅっびゅ💛 のリズム。尿道が異常なダイヤの山手線ホームのようになる。

『くっくっく🧡 どや?🧡 もう二度と外に出ることは無いし、傷つくことも無いんやで?🧡 良かったなぁ🧡

 3ヵ月分の、「友達代」の一括徴収や🧡 利子つけて、きっちり払うてもらうでぇ~?🧡』

 がっぽがっぽがっぽがっぽ🧡👄🦊 がっぽがっぽがっぽがっぽがっぽがっぽ🧡👄🦊 がっぽがっぽがっぽがっぽ🧡👄🦊

「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡」

 末期の声も出せない。ぐりぐり🧡 ぐりぐり🧡 と巨肉を、嘲るように左右に振られ、重みと臭気を顔面に押し付けられる。
 その巨肉からは、豊かで、あまりにも滑らかな9本の尾が垂れ下がっていた。



 ――――

「ひっ!? な、何だこれは!!」

 2週間後。
 行方不明になった男子高校生の部屋を捜索していた警官が声を上げた。ベッドの下にあった裏返しのカードを見つけたのだ。
 それを表に返して絵柄を目にし、絶句した。



イラストには、紐状に細くなった死体のようなものが描かれていた。

 カード名は≪精気を吸い尽くされし引きこもり高校生の死体≫。

 それは従者カードでも、魔術カードでも、財宝カードでもない。
 収戯で使用することのできない単なる「物体」のカード。

「な、何なんだこれは。悪趣味すぎる……」
「手作り……の感じではないし……どこで売られてるんでしょうね、こんなの……」
 

 結局高校生の行方は全くわからず、捜査は打ち切りとなった。部屋は扉も窓も鍵がかかった密室状態だった。
 両親はビラを配ったり聞き込みを行ったりして、生涯行方を捜し続けたという。



 石壁に囲まれた暗黒の中で、声が響いた。

「ふぅ🧡 食った食った🧡
 まぁ、今のガキみたいなのを10人くらい吸い殺せば外に出られるやろ。
 その後はどうしよかなぁ……まぁ、昔の縁でも頼ってみよか……🧡」



🚸🍑👨‍⚖️🚸🍑👨‍⚖️🚸🍑👨‍⚖️🚸🍑👨‍⚖️


「ウ゛ワああ゛ああぁ゛あああああああああああああああ゛アアアァァァァ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!♡♡♡」

 隣町まで響くサイレンのような悲鳴だが、「魔の公園」フィールドはせいぜい1km四方で区切られた空間で、空や遠くに見える山は見かけだけのものだ。
 ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛🤎💛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛🤎💛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛🤎💛

 穴の中のヒダの一つ一つが、激烈な懲罰のオーラを纏って動き続けている。

 生まれ落ちてからずっと自らとともにあった「男性器」という器官を、これほどまでに恨めしく思ったのは過去に一度も無い。
 それは通常であれば、少し弄るだけで手軽に快感を覚えることができる、たった一人の友のような存在だった筈だ。

 しかしそれは今では、この世の物とは思えない刺激を延々受け取らされるための、最悪のアンテナとなってしまっていた。

 腰を左右に振り、少しでも散らしたいが、巨大な褐色の臀部をみっちり落とされ、全く動かせない。

 「快楽」というのは、行くところまで行き着けば、たった今性器で受け取っているほどの物になる。男はそのことを世界に向けて発表し、世の男性全てへ、今のうちに性器を切除したほうが安心して暮らせるという事実を宣伝したい気持ちになっていた。

 首都高に1兆台の車が乗り入れた時と同じように、快感を伝える神経が崩壊を起こしてしまっている。地球上の車を全て集めても15億台だ。実際にそんな常識外の事が起きると、高架が崩れ、地面がぐしゃぐしゃになり、ともすれば東京自体が海の底に沈んでしまう。それと同じことが今、自分のペニスで起きていた。

 びゅっ💛 びゅるるるるるるるるるるるるるるっ💛

 もう、射精しているのかどうかすらもわからない。それでも射精の勢いで腰が跳ねようとして、お尻が重すぎてねじ伏せられる。

「さらに1回射精。1万年追加」
 剣を地面に突き立てたままで、≪断罪の男根処刑戦乙女(オーガンパニッシュ・ヴァルキュリア)≫が冷たく宣告した。

 ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛🤎💛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛🤎💛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛🤎💛

「ウ゛エ゛エエエエエエェェェェエエエエエエエエエエエエ♡♡ ぢぬ♡♡ ぢぬううぅううぅぅううううぅぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡」

 みちみち咥え込まれている。ペニスの逃げ場は全く無い状態だった。枷を嵌めた罪人に刑罰を加えるように、最大限のウネウネが容赦なく浴びせられる。雷に打たれ続けている体に、ミサイルを何本も撃ち込まれているようなものだった。何万枚もあるヒダの全ての動きが激しく、そして無情だった。射精させるという目的に比べてあまりに強大すぎる刺激だ。その凄まじさたるや、ペニスから伝わって、男の尻の下に広がる砂場がすり鉢型に変えられていくほどだった。その外の公園の地面もビリビリ振動している。多分その振動は、100mくらい地中まで伝播していると思う。

「お前の心が真に清らかであれば、耐えられる筈だ。
 浅ましく射精を続けるようであれば容赦はない。このまま、地獄を越えた地獄へ連れていってやる🤎💛」

 冷然とした笑みを浮かべた≪戦乙女≫には、もはや、男の従者であった頃の面影は残っていなかった。

 ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛🤎💛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛🤎💛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛🤎💛

「だ♡ じ♡ げ♡ で♡ えぇぇぇ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡」
 言われていることの訳が分からなかった。お願いだから、誰でもいいから弁護士を呼んでほしい。
 どんな清らかな心を持っていれば、この中で射精を我慢できるというのだろう。
 例えペニスの代わりに石柱を挿入したとしても、10秒も経てば命が芽生え、射精してしまうはずだと男は泣いて訴えたかった。

 男の眼球は自分の視神経の付け根辺りを向いていた。ペニスも心も崩壊する、お尻の穴からずっと変な液が漏れ続けている。

 ぴゅっぴゅ💛 ぴゅううぅぅぅぅ~~~~~~~~~~~~~~💛💛

「さらに1万年追加」

 ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛🤎💛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛🤎💛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛🤎💛ニ゛ュル゛ニ゛ュル゛ニ゛ュル゛ニ゛ュル゛ニ゛ュル゛ニ゛ュル゛🤎💛

 穴内部の音が外まではっきりと聞こえる。入り口がこんな、防音室並みに密閉されていることと併せて考えれば、中で起きていることの凄まじさが察せられた。その恐怖の内部に満ちた、男根を審査するための力は、精液を放てば放つほどに疑り深く、徹底的になっていった。

 神話レベルの体験だった。男は自分のペニスも、体も、お尻の下にある公園も、全てがバラバラになっているのだと思った。情けも容赦も無い。茶色に染めていた髪は、毛根が死んで抜けてしまい、今はもう2~30本くらいしか頭に残っていなかった。

 むちむちの太腿はまるで罪人を押さえつける嵌め具のようで、尻はずっと、絶対的な重石のように不動のままだった。穴の中ではずっと、グチュチュ🤎💛 ズポポ🤎💛 と、残酷な音が鳴り響いていた。この音を世の男性に聞かせると性犯罪率が限りなくゼロに近づきそうだった。




断罪の女陰に精液を注ぎまくり、処刑の力でミルつきのミキサーのように練り上げられる。ぴったりと貼り付いて気密性が高いが、それでも中の攪拌が異常なほどの頻度と速度なので、しっかりと練られ、出したタンパク質のほとんどが、まろやかなペースト状にされて陰茎の根元へ付着する。

「~~~~~~~~~~♡♡♡」

 砂場の周りのベンチの上、「陪審員席」から声が聞こえる。

「え~ん🤎 え~ん🤎 この『ごーかんま』を、じごくにおくってくださぁ~い🤎」
「でないとあたしたち、こわくて、よるもねむれませぇ~ん🤎」

 ベンチの上にその大きな尻を乗せ、3体の≪お尻振り振りリャナンシー≫たちが「意見陳述」を行っていた。

 それに対して男は、何の弁明も、釈明もできない。強力にざわめくヒダの動きを受けながら、ただただ有罪の証拠を≪戦乙女≫の審判の穴の中へ注ぎ続けた。

 ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛🤎💛 びゅっびゅ💛 ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛🤎💛 びゅるるるるる💛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛ウ゛ネ゛🤎💛……




「では、判決を言い渡す」

 24時間の審判が終わった後で≪断罪の男根処刑戦乙女(オーガンパニッシュ・ヴァルキュリア)≫は言い放った。
 元主人である男は、涙と鼻水でぐじゅぐじゅになった顔を横に傾けている。砂場の土に液体の全てが沁み込んでいった。四肢がヒック♡ ヒック♡ と震え、体のどこにも力が入っていない。

「24時間で18701回の射精。
 よって、7万年に18701回×1万年を追加し、1億8708万年間、『男根処刑ヴァルハラ』にて『男根処刑』に処し、そののちに斬首する。
 何か言い残すことはあるか?」

 かつての男のエースモンスターは、何もかも白状させたペニスを咥え込んだまま、一切の申し開きの通用しない重々しい声で告げてきた。

 ≪お尻振り振り魔妖精(リャナンシー)≫は3人とも残忍な笑みを浮かべ、「やったー🤎」「いぎなーし🤎」「じごくへおちろー🤎」と声を上げたり、「しょうそ」と書いた画用紙を掲げたりしている。

 ……ぱく♡ ……ぱく♡ ……ぱく♡ ……ぱく♡ ……ぱく♡

 恐らくこの世へ言葉を残すことのできる最後の機会だが、男は度重なる男根尋問で体力の全てを使い果たし、声を外に出すことはできなかった。

「弁明の余地無し。よって刑は確定とする。

 ちなみに……これからの『男根処刑』は、今行った責めなど比較にならん🤎💛 覚悟するがいい🤎💛

 呼吸する回数より多く、男として生まれてきたことを後悔する日々が待っている🤎💛 処刑は主にこの私が執り行うが、『ヴァルハラ』には、私よりよっぽど酷薄な拷問補佐戦乙女(ヴァルキュリア)が何十人といるし、今ここで口にすることははばかられるような、エゲつない拷問聖具も数多くあるから、楽しみにしておけよ?🤎💛

 では、これにて閉廷! 罪人を連行する!!」

 ≪断罪の男根処刑戦乙女(オーガンパニッシュ・ヴァルキュリア)≫の宣言によって、空から一筋の光が降って来た。
 鎖が四肢から外れ、挿入したままの体勢で男と≪戦乙女≫が空へ昇っていく。

「きゃははは!🤎 じゃあねぇ~🤎 ばいば~~~~い🤎」
「たくさんくるしんで、おちんぽころされて、はんせいしてしんでねぇ~🤎」

 リャナンシーたちが満足げな笑みを浮かべ、見送った。
 男と≪戦乙女≫の体は雲に吸い込まれ、見えなくなった。



 数日後。

 現実世界の公園で、男の「首」だけが見つかった。植込みの中に、まるで空から降ってきたかのように埋まっていた。

 首は鋭利な刃物で切断されており、その顔貌は、歯の治療痕でしか身元判別ができないほどおぞましく変形し尽くしていた。
 それは外傷ではなく、男自らが「想像を絶する何か」を長い時間体験し、顔の筋肉や関節を常識外の力で激しく稼働させ続けたことで生じた変化だと結論付けられた。
 目玉は落ち窪み、涙の出し過ぎで眼窩が下に20cmも削れていた。口の部分は開きすぎて、頭蓋骨全体が下に長く伸びた三角錐のようになっていた。

 そして額には、刻印のような文字で、
 「累計20京2745兆6154億8891万21回射精 及び 17京5987兆561億9821万3452回懲罰潮」
 という謎の言葉が深く記されていた。



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「何これ……」

 那韋斗は呟いた。

 「マクガフィン」が関わって人が死んだニュースや、失踪したニュースがいくつも紙面に並んでいる。
 北海道から沖縄まで、範囲は日本中の至る場所に及んでいた。
 ある日を境にAI音声のような奇妙な喋り方になった男性たちの話。大量にオークションへ出品されている妖女のカード。妖女のカードの購入者たちはほぼ全員が怪死体で見つかるか行方不明になっている。≪クイーンマーメイド≫のカードを買った20代男性はびしょ濡れのミイラとなって部屋で発見され、≪おいしいミルクのサキュバスママ≫のカードを買った40代男性は下腹が土座衛門のように母乳で膨れ上がった状態で発見された。精神が幼児退行しており、永遠に正気へ戻る見込みが無い。そういった記事が小さい物も含めると30以上も並んでいた。あとは「呪いの山札」についての噂――

(何だこれ……本当にちゃんとした新聞か!? スポーツ新聞でも有り得ない記事ばかり……)
 一応確認すると、紛れもなく有名な全国紙の銘が記されていた。

「あ、これ知ってるー! 『呪いの山札』の話。学校でめっちゃ流行ってるわ」
 優哉が声を出した。
「なんか、道端に落ちてて、拾うとどこかへいなくなっちゃうマクガフィンの山札があるんだって」
 店長が目を閉じ、昔を懐かしむような声を出した。
「へぇ、そういうの、今またブームになってるんだねぇ。僕の子供の頃もあったなぁ。『学校の怪談』とか、『ムラサキババア』とか……」
「ああ、それ俺見たことある! 頭が紫色の婆さん!!」
「いや、それじゃなくて……」

 店長と優哉が話している間、那韋斗は強い違和感を持っていた。

(どの事件も「マクガフィン」が関系してるのに、全然、どこにも「マクガフィン」への批判が無い。
 それぞれの事件はちゃんと重大なものとして扱われてて、警察もしっかり動いてるのに、まるで「マクガフィン」が関わっていることを全員が無視してるみたいだ……
 一体……)

 ――――


「あれ? あ、あれ? え?」

 男は困惑して辺りを見回した。
 視界に広がる鬱蒼とした森。遠くから鳥の鳴き声が聞こえる。

 頭の中で出来事を整理する。
 午前中3件の営業先を回って、コンビニで休憩を取った。
 食べた後のゴミを店内へ捨てに行こうとすると、駐車場の隅に「マクガフィン」の山札があったのだ。

(え? な、何で?)

 それが「マクガフィン」のカードであることは、子供の頃にやっていた経験があったのでよくわかったし、積み上げられた枚数からしてちゃんと組まれた「山札」であることもわかった。スリーブが無く、剥き出しだったのは気になったが……
(子供の落とし物……か?
 どんな中身だろう。今ごろのカードは全然知らないな……)
 興味本位で腕を伸ばし、指先が触れた。

 その瞬間男は、青と白の看板が掲げられたコンビニの軒下ではなく、周囲に緑の樹木しか見えない「森林」の中に立っていた。
 革靴の裏の感触も、アスファルトから腐葉土の上に変わった。

(な、何だこれ。「マクガフィン」の中か? でも、収戯する相手もいないのに、そんなこと……)

 男は暑さに耐えかね、ワイシャツの首もとを指でつまみ、動かして微風を送った。クールビズでも顔を顰めてしまうほど暑い。

「お兄さんお兄さん! ちょっとちょっと!」

 突然快活に呼ばれた。若い女の声だった。

「え……ちょ……うわっ♡」

 目を向けた瞬間、男は飛び込んできた姿にたじろいでしまった。



≪お水絞りのドリアード≫

「な、何? え??」

(最近のカード?? 知らない……)

 そして思わず、視線を「そこ」へ向けてしまう。

 たゆんっ……💚

「うわぁっ……♡」

 胸もとが大きく開いたドレスを身につけていた。豊かな白い胸の谷間が大開きに見せつけられている。
 これ、Jカップくらいあるんじゃ……♡ と男は頭の中にあったグラビアアイドルのプロファイルから瞬時に導き出した。

(こ、こんなの……え? だ、だめだろ……♡
 最近の「マクガフィン」だと「有り」になってるのか……?♡)

「もー💚 見すぎだってばー💚
 おっぱい好きなのはわかったからさー💚」

 腰を屈め、おっぱいと視線の間に笑顔を割り込ませてきた。
「う、うわっ!」
 たじろいだ後に、その顔も凝視してしまう。
(か、可愛っ!♡)

 どの人種に当てはまるかというのは曖昧だが、欠点は見つからず美点しか有していない。男の妄想を形にしたような若い女性の顔。さらに輝くような笑顔を浮かべているので、男心に放射される威力は凄まじいものがあった。

 こっそりと視線を下げると長い乳が≪ドリアード≫の顔の下で豊かに揺れていた。
 男の顔がでれっと緩んだ。
(こ、こんな感じになってるなら……ぜ、絶対買う♡ ま、また「マクガフィン」始めよ……♡)

 男がまた胸に目線を向けているのはバレバレで、呆れ笑いを浮かべると、≪ドリアード≫は上体を上げた。

「ねーねー! キミ、偶然『入って来た』って感じでしょ?

 だって、自分の山札出してないもんね? キミは『魔術師』じゃないんでしょ?」

 明るく、目を見て話しかけてくる。一瞬で距離が詰まり、警戒しようにもできない。男は、もしこの≪ドリアード≫が同僚の営業社員にでもなったら、男たちの心を全て掌握し、一瞬で自分の成績など抜かされるだろうと思った。

 しかし、言われている言葉の意味は見当がつかなかった。

「え? ごめん……何?」
 ≪ドリアード≫は安心したように胸をなでおろした。
「良かったー!💚 じゃあ今回も楽ちんだ💚

 ねーねー💚 一個お願いがあるんだけど、いい?💚」

 太陽のような笑顔のまま、ほがらかに尋ねてくる。どんな面倒事でも聞いてあげたいと思った。重い物を運んだり、PCのトラブルを解決したり、休んだ時に代理で仕事をしてあげたり……

「私とエッチしてほしいんだけど💚」

 金属が水を吸い込まないように、言われた意味が脳に入ってこなかった。
「え?」


 ――

「ほ、ほんとにいいの??♡ え?♡ え?♡」

「いいのいいのー💚 そりゃそうでしょ💚 私がお願いしたんだもん💚 ありがとー💚」

 ひとしきり動揺が済むと、どんなに唐突で脈絡が無くても、その「お願い」に抗しきることは男としてとても無理だった。

 木の幹を背にして≪ドリアード≫が立ったまま股を開く。下半身の布はいつのまにか、緑が地面を露出させるように分かれ、女性器をはっきりと露出していた。
 毛は無い。陰唇がひく💚 ひく💚 と誘導するように動いている。

 男はごくっ♡ っと唾を飲み込んだ。意識に伝わってくる。目の前にいるのは「魔物」なのだ。

「こ、こんな……外で……♡」
「え~?💚 嫌い?💚」
「き、嫌いじゃない! 嫌いじゃない、ですぅ~♡」

 体が勝手に、こんな機会を逃してなるものかと積極的に動いてしまう。ノータイムでズボンとパンツを脱ぎ、勃起したペニスを≪ドリアード≫へ向けた。

 午後に訪問する顧客のことや、コンビニに残してきた営業車のこと、この森からどうやって出るのかということは一旦全て頭の中から抜け出ていた。

 女の体に近づくと、樹木の爽やかな匂いと女体の臭いが同時に香った。膣口からとろっと、黄色がかった樹液のような粘液が一筋垂れた。

「おっぱいに顔うずめて、ガンガン腰振っていいからね~💚 キツツキになったと思って、いっぱい私の身体を『コンコン』して💚」

 ≪ドリアード≫の甘い言葉で男の理性が吹き飛んだ。
「うぅ~~♡ するぅ~~~♡ 穴コンコンするぅ~~~♡」

 男は≪お水絞りのドリアード≫の体にしがみついた。胸の大きさに比べて腰は驚くほど細い。しかし手を回すと、地面にしっかり根を張った樹木のような、どっしりとした安定感だった。
(あぁ~~~~♡ あああぁぁ~~~~~~♡)
 繁殖期の鳥と同じくらいの脳みそになって、股間の穴に陰茎を突入させる。




 1時間後――

 男は言われた通り、腰を「コンコンコンコン♡」と必死に振り立てていた。上下逆さになったキツツキかコゲラのように≪ドリアード≫の下半身に対して「ドラミング」を行っている。

 しかし――

「あ゛あ゛ああぁぁぁあ゛ああぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡😭😭♡♡☠☠」

 男はひたすら、当てが外れたような苦悶の叫びを上げ続けていた。

「ふわぁ~💚 どう? 気持ちいいでしょ~💚」

 地面に立ったまま、≪ドリアード≫は微動だにしていない。森の中で鳥や虫に体を明け渡して悠然といるように、欠伸をして微笑んでいるだけだった。

「なっ!!??♡♡ な゛ん゛でえ゛えぇぇぇぇええぇ~~~~~~~!?!?!?!?!♡♡
 出゛っ♡♡ 『出ぜな゛い』~~~~~~~~~!!!!!!!!!😭😭♡♡☠☠」

 男は、まるで世界最大の疑問に突き当たったかのように混乱し、愕然としていた。腰を振り続ける。抜こうとしても入り口が狭くて引っかかる。まるで、木の中に巣を作って寝ている間に、樹木が成長して入り口のサイズが変わり、閉じ込められてしまったようだった。

 がっつんがっつん腰を振って、体重をかけて前後させているのに、≪ドリアード≫の体はびくともしない。最初と同じ晴れやかな微笑みを続けている。

「逃がさないよ~💚 君は貴重な『水源』なんだもん💚」

 ≪ドリアード≫は男の胴を巻き締めた。濃厚なハグの形。男はそのことを全く有難く無いというように首をぶんぶんぶんぶんと横に振り続け、涙と鼻水を飛ばす。その飛沫が地面に落ちる。雄大な森の大地は、その汚い汁気も有難い恵みの一部というように吸い取った。

「嫌っ!♡ 嫌っ!♡ 嫌ああぁぁぁ~~~~~~~~~~♡♡
 お願い♡ こっ♡ こんなの嫌あぁぁぁ~~~~♡♡ こんな♡ 『水』♡ おちんちんから♡ 『お水』だけえええええぇぇ~~~~~~♡♡♡
 も゛う゛やめでえぇぇぇ~~~~~~♡♡ 許じでえ゛えぇぇ~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡😭😭♡♡☠☠」

 男の本気の哀願は空と草木と地面に吸い込まれる。そのどれからも助けが入る気配はない。
 森というものは、豊かで、広大で、どこまでも冷酷な場所なのだと思い知る。

「無理無理💚
 ほら、毎日『ありがとう』って話しかけると花が綺麗に咲くとかはあるけどさー……

 木や草の根っこに、『水を吸うのを止めてほしい』って言って、その通りになるなんてあると思う?💚

 ま、運が悪かったと思って、『綺麗なお水』だけをずっと、私に捧げ続けて💚
 これから長い、長ぁ~い間💚」
 
 男は大泣きした。
「嫌!!♡ 嫌だぁあああぁぁ~~~♡」

「まぁまぁ💚 大好きなおっぱいは、好きなだけ楽しんでいいから💚」

 むぎゅぅっ……💚 たぷっ💚 たぷんっ💚

 巨大な右乳と左乳がぱっくんと男の頭部を丸ごと飲み込んだ。

「んん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡☠♡😭😭♡♡ ん゛ん゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡☠♡😭😭」

 おっぱいで男の頭を完全ロックしながら、≪お水絞りのドリアード≫は幼児をだっこするように男の尻を抱えた。
 そのまま満足げに鼻歌を歌いながら、暗い森の中へ消えていった。

 男がもし、耳を澄ましてよく聞き分けることができていれば、実は森の中には、ほとんど鳥の声など聞こえていないことがわかっただろう。

 そう聞こえていたのは、あらゆる方向から響く、男たちの無残な泣き声だった。

「あ゛ああ゛あ゛あ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!♡♡ ごの゛花♡ 離れ゛な゛い゛いぃぃ~~~~~~!!!!♡♡♡ いや゛っ!!♡ いや゛っ!!! 『水』♡ 『お水』ばっかりぃぃ♡☠♡😭♡♡ あぁぁ~~~~~~~ん!!!☠♡😭♡♡」

「お願い♡ お願い゛いぃ♡ お願゛い゛でしゅう゛ううぅぅ~~~♡♡ もう指の輪っかで♡ 『お水』コキ出されるのいやぁあああぁぁ~~~~~♡ 何でもずる゛がら゛あぁぁ~~~~!!♡ お゛金゛い゛くらでも払うからあああぁぁぁぁぁあぁ~~~~~~♡☠♡😭!!!♡」

「許じでえ゛ぇぇぇえぇぇぇ~~~♡♡ 何でもじまず♡♡ 何でも言うこと聞ぎま゛すうぅぅう゛うぅぅ~~~~~~~~~~~♡♡ 一がい゛♡♡ いっがいだけでいいがらああぁぁぁあぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡ だっ♡♡ あ゛っ♡♡ だざぜでえぇぇええ~~~~~~♡♡☠♡😭♡♡」

「も゛う゛『水や゛り゛』いや゛あ゛ああぁぁ~~~~~~~!!!!😭♡♡♡ おぢんぢん壊れぢゃう゛ううぅぅ~~~~~~~~!!!!♡☠♡ お゛水゛で死ぬ゛の゛い゛やあああぁぁぁあ゛あああぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!♡♡ だじゅげでえ゛えええぇぇぇ~~~~~~~~~~~~!!!!!!♡☠♡😭♡♡♡」

 腹の底から鳴るような、悲嘆の絶叫ばかりだった。

 空から、ポタポタ💙 ポタポタポタ💙 ポタポタポタポタ💙 と「雫」が降ってくる。
 透明で、小雨と呼称される程度の量が、しとしとと森の大地へ降り注ぐ。
 雨にしか見えないが、なぜかその光景が醸し出すのはとても言葉では言い表せない、巨大な「哀しみ」の感情だった。

 木々の隙間から、女たちの声が高らかに聞こえてきた。
「アハハハハハ💛 ほんと、お気の毒様💛」「ほぉ~ら💜 すごいでしょ?💜 この『ラッパスイセン』💜 おちんちん引っこ抜けちゃうくらいバキュームされて💜 脱水症状にならないように気をつけて💜」「ほら💗 この『フェラチオチューリップ』たちにもお水をいっぱいあげてねぇ~~~💗💗 赤は技巧派、白はねっとり、黄色はがっつきが凄いんだよ?💗」「キャハハハハハハ💚 すっごぉ~い💚 水たまりになっちゃってるぅ~💚 ここの土、すっごく水はけいいのに」「ほら🧡 こっちも負けないように、チンポで小川つくろ♪ アハハハハハハハ🧡」

 ……

 ――――

「山さん! 積んだっす!」
「よっしゃー!」
「よしゃしゃしゃしゃ!」

 2人は奇声を発しながら白の軽箱バンに飛び込んだ。
 運転席には那韋斗、助手席には明るい色の茶髪の青年。両方とも制服を着ており、淀みなくシートベルトをつける。青年の肌は浅黒く焼けており、那韋斗よりかなり若い見た目だった。

「鈴木君、はい」

 那韋斗が黒い190mlのスチール缶を青年に手渡した。青年、鈴木はうやうやしくそれを両手で受け取る。表面は結露した水滴で一面濡れていた。

「どもっす! マジすんません!」
「いや、いつも準備してくれて助かるよ。リンサー積んだ?」
「え!?」
「いや、積んでるでしょ。目がめっちゃ嘘って感じになってるよ」
「信じてくださいよ! 山さん!! 何でこの俺を疑うんですか!? 見てくださいこのつぶらな瞳を!!」
「何このやり取り」

 那韋斗は自分のコーヒーのプルタブを開け、ぐいっと飲んだ。微糖だった。

「そういえば山さん、美人の彼女できたんですよね!?」

 ぶはあああぁぁぁぁぁ~~~~!!!! と、那韋斗は喉に入れていたコーヒーを全部吐いた。車内に香ばしい香りが漂う。
 自動運転なので問題はないが、那韋斗は必死でハンドルを手で押さえた。エ゛ッホ!! エ゛ッッ!!! と何度も死にそうな咳をする。

「な゛にを゛……な゛ん゛で……」

「いや、月曜の朝礼で支店長が言ってたっすよ。『では今日も安全に! ……あ、そうそう。山田君に、ビビり上がるほど美人な彼女ができとったで』って」
「あの関西弁のオッサン……」

 那韋斗は気管の茶色の液体を排出し終わってから、助手席の鈴木をきっと睨んだ。

「葉月さんのことだろ!? 違うわ!!
 ていうか有り得んわ!!」
 那韋斗は半ギレでまくし立てた後、一呼吸おいた。
「いや、鈴木君も絶対、現物で見たらわかるよ。ほんと、冗談としか思えないから。僕と葉月さんを比べて見ると……」
 鈴木は冷静にコーヒーを啜った。
「いやいや、そんなんわかんないじゃないっすか。
 じゃあ、『今はまだ友達』って感じっすか? それなら、ガッ! といっといたほうがいいっすよ、絶対。そんな美人なら言うまでもなく」
「何言ってんの? ガッ! といくって何!?」

 信号待ちが終わり、車が自動的に発進した。EV車なので出だしがとてもスムーズだ。
「ほんと、男と女のことなんて誰にもわかんないっす。最終的には男がガッ! といくか、どうかっすよ……何ですか? ガッ! といくって?
 ……まぁとにかく、俺今、山さんだから真剣に言ってるんすよ? シンプル苗字コンビの片割れとして、後悔してほしくないんすよ。山さんマジで、バキバキの童貞なんすから!」
「バキバキって言うな!」

 言いながら、那韋斗には完全に聞き捨てることもできなかった。鈴木は21歳だが、ことこういう方面の話については含蓄がないではない。18歳で結婚し、既に離婚してバツイチになっているという破天荒な経歴の持ち主。入社して3年になるが、8回くらい「今の彼女が……」という話を聞かされ、8回とも別のギャルっぽい女性が映ったツーショット写真を見せられている。

 でも……
 那韋斗は遠い目をした。
(絶対無い……
 全然そんな気配を感じないけど、あれだけの容姿なら、もしかしたら今も彼氏とかいるかもしれないし……

 葉月さんは「友達」で充分だ。本当に、この年齢になって、あれだけ話が合う友達ができるとは思わなかった。
 男と女としては、もはや世界が違いすぎて、そういう感じでは見れない……)

 那韋斗は遠い目をした。

 
 ――――


 駅前にある中華料理店は清潔さの行き渡った内装だった。
 窓が広く、机が円い。白い椅子に金糸で細かい刺繍が施されている。店内には、たおやかに二胡のBGMが流れていた。

「女子会イエーーー!!」

 ジョッキを前に突き出したのはショートカットの女性だった。ごつ、ごつ、と3つの武骨な中ジョッキがぶつかり合う。

 三者三様だった。ショートカットの女性は生ビール、おどおどした若い女性はミルクサワー、葉月はコカ・コーラをそれぞれごくごくと飲んだ。

「ぶはー!!
 そして今日のこの場は、『討論会』でもあります」

 急激にトーンを落としてショートカットの女性が言った。緊張した面持ちで、若い女性がきょろきょろとあたりを見回した。

「おい。『ゆいゆい』。
 テンションの落差のせいで怖がってるじゃないか。
 ほら飯田さん。エビチリを食べなさい」

「は、はい……如月リーダー、ありがとうございます……」

 おっかなびっくり小皿を受け取ったのは、いつか那韋斗も目にした日本マクガフィン社の女子社員だった。

 葉月は机の下でLINEのトーク画面を見た。「那韋斗」のルームは「すみません、今週いっぱいは特訓に集中します……」というメッセージが最後になっていた。
 葉月はため息をついて、もう一口コーラを口へ運んだ。

「今日の議題は、『如月 葉月に男ができたのかどうか』!」

 ダン!
 葉月がジョッキを取り落とした。コーラからシュワァ~と泡が立ち上って、机の上に広がる。
「……失礼」

 葉月はおしぼりで机を拭いた。

「証拠1。ここ2か月くらいずっと、私たちの誘いを断って、速攻で家に帰り続けている」

 「ゆいゆい」は探るような目でじっとりと葉月の顔を見た。
 葉月には劣るがかなり整った面立ちだった。吊り眉で、さっぱりと気が強そうな雰囲気だ。

「……ねぇ飯田ちゃん。前はねぇ、こいつ、私たちには付き合い良かったのよ?

 大学で同じ学部だったから知ってるけど、こんな顔だから死ぬほど男が寄ってくるのよね。全部徹底的に遮断してるけど。でも、女だけの飲み会には割とよく参加してたの。

 ……それが何? 近頃は誘っても、『すまん、用事がある』『すまん、用事がある』『すまん、用事があってな』ばっかりじゃないの! 断り方のパターン少なすぎか!!」

 近くのテーブルで、かちゃかちゃと食器が鳴る音が響いていた。
 葉月は短くため息をついた。

「こういう集まり以外の場は、ただ単純に、話が合わないことがわかりきっているから行かないだけだ」

 葉月は油淋鶏に手を伸ばしながら、言った。

「ただ最近は確かに……趣味の合う友人ができた、と言っておこう」

 ぽつりと言って、ねぎとたれのかかった鶏の揚げ物をザクザクと頬張る。

「『言っておこう』じゃないっつうの。
 じゃあ証拠2。最近会社で帰りが近づくと、スマホを見てニヤニヤしてる」

 ぴたっ、と2個目の油淋鶏へ行こうとした葉月の箸が止まった。

「さっきから何なんだ。探偵か何かみたいに……テンションが異常か?
 というか、何でゆいゆいが知ってるんだ? 総務部だろう?」

「あ、わ、私が……」

 飯田がおずおずと手を上げた。葉月が冷たく睨みつけた。

「ひっ!? す、すみません!
 で、でも……広報企画部の人たちみんな言ってます……
 同期の木下君とか、ショックのあまり一週間休んだし……まだ有休もついて無いのに……」

 葉月はうんざりした表情で、ネギを多めに乗せた油淋鶏を前歯で真っ二つにした。

「どうせあれでしょ? 『マクガフィン』絡みで仲良くなって付き合ったとかでしょ? あんたが男と繋がりを持ちそうなのって、それくらいだからねー。

 知ってる? 飯田ちゃん。こいつ趣味で会社選んだんだから。商品開発部に配属されて、自分の好きなカードが強化されるように猛抗議して、結果3か月で配置変えされたの」
「はい。というかそれ、伝説すぎて社員全員知ってますよ」
「今それ関係ないだろ!」

 葉月はジョッキに半分残っていたコーラを一気飲みした。一滴もアルコールが入っていないのに目が据わってきた。

「というか、付き合ってない! 『友人』と言ってるだろ!!」

「え~? ただの友人と週4で会ったりする?」
「違う。多い時は週6で……」

 葉月は黙った。ゆいゆいは憐れむような目で、飯田は驚愕の目を向けている。
「週6て……」「週6て……」

 葉月は何も言えなくなった。確かに、ほぼ毎日家で夜通しアニメを見たり、カードで遊んでいる状況が普通とは言えない。那韋斗の家にももう何回か遊びに行っている。

「では、質問です。
 あなたの『友人』について――」

 ゆいゆいは自らの両手の人差し指と中指を、両側のこめかみに当て、目を閉じた。

「その『友人』に対して、友情を超えた何かを感じ始めている……?

 『はい』『いいえ』『わからない』『たぶんそう部分的にそう』『たぶん違うそうでもない』の5つの中から答えて」
「何で急にアキネーターみたいになった?」

 葉月は嘆息し、箸をテーブルに置いた。沈黙の後で目を開いた。

「『はい』だ」

「!!」
 2人が息を呑んだ。
「え!? 『分からない』とか『たぶんそう』じゃなくて!?」

 葉月は箸をもう一度取って、油淋鶏に伸ばした。「相変わらずだけど唐揚げ好きすぎじゃない!?」という声を無視して、たれまみれの肉を野性的に頬張る。
 
「中途半端に答えるのは性に合わん。間違いないことはありのままを正面から言う。それだけだ」

 目をまっすぐ2人に向け、顔色ひとつ変えずに言った。

「お、男らしい……流石如月リーダー……」
「いや、飯田ちゃん。こいつ、昔から動揺しても一切顔に出ないけど、変わりに、めっちゃ耳が赤くなるのよ」

 葉月がばっ! っと、反射的に耳へ手をやった。指と髪の隙間からでもはっきりわかるほど、赤く、熱を帯びているようだった。葉月が口惜しげにぎりっと唇を噛んだ。

「えっ……如月リーダー……可愛っ!」
 思わず飯田が言った。

 ゆいゆいは麻婆豆腐をレンゲで口の中に運びながら、三白眼で葉月を眺めた。
「……ま、あんたと同じカード趣味って時点で私的にはどうでもいいわ。あとは自分で解決なさい。
 ただ、恋愛偏差値98の私には大体の状況が把握できるんだけど……多分あんたの場合、こっち側からガッ! といかないと碌な結果にならないからね?
 ただでさえ見た目がこんななせいで、よっぽど自信家の男しか声かけ辛いんだから」
「……ガッ! といくって何だ?」

 飯田は2人の会話をよそに、何も料理に手をつけられず、ぼうっと宙を見つめていた。

「で、でも……こんな人っているんですね。これだけ美人で、スタイル良くて、24年間、その……えっと……」
「バキバキの処女」
「バキバキ言うな!」
「あとこいつ、胸小さいからね。私勝ってるのそこだけだわ。飯田ちゃんも勝ってない?」
「あ、ほんとですね」
「ちょっと待て。お前ら。突然セクハラのラインを大股で踏み越えて来るな」

 ガヤガヤとした喧噪に、3人の会話が溶け込んでいく。
 葉月はジョッキを置いた。先の空間をどこともなく見つめ、呟いた。
「――ガッ! と行く……」



 ――――



「≪火炎輪≫発動!」

 那韋斗の宣言後、空中へぐるりと炎の輪が出現した。
 ≪フレアライオン≫とともにそれをくぐると、体の下でたてがみの温度と光度が上がり、青くなる。

「『紅炎(プロミネンス)バイト』!!」
 強化状態で≪呪傷の狂戦士≫の喉笛に牙を突き立て、消滅させた。

 そのまま獅子を駆って「草原陣営」宝庫の奥へ駆けていく。炎の熱が絡んだ風が顔の横を流れていく。

「“≪王国を守る者≫”が現れました」

 メッセージと同時に、何もない平原へ巨大な影が落ちる。那韋斗は首をほぼ直角に上げた。それでも全貌が見えないほどの岩の巨人。

(なんか……
 だんだん押せるようになってきた……)

 毎日、何時間もこの「課題」に明け暮れている。夕食も、朝食も、睡眠も取らないこともあった。しかしそれも段々、苦にならなくなってきた。

(わかってきた。このAIは『俺』だ)

 振り下ろされる圧倒的な拳を避け、≪王国を護る者≫の腕に跳び乗る。

(しかも、俺の思考のさらに先――
 これは、「俺がなりたい俺」なんだ。俺が最も理想とする動きを繰り返している)

 ≪青白き刃≫の閃きが空を裂いた。額の文字を破損させ、最小消費で≪王国を護る者≫を攻略した。膨大な質量を持つ体がゆっくりと倒れ伏す。その前に那韋斗と≪フレアライオン≫は草原に戻ってきた。巨体の背が地面につくまでにまだ時間がかかる。

(俺の望む動きの、「脆さ」がわかる)

『よしよし。いいぞ』

 ≪赤き王の卵≫の、まるで慣らした動物を褒めるような声が聞こえてきた。
『ここまで2ターンしかかかってねぇ。
 これが最後のターンだ』

 目の前に現れる。2体の従者は無言のまま威圧感を放っていた。
 ≪無君の騎士≫とそして――
 ≪鉄槍竜(ランスドラゴン)≫。



正面から敵プレイヤーとして見ると違和感が凄まじい。しかし、やがてそれも集中によって意識の奥へ消えていく。

 そこでようやく≪王国を護る者≫の全身が地に崩れ伏した。轟音と衝撃波が広大に広がっていく。
 それと同時に、切り札たちの槍先と光線が那韋斗の体へ殺到した。那韋斗は瞬きもしなかった。




「“全ての財宝カードを収奪しました。あなたの勝利です。テストゲームを終了します”」

 メッセージが表示された。同時に草原の光景が消え、那韋斗は「管理室」に戻ってきた。

 荒立つ呼吸を整えきれない。頭の奥に鈍い疲労のようなものを感じる。脳をずっと酷使していたからだった。

 那韋斗は額に流れる汗を拭うこともなく椅子へ倒れ込むように座った。
 机の上に置かれた赤いカードを見つめる。カードもまた那韋斗を見つめ返した。

『この「試練」を突破できたのはお前で3人目だ。4人中3人。

 わかるか? 俺様は総ての魔術師の可能性を視ることができる。この無尽の多重世界に在る、過去も、未来も。

 魔術師やその資質を宿す者など、塵の数より多く、数えることも能わない。

 その中で「問う」に値したのが4人だ』

 赤いカードは静かに語り続けた。

『ひとりは辿り着く前に、運命を予見して自ら死を選んだ。
 ひとりは「目醒めた」後で、愛しくも挑んできたので、俺様の手で殺してやった。

 そしてもうひとりは、生き残った。多分今もまだ、どこかで生きている。
そう遠くない先で、出遭うことになるだろう。俺様とも、お前とも』

 語るカードの声はどこか愉しそうだった。

『そして最後の一人がお前だ。

 さして何の疑問も抱くことなく、たった28日でこの試練をやりおおせた。俺様がこれまで出会った中で間違いなく、最も才高き者。

 お前とかつて遭うことができていれば、優秀な「右腕」に仕立て、俺様は総てを手に入れることができたかもしれない。くく……それこそが今、俺様へ与えられている最大の罰ということだな』

 那韋斗は何を言われているのか理解できなかった。≪赤き王の卵≫は笑い、その後で一つの問いを呟いた。

『さぁ……

 お前は一体、どんな「破滅」を辿るんだ?』

 そこで話が終わったのが那韋斗にもわかった。今日はもう、何を問いかけても答えないようだった。



 ――――

(ね、ねむい……)

 翌日、那韋斗は腫れぼったいまぶたを抱えたまま、バスで駅前に来ていた。
 葉月から「“≪人馬一体≫の対価を思いついたので来られたし”」というメッセージが届いていたからだ。

 (“来られたし”)? と思いながら約束の場所に着いた時――

 一瞬で眠気と他の思考が吹き飛んだ。

「!?!?!?」

 エスカレーター横に葉月が立っていた。
 口が利けなくなってしまう。
 高級感のあるオフショルダーの白のブラウス。下はライトグリーンのマーメイドスカートで、腰のシルエットが美しく出ている。スカートであること自体葉月には珍しいことだった。
 靴は複雑なクロスストラップのハイヒールで、表面が黒く光沢を持っている。
 耳には真珠のイヤリング。爪は手も足も両方、桃色にネイリングされていた。

 髪も毛先にウェーブがかかっている。顔も丁寧にメイクされ、もともと持っていた美貌がさらに輝度を増していた。見ているだけで現実感が失われてしまう。

 那韋斗の視界にいる全員が葉月を見ていた。凄い。本当に全員だ、と那韋斗は首を左右に動かした。男も、女も、学生も、お爺さんも、お婆さんも、突然地方都市の駅前に現れた一級芸能人のような美女に意味がわからず唖然としてしまっている。
 葉月がこちらに近づいてきた。コツコツというヒールの音。耳の白い真珠が僅かに揺れた。

 口を開いたままの那韋斗へ口を開く。
「こ、こんにちは……」

 何でそっちが緊張してるの?? と那韋斗は呆然とした。


 駅前のイタリア料理店でパスタを食べた後、タクシーで移動していた。

 車内で隣同士にいると甘い香水の匂いが漂って来る。万が一にも指先同士、太もも同士などが触れ合ったりしないよう、那韋斗は全身を硬直させて細心の注意を払っていた。背中が脂汗でびっしょりと濡れ尽くしている。

 よれよれのTシャツ姿の自分との格差などもはやどうでも良くなるほど、全てが意味不明だった。せめて、「≪人馬一体≫の価格の20万円分おごらされる」という話であってほしい。そうであってくれ。と那韋斗は神にもすがる思いで祈った。イタリア料理店で葉月がおごると言ってきたのを何とか割り勘にまで説き伏せた時点でかなり望み薄だったが。

「あ、は、葉月さん!」
「な、何だ?」
 緊張して言えば、さらに緊張して返された。何が何だかわからない。

「え、えっと……り……≪立体幻影ホログラム≫!」
「?」
 何もピンと来てない顔だった。那韋斗はめげなかった。
「≪歪んだ時の扉≫! ≪赤鬼青鬼バッテリー≫! ほ、ほら! 葉月さん!」
「……何を言っている?」

 真面目に問い返され、那韋斗は涙目になった。
「≪神の一喝≫が対象をとれない下級魔術カードの言い合い勝負ですよ! ほら! 先週、葉月さん、≪神の一笑≫で≪ドラゴンの嘆息≫が出て来なくて僕に負けた時、「≪神の一喝≫なら負けん!!」 ってあんなに息巻いてたじゃないですか!」
 葉月は冷たい目を那韋斗へ向け、手を向けて話を遮った。
「すまん。今日はそういうのじゃないんだ」

(「そういうのじゃない」って何!?)




「そ、そういえば……明日が例の『決闘』の日じゃなかったか? あの気持ち悪い男と戦う……」
「……」

 那韋斗は言葉を失い立ち尽くしていた。どう考えても、水槽の中で舞っている熱帯の魚たちよりも、青緑色の光に映し出されている葉月の姿のほうが圧倒的に美しかった。

 到着したのは水族館だった。最近そういえば、リニューアルしたとかでニュースになっていた気がした。
 灰色の真新しい床に水の揺らぎと魚たちの影が投射されている。

「あ! え!? い、いや……そ、そうでひゅね……

 あ……えっと……でもまぁ、だ、大丈夫ですよ。何の音沙汰も無いですし!

 ――あ、そ、そうだ! 僕とうとう、あの赤いカードが出す試練みたいなのをクリアできたんですよ! 特に何か変わった感じは無いですけど……」

「本当か!? いやぁ、やっぱり凄いな、君は!
 ……い、いや。違うな。そういう話も良く無い……
 カード関連の話はちょっと……」
 葉月は一人でぶつぶつ言っている。明らかにいつもと様子が違う。那韋斗は不安のあまり泣き出しそうだった。

 とはいえ、楽しくないかといえばそうでもなかった。
 クラゲが展示されているフロアは床と天井までもがガラス張りになっており、発光しながら何千という数のクラゲが暗い水の中に漂っていた。葉月と2人で未知の時空の宇宙に浮かんでいるようで、思わず時を忘れてしまうほど幻想的だった。

 マクガフィン以外の会話も弾むようになって、那韋斗はようやく平静を取り戻し始めた。お互いの学生時代の話、優哉のこと、那韋斗の実家の話、葉月の就職活動の話、那韋斗の職場での話――



「う……うまっ……!」
 夕方になると郊外へ移り、瀟洒な佇まいの創作料理店に入った。葉月が予約を取っていた。

 和の要素が取り入れられた洋食、あるいは洋の要素が取り入れられた和食などが扱われていた。
 1品目のポテトサラダには魚の肝のソースがかかっていた。マヨネーズと卵のまろやかな味に、風味の濃いソースの濃厚な旨味が交じり合っている。頬張ると口の中がマイルドな陶酔感に包まれた。
 その後も、とん、とんと料理が並んだ。店員が薦めてくる場合もあったり、自分たちで頼む場合もあった。

「それで、結局ラフテルっていうのは、何か別の世界に行く巨大な船のことだと思うんですよ。考察系YouTuberが言ってるのも見ましたし……連載ももう46年だからかなり佳境ですよ」
「いや私は今週出て来た奴が何の実を食べてるのかのほうが気になるな……って待て! 何でワンピースの話をしてるんだ!? 戻って来てるぞ!! 一旦リセットだ!」

(戻って来てるって何……?)

 那韋斗はまた混乱してきた。
 いつも葉月と一緒に過ごす時は、「自分と同い年の少年」と脳に認識させて平常心を保つ裏技を活用していた。
 しかし今は、一瞬でもそのバイアスが取り払われると、洗練された趣の個室席で話の合う美女と美味しい夕食を共にしているという、到底受け止められない現実が襲ってくる。

 とにかく那韋斗は食事を進めていった。味がわからなくなるような状況だったが、それでも貫通してくる豊かな味わいの料理ばかりだった。

 明太子としめじのミルクリゾット。カブのソースをかけた鴨肉のポワレ。トリュフのソースと豆腐の和えもの。今日特別に入ったと説明された和牛はしっとりと完璧な火入れがされており、噛むととろとろに柔らかく、舌がしばらく動かせなくなるほどの旨味が広がった。多分人生で口に入れた中で最も美味な物体だと那韋斗は思った。

 葉月がグラスを傾けた。赤ワインが口の中へ滑り込んでいく。

「え!? 葉月さん、飲めるんですか!?」
「ま、まぁな。いつもコーラばかりなのは甘くて美味しいからであって、別にアルコールに弱いわけではない」
 店内には適度な音量で上質なジャズピアノが流れ続けていた。男子的な会話をやめてから、徐々に雰囲気が変質しているような感覚があった。那韋斗がこれまでの人生で一度も経験してこなかった種類のものだ。
「……あぁ!! ここのお店コーラありますよ。次頼みます?」
 上ずったような声で言う那韋斗を前に、葉月はグラスを置いた。
「……あのな、那韋斗君」
 少し拗ねたように声を出し、上目で那韋斗の顔を見た。思わず呼吸が止まった。
「私だって、たまには、こういうものに口をつけたい時はあるんだぞ?」

 那韋斗は心臓に石をぶつけられたようになり、椅子に背をつけた。
 今の葉月の表情と声は、あまりにも致命的な威力を持っていた。
 「同い年の少年」のベールが一瞬で吹き飛び、視線を逸らさざるを得ない。
 その後に出て来た料理はいよいよ完全に味がわからなくなった。出された黒ごまのアイスクリームも甘さが感じられず、冷たさだけが舌に染み込んできた。


 

 最後に辿り着いたのは夜の「城」だった。

 城壁の白の美しさが際立つよう、幻想的にライトアップされている。

「この城はな、姫路城や松本城のように有名と言うわけではないし、かなり小型の城なんだが、国内でもかなり特別な造りになっているんだ。まず、石垣だが、野面積みと打ち込み接ぎを組み合わせた独特の技法で組まれている。ほら。あそこの野面積みの所も、一見ばらばらに見えるが実に計算され尽くされた配置で積み上げられているだろう? あの安土城を手掛けた穴太衆と同じ系譜で、全体としては輪郭式になっているんだ。5層6階のしっかりした造りだ。鉄砲狭間が敵から視認されにくい破風や懸魚の裏側近くに数多く設けられている点が特徴で、壁も一部鉄板張りになっていることからも、同時代に建城された城の中では極めて実戦的なものになっている。廃城令の際に破却を免れたのはまさに奇跡と言えるだろう。ほら、見てくれ。天守閣の造りが犬山城に似ているのはわかるか?」
「わからないです……」
 全くついていけない種類の高速詠唱を聞きながら、那韋斗は少しほっとした。ここに着いてから葉月の緊張も解け、少しいつもの雰囲気に戻って来た。
 しかし逆に葉月は那韋斗の様子を見て冷静になり、我に返った顔になった。
「す、すまん……違ったよな、『城』は……
 夜だったら雰囲気的にも適切だと思ったんだが……」
 葉月は諦めたようにため息をついた。
「昼はもう18回くらい来てるからな。自分の宝庫に取り入れようと、構造をノートやスケッチブックに記録しているんだ」
「や、やば過ぎる……」
 思わず声に出てしまった。葉月はあきれ顔になった。
「何を言ってるんだ。この前見たあれのほうが引いたぞ。1冊1万円超えの、世界中の建築写真集の山。11歳の時にマクガフィンの構築研究のために最初の1冊を買ったというエピソードがもうおかしい。あの夥しい付箋の量にはぞっとさせられたぞ」
「いや、あれは敵の宝庫の細かい違和感を見分けるにはかなり重要なんですよ。
 ……見ててくださいね? 純和風の構築はマニアックすぎて今まで研究をおざなりにしてましたけど、この前葉月さんに教えてもらった20巻の全集が昨日届きましたから。勝ち越していられるのも今のうちですよ?」
 むきになって言う。葉月は吹きだした。
「……あはははは! 
 やっぱり、楽しいな」

 葉月は濠の周りに立てられた柵の手すりへ、両腕を重ねて寄りかかった。横顔のまま那韋斗へ話しかける。

「……自分語りをしてもいいか?」
「え!? ど、どうぞ……」
 葉月は微笑んだ。
「私は君を尊敬するよ。この前2人で戦ったあの収戯でも、言っただろう?
 ……すまんな、あの時、何か盛り上がって、変な話をしてしまった」

 夜の闇が涼しかった。葉月の姿が街燈に照らし出される。

「17歳の時に父親を亡くした。
 私が全日本で入賞し、世界大会へ行くはずだった、まさにその頃のことだった。

 父はずっと治療のために入院していたから、ある程度の覚悟はしていたんだが……とても大会になど出られる精神状態ではなかった。
 まぁ、出なかったのはいいんだが……色んなごたごたが終わった後で、『マクガフィンのプロになって世界で活躍する』という夢まで消えてしまったんだ。ふっ、と、煙みたいにな。

 私は自分でもよくわからず、とりあえず、家族のために夢へ見切りをつけたんだ、という形で説明をつけた」

 葉月は城を見ながらため息をついた。

「だが私は、最近になって――その決断をしたことで安心していた自分の心の動きに気づいた。そしてそれをずっと恥じていた。

 結局私は、その程度の弱い憧れしか持ち合わせていなかったんだ。
 それが哀しかった。今もずっと働きながら『マクガフィン』を続けているのは、心の底から愛しているというよりも、自分自身への失望の裏返しのようなものなんだ。
 どうだ? こんな私をどうしようもないと思わないか?」

 葉月が那韋斗のほうを見て言った。那韋斗はベンチから立ちあがり、葉月と横並びになった。

「葉月さん、俺の事、変だと思いませんでした?」

 同じように城を見ながら那韋斗は喋る。

「これだけプロになるとか何とか言っていて、2031年の関東大会から12年間、1度も公認大会に出てないんですよ?

 ずっとネットでレート戦したり、小さなカードショップの大会で勝ったり……ネットなんてただ実験や構築の仮回しで潜ってる人間が殆どなんだから、いくら戦っても本当の実力なんてわからないんですよ。

 あの、Tシャツがダサい奴と戦った時に、はっきりとわかりました。
 俺はずっと、逃げ続けてたんです。関東大会の決勝で負けた12歳の時、相手とあまりにも差がありすぎたから、自分の実力と未来が確定して、全てが終わってしまったような気がしました。

 もう一度あの時と同じ気持ちを味わったら、本当に立ち直れないかもしれない。
 そのことにずっと怯えながら、気づかない振りをし続けていたんです。

 プロになる、プロになるってそればっかり言いながら、実際にはそこから逃げ回ってる……こんな僕こそ、どうしようもない奴ですよ。そう思いませんか?」

 葉月はじっと那韋斗の顔を見ていたが、急に悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「どうしたんだ? 突然自分語りなんかして」

「ちょ……酷いですよ! 葉月さん!」

「あははははは! すまんすまん」

 葉月は優しい目を那韋斗へ向けた。
「でもやっぱり私が君を尊敬するのは変わらないよ。『マクガフィン』で何度も戦っているんだからわかる。逃げても、もがいても、君は求める場所に顔を向け続けている。

 あとは……まぁ、真面目な話をするのもいい機会だからこれも言っておくか。優哉のことも本当に感謝している。那韋斗君と会うようになってから、関係が見違えるほど改善された。あいつも父が死んで以降、周りを冷めた目で見ることが多かったが、それもかなり和らいだように思える。まだ危なっかしいが……

 ……だから、ずっと宙吊りになってる≪人馬一体≫は、その礼の気持ちと、今日付き合ってくれたことへの対価として受け取ってくれ」

 葉月が微笑んだ。那韋斗が慌てて口を開いた。

「い、いや。駄目ですよ。
 そりゃ、僕だってあんまりぐちゃぐちゃ言うのはよくないって思いますけど……優哉のことだって別に何をしてるわけでもないですし、今日のことも、そんな、対価なんて受け取れるわけないじゃないですか!

 葉月さんと一緒にいると、それだけで本当に楽しいんですから」

「……!」

 葉月が急に黙った。真顔になってじっと濠の水面を見る。

「……ていうか葉月さん。

 体調とか大丈夫ですか? 今日駅で会ってからずっと、耳真っ赤っかじゃないですか。今もめちゃくちゃ赤くなりましたし。どうかしました?」

「!!」

 葉月が体をびくっ! っと反応させた。ばっ、と両耳を抑え、そのまま硬直する。

 那韋斗が困惑していると、責めるような目つきで那韋斗を見た。
「あのな、那韋斗君。いい加減にしてくれ」

「えぇ!?」

 動揺する那韋斗に向けて、耳を隠したまま葉月が詰め寄った。

「あと、これもずっと言いたかったんだが……

 いい加減、敬語をやめろ! 何度言ったらわかるんだ!
 ……よし決まった! ≪人馬一体≫の対価は、強制的に敬語をやめてもらうという内容にする! いいな? わかったか?」

 猛然と詰めてくる。耳はまだ真っ赤なままだった。
「い、いや……そんなこと言われても……難しいですよ……」

 ぎろっ! っと葉月に睨みつけられ、那韋斗は言葉を失った。

「もう! ……そろそろ帰るが、私はお手洗いに行って来る!
 戻ってくるまでに、ちゃんとタメ語で話せるよう、心の準備をしておけ!!」

 ずん、ずんと向こうにある公衆トイレの方へ歩き去っていった。曲がり角を折れて姿が見えなくなる。「えぇ……」と那韋斗は呟いた。


 那韋斗はしばらく橋の欄干で待っていたが、暇だったのでその辺をぶらぶらと歩いた。

 城の門は閉め切られており、閉館時間は大分前に過ぎている。
 門からこちら側までの間に一本の橋がかかっていた。最近改築されたのだろう。明らかに城と年代感が合っていない。板を踏んで、何とは無しに橋の上へ進んでいく。

(……ん?)

 那韋斗は橋の真ん中に目を凝らした。

 欄干から欄干までの距離が丁度均等となる床版の上に、「マクガフィン」の山札が置いてあった。

(……え? え?)

 近寄ってもう一度見て見るが、確かに「マクガフィン」の山札だった。スリーブにも入っていない。

(何だこれ……)

 忘れ物としても意味不明だった。落としたのなら散らばっているはずだし、置き忘れるにしても、こんな橋のど真ん中にトレーディングカードゲームの山札を置くシチュエーションが思い浮かばない。

(城の管理の事務所……はもう開いてないか。じゃあ、交番か何かに……)

 拾おうと手を伸ばした。そこで、那韋斗はふと思い出した。

――「なんか、道端に落ちてて、拾うとどこかへいなくなっちゃうマクガフィンの山札があるんだって」

 頭の中に新聞で見た見出しの文字が思い浮かんだ。「呪いの山札」。

 しかしその時にはもう、山札の端に指先が触れてしまっていた。





「!?」

 目が張り裂けそうになった。夜が一気に昼になる。
 実際にはそこまで明るくないのに、光量の差で脳がショックを受けてしまう。

 濃い土の臭い。鳥が鳴いている。周囲に、日本とは明らかに異なる植生の木々や植物が溢れかえっていた。
 温度も湿度も高く、空気全てが、世界ごと全て入れ替わってしまったように違う。那韋斗はこれまでの経験から瞬時に察知した。
(マクガフィンの「宝庫」だ……!!)

 何が何だかわからないが、反射的に手を前にかざした。
 定められたモーションに応じて木の板、「ゲームボード」が目の前に現れ、宙に浮いた。上には見慣れたスリーブに包まれた自分の山札が置いてある。
 このセットが出たということは、やはり「マクガフィン」の中であることは間違いない。
(でも何だ? これは? 収戯なのか??)

「えぇ~~~! 『魔術師』じゃん! 怖~~~!!」

 女の声がして、目を向けると、那韋斗は――
「えぇ!?♡」

 愕然とした。

 女性型モンスター。美女の容貌をしている。カード名は≪お水絞りのドリアード≫。

 しかし、今の姿はあまりにも異様だった。
 パンパン💚 パンパンパンパン💚 パンパンパンパンパン💚
「ん゛む~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!☠😭♡♡」

 裸の男が≪ドリアード≫の胸に顔を埋めながら、必死に腰を振り続けている。
 パンパン💚 パンパンパンパン💚 パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン💚
 その腰の振り方は、同じ男として恐怖を覚えざるを得ないほど悲哀に満ちていた。
「ん゛~~~~~~~~💚 ん゛っ💚 ん゛っ💚 ん゛ん゛~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!☠😭♡♡」

 胸の中で絶叫を上げ続けている。何を言っているかは全く聞こえないが、本気で号泣していることがわかる。

「え~どうしよっかなぁ~」
 パンパンパンパン!💚 パンパンパンパンパンパンパンパン!!💚
「まぁこのフィールドなら、大抵の従者より私たちのほうが有利に……」
「ん゛ん゛~~~~~~~~~~~!!♡☠😭」パンパンパンパン💚
「……あ! しまった! 顕現する姿、間違えた!!」


 すぐに≪ドリアード≫と裸の男の姿がぼやけ――
 その後で、男の姿が消え、衣服をちゃんと身につけた≪ドリアード≫だけが姿を現した。



「くすくす💚 あっちは『確定済みの運命』の方の姿だった💚
 私の寿命の10分の1……1000年くらいの間、おっぱいで森林浴しながらお水を捧げ続けるキツツキ生活💚
 一度破滅の道を辿った後は、もう何があっても助からない💚 それが誘惑に負けた獲物の定め……💚」

 ≪お水絞りのドリアード≫が冷酷な表情を浮かべ、舌なめずりをした。那韋斗はわけがわからないといった顔で突っ立っている。
 ≪ドリアード≫が視線を向けた。表情は、ぱっ、と明るいものに戻っている。

「あ💚 もしかしてわかってない?💚
 ……じゃあ、魔術師の中でも新人さんなんだねー💚 ということは、もしかしなくても楽勝じゃーん💚」

 にっこりと笑い、自らのおっぱいを腕で持ち上げ、見せてくる。「たぷんっ💚」と服の下で変形する。

「ひっ♡ ひいぃぃっ♡」

 那韋斗の視線がそこへ否応なく向かってしまう。

「ねぇ💚 こっち来てぇ💚
 キミもおっぱい好きでしょー?💚 このおっきなお胸の間で食べてあげる💚
 いぃ~~っぱい腰振って、気持ち良くなれるよぉ~~~?💚 私にお水ちょーだい💚 クスクス💚」

「ひっ♡ ひっ♡」




「ひいいぃぃ~~~~~♡」

 那韋斗は戦闘後、何とかその場を後にした。頭の中は≪ドリアード≫のおっぱいでいっぱいになっている。後ろ髪を引かれる思いだったが、いつものように≪プレートラプター≫へ跨って、森の中の道を駆けていった。


 残された森の地面。
 ≪ドリアード≫の体が縦に真っ二つとなり、地面へ仰向けに倒れていた。
 双眸は見開かれたまま青空へ向けられ、顔は驚愕と恐怖で溢れきっていた。

「な……なに……あの……魔……術師……
 ば……け……も……の……」

 その呟きを残した後、≪お水絞りのドリアード≫は跡形も無く消滅した。







 かちゃかちゃと鉄が鳴る。
 ≪プレートラプター≫は体勢を低くし、するすると地面を進んでいった。
 那韋斗は高速で流れる景色の、右に左に、ちらちらと視線を向けた。
(森フィールド……いや、空気の閉塞感からして多分違うな。微かに空調の音もする。地面もかなりぬかるんでる……)
「≪増加の魔法陣≫発動。≪兵站≫を使い、山札の中から≪無限の食糧庫≫を発動」
 那韋斗は2枚続けてカードを発動し、そのままゲームボードに目を向けた。自分の方の宝庫には動きが全く無い。
(攻め気が無い。高確率で、あの≪王国を護る者≫を使っていたプレイヤーと同じ、迎撃特化型の宝庫だ)
 そして、最も気になっている上空の様子に意識を移した。

 視界に入っているだけでも十数個、「じょうろ」が木よりも高い上空に浮かび続けている。

 赤、ピンク、オレンジ、緑色……プラスチックのような素材で、「ゾウさん」を模したファンシーな形をしている。

 ひとりでに動き、傾いて、透明な水のようなものをしゃーっとそこら中に降らせていた。雨と呼ぶには規模が小さいが、それでもじょうろの数が多いので十分な「水やり」になっている。

 他にも、よく観察するとそこかしこの土の上に黒いパイプが伸びており、数多くの穴が開いていた。一定の間隔で、そこからぷしゃーっと透明な水が周りに撒かれていた。

(なんか……)

 那韋斗は困惑し、思わず顔をしかめた。

(変な臭いするな……何の水だ?)

 那韋斗はそこで思考を中断し、≪プレートラプター≫に停止の指示を下した。減速し、完全に静止すると、その足先1cmの土の上に植物の細いツタのようなものが這わせてあった。

「は!? え!?」

「う゛えぇっ!? ひぃ~~~ん! 何でわかったの……!?」




 那韋斗が横を見ると、白い素肌を晒す2体の女性型モンスターが立っていた。体には蔦が巻きつき、その先端からはみずみずしい花が咲いている。

(うっ!?♡ こ、こいつらも……♡)

 どちらも14歳くらいの見た目だろうか。透明感があり、「美少女」という呼び方では足りないほどの優れた容姿だ。

 そのあまりにあけすけに晒された素肌に気を取られて、肝心なカードの情報に気づくのが遅れた。

「こ……こいつら、『ユニット従者カード』か!」

 ≪アルラウネツインズ 啼泣のアルル&号哭のブルーメ≫。ユニット従者カード。
 2体分の効果と攻撃力、体力、2回行動権利を持つ代わりに、1カード分としてしか移動できず、どちらか片方が倒されたら消滅扱いとなる、使いどころを選ぶカード種だ。

「チッ! 転んだらチンポを私の花で包んで滅茶苦茶『雑巾絞り』してやったのに💗! クソムカつく!!」
「えぇ~ん! ぐすっ……ダメだよアルル。この前なんてたった1ヶ月でカラカラになっちゃたんだから……お水は大切にしないと~……」
「おいお前! 降参してさっさとチンポ出せオラッ!」
「お、お願いしますぅ~……! 大人しくしてくれたら、とっても気持ち良くしてあげますから……💙 ね? ね?💙」

 2体同時に近づいてくる。
 那韋斗は思わず恐怖に駆られ、≪プレートラプター≫を後ろへ跳躍させた。

「え゛ぇ~ん! 哀しいよぉ~!
 ……抵抗すると、他の人たちみたいに……とっても辛ぁ~い『水やり』をすることになっちゃうのに……💙」

 右脇の木々が、まるで生きているかのようにがさりと割れた。那韋斗に奥を見せつけてくる。

「え!? ひいいぃぃ~~~~~~~~~~~!!♡」

 那韋斗は悲鳴を上げた。

 そこでは……

 認められるだけで5、6名、裸に剥かれた人間の男たちが涙と鼻水を混ぜこぜに出しながら悶絶していた。
 どの男も両手両脚をツタで縛られていて、股間にもカラフルな異形の「花」が纏わりついている。傍でそれぞれ1体ずつ、美しいアルラウネモンスターたちが嘲笑したり、「応援」したりしていた。

「ほぉ~ら♡ ガンバレガンバレぇ~~~♡ もっとまんべんなく撒かないと、芽が出て来ないよぉ~?♡」
 ウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネ♡♡
「い゛や゛っ♡ い゛や゛あぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~!!!!!!♡♡」
 ぴしゃぴしゃぴしゃ💙 ぴしゃぴしゃぴしゃぴしゃ💙💙
 その男は、那韋斗と同じ年ごろの日本人だった。ピンクに白の斑模様が浮かぶ花に、両側からペニスをサンドイッチされている。
 先端からは夥しい量の透明な液体が出続けていた。最初は尿かと思ったが、それよりもかなり「とろみ」があって、ぽたぽたと広範囲に、雫となって降り続けていた。

 赤い髪の≪啼泣のアルル≫が那韋斗に顔を近づけ、囁いてきた。
「ほら、よく見ろ💗 あれが『水やり』だ💗

 チンポを挟み込んでるのはオーソドックスな『搾精花』。一年生で、肉厚の花ビラはチンポに触れると、ああやって徹底的に搾り出す動きを加える💗 あんな風にされると、並みの男は全く保たない💗 平均5~6秒で、サンドイッチの中にマヨネーズソースがたっぷり出てくる💗

 ただし……あれは、品種改良を加えられているがな💗」

 ぴしゃぴしゃぴしゃ💙 ぴしゃぴしゃぴしゃぴしゃ💙

 10秒経っても、20秒経っても、ペニスからは透明な汁だけが大量に出続けていた。ピンクの花びらと花びらの隙間に水気だけが注がれる。男は本気の泣き声を上げていた。
「お゛ね゛がい゛♡♡ お゛ね゛がい゛い゛い゛い゛い゛いぃぃぃ~~~~~~~~~~♡♡ だじだい゛!!!😭☠ だじだい゛よ゛おおぉぉ~~~~~~~😭☠♡♡ イがぜでえ゛えぇぇぇぇぇ~~~~~~~~~~!!!!!!♡♡ な゛ん゛でも゛ずるっ!!!♡♡♡😭☠ な゛ん゛でも゛ずるがらああ゛あああぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~!!!!!!!♡♡♡😭☠」

 花弁の一枚一枚に筋肉があるかのようだった。百を超える指か舌から責められているのと同じだ。滑らかに妖しくざわめき、巧みにペニスをなぞり上げていた。ずりゅっ♡ずりゅっ♡と上下に、隅々まで刺激を耐えている。男なら誰でもわかる。絶対に射精を我慢できない類の動きだ。

 しかし男は腰をひきつらせ、透明な汁だけを延々地面に与え続けていた。一回も、起こるべき、「腰がびくっ💛 びくっ💛 っと跳ねて白い液体をペニスから放出する」という動作が起きない。紙の筒の中に牛乳を注ぎ入れ、それが全て水に変わって出て行くマジックを見ている気分だった。

 男はうずくまってツタをぴ~ん♡ と引っ張って、号泣している。どんな子供でもここまで泣きじゃくることはないのではないかと思うほど、びしょびしょに濡れ尽くした顔貌だった。

「あれは搾精花と同じ動きでありながら、絶対に射精ができない特別な品種。『搾水花』だ💗 ……ほら、ほかにも珍しい花がわんさとあるから、ゆっくり『お花見』して行けよ💗」

 那韋斗は震え上がりながらその横を見た。

 仰向けにされた男のペニスに、ランのような白い花の一つが被さっている。それは勢いよく上下に動きまくっていた。

 じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡

「お゛っ!☠♡ お゛っ!☠♡ お゛っ!☠♡ お゛おぉぉ~~~~~~~~っ!☠♡ お゛っ!☠♡ お゛っ!……」

 ランの先端には薄紫色の唇がついており、行っているのは紛れもない「濃厚フェラ」だった。

 じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡じゅぽっ!♡

 その吸引と舌使いの物凄さは、男の腰が上にぐいっ!♡ ぐいっ!♡ っと浮かされていることからも第三者へ容易に伝わってくる。
 ぴゅるっ💙 ぴゅるるるっ💙 ぴゅくぴゅく💙
「おお゛っ!! お゛オお゛おおお゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!♡☠😭」
 窄まるランの口の中で、男はずっと自分の期待するものを出せていないようだった。よく見ると、ペニスを咥えているランは、「がく」の部分が膨らみきって後ろに垂れていた。色が白いのでサンタクロースの袋のようだ。たぷんっ💙 と地面の上でたわんでいる。
 傍に立っているアルラウネが残忍な笑みを浮かべている。
「1つの花の容量が10リットルだよぉ~~?♡ ほらほら♡ もっとテキパキお水を出さないと♡ 順番待ちは長いんだから♡」

 ランに見えた花は、大きなスズランだった。一本の茎に10個の花がぶら下がっているのが見えた。残りの白い9個の花は同じように薄紫の唇を有しており、待ちきれないというように、空中でがぽっ!♡ がぽっ!♡ っと、凶暴なエアフェラチオを繰り返していた。

(ひっ♡ ひっ♡)

 その男の横では――

「ん゛~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡ んっ♡♡ んっ♡♡ んん~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡」
 こひゅ~~~~💗 こひゅ~~~~💗 こひゅ~~~~~~💗
「はぁい♡ 吸ってぇ♡ 吐いてぇ♡ 吸ってぇ♡ 吐いてぇ♡」
 容態が急変した患者のような吸気音と、のんびりとしたアルラウネの声が響き続けている。
 男の顔には人工呼吸器とCPAPが合体したような形状の、ごつい桃色の花が吸着していた。
 花はアルラウネの股間から伸びていて、何らかの細かい粒子がばふっ💗 ばふっ💗 っと顔の外に漏れ出ている。

 男の顔は見えないが、否応なく、顔の花が供給する何かを吸い込み続けているようだった。肺の位置が激しく膨らんだり萎んだりを繰り返し続けている。溺れているように脚をジタバタと動かすが、ツタで捕らえられて逃げられない。
 すっかり長くなった両方の乳首にはさっき見たフェラチオ上手なスズランが、ジュッポ♡ ジュッポ♡ と濃厚な乳首フェラを続けている。空中に放り出されているペニスからは、ぴゅるるるる💙 ぴゅるるるるる💙 と、大量の、本当に尿に見えるような量の我慢汁がスプリンクラーのように噴射され続けていた。

「あいつはアルラウネの花粉を吸い続けてるんだ💗 みんなそれぞれ微妙に成分が違うが、この世の物とは思えない、甘~い香りがするんだぜ?💗 それに、尿道の中がむずむずして、緩ぅ~~~くなる『アレルギー性物質』入りだ💗 鼻水が止まらなくなるみたいに、ペニス水がたっぷり出てくる💗 ほら💗 お前も嗅いでみるか?」

 アルルが自らの赤い花を那韋斗の顔へ近づけてきた。まだ離れているのに、ふわぁ~~~💗💗 と思わず呆然自失となってしまう濃厚な香りが漂って来る。
 それに確かに、ペニスの芯が「むずむずっ♡」となる妙な感覚があった。

「ひっ♡ ひっ♡」
 那韋斗は鼻をつまんで塞ぎ、先ほどの男へ視線を戻した。確かに、重度の花粉症に苦しんでいる人の姿が重なる。しかし、違っているのは「くしゃみ」を起こしているのが「腰」であることだった。乳首へのバキュームでとどめを刺され、びくっ♡ びくっ♡ びくびくっ♡ っと何度も何度も、突然跳ねるように腰が上下し、ペニスの先端からとろりとした先走り汁が宙を舞い続けていた。



「んん~~~~~~~~♡ んっ♡ んっ♡ んっ♡ ん~~~~~♡」
「ちゅ……♡ んふっ♡ んっ♡」れろれろ♡ れろれろ♡ れろれろれろれろ♡

 その横も悲鳴は控えめだった。アルラウネと男は、裸で抱き合って、延々、口の中で甘く舌を交わし続けている。
 かなり巨乳のアルラウネなのでおっぱいが男の胸板に押しつけられて変形している。
 一見どんな男も羨ましく思う状況だが、男の顔から滝のように流れる涙と、下半身の様子で差し引きマイナスになっていた。

 ぢゅぽっ♡ ぢゅぽっ♡ ぢゅぽっ♡ ぢゅぽっ♡ ぢゅぽっ♡ っとペニスをずっとアルラウネの花が摩擦している。大きな房のような花で、とても力強い往復だった。
 しかし、その腰の様子は、快楽に浸っているというよりも、もうこんなことやめてほしい、この状況から逃れたいということを、塞がれている口に代わって必死に表現しているかのようだった。
 ひくひくひくっ♡😭 っと腰が度々痙攣する。だが、男の顔に射精で恍惚とした様子は現れない。眉根が極限まで細くなり、瞳が落ち窪み、体中から抽出された苦しみの汁をペニスから吸い上げられているように感じられた。

「え゛えぇ~~ん……ああいうのが好みなのぉ~? お兄さん、不細工だから嫌だなぁ……
 でも、しょうがない……」
 泣きそうな声で、青髪長髪のアルラウネ、≪ブルーメ≫が言った。
「これも『お水』をもらうためだから……あれよりも凄ぉいの、長い時間してあげるよ……?💙」
 れろぉ~💙 と、青い舌が見せつけられた。

「私たちの口から出る蜜は、ほっぺが落ちるほど甘くて、栄養たっぷり……💙 飲めば飲むほど、精液がとぉ~っても濃くなって、出したくてたまらなくなるの💙

 ……ほら💙 『これ』も被せてあげる💙 私のお花💙」

 見せつけられた青い花は、アルルの物とほぼ同じ形で、大きな百合に似ているが、花弁が多く、肉厚だった。爽やかな香りで、鮮やかな発色をしている。そして――
「こうするともぉ~っと綺麗でしょ?💙 ね?💙」

 くちゃ……💙 と音がして、花弁の奥の空間が開いていく。
 那韋斗は目を疑った。綺麗な花びらの代わりに現れたのは、もっと複雑で肉厚なヒダを持つ穴だった。糖蜜のような粘液で覆われ、何重にも糸を引いている。
 ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ💙💙

「ひいいぃぃいいぃぃ~~~~~~~~♡♡」

 耳の奥に絡みつくようなおぞましい音を立てながら、中のヒダが一斉に運動を始めた。中に入った棒状の「何か」から養分となる液体を誘い出し、吸い上げるという仕組みを容易に頭へ描くことができる。
そして、どこか冷酷な印象も受けた。植物の維管束を思い出す。水を汲み上げ、必要な部位に送り続けるだけの機構。動物の食事とは根本的に異なる冷徹な気配を感じる光景だった。

「私の花はゆっくりおちんちんを絞って、透明なお水をドリップし続ける『メソメソの花』💙 長い間泣き通しで苦しむから、私もいつももらい泣きが大変で……

 アルルの凶暴な花はやめて、こっちにおちんちん突っ込んだほうがいいよ……?💙 キスもしてあげるし……ね?💙」

 赤い短髪の≪アルル≫が横入りして、自らの赤い花を見せつけて来た。こちらも奥の肉穴が開き、ブルーメの物より狭く、激しく、ギュルギュルとした動きが寒気を憶えさせた。

「やめとけって💗 向こうは『もしかしたら射精できるかも♡』って思わせながらじわじわ甚振られる、すげぇ性格悪い花だから💗 こっちのほうが、ただず~~っと悲鳴上げときゃいいんだから楽だって💗
 この『雑巾絞り』の妖花で、尿道の中を馬鹿にしてやるよ💗 ほら💗 思い切って突っ込んじまえ💗」

 赤い花と青い花を近づけられる。二輪の美しい妖花を向けられ、甘く陶酔的な香りが鼻腔を満たす。

「ここは『我慢汁』だけを絞り出す、男の人にとっては可哀相な、植物系モンスターの楽園……💙」

「男の精気ってのはサキュバスとかならいざ知らず、私たちみたいな植物の精や搾精植物にはちょっと濃すぎるんだよ。
 だから効率よく育てられるように、ここには生気を極端に薄ぅ~~~くして我慢汁だけを搾り出す『従者』や『罠』が集められてるんだ💗 よくできてるだろ?💗

 奪われる精気が精液の1000分の1とかだから、その分、サキュバスとかに比べて、死ぬまで長ぁ~~~く、何十年もチンポ弄って貰えるって良さがあるぜ?💗 射精だけは絶対にできないけどな💗」

 那韋斗は狂態を演じている男たちの様子を見た。
 射精による放出感とオーガズムを一度も味わうことができず、延々我慢汁だけを吸い取られていて、全く幸せを見出すことができない。

 「水」だけを排出させられ、重い睾丸の内部で、溶けたチェダーチーズみたいになった精液が粘着力の高い状態ででんぐり回って、切なさと快楽がたっぷりブレンドされ続ける。尿道を駆け抜ける精液の速さと太さ、それだけを頭の中に思い浮かべながら、実際に外へ出続けるのはしゃばしゃばの、何の快感も伴わない透明な、ちょっと温い水だけ。
 この森で、生涯を終えるまでずっと――

「う……や、やめ……やめろ!」
 那韋斗は困惑しながらカードを1枚突き出した。
「魔術カード、≪突風撃≫発動!」

 風が吹いてくる。通常の「突風」と呼べるような度合いではない。
 大木をもなぎ倒すほどの巨大な風の塊が、一方向に、苦しんでいる男たちと周りのアルラウネたちに向かう。

「「きゃー!💗💙」」

 ≪アルル≫と≪ブルーメ≫が可愛らしい動作で髪と花を押さえた。

 当然、この≪突風撃≫は男たちを助けるためのものだ。
 しかし――

 男たちとアルラウネたちの姿は、ぼやぁ~~っと蜃気楼のように揺らぎ、消えてしまった。

「え? え? え?」
 那韋斗は混乱して、暗い森の奥を見つめた。

「あはははは!💗 何お前! 魔術師の癖に、こんな基本的な事も知らないのかよ?
 『確定』した人間の末路は、その時点で別世界の軸に移るから、何が起きても変えることはできないんだよ!💗
 同じアルラウネを倒そうが、この森が消滅しようが、あの人間たちは何十年、何百年とあのまま💗
 何カード1枚無駄にしてんだよ💗 バーカ💗」

 そこで那韋斗は、数ヶ月前に≪幻魔の案内人≫のカードから聞いた言葉を思い出した。

 ――「同じ場所にいるように見えていますが、貴方とあの人間とは、全く干渉しあえない並行的な階層にいます。今は一瞬それらが重なって、一時的に姿が見えているだけです」。

「まぁこの森が消滅するなんて有り得ないけどな!
 もうこれまで何百人と男を養分にして、どのモンスターも恐ろしく強化されてるから」
「え゛ぇ~~~ん! 可哀相! こっちが泣きそうになっちゃいますぅ……
 だから、ここで私たちに投降してください……💙 悪いようにはしませんよ?💙」

 2輪の花が、テントを張った那韋斗の股間へ向けて、ぐちゅぐちゅ💗💙 うねうね💗💙 と動いた。
 誘惑に負けると、この中で延々、我慢汁を――

「いっ! いやっ! 嫌だあぁぁ~~~!!♡」

 那韋斗は慌てて手札からカードを掴んだ。
「≪疾風(はやて)の行軍≫発動!!」

 森の奥から風が吹いてきて、那韋斗と≪プレートラプター≫の背中を後押しする。騎乗状態の場合、ターン終了時に追加の移動を可能とする。突風を受けた帆船のように、那韋斗と≪ラプター≫は一直線に駆け去っていった。

「ま、待って~」
「は、速……」

 アルラウネたちの声も聞こえなくなった。


 那韋斗は一瞬で道の終点に辿り着いた。急ブレーキをかける。≪プレートラプター≫が爪のついた足を地面に噛ませ、ドリフトで急減速するような動きをした。
 停止後に目の前をよく見ると、空中に扉の枠線のようなものと、金属のドアノブのようなものがあった。その横にはカードを通すセキュリティロックのような機械もある。
 那韋斗はさして驚かず、予想通りといった感じで、宙に浮かんで見える機械を見つめた。

「オォ~~~~~~~~ッホッホッホ!! よく気づいたことですわねぇ!🤍」

 けたたましい声とともに、那韋斗の後ろの地面が割れ、巨大な白い花のつぼみが顔を出した。
 しゅるしゅると回転しながら花開き、中から身長3mほどの、迫力のある女体が出現した。
 たっぽんと揺れる巨乳の、薄緑色の肌をした美女だった。
 巨大モンスター特有の、重低音の声で前口上を行う。
「ごきげんよう! 私は≪憂いの種まきアルラウネ≫🤍
 ……とはいえ、あなたが私に種を撒くことは叶いません🤍 あなたが出せるのは悲しい『お水』のみ🤍
 種を撒くのは、残念ながら私のほうでございますわ🤍」

 巨大アルラウネが子房のような器官を伸ばすと、コロコロコロっと音がして、黒く小さな種が十粒ほど≪種まきアルラウネ≫の手の上に落ちた。フリスクを出したように見えなくも無かったが、その黒い種は一粒一粒が目に見えてわかるほど濃い、邪悪なオーラを放っていた。

「こちらの種を、あなたの種袋、つまり『睾丸』へ埋め込みます🤍 すると、通常より遥かに大量に、濃厚で、粘っこ~~~い精子が延々、あなた自身の体力を使って大量生産されるようになりますの🤍

 ぶら下げた玉の中でぐるぐるぐるぐると精子が秋の運動会みたいに活発に動きまくって、射精したい🤍 射精したい🤍 射精したいと必死におペニスが懇願している間、一滴も出すことは叶わず、執拗に我慢汁だけを搾り取られるのです🤍

 皆さんとっても苦しみ抜いて、面白い悲鳴ばかりを上げられますのよぉ~?🤍」

 残虐な笑みを浮かべ、今まで見たアルラウネの中でも一際巨大で、強力そうな搾精妖花を動かす。ぎゅぱぎゅぱぎゅぱぎゅぱ🤍 ねとねと🤍 と、聞いたことのない異音がした。

「さぁ🤍 私を倒さねばその扉は開きませんわ🤍
 早くこちらへいらして🤍 さぁ早く🤍 私の花で、決して出せない濃厚な精液を、誘って、擦って、吸引して、精子の代わりに、たっぷりとお水だけを搾りまくって差し上げますから……」

 がちゃ。

「あ、開いた」

「え!?!?」

 ≪憂いの種まきアルラウネ≫が愕然とした声を出した。
 効果を発揮した≪サイバーピッキング≫のカードが那韋斗の手の中から消えた。
 扉が開くと、那韋斗は≪プレートラプター≫とともに外へ駆け去った。

「あ! ちょ……お待ちなさい! 私はこの場から動けないんですわよ!? 根っこがあるから! お、お願い、ま、待って……」



 扉を抜けた場所は、さっきまでの森とは比べ物にならないほど開放感があった。
 一面の濃い青空に入道雲が浮かんでいる。
 そして、那韋斗の背よりも高い「ひまわり」が、元気いっぱいの黄色い花を燦々と開ききって並んでいた。

 耳を澄ますと、さっきの森と同じように、上の方から「ごぉぉぉ……」という空調音が聞こえた。

(やっぱりな。
 ここはいくつもの人工的な温室が連なったフィールドなんだ。自然からの生命力の恩恵は薄れる代わりに、様々な調整が可能だ)

 ≪プレートラプター≫に乗っているとひまわりの花より僅かに高く頭を出すことができ、那韋斗はそれで、道が迷路のようになっていることがわかった。

(……かなり一筋縄じゃ行かなそうな構築だ。複雑で徹底的な防御特化。やっぱり、≪王国を護る者≫を手に入れた時の『街』フィールドに近いな)

「23番へ移動」

 宣言に伴って≪プレートラプター≫と一緒に移動する。さっきと同じで地面は少し湿っていた。目に見えない壁で区切られているが、土壌は共通しているようだった。

「……」

 上下する視界。
 那韋斗は考えを巡らせる。さっき見てひまわりの迷路の道順はあらかた分かった。

(収戯に勝てば、この宝庫から脱出できるのか……? 相手プレイヤーはいない。まるでAI戦みたいだ……)

「ばあぁぁぁぁぁ!!!♡♡」

 ひまわりの陰から、麦わら帽子、白いワンピースの姿をした4体のアルラウネが飛び出してきた。右に2体。左に2体。ひまわりのように見える妖花は、よく見ると、男のペニスを咥え込めるような穴状になっている。擬態型のモンスターだ。

「≪プレートラプター≫。『急襲頭撃(ブリッツヘッド)』」

 那韋斗は思案中の沈んだ目の色のまま、ぽつりと≪プレートラプター≫に指示を出した。
 ≪ラプター≫は正確に左右1体ずつのアルラウネに攻撃を加えた。腹を鉄兜の頭突きで押されたアルラウネがもう1体ずつのアルラウネを巻きこみ、ひまわり畑の中へ戻っていく。
「ぐえっ!」「うごっ!」

 そのまま≪プレートラプター≫は平然と走行を再開した。那韋斗はずっとぶつぶつと言い、表情を変えていない。

(多分途中に擬態系のモンスターが潜んでるから、≪プレートラプター≫の「急襲頭撃」で払いのける……)

「≪隠れ兵≫を召喚。罠を除去」

 那韋斗がまた虚ろな顔で宣言した。隠密装束の戦士、≪隠れ兵≫が、那韋斗からは見えない曲がり角の向こうに召喚された。
 短剣を2回振り上げ、繊維が断ち切られる音がした。
 地面から2本草が伸び、足を取る形で結ばれていが、今はただ地面に垂れた4本の雑草でしか無かった。

「え!?」
「な、何で!?」
 近くのひまわりの茎の向こうから、見えない何かが発した驚愕の声が聞こえた。
 
(恐らく曲がり角を曲がったところに捕縛系のトラップがある。手札に≪隠れ兵≫があるから、前もってそれを除去して……)

 切断した草の輪の位置を通り過ぎて、しばらくしてから那韋斗は我に返った。

「え!? え!? な、何!?!?」

 手札を見ると、≪隠れ兵≫のカードが無い。コンソールを見ると≪プレートラプター≫の行動権も使用済みになっている。

 那韋斗は混乱した。
 思いつく前に体が勝手に行動し、展開を前へ進めている。
「……な、何だこれ……」

 今まで行ってきた自分の「マクガフィン」のプレイとは全く異なっていた。意識が、意識よりも先に動く行動へ追いつかない。

「――ちょ、ちょっと速すぎでなくて!?
 まぁいいわ!💛」

 那韋斗はこれも、意識が地面の揺れと声を認識する前に、≪プレートラプター≫後ろへ退かせた。大地から巨大なつぼみが突き出してくる。今度の花は黄色だった。
 中から出て来たのは、さっきの巨大アルラウネとそっくりの、巨乳の美女。
「ごきげんよう! 私は≪叫びの耕耘アルラウネ≫💛
 私は姉妹たちの中でも、あまり前置きが無いタイプなの!💛 ほら💛 見て、絶望なさい!💛」

 花弁の中から突き出してきたのは黒い果実、というより、とんでもない『ドリル』だった。
 直径は10cm越え。あまりにも極太だ。長さも50cmくらいある。螺旋状にエグすぎる溝が彫られており、エッジも波打っていて、おまけに色んな形の粒高いイボがボルダリングコースのように立ち並んでいた。

 ギュイイイイイイイィィイィィン!!!!💛💛 と悪魔的な音を立ててドリル果実が高速回転を始めた。地下をどこまでも深く掘り進められるような力強い回り方だった。表面から潤滑蜜が分泌されており、遠心力でねっとりとした飛沫が空中に舞った。

「ほぉら💛 このドリルで、あなたの直腸内側の隅から隅まで、掘って掘って掘りまくって、耕し尽くしてさしあげますわぁ💛 ふっかふかの、トロットロの、肥沃なアナルになれますことよぉ?💛
 通常なら何度も何度も、精液漏らしてトコロテンイキをするところですが、あなたが漏らせるのは我慢汁だけ💛 好き者娘のように、穴を突かれてペニスの先端から『ぷしゃ💙 ぷしゃあぁ💙』と透明な愛液を流し続けるのです💛
 植物の世界においては、『雄期』と『雌期』が入れ替わって、『性転換』することもさして珍しくないんですのよぉ~?💛 『女の子にされたい』という欲求は、どんな男の子も持っているものですよねぇ?💛」

「持ってないわ!!」

 凶悪すぎる極太果実の乱回転を見ながら、那韋斗はお尻の穴がきゅっ♡ っとなった。これ以上想像したくもないので、思考の回転に加速がかかる。

「≪プレートラプター≫を『進化(プロモーション)』
 進み出よ! ≪城塞豪竜≫!!」

 乗っている≪プレートラプター≫にしっかりとしがみついた。
 体が光り、一気にどぉん! と膨れ上がった。どっしりと地についた四本の太い脚。巨大な3本の角。
 分厚い鋼の突撃鎧に身を包んだ「トリケラトプス」が大地に立ち、≪叫びの耕耘アルラウネ≫に向かい合った。

「は……え……ちょ……」≪耕耘アルラウネ≫が色を失い、狼狽する。
「『大爆進 トライセラタックル』!!!!」

 しっかり足を屈めて力を溜めた≪城塞豪竜≫が、巨体を大砲の弾のように突っ込ませた。大質量と3本の角が≪アルラウネ≫に激突する。
「ぐっ! ぐえええぇぇ~~~~!!!」
 貫かれた≪アルラウネ≫の体ごと、壁と扉をぶち抜いて、隣の部屋に転がり出た。
 そこには一面のラベンダー畑が広がっていた。



 その後も、次々と襲い来るアルラウネモンスターや、妖精系モンスターを処理しながら那韋斗は進んでいった。

「≪返す刃≫発動! ≪我慢汁だけ次々コキ出す手コキ上手な花の精≫を対象!」
「ぎゃっ!!」

「≪パルチザンマスター≫で≪我慢汁ゴックンフラワー≫を攻撃!!」
「財宝カード≪伝説のじょうろ≫を収奪!!」

「ごきげんよう!🧡 私は≪惑いの……≫ ぐえ~~~っ!!!」

 次から次へ従者カードの奇襲や罠を処理していく。

 我慢汁を搾り出すことに特化した恐怖のモンスターたちや、そこかしこで射精を必死に懇願している男たちの姿と絶叫に震えながら、それでも自分の体が意識よりも速く、的確な対処を行っていく感覚に対して違和感を抱かざるを得ない。

「財宝カード≪空間を断つ剪定鋏≫を収奪!」

 既に2枚の財宝カードを収奪し終わった。残り1枚だ。

(こんな防御に専念した構築、どうやったって時間がかかるのが普通なのに……

 モンスターも決して弱くない。それどころか1体1体がかなり手ごわい部類だ。自然系の構築に多い、強力な従者カードを大量に展開して相手を圧し潰す「ストンピィ」構築。
 それを、こんなターン数で攻略できている……
 一体何が起きているんだ……)

 ぼーっとしていると、目の前に急に、「植物」が現れた。

「うっ! うわっ!?」

 ≪城塞豪竜≫に跨る自分の、股間の前に浮かんでいた。長いツルが頭上の木に巻きついて、その植物までコードのようにつながっている。

 図鑑で見たことがある。これは食虫植物の「ウツボカズラ」だ。

 全長30cmほどで、よく見ると、両側を手のひらサイズほどの少女たちが持ち上げていた。背中には薄い翅が生えている。「妖精」だ。

 コンソールを見る。カード名は≪嘘つきピクシー≫。

「ねっ♡ ねっ♡ おにーさん♡」
「こんな奥までこんなに早く来れるなんて、すごいねー♡」

 透き通った、不思議な調子の声だった。通常のマクガフィンであれば妖精系のモンスターはもっと昆虫チックな見た目をしているはずだが、目の前の2体は美女をそのまま人形サイズに縮小したような可憐さだった。
「それでねー♡ 私たち、おにーさんにごほうびをあげるために来たんだぁ♡」
「ほらほら♡ このウツボカズラにおちんちん、突っ込ませてあげるぅ♡」



説明用のカードに那韋斗は眼を向ける。
 ≪食肉棒植物(ミートプランツ)「ミルキングカズラ」≫

 かぽっ♡ と、あったかいシチューの小鍋の蓋を上げた時のような音を立てて、ウツボカズラの葉が開いた。
 大きな穴からほか♡ ほか♡ と湯気が立ち昇る。

「うっ!?♡ ひぃぃぃ~~~~~~~♡♡」

 観察しては駄目だと脳が警鐘を鳴らしているのに、目線を注いでしまう。
 袋状になっている内部は、一目見ただけであまりにも用途がわかりすぎた。

 中は鮮やかなピンク色で、たっぷりの、虫眼鏡が必要なほどの細かい肉突起が立ち並んでいる。
 内部は果肉というよりも、かなり温かそうで、生きている「肉」そのものだ。
 その証拠に、ひく♡ ひく♡ と一定のリズムで中が微動し続けている。

 内部は所どころ狭くなったり、互い違いになっていたりして、さっき見たひまわり畑の迷路よりよっぽど複雑で、男を困らせる構造をしていた。
 粘っこい粘液がいくつも白い橋を作っており、ネバネバで、容易には動かせないことを脳が思い描いてしまう。
 それでも強力に、執拗に、動かれてしまうだろう。中を見ればそうやって動かして「搾り取る」ことに特化した構造であることが伝わってくるからだ。

 内部の見た目が印象的すぎて、そこから目を離すにも強力な意志を必要とした。説明用のカードイラストに目を向ける。「植物属性、罠属性……こ、これ……何だ?」

 およそ子供向けトレーディングカードに刻まれたらダメなアイコンを見つける。位置からして多分属性アイコンだが、マクガフィンをやってきてこの14年間、全く見覚えのない形だった。

「おにーさん、安心して♡ このミルキングカズラは『搾精属性』だから♡」
「そうそう♡ これまでの、おちんちんから我慢汁だけ搾って苦しめる、悪~い草花とは全然違うからね♡」

「さ、『搾精属性』!?
 な、何なんだその、ふざけた……」
 那韋斗は抗議するようにカードの絵柄を見る。
「し、しかもこれ……B級レアじゃないか!」

「すごいよぉ~? この≪ミルキングカズラ≫♡ おちんちんから精子を搾り取るのに特化した『搾精属性』でぇ、しかも希少で強力なカードだから……」
「ほら♡ 見て見てぇ♡」

 くぱぁ♡ とウツボカズラの袋の口を2体のピクシーが持ち、広げた
 むわぁ……♡♡ と湯気と、甘い香りが中から放散される。そして粘液に濡れた内部がさらに事細かに明らかになった。真ピンクで、山あり谷ありカリ責めリングありの非常に複雑な構造をしており、それが――

 うねうね♡♡ ウネウネウネウネウネウネウネウヌエグチョグチョグチョグチョグチョグチョ♡♡♡ グチュチュチュチュチュチュ♡♡ ウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネ♡♡

「うわっ♡ うわああぁぁぁ~~~~~~~~~♡♡♡」

 那韋斗は思わず仰け反った。
 細かい肉突起が一斉に動き始めた。植物が繰り広げている運動とは思えない。腸の蠕動運動に似ているが、それよりもずっと強力で、複雑だった。たくさんの小さな触指が、一つ一つスピードも方向も微妙に差異を持ちつつタテヨコナナメに動き続けていた。それでいて、肉壁全体としては奥へ奥へ引き摺りこもうとしている。こんな物を受けたら、囚われたモノを外に出すのは容易ではない。多分動けなくなって、腰をひきつらせながら、何度も♡……何度も♡……何度も♡……
 狭い肉空間に反響して、粘液を練り合わせるねちょっ♡ ねちょっ♡ という音がずっと響き続けていた。

「ね♡ すっごいでしょぉ~?♡ これねぇ、ほんと、下級サキュバスの膣なんかよりよっぽどすごいんだよ?♡ 3秒も耐えられたら我慢強いほう♡ 試してみてぇ♡」
「難点はねぇ、中の液もネバッネバで、奥への引き込みも凄いから、一度挿入しちゃうと、数年くらいはずっと外せなくなっちゃうところなんだよねぇ♡
 まぁでも、それでもいいって思っちゃうくらいの気持ち良さだから、安心していいよ♡ みんな挿れた瞬間腰が抜けて、その場でずぅ~っとうずくまっちゃうの♡
 その安全な状態のまま、24時間ペニスを乳搾り(ミルキング)して、漏らしたタンパク質をゆぅ~っくり分解するのがこの植物の仕組みなんだよぉ♡」

 恐ろしいながらも思わず勃起してしまう説明とともに、股間へ近づいてくる。ほかほかの穴。
「そのままでいーよ♡ 被せたらズボンやパンツくらいすぐに溶かしちゃうから♡」
「それじゃ、自然の恵みのちんちん天国、たっぷり楽しんでねぇ♡」

「う……う……♡」

 那韋斗は身震いし、首を振り、邪な思いを振り切った。

「魔術カード≪地雷探知機≫発動!!」
 手をかざすと、ピーッ! ピーッ! と電子音がした。音は≪ミルキングカズラ≫から鳴っている。

「くっ、くそっ!」

 那韋斗が≪ミルキングカズラ≫の入り口の脇の、何も無い空間を掴んだ。
 手の中でゆっくりとカードとしての見た目を現していく。

 イラストはシロツメクサのような植物で編まれた指輪大の花冠で、カード名は≪泣き虫になる花輪≫だった。罠魔術カード。効果は、「プレイヤーのペニスへ強制的に呪いの花輪を装着。どんなに気持ち良くても絶対に射精することはできない。効果:1000年」と書いてある。「どんなカードだよ!」と那韋斗は叫んで花輪のカードを地面に叩きつけた。探知された罠魔術カードはその場で消滅する。

「あーーーー!!」
「な、なんでわかったの~~~!?!?」

 (いや、だって名前に≪嘘つき≫って入ってるし……)と那韋斗は頭の中で思うが、実際にはそれだけではなかった。
 仄かに、罠の気配のようなものを感じた。
 以前まではもっと、視覚情報を頭の中で言語化した後に罠かどうかを判断していたが、そのプロセスが突如として省略されたかのようだった。自分でも戸惑うほど即座に判断をつけることができた。

「もうちょっとだったのに~~!! 射精封じされたまま≪ミルキングカズラ
≫におちんちん突っ込んで、段々激しくなっていく搾り取りの動きでおちんちん溶けて無くなっちゃいそうになりながら、我慢汁しか出せずに『ごれ゛取ってぇぇええぇぇぇぇ~~~~!!!!!♡♡♡ ごの゛輪っか取ってえええぇぇぇぇぇ~~~~~!!!! ♡♡♡♡』ってなってる馬鹿な人間を放置して逃げる遊び……」
「これでちょうど10人目だったのにーー!! ひどーーーい!!」
 
 「どっちが酷いねん!」という言葉を言う気力すら無く、那韋斗は従者を傍らに召喚した。
「≪戦場のジョーカー≫召喚!」



宙返りしながら華麗に降り立った≪ジョーカー≫が、ニッコリとした笑みを見せた。
 どこからともなく取り出したチェック柄の布を、≪ピクシー≫達が持っていた≪ミルキングカズラ≫へ被せた。
「えー?」
「どうなるの~!?」

 わくわくしながら≪ピクシー≫が見つめる。
 軽やかに≪ジョーカー≫が布をめくると、同じ場所へ、重々しい色の手榴弾が代替で置かれていた。ピンは抜かれている。

「「え……」」

 爆発音と火薬の臭いがたちこめ、跡形も無く2体の≪ピクシー≫は消滅した。
 
 ≪ジョーカー≫は、「楽しんでいただけましたでしょうか?」と言わんばかりに、主に向かって深々とお辞儀をした。

 那韋斗は深く息をついた。わかっていた罠なのに内部の光景に見とれ、そのまま受け入れそうになっていた自分の心が恐ろしかった。

(女性型モンスターとか……この搾精系のカードとか……どうしても慣れない……♡

 「誘惑戦術(セデュースアタック)」とか言ってたか……多分、こんな風に勝敗の外の選択肢を突然相手に与えることで、判断を誤らせることが目的なんだ。
 極小のコストで致命的なミスを生じさせ、運が良ければそのまま必殺の一手になる。知れば知るほどコスト対効果の高い戦術だ……卑怯すぎて受け付けないのは変わらないが……)

 ふと、≪城塞豪竜≫の背中に転がっている物体に目を向けた。さっき手榴弾と入れ替わった≪食肉棒植物(ミートプランツ)「ミルキングカズラ」≫だ。

 穴の入り口が那韋斗を向いている。偶然そうなったのか、それとも見ないうちに≪ミルキングカズラ≫がひとりでにそう動いたのか、わからない。
 入り口が、ピクシーたちが開けた時と同程度の大きさで「くぱぁ……♡」と拡がっていた。
 ホカホカと湯気を上げながら、ネッチョネッチョ粘り音を立てている。誘うように、穴内で行われている「乳搾り」の動きを開示している。
 ウネウネウネウネ♡♡ ネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョ♡♡

 数えきれないほどの肉突起が、入り口から奥へ向けて、どんなものでも逃れられずに搾り尽くされてしまう捕食動作を続けている。

 どこからともなく声が聞こえた気がした。『今なら誰も見ていませんよ?♡ 罠も外れました♡ 試しに挿入してみませんか?♡ こんなレアカードにオチンチンを何十年も、ムシャムシャしてもらえる機会なんてそうそうありません♡ 絶対に後悔させませんよ?♡ 貴重なタンパク源になってくれるお礼に、たくさんたくさん、何十年も、丁寧に「乳搾り」してあげます♡』

「ひいいぃぃぃ~~~~~~~~~~!!!♡♡」

 那韋斗は拾ってしまいそうになる自分の手の動きに気が付き、恐怖に駆られた。
 そのままげしっ! っと靴の先でキックして落とす。ぽよんという感触の後、≪ミルキングカズラ≫が≪城塞豪竜≫の下の地面に落ちて行った。

「す、進め! ≪城塞豪竜≫!」

 ずしんずしんと音を立ててトリケラトプスが進む。那韋斗は逃げるように、全速力でその場を後にした。



 そこは、一個の芸術品のように美しい空間だった。
 水彩絵の具で彩色したような青空が広がり、煌めく羽毛を持つ小鳥たちがその中で遊んでいる。
 一面の芝生は思わず頬ずりでもしてしまいたくなるほど綺麗に刈り整えられていた。

 鶴翼のような形で広がる植栽。一番外側の層はミリ単位で手入れされた生け垣で、その内側は、まさに至上の花壇となっていた。薔薇、チューリップ、ラベンダー、マーガレット、スイトピー、サクラソウ、カーネーション、ヒヤシンス、アネモネ。それらはごく一部で、他にもこの世に存在しない色、形の花々が美しく、多様に並んでいる。水やりを終えた後のようで、キラキラと露が宝石のように散りばめられていた。

 中央には丸くて白い机と、ガーデンチェアが配置されている。アルラウネ、ピクシーといったモンスターたちが優雅に紅茶を啜り、お菓子を頬張っていた。

 その空間は、40に分かれた「温室」の中央に位置していた。宝庫の最深部。辿り着くのが最も難しい。

 そして、一番中央に置かれた机とガーデンチェアは周りのものより一回りサイズが大きかった。

 腰かけているのは花から体を突き出した女性型モンスター。上半身は裸で、日光浴を楽しんでいるように見える。


「嗚呼……なんとお美しい昼下がりなのでしょう💗」

 ティーカップを指でつまみ、持ち上げている。白く滑らかな陶磁の表面は塗り薬で濡れたように光っている。金箔で描かれた精緻な紋様が陽光で上品に浮かび上がっていた。
 モンスターは澄んだ橙色の紅茶をゆっくりと啜り、ソーサーにカチャリと置いた。

「今日の『水出し紅茶』も、味わい深いですわぁ💗 情けなぁ~~いマゾ水源どもの苦悶が滲み出ているかのよう💗


 ……そう言えば、さっき引き摺り込んだのは魔術師だったそうねぇ?💗

 今はまだお1つ目の温室か……早ければ、お2つ目の温室に辿り着いていることでしょう💗」

 高く、鼻にかかった喋り方だった。余裕たっぷりに薄ら笑いを浮かべている。

「今回の獲物はどこまで進んで、どんな悲鳴を上げてお死にになるか、とても楽しみですわぁ💗」

 カップを再び唇につけてゆっくりと啜った。


 ドカーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!

 『庭園』の壁が破壊され、モンスターがブーッ!! っと紅茶を吹き出した。

「え!? もうゴール!?!? 早っ!!」
 那韋斗はきょろきょろと辺りを見回し、愕然としながら叫んだ。

 ケホッ、ケホッ、っとせき込んだモンスターは、トリケラトプスに乗った那韋斗の姿を見つけた。

 那韋斗は、「あ! こいつがボスか!!」と言いながら、ずんずん庭園の芝を踏みつぶし、中央のガーデンチェアの方へ進んでいく。

 驚きが過ぎると怒りがやってきたようで、モンスターの体がワナワナと震えた。
 強靭な蔦を瞬時に、那韋斗の体へ向けて鋭く伸ばしてきた。先端は身震いするほど鋭利だった。
 那韋斗が命じるまでもなく、傍らの≪見習い戦士≫が飛び出して、蔦を切り払った。

 モンスターはそれに動揺することもなく、高らかに笑った。脳をつんざくような高い声で、手の甲を頬に当てている。
「んオーーーーーーーーーーーーーーーーッホッホッホ!!!!!💗 なかなかやるみたいですわねぇ💗 お可哀相な魔術師様💗」

 那韋斗はポップしたカードを見た。≪嘆きの水やりアルラウネ≫。A級レアカードだ。「花」、「妖精」、「水滴」属性。



他の温室を守っていた巨大アルラウネモンスターたちと似通った姿だが、一回り体が小さく、乳も尻も細身だった。それでも人間として見れば巨乳と言って差し支えない。

 しかし、纏っている気配が段違いに強力で、充実していた。花も、これまで見たアルラウネモンスターの中で最も美しく、優雅に咲き誇っている。
 ただ――

「最後の財宝カードはどこだ?」
 見た感じ間抜けそうな印象だったので、那韋斗は一応聞いてみた。

「まさか、見た感じ間抜けそうな印象だったので一応聞いてみたわけではないでしょうねぇ? 

 話が性急に過ぎましてよぉ?💗 お可哀相な顔面の魔術師様💗」
「可哀相ってそのこと!? うっさいわ!」

 言い立てる那韋斗を無視して、ちらっ、と≪嘆きの水やりアルラウネ≫が自らの背後に目線を向けた。

 そこに見えるのは、庭園を眼下に見下ろす、白い宮殿だった。
 典型的なバロック建築。屋根は丸く、先のとがったドーム型で、均整の取れた構造をしている。全体が恐ろしいほど白く、言葉を忘れるほどの美しさだった。まさに白亜の王宮と呼ぶにふさわしい。
 
 那韋斗は≪城塞豪竜≫を進ませ、≪嘆きの水やりアルラウネ≫の脇を通って宮殿に向かった。誰がどう見ても、あそこに最後の財宝カードがあるに決まっている。

「……💗」

 ≪アルラウネ≫が残忍な笑みを浮かべて見ていると、那韋斗がひょいっ、と、トリケラトプスの背から飛び降りた。

「え?」

「≪城塞豪竜≫! 『壊尽突撃 トライセラインパクト』!!!!」

 そのまま≪城塞豪竜≫が地を蹴り、巨大なエネルギーを伴って進んでいった。大地が揺れる音が響く。
 那韋斗は頭を抱えて地に伏せた。≪城塞豪竜≫の体が宮殿の中央に突き刺さる。

 ドカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!! という、さっき壁を破った時の倍くらいの音がした。空気の振動が庭園の端まで広がる。≪嘆きの水やりアルラウネ≫が「ぎゃーーー!!!」と叫ぶ声が聞こえた。

 瓦礫が飛び散り、爆風が広がる。ひらひらと頭の傍にカードが落ちて来て、那韋斗は体を起こして拾った。

「あんないかにも中に財宝がありそうな宮殿、トラップじゃなかったら何なんだよと思ってたが……」
 カードを読む。さっきの宮殿のイラストだった。
 ≪悲劇の宮殿≫罠魔術カード。「“中に入った人間の男は瞬時に両手両足が縛られ、『絶対に射精できない&我慢汁の量が10倍になる呪い』がかけられる。その後、踊り子装束を身に着けた女官妖魔達に『拷問室』へ連れて行かれる。『降伏(リザイン)宣言』するまで責められた後は、命が尽きるまでの長い間、大量に働いている女官妖魔達から、宮殿中にある数えきれないほどの様々な搾精拷問器具を駆使され、1日10トン以上の我慢汁を排出させられる悲劇的な日々が待っている。あまりにも残酷な我慢汁絞りが続けられているので、中はむせ返るようなカウパー臭と、それを隠すための香水の臭いが漂っており、女官達も臭いのでみんな臭いを遮蔽するためにフェイスベールをつけている。窓に耳を近づけると、獣のような男たちの咆哮と、「射精さ゛ぜでえぇぇぇぇ!!!!!!!!♡♡♡」「殺゛じでぐだざい゛~~~~~~~~~!!!♡♡」という大絶叫が僅かに聞こえ、ガラスがビリビリ震えているので、そこが唯一外から見分けるためのポイント。現在33名の哀れな男性たちが中に閉じ込められている。1日のスケジュールは、まず起き抜けに前立腺を死ぬほど責めまくる拷問椅子に座らされ、シルクの手袋をつけた4人の女官妖魔達から乳首と陰茎を――”」

「ひいいぃぃっ!!!!♡♡」
 那韋斗は怖すぎてそこで読むのをやめ、こんなものもう触っているのも嫌だというように放り捨てた。≪悲劇の宮殿≫のカードは芝生の上で綺麗に消滅した。

「よ、よく見破りましたわね……」

 ≪嘆きの水やりアルラウネ≫が何とか不敵な笑みを作りながら言った。
「財宝カードはそこのティーセットだろ?」

 ≪アルラウネ≫の体がびくっと縦に跳ねた。

「な、な、何で……」
「……
 持ち手の指の緊張。敢えて外し続けている視線。それに……

 さっき爆風が吹いた時、瓦礫へ万が一にも当たらないように、お前の体が不自然に反応した……ような気がする」

 ≪アルラウネ≫はぽかんと口を開け、理解不能という表情を浮かべた。
「……は、はぁ? あなた、さっきの攻撃の時は、地面にうつ伏せになっていらしたでしょう!? 何でそんなことが……」
「い、いや……俺にもわからん」
「え……怖……」
 
 那韋斗は自分でも呆然としながら、芝生の上を歩いていく。後ろに、≪見習い戦士≫と≪戦場のジョーカー≫が続く。

 レベル2の≪城塞豪竜≫が行動権を使い、もうこのターンは攻撃不能であることに気づき、≪嘆きの水やりアルラウネ≫は落ち着きを取り戻した。

「……そんなお雑魚な従者たちで何ができますの?💗 こちらとそちらとでは、生物としての『力』に圧倒的な差がございましてよ?💗

 ――ゆけっ! ≪巨樹超獣 クワドラペダルトレント≫!!!」

 言い放つや否や、地面を突き破って太い木の根が現れた。それは前脚の爪だった。
 地面からさらに巨大な4本の脚と、分厚い樹皮の体と、巨木をくり抜いたような虚ろな頭部が順番に、大地を割り裂いて現れてきた。
 レベル2の超重量級モンスター、≪巨樹超獣 クワドラペダルトレント≫が庭園の上へ立った。先ほどの≪悲劇の宮殿≫よりも体躯が大きい。発する迫力で空間が圧される。

「んオ~~~~~~~~~~~~ッホッホッホ!!!💗 どうでして!?💗 この宝庫、『嘆きの植物園』は、捕らえた獲物の精気をたっぷりと吸い取って、生命力でパンッパンになっていますのよぉ~~~??💗 土壌も肥沃で、植物系モンスターのステータスには常に上方補正がかかっておりますの💗 さらに、この中央の『庭園温室』はそのおエネルギーの集約地点で……」

「≪見習い戦士≫に≪叙任式(アコレード)≫を発動!」
 那韋斗は手札のカード1枚を掲げた。
「場のレベル1騎士属性従者カード1枚を、山札の中の騎士属性従者カードへ進化(プロモーション)させる!」
「ちょ……話の途中で……何とお無礼な……」

 輝きとともに、2本の槍持つ騎士が立ち上がった。

「≪無君の騎士≫!! ≪巨樹超獣 クワドラペダルトレント≫を攻撃!!」


 ひと月ぶりに自分の物として使える≪騎士≫。主の命令をすぐに受け入れ、俊足で大地を蹴った。鉄が鳴る音とともに、次の瞬間にはもう≪巨樹超獣 クワドラペダルトレント≫の足元へ辿り着いている。

「右の後ろ脚、真ん中の指!!」

 巨獣の認識が追いつく前に、騎士が指定された脚のところで槍を振りかぶった。「七色の槍」の槍先を中央の指へ勢いよく突き立てる。

 その瞬間、≪クワドラペダルトレント≫の全体を包んでいた強大な力の漲りが立ち消えたような気がした。巨獣の身の捩りを見るか見ないかで、すかさず那韋斗は宣言を行った。

「≪無君の騎士≫! 『空式槍穿(ブランクスピア・ストラーダ)』!」

 ≪騎士≫がもう一方の槍を頭上に突き出した。≪クワドラペダルトレント≫の体が腹から背に向けてトンネル状に貫通される。四足獣の目から光が消え、巨木が朽ちて倒れる時のパキパキという音を立てながら、ゆっくりと地面へ沈んでいく。

「ば、馬鹿な……」
 地響きまで収まった後で、≪嘆きの水やりアルラウネ≫が呆然と呟いた。

「植物系モンスターとなれば、どんな姿をとっていても、地面から栄養を受けるための『主根』がどこかにあるはずだからな」

 言いながら、那韋斗は自らの困惑を強めていた。
 あまりにも速すぎる。

 今の≪巨樹超獣 クワドラペダルトレント≫は強力なA級レアの上級従者だったし、フィールドによる強化も受け、異常な体力、攻撃力の数値になっていた。

 目の前にいる≪嘆きの水やりアルラウネ≫にしても同じくA級レアで、これまでの那韋斗であれば絶望を覚えてしまうステータスをしている。

(防御重視の構築と、タフな従者カードたちを相手に、このターン数で最終盤面に入ってる……どんなゲームスピードだよ。
 思考の疲れもほとんどない。何なんだこれは……)

 いや。考えつつも、その理由は既に那韋斗にもわかっていた。

(多分これは、あの『赤い卵』の特訓を受けたせいだ……)

 那韋斗はおもむろに、自分の財宝カードゾーンへ置かれた赤いカードを見つめた。

(!?)

 那韋斗の目は驚きで見開かれた。

「よ、読める……」

 文章に一切変化は無い。意味の分からない文字の羅列が記されているままだが、その意味の一部が、眼球を通して頭の中へ投影されるようだった。

「“必要なものは、『進化(プロモーション)の条件を満たした従者カード』。そして、収奪した≪財宝カード≫1枚。”
 ……え!? ざ、財宝カード!?」

 那韋斗は困惑した。
 「財宝カード」は「マクガフィン」の中でも特別なカード。収戯全体に影響を及ぼし、無効化するカードもごく限られる。言わば収戯の基盤であり、ある場合ではライフより重要とされるリソースだ。
(財宝カードを「コストにする」なんて聞いたことがない……!)

 那韋斗は気づいた。
 今この状況は、全ての条件を満たしている。

 ≪無君の騎士≫は相手の≪巨樹超獣 クワドラペダルトレント≫を倒し、そして自分の手元には収奪した相手の財宝カード、≪伝説のじょうろ≫と≪空間を断つ剪定鋏≫の2枚があった。

 レベル2従者カードの「進化(プロモーション)」は、「統合」や「解放」などの特殊条件や、全てS級レアの「レベル3従者カード」を所持していないと発生させられない現象だが――

 那韋斗はテキストを何度も読み返した。理解できるのはカードの発動コストまでで、使った末に何が起きるのかはまったくわからなかった。
 一体何が――

「……む、≪無君の騎士≫に」

 那韋斗は忘我した状態で、騎士に対して手を翳す。

「≪赤き王の卵≫の効果を、はつど……」

 その瞬間、世界がしん、と静まり返り、庭園の景色が消え去った。

「!?」

 真っ白になった意識の中へ
 赤い鮮烈なイメージが、突き刺さるようにもたらされた。

「!!!!」

 怯えが全身を流れ、那韋斗の発声が止まった。手が石柱のようになって動かない。
 背中一面に粘度の高い汗が湧いた。

『その感覚は正しい』

 頭の中に重く、≪赤き王の卵≫の声が響いた。

『お前はそれを行うことで、後戻りのできない地点へ足を踏み入れてしまう。

 そこには全てがあり、全てを奪い去るほどの圧倒的な破滅が待っている。

 お前の恐怖は、全ての存在が死を恐れるようにあまりにも自然なことだ』

 那韋斗は腕をだらりと降ろした。自分が息をしているのかもわからない。

『だが、お前はもうすぐ「到達」する。その地点へと。

 それもまた、全ての存在が死へ辿り着くように、あまりにも自然なことだ。

 ――「覚醒」の時は近い』

 視界が張り裂け、もとの庭園が戻ってきた。


「んオ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッホッホッホッホ!💗」

 甲高い笑い声が那韋斗の鼓膜を揺らした。
 ≪無君の騎士≫にぐいっと体を抱え跳ばれ、鋭い蔦先が地面から突き出して来るのを辛うじて避けた。
 ≪嘆きの水やりアルラウネ≫が攻撃を繰り出してきた。

「何をぼんやりしてらして?💗 もしかして気づかれたのかしら?💗
 『実はもうカードが尽きて勝ち目が無くなった』こと。そして――」

 ≪嘆きの水やりアルラウネ≫は淫靡な笑みを浮かべた。
「――『勝ち目が無いなら、降参して気持ち良くしてもらったほうが得なのではないか』という事実に💗」

 しゅるしゅるしゅるしゅる、と花の「つぼみ」が伸びて来た。ラグビーボールくらいの大きさがあった。那韋斗の腰の前方で止まる。

「あたくしは、12株いる姉妹たちの中でも一番の優生種💗 品種改良の最先端ですの💗

 あらゆる搾精妖花を掛け合わせた、最高の一輪が『これ』💗」

 優雅に花開く。那韋斗の口から、美しい花を目にして漏らす嘆息とは全く別種の声が出た。

「ひええぇぇええぇぇ~~~~~~~~~~~~~~!?!?!?♡♡」

 じゅくじゅくじゅくじゅくじゅじゅくじゅくゅくじゅくじゅくじゅくじゅく💗🌺💗🌺💗🌺💗

 幾重にも重なった花びらは極上の薔薇のようで、赤だけではなく青、オレンジ、黄色、ピンクと、色とりどりの「肉花弁」がひしめいていた。一枚一枚が霜降り肉のように湿っており、中央部に行くにつれてすぼまって、最終的には何かを迎え入れることに適した筒状になっていた。

 その筒の中がとんでも無かった。入り口は肉厚で、捕まったら逃げ辛そうだった。その先の道筋は見ただけで思わず腰が引けてしまう。極彩色の肉の花びらが本当に細かく、無慈悲に密集している。不気味な「黒い花びら」がカリと裏筋の位置へ集中して並んでおり、嫌な予感を止めることができない。

 また、ぷぅ~ん♡ と、濃密な甘い香りも漂っており、意識が一瞬飛んでしまう。複雑な筒の中はどこもかしこも、とろっとろの蜜で塗れていた。粘っこすぎるのか、たらぁ~♡ っと入り口から垂れている透明の蜜は短く、地面まで垂れていかない。

 恐ろしいのに、油断するとふらふら近づいていってしまいそうになる。腰に蝶の羽根が生えて羽ばたく準備をしているような心地になる。

「ひっ♡ ひいいぃぃっ!!♡ だめっ!♡ だめぇぇっ!!♡」

 那韋斗は半狂乱になって自分の腰を押さえつけた。
 ≪嘆きの水やりアルラウネ≫が、さっきまでとは別人の、妖しい笑みで那韋斗を見つめていた。

「お可哀相な魔術師様💗 この花は、本当に物凄いんですのよぉ?💗
 様々な搾精品種の、優位性質のかけ合わせ💗
 『フェラチオチューリップ』から受け継いだ、触れているだけでペニスが快楽で焦げてしまうような唇がむっちり咥えて、じゅっぽじゅっぽ扱いて……💗 内側では上級サキュバスの膣にも負けない『ウネウネダリア』の10倍の搾精花弁がしつこく、ランダムにうねって……💗 それだけでオチンチンがぐちゃみそになっちゃうのに、さらにそこへ、『搾精牡丹』をひどくしたような、誰も抵抗できないような搾り取りの動きがぎゅるぎゅるぎゅる、隅から隅まで与えられて……💗 そして最終的には、『バキュームラッパスイセン』の、すんごい真空吸引でズゾゾゾゾ~~~ッ💗 って吸われて💗 1分も挿入したら、どんなオチンチンも射精し尽くして、情けない『オジギソウ』みたいになってしまいますの💗」


 にっこりと笑う。那韋斗は、また前に向かって突き出てしまっていた腰を、慌てて後ろに引いた。

「『最初は』、本当に射精させて差し上げます💗 ずっとずっと、頭の中がお花畑になってしまうこと請け合いですわ💗 是非期待していらして💗

 ――でも、あまりに射精の要求が凄すぎるせいで、何ヶ月かぶっ通しで続けると、精液を汲み上げる輸精管の機能が完全に壊死して、物理的に二度と射精ができない状態になってしまいますの💗

 そうやって出来上がるのが、一生『透明なお水』だけを吐き出し続ける、取り返しのつかない『カウパー水源』ですわ💗」

 ≪アルラウネ≫の声が際限なしに残忍さを帯びていく。

「――酷いとお思いにならないで💗 人間だって、枝を切り落して挿し木にしたり、不要な花を摘んで果実の生りを良くしたり、草花に対して色々と『改造』を施すでしょう?💗 それと同じですわぁ💗

 それにあたくし……一度このお花で楽園が垣間見えるほど射精した後、それを永遠に奪い去られた人間が上げるオネダリの言葉が、たまらなく好きですの💗

 どのお馬鹿さんたちもみんな涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら💗 あたくしに『何でもします♡』『何でも捧げます♡』と浅ましく媚びをお売りになられるの💗

 あたくしも搾精モンスターの端くれですので、ちゃんと射精の機能を回復させてあげることもできるのですが……哀れなお阿呆共に、『では、射精させて差し上げますわぁ💗』と優しく言って、期待させまくった後で裏切りの我慢汁10リットルを一気にペニスから絞り取ってやった時の顔と泣き声💗 あれは本当にたまりません……💗」

 うっとりと目を細める。

 ≪嘆きの水やりアルラウネ≫の妖花から、脳をとろかす香りが漂ってくる。恐ろしすぎる話への思考が麻痺して、美しい花園へ立っているように錯覚してしまう。ペニスが可憐に咲く花へ狙いを定めてしまい、体重が前に傾いてしまう。

「もし今ここで、きちんと負けを認められるのなら、この庭園で『ガーデンチェア』になる末路を辿らせて差し上げても宜しいんですのよぉ?💗

 あたくしのお尻に腰かけられたまま、このお花の中へたっぷりお水を捧げ続ける人生を送りたくなくて?💗 お可哀相な魔術師様💗」


 那韋斗の頭に映像が浮かんでしまう。
 裸になって、芝生の上へ四つん這いになる那韋斗。その背へ、美味しそうに引き締まった≪嘆きの水やりアルラウネ≫のヒップが乗っている。
 細く長い脚を組み、優雅に、上品に紅茶を啜る≪アルラウネ≫。
 そして那韋斗の股間では、絶え間なく下品な水音が鳴り続けている。
 ぐっちゃぐっちゃぐっちゃぐっちゃ💗 ぐぽぐぽ💗 ぐぽぐぽぐぽぐぽ💗 うねうねぎゅるぎゅる💗 ぢゅっぽぢゅっぽぢゅっぽぢゅっぽ💜 ぢゅるるるるるるううぅぅ~~~~~~~~~~~💗💗💗
 びくびく💙 びくびくびくびく💙 ぴしゃぴしゃ💙 ぴしゃぴしゃぴしゃぴしゃ💙 ぢゅるるるるるぅ~~~~~~~~~~~💗💗
 そしてその間中、那韋斗の切実な泣き声が響き続ける。
『ああぁぁぁ~~~~~~~~~♡♡ う゛え゛えぇぇ~~~~~~~~~~~~ん♡ う゛ええええぇ~~~~~~~~~~~ん!!!!♡♡ アルラウネしゃまあぁぁぁ~~~~~!!! 射精ざぜでえ゛えぇぇ~~~~~~~~~~!!!♡♡』

 我慢汁の出し過ぎで完全に馬鹿になった尿道の感触が、ふっと股間に想像され、那韋斗は思わず内股になり、股間を押さえてしまった。

「ただし……💗 愚かにもお立ち向かいになった場合は……💗
 この植物園宝庫の『水源』の一部になっていただきますわぁ💗」

 パチン、と指を鳴らすや否や、那韋斗のすぐ横の地面に水が湧き出てきた。
 みるみるうちに水たまりとなり、水面に青空が映る。その後すぐ、ぱっとチャンネルが切り替わるように、何かの鮮明な映像が水たまりを画面として再生された。

「!!!」

 那韋斗は怖気立ち、言葉を失った。

「ん゛ん゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!♡♡ ん゛っ!♡ ん゛っ!♡ ん゛ん゛~~~~~~~~~~~~~!!!!」
「ん゛ん゛~~~~~~~~~~~!!!♡ んんんっ♡ んっ♡ んっ♡ んん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!♡♡♡」
 こひゅー💗 こひゅー💗
「ん~~~~~~~~~~~~~!!♡♡ ん゛ん゛っ♡ ん~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡」

 その空間はあまりに悲惨な気配で満ち溢れていた。

 薄暗いが、良画質すぎるので状況が微細に確認できた。
 土の上に四つん這いになって並ぶ大勢の裸の男たち。全員、切り花のように肘と膝から先を綺麗に切除され、切断面は塞がっていた。
 首には蔦の首輪が、そしてペニスには、さっき那韋斗がつけられそうになった≪泣き虫になる花輪≫が全員漏れなく装着されていた。

 何名かのアルラウネがクリップボードとボールペンを手に、冷酷な顔で見回りを続けている。

 男たちの股間の一つ一つには、禍々しい形状の搾精花が貼りつき、ジュッポジュッポと、何としてでも精液を搾り出そうと一生懸命に陰茎を責めまくっていた。乳首や尻穴にも多種多様な妖花や果実が密集して、大変な音を立てまくっている。
 しかし男たちは、≪花輪≫に遮られて一切射精はできない。全員大泣きをしながら許しを乞うているようだった。しかし、その必死の懇願は全く外に漏れていない。

 ばふっ💗 ばふっ💗
 こひゅー💗 こひゅー💗 こひゅー💗 こひゅー💗

 どの男も、序盤に見たアルラウネのガスマスクのような、巨大な妖花を顔にべったりと取りつけられていた。その香りと花粉を全ての呼吸においてふんだんに吸い込み続けている。重度の花粉症患者の頭部のように、腰をガクガク♡ と激しく振動させている。

 男たちのペニスから我慢汁を汲み上げている強力無比な搾精花。そこから伸びる茎は、男たちの哀しみの水をぼこっ♡ ぼこっ♡ っとポンプ運動で遠くへ運んでいるようだった。

 まさに「生産工場(プラント)」だ。顔を包む妖花は、すべて、男たちの流す大量の涙でぐしょ濡れになっている。那韋斗はよろめき、顔が真っ青になった。

「この『水源』は、ちょうどこの庭園の地下深くに有りますの💗 24時間、年中無休でフル稼働中ですわ💗

 汲み上げた我慢汁は、土壌に染み出させている他、パイプで草木の根に直接かけたり、じょうろで空から降り注がせたりしているのですわぁ💗」

 そう言っている≪アルラウネ≫の脇の空中を、ふわふわと、カラフルなゾウさんじょうろが10個ほど、隊列を成して進み、壁をすり抜けて他の温室へと向かっていった。

「そんな目に遭うのは、お嫌ですわよねぇ💗
 それなら、早く降参なさって……その、とっても水はけの良さそうな棒をこの花にお挿れになって💗

 あたくしのお上品なお尻の下で、我慢汁を垂れ流しにする優雅な日々を、過ごさせてあげますわぁ💗」

「……」

 那韋斗は無言で≪水やりアルラウネ≫を睨みつけた。ようやく正気を取り戻し、開いた掌を前方に押し出した。

「≪戦場のジョーカー≫を進化(プロモーション)!」

 ≪ジョーカー≫がうやうやしく退場のお辞儀をした後、宙返りをし、すぽっ、と円形の舞台幕の中に入った。
 すぐにそれが開いて、中から長身の男が現れる。

「進み出よ! ≪策動の宮廷魔道士≫!」




 レベル2従者カード、≪策動の宮廷魔道士≫は無言のまま、革のブーツで芝生の上を歩いた。不思議と足音は聞こえない。フードを深く被り、目の色はうかがい知れなかった。体中にいくつもの魔術的な道具を身に着けている。

「なるほど💗 では、交渉はお決裂ということですわね💗
 地下の『水源』の様子を見て、そちらが羨ましくなってしまわれましたかぁ?💗」

 嘲弄する≪嘆きの水やりアルラウネ≫の言葉を無視して、那韋斗はさらに口を開いた。

「≪戦場のジョーカー≫はこいつへ進化させるために入れている。この間は思わぬ形で役に立ったが……

 ≪策動の宮廷魔道士≫はD級で、今のインフレ環境の中ではさして強力なカードじゃない。

 だが、無属性の従者の中で『属性魔法』を操ることができる数少ないカードの一枚だ」

「あら💗 『属性魔法』ですってぇ!?💗」

 ≪嘆きの水やりアルラウネ≫はわざとらしく驚いたような声を上げた。

「自然系モンスターの共通の弱点は、『火属性』の攻撃だ。
 お前は確かにフィールド効果で厄介なほど強化されているが、属性相性で押し切れば活路は見いだせる」

 ≪策動の宮廷魔道士≫は静かに両手を構え、術式発動の体勢を取った。

「ぷっ……くくく……💗」

 こらえきれずに笑みを漏らし、≪嘆きの水やりアルラウネ≫は、ついに大声で笑い出した。

「んオ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッホッホッホッホッホッホ!!!💗💗 このお馬鹿💗 お阿呆💗 お低能💗
 そんなものは完ッ璧に💗 対策済みですことよ~~~~~~!?💗」

 体をのけぞらせて哄笑している。まさに最高の気分といった様子だった。
「この『植物園』には男どもから汲み上げた『お水』が行き渡っていると言ったでしょう??💗

 その湿潤な環境の影響で、ここの植物系モンスターは全て💗 火系統属性の攻撃に強力な耐性を持っているのです💗💗

 ほら💗 お見えになりませんか💗 あたくしの属性💗 水系統属性がついているでしょう?💗 火属性なんて全く、問題にならないんですわよ!?💗💗

 おまけにあたくしの特殊能力は!💗 この植物園全体から水気を集め!💗 相手の火属性攻撃を完っ全っ無効にすることなのです!!💗

 ――さぁ!💗 お望み通り、地下の水源行きですわよぉ?💗 楽しみになさってぇ💗
 
 大地に張り巡らされし根を伝わり、集まれ!💗 嘆きの水よ!!💗
 『悲嘆の大水防壁(ドラジェディー・ドローウォール)』!!」

 ≪嘆きの水やりアルラウネ≫が両手を上に上げ、高らかに宣言した。


 無音。

「『悲嘆の大水防壁(ドラジェディー・ドローウォール)』!!」

 もう一度言ってみたが、何も起きない。

「大地に張り巡らされし根を伝わり、集まれ!! 嘆きの水よ!!!
 『悲嘆の大水防壁(ドラジェディー・ドローウォール)』!!」

 もう一度しっかり言ってみたが、何も起きなかった。

「え? な、何で……え……」

 そこで≪嘆きの水やりアルラウネ≫は、全身を包む違和感を覚えたようだった。

「え? あ……な、何で? か、『乾いてる』。ど、土壌が……

 こんなにずっと……し、四六時中『水やり』し続けた土が、乾いてるなんて、有り得るわけ……」

「あ、来た」

 那韋斗が背後の空を見上げると、上空に真四角の穴が開いていた。
 ≪アルラウネ≫もぽかんとそれを見上げた。

 宙に浮いた穴の中には5人ほど、兵士風の男が立っていた。リレー方式でせっせと何かを運び、中身を開け、穴の下に「撒いて」いた。

 下に撒いたものは何か、宙に描かれた輪のようなものを潜り、一気に、10倍ほどの量に増える。

 それは真っ白い粉のようなものだった。空中へ散布されると煙のように広がって、そのまま庭園の芝生の上へ満遍なく降りかかった。

「≪無限の食糧庫≫と≪増加の魔法陣≫のコンボだ」
「『むげんのりょくりょうことぞうかのまほうじんのこんぼ』???」
「炭酸カルシウムだ」
「『たんさんかるしうむ』????」

 全く理解できないという様子で≪水やりアルラウネ≫は聞き返した。

「炭酸カルシウム。一般的には『乾燥剤』として知られている。

 ≪無限の食糧庫≫の在庫は一応全部頭に入れているが、その中に、兵站の防湿やレーションの加熱のために用いる大量の炭酸カルシウムがあった。

 この物質は土壌改良の資材としても使われ、湿潤すぎる土地から水分を奪い、乾燥した土壌へ戻すことができる。

 上からばら撒くだけでも、一時的に環境影響を止めるくらいのことなら可能だ。広大な大自然のフィールドじゃなく、あくまで『温室』のフィールドだからな」

 むわっと熱気が漂った。炭酸カルシウムが空気や土の中の水分と合わさり、反応熱が発生しているのだ。

「1ターン目、やけに空気と土が湿っていたから、何かしらの仕掛けがあるんだろうと思った。

 ――じゃあ終わりでいいか?」

 ≪策動の宮廷魔道士≫の予備動作が終わり、属性魔術発動の準備が整った。

「……いいわけ無いじゃないじゃないですの!!! このお間抜け!! おたんちん!!!!

 いくらフィールドの水を涸らしたところで、あたくしの火耐性が消えるわけじゃないんですのよおおおおおおおお!!!!!????」

 ぼこぼこぼこっ!!! っと、地面を突き破って、数えきれないほどの蔦先が現れた。
「お死になさい!!!」

 強靭に捩じれた蔓が伸び、生き物のように那韋斗へ殺到する。

「『突風魔道(ブラスト・ソーサリー)』

 那韋斗の宣言とともに、目も開けられないほどの突風が≪嘆きの水やりアルラウネ≫に吹きつけた。
 蔦は全て風によって逆方向へ戻って行った。そのまま風にたなびき続ける。

「ほ、ほぉら見なさい!! 火属性魔法食らっても、あたくし、何ともなくてよおおぉぉ~~~?💗
 ……え? 風? 『風属性』??」

「属性相互効果だ」
 那韋斗は言った。
「風属性魔法は味方の火属性攻撃を強化する」

 ざっ、ざっ、と、≪嘆きの水やりアルラウネ≫に近づいていく影があった。

 ≪無君の騎士≫だ。手には「七色の槍」が握られており、みるみるうちにそれは逆巻く炎へ変わっていく。
 まさに豪炎という火力だった。炭酸カルシウムの反応熱など比べ物にならない。庭園全体を真っ赤に照らし、那韋斗の薄皮をちりちりと焦がす。
 炎は変形し、槍先に赤熱する炎の刃が現れた。

 風で身動きの取れなくなっている≪アルラウネ≫に向かって、≪無君の騎士≫が槍をゆっくりと振り上げる。

「『七色の槍』の属性攻撃の中でも、最大威力の攻撃だ。
 自然破壊するようで申し訳ないが……まぁ灰になったら土にもいいだろ。多分」

 巨大な炎の薙刀を見上げ、≪嘆きの水やりアルラウネ≫は涙を流し、震え上がった。

「おっ! おまっ! お待ちになって!!

 あ、そ、そうだ! 我慢汁絞りなんて致しません💗 好きなだけ射精なさって💗  あたくし、ミルクティーも嗜みますから💗

 ね? ね?💗 仲良くしましょ??💗 焼畑農法は国際的に批判を……」

「『火式槍道(パイログレイブ・ストラーダ)』!!」

 炎の薙刀が叩きつけられ、辺りは爆炎に包まれた。




 🐛🔯🐝🐛🔯🐝🐛🔯🐝🐛🔯🐝


「おや」

 男が呟いた。

「『植物園』の実験構築が敗れたようだね」

「……それ、何? 『ドクター』」

 若い女の声が尋ねた。
 親しみはこもっているが、さして興味がある風ではない。別の何かに集中している様子だった。
 配管が走る暗い路地に、ババババッ! ババババッ! っと、ゲームの銃声が響く。

「私がこの世界に来て、数多くばら撒いた『自律構築』のひとつでね。
 『完全な火耐性を持つ女王級アルラウネモンスター』を作ることをテーマとした実験的構築だったんだ」

「ふーん」

「いやはや。決して弱くはなかったんだが……
 少なくとも、未踏世界の『プレイヤー』にはかなり荷が重いと思っていたよ。

 儀式が進行したことで、秘めていた才を『花咲かせた』者が現れたかな? ンヒヒヒヒヒヒヒッ!!」
 若い女はひたすらゲームを続けているようだった。装備を忙しなく付け替える音がする。
「面白くなーい。てかずっと言ってるけどさー。そのキモい笑い声、絶対直したほうがいいよ、ドクター」

「辛辣すぎる! ……というか、こら! スマホを弄りながら人と喋るのはやめなさい!」
「はいはーい」

 そこで、ジリリリッ! とアラーム音が鳴った。
 男の丸眼鏡が光った。かなり度が高いようで、その奥にある目を見ることはできない。

「さて。これで『6ヶ月』か」

 男は懐から一枚のカードを取り出し、宣言した。

「≪相対時間の虫かご≫発動」

 目の前にぽんっ! と「飼育ケース」が現れた。
 透明なプラスチック張りで、蓋が空気を通す網状になっている。子供が夏休みに携えているような、平凡な昆虫飼育箱だ。

 一番上の蓋がぱかっ♡ と開いた。

 中から……

 ウゾウゾ……ガサゴソ♡ ガサゴソ♡ ガサゴソ♡

 生き物が蠢く音がして、一番中央部には――

 ぢゅっぽ!!♡ ぢゅっぽ!!♡ ぢゅっぽ!!♡ ぢゅっぽ!!♡  ぢゅっぽ!!♡ ぢゅっぽ!!♡ ずぞぞっ!!♡ ずぞぞぞっ!♡ ずぞぞぞっ!!♡ ずぞぞぞぞぞぞぞぞぞ!!!!♡♡♡

 何かをひたすら吸い尽くしているような、物凄い吸引とむしゃぶりの音が鳴り響いていた。
 見ると、中には小人サイズに縮んだ裸の若い男と――
 その男の股間に貼りついて、尻尾をくねっ♡ くねっ♡ っと激しく振りながら、音を立てて上下に貪りまくっている「虫」の姿があった。

 緑と茶色の縞々模様。男とのサイズ比で言うと中型犬くらい。しかし外見は犬とは全く違う。虫嫌いの人間なら誰もが目を背けてしまう、巨大な芋虫の見た目をしている。



≪空腹吸精虫(ハングリーあおむし)≫

 虫かごの中には何枚もの青い葉っぱが敷かれており、最も大きな一枚の上に裸の男と、股間を吸いまくっている青虫が乗っていた。

 巨大青虫は一匹どころではなかった。よく見ると男の乳首にも「ずちゅうぅぅ~~~~♡ べろべろべろべろ♡」と一匹ずつ吸いついて舐めまくっているし、見えているだけでも10匹以上葉っぱの間から顔を出していて、男の体に対して順番待ちをしていた。
 多分、蠢いている音の多さからして葉っぱの下にその3倍は隠れている。

 男は完全な白目を剥き、びくっ♡ びくっ♡ っと腰の筋肉を情けなく反応させていた。遥か昔に抵抗を諦めたのだろう。手足にはもう一切力が入っておらず、ふにゃふにゃと葉っぱの上に放り出されていた。
 体はもうガリガリに痩せ細っているが、肩にトライバル柄の入れ墨が刻まれている。
 それとは別に、左右の玉袋へそれぞれ小さく「魂変換中(現在容量:空)」」「魂変換中(現在容量:空)」という光る文字が浮き出ていた。

 ずっぽ!♡ずっぽ!♡ずっぽ!♡ずっぽ!♡ずっぽ!♡ずぽずぽずぽずぽずぽずぽ♡♡

 青虫はまだ紫色の唇を窄めて男の股間を吸いまくっているが、男にはもう一切の意識が無いようだった。何も、空気すら出なくなった棒を、それでも延々吸われ続けている。吸引の凄さとパワフルな口の上下によって男の腰と首が葉っぱの上でがくっ♡ がくっ♡ っと揺れ動いていた。

 眼鏡の男はため息をついて、懐からまたカードを1枚取り出した。

 ≪AI搭載≫のカードだった。

「……はぁ。僕は吸魂系のモンスターは得意でないから、手間がかかるよ。
 わざわざ変換のカードを併用しなければならないし、全て吸い切るまで半年も必要だ。
 まぁ、こちらの時間では6分なわけだが。
 彼にとっては本当に、可哀相なことになったね」

 ペニスと乳首を青虫に吸われ続ける「抜け殻」に向かって、男は悼むような声を出した。

「何同情してんのよ、ドクター。まったく。変なところがまともなんだからさー。
 別にこいつら、憐れむ必要なんて無いでしょ。こんな路地裏に連れ込んで、金とカードを奪ろうとしてきたわけだし。
 ドクターが弱っちそうなのがいけないんじゃない? せめて猫背を伸ばせば?」
「ンヒヒヒヒヒヒ。無理だ」

 女の言う通り、「ドクター」と呼ばれた男のほうは、背が150cmほどしかなく、おまけに、ほとんど腰が直角に折れ曲がって見えるほどの、恐ろしい猫背だった。

「まったく……

 ねぇ、ところで……どう?
 お友達は酷い死に方しちゃったわけだけど……自分はラッキーだったと思う?」

 ゲーム画面にずっと目を向けたまま、若い女がもう一人の人物に話しかけた。
 路地には、若い女と「ドクター」の声、そしてゲームの効果音の他に、もっと大きな別の音も鳴り続けていた。

 ズパンッ!💛🖤 ズパンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤

 必死に肌と肌を打ちつける、公にはとても聞かせられないようなピストン音。そして――

「も゛!!! モ♡ うイ゛や゛ああ゛あぁぁぁああ!!!  ど め゛っ!!!♡♡ ど ベ デえ゛え♡ えぇぇぇ!!!!!!♡♡♡ ご れ゛♡♡ ど う゛♡♡ ど ウ゛な゛ ッで る゛の♡ お゛おおおぉぉ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!??!♡♡♡♡」

 本当に悲惨な困窮の叫び。激突寸前の暴走列車の、全く効かないブレーキを引き続けているような声だ。

 その若い男は、体格も優れ、腕も脚も引き締まっている。色黒で、腕には十字架の入れ墨が入っていた。その入れ墨が、もはや今では自らの辿る運命を暗示しているようにしか見えない。

 まるで絶叫マシーンにしがみつくように、若い女の「巨大な腹部」に手と足を貼り付けている。
 
 さぞ女慣れしているだろうという見た目だが、今はとにかく、腰をがっくんがっくん振って、顔から涙と鼻水を撒き散らしていた。首を振り乱しすぎて歯茎が見えているところも絶叫マシーンらしさを際立たせている。

「……ま、頑張ってー。私の『そこ』、一往復するだけでも相当『きつい』んだけど……って、今挿れてるんだからわかるか。

 人間の1億倍は皮の厚いドラゴン系の魔物のペニスでも、一擦りで秒殺されて、その場で動けなくなっちゃうくらいだからねー。

 人間のじゃ、一ミリ擦れただけでペニスがカンストダメージ受けて、一年くらい足腰立たなくなっちゃうレベル。なのに全然ピストン運動止まんないねー。不思議不思議―。
 ……お、アイテムゲット」

 若い女は、スマホにゲームグリップをつけ、長くしなやかな指で、すいすいと画面をスワイプしている。

 びくっ!💛 びくびくっ!💛 びくびくびくびくっ!💛
 放出を知らせるように男の腰が激しく震えた。
「あ゛っ♡ お゛♡ ご、『ごども゛』♡ ごどもでぎぢゃ……う゛♡」

 泣きながら、取り返しのつかないことをしてしまったという後悔が声に籠る。

 女は全く表情を変えない。ゲームに熱中している。

「――そうそう。『ヤバいことしちゃった』ってわかるでしょ? 正解正解。

 あんたと私の可愛い『娘』たちが産まれるまで、10日くらいかな? その時には……」

 液晶の光に照らされ、美しい顔がぺろり、と舌なめずりをする。それは男に対してなのか、ゲームで好機が訪れたからなのかわからない。

「お友達とは比べ物にならないくらい悲惨な、Z指定でも足りないトラウマエンドが待ってるから……
 それを楽しみにしながら、しっかり励んでねー、『パパ』💛🖤」

「ひいいいいいぃぃぃぃ!!!!! おっ……!? おっ……!?♡ おっ!!♡」

 怯える暇もなく、自分の腰の動きにうめき声を上げてしまう。完全に男の意志とは無関係に、体重を乗せて激しく前後し続けている。

 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤

「だっ!!♡ だずげ!!♡ ゆるじでぐだざっ!!♡ じょ、じょ♡ 『女王ざま゛ああぁぁぁ~~~~~~~~~~~~」

 ピクッ、と女の口が一文字に結ばれた。

「その呼び方。嫌いなのよねー」

 あまりに冷たい響きの一言だった。男は恐怖のあまり、悲鳴を途切れさせ、心臓が止まってもおかしくないという反応を見せた。

「おばさんみたいでしょ? どう見たって私、『お姫様』のほうが合ってない?
 イラっとしたから、お仕置きねー。
 ……チッ。死んだわ。マジ糞武器じゃん」

 その瞬間、腰を打ちつけている「結合部」から、恐ろしすぎる音が鳴った。ずごごごごごごごごごごごごごごごごご!!!!!!!💛🖤💛🖤
 路地の外どころか県外にまで聞こえてしまうような音量だったが、路地裏から見える歩行者の誰も気が付いた様子はない。
 男の力強い腰振りも、その引っ張り続ける力でしばらく静止してしまうほどだった。

「……♡♡♡」

 男は目玉の裏側が見えるような白目を剥き、一切声を出せない。首を脱落しそうなほどのけぞらせ、口をパクパクパクと開閉させた。

「あ。違う違う。いまのはただイラっとしたのが穴の中に伝わっただけね。

 『お仕置き』はもっともっと惨くて、辛くて、致命的だから。
 次のマッチが終わったら開始。覚悟しててねー」

「お゛っ!!♡ お゛っ!!♡
 おゆるじ♡ おゆるじ♡ 『姫』♡ 『姫様』ぁ♡ おっ♡ おっ♡」
 男は絶望の中で腰を振る。ヂュポッ!!💛🖤 ヂュポッ!!💛🖤 っと物凄い音が鳴るが、「姫」の耳には懇願も結合部の音も入っていない。始まったマッチへ没頭している。

 「姫」はその巨体を細い路地へ折りたたみ、何とか収めていた。
 2本の腕でゲームをし、残る2本の腕で悠然と、男の乳首を引っぱり続けている。30cmほどぐいぃぃ~~~♡ と伸ばし、乳頭を左右にクリクリと、巧みに捻りまくる。そして長く美しい2本の脚を、圧倒的な支配者のように足組みさせていた。

 男がしがみついている巨大な腹部は、黄色と黒の、危険を一目で知らせるような縞模様をしていた。


 眼鏡の男、「ドクター」はその様子にはもう目を向けることもなく、肩を落とし、頭を振った。

「それにしても……」
 白衣を纏い、首からは「六芒星」を象った首飾りがぶら下がっている。

「何故『アルパトラ』は、サルファス君とLINE交換してないんだ!?

 連絡取れないだろ!
 サルファス君もサルファス君だ。単独行動が過ぎる! どいつもこいつも……」

 日頃溜めている苦労を漏出させるように、重いため息をついた。
「残りの『3人』がやって来たら、また収拾がつかなくなるぞ……
 頭が痛い……」


 呟いた言葉は外の喧噪の中に消え、しばらくすると路地裏には、誰の姿も見えなくなっていた。


 ――――

 那韋斗は収戯を終え、元の世界に戻って来た。
 橋の上に立つ。
 那韋斗が触れた「呪いの山札」は、橋の上から消え去っていた。手の中に3種の財宝カードだけが残っている。≪伝説のじょうろ≫、≪空間を断つ剪定鋏≫、≪白き華≫。

 今まで昼日中の庭園にいたため、今度は夜の闇に目が慣れず、全く周囲が見えない。

(は、葉月さん……どこだろう……)

 早く終わったとはいえ、山札の中に吸い込まれてから1時間ほどは経過しているはずだった。
 連絡を取るため、那韋斗はスマホを取り出した。もしかしたら自分を探しているかもしれない。

 しかし、すぐには電話をかけられなかった。体の中に残った熱が手足を渦巻いている。

 これまでにない速度に達した自分の思考。収戯の最中によぎった赤いイメージ。≪赤き王の卵≫の効果のこと。

(葉月さん……

 俺はこの前、葉月さんに嘘をついた)

 那韋斗は夜の闇の中を見た。

(決闘なんて「どうでもいい」って。

 違う)

 闇の中でぎゅっ、と拳を握る。手の中で血が圧される。
 橋の上に立ちながら、一つの思いが胸の中核で、どうしようもなく揺らめいていた。

(俺は戦いたい。
 あの「サルファス」っていう奴と。もう一度。

 この一ヶ月、ずっとそのことだけを考え続けて来た)

 目の前に広がる闇を、貫くように見つめる。

(この前は明らかに本気を出されていなかった。だけど俺も、この一ヶ月であいつのいる領域に少しは近づけたと思う。

 明らかに他のプレイヤーとは違う。この世界の枠を大きく超えたカードと技能を持っている。

 俺の全てをぶつけたい。全ての力をもって、あいつと戦いたい)

 闇の中を睨みつける。

 その視線に呼応するように――

 1体のモンスターが目の前に現れた。

 小型の竜だった。黒い影のような身体。後ろ脚は無い。冷気のような気配を発しながら、橋の上の闇で翼を広げている。
 一ヶ月前の引き分けに終わったあの日、サルファスの後ろに見えたドラゴンの従者に似ていた。しかし、大きさと気配が明確に異なる。


『その従者の名は≪死出の竜≫。
 まさに今回の使いとして相応しい。

 ――覚悟はできたかい? ゴブリン君』

 今まさに頭の中で思い出していた声がしてきた。出所は竜の尾が巻き締めている石。マクガフィンの魔術カードのイラストで見たことがある。≪通信石≫だ。

『明日が約定の日だ。

 一度我々は「引き分け」に終わった。だとすれば、ルールは言わずともわかるだろう?』

 那韋斗は呟いた。

「『決戦』……」

 にやり、と癇に障る笑みが頭に浮んでくるようだった。
『……ははは。なるほど。こちらの世界でも同じ呼び方をするのか。

 時間は明日の夕刻。場所はこれから言う。
 万全の用意を整えて来るがいい。この世へ未練を残さないためにな。

 逃げることはできない。そのための仕掛けはもう打ってある』

 那韋斗は背筋がぞくっとした。姿が見えない。急いで電話をかけてみるが、出ない。
 全てを理解した気がした。

「お前まさか、葉月さんを……」

 石の向こうで、さらに口端を歪めた気配があった。

『賭ける物は我々の持つ「不可触宝カード」1枚ずつ。
 そして、それに劣らぬほど美しく価値のある「財宝」ひとつだ』

 闇の中に声が響き渡った。
 石と竜を隔てて、2人の青年が向かい合う。

『敗けた者は全てを失い、後には何も残らない。
 これこそが魔術師同士の、真なる決闘。

 「山田那韋斗」。お前に与えてやろう。
 死よりも遥かに美しく、恐ろしい結末をな』


 【第5話(第1章最終話)「闇の貴公子と覚醒の騎士」に続く】
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「3年Ⅳ組」




ずぽ🩷 ずぽ🩷 ずぽ🩷 ずぽ🩷 ずぽ🩷 ずぽ🩷 ずぽ🩷 ずぽ🩷

「どう? 先生🩷

 私の反省の気持ち、ちゃんとその淫行ちんちんに伝わってる?」

 むぽ🩷 むぽ🩷 むぽ🩷 むぽ🩷 むぽ🩷 むぽ🩷 むぽ🩷 むぽ🩷

 とても辛そうな、空気が圧縮されて開放される音が繰り返されていた。そして何度も何度も、栄養を貪り取ろうとしている活発な摩擦音が響いていた。

「ひっ!♡ ひぃぃいっ!♡ ひぃぃ♡」

 背が仰け反った。

 圧倒される股間の前方で、小さく引き締まった白い尻が前後に動き続けていた。

 その手触りにはあまりに若いみずみずしさが残っていた。ハリがあり、滑らかだった。指に吸いついてくる。

 そして内側は好奇心旺盛に、体力的に劣る年長者を圧倒するように纏わりつき、摩擦を与え続けていた。

 狭くなっている箇所ほど生意気にぷりぷりと、悔しく思うほどの弾力があった。どうやっても大人の思い通りにならない大変な穴だ。

 とてもではないが自力で腰は動かし、大人のお仕置きを与えることなどできそうにない。そしてそんなことなどわかりきっていると言わんばかりに、小さな尻は延々と動き続け、男の棒から困った物質を搾り取ろうとしていた。

「んあぁぁ!! あっ♡ あっ!♡ あっ!♡

 やめっ……♡ やめっ……!♡ あっ♡ あっ♡」

 その「先生」は、ベッドの上で、本当に困った時にしか出さない声を出した。

 「教え子」の尻へ良くない、当然学びではない、与えてはならない何かを大量に放銃してしまう予感があった。ペニスの中へ濃厚に。

 弱弱しく、穴から逃げようとする腰の引きつりからそのことを察して、「教え子」は嘲りの感情を発した。

「ぷっ🩷 やっぱり早いね先生🩷

 授業の時はあんなにダラダラ喋ってるのに🩷

 ……いいよ🩷 私もこういう時は、さっさと終わる、根性無しのちんちんの方が好き🩷」

 ずぽずぽずぽずぽ🩷 と音が鳴った。舐めた動かし方だったが、穴が往復する速度はまるで賢いキツツキのようだった。

「あぁぁっ!♡ だめっ! だめぇっ♡」

 先生の声は裏返り、腹筋は影ができるほど深く窪んでいた。

「——その代わり私との約束守ってね?

 今後一切、私が遅刻しても呼び出しが無いようにしておいて。

 おまけとして、私が遅刻するたびに先生から『遅刻料』1万円徴収するからね🩷

 ……だって生徒がした悪いことは、先生の責任でしょ?」

 ずぽずぽずぽずぽずぽ🩷 と音を立てて尻が素早く動いた。

 いくら両手の指を突っ張ってみても止めようが無かった。

 生き物としての体力上、この年齢の相手には絶対に勝てないということが伝わってくる動かされ方だった。

「ああぁぁ~~~~っ♡ あっ♡ あっ!♡

 あ!♡ わ、わかった♡ わかった♡ 

 ーーそうする♡ そうするからっ♡」

 何も考えられなくなっていく。腰の中の力も綺麗に抜けていく。

「いくら遅刻してもいいっ♡ あっ♡

 お金も払うからぁっ♡ あっ♡ あっ♡

 無理っ♡ こんなの無理っ♡ 教育できないっ♡ こんな……扱き取るみたいな……っ♡ あっ♡ 素行が悪すぎるっ……!♡

 ……あっ♡ イく♡ イく♡ あっ!♡ あっ!♡ ああぁぁあぁぁ~~~~っ♡」

 びゅっ💛 びゅっ💛 びゅるるるるるる💛 びゅっびゅううぅぅうぅうぅ~~~💛💛

 敗北したことを示す、濃厚な雄の臭いが立ち上った。


 ———

 「たなティー」は人生において、ひとつ重要な学びを得た。

 人生というのは、いくつになっても、思いもかけないことが起きる。

「たなティーも髪染めたら?

 赤がいいんじゃね? 赤! 赤!」

 親しみをもって自分に向かってくる、若々しい声。

「……許されるわけないだろ。俺は社会人なんだから。

 というか、お前のその髪も大概校則違反だからな?」

 田中教諭は冷静に言った。

 田中はまだ新品に近いダークグレーの背広を着ていた。裾から光沢を持った茶色の革のベルトが覗いていた。

 田中の周囲には17歳、あるいは18歳の男たちが群がっていた。

 田中の目には彼らは「少年」としか判別できなかった。
 子供の時、同年代、そして今のように自分が過ぎ去った年齢として見た時に、それぞれで見え方が全く異なる。

 田中は木製の、周囲の床より一段高い場所に革靴の靴底をつけていた。「教壇」だ。

「たなティーさぁ。学校から歩いてすぐに『R&U』って美容院あるから検索してみ? そのダサい髪型すぐ変えてくれるよ」

「……だから行かないって。あとダサくないから」

 田中は言って、微かに苦笑した。

 敬語という概念を知らないような口の利き方だった。しかし田中の気分は決して悪くなかった。


 事前に聞いていた話に比べて遥かにマシな環境だった。

 田中が今月1日付で転任になったこの市立高校は、県内でも「有名な高校」だった。

 ——有名な「不良校」だ。

 噂が違わないということは、その学校の外観によく表れていた。

 創立された昭和31年以後、一度も改修されていない校舎の壁という壁には、空きスペースを探すのに1ヶ月くらいかかるのではないかというほど、恐ろしい数の落書きがスプレーで描かれていた。

 ほとんど全ての窓ガラスが割れていた。割れて穴が開いているところもただテープが交差されていだけで、元々恐らく透明だったテープは長い期間放置されて色あせ、黄色くパリパリになるほど素材が変質していた。「直してもすぐ破壊されるから無駄」ということだ。

 そもそもこの時期に田中が転任となり、しかもいきなり3年生の担任になっているということ自体普通の高校ではまず考えられなかった。
 高校3年生の担任は、生徒一人ひとりの性格や学力、進路希望などを熟知したベテラン教諭が任されるのが一般的だからだ。

 田中は去年ようやく教員免許を取得したばかりで今年が教壇に立つ初めての年だった。近くの高校で新任教育を受けていたところ、急遽6月に辞令が出てこの高校へ赴任になった。
 
 辞めた前任者と引継ぎのために顔を合わせるということも無かった。

 周りの先輩の教師たちにここがどんな学校なのか、どんなクラスなのかを聞いても皆顔を伏せ、答えともつかない曖昧な言葉が返ってくるだけだった。

 田中は着任時の最初のホームルームまで夜も碌に眠れない日が続いた。
 自分がこれから受け持って教え導いていくのは一体どういう生徒たちなんだろうという不安が頭の中を去らなかった。

 しかし、実際に教室へ入ってみると——

「今日たなティー。ラーメン行かね? 『竜鳴』ってとこ!」

「『竜鳴スペシャル』おごってよ、たなティー。全員に!」

「また高そうな名前だな……いいよ。お前らが全員遅刻せずに学校に来たら、お祝いに奢ってやるよ」

「え~! そんなん無理だろそれ~」

「いや、普通は無理じゃないんだよ」

 教室に馬鹿笑いが響いた。
 田中も力なく笑った。

 田中は赴任したその日から「たなティー」と呼ばれていた。

 推測するのも馬鹿らしいネーミングだが恐らく「田中ティーチャー」の略だろうと思った。

 生徒たちには敬語や礼儀という概念は無かったが、明るく、親しみ易い性格ばかりだった。話していると地頭の良さも感じられた。

 ただ一点、問題としては、あまりにも常識が世間一般の高校とかけ離れていた。

 まず、始業の段階で時間通り来ている生徒は半分にも満たない。

 今こうやって田中が教壇から生徒たちの頭部を見下ろしていても、染めているか地毛か、ツーブロックがどうのという話ではなかった。

 金、銀、赤、緑――さらにはメッシュ、モヒカン、派手なパーマ。剃り眉。ほとんどの生徒がピアスをつけていた。

 何人か、もはや見て見ぬフリをするしかないが、入れ墨が服から覗いている生徒も見受けられた。

 田中は個性豊か過ぎる生徒たちの外見を見ながらため息を漏らした。

 しかし一方で、生徒たちは皆笑顔で、幼く見える顔貌を無邪気に自分へ向けていた。

 こうやって壇上で相対してみると、田中にとって彼らは紛れもなく、自らが教え導いていかなければならない少年少女たちだと思えた。

 ——もしかしたら、自分は意外と平穏に、彼らの青春を支えることができるかもしれない。

 古ぼけたチャイムの音を聞きながら、社会人1年目の青年はそう考えていた。


 ————


 大学を卒業したばかりの大人は、まだ若い。

 「たなティー」はまたひとつ学ぶことになった。
 
 人生というのは、油断している時に限って、本当に思いもかけないことが起きるものなのだ。


「ああぁあぁ~~~~~~~~~~~~~っ!!!!!♡♡♡

 あっ!!♡♡ はぁっ!!♡♡」

 田中の背が何度も跳ねた。

「島本!! 島本おおぉぉっ!!♡♡ ちょっ♡ 腰っ♡! 早っ♡ 早あぁぁっ!!♡♡」

 ぱんっ💙 ぱんっ💙 ぱんっ💙 ぱんっ💙 ぱんっ💙 ぱんっ💙 ぱんっ💙 ぱんっ💙 ぱんっ💙 ぱんっ💙 ぱんっ💙 ぱんっ💙

 年齢相応の活発さで、素早い打ちつけ音が鳴った。

 音響に優れた場所柄、その音はひとつひとつ、疑いようもない明瞭さで田中の耳に届いていた。

 嫌になるほど小気味良いリズムだった。
 ふんわり制汗剤の匂いがした。
 
 薄暗い中、妖しいピンクや黄色、オレンジの光が輪郭を浮かばせていた。自分の上で動いている影。

 擦れ合う肌の感触も、ハリと弾力も、相手の体がこの「年代」でなければ味わえないものだ。

ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙

 手拍子では無かった。カラオケルームの長ソファの上で鳴り続けているのは、体重40kgくらいのものが上から繰り返し落ち、肌と肌が打ち合う音だった。

 出席番号12番「島本」が田中の腰の上にまたがり、上下にしっかりと腰を使っていた。

「あっ!♡ あっ!♡ あっ!♡ あっ!♡ あっ!♡ あっ!♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」

 目の前で起きていることのあまりの凄まじさに、田中の脳は溶融していた。

 決して交わってはならない相手——こんな下半身の棒と、穴の内側とで触れあってはならない相手が。

 その相手が体の上でただひたすら腰を振って、棒と穴とを摩擦していた。

 何かの間違いだと思いたかった。
 間違いでなくてはならなかった。

 しかしどう考えても、どのように状況を色々な角度から見ても、実際に起きている出来事だった
 田中の陰茎は確かに、絶対に入ってはならない所へ入り、下から上へ、上から下へ休みなく摩擦され続けていた。

「あっ!♡ あっ!♡ あっ!♡ ちょ♡ あっ!?♡ あぁあぁ~~~っ♡♡ あっ♡ あっ♡!!!」

 田中の情けない声がカラオケルームに響き渡った。

 今は何の伴奏も流れていないし、モニターにも「あっ!♡ あっ!♡ あっ!♡」などという歌詞は記載されていなかった。

 モニターで垂れ流しになっているのは、平凡な内容の紹介映像だった。『〇〇さん(知らない新人アーティストの名前)。最近何か面白いことありましたか?』
 そしてアーティストが中身の無い返答を行っていた。

 ——ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙

 電源の入ったマイクが腰のところに置いてあるせいで、股間と股間を打ちつけ合う音が部屋の外にも聞こえてしまいそうだった。バスドラムの音か何かだと思ってほしいと田中は祈った。

 田中の尻がビニールレザーのソファーに何度も押しつけられた。通常であれば蒸れるはずだが、ばふっ♡ ばふっ♡ と跳ねた拍子に風が入るので尻は涼しいままだった。

「だめだって♡ 島本♡ 島本おおぉぉ♡♡」

 田中は本気で喉を震わせ、要請した。

 そんな田中の上で「島本」はいかにも世の中を舐めた少女らしく、悪戯っぽく笑った。

「え~? なにがだめなん? たなティー💙」

 この「島本」という女子生徒は容姿も良く、性格も明るいが、素行は全く「良い」とは言えない、田中の担当クラス「3年Ⅳ組」の生徒だった。
 
 遅刻の常習犯で勉強も壊滅的。というかテストの最中に机の上へ脚を投げ出し、スマホでショート動画を再生しながら隣の友達と馬鹿笑いをしているほどだった。

 化粧やピアスなどを当たり前にしているが、それを抜きにしても顔がアイドルのようにかわいい。

 体もかなり発育が良かった。ボタンが3個もだらしなく外れた襟元から見える谷間は、この若さでしか備えることができない「出来たて」の滑らかさと弾力が表れていた。

 田中は授業中、馬鹿笑いする島本を苦々しく見ながら、いつもその谷間に目が向かってしまっていた。
 
 その谷間が今や、元気いっぱいの腰の上下に合わせてぷるん💙 ぷるん💙 ぷるん💙 と惜しみなく揺れ続けていた。

「ひいいいぃいいぃいいぃぃい~~~~~♡♡♡」

 田中は二つの目の向きを背けたかった。

 ずりゅ💙 ずりゅ💙 ずりゅ💙 ずりゅ💙 ずりゅ💙 ずりゅ💙

「あっ!♡ あっ!♡ あっ!♡ あっ!♡ あっ!♡」

 しかし、光景にだけ意識を向けているわけにはいかなかった。

 島本の穴は熱くて狭くて、中は様々な起伏がこりこりとした復元力を持って立ち並んでいた。
 生物の器官としてまさに「卸したて」であるということがはっきり伝わってきた。
 蕾から開いたばかりの花が、咲いて一週間後の花に比べて遥かにみずみずしく、新鮮なのと同じだった。

 穴の凹凸が男の棒のカリ首に丁度良く何度も引っかかった。泣きたくなるほど丁度良すぎた。
 そのせいで田中の視界は何度も脱色された。

 田中の上で腰を振り続けている島本は、喘ぎ声など一度も漏らしていなかった。息も乱れていなかった。

 子供が体力で劣った大人の体の上で意地悪く遊ぶ時と同じで、ニヤニヤ笑みを浮かべながら田中の顔を見つめていた。

「——あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」

 圧倒され、喘いでしまっているのは田中のほうだった。

「凄いっ♡ これっ♡ 擦り上げられるっ♡ ……っ♡ っ♡ 凄い引っかかる♡ あ~~~っ♡ あっ♡」

 田中にとって、これが初めて味わう「この年代の女の肉体」だった。

 上で何度も隙間を開け、失くす股の動きは止まらなかった。校則から10cm以上短いスカートがぱたぱたと田中の体へ風を送った。

 部屋の冷房はガンガンに聞いているのに、田中の背中のソファーのビニールレザーは脂汗でびしょ濡れになっていた。
 田中のワイシャツも水を被ったように濡れていた。

 田中は眉と眉の間に何本もの皺を作りながら思った。

 このままでは大人の沽券にかかわる。
 しかしどうしようもない。音をマイクが拾う。ぬぽ💙ぬぽ💙ぬぽ💙ぬぽ💙ぬぽ💙と、どんな音楽にも用いられない、滑った摩擦音。

 精子を出す生殖のための棒から、とても効率良く精子を取り出すための口径と構造を持ち合わせた穴だった。

 人間の女性の体というものは、本来このくらいの年齢までが子供を作るための機能を十分に——という、現代では行ってはならない思考が否応もなく田中の頭の中へ浮かんできた。

 田中はカラオケルームの暗がりの中、「島本」の顔を視た。胸は発達し、化粧をしてはいるが、その顔つきは今の自分から見るととても「幼い」。

 「う゛ぅ……♡」と田中はうめき声を漏らした。

 ーー駄目だ。人間は社会を発達させ、こういった年齢で出産や育児に時間を使わせないよう、道徳と倫理を改良し続けてきた。

 文明人である自分が負けるわけにはいかない♡ 田中は額に汗をかきながら必死に、陰茎に太い青筋が盛り上がるほど力を込めた。

 ずぼっ💙 ずぼっ💙 ずぼっ💙 ずぼっ💙

 ぐちっ💙 ぐちっ💙 ぐちっ💙😛 ぐちっ💙😛 ぐちっ💙😛

 ぱんぱんぱん!💙 ぱんぱんぱんぱんぱんぱん!💙😛 ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん!💙😛

「うああぁぁあぁっ!!!!♡♡♡ 島本!♡ 駄目♡ 駄目だって!♡♡

 島本♡♡ 島本ぉおおぉ♡♡」

 田中は必死で制止しようとしたが、教え子の腰の動きは全く止まらなかった。

 島本の腰の使い方は我儘過ぎた。擦る角度を微妙に変えながら、小ぶりなヒップを何度も跳ねさせた。

 明らかに何十人もの大人相手に腰を振り、ひぃひぃ♡ 言わせることを積み重ねていないと不可能な腰遣いだった。
 この腰遣いだけで非行の証拠として生徒指導室へ呼び出してもいいくらいだった。しかし今の田中にはそんな資格も気力も無かった。

「あぁあぁぁ~~~~~~~♡😵」

 田中は喉仏が三角形に盛り上がるほど首を後ろへ倒した。

 白っぽい視覚の中で、天井のミラーボールのカラフルな光と、非常灯と煙感知器が見えた。

「ん? たなティー💙 どしたん?

 射精したかったら射精していーよ?💙 先生ってよく言うじゃん。

 『出したかったら出したい時に言いなさい。授業中でもいいから手を上げて』って💙

 『我慢したら体に悪いよ』って💙」

 ずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽ💙 と小気味良い音が立った。田中の陰茎が、特にカリの傘のところが摩擦でとても温かくなった。

「そっ、それは小学校とかのトイレの時ぃいぃい〜〜〜っ♡

 ……あぁぁ~~~~~っ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ ああぁぁ~~~~っ♡」

 田中は背を反らせ、情けない悲鳴を上げた。

 若くて狭くてぷりぷりの膣穴に腰が持って行かれる♡ 大人を完全に子ども扱いする振り方だった。

「ね💙 ほら💙 そろそろ手ぇ上げる?💙 くすっ……💙

 みんな待ってるから💙 バレないように、中でさっさとスッキリしちゃいなよ💙 体に悪いよ?💙 クスクス💙」

 島本が耳元にささやいた。甘い女子の匂いが漂った。
 同時に島本は、ピンクのマニキュアで覆われた爪で田中の乳首をワイシャツの上からカリカリカリ🩷 と掻いた。

「!? あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」

 ニヤニヤと意地悪に観察する、細い視線が降ってきた。

 ずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽ💙 田中の股間に生徒の膣口が何度も何度も当たった。ぷっくり膨れた恥丘の形がわかった。自分の教え子の恥丘の形を知っている教師がどれくらいいるだろう。

 マイクを通してスピーカーからぼっぼっぼっぼっぼっ💙 と拡大された打ちつけ音が鳴った。サビに差し掛かったようにテンポが速い。

 小悪魔のように歯を見せて嗤う島本の顔を見ながら、田中の腰が力を失って浮かんた。

 大人のプライドが消え、その声は進退窮まった小学生のようになった。

「出ますっ♡ 出ますぅっ♡

 ……お゛っ♡」

 田中の瞳が一瞬、濁った白になり——


 ————


 『——びゅうううううううううぅううぅううぅぅぅ!💛 びゅるるるるるる💛 びゅるるるる💛 びゅぐるるるるるぅぅぅ💛💛』

 しっかりとマイクが発射音を拾うほど濃厚だった。

 モニターの中央に映る島本の腰へくっついたまま、田中の腰が情けなく、びくっ!♡ びくっ!♡ びくっ!♡ と跳ねた。

 そして―—

「「「「「わはははははははははははははははは!!!!!」」」」」

 と二十人近い笑い声が大部屋に響いた。

「はい、皆さーん!

 結果は『3分以内』でした~~!!」

 サングラスをしてチャラついた見た目の男子生徒、「出席番号3番」がモニター横でマイクに向かって明るく言った。

 長テーブルの上にはフライドポテト、ミックスピザ、空になったチューハイの缶、煙草の吸殻などが散乱していた。

 もうもうと煙が上がっているが、煙感知器は一切作動していなかった。

「早っや! マジかよ~!」

 煙草の先端を灰皿に押しつけながら男子生徒が言った。

「根性無さすぎだろ、『たなティー』」
「ねーそこのストゼロのマンゴーちょーだーい? 私それ飲んだことない」
「最近タバコの値上がりキモくない? 1箱に減らそうかな……」

 ガヤガヤと無秩序に喋り続けている生徒たち。
 賭けに負けた方の財布が開けられ、千円、5千円、1万円札が次々とテーブルの上に放られていった。500円硬貨も何枚か机にぶつかった。

「さっすが李希望(りのん)。マジ腰振りエグすぎ~」

 出席番号4番の女子生徒が、金の山の中から3万5千円ほどをかっさらいながら言った。

 カラオケルームの大部屋へ20人以上、男子も女子も、皆でTVerのバラエティ番組でも見ているように画面を見つめていた。

 全員、田中の受け持っている3年Ⅳ組の生徒たちだった。

 テーブル上でノートパソコンが起動しており、モニター裏にケーブルで接続されていた。

 長髪の眼鏡の男子生徒——出席番号17番がぶつぶつ言いながらノートパソコンのキーボードを叩いた。

 画面が切り替わった。過去の映像のようだった。

『ねー、たなティー💙 歓迎会のボウリング楽しかったねー💙』

『あ、あぁ……島本……』

 再生されているのは20数分前の島本と田中の姿だった。2人とも廊下の隅に立っていた。

『ねぇたなティー💙 これは「たなティー歓迎会」なんだよ? もっと楽しもうよ💙』

『し、島本……♡』

『私さー、たなティーが学校来てからめっちゃ楽しいよ?💙

 ……ねぇ💙 もっと仲良くなろ?💙』

 島本が田中の目を見ながら甘えるように首に手を回した。島本と田中の体が密着した。

 ……ぷにっ💙

『あ……♡ うぁっ♡』

『ねぇたなティー💙 こうやったらもっと仲良くなれるよ?💙』

『!? え? いや、あっ、えっと……こんなの……♡

 ……だ、だめ……だめ……うっ!?♡ うぁっ♡ あっ♡

 ……んん~~っ♡ んっ♡ んっ♡ んんっ♡』

 れろれろ💙……ぺちょぺちょ💙……ぐちょぐちょ💙……

 唇が交わされた。あとは延々「ぬちゅぬちゅ💙」「ぐちょぐちょ💙」と何かと何かをからませあう音がした。監視カメラのマイク部がしっかりとその音をひろい続けた。

 出席番号17番が無表情で録画の時間を進めた。濃厚な教師と生徒の行いは10分以上続いているようだった。田中の顔はだらしなく崩れ、鼻の下が伸びきっていた。

「サイテー」

「キス顔キッモ」

「りのんかわいそー」

「やっぱ『たなティー』も教師失格ヤローだね。

 お仕置きけってー♡」

 生徒たちはフライドポテトにマヨネーズやケチャップをつけ、それぞれの口へ放り込んだ。


 1時間ほど経ったあと——

「たっだいまー💙」

 出席番号12番、島本 李希望(りのん)が笑顔で大部屋に戻ってきた。

「おー、李希望(りのん)先生おつかれー!」

「さっすが『教師堕とし』♡」

「じゃ、結果発表どうぞー!」

 司会の出席番号3番が言うと、島本は指の間に挟んだそれらを見せつけた。

「イェーイ💙 見ろー💙」



 たぷんっ🩷💛 たぷんっ🩷💛 たぷんっ🩷💛
 もわ~~~ん♡ と湯気が立ち上った。

 女子たちがフルドン引きの声を上げた。

「うわ~~~!」「キショ!」
「キモ! やば!」
「どんだけ出すんだよ!」
「クソ犯罪者じゃん、たなティー」「もう死刑確定でしょこれ」

 湯気を上げる使用済みコンドーム7袋を汚物として視ながら、わいわいと声が上がった。

「さすが李希望。クソ教師ハンター」

 島本は得意げに胸を張った。

「ま、こんなもんよねー💙

 それじゃみんなバイト代宜しく〜💙」

 近くの男子生徒が全員から集めたお金の中から、21万円を島本へ渡した。
 3万円×7発。

「みんな悪いね〜」

 ピンピンとお札を弾いて数え、唇の端を舐めながら島本が言った。

「いいって。いいって」

 女子の一人が島本の肩を労うように叩いた。

「どうせこれから『たなティー』から回収するんだし」

 カラオケルームの薄暗がりの中で、全員の目がぎらぎらと光を放っていた。


 ————


 「たなティー」は人生においてまたさらに学んだ。

 本当に、人生というのは先に何が起きるか誰にも予想できない。

 
 ——パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎——バンッ!!🚪——パンッ🤎パンッ🤎

「「「やっほー♡ たなティー♡」」」

「「「ドッキリ大成功〜〜!!」」」

 扉の開いた音ともに、聞き覚えのある20人くらいの声が部屋に響いた。

「あっあっあっ!♡ えっ♡ あ゛っ♡

 ああぁぁ~~~~っ♡ う゛っ♡」

 田中の上半身は急激に硬直したが、腰から下は何も止まらなかった。

 びゅっ💛 びゅるるるるるるるるるるるるる💛 びゅびゅ💛 びゅるるるるるるる💛 びゅぐっ💛 びゅぐっ💛 びゅぐっ💛
 
 田中は大量の精液をゴムの袋の中へ放った。半分はびっくりして排泄したような気分だった。

 腰がガクッ!♡ ガクッ!♡と震えた
 不意打ちで緩んだ管の中を大量の濃い汁が潜り抜けていく。



「……ぷっ🤎」

 下にいる褐色肌の少女が冷たく嘲笑した。

 ぎゃはははははは!! と部屋いっぱいに少年少女たちのバカ笑いが響き渡った。

「マジうける!🩷 たなティー、だから早いって🩷」
「射精顔きんも💙」
「うわっ、先生尻に窪みできてんじゃん。めっちゃ本気射精w」
「つーかもう2回もしてんじゃん! バカなん!?」

 田中がさっき出した2回分のコンドームがベッドの上にたぷ♡ たぷっ♡ と乗っていた。全員がそれを汚物のように見つめていた。

 20人以上の自分のクラスの生徒たちが、全裸の担任の田中に対して何の敬意もなく、思いきり嘲りの笑い声を上げていた。

 「イジリ」の笑いとは異なる、本当に軽い存在に対する蔑みがそこには込められていた。

 本来であれば田中は、職務上厳しく叱責しなければならない。

 しかし田中はプライベートの空間が一気に20対1の、生徒たちが集う空間に変わってしまったことで思考が停止していた。

 まるで教室のホームルームのようだが、今日は学校が休みの土曜日で、ここは学校ではなく隣町のラブホテルで……

 田中は背中に粘り気のある汗をびっしょりとかいた。

 ——え? 何? 何が起きてるの?

 自分は昨日、出席番号40番、渡邊環華(わか)から「土曜日に進路のことでお願いがある」と言われて……喫茶店で話を聞くと進学のことで親を説得してほしいという話で……渡邊はⅣ組の中で一番成績の優秀な生徒の一人だから何とか力になるために……車に乗せて……

 助手席で案内された通りに進んだら……隣町の寂びれたラブホテルで……急に「先生……🤎 私、本当は先生のことが……🤎」って……♡

 渡邊はクラスでも一番美人の生徒だから……♡ 自分が学生の頃だったら絶対相手にされないような大人っぽいクールなタイプで……♡ だからどうしようもなくて……♡

 そして……そして……部屋に入って……すぐに……抱き寄せられて……リードされながら舌絡ませるキスされて……

 シャワーも浴びずベッドに行って♡ 黒くて色っぽい下着が下ろされて♡ あとはひたすら、抜き挿し♡ 抜き挿し♡ 抜き挿し♡ して……
 凄く気持ちのいい穴に……島本とはまた違った個性の穴に、にゅぽにゅぽ🩷 にゅぽにゅぽ🩷 って♡

 2回イッても「ねー先生。もっとしよ? あとちょっとだから🤎」ってせがまれて♡……3回目の射精と同時に、ドアが開いて——

 田中は呆然として、唯一の味方へ縋るように渡邊を見た。

 まだ肉棒にはぬちゅ🩷 ぐじゅ🩷と暖くて複雑な感触が全面に伝わっていた。

「もー大変だったんだから。皆30分に来るって言ってたでしょ?

 こいつその前に2回もイくんだもん🤎

 時間合わせるのめんどかったー」

 出席番号40番、渡邊はもう田中に一瞥もくれずクラスの生徒たちと話していた。

 一方で、20人近くのニヤけた目が田中に向けられていた。

 教え子たちの前に女性に挿入したままの姿を隅々まで見られ、田中は身動きが取れなかった。

「お前ら……何で……え?
 何で? え? え?」

 田中は知った。人間は本当に理解したくない状況に直面した時、「何で?」しか言えなくなってしまう。

 田中は自分で、自分が何の理由を尋ねているかもわからなかった。

「あ、な、何でお前ら……へ、部屋に入って? か、鍵は……え?」

 また20人の爆笑が起こった。

「え!? そこ!?」「鍵!?」「ウケるー🤍」
「たなティー授業の時よりオモロいわー!w やっぱいいキャラしてるわ」

「ほら見て、たなティー! じゃーん!」

 出席番号5番の男子生徒が前に出た。
 特徴的な髪型。茶髪に赤いメッシュを入れ、ボリュームのあるポンパドールに整えていた。

 ——「学校から歩いてすぐに、『R&U』って美容院あるから検索してみ? ていうか俺らと一緒に行く?」

 先日、美容院に誘われた時と同じ軽さの口調だった。

 出席番号5番が掲げた右手には鍵束がぶら下がっていた。金色と銀色の古びた鍵がじゃらじゃらと音を立てた。

「このホテルの社長ってうちのクラスのOB達と知り合いでさぁ。

 たなティーが7回もゴム射したカラオケ屋と一緒。

 部屋に自由に出入りできたり、全部屋に隠しカメラつけて覗けたり、色々好き勝手できるんだよね?」

 隠しカメラ? カラオケ? 7回?? と田中は思った。現実が理解を超え過ぎて汗もほとんど出ていなかった。暑いのか寒いのかもよくわからない。

 周囲を見るとすぐ横に島本がいた。

 ニヤニヤ💙 と田中に、歯を見せた悪戯っぽい笑みを向けていた。

 田中が頭の中で状況を整理し、今自分に起きていることを理解しようとした、その時——

「あ゛っ!! あ゛ぁっ!! せっ!! せんせっ!!! やめっ!! やめてっ!! いやあぁぁあぁぁぁあぁ!!!」

 突然ベッドの上の渡邊が、田中の体の下で大きな声を出した。

 顔を振り乱し、絹が裂かれる音のような迫真の声だった。

「いやっ!! あっ!! 信じてたのにっ!! 先生! ひどい!! やめて!!!

 あ゛っ!! あ゛っ!! 嫌あぁああぁぁ~~~~~~!!!」

 叫びながら腰を田中の腰にぐちっ🩷 ぐちっ🩷 ぐちっ🩷 ぐちっ🩷 ぐちっ🩷 と打ちつけた。

「!? あぁっ♡♡」

 田中は思わず多くの息が混じった甘い声を出した。

 渡邊の穴が挿入したままのペニスを飲み込んだ。そのまま、ずこ🩷 ずこ🩷 ずこ🩷 と摩擦される。

「あ゛っ!! あ゛っ!! いや゛っ! やめてっ!!

 助けてっ!! 誰かっ!! 誰かっ!!」

 渡邊の「悲鳴」は止まらない。

 ぐち🩷ぐち🩷ぐち🩷ぐち🩷ぐち🩷

 その一方で、摩擦が田中の下半身の棒へ与えて来るものは今の状況が思わず頭の中から消え果ててしまうものだった。

 渡邊の、いかにも無力な女子が乱暴を受けているような声と、腰の、余裕たっぷりに精液を引き抜こうという動き方がとても同一人物によるものとは思えなかった。

「——あっ!♡ あっ!♡ 待って!♡

あっ!♡ あっ♡ 渡邊♡

 イク!♡ イク!♡ イク!♡ イク!♡ あっ!♡ あっ!♡」

 周りには40個の目。

 そしてそれぞれのスマホのカメラが、食べられ中の昆虫のような自分の腰へ向けられていた。

 もう何も考えられなかった。田中の腰が震え、頭が真っ白になった。

「あっ!♡ だめっ!!♡ 撮らないでっ!

 あっ!♡ あっ! だめっ!♡ あぁぁあぁ~~~!!♡♡」

 びゅっ!💛 びゅるるるるるるる💛 びゅぐるるるるる💛 びゅっびゅ💛 びゅるる💛 びゅるる💛 びゅるる💛 びゅっびゅ~~~~💛

 田中の全身がガクッ♡ ガクッ♡ と震えた。

 褐色の繋ぎ目から湯気が漏れて立ち上るかというほど濃厚無比な射精だった。

 そこかしこでカメラアプリのシャッター音や、ポコン、ポコン、と動画撮影を完了した音が聞こえた。

 3度目の大爆笑が巻き起こった。

 ベッドの上の渡邊の顔は仮面を外したかのように切り替わり、ニヤニヤ笑って、べーっ👅🤎 と舌を出して田中を見ていた。

「環華、マジ名演技じゃん! 女優行けるんじゃない?」

「別に大したことないんだけど🤎」

 渡邊はベッドの横にいるクラスの皆の方へ顔を向け、労いの声を受けていた。

 射精の脈動が終わった田中の体には力が無かった。特に下半身には。渡邊が気だるそうに体から離れると、にゅぽん🩷 と陰茎も外れた。

 コンドームの中には2回分の精液が溜まり、洗剤のジェルボールのように重そうにぷらぷら揺れていた。

 ホテルの501号室の天井端につけられた、家庭用エアコンの音だけが大きく聞こえていた。

 田中にはもう、体の何を隠す力も、何を取り繕う気力も湧いてこなかった。

 自分は裸で、生徒の一人の穴の中へ確かに今、精液を放ったばかりで、その周りを20人の教え子たちが取り囲んでいた。

 生徒たちは残忍な笑顔を浮かべていた。つい昨日までは親しく、学校にはあまり関係ない話まで、兄と弟、妹のようにしていた間柄だったのに。

 田中は力なくその場へへたりこんだ。安ホテルのカーペットの毛が膝を押した。自分以外の全ての事象が体から遠く離れていくような気がした。



 月曜日。
 教室のスピーカーからチャイムが鳴った。どの学校でも流れている音程とメロディだった。元になっているのはイギリスの教会の鐘の音だ。

 田中の耳へ日常が開始したことが教えられた。

 月曜日の朝のホームルーム。カーテンの開いた窓から眩しい朝日が差し込んでいた。

 田中はいつもの教壇の上で生徒たちを前にしていた。しかし、足の裏から伝わってくる感触が普段と異なっていた。

「今日から……い、一週間がは、始まる……

 来週はき、期末試験だ。

 し……しっかりと……勉強を……」

 言うべき言葉が喉に絡んで、そのほとんどがうまく出てこなかった。

 いつもは半分以上がぺちゃくちゃ喋ったり、スマホを見たりしている生徒たちも、今日は嗤いを噛み殺しながら全員田中へ対して熱視線を向けていた。

 島本や渡邊の姿もあった。島本はニヤニヤ小悪魔の笑みを浮かべ、渡邊は頬杖をついて涼しげに冷笑を向けていた。

 朝8時40分。田中は土曜日にラブホテルにいた姿のまま——つまり全裸で、唯一違っているのはネクタイだけを首に巻き締めていた。

 そしてラブホテルからのお土産のように、すっかり冷めた精液入りのコンドームをぷらーん🩷 ぷらーん🩷 とぶら下げ、教壇に立っていた。最後に渡邊の中で放ったものだった。渡邊の膣の液はもう乾いてしまっているが。

 冷房は服を着ている生徒たちのための温度に設定されており、田中はガタガタと震えた。その顔の鼻は左側に折れ曲がり、赤紫色に変色していた。


 ラブホテルで生徒たちを前に動画や写真を消して貰えるよう頼み、それでもニヤニヤ笑われてどうにもならなかってので、ひとしきり叫んだり、自分を騙したことを罵倒したり、わけがわからなくなって怒鳴ったりしてみたが、何をしても、どうにもならなかった。

 恥も外聞も無く、冷静に考える余裕もなく、顔を真っ赤にして涙まで流した。

 最終的に全てを諦めたのは、前へ出て来た男子の一人から鼻を殴られた時だった。
 
 「竜鳴スペシャル」をおごってほしいと言っていた出席番号1番の生徒だった。

 パキッと音が鳴り、しばらく経って気分が悪くなるほどの痛みがやってきた。絵の具のように鼻血が床にぼたぼたと垂れ、自然とさらに大量の涙が落ちた。

 鼻の骨を折った拳は硬く、冷静で的確だった。何の躊躇もない。明らかに、こうやって他人を損傷させることに慣れていた。

 夥しい血を手のひらで受け止めながら、田中は初めて自分の生徒たちを冷静にとらえた。

 前に出てきている男子生徒たちは背も自分より背が高い。体格もいい。

 真顔で見下ろす目には自分より立場が遥か下の者に対する感情が表れていた。
 もう彼らを少年のように見ることはできそうになかった。


「じゃ、じゃあ皆、改めて自己紹介をするね」

 くるりと黒板の方を向いた田中の、肌色の背中には油性ペンの太字でくっきり「2生徒に7発と4発しゃせーしました♡ 早ろう教師でごめんなさい」と書かれていた。

 田中は震える手で黒板に文字を書いていった。あらかじめ命じられたとおりに。

 「3」「年」「Ⅳ」「組」「の」「犬」「♡」「た」「な」「テ」「ィー」。

 田中は振り返った。今日はいつもより出席率が良かった。40人のうち30人くらいは出席していており、楽しそうな笑みを浮かべていた。

 田中は全員の視線を浴びながら教壇の下に降り、土下座した。
 教室の床は冷たかった。

 股間の下で陰茎と繋がったままのコンドームがぷら🩷 ぷら🩷 ぷら🩷 ぷら🩷 と振り子の動きをした。

「こ、これからの僕は、3年Ⅳ組の皆さんの『オモチャ』です。

 何なりと自由に、僕を使ってください。365日、24時間いつでも呼び出して、楽しく遊んでください。お願いします……」

 そう言いながら下げている頭の中央は丁度その形にバリカンで剃られ、田中個人が所有するスマホが地肌へセメダインで接着されていた。

 田中の頭の中は空白になっていた。ありのままを受け入れられない状況に置かれ、脳が防衛のため心を停止させている状態だった。


 ————
 

 田中は廊下を歩いた。

 裸足でぺたぺたとタイルの上を歩く音が響いた。コンドームの袋がぷら🩷 ぷら🩷 と歩みによって前後左右に揺れた。

 普段授業で顔を合わせる3年Ⅰ組、Ⅱ組、Ⅲ組の生徒たちが好奇と、「あぁ……またか……」という感情がない交ぜとなった目で田中を見ていた。

 田中が職員室に入ると教師たちの視線が一斉に逸れた。

 朝に出勤した時からそうだったが、田中の現状に対して誰も、何も言ってこない。存在しないものとして扱われていた。

 学年担任が集まったミーティングの時も、普段なら一人ひとり当てられて予定を報告するのに、田中の番は飛ばされた。

 時折、若い女性教員がすれ違いざまに田中の股間にぶら下がるコンドームと背中の文字を視界に入れてしまい、一切哀れみの無い、汚物を見るような嫌悪感を思わず顔に出すことがあるくらいだった。

 田中は生気を全て失った目と顔色のまま、次の授業の準備を始めた。

 教材と自分のノートを机に置いたところで、頭の上のスマホが鳴った。

『「あぁ〜っ!!♡」パンパン🩷「渡邊!♡ 渡邊ぇ!♡ 」パンパンパンパンパン🩷「あぁ~~♡♡ 気持ちいいよぉ〜♡!♡」』

 職員室の一番隅に座っている教頭の席まで響くような大音量だった。

 ホテルで隠し撮りされた、田中が腰を振っている時の音声だった。田中の甘えるような声はスマホのスピーカーが耐えうる限界一杯まで拡大加工されていた。

 田中は顔を紫色にして、慣れない、頭の上でのスマホの操作にあたふたしながら電話に出た。スピーカーフォンにせざるを得ない。

 頭の上からは端的な指示の声がした。

 ——『3分以内に1年Ⅰ組の教室に来い』

 田中は急いで椅子を背で押し、立ちあがった。古い脚車が動くキィーという音が響いた。


 ————


『ほぉら💜 シコって💜 シコって💜 せんせー💜』

「あっ、あっ、あっ……うぅ♡ あっ♡」

 シコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコ♡♡♡

 いったい誰がどのように準備したのか、窓より上の位置に鏡が一枚床側へ向けて固定されており、もう一枚、鏡が窓の桟に立てかけられていた。

 うまく頭の角度を調整すれば、2つの面の反射で、田中は頭の上の自分のスマホの画面を桟の上の鏡で見ることができた。

 窓に立てかけられた鏡に映っているのは、田中のスマホに表示されている、メジャーなトークアプリのトーク画面だった。



『ほぉら💜 シコってシコって💜 もっとスピードアップ💜 シコシコシコシコ💜』

「う゛ぅ……♡」

 田中はスピーカーから流れる指示をもとにひたすら手を輪っかにしてシゴいた。

 メッセージアプリには女子生徒の一人が胸元をはだけた画像を送っていた。


 1年Ⅰ組の教室に着いた時に頭から響いた指令はこうだった。

『タブレットをオカズに全力でシコれ。

 窓の真ん前で中の全員に見えるようにして。

 10分以内に射精しないと罰ゲーム。指の骨3本折る』

『ほら💜 せんせーがんばれー💜

 早くイかないとぉ、今シコってる方の手の親指と、人差し指と、中指が、全部包帯でぐるぐる巻きになっちゃうぞー💜』

 面白がっている可愛らしい声。メッセージアプリに表示されたアカウント名。

 画像と声の主は間違いなく出席番号34番の女子生徒だった。

 遅刻や休みは多いけど大人しくて、こんなことする生徒には思えなかったのに…

 シコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコ♡♡♡

 青年は廊下へガニ股で立ち、「撮りたてホヤホヤ」の女子生徒の画像と1年Ⅰ組の教室に向かってひたすらシゴいた。

「ゔぅ……」

 嫌だ。指なんて折られたくない。痛いに決まっている。生活にも支障が出る。
 ここまで徹底的に、無慈悲に「遊び」をする生徒たちだ。本当にやりかねない。

  シコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコ♡♡♡

 廊下にシコり音が鳴った。

『そうそう💜 今はまだ大丈夫な人差し指と、親指でできた輪っかを、何度も何度も、カリの出っ張りに引っ掛けるようにして……💜』

 シコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコ♡♡

 ポタポタポタポタ♡ 

『きゃー💜 上手上手💜

 透明な汁いっぱい出て来たねー💜  もっともっと、教室の中に臭いが届くまでいっぱい出そ?💜 クスクス💜』

 田中はシコりながら正面に意識を向けた。教室の声から平板な声が聞こえてきた。

「——方丈記のこの『侍り』という動詞は『ら行変格活用』、『ら変』といいます。

 未然形は『ら』、連用形と終止形は『り』、連体形は『る』、已然形は……」

 教室の中がざわめき始めた。

 違う。違う。と田中は頭の中で必死で唱えた。

 違う。あの15歳かそこらの子たちは、廊下の外で裸でネクタイを締めてマスターベーションをしている、「公共」の授業で顔を合わせる「田中先生」を見ているわけじゃない。

 そんなはずはない。なぜならそんな起こり得ないことは起きる筈が無いからだ。絶対に有り得ない。だから違う。違う。違う。

 授業をしている若い女性の教師が説明の小休止にちらっと田中の方を見て、すぐに教室の方を見た。

 田中の背中からぶわっと脂汗が湧いた。

「……はい静かにしなさい。

 『已然形』は『れ』。命令形も『れ』です。『ら ・ り ・ り ・ る ・ れ ・ れ』と覚えましょう』。次のところ——」

 何で、よりにもよって……と田中は思い、目に涙をにじませた。

 若い女教師は田中と同い年で、教育実習の時同じ高校が割り当てられた仲だった。

——『へぇ~。田中さんって——大学なんですね。凄い!』

 連絡先も交換しており、4月までは定期的にメッセージも来ていた。

——『“田中さんの赴任先、——高校なんですか!?”』『“いいなー。私なんてあの……例の市立高校ですよ”』『“あそこって滅茶苦茶荒れてるって噂だから、今から不安です……😱”』

 それが、たった2ヶ月後、今このようなことになっている。

 シコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコ♡♡♡

 裸で涼しい中、ペニスだけがとても温かかった。

 田中は棒を強めに握り、手首のスナップをしっかり効かせた。裸なのに足裏までびっしょり汗をかき、喉がカラカラだった。

『ほらせんせー💜 いくらせんせーが早漏でも、余裕こいてちゃだめだよ?

 人に見られてるって状況にはストレスがあるからねー💜

 なるべくいつも通り、平常心でシコらないと💜

 ほら、あと5分だよ💜 5分で……イかないとマジで罰ゲーム執行だから💜

 怖いよぉ~?💜
 今まで何本も、実際に折ってるからね💜 杉浦とかリュージとかがぁ、押さえつけて、順番に、パキッ💜 パキッ💜 パキッ💜 って💜』

 リュージというのが出席番号1番、阿部龍児のことだった。

 田中の耳の中で乾いた枝をパキパキと容易く折る音ような音が3回鳴った。
 今はまだ健康な、カリ首に何度も引っかかっている、親指、人差し指、中指。

 田中の背中をどろっとした汗がつたい、尻の隙間を伝って流れ落ちていった。

 いつもどおり……

 田中は自分の乳首へ、シコらせていない方の手の、人差し指を向かわせた。

「うぅ……」

 さわ……♡ コリコリ……♡

『! うわぁ~っ💜』

 スマホから女子が本気でキモがる時の声が流れた。

 コリコリ♡ カリカリカリ♡ カリカリ♡ カリカリカリ♡

「うぅっ♡ うっ♡ う゛ぅっ♡」

 田中はうめき声を上げながら、自分の乳首を自分の指の先でひたすら擦った。

 田中の乳首は両方ともカタく立ち、天辺をなぞると頭の中に白いかすかな閃光が走った。

 田中のペニスが、シコる手の中で、ぴーーん♡ とさらに硬度を増した。

 窓のむこうの1年生たちの視線がどんどん興味を強めていった。動物園にいる、世界に一匹しかいない珍獣はこのような気分になるのだろうと田中は思った。

 カリカリカリ♡ コリコリコリコリ♡ カリカリカリ♡

『うっわ……キッショ💜

 せんせーさぁ、自分でするとき乳首イジってんの?💜 クッソキモいんだけど💜』

 自分よりも何歳も年下の、社会経験も何もない、勉強もろくにしていない生徒が、本気の嘲りの感情を向けてくる。形や感触すら感じるほどの濃い侮蔑だった。そして今の自分は何ひとつ言いかえすことができない立場だった。

 カリカリカリ♡ カリカリカリ♡ カリカリカリカリカリカリカリカリカリ♡
 シコシコシコシコシコシコシコシコ♡♡
 
 田中は「指折り」に怯え、本気のオナニーを1年生たちに見せつけた。自分の人生を自分で終わらせるときはこんな風にするんだよ、とレクチャーしている気分だった。

 右手の輪っかを、手首にたくさん疲れがたまる速さでシコシコシコシコシコ♡ と往復させる。
 
 自分の指の先で、ちゃんと器用に、カリカリカリカリカリカリカリカリカリ♡ と乳首を何度も引っかく。

 慣れている、自分の部屋でPC等に向かって2日に一度は行っている、とても親しんだ動きなので、田中はそれをスムーズに続けることができた。

「……授業に集中して」

 女教師が生徒たちに呼びかけながら窓の側を一瞥した。

 田中と女教師の目が合った。

 汚物を超えた、心の底から汚らわしいと感じている物体が、遥か時空の彼方へ消え去る様を見送るような視線だった。

『ねぇせんせー💜

 必死で頑張るせんせーのために……プレゼント💜』

 シュポッ♡ と音がしてタブレットに画像が送られた。



『はいどうぞ💜

 変態教師のマジオナニー射精、1年生に見せつけろ💜』

 暖かそうな生パンツの写真とエールによって、フィニッシュへ向かおうとする田中の両手と脳に魔力が送られた。

 脳が桃色にちかっ♡ ちかっ♡ と光った。
 
 シコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコ♡♡ カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ♡

「……あぁっ♡ イク♡ イク♡ イク♡ イク♡

 あぁ~~~~~~♡」

 ——びゅぐっ💛 びゅぐっ💛 びゅぐっ💛 びゅるびゅる💛 びゅるびゅるびゅるびゅる💛 びゅるびゅるびゅる💛 びゅうぅぅぅ💛

 
 田中は放った。勤めている高校の廊下で。壁に向かって。

 下を見ると温かそうに湯気を放つ白濁液が一か所、二か所と床に水溜まりを作っていた。

 スマホの向こうから聞き覚えのある男子生徒、女子生徒たちの馬鹿笑いが聞こえた。出席番号34番の笑いも混じっていた。

 誰が見ても行為が「完遂した」ことは明らかだった。田中の眉根が寄ってうつむき、体が上下にビクン!♡ ビクン!♡ と震えた。手の動きも止まった。

 教室の中からもざわめきと笑いが聞こえてきた。

 田中は耳まで真っ赤にした。このまま自然発火するのではないかと思うほど耳たぶが熱かった。

 ぽたぽたぽたぽた💛 と白い残り汁が床へ垂れた。

 田中は思わず嗚咽が沸き上がってくるのを必死でこらえながら、また裸足でぺたぺたと音を立て、その場を早足で歩き去った。


 ———

 田中の受難の日々は続いた。


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「あ゛あぁぁっ♡ にっ♡ にほんではっ♡ あ゛っ♡ あぁっ♡

 20年前からっ少子高齢化社会がっ♡ 問題となり♡ ……っ!♡ っ!♡ あっ!♡ あっ!♡ あっ!♡」

 田中は腹筋を窪ませ、ひきつった声を上げていた。ひきつっているのは声だけではなく、腰の筋肉もだった。

 3年Ⅳ組の教室の中、男子も女子もニヤニヤとした笑みを田中へ向けていた。



 田中は一日の間ほぼ全裸のまま、自分のスマホを頭の上に粘着したまま過ごす生活を強制された。
 シャワーの間などは自分でスマホが濡れないようビニールなどを被せて工夫をした。

 田中は、かかってくる電話には24時間どんな時でも、3秒以内に出なければならなかった。

 遅れたら男子生徒たちからリンチのような制裁を与えられた。1秒遅れたら根性焼き。2秒遅れたら頭を地面に置いてのサッカーボールキック。それ以上遅れたらさらに際限なく酷い目に遭わされた。
 
 田中が主に使われたのは「足」としての役割だった。深夜2時でも、早朝4時でもお構いなしに電話がかかってきて、10分以内に迎えに来いと言われた。必ず配車アプリなどより速く到着しなければならない。勿論報酬など発生しない。

 田中が親に頭金を出してもらった新車のプリウスは座席全体に生徒たちのタバコの匂いが染みつきもう二度と取れなくなってしまった。カーナビのbluetoothは生徒たちのスマホに占拠され音楽をガンガン鳴らされた。

 いくら掃除してもゴミが散乱していたが、きちんと掃除しないと生徒たちの機嫌が悪くなるので毎日ハンディクリーナーで吸い、クロスでピカピカに磨いた。

 頭のスマホの充電が切れると連絡が取れなくなり、とんでもないことになるので毎晩田中は怯えながら頭のスマホに充電ケーブルを挿した。
 そして明日になったら悪夢が醒めることを祈りながら眠った。

 他のクラスの授業に出る問も地獄のような時間だったが、自分の受け持つ3年Ⅳ組の授業は、ほぼ毎回、最悪の体験が約束されていた。

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「ひぃっ♡ いひいい~~~~~~~~ぃぃぃぃっ♡

 西浦っ♡ やめっ♡ やめてっ♡ やめてええぇぇえぇっ♡♡」

 出席番号26番「西浦 亜椰華」が田中のペニスを厚い唇で咥えたまま、顔を上下させていた。

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 日々の呼び出しで眠気がピークの状態がずっと続き、体に力が入らない田中にとって、今行われていることはあまりにも辛かった。

 上下の動きが、顔がはっきり判別できなくなるほど素早いのに、べろべろべろべろべろべろべべろ👅🧡🧡 と抜け目のない舌がカリの弱いところを舐めてくる。

 カーレース中、ピットインの一瞬のうちにクルーが車体を残らず点検するような技術の高さだった。

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「……あっ♡ あっ♡

 ……に、日本の♡ 出生率はっ♡ あっ♡ これだめっ♡ 凄すぎる♡ 何この技♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」

 田中は腰から何か大事なものが抜き取られ続けている気分を味わっていた。とんでもなく舌と唇の動きが素早く、巧みすぎて、どう防御することもできなかった。

 田中は上半身を壊れたメトロノームのように前後左右によじった。その姿がさらにクラスの生徒たちの嘲笑を誘った。

「うわ~、亜椰ちーのフェラえっぐ」

「さすが『ザーメン万引き』常習犯♡」

「駄目だってたなティー♡ ちゃんと亜椰ちーの盗みフェラ我慢しないとー♡

 授業がたなティーの仕事でしょ~? 仕事ちゃんとしなくていーんですかー?♡」

「射精したら罰金、授業ちゃんと最後までできなかったら『罰ゲーム』だからね♡」

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 教室の中に、どんな授業でも絶対に立たない凄まじい音が響き続けていた。

 まず、田中のこの授業中における射精回数が賭けの対象になっている。

 一番回数の多い「10回以上」が一番倍率が低く、半分以上の生徒がそれに賭けていた。

 田中は額に脂汗をかきながら必死で耐えた。流れ落ちた汗の粒が鼻筋を伝った。

 しかし——

 ずぽずぽずぽずぽ👄(盗)🧡🧡ずぢゅるるるるるるるるるるる~~~~~~~~👄(盗)🧡🧡🧡🧡 れろれろれろれろれろれろれろれろれろれろれろれろ👅(盗)🧡🧡🧡🧡

「!?♡♡♡ ~~~~~~~~~~~~~~っ!!!♡♡♡」

 田中は背をぐいいぃぃぃっ♡ と後ろへ反らせた。

 泣きたくなるくらい、吸引と同時にエラの下側のところをたっぷりと舐めまくられた。

 田中は数秒間、ほとんど意識が空白になった。さらに追い打ちも別角度から行われる。

 カリカリカリ🧡🧡 カリカリカリ🧡🧡 カリカリカリカリカリカリ🧡🧡

 出席番号26番、西浦は尖った人差し指の爪で田中の両乳首を何度も引っ掻いてきた。

 何の力も入っていないところにこれは効く。効きすぎる。

「ぎゃははははは! たなティー乳首弱すぎ!」

「この前の『乳首オナニー』で皆に弱点広めちゃったもんね♡」

「おいおい! 俺たなティー信じて『7回以上9回以下』に賭けたのに! 絶対無理じゃんこんなのー」

「まぁ無理でしょ。亜椰ちーはⅣ組の『フェラランキング3位』だからねー♡」

 ずぽ🧡ずぽ🧡ずぽ🧡ずぽ🧡ずぽ🧡と、唇が何もかも引っこ抜く凄い音を立てた。

「趣味が万引きで、見つかったら店員をフェラで説得して、一度も捕まったこと無いらしいからねー♡」

「何十回も万引きとフェラを繰り返して、潰した店とかあるらしいよ?♡

 たなティーのおちんちんと金玉も閉店させられちゃうかもね♡」

 ずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽ👄(盗)🧡🧡ずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽ👄(盗)🧡🧡ずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽ👄(盗)🧡🧡

 カリカリカリ🧡🧡 カリカリカリカリカリカリ🧡🧡 カリカリカリカリカリカリ🧡🧡

 非行の証言を聞いているのにどうすることもできない。田中は、多分泣きながら万引きを許したであろう店員たちと同じ気分を味わっていた。

 ずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽ👄(盗)🧡🧡

「お゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

 フェラ。乳首。フェラ。乳首。フェラ。乳首。フェラ。乳首。

 田中はがくっ♡ がくっ♡ と体の上半分を揺すった。大物が食いついて折れそうなほどしなる竿のようだった。

 田中の尻には中の空気を半分以上吸い出されたビーチボールのように深い窪みができていた。

 西浦の唇の輪が何度も何度も陰茎の上を行ったり来たりした。唇には口紅が塗られ、既に田中のペニスはその痕で縞模様になっていた。

 この出席番号26番「西浦」は、このような状況になるまでは、田中にとってとにかく「成績が酷い生徒」という印象しかなかった。
 漢字が読めず、自分の名前も「西うら 亜やか」と書くほどだった。

 しかし、そんな欠点など帳消しになるほど優秀な点があったのだ。フェラの天才。ペニスが舐め溶かされ、引っこ抜け、どんな倫理観も吸いつくされる技巧だった。

 ——通知表全部5つけてもいい♡ だからもっと手加減してほしい♡

 田中は疑問だった。一体どこでどうやって学んだのか、男の竿の弱いところを、どういうタイミングで「レロレロ🧡👅」してやったら腰の力が全部抜けるのかを熟知していた。

 ずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽ👄(盗)🧡🧡ずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽ👄(盗)🧡🧡

 田中の背がさらに仰け反り、頭が後ろの黒板に当たった。壁が震えてチョークの粉が少し落ちた。

「ひいいぃいいぃぃぃ~~~~~~!!♡♡」

 授業妨害のフェラチオ。

 この「意識の万引き」を前に負けてしまうと、恐ろしい末路が待っている。

 ——「罰ゲーム」。

(じゅ、授業をしないと……!)

 ぎりりと田中の口の中で音が鳴った。22歳の新任教師は必死で歯を食いしばった。

(や、やってやる!

 俺は、俺は先生なんだ……! 西浦はもとより……こいつら全員が束になっても敵わないほど、ずっと多くの知識を持っているんだ……!

 俺は……大学でも遊ばず真面目に単位を取って……社会学を学んで……地歴公民免許を取得した……!

 俺は努力することができるんだ……!)

「少子化の結果、に、日本には様々な影響が……ゆ、有効求人倍率……」

 ズポポポポポポポポポポポポポポ👄(盗)🧡🧡ズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポ👄(盗)🧡🧡レロレロレロレロ👄(盗)🧡🧡

「!? ひいいいぃぃいいぃぃ~~~~~~♡♡♡」

 あ゛あぁぁあぁあぁ~~~!!!♡♡ だめえぇぇぇぇえ~~~~~♡♡」

 田中は世の中にはどんなに努力をしても無駄なことがあると知った。

 ズポズポズポズポズポ👄(盗)🧡🧡 ズポポポポポポポポポポポポポポ👄(盗)🧡🧡

「ああぁあ゛あぁぁあぁあぁ~~~!!!?♡♡

 お゛っ♡ おちんちん♡ 引っこ抜けちゃううぅうぅぅ♡♡」

 田中があられもない声を上げ、クラス中に笑いが起こった。

 田中の腰が軽くなり、犯罪者へ明け渡すように前へ突き出された。

 万引き上手の生徒の口は、この陳列棚からいとも簡単に商品を抜き取れることをしっかり理解していた。

 唇の動きが素速くなった。監視カメラや警備員がいくら配備されていてもお構いなしの強引な手口だった。ズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポズポ👄(盗)🧡🧡🧡🧡

「あ゛ああぁああぁあ~~~~~♡♡ いやあぁぁああぁ~~~~♡♡」

 全部万引きされる♡ 股間からぶら下げてる棒から♡ 玉から♡

(あ♡ だめ♡) 

 ——びゅっ!💛 びゅるびゅるびゅる!💛 びゅくびゅくびゅくびゅる💛 びゅるびゅるびゅる💛 びゅるびゅるびゅるびゅるびゅる💛

「あ゛あぁあぁ♡」

 田中は腰を震わせた。放出の快楽が下半身を包んだのもつかの間——

 ずちゅるるるるるるずるずるずるずるずるるるるるるるるるる!!👄🧡🧡🧡 れろれろれろれろれろ👅🧡🧡 れろれろれろれろれろ👅🧡🧡

「う゛ああぁぁああ゛!!!♡♡ あ゛あっ♡ あ゛っ♡♡ あ゛っ♡ ああぁぁ゛♡」

 射精直後のペニスへもの凄い吸引としつこい舌磨きが浴びせられ、田中は喉を枯らして叫びをあげた。腰がホップする。

 田中は教壇の上に尻もちをついた。付箋だらけの教科書が手から跳ね飛んで床に倒れた。田中の腰は猛獣の口から逃れるようにびくんっ!♡ びくんっ!♡ と跳ねた。しかし西浦の👄は決して離れてくれなかった。

「助けてえぇえぇぇ~~~~~~!!!♡♡」

 ずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽ👄🧡🧡

 3つ隣の教室にまで届きそうな泣き声とフェラチオ音だったが、誰も助けには来てくれない。生徒たちの爆笑が起こっただけだった。

 射精直後のペニスをたっぷりと、ふやけるまでフェラチオされ、とても授業などできる状態ではなかった。
 精子だけではなく、中の空気まで全部吸われた。

 結局、田中はこの授業50分の間で、精液が全く出なくなり、ペニスのカリの裏の溝が残らずピカピカになるほど舐めまくられた。



 ——

 「フェラチオ授業」の2日後。

 5時限目の終わりごろ、田中は職員室の机の上に突っ伏していた。

 田中の裸の体には、右腕外側の、肩から手首までに至るまでに、間の抜けた、太いゴシック体の書体で文章が記されていた。

「ボクはまじめに授業をせず、フェラで精子21回万引きされてマジ泣きしました♡」

 それは油性ペンなどではなく、入れ墨だった。

 田中の右腕の表面にはまだじんじんと疼くような痛みが残っていた。

 西浦のフェラで空気も何も出なくなり、尿道の壁同士が全てくっつくまで射精させられた後、放課後にATMまで車を運転させられて、21回×3万円、西浦に罰金63万円を現金で支払った。

 その後、「罰ゲーム」として出席番号3番の男子生徒の、兄の知り合いがやっているというタトゥースタジオに連行された。

 料金の11万4千4百円(税込)を払わされた後、押さえつけられた田中の腕にニードルが迫って来た。

 そこから、ゆっくりと肌と肉を焼かれるような痛みと、取り返しのつかないことが起きているという思いを3時間味わった後、その37文字の二度と消せない文字は腕に刻まれ終わった。「、」や「♡」も文字のひとつとしてカウントされる料金体系だった。

 田中は疼く腕の表面を掻きたくなるのを堪え、机から顔を上げられないでいた。額に、事務机の硬さと黄色く変色したビニールマットの軟かさが伝わった。

 しかし、休む間も無く、また頭の上のスマホが鳴った。

『「あぁ〜っ!!♡」パンパン🩷「渡邊!♡ 渡邊!♡ 」パンパンパンパンパン🩷』

 田中の呼吸が止まり、急いで電話を取った。スピーカーフォンにする。

『3時までにホテルね』

 無感情で簡潔な声が聞こえ、通話が終わった。田中は声の主がわかった。

 生徒たちが「ホテル」と言う場合、それは渡邊と性交した郊外のホテルを指した。

 今は午後2時30分過ぎ。制限速度を20km/h以上オーバーして、信号も2つ3つ無視する勢いでないと間に合わない。

 1秒でも遅れるとまた「制裁」が待っている。
 
 田中は顔を真っ赤にして、廊下へ出ていった。


 ——

 ずち🩵💚 ぐちゅ🩵💚 ぬちゅ🩵💚 ずちゅ🩵💚 ずちゅ🩵💚 ずちゅ🩵💚 ずちゅ🩵💚

「あっ♡ あっ♡ 波岡♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」

 田中は腰をびくびく♡ びくびく♡ と振動させた。

 そのせいで前後の抽送にランダムなずれが生まれ、感触がさらに複雑になってしまっていた。

「お。このエフェクターめっちゃ良いじゃん」
 
 相手は田中のことなどほとんど気にかけず、自分のスマホの画面にだけ目を向け、「ショッピング」に夢中になっていた。

 出席番号24番。波岡唯。
 ショートカットだが左の前髪だけが長く伸びているアシンメトリーな髪型だった。青と緑のメッシュが入っている。
 
 田中と波岡は渡邊と性交したホテルの、別の部屋にいた。

 高校生と連れ立って来ているからと言って止められることはなかった。恐らく、事前に話がついているのだろう。

 ダブルベッドの上で2人は腰を重ねていた。波岡が下、田中が上だ。

 田中に一切興味なさげな波岡は下半身裸、上は黒いバンドTだった。

 学校で見知った若い性対象に対して性器を抜き挿しする。田中の頭がただれていく。
 しかも波岡の体格は小さく、中学生にも見えてしまう。顔も整っているがかなり童顔だった。
 
 ずぢゅ🩵💚 ぐちゅ🩵💚 ずちゅっ🩵💚 ずっ🩵💚 ずっ🩵💚 ずっ🩵💚

 擦り音が島本や渡邊の1.5倍ほど大きかった。

「うああぁぁ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」

 田中の背中が一面が粟立った。さらに、辛そうに腰をびくつかせ、もう本当にたまらないという様子で呻き声を上げた。

 一往復ごとに田中の体力がごっそり削られた。しかし波岡は涼しい顔で自分の手の中のスマホの液晶に見入っていた。

「これ買いかもなー。

 ……さっさとイけよ、変態教師。

 そうそう。ちなみに私の、何か奥で急に狭くなってるところがあって、そこ潜り抜ける時めっちゃ大変なんだって。知らんけど」

 ずっ🩵💚 ずっ🩵💚 ずっ🩵💚 ずっ🩵💚 ずっ🩵💚 ずっ🩵💚

「う゛ぅっ♡ う゛あっ♡ あ゛っ♡ あっ♡」

 知らんけどではない。こんな重要なことは言っておいて欲しかったと田中は思った。体の小ささとは裏腹に、明らかにこの女子生徒の股の中は危険地帯だった。

 田中の体は汗だくだった。ホテルの、煙草のヤニなどが染みついた布団の上へぽたぽたと粘度の高い汗が垂れた。

 これほどむごい穴は無かった。行きは何とか潜り抜けられるのに、引き抜く時、今説明された狭いエリアへカリ首が「くっ♡」「くっ♡」「くっ♡」と引っ掛かる。容易には戻れない。

 脱出するには一気に力を込めて、カリ首に肉が擦れるのも厭わずに「ずろろろっ🩵💚」としなければならない。その刺激を前に意識を保っておくことは、絶叫マシンに乗りながら世界中の国旗を記憶することより困難だった。

「あ゛あぁあぁっ♡」

 一回一回で腰の感覚が丸ごと無くなり、上半身だけの人間になった。田中は半分以上意識を失いかけながら何度も腰を引いた。

 否が応でも腰を振り続けなければならなかった。

「先生もさぁ、まぁ変態教師だから同情の余地ゼロだけど、災難は災難だよね。もう何人目か忘れたけど。阿部とか木村からこんな目に遭わされて」

 波岡は言ったがスマホを見ながら冷淡に言った。

 木村というのは出席番号5番の男子生徒のことだった。田中も今の状況になって初めて実際の自分のクラスの人物相関が把握できたが、あの赤い髪の、人懐っこかった生徒は、今のこの状況を作り出した中心人物の一人であるようだった。

「な、波岡……」

「ねぇ、忘れた? 腰3秒以上止めたら罰金だよ? 大丈夫?」

「う゛……は、はい……」

 田中は諦めて腰を動かした。波岡は比較的常識人寄りではあるが、こちらへ手心を加える気は一切無いらしい。

 ずるるっ🩵💚 と若い穴にまたカリが擦られ、田中の意識が再び白くなった。

 波岡との取り決めは「3秒腰振りを休憩するごとに3万円支払う」ということだった。さらに「射精しても3万円払う」。

 田中は辛くても腰を振り続けながら、ずっと我慢し続けている必要があった。

 この担任教師は何でも言い成りになる存在ではあるが、誰もが自由に、無限に金を引き出せてはすぐに終わりを迎えてしまう。「遊び」にはルールが必要だった。

 男子は暴力を、女子は体を餌にしたゲームで田中から金を徴収することが決まりになっていた。

 田中は思い知った。これまで「退職」になってきた教師たちは皆このような憂き目に遭い、破滅への道を辿らされてしまったのだ。

「う゛ぅ……♡ 何で……♡ 
 う゛わ゛っ♡ すっご♡ 狭っ……!♡

 何で……俺……が……♡ うぅっ♡」

 田中が腰を引くたびに、ずるるっ🩵💚 と極悪な音が鳴った。

 波岡はスマホ画面を見続けていた。

「知らなーい。単純に運が悪いんじゃない?

 ……ていうか先生、マジで腰振んの下手糞」

 田中はどうすることもできなかった。ずるるるっ🩵💚 ずるるるっ🩵💚 と何度も何度も接合部で音が鳴った。田中の瞳はもうほとんど色味を失っていた。

「う゛ゥッ♡ だめぇ♡」

 弱弱しく田中の腰がびくついた。手と膝と、腰の力が3点同時に一気に抜け落ちた。

 びゅっ!💛 びゅるるるるる💛 びゅっびゅ💛 びゅびゅううぅうぅぅううぅぅ💛

「あっ……♡ あっ……♡ あっ♡」

 田中のペニスが反動で激しく動きながら、ドクドクと熱い液体を穴の中へ注いでいく。

 波岡の無表情から呆れたような気配が伝わってきた。

 田中は取り決め通りに教え子の膣から陰茎を引き抜き、そのままコンドームを外した。

 右手の人差し指にギブスを巻いているせいで通常の倍ほどの時間を要した。


 1週間前、出席番号13番の男子生徒、杉浦のタバコの銘柄を間違えて買ってきたことで人差し指を靴で踏まれ、粉々に潰された。

 この間想像した時のように、枯れ尽くした小枝が容易く粉々にされたような音がした。持ち上げると全面真紫色になり、重力でぷらぷら揺れていた光景を田中は思い出した。


 白い包帯を厚く巻いた指で、やっとのことで田中はコンドームを外した。薄緑色のゴムの中にはたっぷん💛 と見まごうことなく成年男性の精子がなみなみと溜まっていた。

 教え子に対しても、この年齢の少女に対しても、決して出してはいけない罪の証だった。

 田中はゴムの口を結んでベッドへ並べた。緑色のコンドームの数はもう6つ目になっていた。

「はいこれで30万。

 ……私さぁ。DTM始めたいからお金が必要なんだよね。機材とか買い揃えるために。

 こんな高校卒業したいとも思わないし、さっさと中退して、音楽で食ってけるようになりたいの。

 今って配信とかからでもプロになる人多いじゃん? 早く音楽で稼いで自立したいなー。私んとこマジ糞親だから」

「い、いや。

 ちょっと待て」

 田中は思わず顔を上げた。

「ちゃんと専門知識を学んでるわけでもないのに、独学で、音楽だけで食べていくっていうのは非現実的だぞ?

 活躍してる上の方だけを見ても参考にならないからな? 全体でどれだけの人がその道を目指していて、そのうちどれだけの割合の人が生活できているのか、きちんと調べてるのか?

 仮にお前がその道の才能を持っているにしても、いずれ必ず基礎知識は必要となるはずだ。

 それだったら、今はとにかく卒業して、音楽系の専門学校に……」

 田中の体の下で、出席番号24番の小さな体から不穏な気配が放たれていた。

「はっ」

 田中は黙った。つい教師の癖で反射的に喋ってしまっていた。

 波岡の鋭い舌打ちの声が聞こえた。

「……おい。仰向けんなれ」

「ひっ!」

 自分より遥か年下の女子の声とは思えない冷酷な響きだった。

「す、すみません゛っ! 許し……」

「仰向け」

 有無を言わせない命令に田中は泣きそうになった。
 
 3年Ⅳ組の生徒の言うことには絶対に逆らってはならない。

 もしこういった女子の命令に逆らったり、力づくで逃げ出したりすれば、後で必ず言いつけられ、男子生徒達から集団リンチされ、内臓破裂するまで腹を蹴られまくる。

 田中はどうすることもできず、古びたベッドの上で自ら体勢を変えた。


 ————

 ぎしぃっ!!!🛏🩵💚 ぎしっ!!🛏🩵💚 ぎしっ!!🛏🩵💚 ぎしっ!!🛏🩵💚 ぎしっ!!🛏🩵💚 ぎしっ!!🛏🩵💚 ぎしっ!!🛏🩵💚 ぎしっ!!🛏🩵💚 ぎしっ!!🛏🩵💚

「う゛あ゛あぁああぁああ゛ああぁぁあぁあぁ!!!!!!!♡😭♡😭♡」

 田中は肺の全てを使って叫んでいた。

 体重が何度も上からかけられ、そのたびにぎしっ!🛏🩵💚 ぎしっ!🛏🩵💚 ぎしっ!🛏🩵💚 と年代物のベッドが軋んた。スプリングが錆びている音だった。

 部屋の古びた雰囲気も併せて考えると、恐らくこのホテルは平成初期の時代からずっと一度も改装されずに時を過ごしているようだ。

 波岡は無表情で田中を見下ろし、虫を踏み殺すように腰を落とし続けていた。左側の前髪がぱたぱたとなびき、Tシャツの下で小さめの胸がぷるぷる🩵💚 と震えていた。

 擦り音も凄まじかった。辛い音が最速のメトロノームのリズムで鳴り続けている。

 ずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽ!!!🩵💚

「~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

 始まって15分ほど経つが、田中の目はもうずっと真っ白のままになっていた。

 田中の腰の横には精液の溜まった使用済みコンドームが22個並んでいた。

「あ゛あぁ!!!♡♡😭 イグ!!♡♡😭 いがされるううぅぅううぅぅうぅぅぅうぅぅ!!!!♡♡♡😭」

 正確に言うなら「精液が溜まっっている」と言えるのは前半の10個までで、残りの12個はほとんど空気しか溜まっていなかった。

「ひいいぃぃ💀 な、波、波岡♡ ゆ、許して……うっ!?♡」

 カリカリカリカリカリカリカリカリカリ🩵💚と無言で乳首を引っ掻かれた。高速スラップ奏法。

「うぁぁっっ!♡ うぁっ!♡ うぁああぅうぅ♡」

 田中の口から音が飛び出た。乳首はペグのように固くなり、陰茎はぴーーーん♡ と穴の中で無防備に伸びた。

「……マジうざいんだけど。

 何が誰に説教こいてんだよ。女子生徒に欲情して生徒の言いなりになってる社会のゴミが。

 クソムカついたからマジで破産させるね」

「ああぁぁぁ♡♡ な、波岡♡ す、すみまぜん♡ すみまぜんでじだあぁ♡
 ……あ゛ぁっ!♡♡」

 波岡の腰がパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン!!🩵💚 と無慈悲なまでのリズムで打ちつけられた。

 凶悪な演奏だった。

「う゛あぁぁああぁあぁあぁあぁぁああああぁぁぁぁぁぁああぁああぁ~~~~~~~~~~~~~~~!!!!♡♡♡😭♡」

 田中は哭いた。反発係数の高い肉穴の、「キュッ🩵💚」と狭い部分が、高速カッティングのように何度も、何度も何度も何度も何度もカリ首を擦る。

 その度にズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボ🩵💚 と歯切れの良い音が奏でられた。

 カリに引っかかり、田中の腰がぐっ♡ ぐっ♡ ぐっ♡ ぐっ♡ ぐっ♡ ぐっ♡と上に持ち上がった。

「あ゛ああ゛ああ゛あ゛あぁぁあ゛ああぁぁ~~~~~~~~~!!!!!!!♡♡♡😭♡」

 波岡は大股に足を広げ、冷酷に腰を落とし続けた。

 カリカリカリ🩵💚 カリカリカリカリカリカリカリカリカリ🩵💚

 全く容赦が無かった。穴で棒を弾きながら、左右の爪で両乳首も同時に弾き続ける。鬼の3点責め奏法。

「あ゛っ!!♡ 駄目♡ 駄目♡ 駄目ぇっ♡」

 びくっ💛 びくっ💛 びくっ💛 びくっ💛

 田中は無音で、空気だけ出る管楽器を何度もびくつかせた。

 ズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボ🩵💚

「ひいいぃいいぃいぃぃいぃ~~~~~~~~~!!!♡♡♡」

 容赦なく、休みなく動き続ける腰。

 もはや田中にはどんな抵抗も不可能だった。

 最終的に48個のコンドームがベッドに並んだ。田中は240万円を出席番号24 波岡唯に支払う羽目になった。


 ————


「な、何で……何で……ほ、ほんな……」

 田中はまだはっきりと発声ができない状態だった。


 3日前、田中はとうとう校長に泣きついた。

 校長室へ入ると光沢を持った黒い革張りのソファに、50過ぎの頭の禿げた校長が座っていた。
 学校が古いのに、ソファだけは似つかわしくない新しさだった。

 田中は校長へ泣きながら訴えた。何とか自分を保護してもらうことはできないだろうか。

 自分はいくつも取り返しのつかない事をしてしまった。それらのことに対する処分なら何でも受ける。

 あの生徒たちはおかしい。
 非行というレベルを超えている。借金ももう1000万を超えてしまった。送迎用として新車のアルファードのZグレードを買えと言われている。

 校長は赴任時に挨拶をした時や、全校集会で講話をする時のような真剣な表情で聞いてくれていた。

 校長は田中の肩へ手を置いて言った。

「わかった。大丈夫だ。

 私も常々、あのクラスの生徒たちは問題だと思っていたんだ。任せておきたまえ。善処するよ」


 その夜、田中が家に帰ると男子生徒10人ほどが待っており、マンションの前で念入りなリンチを行われた。

 両手の甲が粉砕骨折し、体中水玉模様のように青痣だらけにされた。

 その後、100均へ行かされてペンチを買って来いと言われた。田中はその自分が買ってきたペンチで、上と下の前歯を計4本引っこ抜かれた。

 田中は体が上半身と下半身に別れるほど身をよじった。しかし男子生徒たちの力は強く、体は微動だにしなかった。

 終わった後で抜いた歯を、それぞれ右耳、左耳、鼻、唇の4つのリングピアスに加工して装着させられた。


 田中が廊下をうつむいて歩いていると、チャラ、チャラ、と耳、鼻、唇の歯のピアスがが鳴った。アフリカの少数部族か何かのようだった。

 田中はぼーっとしているうちに校長室の前を通り過ぎた。この部屋は職員室とは全く違う方角にあり、校長へ何かの用事が無ければここへ来ることは無い。

 ぽ。ぽ。ぽ。

 田中は足を止めた。

 校長室の扉には恐らく10年くらい前に描かれたドラえもんの大きなスプレーの落書きがそのまま消されずに残っていた。

 じゅぽ。じゅぽ。じゅぽ。

 その扉の隙間から音が聞こえ、田中は校長室の中を見た。

 いつもの黒い大きな合成皮革張りの椅子に校長が座っていた。脂ぎった茶色い禿げ頭が激しく揺れていた。

 ……じゅぽっ🖤🎹 じゅぽっ🖤🎹 じゅぽっ🖤🎹 じゅぽっ🖤🎹 じゅぽっ🖤🎹 じゅぽっ🖤🎹 じゅぽっ🖤🎹

「あっ……!♡ あ゛ぁっ……!♡ ひぃっ♡ お゛っ♡ お゛っ♡

 これはっ……!♡ と、とんでもない♡ 本当にすごい♡ うおぉっ♡ おっ♡ おっ♡」

 どんな体勢であっても受け止められそうなほど広々とした幅の椅子から校長の体はずり落ちそうになっていた。
 腰から下がとろとろに原形が無くなっているかのようだった。

 赤い絨毯の上へベルトが外れたグレーのズボンが落ち、脛毛が生えた校長の脚が見えた。

 ぢゅぽっ!🖤🎹 という輪状のものが離れる音が立った。

「校長先生🖤 いつもありがとうございます🖤」

 鳴り響いた麗しい声。校長の股間のところから覗く長い黒髪と顔を見て田中は驚いた。

 田中のクラスの出席番号8番の女子生徒だった。

 出席番号40番「渡邊」に次いで最も美人の生徒の一人で、奥ゆかしいお嬢様のような容姿をしていた。

 美しく白い肌。当然のように入れ墨やピアスなどひとつもしていない。成績も学年トップで、3年Ⅳ組の生徒とは思えないと田中はいつも思っていた。

 授業にも毎回サボらず出席していた。田中が「こう」なった後もいつもにこやかに接してくれた。

「し、しかし……さすがに心苦しいな……♡

 あれだけのことをされている人間を見殺しにしているというのは……♡ あぁ……♡」

 その言葉の割に、校長はうっとりと出席番号8番の顔を見つめていた。

「校長先生。いつもご協力ありがとうございます🖤

 今回もこっそり私たちに教えてくださって🖤

 こんなことで感謝の気持ちが、少しでも伝わりますでしょうか……?🖤」

 出席番号8番の艶やかな黒髪が降りていった。再び校長の下半身へ。

「! うお゛っ♡ う゛ぅっ♡」

 じゅぽっ🖤🎹 じゅぽっ🖤🎹 じゅぽっ🖤🎹 じゅるるる🖤🎹 れろれろ🖤🎹 れろれろ🖤🎹 じゅぽっ🖤🎹 じゅぽっ🖤🎹 じゅぽっ🖤🎹

 校長の脛毛だらけの汚い脚が糸で吊られたように持ち上がっていた。
 出席番号8番の頭部が上下に何度も動いた。
 
「お゛おぉぉ~~~~~~っ♡ お゛っ♡ お゛っ♡ お゛っ♡ お゛おおおぉおぉぉ~~~~~♡♡」

 校長は叫んだ。

 出席番号8番は幼い頃からプロにピアノを習っている、ということは教師たちの間では知られていた。
 そのエピソードが遜色ない、上品な見た目の生徒が校長の股間の前で頭を激しく動かしていた。

 上下の摩擦音だけではない。べろべろべろ🩷🖤🎹べろべろべろべろべろべろ🩷🖤🎹 と美しく、しなやかで、しつこい音が鳴った。

 校長の体のよじり方が酷くなった。

「あ゛あぁああぁ……!♡ こっ♡ こんなのっ♡ どこで習ってくるんだっ♡♡

 あ゛っ♡ 凄い♡ ああっ♡ 舐め溶かされ……♡ お゛おおぉぉ♡♡」

 出席番号8番はこちらの楽器の演奏も優秀なようだった。

 音がどんどん速く、ねばっこくなっていった。とてもあんな清楚な少女の、可憐な口が立てている音とは思えなかった。

 れろれろれろれろ🩷🖤🎹じゅぽじゅぽじゅぽじゅぽ🩷🖤🎹れろれろれろれろ🩷🖤🎹じゅぽじゅぽじゅぽじゅぽじゅぽじゅぽじゅぽじゅぽじゅぽ🩷🖤🎹れろれろれろ🩷🖤🎹じゅぽじゅぽじゅぽじゅぽじゅぽじゅぽ🩷🖤🎹

「お゛ぉおおぉおお~~~♡♡ お゛っ♡♡ お゛っ♡♡ お゛おぉおお~~~♡♡」

 下品すぎる口の音色と組み合わさって、50過ぎの中年男の形をした楽器も大いに演奏された。

 じゅぱぁっ🖤🎹 とまた口が離れた。校長の脚がひくひくっ♡ と震えた。

「校長先生。

 ——実は、今日はまた一つお願いがあるんです」

 出席番号8番は神妙な声で言った。

「Ⅳ組に炭酸水サーバーを設置してもらえないでしょうか?」

「え!?」

 校長が動揺の声を上げた。

「こ、この前冷凍庫つき冷蔵庫を買ったばかりなのに……」

「すみません。炭酸水があったほうが割って飲むのにいいからって意見が結構多かったので……」

「わ、割るって……まさか……

 だ、だめだ! いくら何でもそんなこと、学校で……もし表にそんなことが出たら……」

「ねぇ校長先生。心を込めてお願いしますから……ね?🖤」

 出席番号8番の頭がまた下がった。

「ま、待って……

 ……この前は全自動雀卓、この前はビリヤード台……

 お゛ぉっ!?🎹♡」

 校長の体が跳ねた。

 ガタッ!♡ ガタッ!♡ と座椅子が迫力満点に揺れた。

 出席番号8番の頭が先ほどまでより激しく上下していた。複雑で表現力豊かに曲を演奏するようだった。

 じゅぽ🎹🖤じゅろろろろろ🎹🖤れるれるれる🎹🖤🩷じゅぽぽぽぽぽ🎹🖤れろれろれろ🎹🖤🩷じゅぽじゅぽじゅぽじゅぽじゅぽじゅぽ🎹🖤れろれろれろれろ🎹🖤🩷じゅぽじゅぽじゅぽじゅぽじゅぽじゅぽ🎹🖤

「お゛おおぉぉぉおおぉ~~~~~っ!🎹♡ お゛っ!🎹♡ お゛っ!🎹♡」

 素晴らしい演奏だった。連弾されているピアノの黒鍵のように校長が本気で跳ねていた。

「こっ♡ こんなっ!♡ 

 こ♡ これが——『フェラランキング2位』の実力♡

 ——お゛おおおおお゛ぉおお゛ぉおおおぉぉ!!!♡🎹♡ お゛っ!♡🎹♡ お゛っ!♡🎹♡ お゛っ!♡🎹♡」

 よほど技巧的な「演奏」をされているらしい。椅子から転げ落ちそうな醜い楽器は身をよじり、首を振り、出来立ての焼き豚のように濃厚な脂汗を浮かせ、うっすら涙を浮かべた。

「お゛お゛ぉおお゛ぉおおおぉぉ!!!♡🎹♡ お゛っ!!♡🎹♡ お゛っ!!♡🎹♡  お゛っ!!♡🎹♡ お゛っ!!♡🎹♡

 あ゛あぁっ♡ だめっ♡ だめっ♡ 何でこんな美しい顔の娘が♡ こんな技♡ 凄い♡ 凄い♡ ひいいぃぃ♡ そんなとこばかりしつこくっ♡

 お゛っ♡🎹 お゛っ♡🎹 お゛っ♡🎹 お゛っ♡🎹 お゛っ♡🎹」

 クライマックスのように股間のところで凄まじい音が鳴った。

「お゛っ♡🎹 お゛っ♡🎹 お゛っ♡🎹 お゛っ♡🎹 お゛っ♡🎹

 わがった!♡ わがった!♡ 言うこと聞ぐっ!♡ 何でも言うこと聞くから……!♡

 あ゛っ♡🎹 あ゛っ♡🎹 あ゛っ♡🎹 あ゛っ♡🎹 あ゛ぁ~~~~~っ♡🎹 ……う゛ぅっ!!♡🎹」

 びぐっ💛🎹 びぐっ💛🎹 びぐっ💛🎹 びぐっ💛🎹 びぐっ💛🎹

 楽器が震えた。
 ジュルジュルズゾゾゾゾゾ~~~🎹🖤「お゛ぉおおぉぉ~~~~♡🎹」

 思わず耳を塞ぎたくなるほどの汚い終結部を聞き終え、田中は校長室の前を去った。


 ————


 2か月後。

 田中が居たのは保健室だった。

 消毒液のつんとする臭いが漂っていた。古く色褪せた床に鉄製の事務机が二つ置かれ、閉め切られたカーテンは薄黄色に汚れていた。

 田中が腰を下ろしているのは回転式の黒い丸椅子だった。頼りない座り心地で、重心を僅かでも傾けるとキーキーと音がした。

 田中の体は今や、どうすることもできないほど悲惨な状態となっていた。

 体中に煙草の根性焼きの痕が無数にあり、汚いプラネタリウムのようになっていた。両目の瞼や舌にまで火傷の痕があった。

 髪は相変わらず中央だけ無く、禿げた部分は医療脱毛されており永遠に元通り毛が生えることは無い。

 耳、鼻、唇に取りつけられた歯のリングは12個に増えていた。

 両胸に赤、緑、黒、白の、ダーツの的を模した絵柄の刺青が彫られ、いくつも深々とダーツの針が刺さった痕があった。

 さらに体中に刻まれた入れ墨の文字が夥しく増えていた。「10回射精した罰 ムカデ20匹と添い寝10時間」「キスで勃起した罪 チンコデスソース3日漬け」「オナホで出した精液ジョッキ一気飲み」等、その他小さい文字でこれまで受けて来た罰が40個以上書き連ねられていた。

 田中の目は殴られ続けて瞼と涙袋の周りが突然変異のパンダのように青く腫れあがっていた。

 「大丈夫? 田中先生」

 田中の顔を一人の女性が覗き込んでいた。
 28、9歳くらいの養護教諭だ。

 髪はボブショートで、さっぱりした性格をしていそうな美人だった。実際に見た目通りの性格で、田中はその養護教諭と、新任時の飲み会の時に行ったカラオケで肩を組んで一緒に古い曲を歌った覚えがあった。

 薄緑色で丸襟の薄いブラウスの上に、いかにも何年も着こなされたという雰囲気の白衣を羽織っていた。

「生徒たちに滅茶苦茶されてるみたいだけど、負けちゃ駄目よ。
 はい、消毒終わり。

 もともと肌が弱いみたいだから、ピアス向いてない人なのよ。田中先生は」

 ピンセットが開き、消毒液を吸った脱脂綿がゴミ箱へ落ちた。

 田中の両耳は熟したように赤く腫れあがり熱を持っていたが、痛みは幾分か引いていた。

 田中の体が震えた。

「う゛っ、う゛ぅ……う゛ぅぅ~~~~」

 コントロール不能になった田中の眼球から涙が垂れ落ちた。喉から嗚咽が上って、呼吸もろくにできずに呻き声だけを漏らした。

「う゛っ……す、すみま……せん……藤井先生……」

 田中は養護教諭に言った。

 田中の体に近づいてくる気配があった。年上の養護教諭は田中の肩へ手を置き、もう片方の手で田中の頭をポンポン、と撫でた。

「すみま……せん……すみま……せん……う゛ぅ……う゛ぇ……」

 田中の両目から、鼻腔から、涙と鼻水が次々出て来た。

 2人ともずっと無言で、藤井教諭はただ肩を抱き、頭をそっと撫で続けてくれた。手のひらからじんわりと暖かさが伝わってきた。


 ————


 その日の夜、カラオケ店。

 暗がりにLEDのエフェクトが回転する中、生徒たちが談笑をしていた。

 チューハイの缶を開くカシュッ、という音が響いた。

「昨日イベントの日だったのに全然出なかったんだけど」

「駅前のBIG7行けば良かったのに。あそこめっちゃ出たよ」「マジ?」

 業務用の換気扇でも容易には吸い込みきれないほど、部屋中に多種多様にブレンドされたタバコの煙が停滞していた。

「終(ほ)わったよー💚」

 扉を開け、笑顔で入ってきたのは藤井養護教諭だった。

 白衣を脱ぎ、薄緑のタンクトップのブラウスから白い肩を露出していた。

 あ~ん💚 と開けた養護教諭の口には白い液体がたっぷりと溜まっていた。

 そのどろっとした汁を全て、手に持っていたドリンクバーのコップの中に落とした。

 コップには同じ白い精液が表面張力がかかるまで入っており、湯気が上がっていた。

 養護教諭はべろりと長い舌で唇をぬぐった。赤い口紅が塗られた口端に一本陰毛がくっついており、それをぷっ💚 と机の上に吐き出した。男子生徒の何人かが声を上げた。

「ねぇ、ケイト~💚」

 藤井教諭は大きめの尻を長ソファーに落とすと、隣に座っている男子生徒にすがりついた。コップがゴトッ、と音を立てて机の上に置かれた。

 出席番号11番、日本とアメリカのハーフ、坂田ケイトが興味無さげに藤井教諭の方を見た。

 茶褐色の肌をした腕に厳めしい十字のタトゥーが入っていたが、顔は彫が深く、男性アイドルのように美形だった。

 出席番号11番は顔をしかめてタバコを置いた。

「そんなもん机に置くなよ。この年増」

「あぁ~ん💚 ごめんってぇ💚」

 藤井教諭はまた媚びるような声を出した。コップを机の端に押しやる。


 興味なげに動かされたコップの中で、だぷぅ💛 と、誰かの辛い思いが宿った白濁が揺れた。

 藤井教諭の後ろから入って来た女子生徒たちが口々に言った。

「藤井ちゃんマジでエグかったわ……」

「さすが『フェラランキング』ぶっちぎり1位」

「いやだから私を入れるなっつーの!

 私はOBなんだから」
 
 藤井教諭が言う間に、出席番号6番の女子がスマホを操作して動画を周囲に見せた。

 スピーカーから、もう本当に勘弁してほしいという中年男性の泣き声と、工事用の排水装置が全開で動いているような強大な音が聞こえていた。

『ズボボボボボボボ💚👄 ズボボボボボボボボ💚👄 ズゾゾゾゾゾゾゾゾ💚👄』

『……——お゛っ!♡💀♡😭 お゛っ!♡💀♡😭 お゛っ!♡💀♡😭』

『ずごごごごごご💚👄 ぎゅいぎゅい💚👄 ずぼぼぼぼぼぼれろれろずこずこずこずこ💚👄 ズゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾ💚👄』

 それは男なら誰もが恐れ慄いてしまうような惨たらしい音だった。

 藤井教諭は胸を得意げにぽんぽん💚と叩いた。

「ちゃんと念書書かせたわよ💚

 『地下の「Ⅳ組専用クラブフロア」にDJとミュージシャン10人呼んで、無料クラブイベントを来週中に開きます』って💚

 いくらかかるんでしょうねー? 200万くらい?」

「怖えー……」

 『ズボボボボボボボボボ💚』と異常な音がスピーカーから流れ続け、小さな画面の中では店長がジタバタ♡💀全力で脚を上下に動かし続けていた。

「ね💚 言うこと聞いたんだから、デートしてね💚」
「嫌だ」
「え~!」

 藤井教諭が不満そうに、それでも出席番号11番に頬ずりしようとすると、鬱陶しそうに顔を押し退けられた。

「酷ぉい💚 でも若くて顔がいいから許しちゃうぅ~~💚

 10個下イケメンマジサイコー!💚💚」

 藤井教諭が悦楽の極みのような表情を浮かべ、周りの生徒が顔を引きつらせた。

 大部屋のカラオケルームにはEDMのプレイリストが流され続けていた。

「じゃあ藤井ちゃん、明日も宜しくね」

 出席番号3番の男子生徒が言った。

 藤井教諭は少し暗い顔になり、ため息をついた。

「……全く、あんたたちもほんと悪ガキねぇ。

 田中先生を保健室で誘って、ベロチューしながらの正常位で精液空にした後に全員が教室の中へ入ってネタばらし。

 その後フェラで延々イかせまくる……だっけ?

 はぁ……田中先生可哀そう。歓迎会で『モーニング娘』熱唱した仲なのに——」

 藤井教諭は出席番号11番の方を見た。

「ねぇ、欲しがってたバイク、いくらだっけ?」

「450万」

 出席番号11番は淡々と言った。

「——確か基本料金30万、フェラで1発にイかせる毎に3万だったわね?

 ということは……

 140発ね……💚 ごめんなさ〜い、田中先生💚」

 藤井教諭は目を細め、べろぉ💚 と舌を出した。

「うっわぁ……エゲツなぁ~~~」

「たなティーかわいそー……」

「ていうかそんなんしたら、たなティーしばらく勃たなくなっちゃうんじゃね?」

「1ヶ月後までに治ってたら大丈夫、大丈夫」

 男子生徒の一人が言った。

「次のイベントは来月だから。

 今日のメインはその打ち合わせなんだけどね」

 クラスの中心人物たちが大部屋の中央に集まってきた。
 

 ————


「う゛ぁっ……う゛っ……

 行がないと……行がないとぉ……」

 田中は必死に廊下を進んだ。

 がつっ、がつっ、と松葉杖を突く音が響いた。

 石膏で固めた両足が重かった。体重を前へ移動させる度に鈍痛が手足を浸した。
 
 裸の体の下でぷらぷら♡ と、悲惨な状態になった田中の陰茎が揺れていた。

 昨日、田中は1ヶ月にもわたる泌尿器科通いを終えたばかりだった。

 「先輩教師とキスハメした後、皆の前で泣きながら140回チンポ空撃ちさせられました♡」という極太のタトゥーが、一番目立つ体の中央に刻み付けられていた。

 何度も何度も精液の出ない陰茎を絶頂させられ、管の中の空気を吸い取られ、田中の精管は酷い炎症を起こし、一時的に性器が不能の症状に陥っていた。

 田中は廊下の途中でふと気づき、顔を上に向けた。

 ちょうど階段の踊り場に藤井教諭がいた。藤井は職員室から保健室へ戻るところらしかった。

 先輩教師は田中に気づくと笑顔を浮かべ、ヒラヒラと手を振った。

 田中はびくっと体を震わせ、背中に大量の汗をかいた。唇の痕だらけになった陰茎がぴくくくっ♡ と反応した。田中はすぐに目を逸らし、必死に松葉杖を操ってその場を去った。



 滲んだ視界の中、田中は辿り着いた。

 扉の上に「3年Ⅳ組」のプレート。

 田中にとってその場所はもう、強い恐怖の対象でしかなかった。

 田中は青ざめた顔で引き戸の取っ手に指をかけ、恐る恐る開いた。


 ————

「たなティー、『修学旅行の行先決め』、真面目に考えてね」

「俺たちの一生に一度の思い出なんだから」

 黒板にチョークで文字が書かれていた。

 “0回射精→京都

 10回射精→沖縄

 20回射精→韓国

 30回射精→ハワイ

 60回以上→ラスベガス”


 ——パンッ💙パンッ💙パンッ💙パンッ💙パンッ💙パンッ💙パンッ💙パンッ💙パンッ💙パンッ💙パンッ💙パンッ💙

「だ ずっ!!! だ ず げで え゛えぇ えぇ ぇええ゛えぇ~~~~~~~!!!!!!!!♡💀♡💀♡💀」

 教室にはむせ返るような若い雌の臭いと、田中の温められた精液の臭いが充満し、息をすることすら難しかった。

 田中の体中の色んな箇所で、色んな音が響いていた。

 ぎゅううぅぅ🖤🙈🎹🖤 つねつねつねつね🖤🙈🎹🖤 じゅぽじゅぽれろれろれろれろれろれろ👅👄🧡れろれろ👅👄🧡ぱんぱんずぼっずぼっずぼっ💙💙

 どれもこれも個性に溢れ、辛い音だった。

「あ゛っ!♡ あ゛っ! ♡あ゛っ!♡ あ゛っ!♡ あ゛っ!♡ あ゛っ!♡」

 田中の体は熱を加えられたトウモロコシのように激しく、惨めに跳ねた。

 腰がガクン♡ ガクン♡ と殺されかけているように情けなく跳ね上がった。

 石膏で覆われた田中の手足がばこっ、ばこっ、と教室の床に当たった。

 体中に教えられる。様々な辛さを。二度と忘れられないくらい。

 むちむち、すべすべとした柔肌が、何種類も体の上で賢く動いていた。

 手も、口も、腰の動かし方も、「たなティー」の辛い所、啼かざるを得ない所をどんな教科よりも詳しく、隅々まで心得ていた。

 カリカリカリカリ🖤🙈🎹🖤 ギュウウゥゥゥゥ🖤🙈🎹🖤 ぐちゅぐちゅれろれろれろれろ👅👄🧡ずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽ💙💙

「あ゛っ!♡ あ゛っ! ♡ あ゛っ!♡ う゛あ゛あぁぁあ~~~!!♡ あ゛っ!♡ あ゛っ!♡」

 田中はあまりにも辛すぎて頭をぶんぶんと振った。接着されたスマホの重さ分、首に多量の疲労が蓄積された。涙と脂汗が顔から飛び散った。

「だずげでえぇぇえ゛えぇえ゛ぇ♡♡ 誰か♡゛あぁぁあぁぁ♡

 ……う゛ぅっ!♡」

 びくっ💛 びくっ💛 びくびくっ💛

 田中の腰が限界をとっくに超えた様子で、弱々しく引きつった。

「これで61発! クラス全員ベガス行き決定ぇ~~~~!!!」
 
 歓声と指笛の音が3年Ⅳ組に響いた。

「あはっ💙 やったー💙

 やっぱ雑魚いねー💙 たなティー💙 久しぶりの私のおまんこ、気持ち良かった?💙」

 田中の体に楽々跨ったまま、出席番号12番 島本が言った。

「先生🖤 これまで皆に虐められすぎて、乳首がとっても鳴らしやすくなってますね🖤」

 美しい黒髪を手で持ち上げながら、出席番号8番が言った。

「私、正直ラスベガスには去年の夏に家族で行ったので、あまり新鮮さは感じないのですが……クラスの皆で行くというのもそれはそれで楽しそうです🖤」

 しなやかな指先が左の乳首へ伸びてきた。ピアノの腕前と同様、とてつもなく、泣きたくなるほど器用な指遣いだった。

 じゅぽ🧡👄じゅるるるるる🧡👄れろれろれろれろれろ🧡👅

「ひいいぃぃぃぃ!!!♡」

 田中の顔がぐんっ! と反った。

 右側の乳首が溶けて失くなったのではないかと思った。

「ぷはっ🧡 田中せんせーどう?

 もう田中せんせーのちんちんから万引きするの飽きちゃった🧡

 だから今日は田中せんせーの弱ーい乳首を舐めて、何も考えられなくしちゃいまーす🧡」

 じゅぽ🧡👄😵 れろれろれろれろ🧡👅😵 ずぞぞぞぞぞ~~~🧡😵

 出席番号26番、西浦亜椰華の悪い口が窄まり、乳首からあらゆるものを盗み始めた。

「あ゛お゛ぉおぉぉ~~~~~っ♡♡ だめっ♡💀 だめっ♡💀 だめえぇぇぇ♡💀」

「きゃはは💙 出せ出せ💙 変態💙」

 ぱんっ!💙 ぱんっ!💙 ぱんっ!💙 と島本の腰が凶悪に動いた。

「あ゛ぁああぁぁ~~~~~~~♡♡!!」

 びぐっ!!💛 びぐびぐっ💛

 田中の腰が無残に跳ねた。

「ぷっ💙 もう空気しか出てないね💙 ……あ💙 もしかして早めに精液出し切って、証拠わかんないようにしたん?💙

 頭いいー💙 さっすが教師💙

 じゃあ言い訳できないよう、ゴムが風船の大きさになるまで空気出させてアゲル💙」

 島本の腰がまた動き出し、ずぽずぽ!💙😜 と音が鳴った。

 右の乳首をじゅるるるる~~~!!🧡👄😵 と吸い立てられ、左の乳首をぎゅーーー🖤🙈🎹 カリカリカリカリカリカリカリカリ🖤🙈🎹 と奏でられる。

 タトゥーと火傷だらけの田中の顔がさらに反った。

 黒板に書いてある文字が目に入った。

 ——70回射精で全員ビジネスクラス

 ——80回射精で5つ星のホテル

 ——90回射精で全員にお小遣い100万円

 ——100回以降 1回ごとに滞在日数1日追加

「あ゛っ!!♡ あ゛っ!! ああぁぁ゛~~~!!♡ あ゛ああぁぁ~~~!!!」

 田中は泣きじゃくった。泣きすぎてふやけた目の周りへさらに塩水が追加された。

 あはははは!! と生徒たちは無邪気に笑った。

 教室には笑顔が溢れていた。

 しかし教室の中央の教師に向けられる目は、どれもこれもあまりに狂暴で冷たかった。

 辛い。どうすることもできない。周囲には屈強な男子生徒たちがニヤニヤしながら様子を見つめ、それぞれ田中がその感触をしっかり覚えている拳を作っていた。

「それじゃ、風船作りのついでにおまんこ当てゲームね💙 たなティー💙

——はい、私のパンツで目隠しかんりょー💙

 じゃ、1人目💙」

 ぬぽぬぽ🤎 ぬぽぬぽぬぽぬぽ🤎 ぬぽぬぽぬぽぬぽ🤎

「あっ!!♡ あっ!!♡ 腰っ♡ つられて動くううぅぅぅっ♡

 あっ!!♡ あっ!!♡ わ゛っ!♡

 渡邊!♡ 渡邊ええぇ!!♡」

「正解🤎 キショ」

 ぬぽぬぽぬぽぬぽぬぽぬぽぬぽぬぽ🤎🤎
 
「あ゛っ♡ いぐっ♡ いぐううぅぅ♡

 う゛っ♡」びくっ💛 びくびくびくっ💛

「はい、じゃあ2人目ー💙」

 ずぼずぼずぼずぼずぼずぼずぼ🩵💚

「あ゛っ! 狭い♡ 引っかかる♡

 なっ♡ なっ♡ 波岡!♡♡ 波岡あぁぁ!!!♡♡」

 びぐっ💛 びぐっ💛 びぐっ💛

 ぐちっ💚 ぐちっ💚 💚

「あっ♡ ああぁぁっ♡ かっ♡ からみついてっ♡

 なっ♡ なんでぇぇえぇ!?♡ さっき♡ すれ違ったのにっ♡

 なんで参加してるのおぉ♡

 藤井先生っ♡ 藤井先生いいぃぃぃ♡」

「当たり💚

 凄い凄い💚 田中先生💚 もうゴルフボールくらいの風船できてる💚」

 びぐっ💛 びぐびぐっ💛 びぐっ💛

 ……


 ————


 田中が後に残した紙にはこれらのことが書かれていた。

 多額の借金を残して死ぬことに対する謝罪。

 生徒たちに今まで受けた所業。自分が行ったことへの悔恨。

 そして手紙は最後にこう結ばれていた。

 「“生徒たちには知ってほしい。

 何でも自分の思い通りになると思ってほしくない。

 この世の中は、想像もつかないことが必ず起きる。

 これからの人生、思い通りにならないことはいくらでもある。

 自分の末路を見て、そのことをこの先の人生で、よく覚えておいてほしい”」


 田中は錆びた金網を乗り越えた。

 直線に横に伸びた末端。

 気の遠くなるほど下に黒いアスファルトの道と、自分のアルファードの天井が小さく見えた。

 風はほとんど吹いていなかった。白く膨らんだ入道雲が千切って取れそうな位置に見えた。

「これで……これで終わる……」

 田中は真っ白な顔で下をずっと見続けていた。スマホの重さ分頭が重い。日差しが裸の体に刺さった。

「あいつらの思い通りになんてならない……

 俺は大人なんだ……あんな奴らの思い通りになんて……」

 体重が前に傾いた。

「あっ」

 緊張で乾いた喉から音が出た。

「あぁっ! あっ!」

 逃れ難い、見えない力が田中の体の全てを掴んだ。

「た、助けてっ! や、やっぱり……

 うぁぁあぁあつ!!」

 頭についたスマホや、生徒たちによる負傷の分だけ体のバランスを戻すことができなかった。

 無力な裸の体は、青い空の中へ吸い込まれていった。
 
 

「あー、ラスベガス楽しかったねー♡」

「あ。そういえばたなティー死んだらしいよ。帰ってからすぐ」

「マジ? どの方法だった?」  

「飛び降りだって。学校の屋上から」

「やった!
 大当たりじゃん」

「飛び降り自殺の予想が一番多かったから、たなティーって名前、つけたんだもんね♡

 TOBIORIの『T』♡」

「ダメな大人ってみんな想像通りのことしかしないよねー」

 将来私たちはそうならないよう気をつけよう」

 田中教諭の名前は、一週間もしたら誰の記憶からも消え去ってしまった。


 おわり
As
asha11asha
Re: 【日文pdf】サキュバスアドベンチャー
仅镜像
铁枪龙和无君骑士还挺帅的,之前看的是p站免费版的,没插图。这篇感觉最色的是那个旅馆那章,女仆长那章也不错。其它章只能说,打牌太影响涩涩了——我控制不住我自己想赢的心啊!