求日文原版小說"第55期対淫魔戦士養成学校卒業検定・首席卒業者の顛末"

短篇转载纯爱BFadd

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求日文原版小說"第55期対淫魔戦士養成学校卒業検定・首席卒業者の顛末"
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求日文原版小說

現在有AI漢化都還能看了,然後看到有作者發這篇的二次創作

然後我找不到原文...

二創那篇我發下面

「ひあ、あああぁ……♥ 頼むっ、ゆるしてっ♥ ゆるして、くれえぇ……っ♥」

「許す? くすくす……おかしなことをおっしゃるのですね、リッツさん」

 わざとらしく口元に手を当てるユリアは上品に微笑し、己の『下』にいる俺を見下ろしていた。

 陶磁器の如く白く滑らかな曲線を描くでん部が、限界寸前まで怒張したペニスをむぎゅむぎゅと押しつぶす。

 ともすればその感触だけで果ててしまいそうな心地よさだが、彼女の巧みな動きと力加減が精液の流出を尿道半ばのところで留めている。
 
「わたくしは怒ってなんていませんよ? ただ……あなたがあまりにも、『女の子』のようにか弱いので、責めの手が鈍っているだけです」

 腰がゆらりと前に傾く。尿道の中の精液が尻肉に圧迫され、射精感が一気にせり上がってくる。

 その機を逃すまいと俺は腰を突き上げるも、遙か遠くから投げられたボールをよけるみたいにひょいと躱され、虚しく空を切った。

 ユリアの長い黒髪が揺れ、甘い香りが鼻腔を突く。もうはち切れそうになっているのに、睾丸でさらに子種が造られてる気すらした。

「傍から見れば、手加減して嬲っているようにも見えるかもしれませんね。……あの時、わたくしがどういう気持ちでいたか、少しは理解できましたか?」

 言葉に怒気は含まれていない。口調も品を崩さずたおやかだ。ただ情け容赦のない生殺しの腰遣いが、幾千の恨み言の代わりとなっていた。

 王国戦士養成学校卒業検定――

 肉体と性技により、淫魔を絶頂にたらしめることで討伐する『戦士』の資格は、養成学校での三年の修行を積んだ後、同学年の者同士との試合の勝敗で合否が決定される。

 試合相手はランダムなので、運次第では楽勝の相手に当たることもある。当然その逆、相性の悪い難敵とぶつかることもある。

 試合のカードは一週間前に組まれて掲示板に張り出されるので、その間にじっくりと対策を練り、その傾向に合わせた特訓を重ねることができる。

 十分な準備期間が設けられていることからジャイアント・キリングが起こることも珍しくない。

 弱者は、強者に挑む際の対応。反対に強者は、いかに格下に番狂わせを起こさせず確実に下すか。選定方法の性質上、生徒の半数は不合格となり留年するわけだが、卒業に足るかをを見極めるに相応しい実戦的な試験だと俺は思う。

 それを踏まえて俺の試合相手――ユリアは、最悪の相手といってよかった。

 入学してからの三年間、一度として敗北したことがない、無敗の女王。俺もスパーで相手をした経験があるが一分とタっていられたことはない。

 また数日前の野良試合では、幼なじみのアイナよりもユリアの方が好きだと宣言させられながらの射精、完全敗北を喫してしまっていた。

 そしてさらに悪いことにユリアは、戦士学校に入学する前の王国剣術大会で、俺に負けたことを根に持っている。正確には俺が、女の子を傷つけないという、勝負の世界において間違った優しさを見せてしまい……観客の前で何度も何度も剣を寸止めした果てにギブアップさせてしまうという屈辱を味わわされたことについて恨んでいる。

 そんな、実力もモチベーションもたっぷりな相手に対策など立てようもなく、俺はほとんどぶっつけ本番で彼女との試合に臨んだのだが……

「これでは数日前の延長……いえ、さらにひどいですね。一度射精してしまってからは逃げ惑うばかりで、今もこうして……くす♪ 自ら敗北を望んでしまっている。惨め、この上ないと思いませんか?」

 ――ユリアとの勝負は、一度、肌を重ねただけで決していた。

 俺は試合開始と同時に力任せにユリアを押し倒し、先手必勝とばかりに股を広げさせて陰唇にむしゃぶりついた。

 しかし俺は舌技を繰り出すのに夢中になってしまっていた。……ユリアのしなやか両足が、俺の股間に伸びていっていることに気づかずに。

 結局……両足の土踏まずの間で、ぎゅむっ♥とお互い踏みつけ合うように挟まれた俺のペニスは、10秒と持つことはなかった。試合用のベッドのシーツにありったけの白濁をぶちまけた瞬間、俺の心は敗北に染まってしまったのだ。

 ……だがそれは、これから起こる本当の辱めの、ほんの序章に過ぎなかった。

 もはや俺に戦意が残っていないにも関わらず、ユリアはその色香でもって無理矢理ペニスを勃たせると、卓越した性技で何度も何度も寸止めを繰り返してきたのだ。……いつの日か己が受けた雪辱を晴らすかのように。

 手で弄び、豊満なバストの中にしまい込んでは暴発直前で乳圧を緩め。

 口内に咥え込み、舌でかき回しては、絶頂に至らない程度のチロチロ舐めで無駄に脈打ちさせて。

 あえて俺の有利な後背位で責めさせることもあったが、こちらの腰の動きとペニスの臨界点を完全に掌握されてしまい、イク前に俺の体力の方が先に尽きてしまうという体たらくであった。

 卒業検定の試合には時間切れも無く、ギブアップも許されない。どちらかの性的快感による失神によってしか、勝負はつかないのだ。

 しかし俺は降参を叫ばずにはいられず、そして叫ぼうとする直前、見計らったかのように口を女の武器で塞がれる。おっぱい、女性器、お尻……その度、俺の精神に行き場のない興奮と焦燥が蓄積していく。

 そして唯一の逃げ場である失神による敗北も、文字通り目覚ましいまでの快感によって、意識を呼び覚まされるのであった。
 
「あああぁ……♥ イきたいっ♥ もうチンポ限界なんだっ♥ 狂うっ! このままじゃ……おかしくっ、なるぅ……っ♥」

 周りで観戦している他の生徒たちの前で、俺は恥も外聞もなく敵であるユリアに絶頂を請うた。

 残酷なまでの実力差の前で歓声などは上がらず、ただユリアに対して、男子からの畏怖と女子からの畏敬が集まる。

「……そんなに、射精したいのですか? ……負けたいのですか?」

「あ、ああ! もう俺の負けでいい! 今年の卒業は諦める! だから、早く……っ♥」

「でも困りましたねぇ。あなたがあまりにも辛抱強いものですから、実はわたくし……疲れてしまいまして。もう男性器一本握る握力も残っていませんの」

 わざとらしくぷらぷらと振ってみせる手の平の下では、一切のたゆみなく腰がくねり続けている。

「う、ウソつけっ! 一晩中だってヤり続けられる体力の癖に……っ!」

「ですからね、リッツさん。もしあなたが負けたいというのでしたら……文字通り、ご自分の手で、敗北してください」

「じ、自分の手……だと!?」

「ええ。皆さんの――アイナさんの見ている前で、惨めに、なさけな~く……自分でペニスを握りしめて、シコシコと……誰の目からもわかりやすいように、敗北を示してください」

「で、できるか、そんなみっともないこと!」

「そうですか。でしたら、このままずっと射精はオアズケですね。二晩でも三晩でも付き合いますよ? リッツさんが音を上げるまで……♪」

 ユリアが妖しい笑みと共に、尻の下に敷かれたペニスに手を伸ばす。にゅる、にゅる♥と先走りを絡めた指が敏感な箇所に潜り、腰砕けの快感を与えてくる。

「ぐああぁ……っ♥ わ、わかった! するからぁ……っ♥ うぁっ♥」

 こんな生殺し、一晩どころか数十分だってもちそうにない。

 俺が涙ながらに哀願すると、ユリアは俺の身体から退いて、ギンギンに硬いままのペニスを解放する。腕を引き、へろへろになった身体を起こさせる。

 そうして周りのギャラリーがざわつく中、「さあどうぞ♪」と、手の仕草で促され……

「はぁはぁ……♥ くそっ、こんな恥ずかしい真似……っ♥ ううぅっ♥ きもちいい……♥」

 俺は自分のペニスを握りしめ、衆目の集まる中心で自慰行為を始めてしまったのだ。

「おやおや……♪ みっともないがに股で必死にご自身を慰めて、まるで発情期の猿のようですね。仮にも戦士を志す者がその有様なんて……ふふふ、醜態……ですね」

「お、お前がさせてるんだろ……おぉっ♥ コッチは早く負けたくて、んぁっ♥ チンコ扱いてるのに……っ♥」

「まあそう言わずに。ほぉら……せめてものお情けです。オナニーのオカズぐらいにはなって差し上げますよ」

「こうして、目の前でお胸をむにゅむにゅ……ずりずりこね回して……たっぷぅん……。おやおや、手の動きが速くなりましたね?」

「あううぅ……♥ デッカくて、エロいおっぱいしやがってぇ……♥ ダメだっ♥ 負ける♥ チンコ負けちゃううぅ……♥」

「敵の裸体をオカズにオナニーなんて、淫魔に魅了された雄の如き振る舞い……戦士失格ですね」

「ほら、そのまま射精してください。あなたが待ち焦がれた、甘美な敗北ですよ? 誰に負けさせてもらったかを、その口で、ハッキリと言葉にして、敗北宣言なさってください……」

「ひあああぁっ♥ 俺はっ♥ ユリア様に負けさせていただきましたっ♥ 自分でチンポ扱いて自滅して、完全敗北ですううぅっ♥」

 俺は楽になりたい一心で、自分でも何を口走っているのか分からないまま……降参の白旗をユリアの裸に向かって思い切りブチ撒けてしまった。

「……ふふ、これでやっと、三年越しの借りを返せました。やらせておいて何ですが、思っていたより気持ちのいいものではありませんね。溜飲が下がったことは確かですけど……」

 ユリアは己の身体に降りかかった精子を指で掬って舐め取ると、氷のように冷たく、しかし可憐な微笑に口端をゆがめてみせた。

 俺は淫魔の実物を見たことはないが、きっと本物の淫魔とは、目の前のコイツのような存在のことを言うのだろう。そう思わせるだけの凄艶さをユリアは纏っていた。

 身も心も蹂躙され、同学年の皆、ひいては幼なじみのアイナにまで、戦士としてあるまじき痴態をさらした、完膚なきまでの敗北。

 そしてさんざ焦らしに焦らされた射精の達成感と脱力によって、俺に試合のルール上の敗北が訪れる。

 強烈な睡魔が意識に覆い被さり、俺は泥のようにベッドの上に沈んでいく。

 そして目を完全に閉じきる間際、耳元で冷たく囁かれるのであった。

「留年おめでとうございます、リッツさん。これから一年、また頑張ってくださいね。……あるいは、二年三年と」

「あぐああぁぁ……♥ だめだっ♥ もう出るうぅ……うぅっ♥」

 恥辱の卒業試験から数ヶ月が経ち、俺は当時と変わらぬ快楽の悲鳴を、練習用のベッドの上であげていた。

「あ……す、すみません先輩! もう少し手加減した方がよかったですか……?」

 太ももの間でぴゅるぴゅると精を吐き散らす肉棒に戸惑うのは、俺より一つ年下の、そばかすが特徴的な地味顔の少女。

 あまりあっけなさすぎる練習相手の絶頂に、思わずそんな言葉が突いて出てしまったのだろう。失言したとばかりに慌てて口を抑えている。

 嘲りなど込められていない、本心からの心配なのだろうが、それがひどく屈辱的で……ひどく、心地がよい。去年までの自分からは考えられないことだ。

 留年が決定してしまったあの大敗から、俺は心身ともに、明らかに弱くなっていた。

 元から快楽に対して我慢の利く方ではなかったが、過去に剣士として鍛え上げてきた肉体と駆け引きの才能でカバーしてきた。

 それに、苦しい状況になった時はいつも隣にアイナがいて、彼女のことを想うだけで勇気と忍耐が沸いてきたものだ。

 しかしアイナは留年した俺とは違い、試験をパスして一足先に卒業してしまっていた。

 今は戦士見習いとして主席のユリアと肩を並べて、本物の淫魔相手に命がけの戦闘を繰り広げていることだろう。

 男として保っていた自信どころか、心の拠り所すら失ってしまった俺は、こうして性器すら用いない小手調べの素股であっても、簡単に音を上げてしまうのであった……


 ※※※※※※※※※


「あ~あ、センパイったらすっかり腑抜けになっちゃって……相手の子、同期だと万年ビリケツだったんだけどなぁ。そんな落ちこぼれ相手にあの有様じゃ、同学年どころか学校全体で見ても最弱じゃないかな?」

 後輩相手に意地すら見せられず醜態をさらすリッツを、やや離れた練習用のベッドから、金髪のサイドポニーの少女が眺めていた。

 艶めかしい小麦色の肌に、丸く張り出した綺麗なお椀型の乳房はツンと上向き、弾けるような瑞々しさに溢れている。

 卒業生であるユリアやアイナとはまた別種の魅力に溢れた少女であった。

 口唇は窓から差す陽の光を照り返し、ぷるんと艶やか。もしあの柔らかそうな唇で咥え込まれでもしたら――相対した男はそんな妄想を抱かずにはいられず、生唾モノだろう。

 そして実際、彼女の練習相手の男子生徒は、口の端からヨダレをだらだら垂らして善がってしまっている。

 しかしその妖艶な唇にではなく……人差し指の、たった一本によって。

「ぐあああぁっ!? あ、あひっ♥ なんでチンポの方触らないんだよっ♥ 頼む、コレット! その指、抜いてくれぇ……っ」

「え~? わたしちゃんと言ったよねぇ? 最近、指使いに凝ってるんけど、それでも相手になる?って」

「だ、だからってこんな……あぐ♥ ケツに挿れるなんて聞いてない……っ♥」

 小麦肌の少女、コレットの細い指が尻穴の奥をくにゅくにゅといじくり回す。耐えがたい疼きに男は何度も腰を跳ね上げるも、指先は前立腺に張り付いたように的確にそこだけを刺激し、反撃の糸口すら与えられることはなかった

「はあ……いくら実力に差があったとはいえ、あんなこっぴどい負け方したら簡単には立ち直れないよなぁ……ユリア先輩も因縁があるかなんか知らないけど、せめてトドメくらいは自分のカラダで刺してあげたらよかったのに」

 男子生徒を余裕の片手間で嬲りながら、コレットは呆れの混じった溜め息を吐く。

 二年ほど前、コレットは小川のほとりで春を売る街娼であった。当時、戦士養成学校の一年生であったリッツを客に取り、肌を重ねている。その際に戦士養成学校の特待生の制度を教えてもらい、入学してきたのだ。

 特待生として年齢制限が無視されている彼女は、リッツとは二つ年下、学年は一つ下の後輩であった――彼が留年してしまったので、今は同学年だが。

 元より手練れの娼婦だったコレットは、その魅力溢れる肢体と性技の才を遺憾なく発揮し、同学年でもはや敵なしの主席筆頭だ。リッツの世代でいうと、ユリアに相当するのだろう。

 そしてそんな強すぎる彼女とはもうまともに勝負が成立できず、練習のスパーで相手をする男子は、こうして専ら新しい性技の研究相手……捻った言い方をすれば、生け贄とされているのであった。

「ああああぁ……♥ こ、このままだと、うぁっ、ケツだけでイっちまう……! そんなの、イヤだぁ……っ♥」

「……あ、ごめんごめん。ちょっと考え事してた。私はユリア先輩みたいに、男の子にトラウマ植え付けるほど性格悪くないよ。……いま、楽にしてあげるね」

 コレットは半狂乱の体で身悶えする男子に向き直ると、かぱりと口を開けて、暴れ回る肉棒に狙いを定めた。

 そして、ちゅるん♥と亀頭を浅く咥え込む。おまけに裏筋をちろりと一舐め。

 コレットが得意の口技を披露する間もなく、男子は天国へと昇天してしまったのであった。

一日の授業を終えた俺は対練場のシャワーを浴びると、逃げるようにして家路を辿った。

 今や同学年となってしまったコレットとは正反対の意味で、俺の相手たり得る者はいない。周囲に混じって一人だけ明らかな格下でいるのが、あまりに、いたたまれないのだ。

「ただいま……」

 家には誰もいないことが分かっているのに、染みついた習慣でつい、そう声をかけてしまう。

 去年までなら、一足先に帰って夕飯の支度を終えたアイナが、エプロン姿で出迎えてくれるのだが、彼女は今や国から遠く離れた地でユリアと共に淫魔討伐に励んでいる。少なくとも、二・三年は戻ってこないと聞いている。

「……まあ、こんな情けない姿、とても見せられないけどな」

 俺が剣の道を捨ててまで戦士を志したのは、アイナを想ってのことであった。ガキの頃に交わした結婚の約束を、この歳にまでなって信じ続けているあいつが戦士の道を歩むことを決心したのを受けて、俺も共にその道を進むと決めたのだ。

 ……実のところ、いざあいつと結婚して夫婦の夜を迎える際、エッチのテクニックに釣り合いが取れるようにという、男のプライドを保つためのある種、邪な動機なのだが。

 そしていま俺は、その目的すら失いかけている。

 今の俺は下手すれば、養成学校に入る以前より弱い。このままじゃ、将来アイナが遠征から戻って来たとしても、とても結婚など申し込めない。卒業して戦士の資格を得るなど夢のまた夢だ。

「この調子じゃ、また留年だよな……年齢制限の上限っていくつだったっけ? そこまで留年することないだろーって、その辺の規約読み込んでないんだよなぁ……」

「肉体がピークを迎えて、性的にもちょうど思春期を過ぎて成熟する二十歳がギリギリみたいですねー。たいていはそれよりずっと手前で自主退学しますけど。学費もバカにならないですもんね。……あ、上着かけておきますよセンパイ」

「ああ、サンキュ。ってなると、実質残された時間は――」

 と、脱いだ上着を、声の聞こえてきた背後へ渡したところで、違和感を抱いた俺はハっと振り向く。

 そこには小麦肌の天才少女、コレットが古女房のようにしれっと上着を受け取っていたのだった。

「うぉ!? お前、いつの間に!?」

「センパイったら性技以外も色々鈍ってますね。こんな近くにいる人の気配に気づかないんですもん」

「家に着いて安心しきってたんだよ。つーか、いい加減センパイはやめろよ……同じ学年なんだし」

「んふふ♪ わたしにとってセンパイは、どんな時でもセンパイですよ♪」

 コレットはいたずらっぽい顔で笑うと、俺の腕に抱きつき、張り艶に溢れる乳房の谷間で挟んでくる。

 普段から何の気なしにされているスキンシップなのだが、なぜかこの時の俺は、妙にドキリとしてしまっていた。アイナに見られたら気まずくなる、と視線を周囲に巡らせてから、その心配をする必要が無いことを思い出した。

「センパイ、なんだか最近、元気ないみたいじゃないですか。……アッチの方は元気が有り余りすぎて困ってるみたいですけど」

 ふふ、と含みを持たせた言葉は、流石は特待生と言ったところか。女肉の感触に半勃ちする俺のチンコの気配を、彼女は見もせず触れもせず察知していた。

 ……いくらコレットが戦士として格上だからといって、こんな単純なハグにも反応してしまうようになってしまったのか、俺の身体は。

 去年までならこいつともいい勝負ができていたのだが、今じゃ赤子の腕を捻るようにやられてしまうだろう。

「……ユリアもきっと、同じ気持ちだったんだろうな」

「ほえ? ユリア先輩が、どうしたんですか?」

「もう四年くらい前になるけど……この学校に入学する前、俺は王国の剣術大会で、ユリアをひどい目に遭わせている。俺個人の勝手なこだわりで手加減して、結果として甚振る形となって……」

 俺はアイナにも打ち明けたことのない心の内を、訥々と吐露し始める。

「しかもあいつは、当時俺が師事していた師匠の娘だった。個人指導まで受けている俺に対して、並々ならぬ対抗意識を燃やしていただろう。大会で俺に打ち勝ち、目をかけられている俺より優れていると、剣の腕を父親に認められたかったはずだ。……そんな覚悟で試合に臨んだユリアを、俺は最も残酷な方法で負かしてしまったんだ」

 国を挙げて催される剣術大会だ、ギャラリーなど、卒業検定の比ではない。しばらくは剣を握るどころか目にすることすら恐ろしく感じたことだろう。

 しかし彼女はほんの三年ほどで、戦士として訓練する傍らで、父親の道場の師範を務めるまでに立ち直っていたのだ。

「三年越しに見たあいつの剣の腕前は……立派だったよ。一方で俺はまだ、全然立ち直れていない。女を見るだけで、ユリアにされた数々の寸止めの感覚が身体に蘇って、勝手に発情して……ちょっと刺激されただけで、もうダメだ」

 精神に刻まれた傷跡は、消えない罪業のようだ。

 ひょっとしたら戦士どころかこのまま、まともな性生活を送ることすらできないのではという危惧すらある。

 しかし、それはそれで仕方ないと、俺は受け入れていた。

 どこかで道を誤れば、ユリアが『こう』なっていたかもしれないのだ。同じ歳の男の子に圧倒的な実力差でもって、大衆の前でさらし者にされる。逆に彼女が男性恐怖症に陥ってもなんらおかしくはなかった。ユリアは凜とした己の強さと意志力でもって、克服したに過ぎない。

 ならば俺がそれを乗り越えられないのは、俺の弱さでしかない。

「だからこのまま留年……いや、退学になってしまったとしても俺は――」

「なーにねちねちネガってんですかセンパイ!」 

 と、そこまで話して感傷に浸っていると、コレットに肩を、バシっと強めに叩かれる。

「痛った!? 何すんだよ!」

「いーですかセンパイ? 負けてしょうがない、なんて考え出しちゃうのは危険のサインです。すっかりメンタルがやられちゃってます。いつものセンパイなら、なにくそと奮起するところでしょう!? さっさと次の試験で卒業して、ユリア先輩にリベンジしてやる! ぐらいのこと言ってのけるはずです! できるかどうかは別として」

「いや、そこは別にするなよ……重要だろ……」

「それとですね、センパイはわたし以外の同じクラスの人と会話しなさすぎです。どーせあんなみっともない負け方したせいで、引け目に思ってるんでしょう? そんなの誰も気にしてません! 現にわたしが気にしてませんし!」

 確かに思い返してみれば、俺の一日の会話量はめっきり減ったように感じる。一日でする会話の大部分をアイナが担っていたため、それがぽっかり抜けてしまったせいだ。こんなところでも、自分がどれだけアイナに依存していたかを再確認させられる。

「誰かと話さないで自分で抱え込んじゃうから、そんなザマになっちゃうんですよ! やーいやーい! よわよわメンタル!」

「この……さっきから言わせておけば!」

 流石に耐えかねた俺が語気荒く言い返そうとすると、コレットは子供のように生意気な表情を引っ込めて、ふ、と優しく微笑んだ。

「ちょっとは元気、出たみたいですね」

 不意に見せたその上目遣いに俺は、う、と言葉を詰まらせてしまう。そして観念したとばかりに額に手を当て、長めの溜め息をついた。

「……はあ。お前にはいつもやられてばっかりだな。……だけど、ありがとう」

 やはり、コレットに口では適わない。セックスでは何度か勝ったことがあっても、こればかりは一度も勝てた試しが無かった。

「でもまあ、現実問題としてセンパイは弱っちぃです。学年どころか学校最弱です。今のままじゃ、百年経っても卒業できません。先にチンポの方が不能になっちゃいます」

「そりゃ言い過ぎだ――なんて言う資格は、今の俺にはないな。これから特訓して取り返したいけど、アイナはもういないし……同期で親しかった奴らもだいたい卒業しちまったから、誰と相手すれば……」

「ふふふー♪ なーに寝ぼけたこと言ってんですかセンパイ♪ 特訓相手なら目の前にいるでしょう? 特待生で、センパイにも認められた天才の、このわたしが!」

 コレットは、親指でビシっと己を指さし胸を張る。確かにその自信に見合うだけの実力を備えているが……

「お前、寮生だろ? いくら特待生っていっても門限はあるし、異性の連れこみも禁止だ。放課後だけならたいした時間も取れないし……」

「ああ、そんなことですか。簡単ですよ。わたしがこの家に引っ越せばいいんですから」

「…………はぁ!?」

「いちいち外出許可取るのもダルいですしね。やるなら徹底的です。特待生が住み込みで直々に特訓するんですもん、申し分ない条件でしょう! さーて、それならさっそく退寮の手続きを……」」

「ま、待て、勝手に決めるな! 俺はまだなんとも……」

「えー、別にいいじゃないですかー。一人で暮らすには広すぎますよこの家は。それに、アイナさんとも殆ど同棲みたいなもんのだったんでしょう? 隣に自分の家あるのに。なら問題ないじゃなですか」

「おおありだ! つい数ヶ月前までアイナと一緒に暮らしてた家に、その……別の女を連れ込んで、暮らすなんて……気が引けるっていうか、なんか申し訳ないっていうか……」

「そのまま弱いまんまでいることの方が、アイナさんに申し訳が立たないでしょう?」

「うぐっ」

「まあ、大船に乗ったつもりで任せてみてくださいよ! 卒業までセンパイのこと、しっかり面倒みてあげますから……♪」

 アイナのためと言われれば断ることもできず、俺は半ば流されるようにその話を了承し、コレットと二人暮らしをすることになってしまった。

 ……しかし俺は大事なことを忘れていた。コレットは口が上手く、俺なんかを言いくるめるなど訳ないと。

 退寮の手続きをしてくるからと自分の寮へと戻っていく後ろ姿の裏で、悪企みが順調なことにほくそ笑んでいることなど……知る由も無かったのだ。

なし崩し的にコレットとの同棲生活は始まり、その初日。

 普段通りに学校に行き授業を受け、スパーをこなして……俺はいつも通りに負け込んだ。しかし負けることに対しての悔しさは復活していたので、小さいながらも一歩前進といったところか。

 家に帰ると芳しい料理の香りが漂い、エプロン姿のコレットが、「シャワーおそいっすよー」とスリッパをぱたぱたいわせて出迎えてくれた。

 街娼時代、仲間の娼婦であり合わせの材料を持ち寄ってよく作っていたという水炊きが今夜の献立だ。

 俺とコレットはテーブルを挟んで向かい合って椅子に座り、食べ始める。

「んぐんぐ……お、意外と美味いな」

「意外と、は余計ですよ。具材放り込んでお出汁取ってテキトーに味整えただけの簡単料理ですけど」

「うん……繊細な味付け。肉と野菜の自然な旨味だな。いや、本当に意外だ。アイナの作る料理も美味しかったんだが、大味な味付けだったからなあ……育ち盛りだからって、量作るし。ま、残さず全部食べてたけど」

 俺がアイナの名前を口にすると、コレットは露骨に不機嫌そうに、ぷぅっと頬を膨らませる。

「……セーンーパーイ? こういう場面で、他の女の子の名前出すのは止めた方がいいですよー? わたしとセンパイは、どーせー、してるんですから。マナー違反です」

「……あのな。一応お前は、俺を鍛え直すって名目で一緒に暮らしてるんだろ? 同棲たって、そんな関係じゃ……」

「……ふぅ~ん。もう『こんな』にしてるクセに、ですか?」

 コレットが食事の手を止め、にやりと笑う。その直後……俺の股間を、甘い圧迫感が襲った。

「おふ……っ♥」

「チンポ、がっちがちじゃないですか♪ わたしが触る前からこうなってましたよねぇ? まったく、食事中にはしたないんだから……♪」
 
 テーブルの下から伸びてきた脚が、俺の肉棒をぎゅむぎゅむと踏みしだく。

 ズボンの膨らみの頂点を、親指がくりくりと弾くように弄び、その刺激で怒張がズボンの布地を引っ張り上げてしまう。

 そうしてくっきり浮かんだ陰茎の影を、押し戻すかのように……ぎゅっ♥ぎゅぎゅっ♥と強めに踏まれれば、陰嚢が震えるほどの快楽が走るのだ。

「あぁ……っ♥ そんなっ、ぐりぐりしないで……、やめてくれぇ……っ♥」

 女性への負け癖がこびりついている俺は、右へ左へ捻られるおみ足に対して情けなく哀願せざるを得ない。

 このまま足で踏まれ続ければ……いや、ただ股間に置かれているだけで、無様に精を漏らしてしまうだろう。

 そんな確信にも近い予感が過り、俺は足への敗北を覚悟した。

「はい、やめてあげます♪」

 しかしその途端、コレットはあっさりと足を引き戻し、ペニスを快楽から解放したのだった。

 すっかりその気になっていた肉棒は、寄る辺を失いビクビクと数回脈動した後、息切れしたかのようにしゅるしゅると縮んでゆく。

「食事中に暴発したら、お行儀が悪いですもんね? 今は、食べるのに集中しましょうよ」

 どの口が言う、と反論したかったが、股間の疼きを鎮めるのにそれどころではなく、結局俺は悶々とした気持ちを押さえ込むように、コレットの手料理にがっつくのであった。

夕飯を取り終えると俺とコレットは、特訓のためにアイナの家へ移動した。

 訓練用の広いベッドはアイナの家にあるため仕方のないことなのだが、幼馴染の家に別の女を上げるというのは、自分の家に上げるよりも居心地が悪い。

(しかもよりにもよって、アイナと練習で散々まぐわい合ったベッドで、他の女と同じことを……いや、今は考えるな。今は、早く実力を取り戻して、卒業することだけを考えるんだ)

 罪悪感に胸をチクチクと刺されながらも、コレットを後ろに連れてベッドのある部屋のドアを開ける。いつアイナが戻ってきてもいいように、二、三日に一度はベッドメイクをしているため、シーツは皺なくパリっと伸びていた。

 だが……そんな、見慣れているはずの光景にも関わらず。その部屋に足を踏み入れた途端、俺の股間は待ってましたとばかりに、ズボンの布地を押し上げてしまっていた。

「うわ……もう臨戦態勢ですか。やる気マンマンですね……♪」

 コレットのいやらしい視線に、思わずそのテントを手で隠しそうになる。情けなくも、先ほど足で弄ばれたことを思い出して、勃起はますます強まり。

 ……俺は、もともと快感に対してさほど強い方ではなかった。むしろ弱いともえる。その弱さはユリアへの敗北をきっかけに、表層へと噴出した。

 ユリアにはこっぴどく惨敗し、対等だと信じていたアイナにも実は手加減されていたと知ってしまってから、俺が女子に抱いていた自信は喪失し、精神の弱体は肉体にも及んでいた。
 
 近くの女の子がいるだけでも身体が勝手に敗北と劣等感を思い出し、被虐的な悦びを今一度味わおうとしているのかムラムラと発情を来してしまうのだ。

 特にコレットの場合はひどく、フェロモンとでも言うべき彼女の甘い匂いにさらされると、アイナやユリアにさえ覚えたことのない欲情を抱いてしまう。雄の本能を直にくすぐられているようであった。

 だからついさっきも、食事中におっ勃てるなんて無様を晒してしまっている。同じ空間にいるというだけのコレットが発する色香に耐え切れず、俺は家に帰ってからは常に発情状態なのだった……

「……早いとこ特訓に入るぞ。とっととお前も脱げ」

 俺は発情と勃起を誤魔化すために急いで服を脱いで全裸になると、そそくさとベッドに上がった。

 しかしコレットは、俺に続いてベッドに上がったものの……にやにやと笑むだけで、一向に服を脱ごうとはしない。

「もしかして、まともにわたしと闘おうとしてます? それはいくら何でも無理があると思いますよ。手加減にも、限度ってものがありますからね」

 ムカっ腹が立つ物言いだが、つい先日、あまり成績のよくなさそうな後輩の女子にいいようにされてしまった身としては、それを諫める資格はない。

 実力差が開きすぎている相手と試合をしてもただの蹂躙で、練習の意味が無いことも理解できる。

 ただ……その後に続いた提案には、流石に怒りを覚えざるを得なかった。

「だからまずは基本に帰って、腰振りの練習といきましょう♪ 『ココ』におちんちんをぬっぽぬっぽ♥出し入れして、自分の動きに耐えるとこから始めましょうか……♥」

 ココ、と言ってコレットは、人差し指と親指を丸めて作った指の輪っかを、俺のペニスに被せるように差し出してきたのだ。

「ふ……ふざけるな!!」
 
 侮るにしても、度が過ぎている。嘲笑がにじみ出る、小馬鹿にしたような表情を浮かべる彼女を、俺は思わず怒鳴りつけていた。

 戦士養成学校に入学してきた男子新入生がまず受ける訓練として、淫魔の膣を模した器具への挿入実習がある。ソレに向かって自ら腰を振るい、規定の時間を射精せず堪えることで初めて次の訓練への移行を認められる。自分の動きにすら負けてしまうようではお話にならないのだ。

 だが、いまコレットが俺のペニスに相手をさせようとしているのは、器具どころか更に稚拙な、下手すれば自慰よりも頼りない、たった二本の指だけで作ったリングなのだ。

 いくら落ちぶれてしまっているとはいえ、これまで戦士として鍛え上げてきたのだ。いまさら腰振りの練習なんて、数学者に二桁の暗算を試すようなもの。侮辱と捉えないほうがおかしい!

「イキがるなら、まずは五分くらい耐えてみてくださいよ。ソレが終わって初めて、センパイの相手してあげますから♪」

かくして俺とコレットの同棲訓練は、指輪っか相手の腰振り練習という新入生レベルのものから始まった。

「馬鹿にしやがって……今はちょっと調子が悪いだけなんだからな。見てろよ、こんな一年生のやる訓練なんてすぐ終わらせてやる」

「はいはい。それじゃあさっそく見せてくださいよ。センパイの本当の実力ってやつを……♥」

 ベッドの傍で立つ俺の背後から、コレットは手コキするみたいにして、指のリングを陰茎の先に差し出す。すでにローションがたっぷりと塗されているので、このまま腰を突き出せば、すんなりと入っていくだろう。後は流れのまま抽挿を繰り返すだけ……

(大丈夫だ、大丈夫なはずだ。腰振りなんて基礎中の基礎、何百・何千とこなしてきたんだ……っ)

 しかし俺の心中には不安が渦巻き、まるで童貞の少年が初めて女性器を前にするかのように、おそるおそる指の輪っかにペニスをくぐらせていた。

「ん……っ♥」

 ぬちゅる……と湿潤とした音がこぼれる。

 ぷっくりと大きく赤腫れた亀頭が、リングの内径に纏うローションを押し出して床に滴らせ、代わりに鈴口から迸る我慢汁を擦りつけてゆく。

(はぁ、はぁ……♥ ……そういえば、最後に腰振ったの、いつだったっけ……?)

 思い返せば、卒業検定でユリアに負けて以来、まともに腰を使った記憶が無い。最近は殆ど受け身で、一方的にやられてばかりであった。
 
 だから腰の動かし方を思い出すのには少しの時間を要し、しかしその僅かな時間で……俺のペニスは指の輪っかを内側からぎちち、と押し広げるようにして、強めの勃起をしてしまったのであった。

「あれあれぇ? 挿れたまではいいですけど、なんだか大人しくないですか? ほらほら、早く腰振ってくださいよセンパ~イ♪ ちゃんとしてくれないと、時間計れないじゃないですかぁ♪」

 指から伝わる感触でそれどころじゃないのは察しているだろうに、コレットは俺の背中におっぱいを押し当てながら、耳に触れるか触れないかという至近距離で、吐息のように言葉を吹きかけてくる。

 そのせいで、ぞくぞくぅ♥と脳の肌が粟立つような錯覚に陥り、肉棒はコレットの指の内でびっくんびっくん♥大きく脈打ってしまう。

「ちょ、ちょっと待て! まだ、心の準備が……っ」

「試合中にも、そんな言い訳するつもりですか? しょうがないですねぇ……このままじゃ先に進まないので、特別にお手伝い、してあげますよ♪」

 情けない言い繕いに聞く耳もたず、俺の腰に、自身の下腹部を密着させてくる。

 するとコレットは、まるで背後から俺を犯すように腰を前後に動かし……指リングへの抽挿を強いてきたのだ。

「ひっ、ああああぁぁ……っ♥ なんだ、これぇ……♥ にゅるにゅるチンポに擦れて、っく♥  気持ちいぃ……っ」

「ちょっとセンパーイ? こんなんで善がってるようじゃ、先が思いやられますよ? こんなの、オナニーより触れてる面積小さいじゃないですかぁ♥ しかもわたし、けっこう緩めに輪っか作って、そっちは動かしてすらいないのに……これじゃあ練習用のオナホになんて挿れた日には、即暴発ですね~♥」

「そ、そんなわけあるか……ぁっ♥ ちょっと待っ♥ ペース早いっ♥ もう少し緩めてっ♥ 優しくしてくれえぇ……っ♥」

「ぷぷぷ♪ 腰がっくがくですねぇ? 女の子に腰振り強制されて、すっかり腰砕けですかあ~? こんな下手っぴな腰振りじゃ、戦士どころかそこらの処女にも負けちゃますよ? だって、お手手を差し出してるだけで、勝手に自分から負けてくれるんですもんね~♥」

「お、お前がっ♥ こひっ♥ 動かさせてるんだろぉ……っ! こんなの反則……っ」

「じゃあ自分で腰、振ってみてくださいよ。戦士らしくカッコいいセックス、期待してますよ? ほらぁ……この指で作った穴ポコを、アイナさんのおまんこだと思って♪ ああ、ユリアさんのでもいいですねぇ。あるいは……わたしのでも♥」

 コレットが、下肢を押しつけるペースを緩める。それに合わせて、指の握りも弱くなっていく。

 すると自ずと得られる快感も少なくなるので、我慢するには絶好とも言えるが…… 

「あああぁ……っ♥ 俺が、こんな指オナホなんかにっ♥ 負けるわけが……んくううぅっ♥」

 俺は恍惚の吐息を喘ぎと共に吐き散らし、へっこへっこ♥と腰砕けになりながら、コレットの指の輪に向かってチンポを出し入れしてしまっていた。

 アイナやユリア、あの二人の性器とは比べることすらおこがましい、陳腐で稚拙なすかすかの指のリング。

 だというのに俺の身体は、そこがまるで本物の女性器だと錯覚しているみたいで。

 相手を絶頂に至らせる戦士のセックスとはほど遠い、欲望に流され子種を捧げるための、淫魔が相手なら敗北確定の無様な腰遣いであった……

「センパイ、もしかして本気で感じてます? 腰振れ、とは言いましたけど、気持ちよがれなんて一言も言ってませんよ? テクがどうこう以前に、愛撫ですらないんですから……これくらいは堪えて貰わないと困りますよ……♥」

 ぐちゅ、ぐちゅ♥と湿ったいやらしい音を鳴らして、我慢汁とローションの混交した粘液を指とペニスの間で泡立たせ。 

 下腹部から伝う甘美な痺れと、コレットの囁きによる甘い怖気が脳でぶつかり、いよいよもって俺は射精以外のことを考えられなくなってしまう。

 息を弾ませ穴ポコ相手にへこへこ♥必死な、途轍もなくみっともない腰振りオナニー。これでは練習用のオナホに夢中になる新入生と変わらない。いや、それ以下だ。

 しかし俺は自分の性欲を制御できず、他人の指を借りた自慰行為に没頭してしまう。

(うあ……そろそろイく……イきそ……♥)

 俺はこの行為が訓練だということすら忘れて、絶頂に至るべく腰の動きに拍車をかけた。

 かくかくかくっ♥と浅く早い抽挿に呼応して、金玉がぐぐぐ、と持ち上がる。精液が根元に込み上がってくる。

 そして溜めに溜めた欲望を、一気に解き放とうと腰を突き出した時―― 

「はい、五分間しゅーりょー♪ お疲れ様ですセンパイ♪」

 するり……と指が竿から離れ、突き出した肉棒は虚しく虚空を泳ぐ。

 パンパンに膨れ上がった期待という名の風船、その空気をいきなり抜かれ、俺は唖然としてコレットを振り向いた。

「いやー、危ないトコでしたねー。もう射精直前だったんじゃないですか? でもまあ、五分間耐えられちゃったわけだし、悔しいけど約束通りセンパイの強さを認めて……わたしが、試合形式でお相手します♥」

 快感の退きに合わせて射精感の波も退き、反対にコレットの笑顔はにんまりと、満開を迎えていた。

(俺が、五分間我慢できた……? 違う、我慢『させられた』んだ!?)

 俺に気づかれない程度に指の力を緩め、あるいは微妙に位置をずらし……俺の限界の許容量を見極め、一分の狂い無くコントロールする。

 普通ならそんな芸当できる訳がないと言い切れるが、こいつの場合は話が別だ。

 ユリアは肉体そのものが暴力的だったが、コレットは肉体の才を凌駕してあまりある技術の持ち主であった。 

「それじゃ、始めますよセンパイ。ポジション決めとかメンドイんで、このままでいいですね? ルールは卒業検定と同じ――時間無制限・ギブアップ無し♪ 初日だから激しくいきますよよ……それっ♥」

 俺はせめてもの抵抗として、腕を回して背後のコレットを振り払おうとしたが、無駄だった。

 反対に互いの指を恋人同士みたいに絡んで捕まれて、余った手で寸止めされたばかりのペニスを握られる。

 そしてダメ押しとばかりに、抗議の声すらキスで塞がれてしまう。

 学年最強と学年最弱の、無慈悲な一騎打ちが始まった。

「ん、ちゅる……♥ むちゅ♥ ちゅうぅぅ……♥」

「んぐぅ……っ♥ はぶ、ん……っ!」

「ふふ、センパぁイ……♥ ちゅぱ♥ 逃げてるだけじゃ勝てませんよ? んむっ、む♥ セックス勝負で勝つためには、自分から動いて相手を気持ち良くさせないと……そんな基本も忘れちゃったんですか? ちゅぱちゅぱ♥」

 喋りと交互に、柔らかな唇が俺の唇を優しく啄む。時にはちゅぅ♥と吸い付き、ぬるぬると這わせ。

 コレットの口技の恐ろしさは後輩だった頃から身をもって知っているが、この一年で更に磨きがかかっていた。

 舌で激しく蹂躙するのみならず、唇でのソフトな攻撃までマスターしていたのだ。

(そ、そんなこと言ったって、今はとにかく距離を取って、せめて有利な体位に……っ)

 セックスでの戦闘はポジション取りが重要だ。そしてそれ以上に、ポジションを『取らせない』技術が肝となる。

 特にコレットはその手のテクニックに長けており、一度取った体勢の利は容易には手放さない。

 俺がベッドに沈んでグラウンドに持ち込もうとすれば、きゅっと恋人握りした手を巧みに操り未然に防ぐ。

 頭を振ってキスから逃れようとしてもぴったり追いかけられ、逃げた分激しい口付けを見舞われる。

 そして自棄になってがむしゃらに暴れてみようにも……

「んふふ♪ センパイのチンポ、久々に握りましたね~♥ 家に帰ってからずぅっとムラムラ勃起しっ放しで、辛かったですかぁ? ほらほらぁ……今度は指なんかじゃなくて、ちゃんと掌で握ってあげますからね~♥ ぎゅっぎゅっ♥て握手するみたいに力を込めて、上下にシコシコ~っと♥」 

「あぐ、ああああぁぁぁっ♥」

 コレットの掌が絶妙な力加減で圧をかけてきて、全身の力が脱力してそれどころではなくなってしまうのだった。

「うあああ……♥ すげぇ、自分で腰振るのと、全然違っ……んぁっ♥ そこぉ……♥」

 先ほどの「前戯」でたっぷり滴ったカウパーをにちゅにちゅと擦りつけ、ぬっちょぬっちょ♥ リズミカルに扱き立てられる。

 単調な前後がしばらく続いたと思ったら、不意に亀頭を、ドアノブを捻るようにねじられて、鮮烈な刺激に腰が退けていってしまう。そこを逃さず追撃とばかりに、素早く激しめのピストン。

 指の輪を遙かに超える、男に射精を覚悟させるに足る強烈な手コキに俺はなすすべなく膝をガクガクと震わせた。

「キスで怯ませ、手コキで征す……わたしの昔からの必勝パターンですよ、センパイ♥ これを攻略できれば卒業検定なんて余裕ですって♥ ほら、頑張ってくださいよぉ……れる、はむ♥ んろんろんろ……♥」

「そ、しょんなっ♥ もう、ムリ♥ こんな気持ちいいのムリぃ……っ♥ い、イかせてくれえぇ……♥」

「あーあ、もう戦意喪失ですか。昔のセンパイはもうちょっと粘り強かったんですけどね……じゃあ楽にしていてください。キスでトドメ、刺してあげますから……っ♥」

 俺が降参を口にすると、コレットの掌が肉棒から遠ざかる。繋いでいた手も解かれる。

 代わりに両手で俺の頬を掴み、自分の顔の前で固定すると、唇を重ね……

「んむっ♪ じゅるじゅるぢゅるうぅっ♥」

 得意の舌技を遠慮無く食らわせたのだ。

「むぐっ、むーっ!」

「んふ♥ れる、ちゅる♥ もう逃げ場なんてないれふよぉ……♥ 観念してください……むっふっふー♪」

 コレットは心底楽しそうに笑いながら、閉じた唇を舌で強引に割り割き、蛇の如く口腔内へ這い伸ばす。

 歯茎や頬裏をちろちろとくすぐりながら俺の舌を探り当てると、あっという間に絡め取って、ねちねちねろねろと舐め潰してゆく。

 このままではマズいと俺は抵抗を試み、追い返そうと舌を捩らせるが、押し返そうとするとひょいと躱し、勢い余って突き出された舌に素早く唇をかぶせ、じゅるるるるぅっ♥と強烈に吸い付いてくるのだ。

「んぐ、んぐぐーっ!?」

 綺麗にカウンターを食った俺の舌は、あえなくコレットの口腔内で無防備をさらしてしまう。完全に彼女の領域であった。

 舌を吸い込みながら舌先同士を擦り合わせるようにチロチロ舐る。

 くすぐったさのあまり舌を反らせると、今度は舌の裏側に潜り込んできて、こしょこしょと愛撫されてしまう。

 そして不慣れな刺激に硬直したが最後、仕上げに舌そのものに接吻を食らわすように、唇を窄めて、ちゅうううぅっ♥と強烈な吸引でオトすのであった。

(こ、こいつ、前よりキス上手くなって……っ♥ やば、頭ぼーっとして、何も考えられなく……っ)

 口を塞がれ軽い酸欠に陥った俺は、新鮮な空気を求めて鼻息を荒くするも、コレットの甘い吐息によってますます頭に桃色の靄がかかって。

 白目すら剥いてしまいそうな俺の状態とは裏腹にコレットは、「ふんふんふーん♪」とちょっとした鼻歌を歌う程度には余裕綽々だ。

(も、もうダメだ……っ♥ ちんこ、痛いくらいに疼いて……っ♥ 漏れる、キスだけでイかされるうぅ……っ♥)

 触れられていないはずのペニスは、狂ったようにブンブン首を振り、ぺちんっ♥ぺちんっ♥と何度も俺自身の腹を力強く叩いていた。

 その振り幅も次第に小さく、上向いた状態で固定されていき、まるで砲台が狙いを定めているかのようであった。

 そしてコレットがダメ押しとばかりに、俺の舌を猛烈に吸い上げれば――

 ……どぴゅっ♥ びゅくっ♥ どぴゅぴゅぴゅうぅっ♥

「……ぷはっ♪ うーわっ、派手に飛びましたねー♪ 天井に引っかかっちゃったんじゃないですか? センパイってセックスは弱いですけど、精力はズバ抜けてますよねー♥」
 
 腹にくっつき天突くように屹立しきった俺の肉棒は、弾丸の如き勢いで子種を撃ち放った。

 量もさることながら、あまりに強すぎる勢いで天井にまで届いてしまい、へばりついた粘液が重力に従い、ぽた……ぽた……とシーツを叩いて染みを作ってゆく……

「イかせた回数はアイナ先輩には適わないですけど……射精の勢いなら、勝ったんじゃないですか? どうです? アイナ先輩より気持ちよかったでしょ……♥」

 硬さが解れ柔くなっていく俺のペニスを、下から人差し指で持ち上げ、コレットは得意げな笑みで俺の惚けた顔をのぞき込んでくる。

 俺は、コレットの問いには答えられなかった。

 何か言葉を口にしようとすれば、認めてはいけないことを認めてしまいそうになっていた。

 そうして俺は、人生初とも言える凄まじい射精にすっかり脱力し、ベッドに頭ごと突っ伏した。

 鉛を巻き付けられたかのように身体が重い。瞼が自然と落ちてくる。

 俺は射精後にやってくる、心地よい午睡のような余韻に浸かりながら、そのまま意識を闇に追いやろうとした――

「なーに終わった気でいるんですかセンパイ♪ まだまだ始まったばかりじゃないですかぁ♪」
 
 が、そんな愉しげな言葉と共にすぐに此岸に引き戻されることとなる。

 ベッドにうつ伏せに倒れ込もうとする俺の身体を仰向けにひっくり返すと、コレットはシャツを脱ぎ去りブラを外して、整った形の胸房を露わにした。

 去年と比べると幾分かの成長を見せており、アイナやユリアほどの巨乳ではないものの、男を泣かせるには十分過ぎる武器だ。

「センパイの練習に付き合ってあげたんですから、次はわたしの番ですよ。口技以外にも、色々勉強してるんですからね……♥」

 コレットは自慢げに上半身を揺らし、艶めいた小麦色の乳肉をたっぷん♥と弾ませる。 

 それなりのサイズ感なのに引き締まり、寄せて上げるとむっちりとした谷間が深さを増して、俺の視線は思わずそこに釘付けとなった。

 こうして見ている分には目の保養だが……実際にあのおっぱいの威力を体験している身としては、恐怖しか感じない。

 しかも当時よりさらに大きさを増しているのだ。もしあんなのでしこたま搾り尽くされでもしたら――

「じろじろ見て、センパイのえっち♥ そんな物欲しそうにしなくても、ちゃんとしてあげますよ。気持ちい~いパ・イ・ズ・リ♥」

 その小悪魔的な笑みにたじろいだ俺は後ずさろうとするも、しかしそれより早く距離を詰めてきたコレットは、俺の脚をぐいっと左右に大開きにすると、その間に身体を割り込ませてきた。

 ご丁寧に脚に腕まで絡めてきて、この体勢に男側からの返し手は残されていない。実力によほどの開きが無い限りは反撃もできず、なすがままだ。

 そんな圧倒的有利な体勢で、コレットは悠々と己の乳肉を持ち上げ……

 たっぽぉん♥と谷間にペニスを滑らせながら、俺の股間目掛けて滑落させたのだった。

「くお……おおおおぉっ♥」

「ふふふ♪ 挿れた途端、ぴーんっ♥てチンポ復活しましたね~♥ センパイって、おっぱい好きなんですかぁ? そういえばいつだったか勝負した時、おっぱいの一撃で暴発してましたよねぇ♪」

「し、知るかそんなのっ! もう忘れちまったよ……おふっ♥」

「それなら、思い出させてあげますよ♥ センパイが瞬殺されちゃった、おっぱいの味……今度はじっくり堪能してださい♥」

 コレットの乳肉はむっちりと弾力豊かで、こうして包まれているだけでも果ててしまいそうな圧迫感がある。

 そんな、腰にでっぷり乗っかるボリューミーな量感を、上半身の動きのみを駆使してたぷたぷ揺らして、じっくり波打たせてくる……

「くほ……♥ これ、ヤッバ……っ♥ ちんこ、揉みくちゃにされる……っ♥」

「腰びっくびくですねぇ、センパイ♥ たっぷたっぷ♥って谷間でおチンポ甘叩きされて、我慢汁びゅるびゅる出ちゃってますよぉ? どうです、わたしのパイズリは……? アイナ先輩と、どっちがイイですか? 今度はちゃんと答えてくださいよ……♥」

「そ、そんなのっ、言えるわけが……っあぁっ♥ ちがっ、アイナの方がお前なんかよりも……」

「へ~♪ アイナ先輩、って即答しないってことは、少しくらいはわたしの方が気持ちいいかも……って思ってるくれてるんですね♪」

「ちがう、ちがうちがうっ♥ 全然そんなこと思ってな……あああぁっ♥」

「んふふ♪ 知ってましたぁ? 男は口ではいくらでもウソつけても……チンポは正直なんですよ、センパぁイ♪」」

 コレットの詭弁と弁舌にかかれば、思考とは正反対のことを認めさせることは難しくは無い。それに直接的な女の武器が加われば、無敵の誘導尋問だ。

 俺は腑抜けた声で否定を繰り返すも、身体はコレットの肉体を求めて止まない。アイナの柔らかくてふにふにとした、マシュマロに包まれているような感触とはひと味違う、むっちりとした弾力で男の我慢ごと捻り潰すようなこのおっぱいにイかせてもらいたいと願ってしまうのだ。

「……ところでセンパイって、何気にチンポおっきいですよね。筋肉も付いてるとこには付いてますし。こういう肉体面の才能はユリア先輩にも劣らないのに、もったいない」

「ぐ……当たり前だ! 子供の頃とはいえ、剣術大会の優勝者だからな。体力で粘り勝ちするのが、元々の俺のスタイルだ……」

「でも、皮肉ですよねえ。これからセンパイは、チンポ小さい方がよかったって後悔することになるんですから……」

 二対の乳の間からぴょっこり飛び出した尖端を見下ろすコレットの表情には、どこか嗜虐的なものがうかんでいた。こいつがこういう顔を見せつけてきて、いい方に転がった試しがない。

 そして口元を谷間に寄せてきた時……俺は嫌な予感が適中したことを、否応無しに理解してしまう。

「ひ、いいいぃっ!? お前、まさか……やめろっ! 今でも気持ち良すぎるのに、そんなことされたら……っ!」

 コレットは俺の情けない哀願に、一度だけ、ニコリとはにかんだ。その笑顔のまま、ぱくん♥と亀頭を咥え込み――

「ん、れろおぉぉ……っ♥」

 カリのくぼみに舌を這わせ、ねっとりと舐りたててきたのだった。

「ああぁぁぁぁっ♥♥」

 乳肉の柔らかさとは全く異質の、ざらりとした感触を与えられ、ガクン、と俺の腰が跳ね上がった。

 おっぱいの狭間から突き抜けようとする肉棒を、コレットは左右から両手でぎゅむっ♥と押さえつけるように挟み込み、竿全体をにゅっぽりと乳檻へと閉じこめてしまう。

「あぐっ、そんな強くされたら……もう、ダメぇ……んああぁっ♥」

 どくっ♥どくっ♥ びゅくるるぅっ♥ 

 唇とおっぱい、両方でペニスを食まれた途端、俺の視界は真っ白に染まっていた。殆ど本能的に腰を突き上げて、今夜二度目の白濁を吐き出してしまう。

「あは♪ また暴発ですか、センパイ? 去年からちっとも成長してないじゃないですか♪」

 口腔の浅いところで咥えていたため、射精の勢いで口から外れたペニスが、盛大にコレットの顔や胸乳を白く汚す。

 小麦色の肌が俺の欲望で斑に染まり上がっていく様には興奮を禁じ得ない。

「ふふ、『まずは』一発……♥」

 コレットは口端に張り付いたそれをぺろりと舌で拭い取る。

 そして頭の位置を落として、胸にかかった精液も舐め取っていき……

 その流れで、胸中で萎えようとする肉棒を舌で絡め取るようにして、再び口の中に吸い込んでしまった。

「ぐああああっ!?♥ ちょっ、一旦ストップっ! イったばかりで、そんなすぐは……っ」
 
「なに寝ぼけたこと言ってるんですかセンパイ♪ まだ、たったの二回出しただけじゃないですかぁ♥ 試合なら、これからが本番ってとこですよ……ぁむ♥ ちろちろちろっ♥」

 尿管に残った精液を、むにゅううぅ……♥と柔乳で絞り上げ、鈴口からにじみ出てきたそれを舌先でチロチロと舐め取られる。

 乳房の谷間に埋没してゆくお宝を探り当てるかのように、頭を潜らせ執拗に接吻を浴びせかけると、俺の肉棒は瞬く間に硬い芯が通ってしまった。

「んむっ♥んむっ♥ これがわたしが、この一年で身につけた新しい必勝ムーブです♪ おっぱいで封じ込めて、フェラでフィニッシュ♪ これは別に攻略する必要ないですよ? だって……この体勢になった時点で勝ち確ですもん♥ あとはセンパイがどれだけ耐えられるかってだけです♥」

 体重を前に預けて、奥側からの圧迫を肉棒に加えられる。ずりゅうぅ……♥と乳内を泳ぎながら胸板に密着し、谷間の奥深くで肉棒が固定されてしまう。

 そして固定されたペニスに向かって……ぐぽぐぽ♥ じゅるるるるうぅっ♥ 容赦の無いお口ピストンを浴びせかけるのだ。

「あぐああぁぁっ♥ くひっ、いいいぃ……♥」

「じゅぷ、じゅぷっ♥ んむっ♥ んん~♪ くぷっ、ぐぽ……♥ んっ♥んっ♥んっ♥」

 唇を肉茎の径よりキツめに窄め、じゅっぽ♥じゅっぽ♥と下から上へと吸い上げる。上体を揺らして乳のたゆたいを与え、男性器を睾丸ごとむにむにと揉み込んでゆく。

 四方八方から襲い来る肉乳の柔心地と、むき出しの快楽神経を削り取るかのような肉悦に俺は身も世も無く悲鳴を上げて、まるで子供みたいにバタバタを脚を暴れさせた。

 しかし二度の射精と多大な快感により力の殆どは奪われ、それこそ駄々をこねる子供のように、腕で抱えられただけで制されてしまうのであった。

「ふふっ♪ ちんぽビクついてきましたね♥ もう出ちゃいそうですかぁ……? センパイ、今度はどっちに出したいですか? お口とおっぱい……好きな方選ばせてあげますよ♥」

「んひぃっ♥ ぁっ♥ い、今それどころじゃ……くほおおぉ……っ♥」

「あ、お口でしゃぶった時の方が、ちょっと反応よかったですね♪ じゃあおちんちんの意見を尊重して、口内射精(なかだし)させてあげましょう♥ 根元までふかぁく咥え込んで……はい、ぐっぽん♥」

 ……びゅるっ♥ どくどくどくっ♥ びゅるうぅ……♥ 

「お、おほおぉ……っ♥ ぬるぬるして、温ったけ……っ♥ 吸いっ、出されるぅ……っ♥」

「じゅるじゅるっ♥ ちううぅぅ~~♥ んく、んく……♥ これで二発……♥ もちろんまだできますよね? 今日だって昼のスパーの時、ジミ~な後輩に搾られてましたもんね? なんでしたら、明日出す分が無くなるまで付き合ってあげますよ……♥ そうすれば後輩相手に恥ずかしい思い、しなくて済むかもしれませんし♪」

 射精中の肉棒に軽いバキュームを加えられ、凄まじい勢いで精液が口腔内へと吸い出されていく。

 感覚からしてそれなりの量を出しているはずなのに、口からは一滴たりともこぼれることなく、仕上げに尿道を唇の締め付けで扱き上げ、残り汁まで平らげる始末。

 ここまで来ると、もはや俺に抵抗の意思も気力も残されてなく、好きにしてくださいとでも言うように、だらんと脚を伸ばしてしまっていた。その瞬間から俺はコレットと勝負する戦士ではなく、ただ射精することだけが悦びの全ての『雄』に成り下がったのだ……

「とりあえず特訓初日ということで、小手調べに十回くらい抜いておきますね~♥ ただでさえセンパイは弱いんですから、数をこなさなきゃ……ですもんねぇ♪」

 射精の余韻が残る肉棒尖端を、ベロが楽しげにチロチロチロっ♥と舐め回す。

 ぬめった舌で鈴口をほじくるように縦舐めされて、痺れるような甘い疼きが腰奥まで突き抜けた。

「一回口内射精(なかだし)しましたんで、次は乳内射精(なかだし)いっときましょうか♪ 真っ赤に腫れた亀頭を、んれろんれろ♥ 丸みに沿ってねちっこ~く……♥ んふふ、ぷるぷる震えてきましたね? こうやって感度を高めてから、おっぱいでズリ扱いてあげるとぉ……男ってカンタンにイっちゃうんですよ……♥」

 コレットは両乳に掌を添えると、下から持ち上げ……たぽたぽ♥と揺らしながら上下に扱いてくる。

 腰骨に肉の波紋をじっくりと伝えながら、時には交互に胸を動かし、ずりゅ、ずりゅ♥ 狭い谷間で揉みくちゃにしながら、ぴちゃぴちゃと尖端を舐め上げてくるのだ。

「おふうぅ……っ♥ ち、ちんこ溶けるうぅ……っ♥」

 俺のペニスは、コレットのおっぱいの居心地にすっかり馴染んでしまったみたいで、胸の谷間に囚われたまま恍惚としてしまっていた。

 そして俺は、用でも足すかのように腰の力を抜いて、天国の乳内射精(なかだし)へと誘われるのであった。

 その次も口内射精(なかだし)、次も乳内射精(なかだし)、なかだし、なかだし……

 このペースだと、このベッドの上でアイナに出した射精の回数も、年内には追い越してしまうだろう。

 コレットとの修行は、アイナとしていたものより深い時間まで続けられた。

コレットが俺の家に引っ越してきて、一月が過ぎた。

 特訓は連日連夜、休み無く行われ、その一回一回が新婚の初夜よりも激しい。そのどれもが一方的にコレットが俺を犯し弄ぶばかりで、これでは特訓とは名ばかりの虐待だ。

 ……だが始末の悪いことに、俺の体力は尽きこそすれど、精力そのものは一向に衰えてくれないのだ。現状が不満ならば彼女との特訓を拒否すれば問題ないのだが、コレットに同じ空間に居られるだけで俺の身体は火照ってしまい、気づけば彼女に並々ならぬ欲情を抱いてしまっている。甘美な敗北を、気絶するまで望んでしまう。

 その結果、コレットから与えられる快楽が身体に染みついてしまったみたいで、俺は強くなるどころかこの頃ますます弱くなってしまっていた。

「ううぅぅ♥ もうダメだぁ……っ♥」 

 びゅくっ♥ ぴゅるるうぅ~~♥ 

 俺はへっぴり腰になりながらチンポをビクビク震わせ、敗北の証を辺りにブチ撒ける。

 今日は新入生との交流試合であった。戦士の訓練に慣れてきた一年生を三年生と手合わせさせて、実戦的な経験を積ませると共に、上級生の強さを知ってもらい目標としてもらうのが目的だ。

「え……なに、あの人……」

「指でなぞられただけでイっちゃった……よっわ」

「本当に三年生なの……?」

 しかし俺に浴びせかけられるのは先輩に対する憧憬とはあまりにほど遠い。軽蔑の陰口がひそひそとそこかしこで上がり、周りの三年生も呆れた顔で俺を見ている。

 ……俺は、戦士として一度もまともに戦ったことの無い新入り相手に、無様な敗北を晒していた。

 ベッドの上でお互い裸になった時点で、俺のペニスは我慢汁をダラダラ、ちょっとした滝のように迸らせ、試合相手の貧相な肉付きのした女の子がソレをおそるおそる一擦りしただけで、まるで何週間も溜め込んでいたみたいに派手な量をブチ撒けてしまったのだ。

 ……なにも、相手の技術が特段優れていたわけではない。全部あいつの……コレットのせいだ。ベッドに上がった途端、彼女としたあらゆる性行為が想起され、発情しきった隙を狙われただけで――

(くそ、くそお……っ! 俺が一年生なんかに、負けるはずないのに……っ! これじゃあアイナと一緒に頑張ってきた三年間は、いったいなんだったんだ……!)

 あまりの空気の悪さに対練場から逃げ出した俺は、あれだけみっともない射精をした直後にも関わらず、人目を忍んで一人、ペニスを握りしめて自慰に没頭してしまっていた。

 俺が負けたのはあの後輩の一年生などではない。妄想の中で大きく肥大化した、コレットだ。あれだけ毎晩毎晩シているのに、こうしてオナニーのオカズとすることで、頭の中でも彼女と交わってしまう。これほどまでに偏執的な欲望を抱いているのはおかしいと自覚しつつも、ガシガシと肉棒を扱く手を止められない。コレットのことが、完全に中毒になってしまっていた。

「うぅ……っ♥」

 妄想のコレットを抱いて出した精液は、先ほど後輩に負けた時の射精より量も勢いも、そして気持ちよさも段違いだ。

 それでも俺の身体に灯った欲情の炎は、本物に犯されなければ収まらないのだった……

「いやー、今日の交流会はなかなか楽しめましたね。ダイヤの原石っぽい子もちらほら居ましたし……あ、これ仲良くなった子に分けてもらった香油です。最近の流行みたいですよ」

「……そうだな」

 股間を押さえて前屈みになりながら素っ気なく答える俺を、コレットはにやにやといやらしい目で眺めていた。

 ゆっくり深呼吸して落ち着こうにも、目の前の眩しいほどの裸体に視線を吸い寄せられて、肉棒は手の中でデカくなるばかりだ。

「そんなカタくすることないじゃないですかセンパイ♪ ハダカの付き合いなんて毎晩ヤってることですよ」

 コレットが俺の鎖骨の辺りに、軽くキスを交わしてくる。とくんっ♥と股間が反応し、あっという間に掌からはみ出してしまう。

 いつもの『特訓』ならばこの後、胸なり口なりの追撃が来るのだが、いま俺たちは練習用のベッドの上ではなく、アイナの家に備え付けられた風呂場にいた。

 俺の普段の入浴は朝の登校前になることが多い。夜はコレットとの特訓でそれどころではないからだ。

 しかし今日は珍しく、同棲以来一日と欠かすことのなかった特訓をお休みし、一緒にお風呂に入ろうと誘われた。

 そうして、普段に比べて気持ち 味の濃い目の夕飯を取った後、二人が十分入浴できる広さの湯船がある、アイナの家へと移動したのだが……

「……あれ? お湯沸かし忘れてるぞ」

 湯船にはお湯が張られておらず、空のままであった。コレットの方から誘ってきたのでてっきり準備はできているものと思っていたが、変なところで抜けているところもあるものだ。

「ああ、それでいいんですよ。……お湯は、これから注ぐんですから」

「…………?」

 もうすでに服を脱いでいるのに、そんなの待っていたら風邪を引いてしまうだろう。

 しかしコレットは、何故か空の湯船に脚を入れ、そこに立ったまま、誘うように両手を伸ばす。

「さ、センパイもどうぞ♪ 一緒に暖まりましょう……♥」

 暖まるも何も、湯の無い湯船に入ってどこを暖めろというのだ。

 お湯を沸かし忘れたのを誤魔化そうとしているのかと思い、俺は文句の一つでも飛ばそうとした。だが……

「…………っ♥」

 くらりと一瞬、視界が歪み、目眩のような感覚に襲われる。

 まさか湯にも浸からない内から上せるわけもあるまい。しかし鼓動はバクバクと異様な早鐘を打ち、股間の肉塊は、もはや手ではとても隠しきれないほどに膨らんでしまっていた。

「はぁ……♥ はぁ……っ♥ なんだ、これ……っ」

 明らかに身体の様子がおかしい。不調とは違う、むしろ具合が良すぎるほどだ。俺はひとまず風呂場から出て、落ち着けようと考えたが……

 自分の意思とは裏腹に脚は湯船の方へ向き、コレットの誘いに応じるがまま、一緒に湯船に中に立ってしまったのだった。
 
「ふふ♪ もうすでに全身ポカポカで熱いぐらいですよね? でもこうすれば、もっとアツくなれますよ……♥」

 コレットが伸ばした両手を俺の背中に回し、ぎゅっと抱きついてくる。ベッドの上で幾度となく食らっている、何でも無いハグだ。

 しかしコレットの柔らかな双丘が、むにゅり♥と胸板に当てられた直後……血液が沸騰したのかと錯覚するかのような衝動が、俺の全身を貫いたのだ。

「うあ、ああああぁぁぁっ♥ こっ、コレットおおぉぉぉっ♥♥」

 俺は獣の咆吼の如く彼女の名前を雄叫ぶと、その魅惑の肢体にしがみつく。

 すると腰を落として、殆ど本能的に腰を前後に振り始めてしまったのだ。

「はぁ、はぁっ♥ 今日のお前……なんつーか、すっげーエロいっ♥ 匂いも、頭痺れるみたいで……っ♥ 肌っ、すごいスベスベ……ううぅっ♥ 抱かせろっ♥ 俺に孕ませろぉ……っ♥」

 すでにバキバキに勃起していた肉棒は、二人の下腹の間をぬるぬる滑る。滑りながら下の方へとずれて、太ももの間に、にゅとぉん♥とハメこまれてしまう。

「くおおおぉっ♥ チンポっ、むにゅむにゅ潰されて……っ♥ はひっ♥ ひぃっ♥」

 むちむちの肉の狭間に食い込み、隙間無い密着は俺を瞬時に快楽の世界へと誘った。

 おっぱいやお口、女性器ともまた趣を異とする、重厚な挿入感は腰の振り心地が抜群の、天然オナホール。

 そこが生殖のための穴とは少しズレていることなどまるでお構いなしに、サカりのついた猿みたいにがっついて、へっこへっこ♥と内ももに向かって腰を打ち付けてしまっていた……

「ぐお……っ、我慢できないっ♥ イっくうぅ……っ♥」

 コレットの身体を強く抱きよせながら、さもそこが膣奥だと言わんばかりの勢いで、ぱちゅんっ♥と腰を目一杯突き出す。するとむりゅむりゅと太ももの柔心地に揉み潰されながら、俺はいとも容易く射精へ至っていた。

 放精に一瞬動きが止まるも、本当にただの一瞬。直後にはピストンを再開し、コレットの内ももに肉棒を擦りつけてしまう。

「はぁーっ♥ はぁー♥ だ、出してるのに全然収まらないっ♥ こひっ、勝手にカクカク動いてぇ……っ♥」 

 射精の余韻など訪れない。それが来る前よりも早く、次の欲求がやってくる。なんならまだ射精の最中で尿道に精液がつっかえていても、それを押しのけて新たな射精を望んでしまう。

「くはぁ……っ♥ コレット! お前、飯になんか盛ったな!?」

 流石に異常を感じた俺は、残った理性をなんとかかき集めて問い詰める。思い当たるものといえばそれくらいしかなかったが、どうやら正解らしい。

 脚を開いたみっともないがに股でへこへこ♥必死な腰振りに勤しむ俺の頭を撫でながら、コレットがにんまりと生意気な笑顔で見下ろしてきていた。

「あ、バレちゃいましたー? 実は、ちょっとしたツテで戦士用の精力剤を手に入れまして……」

「精力剤だと……っ!?」

「ええ。もちろん、普通の市場に流れているようなのとは違いますよ? 淫魔と戦うための武器として扱われている薬ですから。服用すれば三日三晩、いくらイっても勃起を維持して精液も尽きなくなる代物です。まあ、裏からの横流し品なので多少は薄めてあるでしょうけど……。長くても一晩ってとこですかね」

「はぁ、はぁっ♥ なんでそんなモン……俺に盛るんだよっ♥」

「これでセンパイに、ちょ~っとでも自信つけさせてあげたらな~って思ってたんですけどぉ……くすっ♪ やっぱりドーピングはダメですね~♥ 増強した精力に身体がおっつかなくて、すっかり発情サルじゃないですかぁ♥ 腰振りも、テク無しの勢い任せだし……センパイ、弱くなりすぎて童貞に戻っちゃいましたか~?」

「このっ、誰のせいだと思って……っ! 舐めんなよ! こうなったら今からでも膣内(ナカ)に挿れて、ヒーヒー言わせてやる……っ」

「え~、それは難しいんじゃないですかねぇ? だってほら、ほんの少し……きゅっ♥て内もも閉じてあげるだけでぇ……♥」

「おふっ♥!? おおおぉ……おぉおっ♥」

 どくんっ♥ びゅくぅ♥ びゅるるるううぅぅっ♥♥

「あはっ♪ また派手にイったもんですね♥ でも安心してください、まだまだいくらでもわたしを犯すチャンスはありますから♪ 太ももエッチの気持ちよさに打ち勝つことができたら、精力剤の力で一発逆転ですよぉ♪」

「おひっ♥ お、俺は負けにゃいっ♥ 見てろよ、こんなっ、ぁ♥ むっちりして気持ちいいだけの太ももなんかっ♥ すぐにチンポ引き抜いて……くほおぉっ♥」

 どぴゅっ♥ びゅくうぅ……ぶぴゅっ♥

「あ~あ、考え無しに腰退くからですよ? こんなに締め付けてるのにいきなり引き抜こうとしたら、モロに圧迫くらっちゃうに決まってるじゃないですか♪ 戦士なら誰でも注意を払う、基礎中の基礎防御テクニックですよ? ま、頭にセーエキ詰まった今のセンパイにそこまで求めるのは酷でしたかね♪」

「くそっ♥ くそぉ……っ♥ ダメだっ、ぜんぜんっ♥ せーえき止まんないっ♥ 腰もっ、あひ♥ もう動かしたくないのにっ♥ かくかくイってぇ……っ♥」

 出しても出しても、金玉の中身が減っている気がしない。射精している傍から精液が造られているみたいだ。睾丸がぎゅるぎゅると蠢動し、少しでも射精のペースを緩めればたちまち爆発してしまいそうな気すらしていた。

 女体を正面から力強く抱き、素早く腰を振り立てているはずなのに、俺の姿には男らしさの欠片もない。むしろ犯されながら性感に喘ぐ淫らな婦女子のようだ。

 コレットのおっぱいの谷間に顔を埋め、ふすふす♥とフェロモンを肺の奥まで取り入れて。濃厚な子種を造った傍から撃ち放つ。

 俺のペニスは太ももに搾られるがまま、まるで蛇口を全開にしているみたいに垂れ流し、出した精液はそのまま湯船に溜まってゆくのだった……


 ※※※※※※※※※


「……ふぅ~♥ 話に聞いてから、一度やってみたかったんだよねコレ♪ サキュバスが強い獲物を仕留めた記念に『浸かる』みたいだけど……」

 精力剤の効果は思いの外切れるのが早く、文字通り精根尽き果ててしまったリッツを休ませ、コレットは一人、入浴を楽しんでいた。

 一時間前までは空だった湯船は今や満杯で、リッツを一緒のお風呂に誘った『本当の目的』を達成して気持ちよさそうに肩まで浸かっている。

 ただ、その湯船を満たすのは沸かしたお湯などではなく……ドロドロと粘り付き白濁とした、人肌ほどの生ぬるい粘液であった。

「コレ、全部センパイの精液かぁ……♥ こんなに凄い量なのに、濃さも全然保たれてて……ちょっと高かったけど、やっぱりあの精力剤、買ってよかったぁ……♥」

 コレットは、リッツが一時間かけて湯船に張った精液風呂から掌で精子を掬い取ると、舌を伸ばしてれろりと舐め取る。

 すると、ぞくぞくぞくぅっ♥と恍惚の身震いに全身の肌が粟立ち、青臭い溜め息を吐き散らした。

「味、えっぐ……♥ こんなにあると、匂いも凄いなぁ……♥ くらくらして、上せそう……♥」

 戦士の試合において、決して朱が差すことのなかったコレットの顔が、性感に赤らむ。なみなみ溜まった精液の湖面の下でもじもじと内股をくねらせ、無意識に指がそこへ伸びていた。
 
「はうぅ……♥ センパイ……♥ リッツさん♥ リッツ……っ♥ アイナ先輩にも、ユリア先輩にも絶対渡さないんだから……っ♥ 二人が帰って来る前に、わたしのものにしなきゃ……あぁんっ♥」
 
 自らの膣内に精液を押し込みながら、甘い声で喘ぎ、コレットは達した。その後も彼女は精液の白濁色が己の肌に染みついてしまうほど長風呂し、リッツに及ばずながらもかなりの数の絶頂を堪能するのであった。

新入生との交流試合で恥をさらした俺は、とうとうスパー相手すら居なくなってしまっていた。

 それでも単位のためには誰かしらを相手にしなければならないが、頼みの綱であるコレットは特待生ということで、個人的な性技研究の時以外はたいてい事前に相手が決まってしまっている。

 なので俺は苦肉の策として、戦士養成の黎明期に用いられたという、粗雑なラブドール相手にセックスの練習をせざるを得なくなってしまっていた。

 本来ならば教師に見咎められる行為だが、生身の人間に相手をされない俺を不憫に想ったらしい、見て見ぬ振りをしてくれていた。

 しかしそれすらも、人形の顔にコレットを勝手に投影してしまい、普通のセックス以上はもたなかった。傍から見れば授業をサボってオナニーに夢中になっている落第生の姿だろう。

 そうして俺は何度かの射精を終えて、少し落ち着いてから、コレットの方をちらりと見やると、彼女は珍しく後背位で後ろから責め立てられていた。

「あんあ~ん♥ すっごぉ~く気持ちいいですよ~♥ その調子でパコってくださ~い……くすくすっ♪」

 対戦相手の男子生徒は尻肉を鷲掴みにし、必死になって腰を振り立てるも、コレットは明らかな演技が鼻につく、余裕のウソ喘ぎで悠々と受け流す。

 そしてプライドを刺激された男が勝負を焦り、ピストンを早めると……コレットはその絶妙のタイミングで腰を捻り、相手から絶頂を引き出し勝利したのであった。

 雄の動きを手玉に取られながらの絶頂、戦士としては屈辱的なやられ方なのに、男は幸せそうにコレットの背中にしなだれかかり、種付けの余韻をかみしめてしまっている。

(…………っ)

 その時の、コレットに抱きつく男子生徒の様子が、俺は妙に気に障っていた。

(あいつ……あんな好き放題中出ししたんだから、さっさとどけろよ! 負けた癖に……!)

 胸の奥底にどろりと塗炭の如く粘り着く、その後ろ暗い感情は、紛れもなく嫉妬であった。  

 ……戦士として活動する以上、異性との性行為など日常茶飯事、むしろ訓練の一環として推奨されてしかるべき事だ。

 たとえアイナが他の男と交わっていたとしてもそれは戦士として当然の行為であるし、アイナも俺が他の女性と交わったところで、特段気にすることはないだろう。

 ――今までは、そうやって割り切ることができたはずなのに。アイナにすら抱いたことのない感情を、コレットに向けてしまっている自分自身に、俺はひどく戸惑いを覚えた。

 そして嫉妬の炎は、ムラリと情欲の灯火へと変わっていったのであった。

俺とアイナが一緒に暮らしていた頃、寝室は別々に分けていた。元々は余っている部屋を少しでも有効に使うためという俺の貧乏性由来な理由だったが、その流れでなんとなくコレットとも寝室を別にしている。

 コレットが奔放かつ悪戯好きな性格をしているとはいえ他人のプライベートは尊重するらしく、俺は必要十分な安眠を享受できていた。

 しかし今晩、俺は自らその聖域を壊すこととなる。

「ふー……ふー……っ♥ ムラムラ全然収まらない……っ♥ 俺がこんなにつらいのに、スヤスヤ気持ちよさそうに寝入りやがって……っ♥」

 訓練で使うベッドとは二回りも小さい就寝用のベッドで、コレットは静かに寝息を立てていた。
 
 俺は起こさぬよう静かに布団を剥がすと、慎重に彼女の寝間着の下をずらして性器を露わにさせる。

 ――俺がこれからやろうとしていることは、つまるところ夜這いであった。

 昼間の授業ではまともに練習試合も組んでもらえず、夜、家に帰ってからもコレットに一方的に嬲られ続ける。

 お互いの実力差が埋まらず、日が経つに連れむしろどんどん開いていく。そんな生活に以前から漠然とした不安と焦りを抱いていたのが、今日自覚してしまった嫉妬の想いで、一気に爆発した。

 ……俺は、コレットのことが好きだ。他の男に取られたくないくらいに。他の男とセックスしていることが、許せないくらいに。

 しかし俺は、コレットの実力に見合う強さを備えておらず、即ちそれは彼女を性的に満足させることができないことを意味する。戦士とのセックスは普通の人間だと相手にならず、下手すれば普通の人間以下の俺が、彼女を満たすことができるなど到底不可能だ。

 俺はそのことを誰よりも痛感していた。だからこそこうして夜這いという、相手が寝ている無防備な瞬間を狙って、せめて己の歪んだ支配欲を満たす外無いのだった。

 男として卑怯かつ、格好悪いことこの上ない。もしアイナが見ていたら、引っ叩いてでも止めるだろう。ユリアの場合は、豚を見るような冷たい軽蔑の眼差しを向けてくるだろうか。

 だがそれら二人の姿を思い描いても、濁流の如き膨大な性欲が上から塗りつぶしてしまう。

「ごめん、アイナ……っ!」

 自分とは違い、見知らぬ地で戦士として活躍しているであろう幼馴染へと意味のない謝罪を口にしながら、俺はコレットの身体に覆いかぶさった。今にも弾けそうなくらいに怒張したペニスを重ね、柔らかな肉の洞穴へと埋めていく。
 
(あ……そういえば、このベッド……っ、いつもアイナが寝てた……っ!)

 そのことを思い出したのは、竿が半分以上沈んでからのことだ。

 訓練用のベッドとは違う、幼馴染が毎晩身体を預けてきた寝具の上で別の女と、戦士ではなく一匹の雄として交わろうとしている。言い知れない罪悪感と背徳感が胸を貫くが、今やその疼きにすらも興奮を抱いてしまい。

 じゅぷぅ……♥と茎元まで呑み込まれる頃には、俺の頭からアイナの姿は霧のように頼りなくかき消え、代わりに目の前の、コレットの可愛らしい寝顔が占領していたのだった。

「はぁはぁ……♥ 毎晩、毎晩……っ、俺のことを弄びやがって……っ♥ 少しは手加減ぐらいしろってんだ……っ! うっ♥ 気持ちいい……っ♥」

 夜這いに来たのに起きては欲しくないという自分勝手な臆病から、俺はなるべく結合部以外で触れないよう、背を反らし気味にして慎重に腰を揺すり立てた。

 さしもの名器も意識が無ければその威力は半減、しかしその構造自体が雄を悦ばせるのには十分過ぎる。ゆっくりと気遣った抽挿であっても、肉粒がぷりゅり♥とカリ首を撫でる快感に溜め息を禁じ得ない。むしろ彼女の肉体を丹念に味わっているようで、ひどく興奮する。

 それよりなにより……コレットの手玉に取られず、己の意思でもって犯しているという事実が俺をいつも以上に昂らせていた。メラメラと、あるいはドロドロと、心に粘り付く塗炭を燃やしたみたいに、盛り付いてたまらなかった。

「特待生と留年生なんて、まともな試合になるわけないだろ……! お、お前なんて、寝てるぐらいがちょうどいいハンデなんだよ……っ♥」

 ぬち、ぬちゅ、ぬちゅ……♥ 短くするよう努めていたストロークが、前後を経るに連れ段々と大振りになってゆく。自分でも知らないうちに太もも同士をくっつけて、体重をかけて奥へとのめりこんでしまっていた。

 大量に先走りが溢れているせいか、なんだか中のぬめりも増している気がしてきて。ぐちょぐちょと肉壁に舐めずられているような手応えに、俺は夢中になって抜き差しを繰り返す。

「お前から同棲なんて言い出したから……っ、俺もすっかりその気になっちまって……! 俺が練習相手にも苦労してるってのに、お前は他の男と呑気にセックスしやがって……はぁっ♥ んっ、くふぅ……♥」

 膣ヒダの一枚一枚を亀頭がかきわけ、くぐるたび、快感はどんどん俺のペニスに堆積していった。その快楽の重みに引っ張られるように、上半身も沈んでいってしまう。弾力豊かなコレットの胸元に頭を預け、ふーっ♥ふーっ♥と熱い鼻息を吐き散らす。

「俺以外の男とセックスするなんてイヤだ……っ♥ コレット、俺だけを見てくれ……お願いだから……っ♥」

 ……いつしか俺はコレットの肉体に溺れ、練習で彼女に誘導されている時のような、カクカクとみっともない腰つきになってしまっていた。

 手加減どころか、指一本すら動かせない意識の無い相手にさえ適わず、サカリのついた子犬みたいに、劣情に憑りつかれた浅ましい動きを繰り返す……これでは、昼間にセックスドールとまぐわっていた時と変わらなかった。

 しかし、なぜだろう。同じく惨めな行為のはずなのに、人形相手と比べて、こんなにも心が満たされるのは。

「ああぁ……♥ 好きだ、コレット……♥ 好きすぎて、おかしくなる……っ♥ 愛してるっ♥ 愛してるうぅ……ううぅっ♥」

 ぐぐぐ、と睾丸からやってきた精液が肉棒を押し上げる独特の感触に思わず、俺はコレットに抱き付いてしまっていた。

 背中に腕を回し、寝間着越しの肌と肌とを限界まで密着させ、恋人みたいに熱い抱擁。……とうとう俺は、アイナにも聞かせたことのない愛の言葉を囁き、己自身を根本深くまで埋没させる。

 すると不意に、きゅぎゅうぅ……っ、と周りの肉が、お返しとばかりに締まり付き――

「う、ヤバっ、出る……くううぅ……っ♥」

 ……どくっ♥ どぷどぷっ♥ びゅくっびゅるるううぅぅっ♥

 腰を退く間も無く、むしろ引きずり込まれるようにして。俺はコレットの肉壺にペニスをぐっぷり♥と咥え込まれながら、どくどくと精を放ってしまっていた。

「コレットっ♥ 好きだぁ……っ♥ このままずっと俺の側に……くはああぁ……っ♥」

 ぶるっ♥ぶるっ♥と腰を震い悶えさせ、愛の言葉と一緒に子種を送り込む快味は、今まで味わったことのないほど壮絶で、脳が焼かれる気すらした。

 ペニスが馬鹿みたいに暴れて、肉壁の天井に尖端をにゅるにゅる擦り立てられる。男の最も敏感な瞬間を狙い撃ちする刺激に俺は、溺れた者が木板に縋るように、コレットに強くしがみついた。しがみつきながら、膣内を白濁でとっぷり満たしていく。

 ――心の底から好意を抱く相手への中出しが、こんなにも気持ちいいなんて。

 もはや俺はコレットの上で、身動きが取れなかった。本能に繁殖を命じられた肉の機械みたく、彼女と子作りすること以外、考えられないでいた。

 目を閉じてすやすやと寝息を立てる、可愛らしい寝顔を見ているだけで金玉がぎゅるぎゅる蠢いて、精子が製造されてゆく。女性の寝込みを襲うのが最低な行為だと理解していても、この顔を見ながら射精できるというだけで、俺の中の倫理を手放すには十分だった……

「……ふーっ……、はふぅ……っ♥ なんか、いつもよりめっちゃ出た気する……♥ んっ♥ 残り汁まで……漉し出されて……っ♥」

 射精があらかた落ち着くと俺は、全てをやり遂げたみたいにコレットの胸に顔を突っ伏していた。

 息を吹き返すように、ひくっ♥ひくんっ♥と俺のペニスはまだ小さく脈打っている。まるで、射精が終わってしまうことを寂しがっているみたいに。

 とろとろと、精液がどこまでも滲み出てくる極上の余韻。すっかり酔いしれてしまった俺は満足気な溜め息を吐き、そこで大きな胸の肉が邪魔で呼吸がし辛いことに気づく。

 そうして、胸元から上げた頭と一緒に開けていく視界は……ぱっちりと眼を開けたコレットの視線と、正面からかち合った。

「おはようございますセンパイ。……朝にはまだ早いんじゃないですか?」

「おまっ……いつから起きてっ!?」

「んー、部屋のドア開けた時から。……ていうか、よくそんなこと言えますね? 抱き付いた挙句に中出しして、たっぷり余韻まで噛み締めちゃってるじゃないですか。起こすつもりが無かったことに驚きですよ」

 怒るのも馬鹿馬鹿しいと言わんばかりの溜め息に鼻先を撫でられた俺は、気まずさのあまり顔を逸らしてしまう。コイツの前で晒す恥なんて、もう尽きてしまったと思っていたが……指オナホで弄ばれた時よりも、パイズリフェラで瞬殺された時よりも、いまこの瞬間が最も恥ずかしい。

 嫉妬に歪んだ愛情から夜這いに走り、ただ寝ているだけの相手にろくに性欲を堪えることもできず、無様に縋りついての射精なんて――

「うぅ……すまんっ、すぐ離れるから、とりあえず身体洗って――」

 自分で自分が情けなくなった俺は、とにかくコレットの前から消えてしまいたかった。密着させていた上体を起こし、ペニスを引き抜こうと腰を退く。

 しかし……

「逃がしませんよ、センパイ」
  
 コレットの脚が俺のでん部に絡んで逆に、ぐぐっ、と引き寄せてしまう。

 それは射精間際で逃げようとする男を絡め取り、膣内射精という甚大な快楽ダメージを与えるための戦士の技術で、俺も何度も泣かされてきた経験がある。だがこの時は、別の意図が込められている感じだった。

「自分だけ好き放題気持ちよくなって、出してスッキリしたら知らんぷりして行っちゃうなんて……それが、好きな女の子にすることですか?」

「いや、それはなんていうか、その場の勢い――」

 気恥ずかしさから出かけた言葉を遮るように、コレットの腕が伸びてくる。腕は首に回され、そのまま腰と同じく抱き寄せられた。

 ぐっと顔同士の距離が詰まる。互いの息遣いが聞こえる。吐息の香りすら、嗅げる近さだった。

「センパイ、なんでそんなに意地張るんですか? 別に戦士同士で恋愛したっていいじゃないですか。仮に戦士じゃなくなっても、好きな気持ちが変わるわけじゃないですよね。……どうしてですか」

 その時コレットが見せたのは、隙あらば弄んでくる憎らしい後輩の顔ではなかった。俺と初めて会った娼婦時代の、達観の裏に己ではどうしようもできぬ理不尽への漠とした不安を孕んだ、真剣な顔であった。彼女が戦士養成学校に入学してからは、覗かせることのない顔であった。

「……それは」

 彼女らしからぬ鋭い視線に射すくめられた俺は、先の言葉の続きを言い淀む。代わりの言葉を口の中で探すも、用意できるのはみっともない自分を隠したいだけの言い訳ばかりで。

 目を瞑り、細く息を吐く。泡みたいに浮かんできた雑多な思考を追い出すみたいに。ペニスは未だ挿入されて熱いままなのに、頭だけは自分でも奇妙に思うほど冷静だった。

「……もし普通の人間が、戦士と付き合うなり、結婚なりするとしよう。片や、性の訓練をみっちり三年間練り上げた、淫魔にも通用するテクニックの持ち主。片や、まともな性経験など両手の指で収まる程度しか持たない一般人。……相手になると思うか? 好きな女をまともに感じさせることもできず、セックスの時に手心を加えられ、一方的に自分だけが気持ちよくさせられる。……お前なら、耐えられるか?」

「ああつまり、女の子とのエッチで相手を満足させられないのは、男としてどうかってことですね」

「……どうせ、みみっちいこと気にしてんなーとか思ってんだろ。でもな、俺は――」

「いいえ。思いませんよ。立派な志です」

 竹を割ったようなきっぱりとした否定が返ってきて、俺は少し驚いた。どうせからかわれるものと覚悟していただけに、意外な反応だった。

「それにセンパイは弱くなんかありませんよ。少なくとも、私にとっては」

「……憐れまないでくれ。こんなザマでも、これ以上惨めな気持ちになりたくないんだ」

「別に、慰めで言ってるわけじゃないですよ? 言葉通りの意味です。……ニブチンなセンパイに、分かりやすく教えてあげましょうか」

 そう言うとコレットは、絡めていた脚の力をふっと緩める。

「腰、振ってみてください。さっきみたいに」

「へ? さっきみたいに……たって、いま出したばかりでそんな――」

 その言葉の続きは、切ない喘ぎに変えられた。淫壁が、ちゅぅっ♥とペニスに吸い付いて、甘く勃起を促してきたのだ。

 ここまでお膳立てされて逃げ出すほど、腑抜けてはいない。俺は戸惑いながらもコレットを抱きなおし、狭まった膣内を己のモノで往復する。

 肉の天井を擦り上げるよう、上へと逸っていくよう腰を突き出し……間を持たせ、ねっとり丁寧に引き抜く。ぱんっぱんっ、と体重を乗せて腰を振り抜き下腹に響くぐらいの衝撃を与えてから、優しくとん、とん、とん、と先っぽで最奥の性感帯を刺激してやる。時には前後の動きに捻りを交え、乳房を揉みしだくのも忘れない。

 挑まれたからには格好悪いところは見せられないと、俺は今までの学校生活で培ってきた技術を総動員し、少しでもコレットを気持ちよくさせるよう努力した。セックスバトルで勝つことは叶わなくとも、喘ぎの一つぐらいは引き出せるはずだった。

 しかし……コレットは憮然とした面持ちで、必死になって腰を振り立てる俺の顔を見上げるだけ。身じろぎ一つしない彼女を前に俺は、心臓を締め付けられるような焦燥を覚えていた。

 このままでは、嫌われてしまう。やっぱり俺みたいな留年性じゃ、天才のコレットに釣りあわないのか――

 そう諦めかけた時。コレットは俺の頭をそっと抱き寄せ、耳元で囁いてきた。

「……違います。さっきみたいに、激しく。戦士の技術とか全部忘れて、男の子むき出しでがっついてきて」

 ぞくりと、雄を滾らせる声色だった。生温かな吐息に乗せられた艶のある音は、萎えかけていた俺の気力を復活させると共に、男性器をも硬く膨らませた。

 ……もう、こうなればヤケだ。ダメで元々だ。

 俺はコレットの柔らかな身体に、全身で強く抱き付いた。そうして身体同士を限界まで密着させながら、かくかくかくっ♥と短いストロークで腰を振り立てたのだった。

「はぁ、はぁ……っ♥ ぅっ、ふぅ……♥ んっ、くう……っ♥」

 雌の膣内に精液を放つためだけの、動物じみた浅ましいピストンは、頭で色々考えながら腰を振っていた時の数倍は気持ちよかった。

 熱くとろけた肉に、ペニスをじゅぷじゅぷとめり込ませる感触に吐息が自ずと弾む。かき混ぜる度に肉ヒダがねちっこく竿に纏わりついてきて、この快感に抽挿を半ば強いられてすらいた。

 お尻を不器用に浮かせては、へっこへっこ♥ ぬっぱん♥ぬっぱん♥ 間抜けな衝突音を響かせて。

 自分よがりで雑な腰打ちは、夜這いしたときよりもひどく、もしこれが学校の試験ならば確実に落第点を食らうだろう。

 しかし……俺の予想とは裏腹に、コレットの呼吸は乱れ、徐々に色艶を増していったのだった。

「せんぱぁい……わたしのこと、どう想ってるんでしたっけ……? ちゃんと聞かせてくださいよ……」

「……す、好き、だ……」

「……ふふ。もう一回……♥」

「……好き……っ」

「その他には、何て言ってましたっけ?」

「あ、あー……その……あ、愛してる、だ」

「んっふふ♥ そう……センパイは、わたしのことが好き……愛してる……♥ もっと聞かせてください♪ さっきは腰振りながら、必死で口にしてたんですから。……さっきみたいに、シテください」

「ううぅ……す、好きだ、コレット……っ♥ 好き……っ♥ 大好き……っ♥ 愛してる……コレットっ♥ 愛してる……!」

「んっ♥ あぅ……っ♥ も、もっと言って……っ♥ 好き……っ、愛してる♥ ぁんっ♥ 世界で一番愛してる、センパイっ♥」

「あ、あぁっ♥ 好き、好きっ♥ 愛してるぞコレットっ! もうお前以外考えられないっ♥ コレット! コレットぉ……っ♥」

「んあっ♥ せん、ぱい……っ♥ わたしも、好きっ! もっときてっ、激しく……してぇ……っ♥」

 まるで獣の鳴き声みたいに愛を叫び続け、狂ったように腰をパコパコ打ち付ける。童貞の少年となんら変わらない、稚拙なセックス。

 そんな拙い責めに、コレットは初めて耳にするような艶かしい喘ぎを溢れさせていた。少なくともこの家で一緒に住むようになってからは、聞いたことがない。

「ひんっ♥ き、気持ちいいです、せんぱいっ♥ チンポで、ナカ擦って、ぁんっ♥ ビクビクって奥のほう、ぁっ♥ 震えて、ダメっ♥ んぁ、止めないでっ♥ 好き好きって腰振ってくださいっ♥ もっと、愛してるってしてください……っせんぱい♥」

 昼間、他の生徒相手に見せた嘘喘ぎとは全く異質の迫真さは、本気で感じているようにしか見えなかった。こんな俺の、学校最弱の下手くそなセックスで善がっているなど、とても信じ難かった。

 しかしコレットの喉から爪弾かれる嬌声は段々と甲高く、断続的なものになっていった。小さな身体を俺の腕の中で身悶えさせて、その裡側も、子種が欲しくてたまらないとばかりにぐにゅぐにゅうねって、肉棒を滅茶苦茶に吸いしゃぶるのだ。

「うぉ、これヤバ……もう、出る……っ!」

 そしてたまらず、俺が射精を訴えた直後――

「センパイ……っ、リッツ、さん……っリッツ……♥♥」

 コレットの脚が腰に抱き付いてきて、ぎゅっ♥と膣内深くへと誘い込んできた。腕も背中に回して完全に固定し、心の底から子作りを受け入れた雌の仕草であった。

 次いで肉壁が別の生き物の如く大きく波打ち、びくっ♥びくんっ♥と痙攣を来す。戦士として何度も体験してきた、絶頂に至った雌器の反応。ただでさえ射精間際だった俺のペニスはその激しい収縮に揉みくちゃにされ、それが最後の一押しとなった――

「出すぞ、コレット……このまま中にっ! くうぅ……っ♥」

 どぴゅっ♥ どく、どくどくっ♥ びゅくっ、びゅるるるううぅぅっ♥♥

「んっ、アツ……っ♥ センパイのどろどろで濃いの、お腹の中で、はじけて……♥ ん、ぁむっ♥」

「んぐっ!?♥」

「むちゅ、ぷちゅ♥ はぷ♥ んっ♥ ん♥ んちゅっ♥」

「んむぅ……っ、コレッ、ひょ……むぐっ」

「んふーっ♥ ふーっ♥ んちゅ♥ ちゅぱっ♥ むちゅむちゅぶちゅっ♥ れっろぉ……んろんろっ♥」

「んんん-っ!? ん……んっ♥ ……っ♥ ――っ♥」

 ……俺が自分の好き放題に腰を振りたくった、そのお返しとばかりに。射精と同時にコレットは、俺の口を激しく貪ってくる。

 後頭部に回した腕で頭を抱き寄せ、端正な形をした唇が潰れてひしゃげるぐらい強く押し付け、ぶちゅぶちゅと。淫らな水音は口腔内へと潜っていき、舌がのたうつ蛇のように暴れ、俺の口中、粘膜の至るところをぢゅろぢゅろと舐め回していった。

 彼女が得意としていた口技など見る影もない、乱暴で淫奔な性欲任せの接吻。しかしその熱烈なキスは、燃え盛る炎の如く呑み込み、俺が股間のほうで射精に勤しんでいる間ずっと、永遠と思えるほど長く交わされたのだった……

「――んはぁ……♥ ……わたしの負け、ですね。センパイより先に……しかも二回、イっちゃいましたから……♥」

 ちゅっぽん♥とようやく唇が剥がれたのは、射精が終わってからたっぷり十秒以上経ってからのこと。

 キスの最中にもコレットは軽い絶頂へ至り、それでも舌を引っ込めることはしなかったが、おかげで二人して腰が抜けてしまっていた。

「ふあ……あ……っ♥」

 中出しの余韻に全身が痺れ、俺はコレットの上に覆いかぶさったまま、指一本動かすことができないでいた。

 そんな惚けきった俺に、コレットはにっこりと、いつもの笑顔を向けてくる。

「これで分かりましたか? 女の人を気持ちよくするのに、技術なんていりません。快感に弱くたって関係ありません。……愛があれば、充分なんですよ」

 愛。耳にするだけで、胸の裡がくすぐったくなるような言葉だった。本当にそんなもので勝てるのであれば苦労はしない。そんな使い古された陳腐な言い回しも、学校最強のコレットが口にすると、不思議と説得力があるように感じられる。それは、俺のことを本気で愛しているからこそ生まれる言葉の重さであった。

 ――もし試合ならば、戦意を失わせたこの時点で、俺の勝ちということになるのだろう。

 しかしあれほど渇望していたはずの勝利の実感はなく、逆に敗北の喪失感もない。

 戦士として戦うためのバトルファックではなく、初めてまともに女と交わった気持ちだった。

 アイナともしたことがない、ユリアですらこの境地には導けない。

 好き合う者同士が互いを求め合うという、人間として自然な営みによる満足感が、俺を満たしていた。

「……なあ、俺達、その……付き合う、ってことでいいんだよな……?」

「え、今更ですか? あんだけ好き好き言い合っていちゃラブえっちしたのに。むしろ恋人じゃないってことあります? 同じ屋根の下に暮らして毎晩手料理食べさせてもらってセックスして。もはや結婚してないだけの夫婦でしょ」

「ふ……っ!? ま、まあいいや。だけど、そこまで考えてるんだったら……やっぱり、俺以外の男とヤるのは、できれば控えて――」

「あ、それは無理です。わたし、戦士を辞める気はないんで。そこは割り切ってもらわないとですねー」

「……そりゃそうだよな。すまん。忘れてくれ」

「……その代わり」

 コレットは、俺の頬を掌で優しく撫でて続けた。

「私は今から戦士として、絶対に負けません。どんな奴が相手でも満足なんてゼッタイしません。万が一イかされたとしても、『イってねーよバーカ!』ってごね倒します。自分で負けを認めなければノーカンです」

「んな無茶苦茶な……」

「つまりこの世の男で唯一私に勝てるのは、センパイだけです。誰にも負けない最強のわたしに勝てるセンパイは、自動的に一番強い戦士になります。それで手を打ちませんか?」

 どこからどう聞いても暴論だ。しかし無理やりな理屈でも、俺の事を立ててくれるのが嬉しかった。……この女のためなら、人生を捧げてもよいと、そう思えた。

 そしてこれから先、このエロい身体を恋人として扱えるという自覚が芽生えた途端、現金なことに俺の肉棒はコレットの中でむくむくと勃ちあがってしまう。

「……次は、わたしが上になりましょうか♪ ヤられっぱなしっていうのも癪ですしね。……明日は二人で仲良く学校お休みです。恋人以外にはしないって決めてたこと、これから全部センパイにしてあげますからね。覚悟しといてください……♥」

 そう宣言し、俺をベッドに押し倒す彼女の笑顔は、暗い中でもよく分かるほどに憎たらしくて、他の何よりも眩しくて。

 試合相手に本気で恋心を抱くというのは、戦士としてはこの上ない敗北なのだろう。

 だがそれでいい。俺はもう、戦士ではないのだから。コレットと共に歩み、彼女を支えると決めたのだから。

「言ってもしょうがないと思うが……お手柔らかにな」

 コレットが俺の腰に跨り、深くお尻を落とす。手心を加える気はないらしい。

 強烈な快感に俺が悶えていると、彼女はゆっくりと唇を落とし、鳥の羽根が着地するように触れてくる。

 テクニックなど一切介在しない、しかし優しい、恋人同士のキスであった。

――終わり